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資料2−1
中央教育審議会/科学技術・学術審議会
大学改革連絡会(第5回)H14.1.17

 

世界的教育研究拠点の形成のための重点的支援
− 21世紀COEプログラム −(案)

 

1.趣旨及びねらい

(1)    我が国の大学が、世界トップレベルの大学と伍して、教育及び研究の水準の向上や、世界をリードする創造的人材の育成をしていくためには、競争的環境を一層醸成し、国公私を通じた大学間の競い合いがより活発に行われることが重要。この一環として、第三者評価に基づく競争原理により、世界的な教育研究拠点の形成を重点的に支援し、国際競争力のある世界最高水準の大学づくりを推進。
(2)    主として研究上のポテンシャルの高い大学の教育研究拠点に対し、高度な人材育成機能も加味した重点的支援を実施。
(3)    あらかじめ大学を選んだり、大学のランク付けを行うものではなく、大学からの申請に基づき、いわばピアレビューによる審査で選定。選定の結果は固定化せず、評価に応じて変動し得る仕組み。
(4)    各大学の個性や特色の明確化が図られ、国公私を通じた競い合いにより、我が国の大学全体の水準向上や活性化につながることも期待。

 

2.仕組みの概要等

   学問分野構成など、その仕組みについては、大学改革連絡会で検討中。基本的な仕 組みの概要は以下のような方向。
       分野構成
         人文・社会科学から自然科学までの学問分野を10分野程度に構成し、分野別に申請を受け審査。
       対象
         大学院(博士課程)レベルの専攻等を対象(複数の専攻等の組み合わせや附置研究所等にも配慮)。
       申請
         どの専攻等を如何にして世界的な教育研究拠点に育成するかという大学としての戦略に基づき、学長から申請。
       審査
         学問分野別に、専門家・有識者等による客観的で公平・公正な第三者評価に基づき選定(審査委員会は省外に設置)。
       審査の視点
         教育研究活動実績及び将来構想等を基に、ポテンシャルの高さについて評価。
       年次計画等
         初年度は5分野を対象とすることを予定。1件当たり年間1〜5億円程度の支援を5年間程度予定。2年経過後の中間評価、期間終了時の事後評価を実施。

 

3.予定額

       182億円       
     
  項)科学技術振興費   (目)研究拠点形成費補助金
学長が申請し、学長に交付される補助金
 
 

 


 

「世界的教育研究拠点の形成のための重点的支援」の骨格(案)

 

1.趣旨及びねらい

       人文、社会科学から自然科学までの学問分野を下記の10分野に構成。
       初年度は5分野を対象とし、各分野10〜30件(平均20件)程度(年間1〜5億円程度の支援)を選定(分野の特色、申請の状況等に応じ弾力的に対応)。
       ○は初年度、●は次年度の申請・選定を予定。
  分   野 細      分      野   (例示)
生命科学 バイオサイエンス、生物学、医用工学・生体工学、農学、薬学 等
医学系 医学、歯学、看護学、保健学 等
化学、材料科学 化学、材料科学、金属工学、繊維工学、プロセス工学 等
数学・物理学、地球科学 数学、物理学、地球科学、応用物理学 等
情報・電気・電子 情報科学、電気通信工学 等
機械、土木・建築その他工学 機械工学、システム工学、土木工学、建築工学 等
人文科学 文学、史学、哲学、心理学、教育学、演劇、語学、芸術 等
社会科学 法学、政治学、経済学、経営学、社会学、総合政策 等
学際・複合 環境科学、生活科学、地域研究、エネルギー科学、国際関係 等
新領域・その他  
       注)    細分野は各分野構成のイメージのために例示しているものであり、これらに限定したり、分野の該当を固定化する趣旨ではない。
申請の取扱い
    分野構成と申請の関係については、各大学の構想に応じて弾力的に対応可能なものとする。
    同一分野の申請について
      同一分野に複数申請することも、複数専攻等を組み合わせて申請することも可。なお、大学としての戦略性の観点から複数の専攻等を有機的に組み合わせることに意義がある場合には、そのような組み合わせによって申請を行うことが期待される。
    複数分野への申請について
      1大学から(複合的な専攻の場合は1専攻から)複数の分野に申請することも可。また、一つの申請が複数の分野にまたがることも可(どの分野を主とするかは大学の希望を尊重)。

 


 

2.評価の視点

   専門家、有識者等により構成される審査委員会において、次の2つの視点を中心に ポテンシャルの高さについて評価を行う。なお、総合性の観点からのみでなく、特色 ある研究を行っている場合についても十分に配慮する。
(1) 申請内容に係る教育研究活動の実績(当該申請内容に係る実績として大学が何を主眼としているかという観点に加え、下記の(参考)に例示するような指標を参考とする。)
(2) 当該大学の将来構想及びその実現のための計画(本経費の措置により、どのように世界的教育研究拠点の形成を目指すのか等)
  注) 1. 文部科学省自身は評価に関与せず、審査に当たる審査委員会は、省外に設け、学問分野別に専門家や有識者等で構成を予定。
    2. 評価に当たっては、以下も活用。
1大学評価・学位授与機構の評価手法に関する研究成果等。
2民間機関等が行う評価結果。
3国内外のレフェリーによる評価や専攻修了者の意見等。
    3. 過去の実績のみでなく、将来の発展可能性についても評価できるよう配慮。
    4. 評価基準及び評価結果は公開。

(参考) (1)の教育研究活動の実績についての評価指標として考えられるものの例
  あくまで例示であって、また、分野によって異なるものであり、一律に適用するものではない。具体的には、新たに組織される審査委員会において検討。
  各分野特有の指標については、審査委員会において検討。
【申請内容に係る研究及び教育の状況に関するもの】
   研究成果の発表状況及びその水準
      ○ レフェリー付き雑誌等への研究論文発表数
      ○ 論文の被引用数
      ○ 専門書等の執筆数
      ○ 国際学会でのゲストスピーカーの状況
      ○ 大学院学生の学会での発表の状況
       ○ 特許取得・申請状況
      ○ 学会賞等各賞の受賞者数
   競争的資金等の獲得状況
      ○ 科学研究費補助金採択状況
      ○ 他の競争的研究資金採択状況
   教員等の流動性
      ○ 任期制、公募制の導入状況
      ○ 日本学術振興会特別研究員(PD、DC)の受入状況
      ○ 外国人研究員の受入状況
      ○ 教員の外国における研究歴
   学生に対する教育の状況
      ○ 専攻修了者の学術研究上又は社会的活躍状況
      ○ 特別研究学生の受入数
      ○ 学生の在籍及び学位授与状況
      ○ 優れた人材を養成するための教育方法の工夫等の特記事項
【その他参考事項】
   産業界や地方公共団体等との連携
      ○ 特許の企業化の状況
      ○ 奨学寄付金、受託研究、共同研究受入状況
      ○ 教員への産業界からの受入状況
      ○ 地方公共団体等における政策形成への参画の状況
         (審議会等への参加)
   大学全体の運営及び教育活性化の状況
      ○ 大学の組織運営の状況(学長のリーダーシップのもと、
         一体的・機動的体制)
      ○ 外部評価の実施状況
      ○ 教育研究支援環境(図書館、IT、施設設備等)
         の整備状況

※なお、教員の研究等実績に係る指標は、当該申請母体
   の○%以内を対象とすることも検討。

 


 

3.経費の使途

この経費をどのように使うかの計画も含めて申請を行う。

補助金は学長にまとめて交付し、選定された専攻等において計画に基づき必要な経費として使用。
(年度当たり1〜5億円程度。分野や専攻等の規模等に応じ弾力的に対応。)。

使途として考えられるものは、例えば次のとおり。
(あくまで例示であり、これらに限定する趣旨ではない。)
世界トップレベルの研究者の招へいに要する経費
・トップレベルの研究者にふさわしい処遇での招へいに配慮。
大学院博士課程の学生の教育研究に必要な経費
・トップレベルの教員による指導。
・学生が自発的研究を行うに必要な経費。
TA、RAなど、若手研究者の支援に要する経費
世界のトップレベル大学との共同研究の実施に要する経費
学会、シンポジウム等を企画・開催するための経費
教育研究支援職員の雇用等に要する経費
最先端研究を推進するために必要な設備の購入等に要する経費
・最先端設備の購入。
・大量のデータを処理するための専用コンピュータの賃借。
教育研究スペースの確保に要する経費
・既設建物等の軽微な改修のほか、民間の貸しビルなどのスペースの借り上げ。
海外の拠点設置に必要な経費。
その他、教育研究を推進するために必要な経費。

 


 

(参考)全体計画案

学問分野を10分野に分け、第1フェイズとして、2年計画で10分野をカバー。

初年度は5分野を対象とし、各分野10〜30件(平均20件)程度(年間1〜5億円程度の支援)を選定(分野の特色、申請の状況等に応じ弾力的に対応)。

交付対象には、5年間継続して経費を交付。
(2年目に中間評価を行い、一部入替え。5年後に事後評価。6年目に入替え。)

第1フェイズの実施状況も踏まえながら、第2フェイズでは分野の区分見直し、専門大学院の取扱いや経費の充実等を検討。

 


 

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