資料1-1認証評価制度の今後のあり方について

認証評価制度の今後のあり方について


課題

「認証評価制度の充実に向けて」(審議まとめ)(平成28年3月18日)をとりまとめる際に、以下のような問題意識が示されていた。
・法令適合性等の外形的な評価項目等が多く、必ずしも教育研究活動の質的改善を中心としたものとなっていない。
・評価結果を教育研究活動の改善に生かす仕組みが十分ではない。
・社会一般における認証評価制度の認知度は十分でない。
・認証評価を含めた様々な評価・調査業務があり、評価に対する負担が大きい。


対応状況

審議まとめを踏まえ、省令改正により、認証評価機関は平成30年度から以下のような取り扱いをすることとなる。
・大学評価基準において定める評価事項関連
(1)大学評価基準における共通項目の充実
大学評価基準に共通して定めなければならない事項として、以下の点を追加するものとする。
  1三つの方針に関すること。
  2教育研究活動等の改善を継続的に行う仕組み(内部質保証)に関すること。

(2)重点評価項目の設定
大学評価基準に定める項目のうち、内部質保証に関することについては、重点的に認証評価を行うものとする。

(3)設置計画履行状況等調査(AC)との連携
認証評価機関はACの結果を踏まえた文部科学大臣の意見において「是正意見」「改善意見」が付された大学に対する評価を行うに当たっては、当該意見に対して講じた措置を把握するものとする。
・評価の質の向上
(1)認証評価機関の自己点検・評価の義務化
認証評価機関は、大学評価基準、評価方法、評価の実施状況並びに組織及び運営の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を公表するものとする。

(2)認証評価機関におけるフォローアップ
認証評価機関は、評価の結果、改善が必要とされる事項を指摘した大学の教育研究活動等の状況について、当該大学の求めに応じ、再度評価を行うよう努めるものとする。

(3)評価における社会との関係強化
認証評価機関は、その評価方法に、高等学校、地方公共団体、民間企業等の関係者からの意見聴取が含まれるものとする。


今後の検討事項

審議まとめにおいては、下記の事項について、各大学や認証評価機関による取組が期待される旨が記述されているが、今後、こうした観点等を踏まえて認証評価制度そのもののあり方を検討することが必要である。

(審議まとめで示された事項)
・内部質保証に関することについて、優れた取組等を実施していると評価した大学等に対し、次回評価において評価内容及び方法の弾力化により評価の効率化を図る。

  今後の検討事項例

  ・評価項目等で省略できるものは何か。

  ・評価方法をどのように簡略化できるか。

  ・評価サイクルを長期化することについてどう考えるか。

(審議まとめで示された事項)
・認証評価機関において、大学や社会に対して情報をより分かりやすく発信していく観点から可能な範囲で定量的な評価に取り組む。

  今後の検討事項例

  ・重要な評価項目について、評価対象となる大学全体の達成状況を集計し、経年変化を含め、毎年公表することについてどう考えるか。

  ・その際、複数の認証評価機関が共通の評価項目について集計し、発表することについてどう考えるか。

(審議まとめで示された事項)
・内部質保証について段階別評価の活用など、評価結果を社会一般に対して分かりやすく発信するとともに、特に優れた取組を積極的に公表すること。

  今後の検討事項例

  ・段階的評価の結果、高い評価を得た大学には何らかのインセンティブを与えることについてどう考えるか。

(審議まとめで示された事項)
・認証評価に係る各大学等の負担の軽減のため、国立大学法人評価などの他の評価における教育研究に関する評価資料及び結果も活用した評価に取り組むこと。

  今後の検討事項例

  ・評価項目等を工夫することにより、異なる評価の効率化を推進できないか。

  (機能別評価と分野別評価、認証評価と国立大学法人評価、認証評価とAC)

(その他)

・各評価の評価機関の在り方についてどう考えるか。

(機関別評価-7年、分野別評価-5年、国立大学法人評価-6年)

・認証評価の結果、不適合とされた大学へのペナルティについてどう考えるのか。

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高等教育局大学振興課