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資料  2
中央教育審議会大学分科会
留学生部会(第10回) H15.7.14

中央教育審議会大学分科会留学生部会中間報告骨子案
「新たな留学生政策の基本的方向について」
−交流の拡大と質の向上を目指して−(仮)


はじめに(前文)

○昭和58年以来、「留学生受入れ10万人計画」に基づき、総合的な留学生政策を実施。

○平成14年5月現在、我が国に受け入れている留学生数は、95,550人に達し、平成15年には、10万人を超える見込み。一方で、急増している留学生が真に勉学、研究を目的としているかどうか、留学生の質についての懸念が増。また、各大学等の留学生の受入れ体制についても、留学生の増加に対応できていないのではないか、という懸念。

○こうした状況を踏まえ、今後10年程度を見通した新たな留学生政策を検討。その際、大学改革の進展、平成16年4月の独立行政法人日本学生支援機構の発足なども視野に入れて検討。


留学生交流の意義(理念)

1   我が国の大学等の国際化の推進と国際競争力の強化

○留学生の受入れや日本人学生の海外大学等への派遣は、それ自体で大学等の国際化に寄与。さらに、多くの優れた留学生を受け入れ、日本人学生を海外の優れた大学等に派遣するため、大学等は教育研究の国際的な通用性・共通性の向上と国際競争力の強化に向けた取り組みを推進。

○我が国で学んだ留学生が留学後も引き続き我が国において就職するなど、外国の優れた人材が活躍することにより、我が国社会の国際化、活性化が期待。

   国際的な視野をもち、国際社会に貢献できる日本人学生の育成と海外における多様な教育機会の提供

○日本人学生が海外に留学することにより、外国語能力の向上を含め、異なる文化に柔軟に対応できる能力を備えることや最先端の学問分野の知見等を体得することが可能。高度な専門的知識を有し、併せて高い外国語能力を駆使し得る国際的に活躍することができる人材を育成。

○各大学等において、受け入れた外国人留学生と日本人学生との交流を進めることによっても、日本人学生の国際的な視野を広げる効果等が期待。

3   国際社会に対する知的貢献、人的ネットワーク形成

○留学生の受入れは、諸外国の人材育成を通じた知的国際貢献であるとともに、各国の英知を結集し人類共有の財産を創造する営み。我が国で学んだ留学生が海外で活躍することなどにより、国際社会における我が国の知的存在感が増大。

○外国人留学生の一人一人を大切にし、留学生が日本のよき理解者として母国に帰国し、当該国の発展に指導的立場で寄与する、そのような人材を育成し、日本との関係を維持。また、日本人留学生が海外で、知識の吸収のみならず、人的ネットワークを形成。


留学生交流の現状と課題

(留学生数の現状)
○平成14年5月1日現在の我が国の留学生数は、95,550人であり、過去最高。このうちの、9割以上はアジアからの留学生。国別では、中国が58,533人で全体の6割を占め、これに韓国、台湾を加えると全体の8割に達する。
   留学生の多くは、学位の取得を目指しており、いわゆる短期留学生の数は、6,171人で、全体の6.5%。

○海外に留学する日本人の数は、年々着実に増加。平成12年に、海外に留学した日本人は、主要32ヶ国で、76,464人。そのうちの6割は北アメリカへの留学生であり、これにヨーロッパへの留学生を加えると全体の約8割に達する。

○一方、大学等の在学者数に占める留学生数の割合で見ると、受入れについては2.6%、派遣については1.5%。これを国際的に比較すると、例えば、フランスでは、受入れは6.7%、派遣は2.6%となっており、我が国の水準は、まだ十分とは言えない。

(日本人の海外留学への支援)
○本来、留学生交流は、双方向の相互交流であることが望ましい。しかし、これまでの我が国の留学生政策においては、国際貢献という観点から、特に途上国からの留学生受入れに重点が置かれてきたことから、日本人の海外留学の促進については、十分な政策的な対応がなされていない。

(留学生交流におけるアンバランス)
○現在の留学生交流の地域別の状況を見ると、受入れについては、9割以上がアジアからの留学生。国別では、中国が58,533人で全体の6割を占め、これに韓国、台湾を加えると全体の8割に達する。一方、派遣については、北アメリカが6割で、これにヨーロッパへの留学生を加えると全体の約8割に達っしており、交流の地域・人数のバランスがとれていない。

(留学生の急増に伴う質への懸念)
○最近の留学生数の変化を見ると、4年前の平成10年の留学生数は、51,298人であり、この4年間におよそ2倍という急激な増加。増加した留学生のほとんどは私費留学生であり、かつ約8割は中国からの留学生。

○このような状況の背景には、1中国を始めとするアジア諸国の著しい経済成長に伴う大学等への進学意欲の拡大と各国における進学機会の不足、2一方で、我が国の18歳人口の減少に伴い、我が国の大学等が留学生の受入れに積極的であること、などが考えられる。

○このような留学生の急増に対し、大学等の受入れ体制が十分に整わず、受け入れる留学生についても質が低下しているのではないか、との懸念が増している。


新たな留学生政策の基本的方向

(留学生交流の一層の推進)
○経済・社会のグローバル化が今後ますます進展することが予想される中で、我が国が諸外国との友好関係を維持するとともに、国際競争力を強化していくためには、留学生交流は重要。

○平成12年4月に開催されたG8教育大臣会合においては、今後10年間で学生、教員等の流動性の倍増を目標とする合意。

○大学等の在学者数に占める留学生数の割合は、欧米先進国と比較して著しく低い水準にあることから、引き続き留学生の受入れ、派遣の両面において、交流の推進を図るべき。

(各大学の取り組みを基本とした交流の拡大)
○今後の留学生交流の推進に当たっては、各大学等において教育研究内容の国際的な通用性・共通性の向上と国際競争力の強化、留学生交流の実施体制の充実を図ることにより、推進することを基本とすべき。

(留学生の質の確保と受入れ体制の充実)
○これまでの留学生受入れにおいては量的な拡大を目指してきたが、近年の留学生数の急激な増加に伴い、真に勉学・研究を目的としているか否かなど、留学生の質の問題への懸念が増している。受け入れる留学生の質の確保に留意して、今後の政策を展開すべき。

○一方、各大学等における留学生の受入れ体制についても、留学生の急激な増加に対応するだけの体制を十分にとらないまま、安易に留学生を受け入れているのではないか、という懸念があり、受入れ体制の質の向上にも留意すべき。

(日本人の海外留学への支援)
○我が国の国際競争力の強化やグローバル化した社会で活躍できる人材を育成するという観点から、外国語によるコミュニケーション能力を含む世界の多様な文化に対応できる能力の育成や最先端の学問分野の知見の修得を促進するため、日本人学生の海外留学についても、留学生政策の一環として、より積極的に推進。

(地域バランス等の改善)
○留学生交流は、双方向の相互交流が基本であり、欧米等からの受入れやアジア等への派遣が充実する方向で、国は支援施策を講ずるべき。

(日本学生支援機構設立等による支援体制の強化)
○特殊法人等整理合理化計画などを踏まえ、日本育英会を独立行政法人化し、併せて国及び留学生関係公益法人の業務を移管して、留学生を含む学生支援業務を統一的視点から総合的に実施する日本学生支援機構が平成16年4月に設立。

○留学生に対する各種の支援業務は、日本学生支援機構を中核として総合的に実施する体制を確立し、留学生に対するきめ細やかで充実した支援が行われることを期待。また、各大学等の留学生関連業務に対する支援・協力も強化。

○文部科学省においては、日本学生支援機構との役割分担を図りつつ、留学生政策の企画調整機能の充実を図るとともに、外務省を始めとする関係省庁との一層の連携の下、政府一体となった留学生政策を展開。さらに、企業、地方自治体、NPO等とも連携し、社会全体として留学生を受け入れる環境を構築すべき。


具体的な施策の方向

1   大学等における教育研究の高度化と国際競争力の強化   

(留学生交流の実施体制の確立)
○各大学においては、学長のリーダーシップの下に、大学としての明確な留学生受入れ・派遣に関する方針を定め、学内の関係部局が一致協力した体制を確立すべき。

(特色のある教育カリキュラムの一層の充実)
○多くの優れた留学生を日本にひきつけるためには、まず何よりも大学等の教育内容が魅力あるものにならなければならない。平成3年の大学設置基準の大綱化以来、各大学において積極的に大学改革に取り組んでいるが、さらに国際的な通用性・共通性のある質の高い教育研究が行われることが必要。

○その上で、外国語による授業や試験の実施など、留学生に配慮した教育プログラムの実施を拡大するとともに、引き続き、学位授与の改善を進めることが必要。

○さらに、外国人留学生にもインターンシップの機会を提供することなどにより、教育効果をより高めるとともに、日本の経済、社会、文化に対する理解を深めることも重要。

(国際化に対応した教官、職員の採用と外国語能力の向上)
○大学の国際化を進めるためには、教員の公募の対象を海外に拡大することなどにより、優秀な外国人教員の積極的な採用を進め、教員構成の国際化を推進することが必要。また、日本人教員の採用の際にも、豊富な留学経験や海外での活躍の実績を加味することが必要。

○留学に関する業務を担当する職員についても、外国語の能力や国際経験のある職員を採用したり、留学業務に関する研修の充実に努め、各大学における受入れ体制の質を高めることが必要。

(大学における情報発信機能と情報収集の強化)
○各大学毎に特色ある教育カリキュラム、指導教官等の教育研究の内容について、インターネットのホームページ等を通じた情報発信を一層充実することが重要。

○留学生を募集する現地の教育機関、留学あっせん機関等の状況について、在外公館を含む関係機関は大学に対する情報提供の充実に努めるとともに、大学等においても関係情報の共有を図ることが重要。

(留学生の学籍管理の徹底)
○留学生の中には、一部ではあるが、実際には大学等に通学せず、不法就労する者がいるとの指摘。大学等においては、入学選考の際に、真に留学を目的とする者を入学させるよう努めるとともに、自ら入学許可した留学生については、責任をもって学籍管理の徹底等に努めるべき。また、地方の入国管理官署との連携が必要。

(自己点検・評価、第三者評価の実施)
○大学は、その教育研究水準の向上に資するため、自己点検・評価を行うことに加え、平成16年度からは、文部科学大臣の認証を受けた評価機関による第三者評価を受けることが義務づけられている。

○第三者評価の評価項目の詳細は、各評価機関が定めるものであるが、留学生受入れの質の確保の観点から、例えば留学生に対する教育プログラムの在り方や大学における留学生の受入れ体制等について、充実した評価が行われることを強く期待。

2   渡日前から帰国後に至る体系的な留学生受け入れ支援体制の充実

(独立行政法人日本学生支援機構の設立)
○日本学生支援機構においては、国及び公益法人で実施してきた奨学金の支給、国費留学生に対する日本語予備教育、留学生宿舎に関する業務等を実施予定。さらに、海外に向けた情報提供の充実や留学生関連業務に関する研修の実施など各大学における留学生受入れの体制を充実させるための協力・支援を行い、質の高い留学生受入れのための取り組みを強化することが期待。

○日本学生支援機構が、我が国の留学生支援の中核的な機関として、渡日前から帰国後までの留学生支援施策が体系的で、一貫したものとなるよう、制度設計がなされる必要がある。

(海外での情報提供の充実)
○多くの優れた留学生を日本にひきつけるためには、日本留学に関する情報提供機能の強化が必要。

○日本学生支援機構においては、外務省と連携しつつ、インターネットのホームページにおいて提供する日本留学に関する情報の内容の充実を図ることが必要。また、外務省、在外公館や日本学術振興会、JICA等の海外事務所等とも連携しながら、海外における情報提供や相談の充実などを図るべき。さらに、将来的には、日本学生支援機構の海外拠点を一層充実することを検討すべき。

○留学生受入れの地域バランスを考慮し、日本への留学生の少ない地域の中から、戦略的に対象地域を選び出し、留学情報の提供を重点的に行うことも考えられる。

(日本語教育機関等に対する支援)
○日本語教育機関で学ぶ者の約7割が、我が国の高等教育機関へ進学しているなど、日本語教育機関やその在籍者への支援は、留学生政策の一環として着実に充実を図るべき。

○日本語教育機関の学生については、現在、在留資格は「就学」とされているが、その取り扱いについて検討を行うべき。併せて、交通機関における学割の適用など、就学生に対する支援が一層拡充されるよう、関係機関に働きかけるべき。

(渡日前入学許可の推進など入学選考の改善)
○質の高い留学生を受け入れるためには、入学選考の在り方が重要。

○日本留学試験については、海外における試験の実施と普及に更に努めるべき。また、日本の大学教育における英語の重要性に鑑み、英語を試験科目とすることなど、試験の内容について検討すべき。さらに、各大学が日本留学試験を活用して渡日前入学許可を積極的に実施するよう働きかけることが必要。併せて、各大学においては、海外面接の拡充や情報通信技術を用いたインタビューの実施について検討すべき。

○日本の大学等に入学する留学生の多くは、日本の日本語教育機関の修了者。各大学等にとって、入学選考の際に、日本語教育機関と連携し、日本語教育機関における成績や出欠状況などを選考の資料とすることは、入学者の質を確保する上で有効。

(国費外国人留学生制度の在り方と今後の方向)
○国費外国人留学生制度については、制度の根幹は維持しつつ、留学生の質の確保等の観点から、必要な見直しを行う。

○国費留学生の採用方法は、大使館推薦、大学推薦、国内採用の3種類があるが、それぞれの制度の特徴を踏まえつつ、適切な割合について検討すべき。また、国費留学生への応募は誰にでも開かれた平等なものであるべきであり、募集・選考の過程の透明化を一層図るべき。さらに、各学年末などに留学生の成績の評価を行い、成績不良等の場合には、以後の奨学金の給付を打ち切るなど、成績管理を適切に行うべき。

○国費外国人留学生制度の一つであるヤング・リーダーズ・プログラム(YLP)については、プログラムの実施大学の拡大の在り方、学生選考方法への公募方式の追加等について検討を行った上で、着実に推進すべき。併せて、将来のナショナル・リーダーたるYLP留学生の間に人的ネットワークを確実に構築するため、留学後のフォローアップの充実を図ることが重要。

(私費留学生支援制度の在り方と今後の方向)
○我が国の留学生のうち、およそ9割は私費留学生が占めており、私費留学生に対する支援は重要。その際、私費留学生の質の確保にも留意することが必要。

○私費外国人留学生学習奨励費については、引き続きその充実を図るとともに、日本留学試験の一層の活用など、留学生の質の確保にも留意した制度の改善を図る。

○授業料減免学校法人援助については、私費外国人留学生の授業料負担の軽減を図るものとして重要な役割を果たしているが、1現在の制度では安易な留学生の受入れにつながるおそれがあるのではないか、2経済的に困難な留学生に対する支援として十分なものになっていないのではないか、などの指摘。

○真に援助が必要な留学生が適正に授業料の減免を受けることができるよう、制度の在り方を検討することが必要。

(留学生宿舎の整備の在り方と今後の方向)
○留学生にとって、低廉で良質な宿舎の確保は重要。近年の留学生数の大幅な増加を踏まえ、引き続き、大学や公益法人等が設置する公的な留学生宿舎の着実な整備と適切な維持管理が必要。その際、留学生のみを入居させるより、留学生と日本人学生が混住し、交流の推進が容易な形態となるよう配慮すべき。
   なお、国立大学法人等の宿舎の整備及び維持管理に当たっては、PFIを活用することも可能。

○民間宿舎の入居についても、それを容易にするため、「指定宿舎確保事業」や「留学生住宅総合補償事業」、留学生支援企業協力推進協会を中心とした社員寮の活用を着実に実施することが必要。

(留学生と地域等との交流)
○留学生の日本の社会や文化に対する理解を深めるためには、日本人学生や地域との交流が重要。全国各都道府県に設置している「留学生交流推進会議」を通じて、地域との交流の促進を図るとともに、日本学生支援機構の留学生宿舎に国際学生交流拠点機能を持たせ、留学生と日本人学生の交流をはじめ、多彩な交流事業を体系的、継続的に実施することが望まれる。

(セイフティー・ネットの充実)
○留学生が我が国での留学生活を送る上で、様々な不測の事態に直面しても、安心して留学生生活を送ることができるよう、支援の充実を図ることが必要。

(留学生に対する帰国後の支援の充実)
○留学生交流の意義を高めるためには、留学生の帰国後の適切なフォローアップが必要。そのため、元留学生による同窓会の結成とその活動の活性化を図るため、大学等によるインターネットのホームページ等の活用による支援や、元留学生の再来日や指導教員の派遣、元留学生のデータベース化などを進めていくことが必要。その際、外務省などの関係機関とよく連携することが重要。

(留学生の卒業、修了後の就労)
○大学等で学んだ知識、技術を生かして日本で就職することを希望する留学生が、近年増加してきており、企業の側でも、経営の国際的展開等に対応するため、留学生の採用数を増やしている状況にある。就職を希望する留学生を支援し、円滑な就職機会の確保を図るためにも、大学等における指導の充実、就職に関する適切な情報の提供が望まれる。

○研究人材の多様性を向上させる等の観点から、卒業、修了する留学生が引き続き日本で研究者として研究に従事できるような環境を整備することが必要。このため、ポストドクター制度による支援や競争的研究資金による雇用の充実など研究を継続できる経済的支援の充実を図ることが重要。

3   多様な教育、研究に対するニーズに応じた海外留学の支援

(海外留学に関する情報提供の充実)
○日本人学生が留学目的にあった留学が行えるよう、日本学生支援機構を中心として、海外大学等の留学事情情報の収集、提供機能を強化するとともに、留学相談の充実を図ることが必要。

(短期留学の推進)
○短期留学は、より容易に、諸外国との間の相互交流や国際理解、国際協調を促進することが可能であることから、今後一層推進していくことが必要。

○大学等において短期留学生受入れのための日本語能力を要しない教育プログラムの充実や交換留学生のための単位の相互認定、授業料の相互免除等を基本とした大学間や複数大学の連合体(コンソーシアム)間の交流協定の締結とその積極的運用などを図ることが必要。その際、アジア太平洋大学交流機構(UMAP)等が開発したUMAP単位互換方式(UCTS)の活用が有効であり、UMAPの活動、UCTSに対する大学等の理解増進、普及を図ることが必要。

○短期留学の推進に当たっては、アジアへの派遣、欧米からの受入れを充実するなど、交流の地域バランスに留意することが必要。

(海外留学の支援)
○国際的な視野を持ち、国際社会に貢献できる日本人を育成するためには、日本人学生の海外留学を拡大することが必要。

○現在、国の支援の対象としては、アジア諸国等への派遣及び短期の相互交流を前提とした派遣に限られている。今後、海外留学を一層推進するためには、支援対象となる地域、学問分野、留学の期間などの在り方などについて検討することが必要。また、貸与制の奨学金によって、より多くの日本人学生が海外留学に挑戦できるようにすることは重要。

4   高校生留学の受入派遣の推進

(高校生留学の意義)
○高校生留学は、異文化理解や諸外国との友好親善の増進に寄与。また、高校生の年代での留学体験は、大学生レベルでの留学やその後の国際交流活動の拡大につながるもの。例えば、JETプログラムの参加者の中には、高校生のときに日本留学がそのきっかけとなった者もいる。

(高校生留学の推進の方向性)
○高校生留学の現状を見ると、大学生レベルに比べ、受入れ・派遣ともにその規模は圧倒的に小さく、受入れと派遣のバランス、受入れ・派遣国の多様化を考慮しつつ、交流の人数の拡充を図る必要。

(高校生留学の促進のための支援体制の整備)
○派遣に関しては、英語圏の国だけでなく、アジアを含めた多様な国への留学を促進することが必要。その際には、より短期間の留学も推進。併せて、留学の意義の周知を含めた留学情報の提供などにより教員や保護者の高校生留学への理解を促進するとともに、国際理解教育や外国語教育の推進、派遣前オリエンテーションの充実等により生徒の留学に関する資質・理解の向上を図ることが必要。また、安全確保に配慮した適切なホームステイ先の確保も重要。

○受入れに関しては、受け入れる学校やホームステイ先の拡充を図るとともに、各学校、教育委員会、ホストファミリー及び民間の留学交流団体の連携・協力が必要。また、留学生の受入れに関する情報提供の充実や理解の増進を図ることが必要。



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