背景・経緯について

背景

 大学教員の職の在り方など大学における教員組織の在り方は、従来より種々の場で検討課題として採り上げられてきた。近年においても、平成8年に、中央教育審議会大学分科会の前身である大学審議会において、大学教員の任期制について答申を行うに当たり、助手の職務内容や名称の見直し等を含めた教員組織の在り方について、今後、早期に検討を行う必要がある旨、指摘され、平成11年の大学審議会においても、助手制度の在り方等について一定の審議が行われている。
 また、平成13年3月に閣議決定された科学技術基本計画においては、若手研究者の自律性の向上の観点から、研究に関し、優れた助教授・助手が教授から独立して活躍することができるよう、制度改正も視野に入れつつ、助教授・助手の位置付けの見直しを図ることとされている。
 なお、こうした審議の経緯や内容については、広く公開されているとともに、各大学や大学関係団体においても、教員組織の在り方については様々な検討が行われてきており、既に種々の取組例も見られる。

審議の経緯

 平成13年4月に行われた文部科学大臣から中央教育審議会に対する「今後の高等教育改革の推進方策について」の諮問において、我が国の高等教育の国際競争力の更なる強化を図るため、高等教育制度全体の在り方を幅広く検討するに当たり、その一つとして、助教授・助手の位置付けをはじめ教育研究の活性化に資する教員組織の在り方についても検討することが求められている。
これを受け、一昨年(平成15年)10月に、高等専門学校も含めて、大学における助手、助教授等の教員の職の在り方や講座制・学科目制等の教員組織の在り方について審議するため、中央教育審議会大学分科会の下に「大学の教員組織の在り方に関する検討委員会」が設けられた。
 本検討委員会においては、同年11月に第一回検討委員会を開催して以降、計13回にわたって審議を重ね、その審議の状況については適宜、文部科学省のホームページに掲載するなど、広く公開に努めてきた。
 この間、昨年11月には、それまで審議されてきた論点とそれについての考え方を審議経過の中間的な整理として取りまとめ、文部科学省のホームページを通じて広く意見募集を行うとともに、全ての国公私立の大学及び高等専門学校、無作為に抽出した助手や助教授の方々等に送付して意見を求め、更には、大学関係団体から直接ヒアリングを行ってきた。
また、本検討委員会が設置された大学分科会においても、「我が国の高等教育の将来像(中間報告)」に、この審議経過の中間的な整理の概要について記述するとともに、この中間報告についても意見募集を行っている。
 本検討委員会では、これらを通じて頂いた御意見等を踏まえつつ、更に審議を深め、本年1月、今後の大学の教員組織の在り方についての考え方を取りまとめたので、大学分科会に報告するものである。

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高等教育局大学教育・入試課

(高等教育局大学教育・入試課)