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中央教育審議会大学分科会将来構想部会

2003/01/14 議事録
中央教育審議会大学分科会将来構想部会(第17回)次第

中央教育審議会大学分科会
将来構想部会(第17回)次第

1  日時   平成15年1月14日(火)14:00〜16:00

2  場所 文部科学省別館大会議室(郵政事業庁庁舎11階)

  議題
(1) 8月5日の答申を受けた大学設置基準の改正等について
(2) その他

  配付資料
資料  1   将来構想部会(第16回)議事要旨(案)
資料  2−1 大学設置基準の改正要綱案について
資料  2−2 大学設置基準等告示要綱案
資料  2−3 大学院設置基準の改正要綱案について
資料  2−4 大学院設置基準等告示要綱案
資料  3 届出で設置が可能な場合について(案)
資料  4 認証基準(細目)等について
資料  5 大学分科会の今後の日程について

参考資料1 設置基準要綱等について[法科大学院関係](案)
参考資料2 規制改革の推進に関する第2次答申(抄)
参考資料3 構造改革特区推進のためのプログラム(抄)

(机上資料)
  「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」「大学院における高度専門職業人養成について」「法科大学院の設置基準等について」(答申)
  大学設置審査要覧
  将来構想部会関係基礎資料
  文部統計要覧
  教育指標の国際比較
  高等教育関係基礎資料集
  大学審議会答申・報告集
  中央教育審議会答申「大学等における社会人受入れの推進方策について」

  出席者   (委      員)鳥居泰彦(会長),木村  孟(副会長),吉川弘之(部会長),高倉  翔(副部会長),中嶋嶺雄の各委員
(臨時委員)天野郁夫,黒田壽二,島田Y子,関根秀和の各臨時委員
(専門委員)青山善充,大南正瑛,越原一郎,鈴木  忠,中津井泉,松本浩之の各専門委員
(委任状出席)石  弘光委員
(文部科学省)結城官房長,遠藤高等教育局長,加茂川私学部長,清水高等教育局審議官,木谷高等教育局審議官  他

  議  事
(1) 事務局からの資料説明後、「8月5日の答申を受けた大学設置基準の改正等について」審議を行った。

(○:委員,●:事務局)
  参考資料3について、構造改革特区で校地面積を通常の基準以下でよいとする場合には、その後の手続き等に関する審議をどこでどのように行うのか。

  内閣の構造改革特区推進本部と文部科学省の双方で、自治体からの申請に対し、教育研究上・経営上での問題の有無について検討することになるのではないか。特区の申請に関しては各々事情が異なると思われるので、基準を定めず個別に対応することを考えている。

  この部会では、特区構想も念頭に置いて校地面積基準の緩和を進めてきた。特区として校地面積基準を緩和する場合に、各申請についての問題の有無をどこで判断するかを明確にするべきだと思う。基準がない状態で、個別対応をするということには不安を感じる。

  これについては、文部科学省ではなく構造改革特区推進本部の責任で決定するのだろう。

  設置認可については、大学設置事務室を窓口として大学設置・学校法人審議会で議論される。また、基準の緩和については、大学分科会や将来構想部会にも報告等を行う予定である。

  特区では、地域の特殊性を鑑みて全国的なルールを外してもよいということだろう。

  そうである。自治体が要望を申請された場合には基本的に認めるということである。

  特区に関しては、新しい措置を施した結果についての責任が、当事者である地方側で大きくなる。特別区域であるために他の所に大きな影響を与えることは前提にしていないが、その点を明確にしないと、無軌道になる恐れがあるのではないか。

  資料2-1「大学設置基準の改正要綱案」「雑則」部分の「学校教育法第六十八条に定める大学についての適用除外」について、案の2がよいのではないか。案の1では大学院の校地について基準を定義しないとなっているが、質の保証のために基準は必要だと思う。同じ資料の「収容定員」についてだが、その適正管理ができていない場合の是正措置はどうなるのか。

  是正措置は、軽い方から改善勧告、変更命令、特定の組織の閉鎖命令、全体の閉鎖命令となり、様々な段階の法令違反行為に対応するものである。是正措置は収容定員の管理も含め、設置基準や学校教育法等の違反に全体的に適用されることとなる。

  構造改革特区において校地面積を減ずる場合、校地の全てが借地ということもあり得るのか。また、資料2-1「大学設置基準の改正要綱案」「雑則」部分の「学校教育法第六十八条に定める大学についての適用除外」については、案の1がよいと思う。案の2では、特区で貸しビルでの設置が可能となると、特区の大学院と既存の大学院との格差が非常に大きくなってしまうだろう。大学院については校地にこだわらず、もっと自由に教育活動ができる方がよいのではないか。

  地方自治体からの申請内容によっては、校地の自己所有が全くない場合もあり得るだろう。実際に、貸しビル等での社会人向けの大学院の設置を考えている自治体もかなりあるようだ。

  今後の私立大学については大変厳しい状況が想定されるので、各大学の資産がいざという時にますます重要になると思う。校舎と校地では資産上の意味がかなり異なるのではないか。

  校地校舎の必要性については、新しい教育を試みるために規制緩和するという考え方と、大学の安定性のために自己所有を必要とする考え方とがあると思う。諸外国においても、大学は永続的な存在として成果をあげていくものであり、多くの場合その背景に相当の資産がある。個人的には、土地は残しておいた方がよいと思う。

  どのような教育ができるかということが最も重要だと思う。教育内容を自由に充実させるためには枠組み等で規制しない方がよく、校地の緩和を特区のみに限定しない方が、国際的な競争力を持つ高等教育が可能になるのではないか。

  今後の私立大学の資産形成は、土地の所有よりも様々なファンドを作ることが重要だろう。また、これまで以上に自由な大学運営ができるシステム作りも必要だと思う。e-Learning の時代である現在は、どこからでもアクセスできる教育体制が必要とされるので、その意味において土地という資産を形成することにこだわる必要はないのではないか。

  財務の健全性という観点では土地は重要だが、教育研究上は校舎や設備が十分に整っていればそれでよいと思う。土地に投資する額をそれだけ校舎や設備にまわせば、更によい教育や研究ができるので、土地にこだわらずに思い切って緩和してもよいのではないか。

  校地の自己所有が必要とされなければ、借地に海外の大学院が設置されたり、貸しビルのフロアに大学院が設置される等の様々なことが考えられる。そのようなことを推進するためには、将来的に校地については完全に借地でよいとする必要があるのではないか。また、校舎や大学院生の研究室、図書施設、ネット環境等のソフト面も充実させるべきだろう。借地の場合には、ビルの中の区分所有等についても、今後は問題が出てくるのではないか。

  資料2-1「大学設置基準の改正要綱案」「雑則」部分の「学校教育法第六十八条に定める大学についての適用除外」について、急激に変化しつつある大学院に対するニーズに即応するためには案の1がよいと思う。しかし、いざという時には各大学が持っている基本的な資産が非常に大きく影響してくるのではないか。

  学校教育法の改正に伴う大学設置基準や大学院設置基準等は平成15年4月1日施行で、校地面積の緩和についてはそれでよいと思う。しかし、規制を強化するような改正が遡って適用されることになると、経過措置がなければ現場が混乱するのではないか。具体的には、資料2−2の2(2)で、これまでは収容定員が過去4年間で1.5倍を越えると新しい学部等は認可しなかったが、今度は1.3倍にするとしている。これは大学にとっては規制の強化となる。学生にとっては望ましいことなので1.3倍で結構だが、これを過去4年間として考えると認可年度から遡る形になる。この辺りの経過措置についてどうか。

  本年4月から適用すると、大学側が努力してもクリアできないこともあり得る。従って、その辺りについては経過措置を講じさせていただく。

  例えば、平成12・13・14年度が1.45倍であり、平成15年度が1.3倍以内であった場合に、平成16年に認可申請すると、それは基準をクリアするかどうかを明確に判断できるような経過措置が必要ではないか。つまり、経過措置は過去の分は1.5倍以内でよく、今後の分は1.3倍以内でなければいけないというように、申請者が明確に判断できるようにするべきだ。文部科学省に相談しないと判断できないようでは法令として問題があるのではないか。

  1.3倍という入学定員超過率についてだが、入学定員ではなく収容定員という考え方ではどうか。短期大学の場合、1学科が80〜100人等の比較的小さい規模なので、学科毎に見ると入学定員が超過状態であっても収容定員全体で見た場合には超過率が低くなるケースもある。可能な限りニーズの高い方に教育課程を移動させる必要があるので、その意味では収容定員を基本として考えると弾力的に扱えると思う。例えば、入学定員で絞るのであれば、当該法人が持っている学科の平均を規定してはどうか。

  以前は収容定員を基本に考えていたが、大学審議会の検討で成績の取り扱いを厳しくした時に留年する学生が多くなり、私学助成の問題等様々な部分に影響が出たので、入学定員を基本に考えることになった。従って、それについては引き続き入学定員を基本に考えさせていただきたい。学科の平均で入学定員を決めることについては、短期大学では、例えば幼児教育は1.5倍、英文科は0.3倍というような現状がある。その場合、全体的に平均すると学科によっては極めて教育環境の悪いところを許容することになってしまう。設置基準は学科毎に教員数等の様々なことが定められており、そこを平均すると当初の目的から逸脱してしまう恐れがあるため、学科毎に扱うことに対するご理解をいただきたい。

  理論的にはその通りだが、収容定員に関しては学費を払えなくなった学生や、学力不足の学生が脱落していく状況等も出てきている。入学定員で考えると留年の学生が捉えられないのは確かだが、退学する学生等も増加しているので再検討する余地はあるのではないか。

  一般的に設置の申請があった時には、入学状況や留年状況までは書類上把握できない。大学設置・学校法人審議会では学科単位の審査を行っている。

  大学設置基準の要綱案の中に、短期大学が含まれていることが明確に分かるか。

  次回の大学分科会において、諮問答申の形で短期大学設置基準の改正を出させていただく。

  資料2-1「大学設置基準の改正要綱案」「学長の資格」について、この基準に「人格が高潔」と明記する必要があるのか。学長像は各大学の理念に委ねた方がよいのではないか。

  「人格が高潔」という表現は教育公務員特例法を引用している。

  資料2-1の右側の欄にある大学設置基準要項細則については今回は変更しないのだろう。

  そのうちの必要部分に関しては、設置基準に残すことになる。

  大学設置審査基準要項細則では学長に大学人が望まれているが、今後は経営を重視し企業人等を学長にすることも可能になるので、その部分は廃止されるだろう。今までは社会的な実績があっても論文を書いていない社会人は、教員と認められないこともあったが、今後は積極的に社会人を登用することになると思う。その場合に大学設置基準は現状通りでよいか。

  今回の設置審査基準の改正は、設置基準要項細則等を告示にするものや廃止するもの等の整理であり、直接的に関係のない事柄については検討対象にしていない。

  資料3について、栄養学は家政学関係を始めとして様々な分野に関わりがある。今の設置基準を見ると、厚生労働省と文部科学省の関係が錯綜していて、文部科学省の判断はケースバイケースである。届出で設置が可能かどうかについては、誰にでも判断できるような明確な形に決めるべきだと思う。看護学や栄養学は、関係分野にきちんと位置付け、それに対する最低限必要な教員数等を定めるべきだ。また、厚生労働省と文部科学省の関係を明確にする必要がある。「1.届出で設置が可能な分野について」の2つ目の論点について、教養分野からは様々な学位が出されているが、これについても明確に位置付ける方がよいのではないか。そうしなければ、届出の受理か不受理かの判断が非常に不明瞭になるのではないか。

  届出設置にかかる枠組みの形式要件は、書類が整っていればよい。看護については、前回の議論で「10保健衛生学・看護学・医療技術関係」での取扱いが適当とされた。教養については、教養学部があるという理由で全ての学部・学科を設置可能とすべきではなく、文科系の教養や理科系の教養というように区別して判断してはどうかというご議論であった。

  栄養学が存在しているのは家政学系と保健衛生学系と農学系である。その何れか一分野に栄養学を入れることは困難なので、どの分野にあってもよいとすることが望ましい。そうすると栄養学という言葉が出てこなくなるが、栄養学に関してはどの分野であっても、教員数については厚生労働省で定めているので、分野毎の大きな質の違いはないのではないか。しかし、厚生労働省が定める教員数と文部科学省が定める教員数との違いやその関係は明確にするべきだろう。

  厚生労働省では資格取得との関係で定めていると思う。各省庁で各資格を認定する際に教員数等について定めているが、当方では学部としての審査なので資格については考えておらず、例えば農学部系の学科であれば農学部での設置基準の教員数が足りていればよいとしている。

  例えば、資料3の付属資料の参考の専攻分野の分類例では、「9薬学関係」にも「13家政学関係」にも栄養学を例示することを前提にしているのだろう。

  この表では栄養学が「いくつかの専攻分野にまたがると考えられるもの」に入っているが、どこにまたがるのかを明確にするために各分野に例示する方が分かりやすいと思う。

  これは既存の全専攻分野を整理した参考資料である。どの分野に入れるべきかの判断が難しいものは、幾つかの専攻分野にまたがるものの中に整理している。

  教養等は幾つかの専攻分野にまたがると考えられるので、ある程度分野が明示されないと大学側は届出か認可かの判断ができないのではないか。

  設置認可の弾力化により、本来大学設置・学校法人審議会の負担は軽くなるはずだが、届出かどうかの判断という新しい負担が生まれてしまうことは問題だと思う。

  届出設置が可能な場合をガイドラインとして示すことにより、相当程度のものが形式的に処理できると思う。学際融合分野のような判断しがたい案件については、大学設置・学校法人審議会での判断を仰ぐことになるだろう。資料3「1.届出で設置が可能な分野について」の17分野の中のものであれば届出になるので、それらは比較的分かりやすいのではないか。

  資料3の「学部・学科等の届出設置に係るスキーム」について、これは随時受付をしていて、月毎にその結果が分かるということになるのか。つまり、文部科学省からの形式要件の確認の受理までの期間について、一定期間を考えているのか。例えば、一月以内に返答するのか、あるいは随時個別に回答するのか。その辺りについて具体的にはどうなるのか。

  届出については、届け出た段階で効力を発生すると考える。問題がある場合は月1回程度開催される大学設置・学校法人審議会の審議を経て、大学側に話をすることになるだろう。

  届出を行う場合には大学側は変更点の広報をするが、その際には「現在このように届出している」というような形で広報するのか。届け出た段階で学生募集をかけても構わないのか。

  基本的に届出の場合は、届け出た段階で広報等することになる。できるだけ分かりやすい資料を事前に配布し、大学側が判断しやすいようにするつもりである。

  資料3の「学部・学科の届出設置に係るスキーム」について、届出と言いつつ出口は閉鎖命令しかない。また、形式的な受理の後は任意で大学設置・学校法人審議会にかけることになっているが、これではどの段階で受理されたかが大学側には分からないのではないか。

  学生募集の開始時期は非常に重要なので、この点は明らかにする必要がある。例えば、届出が受理されても何らかの問題があることもあり得ると思うが、その場合はどうなるのか。

  文部科学省の事務の窓口だけで判断するのではなく、あくまでも大学設置・学校法人審議会の判断を仰ぐことになる。

  届出が問題なしと判断されるのは届出書類を提出した時に、それを見て問題なしと判断し受理するということでよいか。その際に事実上の審査をすることになるのだろう。

  受理として受付け、問題なしとして受理された場合の出口を明確に書かないと、大学側には学生募集時期等が分からないのではないか。

  受理した場合には、通知か何か出すべきではないか。

  届出が正式に受理された段階で大学側には何らかの形でお知らせさせていただく。

  受理は届出に対する最終段階で、認可は審査の最終段階である。その双方にたどり着かない最悪の場合には閉鎖命令が出される。資料3のスキーム図にはそれら3つの出口がなければおかしいと思う。

  届出に対する受理通知を出すまでの期間が問題になるだろう。その期間が長いと大学側は学生募集を開始する等の動きが取れなくなるので、通知までの期間を短くしていただきたい。

  届出に問題がある場合はある程度待たざるを得ないが、問題のない場合にいつ学生募集等を開始してよいかを明確にしていただきたい。

  大学設置・学校法人審議会を開催するのが1ヶ月に1度程度であり、そこで問題があれば更に審査が必要になる。従って、30〜50日間で全て処理ができるようにしたいと考えている。

  届出の場合は窓口段階での形式的な基準に従った審査が最終的なものだと思う。文部科学省がきちんとした形式基準に従って判断すれば報告のみで十分なので、2度も大学設置・学校法人審議会で判断する必要はないのではないか。

  事務的に審議会に対し諮問答申という形を取る必要があり、それは大臣名で諮問させていただくことになるだろう。意見伺いの際は、運営委員会という意見の調整を行う内部組織があるので、そちらにかけることになると思う。

  資料4 1 認証基準(細目)案について4その他(第六号関係)」の上から4つ目の○に「大学から認証評価を求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、評価を行うものであること。」とある。大学基準協会の場合は会員制で会員に対してのみアクレディテーションを行っているが、将来、認証機関となった時に会員以外のものの評価を拒んだ場合は、正当な理由があると理解してよいか。

  認証評価制度は会員制を前提にしていないので、会員制だということを正当な理由とするのであれば、社会への説明が必要になるのではないか。

  事後チェックとしての質の保証が最も重要だ。認証評価機関を民間経営で行う場合、その経営基盤は会費なので会員制を採らずに運営することは困難だと思う。

  正当な理由がある場合としては、例えば天災等で評価機関が物理的に評価作業に入れない場合や、評価機関の能力を超えた数の申請が同時に殺到して手が回らない場合等を想定している。それ以外のものを正当な理由のある場合として扱うのは難しいかもしれない。

  大学基準協会へ評価の申請を行う場合には加盟判定を受けたいとして会員になると思うが、会員にならずに評価を希望する大学も出てくる可能性があるのではないか。

  会員制の機関が会員以外の評価を拒むのは、慣習として当然だと思う。

  会員制の機関の場合、会員にならなければ評価をしないということは正当な理由になると思う。会員制かどうかということは、各認証評価機関の特色でもあるので、正当な理由とみなして構わないのではないか。

  評価機関が多様性を保持するためには会員制を採る団体を当然認めるべきだと思う。資料4 1 認証基準(細目)案について4その他(第六号関係)」の上から5つ目の○で、「大学が評価結果に影響を及ぼす基本的な事項を変更した場合」とは、具体的にどのような場合を想定しているのか。また、その場合に講ずる適切な措置とは何か。6つ目の○で、「大学評価の実績その他」とあるのは、それまでに大学評価を行った実績を持つ団体を認証する、つまりある程度経験を積んだ機関でないと認証しないということなのか。それとも、一定の経過年数を待って認証するということなのか。

  基本的事項とは、評価機関が評価を行う際の評価の中心となる項目であり、それについて文部科学省側で更に定めるようなことは考えていない。各評価機関で評価をする際に基本的な事項だと判断したものが「基本的事項」だと思う。適切な措置とは、例えば変更した場合は大学の再評価を行う、あるいはその大学の変更点を対外的に評価機関が明らかにすること等を想定している。また、活動実績のある団体は当然だが、実績のない場合でも多数の大学関係者や有識者の参画が見込まれる適切な評価を実施し得るであろう団体や、新たに立ち上げる団体も認証はし得るのではないか。その判断は大学分科会でしていただくことになる。

  それであれば、5つ目の○は不要なのではないか。このような規程を設けることにより、不明確なものが基本的事項の変更だとされ、評価機関が自由に評価することを妨げるのではないか。例えば、届出で学部を増やした場合や入学定員の増減をした場合等について、基本的事項なのかどうかが不明確なのに、それを認証の条件として規定することには賛成できない。特に、「適切な措置」というような曖昧な表現では問題があると思う。

  今のご指摘は、認証機関に対する自主性に関わることだ。それらの規程の案の表現は非常に曖昧に書かれているので、この基本事項を変更した場合に適切な措置を講ずるとは、むしろ評価機関が各自で責任を持って行うことだと理解している。何が基本的事項かについて対外的に明確にするとなると、今度は全国的な統一というようなことになる。しかし、これを認証した時にはそれを軸として判定したので、それに変更があった場合には再度この機構への報告をしていただくことになるだろう。当然、認証は定期的に行うので、一度評価を受ければ次からも同じ所で評価を受けることが多いと思われる。従って、大学側と評価機関側との間には一種の協力関係ができることになるだろう。


  次回の日程
  今期における将来構想部会は、今回をもって最後とすることとなった。


(高等教育局高等教育企画課高等教育政策室)

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