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青少年の体験活動の推進の在り方に関する部会(第2回) 議事録

1.日時

平成23年6月30日(火曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省16F会議室(16階)

3.議事録

【衞藤部会長】  ただいまから、第2回になります中央教育審議会スポーツ・青少年分科会青少年の体験活動の推進の在り方に関する部会を開催いたします。

 前回部会の最後にお伝えいたしましたとおり、本日から数回にわたりまして、委員の皆様や、あるいは外部の有識者の方々からプレゼンテーションを行っていただき、それをもとに議論を進めてまいりたいと思います。

 本日は、プレゼンテーションの第1回目として、これからの時代を担う青少年に求められる力と体験活動との関係などについて、岡田委員、小柳委員、及び外部有識者として都留文科大学の髙田研教授に意見発表をお願いしております。

 まず、議事に先立ちまして、前回の会議にご欠席の委員の方をご紹介させていただきます。

 本日早速プレゼンテーションをいただきます、前サッカー男子日本代表監督で、財団法人日本サッカー協会理事及び文部科学省参与の岡田武史委員でいらっしゃいます。

【岡田委員】  よろしくお願いします。

【衞藤部会長】  よろしくお願いします。

 新宿区立津久戸小学校長の堀竹充委員。

【堀竹委員】  よろしくお願いいたします。

【衞藤部会長】  よろしくお願いします。

 続きまして、事務局より配付資料の確認をお願いします。

【事務局】  失礼いたします。配付資料の確認をさせていただきます。

 次第の下のほうに2ポツで配付資料というのがございますので、それに従って確認をお願いいたします。

 配付資料1、第1回の部会の主なご意見ということで、この後、これは勝山青少年課長から説明がございます。

 資料2、今回2番バッターというんですか、小柳委員のプレゼンテーションの資料でございます。うつ病発症の急増に悩む社会という、非常にセンセーショナルなタイトルがついてございます。

 それから、本日3人目のプレゼンターである都留文科大学の髙田先生のプレゼンテーション資料が資料3でございます。体験学習についての提言ということです。

 それから、資料4でございますが、前回、それから今回もご欠席の土江委員と、國友委員から御意見を頂いております。表紙に記載の順番は、國友委員、土江委員となっていますが、土江委員のほうが先についておりまして、そして資料4の一番最後に、國友委員からのご意見を付けさせていただいております。非常に参考になるご意見をちょうだいしておりますので、ぜひお読みいただければと思います。

 また、委員の皆様方におかれましては、なかなか限られた時間ではございますので、しゃべり足りない、ないしはこういうことを言いたいという場合は、お手数でも、このような形でご提出いただければ非常に助かります。よろしくお願いいたします。

 それから、資料5、7月のこの部会の日程ということで、次回3回目と4回目の日程を記載しています。4回目について、場所は未定でございますが、日程のみ決まっておりますので、そこをご確認、お願いしたいと思います。

 それから、参考資料1ですが、これも最後のほうに勝山青少年課長より説明があります。福島県の小学生、中学生等子どもを対象にした文部科学省及び独立行政法人国立青少年教育振興機構が実施する「リフレッシュ・キャンプ」の報道発表資料でございます。

 それから、参考資料2が、「東日本大震災」における国立青少年教育施設の対応状況ということで、1枚紙でまとまってございます。

 資料3と4が、重委員から皆様にご配付するようにということでいただいている資料でございます。参考資料3がESDの実施計画。それから参考資料4が、ガールスカウトの経験が中・高生の女子の自己肯定観に与える影響ということで、青少年教育活動がこういった調査研究の対象になっているという非常に参考になる資料と承ってございます。

 以上が本日の配付資料でございますが、足りないとか、これがないというものがございましたら、事務局にお申し出いただければと思います。よろしいでしょうか。

【衞藤部会長】  それでは、議事に入りますが、まず最初に、前回の部会の最後にご提案をいたしました、今後答申案のたたき台を中心となってまとめていただくためのワーキングチームにつきまして、私と事務局で検討の上、5名の委員の皆様にお願いをし、メンバーが決定いたしましたので、お知らせしたいと思います。

 本日は遅れてのご参加となりますが、岡島副部会長にワーキングチームの中心になっていただき、小柳委員、高野委員、高比良委員、星野委員にご協力をいただくようお願いし、ご了解をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

 今後、部会での議論を踏まえ、ワーキングチームでまとめていただく答申案のたたき台をもとに、部会の場で議論を深めていきたいと思います。

 続いて、第1回の部会の議論のまとめについて、事務局よりご説明をお願いいたします。

【勝山青少年課長】  それでは、資料1をごらんいただきたいと損じます。前回は、ご出席の委員の皆様全員から活発なご意見をちょうだいいたしまして、まことにありがとうございました。この第1回部会でのご意見を5つに分けさせていただきまして、まとめをさせていただきました。かいつまんで、私からご紹介をさせていただきたいと思います。

 まず、青少年の体験活動をめぐる課題と現状につきましては、青少年の体験活動の機会が近年、急速に減少していることについて、多くの委員の方からご指摘をいただいたところでございます。また、その背景として、学校や家庭における体験活動の重要性の認識が薄いことや、都市化やそれに伴う子どもの遊びの形態の変化、及び生活環境の変化などについてのご指摘があったところでございます。そして、体験活動の減少に伴い、若者の早期離職やコミュニケーション能力の低下、職場におけるうつの増加など、さまざまな問題が生じてきていることについてもご指摘がございました。

 次に、これからの青少年教育における体験活動の意義・役割についてでございますが、知らないことやわからないことに出会ったときや想定外の事態に陥ったとき、子どものころの体験が困難を切り抜けるための支えになるというご意見を多くの方からいただきました。また、これからの時代に求められる社会全体のことを考えて行動し、他者と協力し合う態度や地域、文化の継承、大災害などの危険に直面したときに、とっさに適切な判断をし生き抜く力など、心身両面においてたくましい人間に育成するために体験活動が必要不可欠であるとのご指摘を多くいただいたものでございます。

 次に、青少年教育における国、地方、民間の役割と連携につきましては、国の役割として、指導者の養成や先駆的なビジョンを示すことについてご指摘があったところでございます。

 次に、青少年教育施設の在り方につきましては、公立青少年教育施設について、効率性の観点から指定管理の導入が進んでおり、そこに優秀な人材を確保し施設を管理運営していくためには、行政の一定のサポートが必要であるとのご意見をいただいてございます。

 最後に、その他でございます。体験活動の推進、必要な方策について、多くの委員の方から、体験活動推進のための法的根拠の必要性についてご指摘をいただいたほか、教員養成課程に体験活動を位置づける必要があること、体験活動と教科の学習との関連性をもとに体験学習の重要性をアピールすることなど、さまざまなご提案をいただきました。

 なお、詳細な議事録につきましては、前回資料とともに、とじたファイルを机上に用意させていただいておりますので、適宜ご参照いただければと存じます。

 甚だ簡単でございますが、以上、第1回部会の主なご意見についてご紹介をさせていただきました。

【衞藤部会長】  ありがとうございました。

 続いて、プレゼンテーションに移りたいと思います。

 冒頭で簡単にご紹介いたしましたとおり、本日は、前サッカー男子日本代表監督・文部科学省参与であり、一般社団法人Okada Institute Japanを設立され、スポーツや野外活動を通じた青少年育成に取り組んでおられる岡田委員と、株式会社東京エージェンシーで人事をご担当されている小柳委員、及び外部有識者として、公立大学法人都留文科大学社会学科教授で、小中学校の教員や国立社会教育施設での指導教員を勤められるなど、幅広く教育実践の現場に立ってこられた髙田研教授より、それぞれ専門的見地から、また取り組みの事例等も交えてご発表をいただきたいと思います。

 委員の皆様からのご質問等については、お三方の発表の後にまとめてお願いできればと思います。ご発表に対するご質問や意見も含めて、ご自由にご意見をいただければと思います。

 それでは、まず初めに、岡田委員からご発表をお願いいたします。

【岡田委員】  じゃあ、座ったままやらせていただきます。これは何分ぐらいなんですか。

【衞藤部会長】  20分ぐらいで。

【岡田委員】  20分ですか、はい。

 初めまして、岡田でございます。第1回を欠席というか、ちょっと僕、知らない間に事務所が断っていたみたいで、気がつかずに来れなくて申しわけございませんでした。

 僕がプレゼンと言われましても非常に困るんですけど、僕がなぜ野外教育、野外教育活動、野外活動に興味を持っている、または今、一般社団法人を立ち上げてやっているかという話を少しさせていただきます。

 僕は若い選手たち、またはユースやそういう選手たちとずっとつき合ってきて、または自分の子どもを見ていても、何か徐々に、徐々に、物事をきちっとやり切れない、簡単に。例えば、コーンの外を走りなさいとコーチが言う。ところが、徐々に、徐々に、今の子は、コーンの少し内側を走ります。「おまえ、コーンの外、走れって言われなかったか」「いや、内も外も大して変わりません」。理屈では大して変わらないんですよ、ほんとうに。でも、そういうことが結局、勝負を分けていくことが多々あります。勝負が決まると大体、マスコミとか評論家は大上段に構えた戦術論、システム論を言います。非常に大事なんですけど、実際、現場にいて感じるのは、80%ぐらいは、それ以外のことが勝負を分けます。小さなことです。たった1回、おまえが大丈夫だろうと気を抜いたとか、まあ、これぐらいでいいかと、そういうことがほとんど勝負を分けています。今回の代表選手に、過去のワールドカップで日本代表がアウェーで一勝もしていない。なぜか。戦術で負けているかと、全部見せました。こいつがここでスライディングして、やられていないやないか。そうしたら、戦術で失点していたり、戦術で点とれなかったというのは、ほとんどありませんでした。だから、僕は勝負の神様は細部に宿るという言い方をします、小さいところに。ここからここまでダッシュと言ったら、ここまで。1メーター手前じゃない。その1メーター手前で抜くことが、結局、運をつかみ損ねてワールドカップ行けないという言い方を、すごくうるさく言います。運というのは、だれにでも、どこにでも流れている。その運をつかむかどうかだ。その一瞬の、まあ、1回ぐらい、それが勝負を分けると。そういうことをうるさいんですけど、だんだん、そういうことができなくなってきています、昔に比べて。

 何か古い言い方をしているように聞こえるかもしれませんけど、そうじゃないな、何でだろうなというのを、ずっと思っていました。

 そんな中で、僕が代表監督に97年、予選の途中に加茂さんが更迭されて、監督になりました。僕、41歳でした。そして、監督をしたことがなかった。コーチしかしたことなかった。いきなり監督になって、ほんとうはやめたかった、逃げ出したかったです。ものすごいプレッシャーで、国立競技場でサポーターが暴動を起こしたり、僕は有名になると思っていないから電話帳に載せていました。脅迫状、脅迫電話がとまらなかったですし、家の前を24時間パトカーが守っているという状況で戦っていました。もうほんとうにやめたい、逃げ出したかったです。ところが、逃がしてくれないので、のたうち回りながらやっていて、そんな中で最後、ジョホールバルというイランとの決戦の場所に行ったときに、家内に電話して、明日もし勝てなかったら日本に帰れない、海外に住むことになるからと、本気で言っていました。ところが、そういう話をしたちょっと後に、何かぽーんと、こう吹っ切れた。明日の試合、おれは今のおれの持っている力すべて出す。ある意味、命がけでやると。それでだめなら、おれの力がないんだからしようがない。謝る、ごめんと。でも、おれのせいじゃないと、これは。おれを選んだ会長、あいつのせいやと、ほんとうにそう思ったですね。そう思ったら、怖いものがなくなりました。翌日、朝、散歩して、マスコミがついてきます。「今日の試合は」「おお、今日の試合、おれの持っているすべて出すぞ。だめだったら、済まん、おれの力足らんかった。でも、おれのせい違う。あいつらだ」と。何か遺伝子にスイッチ入るという言い方をよく筑波大学の先生なんかおっしゃっていますけど、それぐらいの感覚がありました、ぽーんと。

 おそらく我々みんな、これは僕のあくまで感覚です。ご先祖様から、強い生物として生き抜く、氷河期だ飢餓期を越えてきた生き抜く強いものを持っているんだけど、こんな便利、快適、安全な社会にいると、それにスイッチを入れるチャンスがないんじゃないか。僕は決して、そんな強い人間じゃなかった。ところが、やっているうちにだんだん、自分でも強くなってくる。「おれはもう将来、一番に死ぬぞ」「おまえは絶対生き残る」とみんなに言われるんですけど、そんな人間じゃなかった。ああ、やっぱり、僕はありがたいことに、そういう環境を与えられたけど、今の若い人たち、彼らが悪いんじゃなくて、彼らにはそういう環境がないんじゃないかと。

 僕らのころは、鉄橋の上を肝試しで歩きました。落ちたら死ぬかもしれない。電車来たらどうしよう。でも、今これをやっちゃうと、これはだめ、これは。全部守ってくれます。何か人間が家畜になったような、えさが流れてきて、体洗ってくれて、屋根のついたところにいる。生きる力、弱いですよね。

 僕は子どものころ、野球をやっていました。そして、グローブは持っていたんだけど、どうしてもファーストミットが欲しかった。おやじに「買ってくれ」と言ったら、おやじは「あかん。おまえ、グローブ持っとるやないか」と言って、買ってくれなかった。悔しくて、もう必死でお金をためて、ちょっと悪いこともしましたけど、ようやく手に入れたときの、今54歳ですけど、今でも覚えています、あのときの喜びを。ワセリンを塗って、ボール入れて、ひもで巻いて、型をつける。あれを、おやじがぽっと買ってくれたら、ありがとう、うれしかったかもしれないけど、今、覚えていないと思います。

 僕らが豊かだと思ってつくってきた社会、便利、快適、安全な社会というのは、ひょっとしたら生きる力を落としているんじゃないかと。コンビニの前にしゃがんで、「どうせやったって、うざってえ、かったるいよ」と言っているあいつら。あいつらが悪いわけじゃない。生まれたときなんて、そんな遺伝子なんて変わるわけない。でも、彼らは、そこにスイッチを入れるチャンスがないんじゃないか。

 まだ僕は、でも恵まれています。昭和31年生まれですけど、かなり、まあまあ豊かで、うちのおやじは医者でした。そんな不自由せずに育っていました。それでも、まだ普通に生きていくだけで、山あり谷あり、あったと思っています。

 でも、今の若い人たちは、何もしないでも生きていけます。引きこもっていても生きていけます。これは、ある意味、かわいそうです。自分で山をつくって、登って、やったとかと言わなきゃいけない。彼らにそういうチャンスを与える必要がある。

 何か今は無重力の社会のようです。重力がなくなると、筋肉も骨もすかすかになってしまいます。パイロットは、宇宙から帰ってきたら、すぐ立てなかったりします。そのために、宇宙で特別なトレーニングをします。そういう特別なトレーニング、今が無重力な社会だとしたら、特別なトレーニングが要るんじゃないか。それが、やっぱり僕は、スポーツであったり、いろいろな目標を持って、それにチャレンジすることだと思いました。

 ただ目標を持ってチャレンジするなら何でもいいんですけど、その中で、どうして野外体験学習に行き着いたかといいますと、僕はボーイスカウトもやっていましたし、学生のとき、ひとりでテントをかついで、いろんなところを歩いたりしました。僕、学生時代から環境活動を35年ぐらいやっているんですけど、なかなか変わりません、世の中。色々なことがあり、色々な団体ができたり、つぶれたり、できたり、つぶれたりしていく中で、いろんなことを考えました。

 まず1つ、環境保全ということは、地球の環境って、一定なときなんかありません。46億年の歴史の中で、ずうっと変化してきています。今は平均気温15度ですけど、50度、60度、またはかちんかちんに凍っているときもあった。そんな中で、ゆっくりと変わっていくその環境変化に対して生物が適応していった。それが歴史です。

 ところが、僕は富良野で富良野自然塾という倉本聰さんがつくられたところのインストラクターやっているんですけど、46億年を460メーターに置きかえて地球の歴史を歩んでいくと、我々が化石燃料を燃やし出したのは産業革命、220年前です。460メーターの中で0.02ミリです。この間に急激に環境を変えているので、適応する時間がない。だから、その変化をスローダウンさそうというのが環境問題だと、僕はとらえています。

 しかし一方、その変化に対して適応する力、アダプテーション。適応する力が今、日本人は、さっき言ったように、すごく落ちているんじゃないか。1900年に15億だった地球の人口が1950年、50年後に30億になって、2000年、また50年後に倍、60億。今、68億、70億を超えようとしている。人口が増えるとともに地球が大きくなれば問題ないですけど、残念ながら、地球は大きくならない。行く先どうなるんだ。だれもが、ある程度想像がつく。そんな中で、色々な淘汰が来たときに、日本人が一番に絶滅するんじゃないかという気がしました。そして、何とか、そういう生きる力、立ち上がっていく力、そういうものを身につけさせるのにどうしたらいいのかと考えた時に、自分の経験上、そういうものを乗り越えていく力というのは、やはり野外で体験して、自分のルーツに出会う経験を通じて身につくものなのではないかと思いました。

 ルーツとは何かというと、我々は、この地球に生かされていると、よく言います。これは、あるイギリスの作家が書いているんですけど、宇宙から宇宙人が見たら、地球にある大きな人間がつくったビルも、南米のアリがつくった大きなアリ塚も、同じ地球の営みだと。人間だけが地球と人間、人工と自然とを分けて考えている。でも、宇宙から見たら一緒の営みだと。そう、我々がその中で生かされている、一体なんだという感覚、これを感じることが一番大事なんじゃないかと感じました。

 じゃあ、どういうときに感じるんだろうと思ったら、僕は下北半島にひとりで歩いていって、テントを張りました、凪いでいるときに。そして夜中、暴風が吹き出して、怖くて、ずうっとテントを朝までしがみついて持っていた。朝、凪が来て、朝日が上ってきたときに、ほんとうにぼろぼろ涙が出てくるような感動、ああ、生かされているという感動、そういうものを感じました。きっと、そういう自分たちが地球の中で生きているというルーツ、僕はこれをウィエリア、我々のエリアと呼んでいますが、ウィエリアを広げていくこと、そして地球と我々がウィエリアなんだということを感じることが一番大切なんじゃないかと思って。

 僕は詳しいことわかりません、学術的なことは。ただ、よくわからないことはやってみろというのが僕の主義です。そういう意味で、いろんな活動を始めるに当たって、高野孝子さんや星野先生とかにも出会って、色々な勉強をしてきましたら、実はそんなこと、昔から、たくさんの人が感じていて、色々な活動をされているということを知りました。僕だけかと思っていたんですけど、残念ながら。

 そうしてみると、そうやってプロの方が、そんなにたくさんやっておられる。じゃあ何だろうと思ったら、僕にできることは、お金を集めることと人を集めることだ。そうして、そういうプロの方が存分に力を発揮してもらう。それが一番大事なんじゃないかと。

 2つの方法を考えました。1つは、先ほど出ていましたけど、今、学校教育等から体験学習がなくなっている。それを広げるために、ムーブメントを起こすためにどうしたらいいだろう。学校に、こういうことやりませんかと。例えば、僕が野外教育やりますと募集してもたかが知れています。ところが、僕がサッカー教育やりますと言ったら、ばっとだまされて集まる。だまされて集まった子に、環境教育と野外体験教育をくっつける。仲間に、みんなやりたいと言ってくれる。今年、野球の古田に野球教室を四国でやってもらい、子ども達に体験学習、環境学習をやらせています。それから、将棋の羽生も、「僕も何かやらせてください」と言うから、「おまえ何やる」って言って、まだ考えていないんですけど、「雪山キャンプでも、おまえ、やれ」と言っているんですけど。それから、バーンスタインの一番弟子の指揮者の佐渡裕、日比野克彦とか、色々な人たち、仲間を、ある程度パンダです。そうやって、だまして集めて体験学習をさせるというのを1つの柱にしています。そして、それをどんどん広げていって、来年は、できたらもっと広めて、テニスの杉山愛さんとかにもやってもらいたい。そういう活動。それは横に広く広げていく活動。

 それと、もう一つは、より深く、リーダー養成といいますか、さっきのウィエリアを感じる仲間を世界中に増やしていくと。これは高野さんの力で実現するんですけど、来年、カナダのアルバータ大学の学生10人と日本の学生10人、向こうへ連れていって、5日間、2人乗りのカヌーで川を下り、そしてその後5日間、山をハイクする。それを学生が、色々な問題を解決しながら進んでいくと。おそらく、これが終わったときには、その中に強いウィエリア同士のきずなができると思います。そういうきずなが世界中にできてきたら。もう一つ、来年は中国と韓国と日本の学生を4人ずつ、日本に呼んできて、そういう体験学習をさせようと思っています。これはOBSなんかもよくやっているような、ちょっと過酷なものを乗り越えるというところも入っています。

 そして、そういうきずなを持った者が世界のリーダーになっていったら、戦争などなくなるんじゃないか。意外と世界中の紛争とかいろんな問題が解決されるときというのは、イデオロギーとかシステムじゃなくて、人と人のきずなのことが往々にしてあります。そういう、ちょっとばかげた夢かもしれませんけど、そういう夢を持ってOIJというのを立ち上げております。

 まだどうなるかわからないんですけど、お金を集めると言ったけど、なかなか集まっていないんですけど、何とかそういうのを続けていきたいということを、ちょっと鈴木副大臣に話したら、「おまえ、この審議会入れておいたから、出るようにしな」ということで、おそらく、この中で一番力にならないと思います。逆に、皆様と縁ができたら、ぜひ活動を助けていただければと、ちょっとプロフィットを期待して、やってまいりました。

 そういう感じで、ここへ出てきました。野外体験学習というのは、おそらく、我々が価値観を変えないと広まっていかないものだと思っています。

 今回の震災で、実は僕は、ものすごい価値観の転換に気づいたというか。みんなそうだと思うんですけど、今まで、こんな豊かな生活、ずっと続くのかなと。こんな人間が、人口が爆発しているのに大丈夫かな。中国とインド、地球の半分近くの人口いるところが、こんなに経済発展して大丈夫かなと、みんな気づいていたけど、「とはいってもな」と見ないようにしてきたこと、それを見ざるを得なくなった。「とはいってもな」と言えないところへ来たんじゃないかと思っています。

 つまり、本質。水と石油、どっちが大事だ。みんな水が大事だと言います。でも、とはいっても、当面なと。マルサスが18世紀の末に書いた人口論の最後に、これは人口が増えるとともに食物が需給が間に合わなくて人類が破滅するという内容ですけど、最後に、でも、人間はせっぱ詰まったときに異常な力を発揮する、それに期待したいという一文が入っています。ひょっとしたら、今がせっぱ詰まったときかもしれません。

 森信三先生の本には、人間は出会うべき人に必ず出会う。一瞬たりとも早からず、一瞬たりとも遅からず。でも、ぼけっとしていたらわからないよという一文が入っていたと思います、たしか。それを、出会いを自分でつかまなきゃいけない。今回の震災というのは、そういうもの。そうすると、本質というのは何かといったら、我々は地球の中でどうやって生きていくか。石油より水が大事だ。車より足のほうが大事だと。やはり、そこも自然体験、野外体験につながっていくと感じております。

 取りとめのない話でしたけど、プレゼンテーションではありませんね、これは。自己紹介です。済みません、よろしくお願いします。(拍手)

【衞藤部会長】  岡田委員、ありがとうございました。

 それでは、小柳委員、お願いいたします。

【小柳委員】  東急エージェンシーの小柳と申します。今日は、どうぞよろししくお願いいたします。

 私は広告会社の営業として15年、その後、人事部で10年ほど過ごしてまいりましたが、今回の機会いただきまして、企業の人事としての観点から、この分科会のテーマである青少年の体験教育活動の重要性についてということを少し考えてみました。

 考えるに当たりましては、タイトルにも書きましたが、2つの観点をつくってみたんですけれども、1つ目は、今、日本の企業の中で深刻な問題になっているうつ病の現状についてという観点で、2つ目は、今、若者に求められている能力という観点で考えてみました。この2つの観点を考え合わせてみて、体験教育を考えてみようということです。

 ちょっと慌てて作成した資料ですので、至らない点があるかもしれませんけれども、よろしくお願いします。

 本日のお話の順番なんですけれども、最初にうつのお話をさっとさせていただいた後、職場で起きていること、次に企業側が若者に期待していることは何なのかということと、それと最後に体験教育活動の重要性に少し触れてみたいと思います。

 では、うつ病についての現状の確認からお話ししたいと思います。職場でのうつ病の急増はとまるのかというタイトルをつけさせていただきましたが、3つのグラフを御覧になっていただきたいと思います。

 この1つ目が、うつ病・躁うつ病の受診者数と精神科の診療所数の推移です。棒グラフの薄いブルーの部分がうつ病で、濃い部分が、その他と書いてありますが、躁うつ病のことですね。3年ごとの調査ですが、特に99年度からの9年間で、受診者数がざっと2.4倍に伸びています。実はこれ、おもしろいんですけれども、精神科の診療所数も同じように伸びているということがあります。このグラフ見ていますと、02年度以降、つまり21世紀に入ってから、このカーブがぐーっと大きく伸びています。何かこの10年で、世の中のストレスが、ちょっと別次元になったんじゃないかなと思えるような急拡大の状況です。これ、3年ごとの調査ですから、次は11年度の10月に実施されるということなんですけれども、例えばリーマンショックの本格的な影響というのは、その08年度のこの調査の後ですし、あと今回の震災の影響とかも、これから出てくると思いますから、11年度の数字というのは、かなり厳しい数字になるんじゃないかなと思っています。

 次のグラフです。これは精神障害など――これはほとんどうつなんですけれども――の労災請求と認定件数の推移です。要するに、仕事が原因で発症したと思われるケースが、すごく増えていっているということです。この10年間というか、これは11年間ですか、で見ますと、請求件数が大体8倍ぐらいで、認定の件数ということになりますと、ちょっとこのグラフでは見づらいんですが、99年度が14件で、10年度が308件ということなので、約22倍という状況なんです。これも、やはり急拡大であるということが言えます。

 実は、自分が人事に異動したのが2000年ぐらいですから、このカーブの感覚というのは、実感として、私も持っております。とても増えてきていると思っています。

 3つ目は、これは、ちょっとというか、とても残念なデータなんですけれども、精神障害――これも主にうつ病ですが――による自殺の労災請求と認定件数の推移なんですね。請求件数が、この期間で見ると約2倍で、認定件数が約6倍に増えていて、これも急拡大ということだと思います。

 以上の3つのグラフを見ていただいて、改めてご確認をいただいたんですが、うつ病の発症については、この急カーブの感じから、今後増えることはあっても、なかなか減ることは難しいんじゃないかなということを思わざるを得ない状況だと思います。

 このグラフだと自殺ということを取り上げていますが、もちろん自殺という最悪の事態を防がなきゃいけませんが、ご承知のとおり、うつというのは再発率が非常に高い病気で、5割から7割、その再発の度合い、回数にもよるんですけれども、例えば、この前もちょっとお話ししましたが、私、企業のうつ病発症した社員を復職させるための研究会に出ているんですけれども、日本を代表するような、もう超大企業の人事の方のお話ですと、今、発症率が3%を超えている、超えつつあると。かつ、再発率が、驚いたんですが、7割を超えているというお話がありました。

 うつというのは、こういう再発率が非常に高いので、休職者の数は積み上がっていってしまうのですね。そうしますと、色々な企業の方がおっしゃっていましたが、企業の競争力とか体力を、このままでいくと、相当損なってしまいかねない状態にあると思います。ですから、とにかく企業では今、うつ病の発症を予防するとか、あるいは発症した後も回復をサポートして復職させることは、ほんとうに急務という状態になっています。

 ということで、今、ざっとうつの現状をお話ししましたが、じゃあ一体、職場で何が起きているのかということについて、ちょっとお話しさせていただきたいと思います。一応、職場でのうつ病の発症のプロセスというか、メカニズムについて、ちょっとお話しをさせていただいた後、私見なんですけれども、今の日本の企業で起きていることについて、少しお話しができればと思います。

 うつ病が発症するメカニズムというか、プロセスをざっと、ご存じの方も多いと思いますが、確認をしたいと思います。うつ病は環境要因と個体、個人の要因が相互に作用し合って発症する病気なんですが、職場でのプロセスというのを整理すると、こうなると思います。

 例えば、環境要因として、業務量とか、人間関係とか、挫折とか、何か失敗して挫折したりとか、あるいは昇格してストレスが増えたとか、あるいは降格したとか、異動してなれない仕事を始めたとか、いろんな職場のストレスがあると思うんですが、これに対して個体の要因、個人の素因ですね。本人の性格とか、価値観、物の考え方、そのストレスに対する対処能力とか、こういうものが、個人的な要因が相互に複雑に作用し合って、まずいろいろな身体症状ですね。不適応のサイン。眠れないとか、疲れたとか、飯が食えないとか、何かやっても効率が上がらないとか、何か涙もろくなったとか、そういう情緒の不安定が起こると。この状態を我慢したり、ほうっておいたりすると発症してしまうと、こういうことになりますが、また一方で、相当にストレスのある環境にいても、うつになる人とならない人、あるいはなりやすい人、なりにくい人がいるんですね。

 これは、今お話しした個体要因がとても大きい影響なんですけれども、あわせて、例えば、その仕事で、すごく大変なんだけれども、何か達成感がある。人間関係、難しいんだけれども、自分で何かすごい成長している感じがあるとか、あるいは、「何かおまえ大変そうだけど大丈夫か」とか、「何か手伝ってやろうか」とか、あるいは「ちょっと仕事こういうふうにしてやるから」と、そういう何か上司とか同僚の温かいサポートがあったり、あるいは本人が、休日は山に行ったりとか、そういうストレスをうまく解消できている場合は、それが緩和要因として作用して、場合によっては発症を防いでいることもあります。

 ただ、いずれにしても、職場のストレスと本人の性格と緩和要因の、この不足とか欠如が複雑に絡んで、うつは発症します。

 以上、うつの発症プロセスですが、こういう発症のメカニズムを押さえた上で、じゃあ、こういう発症者が増え続けている、日本の会社の職場で一体何が起こっているのかということを、ざっと見たいと思います。

 今、職場で何が起きているのかということですね。これ、昨日の夜、ざらざら書いていたんですけど、私見ですので、書籍とかには十分当たっていません。申しわけございません。簡単にまとめてみました。

 表なんですけれども、この10年、じゃあ、企業で起きたこと、例えばどんなことがあるだろうかなということと、あと、それによって、職場の環境変化が、どんなことが起きたか。これはいっぱいありますから、ここに書いているのは一例なんですけれども、環境変化何があって、それがどんな影響をその職場で起こしているんだろうかということを、ちょっとまとめてみました。

 例えばなんですが、終身雇用が崩壊して、雇用が多様化して、転職というのがすごい当たり前になってくると、同期入社しても、仲いい人間がどんどん社外に出ていって、知らない人がどんどん増えてくる。あるいは、非正規雇用もすごく、3割と言われていますけど、増えていますから、フロアの中に、名前知らない人が、たくさん増えているという現状があるんですね。派遣の方は最長3年ぐらいで、でも実際、1年ぐらいでくるくる変わっていきますから、隣に派遣の方がいらした、あるいは業務委託の方がいらしたというんですけど、1年ぐらいで変わっちゃうので、名前がわからなくなってしまう。何か頼もうと思って名前呼ぼうと思ったら名前が出てこないというような、そういう状況が増えているとか、あるいは、この前も少し触れましたが、年功主義的な人事制度廃止されて、成果主義というのが今すごい勢いで、この10年、15年かけて浸透してきているんですが、やはり個人主義を助長しているという面が、どうしてもあります。成果主義ですから、この前もお話ししたんですけど、人のことを手伝っている時間があったら自分のことをやらないと成果が上がらない。成果が上がらないと自分の昇給とか昇格に影響しますから、どうしても個人主義的な風土になってくる。表面的には、育成とか、支援とか、制度があったりもするんですけど、個人の中に、人を助けようとか、人を育てようとか、そういう動機が、やっぱり弱まっていってしまうということがあったりする。

 あるいは人件費、ずっとこの10年、厳しい時代ですから、人件費削減、どこの会社もやっているんですけど、結果、人手不足で業務過多になると。これは、この下の下にも、IT環境がすごい進んでいるということもあってですね。昔、職場って、ざわざわしていた記憶があるんですよ。「おはようございます」と会社に行くと、何かざわざわ、ざわざわしていて、電話が鳴っていたり、あるいは「何とかファクスだぞ」とか。ファクスってフロアに1台ぐらいしかありませんでしたから、でかい声でファクスが来たと呼ばれたりとか、「取りにいけ」とか、わっとかやったり、あるいは電話がかかってくると、「もしもし」とか言って、お客さんと話していたりとかするときも、どんな仕事が進行して、そいつが何悩んでいるとか、あるいは元気だとか、元気じゃないというのが、何かざわざわした雰囲気でつかめたんですけれども、最近忙しくて、あるいはITがすごく進んでしまって、目の前にいる相手にも、メールで「ご飯食べにいこう」とか、当たり前になっていますから、みんなの状況がわからなかったりする。若いやつが朝来て、「おはよう」と言っていいかどうか迷っているみたいなこともあったりするという状況があるようです。

 それと、そんなような状況の中で、管理職の負担ってすごく増えていますので、自分自身も成果を上げないとだめなわけですから、何か疲れちゃっていて、リーダーシップ不在で。これもほんとうに顕著なんですけど、昔は仕事終わった後、「みんな飲みに行くぞ」と言って、でかい声出して、「また呼ばれちゃったけど、どうする」「行くか」「まあ、行こう」というように、「ありがとうございます」ってついて行ったんですけど、最近、自分もそうなんですけど、「おい、みんな、飲みに行くぞ」って、なかなか声かけられないですよね。1回かけても、「いや、ちょっと今日は」と言われると、次からびびってかけられなくなっちゃう。また断られたらどうしようとか思うと、飲み会などはこのような事情で減っていっている。

 ちょっといろいろと話してしまいましたけど、話していると切りがないんですけど、何が言いたいかというと、さっき環境要因と緩和要因というお話をしましたが、今言っていた、この左側のところというのは、要は環境要因で、この右側というのが緩和要因になっているわけですね。つまり、環境要因で職場のストレスがどんどん強くなっている感覚があるんですけど、実はその影響で、緩和要因がどんどんやせてきているという実態があるわけです。

 だから、この観点からいっても、済みません、ちょっとくどくど話しちゃいましたけど、さっき数字の点からいきましたが、この観点から、もう、うつ病の発症というのは、残念ながら、当面は簡単に減らないと覚悟せざるを得ないのかなと思っています。

 以上、職場におけるうつの現状と、大づかみではありましたが、人事的な観点で見たとき、職場に起きていることはこんなことではないかなということをお話ししました。

 この次、じゃあ、このまま10年で、特にメンタルタフネスが上がっているとも思えない、先ほどの例で言うと、個体要因であるところの若者についてのお話を少しさせていただきたいと思います。

 今、若者に求められている能力は何か。あくまでも企業人事の立場ですが、考えて、まとめてみました。

 今、若者に求められている能力について、ウェブ上で公開されていて、多分ある程度、相応に閲覧されて参照されているだろうなと思われる資料、2つほど御覧になっていただきたいと思います。

 まずこれは、経済産業省が平成21年度ですか、大体大手企業ばかり20社ぐらいに聞き取り調査をしてまとめた社会人基礎力というやつなんです。実際に採用に私も10年かかわっておりますが、人事の人間からすると、すごく共感できるものです。前に踏み出す力、あと考え抜く力、チームで働く力という3つの能力と、あとそれぞれ12個の能力要素を設けて、社会人基礎力として定義しているわけですが、ここで特徴的なのは、12個の能力要素がある中で、うち6つがチームで働く力についてのことになっているということだと思います。行動力とか思考力はもちろん重視しますよということなんですが、ただ、このチームで働く能力については、特に丁重に細かく見ますよというメッセージを、ここに感じます。そういう印象を受けます。

 ついでに言いますと、当社も3つの能力ということで四、五年前からやっていまして、それは、やはり、やり抜く力という、大体上と一緒なんですね。行動能力、やり抜く力と、あと論理立てて考える力と、あとはかかわる力というふうに言っています。だから、大体一緒です。これは面接官に今お願いして、質問も用意して面接をしているという状況なんですが、やはり似ているなと思った次第です。

 もう一つ、資料をごらんください。これは、経団連が昨年に実施した会員企業へのアンケートで、四百数十社回答しているということです。これが選考に当たって重視する項目だそうですが、この順番も、やはり人事としてすごく共感できる。私だけではなくて、おそらく今、企業の人事がこれを見ると、そうだよねということで、かなり意見が一致すると思います。

 ちなみに、当社では人とかかわる力と呼んでいると申し上げましたが、やっぱりコミュニケーション能力が断トツの1位なんですね。

 これは私見なんですけれど、このコミュニケーション能力というのを各社が特に言い始めたのは、この10年ぐらいじゃないかと思うんです。その前は、例えば、ここにもあるかもしれませんが、積極性とか、行動力とか、熱意とか、リーダーシップとか、そういうものが採用基準の定番だったと思うんですけれども、先ほどの大手企業のヒアリングの結果でも、チームで働く力を求めるということで、それが能力要素の半分ぐらい占めているわけなんですけれども、ここでも同じ傾向があって、とても興味深い調査結果だなと思いました。

 では、なぜ会社が、企業が、若手の社会人とか、あるいは新卒採用する際に、チームで働ける能力とか、コミュニケーション能力を期待しているのかということについて、ちょっと改めて考えてみたいと思います。

 多くの企業がコミュニケーション能力を重視するのはなぜだろうかということなんですが、それは、このような方程式であらわすことができると思います。組織力、企業の競争力イコール個人の能力掛ける個人間のつながりということです。

 これは、先ほど岡田元監督のお話もありましたが、チームスポーツ見るとわかると思うんですけれども、個人の身体能力がどんなに高くても、個人間のいい連携ができないと得点はできないということはあると思うんですけれども、したがって、この連携を生み出す個々人のつながり、あるいはコミュニケーション能力が、これは当たり前なんですけれども、企業、組織の中でも非常に大切なことです。

 ですから、先ほど職場内で環境要因が厳しさを増して、ストレスが増えて、結果として、ここにある職場でのコミュニケーション機会が減って、その緩和要因がどんどん損なわれていると申し上げたんですけれども、つまり、職場でのコミュニケーション機会が減って、個人間のつながりが減ると、方程式ですから、企業の競争力も当然落ちてくるということです。

 ですから、コミュニケーション能力は、もちろん顧客ですとか取引先に対して発揮されなきゃいけないということは当たり前なんですけれども、ただ、お話ししたように、いわばコミュニケーション不全を起こしている組織が、ある意味、自己防衛的というか、直感的に重視しているのが、このコミュニケーション能力なんじゃないかというふうに、やや勘ぐりかもしれませんけど、私としては、そう思います。

 ですので、つながりが希薄化していく組織では、つながる能力が、そのカウンターとして、どうしても必要になってくる。たとえコミュニケーションが弱い組織の中でも、上手に良好な人間関係をつくることができるということが、業務を進める上で、成果を出す上でも、極めて大切になったということだと思います。

 最近、学生のコミュニケーション能力も総じて低下しているという話を聞くわけですが、例えば人とかかわることが苦手だという学生が入社してきて、ちょっとコミュニケーション不全を起こしている組織に入っちゃったりすると、人知れず孤独感にすごく悩むことになって、ひどいときはいじめとかにも遭って、最終的にはメンタルトラブルを抱えてしまったりもするということが起こっています。ですから、そういうリスクも高いので、企業はこれが怖いんですね。

 ですから、多くの企業がコミュニケーション能力を重視するというのは、非常に理解できることだと思います。

 ということで、ここまでのお話を1回まとめたんですけれども、うつ病の受診者数の急増ですとか、労災の申請あるいは認定率の急増ですとか、あるいは人事視点ではございますけれど、職場でどんなことが、何が起きているのか。緩和要因として、コミュニケーション機会がどんどん減っている現状がありますという話ですとか、あと今、若者に求められる能力のことをざっと話したんですけれども、もうおわかりかと思いますが、うつが急増していることも、今、企業が若者に何よりもまずコミュニケーション能力を期待していることの根っこって一緒で、要するに、日本の企業とか社会が、いろんな環境変化にさらされて、コミュニケーション不全を起こしているからじゃないかなと思います。これは企業だけじゃなくて社会ということですから、家庭ですとか地域でも起こっていることだと思います。人と人との関係が希薄化しちゃったことのあらわれなんだろうなと思います。

 ですから、そういうつながりが弱くなっている組織とか社会、あるいは地域で、人や社会とつながりを持つ、人とか社会とかとつながる力を持つ子ども、児童・生徒を育てていくということは、ほんとうに大切なことだなと思っています。

 ここに、人とつながると言いながら、自分や人や社会や自然とつながると書いてあるんですけれども、経験から、自分にかかわる力と言うとちょっとわかりにくいかもしれませんが、自分と対話をする力とか、自分とかかわる力が弱い若い人は、人にかかわる力とか人と対話する力も、何かちょっと弱いなと思うときがあります。

 社内でうつになった若い人間と何人も面談をしてきましたが、ちょっとコミュニケーションが弱っている組織の中で、「人と話せないんです」「人とかかわれないんです」という人と話を聞いていると、もう人との対話の前に、あなた、ちょっと自分と対話してみたらどうかと思うことが、よくあります。ですから、自分とかかわる力と入れたんですが、それって、人とかかわる力の土台になってくるんじゃないかなと思いますので、入れました。

 社会というのは人の集まりですし、自然とのつながりは、もう、ここでは言うまでもないので割愛させていただきたいと思いますけど。

 済みません、ようやく体験教育活動の重要性へ来ましたが、「身体で学ぶことの大切さ」と「緊急の課題」ということで、ちょっと書いてみました。

 まず、つながりが希薄化して弱くなっていく社会の中で、人とつながる力をどう育成するかということなんですけど、これ、さっきの上位にあったやつだと思うんですが、コミュニケーション能力、主体性、協調性、チャレンジ精神、誠実性、責任感とあるわけなんですけれど、これが、教室でいすに座って覚えられることかどうかということなんですね。やはり、さっき岡田さんもおっしゃっていましたけど、体験て体の経験なわけですが、さまざまな体験で、「身体」を通じて少しずつ覚えることだし、理解していくことなんだろうと思っています。なので、「身体」を通じて学ぶための「時間」とか、「場所」とか、「プログラム」というのは、ほんとうに大切だなと思っています。

 シンプルなまとめになって恐縮なんですけれども、ポイントは、要するに「身体」だということだと思います。

 体で学んでいるかということなんですけど、例えば、また小さな例に戻してしまうのですが、面接で面接官が聞いているのって、要は、その人の専攻とか、履歴とか、あるいは成績とか聞いていないんです、全然。全然と言うと語弊がありますが、ほとんど聞きません。つまり、その人が、例えば部活動とか、サークル活動とか、アルバイトとか、あるいは留学先で、体を通じてどんなことを学んできたのかなということを、もう細かく根掘り葉掘り面接官は聞くということが多いと思います。身につくという言葉があるとすると、文字どおり、体を使って身についているかどうかということを根掘り葉掘り聞きます。

 なので、まさにここに書かれているようなコミュニケーション能力とか、主体性とか、あるいは協調性とか、チャレンジ精神とか、誠実性とか、責任感とかという、今の企業が、これは経団連だったでしょうか、会員企業四百数十社がこういう回答しているわけですけれども、そういうものを学ぶとすれば、まさにそれは「身体」を通じて学ぶしかないんじゃないかと思っています。

 ですから、今、色々なお話ししてまいりましたけれども、要するに、日本の企業とか日本の社会にとって、もう今、過去にないぐらい、「身体」を通じて学ぶための「時間」とか、「場所」とか、「プログラム」というのが、ほんとうに大切になっていると感じております。

 最後に、緊急の課題ということで、先日いただいた資料の61ページにあったデータに衝撃を受けまして、ちょっと改めて取り上げたいと思って、コピーをさせていただきました。通級による指導を受けている児童生徒数の推移ということですから、要するに、軽度の障害を持つ児童生徒数の推移と読んでいいかなと思っているんですけれども、例えばADHDとか、多動性障害とか、LDですね、学習障害とか、自閉症なんですけど、ここのところって、ほんとうに恐ろしいなあというふうに、冷静じゃいられないぐらい、すごい上昇率だなと感じました。一番最初に、うつの発症率ということでデータを見てもらいましたけど、今世紀に入って、ものすごい上昇カーブだというのが、ここでも起きているんだなということを目の当たりにした感じです。

 今、ゆとり世代が2010年に入ってきて大変ですよとか、いろんなメディア書いていましたが、実際、大したこと起きていると思えないんですけれども、この平成、特に18年度以降ぐらいの世代が企業社会に大挙して入ってくると、もう、もしかすると大変なことになるかもしれないなということを、このデータを見て思いました。

 ですから、日本の企業にとっても、社会にとっても、自然環境での体験教育をメジャーなものにしていくということは、ほんとうに緊急の課題であると思いますので、自分も何かわずかでもできることがあるといいなと、ほんとうに思っております。

 ということで、やたらグラフとかデータが多かったので、最後はちょっとポエムな感じで終わりたいなと思って書いてみました。

 人は自然とつながると、忘れていたほんとうの自分とつながる。そして人はほんとうの自分とつながると、不思議なことに人とつながっていく。これは自分も自然が大好きで、よく山とか、海とか、川とか、島とか行っていましたので、何か自分の中の体験で、こういうものがあります。ここで書いている自然というのは、親しんだり観察する自然じゃなくて、先ほどのお話にもありましたが、基本的に体一つで飛び込む自然。危なかったり、寒かったり、気持ち悪かったり、すごかったりと、そういう自然のことを言っております。

 以上です。どうもありがとうございました。(拍手)

【衞藤部会長】  小柳委員、どうもありがとうございました。

 それでは続いて、3人目の高田教授よりお願いいたします。

【高田教授】  大学の学生委員会の委員長をやっていまして、今、小柳さんのお話なんですけど、休学の学生の多分8割ぐらいは、今おっしゃった、いわゆる精神的な疾患でということでということだと思います。 それで、うちの学校、結構、偏差値高いんです、実は。公立の学校なんですけど。なぜかというと、それこそ、東大、京大あたりのところをねらっている子が、とりあえずあいているから1校受けておこうかということで受けた子が、落ちて来るんです。それで、非常に偏差値高くなっているんですけど、結構そんな子が、もう大学でアイデンティティーを失って、精神疾患になるケースも随分あるようで、今。また、就職に関して、いいお話を聞かせていただきまして、ほんとうにありがとうございました。

 今からお話しする話なんです。岡田委員はサッカー日本代表の監督をされていましたが、うちの家内、既に辞めていますが、実は中学校の教員をやっていました。やめる前の大事件が何かというと、サッカー部が放課後練習していて、味方がですよ、サッカーでばーんとゴールにけったら、そのゴールポストに当たって、はね返ったやつが味方の目に当たったんですよ。目のところにがーんと当たって、それで視力が衰えたんですよね。それから、親が怒ってきて、それで、公務員や学校が訴えられるのはしようがないですよ。ところが、そのボールけった生徒まで訴えて、あげくの果てには、卒業写真に、その子の写真が、サッカーしているところがクラブの紹介のところに載っているというので怒り出して、全部回収しろと。ねえ。もう、「ええっ」て感じでしょう。こんな、いわゆるモンスターペアレントって言うんですか、今、市場でにぎわっているというか、ものすごい数いると。最近、教師をやめて長いので、あまり出会っていないですけれども、そんな時代になっているんだという話から、発表をスタートさせていただきます。

 私、実は昭和54年から兵庫県の小学校に採用になりまして、ちょうど岡田委員より2つ年上なんですけれども、小学校、中学校、そして文科省の青年の家にも3年ほどお世話になりまして、その後、岐阜の県立の林業の学校。それで、今現在は都留文科大学と、よう、これだけ変わっているなということなんですけれども、実は、ほとんどの教育の現場を見させていただいて、そんな話から今日、少しまとめて、お話しさせていただこうかなと思っています。

 今、やっていないのは、実は幼稚園だけでして、この後期から幼稚園チャレンジしようということで、地元の幼稚園と一緒に森のようちえんを始めようとしております。

 これ、昔、若いときに書いた学級通信なんですけど、「先生あのなあ、極楽湯に穴あいているねんで」。極楽湯いうのは銭湯です。「そんでみんな水中メガネを隠して持って行ってな。○○とこのおっちゃんがな、貸してくれいうてな。貸したったら潜ってな。中学生のたまり場になってるねんで。なっ、せんせも行きたいやろ」。放課後、僕に子どもが言ってきた言葉なんですけどね。ここの下町のころは、もう今、再開発して、ここの場所、なくなっちゃいましたですけれども、夕方になったら、みんな、この昔懐かしい風景ですよね。石けんとタオルと持って、みんな集まってきて、そして彼らの社交場ですよね。行くと、やくざのおっちゃんもいてたら、中学生のやんちゃな兄ちゃんもいてて、その中で切磋琢磨しながら育っていくという、いわゆる、そういう時代を子どもたち、過ごしていたんですけれど。

 その後、先ほどの履歴のところにありましたように、私、千里ニュータウンの外側の地域が開発されたところで、そこの教員になって赴任したんですけど、いきなり私、若かったですけど、そこで生徒指導の主事をさせられましてですね。何で僕がなったのかなと思いましたが、小学校なのにもう毎日、事件が山のように起こってくるわけです。水爆弾て、何かかわいいように思うでしょう。違うんですよ。15階の高級マンションの上から水爆弾をするんです。当たったら大けがします。死ぬかもわかりません。犯人、全く捕まらないんですよ。それが、もうしょっちゅう、その辺からいっぱい投げられているという状況。それから、万引きは、まだかわいいです。放火も、いろんなところへ放火して回って、最後、この子は見つかったんですけれども、最後はベッドの上でマッチをいっぱいつけながら、自分のベッドの上でですよ、遊んでいた。親が慌てて電話してきて、何かおかしいということで。その子が、やはり、ずっと火をつけて回っていたとか、そういう事件が多々ありまして、驚きましたですね。これは、どうも子ども達がおかしくなっていると思いました

 そのときにずっと、夜回り先生じゃなくて、僕、昼回り先生でしたので、昼間はずっと、学校終わってから回っていますと、外で子どもたち遊んでいないんですよ、全然。わずか、ぱらぱら、マンションの駐車場なんかで遊んでいるんですけど。いや、自然ないところかって、そんなことないんですよ。千里ニュータウンの外郭ですので、まだ農地もあり、それから竹やぶもあり、割かし自然も高いんですけど、遊んでいないんですよね。

 我々教員で、ギャングエイジがないんじゃないかと、この子ら。ギャングエイジというのは、ご承知のように、小学校の中学年から高学年、三、四年生から五、六年生にかけて、みんなで遊んで、先生なんかよりも自分たちのほうが大事だと。さっきの「先生、一緒にふろ行けへんか」と言った、そういうような集団の子どもらなんですけどね。

 そういうところで切磋琢磨する、そういうような時期が全くないんじゃないか、この子らという疑問を抱きまして、それで何かをしたかというと、1年生から6年生まで悉皆で1週間、前の日、どこで何をした、遊んだかいうのを全部とったんですよ。今でこそパソコンのある時代ですけど、昔は大学の大型コンピューターしかなかったですから、そこと連携してやったんですけれども、594名ですね。かなりPTAの方々も協力していただいてやったんですけれども、友達と遊んだ、いわゆる1日平均どれだけ遊んだかというやつですけれども、6年生で、これパーセントですけれども、見ていただいたら、この青と赤とで。青は全く遊ばなかったという子で、半分ぐらいいますよ、6年生ね。1人までという子が、8割ぐらいの子が、もう6年になって遊んでいないんです。5年生、大体半分ぐらいです、その率が。わずかに、この4年生になると、ちょっとすき間ができていて、5人で遊んでいたいうのが20%ぐらいいてますね。ですから、この、いわゆるギャングエイジに入ろうとするんだけれども、ほかの要因でつぶされてしまっているという実態がわかってくるんです。

 次の友達と遊ばなかった日数ですけれども、何日遊ばなかったかということなんですけど、5日遊ばなかったいうのが赤ですよね。見ていただいたらわかるように、ずっとここから、4年生から5年生、6年生にかけて、ぐっと増えちゃうんです。

 いろいろな原因があるのですけれども、1つ、一番大きかったのは、やはりこのデータから見ていきますと、もう圧倒的に、塾と習い事に、この5年生から通い始めるわけです。総数的には習っている子は少なくても、これ、ばらばらで習っているので、結局遊べないという実態が明らかになってきて、ほんとうにこれでいいのかということをPTAのほうに投げかけました。親と一緒に考えるというのを、私の生徒指導として、この当時やっていたんですよね。

 あれから25年たつんですよ。1984年で、小学校4年生から6年生、10歳から12歳でしたよね。ほんとうに大丈夫かと思う危機感を感じて、その後、私、文科省で働かせていただくんですけれども、1997年5月には、神戸の連続児童殺害事件があって、98年に「生きる力」が必要なんだということが言われまして、その後、1999年になりますと、この生涯学習の審議会の中間の答申が出されまして、何とか子どもたちの体験をさせていかないといけないというのが、この文科省の中でも表に出てきたという、そんなことで、そこからさまざまな施策が行われてきた。

 そこにも私、参加させていただいたんですけれども、その中で、この黄色い本の中で、非常に僕、印象的な一文が残ってあります。地域の体験を通して試行錯誤していくプロセスが大事なんだと。大人が与えてくれるような、先ほどのお話で言うと、ばっと座っていたら何か体験が流れてくるとか、生活のものがすべて流れてきて、何も自分で考えなくてもやっていけるような、そんなものではなくて、試行錯誤、そのプロセスが大事なんだと言われているのですが、なかなか、うまくいっていないというのが現実ではないかと思っています。

 それが2011年、今現在、あのときの10歳から12歳の子は35歳から37歳なんですよ。すなわち、今、4年生から6年生の親世代。ここが非常に大事で、いわゆる体験全くしていない、いわゆるギャングエイジを喪失した世代が、もう既に次のループに入ってきているという。ほんとうに、これで日本が大丈夫なのかという危機感を私は日々抱いておるわけです。

 もっと古い話ですが、私が岐阜県の林業の学校にいたときに、学生と一緒に村々を回って、いわゆる地域の教育力がどうだったのかという、子どもの教育力について調べていたんですけれども、そのときに、2つの大きな行事に出会います。これ、どこかというと、岐阜県の山の中です。中津川からずっと高山のほうに行くちょうど真ん中あたりの、日本では一番林業が元気なところです。加子母村と言います。今現在は、中津川市の中に併合されておりますけれども。ここの、もう90になるようなおじいさんが、やっと自分の記憶の中に覚えていた話で、もう70ぐらいのおじいさんでは知らないんです、全くこんな話は。90代の、いわゆる戦前の記憶を持っているおじいさんが知っていた話なんですけれども、1つは、2月の初午の日に、村を二分して、わざわざですよ。1つの村を二分して、上村と下村に分けて2つのグループをつくって、そして2つの。2つちょうど、お稲荷さんのほこらがあるんです。ここに2人こもるわけです、1晩。こもって、そこで、もう1年生から6年生までが一緒にご飯を食べ、いろんな、いわゆる性的な話も、そこでみんな教えてもらうそうです。そんな空間がそこにあって、それだけじゃないんですよね。この2つのところが戦うんですよね。そのおじいさんのおっしゃるには、いわゆる日清・日露の戦争がその前にあったので、その影響で、戦争ごっこだったと言うんですけど、どうも僕はそうじゃないと思うんですよね。いわゆる戦うところ、非常に値打ちがありまして、彼、どんな戦いだったんですかと言ったら、石投げたり、棒でどつき合いしたと言うんですよ。「そんなんしたら、けがするでしょう」と言ったら、けがしなかったんですね。ここが、やっぱり、すごいところですね、これが。

 何でこんな危ないことするんかというと、もう一つ、実は行事がありまして、左義長と言うんですけれども、一般的にはとんど祭りとか言いますよね。とんど祭りとか、さぎっちょ、左義長とかいう祭りですけれども、いわゆる小正月、1月15日に、竹を立てて、それで正月飾りを集めてきて、それで火を燃やすという集まり。これ、全国的には同じような、実はやっているんですけど、ここも、やはり上と下に、子どもを2集団にわざわざ分けて、そして、これをどちらがたくさん集めてくるかと競争させるんです。村の中から、一生懸命交渉して、もらってくるわけです。もらってくるだけじゃないんですよね。どうするかというと、敵のチームのこれをとりに行くんです、途中で。もっとひどいのは、すきをついて火を放ちに行くんですって。だから、いわゆる守る者と攻める者と分けて、小学校の1年生から6年生までが、それぞれの役割を担いながら、こういう危ない遊びをするわけです。地方によっては、この中へこもって泊まるところもあります。

 ところが、おもしろいのは、戦後、学校教育がどんどん、どんどん進歩してくると、学校から禁止令が出ます。そんな危ないことさせるなというので、全国的になくなってきた経緯があるんですけどね。

 何で、こんなことしているかですよね。ここの村、実は、先ほど、林業の村でしょう。どんなおやじたちが仕事やっていたかというと、ものすごい危険な仕事するわけですよね。林業の引き出しって、今でこそ機械でできますけど、昔は冬の間にやるんですよね。冬の間に、木を滑り台状に組んで、そして手で切り出したやつを、その上を勢いつけて落とすわけです、ばーっと。そして、川のそばまで落としたやつを、それを、いわゆる荒縄で組んでいかだにして、急流を下るわけです。冬の、この雪解け水、春先のですね。ものすごい危ないことをやっているわけです。そのためには、ものすごいチームワークが必要なわけですよね。生きるか死ぬかわからない。だから、若いときから、こういう集団の中で切磋琢磨させるんじゃないかという結論なんです。

 それで、この加子母村のおやじさんたちと一緒に、何とかこういうことを継承できないかということで始めたのが、野山で子育て研究会というやつで、ここでハイバチという、いわゆるクロスズメバチ、ちっちゃなスズメバチです。この、いわゆる幼虫をとる遊びを復活させました。こんな形でとってきて、みんなで山の中で追っかけ回して、とってくるわけなんですね。そして、とってきたやつを、今度は育てるわけですね、木の箱の中で。そして、それを最終的にはいただくわけなんですけれども。

 これを、村の教育力の復活に向けて、どうだったのかということで評価してみたんですけど、まず1つは、異年齢の集団でやっていますから、非常に勉強になりますよね。一番元気になったのは高齢者で、おじいちゃんがすごい元気で遊んでいましたですけれども。それから、もう一つ、これ、実はスズメバチですから、普通のスズメバチと一緒で、何回か刺されると死ぬ可能性だってあるという、そういうリスクがあるんだけど、やっているんですよね。残念ながら、子どもたちだけでできないですよね、今はまだ。学校ではできないですよ、絶対に、こんな危険なこと。これを、じいちゃんたちは、子どもたちだけでやるんだと。大人なんかかかわらなかったと言うんです。これはすごいですよね。

 こういうふうに、親のもとから外に出して、そして地域の中で育てないといけないんだという物の考え方というのは、民俗学なんかでよく言われる「児やらい」とか言われる言い方でしますけれども、親のもとから地域の中へやらうという言い方ですね。いわゆる安心、安全な領域、コンフォートなゾーンからほうり出す教育なんだと。今現在、学校で行われているような引き上げる教育とは全く対比的な、いわゆる日本の伝統的な教育のやり方であるということです。

 ボルノーという、これ、ドイツの哲学者ですけれども、『人間学的に見た教育学』という本の中に、いわゆる経験とは何なのかということを。もとの意味というのは、旅をするということに、これはそして目標まで耐え抜くという言葉がつけ加わって、それで経験という言葉が成り立っている。すなわち、故郷を去って見知らぬ異郷に「旅をする」状況のことで、決して経験というのは安全な場所からは生じないんだ。予想しないものに自分をさらさないといけないんだということですね。

 そういう視点から考えてみますと、例えば、先ほどから何回も出てきますOBSとかがやっている、いわゆる冒険教育というプログラムですよね。これは私が、淡路青年の家ににおりましたときにやっていたプログラムですけど、まさに4メーターぐらいの壁を皆の力で乗り越えたり、それから、50メーターほどあるロックフィルダムをロープ1本でおりたり、こういうことを青年たちに体験する冒険教育というのも、このComfort Zoneから一歩踏み出してAdventureをやっていく、こういう教育なのです。

 こういう教育を、実は、社会教育でやるんじゃなくて、学校教育の中でやっていこうとしたのが、この大阪府立松原高等総合学科です。いわゆる野外で、こういうふうなチームで問題解決をするやり方を十分に学んで、それを授業の中、いわゆる参加型学習へと転換していくということを始めたわけです。それを見ていた、よその高校がやり始めます。真っ先にやり始めたのが、この徳島県立の阿波西高等学校で、ここも結構大変な学校で、僕もやり始めたときからかかわっているんです。ここも同じようなことを考えて、ずっと今、10年ぐらい、私も指導に入っています。それから、神戸のときの震災の後できました兵庫県立舞子高校防災学科、ここも取り入れて、授業の中でやっています。これは、別にチームビルディングだけをやるのが目的じゃなくて、そういうふうな学びの方法を、いわゆるほかの学びの中に入れていくということがねらいになって、非常に成功している3つの高等学校です。ホームページや、本も出ていますので、またごらんください。

 今現在、大学の中でどんなことをやっているかということですけれども、今現在は、1年生が入ってきます。まずオリエンテーション合宿でこれを、私の専攻、80名ぐらいいてるんですけれども、私が指導してやっております。私とうちの学生とで指導して、これをまずやります。そのときに、皆さん、今までは受験勉強を頑張ってきて、それぞれがやってきたんだけど、これから、僕たちの、今の私たちの専攻の勉強はチームでやるんだからねというメッセージを強く打ち出すことを、まずやります。それから、今現在、今度1年生で、学科に入りまして、学科の学生も含めまして、先ほどやりましたようなチームビルドをやっていくような授業をやっております。

 一番最初、私ひとりで、1クラスで始めたんですけれども、あんまりにも学生が応募が多いので、2クラスになり、もう2クラスでも、まだ今、定員の2倍ぐらい、学生の希望者がある。今度は3クラスでやっていこうと。どこまで増えるかという感じなんですけれども、お金がないので、多分3クラスまででとめると思いますけど。

 追加資料で、もう一つ、私、配布したと思うんですけれども、これはうちの大学のカリキュラムで、今年はオリエンテーションで説明したところなんですけれども、環境教育の指導者を養成するという1つのコース認定、これは大学の独自の認定なんですが、そういうプログラムをつくりまして、その中で、1年間で1週間、2年間で2週間の自然学校での自然体験をやってきなさい、そこでプロの人たちに指導してもらいなさいということにしています。そういうことをさせることで、具体的に、このコミュニケーション能力を、いわゆる学校の中のチームビルドの授業だけではなくて、現場の中でそれを展開していくということを今やらせようとして、始めたところです。

 ということで、大学のほうでも今、そんな形で取り組み始めたところです。、最後、提言ですけれども、1つ大事なことは、1つ目が、ギャングエイジ喪失の世代が再生産のループに入っているんだということが一番僕は大事じゃないかと思っていまして、子どもの自由な「遊び」をどうして培養していくのか。子どもだけで切磋琢磨をしていく遊びをどうやったらつくれるのかという、そういう空間と、それからシステムですね。もう一回、これをつくり直さないといけないんじゃないかと思っています。キーワードは、異年齢で遊ばせる、それから適度なリスクがあるということ、それから子どもだけでの試行錯誤ということですね。そこから「遊び空間」としての、もう一度、地域の環境というのを改めて見直して、そこから、いわゆる青少年の施設みたいなものが、どんなことをそれに補てんできるのかということを考えないといけないんじゃないかと思っています。

 2つ目が、市民社会を形成していくインフラとして、先ほど出てきましたですけれども、企業も求めている、市民社会も求めているという、そういうコミュニケーション力を持った人材育成をしていくために、1つは高校生、大学生に対するスキル学習としての体験学習の非常に大切なんだと。この10年ばかりの間に随分と成果を出してきていますので、ぜひ、特に私どもも教員養成カリキュラム、導入していきたいと。今、全学で展開し始めたのは、もちろん初等教育の学生もたくさん受けに来るんですけど。ただ、市民権を得ているわけではありません。それは、とらなくても教員になれます。僕は、やはり、あれぐらいのことはやって教員になってくれたほうがいいと思っているんですけれども、そこのところを、もしこの部会で今後、後押ししていただけたら非常にありがたいかなと思っています。

 以上です。(拍手)

【衞藤部会長】  高田先生、ありがとうございました。

 幅広い観点から先生方の発表をいただき、ありがとうございました。

 ただいまのお三方の発表につきまして、それでは、これから質問とかご意見などを受け付ける時間で、ご自由にご発言をいただく時間にしたいと思います。どのような観点からでも構いませんので、積極的なご発言をお願いします。

 なお、今日は名札が固定されておりませんので、ご発言のある方、立てておいていただいて、ご発言が終わりましたら、もとに戻していただくと、大変、進行上やりやすいので、よろしくご協力をお願いします。

 いかがでしょうか。なかなか最初は口火が切りにくいかもしれませんが。

 では、服部先生どうぞ、お願いします。

【服部委員】  今、お三方のお話を伺いました。前回、私、ちょうど最初の30分ぐらいで失礼したものですから。今回、この1回目の部会の主なご意見書の中にも私の意見も入れてくださっておりましたけれど。

 要は、今日のお話も含めて感じたのは、文部科学省が推奨しているような教育をすると、いわゆる、いざというときに頼れる人ができないなということなんですよね、まさに。ですから、過保護にこれやっちゃだめ、あれやっちゃだめということに結局なって、今まで来ておりますけれども。

 ただ、私、ちょっと栄養学的観点から、先ほどご意見いただいた東急エージェンシーの小柳委員のお話を中心にちょっとお話ししたいんですが、実は最近、新型栄養失調というのが、この一、二年言われるようになりました。コンビニで売られているお弁当なんですけれども、あらゆる種類を買ってきまして、分析をしました。そして、中のミネラルのバランスが非常に悪いということがわかりました。どのような状況かというと、カルシウムとマグネシウムと鉄と亜鉛と、それに銅です。これが、見た目はなかなか立派にできているお弁当でありましても、本来であれば、その中に含有されている今のミネラルが、半分もしくは3分の1しか含まれていないということがわかりました。そして、2週間ほどこれを食べている方々を呼んでまいりまして、ちょっと実験をさせていただきました。というのは、この方々が非常にうつ症になってきているんですね。この二、三年、体がずっとおかしいと言っておりました。

 そこで今、先ほど申し上げたミネラル、カルシウムとマグネシウムと鉄と、それに亜鉛と銅なんですけれども、これを意識的に許容量、実は摂取していただきましたら、2週間後に非常に快適な気持ちになってくださって、うつが治ってきています。これは我々がちょっとびっくりするほど、栄養のバランスが今悪くなってきているなということを感じております。

 それともう一点、私、今から12年ほど前に、ミス・ユニバースの審査員をやっていたことがあるんです。八頭身の人を対象に審査するわけです。BMIを基準で見るわけです。ボディ・マス・インデックスですから、体重を身長の2乗で割りますと出てくる数字で、22というのが標準でございまして、25を超えると肥満、18.5以下をやせというか栄養失調と言うんですけれども、我々が選んだときは、BMIで言えば22ぐらいの人を対象に選んで優勝させましたけれども、今から七、八年前からは基準が変わってまいりました。大体18.5以下でないと優勝しなくなったんです。優勝しないということは、栄養失調でないと優勝しないんです。これは、やたらに細いんですね。どうも基準としては、やせている人が見た目がいいという、また洋服を着たとき着映えがいいということで、どうもファッション業界も、そういう体質なんです。ちょうど今から6年前に、スペインのマドリードのモデルクラブが、実は18.5以下はモデルにしないということを決めました。翌年、パリ、ロンドン、ニューヨークのモデルクラブが同じような線を出したんですけれども、日本はいまだに変わっておりません。美少女コンテストというのもありますけれども、先日あまり細い子が優勝したものですから、びっくりして、その審査員に聞いてみました。「BMI幾つだった」「16.2だ」。もうはっきり言って、栄養失調があの上に並んで、優勝しているんですね。

 こういったことと含めて、先ほどの栄養バランスというものも一方では考えながら組み合わせていかなきゃいけないのかなと思ったものですから、済みません。

【衞藤部会長】  ありがとうございました。

 栄養の観点からのご発言でしたが、ほかにございましたら、どうぞご自由にご発言ください。

【白井委員】  よろしいですか。

【衞藤部会長】  白井委員、どうぞ。

【白井委員】  恐れ入ります。NPO法人トイボックスの白井でございます。大阪府池田市で、まさに小柳委員さんからお話が出ました不登校のお子さん。それから不登校のお子さん、大分今、市とも連携ができてきまして、割合健康なお子さんに関しては短期で学校に戻れるようになってきたんですが、私どものスクールのほうでお預かりをしているのは、発達障害とか、あるいは若年性のうつですね。かなり今増えてきていまして、どっちかを持っている、あるいは複合型、どちらも持っているというお子さん方のスクールと、それから家からも出られない、うちのスクールにも来られないという方のための相談機関をやっておりまして、まさに岡田監督おっしゃっていただいた、ほんとうにかわいそうな環境で育ってしまった子たちなんです。ほんとうに不登校という選択肢があること自体、周りでごろごろしていること自体がほんとうにかわいそうだなと。私たちは考えられなかったですから、学校を休むということ自体が。それがほんとうに楽そうだなと見えちゃうんですね、最初はね。そこから、ほんとうにゼロ以下の状況から元気にして社会に出すという活動をしておりまして、ほんとうにお三方のご意見というのは、非常に身にしみるものがありました。ありがとうございました。

 その中で、私どももスクールを運営しているものですから、危険を伴うことを子どもたちにさせないということに関しては、ほんとうによくわかるんです。我々も、やっぱり体験活動が大事ということで、午前中は読み書きそろばん、午後は全部体験活動をやっているんですけれども、やはりリスクをなかなか冒せないと。何かがあったときにスクールは吹っ飛ぶ可能性は非常に高いなという状況の中で、リスクマネジメントとしては月500円ぐらいの保険をかけているぐらいです。

 私どもは市から民間団体の委託でやっているものですから、最後は校長の私が責任をとるということ以外にないわけですけれども、普通の公立の学校で、やはり、そこまでのリスクですね。それこそモンスターペアレンツというのがたくさんいらっしゃるという中で、なかなかそのリスクを冒せないというのは、非常に実感としてわかるものがあるんですけれども。

 これ、ごめんなさい、どなたに聞いていいかわからないんですけれども、例えば校長先生だったりとか、教育機関だったりとかの、そういうことに対するリスクマネジメントとか、そういうものの研修とかというのは、今どういう形でやられているのかなとか。それこそ、高田先生おっしゃっていただいたような、ほんとうに子どもたちに冒険をさせる、ほんとうに生きている実感をさせるということを実施される上で、どういった、例えば親御さんのご了解とか、あるいは、どういった条件でやられているのかということに非常に関心がありまして、お聞きできればと思います。

【衞藤部会長】  どなたでもということなんですけれども、高田先生のお名前が出たので、まず高田先生。

【高田教授】  学校の話ですか。

【白井委員】  はい。

【高田教授】  僕は学校を出て長いので今の小学校、中学校の現場の話がぴんとはこないので、他のどなたかのほうがいいかと思うんですけど。

 もちろん、リスクに関するマネジメントというのは、多分、校長なり教頭なりが考えているわけなんですけれども、現場にそこまで浸透しているかというのは、それはちょっと疑問です。僕が行っていた時代には、もう、ほぼゼロでしたですから、そういう考え方は。でも、もう10年たっていますので、今、そこのところがどうなのかというのは、ちょっと学校の話はわからないですね。

 今、野外につきましては、星野先生いらっしゃるので、僕が言うこともないので、星野先生がお答えいただけたらと思うんですけれども。

【星野委員】  もう一度、質問の内容を聞かせていただければ。

【白井委員】  実はご質問しました背景というのが、私、高田先生が非常に近所で、池田市というところでやっていまして、いわゆる、あの池田市の事件ですね。池田小学校の事件があって以来、やっぱり学校も門を閉じてしまいましたし、我々も、山の家というところでやっているんですが、やはりかぎはかけて、来客はピンポンという形で、閉じて運営せざるを得ないと。なかなか、やはり今でも公園で子どもだけで遊ばせるとかというのは、かなり親御さん方はリスキーに感じていらっしゃるという状況の中で、特に学校とか、あるいはそういう体験活動をされているような、一番は責任者とかの方のリスクマネジメントの、例えば研修だったりとか、あるいは、例えば親御さんから何か同意書をとっていらっしゃるのかどうかとか、どういう条件の中で運用されているのかというのを、ちょっとお聞きをしたいと思います。

【星野委員】  私が答えるよりも堀竹先生に答えていただいたほうがいいかと思いますので、学校のほうのリスクマネジメントは。

【堀竹委員】  今、学校現場で、まさに校長という立場で、日々いろいろな、そういうリスクを抱えながらの教育活動しております。最近、我々の学校の運営の中で、管理者にとって、やはりリスクマネジメントというのは、研修はあります。管理職研修の中であります。ただし、それが十分かどうかというのは、また別問題ですけれども、そういう問題が学校経営の管理職にとっては大きな問題になりつつあるのは事実だと思います。

 例えば今の時期で言えば、水泳の指導が1つあるときにも、やはり水泳の指導で事故があるということ、これは当然、裁判、補償ということがありますから、学校では参加するに当たっては、もちろん健康診断をした上で、保護者に学校の授業に参加させますという承諾書というんでしょうか、そういうものをとっている学校もあります。すべての学校というわけではないですけれども、かなりそういう学校も多いということで、あらゆる事故を想定して、やはり学校もいろいろな対応を考えているということはあります。

 それによって、物によっては、例えば学校の中で木登りとか、いろいろな外へ連れていって、私たちが子どものころやった体験をさせたいと。それはやる場合には、やはり、それなりの覚悟をして、当然けがをすれば、けがをしたことに適切に対応していくということが必要になりますけれども、命にかかわるような危険なことでない限りは、私のところでは、少なくとも、それを防ぐ手だてを考えた上で、できる限り野外活動、連れていったときにはやらせるという方向では考えています。

【星野委員】  それでは、私のほうも。野外教育の立場から言いますと、体験活動のよさ、幾つかあるんですけれども、活動自体がリスクを含んでいるというのは、非常に教育的に意味のあることなんですよね。子どもたちが、そのリスクをどう対処するかということで、安全能力は非常に高まるので。ただ、どこまでそのリスクを負わせるかという、そのバランスだったり、さじかげんが非常に難しいところなので、例えば学校でやれること、できないことと、民間だからできること、親御さんだからやらせられることみたいなものがあると思うんですよね。その辺の使い分けが非常に難しいのと、注意しなきゃいけないのは、危ないからやらせないになると、先ほど言っているように、子どもの安全能力がかえって育たなくなるので、子どもの成長の芽を摘むことになるのかなという気はいたしますね。

 それから、一般の人の安全対策で申しますと、1999年に、丹沢の玄倉川というところで、一般のキャンプをしている人たちが川に流されて、多数亡くなられた方のことがありました。それまでは体験だったり、キャンプだったりの安全は、かかわる人が自分たちで守るということがあったんですけど、じゃあ、一般のああいう愛好家の人たちの安全、だれが、いつ守るんだという話になりまして、多くの団体さんが、一般市民向けの安全冊子とか、そういうのをたくさん出すようになってきています。今は随分、リスクマネジメントの意識は高まっているかなという気はいたしております。

【白井委員】  ありがとうございます。

【衞藤部会長】  ありがとうございました。リスクがあることも含まれること自体が意味があるというお話であるとか、運営する側が、そういった、どういうことが起こるかということをあらかじめ想定して、ある程度研修でできるようなことだとか、こんなことがお話しになられたかと思いますけれども、今のに関連して、いかがですか。

 どうぞ、國友委員。

【國友委員】  今のリスクマネジメントの件ですけど、私も、今は違いますけれども、数年前まで高等学校へ勤務をしておりましたので、いわゆる、そのリスクマネジメントで、例えば教員がどのように生徒を守ってやるかという、どういう環境整備をするかということも、もちろんリスクマネジメントの非常に大きな要因ですけれども、同時に、生徒がどれほど危険の危機予知能力を持っていくかという、これは非常に大きなことだと思うんですね。

 例えば、体育の時間に、ある生徒がけがをしたと。その場合に、例えば発達段階がありますから、この小学生では、これはやっぱり管理者に責任がある。しかし、この部分にとっては、例えば高等学校になると、これはもう生徒の自己責任だという部分があると思うんですね。したがって、危機管理能力をどう育てていくか。これが、まさに体験の大切さということだと思うんですね。

 だから、リスクマネジメントというのは、どのように危険を回避するような環境をつくってやるかということと、生徒がみずから危機を回避する能力をどうつけてやるかと、その両面の働きが要るだろうと思います。

 それから、小柳先生に1つお聞きをしたいんですけど、非常にいい話を聞かせていただいて、大変参考になりました。1つ、社会人基礎力のところで、今、企業が選考に当たって重視している点が、コミュニケーション能力が断トツに多いんだ、高いんだということをおっしゃいました。私はそのとおりだと思いますけど、ただ、コミュニケーション能力と、ほかにいろんな要因、要素がありますよね。いろんな主体性とか、協調性。コミュニケーション能力というのは、いろんなものを総合した力じゃないかなと思うんですね、ある面では。だから、コミュニケーション能力が別個にあって、そのあとの要素とは別のところでコミュニケーション能力があるということではなくて、例えば知的知識の高さというか、そういう知力の高さということももちろんあるでしょうし、いろんな形でコミュニケーション能力が構成されているんだろうと。

 したがって、コミュニケーション能力を高めるときに、いわゆる体験活動が大切なんていう、これはもう言わずもがなですけれども、それだけを指すのかどうかということですよね。色々な要素が絡んで、そのコミュニケーション能力は身についていくのではないかと。

 例えば選考に当たって、コミュニケーション能力と、このように掲げておられていますけど、コミュニケーション能力というのが、いろんな要素を含んだ上でのコミュニケーション能力というように定義をつけられているのか、コミュニケーション能力の具体的な内容ですね。そういうところについて、聞かせていただけたらと思います。

【衞藤部会長】  では小柳さん。

【小柳委員】  私もコミュニケーションとか、その能力の専門家ではないので、それほど学術的なというか、あるロジックに基づいたお話があまりできないんですが、ただ、コミュニケーション能力が、ある意味、総合力であるということは間違いがないんじゃないかなと思います。

 うちは、コミュニケーション能力というと、同じような議論が実は会社の中で起きまして、かかわる力と言いかえようとしたんですね。それはどういうことかというと、人はすべてのものとかかわり合いながら生きているわけですけど、取引先でも、あるいは顧客でも、あるいは社内でも、あるいは家族でも、あるいは、広告会社ですから、クライアントがいて、そのクライアントの先にお客様がいて、最終的にはゼロエミッションじゃなくても、それはどう廃棄されるのかとか、ステークホルダーとかいう言い方もありましたけど、とにかくどこまでかかわっていけるんだと。そういう視野の広さとか、どこまで見ているんだということも含めて、かかわる力と言おうかとか、そんな議論をしていたのを思い出しました。

 それを例えば、もう少し身近に引き寄せて言うと、その人とどういうふうにその人がかかわれるんだろうかと。かかわった結果、よりよい方向とか、人として望ましい状態をどういうふうにつくっていけるんだということを見る力ということです。だから、饒舌に話せたり、筋道を立てて話せたりすることだけではなくて。

 だから、面接官にお話ししているのが、面接の時間が20分だとしたらば、その20分の、その彼とか彼女のかかわりの中で、何か面接の場が、お互いいい時間を過ごせたと。面接が終わった後、「ありがとうございます」って何か面接官のほうが言いたくなるようなことがあったら、それは選考通してよしみたいな話をしているんですけど、例えばその20分のかかわりの中で、面接官とのかかわりの中でも、何かいいものを残せたりとかいうことを言っていまして、コミュニケーション能力を何かほかとは違うものであるというとらえ方はしていなくて、ある種、総合的な力であることであるというお考えについて、私も賛同いたします。

【衞藤部会長】  ありがとうございました。ほかに。

 星野委員、どうぞ。

【星野委員】  高田さんが発表されたギャングエイジを経ていない、危惧しているという話があって、今、コミュニケーション能力もかかわるんですが、小柳さんに聞いたほうがいいのか、岡田監督に聞いたほうがいいのか、岡田さんに聞いたほうがいいのか、ちょっとわかりませんが、あるとき、私のゼミの授業の中で、「子どもと遊んだことある?」と言ったら、「ない」と言うんですよ。私のゼミの大学生に、「子どもと遊んだことあるか」と言ったら、みんな「ない」と言うので、あるとき民間の人たちがやっているキャンプにお邪魔して、子どもたちに、「僕が連れてきたお兄さんとお姉さん、子どもと遊んだことないので、1日一緒に遊んでもらえないかな」とお願いして遊んだことがあるんですが、翻って、子どもと遊んだ経験もないし、そういうコミュニケーションをとったこともないという彼らは、上の世代の人たちとの話をどうしていいかわからないというのも、どうも実感として持っていないようだったんですよね。

 それを僕はとても気にしていて、もしかすると企業の中でも、そのギャングエイジを経験していない世代の人たちというのは、同世代ではうまくいくんだけど、何か社長さんレベルの人だとか、部長さんレベルの人だとか、係長さんレベルの人たちとうまくコミュニケーションがとれないのかな。あるいは、サッカーで言うと、監督さんだったり、コーチだったり、アシスタントの人だったりと、何かそういう特徴的なコミュニケーションのとりにくさみたいのを今の若い人たちは持っているのかなと思って、ちょっと聞いてみようかなと思ったんですけど、いかがでしょうか。

【衞藤部会長】  岡田委員、どうぞ。

【岡田委員】   実は先週、立教大学の学生を連れて、体験学習ということで、富良野で環境教育をやって、その後、大雪の山でキャンプをして、高野さんも一緒に行っていただいたんですけど、それで、かなり虫に刺されているんですけど。僕が大学生と接することってそれほど多くないので、一番に感じたことは、ものすごく子どもっぽいなと、びっくりしました。プロに来る同年代の子どもというのは、もっともっと大人で、扱いづらいです。大学生なんか、ほんとうかわいいもんです。要は、プロには18歳で入ってきたら、大体もう、そのときには三十四、五の選手から、いろんな世代がいるので、ああ、そこが違うんだなという感触は受けています。

 でも、たまたまそういう環境があったから、彼らはそうなれましたけど、元NHKの清川さんが書いておられる『人間になれない子どもたち』とか、清川さんにお会いして話を聞いたりすると、やっぱり現実的に社会が進化してきたときに、子どもの数も減る。当然、昔は10人いたら1人ぐらい死んでもいいやというのは、まあ、そう思っていないかもしれないけど、だんだん、もう、どうにか大事にしたいとなってきますし、今さっき出ましたように、塾で時間がない、それから遊ぶ場がない。時間と場があっても仲間がいない。そして、家へ帰ったら、本来、父親というのは、家で家業をやったりいろんなことをして、ああ、自分にはできないことをやっていた人だという尊敬するものがあった。生産者だった。ところが、みんなサラリーマンで行って、家へ帰ってきたら、自分と同じ消費者だと。そうすると、何かそういう自分たちと違うもの、畏敬を持つものみたいなものがなくなってきています。のように、社会が進化してくると、どうしようもない問題というのが含まれていると思うんですよね。

 だから、そういうものは意外と、環境問題もそうですけど、答えがない。だから、正解というのがない中で、もう何もしないほうが、それは安全ですけど、自分でチャレンジできることをやっていく以外ないんじゃないかなと、僕なんかは思っていますね。

 

【衞藤部会長】  小柳委員か高田委員、よろしくお願いします。

【小柳委員】  やっぱり若い人を見ていると、正解主義で、それまで試験で正解率が高い人間がいい学校入って、結果いい会社入ったりもするものですから、仕方がないかもしれませんが、やはり正解がないことに弱いのと、あと教えてもらえないものに弱いのと、あと検索してすぐ答えが出ないものにも弱いというのがあります。結果は、今日のお話と一緒なんですけれども、与えられてきたりとか、予定調和の中で、演習とかシミュレーションみたいな感じでしか経験してこなかった。仮にさっき、自然も観察するものだとか、親しむものだということぐらいのところで知っていると言う。あとは検索すれば大丈夫だし、だれか教えてくれるしという感じがあって、体験の総量がすごく少ないというのがあります。

 体験の総量少ないというのは、僕らの世代も、広場少ないとか、あと核家族も2世代目、3世代目とか、少子化がとまらないとか、体験の総量が少なくなって、どんどん、どんどん、パソコンとか、テレビとか、ゲームとかのほうに奪われていっていると思うんですけれども、やっぱり社長とも話せるとか、あるいは同じような目線で学生とも話せるとか、あるいは人事とも話せるというやつは、持っているものが違うというケースもあると思うんですけど、概して体験の総量が、そういう意味でいうと多いという印象はあります。

 ですから、つい会社のほうは、その人が文化祭委員やっていたとか、そうすると、ああ、こいつ、体験の総量ちょっと多いかなと思って、そういう観点で聞いてみたりとか、あるいは海外40カ国バックパッキングで歩いてきましたというと、ああ、一応、じゃあ、体験総量多いかなみたいな感じで聞いてみたりしますが、ただ最近では、この前、宮城県に行ってきましたが、学生がうろうろしているんです。何でうろうろしているかというと、就職の面接が近いので、やっぱりネタを探してうろうろしているという。行ってきましたという話がしたいがために、体験総量が多いですよと言いたいがために体験を増やそうとしているんだけど、何かそれも本末転倒な話で。

【衞藤部会長】  ありがとうございました。

 そろそろ時間が来ていますので、吉田委員、それから先ほど澁谷委員のほうからも。まず吉田委員。

【吉田委員】  私、ボーイスカウト日本連盟事務局長の吉田と申します。先ほど高田先生のほうから提言の整理をしていただいたんですが、これはまるでボーイスカウトのために言っていただいたんだなと思いまして、非常に感謝をしております。

 まず異年齢の集団ということで、ボーイスカウトの場合、これを班と呼んでいまして、そのトップが班長というのがいまして、班長が子どもを教えるんです。つまり、子どもが子どもを教える。じゃあ、班長はだれが教えるかというと、隊長が教える。大人が教える。子どもを直接教えるのは、班長が子どものころから教えていく。

 このリスクなんですけれども、その班長は、隊長から教わったことを小学校の5年生ぐらいのころから、我々のモットーが備えを常にということなので、これに基づいて一生懸命子どもたちを教えていく。ちっちゃなころから、自分は班長であるというリスクを負いながら成長していくというのを小学校、中学校、高校年代と、ずうっとやっていくんです。

 もう一方では、大人は、問題が起きたら困るということで、安全委員会というのを設けて、法的な弁護士さんなんかも含めて、いろんな面でバックアップをしていく。子どもが子どもを引っ張っていく。

 前回の会合で服部先生が、昔は三、四歳の年上の子どもが下の子どもを引っ張っていった。これが今でもボーイスカウトやっているんですが、なかなかうまくいかない部分があります。これは後で言います。

 それで、子どもたちだけの試行錯誤ってあるんですけれども、これも班長に任せているので、班長が試行錯誤で他の班に負けないように、「おらの班はこうやるべ」ということで一生懸命やっていく。

 こういういい活動をやっているんですが、この前の勝山課長のデータにもよりますけれども、我々、昔は32万人いたんですけど、今15万人以下になってしまった。何でなのか。その1つの中に、モンスターペアレンツがあります。

 昨年、4年に1度の日本ジャンボリーを、静岡でやりまして、約2万人の子どもたちが来ました。岡田委員にもお越しいただきまして、岡田委員はカブスカウト、ボーイスカウトを経験されてございますので、体験をそこで言っていただいた。岡田委員のお話の中に、ボーイスカウトもフットボールも発祥はイギリスであるということがありましたが、残念ながら、4人の子どもが、その会場から消えました。どういうふうに消えたかというと、苦しくなったら帰ってきなさいという、親が初めから、旅費から何から、こういうふうなバスに乗って、こういうふうな形で行けば東京駅に着きますというようなことを全部、親がセッティングしていました。1人は、東京駅で見つかりまして、市川に帰りました。1人は、福島のほうの途中で、やはり新幹線の乗るところで見つかった。ボーイスカウトの制服着ているからわかるというのではなくて、もう一人は自由な格好で帰ったので、ただ挙動が何かおかしいということで、警察が見つけてくれたんですけれども。

 やはり我々が頑張っていかなくちゃいけないのは、大人があまりにも子どもに対して導き過ぎると。子どもがもう少し自習で頑張れるように、大人がじっと我慢しなくちゃいけない。痛みを子どもが感じているときに、それじゃいけませんよという形で、すぐ手を出してしまうという。もう一つのリスクマネジメントの中に、事故が起きないように、子どもたちが子どものために工夫してやっているにもかかわらず、大人がそれを引っ張っていってしまうという点に、今非常に苦労しておりまして、そこをどのように我々は、乗り越えていったらいいのかと、今非常に考えております。

 先ほど、もう一つ、小柳さんのほうから自殺の話がございましたけれども、お茶の水大学の藤原先生が、日本の危機という中に、13年間、日本の危機の、この自殺者が、先進国の中で3万人以上のトップを走っている。これは日本にとって非常な危機である。ましてや、40歳以上の男性が、それを半分を占めていると。そうすると、会社の中におけるストレスだとか、いろんなものというものが、ここにたまってきて出てきているのかなとい気がします。

 では、それはどのように解決していけばいいのかというのは、ちょっと我々もわからないんですけど、その40歳の人たちが、我々のボーイスカウトの隊長のメインターゲットなんですよね。だから、彼らが、そういうふうな隊長がそういうふうに思ってしまったら、この運動隊も非常に弱いものになってしまうので、何とか30歳、40歳の生きがいい隊長を、我々頑張って育成していって、国のために、公共心を持った子どもたちをつくっていくというのが我々の目的なので、その備えを常にじゃないですけれども、モットーに、このリスクマネジメントをやっていかなくてはいけないということで、今、試行錯誤はしているんですけれども、問題は子どもではなくて親、大人というのが、私の結論でございます。

 以上です。

【衞藤部会長】  ありがとうございます。

 それでは、澁谷委員にお願いしたいと思います。

【澁谷委員】  リスクの話がいろいろ出ましたけれども、私ども全国の青少年交流の家、青少年自然の家では、やはりリスクとは日々隣り合わせです。私は、所長の立場だと、今でも何かないかなと、常に携帯を持ちながら仕事しているわけですけど、そういう中で、学校もそうですけど、私どもの数ある国公立の青少年施設の中には、やはり、けがをさせたくないからというので、けがをしないような、けがをする可能性のあるプログラムをなくしてしまうようなところも、ままあるわけです。

 具体的に申し上げれば、例えば野外炊事でなたを使わせないような、なたを地元の業者に細かく切って、割らなくても済むような形で提供するとかですね。当然、体験活動と安全教育というところで、とても大事になってくるわけですけど。

 さっきの白井さんの話で申し上げれば、申し込みのときにちゃんと、子どもだけじゃなくて保護者がしっかり、1週間なら1週間、10日なら10日の冒険、チャレンジ的な内容を掌握した上で申し込んでいただく。

 所長の立場としては、長期の場合は保護者にも来ていただくわけです。何を申し上げるかといいますと、皆さんの子どもたち、皆さんのお子さんをお預かりします。ですけど、非常に冒険的な活動もありますので、大きなけがはだめですけど、小さなけがはいっぱいしてもらいますと言うと、ほとんどのお母さん方、青い顔をします。「えっ、預けるんじゃなかった」と、そういう顔をするんですけど、半ばジョーク的にも申し上げるわけですけど。

 ですけど、やっぱり体験活動をして、虫に刺される、すり傷を5つや6つつくるというのは当たり前で、それが活動して一歩成長していく中で、そういうけが、リスクは当たり前だという社会的な風潮みたいなのをどう築いていくかというような話にしないと、なかなか体験活動の推進は難しいのではないかなと。

 と同時に、子どもたちには活動することによって、先ほどどなたかがおっしゃっていましたけど、危険を予知する能力、あるいは危険を避ける、回避する能力というのは、一定の危ない目に遭うことによって身につけていくものでもありますから、そういうことをあえてさせる。当然、あえてさせる中には、十分、百もけがをさせないという自信のもとに、万全な下見のもとにやらせることが大事だと思っております。

【衞藤部会長】  ありがとうございました。まだいろいろとご意見があるかもしれませんけど、また次の機会に御願いします。

 今日は、大変活発なご意見をありがとうございました。新しい栄養失調という食の問題であるとか、あるいはリスクマネジメントのことであるとか、コミュニケーション能力とか、あるいは大人のかかわりについて、この多様な観点で、お3人のお話を1つのきっかけといたしまして、多様なところができたと思います。

 それでは、一応、時間のこともございますので、事務局からの報告事項をお願いします。

【勝山青少年課長】  済みません、時間も押しておりますので、手短にさせていただきますが、参考資料1をごらんいただきたいと思います。資料5の後ろに参考資料1というのがあります。

 先日、報道発表させていただきました資料でございますが、福島県におきまして、校庭の表土を削ったりして、安全に外で遊んでいいですよと。あるいは、プールも水道水を使っていますので、どうぞ安心して泳いでくださいと言っているんですが、現実的には、昨日、私も福島へ行ってまいりましたけど、学校の窓は全部閉め切って、暑い中で授業をし、また通学の際も長そで、あるいはマスク着用という状況があります。そういった中で、子どもたちに思い切り外遊びやスポーツ、体験活動してほしいということで、福島県内にございます私どもの国立の2施設におきまして、5,000人の小中学生を招待して、無料でそのような体験をしていただこうという事業を今回決定させていただいたところでございます。

 磐梯青少年交流の家、那須甲子青少年自然の家、両施設とも、現在もまだ避難者の方々いらっしゃいます。逆に言いますと、そういう方々がいらっしゃいますので、通常の予約はあまりとってこなかったということで、5,000人規模の方々に活動をしていただける余地が残ったということでございます。

 次のページをごらんいただきたいのですが、リフレッシュ・キャンプと銘打って、開催要項をつけさせていただきました。磐梯青少年交流の家が7回、国立那須甲子青少年自然の家は11回、予定をいたしているところでございます。

 その次のページでございますけど、プログラムにつきましては、小学校の低学年と高学年、それから中学生、さらに那須甲子の第7回は親子キャンプを予定しておりますので、それぞれのプログラム例を掲載させていただいております。

 申し込みについては、団体と個人、両方もオーケーとしておりますので、私ども抽選ということも考えましたが、これはなかなか分けることが難しいわけでございまして、地域単位、避難所単位、部活動単位、学級単位、グループ単位、それから個人、それぞれの申し込み単位がございますので、今回は先着順ということにさせていただいております。

 送迎も、すべて私どものほうで手配をさせていただくということでございます。

 その次のページをごらんいただきますと、磐梯青少年交流の家と那須甲子青少年自然の家の概要をつけております。

 最後のページには、この問い合わせの反響を載せさせていただきました。56件問い合わせがあったうち、否定的な意見は1件だけということでございます。

 以上、ご報告させていただきました。

【衞藤部会長】  ありがとうございました。

 少々予定の時間を過ぎてしまっておりますので、さらにこの本部会での課題にかかわるご質問、ご意見等がございましたら、次回の会議で活発なご討論をお願いできればと思います。

 それでは、本日の審議は以上で終了したいと思います。

 次回会議につきましても、本日と同様、委員の方あるいは外部有識者の方より、専門的な見地からご意見をご発表いただくなどして、より審議を深めていきたいと思います。

 ご発表いただく方につきましては、私と事務局と相談の上、後日お願いしたいと思いますので、その際はご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 最後に、事務局から連絡事項があれば、よろしくお願いします。

【浅原青少年課課長補佐】  時間が押して、失礼いたします。

 次回以降の日程でございますけれども、7月12日火曜日17時から、文部科学省3階の1特別会議室で開催をしたいと思っております。資料5にございますので、後ほどご確認をいただければと思います。

 それから、8月以降の会議日程につきましては、改めて日程調整表を配付させていただいておりますので、後ほどご記入いただきまして、事務局までご返送いただくようにお願いをいたします。

 

 以上でございます。

【衞藤部会長】  それでは、本日はこれにて終了いたします。本日は、どうもありがとうございました。

 

お問合せ先

スポーツ・青少年局青少年課

(スポーツ・青少年局青少年課)

-- 登録:平成24年02月 --