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ヨーロッパの高等教育の国際展開に関しての現況

○ボローニャ・プロセス(1999年〜)まで

学位の相互承認
 EC域内では早くから取り組まれており、古くは、「大学への入学に導く卒業証書の同等性に関するヨーロッパ協定」(1953年:欧州会議)から、現在では、「ヨーロッパ地域の高等教育に関する資格の承認協定」(リスボン協定1997年:欧州会議/ユネスコ)に基づき、高等教育のアクセス、学習の期間、高等教育資格とも「本質的な相違が示されなければ」承認されるものとする。
  NARIC(National Academic Recognition Information Centres)-ENIC
(European Network of Information Centres)ネットの設立
各国の高等教育制度についての概要、高等教育機関一覧等についての欧州内の情報ポータルシステムにて情報提供。諸国政府により指定された情報提供機関間で協力関係を確立

単位互換(SOCRATES2”ERASMUS”
 1987年から実施し、95年よりソクラテス計画の一環として実施。1年間の学修を最高60単位に換算し、在籍大学の単位へ読み替えることにより、単位互換を促進する欧州単位互換制度(ECTS)に基づき、ヨーロッパ内の大学・高等教育機関に在学する学生が、国境を越えて3〜12ヶ月、他のヨーロッパ国に移動し、そこで学修の一部を行うことを財政的、学術的、行政的側面で支援する計画。在学中の大学・学部と留学先の大学・学部による協定が前提。


○グローバル化と高等教育の質の保証(ボローニャ宣言:1999年〜)

 ERASMUSならびにECTSは、各国の多様な教育システム・政策枠組みを尊重した上で高等教育の国際化を進める、任意制の政策(Voluntaristic policy)であるが、近年のグローバル化に際し、より徹底した国際協調を求める動きが加速している。

ボローニャ宣言(1999年)
 欧州29ヶ国の教育大臣が署名。2010年までに「ヨーロッパ高等教育圏」の建設を目指す。具体的には、主に下記の点を提案
2段階構成の学修課程(学士、修士)の導入、
ECTSの更なる活用、
ディプロマ・サプリメント(取得学位・資格の内容等につき、標準化された英語表記で追加情報を提供)の試験的導入

ベルリン・コミュニケ(2003年9月)
 旧ユーゴ諸国を含めた40ヶ国の教育大臣が署名。ボローニャ宣言を改めて確認した上で、更に2005年までに各国の導入を努力する旨、更に短期の期限が設定された。また、下記の点につき、新たに提案。
質の保証システムの構築;
各国の質保証システムの中で、1機関の内部評価および外部評価の実施、2アクレディテーションを含む質の保証システムを構築
ヨーロッパ質の保証ネットワーク(ENQA)に対し、欧州における質の保証におけるスタンダード、手続き、指針の開発、適切なピア・レビューとアクレディテーション団体の確保に関する情報提供と2005年を期限とした現状調査報告を要求
博士課程を共通枠組に追加
ECTSを、読み替えのみではなく、履修の蓄積を証明する手段として、さらに普及
ディプロマ・サプリメントの2005年以降の本格導入


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