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資料5 公益財団法人日本オリンピック委員会 資料

「スポーツ基本計画策定」に対する提案

平成23 年10月7日
公益財団法人 日本オリンピック委員会
JAPANESE OLYMPIC COMMITTEE

 公益財団法人日本オリンピック委員会は、スポーツ振興基本計画に基づき、2001年4月に“JOCゴールドプラン”を策定し、「国際競技力向上と維持のためのシステムづくり」、「競技間連携の促進」、「オリンピック・ムーブメントの推進」を掲げ、その実現に向け、具体的な施策に取り組んできました。そして、2004年アテネオリンピック大会での成果を踏まえ、“JOCゴールドプランステージ2”として、「金メダル獲得数での世界トップ3を目指す」、冬季大会では「メダル総数での世界トップ5を目指す」ことを目標に揚げ、その目標達成のために、他国の情報を分析するとともに、選手・コーチ、そして、さまざまな分野の専門家が一丸となった「チームジャパン」のもと、日々選手強化活動を行っています。

JOCを中心に各競技団体とともにスポーツ界が一丸となり、中長期的な視点を踏まえ、トレーニング環境と、強化資金の充実と安定的な財源基盤の確立、指導者の育成、ネットワークの構築等はじめとする施策を展開するとともに、このような活動に対する国民の理解を得るために、オリンピック・ムーブメントの推進にも取り組まなければなりません。

 この度、スポーツ基本法が成立、施行されたことはJOCとして大変心強く、喜ばしいことではありますが、「スポーツ基本計画策定」が具体化することより、まず、スポーツ団体という組織の代表者たちがこの計画立案に係る、仕組みを作っていただくことを強く要望いたします。

 今後は具体的に、政府、地方、自治体、企業、大学等とも連携した国と一丸となった取り組みが必要となります。
 そこで、トレーニングの充実、強化費の拡充、国際大会開催費補助、オリンピック招致に伴う財政保証、企業・大学・地方自治体等が支援しやすい環境づくりなど、国際競技力向上のための諸施策を国策として取り組んでいただきたくご提案申しあげます。

1.補助金・助成金関係について

○ 補助・助成先をJOCに一元化

 国庫によるすべての競技力向上関係補助、スポーツ振興基金助成、スポーツ振興くじ助成は、窓口をJOCに一元化し、その活用の裁量をJOCに一任することで、全体の強化計画にそって効果的に、効率よく国際競技力向上を図ることができる。
 JOCはそれに対応した組織整備を行う準備がある。

○ 補助率のアップと対象科目の柔軟な運用

 現行の国庫補助金は2/3、基金等は4/5という補助率になっているが「スポーツは国策であり、その効果は国益である」という観点からすると100%補助であることが望ましい。難しい場合でも90%以上の補助とする。
 財政的基盤の脆弱な競技団体では、自己負担分の財源を確保できず、JOCの補助、選手個人の自己負担等に頼っている。
 また、補助・助成対象科目の範囲を広げるとともに、現実的に即した単価設定等変更可能な運用面での柔軟性のある仕組みの整備が必要である。

○ 複数年度補助制度の設置

 オリンピックに向けた選手強化は4年、8年といったスパンで強化計画が組まれる為最低でも4年間を見据えた予算を保障する。
 複数年度での予算編成が行えることで、オリンピックに向けた中長期計画に基づいた選手強化が可能となり、選手強化費はより効率的に活用されることとなる。   

○ 組織基盤の整備

 スポーツ立国化の実現の為に、JOC・中央競技団体の事務局機能の充実と質的向上を図るための人件費の助成事業の拡充。

2.ナショナルトレーニングセンター(NTC)関係について

○ NTC施設利用料金の無料

 ナショナルレベルの専用トレーニング施設にもかかわらず、専有面積に応じた施設利用料が設定されている。JOCでは各競技団体の利用促進を図るために、施設利用料、食費、宿泊費などの一部経費を負担することとしたが、JOCの予算を圧迫する結果を招いている。我が国のNTCも競技団体の負担を軽減し、選手やスタッフがトレーニングに専念出来る環境を一日でも早く実現させるためにも、NTC利用料金の無料化を図るべきである。

○ その他NTCの整備

 NTC中核拠点では対応できない競技(屋外競技、海洋/水辺系競技、冬季競技、高地トレーニング等)は、国内既存施設を「ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点」として指定・支援を実施している。
 しかし、ハード面、ソフト面、システム面において諸外国と比較して見劣りする。屋外競技NTC、海洋/水辺系競技NTC、冬季競技NTC、高地NTCとなるよう整備しNTC中核拠点との連携・協力を図り、効果的に選手強化ができる環境整備が必要である。

○ 中高一貫のスポーツエリート校設置

 JOCエリートアカデミーや各NFに属するユースエリート競技者などが集中的・継続的に強化活動が行えるよう、国立の中高一貫校をNTC等の近隣に設置を具体化する。

3.民間資金導入のための支援について

○ オリンピックマーク等の知的財産の保護

 JOCは、自己の持つマーク、エンブレム、スローガン等の知的財産を、支援企業に使用する権利を付与することにより、民間資金を確保している。このようなマーク等は、現状、商標法あるいは不正競争防止法により一部保護されているものの万全ではない。更なる保護のために国による法制化等の支援が必要である。
 オリンピック招致においては、オリンピックマーク保護に特化した、法律の制定が定められている。
 オリンピックマーク等の万全な保護は、オリンピック招致にも必要な条件として国際オリンピック委員会(IOC)より求められている。オリンピック開催国では法的整備がなされている。

○ 税制面での特別な優遇措置

 マーケティング収入は収益事業と位置づけられ、JOCは公益法人として税制上優遇されているものの、課税され有効活用できていない。選手強化、スポーツ振興を推進する為の目的税の導入も含め、指定寄付金等の税制面での優遇措置の推進が必要である。

○ 支援企業等への支援措置

 近年の経済不況等による企業がかかえるスポーツチームの休廃部は、我が国の国際競技力の向上を図る基盤を揺るがしている。選手強化に支援をしている企業等に対し、税制面を含め、より支援をしやすい環境を整える必要がある。
 また、国際競技力向上に関する寄付についても指定寄付金を適用すべきである。

4.強化に専念できる環境整備について

■コーチ・スタッフ等の指導者の充実

○ 謝金から契約・雇用へ

 トップスポーツを支えるコーチ・スタッフは謝金支払いで雇用の形態にはなっていない為(平成23年度ナショナルコーチ除く)、多くの場合、国民年金や社会保険といった社会保障制度への加入に関する全額が自己負担となる。
 また、社会的な身分が保障されておらず、不安定な生活を強いられている。社会的な地位の向上など、専任コーチ、強化スタッフ等の制度の改善を図ることが必要不可欠である。

○ 国際力の強化

 国際競技力向上のために、世界の競技統括組織の方針、ルール改定、用具開発等の動きの情報を早く掴み、迅速に対応していかねばならない。そのためには、国際的に活躍できる人材を育成する国際人養成プログラムを展開している。
 今後、修了者を海外に派遣するシステムの構築が必要である。

○ ナショナルコーチアカデミー、国際人養成修了資格の発展・展開と修了者の活用

 ナショナルコーチアカデミー、国際人養成修了資格の学位(博士・修士)への発展と、トップスポーツにおける業績の学術業績化について検討する必要がある。
 また、高等教育機関におけるトップアスリート教員枠の確保に向けたシステム構築との連動も推進すべきである。
 更に、修了者が各ブロックエリアにスポーツコディネーター/スポーツディレクターとして配置され活用されることで、地域におけるスポーツ振興にも寄与できるシステムも整備されるべきであり、海外でも活躍できるポジションを獲得することも目指すべきである。

■アスリートの練習環境の整備

○ 奨学金、傷害・失業保険制度、互助制度等の確立

 経済的に恵まれない学生競技者への学業費用援助や、世界選手権等に出場する直前の準備期間に対する給料の補償など、トップ競技者が競技と職業・学業を両立させる為の資金援助、コンサルタントを行う支援団体の設立、システムの確立が必要である。

○ 女性トップアスリートへの出産、子育て支援制度の整備と充実

 上記のように、トップアスリートへの社会保障制度の整備は十分でない。さらには、女性トップアスリートへの出産、子育てに関する環境整備や配慮が不十分である為に、女性アスリートの競技継続を阻むことも多い。出産、子育てを経験した女性トップアスリートの活躍は、男女共同参画社会のモデルとなり得ることからも、女性トップアスリートへの出産、子育て支援制度が整備されるべきである。

○ トップアスリートの活用

 スポーツ交流はもとより、トップアスリートとしてパーソナリティーや人的なネットワークを活かし、スポーツ以外の分野においても、スポーツ大使(アンバサダー)への活用や、スポーツ省(庁)が設置された場合にはスポーツ大臣として登用できる制度の整備が必要である。

○ 国家による報償金制度および勲章制度の整備

 JOCによるオリンピック大会での報奨金制度に加え、法律による表彰・報奨金制度を整備する必要がある。
 また、スポーツ関係の顕彰は、文化・芸術と比べて十分なものとは言えず、スポーツを極めたアスリート、指導者の社会的な価値を評価するとともに、継続的な支援を行ってきた企業・団体等を表彰する、新たなスポーツ勲章制度を整備する必要がある。

5.国際競技大会及び国際会議の招致における国の保証・支援

○ 招致における保証

 国際競技大会やスポーツに関連する国際会議の日本招致は、オリンピック大会と同様、国際競技力の向上及びスポーツを通した世界平和・青少年の育成等に大きな意義を持つ。
しかし、その招致に際してはオリンピック大会同様、政府保証がなければ、日本開催が困難な場合があり、これらが可能になるようスポーツ基本法第27条を具体化していただきたい。

  ○ 開催経費・招致の補助

 IOC、IF、アジア・オリンピック評議会(OCA)、各アジア競技連盟(AF)が主催する国際競技大会やスポーツ国際会議の日本開催には、多額の費用がかかる。
これらは国のしっかりとした補助が必要である。
 更に、こららの国際大会を招致する経費についても具体化していただきたい。

6.オリンピック・ムーブメント事業の教育との連携と支援

 JOCは「オリンピックの素晴らしさや価値」を世に伝える為に「オリンピックコンサート」 「オリンピックデーラン」オリンピアンによる「オリンピック教室」等様々なムーブメント事業を展開している。こうしたムーブメント事業を広く若年層まで浸透させるためには、学校教育との連携も必要であり、財政的にも支援が欠かせない。

お問合せ先

スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課

(スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課)

-- 登録:平成23年11月 --