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スポーツ振興に関する特別委員会(第3回) 議事録

1.日時

平成23年8月30日(火曜日)13時00~15時00

2.場所

文部科学省13階 13F1、2会議室

3.出席者

委員

山口委員長、河野委員長代理、浅野委員、荒木田委員、岩上委員、小倉委員、長田委員、大日方委員、木村委員、土江委員、道垣内委員、日野委員、平井委員、松井委員、宮嶋委員、ゼッターランド委員、横山委員

文部科学省

布村スポーツ・青少年局長、藤原大臣官房審議官(スポーツ・青少年局担当)、有松スポーツ・青少年総括官、山口スポーツ・青少年企画課長、嶋倉スポーツ振興課長、芦立競技スポーツ課長、長登体育参事官、西井スポーツ政策企画室長、森岡スポーツ連携室長、平山大臣官房付

4.議事録

【山口委員長】  皆さん、こんにちは。お暑い中、ご参集いただきありがとうございます。

 昨日、テグで開催されております世界選手権で室伏選手が最年長で初優勝という快挙を成し遂げました。それでちょっと思い出したのですが、アメリカでメガイベントが開催されている期間ですけれども、例えば、スーパーボールとか、ワールドシリーズとか、NBAファイナルとか、そういうときは自殺者数が減少するというおもしろい研究報告があります。テレビも新聞も、マスコミも、普段の会話も、すべてその話題なので、テンションが上がって、うつ状態になりにくいのではないかというのが要因でございます。昨日の優勝シーンを見ますと、旗の中に被災地の中学生が寄せ書きをしたものがアップになりました。恐らく被災地に明るい話題を投げかけてくれたのではないかと思っております。

 それでは、ただいまから第3回中央教育審議会スポーツ・青少年分科会スポーツ振興に関する特別委員会を開催いたします。

 本日は、上治委員、上村委員、岡崎委員、田嶋委員、平尾委員、福永委員の6名が欠席となっております。

 配付資料でございますが、次第に一覧がございますので、ご確認いただいて、もし不足がございましたら、事務局まで申しつけていただきたいと思います。

【西井スポーツ政策企画室長】  失礼いたします。配付資料につきまして、事務局からご説明申し上げます。

【山口委員長】  はい、よろしくどうぞ。

【西井スポーツ政策企画室長】  配付資料は、ただいま委員長からご説明がございましたとおり、お手元の議事次第のとおりでございます。

 まず、資料1から資料6までにつきましては、前回の会議におきまして、各委員からいただいたご質問にお答えするための資料をご用意したものでございます。これらにつきましては、後ほど各担当から順次ご説明をさせていただくこととしております。資料7でございますけれども、これまでの意見の概要ということで、前回、前々回における各委員の概要を取りまとめたものでございます。資料8、一枚もののカラフルな資料でございますが、これは後ほどご討議いただく資料といたしまして、スポーツ基本法を踏まえ、今後検討すべき課題としてまとめたものでございます。資料9は今後の日程、一枚ものでございます。

 また、参考資料といたしまして、前回の会議で木村委員からご発言のございました、「運動部活動の実態に関する調査(平成13年)」と、福永委員からご紹介のございました、日本学術会議の提言「子どもを元気にする運動・スポーツの適正実施のための基本指針」をご用意してございます。また、既に各委員にご確認をいただいてございますけれども、前回の議事録を参考3として添付いたしております。

 また、本日は、土江委員から、学校体育の充実とコーディネーターの学校配置につきまして意見発表の申し出をいただいておりまして、発言の際の資料としてご用意しております。

 配付資料は以上のとおりでございますが、万が一、何か欠けているものがございますれば、事務局までご指示いただければと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【山口委員長】  配付資料はよろしいでしょうか。

 それでは、議事に入ります前に、前回の特別委員会におきまして、委員の皆さんから質問がございました4点につきまして担当課からご説明していただきたいと思います。

 それでは、まず、スポーツ基本法につきまして、西井スポーツ政策企画室長より説明をお願いいたします。

【西井スポーツ政策企画室長】  失礼いたします。本件につきましては、私からスポーツ基本法の内容とスポーツ立国につきまして、あわせてご説明をさせていただきます。

 まず、資料1といたしまして、先日刷り上がりましたスポーツ基本法のパンフレットをご用意いたしております。今般、これにつきましては、スポーツ基本法の普及用のパンフレットという形で作成したものでございますが、写真や図表を活用いたしまして、できるだけわかりやすい言葉で基本法のねらいや各条文を説明しております。このような形で国民の皆様にこの法律の趣旨を幅広くご理解いただけるように工夫しているところでございます。

 次に、慌ただしくて恐縮でございますけれども、前回の会議におきまして、スポーツ立国につきましてご発言がございましたので、この関連の資料を資料2という形でご用意させていただいております。

 この資料は、スポーツ基本法の前文と、昨年策定いたしました、「スポーツ立国戦略」の目指す姿の文章の中で、スポーツ立国にかかる記載があるところを抜粋したものでございます。スポーツ立国につきまして、スポーツ基本法におきましては直接的に明確な定義はございませんが、ごく一般的な辞書的な意味といたしまして、立国とは、ある基本的な方針のもとで国を発展・繁栄させるものであるとされております。そういたしますと、スポーツ立国とは、スポーツにより国を発展・繁栄させることを意味するものと考えられるわけでございます。

 基本法の前文におきましては、資料2の2枚目をめくっていただきますと、「このような国民生活における多面にわたるスポーツの果たす役割の重要性に鑑み、スポーツ立国を実現することは、21世紀の我が国の発展のために不可欠な重要な課題である」という記述がございまして、「スポーツ立国の実現を目指し、国家戦略として、スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進するためにこの法律を制定する」という規定があるわけでございます。

 1枚戻っていただきまして、スポーツの役割につきましては、スポーツ基本法前文の中段から末尾にかけまして、るる記載があるわけでございますが、1つは青少年の健全育成、あるいは地域社会の再生、心身の健康の保持・増進とともに、社会経済の発展でありますとか、国際的の地位の向上などの多面的な役割がある、そのような規定があります。いずれにしても、こうした役割を踏まえまして、スポーツを通じて国を発展させる、繁栄させることが重要であるということがうかがえるわけでございます。

 同様に、先ほどご紹介申し上げました「スポーツ立国戦略」におきましても、1枚めくっていただきまして、2枚目の参考2でございますけれども、同様のスポーツにおける多様な意義を踏まえまして、スポーツを通じて国を発展・繁栄させるということが重要であるという趣旨がうたわれているところでございます。

 以上、ちょっと長くなりましたけれども、説明を終わります。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 スポーツ基本法のパンフレットと、スポーツ立国につきまして、西井スポーツ政策企画室長より説明いただきました。

 どなたかご質問・ご意見等ございますでしょうか。

 1点だけよろしいですか。スポーツ振興法とスポーツ基本法を比較しますと、「振興」という言葉と「推進」という言葉、特にスポーツ基本法の中で「推進」という言葉が非常に多く出てくると思います。例えば、今までのスポーツ振興審議会がスポーツ推進審議会、体育指導員がスポーツ推進員、あるいはスポーツ推進会議とか、特別に「振興」から「推進」にかわる、使う意図といいますか、何かねらいというものはあるのでしょうか。

【吉田スポーツ・青少年企画課長補佐】  失礼いたします。それでは、私のほうから少しご説明させていただきます。

 今回、議員立法という形で検討される中で、「スポーツ振興」という言葉から「スポーツの推進」という言葉にかわっておりますが、文部科学省の所掌といたしましてはスポーツの振興ということですが、今回、基本法を制定するに当たっては、国全体の1つの責務としてスポーツの発展が大きな目的として定められる、ということで検討される中で、単純に文部科学省の所掌している振興という部分よりは、より国のほうが積極的に、主体的に推進していくということで、そういった「推進」という言葉を使おうという流れとなり、そういう言葉を採用したということで伺っているところです。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、2つ目の前回の質問のところですが、外部指導者の活用を円滑に行っている事例につきまして、長登体育参事官より説明をお願いいたします。

【長登体育参事官】  失礼いたします。

 それでは、資料3をお願いいたします。外部指導者の活用を円滑に行っている事例についてご説明申し上げます。

 学校における運動部活動を通じて、生徒は興味・関心に応じて多様なスポーツに親しむことができるよう、学校における地域のスポーツ人材の活用の実践的な調査・研究を実施しているところでございますが、本日は平成22年度の実績の中から2例の実践事例についてご紹介させていただければと思います。

 まず、ケース1でございます。この事例の特徴的な取組内容としては、外部指導者の協力を得て運動部活動を充実させていくために、指導の前段階において、活動の見学を含めて、事前に十分な打ち合わせを行い、外部指導者の方が、指導内容や指導する生徒の能力、それから活動状況等を十分に理解した上で実際の指導に当たったこと、さらに学校、家庭、外部指導者の合同会議を設けまして、子どもを取り巻く大人が同じ視点で指導を実施できたことが挙げられます。具体的には、6月から外部指導者の方の協力を得て部活動を実施するために、まず学校の教育方針等についても確認した上で、実際に外部指導者の方が顧問の方と一緒に練習を見学するとともに、指導内容等について教員との綿密な打ち合わせを実施し、さらに、合同会議におきまして、保護者との交流等も通じて部活動の運営方針についての共通理解を図り、学校、外部指導者、保護者の方の信頼関係を築いて取り組んだ事例でございます。

 次に、ケース2でございます。この事例においても、実際の指導に当たっていく前に、学校と外部指導者の方と指導内容等について十分な打ち合わせを行っておりますが、この事例では、取組内容の特徴として、事前に指導内容の共通理解の促進を図ることはもちろんでございますが、外部指導者の方の指導内容を具体化することによりまして、外部指導者の方の役割、また教員との分担を明確にして取り組んだということです。外部指導者の方は、求められている具体的な指導内容等を十分に理解した上で、効果的な指導が実施できたという報告を受けているところでございます。具体的には、事前の打ち合わせの中で、外部指導者の方は、専門性を生かして教員の指導補助を行うということといたしまして、指導をお願いする生徒は、初心者が多いという実態があることから、準備運動のサポートや活動中の安全配慮などを中心に行い、活動中の専門的な指導を実施するに当たりましては、改めてその都度、教員との打ち合わせ、確認をした事例ということでございます。

 なお、本日ご紹介いたしました事例を含め、平成22年度の実践事例につきましては、現在、実践報告集として取りまとめているところでございまして、近日中、できるだけ早いときにホームページにも掲載いたしまして、全国の教育委員会、またそれぞれの学校に実践事例集として情報提供する予定としているところでございます。

 説明は以上でございます。

【山口委員長】  ありがとうございました。外部指導者の活用を円滑に行っている事例について説明をいただきました。

 どなたかご質問、ご意見等ございましたら、お願いします。

 松井委員、どうぞ。

【松井委員】  このケース1、ケース2、両方の事例をご紹介いただいたのですが、外部指導者の人材の発掘は、どういう形で発掘されたのでしょうか、その辺を教えていただければと思います。

【山口委員長】  外部指導者の発掘について、たしかこれは平成9年の保体審答申から出たと思いますので、既に14年目かと思いますので、どのように行っているかということですが、いかがでしょうか。

【長登体育参事官】  お答えいたします。このケース1の場合でございますが、この場合には、学校が近隣の地域の指導者の方で、おつき合いのある方、紹介された方を登用したという形でございます。ケース2の場合は、市町村教委が、地域の総合型クラブ等と連携いたしまして、そこで指導者の方を紹介いただき、学校との橋渡しをした例と聞いているところでございます。

【山口委員長】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。

【松井委員】  はい。

【山口委員長】  ほかにいかがでしょうか。

 はい、どうぞ。

【荒木田委員】  1つだけ質問させてください。外部指導者の能力を使って指導するという部分は非常にわかったのですが、外部指導者が指導している時の、いわゆる怪我とか、いろいろな補償の問題とか、そういう部分、それから、外部指導者が指導している時、子供たちに何かあった場合の責任の所在というは、例えば、この外部指導者と、それから受け入れ側が覚書を交わしたりということがあるのでしょうか。そういうことに関する事例はございますか。

【山口委員長】  いかがでしょうか、事務局。

【長登体育参事官】  失礼いたします。

 運動部活動、これは学校管理下ということでございますので、校長の責任のもとに行うものでございまして、これは災害共済給付の対象になるところでございます。

【荒木田委員】  指導者の怪我の場合は。

【山口委員長】  指導者自身が怪我をした時に補償対象になる契約になっているかどうかということですね。いかがでしょうか。

【長登体育参事官】  網羅的に把握はしていませんが、指導者の保険料等につきましても、それは運動部活動の経費の中で担保されていると聞いております。

【山口委員長】  よろしいでしょうか。

 横山委員、どうぞ。

【横山委員】  今のご質問とちょっと関連しますが、これは円滑に活用がうまくいっている事例だと思いますので、改善を要するような事例はないのでしょうか。総論的に判断して、問題はないのか、たとえば、人材の発掘とか、継続性の問題とか、現場での具体的な指導の時にリーダーシップは誰が取るのかといった、改善を要する事例も挙げていただければより推進できるかと思います。これは質問というよりも、今後、調べていただければありがたいということでございます。

【山口委員長】  ということで、よろしいですね。

 ほかによろしいでしょうか。

 それでは、3番目、スポーツ実施状況を踏まえた65%目標を達成する試算と、地域スポーツクラブの支援機能が期待される団体・組織等につきまして、嶋倉スポーツ振興課長より説明をお願いしたいと思います。

【嶋倉スポーツ振興課長】  それでは、私から資料4と資料5につきまして、続けてご説明申し上げたいと思います。

 まず1つ、スポーツ実施状況を踏まえた65%目標を達成する試算、資料は「65%程度目標を達成する」と入れておりますけれども、それに関するものが資料4でございます。「立国」で示されました週1回以上を65%程度にするという目標を、どう引き上げていったら達成できるのか、あるいは引き上げなければ達成できないのかということについて、数字で示すようお話がございましたので、私どもで考えてみたところでございます。実は、おわびしなくてはいけないのは、本来であれば、試算というのは、この層にこういう施策を打てばこのくらい改善して、トータルどのくらいになるという政策論的な話ができればと思ったのですが、その作業に至る段階となっておりませんので、今、この資料4には、関係のデータを入れて、大体その65%程度目標というのがどのくらいの位置にあるのかということをつかんでいただくことを目的として書いているものです。

 まず、男性、女性と左右に分かれておりますが、行動としては一緒でございます。一番上の赤、白、黄色、緑になっているのが、最新の内閣府のデータによりますスポーツ実施率の状況、赤がやっていない、白はわからないとか、答えがなかったということでございます。黄色が月1から3回まで、そして、緑が週1回以上、この緑の部分をトータルで65%程度にするというのが課題になるわけですが、ご覧いただくとおわかりのとおり、当然のことですが、若年層は比較的少ないけれどもやっている層はそれなりにある。そして、高齢者になるほど、体が動かない等の事情があると思います、やっていないという、そもそもできないという方がたくさんいらっしゃるだろうと。そういうことから、ここではまず、今現在は月1回から月3回、週1回にちょっと足りないけれどもやっておられる方、この方をすべて週1回に引き上げるとしたらどのくらいになるかという形で計算してみたのが、すなわち、緑のところに加えて黄色のところも週1回以上に引き上げたらどうなるかということで考えてみたのが、次の白と赤の表でございます。

 すみません、最初に申し上げなければいけなかったのは、我が国の成人人口は、この下から2つ目の表に書いてありましたとおり、この8月の推計でございますけれども、男性が4,984万4,000、女性が5,366万2,000、つかみで1億、1億350万ほどという形でございます。その下に書いてあります、今現在のデータとして、男性、週1回以上やっているのが、左側の一番下の表の右端の合計のところにありまして、2,227万6,000、女性が2,350万4,000、足してほぼ4500万、これが1億に対する4,500万ということで、45%程度という状況になっております。これに、今現在、月1~3回やっていらっしゃる人数、それぞれ男性は1,077万2,000、女性は857万6,000を足しますと、あわせて男性が3,304万8,000、女性が3,208万ということで、これを足すと6,500万ほどになりまして、1億をちょっと出ているものですから、月に1回から3回スポーツを実施する層をすべて週1回以上に引き上げることができれば、全体で約63%となります。65%程度の中に入るかどうかは微妙ですが、そういうことを可能にする施策を打てば、先ほど言いましたところの、高齢者はちょっと難しい要素があるかもしれませんが、若年層のスポーツをやっていない層も若干やる方に入るだろうということで、こういうところまで行けば、1つには、65%程度というものが達成できるのではないかと考えられます。

 そう考える一方で、すなわち、月1回しかやっていない方が週1回までやったら4倍増という話ですので、なかなか厳しいだろうという部分があります。また、それぞれのところで、特に一番上のグラフの黄色の幅を見ていただくと、若い方は当然ですが、スポーツ以外に文化活動ですとか、その他の余暇活動の配分としていろいろな選択肢があるので、黄色の部分がある意味、幅広いのでしょう。ここの部分を、それを全部引き上げるとしたら、年代、なおかつ男女別みたいなことを考えて、いろいろときめ細かな手を打たなくては非常に難しいのではないかということでございます。

 また、60歳、70歳以上の、白と赤のグラフを見ていただきますと、すなわち、やっていない人が30~40%程度いるのですが、それ以外の方がすべて週1回やっている状態、やっている人とやっていない人を非常にはっきり分けないといけない状態まで行かないと、先ほど申し上げました数字にはならないわけでございます。そうすると、高齢者の方につきましては、いわゆるスポーツではなくて、もうちょっと運動負荷等を考えて、例えば、散歩みたいなものを積極的にやる、あるいはこのくらいやれば運動として見ていいのではないかというものを増やすことにより、計算上は、こういう形で63%というのはできますが、実際にこれをやろうとなると極めて厳しいのではないかというのがおわかりいただけるかなと思う次第でございます。

 もちろん、若い人の方が、比較的、自由度はあると思いますので、こちらの方は、それに生活のパターン等を踏まえまして、いろいろな手を打っていくわけでしょうし、高齢者は、ある意味、医療ですとか、福祉とか、そちらとも連携していく必要があろうかという、施策的な課題は見えてくるところでございますが、この策についてはまだこれから考えていかなくてはいけないところだと思います。

 1枚おめくりいただきたいと思いますが、実は、前回、我が国のスポーツ実施率は45%程度なのに、前回出した資料ですべての地域で50%を超えているじゃないかと。これは、実施主体が違うものでございました。前回の配付資料の資料1-2、今回は配られておりませんけれども、1-2として配付されましたスポーツ振興基本計画関係基礎データというところの12ページの上に、今の内閣府の調査による実施率がありまして、これが折れ線グラフで45%程度、その下に、全国をブロックに分けまして、各地域ごとにどうなっているか示したものがあり、これが低いところでも50%を超えていて、それでどうかという話がありました。その違いについてお示ししたところでございます。

 実施主体が、内閣府と笹川スポーツ財団という違いがございますが、調査対象の数、内閣府の方は、1925、笹川の方は2000で、ほぼ同じような数字でございます。したがって、内閣府の方が45%程度で、笹川の方は50%を超えているという数字が出ることは、それなりの説明が必要だと思いますが、私どもはまだ明確な話はできませんが、例えば、スポーツの実施にかかわる質問のところで、スポーツ種目数を、内閣府は25項目挙げております。それに対して、笹川スポーツ財団は種目別に60項目と挙げております。これをよく見ると、例えば、散歩みたいな行動を考えた場合に、内閣府は、調査の選択肢としては、ウォーキングという、ある意味、しっかりと歩くという意思を持って行うものが基本になっていると思われるのに対して、笹川スポーツ財団の方は、ウォーキングはウォーキングとしてありますが、それ以外に、散歩(ぶらぶら歩き)というようなものもあり、割と大きな数字で出てきております。こういうようなきめ細かな取り方が、もしかしたら影響しているのかもしれませんが、ただ、これでこれだけの差が出るのか、私どもは検証できるだけの材料を持っておりません。今後、取る時には、基本的に内閣府のデータをきちんとベースにしつつ、それ以外の資料を扱う際には、今回お示ししましたような違いをその都度お示ししながらご説明させていただきたいと思います。この資料4の2枚目は、そういう意味で、若干参考的なものでございます。

 次に、資料5に行きます。資料5について、地域スポーツクラブの支援機能につきましては、前回も広域スポーツセンターにコーディネーターが実際いなくてはいけないのに、という話がございました。それから、総合型クラブにつきましても、総合型地域スポーツクラブ全国協議会というようなものができている。こういうような支援に値するものはいろいろあるから、役割分担等を考えて支援を考えていくべきだという話をいただきました。私どもも、おっしゃるとおりだと思いまして、その一方で、今、私どもが行政的に対応しておりますのは、広域スポーツセンター、これは総合型クラブだけではなくて、それ以外のスポーツ活動につきましても、情報提供ですとか、いろいろな形で支援をしております。また、今年度から始まりました拠点クラブという形でコミュニティ形成という観点から、全国300程度という形で目標を掲げておりますが、総合型スポーツクラブの中で、体力のある、能力のあるところの地域の中核的なところに、その地域のほかの総合型スポーツクラブも引っ張り上げていただこうと。そういう形で、総合型スポーツクラブが総合型スポーツクラブを支えるという形での動きをつくっていこうという観点から取り組んでいる、こういうものもございます。

 また、分けておりますのは、これはもう独自の動きとしてやっておられるものでございまして、総合型地域スポーツクラブ全国協議会、これももう全国的に、施策については若干役割分担、支援という形がはっきり書いてあるとは、もしかしたら限らないのかもしれませんが、情報交換ですとか、連携して交流の機会を設けるというのは、例えば事業、例えば人材育成というようなことで、非常に運営を安定化し、あるいは発展させていく上で重要な機能だと思いますが、そういうことを現にやっていらっしゃいます。

 また、表の中には書けなかったのですが、NPO法人でも、それぞれそれに相当する、例えば、地域的な広がりというものの違いは、それぞれありますが、NPO法人等もそういう活動を既に立ち上げているところは幾つもございます。

 今後、連携・協力して総合型クラブを盛り上げていこうという観点でしっかり考えていく場合に、行政的に対応してきております広域スポーツセンターですとか、拠点クラブの経営で、こういうものをどのようにやっていくか。こういうような観点から、総合型スポーツクラブ内部での独自の動き方につきましては、しっかりどんどん拡大していっていただいて、それを前提に、行政のほうでさらにその下支えをやるというようなことが必要になってくるのではないかと思いますが、これにつきましては、今後ご意見を賜りまして、また考えていきたいと思っているところでございます。

 以上でございます。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 ただいまの説明について何かありましたらお願いします。

 はい、どうぞ。

【道垣内委員】  ありがとうございました。資料4は前回、私が申し上げたことと関係するものだと思います。ご説明でわかりましたが、要するに、定義がはっきりしていないということですね。スポーツの定義もはっきりしていないし、対象者についても、これは一応はっきりしているのでしょうが、それが政策目標の評価の上で妥当かどうかという問題があると思います。簡単な方から言いますと、だれを対象とするかということで、二十歳以上でスポーツが可能な人を対象にしないと意味が無く、安静を要する人にスポーツをしていますかと聞いても仕方がないので、スポーツをすることが可能な人であるべきだと思います。それからもう一つ、職業としてスポーツをやっている人を除くことは必要ないことではないでしょうか。プロのスポーツ選手に別のスポーツをやっていますかと聞いても、やっていませんと答えそうな気がしますが、それは、スポーツの効用を広く国民に享受してもらいたいという政策目標からすれば、スポーツをしている人に分類すればよく、職業としてのスポーツでも全く問題なく、そういうのは除く必要はないのではないかと思います。

 それから、アンケートのほうでは、「運動やスポーツ」、そういう言い方をされていて、だらだら散歩はだめかもしれませんけれども、運動として「ウォーキング」をしている人もいると思われますので、その辺、今後のことですが、アンケートを取る場合は、明確にしないと、人によってとらえ方が違うような質問の仕方ですと正確なデータはとれないと思います。政策目標との関係で言えば、どんな運動でもいいのではないかと思いますが、スポーツというと限定されそうな気がします。

 そういうようなことで、これまでやってきたことについては、ご説明はよくわかりました。今後、その政策目標との関係で適切な質問によるデータ収集をしていただけたらと思います。以上です。

【山口委員長】  よろしいでしょうか。

 時間が押してきましたが、この後、過去2回審議していただきましたスポーツ振興基本計画10年間の評価というまとめと、それからさらに議論の時間を置いておりますので、そちらの方でまたご質問いただければと思います。

 続きまして、前回の質問ということではないのですが、政府の来年度の予算編成の方針ということが報道でも報じられておりますので、その点について事務局に簡単に説明をお願いしたいと思います。

【西井スポーツ政策企画室長】  それでは、資料6でございますが、「平成24年度予算の概算要求作業について」の資料をご用意いたしておりますので、簡単にご報告申し上げます。

 来年度予算の概算要求作業につきましては、例年でございますと、8月末日を締め切りとして準備を進めておるものでございますが、本年につきましては、東日本大震災の対応等の影響がございまして、平成24年度予算につきましては、先日23日、財務大臣から各省大臣に対しまして、概算要求の準備作業といたしまして暫定的、機械的な作業手順の提示があったところでございます。この資料、若干読みにくい資料ではございますが、これが、その提示がありました文章の抜粋でございまして、(5)概算要求枠といたしまして、1義務的経費、2その他の経費となってございます。義務的経費につきましては、前年度当初予算の範囲内で要求ということになっておりますが、その他の経費につきましては、前年度当初予算におけるその他の経費に相当する額に100分の90を乗じた額の範囲内で要求するとされてございます。

 スポーツ関係の予算につきましては、その他の経費に属するものが大半でございまして、平成23年度予算でございますと、全体で222億円がその該当する経費に相当するわけでございます。他方、この資料の(6)にございますとおり、東日本大震災からの復旧・復興対策に係る経費につきましては、各大臣は、所要の額を要求するという形になってございます。

 その下にございます、2.要望でございますが、その他の経費の平成23年度当初予算に相当する基礎額との差額、すなわち、先ほど90%と申し上げましたが、その差に相当する10%の部分の1.5倍の範囲内で要望を行うことができるとされておりますが、他方、(2)にございますとおり、その要望が行うことができる重点配分すべき分野などにつきましては、今後の予算編成過程において改めて検討、すなわち新政権発足後に何らかの方針が示されるということを伺っております。

 期日につきましては、3のとおりでございまして、9月末日の期限を厳守ということでございまして、当面、文部科学省におきましても、9月末日の期限を目指し作業を進めているところでございます。

 以上でございます。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 今の、来年度の概算要求について何かご質問があればあれしたいと思いますが。よろしいでしょうか。9月末ということでございます。

 それでは、本日の議題ですけれども、過去2回に引き続きまして、スポーツ振興基本計画の達成状況と課題について議論を進めたいというふうに思います。これまでの2回のところを、事務局のほうで皆さんのご意見を整理していただきました。整理の資料に関して、西井スポーツ政策企画室長より説明をお願いいたします。

【西井スポーツ政策企画室長】  お手元の資料7をごらんいただければと存じます。時間も迫ってまいりましたので、概略につきましてご説明申し上げたいと存じます。

 これまで2回にわたりましていただきましたご意見につきまして、私どもでは議事概要を作成しておりますが、これを踏まえまして、これまでの主な意見の概要として、各テーマ別にまとめさせていただきましたものが資料7でございます。

 こちらにおきましては、まず1枚目ですが、スポーツ振興基本計画の達成状況と課題について、まずその1つ目のテーマとしましては、スポーツの振興を通じた子供の体力の向上方策につきまして頂戴いたしましたご意見を整理いたしまして、ご紹介しているものでございます。1枚おめくりいただきますと、(2)といたしまして、生涯スポーツ社会の実現に向けた地域におけるスポーツ環境の整備充実方策についてのご意見をご紹介しておりまして、その次のページですが、(3)といたしまして、我が国の国際競技力の向上の総合的な向上方策について頂戴しましたご意見をご紹介させていただいております。

 最後に1枚またおめくりいただきまして、5ページ目でございますが、こちらはスポーツ基本計画の策定に際し留意すべき事項ということで、これまでの10年間の振興基本計画のフォローアップを踏まえまして、次期基本計画を策定するに当たり留意するべき事項として、頂戴いたしましたご意見をご紹介しておるところでございます。

 以上、簡単でございますけれども、終わります。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 それでは、今日は、土江委員から資料をいただいておりますので、まず土江委員からご意見をお願いしたいと思います。配付資料があると思いますので、「学校体育の充実とコーディネーターの学校配置について」というところを開けていただきたいと思います。

 では、よろしくお願いします。

【土江委員】  それでは、失礼いたします。大変貴重なお時間、ありがとうございます。

 前回、小学校の体育活動の充実という観点から、スポーツコミュニティの形成促進事業について意見を申し上げました。その中で、地域の特性が発揮できるような工夫が必要ではないかということで、今回、具体的に提案し、また意見を述べさせていただきたいと思います。

 資料を配付いただいておりますが、文言等につきましては後でお目通しいただきたいと思いまして、ポンチ絵でご説明したいと思います。

 まず、3ページですが、この事業を、教員の指導力の向上という観点と、もう一つは、学校と地域との連携という2つの視点でとらえた時に、小学校体育活動コーディネーターをどこに配置するかということが非常に重要だと思っております。そこで私は、この事業で総合型スポーツクラブからコーディネーターを派遣するという方法に加えて、直接学校に配置する、学校に常駐するという方法も含めた2つの方法から、地域の実態に即して選択できるような、選択性にしてはいかがかということで検討をお願いしたいと思っております。

 そこで、その選択性の根拠なんですが、5ページをお開きいただきたいと思います。1つは、総合型地域スポーツクラブの実態と、それから学校の実態、こういった背景から選択性を望むものですが、総合型地域スポーツクラブの実態として、これは法人格を持っているクラブもあれば、本当に自らの活動が精いっぱいというクラブもありまして、活動の状況でありますとか、あるいは設置の状況、管理・運営、こういったところに大きな違いがあると思っています。

 例えば、島根県の場合では、中山間地域、あるいは離島を抱えておりますし、加えて少子高齢化が進行している。こういった状況の中で、これ以上に地域スポーツクラブを増やしていくのか、あるいは、会費の収入だけで地域スポーツクラブが成立するのか、といった検討課題もございますし、法人格を有する団体がいないということで、こうした事業はかなりハードルが高いということでございます。

 次に7ページですが、実際に小学校の現状として、「スポーツ立国戦略」でも指摘されていますが、体育専科の教員が極めて少ないということが指摘されています。加えて、準教科書は教科書がないということで、専門性が発揮できていないと。また、そういう専門性が低くても、実際に現場で指導に当たっていると。特に、教員の養成課程、大学においても体育の単位数は極めて少ない。そして、その研修の機会ですが、例えば、島根県の場合ですと、初任者の研修時には実技が3時間程度ありますが、あと3年、6年、11年目研修等については、自主的に研修しなければ研修の機会がない。こういう実態でございます。こうした実態を受けて、実際に文科省としては、「多様な動きをつくる運動」の指導資料というものが出されております。実際、私もこれに目を通しましたが、本当に手厚い指導が提示されています。ここまでしないと本当になかなか指導ができないのかなという教員の実態を感じているところです。こうした中で、小学校体育活動コーディネーターが、日常的に学校に配置されて、身近なところで学び舎ができるということは、現場の教員にとって本当に願ってもないことではないかと思っています。

 そこで、次に9ページですが、なぜ学校配置なのかということで、「スポーツ振興基本計画の達成状況と課題」という中で、学校と地域の連携の中で子供たちのスポーツ環境を充実させるということが指摘されています。現に、運動部活動等の外部指導者、あるいは授業に対してゲストティーチャーが派遣されていますが、実際に学校と地域との連携はまだできていないという現状がございます。こうしたことは、体育活動に限らず、家庭、学校、地域との連携・協力がずっと言われてきたわけですが、なかなかできていない。

 なぜできないのかなということですが、大きく2つあると考えております。1つは、こうした推進のシステムが明確化されていないということで、実際に誰が要となって進めていくのかということです。学校の中にもいわゆるコーディネーターとして要となっていく人材がいない、フリーで動ける人がいないということが1つあるかと思います。もう一つは、学校の実態ということで、外部指導者が入ることによって授業が充実するということは理解されていても、実際に、現場の教員としては、授業時数が増加しているとか、あるいは生徒指導上のさまざまな問題・課題の多さ、あるいは多忙感、こういったことで、意図はわかっていてもなかなかできない、後回しになるという教員の現状があるのではないのかと思います。そして、また、学校自体が外部を受け入れないといいますか、そういう意識もあると感じています。

 こういったことに対して、学校に常駐するということは、仲間意識であるとか、あるいは信頼感が芽生えてくるということから、学校の教員の意識というものも変えることができるのではないか。そして、何よりも子供たちの実態が把握できる、そして、教員との打ち合わせ等が効率よくできていくということが、教員の負担感も軽減できるということで、学校配置というところに大きなメリットがあるのではないかと考えます。

 11ページに、実際に私どもの現在行っている、いわゆる学校と地域との学社連携の協働のシステムについて記述していますが、平成18年に、この連携を深めるため、すべての中学校7校に教育委員会の職員を7名、教育支援コーディネーターとして配置して今日に至っております。そして、平成20年に、文部科学省の学校支援地域本部事業で、地域の方が学校へ地域コーディネーターとして入っています。これは全国展開になっていますが、この地域コーディネーターは、現在、すべての小学校に20名配置しています。そして、今年度からさらに、教育委員会の職員5名と、民間の方ですけれども、1人は社会教育主事の資格、もう1人はいわゆるレクリエーションのインストラクターと体育指導委員の有資格者で、こういった方2名と計7名を社会教育コーディネーターとして、小学校は20校ありますが、その中に7名、拠点校として配置しています。特に、体力向上推進校、3校をモデル校にしまして、3人の社会教育コーディネーターが体力向上のために役割を請け負っているということです。こうした、平成18年から今年度に至るまでに段階的に進めてきた中で、学校の信頼を得ることができたということと、授業が充実してきた、そして、お互いの信頼感が深まって、家庭・学校・地域との連携の中で、よりよい学校教育、そして社会教育が進んでいるという状況です。

 こうしたコーディネーションのシステムですが、各自治体で進めていけばということになりかねないわけですけれども、やはりコーディネーターにはそれぞれの役割があると思います。今、全国的に見て、学校支援地域本部の地域コーディネーターが、学校と地域の調整役として展開しているところだと思いますが、やはり小学校体育活動のコーディネーターは単なるコーディネーターではないと思っていまして、体育の指導技術ができたり、あるいは教員のアドバイスができる、そして、学校と地域スポーツクラブ、あるいは家庭、地域を結ぶ総合的なコーディネーターというふうに位置づけていまして、ぜひともこうした制度を国の制度として位置づけていただければと思います。

 大変貴重なお時間で、ありがとうございました。

【山口委員長】  ありがとうございました。学校体育の充実とコーディネーターの学校配置について説明いただきました。

 それでは、先ほどの土江委員の発表、さらに先ほど資料7においてこれまでの意見の概要を見返しました。いずれでも結構ですので、いろいろ足りなかったというところ、もう少し加えたいということがございましたら、ご意見をお願いしたいと思います。ご意見のある方は名札を上げていただきたいと思います。

 宮嶋委員、どうぞ。

【宮嶋委員】  土江委員、ありがとうございました。

 前回の時は、私も、学校体育と総合型地域スポーツクラブのクロスしたゾーンの施策が重要になってくるのではないかというような意見を述べさせていただいたので、まさにそれにぴったりだと思って聞いておりました。

 私も気になっているのは今の部活についてです。土江委員にご紹介いただいたのは小学校の体育ということですが、中学校・高校の部活においても幾つか気になることがあります。恐らく中学・高校でやったスポーツというのは、生涯、どこかで再びスポーツに出会うための大きなきっかけになってくると思います。この中学・高校時代にスポーツと出会うチャンスを多くするためにどうしたらいいのか、木村委員が前回、部活で複数の種目をやるという、シーズン制を取り入れてほしいということをおっしゃいましたが、それも1つだと思います。

 それともう一つ、いわゆる運動部に入っている子供たちは、大体半数強、50%から60%くらいと聞いておりますが、では残りの50%から40%の子供たちをどうするかという問題があります。この中学・高校時代というのは、詩も書きたい、音楽もやりたい、それからスポーツもやりたいというのが当たり前で、そういった子どもたちがたくさんの大きな才能を大人になって咲かせていくのだろうと思います。その時に、文化部を選んだけれども、週1回ぐらいスポーツはしたいという子どもたちの受け皿をきちんとつくっていくことが、将来的に日本のスポーツ実施率というものを高めていくことになるのではないのかと思っています。

 そのためにも、今、土江委員がおっしゃって下さった総合型と学校のミックスのような形、学校コーディネーターというものが、小学校だけではなく中学校、高等学校にも考えられないのだろうかということを、土江さんにお聞きしてみたいと思っております。

【山口委員長】  土江さん、いかがでしょうか。

【土江委員】  ありがとうございます。

 宮嶋委員がおっしゃるとおりで、私は、今の小学校の体育の充実ということはありますが、やはり中学校区として、中学校として小中の一貫も含めた中では中学校の配置もありなのかなと思っています。現在、私どもが配置しているのは、まず、中学校7校すべてに教育支援コーディネーターを配置しているのですが、それは中学校区全体を通して子供たちのさまざまな体験、学校教育もそうでしょうし、社会教育もそうでしょうし、そういったことがコーディネートできるような形としています。そういうことの連携の中で、さらに小学校の7校では体験活動的な、あるいはスポーツ振興により特化していく、それこそコーディネーター同士のコンビネーションで、そういう仕掛けづくりというのは非常に大事でしょうし、私は、少なくとも中学校区への配置が必要ではないかなという思いもあります。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

【宮嶋委員】  今、中学校区の話があったのですが、こうなると、恐らく中体連、高体連の問題になってくると思います。そうなると、学校単位で試合に出るというだけではなくて、クラブ単位であったりとか、反対に今、学校1つではできない競技、特にチーム競技などはできなくなっていますので、そういう合同の学校のクラブが全国大会にまで出場できるようなシステムというのもつくっていかなければいけないだろうと思うので、ここで中体連、高体連の問題も出てくるかと思ったりしています。以上です。ありがとうございます。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 日野委員、いかがでしょう。

【日野委員】  私も、宮嶋委員と同じことを思いました。今回、基本法の前文を確認されたと思いますが、そこに、全ての人々の権利であり、全ての国民がスポーツに親しみ、楽しむということが述べられています。以前の調査で1週間に60分も運動しない子が中学校だと30%もいる実態や、今回の資料にも部活動加入率が高校だと50%ぐらいになっているとあります。そうした状況だと、運動習慣のない子をどう育成していくかという問題があると思います。スポーツに関わっていない人にどう普及していくのかというのは非常に大きな鍵ではないかと思います。それは、学校体育の責任も大きいと思いますし、一方で、学校体育を核にしながら、総合型クラブなど、いろいろなものが関係しないとなかなかできないと思っています。

 そういった中で、先ほど土江委員が言いました体育活動コーディネーターは、非常に良いと思います。私の県では、「コーディネーター」とは言っていませんが、体育専科の人が近くの総合型地域スポーツクラブがある学校に派遣されていて、学校体育の中の体育授業の充実もそうですが、運動会などの体育的な行事など、いろいろな活動も含めて、総合型との橋渡しをするという形で関わっています。そうした様子をみていて、体育活動コーディネーターは、ゲストではなくて、スタッフとしてどう機能するかが重要ではないかと思います。

 一方で、運動しない人にとってみると、トップアスリートの声や、憧れの選手の声というのは非常に刺激になると思います。総合型地域スポーツクラブの拠点クラブの中から、トップアスリートがいろいろ循環するのもとてもいいことだと思います。そう見ると、かなりケース・バイ・ケース、地域の実態に応じて、考えていく必要があります。特にスポーツ習慣のない子どもたちをどう活性化するかというのは非常に大きな視点で、今回の課題の中で、一番最初にあるように、そういう支援の充実というのは非常に大きな課題ではないかと思っています。

 以上です。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 学校体育、スポーツ、総合型が出ていますが、それ以外のことでも結構ですので。

 浅野委員、お願いします。

【浅野委員】  日本レクリエーション協会の浅野です。

 実は、前回、欠席いたしまして、各委員の皆様方の議事録を拝見させていただき、いろいろ示唆をいただきました。今の土江委員からのご発表等にも関わる部分もあるわけですが、今回の基本法に明記されている、いわゆるスポーツを通じて幸福で豊かな生活を営めることが人々の権利、そういう視点から、これからの基本計画はかなり大胆に変わっていく、変えていく必要があるということで、2点ほど提案させていただきます。

 まず、基本理念に立ちますと、「スポーツそのものの発展とか、享受」という大きな枠組みとしての視点があり、これは、先般、河野委員長代理より幾つかキーワードをいただいた中の、恐らく「コミュニティ」、「トップスポーツ」、「学校体育」の3つに対応するのかなと思います。これが、スポーツの発展・享受という視点。しかし、この基本法の基本理念に立ちますと、スポーツそのものの発展以外の社会や経済、医療、これらに対する効果についてもスポーツの力や意義を明確にする必要がある。これについても、やはり河野委員からもご指摘いただいたわけですので、そういった意味で、もう一つの柱として、例えばですが、「社会的な課題や個人の生活課題の解決のためのスポーツの活用」、そういう枠組みがあってしかるべきではないかと感じられます。前回、河野委員からも言及のありましたヘルスプロモーションの問題とか、国際問題、これも1つの社会的な課題ということにつながるわけで、それとスポーツの発展・享受を同じ枠の中というより、ちょっと分けて整理するのも、1つの整理の仕方ではないかと思います。

 さらに、先ほど来の日野委員のご発言、または前回の中にもありましたが、体力に特化しないで、運動を通して波及的な効果や、あるいは人間形成に役立つというアピール、これをどうしていくか、体力だけではなくて、教育的な活動としてもやはり重要ではないかというご指摘をいただいたわけです。基本法の前文に、人格の形成、交流の促進、地域社会の再生等々、国民生活における多面にわたるスポーツの果たすべき役割ということの重要性が明記されているわけです。そういう意味では、スポーツを通じてという部分の枠組みが何かあってもよいかと思います。具体的に言いますと、例えば、「教育や生涯にわたっての人間の発達のためのスポーツ」とか、あるいは「健康・福祉向上のためのスポーツ」、あるいは、「家庭、家族・社会における絆づくりのためのスポーツの活用」、それから「地域づくりのためのスポーツの活用」などの項目が思い当たります。そういった枠組みが考えられてもよいのではないか、ということを1つご提案とさせていただきたい。

 もう1点、先ほど来の地域、学校、トップアスリート、ここにおけるスポーツの発展・享受という部分においては、毎月のスポーツの実施回数をゼロから4にするのは難しいかもしれませんが、ゼロから月に1回から徐々に3回、そして週1というような筋道はあるわけです。

 また、前々回ですか、ゼッターランド委員が、スポーツの基本は、すべての人に対してスポーツ権を認めているので、そういう人にもコンセンサスを得られるようなスポーツ基本計画を立てていく、そういった意味では、スポーツに無関心な方も目を引くようなスポーツ基本計画という視点はやはり外すことはできないのではないかと思います。その意味では、こういった領域をどう広げていくかということにおいては、今回、スポーツ基本法の第24条に「野外活動、及びスポーツ・レクリエーション活動の普及・奨励」という条項が盛り込まれており、今後の基本計画の中にその具体的な行事の実施やその他、必要な施策を具体的に盛り込んでいくということが必要なのではないかと思いました。

 前回、宮嶋委員が触れられておりましたが、学校体育の中でもより遊びに近い、例えば、インディアカとかアルティメットという種目などの導入も出ておりましたが、日本レクリエーション協会に加盟しているニュースポーツの団体です。42ほどございますが、そういう団体の種目、そういったものも小学校でスポーツに触れるスタート時点で体験することによって、生涯にわたって運動ができる下地というものをカバーできる、そういうシステムにもなっていくのではないかと思います。あるいは、木村委員からもありましたが、義務教育段階の部活動の中で、子供たちが入りやすい、あるいは親しみやすい部活動にしていく、こういった中にも、ニュースポーツという部分があってもいいのではないかと考えられます。

 ただ、その種目だけを入れるということではなく、当然、そこにおける指導者の方々、先ほど来、土江委員からもコーディネーターのお話が出ていましたが、そういうコーディネーターを支援、サポートする人材としてレクリエーションインストラクターという人材が関わっていることのご発表をいただきました。大変心強い意見をいただきました。そういったコーディネーターの方々にもニュースポーツの種目だけではなく、スポーツの楽しさを伝えるためのレクリエーションの支援の方法、例えば、協力とか、協働の喜びとか、成功体験、達成体験を味合わせることにより、そのスポーツが好きになる、そういう演習などをうまく研修の中に取り込んでいくことが必要なのではないかと考えられます。

 こういったレクリエーション、ニュースポーツ等々が、スポーツ実施への動機づけの強化にもつながりますし、実施率の向上の目標にも近づける1つの方法ではないかと思います。まさにスポーツ文化の発展・享受の目的の実現のためには、こういった視点も計画の中には大いに盛り込んでいく必要があると思います。

 長い時間、ありがとうございました。失礼しました。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 スポーツの多元的な価値、あるいはレクリエーション、野外活動、運動遊びの意義についてご発言いただきました。

 あと1つか2つ。大日方委員、どうですか。

【大日方委員】  2点申し上げたいと思います。

 まず1点は、今のお話に関することでありますが、まず、このスポーツ基本法の目的としましては、国民全体にスポーツ、この基本法ができたことでどう変わるのか、我々の生活がどう変わるのかというアプローチを積極的に示す必要があるであろうと思います。何に一番関心があるのだろうと、皆様のご意見を伺っていて感じたところは、やはり健康、ヘルスプロモーションではないかという気がいたしてきました。スポーツを通じて、これだけ健康になりますというような調査とか、根拠のある数字を示すことというのは、運動をすることが意味のあることであるということを伝えられる1つの重要なツールなのではないかと感じています。

 先ほどご説明いただきました資料4で、こういうふうに運動する人がいて、これだけしていない人がいますということを見せられても、恐らく多くの国民は、「ああ、自分はこっちに入っているな」と、それで終わりなのではと思います。特に運動習慣のない方たちには何も響かないのではないかと。一番響くのは何だろうと考えた時に、やはり健康ではないかという気がいたします。

 ちょっとうろ覚えで申しわけないのですが、確かカナダに以前行った時に、こういう運動習慣を持っている人たちはこれだけ健康ですよということを、大々的に書いたポスターみたいなものを見た気がします。なので、世界的な取り組みもお調べいただければ、そういうものも出てくると思いますので、1つ、スポーツすること、スポーツ立国ということの意味を伝えていく上では、ヘルスプロモーションとスポーツというところで調査結果を明らかにしてはいかがかと感じました。

 2点目が、小学校体育活動コーディネーターについて、土江委員のほうからいろいろ教えていただきまして、非常に勉強になりました。特にこれで感じましたのは、運動が苦手な子供、あるいは、もう少し踏み込んだ言い方をしますと、障害があることで運動制限を持っている子供たちというのも結構多いと思います。そういう子供たちに対しても、小学校体育活動コーディネーターがしっかりとしたアプローチをできるようにする、運動制限があるから運動しないでください、見学していてください、というのは一番簡単な、安易な解決方法ですが、それでは多分広がらないと思います。スポーツ基本法の理念としては、すべての人々がどういうふうに運動、スポーツに関わっていけるのかを提示していくことが重要だと考えていますので、体育活動コーディネーターという資格を持って活動をされる方は、ぜひそういうソリューションを提示できるだけの知識を身につけていただく必要があるのではないかと感じました。

 以上です。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 この後、資料8の基本法を踏まえ今後検討すべき課題というところで、もう一つ、議論する時間を用意しておりますので、最後に、ゼッターランド委員、一言、お願いいたします。

【ゼッターランド委員】  今の大日方さんのお話の中で、このスポーツ基本法が変わって、私たち国民にとって何がいいのかという話を受けてなんですが、先ほど資料4を拝見させていただいていた時に、二十歳より上の方たちのスポーツ実施率というのがここで出ていますが、実際にヘルスプロモーションの側面からいくと、体そのものが動かすことによって健康になっていく、でも、そこに当然、ヘルスの中には身体的なものとメンタルの部分というのが含まれると思います。当然、実際にスポーツを実施する、体を動かすことがかなわない人でも、何かしらのスポーツに携わる活動をしているということによって、冒頭の山口先生のお話ではないですが、メンタルにも好効果、好影響を与える可能性というのは大いにあると思います。そういった、スポーツに携わることの効果というものが、体を実際に動かしたというこの実績のパーセンテージだけではなくて、そこまで1つ踏み込んだものというものが見えてくると、スポーツをすることによってみんなが健康で幸せになれるということが、もっといい形で打ち出されるのではないかという気がしました。

 もう1点が、実際にこれは二十歳以上の方のスポーツ実施率とありますが、それと同時に、子供たちがどれぐらいスポーツ、運動をやってくれるかということが大事だというこの2つが、何となく離れたところで、こういう数字が出てきていると思うのですが、例えば、大人がスポーツをやることによって、子供のスポーツにどう影響があるのか、子供がスポーツをやることによって大人に対してどう影響があるのかというつながり、リンクが見えてくるといいと思います。

 例えば、バレーボールでいきますと、ママさんバレーをやっているお母さん、あるいはおばあちゃんに一緒にくっついて来て、娘さん、あるいは息子さんがバレーを始めるようになったというと、そういう効果が、大人がやることによって子供にもスポーツの効果がある。あるいは、お子さんと一緒に何かのニュースポーツの大会、親子で組んで一緒に出てみようといったら、それまであまりスポーツを実施しなかった大人も子供と一緒にやるようになったとか。そういう効果というのも必ずあると思いますので、ぜひそういったところのリンク性、関連性というものもお示しいただける、もしかしたらもう資料はあるかとは思うのですが、もっと外に対してもお示しいただけるといいかという気がしました。

 長くなってすみません。以上です。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 これまで、どちらかというとスポーツ実施率を上げるためにはどうしたらいいか、どういった施策とか、こういう議論が多かったと思いますが、今ずっと伺っていますと、スポーツ実施率が上がるとどういうベネフィットがあるのか、どういった効果があるのか、どういった価値が高まるのか、こういったところもまた別の側面としてありますね。こういったところの整理も必要かと思います。

 先ほどから、小倉委員の手が挙がっていたみたいですけど、失礼しました。どうぞ。

【小倉委員】  ありがとうございます。

 体育コーディネーターの件について、現場からの声を出してみたいと思います。いわゆる今回の体育コーディネーターの派遣については、趣旨が、1つはスポーツコミュニティの形成促進ということがあるわけです。そこで、この事業に当初、コーディネーターを国が雇用してやっていこうという思惑があったようですけれども、基本的には雇用はまかりならないということで、謝金制度に変わったということが背景にあるわけです。そうなりますと、いわゆるコーディネーターの身分の担保というものをどういう形でするかということが非常に重要になってくると私は考えております。さらにこの事業の成功の鍵を握っているのではないかと私は考えます。

 土江委員から非常に先進的な事例をお示しいただきましたが、例えば、11ページにありますように、中学校の教育支援コーディネーターにおいても、島根県の場合には、こうして行政職員も派遣しているというようなこともあって、このあたりは非常に強いものになっているのではないかと考えます。仮に、これをクラブで、今度、その次のページにありますように、体育活動コーディネーターとして派遣する時に、土江委員がおっしゃるように、クラブの体力というのが様々なものがあるわけです。そこで当然、当該地域の教育委員会等々にも連携を取りながら、派遣のコーディネーターがいるのか、いないのかというようなことも調査をしながら、県の教育委員会にも、講師で時間のある人たちはいないのかということの連携を図るわけですが、なかなか平日の、いつ派遣されるのかわからない段階で、やりますといって手を挙げることは、現実には非常に少ないと言えます。

 さらに、体育の教員OBというふうに書かれておりますが、定年になった先生がまた学校の現場に入るということは、ちょっと言葉は適切ではないかもしれませんが、現場の現在活動してらっしゃる先生方が、ある意味、萎縮するような弊害もあると聞いてもおりますし、県教委の方からそのような指摘も受けておるところです。さらに、体育指導員ですが、ここについては、専門性のある体育指導員というのは少ないわけです。このあたりも、やはり薄いというところがあるのではないかと思っております。

 この事業の成功の鍵を握るのは、私は、コーディネーターの身分の担保をどうしていくかにかかっているのではないかと感じましたので、申し上げました。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 それでは、本日の最後の審議ですが、資料8を開いていただきたいと思います。スポーツ基本法を踏まえ今後検討すべき課題について審議したいと思います。事務局の西井スポーツ政策企画室長より説明をお願いいたします。

【西井スポーツ政策企画室長】  それでは、資料8、一枚ものですが、ご説明申し上げます。

 現行のスポーツ振興基本計画の達成状況につきましては、これまでに至るまでご意見を頂戴してございますが、これを今後、新たにスポーツ基本法に基づくスポーツ基本計画を策定していく際に、これまでのご審議の結果を適切に反映させまして、基本計画の内容に盛り込んでいきたいと考えております。一方で、今後、策定されます基本計画につきましては、スポーツ基本法に基づき、従来のスポーツ振興法に規定されていない新たな事柄につきましても対応していかなければならず、スポーツに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定されるという性格のものでございますので、従来の基本計画の3部構成、すなわち子供の体力向上、地域のスポーツ環境の整備充実、国際競技力の向上といった3部構成につきましても、一たん見直す必要があるのではないかと考えられるわけでございます。

 そこで、1つの構成を検討する際のよりどころといたしまして、今回、この資料8に掲げてございますように、スポーツ基本法の前文を踏まえまして、そこに規定されておりますスポーツの果たす役割を検討のスタートラインに据えてございます。そういったスタンスに立ちまして、私ども事務局で資料8をご用意したわけでございますが、この中では基本法が規定しておりますスポーツの果たす役割から、スポーツを通じて実現する社会、これが真ん中の欄にございますが、を導き出しておりまして、これに対応して今後検討すべき課題を一番右の欄に掲げてございます。

 このスポーツの果たす役割といたしまして、この一番左の欄でございますが、基本法の前文の、1としてございますが、国民の誰もがスポーツを通じ幸福で豊かな生活を営むことができること、これをすべての前提となる基本的な役割であると位置づけておりまして、これを踏まえまして、具体的な役割として、2から7までの部分でございますが、青少年の健全育成、あるいは地域社会の再生、あるいは、健康の保持増進、あるいは国民に誇りと喜びを与え、社会に活力を生み出すこと、さらには国際的地位の向上、その他がございます。

 そういうことで、これによりまして、実現される社会像をそれぞれ中段に掲げております。すなわち、一番上にございますように、すべての人々がスポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことができる社会といいますものを、すべての施策の前提となる基本的なものと位置づけておりまして、それに引き続きまして、青少年の健全育成、健全に育ち、他者との協働や公正さ、規律を重んじる社会でありますとか、地域の人々の主体的な協働により、深い絆で結ばれた一体感や活力がある地域社会、あるいは、健康で活力に満ちた長寿社会、あるいは国民が自国に誇りを持てるような活力のある社会、あるいは国際的に信頼され、尊敬される国というような形で整理をしております。

 これらに対応する形で、今後検討するべき課題を整理させてございます。一番上段のところは、すべての施策を通じて適用される、いわば横軸の課題ということで、年齢や性別、障害等を問わず、広く人々が、関心、適性等に応じてスポーツに参画することができるスポーツ環境の整備を行うということが基軸にありまして、さらにその具体的な内容といたしまして、事務局案といたしましては、4つの事項を整理しております。ご覧いただきますと、中段に掲げられております社会像と今後検討すべき課題は、必ずしも1対1で対応するという形にはしておりませんで、複数のものが複数に対応するというようなことでございます。そのような形で矢印が1対1になっていないという整理になっております。

 まず、1つ目といたしましては、学校と地域における子供のスポーツ機会の充実、2つ目といたしまして、住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備、3つ目といたしまして、若者のスポーツ参加機会の拡充や高齢者の体力つくり支援等ライフステージに応じたスポーツ活動の推進、4つ目といたしまして、国際競技力の向上に向けた人材養成・スポーツ環境の整備、5つ目といたしまして、オリンピックなど国際競技大会等の招致・開催等を通じた国際貢献の推進、6つ目といたしまして、ドーピングの防止、あるいはスポーツ仲裁等の推進によりますスポーツ界の透明性、公平・公正性の向上、最後にスポーツ界における好循環の創出という事項を掲げているところでございます。

 雑ぱくな説明でございますが、以上でございます。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 それでは、資料8のたたき台につきまして、どなたでも結構ですので、ご意見がありましたら、お願いしたいと思います。

 木村委員、どうぞ。

【木村委員】  前回、私は運動部を中心にご意見を申し上げさせていただいたのですが、このたたき台は非常に美しくて、私はよく整理されていると思っていますが、幾つか意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、スポーツ基本法では、やはりスポーツのいい点、前文等にいい点のみ書かざるを得ないというところはありますが、基本計画では、スポーツの持つ危うさ、リスク、こういうところにも自覚的でありたい、だからこそいい環境をつくらなければいけないということを盛り込みたいと思っております。それが前段でございます。

 それから、子供のスポーツについては、前回までは体力でしたが、委員の意見にもありましたように、子供のスポーツライフ全体について、ちょうどここでは2番目、「青少年が健全に育ち」ということがありますけれども、ここが非常に重要な点だと思います。2番目に来て、大変結構だと僕も思いますが、その最後の課題のところで、「学校と地域における子供のスポーツ機会の充実」というところを、できれば、オリンピックとか、競技大会の方は「透明性、公平・公正性」というのが出ていますので、この格差社会、親の経済、家庭の経済環境、あるいは片親等々、家庭の条件によって子供のスポーツ環境、あるいはスポーツ機会が不平等になってきているというデータもございますので、「学校と地域における安全かつ公平で多様なスポーツ機会の充実」といったように形容詞を入れていただければより結構なのではないかと思っています。

 恐らく、さらに具体的になっていくと、2番目の「住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備」という、その下にある課題については、スポーツ施設に関して、これまで本当に総合的な計画というものを打ち出せないできていました。最後の保体審の答申の時には、体系的なもののみ示しましたが、そういったような総合計画がつくれればよりよいのではないかと思います。恐らくその環境の整備の中に地域スポーツクラブということも入ってくるであろうと思っております。

 それから、残念なのは、財源について。税制も含めて、財源についての記述というものもぜひ必要ではないかと思っています。

 それから、「国際競技力の向上に向けた人材養成・スポーツ環境の整備」というところがありますが、人材養成に関しては、スポーツ関連のいわゆる指導者、現場で指導する方々の養成というのは、具体的な形になるかと思いますが、地方のスポーツ政策、行政を推進していく時に、過去において非常に重要な役目を果たしたのは、社会教育主事(スポーツ担当)といった専門職です。ところが、平成5年から20年、15年間の間に半数以下になっています。そういった専門職を増やしていかないと、スポーツの地方自治もできないのではないかと思っております。このあたりについての目配りもぜひお願いしたいと思います。

 最後は、「スポーツ界における好循環の創出」になるかと思いますが、これにはやっぱり政策、行政も加わった好循環ということが必要だろうと思っています。そのためには、行政や政策を立案する側が、もちろんボトムアップ的な住民参加も重要ですが、やはり政策の立案の中心になる行政の担当者の方たちが、正確なエビデンスに基づいて、今日も統計の問題が前半に出てまいりましたけれども、証拠に基づいて政策が打てる仕組みをこの好循環の中に盛り込んでいく必要があるのではないか。スポーツ統計というものが出てくればなおよろしいと思いますけれども、なかなかそこまでは行かないかもしれませんので、そういう時に、いわゆる体育学会といったようないろいろな学術機関もありますので、そういったようなものも組み込んでいただいて、好循環を生み出していければよろしいのではないかと思っております。

 以上でございます。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 「立国戦略」にも、する、見る、支える人の重視ということですので、専門職を増やしていくということが非常に重要なことではないかと思っています。

 道垣内委員。

【道垣内委員】  スポーツ基本法の構造は、前文があって、それを受けて法律の条文が並んでいます。そして条文の最初の方に基本理念が書いてあって、それを受けて具体的な条文があります。またその条文もすべてプログラム規定のような規定になっており、こういうふうにすべきだという形で、具体的なことは書いていません。そういう構造であるのにもかかわらず、前文の中の、しまも、たとえば第1項の人類共通の文化だという部分は除外して、真ん中あたりのところだけ取りあげて、それについて施策を考えようというのでは、せっかく基本法をつくったことが生きていないのではないかと思います。少なくとも基本理念をスタートラインにすべきだし、本当ならば、個々の条文についてその具体化をどうしますかというのがこの審議会の役割だと私は思って参加しております。

 具体的に言いますと、先ほど浅野委員がおっしゃった、24条のレクリエーションの話は、せっかく条文化されたのに、ここまで抽象化されてしまうと消えてしまうわけです。先ほどの財源の話とか税制の話も、抽象化すると漠然としたものになってしまう。これらの条文をつくった方々、それは国会ですから、国民ですけれども、その国民の思いがそこに表れているはずですから、具体的に書かれた条文から議論をスタートすべきであると思います。また、前文の中には漠然と、スポーツはいいものだと書いてあるところもありますので、議論のスタートラインになりにくいのではないかなと思います。ということで、この紙の全体のつくりに異議ありということでございます。

【山口委員長】  ほかにいかがでしょうか。

 ゼッターランド委員が挙がっていますので。

【ゼッターランド委員】  たびたびすみません。このような形で整理していただいていると、非常に見やすくて、また、言葉のあり方というのももう一度見直すことができるかなと思っています。

 基本法の前文の5番目のところの文言を受けて、スポーツを通じて実現する社会が、「国民が自国に誇りを持ち、経済的に発展し、活力ある社会」というところですが、それを受けて、次の6のところでは、「国際的に信頼され、尊敬される国」というところでいきますと、アスリートが国際大会で活躍するということによって、日本を世界に知ってもらうという役割を果たすところもあると思いますが、もし可能であれば、その実現する社会の中で、5番目のところで、自国に対して誇りを持つということだけではなくて、やっぱり他国の人たちに対してもリスペクトをするということが、スポーツの中で体得できるすごく大事なことではないかと思います。やっぱり国際的に信頼されるため、尊敬されるためには、相手をもリスペクトするということが、アスリートは試合の中で、時には勝敗以上に必要とされるものだといって、少なくとも我々は育てられたと思っておりますので、できれば、そういった世界の中での信頼関係をつくるためにスポーツがいい役割を果たしてくれると思っていただけるのであれば、リスペクトということも入れていただけるといいかと思います。実際に、例えば、サッカーでも、リスペクトを踏まえたプロジェクトというものも立ち上げていっているというような動きもありますので、そこを1つお願いできればと思います。

 以上です。

【山口委員長】  ありがとうございます。

 横山委員、挙がりましたので、お願いします。

【横山委員】  4点、意見といいますか、お聞きしたいことがございます。

 1つ目は、スポーツ環境の整備ということで、旧法の前文に値するところですが、いわゆる社会総がかりでこういったことをやらなければいけないということを考えますと、旧法の中にたしか、そういう学術分野、「スポーツ医科学」という言葉があったかと思いますが、もう少し社会科学といいますか、人文科学といいますか、そういった学問の専門家も入れることによって、その知見を応用していくことも必要と考えます。政策から考える場合は、スポーツ法学のご専門の方がおられますが、もう少しそういう方も入っていただきながら、どうしていくかという視点が大事かと思っております。そういう意味では、幅広い学術分野の専門家の知見をここへ入れていただきたいということでございます。

 2つ目は資料の3つ目にあります、「住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備」ということです。これは少し矛盾するかもわかりませんが、地域の専門家が主導してやるということは往々に見られるのですが、住民とはだれかという議論がありまして、意志決定のプロセスに、住民がなかなか乗ってこない現実があります。いわゆるコンセンサス会議といいますか、素人の意見をどれだけ入れていくかがポイントと考えられるので、そういった場も提供できれば、ここでうたっていることが実現できるのではないかと思っております。

 これは、ちょっと部活とも関わりますが、先ほど出ていましたように、文化部の方が、例えば、週に1回、2回運動部に行っても文句は言われないのですが、運動部が1回、2回休んで文化部に行くといろいろ言われる、これが実態かもわかりません。となりましたら、競技スポーツの振興にかかわる部活のあり方と、大衆化にかかわる運動部のあり方、この2段階の議論も踏み込んで考える必要があるかと思っております。

 3つ目は、資料の6つ目にあります、国際競技大会などの招致・開催ですが、よく言われますように、メガスポーツイベントを導入しますと、施設がどうしても必要になります。一面では、その施設充実がいろいろな地域に貢献するという議論がありますが、その後利用、それに対する説明責任とか、その追跡調査といったことを重視していかないと、なかなかコンセンサスは得られないと思いますので、そういう説明責任をもう少し果たす必要があるかと思っております。

 4つ目は好循環のところです。以前も申し上げましたが、私の範囲ですけれども、やはりトップアスリートを目指してやって、なかなかなれない方、こぼれた方々がたくさんセカンドキャリア形成のために勉強に来ています。たとえばプロ野球の方々のプロアマ問題があります。実際、私のところでも、プロをやめて、今、学校の先生になろうと思って、一生懸命勉強に来ています。しかし、なかなか2年間待つという期間が難しいといった問題があります。野球界では言われることですけれども、こういった場にはなかなか出てこない、そこにはいろいろな仕組みの問題があるかと思います。そこまで踏み込んでいただいて、先ほど小倉委員もおっしゃいましたけれども、謝礼じゃなくて雇用にどう結びつけていくかと。そうしないと、なかなかこれは競技に専念できる環境がないかと思いますので、好循環を生むためには、財源的な位置づけと、実際に生活の夢が見られるような場をつくっていく、こういったことも踏み込んでいただければありがたいと思います。

 以上でございます。

【山口委員長】  ありがとうございます。

 今回の基本法の1つの特徴は、前文のスポーツは人々の権利であるということではないかと思いますが、これは、1975年のヨーロッパ評議会のスポーツ担当国務大臣会議があり、そこのヨーロッパ・スポーツ・フォー・オール憲章、これが最初ではなかったかと思います。3年後の78年に、ユネスコがユネスコ体育・スポーツ国際憲章というところで、そこでまた最初に、スポーツは権利であるというふうなところから出てきたと思います。

 最初のスポーツ・フォー・オールという、75年ですが、我が国では、「生涯スポーツ」という言葉で、生涯スポーツ社会の実現ということでスポーツ振興基本計画に入ってきたわけですが、「基本法」や「立国戦略」に「生涯スポーツ」という言葉がなくなってきています。これは、1つ、恐らく、かつてここの議論でもあったと思います、生涯スポーツというのが、88年の機構改革以来、どうも間違って振興されてきたのではないかと、生涯競わないとか、中高年のスポーツとか、ニュースポーツだけだとか、そうではなくて、幼児期から高齢者、障害者、すべての人を含めたスポーツを楽しむ機会、そういったものをつくるということが生涯スポーツではないかということで、恐らく地方自治体等々でも、生涯スポーツ課とか係とか、いろいろやっていると思いますが、この辺、今までの政策の整合性といいますか、継承性というところでちょっと戸惑いが出てくるのではないかというのは感じております。

 「ライフステージに応じたスポーツ活動の推進」、これはまさに生涯スポーツの推進ですね。ですから、こういったところも少し考慮していただきたいと思っております。

 大日方委員、お願いします。

【大日方委員】  失礼いたします。

 まさに、今、山口委員長や、皆様のご指摘のところを、私も正直、戸惑いという言葉で受けとめました、この資料8についてですね。一見よくまとまっているように感じますが、よくよく考えて、何かちょっと違和感があると。何だろうなと思うと、今回のスポーツ基本法の条文がこの中にあまりにも埋没しすぎてしまっていて、個々の事例について検討を忘れてしまうきらいがあるのではないかと危惧する次第です。特に、今、横軸という言い方で、このスポーツ基本法前文に関して、基本法の前文の最初の1つ目に、「年齢や性別、障害等を問わず」ということでまとめていただいたのはいいのですが、具体的にこの後、検討していく時に、どういう形でこの1というのが入っていけるのかが非常に重要になってくるのではないかと思っております。

 先ほど横山委員からも指摘がありましたが、プロ野球ですね、プロスポーツの仕組みの問題等については、今まで踏み込んでこなかった、これが新しい、今回、初めてスポーツ基本法の中で言及されたものです。同じように、障害者のスポーツというのも、本来、改めて言うべきことではないのかもしれないのですが、とはいえ、このスポーツ基本法の枠組みの中に初めて入ったということは非常に重要な、大切な要素だと思います。特にこの2つの問題をどういう形でこの課題の中に入れていくのかということが、もう少しはっきりした形で見えないと、従来のスポーツ振興法と何が違うのかというところで埋没してしまう危険性を感じましたので、ぜひこの検討課題の中に、これを縦軸という呼び方で言うのであれば、横軸をどういう形で検討していくのかというようなことも入れていただければと思います。

 9条、12条、それから24条のレクリエーションの問題というような個別のものが、どういう形で今後の基本法を受けた施策で使われていくのか、そういうところをしっかりと忘れないように議論するための土台が必要ではないかと感じました。

 以上です。

【山口委員長】  ありがとうございます。

 恐らく横軸は、例えば、連携、協働とか、あとユニバーサル社会とか、バリアフリーとか、あるいはグローバライゼーションとか、そういうものはすべての分野に入っていかないといけないと思いますね。

【大日方委員】  その縦ばかりをやってしまうと、横軸の議論がおろそかになるという危険性を感じています。

【山口委員長】  ありがとうございます。

 それでは、木村委員、どうぞ。

【木村委員】  この資料8の理解ですけれども、これについて、たたき台をつくっていただいた方に、ちょっと解説が必要ではないかなと、今、皆さんのお話を伺って感じました。私の理解は、この一番右側の8項目は、前回のスポーツ振興基本計画の3つの柱がありましたよね、その3つが8つになったと。それぞれが8項に対して、基本法の条文にある具体的な施策がまた入ってくる、そこに到達目標だとか、あるいは現状と課題だとか、具体的な施策展開だとか、そういうものがまだ右側に来るんだろうと僕は思ってこの表を見ていたんですが、どうなんでしょうか。

【山口委員長】  事務局、お願いいたします。

【西井スポーツ政策企画室長】  事務局の解説をしていただきましてありがとうございます。

 先ほどちょっと説明が行き届かず、恐縮でございますが、一番右に掲げられております上段の「年齢や性別、障害等を問わず、広く人々が、関心、適性等に応じてスポーツに参画することができるスポーツ環境の整備」、これがすべての施策に通ずる、いわば横軸という意味でございまして、それを具現化するような形で7つの柱立てを立ててございますが、先生がおっしゃられるとおり、それに対応する形で個別の具体的な施策がそこにまた、いずれかの時期に表れてまいります。その際には、当然ながら、先ほど申し上げました、横軸の観点といいますものが、すべての項目について、具体的にどのような形で実現されるかということが項目として表れてくる、そういう整理を考えています。あくまでもこれは、敢えて3つの柱立てを、この基本法の制定を踏まえまして新たな柱立てに改めた、そういう資料でございます。

【山口委員長】  ありがとうございます。

 宮嶋委員、いかがでしょうか。

【宮嶋委員】  この7つの柱を見ていますと、大きく分けると、矢印でくくってあるところを見ると3つになるかという気もしますが、この一番上のパート、要するに、みんなでスポーツをしましょうという時に、日本の場合は、学校体育も含めて、学校における部活動とか、体育とか、これもスポーツとして日本の特徴の1つであると捉えられているようですけれども、この辺の、スポーツとは何かという規定がすごく重要になってくるのではないかという気がしています。といいますのは、部活動に関しては、この中央教育審議会で15年ほど前にその存続についてかなり深い討論が行われて、結論としては、教育的価値が高いから存続させることとなったという話を聞いたことがあります。

 スポーツの教育的価値の部分と、それから、楽しみとしてスポーツをするという部分の、理解というのが、どこかでぐちゃぐちゃになっているのが日本なのかという気がするのです。スポーツはこういうものだと、この際クリアにしていただくことも大切ではないかという気がいたしました。

【山口委員長】  ありがとうございます。

 恐らく基本的なビジョンがあって、理念があって、その次にミッションが出てきて、そして、その下に重点目標とか主要施策と、こういう縦で来ると思います。

 平井委員、いかがでしょうか。

【平井委員】  ありがとうございます。私、地域で少年団活動をさせていただいております。専門的なことは、先ほどよりいろいろ勉強させていただいておりますが、少年団活動を通し、2点ほどお聞きしたいと思っております。

 1つは、このスポーツ基本法ができたことによって、少年団活動なり、地域でのスポーツ振興がどのように変わるのか、また地域ではいろいろな意味で、スポーツの考え方、それから、子供たちに対する体力向上、体だけではなくて心の発育も大事ではないかとか等、謳われておりますが、やはり少年団活動でも、青少年健全育成とはスポーツだけではなくて、いろいろな地域活動や、それから地域での行事等にも参加したりして、いろいろな意味で、社会の一員として子供たちも参加していこうということでやってきております。

 その中で、具体的なお話になって大変恐縮ですが、スポーツ基本法の中にスポーツの推進のための基礎的な条件の整備というところで、スポーツ施設の整備等というところがあります。前回、日体協の岡崎専務からお話がありましたが、身近にスポーツに親しむことができるようスポーツ施設の整備ということがありまして、利用者の需要に応じたスポーツ施設の運用の改善とありますけれども、現状では、スポーツ施設が多くありませんし、むしろ減少ぎみということで、少年団活動などは、練習等は、地域の小学校のスポーツ施設、体育館とか、それからグラウンド等でやらせていただいております。今後、この基本法ができたことによって、スポーツ施設の整備について何か変わることがあるのか、これからいろいろな意味でスポーツ人口も多くなると思いますので、そういう意味で、スポーツ施設の拡充、充実はどのようになるのか、お伺いしたいと思います。

 もう1点ですが、スポーツ基本法の21条に、地域におけるスポーツの振興のための事業への支援等とありますが、支援というのはお金だけではないとは思いますけれども、地域によっては大変財政面でも厳しいところが多いと思います。それで、市町村によって地方スポーツ推進計画というのはこれから施策されると思いますが、その地域の財政面での厳しさによって、スポーツ振興の支援が異なりすぎるようなことがあってはどうなのだろうというようなことも思います。スポーツの行事の実施等がいろいろ謳われておりますし、今後、地方での、市町村でのスポーツ振興での格差があまりないように考えますがいかがなのでしょうか。その辺をお伺いしたいと思います。

 

【山口委員長】  スポーツ基本法によって施設整備にどういうような影響があるかという質問ですが、事務局から、いかがでしょうか。

【山口スポーツ・青少年企画課長】  失礼します。スポーツ・青少年企画課長の山口でございます。

 先ほどお話もございましたが、現在このスポーツ基本法というものができまして、あくまでも基本法でございますので、これから先、これにどういった形で肉づけして、向こう10年ぐらいどういった形の施策を展開するかということが、これからスポーツの基本計画という中で具体化されていくということになってまいります。あくまで、この法律自体としては、政府、あるいは地方公共団体の方針、一定の方向性というものは示されておりますけれども、具体的に、これを受けてどうやって具体化していくかというのがまさに、恐らくは9月以降に諮問されますスポーツ基本計画の中でご議論いただいて具体化されていくものだと思っています。従いまして、この法律そのものとして、今すぐ何か変わるということは、残念ながら、申し上げることは難しいところでございます。

 また、スポーツ基本法の12条で、スポーツ施設の整備等という項目がございますし、また、同じく並んで13条に、学校施設の利用ということで、学校施設についても、社会人の利用のような、一般の方々の利用に供するよう努めなければならないということもございますので、スポーツ施設という、いわゆる社会体育施設の整備だけを取り上げて12条が設けられているわけではございません。そのトータルの中で、これからどういうふうな形で環境整備していくかということをご議論いただければと考えております。

 それから、もう一つ、地方のお話がございました。地域におけるスポーツ振興のための事業の支援等ということで、これも、先ほどご指摘がございましたように、お金の面だけではなく、さまざまな支援方策があろうかと思います。これについて、基本的には自治体でそれぞれのニーズを踏まえ、あるいは施設の状況を踏まえながらお考えいただくというのがベースになろうかと思いますが、その上で国が何かすることがあるのか、あるいはしなければならないとしたらどういうことをやっていくかというのを、ぜひこれから先ご議論いただければと思っております。

 今の時点で、法律ができたから今すぐ何か変わるということではございませんで、これから変えるためにご議論いただければと思っております。よろしくお願い申し上げます。

【山口委員長】  ありがとうございました。

 これまで、過去10年間のスポーツ基本計画のレビュー、評価を行ってきました。基本法に基づく基本計画は、秋からここでまた、具体的にしていくということでございます。

 それでは、最後に河野委員のほうからお願いしたいと思います。

【河野委員長代理】  ありがとうございます。

 今までるるお伺いしたこととダブることは避けたいと思いますが、第3条にあるように、この基本をもとに、国は責務を持って実際進めていくということを考えますと、1つは、視点をどのように持つかということについて明確にしておいたほうがいいかと思います。これは、先ほど道垣内委員がおっしゃったようなことも関連しますし、それからもう一つは、立国と関係しますと、鎖国状態の中で立国を考えるのか、江戸時代は繁栄したと思いますが、今のように鎖国状態ではとてもあり得ないところで行くのかということを考えますと、例えば、一番左の1のところに書いてありますように、「スポーツを通じて」云々というのは、日本人のことだけ考えていればいいのか、国際的にはどうなんだといったような視点もどこかで持つ必要があるのだろうと思います。

 飛びますが、そうすると、今後検討すべき課題のところで、「国際」というところのキーワードはほとんど国際競技力向上のところになっておりますが、これは極めて重要なことですし、ありがたいと思っていますが、しかし、国際性を持って進んでいくということは、日本の持っているいろいろなスポーツ関連資源をどのように使っていくかということですから、例えば、いろいろなクラブでも国際的な交流もあるでしょうし、あるいは、日本の持っている、どこに強みがあるかというのは私はよくわかりませんけれども、それをもって日本の強みを出していくということも必要だと思いますので、少なくとも、ありふれた言葉で恐縮ですけれども、グローバルな視点でもってこの基本法をとらえていってどう展開していくかということが重要ではないかと思います。

 そういたしますと、真ん中のところでスポーツを通じて実現する社会と書いて、これは極めてありがたいことで、先ほどご議論がありましたが、スポーツ振興からスポーツの推進、そしてスポーツを通じた開発という言葉、これについてもそういった切り口が必要ではないかと思います。

 それから、もう一つ、別な視点で、ぜひご検討いただきたいのは、「学校体育」というキーワードがこの中から欠けていると思います。どこかで議論があったと思いますが、スポーツ基本法ができて、そして、場合によってはスポーツ庁等々を考えることになりますと、学校体育がこの基本法を踏まえてどういう位置づけになっていくのかということは、極めて重要なこととなると思いますので、右側の「学校と地域における」というところに含まれていると思いますが、必ずしもこの中で学校体育すべてを網羅しているように感じないものですから、教育というものも含めて、「学校体育」というキーワードはぜひどこかで入れていただいた方が、文部科学省としても明確な方向性が出るのではないかと思います。学校体育が明確になっていれば、先ほどいろいろ出てきたようなご議論、コーディネーターの件も含めてもう少し違った具体的な展開になってくると思います。

 それから、最後ですけれども、これは道垣内先生がおられるので、いろいろお伺いしたいところでございますが、ドーピングのところで、基本法があって施策ですべてカバーできるのか、基本法の下に、例えば、アンチドーピング法のようなものがあって、そして落としていくことが望ましいのか、この辺は、作業と手順と時間とか、いろいろあると思いますので難しいかと思いますが、ちょっと国際的なことと合わせようとすると、基本法、理念法があって、法律があってということも、どこかで一度お考えいただいた方が整理しやすいことがあるのではないかと思います。

 いずれにしましても、スポーツのコアバリューを、国内の視点だけではなくて、国際的な視点で見直して、これを具体化していくことが重要ではないか。特に、日本の場合は、スポーツに関するいろいろな資源を持っていると思いますし、またさらに充実させていかなければいけないと思います。そうでないと、日本が立国していくのは難しいと思いますので、ぜひグローバルな視点でこれをお考え願いたいと思います。

 ありがとうございます。

【山口委員長】  ありがとうございました。これまでの議論と、今後検討すべき課題についてまとめていただきました。

 それでは、今後の日程等について事務局から説明をお願いいたします。

【西井スポーツ政策企画室長】  今後の日程は、資料9でございますが、9月30日、金曜日、13時から15時まででございます。恐縮でございますが、場所につきましては調整中でございます。次回は、文部科学大臣から中教審の諮問を踏まえてのご審議となり、スポーツ・青少年分科会と合同開催になりますので、若干大きめの部屋を今探しているところでございます。また後日、調整次第、ご案内を差し上げようと存じております。

 あと、最後でございますが、冒頭でご紹介申し上げました、基本法のリーフレットにつきまして、若干、部数を多めにこちらにご用意申し上げておりますので、お帰りの際に、部数をご指定いただいてお持ち帰りいただければと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【山口委員長】  本日、予定しておりました議題は以上で終了いたしました。本日はこれにて終了いたします。皆様、どうもありがとうございました。

── 了 ──

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-- 登録:平成23年10月 --