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留学生交流の拡大(欧米からの留学生受入増の検討)
本学に在籍する留学生の国別内訳は、多い順に中国、韓国、インドネシアそして台湾であり、全国とほぼ同様の状況となっている。
今後とも本学が留学生の受入を促進していくためには、米国、豪州及び欧州の留学希望者にとって魅力ある大学に変化していく必要がある。
また、社会人学生の増と同様に恒常的に留学生の在籍比率が高い大学として、魅力ある大学創りに着手すべきところと考える。
在のところ、本学には留学生受入の相対的数値目標は存在しないが、先取的な取組みを行なうことにより、今後における着実な増加が望めるものと思慮するところである。
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留学制度の世界標準化への早期対応
全国の大学においてもグローバル化が進み、大学での留学生受入が一般的となりつつある状況にあっては、留学生交流制度においても「世界標準化」の検討を行う時期に来ているものと思慮する。
国策として留学生を受入れている現在、世界最高額の国費奨学金及びアルバイトの原則自由化など世界より優れたシステムは存続させつつ、「単位互換の促進」「学位取得の効率化」及び「留学生保険加入の義務化」等学内制度の改善を図ることにより日本人が欧米に留学すると同様な制度を早期に確立する必要がある。これによる真の競争社会をもって国際標準的留学生の受入施策の検討をすべきときである。
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留学生センター機能の活性化
留学生センターにおいても学部の教授会に相当する「留学生センター運営委員会」が設置されているところである。
また、本学は、それぞれの部局での博士の学位取得が可能であり、比較的スムーズに学位授与が図られているところでもある。
現在,「国際交流センター(仮称)」の構想もあるが、将来的には留学生センターが学位等の取得を含む留学全般に係る事項の総合窓口として、組織的に積極的な関与ができるような方向付けの検討を必要とする時期に来ている。
なお、インターナショナルスチューデントセンター的留学生センターにおいては、教官及び事務官であっても高い資質が求められるものであり、英語能力は当然のこととして、修士レベル相当以上の素養のある者がこれに当るべきである。
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地域特性の確立と高品位化の促進
留学生数の増加とともに留学交流が日常化しつつある状況にあっても、留学志向はいずれの時代にも魅力的な部分のある方向に流されるのが現実である。
日本へ留学生を希望する者にとって、魅力のあるものは「奨学金」「宿舎」及び「学位」であり、この留学三種神器は本学においても重点的に整備が必要である。
今後において留学生関係業務への努力で地域特性の確立を図り、「東北大学の留学生」と称する者が特出したネーム・バリュウを生じうるような成果に結実すべく、高品位人材の育成方策を確立する必要があるものと思慮する。
また、将来的には日本社会にとって有用な分野への進路・就職指導等に対しても支援を行うなど、高品位人材の育成に限らず留学生教育事業の成果を日本社会に還元する方策についても検討すべき時期に来ているものと考える。
東北の枢要に位置する本学が、積極的に留学交流を推進することにより「世界水準の教育・研究」及び「社会への門戸開放」を実践する魅力ある大学としの地歩を確実なものとしたい。
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留学生施策の制定
一般的に留学生受入れに係るコストは、概して労多くして当然のことながら、コスト的には大学にとって収益性を望めるものではない。今後において、経営上の観点からのみ考えた場合は、その将来は決して明るいものではない。しかし、東北大学の元留学生には、魯迅、蘇歩膏始め約4千人の帰国留学生がそれぞれの国において活躍しているところである。百年近くかかってようやく成し得た先人留学生達が築き上げた多大な業績は本学のみならず今後の日本に還元されてきており、大きな成果と考える。
現在本学では、これら帰国留学生の名簿を作成するとともに、留学フェア等の機会をとらえ、帰国同窓会の設立を呼びかけているところである。日本のノーベル賞受賞者にあっては海外で研究等を行った経験を有する方が多いが、留学生10万人計画を策定してから今日で20年が経過しようとする現在、日本留学経験からもノーベル賞的受賞者が続出する日が、一日も早く来ることを期待したい。 |