ここからサイトの主なメニューです

法科大学院等特別委員会(第83回) 議事録

1.日時

平成29年11月22日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 第二講堂(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 平成29年司法試験予備試験の結果等について
  2. 法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムについて
  3. 法科大学院教育等の改善・充実について
  4. その他

4.議事録

【井上座長】
 所定の時刻になりましたので,第83回中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会を開かせていただきます。
 本日は,平成29年司法試験予備試験の結果等について御報告を頂くとともに,これまでの議論に引き続きまして,法科大学院教育の改善・充実方策について御議論を頂きたいと考えております。本日も活発な御議論をよろしくお願いいたします。
 それではまず,事務局から配布資料について確認をしていただきます。

【大月専門職大学院室長】
 議事次第をお手元に御用意願います。
 議事次第のとおり,本日の配布資料は資料の1-1から資料の4でございます。また,机上参考資料として,「法科大学院と法学部との連携による授業開講のイメージ(たたき台)」を配布しております。不足するもの,落丁等がございましたら,適宜事務局まで御指摘願います。事務局より配布いたします。
 以上でございます。

【井上座長】
 ありがとうございました。
 では,議事に入りたいと思います。11月9日に,平成29年司法試験予備試験の結果が法務省より公表されました。これにつきまして,吉川委員から資料の説明をお願いします。また,前回の会議で委員の皆さんから質問があった資料についても,併せて説明していただけるということですので,よろしくお願いします。

【吉川委員】
 法務省司法法制課長の吉川でございます。
 平成29年司法試験予備試験の結果につきまして御説明いたします。資料は1-1から1-7まででございます。
 まず,資料1-1を御覧ください。1ページ目の「1概要」の部分にございますように,合格者数は444人で,昨年の合格者数である405人から39人増加しております。次の2の部分には,合格者の最低年齢,最高年齢,平均年齢と性別構成を記載しております。「3過去の推移」には,短答受験者数,最終合格者数,対短答受験者合格率などの平成23年からの推移をまとめております。今年の対短答受験者の合格率は4.13%であり,昨年の合格率3.88%から0.25ポイント増加しております。
 2ページ目に移っていただきます。これは1ページ目のものと大部分重複しておりますけれども,今年の予備試験の出願者数や短答式,論文式,口述試験ごとの受験予定者数,それから合格点など,1ページ目に記載されていない事項も記載しているものでございます。
 次に,3ページ目と4ページ目でございます。これは予備試験の受験生の出願時における属性別に出願者数,受験者数,短答合格者数,論文合格者数,それから最終合格者数をそれぞれ記載しております。なお,出願期間は平成29年1月16日から27日でございます。属性に関しては,3ページ目は一番上から性別,年齢別,職業別にまとめております。職業別の表のとおり,最終合格者のうち大学生がもっとも多く214人,次いで法科大学院生が107人となっております。
 4ページ目,上の表は最終学歴別の人数をまとめたものでございます。ここにありますとおり,高校在学中,高校生が1名おります。そして,その下の表は参考として,過去の司法試験の受験経験別にまとめた表でございます。これは飽くまで参考です。
 続いて,資料1-2を御覧ください。一番上の「予備試験データ」との表題の表,少し小さくて見にくくて恐縮です。この表は予備試験の受験者数,合格者数,合格率について,平成23年からの推移をまとめた表です。それぞれの内数として,大学在学中,法科大学院在学中,法科大学院3年生の人数や合格率を記載しております。これらは予備試験出願時に申告された最終学歴から推測される予備試験受験時の属性ごとの数字を記載したものでございます。年度をまたぐため,出願時の属性と受験時の属性が変わりますので,それを踏まえた形で推測した数を掲げております。これを見ますと,合格者で大学在学中と思われる人数が,平成29年では118人になります。
 その下の「司法試験データ」との表題の表は,司法試験の受験者数,合格者数,合格率について,受験資格別に平成24年から推移をまとめたものでございます。予備試験合格資格につきましては,内数として大学在学中,法科大学院在学中の人数や合格率を記載しております。これらにつきましても,司法試験出願時に申告された最終学歴から推測される司法試験受験時の属性ごとの数字を記載したものでございます。大学在学中に予備試験合格の資格に基づく受験資格で最終合格をした者は,平成29年では29人です。
 その下の「司法試験(予備試験合格資格)年齢分布」との表題の表は,年齢別の受験者数と最終合格者数の推移を記載した表でございます。そして,一番下の「法科大学院中退者」との表題の表は,予備試験合格と司法試験合格を理由とした法科大学院中退者の数の推移を記載しております。平成28年度は予備試験合格を理由とした中退が全体で20名,司法試験合格(予備試験合格資格)を理由とした中退が64名となっております。
 次に,資料1-3を御覧ください。最初の表であります「予備試験合格者に関する職種別人員数の推移」を御覧ください。この表は平成23年からの予備試験受験者・合格者について,職業別の人数の推移をまとめた表でございます。法科大学院生・大学生が右端にありまして,それ以外を分けて表にしております。その下の表は,予備試験合格資格に基づく司法試験合格者について,同様に職業別の人数の推移をまとめたものでございます。よろしいでしょうか。
 次に,資料1-4を御覧ください。これは予備試験出願時に法科大学院在学中であった者の,予備試験出願者数,受験者数,最終合格者数を法科大学院別に表にしたものでございます。最終合格者につきましては,学年別の内訳も記載しております。
 更に追加した表が次の資料1-5でございます。この資料1-5は資料1-4の表に更に加えまして,最終学歴が法科大学院修了の者と法科大学院中退の者の人数を加えて表にしたものでございます。項目の欄が二つ増えております。
 続きまして,資料1-6は予備試験出願時に大学在学中であった者の予備試験出願者数,受験者数,それから最終合格者数を大学別に表にしたものでございます。これらも最終合格者数につき学年別内訳を記載しております。
 更に項目を加えたものが,資料1-7でございます。これは先ほどの資料1-6の表に,更に最終学歴が大学卒業の者と大学中退の者の人数を加えたものでございます。なお,ここで言う大学卒業者には法科大学院に進学した者は含まれておりません。
 平成29年予備試験の結果についての御説明は,以上でございます。
 続きまして,前回の会議におきましてお出しできなかった資料や,前回の会議で御要望がありました資料につきまして,御説明をいたします。資料1-8を御覧ください。
 まず,1ページ目を御覧ください。「平成29年司法試験最終学歴別合格者一覧(予備合格者)と表題を打っております。これは予備試験合格資格に基づいて,平成29年司法試験に最終合格した者について,最終学歴別に人数をまとめた表でございます。これ自体は前回の会議でもお配りしております。
 ただ,前回の会議におきましては,この資料のうち法科大学院別の部分について既修,未修別に分けたデータの集計が間に合いませんでした。また,「法科大学院以外在学」以下「大学中退」までの六つの欄について,それを学校別に分けたデータの集計も間に合いませんでした。そこで今回提出させていただきましたのが,2ページ以下でございます。
 まず,2ページ目です。これは,1ページ目の法科大学院別最終合格者数の内訳を横に開いた形で,既習・未修別の人数と,その中で更に法学部出身者と非法学部出身者の人数を分けて記載したものでございます。
 3ページ目はデータの関係で,内容自体は4ページ,5ページ目の内容と重複しておりますので飛ばしていただいて,4ページ目を御覧ください。こちらは先ほど申し上げました1ページ目の表のうち,下の方の法科大学院以外在学,法科大学院以外修了,法科大学院以外中退,大学3年,大学4年,大学卒業,大学中退の者につきまして,具体的な大学院名,大学名別の人数を追加した表でございます。ですので,4ページの資料の下の方までは,先ほどの1ページ目の資料と全く同じでございます。項目として法科大学院以外在学以下の項目について,学校名を開いて記載したものでございます。この表を見ていただくと,予備試験合格資格に基づく司法試験合格者のうち,例えば5ページ目でございますが,大学3年の者,大学4年の者などの内訳などが分かることになります。
 次に,前回会議におきまして,長谷部委員より御質問がございました予備試験合格資格に基づく司法試験合格者の平均年齢と司法試験受験回数のデータについて,御説明をさせていただきます。
 まず,6ページ目の「平成29年司法試験受験状況(予備試験合格者)」と題する資料を御覧ください。これは前回会議でもお配りしたものでございます。予備試験合格資格に基づいて,平成29年司法試験を受験した者の属性別人数をまとめたものでございます。これらの上から二つ目の表には,年齢別の人数の記載がございます。予備試験合格資格に基づく司法試験合格者の年齢分布については,こちらで御確認いただけるかと思います。
 そして,今回7ページ目のデータを追加させていただきました。予備試験合格資格に基づく平成29年司法試験合格者の平均年齢は,28.99歳でございました。そして,その下の表は,予備試験合格資格に基づく平成29年司法試験合格者の司法試験受験回数別の人数と,予備試験合格年別の内訳をまとめた表となっております。
 続いて,前回会議において,笠井委員より御質問があった点について御説明をいたします。再度恐縮でございます。今の1-8の資料の1ページ目にお戻りください。「平成29年司法試験最終学歴別合格者一覧(予備合格者)」と題する書面でございます。委員からは,この前回会議でお配りしたこの資料の一番下から三つ目,総計を除くと二つ目の欄です。大学卒業と申告された61名について,これらの者が社会人かどうか,社会人経験何年目かということが分かるのかという御質問がございました。確認しましたところ,この表の当該61名について社会人かどうか,社会人経験何年かはデータとして把握できていないということでございました。
 もっとも,社会人経験のある受験者の数を推測するに当たって,参考となる資料もございます。それが,また元に戻っていただくのですが,この1-8の6ページ目を御覧ください。前回配布した資料でございます。この資料の上から三つ目の表は,予備試験合格資格に基づく司法試験合格者数等を出願時の職種別にまとめた表でございます。この表を見ますと,出願時の職種について,公務員,教職員,会社員,法律事務所事務員,塾講師,自営業と回答した者が,この最終合格者の右側の数字を足しますと49名となります。これらの者が一定の社会人経験を積んでいるものと考えられます。もっとも在職年数のデータはございませんでした。
 私からの説明は以上でございます。

【井上座長】  ありがとうございました。
 それでは,ただいまの御説明について,何か御質問等があれば御発言をお願いします。よろしいでしょうか。ございませんようですので,先に進めさせていただきます。
 次に,前回の特別委員会において議論をいたしました「法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム」の見直しにつきまして,事務局から資料の説明をお願いします。

【大月専門職大学院室長】  お手元に資料2を御用意願います。
 前回の10月2日に開催された本特別委員会で御報告申し上げたとおり,加算プログラムについて,本資料2の1の趣旨,三つ目の丸にありますとおりに,本プログラムに適切な修正を加えた上で平成31年度以降も当面の間継続するとしております。
 2の見直しのポイントでございます。まず,(1)の基礎額算定率の中の司法試験の合格率でございます。これまで,法科大学院制度発足以来の累積合格率に重きを置いておりましたが,近年の教育実績,教育力をより適切に評価するため,法学未修者コースに限ったものも含め直近の累積合格率,例えば5年間ぐらいを今のところ想定をしております。また,修了直後の合格率を評価することとしております。
 その他の指標でありますが,法学系課程以外の出身者や社会人の入学者について,入学者数を確保するのみならず法曹として排出することがより重要であることから,入学者の数や割合だけでは評価しないこととしております。また,競争倍率については,競争性の確保の観点から引き続き2倍以上であることが望ましいものの,これまでは2倍以上であれば8点,そうでなければ0点という形でありましたが,評価の段階を細分化して細やかな評価を可能とすることとしております。
 2ページ目を御覧ください。加算率でございます。これまで,各法科大学院は様々な取組を個別に提案し,審査委員会においては提案された取組について一つずつ評価を行ってまいりました。これはかなり各法科大学院に負担をかけていること,またこれからはこれまで行ってきたよい取組をより安定的・継続的に取り組んでいただくことが大事であろうということから,各大学が強みを伸ばし課題を克服するような中期的,例えば5年程度をイメージしておりますが,改革・取組をパッケージとして提案し,その内容に応じた加算率を設定することとしております。改革・取組の期間中は,その進捗状況を毎年確認・評価し加算率を増減させるものとし,本特別委員会で議論されている教育等に関する改善方策,具体的には,法科大学院と法学部との連携や未修者教育の充実等を実施すれば,加算率を増加させる方向で検討することとしております。
 説明は以上でございます。

【井上座長】
 ありがとうございました。
 それでは,ただいまの説明につきまして,御質問等がございましたら御発言願います。
 どうぞ,大貫委員。

【大貫委員】
 御説明ありがとうございます。資料2の司法試験合格率のところで,質問とお願いがあります。
 累積合格率で評価するところは,これは何%で大体考えていらっしゃるのかが質問です。それと,先ほどの競争倍率について細分化したきめ細かい評価を可能にするという御発言がありましたが,累積合格率を判断する際に,同様にできるだけきめ細かい評価をしていただければと思っております。
 それともう1点,法科大学院関係者としてこの加算プログラムは非常に意義があるものだと思っています。申請をする際の負担はかなり重いところがあります。決して緩めろ,いい加減にしろという趣旨ではないのですが,できるだけ合理化していただいて各大学院の申請,あるいは毎年の進捗状況の確認における負担を軽減していただけると有り難いと思っています。
 以上です。

【井上座長】
 最初の点につき,お答えいただくことは可能ですか。

【大月専門職大学院室長】
 細部,本日の資料に関しましては,御意見を頂いたことなどを踏まえて詰めていく予定でございます。司法試験の合格率に関して,これまで累積合格率が全国平均か否かというのが,一つのメルクマールでありました。また,その累積合格率が更に70%以上,60%以上であれば加点をしておりました。その辺りについては,そのような方向で検討したいとは思っているところでございます。きめ細かにやっていきたいと思っております。
 また,最後に御指摘があった負担感が非常に多いというお話,各法科大学院の関係者から伺っております。負担感を軽くすることもありますし,この取組は現在の仕組みになって4年たっております。あらゆる考えられるような取組が提案されてきて,新しい提案も非常に難しくなっていることも踏まえまして,先ほど申し上げたような仕組みとしたいと考えております。
 以上でございます。

【井上座長】
 ほかに御質問等ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは,次に,前回に引き続きまして,法科大学院教育等の改善充実について御議論いただきたいと思います。前回は,主に法科大学院と法学部との連携強化の方策について議論していただきました。本日は法科大学院と法学部との連携に加えまして,法学未修者コースでの教育の在り方や,法学部教育それ自体の在り方についても御議論いただければと考えております。その資料を,事務局に用意していただいておりますので,これについて説明をお願いします。

【大月専門職大学院室長】
 お手元に資料3-2と資料4と,机上参考資料を御用意願います。資料3-2に沿って御説明申し上げながら,適宜資料4と机上参考資料で補足説明させていただけばと思っております。資料3-1は委員が御発言されたことなどを踏まえ,まとめて毎回配布しているものでございます。資料3-2は,資料3-1をベースにしながらも検討が進むように事務局としての案も含んでいるものでございます。
 資料の3-2の検討の視点です。一つ目の丸でございます。これは資料3-1にもあるものでございます。プロセスとしての法曹養成制度により質の高い法曹が多数養成・輩出されるよう,法科大学院について優れた資質を有する志願者の回復に向け,学生の資質・能力に応じた期間で法曹になることができる途を確保するなど,その制度改革を進めるべき。
 二つ目の丸の後半でございます。現在の状況を踏まえまして,法科大学院は法学部とより連携を図り,大学における法学教育全体の在り方を検討し,有為な多くの学生等を積極的に法学部や法科大学院に呼び込むことが求められている。
 三つ目の丸でございます。法曹資格を得るまでに時間的・経済的負担が法曹志望者減少の一因となっているとの指摘もあり,優れた資質と明確な志望を有する者については,法学部を経て法科大学院まで5年間で修了できる途を検討し,法曹への進路選択の魅力を高めることも重要である。
 その下の丸です。一方で,法科大学院の法学未修者コースについては,様々なバックグラウンドを有する有為な法曹を生み出してきたものの,現時点では約7割が法学部出身者となっていると。また,その未修者コース3年間で修了できるのは半数程度となっております。
 最後の丸でございます。未修者コースについては,有為な人材の確保を図りつつ,その在り方や教育方法について制度全体として質の保証を図る方策を更に検討し,純粋未修者や十分な実務経験を有する者が入学者の多数を占めることを目指すべきとしております。
 2ページ目を御覧ください。1,法科大学院と法学部の連携の在り方に関する論点と改善の方向性でございます。改善の方向性です。これは二つ目の丸,法科大学院の必置専任教員が学部の専任教員を兼ねることを一定程度可能とすると。これは前回も最後に報告させていただきまして,大学院部会でも御了解いただいて,今後大学分科会で検討していただくものでございますけれども,資料4で念のためもう一度御説明させていただきたいと思います。
 資料4の5ページ目を御覧ください。これは,主に法科大学院を含む専門職大学院のワーキンググループで検討いただいたものでございます。検討のイメージで,1の恒常的な措置です。修士課程においては現在博士課程のみならず,学士課程とも兼務は全員兼務が可能となっております。専門職学位課程については,修士課程よりもより多くの教員を配置しなければならないということであります。修士課程に相当する教員部分については,学士課程との兼務を認める案でございます。
 その次,6ページ目でございます。少し細かいのですが,2の法学分野における専門職学位課程間の教員基準の緩和です。四角に囲みがあって「対応」でございます。下の括弧の部分,現在法学分野の修士課程において,公法,私法に分割したときには,配置しなければならない研究指導教員を軽減できることになっております。それに倣いまして,研究科に法科大学院以外の法学関係の専門職学位課程を設ける場合に,同様に軽減できることとするとしております。ただし,法学関係の専門職学位課程で法科大学院以外のものを持っている場合に,法科大学院を設置する場合には軽減はされないということでございます。
 3のみなし専任教員の要件緩和でございます。下の丸2の実務家教員のところにございますが,必要専任教員数のうち,法科大学院においては2割は実務家教員を配置しなければならないことになっております。丸4の右のところでございます。実務家教員のうちの3分の2の範囲内については,専任教員以外の者であっても1年につき6単位以上の授業科目を担当し,まずは教育課程の編成等に責任を有するもので足りると,みなし専任教員と呼んでおります。6単位を求めると,なかなかいい人に教育課程の編成等に入って責任を持っていただくのは難しいという議論がありまして,6単位から4単位に改正することとしております。
 なお,実際6単位を持つというよりも,教授会メンバーとなって教育課程の編成等に責任を有することが過大な負担になっているという指摘が,専門職大学院ワーキングなどもありました。しかし,その部分が非常に大事でありますことから,その部分はそのままにしております。
 資料3-2の2ページ目に戻っていただきます。下から三つ目の丸でございます。法科大学院と法学部が連携して「法曹コース(仮称)」として体系的・一貫的な教育課程を編成することにより,学部段階からより効果的な教育を行うとともに優れた資質・能力を有する者が早期に法科大学院に進学する途を検討するということです。次のページにありますが,その前にその下の丸でございます。法学部においてより充実した教育を行うことにより,法学部の学生は法科大学院への進学に当たっては法学既修者コースへの入学を基本とし,未修者コースは純粋未修者や実務経験者のための教育を基本とするべきではないかということでございます。
 続きまして,3ページ目でございます。これが別紙,「法曹コース(仮称)」の具体的な考え方についてでございます。一つ目の丸でございます。法科大学院修了時に修得すべき資質・能力を整理し,法科大学院と法学部が連携し法学部を含めた体系的・一貫的な教育課程を編成する。二つ目の丸でございます。法学部においては法科大学院の協力の下,法科大学院における学修に円滑に進むことができるよう,基礎的な学識を身に付けさせる充実した教育を行うと。その下でございます。法学部に置かれるであろう法曹ケースへの学生の振り分けは2年次進級時点以降が適当と考えられるが,各大学の実情に応じて柔軟に設定すると。その下でございます。法律科目以外の一般教養科目についても学部段階において幅広く履修することを求めると。その下でございます。法科大学院入学時に優れた法律学の学識を有すると認められる者を対象として,当該法科大学院において修得したとみなすことができる単位数の上限を緩和することや,入学前の既修得単位を当該法科大学院において修得したものとみなすことができる単位数について上限を緩和する。現在の上限は30単位でございますが,例えば10単位程度緩和する,合計40単位程度に緩和することが考えられるものでございます。その下,法科大学院で開講される科目を学部生が受講する際の取扱いについて整理するべきではないかというものでございます。これはどこまで大学制度として可能かということで,中央教育審議会の大学制度を検討する大学分科会に報告して整理する必要があるとの趣旨でございます。
 事務局で,この点の机上配布資料を用意しましたので,お手元に御用意願います。
 案1で,科目等履修生の仕組みの活用でございます。考え方・論点にあるように,教育に支障がないよう授業を同時に行う学生数等の留意事項の検討が必要との前提の下で,その下にありますけれども,学部生は大学院において開講される授業を科目等履修生として履修すると。この場合当該大学院の単位として授与されるため,当該学部の卒業要件としての単位数に参入することは不可であると。一方で,当該大学院に進学した場合には,既修得単位として認定が可能であるということでございます。ただ,学部で卒業要件単位としては算入せずに,各大学として学修の成果として単位として認めることはやられていると。この科目等履修制度は法律,学校教育法に基づいて行われているものでありまして,全く問題はないわけでございます。ただ,学部の必要単位数に算入することができないところがございます。
 続いて,2ページ目でございます。現在でも法科大学院ということに限らず,大学としてやられているところがあると理解しておりますが,共同開講による工夫をよりしっかり検討してはどうかということでございます。考え方・論点です。前提として,学部は学部の基準に基づき,学部生に対する授業を開設し,大学院は大学院の基準に基づき大学院生に対する授業を開設することが原則であり,共同開講を制度上どのように位置付けるか整理が必要であるということでございます。こちらについても,先ほど申し上げた留意事項の検討が必要であると。イメージの例にありますように,大学院の教員が授業を担当すると。学部においてもその方が教員の身分を有するということで,大学院では憲法1と,学部では上級憲法を開設するのですが,同じ授業であると。学部生は学部において大学院と共同で開講される授業を履修すると。当該学部の卒業要件として単位数に算入することがこの場合はできると。
 一方で,当該大学院に進学した場合に,大学院の既修得単位として成績評価も大学院水準で行っている場合には単位認定ができると。これは学校教育法の体系において明確に規定はされていないものですが,現在やられているところはあると認識しております。即駄目だというわけではなくて,法学部・法科大学院の連携を深めることによって,かなり大規模にやるに当たっては,一度大学制度として整理が必要であるということでございます。
 続きまして,また資料3-2の3ページに戻っていただきまして,下から二つ目の丸でございます。これらの方策により学部3年間と法科大学院2年間の学修によって,法曹に必要とされる資質・能力を修得することができる教育課程の編成を可能とし,法学部の学生は学部3年間又は4年間に加えて,法科大学院2年間で法曹になる途を明確化するべきではないかと。その下でございます。優秀な学生が学部3年次修了時点で法科大学院に進学するに当たっては,主として早期卒業を活用するものとすると。これらの方策の検討に当たっては,現行の平成11年度に制度化された早期卒業制度が優秀な学生を対象とした例外的な措置であることとの関係整理が必要であります。
 これは先ほど申し上げたように,平成11年度に大学全体の制度として学部の早期卒業制度が導入されたわけでございます。それ以来活用されている状況を踏まえつつ,今回法科大学院への接続を密にするに当たって,法学部の法曹養成の部分において早期卒業をより活用することについて,大学制度全体を検討する大学分科会に報告して整理する必要があるという趣旨でございます。
 その下の丸でございます。法科大学院と「法曹コース」の接続を確保することから,学部段階において一定の学修を積んだ者を対象とする入学者選抜の設定を,例えば定員の5割程度可能とすると。これは前回も,このような数字は抜きで一定程度可能とする形でお示しさせていただきました。今回5割の形で出させていただいております。
 この後,次のページでまた補足説明をさせていただきます。法学部において法曹コースを設置する際は法科大学院の協力を得ることを必要とすると。その下,一貫した教育課程の内容や入学前の学修によって既修得単位として認定される科目等について公表するとしております。
 5ページ目を御覧ください。先ほどの例でございます。これはB大学,A大学は法学部も法科大学院も持っていて,C大学は法学部しか持っていない場合です。C大学においても,B大学と法科大学院と連携することによって,法学部に法曹コースを設置することができると。このような場合に,B大学の法科大学院が入学定員,例えば100名だとしてそのうち制度として最大5割ですので,3割設定する,全く設定しないことも考えられるわけでございます。5割についてB大学の法学部また連携しているC大学の法学部,あとA大学においてはA大学とB大学は連携しておられないのですが,この場合A大学の法学部も含めた形の対象とする入学者選抜を行うことを認めてはどうかというものでございます。
 続きまして,6ページ目が未修者教育に関する論点と改善の方向性でございます。論点と現状です。これは三つ目の丸ぽつのところです。未修者コース入学者に占める法学部以外出身者や社会人経験者の割合を増やすべきではあるが,現在の状況では一定割合以上入学させることについて3割の努力義務が課されているわけでございます。これは入学者の質の確保の観点から適当でなくなっているのではないかと。その下でございます。純粋未修者については入学者選抜のみでは法曹に必要とされる資質・能力を3年間で身に付けさせることができるか判断することが困難な面があり,未修者コースの質の保証を制度化することが必要であると。
 改善の方向性でございます。一つ目の丸,法科大学院入学者に占める法学系課程以外出身者又は実務経験者の割合を3割以上と定めた文部科学省告示を見直すと。これは平成31年度入学者選抜から適用されるよう見直すことでよいかということです。
 こちらはお手元に資料4を御用意願います。
 資料4の最後の8ページ目で「参考」とあります。現在の設置基準で法科大学院は十九条,「入学者の選抜に当たっては多様な知識又は経験を有する者を入学させるよう努めるものとする」とあって,その下に文部科学大臣が定めることで告示において「法学系課程以外の出身者や実務経験を有する者を占める割合が三割以上となるよう努めるものとする」となっております。これについて「三割」を見直すことについて,今年度中にやってよろしいかということでございます。
 7ページ目に二つ,考え方があります。告示は残しつつ数値基準を削除することと,そもそももう告示自体を削除して,その内容を一部設置基準に書き込むなどのことが考えられるわけでございます。技術的なことでございますので,委員の御意見を踏まえながら,具体的には事務局で関係部局と調整しながら改正作業をさせていただければと思っております。
 6ページ目でございます。改善の方向性の二つ目です。共通到達度確認試験など進級に当たっての質保証プロセスを導入する必要があると。その下,法学未修者教育に必要とされきめ細かな指導を行うため,以下のような方策についてどのように考えるか。法曹コースに純粋未修者の教育機能を持たせること。これは法曹コース,法律を中心的に勉強するのは2年間ぐらいになるわけでございます。3プラス2の場合は2年次に入って2年,3年としっかり勉強されることや,現在の学士編入学のことを考えれば3年,4年というのが普通かと思います。そのような形で2年間勉強して,法科大学院の既修者コースに入ってもらうことについてどのように考えるかが1点です。また,教育実績の高い法科大学院に未修者の受入れを拠点化することについてどのように考えるか。その下,法学未修者教育を複数法科大学院で連携して実施することや共同化することについてどのように考えるかということでございます。
 その下,加算プログラムについては平成31年から新しくなるわけでございます。未修者教育を効果的に行う法科大学院をより安定的・継続的に支援することが必要ではないかと。重点的支援を行うに当たっては,どのような指標が考えられるかということでございます。
 7ページ目でございます。各大学において行われている優れた未修者教育の事例・手法を体系化して,法科大学院全体において未修者に対する効果的な教育方法を共有することが必要ではないかと。効果的な未修者教育の手法を共有することや共同実施,人的な交流等を促進するためにどのような方策が考えられるか。その下,法科大学院入学前に一部の科目を先行して履修することについてどのようなことが可能であるかを明確化し,法学未修者に対する教育課程の編成を柔軟化することは考えられるかということでございます。
 こちらについても,恐縮でございます。机上参考資料の裏側の4ページ目を御覧ください。
 これは,法科大学院の未修者1年次に入学する前に,科目等履修生として基礎的なことを学修させることを課しているような大学が今既にあります。先ほど申し上げたように,科目等履修生として行っている限り全く問題はないということでございます。
 先ほど申し上げたあの共同開講,大学制度全体として大々的にもっとやっていくには,大学分科会で整理する必要があるわけでございます。共同開講が可能であれば,法曹コースの学生が法科大学院の1年次の未修者コースの授業について,共同開講の形で受講することも可能になるのではないかと考えております。ただし,制度上可能になってもこのような教育課程のカリキュラムが組めるかどうかは別問題です。先ほども申し上げたように,学部,法科大学院それぞれ体系的に教育課程を組むことが求められております。
 7ページ目に戻っていただきまして,上から三つ目の丸です。法学未修者への教育の工夫の範囲として認められ得る内容については,改めて明確化が必要ではないかということでございます。法学部教育に関する論点と改善の方向性は3-1を抜粋しただけにとど留まっております。
 8ページ目が,今御説明申し上げた未修者コースの改善について(案)で,図式化したものでございます。以下のような制度面と教育内容面の改善を両輪として,教育の改善・充実に取り組むということで,制度面の改善,入学者の3割を法学未修者又は社会人とする努力義務規定を廃止し,入学者の質の向上を図るということです。1年次の学生に関しまして,入学者選抜だけでは判定しきれない,未修者については入学者選抜において法律学は課さないとなっております。1年次終了時点に,共通的な法律学の適性を判定する質保証プロセスの導入が必要ではないかということでございます。また,右側,新しい加算プログラムの仕組みを用いてより安定的・継続的に実施するということ。その下でございます。教育方法の整理・分析・共有を図ると。また先ほど申し上げたような取組について,どのような方策が考えられるかということでございます。
 説明が長くなりましたが,以上でございます。

【井上座長】
 ありがとうございました。
 意見交換を行っていただく前に,まずただいまの事務局からの説明について,不明な点等があれば御質問いただきたいと思います。手始めに私が2点質問させていただきます。
 机上配布資料の2ページです。共同開講の話ですが,この一番下のところのぽつに矢印が二つ書いてあります。この二つはorの関係に立つのですか。つまり,卒業要件として単位数に算入してしまったら,次の矢印はあり得ないと。算入しないでオーバーしたものについて大学院の既修得単位としてカウントできることなのか。それとも,ダブルにカウントできることなのか。

【大月専門職大学院室長】
 ダブルにはカウントできなくて,学部としてカウントするか,大学院としてカウントするかということでございます。

【井上座長】
 つまり,卒業要件でカウントしてしまったらもう駄目だと。そこに入れなければ法科大学院の方でカウントしてもかまわないということですね。

【大月専門職大学院室長】
 はい。

【井上座長】
 もう一つは,資料3-2の4ページの括弧の中です。学校教育法自体と次官通知があります。次官通知を見ると,この早期卒業が例外的な措置であると書かれています。これは恐らく当時の理解がそうだったということだと思います。これをもう少し活用するためには,法律自体を変えないといけないのか。それとも,この通知で「例外」を取ってしまって,その下の,安易な運用をしては駄目だということは当然のことなので,それに留意しつつ,もう少し積極的に活用できるような趣旨の文章に変えれば,拡大して活用できることになり得るのか。その辺の御理解はどうですか。法律自体を変えないといけないのか,次官通知を変えれば済む話なのかということです。

【大月専門職大学院室長】
 先ほども申し上げたように,制度化をされてからかなり時間もたっております。法学の分野に限らずに,これは開かれている制度でございます。今これまで運用されてきた実績などを踏まえながら解釈を変えるのか,また法律までというのか,検討を深めていきたいということでございます。本委員会におきまして,法曹コースと法科大学院の接続を検討していただいているわけでございます。それを踏まえながら大学分科会において関係を整理させていただきたいと考えております。

【井上座長】
 ほかに御質問があれば。どうぞ。

【鎌田委員】
 大変つまらないことを聞いて恐縮です。大変好ましい提案だと思っています。しかし,例えば,みなし専任教員は週4単位でいいとなるのは非常にいいことですが,私学助成は週3コマ授業を持たない人は私学助成の対象にならない。それが多方面に実務家教員を配置したいときに障害になっています。
 こういう制度にした以上は,そことの連携を図ってくれるのかどうか。あるいはコードシェアで共同開講したときに,これは2コマ授業をやっているとカウントすることができるのかできないのか。実際には1コマしかやっていないのですが,制度上は学部の授業と大学の授業をやっていることになるのをどのように考えるのか。意外とこういうものも大きな赤字に直面している私学ローススクールとしては,配慮せざるを得ないことなので教えていただきたい。

【大月専門職大学院室長】
 共同開講について学部でも開講していて法科大学院,大学院でも開講しているという整理だろうとは思っております。ただ,御指摘の点に関して,法科大学院に関してはかなり充実した教育を行っているところもあって,また制度的にも加算プログラムのようなほかの大学・大学院の制度ではないようなこともやっております。今回もまた改善充実策を図っていくことでいろいろなところに関係してきますので,関係の部署と共有を図って必要な改正,行えるものと行えないものがあると思いますが,しっかり検討していきたいと思っております。

【井上座長】
 ほかに御質問ございませんか。どうぞ。

【中島委員】
 前回欠席をいたしておりますので,既に決着がついていることかもしれません。つまらない質問かもしれません。
 資料3-2の4ページです。上から二つ目の丸,下から二つ目でもあります。「法学部において法曹コースを設置する際は法科大学院の協力を得ることを必要とする」のこの「必要とする」をどう解釈したらいいかということです。つまり,ここでいうところの仮称法曹コースは,法科大学院との協力が必須と認識してよろしいのかというそういう質問でございます。
 以上です。

【大月専門職大学院室長】 
 こちらは「必要とする」と書いていてもう少し適切な表現があると今お伺いして思いました。前回の御議論におきましても,各大学の学部において様々な仕組みになっています。最初に教養学部がある,キャンパスが分かれている,そういうことがあるので,かなり自由な形で設定することが必要であろうという御意見があって,そのような制度設計にしております。
 唯一大きなつくりに当たってのポイントとなるのが,法科大学院のカリキュラムと連携をした形で作っていただくことが必要であります。法学部・法科大学院を持っている大学においては,自大学で連携を図ればできることになるわけでございます。法科大学院を持っていない大学においても,法科大学院を持っている大学と連携を図ることによって自大学の法学部に法曹コースを設置することができる形にしております。

【井上座長】
 木村委員,どうぞ。

【木村委員】
 私も前回欠席させていただいたので,もしかしたら話が済んでいるのかもしれないですが,学部等の兼務の考え方です。従来は研究者養成のことも考えて,修士・博士との兼務が議論されてきたと思います。今回必要性に応じてだと思いますが,学部等の兼務の話だけで修士と兼務は認めない前提で議論ということでよろしいでしょうか。

【大月専門職大学院室長】
 修士について,先ほどの資料4の5ページ目を御覧ください。
 説明は省略させていただきましたが,今回の改正として,移行措置として修士課程から関連する専門職学位課程を作るときには,5年間に限り先ほど申し上げたような修士課程に必要となる教員の数については兼務が可能とするとしております。これは専門職学位課程の設置を促す仕組みでございます。
 ただ,委員がおっしゃったような修士課程との兼務については,これは既存も認められておらず,こちらについてはもう少し大学全体の制度として今後検討する形になっておりまして,今回の改正案には含まれておりません。

【井上座長】
 御質問がまだおありかもしれませんが,そろそろ意見交換に移りたいと思いますので,まだ御質問のある方も,意見交換の中で適宜また御発言いただけますか。
 意見交換ですが,整理して議論していただいた方が良いと思いますので,前回御意見を頂けなかった法学未修者教育の在り方という点から御意見を頂ければと思います。いかがでしょう。
 どうぞ,大沢委員。

【大沢委員】
 法学部未修者については法曹に来ていただきたい方がたくさんいると思います。なかなか現状ではうまくいっていないということで,こういったいろいろな改革は確かに必要だと思っています。現状を見れば,3割以上の努力義務がもう現実に合わなくなってきているのは確かだと思いますので,この見直しはもうやむを得ないと思います。
 一方で,努力義務を外すときに注意してほしいのは,外したことによって未修者教育そのものをやらない方向になだれを打っていくような形に各法科大学院が走らないように,何らかの仕組み,例えば未修者教育をやっている法科大学院に対する支援を考えるなど,そういったものとセットにしていただけたらいいと思います。
 それから,実績のある法科大学院を受入れの拠点にすることもたしかに必要だと思います。狙いは特に分かります。一方で拠点化されてしまうと,学生,社会人の方などで,例えば夜間で通いたい方などが,拠点化がかなり進んでしまうと,どうしても物理的に通えない方が出てきてしまうのではないかと思います。どうしても大都市中心になってしまったりすると,地方の未修者の方が法曹を目指せなくなってしまうこともあるのではないかと危惧します。そういった地方からの未修者の方で法律家を目指す方にも配慮するようなそういった仕組みを是非お願いしたいと感じました。
 それから,進級に当たって質保証をしっかりしていくのは,たしかにそれは必要なことだと思います。ただ一方で,社会人の方は意を決して法曹の途に進もうと思って法科大学院に進んでいると思います。例えば仕事を辞めて勝負してくる方もたくさんいらっしゃると思います。だから,これは理想論になってしまいますが,できれば法科大学院の入学者選抜のところでできる限り適性を見てあげて,それでそこでもう入学させたのだったらよほど適性がない方は仕方がないにしても,なるべく志を持った方は何とか司法試験を受験するまでは少なくとも育てていただく,そういったことを是非お願いしたいと。これは素人のようなお願いですが,お願いしたいと思います。
 以上です。

【井上座長】
 夜間の話と地方の話とは別の事柄で,一緒にはしにくいところがありますので,分けて議論した方が良いと思いますね。それぞれの拠点化,重点化は,それぞれ,これまでも議論してきたところです。
 どうぞ。

【酒井委員】
 申し上げたい点が2点ございます。
 まず,1点目です。法学部に法曹コースが設置されることを前提にしたときの未修コースの意義の再確認が是非必要なのではないかという点です。と言いますのも,法曹コースができることのメッセージ性としては,早期から法学に特化した教育の強化をしていくところが非常に大きく打ち出されることになると思います。大学進学の段階で法曹を目指すような若手は,「是非法学部に進学して法曹コースに入ってください」と強くアピールすることになると思います。
 一方で,では,そこでどういった人材が育っていくのかという点は注視をしなければいけないと思うところです。特に,本日も資料3-1で出ておりますが,法科大学院等の教育の改善についての論点と改善の方向性(案)の1の冒頭の白丸部分にずっと「グローバル化に対応した人材を育てるべきである」と掲げられています。このような人材を,ではどこで育てるのかという点は非常に重要な問題だと思います。
 法曹コースに,仮にこのような機能まで持たせるとすると,これは非常に負担も増しますし現実的ではないと思います。そういったときに未修コースがその受皿になっていくと想定が当然されるべきことで,むしろ本来法科大学院の出発時点ではそういったことが構想されていたと思います。古くて新しいと言いますか,そういうことが改めて未修コースに持たされてくるべきではないかと考えるところです。
 例えば,外国語学部や国際教養学部で学んだ人材や,またグローバル人材として既に完成されている社会人の方を受け入れる。そういったことによって,こういった人材の育成が確保されるべきではないか。そういう意味で,未修者コースがきちんとした教育機能を果たしていくコースであることが大前提にありませんと,そういった機能も果たせません。そこの改善は目的を持って非常に積極的に打ち出されるべきと考えます。
 2点目としては,その具体的な方策として,今日ペーパーにもいろいろ挙げていただいているかと思います。未修者をどのように教育していくかは非常に,私も未修コースを出た人間としては思うのが本当に難しい問題が山積です。まず,その入学者選抜の時点で,適正な人材を選抜していくにはどのような準備や試験が必要なのかという点や,どのようなカリキュラムを正規に設けることが必要なのかという点や,司法試験受験のサポートでどのようなシステムがあるべきなのかという点です。それを一つのパッケージとしてこういった未修コースがあるべきだというモデルの追求は,継続してされていくべきだと思います。
 特に,加算プログラムが,先ほど御説明いただいたように,継続的な取組を評価していくことでまた見直しがされることもあります。そういった,例えば研究校や拠点校で研究をしていただくのも非常に有益だと思います。また,今共通到達度確認試験の方が2年生にも適用されるということで,未修に特化された検討会議ではなくなってしまっています。以前,前身としてありましたような未修者教育の質向上のワーキングに近いものを設けて情報の共有化を図るなど,そういったことについては,積極的に改革の目玉として打ち出していただければと思います。
 以上です。

【井上座長】
 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

【片山委員】
 今の酒井委員の御意見に全く賛成です。幅広いバックグラウンドを持った未修者の方に,未修コースに大勢入っていただく必要があります。そのためにはきちんとしたキャリアパスを示して,それに応じた教育ができることをしっかりPRしていく必要があるとは思っています。
 今,グローバル対応の人材の養成についても御発言がありました。そういう点では,資料3-2の6ページの「改善の方向性」の三つ目の丸のところです。「地方における法曹養成機能」で,「法曹コース(仮称)に純粋未修者の教育機能を持たせること」,それから2番目の拠点化に関しましては,これは二者択一ではなくして両方を合わせ技で未修コースの改善を検討していくべきで,それぞれに恐らく役割が違ってきていると思います。ただ,拠点化に関しましては,単に実績のあるロースクールを拠点化するということだけではなくして,一定の養成すべき人材像を明確にし,それとロースクールの教育と接合させる形でしっかりと拠点化をしていくことが必要ではないかと思いました。
 併せて,現場の未修コースでは,いわゆる「隠れ未修」の学生さんが多いのが現状です。ここは明確に純粋な未修者,すなわち社会人や他学部・他研究科出身者に限定した形で,未修コースの法曹養成コースの養成をやっていくことが必要ではないかと思った次第です。付け加えさせていただきました。

【井上座長】
 では,樫見委員,どうぞ。

【樫見委員】
 2点ございます。
 1点目は,既に御意見ございましたが,未修者教育の拠点化という点についてでございます。一つの方策ではあろうかとは思いますが,志願者がどこにいるのかという,志願者のニーズにこの拠点化が必ずしもかなうものなのかどうか。この点の危惧がまずございます。そして,当然のことながら,未修者教育において優れた実績のある大学もそういった改善策といいますか,教育体制,これをもう一つの方策としてはより広くほかの法科大学院についても周知といいますか,モデルとして広げていただきたいことがございます。なので,拠点化,今片山委員からもございましたけれども,選択肢としては幾つかあろうかと考えております。これが1点目です。
 あともう1点目は,法科大学院と法学部の連携による授業開講のイメージ,これについてです。ここでは当然のことながら,法曹コースなり法学部の学生対象とした科目履修なり,共同開講が書かれているので,その文脈からすればこれから申し上げるのは違うこともあるかもしれません。社会人の方や他学部生が,法科大学院の1年目にして全体的な基礎科目を全て履修する,これは年限的に非常に困難であることが,未修者教育の一つの問題であります。
 とすると,この共同開講はともかくとして,科目等履修について法科大学院と法学部との連携の中でのみ許されるのか。むしろ,他学部生や,あるいは一般の社会人による科目等履修を,例えば未修コース,未修科目についてのみはもう少し科目等履修の制度を広げて,彼らが少し時間をかけて学ぶことができるような体制の整備は,この中で認められるのでしょうか。
 質問も含めてなのですが,以上2点でございます。

【井上座長】
 2番目の点は,大月室長,何かお答えはありますか。法学部以外の科目等履修生の受講ですが,これはテクニカルには可能ですか。

【大月専門職大学院室長】
 先ほどの机上参考資料の1にありますが,大学院としてその学生が受けるに値すると認めれば,別に法学部の学生に限定する必要は全くありません。

【井上座長】
 2点だけ,私が気になったことをコメントさせていただきます。一つは,拠点化ですが,これは別にそこだけで独占的にやってもらうということではなく,むしろそこは必ずやってもらう,そういう意味での拠点ですので,誤解のないようにお願いします。
 もう一つは,グローバル化の点ですが,たしかに,未修者コースには多様なバックグラウンドの方がいる。グローバル化だけには限らないですけれども,グローバル化につながりやすいバックグラウンドを持つ人が相対的に多いので,そういう効果があるだろうということは当初から言われていました。しかし,同時に,忘れてはならないのは,法学部で法律だけやってきて既修者コースに入った人であり,そういう人こそグローバル化,多様化を図る必要が大きい。まさにそう考えられたからこそ,展開先端科目や司法試験科目以外の科目の単位数をかなり多く必修として取ることを要求しているわけです。現実には,試験の桎梏(しっこく)が響いて,そこのところが次第に手薄になってきているので,そこにも大きな問題があるのです。
 未修者コースの存在意義は非常に大きく,法科大学院発足当初,私が前任校の法科大学院の責任者をやったときには,社会で実に様々な職に就き,家庭や子育てを含め,いろいろな経験を積んだ人たちがかなり多く入学してきて,既修者の人たちとも一緒に勉強したり,交流したりすることがあり,そのおかげで,双方の学生が未知の世界に目を開かれたり,それまで考えもしなかった視点があることを知り,強い刺激を受けて成長していったのを身近で見ました。今は残念ながら,そういうことも減りましたし,外国語の取得なども,当初は法科大学院でかなり意識的にその方向を促すプログラムを組んだりしましたが,学生の多くは司法試験で頭の中が一杯で,司法試験に通って修習を終え,法律事務所に入ったり,裁判所や検察庁に就職して何年かたつと,一部の人が留学するというので,推薦状を書いてくれと頼んでくる。そんな状態で,何か非常にもったいない感じがしています。
 どうぞ,岩村委員。

【岩村委員】
 未修者教育のところで,資料3-2の6ページに「改善の方向性」と示されています。1番目の「法学系課程以外の出身者又は実務経験者の割合は3割以上」のところは,これはもう見直していただくしかないと思っています。別にこういった人たちを採らないということではないのですが,こういう数値のラインを引かれていることによって,今現実問題としては未修者のところの入学者選抜が非常に厳しい状況になっています。そういう点では「お前は妥協するのか」と言われるかもしれませんが,ここは見直していただく必要があるだろうと考えております。
 先ほど入学者選抜の話がありました。未修者選抜の非常に難しいのは,法律あるいは法学に関わる問題が出せないという中でどういった人を選抜するか。そのためにどういう試験を課すべきかが,現実問題としては非常に難しいのが大きなところだと思っています。
 私どものところの未修者の試験も,実は先日ありました。問題を見ると非常に難しい問題です。それを突破してきても,なかなか司法試験の最終合格率がうちの法科大学院でも思ったほどには高くならないというのが,ある程度今の選抜方式の抱えている限界を示していると思います。そういう点では,共通到達度確認試験のような質の保証プロセスは入れる必要があるだろうと考えています。
 そして,拠点化というのは,それをどういう意味に捉えるかは今御議論がありました。ある程度は私もやらざるを得ないのではないかと思います。井上座長の言い方だと必ずということなので,余り縛られたくないのがひょっとするとあるかもしれません。
 というのは,なぜかと言いますと,今のシステムですとどこも大体そうだと思うのですが,未修者だけを独立して一つのコースにするということは余りやっていないと思います。したがって,未修者は1年目はあるけれども,2年目,3年目は既修者と混合でやっていると。そこが実はなかなか難しいところです。
 もし,本当に未修者である程度の大きな変革を考えようというのであれば,未修者のところはある程度は既修者と切り離して,3年で一貫のところ,一応の水準まで持っていくという考え方にせざるを得ないかもしれないという気はしています。ただ,切り離すのがいいかどうかはまた別の議論があるので,そう簡単なものではないと思います。いずれにしろ切り離すことになると,これは当然切り離すなり,あるいは相対的な独立化を図るなり,そこは議論の余地があります。
 いずれにしてもそうなると,直面するのはマンパワーの問題です。そこをどうするかを考えると,一つの考え方としては,どういう議論を具体的にするかはともかくとして拠点化はあるだろうと思っています。
 それと,未修者の問題は実はかなり深刻です。もう表になっている数字なので,ここで申し上げても問題ないですが,今ちょうど入学試験がうちのところでも終わって,未修者の試験をやりました。募集人員65人に対して,結局第1次選抜を通って第2次選抜,筆記試験等に行った人数が75人でした。当日欠席者がいましたので実際の受験者数はもう少し少ないかと思います。うちの大学院でも今そういう状況に現実になっております。未修者のところを本当にどうするかは,かなり真剣に考えなければいけないだろうと思っています。
 もう一つは教育方法に関して言うと,うちでも未修者教育についての工夫をしました。規制との関係でやれなくなったこともあるので,その辺未修者教育の充実という観点からも,少し必要な規制の見直しを是非御検討いただけると大変いいと思っています。
 最後に,国際化は,私は非常に重要な問題だと思っています。国際的なレベルで見ても,この前うちのロースクールの運営諮問会議を開いたのですが,そこで出た議論は日本のエリートの学歴が低いということです。学士号しか持っていないというのでは,国際的にも通用しない。少なくとも,法学分野であれば法務博士,JDは持っていないと国際的には通用しないという話でありました。
 そういう観点から言うと,とりわけ先ほど井上座長が言及されたように,ロースクールができた当初の未修は非常にすばらしかったと思います。国際的にやっていける人材もいたと思います。今の課題は,法学部出身者でロースクールに来る人たちをいかに早くドメスティックではなく,インターナショナルな,国際的な方向に目を向けていってもらうのか。それによって,法務博士という学位を得てもらって,できれば国際レベルで活躍できるようなそういう人材を供給するところが,これからの日本にとっては非常に重要な問題だと私は思っています。
 そういう点で学部レベル,仮に3プラス2という今日議論している状況の中であっても,法学部の学生についてもその学部レベルからの国際化なり,英語あるいは他の外国語の習得に力を入れつつ,しかし法科大学院に来てもらうという,かなり難しい方程式ですが,それを考えていかなければいけないと思っております。
 最後に,これは既修者に絡みますが,忘れてしまわないうちにお話ししておきたいと思います。何人かと立ち話をしていて,もう既にこの3プラス2が表に出ているので話をしたときに出たのは,少なくともうちの大学に関していうと3プラス2になって,今予備試験を受けているような層の人たちがロースクールに来るかというと,3プラス2というだけでは多分来ないのではないか。それはもう皆予備試験に行ってしまうのではないか。とすると,3プラス2でいって,かつその方が予備試験よりもいいという何かそういうメリットを見せてあげないと,今もう定着してしまっている学生のメンタリティを変えるのはかなり難しいだろうというそういうことでありました。でき得れば,3プラス2に加えてどういうロースクールのメリットを考えることができるかということまで議論を深めていっていただけると大変有り難いと思いました。
 長く時間を取りましたけれども,以上です。

【井上座長】
 最後の点は,未修者教育の枠を超えてしまっていますので,この辺で少し広げて,全体的な法科大学院と法学部の連携,あるいは法学部の在り方についても御意見を頂ければと思います。
 先ほどの岩村委員の最後の御発言ですが,東京大学は少し特殊かもしれませんね。一般化できるかは,やや慎重であった方が良いかもしれませんので,御留意いただければと思います。
 では,潮見委員。

【潮見委員】
 ありがとうございます。未修の方を先に言おうと思ったのですが,岩村委員の御発言もありましたから,関連した話をします。私も3プラス2というのは,基本的な法的な思考能力を備えた学生に法科大学院への途を選ばせて,司法試験に通ってもらう点では,ある意味ではプラスになると思います。それを加速させるような何か手段との結び付きを考えていただきたいとは思います。
 未修についても言っておきます。6ページ目の点に関して意見が出ていました。私も基本的には告示の見直しについては賛成です。それから,質保証で共通到達度確認試験の活用は,先ほどから委員の皆様方がおっしゃっているように,これは積極的に検討するべきではないかと思いますが,共通到達度確認試験は未修者の学力を測る点にこそ重点を置くべきです。既修者の場合には,今の司法試験は短答試験がありますから,短答試験のところである程度そこでその人の能力は判断できます。ですから,そういう意味ではむしろ1年次にこそ,というか未修者にこそ,こういう共通到達度確認試験を活用する方向を考えていただきたいと思っております。
 それから,3点目です。拠点化や連携等々がございました。先ほどもいろいろ御発言があったのをもっともだと思っていました。少なくとも私も現場にいる人間で,過去10年間ぐらい未修者の教育についていろいろ問題点も理解をし,どうしたらいいのかという形でその改善も考えてきたところがございます。10年以上考えていて,いまだにこういう状況になっているところをどのように考えなければいけないかは,本当に深刻に受け止めなければいけない最大の点だと思っております。きれいごとではないと思っております。
 教育の内容についてはその中でも結構いろいろ議論をして,更に他の法科大学院が行っているところの良い点を学びながら,それぞれの法科大学院は努力をしてきたと思います。他方で,ここにもお書きになっている教育体制の部分については,先ほどの岩村委員の「規制」という言葉もございましたが,一定の枠がどうしてもあるようなイメージが先行して,やりたいことをやろうとしてもそれについて阻まれることがありました。あるいは,経済的・財政的な支援がないから仕方がないという形で諦めることもありました。
 今後,未修者教育をより良い方向に持っていくには,この教育体制の確保・改善の部分に重点を置いて,積極的に取り組んでいく必要があると強く思っております。例えば,若手の教員を未修者の教育のアシスタントの形で活用するような方策を考えてみる。これには,制度上で難しいところがあります。そういうところを少し緩和する。あるいは,そういう若手の教員や弁護士が指導するところに対する財政的な措置をとる。あるいは,先ほどの連携がございましたが,人材の活用やコストの問題等も考えて,うまくいっているところとそうでないところ,あるいはうまくいっているところ同士が連携して何か考えていくことでやっていく。そういう方向性の模索について支援をすることができるような,形のある議論をこれから展開していっていただければ有り難いと感じております。
 岩村委員と私の間では,未修者の切り分けについては少しニュアンスがあるのかもしれません。そういうことも含めて考えてもいいのかもしれません。
 国際化なども,例えば,京都大学と同志社大学では法科大学院同士が連携をしております。同志社大学では,国際化について,かなり積極的に取り組んでおります。そうしたところに実際に京都大学の法科大学院の学生が授業を受けにいって,アメリカのロースクールの授業等を聴く形で,勉強をすることができる機会が確保されていることもあります。
 こうした形で国際化,グローバル化のさらなる進展に対応するところなりの対応を考えることができると思います。ビジネスモデル等々についても,例えば環境や知財などいろいろな特化した形で,売りにしているような法科大学院もあります。そういうところとの関係も考えていくのも,考え方としてはいいと思うところです。
 また,議論がありましたら少しまた発言をさせていただきたいと思います。以上です。ありがとうございます。

【井上座長】
 先ほどお二人が「規制」と言われましたが,設置基準や認証評価基準などのことですね,はい。どうぞ。

【大貫委員】
 戻るところがありますが,まず今潮見委員がおっしゃった未修者の教育を10年やってきて現在でもこういう状況だということに関して,また同じことを言うことになります。かつてやった,いわゆる連携検証,法科大学院成績と司法試験の成績の相関関係について調べたところを見ると,法科大学院の成績が同じである人が司法試験を受けると,ダブルスコアで未修の方が悪いわけです。これはどう理解するかは非常に重要な論点です。私は司法試験の方も,法科大学院の教育に合わせてくれということではないですが,法科大学院の教育と適切な連携を図ったものにより一層なっていただきたいと思っています。これが第1点です。
 それから,もう1点は井上座長が先ほど御質問された資料3-2のところです。私は行政法学者の端くれです。事務局の答えがはっきりしなかったところがあるので,お聞きします。3-2の4ページです。事務次官通達という大変立派なお名前です。申し上げにくいのですが,これは行政解釈にすぎないものでありまして,これは法令ではなくて一種の,国立と私学では意味合いが違ってきますが,行政解釈を示したものです。これを変えれば,早期卒業の意味合いは変えることは可能だろうと思います。
 現在の建て付けですと,89条の早期卒業は当然例外ですから,例外なのにまた「例外的な措置であることに留意する」と次官通知に書いてある。重ねて書いてあることの意味です。これは本当の例外だと言っていることになるので,この次官通知をどうするかというのは考えどころだと思っています。
 それと,このイメージ図です。法科大学院と法学部との連携による授業開講のイメージ図の机上配布資料です。できるだけ手短に言います。4ページなどを見ると,ここでは分からないのですが,先ほど来3-2の6ページのところで,法曹コースに純粋未修者の教育機能を持たせることとあります。この構想のイメージですが,私としては,多大なる犠牲を払って法曹コースに社会人などに来ていただく,そこを出たらまた未修に入るというイメージが余りないです。既修に行ってもらわないと駄目だと私は思っているので,法曹コースに入って勉強してまた法科大学院で3年というのはなかなか耐え難い事態だと思います。既修に行くのだろうとイメージはしているのですが,いかがでしょうかという質問になります。
 最後に,3プラス2に関わるところで,意見を申し上げます。3プラス2というか連携のところです。資料3-2の4ページの,先ほど中島委員からも御指摘のあった白丸二つ目の辺りに関わるところです。それから,その5ページ目のイメージ図と関わるところであります。
 これは端的に言いますと法科大学院と,この5ページを見ますと,C大学の法学部と出てくるわけです。法科大学院と他大学の法学部が連携して,あるいは協力して法曹コースを設置することになろうと思います。この点は非常に重要な点だと思います。特に,法科大学院のない地域の法学部にとっては重要なところだと思っております。法科大学院がない地域の法学部と法科大学院が連携して,カリキュラムにおいて緊密な関係を作っていただくことは必要だと思います。
 ここから先は提案です。法科大学院入試において,当該地域にある法学部から一定の推薦枠を設けることがあってもいいのではないかと思っております。さらに,この推薦枠からの入学者には奨学金を付けることも考えられると思っています。これはペーパーにも書いてありますが,地方で学ぶ人に対してどう配慮するかを意識しております。先ほど共同開講などの構想がありました。これは法学部と法科大学院が近くないとできないわけです。もしもそばに法科大学院がなければ,別のことを考えなければいけないだろうと思います。
 実は,地域の法学部出身者で,正確には法学部出身とは限らないのですが,中央大学法科大学院を受験してくれる学生さんを念頭に置いて「地域法曹枠」を設けて,特別な入試を行って,合格者には奨学金を付けることをやっております。そうしますと,非常に志願者が増えます。ですから,先ほど申し上げたように地域の法学部から指定校と言いますか,一定の枠を設けることは十分に考えられてよろしいのではないかと思っております。
 それから,また未修者教育のところに戻ります。先ほど申し上げたように,「法曹コースに純粋未修者の教育機能を持たせる」という記述があります。これはやっていただいていいのですが,きちんとやらなければならないと思います。この構想が実行に移されれば,この法曹コースに入学した未修者の方を積極的に推薦枠で入学していただくことも考えられるのではないかと思っております。
 以上です。

【大月専門職大学院室長】
 委員から御質問があった6ページの純粋未修者の教育機能を持たせることでございます。資料の説明の際にも申し上げましたが,他学部で卒業されて未修者コースに入らずにこの法曹コースに学士入学されて2年間学修される,または,例えば1年生と,2年生は違う学修をやっていて,法学部に学士編入学をされた方で,3年生,4年生とこの法曹コースで学修された方が先ほど申し上げたように既修コースに入っていただくイメージでございます。

【井上座長】
 どうぞ,日吉委員。

【日吉委員】
 前回欠席しておりまして,失礼いたしました。
 今まで法曹養成コースの議論が先行して何回か行われてまいりました。本日その未修者教育の論点が様々な委員からも提出されたことで,非常に重要なのはここから,今までむしろ既修者教育の方が先行して単体で議論されていた傾向があるところを,まさしく全体で有機的にどうやって制度を改革していったらワークするかと考えられる局面になったと思います。
 一番大事なのは,先ほど岩村委員もおっしゃいましたが,教える側のリソースが有限であることです。それから,時間もある程度急がなければならない中で,既修者の改革,それから未修者の改革を仕組み・制度論から教育の内容も含めて,どのような工夫を凝らしたらそれが有限なリソースで対応できて,かつより重要なことはユーザー側です。つまり,来ていただきたいと思っている学生さんたちにとって,それなりに魅力的で引き寄せる力があるものに少しずつ変えていけるかと,そういう目線での議論が非常に重要だと思っております。
 その中で幾つか申し上げたいのですが,例えば,先ほど来出ておりますが,法曹養成コースにいろいろな複数の役割を持たせる。例えば,未修者の初期の教育をさせてみよう,あるいは場合によっては入学前の「お試しコース」という話もペーパーには出ております。入学前のお試しコースは,例えば「法曹養成コースの一部を履修するのですか?」という案も到底あり得る。しかし,そのときには,では純粋未修者のかなりの部分を占める社会人が,そういった法曹養成コースを履修できるようなそういう制度設計の法曹養成コースであるのか,あるいはそういうものが作れるのかも議論が必要だと思います。
 何を申し上げたいかというと,一つ一つのパーツとしての3プラス2を前提とした法曹養成コースの設定,それから未修者コースについての拠点化,あるいは場合によってはモデル校の設置,そういったものも全て,どこにどういう形で作っていくのかも含めて,来ていただきたいと思われるようなユーザー側,学生さん側にとってアクセスしやすい,そういう制度設計になっているのかがまず,必ずそれが常に検証されなければいけないと思っております。
 それから,未修者教育の方法,内容については,先ほど来10年以上たってまだ確立していないという現実があるということを踏まえて,先ほど来モデル的なコースやモデル校や拠点化などいろいろな表現の仕方でアイデアが出ております。言葉はどうあれ,必ず今まで幾つかのロースクールで優れた取組がある種個人的に,あるいは時限的に行われてきたことがあって,そのノウハウがある程度存在していることは事実です。それを何とかして有機的に共有して,そしてそれを次の世代につなげていく。場合によってはそういった仕組みの中に別の問題になっている次世代のロースクールの研究者,教える能力を持った者の育成機能も持たせる。そういった形で,いろいろな今求められているニーズを上手に組み合わせて,そして,制度設計を考えることが多分一番重要なのではないかと考えています。
 以上です。

【井上座長】
 ほかの方,いかがでしょう。どうぞ,髙橋委員。

【髙橋委員】
 2点あります。
 一つは,未修者教育の拠点化に関してです。机上参考資料では,拠点化による教育リソースの節減が指摘されていますが,未修者教育の拠点になった大学では,先ほど来議論されているような,理想形としての人材育成を従来以上に明瞭に追及していかなければならないと思います。それに加えて,この机上参考資料の1ページにあるような形での法学部との連携も同時に行うとなると,現実に学部生と純粋未修者とを同じ教室で教育することができるのかなどといった問題もあり,実質的には相当の負担増になることもあるのではないかと思われます。未修者教育の拠点化を図るのでしたら,拠点校には,相当程度手厚い支援をすることが必要なのではないかと考えております。
 もう一つは,同じく机上参考資料にある複数大学間の連携のお話です。この連携は恐らく各大学間で連携協定を結んだ上で進めることになるのではないかと思われますが,そうすると,大学間での学生の流動性に相当程度制約がかかるのではないかと懸念されます。余り制約がかかり過ぎると,これもまた学生にとっての法科大学院進学という進路の魅力を損なうことになりかねないのではないかと思います。ある程度流動性の担保された制度の仕組みが必要と考えております。
 以上です。

【井上座長】
 ありがとうございました。
 では,片山委員,どうぞ。

【片山委員】
 1点,法曹コースの質の保証の点について余り言及がなかったかと思います。その点を確認させていただければと思います。どこまで踏み込んだ法曹コースを制度設計するのかにもよるのかもしれませんが,科目や単位数でしばりはかけるけれども,あとは自由に各大学にやらせますということであれば,恐らくは入試の既修者試験でしっかり学科試験をやることで質が担保されるとは思います。
 他方,今回のペーパーでは,特に法曹養成コースの入学者選抜枠という話が出てまいりました。そうすると,その入試の中心は法曹コースでの学部成績が中心で判定されることになろうかと思います。そうしますと,かなり踏み込んだ形での質保証を論じていく必要があるかと思います。
 御案内のとおり,法科大学院では少人数教育,それから双方向のソクラテスでやることや,あるいは厳格な成績評価,相対評価をやりますということを認証評価で保証していくシステムです。それが果たして法曹コースにどこまで取り込むことができるのかという話を併せてやっていかないと,なかなかこの入学者選抜枠で学部成績によって採っていきますというのは難しくなってくると思いました。是非質の保証という点に項目を設けていただければと思った次第です。

【井上座長】
 大沢委員,どうぞ。

【大沢委員】
 前回欠席しまして,この法曹コースについての意見を申し上げていなかったので,一言申し上げたいと思います。
 今日の予備試験の資料でも改めて思ったのですが,司法試験合格者を多数輩出しているような,世間的には優良校と言われているようなところの学生の方が多くその予備試験の方に行かれて合格されている現状を改めて感じました。こういう方たちは試験場でということなのかもしれませんが,非常に優秀な方だと思います。そういった方々が本当に,先ほど座長がおっしゃっていたように,法科大学院での幅広いいろいろな学修をする機会がなく,予備試験からのルートで法曹になっていってしまうことは,最終的に法律サービスを受ける国民側の我々としては非常に危惧するところであります。
 ですので,なるべくこういう優秀な方が法科大学院の幅広いいろいろなカリキュラムの科目を学んで,法曹になっていただきたいと。そういう意味で,先ほどプラスアルファの仕掛けは必要なのかもしれませんが,こういった3プラス2の法曹コースはやることに意義があるのではないかと私も感じています。
 ただ,一方でそれぞれの学修の進度は学生さんによってもいろいろあると思います。3プラス2のコースは選択肢の一つであり,大学で4年間いろいろなことを学んで,それであと2年ロースクールに行って法曹になるという途もあるべきだと思います。その辺はいろいろなコースを各大学が実情に応じて作る形にしていただけるといいのではないかと。
 ですから,変な話ですが,このようなことはないと思いますが,3プラス2のコースを作っていないと一流ではないなど,そういうことが評判になってしまうことを恐れて,取りあえず形だけでも3プラス2のコースは作っておこうなど,そういうことにはならないとは思いますが,そういう形で流れていかないようにしていただきたいのが感じるところです。
 それから,法曹コースはカリキュラムを作る上で,素人から見ていると同じ大学と同じ大学院での話が一番スムーズなのかと思っていたのですが,今日のイメージ図でいろいろな連携の形が示されていました。法科大学院を持っていない法学部との連携のイメージ図も示されていたので,ほっとしたところです。特に,地方大学や法科大学院がないところも頑張れば,こういったロースクールに進む途ができるルートを示すことが非常に大事だと,広く持たせることが大事だと思います。是非そういった仕組みを工夫していただければと感じる次第です。
 以上です。

【井上座長】
 それでは,岩村委員。

【岩村委員】
 2度目の発言なので,簡潔にしたいと思います。
 資料3-2の4ページの上から2番目の法曹コースとの接続です。例えば,入学者選抜はこの設定を定員の5割程度,5割程度という数字が適切かどうかはこれからの話だと思いますが,こういった枠は是非設けていただきたいと思っております。
 特に,先ほど大貫委員,それから大沢委員も強調されましたが,次のページのイメージ図にあるようなA法科大学院タイプのものだけではなくて,B法科大学院,更に法科大学院を持たないC法学部との連携も,もう既に出た意見にもありますように,重要な視点です。それもうまくいくように制度設計の工夫をして是非やっていただければと思います。
 以上でございます。

【井上座長】
 枠というのは,恐らく上限という意味で,必ず採らなければならないということではないと思います。
 時間が少なくなってきており,あと数人に限らせていただきたいと思いますので,御発言のある方はお急ぎください。どうぞ。

【潮見委員】
 例えばB大学の場合に法科大学院と法学部の間のどういう形で連携をするのかについては,これはそれぞれの大学にもいろいろ個性があると思います。大学の自由といいますか,個々の大学の考え方を是非尊重していただけるような形で制度設計をしていただきたいのが1つです。
 それから,もう一つは片山委員が先ほどおっしゃったことではありませんが,例えばB大学の法科大学院については,B大学の法科大学院としての学生の質の保証が求められますから,例えば入試でどのようにするのかについてもB大学・法科大学院がどのように考えるのかをまたいろいろ尊重していただきたいという感じがいたします。
 先ほどの推薦枠という話も大貫委員からありましたが,そういうものを導入するかどうかについても絶対に導入しなければいけないなどというしばりは避けていただきたいと思うところです。
 以上です。

【井上座長】
 では,松下委員,次いで中島委員という順で・・・。

【松下委員】
 時間が限られていますので,一番言いたいことだけ1点申し上げます。資料3-2で未修者に対する教育の改善,資料3-2の6ページの下から二つ目のところです。拠点化というか連携の話が出てきます。ここで正しい日本語だと「きめ細かい」指導になりますか,をするためにという言葉が出てきます。別の文脈では「教育リソースを浮かす」という言葉も今日出てきました。
 もともと,しかし,拠点化したり連携したりすることの意味は,教育リソースの節約ではないです。学生が一定数いることで,適切な切磋琢磨(せっさたくま)ができる,学生間で刺激を受けられる環境を担保することだと思いますので,決して教えながら楽しよう,少人数なら少人数の方がいいのではないことを確認しておく必要があろうかと思います。
 以上です。

【中島委員】
 もう既に確認されている原理原則を繰り返す必要はなくて,今後のことです。3プラス2,4プラス2,いずれであれ一貫コースへとりわけ既修の方は移行していくと思います。恐らくそれはターゲットを含めて段階的に変わっていかざるを得ないのではないかと思っています。
 何をもって学生が優秀かどうかを計るのは非常に難しいわけです。先ほどお話が出たように,予備試験経由で司法試験に合格する,あるいは学部からいいますと,GPAが一つ基準になると思います。私の大学ではGPAと予備試験の合格者,割と相関があります。学部の授業もきちんと受けてそれなりの成績を取っていて,かつ予備試験に合格していくというそういった相関が見られるときに,先ほど複数の委員の方からありました。この予備試験ルートの人を直ちに3プラス2に直ちに呼び込むのは多分無理だと思います。
 うちの大学では早期卒業の要件としてGPAを3.6に設定していて,それに続く層がどういった層なのかデータを見ておりますけれども,もしかしたら当初のターゲットはそこなのではないかと思っています。運用の中で結果がついてくれば,予備試験を経由している人たちにとっても,これが実は魅力があるし自分のキャリアパスからしても将来があると広まっていって次,まさにターゲットとしたい最優秀層に移行していくイメージになるかと見通しを持っています。

【井上座長】
 どうぞ,笠井委員。

【笠井委員】
 法曹養成制度の現状がこういう状態になっている以上,改革案が3プラス2のように既修者を主体として出てくるのは,当然と言えば当然で,そのこと自体について私は賛成です。
 ただ,これに対する懸念は当然これまで表明されているとおり,予備試験に流れる者は当然いるでしょうし,それが流れるのが東大という特殊なところだけではないのではないかと思っております。
 重要なのは,改革案が同時に未修者問題も合わせて大きい全体像が提示されなければいけないということです。そして言うならば,この改革がこれまでの轍(わだち)を踏まないようにしなくてはならないということです。
つまり,提示しなくてならないのは未修者問題を含む改革案の全体像であり,それは失敗の繰り返しにならないように提示されなくてはならないのです。文部科学省の当局には大胆な改革案を是非提示していただきたい。未修者のための拠点化校のお話もありましたが,案があるなら,これを目に見える形で付議すべきであり,そうでないと,せっかくの3プラス2が提示された意味が薄れていってしまうのではないかと思います。

【井上座長】
 鎌田委員,どうぞ。

【鎌田委員】
 一言だけです。未修者にもいろいろなタイプの人がいるので,余り一般的には語れません。社会人で法科大学院に入ってきた人の抱える問題の一つに,法律は敷居の高い学問で,敷居を越えるのに物すごい時間がかかるタイプの人がいるということがあります。
 そういう意味では,未修者のある種の人にとってはここでの発想とは逆に,時間をかけてどうやってもらうか。1年でやるものを2年間かける。あるいは1年,2年でやるものを3年でカバーするはどうしたらいいかという発想も必要かと思います。そのためには,既に未修1年の履修単位の上限を一部緩めたけれどもあの緩め方で十分なのかということと,今は1年留年するとその途端奨学金が打切りとなります。会社を辞めてきた人にとってそれは非常に大きな痛手になるので,何としてでも,無理してでも,進級させるようなことをしていますが,これをもう少しゆとりを持ってできるような仕組みを考えることが必要かと思っています。

【井上座長】
 そろそろよろしいですか。これでこの議論は終わりではなく,今日の議論を踏まえ,引き続き更に突っ込んだ議論をしていただこうと考えています。
 それに備えて,本日の御議論につきましても,事務局の方でまた整理をしていただき,次回の議論のベースにしたいと思いますので,よろしくお願いします。
 ほぼ所定の時刻ですので,これで本日の会議を終了させていただきます。次回の日程につきましては,改めて事務局から御連絡を差し上げて,調整していただこうと思いますので,よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

お問合せ先

高等教育局専門教育課専門職大学院室法科大学院係

(高等教育局専門教育課専門職大学院室)

-- 登録:平成30年08月 --