資料5-1 短期大学の最近の現状、大学改革を巡る動向から特に短期大学の在り方について検討が求められる視点等


 短期大学は、これまで短期に社会へ人材を送り出す身近な高等教育機関として、高等教育の機会均等を確保する役割や社会を支える職業人材の育成、地域の発展にも大きな役割を果たしてきた。
 現在、急速な少子高齢化の進行、地域コミュニティの衰退、グローバル化によるボーダレス化等に直面する我が国において、持続的に発展し活力ある社会を目指した変革を成し遂げるべく、これを担う人材育成の場である高等教育機関は、社会からの期待に応えることが求められている。
 18歳人口の減少、学生のニーズの変化もあり、多くの短期大学が4年制大学へ移行するなど、大学数も年々減少が続いてきた。
 短期大学全体としては厳しい運営状況が続いてきたが、これまで短期大学が担ってきた高等教育の機会均等を確保する役割、職業人材の育成、地域の中核的人材の育成、地域の生涯学習拠点機能、学生一人一人へのきめの細かい教育を実施してきた特色ある教育は、今後、社会の変化を誠実に捉え、多くの社会層からの修学ニーズに応え、人材育成に大いに寄与していくべきであると考えられる。
 これを踏まえ、大学分科会大学教育部会において短期大学の今後の在り方について議論を行うに当たっては、その具体的な改善の方策等について、下記のような視点等が議論の中心となるのではないかとして列挙する。

(確認事項)
1.短期大学の現状の確認
    ・大学数、分野別学生数、特色ある教育内容等

(議論の中心となる視点等)
2.短期大学の教育の在り方について
    ・短期性を活かした教育(他の学種との比較において)
    ・特定分野での専門職業能力の教育
    ・職業一般に必要な教養・実務能力の教育
    ・地域の人材ニーズに対応した教育
    ・企業等社会の人材ニーズに対応した教育
    ・個人のライフステージ、ニーズに応じた教育
    ・学士課程教育への接続教育の在り方について
 
3.短期大学の機能の在り方について
    ・高等教育の機会均等を確保する役割
    ・地域の生涯学習の拠点としての役割
    ・特定分野の専門職業に関する社会人等の学び直し機能としての役割
    ・長期履修制度の活用等多様な社会層への対応
    ・多様な非学位課程の開発
    ・個人のライフステージ、ニーズに応じた幅広い機能の在り方

4.短期大学教育の質保証
    ・各省が求める資格要件と卒業要件単位との関係
    ・抽象的基準の明確化や社会人教育への対応など短期大学の現状と大学設置基準の在り方
    ・学修成果を重視した評価、各短期大学が重点を置いている機能等に着目した評価等、短期大学教育の質的転換等を促進するための認証評価制度の改善充実
    ・短期大学間での学科分野毎、共通教育に関する質の強化への取り組み
    ・関係団体等が取り組むべき短期大学全体の質保証等への活動

5.コミュニティカレッジ機能等の在り方の検討
    ・短期大学が担うべき日本版コミュニティカレッジ(仮称)の在り方
    ・地域総合科学科(短期大学基準協会認定事業)の現状及び在り方
    ・多様な専攻科及び認定専攻科の在り方

6.その他
    ・高等学校、企業等に対するPR等(高等学校及び企業等は短期大学についてどのような感想を持っているか)など

お問合せ先

高等教育局大学振興課

(高等教育局大学振興課短期大学係)