平成20年2月22日(金曜日)14時~16時
金融庁12階共用第2特別会議室(西館12階)
二宮皓(座長代理)、青野敏博、小尾晋之介、佐藤次郎、白石隆、武田哲一、鳥飼玖美子、水谷惟恭、森田嘉一、横田雅弘の各委員
木村孟(座長)、佐藤弘毅
清水高等教育局長、土屋高等教育局担当審議官、藤原高等教育企画課長、村田学生支援課長、鈴木高等教育局企画官、田口高等教育企画課国際企画室長、池田学生支援課留学生交流室長他
資料6-1、6-2及び資料6-3に基づき、事務局より説明があり、その後、以下のとおり意見交換が行われた。
【委員】
資料6-1の4ページの内容についてコメントするが、30万人を達成するには獲得体制の整備が必要であるというところであげられている事項は、リクルーティング、海外拠点、試験制度、日本語教育と、一見もっともらしいが、比較的易しいことばかり書いてある。
具体的にどういうことかと申し上げると、体制の問題というよりむしろ運用の問題に近いが、例えば大使館推薦の第一次選考合格者が決まった後に、留学生が自分の行きたい大学を調べ、当該大学の教員と留学生課に連絡して応募のプロセスが始まるが、ある学生の場合は、7大学に応募して3大学しか返事が来ず、また返事が来たものの日本語で返信が来たり、試験を受けるならば日本に来るようにと日本語で平気で言う大学もあった。
最終的に3、4大学から受入内諾書を入手することができたが、驚いたのは、入学しなかった大学から、受入内諾書を発行したのに来ないというのはけしからんという文句が留学生に来たことである。
よって、大学として優秀な学生を獲得することが、教員にとっても事務にとっても、大学のみならず自分たちのためになるという、インセンティブをつくっていく方向で考えなければだめだと思う。
もう1点は、文部科学省の監督のもとに、きめ細やかな支援をするというのが日本学生支援機構の本来の趣旨だと思うが、現在の人員を含めた体制では文部科学省学生支援課及び学生支援機構の留学生関連部門はとてもそんな余裕はない。それでは幾ら30万人を達成したとしても、結局留学生数だけ何とか増やして、優秀な学生が来なかったということになりかねない。ですから、この体制のところについてしっかりと考えなくてはならないのではないかと思う。
【委員】
私はもうずっと昔から言い続けていることで、獲得体制の整備の問題については、これまでも課題となっていたと思うが、要するに今のお話は、国費外国人留学生の第1次選考を通った後のことであり、結局留学生が個々の大学にアプローチするしかないというのが問題である。
英国の場合には、ご承知のとおりブリティッシュ・カウンシルが膨大なデータベースを基に大学にアクセスしている。今説明のあった、本来であれば留学生が個別に大学にアクセスするところをブリティッシュ・カウンシルが代わりに行うわけである。このようにきちんとした大学配置を行うための体制はどうしても整備しなければいけない。
一つ提案であるが、次年度渡日の国費留学生について、学生がどこの大学の何研究科の何先生に連絡して、それでどの大学から返事が来てどこから返事来なかったか一度調べたらどうか。
私は、何となく特に日本政府として頑張ってもらいたいと思っている大学や研究科に限ってだめなんじゃないかという嫌な予感がするので、データをきちんと把握しておいたほうがよいと思う。
【事務局】
大使館推薦でミスマッチが起こりやすいということで、いろいろ注意はしているが、可能な限りで先ほど指摘のあったことについて調べることは可能である。
【委員】
むしろ私が心配しているのはミスマッチではなく、大使館推薦で第1次選考に合格したにもかかわらず、受入の依頼をしても返事がない場合が多くあることである。
それから、ひどい場合は、受入内諾書を発行したにもかかわらず来ないのはけしからんという教員までいる。そういうデータはまず間違いなく文部科学省では把握していないでしょうが、これを調査するのはそれほど経費がかからないと思う。外部委託して、第1次選考に合格した大使館推薦の国費外国人留学生に、「どこの大学の何研究科のどの教員に受入内諾を依頼したか」ということと、「その場合各大学の反応はどうだったか」ということを調査し、統計的に処理すれば大体どうなっているかすぐわかる。マーケットリサーチはすごく大事であるので、ぜひお願いしたい。
【委員】
今の説明であるが、昔は大使館推薦の国費外国人留学生については、大学配置は全部文部科学省が行っていた。その結果、ミスマッチが起きてしまったので、留学生に直接各大学にアクセスするような制度を整備したが、その結果として今のような状態になっているということなので、その辺はこれからの議論の対象になると思う。
【委員】
今の発言とも関連するが、現在の制度は私立大学にも開かれたものとなったため、ぜひ私が所属する大学へ行きたいという留学生が突然増えてきた。
状況がわからなかったので以前そのことを申し上げたところ、8月末日までに受入内諾を得なければ大使館推薦は無効になるというようなことは誤解であるという外務省の説明だったが、実際にはそのように思い込んでいる留学生もおり、8月末までに受入内諾書を発行してくれないと、自分が国費外国人留学生としての権利を失うということを言ってくるわけである。
しかし、現実問題としては大学は一斉休暇に入っていて、国際センターの職員も休暇で、選考委員会も開けないという状況で、私一人の一存で判断できないことで大分苦労した。そのようなことを踏まえ調査、整理していただきたい。
そして、そのときには、私立大学も含めてどういう状況にあるかというところをアンケート調査することで問題が浮き彫りになってくると思う。実際問題として体制が整っていないことによる研究指導が十分できるのかという不安もある。
留学生30万人というからには、やはり私立大学も巻き込んで受け入れたほうがすそ野が広がると思うので、ぜひ調査には私立大学も加えていただきたい。
【委員】
もちろん全部一括して行わなければならないと思う。
【委員】
2点ほど申し上げたい事項がある。1つは、外国人留学生がなぜ日本に留学したかということである。留学生の視点で考えることは重要なことだと思う。また同時に、なぜ来てくれないのかということを真剣に考えるべきときだと思う。よく言われることだが、世界の一流を目指す学生は我が国になかなか来ないというのが現実である。それは一体なぜなのかという視点も必要だと思う。
それから、5年前の留学生部会と違って純粋に大学、高等教育だけに議論を絞っているようだが、30万人という大きな目標を達成していくためには少しくすそ野を広げるとか、留学予備軍をじっくりと育てていくというような視点も必要なのではないかと思う。
つまり何を申し上げたいかというと、5年前にはたしか高等学校における国際交流であるとか、英語教育も留学生の量・質の向上のためには必要であるという視点があったと思うが、今回はまだその提示がない。
もう一つは、やはり海外における日本語教育の普及ということもやはり絡んでくるのではないかと思う。今さら言うまでもなく、我が国の場合には、受け入れにしても派遣にしても言葉のバリアが非常に大きいわけである。少なくとも受け入れに当たり、いろいろな努力をしている諸外国の例に倣いつつ、積極的に海外で日本語教育の普及に相当の力を入れるという視点がぜひ必要だと思うので、どこかの機会にこれを議論のテーブルに載せていただければありがたいと思う。
【委員】
最初の、なぜ来てくれないのかという問題について、特にどういうことを強調されたいのか。
【委員】
言葉の問題やそのバリアの高さもあるが、やはり大学関係者として非常に言いづらいが、やはり大学の魅力に欠けるということが一番の問題である。このことを解決しないと、やはり大きな目標達成というのは難しい。
5年前の留学生部会で大変印象に残っている指摘として、当時中国において300万人ともそれ以上とも言われている進学予備軍がいるにもかかわらず、大学の普及がまだまだ進んでいないという話があり、そういう人たちが、世界のいろいろなところに流出していくという問題である。その中で日本は結局質の面でいろいろ問題があり、その結果として中国の高等教育の下請けに堕するのではないかというような言い方があった。
すなわち、それだけ魅力が足りないということである。大学の今どの点が問題なのかいうことはなかなか簡単に言えることではないが、まずその点が問題だと思っている。
【委員】
なぜ30万人かというところで、コメントもあったが、留学生という定義に当てはまるものは誰かというのを少し考えてみる必要があると思う。前回も話題になったが、3週間とか90日未満のプログラムで学ぶ学生たちは一体留学生と定義するか否かということである。だからこの30万人という数字を契機に留学生、つまり学びに来る人たちというのをもう一回とらえ直して、国際的に比較できる統計上の操作を調査では行う必要があるのではないかと思う。
もちろん、入国管理局の考え方はいろいろあるが、統計的に処理して国際的に検討する場合には、この委員会でも意図的に留学生を少し拡大して考えてみる必要があるかもしれないが、その際就学生というのはどうなるのか。試しに一回行ってみて、トータルで考えていくという定義の問題を議論したほうがいいのではないかと思う。
それから、もともとなぜ留学生を引き受けるのかということも、横田先生のご提案の中にも大体網羅されているかと思う。ただ一つちょっと弱いと思っていることは、国が全部やることではないだろうということは確かであるので、民間活用風に言えば、高等教育の留学生市場があるので、その高等教育サービスのビジネス戦略を展開する上で、国はどういう支援ができるかというようなことを考えたり、大学が自ら考えさまざまな高等教育のビジネスモデルをつくっていくということを考えたりして、マーケティングを行いそれに見合うプログラムを提供していかなくてはならないことである。少しそれを支援するという方向で考えてみるという視点もあっていいのではと思う。
【委員】
留学生の数え方について問題があると思う点については私も賛成であり、今の留学生のデータのとり方が5月1日現在のみの一点観測となっているが、これも大問題なので、多点観測にしてほしいということを文部科学省へお願いしている。
それから、一口に留学生といっても非常に多様であるため、それを分類ごとにどのぐらい、特に多点観測で調査して、実態はどのようになっているのかというデータもぜひとってほしいと思う。
また、いわゆる就学生として日本語学校に在籍している人たちの定義がかなり大きな問題である。かなり大きいというのは、これを留学生に含めるのか否かということで、多分、これは軽々しく申し上げられないが、いずれは就学生ではなく留学生としてビザを出そうということになると思う。その辺の動きが若干あると聞いているので、ご紹介したい。
【委員】
今、大学及び専門学校等の高等教育機関に在籍している人が留学生という定義であるが、その前の段階として語学を勉強している人は一般に就学生という分け方になっている。しかし、日本語教育機関という場合に、その日本語教育機関で外国人の学生についていろいろなルールをつくったり、あるいはいろいろな問題を解決するために援助したりしているが、その場合の日本語学校、日本語教育機関には専門学校とか各種学校というのも含まれている。それから、準備教育機関というのも含まれている。
このことから、高等教育機関に属してない人を一般的に就学生と呼んでいる。ただ、現実には準備教育機関の人が既に留学生として扱われており、文部科学省の統計上でも留学生に入っている。しかしよく考えて見ると、準備教育機関というのは外国で学校教育期間が12年に満たない場合である。10年とか11年、そういう人に日本の高等学校教育を受けさせて、大学の入学資格を与えようということができているわけである。そういう意味で、準備教育機関の人は高等教育機関ではない。
ところが、大学の日本語教育機関には、主に大学院に行きたい人のため施設である。日本語教育においては、既に大学を卒業した人、それから高校卒の人が来ている。そういったように入り乱れているので、この際そのあたりをいろいろご検討いただき、どういう仕切りをしたほうがいいのか、統計上どういう仕切りになるのかをこの場で考えたい。また、在留資格の上でどういう形にしたらいいかということをご検討いただきたいと思う。
【委員】
今、約12万人の留学生がいるが、まず大学に入る前に、日本にある日本語教育機関で日本語を1年ないし2年勉強してから大学、高等専門学校、大学院に進む人が実態として多い。
中国人を例にとると、日本語教育機関に入った人の9割が高等教育機関に進学しているが、彼らは高等教育機関に入ってから留学生と定義している。だから、大学に入ってからのことについては審議はされるが、それ以前の段階はまったく審議されない。前回、初めて日本語教育機関に入ったときが留学生の第一歩として留学政策の一環として考える必要があるという答申を出していただいた。そういう意味で、今回も大学の留学生問題を考えるに当たって、予備教育の段階についてもぜひご検討の対象に入れていただきたいと思っている。
特に日本語の場合は、なかなか言葉に盲点があって、現地で日本の大学の講義を受けるようなレベルの日本語を習得してくるというのは極めて困難である。中国とか韓国、台湾の学生が大学で専門的に勉強してくる場合を除くと、一般的には非常に困難である。そういう意味では日本に一旦来て、現状では1年半ないし2年くらい日本語を勉強してから進学をしている。
しかも、日本の場合は、一部大学で別科としてやっているが、民間の日本語学校にほぼ任せているのが現状である。ところが、外国の場合は、かなり大学の中でそういった予備教育に当たる部分をやっている。例えば中国の場合は、全部大学が引き受けているので、留学生として語学だけ勉強しているというのも相当入っている。日本でいうと日本語学校で勉強しているような人もみんな留学生になっている。そのため、そのことを踏まえ考えていただきたいと思う。
【委員】
今、ちょうど短期留学生の実態がどうなっているかを調べさせていただいており、各国の定義の問題がどうなっているかという情報を集めているところであるが、一つは語学や研修で来ている学生をどういうふうに、留学生とカウントしているのか否かという問題と、それから永住者のようなずっと住み続けているような人たちを外国国籍であるから留学生ととるのか否かというようなことで大きく幾つかのパターンに分かれてくるような感じがしている。
研修とか語学の習得ということになると、いわゆる今の日本の大学の中の留学生に入る前の問題であるし、定住とか移民ということになると、これは大学を出た後の問題になり、一番広くとらえているところはみんな留学生ということになるし、一部では語学研修を留学生というふうにとらえているところという形にもなっている。
各国が、うちの国は何人受け入れていると言っているが、その定義はかなりばらばらであるので、この30万人というときに一体どこをとらえて30万人と考えるのかは非常に基礎的な検討課題であるが、まずこれについて考えないと、まさに今おっしゃったように、留学生を考えるときにきちんと語学の日本語学校に入っているところから考えるのであれば、それを含めた政策にしていかなければならないし、現在よく言われているように高等教育人材としての学生の可能性を考えれば、さらにその後のことも考えなければならない。ただ、それはどこまでを留学生という形にしていくのかというのは、またこれは別の問題としてあるかと思う。
【委員】
国費外国人留学生の大学配置については、今360度開かれているので、先ほどおっしゃったように、突然連絡が来て、受け入れるのか否かという問題になり、大学の決定を待つのか、全学で検討しなければいけないのか、私が検討してメソッドを出していいのか迷ってしまうわけだが、私は、国費外国人留学生の採用についてはもう少し政策的であってもいいのではないかと考えている。日本が主体的にどこのどういう国にはどういう支援が必要だということを、その国の分析を踏まえ人材育成という観点から行って、こういう分野でこのお金をどのくらいの期間投入する必要があるのか目的などをはっきりさせる必要がある。これは日本についてのメリットを考えるだけではなく、当然世界貢献・支援ということで言えば、どういう国にどういう支援が最も求められているから、日本としてこの支援を行うというような、日本として主体的な形での国費外国人留学生の募集方法があるのではないかと思う。
そういうふうに考えると、この何年間のうちはこういう分野でこういう学生を育てるという方針であれば、あらかじめある程度当該分野で研究している研究室や大学等に、国費外国人留学生としてこういう形で来ますという話が計画的にできる。それははっきりとできるわけではないが、大まかにこういう分野についてはこの何年間かは国費外国人留学生をこういう形でどのぐらい受け入れ、こういう人材を育ててほしいというようなことを事前に大学にも理解してもらった上で連絡が来て、受け入れるのか否かという判断ができれば、もう少し意図を持った受け入れの施策がとれるのではないかと思う。大学配置希望が開かれているのは悪くはないが、意図をもった受け入れ政策の方が、国費のプレゼンスを世界的にもっと高める上でも効果があるのではないかと思う。
【委員】
まず、資料6-1については非常によくまとめられているのではないかと思う。専門学校側からの立場からすると、やはり留学生の視点が現在足りていないのではないかと非常に感じている。
なぜかというと、やはり留学生受入10万人という計画を実際に達成したわけであるが、その中で最近若干留学生数が落ちてきているという現状がある。そういった中で、今後30万人という、3倍化をさせるといった中で、これはもう既に受け入れから獲得へという競争の時代の中に入っていくということだと思う。
簡単にビジネスの観点で申し上げると、顧客の立場に立った形でサービス提供しなければ、だれも買ってくれないという現状ではないかと思う。ここで一番大切なことは、留学生の視点に立った留学生政策ではないかと感じる。
専門学校としては、まだまだ可能性を持っていると思う。若干データはまだ整理されていないが、407の専門学校に留学生が在籍している。専門学校数というのは数が非常に多くて、2007年度で2,791校あるが、このうち留学生を受け入れている学校が407校に過ぎない。結局約30パーセントほどの専門学校でしか留学生の受け入れをしていない。
この大きな理由は、こちらの資料6-1の2にも入っているが、将来的な、留学生がなぜ日本に来るのかという最終的な目標と関連する。専門学校では職業教育中心にやっているので、やはり職業技術を身につけた上で、日本でのキャリアをつけたいという目的を持っている方が非常に多い。それが今の環境では、専門学校の分野では、半数は閉鎖的である。
日本では例えば福祉分野で、介護福祉の国家資格を取ったとしても就職は許されていない。これは調理の分野でも、理容の分野でも、自動車の整備の分野でも言える。そういったところで留学生は、私どもの学校でも介護福祉を専攻した中国人の学生が数名いたが、どうしても就職したいにも関わらず、その希望がかなえられない。学校としては、将来的に就職できないため、留学生からの希望があっても受け入れられない。これを許容していただかない限り入学も認められないという現状がある。
ちょっと疑問に思ったのは、30万人の根拠はわかるが、なぜ本当に30万人、3倍にもしなければならないのか、この理由はこちらにはないのではないかと私は思う。現実的には日本の18歳人口は減少しているが、こういった労働力の減少や人口減少を、海外からの留学生によってソフトランディングさせていこうというところが、最終的な留学生政策の中にも含まれているのではないかと私は考えているし、そうであれば、やはり留学生を最終的にどこまで日本に残せるのかというところも視点において、30万人計画の骨子をつくっていく必要があるのではないかと個人的には思っている。
また30万人と言っても、大学の中でも学部と大学院があるわけで、それに加え受け入れの中で先ほど話題になった日本語教育機関、専門学校、そして高等専門学校があり、それぞれで留学生の目的が違うと思うし、短期か長期かという問題もある。
またもう一つの大きな問題は、地方の問題であると思う。今の留学生の在籍者を全体から見ると、東京と関西圏に集中していると思う。そういったことも含めて検討課題にし、それぞれ場所、地域、短期、長期、または分野によってそれぞれの施策が必要になってくるのではないかと感じている。
【委員】
今の話に関連して看護師の件であるが、日本の資格を取っても就職ができないのか。
【委員】
介護は日本人でないといけないのか。
【委員】
そうである。介護では在留資格が取れない。経済連携協定に基づき、外国から看護師や介護福祉士を受け入れる方針であるが、あれは要するに、向こうで資格を取って、こちらで働きながら、その上また日本の試験をとらないといけないので、日本の大学、専門学校では話にならない。
今指摘があった問題は非常に重要だと思う。
それで、留学生の問題を考えるときに、卒業した後の就職・就業の問題を考えずに、留学生の問題だけ切り離して考えるというのは、もう恐らくほとんど意味がない時代になっていて、残念ながら、アジア・ゲートウェイ戦略会議というのはなくなって、今こういう留学生について、もっと大きい問題を議論する場所が実はないのではないかと思うが、ぜひこの委員会でも少し範囲を超えると言われてでも、ちょっと踏み込んだ提言をすることを私は提案する。
【委員】
確認をしたいが、介護士は日本で資格を取っているわけですよね。例えば、留学生が日本で医学部へ行って医師免許を取れば、日本で就労してよいわけですよね。看護師は今おっしゃった日本の資格を取るわけですよね。
【委員】
その通りである。国家試験で日本の資格を取得する。
【事務局】
それは多分、ケース・バイ・ケースになると思うが、実際留学の在留資格から就労できる在留資格に切りかえるときの問題ではないかと思う。
【委員】
それは何でこだわったかというと、たまたま本省のこの関係の委員長をしていて、今度ドラスティックに全部変えることとなったため、全然だめだということはないと思う。要件によって、それはその所轄官庁が認めるか認めないかの問題である。
【委員】
ただし、実際には、就労できる在留資格は、技術と人文知識、国際業務という形に分かれているが。
【事務局】
ただ、現実的には二級整備士、あるいは調理士、理容師、美容師、介護福祉士、そういった日本の資格を持ったとしても、在留資格はほとんど却下されているというのが現状である。
【委員】
要するにジョブカテゴリーが合わないということである。
【委員】
ピラミッドがあるとすると、今頂点とその付近しか認めていない。だから、それをもっと下まで下げようということで動いていると思うのだが。
【委員】
基本的に今、就労できる在留資格に切りかえられるかどうかというのは、留学生という外国人としての特殊性がないとなかなか受け入れてくれないということである。
【事務局】
恐らく、在留資格の切りかえのときに、就労対象の医療というのはあるが、ここに介護が含まれていないので、外国人留学生が就労に切りかえるのはほとんど難しい。今後、法務省で恐らくそういったものも含めて議論されるとは聞いているが、現時点では非常に難しい問題である。
【委員】
留学生に対する考え方がやはり画一化している。例えば日本は資源がないので資源を輸入して、日本で加工して、それで輸出すると、そういうビジネスモデルが成り立っているが、留学生に関しても、留学生の母国では高度教育を受ける能力のないような人材を日本に連れてきて、教育してまた送り返すようなことを、日本でやり、そうして留学生数を増やすというような話になっているような気がする。それはまるで、そういう人材をどこから国外から効率的に買いつけてくるかのようだ。例えばヨーロッパでエラスムス計画というのが動いているのは、ヨーロッパの中の国境がなくなって、一つの国だけで教育するということにはもう限界があり、複数の国をまたがって、いろいろな文化を吸収しながら世界を動かせる人を育てようという思想があり、留学生に対する見方が違う。
日本からは地理的には非常に遠いので、こうした発想にはならないだろうと思うが、世界の高等教育の輪に参加して、一緒に次の世代の人たちを育てるという気持ちも、特に大学・大学院レベルでは必要だ。
特に短期・中期留学の学生の流動化を積極的に行うべきだと思う。そうすると、日本に来てわざわざ勉強しなくてもいいような学問でも、日本に行くと違った見方ができるなど学習効率がよくなると思われる。日本に来て勉強する意味というのは、そのくらいに緩く考えたほうがいろいろなことができる。
こういったことには、もう日本の大学・大学院・高等教育機関は様々な取り組みをしており、過去数年間の文科省のさまざまな取り組みで支援がなされていて、それがかなり功を奏していると思われる。
大使館推薦の留学生制度の問題も、まだ制度に関する理解が十分ではないということも要因の一つだろう。大学側の問題は時間がたっていろいろな取り組みがなされるようになれば、徐々に解決するのではないかと思う。
別の方の発言で、留学生予備軍を育てるべきという意見があった。これは私も非常に重要だと思うが、一方で、元留学生というのはこれまで何万人と国費留学生がいるにもかかわらず、彼らがどういう活躍をしたか、国に帰って何をしているか把握するようなネットワーク作りがまだ十分ではない。そういった人たちを活用して日本からのアピールをするのがよいのではないか。あるいは各国で日本語を教えている大学というのは結構たくさんあるが、そういった日本語教育者のネットワークを作るとか、あるいはJICA(ジャイカ)などでやっているような途上国の高等教育の底上げを支援して、日本に対する親近感を増すようにするとか、様々な取り組みがあるのではないか。何が何でも日本に留学生を受け入れて教育して送り返すというような視点に立たなければ、様々な取り組みができるのではないか。
【委員】
国費留学生に限っても、かつての国費留学生がどこで何をしているかというデータはとられていない。私が東工大にいた時には、少なくとも東工大出身者だけでも、徹底的に追跡調査をやろうとしたが、非常に難しかった。
当時私が取り組んだのは、同窓会だが、中国、インドネシア、タイ、マレーシアや韓国について同窓会を立ち上げた。そういう同窓会を作ることによって、かなり留学生をフォローアップできた。そういう取り組みはブリティッシュ・カウンシルで実にうまくなされている。文科省も参考になるだろう。こういった同窓会では、最近非常にアクティビティーが高まっていると聞くが、こういう施策も考えていかないと、留学生交流は、うまくいかないのではないか。
【委員】
18年5月現在の留学生の居住地を地域別のパーセントで見ると、関東が50.2パーセント、近畿が17.8パーセントで、ほぼ70パーセントがその関東と近畿で、留学生を支え指導している。しかし一方で、北海道、東北、中国、四国地方は合計しても9.4パーセントしか指導していない。
これは、11万人を30万人に増やす場合には、もちろん大都市の大きな大学がたくさん受け入れるべきだろうが、地方の大学では今は留学生の受け入れの数が少ないのであるから、逆に言うと伸びる余地があるというふうにもとれる。
地方は、空気がきれいで、水がきれいで、環境がいい。それから、宿舎費が本当に安い。2万円で入居できるアパートがある。それから生活費も比較的安いし、それから治安もよい。また周囲の人の人情味もまだ残っている。そういうことで、日本国内の地域間で均衡のある増員を図るという意味で、都会の大学がもちろん主として留学生を受け入れていくべきだが、今は少ない地方大学での受け入れを増やすという視点からも考えていくべきだ。
【委員】
先ほどの意見で出た留学生の同窓会は、今でも百幾つぐらいできていると聞いている。
【委員】
在外公館が把握している留学生の同窓会でも、100を超えている。
【委員】
それをもう少ししっかりするというのが手段として一つあろうかと思うが、MITや東大で最近始めたような、授業をインターネットの中で流し、こういう授業を自分の大学ではやっているというのを留学生へ向けてアピールするような努力が日本の大学の中ではまだまだ少ない。留学生はこういう番組を見て、特定の大学に行きたいと思うようになるはずだ。
また、これから留学生が30万人となると多分家族で来るという留学生の問題も大きくなると予想される。私が海外で留学していたのは、もうずっと昔のことだが、その時点でも海外では、留学生に活躍してもらうために、家族をしっかりとしたサポートがあって、安心して研究室で働けるように環境整備がされていた。そういう意識が日本ではまだ育っていない。留学生が、最高の力が発揮できるような環境にするにはどうしたらいいのか、そういうような努力がまだ日本の中では芽生えてない。今意見としてでたような同窓会をどうするとか、留学生が日本に来て非常に良かったと思うようなPR、最大の力が発揮できるような環境をどうやって作りだすかが重要である。30万人受け入れたと言っても、ある瞬間30万人になるのを目指せばいいのではなくて、これからずっと30万人が日本に住み続けるわけだからやはりそういう努力を計画には盛り込んで行かなければならないと思われる。そうしないと、単に人集めだけになってしまってその後が続かなくなってくると思う。
【委員】
留学生受入れ10万人計画は中曽根内閣のときにできて、それ以来10万人を達成するまでに20年近くかかった。これを今度は30万人するというのである。よほど考え方を変える必要がある。特に日本に留学生がどんどん増えているという時代ではない。先ほど来の議論にあるようにリクルーティングを考えていかなければならないし、日本の教育全体に魅力がなければ、留学生は来るわけがない。
それから、語学面での困難さがあるわけだが、日本に来たくて、日本で勉強したいという人に対する法務省、あるいは外務省の考え方が、大げさにいうとバリアフリーにはなっていない。こういったものに対する考えを変えなければとても30万人というのは達成できない。
それから、日本の将来を考えると、労働人口がどんどん減っていくということは新聞報道等でも言われていることであり、事実人口構造からいえば少子化という大きな問題がある。留学生というのは日本で学んだら帰れというのではなくて、むしろとどまって日本で働いてもらうというような基盤をどんどん作っていかなければ、まさしくその30万人計画は絵にかいたもちになる可能性もあると思われる。
【委員】
先ほど議論で出た入管の件だが、3月の末に多分別の委員会で答申を出すと、かなり抜本的に外国人の方に対する扱いが変わる。
成田空港で、外国人登録証というのがあるが、それに代わって外国人用のIDカードを出すことになる。実際にはどうするかはこれからの議論だが、そのIDカードの有効期限を1年、3年、多分5年まで考えている。そうすると、この有効期限が切れる時には、今までは外国人登録証は地方自治体で処理をしていたから、全然データがないままどんどん受理していたが、これからは更新する場合には、地方にいる外国人は、地方の入管で再び更新をするというシステムになる。
それと同時に、それぞれの居住地区の役所へ行って、そのカードを提示するとそこでその人のデータが住民基本台帳に載るということになる。よって住民基本台帳にすべての外国人の方を載せる事が容易に可能となり、永住者と、新規に日本に居住する外国人を住民基本台帳で一元的に管理できるようになる。と同時に、住民基本台帳に載せるもう一つの大きなモティベーションとしては、その外国人の方にも行政サービスを常時提供できるような仕組みにするということであり、多分それは国会で認められると思うが、そういう抜本的な改正を答申している。
そういうことから、今までは、どうして日本語学校に来ているのは就学生なのという疑問があったが、この理由の一つはセキュリティーの問題だったと思う。今度の制度改正によってそれがクリアされるから、何も就学生と留学生分けること必要ないということにもなってくるのではないか。外国人に対する対応も変わるということは間違いないと思う。
【委員】
先ほど、外国人に対する教育についてはいろいろなやり方があって、必ずしも日本に呼ばなくても、例えば途上国の高等教育の底上げなどをするということも一つのやり方だという意見があった。東亜留学生育友会という奨学金の財団の例をあげると、そこでは初め留学生に奨学金を出していたが、そうすると非常に限られた個人しか支援できないので、例えばラオスなどでの取り組みでは、彼らが必要としている理系の高等学校の先生を、日本に連れてきて学ばせるのではなくて、タイのコーケン大学と組んで、コーケン大学の先生がラオスの先生を教えるというプログラムをやって大変注目された。
【委員】
国費の選抜と受け入れ許可証の出し方についての問題提起があったが、国費留学生制度の改善によって、日本の大学にもう少し競争的に環境を整備して、積極的に受け入れる意欲のある大学は、よりよく多く質の高い留学生を受け入れることができるようにしたと想像する。しかし、それでもなぜ日本の大学は留学生をうまく受け入れることできないのかという点について、ずっと以前から思っていたのは、大学院の教育に関する中教審の答申であれ、学士課程の教育の答申であれ、一つ抜けているものがあるのは、研究生という制度について必ずしも十分に議論されてこなかったことが原因にあるのではないだろうかということだ。
科目等履修生とか社会人とか、あるいは高齢者の方とか、いろいろな多様化というのが掲げられているが、研究生は大学で特定のテーマに基づいて特定の先生の指導を受けながら、授業料を支払いつつ一定期間指導を受けるという制度であり、このような個人契約ベースの制度が日本では成立している。これをそのまま外国人研究生ということで、各大学とも、私立大学も含めて、適用していると思われる。
短期の交換学生の場合は特別聴講学生ということで単位が取れるようにしているので、これはシステム的・組織的に受け入れ、アドミッションをコントロールできているが、研究生というのはあくまでも個人商店型になっており、1人の先生の判断でその留学生の全てが運命が決まってしまう。研究生の受け入れの可否については、指導教員による個人的な判断によってほぼ決定されるに等しい。
今大学院のアドミッション・ポリシーも透明性・公平性が高くなってきているが、それでもかつての前近代的な大学院の入試のように、ある先生が引き受けると言わない限りは合格できないなどの事例が見受けられる。ましてや人文社会学系ではそれが顕著だ。現状では、制度として開かれた透明性の高いアドミッションという形でなっていない。
問題提起として、留学生を受け入れるために研究生としての制度を使わざるを得ないなら、それを大学がもう少し透明性の高い公開性のある形で行うようにすべきだ。研究生制度は、本来は余り使わないほうがいいと思うが、それを議論しておかないとならないと思う。
【委員】
核心をついた意見だと思われる。
日本の大学院に関していえば、日本の制度そのものが留学生を受け入れにくい制度にしている最大の原因だと思う。
【委員】
私は、理想的にはブリティッシュ・カウンシル方式が望ましいと思うが今のような時勢ではそういった方式が非常に難しいということも承知している。
アドミッションについては、やはり当たるも八卦、当たらぬも八卦といった状態であり、留学生がコンタクトをとった先生次第で合否が左右されるというのは、ばかな話だ。やはり大学として組織的に対応できるような仕組みを作って、大学として留学生に対応できるということを実績でもって示した大学に補助金を出すというシステムを考える必要がある。
【委員】
気掛かりなのは、国際戦略本部事業では、20大学ほどが採択されて各大学の国際展開を後押ししているが、この事業の考え方に留学生政策がほとんど入っていない。研究レベルだけだ。本来、国際戦略というからには留学生も当然入っていいと思うが、極めて薄い。
主要大学は、留学生を忘れつつあることが危惧されるため、この事業に留学生も入れていくという態度がなければならないと思う。
【委員】
留学生GPのような事業を立ち上げて、多様な質の高い留学生関連の取り組みを選考するようなことができないか。GP型の事業を行わないと、制度のある部分をブレイクする、風穴をあけるような、そういうチャレンジブルなものも見えてこないのではないか。こうした試みで、初めて問題点がわかるなどすると思われるので、是非今後検討していきたい。
【委員】
今、短期の留学生の調査をしているが、短期の留学生のモデルというのは余りいいものがない。まだ始めたばかりのところも多く歴史がないのでしょうがないといえばそういう理解もできるが、たとえ1年のモデルにしても優れたモデルはなく、割とどこも横並びのようなことだけしかしていない。
これがもう少し短い期間でも、例えば理系の学生は1年いなくても、例えば3カ月ぐらいで、実際に研修をして、その現場に行って見ることができるなど、学ぶものはたくさんあると思われる。文系の学生だとまた違うやり方をとる必要があると思うから、どういう学生を受け入れるか、どのぐらいの期間で受け入れるか、やっぱり優れたプラクティスを日本の中から発掘・開拓していくというために、今おっしゃったような留学生GPが必要であると思われる。
【委員】
今、大学院についての意見がかなり出てきたが、海外の募集もかなり長年やってきた私の経験から、状況は確かにかなり変化してきていると思う。中国では大学が非常に増えており、大学の進学率も上がってきている。一方で台湾・韓国においては、日本より先に全入時代を迎えている。
台湾や韓国の留学に関する雑誌の記事を見ると、日本留学の希望者の大半はもう既に大学を卒業した社会人らしい。日本に留学を希望している進学先としては大学院、もしくは専門学校という傾向が強まっているということもデータとして出ている。
そういった意味では、この30万人計画というものを実効性のあるものにするためには、やはり大学院へ進学を希望しているもの、あるいは職業教育として専門学校や高専に希望するもの、あるいは学部の教育を希望しているもの、この辺の3本立てぐらいに区分けしながら、実行力のある対策をとっていくということが必要だ。
あと、受け入れの問題は、教育機関だけの問題だけではなくて、日本国全体的として外国人を受け入れるという体制を作っていかなければならない。やはり留学生がなぜ日本に来たいのか考えるべきで、日本の文化に興味を持って来訪している留学生に比べて、日本人自身が余りにも日本の文化についての知識が薄過ぎるという現状もある。
教えている学生の中には海外留学する学生も多いが、海外留学をすると日本のことをもっと勉強したいという意識が強めて帰ってくる。海外に行って日本のこと聞かれても、何もわからないと、しゃべれないという状態になる。海外から来た日本に興味のある留学生に対して日本の文化の知識を教えるとともに、日本人自身も学び直す必要性があると思う。受け入れ側として、留学生に魅力のある日本を作るためにはこういった努力も必要なのではないか。
【委員】
今、国費留学生が、大学院へ入学する際の手続きに難しい点があるという指摘があったが、私費で渡航しようと考えている海外の学生で、日本の大学院に来たいという希望を持っているものが大変増えている。中国などでも、都市部では大変増えているし、そういう相談も多い。
日本語学校に一度入って、それで日本語を勉強して大学院に来たいと思う者も多いし、どういう日本語学校を卒業すると大学院に受け入れてもらえるのかという問い合わせも大変多い。ところが今、国費留学生の場合でも、ストレートで日本の大学院に入学するのが、なかなか難しい現状で、多くの私費留学生にとっては、何も各大学とはつながりがないので、なおさら日本の大学院には入学しづらい。
一般の私費留学生でもストレートで日本の大学院に入りたいというような人にはどういう手立てをしてあげたらいいのか。あるいは日本語学校から大学院への接続を促進させるにはどうしたらいいのか、そういう点を考えていく必要があるのではないか。
この30万人計画という数字を聞いたときに、30万人に到達する場合にはどんな人がどの国から来るかイメージする必要がある。留学生はただ漠然と来るわけではないのだ。ほとんどが私費留学生として、自費で訪日する。しかも今、留学生獲得は世界的な競争の中で行われている。そういう中で、特に英語圏と比べハンディキャップがある日本に、自分のお金で希望して来る人がどれだけいるのか憂慮せざるを得ない。
現在私は留学生受け入れの最前線にいるが、いろいろなアジアの国にしても、自費で日本にぜひ来たいという人はそんなにいないと言うのが私の感触だ。中国には一定の数希望する人がいる。しかしアジア全体で見ると、そんなにいない。
そういう中でこの30万人計画をどう達成するかという点については、先ほど意見が出たように、今までの発想にはなかった、日本に行けば就職できるとインセンティブを与えるようにすべきではないか。あるいは就職体験をして、自分の国へ帰って生かせるということも大変な魅力となるだろう。そういう点からバックアップしていけばいいと思う。
その他については、まさに国際競争の中で、留学生は、どこの国が障害がなくて行きやすいかという観点で留学先を選ぶわけだから、日本と争うような留学生受け入れの主要国における受け入れ条件と、日本の受け入れの現状を比較して検討したい。そして、どこが日本へ留学する際に最大の障害になっているのかというのを検討する必要があると思う。
先ほど、指摘されたように、日本に来る時の大きな問題が、入国審査だ。審査基準として、日本で学ぶ能力があるかどうか、意欲があるかどうか、それから日本での勉学の生活ができるかどうか、その点をチェックするのは当然だと思う。そして日本に来て、いろいろな犯罪とか問題を起こさないことを審査するという点も当たり前だが、審査の手続き、内容、審査の期間等も含めて、一度この場で、どういうふうに日本の場合行われていて、外国の場合はどんな具合なのかということがわかるような資料をもとに検討できたらと思う。
入国審査は、日本語教育機関で学ぶ時だけではなく、大学へ入学する際もそうだが、平成16年から非常に厳格化した。15年の場合は約8割が審査を通ったが、それが急に16年は57パーセントとなった。特に中国の場合は、前年は76パーセントだったが、16年のときは年間平均して35パーセントとなり、3人に1人だけになってしまった。日本の事情として犯罪率の増加などありそれに対処するという意味で入国審査の厳格化を図ったわけではあるが、来る人から見ると、急に入国審査基準を変える日本は一体どういう国なのだろうと思われても仕方がない。3人に1人しか来られないとなると、半年も以上前から申請しても通らないのであれば、もう日本には申請しない、むしろ外国へ申請するという事態が起こる。そういう認識が海外で広まってしまったら、回復が難しい。特にしっかりした優秀な人を確保するのは難しくなってしまう。よって、もし入国審査を厳しくするにしても、段階的にやっていくべきだ。あるいは基準を明確にしなければならないと思う。
現在も大体中国の場合は入国できるのは、5割程度で、今年度の大学の留学生も、去年より減っていると認識している。それは、日本語教育機関からなかなか留学生が移ってこないという面も、かなり大きな要素として考えられる。今ここで30万人と謳っているが、12万人確保できるかということもここ数年ではなかなか大変だ。よって、現状分析により、30万人というのは何倍にも大きくなるわけだから、現在もなかなか増えない状況をもっと考えるべきだ。
また、入国審査だけが問題ではなくて、日本を目指す私費留学生には、能力も意欲もあって、かつ生活も何とかできるほどの経済力があるという条件の人がそんなにいない。だから、もし国が30万人計画を実現する場合には、いろいろなバックアップ体制が必要だ。現状を分析すると、平成12年に我が国の留学生数は、5万人少しだったのが、数年間で10万人になった。その主な要因は、入国審査を非常に簡略化したことにあると思う。しかし急激に簡略化をしたので、いろいろな人が入ってきてしまった。だからいろいろな問題が生じたのだ。入国審査というのは、非常に重要だ。
【委員】
留学生数は、2005年には12万1,000人だったが、それが2006年には11万7,000人と、4,000人減った。減った原因の主なものは、中国の学生が減ったことだ。2005年から2007年はほぼ横這いの状態である。依然として法務省の入国審査の厳格化が影響しているということもあるし、同時に中国の高等教育が非常に充実しつつあるということもあるだろう。法務省と協力して、入国審査の現状についてのデータをとっていく必要がある。ただし、日本に入国する外国人の数は去年とても多かった。
それから、留学生が、何のために来ているかという点についてだが、これは私の完全に偏見と独断になるかもしれないが、やっぱり依然として日本というのはチャンスのある国だからだと思う。先程から議論に出ている就職ということを、考えないといけない。そうでないと、恐らく留学生数は増えないと思う。その辺を文部科学省が法務省との連携で推進していく必要があるし、大学自体もきちんとしていく必要があるのではないかと思う。
【委員】
今のことに関連して、今日の新聞報道で、理系の大学院レベル、修士・博士レベルを修了した留学生のうち、どのくらい日本に残るか調べたところ、半数ぐらいであったということが報じられていた。ほとんど企業は、留学生に関心がなく、人材を生かすということに思いが至っていないというような趣旨の論文もでていた。この場で議論して、留学生の就職について、経済界に働きかけていくべきだ。
またアメリカの大学では通信制のEラーニングでディグリーを出しているところが増えている。この状況はオーストラリアでもそうだ。また英国の大学ではリサーチ・ディグリーと言って、論文の指導だけして博士号を出して、キャンパスに必ずしも1年、2年などいなくていいというような制度があり、日本人にとっては学びやすい。そういうのを日本の大学で行った場合には、こういった大学に入った外国人学生たちは留学生としてカウントしてもよいものか。例えばこういうことをすれば、相当人数は増えると思う。
【事務局】
どこまでを留学とするか、いたずらにかさ上げというのではなくて、実際日本の高等教育の現場で、どれだけの留学に近い形も含めて、学生が学んでいるかというのはある程度しっかりとした調査は必要だと思う。ケース・バイ・ケースで留学と見なせるということもあろうかと思うが、基本的には期間の問題で留学にならないケースが多いのではないかと思っている。
【委員】
大学院の場合は、オーストラリアの例を見るときちんと在籍している者を留学と見なしている。
【事務局】
学籍がちゃんとあって、一定の期間の在籍があればもちろん留学生としてカウントされていると思われる。ただ、論文を書くとか、あるいはリサーチの期間だけ、短期間で在学するとなると、場合によりカウントしていないケースもある。ちゃんと一定の在学期間があって、学校に出てくるかどうかは別にして、在学期間が認められれば、留学生として扱われると思う。
【委員】
留学生の増加、あるいは国際交流の推進ということについては、政府の提言、あるいは方針など、ダブルディグリーという言葉が頻繁に出てきている。そのダブルディグリーというのは、双方の大学に交換で学生を送って、同一の研究を継続して、そして双方の大学からディグリーを授与されるということであるが、我々の大学でも平成18年度から文部科学省の支援を得て行っている。
提携先の大学は中国、韓国、アメリカ、フランス、ニュージーランドであり、工学部が中心で行っているが、提携先からも学生を招待して、こちらからも送る。それぞれの学費はもとの大学で払うが、滞在費はそれぞれ自己負担にしている。
この事業を成功させるためには、双方のコーディネーターが同じような研究の内容をやっていて、お互いによく知っていることが条件になる。それで共通のテーマで研究をして、それから双方からディグリーをもらうことになるわけだが、外国人留学生の場合は、日本の工場への見学やインターンシップもさせて、こちらから派遣している日本人学生も提携先で同様なことをさせている。
それで、留学生を受け入れるばかりではなく、日本人の学生を送り出すので、英語の特訓をネイティブの人を雇って学部の学生に教える。学生たちは、留学を目の前にして切羽詰まっているので、よく勉強もしている。この取り組みは大学院の修士課程と博士課程だけを対象としているが、よく勉強してくれるので、学部の学生も含めて、いい効果を与えている。そういう意欲を掻き立てる意味でも非常に有用な方法である。
【委員】
小規模で取り組みを行っているときには、何とか大学で資金をまかなうことができるが、大規模にしようと思うと、やはり必ずファンドのところで行き詰まってしまう。その辺でも、国のサポートが必要になってくる。
システムと資金のどちらもないと決してうまくいくことはない。我が国の留学生の、圧倒的多数が私費留学生だと理解している。その私費留学生の圧倒的多数を私立大学や短期大学が引き受けている。分野別では、学部段階で人文科学や社会科学が主だ。そこで、10万人計画のときと同様だが、こうした私費留学生の支援のために、例えば学習奨励金が多額に措置されたし、それから授業料を減免している学校法人に対する補助もしている。そういう私学に対する財政的支援というのは、相当の規模で拡充していかなければならないと思うが、ここで提案をしたい。
授業料を減免している学校法人に対する援助については、これが本当に効果的だと思うならば、思い切った増額しなくてはいけないと思う。しかし反面、これはもろ刃の剣であり、私どもは既に留学生を当てにしてたくさん受け入れたために死期を早めた短期大学等の実態も見ている。
今後定員割れが進む大学の経営安定化に資するような施策だけは避けて、従来の補助金のスキームと違う本当に効果的な私立大学に対する奨励・支援の方策というものをこの辺でしっかりと考えなくてはいけないと思う。
資料7-1及び資料7-2に基づき、事務局より説明があり、その後、以下のとおり意見交換が行われた。
【委員】
資料7-2の通り、我々からかなり大胆な提案を行った。高等教育に必要な予算として非常に大胆な5兆円ということをはっきり打ち出した。新聞にこれと同様の内容で、もっと具体的な内容で、大学教育の転換と革新等についても、投稿されているのでご覧いただきたい。この留学生特別委員会においても各委員の意見を伺いたかったが、時間もないので、もし意見があったら事務局にお伝えいただくようお願いをしたい。
最後に、中曽根首相時の10万人計画で、計画が発表されて目標を達成するまでにどのぐらい留学生用の経費が伸びたか、それからインフラ、ハードのインフラがどのぐらい伸びたかというデータはあるか。
【事務局】
単純に試算したものであるが、昭和58年当時は、留学生数が約1万人だった。2007年には留学生数が11万8,498人と、約11倍に増えている。留学生交流関係予算額は、昭和58年当時ほぼ80億円、それが2007年では、407億円と、約5倍になっている。それから、国費留学生の数では、昭和58年が約2,000人、これが2007年では約1万人で、予算額では、58年が51億円だったのが、2007年には223億円になっている。
私費留学生支援については学習奨励費が、昭和58年で約9,600万、1億弱で、それが2007年では81億になっている。実に84倍となっている。そういった形で非常に経費的には大きく伸びている。留学生数を10倍にするためには、それだけかなり多額の予算の投入が必要だったということだ。
それから、宿舎については、昭和58年当時公的宿舎、いわゆる民間アパート以外の公的宿舎の入居者数が約3,000人だったが、これが2007年には2万7,000人が入っている。ただ、留学生全体に占める公的宿舎の入居者数だと、昭和58年が29パーセントだったのにも関わらず、これが2007年では23パーセントと逆に落ちている。よって宿舎については必ずしも十分な措置がなされていないという状態である。
それから、日本語教育機関の在籍者数は、昭和58年には約1,600人だったが、これは平成19年のデータで、3万1,000人に膨らんでいる。
【委員】
ここで言いたかったのは、留学生の増加のために、それだけの財政的支援が必要だということである。資金のほうは、留学生数のように10倍も使っていないが、その半分ぐらいの財政支援があったということだ。ということは、10万人を30万人にする場合にも大変なお金がかかるということである。しかも10万人計画当時は、この時期は日本が右肩上がりだったから、就職の機会もいろいろなアルバイトの機会もあったのだろう。ところが今の経済状態だと、これはもう容易なことではない。また、この10万人計画の進行時点では、それほど他の先進国が留学生獲得に躍起になったわけでもない。それが今や大変な国際競争になっている。であるから、相当の覚悟で財政支出をしない限り30万人は無理だということを申し上げたかったのである。
最後に、事務局より次回以降の日程について説明があり、第2回は平成20年3月18日(火曜日)10時より、第3回は平成20年3月31日(月曜日)16時よりそれぞれ開催することとなった。
以上
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