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資料1 「スポーツ基本計画」の骨子(その1)(案)

第1章 スポーツをめぐる現状と今後の課題

1.背景と展望

(1)我が国の社会の現状と目指すべき社会像

  (我が国社会の変化)

  • 少子高齢化や情報化の進展
  • 地域社会の空洞化や人間関係の希薄化
  • 東日本大震災の発生と復旧・復興

       社会の持続的発展

  (目指すべき社会像)

  • 次代を担う青少年が、他者との協同と規律を学びつつ健全に育成される社会
  • 地域に深い絆が存在する社会
  • 人々が健康に長寿を享受できる社会
  • 国際的に尊敬される国

(2)スポーツ基本法の制定~背景とスポーツの果たす役割の明確化~

  (「スポーツ振興基本計画」の課題)

  • 子どもの体力の傾向(二極化の問題等)
  • 生涯スポーツ機会の向上(スポーツ実施率45%)
  • 国際競技力の向上(メダル獲得率目標値未到達)

  (新たな課題の発生)

  • ガバナンスの向上やドーピング防止
  • スポーツ仲裁等のスポーツ界の透明性、公平・公正性に対する要請
  • プロスポーツの発展
  • 国際化の進展

  (「スポーツ基本法」の制定)

  • 同法によるスポーツ権の確立
  • スポ-ツの多面的な役割の明確化(青少年の健全育成、地域社会の再生、心身の健康の保持増進、社会・経済の活力の創造、我が国の国際的地位の向上等)

(3)スポーツを通じて目指すべき社会~すべての人々がスポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことができる社会~

  「すべての人々がスポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことができる社会」(「スポーツ立国」)の具体的な社会像は以下のとおり。

  1. 青少年が健全に育ち、他者との協同や公正さと規律を重んじる社会
  2. 地域の人々の主体的な協働により、深い絆で結ばれた一体感や活力がある地域社会
  3. 健康で活力に満ちた長寿社会
  4. 国民が自国に誇りを持ち、経済的に発展し、活力ある社会
  5. 国際的に信頼され、尊敬される国
  6. スポーツに係る多様な主体の連携・協働によりスポーツの発展を支える好循環が創出されている社会

    こうした社会の実現を通じて、スポーツの意義や価値が広く国民に共有され、より多くの人々がスポーツの楽しさや感動を分かち互いに支え合う「新たなスポーツ文化」を確立。

2.スポーツ基本計画の策定

  • 「スポーツ基本計画」は、「スポーツ基本法」の理念を具体化し、今後の我が国のスポーツ政策の具体的な方向性を示し、「スポーツ立国」を実現していくための重要な指針。
  • スポーツの果たすべき役割を踏まえ、「スポーツを通じて目指すべき社会」を実現するための基本方針を整理し、具体的な施策を体系的に提示。
  • 計画の期間は10年間程度を見通した5年間とし、期間経過後の達成度を施策の評価・改善に活用。
  • 10年間を通じた基本方針を明らかにするとともに、今後5年間に総合的かつ計画的に取り組む施策を体系化。

第2章 今後10年間を見通したスポーツ推進の基本方針

  • 年齢や性別、障害等を問わず、広く人々が、関心、適性等に応じてスポーツに参画することができるスポーツ環境を整備することを基本的な方針としつつ、第3章では、次の政策課題ごとの基本方針に対応する政策目標を設定。
  • 「する人」だけではなく、「観る人」、「支える(育てる)人」にも着目。 
  1. 青少年の体力を向上させるとともに、他者を尊重しこれと協同する精神、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培い、実践的な思考力や判断力をはぐくむなど、人格の形成に積極的な影響をもたらし、次代を担う人材を育成するため、子どものスポーツ機会を充実。
  2. 人と人との交流及び地域と地域との交流を促進し、地域の一体感や活力を醸成し、人間関係の希薄化等の問題を抱える地域社会の再生に貢献するため、住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境を整備。
  3. 心身の健康の保持・増進を図り、健康で活力に満ちた長寿社会を実現するため、ライフステージに応じたスポーツ活動を推進。
  4. 国際競技大会における日本人選手の活躍を通じ、国民に誇りと喜び、夢と感動を与え、国民のスポーツへの関心を高め、我が国の社会に活力を生み出し、国民経済の発展に広く寄与するため、国際競技力の向上に向けた人材養成・スポーツ環境を整備。
  5. 国際相互理解を促進し、国際平和に大きく貢献するなどにより、我が国の国際的地位を向上するため、オリンピック・パラリンピック等の国際競技大会の招致・開催等を通じた国際貢献・交流を推進。
  6. 才能ある若い世代が夢や希望を持ってスポーツ界に進めるなど、誰もが、安全かつ公正な環境の下でスポーツに参画できる機会を充実するため、スポーツ界の透明性、公平・公正性を向上。
  7. 地域におけるスポーツを推進する中から優れたスポーツ選手が育まれ、そのスポーツ選手が地域におけるスポーツの推進に寄与するというスポーツ界の好循環を創出。

第3章 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策

1.学校と地域における子どものスポーツ機会の充実

政策目標:今後10年間で子どもの体力が昭和60年頃の水準を上回ることを目ざし、当面、体力の向上傾向を維持し、確実なものとする。また、スポーツを行うこと、見ること、支えることなどを通して、子どもたちがスポーツに積極的に参画できる環境を実現する。

(1)幼児期からの子どもの体力向上方策の推進

 1施策目標:

 全国体力・運動能力等調査等による検証を行いつつ、子どもが積極的に外遊びや運動・スポーツに親しむ習慣や意欲を養い、体力の向上を図る。

 2現状と課題:

  • 子どもの体力は、平成13年から約10年間にわたり、概ね横ばい又は向上傾向がみられるが、体力水準が高かった昭和60年頃と比較すると、基礎的運動能力は依然として低い状況にある。
  • 近年顕著に積極的に運動する子どもとそうでない子どもの二極化が認められ、運動をほとんどしない子どもが多くいる。
  • 小学校低学年においては、体力の明確な向上傾向は認められない。
  • 運動・スポーツの実施時間が長いほど、体力水準が高い傾向が認められる。
  • 家庭でスポーツをする・見る・話す子どもの体力水準は高い。
  • 日本学術会議は、関連学術団体及び行政が一体となって、幼児の生活全体における身体活動等の指針を緊急に策定することを提言。
  • 運動をする子どもとしない子どもの二極化の傾向が近年顕著に認められ、その傾向は小学校の早い段階から認められることから、幼児期から積極的に運動に親しむ習慣を身に付けさせることが必要。
  • 運動習慣や望ましい生活習慣を身に付けさせるためには、環境づくりが重要であり、学校だけでなく、家庭や地域における体力向上方策が必要。

 3今後の具体的施策展開:

    (主な施策の方向性)

  • 幼児期からの運動やスポーツに取り組む習慣や望ましい生活習慣の獲得のための取組を支援。
  • 子どもの体力向上に関する保護者への普及啓発を推進。
  • 「全国体力・運動能力等調査」等に基づく、運動実施率の低い女子等に対する取組をはじめとした検証改善サイクルの確立の促進。
  • 年齢や性別に応じた運動・スポーツの促進や体力向上方策等について、スポーツ医・科学の積極的な活用を推進。

(2)学校の体育に関する活動の充実

 1施策目標:

  教員の指導力の向上やスポーツ指導者の活用等による指導の充実、運動部活動の活性化等により、児童生徒にスポーツの楽しさを味わわせるとともに、体力の向上を図る。

 2現状と課題:

  • 近年顕著に積極的に運動する子どもとそうでない子どもの二極化が認められ、運動をほとんどしない子どもが多くいる。
  • 改訂された学習指導要領においては、発達の段階のまとまりを踏まえた指導の体系化を図り、小・中・高等学校を見通した指導内容の系統化が図られた。
  • 中学校における武道・ダンスの必修化に伴う指導の充実が求められているとともに、武道場の整備率については、増加しているものの伸び率は低い。
  • 小学校では、体育・保健体育の授業において体育の専門性を重視した指導が十分に実施されていない実態がある。また、ほとんどの教員は全教科を指導しているが、高齢化も進み、体育の授業に不安を抱えている教員が存在する。
  • 地域のスポーツ指導者の活用は有効であるが、活用実態は低い状況にある。
  • 中学校における運動部活動への所属生徒数は減少しており、所属率もほぼ横ばいで推移している。
  • 体育の活動中の事故については、毎年度死亡やけがを負う事例が報告されている。
  • グラウンドの芝生化の整備率は、上昇しているものの、全体としての整備率は低い。
  • スポーツ基本法の制定を踏まえ、障害のある子どものスポーツについて、障害の種類や程度に応じた配慮が求められている。
  • 運動に親しむ資質や能力が十分に育成されていないことが懸念されることから、地域スポーツや競技スポーツの基盤という観点からも学校における体育の一層の充実が必要。
  • 改訂された学習指導要領においては、小・中・高等学校を見通した指導内容の体系化が図られ、中学校1・2年生で武道・ダンスが必修化されたことから、指導体制及び施設の更なる充実が必要。
  • 小学校においては、体育に関する指導に困難を感じる教員が少なくないことから、小学校における体育の支援を行う専門的な人材の配置等、支援体制の充実が必要。
  • 体育の活動において、安全対策を講ずる際のスポーツ医・科学の積極的活用が必要。
  • 運動部活動は、部活動加入率は横ばいであることから、生徒等のニーズ等に応じた多様なスポーツに親しむ機会を充実させるための工夫が必要。
  • 地域のスポーツ指導者を活用する場合の学校との円滑な連携について、派遣に関する体制が整っていない学校もあることから、これまでの経験や取組を踏まえた一層の工夫が必要。

 3今後の具体的施策展開:

  (主な施策の方向性)

  • 教員の指導力の向上、地域スポーツ指導者の活用等による指導の充実方策の推進。
  • 武道等必修化に伴う指導体制・施設の充実。
  • 多様な生徒のニーズ等に対応できる運動部活動の運営等の改善・充実。
  • 耐震化・グラウンドの芝生化等学校体育施設の充実。
  • 障害のある児童生徒のスポーツ活動への必要な配慮等に向けた取組。
  • スポーツ医・科学を活用した体育活動中の安全対策の推進。

(3)子どものスポーツ活動を推進するための環境整備

 1施策目標:

  地域社会全体が連携・協働して、総合型地域スポーツクラブをはじめとした地域のスポーツ活動により、子どものスポーツ機会を一層創出する。

 2現状と課題:

  • 近年顕著に積極的に運動する子どもとそうでない子どもの二極化が認められ、運動をほとんどしない子どもが多くいる。
  • 子どものスポーツや外遊びの環境について、自身(親)の頃を比較して、悪くなったと思う者の割合が高い。また、今以上に運動やスポーツをしたいと思っている子どもの割合は高い。
  • 総合型地域スポーツクラブの課題の一つとして、子どもを含めた会員の確保が挙げられる。
  • 地域のスポーツ活動として、多くの小学生がスポーツ少年団で活動しているが、中学生の加入率は低い。
  • 地域における子どもたちのスポーツ活動の場として期待される総合型地域スポーツクラブにおいては、指導者の確保が大きな課題である。また、学校部活動との連携も課題として挙げられている。
  • 学校における地域のスポーツ指導者の活用は有効であるが、活用実態は低い状況にある。
  • スポーツ基本法の制定を踏まえ、障害のある子どものスポーツについて、障害の種類や程度に応じた配慮が求められている。
  • 子どもが体を動かす楽しさを味わい自発的に体を動かすことができるようになるよう、学校、総合型地域スポーツクラブ、スポーツ少年団、スポーツ・レクリエーションの関連団体等、子どもを取り巻く地域社会全体が一体となったスポーツ機会を充実するためのスポーツ環境の整備が必要。
  • 地域や学校で活躍できる指導者の養成・確保のための一層の環境整備が必要。

 3今後の具体的施策展開:

  (主な施策の方向性)

  • 総合型地域スポーツクラブと学校との連携等、社会全体で連携・協働したスポーツ環境の充実の取組を推進。
  • 地域や学校で活躍できる指導者の養成・確保・有効活用化の促進。
  • 青少年のスポーツへの多様な参加機会の提供を促進。
  • 学校体育施設の地域との共同利用化の一層の促進。
  • 耐震化やグラウンドの芝生化等社会体育施設の充実。
  • 障害のある子どものスポーツ活動への必要な配慮等に向けた取組。

2.住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備

政策目標:地域スポーツ活動の推進による「新しい公共」の形成を目指し、総合型地域スポーツクラブを中心とした地域スポーツ環境(ソフト、ヒューマン、ハード等)の向上を図る。

(1)コミュニティの中心となる地域スポーツクラブの育成・推進

 1施策目標: 

  総合型地域スポーツクラブを中心とする地域スポーツクラブがスポーツを通じて「新しい公共」を担うコミュニティの核として充実・発展するよう、地方自治体の人口規模や人口動態(高齢化や過疎化)等に留意しつつ各市区町村に少なくとも1つは総合型地域スポーツクラブを育成し、各地域の実情に応じて更なる育成を推進する。その際に、拠点となる総合型地域スポーツクラブ(「拠点クラブ」)を広域市町村圏(全国300箇所程度)を目安として育成し、拠点クラブが周辺のクラブを支えるなどにより地域スポーツ活動の充実を図る。

 2現状と課題: 

  • 平成23年度7月現在の総合型地域スポーツクラブの設置率について、市のみだと90.8%だが、区町村を加えると75.4%と大幅に低下する。この地域差の背景には、各市区町村の人口規模や人口動態(高齢化や過疎)等の要因が存在すると考えられる。
  • 「全国の各市区町村において少なくとも1つ」とのスポーツ振興基本計画の目標をミニマム基準と受け止め、複数の総合型地域スポーツクラブを育成できる可能性がある市区町村において1つのクラブしか育成されていない例が見られ、総合型地域スポーツクラブの育成の鈍化に繋がっていると思われる。
  • 平成22年度7月現在、総合型地域スポーツクラブのうち、自己財源率が50%以下のクラブが半数(55.2%)を占める。また、法人格を取得したクラブは10.7%、指定管理者を委託されたクラブは3.7%とまだまだ低調であり、自己財源の確保が大きな課題の1つとなっている。
  • 総合型地域スポーツクラブを円滑に運営するためには、経営能力を有する専門的な人材であるクラブマネジャーが必要であるが、これを主たる業務とする者を配置しているクラブは43.3%と半数を割っており、そのうち常勤である者は全体の30.5%にしか過ぎない。
  • 指導者のうち、スポーツ指導者の資格を有する者は全体の42.6%に止まっており、有資格指導者においても50.4%が無報酬である。
  • 広域スポーツセンターは全国47都道府県に設けられているものの、広域スポーツセンターに相談したことがある総合型地域スポーツクラブは全体の27.8%に過ぎず、残りの72.2%は広域スポーツセンターを利用したことがないのが現状であり、総合型地域スポーツクラブの期待に十分応えているとは言い難い状況である。また、広域スポーツセンターについては、会費収入等恒常的な収入基盤がないことが課題である。
  • 総合型地域スポーツクラブの設立による地域の変化として、「世代を超えた交流が生まれた」、「地域住民間の交流が活性化した」、「地域の連帯感が強まった」等の意見が挙げられている。

 3今後の具体的施策展開:

    (主な施策の方向性)

  • 単一種目の地域スポーツクラブの総合型地域スポーツクラブへの転換等を含めた総合型地域スポーツクラブの創設・育成支援。
  • 総合型地域スポーツクラブの自立化を図るための多様な財源の確保。
  • 総合型地域スポーツクラブについて創設から運営まで一体的に効率的支援を行うための体制の確立。
  • 拠点クラブを中心とした「新しい公共」を担うコミュニティの核としての総合型地域スポーツクラブの充実。

(2)地域におけるスポーツ指導者等の充実

 1施策目標:

  スポーツ団体等のニーズを踏まえつつ、指導者やクラブマネジャーの養成を推進するとともに、有資格指導者の有効活用を図る。

 2現状と課題:

  • 実技指導者については、日本体育協会や競技団体、日本レクリエーション協会をはじめ多くのスポーツ団体において養成や研修が行われているため、量的には増加傾向を示している。しかしながら、有資格指導者を活用するための活動場所や機会が少なく、マッチングも必ずしもうまくいっていない。加えてスポーツ団体による需要(どのようなタイプの指導者がどこにどれだけ必要か)把握の取組についても詳細なものになっていない。
  • クラブマネジャーは、総合型地域スポーツクラブや地域のスポーツ団体にとって不可欠の人材であるが、クラブの増加に対して養成が追いついていない。
  • スポーツ指導者の登録制度として、スポーツリーダーバンクを設置している都道府県は、全国で36道府県。リーダーバンクを設置したことがない自治体は、3府県であり、6団体については、過去に設置していたが廃止した。廃止理由としては、制度の周知不足等による低い活用率、活動機会が少ないことによる登録指導者の減少、個人情報保護の観点から公開できる指導者情報が限られるなどの問題が挙げられている。
  • スポーツ推進委員(旧体育指導委員)について、平成19年度において1,804市区町村で54,825人が委嘱されており、男女別に見ると女性の割合が少ない【男性:70.2%、女性:29.8%】。また年代別に見ると高齢層に偏っている【20歳代未満:3.4%、30歳代:13.0%、40歳代:31.7%、50歳代:35.2%、60歳代:14.3%、70歳代以上:2.4%】。
  • また、活動内容について、実技指導や教育委員会が実施するスポーツ事業の企画・立案・運営等の業務については概ね実施されているものの、総合型地域スポーツクラブの創設や運営への参画、スポーツ活動全般にわたるコーディネート等について取り組んでいる割合は低く、スポーツ基本法制定を踏まえ新たに期待されている役割に対して、さらなる貢献が期待されれる。

  3今後の具体的施策展開:

   (主な施策の方向性)

  • 地域スポーツの推進を担う総合型地域スポーツクラブの指導者やマネジメント人材に対する養成の促進。
  • スポーツ推進委員について、連絡・調整等、コーディネーターとしての新たな役割を果たせる人材の養成・確保の促進。
  • 地域や学校で活躍できる指導者の養成・確保・有効活用化の促進。

(3)地域スポーツ施設の充実

 1施策目標:

  地域における身近なスポーツ活動の場を確保するため、学校体育施設等の有効活用や地域のスポーツ施設の整備を支援する。

 2現状と課題:

  • 地域のスポーツの場である体育・スポーツ施設は近年、減少傾向。特に学校体育・スポーツ施設については、ピークであった平成2年度(156,548箇所)から20年度(136,276箇所)までの間に2万箇所を超える大幅な減少。
  • 我が国の設置種別の体育・スポーツ施設数を見ると、「学校体育・スポーツ施設」(61.2%)、「大学・高等専門学校体育施設」(3.8%)、「公共スポーツ施設」(24.1%)、「職場スポーツ施設」(3.1%)、「民間スポーツ施設」(7.8%)と「学校体育・スポーツ施設」が全体の6割以上を占める。
  • 2008年度は98.3%の市区町村で学校体育施設開放を実施。施設種別の開放実施率(施設開放校数/施設保有校数)は「体育館」(87.3%)、「屋外運動場(校庭)」(80.0%)、「水泳プール」(26.7%)となっている。一方で、小学校の体育館における施設開放実施率は95.1%であるが、この値には学校の長期休業中限定の開放や要請に応じた不定期な利用が含まれており、定期的な施設開放に限ると、平日が75.7%、土曜日が67.4%、日曜日が63.9%にとどまっている。
  • 総合型地域スポーツクラブの活動拠点施設の種類は、「学校体育施設」(55.1%)が最も多く、次いで「公共スポーツ施設」(36.3%)、「自己所有施設」と「休校・廃校施設」(ともに1.6%)、「民間スポーツ施設」(1.2%)等となっている。
  • クラブハウスを有する総合型地域スポーツクラブは51.7%
  • 総合型地域スポーツクラブも、スポーツ少年団等の既存の団体も、学校開放による学校体育施設の利用に大きく依存しているため、クラブの活動場所を確保する上で困難を伴うケースが見られる。
  • 地方公共団体が設置する体育館のうち耐震化されているものは全体の6割強であり、施設利用者の安全の確保のためには、耐震化を早急に進める必要がある。

 3今後の具体的施策展開:

    (主な施策の方向性)

  • 学校体育施設の地域との共同利用化の一層の促進。
  • 耐震化・グラウンドの芝生化等、学校体育施設と社会体育施設における地域の交流の場として備えるべき機能及び施設設備等の充実。

3.若者のスポーツ参加機会の拡充や高齢者の体力つくり支援等ライフステージに応じた スポーツ活動の推進

政策目標:国民の誰もが、それぞれの体力や年齢、技術、興味・目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現を目指し、ライフステージに応じたスポーツ活動を推進するための環境の整備を推進する。

(1)ライフステージに応じたスポーツ活動の推進

 1施策目標: 

    ライフステージに応じたスポーツ参加を促進できる環境を整備することにより、各年代、性別でスポーツ未実施者(1年間に一度もスポーツをしない者)を減少させるとともに、既にスポーツを行っている者については更なる実施頻度の向上を目指す。

(数値目標例)

【既実施者の更なる実施率の向上】

  • 成人の週1回以上のスポーツ実施率3人に2人(65%程度)【45.3%(2009年)】
  • 成人の週3回以上のスポーツ実施率3人に1人(30%程度)【23.5%(2009年)】

【未実施者の減少】

  • 成人のスポーツ未実施者を限りなくゼロに近づける【22.2%(2009年)】

※健康状態等によりスポーツを実施することが困難な人の存在にも留意が必要。    

 2現状と課題:

  • 成人の週1回以上のスポーツ実施率について45.3%と未だ3人に2人に達しておらず、世代別に見ると、20代、30代が他の世代と比して低い。【20代:27.7%、30代:35.6%、40代:41.7%、50代:48.0%、60代:54.7%、70歳以上:52.1%】
  • 成人の週3回以上のスポーツ実施率について23.5%と未だ3人に1人に達しておらず、世代別に見ると、同じく20代、30代が他の世代と比して低い。【20代:9.6%、30代:13.1%、40代:17.5%、50代:20.4%、60代:34.2%、70歳以上:36.1%】
  • 運動・スポーツを行った理由としては、「健康・体力つくりのため」(53.7%)、「楽しみ、気晴らしとして」(50.3%)、「運動不足を感じるから」(42.0%)、「友人・仲間との交流として」(33.8%)の順に多く挙げられており、心身の健康のためという動機が強い。
  • スポーツ未実施者の割合は約10年前と比べて着実に減少している【全体:31.9%(2000年)→22.2%(2009年)、男性:25.8%(2000年)→19.2%(2009年)、女性:37.2%(2000年)→24.8%(2009年)】。男女別に見ると、概ね女性の方が未実施率が高い。また年齢別に見ると、年齢が高くなるにつれて未実施率は増加する。
  • 運動・スポーツを行わなかった理由としては、「仕事(家事・育児)が忙しくて時間がない」(45.9%)、「体が弱いから」(24.0%)、「年をとったから」(19.8%)の順に多く、世代別に見ると、「仕事(家事・育児)が忙しくて時間がない」が20~60歳代で最も多く挙げられているが、70歳以上では「体が弱いから」(40.8%)、「年をとったから」(40.0%)が大きな割合を占めている。
  • スポーツ振興についての国や地方公共団体への要望の上位に「年齢層にあったスポーツの開発普及」(37.2%)が挙げられており、年齢層に応じたスポーツ活動を国民も求めている。
  • 1年間に行った運動やスポーツについて、「ウォーキング(歩け歩け運動、散歩等を含む)」(48.2%)、「体操(ラジオ体操、職場体操、美容体操、エアロビクス、縄跳びを含む)」(26.2%)、「ボウリング」(15.7%)、「ランニング(ジョギング)」(12.1%)等、全体的に健康づくりのための運動や、個人でできる種目が上位を占める傾向にある。
  • スポーツ基本法の制定を踏まえ、障害者スポーツについて、障害の種類や程度に応じ必要な配慮が求められている。

 3今後の具体的施策展開:

    (主な施策の方向性)

  • 各年齢、性別ごとに日常的に必要な運動量の目安となる指針の策定。
  • 各年代や性別等ライフステージに応じたスポーツ活動の実態を把握し、参加を促進するための方策を検討し取組を推進。
  • 特にスポーツ実施率の低い若い世代や高齢者に対するスポーツ参加機会の拡充。
  • 総合型地域スポーツクラブ等において、年代や性別等ターゲットを絞ったプログラムやスポーツイベントの開催を促進。
  • 親子で参加できるスポーツ教室等スポーツ未実施者に対するスポーツ参加のきっかけ作り。
  • 障害者が日常的にスポーツに取り組むことが出来る環境の在り方とその整備のための支援方策を検討し取組を推進。

(2)スポーツにおける安全の確保

 1施策目標:

    安心してスポーツ活動を行うための環境を整備し、スポーツ障害等の件数を減らすとともに、スポーツ事故の数を限りなくゼロに近づける。

 2現状と課題: 

  • 全国的なスポーツ障害・事故のデータが存在せず、地域におけるスポーツ障害・事故の全体像が把握できない。
  • 平成21年度のスポーツ安全保険の加入者総数は989万7,483人であり、少年を中心としたスポーツ団体が多くを占めており、種目別では球技が大半である。
  • 加入者に対する傷害保険支払件数は18万7,763件であり、発生率は1.91%となっており、最も多いけがは捻挫であり、その次に骨折となっている。
  • 共済見舞金適用の突然死は47件。そのほとんどが中高年層の心疾患や、脳血管障害である。
  • 日本体育協会、日本レクリエーション協会における公認指導者については、資格取得の課程において、心肺蘇生法や外傷に対する応急措置等スポーツ障害の予防や対処法について受講することが必須のカリキュラムとなっている。

 3今後の具体的施策展開:

  (主な施策の方向性)

  • スポーツ指導者や施設管理者等に対するスポーツ障害・事故等に関する研修機会の充実。
  • 全国的なスポーツ障害・事故の実態を把握し、スポーツ医・科学の研究等において分析を行い、防止に結びつけるための取組の推進

お問合せ先

スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課

(スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課)

-- 登録:平成23年11月 --