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専門職大学院ワーキンググループ(第1回) 議事録

1.日時

平成27年12月21日(月曜日)17時~19時

2.場所

文部科学省東館13階13F3会議室

3.議題

  1. 専門職大学院ワーキンググループの運営について
  2. 専門職大学院ワーキンググループの公開に関する事項について
  3. 専門職大学院制度の現状・課題について
  4. その他

4.出席者

委員

委員
 (臨時委員)有信睦弘(主査),川嶋太津夫(主査代理),玉腰暁子の各臨時委員
 (専門委員)青井倫一,大竹由希子,片山直也,上西研,杉本徳栄,添田久美子,松﨑佳子,宮脇淳の各専門委員

文部科学省

(事務局)北山専門教育課長,塩田専門職大学院室長,川﨑専門職大学院室長補佐,真保専門教育課専門官

5.議事録

(1)専門職大学院ワーキンググループの運営について
主査代理について,有信主査から川嶋委員が指名された。

(2)専門職大学院ワーキンググループの公開に関する事項について
  事務局から,専門職大学院ワーキンググループの公開について資料3の説明があり,原案のとおり決定された。
  また,公開に関する規定に基づき,この時点から会議が公開された。

(3)専門職大学院制度の現状・課題について
【有信委員】 それでは,専門職大学院制度の現状・課題について,まず事務局から御説明いただいてその上で議論を進めるということで,事務局より御説明いただきたいと思います。
【塩田専門職大学院室長】 それでは資料4と5を使って説明させていただきたいと思います。資料4が制度の経緯や中教審でのこれまでの指摘事項をまとめたものでございます。資料5が検討事項(案)として事務局でまとめさせていただいたものでございます。
まず資料4を説明させていただきます。
1ページを御覧いただければと思います,先生方も御存じの方も多いかと思いますが,平成11年には,高度専門職業人の養成に特化した大学院の修士課程,専門大学院という制度がございました。
これにつきましては,平成14年8月の答申におきまして,専門大学院制度は,従来の大学院の枠内での制度設計にとどまっているということで,修了要件として特定の課題について研究の成果の審査に合格する等々,このような制度の枠組みが,高度な専門職業人を養成するための実践的な教育を展開していく上で制約となることが指摘されました。
それを踏まえまして,現行の専門職大学院制度を更に発展させ,様々な職業分野の特性に応じた柔軟で実践的な教育を可能にする新たな大学院制度を創設するとしてできたのが,専門職大学院制度でございます。
概要につきましては8ページにまとめてございます。標準修業年限は2年,法科大学院は3年。修了要件は30単位以上,法科大学院と教職大学院だけが別となっており,一般の修士課程とは異なり,論文作成を必須としない。教員組織としましては,必要専任教員中の3割以上は実務家教員だということでございます。教育内容につきましても理論と実務の架橋ということで,双方向・多方向に行われる討論や質疑応答等が授業の基本であること。認証評価について通常の機関別評価に加えまして,5年以内ごとに分野別評価を義務付けられてございます。
2ページに戻りまして,平成17年9月の答申の記載事項でございます。ここにおきまして,博士,修士,専門職学位課程の役割分担が書かれてございます。
専門職学位につきましては幅広い分野の学士課程の修了者や社会人を対象として,特定の高度専門職業人の養成に特化して,国際的に通用する高度で専門的な知識・能力を涵養(かんよう)することとしております。
それにつきまして枠囲いのところにございますが,専門職大学院の実績を見つつ,修士課程及び博士課程との関係性等を踏まえて,その在り方については,今後,検討すべき課題だということが合わせて書かれている状況でございます。
ページをめくっていただきまして3ページ,引き続き平成17年9月の答申の記載事項でございますが,大学関係者と関係する業界や職能団体等が連携して,理論と実務を架橋としたプロセスとしての教育を確立していくこと。すなわち,特定の職業分野を担う人材の養成を行う専門職学位課程として,その基礎となる共通の課程の在り方の社会的定着と制度的な確立を図ることが不可欠であると指摘されてございます。また,専門職学位課程の評価について,大学関係者が,関係する業界,職能団体等を含めて組織的な専門的評価機能を発展させていくことが強く求められる。このような指摘がなされてございます。
4ページを飛ばしていただきまして,5ページでございますが,これが平成23年1月の答申の記載事項でございます。
専門職学位課程の教員組織に関する検討でございます。下線のところに記載がございますが,通常教員は他の学位課程を兼ねることができるとされておりますが,専門職大学院につきましては,専任教員は他の学位課程の必置教員数に参入できないということになっております。これにつきましては,専門職大学院における教育に専念する教員の充実を図ることと,専門職大学院の独立性を確保することの必要性から来ているものでございます。
ただ,これにつきましては,制度創設後10年間の特例ということで,他の学位課程の参入が認められておりましたが,平成25年度で終了するということになっておりました。
これにつきまして,この取扱いをどうするかが当時議論となりました。ここで書かれてございますのは,専門職学位課程と博士後期課程との接続を図ることが重要であるということが書かれてございます。最後の事務局注でございますが,これについては設置基準を改正いたしまして,博士後期との兼任はいいがそれ以外は兼ねることができないということが,平成24年11月に決められたところでございます。
続きまして6ページでございます。認証評価の見直しということで,従来は分野別評価が義務付けられておりますが,認証評価機関が存在しない場合は自己点検・評価ということで代替することが可能と書かれておりました。しかし,質保障の観点からこの特例は廃止することが適当だということが言われており,実際このことについては施工規則の改正によって措置済みとなっております。
実務家教員の明確化について,でございます。法令上は専任教員に占める割合の下限は規定されておりますが,専門職大学院ごとに取扱いが様々となっている現状を踏まえ,専任教員の定義,専任教員に占める実務家教員の割合の取扱い等の明確化が必要だということが当時言われております。
ちなみに,こちらは7ページに教員組織の状況ということで実務家教員の比率を記載してございます。一番右側が平成27年度でございます。これを見ていただけるとわかるように,実務家教員の比率が高いのは,ビジネスやMOT,知的財産といったところでございます。逆に,実務家教員比率の割合が低いのは公共政策,公衆衛生,法科大学院といったところでございます。
また,ページを戻っていただきまして6ページでございます。優れた理論と実務教育のバランスに配慮した柔軟な教育プログラムの提供ということで,ここで指摘されておりますのは最後の,産業界や職能団体との連携協力により,基礎的な知識・能力に関する共通的な到達目標の設定や教材開発等の取り組みを促進するとともに,特色のある教育拠点の形成を促進し,修了者が社会で能力を発揮し評価される環境を整える必要がある。という指摘が当時されております。
続いて参考資料の1と2を先に御覧いただければと思います。
参考資料の1が9月にまとめられました中央教育審議会大学分科会の審議まとめでございます。その中の18ページに専門職大学院に関する記載がございます。
(3)専門職大学院の質の向上の4行目からです。しかしながら,専門職大学院における高度専門職業人養成のための教育の必要性に関して,必ずしも,社会との間でコンセンサスが十分に得られているとは言い難(にく)い。また,在学者数は年々減少している等の課題が表面化している。このため,以下の点にも留意して,今後,認証評価制度も含めた制度全般の検証,見直しを1年以内に行うことが必要である。丸1同分野における専門職学位課程と修士課程における人材養成機能,教育内容の役割分担,丸2教育内容の分野が多岐に亘(わた)る専門職大学院の教育目的,核となる科目の明確化,丸3理論と実務の架橋を強く意識した教育をより効果的に行うための研究者教員と実務家教員の連携や,実務家教員の比率の在り方等,教員組織の在り方,丸4様々な職種,就業形態,求められる資質・能力に応じた社会人に対する多様な教育課程の提供の促進や制度見直しを含めた継続教育の充実方策となってございます。
次の丸の2行目でございますが,今後成長が見込まれる分野に特化した経営人材の養成機能を抜本的に強化することが必要である。若干飛びますが,国際的に通用するアクレディテーション機関からの評価を受ける世界基準の教育課程を開発することや教育指導体制を構築することが必要であるということが指摘されてございます。
そして,3つ目の丸でございますが,専門職学位の取得が試験の一部科目免除の要件となっている資格試験と,専門職大学院における教育内容との有機的な連携を十分に図っていく必要があるという指摘がございます。
次の丸以降は法科大学院の個別の指摘となってございます。
また,参考資料の2を御覧いただきたいのですが,日本再興戦略で平成27年の6月30日に閣議決定されたものでございますが,その閣議決定の記載事項といたしましては,下線部分でございます。成長が見込まれる産業分野の高度専門職業人養成機能を強化することと,国際的な評価機関からの評価を積極的に受けることや世界基準の教育プログラムを構築することなど,専門職大学院の検証とその結果に基づく見直しを1年以内に行い,速やかに制度的措置を含む所要の方策を講ずるということが決められているところでございます。
資料の4に戻っていただきまして,10ページを御覧ください。分野別の専攻数の一覧となってございます。
11ページを御覧いただくと,こちらが年度別の専攻数となってございます。平成22年度が130校となっており,現在平成27年度は114校ということとなっております。
続きまして12ページが学生の入学・在籍状況ということでございます。学生数の経年変化ということでグラフがございます。その下の方に書いてございますが,平成21年度,22年度をピークとしまして,徐々に減ってきていることが見て取れるかと思います。
続きまして,13ページは社会人学生への学習機会の提供ということで,社会人学生が学習しやすくなるための配慮ということで,各専門職大学院で取り組まれていることを紹介したものでございます。続きまして,14ページが認証評価の現状ということでございます。
続きましては資料の5を御覧いただければと思います。こういった,経緯と現状を踏まえまして,事務局の方で議論のたたき台ということで,検討事項の案をまとめさせていただいたものでございます。
まず総論といたしまして,これまでも御説明させていただきましたが,科学技術の進展や社会・経済のグローバル化に伴う,社会のニーズに対応するため,高度専門職業人養成に目的を特化した課程としてできたもの。また一方で,学生数は平成21年度をピークに年々減少しております。これらを踏まえまして,関係する業界や職能団体をはじめとした,社会のニーズに対応する形で高度専門職業人を輩出できているか。こういった観点から修了生の就職を含め,社会,出口との連携は十分に行われているか。社会が求める教育課程を提供できているか。教員の質は担保されているか。といった検討が必要ではないか,というようにまとめてございます。
次のページは各論ということで書かせていただいております。
まず,教育課程ということでは,同分野における専門職学位課程と修士課程における人材養成機能,教育内容の役割分担がどうあるべきか。次のポツですが,教育内容の分野が多岐に亘(わた)る専門職大学院の教育目的とか核となる科目の明確化をどうするべきか。参考として記載してございますが,MOT,会計,法科大学院につきましてはコアカリキュラムが制定されている状況でございます。
次のポツでございますが,今後成長が見込まれる分野に特化した経営人材の養成機能を抜本的に強化することも必要ではないかということでございます。これはアメリカの例が書かれております。
また次のポツでございますが,様々な職種,就業形態,求められる資質・能力に応じた社会人に対する多様な教育課程の提供の促進や制度見直しを含めた継続教育の充実方策はどうあるべきか,ということでございます。
次のポツでございますが,専門職大学院設置基準上の必要単位数の在り方ということで,現在は30単位以上と定められておりますが,それで十分かどうかというものでございます。
次は,国際的な認証を受ける世界基準の教育課程の開発の必要性をどのように考えるかというものでございます。
次は教員組織の問題でございますが,理論と実務の架橋を強く意識した教育をより効果的に行うための研究者教員と実務家教員の連携や,実務家教員の比率の在り方ですとか,教員組織の在り方はどうあるべきか。また,第一線の実務家教員の専門職大学院への参画の促進するための制度的な在り方としてはどうあるべきか。参考としまして,先ほども御説明してございますが,比率の下限は設定されているということでございます。
また,米印でございますが,実務家教員については,研究業績の有無は必ずしも問われないということになってございます。
また,みなし教員については,専任教員の数に3分の2を乗じて算出される数の範囲内については,専任教員以外の者であっても,1年につき6単位以上の授業科目を担当し,かつ,教育課程の編成,その他の専門職学位課程を置く組織の運営について責任を担う者で足りるものとする。ということでみなし教員というものが設けられております。
続きまして,教員の質の担保のための方策はどうあるべきか,ということで実務家教員,研究者教員の質の担保としてはどうあるべきか,ということ。また,選任教員数の在り方として御存じかと思いますが,修士課程を担当する研究指導教員数の1.5倍というのが求められておりますので,これがどうあるべきか。
また次のポツが,専門職大学院の後継者養成の在り方はどうあるべきか,ということです。
続きまして認証評価ということで先ほど来何回か出てきましたが,国際的な評価機関の評価の在り方ということがございます。
また,2つ目が機関別認証評価と分野別認証評価の在り方ということでより効率的な評価システムはどうあるべきかということでございます。
また,産業界との連携ということで,関係する業界や職能団体等との連携がどうあるべきかといことで,カリキュラム編成への参画やインターンシップの推進等ということを書いてございます。
また,その他というかたちでございますが,公認会計士試験のように,一定の科目の単位の修得による専門職学位の取得が試験の一部科目免除の要件となっている資格試験と,専門職大学院における教育内容との有機的な連携を図る方策をどう考えるべきか。また,情報公表の促進ということで学校教育法施行規則におきまして,こういった情報公開が求められているところでございますが,専門職大学院独自の情報公開が必要かどうかということでございます。説明は以上でございます。
【有信委員】 どうもありがとうございました。では,今回は最初の会議でございますので,今の資料4,資料5に基づいて自由に,また,それぞれ専門職大学院に関係されていると思いますので,そういった観点から様々な御意見をお聞かせ願えればと思います。
少しだけ補足しますと,ここでも出ましたが大学院部会の17年答申の中では,学位そのものの在り方が議論されており,その中で専門職大学院課程というのが明確に定義されたわけです。
その後23年答申の議論では専門職大学院の具体的な運営に当たって様々な例外的な処置だとか,それぞれの扱いの問題等,幾つか積み残した問題がありそれを個別に了解を得ながら解決していったということがありましたが,本質的な在り方については十分に議論されておらず,その後,問題が出てくる中で,質をどう担保するかという問題意識は大きくなってきたのですが,法科大学院以外については大学院部会でなかなか議論がしきれていないので,ここに宿題が残されたというのが現状でございます。
そこでどういった観点からでも結構ですので,また今の説明に対して質問等分からないところがございましたら,御発言お願いします。
あまり主査が余計なことを言うべきではないのですが,もともと専門職大学院というのは高度な専門職業人を育成するということで,大学院というかたちが取られたのですが,もともとアメリカの大学,大学院はそういう構造になっております。
学部は大学院に行くための基本的な教育訓練を行って,その上でそれぞれの専門家の育成に対しては,例えば,メディカルスクールだとかロースクールだとか,MBAであればビジネススクールとか様々なそういうコースが設けられていて,そこの中で専門的な知見あるいはスキルを訓練するということに,大まかにいうとなっています。
一方で研究者を養成するというのは別途Ph.D.コースというのがありまして,ここはここで別の設計になって進んでいるようです。もう一つの問題としてはGATTがWTOに改組されたときにジェネラル・アグリーメント・オン・トレード・イン・サービスがあって,従来の物の移動だけではなくて人間の専門的な職業というかソフトに当たる部分についても協議の対象となるということで,各国の専門的職業資格を相互に認め合うという枠組みが合意されています。
その合意のもとにエンジニアリングに関しては,NAFTAエンジニアリングとAPECエンジニアリングというフレームワークができてプロフェッショナルエンジニアリングについては相互に認め合う枠組みだけはできております。
その他としてはいまだ進んではいませんが,医師とかは大きな問題がありまして,日本の医学部教育を修了しただけではアメリカの医師国家試験の受験資格がないというのは,教える内容が米国の要件を満たしていないということがあります。獣医に関しては10年余り前に学術会議が緊急提言を出しておりまして,これは日本の獣医学教育は,ヨーロッパで必要とされている科目,履修内容を満足していない,したがって,当時は農学部に獣医学部があったのですが,このままでは日本の獣医学が遅れてしまう。その提言が出された後,文部科学省も支援しながら,山口大学と鹿児島大学の連携のプログラムが創られたり,北海道大学と帯広畜産大学で連携プログラムが創られたり,それぞれ国際基準に合致するような教育プログラムに編成し直していくというような現状もある。一方で,専門職大学院というのはいろいろなかたちで設置認可されたことで,そこまで議論し尽くされていないという状況だと思いますし,この辺を踏まえながらやっていくということもあります。
また,日本の会社は新卒を採って自分たちの中でそれぞれプロフェッショナルにしていくというスタンスでずっとやってきていますので,ほとんど専門性を無視して仕事をやらせてしまう。これはそろそろ限界かなという気もしていますけれども。逆に言うとさっきの統計にもありましたけれども社会人学生の数はあまり減っていないです。
これはある程度それぞれのところで経験を積むこういう専門知識が必要だという人は専門職大学院に行きますけど,新卒は専門職大学を出ても企業がそれなりの処遇をしてくれないということで,わざわざそのコースに行く意味がないというような感じもあるかもしれません。
ただ一方で,大学の学部を出てから専門学校に入る人も結構増えている現実もあったりして,日本の社会がいろいろと問題含みで,今はまだ過渡期の中で動いているということもあるかもしれないと思います。法科大学院はまた別途集中的に議論していてこれも大問題な訳ですけれども,そういったことも含めていろいろな観点で,どんな立場でも結構ですので御意見いただければと思います。
【川嶋委員】 議論のとっかかりと言うことで,資料5に検討事項をまとめられていてそれの復習になるのかもしれませんけれども,幾つか私の感じている点をお話ししたいと思います。
まず,そもそも先ほど御紹介がありました,専門大学院から専門職大学院に変わる際に,よく御承知だとは思いますけれども,MBAを出している大学の中には専門職大学院に変わった場合もあれば,引き続き一般大学院として修士課程の中にMBAを出している大学もあるということです。
そういう大学院の方が高く評価されているというケースも見受けられるわけですけれども,ということは結局一つの問題点は日本の場合,制度先行で専門職大学院が創られて,実質的な教育内容や成果等が教員組織を含めて後追いででてきたということが,専門職大学院を巡る問題の根本にあるのだと思います。といいますのも特定の高度専門職業人の養成に特化しているというのが専門職大学院の特色でありますけれども,特定の高度専門職業人というのが日本にどれくらいあるのかというのが十分明らかにされないまま,むしろ新たに制度を創って高度専門職業人の集団を創っていこうという方策を,当時の文部科学省が採っていたと思います。それがやはりうまくいかなかったということです。ですから,資料5の最初にありますように高度な職業人へのニーズがあるのか,そういうのを求めている産業界なりがあるのかどうかというのをしっかりと押さえていくことが必要だというのが1点。
またこれに関して,設置基準上に修士課程と専門職学位課程の差がわかりにくいというように現行ではなっている。修士課程の方は最後の方に,又は,これに加えて高度な専門的な職業を担うための卓越した能力を培うことを目的とする。
一方,専門職大学院の第2条で高度の専門性を求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培う。というように書いてあって基準上も修士と専門職大学院の違いが分かりにくいということは,社会からみると,この2つの課程を出たアウトカムも,身につけている能力がどこに違いがあるのかというのもわかりにくくなってきているので,制度上の整理をするのが1点目の課題。
より明確に専門職大学院のユニークさを制度的にも位置づけるということと,先ほども話しましたが,きちんとニーズがあるのかというのを確認する必要があると思います。
また,2つ目は教員組織で,これは最初の頃から議論があったことですけれども,制度で実務家教員3割以上と決めてしまったがために,天井がないので設置審査しているときに9割実務家教員であったりするというケースも出てくるわけです。
ですから,私みたいなずっとアカデミックな世界で育ってきた人間には実務的なことを教えられませんので,実務家経験のある人を迎え入れるというのは非常に重要なことだったのかもしれませんけれども,そのあたりのことが3割なのか5割なのか9割なのかというのが問題です。
それからもう1つは当初からありましたけれども,実務家教員であったとしても大学教員としての能力は必要だということで,FDの充実とか,大学教員である限りではアカデミックな論文を書かなければいけないということもありまして,実務家教員の方がある意味何年間も在籍していて,いつの間にか実務家教員が,一般的な大学教員になってしまっていることがありまして,実務の最先端の情報が入りにくくなっているのではないかということです。
この点に関連して先ほど御説明がありましたけれども,ダブルカウント問題については,後継者を養成することが重要だとして,博士課程との両方で専任として認めるということはありましたけれども,この点をもう少し考えていく,いわゆる専門職大学院における教員の養成,実務性と学理性といいますか,それらを両方備えた教員をどのようにして育成していくのかというのが教員組織上の問題である。
3番目としましては,かなり設置の数が減ってきている点があるのですが,1つは学生の側(がわ)から学位を取ってからの昇格昇給のメリットがあるのかどうかということ,大学側から見ると教員が1.5倍必要ですが,それだけのコストに見合っただけの学生の募集につながらなかったということがあります。当初は目新しさもあって大学の目玉にするために多くの大学が専門職大学院を開設したわけですけれども,店を開いてみたらコストばかり掛かって,学生募集につながらないということがありますので,やはり先ほどのアウトカムの明確化のようにメリットをもう少しきちんと押さえて社会に対して周知していく必要があります。
それに関連して極端なことを言いますけれども,例えばアメリカのMBAですと大学院ごとに初任給が公表されますけれども,専門職大学院ごとに修了後の進路ですとか,収入はなかなか難しいかもしれませんけれども,出口のところの差別化を情報としてきちんと提供するということもひょっとしたら必要かもしれません。
また,最後に認証評価ですけれども,今新しく専門職大学院が設置されると,ほぼそれへの対応として新たな評価基準を創って評価機関が対応しなければならないということになっています。ですから分野別といっても,たくさんの分野ができあがっていてなかなか認証評価機関が対応しきれないということになります。
特に,本来実はマネジメント分野でプログラムを提供しているにも関わらず,ビューティーマネジメントとか景観マネジメントとかファッションマネジメントとかいう専門職大学院がでてくると,それぞれに対応したかたちで,評価基準を創らなければならないということでありますので,分野別の認証評価をどの単位で今後実施するのかといったことも問題かと思っています。
話の入り口としてこのようなかたちで私としては申し上げます。
【有信主査】 最初ですので話をしにくいかもしれませんので,一言ずつ話をしてもらいましょう。それが,一番全体にまわるようかと思いますので,あいうえお順で青井委員のところからよろしくお願いいたします。
【青井委員】 ビジネススクールの青井でございます。前身が慶應義塾大学のビジネススクールの吏員をしておりまして,今は明治大学のビジネススクールの吏員をしております。
多分日本のビジネススクールにとって,一番の問題はディマンドサイドからみると,ビジネススクールを出て何のメリットがあるのかだと思います。
給料が倍に上がるとか50%上がることが良いのかどうかは別として,やはり今の時点で専門職大学院に来ている人たちはキャリアチェンジのためです。
自分たちのキャリアチェンジを狙っていますけれども,こうなってきますと送り出している側(がわ),会社側からしますと辞めるのかという議論がありまして,微妙な問題です。
ディマンドサイドは投資,2年間の時間と,授業料としては1年間で大体150万円からとっていますから,そのリターンをどこで感じさせるかというのがディマンドサイドの議論だと思います。
サプライサイドの議論は,文部科学省の認可をとって専門職大学院としたらビジネススクールができると思うこと自体が間違いで,それまでの経験を積んでいなければ駄目だと,その意味では日本のビジネススクールの教員のトレーニングといいますか,専門分野の学識を問うわけではなくて,プロフェッショナルスクールとしての教員としてどういうスタンスが必要かということを自覚してもらわなければいけないと思っています。
慶應義塾大学の場合ラッキーだったのは,時間をかけてやりましたから,ほとんどがアメリカのビジネススクールのPh.D.をとってきました。これは慶應義塾大学のメリットだと思います。
ほかの学校はどちらかというと,学部の先生方がそのままあがっているとしたら,悪く言うと学部感覚で社会人教育しているのではないか。
最後に,川嶋委員が言われました,実務家。私個人が思うのは,必要なのは実務家から学生が学ぶというよりは教員,若手の教員が学ぶというのが重要だろうと思いますけれども,これをどううまく仕組みを模索していくか。
そのためには実務家教員最低30%というルールは,スタートのときにはやらざるを得なかったのでしょうが,これはほとんどワークしないのだと,場合によっては,認証評価のときに認証評価機関の方でそれを全部チェックした方がよくて,認可のときに30%というのは見ないというのはどうかと思います。
川嶋委員が言われましたが,一番かわいそうなのは実務家教員として入ってきて,ずっと学校にいて5年たって認証評価のときになって,実務家教員ですかといわれたら,実質は実務家教員ではない人がいますけれども,アカデミック教員ですかといわれまして,論文を書いていますかと認証評価機関にいわれますと違いますから,これはスタートのときは良いかもしれませんが,これは変えていかなければいけないと思います。
一番は理論と実務の架橋をどう掛けていくかが制度。多分文部科学省としては専門職大学院を作って実務家を入れないと大学人だけで固めて勝手にやるだろうから,強引に実務家教員を3割とれという強制的なものを出されたのだと思いますが,やはりこうなってくると,アカデミズムが実務からどのように学ぶかということと,実務家に教員としてのFDという形ではありますけれども,実際のところこれをワークしていないとか出てきますからそこをどうしていくかというのが課題なのだと思います。
ビジネススクール自体は,人数としては伸びていると思いますが,まだ数が多いかなと思います。大学側もスタートした時点でもう忘れてあとはビジネススクールに投資しない。ある程度伸びるためには,教員の数,いろいろな形でビジネススクールの施設をどうしていくか大学の投資が必要なのですが,大学からしたら人数が集まっていない,そろばん勘定はあっているのか,そういう議論がわりと既にエスタブリッシュした学部に比べて,スタートしたばかりの組織に向かって,儲かっているのかといわれても迷惑だというのがビジネススクールの吏員として預かっているときの議論だと思います。
ある意味では専門職大学院に対して,各大学や日本の社会が投資をして様子をみて駄目だった場合は,日本に合わないと思ってあきらめるとすると,失業する教員の面倒を誰が見るのかという問題もある。
以上です。
【有信主査】 大竹委員は企業から来てもらっているので,今までの議論の中で分かりにくいところとかいうのもあるかもしれませんので,そういうことも含めていろいろと御意見をいただければ,また企業の側(がわ)から見てどのくらい意味があるのかというのも含めて,是非お願いいたします。
【大竹委員】 株式会社日立製作所の大竹と申します。よろしくお願いいたします。
簡単に自己紹介をさせていただきますと,基本的には人事やCSRのキャリアできております。
ただ,もともと大学を卒業して株式会社日立製作所に入ったわけではなく,別のメーカーに入っていたわけですが,このままでいいのかということで,15年ほど勤めた後に会社を辞めまして,会計の専門職大学院に入ったという経緯がございます。
その後何社か経験したのちに2年ほど前に,株式会社日立製作所に人事の採用マネージャーということで入社しております。
ということで,キャリアチェンジで会計を学んだというよりは,ずっと仕事をしていく上で会計の知識が欠かせないだろうということで,会計の専門職大学院で勉強したという経緯がございます。
いろいろな話を伺って,有信主査からの話にもありましたが,日本の社会が特に大手を中心に当初の8割9割が新卒採用,残りを穴埋め的に,経験者を採っているというところと,今回の専門職大学院の高度な専門的人材をどのように繫(つな)げていくのかというところにミスマッチがあるのではないかと,お話を伺っていて思いました。
当社は文系の採用といいますと,今お話があったとおり,皆様のイメージと違わない一括採用をしてこちらが採用を決めるという形でやってきているのですけれども,メーカーの場合ですと人事で入れば人事ですし,経理で入れば経理屋さんになるという形で,ある意味,そこで専門性を積むという形をとっています。
一方金融とか別の業界ですと経理もやれば,人事も営業もやるといった形でキャリアを積んでいくということで,そもそも学生に専門性を求めていないという業界もあります。
そういったところもある中で,どうマッチングしていくかが課題なのだと聞いていて思っています。ただ一方で,企業の方も少しずつ専門性を見始めていますし,文系の方も修士の学生の採用を意識しているわけではありませんが,増えてきている状況です。
会計専門職大学院を出た人ですとか,ロースクールを出た人ですとか,公共政策系を出た人というところで,少しずつ採っているのですけれども,とはいえ公共政策系を出た人が営業をやっていたりするところもあるところで,私たちもマッチングが難しいなと思っていますが,会計の人は当然経理をやってもらいますし,ロースクール出ている人は法務をやってもらうという形に少しずつなってきているというように思っています。
ですので,そこの連結のところと,大学院へ私自身も行って思いましたけれども学部卒の方もいれば,社会人の方もいらっしゃるということで,なかなかそこのレベル差があると感じたところと,また,会計専門職大学院でしたので,基本的には会計士か税理士になることを学部卒の方は目指している。私が入ったころそうだったのですが,企業に入りたいと思っている方も少しずつ増えてきているのではないかと思っておりますので,人材のポートフォリオを大学院の方でどう考えていくのかを戦略的に進めていかれるというのが,今後1つポイントとして出てくるのではないかと思いました。以上です。
【有信主査】 では,片山委員お願いします。
【片山委員】 法科大学院の状況ということですけれども,恐らく,ほかの専門職大学院とかなり状況が異なりますので,ロースクールの状況をお話しして,それが専門職大学院制度全般の制度改革にどこまで意味をもってくるのかということは,若干疑問を感じないわけではありませんが,とにかくロースクールに関しましては法曹資格と直結する形での専門職大学院として立ち上がりましたので,専門職大学院の意義という点は高く評価はされてきました。ロースクールを修了しないと法曹になれないということでしたので,既存のアカデミックの大学院との差別化もしっかり図られており,MBAのような二重構造ありませんでした当初はまさしく理論と実務の架橋という理念を最もうまく体現できていた専門職大学院の1つとして出発したということができると思います。
しかし,近時は志願者が激減している状況です。様々な要因がありまして,1つはロースクールの数が多すぎたという問題があります。もう1つには,既存の学部の4年間の法学教育との関係があります。韓国では,法学部とロースクールかどちらかを選択するという形にしたのですが,日本では,法学部を残したままで新しくロースクールを立ち上げたということで,多くの学生たちは4年間,法律学を学部で勉強した後ロースクールで2年間勉強する。司法修習も1年間ということで,非常に人材育成に時間が掛かるという制度設計になってしまった。しかも学費が高額ですので,コストも掛かります。
また,当初は法曹人口を増やして社会の隅々までリーガルサービスを提供するということとであったわけですが,近時は,法曹過剰ということがいわれております。これは潜在的なニーズを十分に開拓できていないというところに大きな要因があるのでしょうけれども,法曹が過剰になったことで弁護士になったけれども職につけないという話がでてきております。以上,様々要因が重なって,いわば負のスパイラルに陥りいよいよ志願者が減少の一途(いっと)を辿(たど)っているという状況でございます。
それに輪をかけて大きな影響を及ぼしたのが予備試験の導入でございます。
本来のプロセスとしての法曹養成課程を飛ばして,ロースクールを経ないでも司法試験を受けられるコースが設定されてしまっているために,コストと時間が掛かるロースクールに行かずに予備試験を受けて法曹になろうとする者が増え,法学部生の多くが,予備試験に合格できなかったらロースクールに行くと考えている状況であり,この点は上位にランクされる法学部やロースクールにおいて顕著であり,ロースクールの危機と受け止められています。
しかし,実際にロースクールで教鞭(きょうべん)を執る者としては,理論と実務の架橋や,展開・先端科目の教育など,ロースクールの教育プログラムはそれなりに魅力的なものだと確信してはおります。ただ,他方,修了に必要な単位が93単位という単位数で,更に司法試験に合格した後に司法修習に行って1年の修習を経て初めて法曹資格が取得できるという非常にハードルが高い専門職大学院となっているために,本来もう少し自由な発想で各ロースクールが独自性を生かして教育を行うことができるという前提であったはずにも関わらず,結局,学生の意識としては,まずは司法試験の合格を目指してそのための勉強が中心になってしまっています。本来はロースクールに入ったら75%ぐらいが合格するというところが,現状では25%程度にとどまっており,5年間を経ても50%しか受からないという状況で,本来ロースクールでやるべき柔軟な教育が十分にできていないところがあるのかと思っています。
また,社会のニーズにどこまで答えられているのかという意味では,例えば,グローバル化に対する対応については,一部の法科大学院では頑張っているところもありますが,全体として,前に述べたような司法試験の合格率,修習制度を前提とする限り,なかなか難しいところがございます。そういった教育には,今後,リカレント教育等で対応していくことが必要ではないかと考えているところであります。
もう1点,ロースクールの開設によって,ロースクールに多くの力が注(そそ)がれたために,いわゆる後継者,研究者の養成がかなり後手に回って状況にあるということであります。既存の法学研究科の方に進学する学生が非常に減ってきておりまして,その先ドクターに進んで,研究者の道を志す学生の数が非常に減ってきております。そういう意味での後継者,研究者の養成が非常に立ち後れているという印象を持っています。
最後に繰り返しになりますが,法曹の職域拡大の問題を指摘したいと思います。今回の議論すべき事項の中の,グローバル化という点も含めて,今後成長の見込める分野に特化して,例えば企業や官庁でインハウスとして活躍する人材,国際機関で活躍する人材など,法曹や法律専門職に対する様々な社会のニーズがある中で,そのニーズにどうやって今の硬直したロースクールの枠の中で対応していくのかが1つの大きな今後の課題になってくると考えています。
克服すべき課題が多岐には渡っているとか思いますが,とりあえず以上報告させていただきました。
【有信主査】 ありがとうございました。法科大学院の経験は,多分良いところ悪いところこれからの議論にも随分役に立つと思いますので,これからもよろしくお願いいたします。それでは上西委員よろしくお願いいたします。
【上西委員】 山口大学の上西と申します。MOTの専門職大学院の委員は私だけだと思いますので,MOTの現状について私が感じていることを述べたいと思います。まず,MOTの分野は産業界からの期待は非常に大きいし,ニーズはすごくあると思いますが,必ずしも我が国のMOT専門職大学院全体としての学生の入学には直接そんなに繫(つな)がっていないということです。
10年経(た)ってうまくやられている大学院もあれば苦戦している大学院もあって,かなり二極化してきていて,今年募集停止された大学院もでました。そこは何が大きく違うかというと,一番大きいのは産業界の方が求めている教育の質への対応があるのではないのかと思います。
MOT教育が始まって10年以上経(た)ちますが,日本の産業界が期待しているレベルまでなかなか到達していないというのが本質的にあるのだろうと思います。それ以外にも,技術系の人に経営を学んでもらうのが主な目的ですので,入学者もかなり技術系の人が多くて,大体修士の学位はお持ちで,専門職学位課程の修士という学位そのものにはあまり魅力がないので,教育の質保証が他分野以上に重要ではないかと思っています。実際入ってこられる学生は,いろいろと技術職・研究職でやっておられて,その後マネジメントが必要になって入ってこられるため,平均40歳くらい,高いところで40歳を超えています。学生の平均年齢が高いのもMOTの大きな特徴だと思います。
学生が修了された後,進学を希望される方々からは,マネジメントの研究者になるというより,実務家としてもっと更に高いレベルで学びたい,博士レベルの実務家の教育課程が欲しいというのはたくさん言われております。実際,博士後期課程に入学されて,博士の学位を目指される方も多いですが,もともと研究者になりたいわけではないので,現在の博士課程の制度のもとでは博士取得に苦戦される場合が多いようです。
また,MOTの場合,学生さんの平均年齢が高いので,新卒の人と社会人の方を一緒に授業されているところは結構苦戦されているようです。平均が40歳くらいなので20年くらいの実務経験を持った人と新卒を一緒に授業するというのは非常に難しくて,先ほどの説明で多様な柔軟な教育プログラムのところで両方うまくバランスをとれるようなということも答申ではあったようですが,実際の教育現場としては非常に厳しい面があると思います。やるとするとコース制にすることも考えられますが,そのとき1つの専攻でディプロマポリシーが2つになるようなことが本当に良いのかどうかなど,いろいろと新卒の人と社会人学生をどういうふうにしていくかもMOTにとっては非常に大きな課題だと思います。
それから,実務家教員の方の問題も非常に大きな問題で,我々もものすごく考えていろいろな手を打っています。
1つは,みなし教員をうまく使うのがいい方法だと思いますが,首都圏だとうまくやれても,地方だと本社が数多くあるわけではないですので,みなし教員としてきていただけるような人材の層がある特定の事業に偏ってしまうことになってしまいます。したがって,首都圏と地方とで実務家教員の議論は分けて考える必要があると思っています。
単位数の問題は,日本の単位数は少ないということですが,社会人学生は日頃働いて平日の夜と週末とかで考えて1単位45時間を必要とすることを考えると,40単位あたりぐらいが限界なのかということで,その辺が我々としてもひとつの目安だと考えております。
【有信主査】 ありがとうございました。年齢も経験も違う人が教育を受けると教育効果はあるというのが一般の常識ですが,なかなかそうもいかないという話も含めてこれも議論の対象となるかと思います。
それでは,宮脇委員は時間の問題もあるということで,先に説明をお願いいたします。
【宮脇委員】 申し訳ございません。北海道大学宮脇でございます。
私は公共政策の分野でございまして,恐らくここでの分野でいきますと高度専門職ということが一番問われているのが公共政策ではないかと率直に感じております。
例えば出口を見ましても,就職先については学部の就職先とほとんど変わらないということで,その背景の1つとしては特定の業界というのを形成していないということで,その結果としてもそういう構造が出てきています。
ニーズといたしまして,これは結果論ですので,これから努力をするということは必要かと思いますが,ニーズとしてありますのは学部から直接入学する学生からのニーズが細っています。
現実としては,新興国からの留学生と,退職した社会人が柱になり始めています。
これにつきまして原因については,また別途御説明を申し上げるとしましても,現状としてはそのようなかたちになってきております。その社会人ですが,一つは今申しました退職者の方ということで,そもそもニーズというのがかなり異なる性格を持っていることと,そうはいっても40歳代前半の方で今までの経験をもう一度体系化して実務の方に生かしたいという方も,もちろんいらっしゃいます。
ただ,その部分になってまいりますと今度は教員側の問題でございまして,そういうことに対してきちんと対応できる教員というのがどこまでいるのか。要するに,実務家教員,研究教員も含めましても実務経験を積まれた方を再教育するという経験が十分積まれていない。言葉を選ばずに申し上げると,むしろ学生の方が持っていたりするわけで,そういう面の教員としてのノウハウといいますか,資質というのが問われていると思います。
そのような結果,修士課程の内容と専門職学位課程の内容というものの差別化が非常に難しくなり始めていて,例えば東京大学の場合は,グローバル化というかたちにシフトしていく中で,差別化されるとか,ということがなされているかと思います。
最後ですけれども,先ほど青井委員が言われた点ですけれども,私も研究教員が実務家教員からいかにノウハウを吸収して体系化していけるのかが非常に重要なことだと思っています。
といいますのは,私どもの場合,霞が関等から来ていただいて,大体2年間のローテンションで人事を行うというのが基本となっておりますので,そういった中でノウハウを蓄積していくというのは研究教員側にも,非常に大きな課題というのがあるのではないかと思っております。
雑ぱくではございますが,分野ごとに御説明させていただく機会があるとお聞きしておりますので,今日はこの辺で。
【有信主査】 では,松﨑委員よろしくお願いいたします。
【松﨑委員】 私どもの方は,臨床心理学の専門職大学院でございます。
まだ,専門職大学院数は6校で多くありません。臨床心理士という資格が民間の財団の資格でございまして,修士課程として臨床心理士の受験資格を出している指定大学院159校が別途にあるという中で,専門職大学院がございます。
他の指定大学院に比べますと,学内実習,学外実習等の実践的な部分をかなり強化した科目になっていまして,そこでの差別化はできていますが,なかなか指定大学院から専門職大学院になっていないというのは,やはり専任教員の数を確保しなければいけないというところが大きなネックになっているのかと思います。
私は九州大学でございますが,出口のことで考えますと,大半の学生が病院であるとか公共機関の心理職であるとか,学校でのスクールカウンセラーというかたちでの心理としての専門職にほとんどの修了生が就いておりますので,そういう意味でのアウトカムというのはかなりきっちりできているのではないかと思います。
専門職大学院の認証評価では,臨床心理士試験の合格率を全国平均が65%であるのに対し80%以上と厳しくなっておりますが,そこのクリアもできているということで,質の保証というのはかなりできているのではないかと思います。
2年間学んだ後で博士課程に行きたいという学生がかなりおりまして,本校では2割程度の学生が博士課程に進学しているというような状況でございます。
ただ,課題としましては,臨床心理士という資格は,財団法人という民間の資格でございます。本年秋に公認心理師という国家資格法案がとおりまして,これから国家資格に向けての大学院の養成が一番の課題になるかと思います。
臨床心理士に関しましては,専門職大学院については小論文試験の免除というかたちでの若干優遇が附されていますが,公認心理師の方は,カリキュラムもこれから決めていくということなどもございますので,そこを見ながら専門職大学院の在り方というのも検討していく必要があるかと考えております。
また,社会人の養成のことを考えますと,今度できました国家資格が心理学を卒業した学生プラス大学院2年間というのを基本にしている部分と,心理学を卒業した後の何年間か,まだ何年間か決まっていないのですが,実務経験を有する人というところが受験資格になります。他の学部を卒業した社会人として国家資格である公認心理師の受験資格を出せないのではないかということがあります。一方,学部プラス2年という規定の国家資格の枠組みになっておりますので,そういう意味では,また新たに資格を取りたいという人たちが増えていくという様相もありますし,少なくとも社会的ニーズとしては様々な場で心理士というのは求められていますので,専門職大学院をどう位置づけて国家資格とかなりリンクしたかたちでいくと,発展していけるのかなというところでございます。
【有信主査】 国家資格は厚生労働省管轄の資格ですか。
【松﨑委員】 厚生労働省と文部科学省の両方が管轄というかたちのもの。
【有信主査】 それをやるのなら,専門職大学院がリンクしないとまずい。
心理学を専攻したことが必要という枠組みができると専門職大学院が宙に浮いてしまう可能性もあって,その辺の設計もきちんとやっていくようにした方が良いと思います。
それからもう1つは臨床心理士だと実務家というのは難しいですよね。どこで切り分けるかというのは,医師もそうだけど,大学の先生は実務家でないのかというと実務家ですよね。
【松﨑委員】 私は実務家教員で,児童相談所でやっておりましてきておりますが,そういう意味では各専門職大学院も家庭裁判所の職員や,児童相談所,病院等での十分な経験であるとか,かなり実務家の教員はセレクトされているようにも思います。
【有信主査】 ありがとうございます。それでは,玉腰委員お願いします。
【玉腰委員】 北海道大学公衆衛生の玉腰です。
公衆衛生の専門職大学院は現在全国で4校ありますが,私自身は関係がなく,また医学研究科の中で公衆衛生の修士を出せるようなコースを幾つかの大学が創ってきおり,北海道大学は今それを目指しているところで,実のところ直接公衆衛生の専門職大学院に関わっているわけではないのですが,認証の基準の見直しですとか実際の認証評価のところには関わっているところで,今回ここに座らせていただいているのかと思っています。
公衆衛生の場合には専門職大学院は割合きっちりやられていると思うのですが,一方でその数以上に専門職ではない公衆衛生のコースが立ち上がってきていて,先ほどもちょっとお話が出てきておりましたが,専任教員数のしばりというのはかなり厳しいというところで,そのような状況になっているのかと考えています。
それから,先ほど公共政策の場合も特定の職業団体ではないと言われましたけれども,もう1つは公衆衛生の場合はグローバル化といいながら,ターゲットが,自治体で活躍するような医療保健職の方たちというのが念頭にありながら,一方でNPO団体とか,もっと広げていきますと臨床研究ができるような人材の養成まで視野に入っていますので,実態としては地域にないとうまく人材を養成できないということもあります。
ただ,実際にこれだけ時間が経(た)っているにも関わらず,まだまだ自治体の方が専門的な公衆衛生の人材を育成しているのだということが恐らく伝わっていないのだろうと思いますが,なかなか実務をやりながら派遣してもらえる体制になっていない。本人がとってもやる気があると退職してでも来るのですが,退職後の戻る先がなく,結局もう一回新卒採用者と同じようなかたちで戻らなければいけないというのが非常に大きな問題で,制度設計と同時に,恐らく厚生労働省だと思いますが,自治体に人を派遣して,社会人でありながら学生として学べるという仕組み作りが非常に大事ではないかと公衆衛生の中で考えているところです。
それ以外のところについては,もう少し情報を集めてからお話しできればと思います。
【有信主査】 ありがとうございます。それでは添田委員お願いします。
【添田委員】 添田でございます。教職大学院の方を担当させていただいております。
教職大学院は平成20年度に19校が開講いたしまして,そのとき私は愛知教育大学におりまして設置を担当させていただいておりました。現在27大学に設置されています。実は平成28年度は和歌山大学も含めまして18校開講する予定をしておりますので,平成28年度には45校という大きな数となります。
みなさんも御存じのとおり,学部を出れば免許が取れますので,大学院に行かなくても教員採用試験に合格すれば教員になれるという世界でございます。
これまでも,大学院では修士を基礎資格とした専修免許状というものを出しているのですが,上申の必要性,義務がございませんので取らなくても良いということで,学部を出たままでずっと教員生活が送れるというような現状にございます。
そうした中でございますので,教職大学院の方には新卒者のコースと,現職教員のコースというのがどこの大学院にもあるのですが,特に新卒者につきましてはニーズが見えづらいということで,一部教育委員会ではインセンティブとして採用試験の一部免除というようなことをしておりますが,それだとしても学部のときに合格してしまえば大学院に行く必要はないということで,特に地方大学の教職大学院では新卒者の志望者が多くならないという問題がございます。
もう一点は,先ほども御指摘がございましたが,既設大学院との違いと言うことで現時点では専門職大学院のコースと既設の教育学研究科のコース二つを置いているというところがほとんどでしたが,文部科学省の方針もありまして,国立大学の教員養成系の大学院の場合は一本化ということで全ての教職大学院が第三期中期目標中には移行するような話が進んでおります。修士課程と専門職学位課程がどう違うとか,どちらも教師になれますし,専修免許状もとれますというような問題については若干整理整頓が必要なのかと思います。その一方で,先ほどお話がありましたが,実務家教員等々あるいは教職大学院の教員をどうやって養成していくかという中におきましては,これまでの実務家教員として大学に来ていただいている方々が既設の教育学研究科を教員で派遣されてこられてそこを出た後,現場に戻られて,今度教職大学院の教員になるというようなコースを踏まれている方もたくさんおり,そうなりましたときに既設の大学院が教職大学院に一本化されましたときに,そういった教職大学院が,後継者養成を担うだけのカリキュラムが設定されているのかというふうに考えますとなかなか難しい点もございます。
他にも幾つか問題点がございますが,また後日お話しさせていただきたいと思います。
【有信主査】 ここは,様々な問題点があるところだと思いますが。それでは杉本委員お願いします。
【杉本委員】 杉本でございます。関西学院大学大学院経営戦略研究科は全国でも唯一だと思いますけれども,ビジネススクールと会計専門職大学院を併設した専門職大学院です。両方の観点からお話しすることも可能ですが,私は個人的には会計専門職大学院に所属しております。
また今年度から,全国の会計専門職大学院の「会計大学院協会」がありますが,そちらの理事長を拝命しておりまして,本学だけではなく全国を束ねあげなければならないという役職についている関係で,それぞれの会計専門職大学院の実情等も把握しております。
特にこの間,機会があるごとに文部科学省の担当者の方々ともお話しさせていただくことがありましたが,一番大きな問題点として挙がってきたのが,今日の資料にもございますけれども,定員充足の問題です。法科大学院に次いで会計専門職大学院の充足率が半分以上落ち込んでいるこれは非常に深刻な問題になっております。
それともう一つは国家試験,とりわけ公認会計士試験とのミスマッチが主張されてきました。
前者の入学者に関してなんですけれども,これに関しては特に今日の会議で「専門職大学院に関する提言等」ということで参考資料2が用意されておりますけれども,こちらに文教行政の立場からの事柄がまとめられていますが,一方で「日本再興戦略」に初めて会計監査に関しての文言も加わりました。
「『日本再興戦略』2014」には監査の質の向上,それともう1つは公認会計士資格の魅力の向上に向けた取り組み,この2つが盛り込まれました。しかし,今年度の2015年の改訂版に関しては,この本文の中にはこの2つの事柄は明記されておりません。
しかし,今年発表されました「『日本再興戦略』改訂2015」には添付資料としての工程表がありますが,その中ではこの監査の質の向上と公認会計士資格の魅力の向上に関しては引き続き取り組むということになっております。2018年まで取り組む工程表が発表されております。ということで,政府もこの二点に関しては引き続き課題としてあげているととらえています。
なぜこの問題が挙がっているのかというところが,まさに会計を取り巻く環境や社会現象,これを表していると思っております。特にこの改正公認会計士法や「日本再興戦略」を踏まえまして,金融庁主導ですけれども,この間に日本公認会計士協会,経団連,更に金融4団体との意見交換会が定期的に開催されています。
昨年までのこの意見交換会では,「会計専門職大学院」に関するフレーズは一切出てこなかったのですが,その意見交換会でまとめられた「当面のアクションプラン」,これは毎回の意見交換会で改訂されていますが,平成26年の改訂版の中に,日本公認会計士協会に対して会計専門職大学院あるいは会計大学院協会と連携した上で,公認会計士資格の魅力の向上に取り組めということが盛り込まれました。
これを踏まえまして,昨年日本公認会計士協会から会計大学院協会の方に共同調査の依頼がありました。ほぼ1年掛けて,今年の6月25日に共同調査の結果を発表しております。
ただ,共同調査結果の文書の発表だけでは不十分ですので,日本公認会計士協会と共同で8月末にシンポジウムを開催し,現在会計を取り巻く,また監査を取り巻く環境がどうなっているのかを,広く公開させていただきました。共同調査の結果でも明らかになったのですが,とりわけ国家試験である公認会計士試験への志願者が近年激減しております。公認会計士試験だけではなく税理士試験も,この税理士試験の試験科目に関しては会計関係の2科目と税法関係の3科目がありますが,税法科目の志願者はほとんど減少していないのですけれども,会計関係2科目の受験者は減少しております。
さらに,前段階のレベルの日本商工会議所が主催しております簿記の検定試験が1級から4級までありますが,その受験者も激減しております。日本を取り巻く会計関係の試験,国家試験も含めてですが,全て減少しているというのが現状です。それだけではなくて,学部の学生の「会計離れ」も今回の調査結果で明らかになっています。
とりわけ,社会科学系ですとマーケティングなどのジャンルへの志望者が非常に多いのですけれども,会計関係が入学時点からかなり敬遠されているということが,この資格試験の受験にも直結しているかと思われます。
こういした中で,会計専門職大学院にとっても国家試験の受験者が減少しているということと,学部生の「会計離れ」が既に始まっていることもあって,会計専門職大学院の入学者,志願者が減少しております。本日お示しいただきましたデータの中でも明らかですが,会計専門職大学院は開設以来17校がありましたけれども現在,学生募集停止を行わず展開しているのが13校です。また新たに1校が募集停止を表明しております。
こうした中で,会計専門職大学院は資格試験とリンクしておりますので,いかに公認会計士試験の志願者を増やすか,会計監査の質の向上と公認会計士資格に関しての魅力を高めていくか,まさにこれが「日本再興戦略」と直結する問題になるわけですけれども,ここのところの取組を関係機関と現在取り組んでいるという状況です。これが,少しでも改善されればと思っております。
また,社会経済において会計監査が重要であるということは,みなさん御承知のとおりですが,どうしても会計監査に関しては企業の実態と結びついているため,例えば今も大手企業の不祥事の問題だとかがいろいろと騒がれていますけれども,そこのところでクローズアップされるのが会計監査です。そこでどうしてもネガティブな印象が出てしまうというところもあり,会計専門職大学院に対しても負の連鎖として起こっている状況ではないかと思っております。
また,今後の取組に関しましては,この場を通じていろいろと発言させていただければと思っております。
【有信主査】
現在実際には独立行政法人に関しても内部統制強化ということで,内部統制の枠組みをきちんと出せという指示がいっていますし,内部統制そのものについては相当意識が高くなっています。もともと今回の不祥事の問題に関していえば,SOX法を日本に導入してJ-SOXができたときに,当然ながら会計監査人の責任として明確に規定されていたわけです。
つまり,内部統制報告書に不正がある場合には,当然会計監査人の責任が問われるといことになっていたので,当然の処置です。それは逆に言うと,専門職大学院の方でその辺のところをきちんと学んでいれば,そういうことにならないくらいのやり方ができないのかというところです。他のところも同じですが社会サイドの反応がなぜか逆向きに,プラス側にいかないでマイナス側にいってしまうというのがどうもありそうな気がしますので,その辺を含めて議論していただければと思います。
そういう意味ではきちんとした仕組み,システムの中でいろいろなものが動くというのが重要なのだと思います。
すみません,余計なことを言いましたが,今一通り御意見を伺いましたけれども,他に追加で今の意見を聞いていてこれに少し付け加えたいとか,話を聞いていてこのことが分からないので教えておいてほしいとか等ありましたら遠慮なく御意見ください。
【玉腰委員】 事務局にお願いしたいのですけれども,数字をいろいろ出していただいていますが,今日のお話を伺うと,かなり分野で状況が違うので,例えば分野別の,専門職大学院でない修士がどういう実態にあるのかとか,卒業後がどうなっているのかとか,各分野を話し合う場ではないですけれども相手の状況が分からないと見えてこないものがあるかと思いますので,もしそういった資料を用意していただけるようでしたら見せていただきたいと思います。
【有信主査】 今の話は例えば臨床心理だと,専門職大学院以外に同じようなものがあるのかとか,例えば教職大学院がどういう状況にあるのかとか,競争相手が多くいるところの状況,その辺は何かチェックはできますよね。
【塩田専門職大学院室長】 何かしらのものは。
【有信主査】 会計にしてもそれぞれ何かあるのだと思いますけれども,MBAに関していうと単純に大学院と専門職大学院とふたとおり,専門職大学院になっていないところがあったりしますから,そういう状況も踏まえればと思いますが,法科大学院は多分そういうのはないので,予備試験の話をここで言ってもしょうがないですし,それはそれで課題として別の視点でここでの議論としたいと思います。
他に何か質問とか御意見ありましたらどうぞ。
【片山委員】 極めて総論的な議論となるのかもしれませんが,社会の中に専門職としてのニーズがあることを前提として専門職大学院として様々な分野があるわけですが,社会の中に必要とされている専門職と,今の専門職大学院のそれぞれのカテゴリの枠組みとの対応関係が,マッチしているのかどうかという点が分からないところがあります。足りない分野があるのではないか,不必要な分野があるのではないかという議論が必要ではないかとの印象を受けました。それから,私のように法律の分野に関して申し上げますと,法律だけの専門性というよりも,もっと他の分野,会計もそうですし,経営の分野もそうですし,他の分野とのクロスオーバーな分野での専門性というものも非常に重要になってきていると思います。そういう意味で議論をこのワーキングを行って,新しい分野での専門職大学院を創るべきであるとか,統廃合すべきであるとかいうことまではできないのかもしれませんが,社会の専門職に対するニーズとの摺(す)り合わせは必要な作業だと感じています。
その中で,専門職大学院とは何ですかという疑問が生まれてきて,それに我々は答えていく必要があるのかという気もしておりまして,その部分も御教示いただければと思います。
【有信主査】 今の話は重要だと思います。重要だという意味は,現在の専門職大学院のメジャーなところはここに列記されていますが,その他というのが14校あります。その他も含めて具体的にどういう専門職大学院があるのかというのを少し皆様方に見ていただくというのが一つ。
もう一つが,なぜ専門職大学院が必要なのかという背景があって,一般的な言い方をすると,本当に高度に専門的な知識が必要とされている状況が理解されていない,だから日本はいつまでも生産性が悪い。日本だけホワイトカラーの生産性が上がっていない。それは高度に専門的な知識を持った人がそれ相応に処遇をされていないというような問題もあります。
それから経済そのものが,いわば知識基盤経済,知識基盤社会といわれながら,知識に対して誰も価値を置いているようには見えない。特に日本の大企業はというと,そういうところに対してもある意味ではきちんとした議論の上で話をしていく必要があると思います。
大学院の在り方と合わせながら社会への発信も何らかのかたちでする必要があると思いますので,事務局サイドでよろしくお願いします。他に何か御意見ありますでしょうか。
どうぞ。
【川嶋委員】 一点懸念というか,どうしたら良いのかなと考えていまして,今検討中の実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化について,学部,短期大学あるいは学士課程に相当する新しい教育機関を創るという議論が進んでいますが,それとこの専門職大学院との関係を,どう考えていけば良いのかの問題があります。有信主査がおっしゃったように実践,実務重視とはいえ,専門職大学院は,ナレッジベース,理論ベースですが,現在検討中の教育機関は,かなりプラクティカルというか,実務の世界で即戦力となるような人材育成を目指しているので,両者は全く関係ない,念頭に置かなくていいということなのか,あるいは,留意しなければいけないのか,その辺が引っかかりますが,いかがなものでしょうか。
【有信主査】 これは,文部科学省の方で分かりますか,どういう位置づけにするのか。
【塩田専門職大学院室長】 学部段階のものは,まだ喧々諤々とした議論がされていてはっきりとした方針が定まっていないのではないかと認識しているのですが,実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会の方で議論されていることも,制度を見直す上で参考になる点も多々あるのではないかと思います。また,どのような議論がされているのかというのは見ながらやってく必要があるかと思いますので,その辺は必要な資料を御用意させていただきたいと思います。
【川嶋委員】 先ほどニーズの話も出てきましたが,更に専門職の学士とか短期大学士だけではなくて,そこを卒業した人を更に高度な人材に育成するということも,将来的な話が出てくるので,そういう人たちの受皿として,別にまた更に創るのか,それとも専門職大学院というスキームの中で,卒業生を受け入れていくのかは,多少は頭の中に入れておいた方が良いのではないかと思って発言させていただきました。
【有信主査】 ありがとうございます。特に今の話は,塩田専門職大学院室長が説明のように相当喧々諤々な議論になると思います。
つまり,大学の学部教育の在り方そのものの根幹に関わる話になってくる。ただ,一方で何の役にも立っていない学部教育という指摘もあって,この辺は学部教育を変えるのか,あるいはそれと並立して今の専門学校が学位を出せるようなかたちまで広義にしてしまうのか,それで解決になるのか,というようなことがいろいろ議論になって,そこの中での議論は紹介していただけると思います。そう簡単にはけりがつかないかと思いますが。
他にどなたか何かございますか。
【片山委員】 平成17年,平成23年の答申を見ますと,国際的に魅力がある専門職大学院とかグローバル化社会の中での専門職大学院という点が指摘されていますが,各専門職大学院の中で,グローバルな人材の養成をどのように課題としてとらえられているのか,あるいは学位が国際的にどこまで通用するのかという点を検証して,今後どういう課題があるのかをここで議論していく必要があるのではないかとも思いました。
【有信主査】 それはまた,非常に重要な問題で専門的な職業の国際的な通用性,日本で訓練した人たちが国際社会で通用するという視点が平成17年の答申ではありました。
そういう観点も含めて書き込まれていると思いますので,逆に言うと,会計士のような仕事は当然アメリカからだって攻めてこられますし,プロフェッショナルエンジニアも当然そうですし,さすがに,法律はローカルな観点が強いので,しばらくの間は大丈夫かもしれませんがそんなに長くは持たない,それから臨床心理や,医師はそうなってきますし,教師等を含めて,グローバルという視点は,特にMBAはディファクト・スタンダードで特定のアメリカの認定団体の認定を受けると一定程度の評価を受けられるということにはなっているようですけど。
今のような議論はどこかできちんと,多分,専門職大学院のヒアリングはするわけですよね。ヒアリングか現地視察かを含めて,それから,個別の幾つかの専門職大学院については説明をお願いできることになっていますよね。
特に他にないようでしたら今後の計画のところをお願いします。
【塩田専門職大学院室長】 それでは,当面のスケジュール案について御説明させていただきます。
資料6を御覧ください。第2回は1月13日水曜日10時から12時までということを予定しておりまして,第3回は2月でまだ日程は確定してございませんが,できるだけ参加していただける日程で調整したいと思っております。
各分野のプレゼンテーション第1,2と記載してございます。ここには記載してございませんが,第2回につきましてはMBA分野から青井委員,MOT分野から上西委員,公共政策分野から宮脇委員,公衆衛生分野から玉腰委員,このように第2回を予定しております。
第3回については,会計分野から杉本委員,臨床心理分野から松﨑委員,法科大学院分野から片山委員,教職大学院分野から添田委員。また,企業の立場から大竹委員よりプレゼンテーションしていただければと考えてございます。
【有信主査】 という計画になっているようなので,それぞれ個別については準備していただければと思います。
なかなか,問題点そのものが,ぼんやりと分かったというような段階かと思いますが,今日もいろいろ出口の問題だとか,出口の問題としては人材育成そのものの,きちんとポートフォリオをなして進んでいるのかというような話もあり,専門職大学院を創りながらそれと競合する修士課程が山のようにあるだとか,いったい専門職大学院を何のために創っているのかという問題も,これは聞かないとわからないですよね。ちゃんとできているものだと思い込んでいるから,そういうことに対しても整理をしていかなければいけないところなので,2回目3回目で具体的な事例を踏まえて議論を詰めていければと思いますのでよろしくお願いします。
ほかに何かありますでしょうか,特にこれが聞いときたいとかしゃべっておきたいとかあれば。
では事務局から何か追加で話をするとことはありますか。
【塩田専門職大学院室長】 大丈夫です。
【有信主査】 それでは,本日はどうも遅くまでありがとうございました。これで閉会したいと思います,また次回よろしくお願いいたします。
どうもありがとうございました。

お問合せ先

高等教育局専門教育課

専門職大学院室 推進係 畑,山田
電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2497)

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