資料4-1 三つのポリシーに基づく大学教育の実現に関するこれまでの答申等

「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」(平成24年8月28日中央教育審議会答申)(抄)


○ 成熟社会において学生に求められる能力をどのようなプログラムで育成するか(学位授与の方針)を明示し,その方針に従ったプログラム全体の中で個々の授業科目は能力育成のどの部分を担うかを担当教員が認識し,他の授業科目と連携し関連し合いながら組織的に教育を展開すること,その成果をプログラム共通の考え方や尺度(「アセスメント・ポリシー」)に則(のっと)って評価し,その結果をプログラムの改善・進化につなげるという改革サイクルが回る構造を定着させることが必要である。
○  学位授与の方針に基づいて,個々の学生の学修成果とともに,教員が組織的な教育に参画しこれに貢献することや,プログラム自体の評価を行うという一貫性・体系性の確立が重要である。

「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育,大学教育,大学入学者選抜の一体的改革について」(平成26年12月22日中央教育審議会答申)(抄)


○  アドミッション・ポリシー等の策定を法令上位置付けるとともに,大学入学者選抜実施要項を見直す。
○ 各大学は,求める学生像のみならず,各大学の入学者選抜の設計図として必要な事項をアドミッション・ポリシーにおいて明確化することが必要であり,高等学校及び大学において育成すべき「生きる力」「確かな学力」の本質を踏まえつつ,入学者に求める能力は何か,また,それをどのような基準・方法によって評価するのかを,アドミッション・ポリシーにおいて明確に示すことが求められる。
○  アドミッション・ポリシーの策定に当たっては,各大学の強み,特色や社会的役割を踏まえつつ,大学教育を通じてどのような力を発展・向上させるのかを明らかにした上で,個別選抜において,様々な能力や得意分野,異なる背景を持った多様な生徒が,高等学校までに培ってきたどのような力を,どのように評価するのかを明示する必要がある。
○ 各大学においては,大学教育で身に付ける力等を明確にした上で,ナンバリングの導入等も含め,個々の授業科目等を越えた大学教育全体としてのカリキュラム・マネジメントを確立し,教育課程の体系化・構造化を行うことが求められる。このような各大学の取組を推進するためには,(…)アドミッション・ポリシーと併せて,学位授与の方針,教育課程編成・実施の方針の一体的な策定を法令上位置付けることが必要である。

「高大接続改革実行プラン」(平成27年1月16日文部科学大臣決定)(抄)


○  アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針),ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針),カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成・実施の方針)の一体的な策定を義務付ける等により各大学の取組を推進する。【中央教育審議会での議論を経て平成27年度中を目途に改正】
○ 専門家による検討も踏まえながら,アドミッション・ポリシーに盛り込むことが求められる事項に関するガイドラインを作成し,各大学に提供する。【平成27年度中にガイドラインを作成】

高大接続システム改革会議「中間まとめ」(平成27年9月15日)(抄)


○  各大学に対し,上記の三つのポリシーを一体的に,かつ明確な内容を持つものとして策定することを求めるに当たって,その法令上の位置付けについて明確化する。
○ この点について,現行法制上,「入学者に関する受入方針」の公表が各大学に義務付けられているが,本「中間まとめ」で述べているアドミッション・ポリシーを法令上位置付けるに当たっては,高大接続システム改革の背景と目的を念頭に置き,従来の「入学者に関する受入方針」に関する規定は削除した上で,新たな規定を設ける必要がある。また,本「中間まとめ」で述べているディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーについても,これまで規定は設けられていない。「授業科目,授業の方法及び内容」,「学修の成果に係る評価及び卒業又は修了の認定に当たっての基準」を公表することとされているが,これらはディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーの概念と一致するものではない。
○  今後,ディプロマ・ポリシー,カリキュラム・ポリシー,アドミッション・ポリシーの三つのポリシーを各大学が一体的に策定し公表することを法令上義務付けることについて,中央教育審議会において具体的な検討を進め,平成27年度中を目途に法令改正を行うべきである。あわせて,三つのポリシーは学生の入学から学位の授与に至るまでの一貫した方針を具現化するものであり,これらを策定するに当たっては,各方針の関連性や一貫性が確保されるよう,三つのポリシーを一体的に策定し公表することの趣旨を各大学が十分理解する必要がある。
○ 三つのポリシーについては,既にその策定に取り組んでいる大学も多い一方で,その内容については,抽象的な文言にとどまるものや,相互の関連性が意識されていないものなども多く,全体として,大学教育の指針として十分な役割を果たしているとは言い難い。また,三つのポリシー,さらにはアドミッション・ポリシーと入学者選抜方法との関係が不明である大学が多く見られる。
○ 大学教育の充実のためには,各大学における三つのポリシー,及び入学者選抜方法を一体的に,充実したものとして策定することが重要であり,そのためには,三つのポリシーについて,その策定を法令上義務付けることとあわせて,国において三つのポリシーの策定と運用に関するガイドラインを策定することが効果的と考える。
○  当該ガイドラインについては,平成27年度中を目途に策定に取り組むべきである。その内容については,中央教育審議会において具体的な検討がなされるべきであるが,例えば次のような方向性を示すことが考えられる。

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高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

(高等教育局高等教育企画課高等教育政策室)

-- 登録:平成28年02月 --