資料2 法科大学院に対する教育実施状況調査について(案)

1.趣旨

文部科学省としては、昨年3月、法科大学院教育の質の向上のため、入学者選抜における競争倍率(目安:2倍)入学定員充足率(目安:50%)/入学者数(目安:10名)司法試験合格率(目安:全国平均の半分)という客観的指標についての目安を示し、認証評価における積極的活用を促しているところ。
本取組に加え、昨年6月の法曹養成制度改革推進会議決定を踏まえ、客観的指標に照らして課題があると認められる法科大学院に対して、教育の実施状況等を文部科学省が調査するものとし、そのための体制及び手続を定める。

参考)法曹養成制度改革の更なる推進について
(平成27年6月30日 法曹養成制度改革推進会議決定) 抜粋
(1)法科大学院の組織見直し
文部科学省は、認証評価結果又はその他の事情から客観的指標に照らして課題があるものと認められる法科大学院に対し、教育の実施状況等を速やかに調査することとし、その結果、法令違反に該当する状況が認められる場合は、直ちに是正を求め、それでもなお改善が図られないときは、学校教育法第15条に基づき、当該法科大学院に対し、改善勧告、変更命令、組織閉鎖命令の各措置を段階的に実施するものとする。また、文部科学省は、前記調査の実行性を確保するため、客観的指標の水準を下回る法科大学院に対して教育状況の報告又は資料の提出を適時に求めることができる体制及び手続を平成27年度中に検討し、速やかに整備する。

2.調査手順の概要

以下の調査を、各法科大学院の協力を得て実施する。

(1)書面調査(5月頃実施)
「入学者選抜における競争倍率」、「入学定員充足率」、「入学者数」については、例年5月頃集計が取りまとめられるため、これらの数値が上記客観的指標についての目安を下回る法科大学院について、書面調査を実施する。

(2)ヒアリング調査(10月~12月頃実施)
「司法試験合格率」については、例年9月に判明するため、最新の司法試験合格状況も踏まえ、以下のいずれかに該当する法科大学院については、原則としてヒアリング調査を実施する。
・ 「司法試験累積合格率が全国平均の半分未満」又は「単年度合格率が3年連続して全国平均未満」の場合
・ 入学者選抜における競争倍率が1.5倍未満の場合
・ 「入学定員充足率が3年連続50%未満」又は「入学者数が10名未満」の場合
・ 書面調査の結果、更なる調査が必要と判断される場合その他ヒアリングによる調査が必要と判断される場合

(3)実地調査(12月~1月頃実施)
以下のいずれかに該当する法科大学院について、実地調査を実施する。
・ ヒアリング調査の結果、実地調査が必要と判断される場合
・ 来年度から開始される認証評価(3巡目)で適格認定を受けられなかった場合(評価結果の公表時期によっては、4月以降の実施となる。)

3.実施体制等

調査は、中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会の協力の下に、文部科学省高等教育局専門教育課が行う。実施要綱等を文部科学省において作成し、各法科大学院に通知する。

(高等教育局専門教育課専門職大学院室)