資料4-3高等専門学校教育の高度化・国際化の機能強化について(取組の方向性案)

高等専門学校教育の高度化・国際化の機能強化について
(取組の方向性案)


1.高等専門学校の機能強化の方向性
  高等専門学校は、中学校卒業後の5年一貫の教育により、工業の分野を中心に実践的・創造的な技術者の養成に大きく貢献してきた。国立の機関が多く、高等教育機関全体の中では学校数、学生数ともに占める割合は小さいが、おおむね一定の規模を保っており、卒業生を受け入れる産業界からの評価も高い。
  今後、第4次産業革命などによる産業構造の変化に応じ、技術者に求められる役割がますます重要となっていく中で、新たな分野の教育や、本科・専攻科両方の教育の充実が課題となっている。
  こうした現状の課題を踏まえ、「今後の各高等教育機関の役割・機能の強化に関する論点整理」(平成29年2月 中央教育審議会大学分科会)において、高等専門学校における機能強化を支えるため、「新たな産業をけん引する人材の育成の強化」「高専教育の高度化」「高専教育の国際化」について早急に検討を進める必要があるとの方向性が示された。
  また、文部科学省に設けられた“高等専門学校の充実に関する調査研究者協力者会議”がとりまとめた「高等専門学校の充実について(平成28年3月)」においても、高等専門学校教育の今後の在り方(基本的方向性)や充実に向けた具体的方策が示されたところである。
  これらを踏まえ、特に高専教育の高度化・国際化を図るため、今後以下のような方向で取組を進めていくべきではないか。


2.高専教育の高度化・国際化の機能強化策について
(1)高専教育の高度化
  高度化・複雑化し、また急速に進展する技術革新に対応する技術者養成のため、技術科学大学をはじめとする理工系大学等への編入学や連携強化による学生の学修の質の向上、専攻科の教育・研究の一層の充実など、高専教育の高度化が必要である。 
(2)高専教育の国際化
  経済・社会の急速なグローバル化を踏まえ、国際的に活躍できる技術者を養成するため、日本人学生の海外留学機会の拡充、日本企業の現地法人・日系企業との連携の下での海外での教育活動・インターンシップの充実など高専教育の国際化を進めることが必要である。


3.高等専門学校に係る規定の見直し
  新たな産業をけん引する人材の育成の強化を図りつつ、高等専門学校における教育の高度化・国際化を推進する観点から、法令上以下のような規定の見直しが必要ではないか。
【法令上の規定の見直し】
(1)共同教育課程の規定の新設
  高等専門学校専攻科の2年間の教育課程を、大学と共同して教育課程を編成・実施することができることとしてはどうか。
  ※短期大学の専攻科についても、高等専門学校の専攻科における規定の見直しの状況を踏まえ、それぞれ実情に応じて検討を行う必要がある。 
(2)専攻科の位置づけを明確化
  大学と共同教育課程を設置するに当たって、高等専門学校設置基準(文部省令第二十三号)において、専攻科を教育上の基本組織として明確化することが必要ではないか。
(3)外国の大学等に留学する場合の単位認定の弾力化
  長期海外留学により、学生が、外国の大学又は高等学校に留学する場合及び外国の大学が行う通信教育における授業科目を我が国において履修する場合に認定することができる単位数の合計を、現在の三十単位を超えないものとする規定(高等専門学校設置基準 第二十条第3項)の見直しが必要ではないか。


4.参考
未来投資戦略2017 ―Society 5.0の実現に向けた改革― 具体的施策
(平成29年6月9日閣議決定)
第2 具体的施策
2 Society 5.0に向けた横割課題
A.価値の源泉の創出
3.人材の育成・活用力の強化
(2)新たに講ずべき具体的施策
1)個々の働き手の能力・スキルを向上させる人材育成・人材投資の抜本拡充
3大学等の高等教育機関が「IT・データスキル」育成の重要なプレーヤーとなるための制度改正・政策支援
・高等専門学校について、理工系大学等と共同で教育課程の編成を可能とするなど教育の高度化を図るとともに、教員や学生の海外派遣等による国際化や教育システムの海外展開を一体的に推進する。

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