資料5‐2 27年度試行試験の基本的な方向性(たたき台)

1 試行試験の対象者・試験科目等に関する論点

  • 対象者は、1年次(法学未修者コース)及び2年次(法学未修者コース及び法学既修者コース)の学生としてはどうか。
  • 試験科目は、1年次・2年次とも、憲法・民法・刑法の3科目とすることとしてはどうか。

検討の視点

  • 法学未修者の質保証を早急に進める観点からは、第1回試行試験と同様に1年次学生に対象を絞って試行を行い、精度を高めることも考えられる。
  • しかしながら、平成30年度を目途に本格実施に移行することを視野に入れ、作業を進めていくためには、今年度の試行試験の対象者を2年次学生にも拡大し、3年次進級時の制度設計に関する課題を整理する必要があるのではないか。

(参考:共通到達度確認試験等に関する調査検討経過報告
(平成25年11月中教審WG))

  • その際、1年次の学年末と2年次の学年末の双方で実施する試験科目から試験の検討・実施に着手し、この試行結果等を踏まえ、更に他の法律科目の検討を進める必要がある。
  • 未修者教育の改善は喫緊の課題であり、1年次の学年末に実施する確認試験については、より早期に本格実施に移行できるようにすることが必要である。

2 試験の難易度や出題範囲に関する論点

  • 試験の難易度については、平成25年の中教審WGで検討した基本設計の内容を踏襲し、
    • 未修者1年次学生については、基本的学修内容に係る「知識」や「法的思考力」の修得の確認
    • 2年次学生については、2年次までの学修を通じて得られる「知識」や、それを活用して課題を発見、分析、解決するために必要な「法的思考力」の修得の確認
    が可能になるようなものとしてはどうか。
  • 上記を踏まえ、1年次と2年次の試験内容について以下どちらの手法を採用するのが適切か。
    • 出題範囲及び試験問題を共通とし、到達度の目標を分けて判定
    • 出題範囲を共通とするが、難易度の異なる試験を別途設定してそれぞれの到達度を判定
  • 将来的には司法試験短答式試験の免除も想定されていることに鑑み、司法試験との難易度の差異について考慮することが必要と考えるか。

検討の視点

  • 確認試験は法科大学院教育を充実させる観点から考えられるべきものであり、1年次修了・2年次修了それぞれの時点で全ての法科大学院生が身に付けておくべき出題水準を設定することとしてはどうか。
  • その際、過度に難しい試験を実施すると、学生が確認試験に合格するための対策を行う可能性があることから、平均的な層の学生が7割程度得点できるような難易度に設定することが必要ではないか。
  • 将来的な本格実施までには、「法科大学院が共通して進級判定に活用する」試験範囲を定める必要があるが、ひとまず今年度は全範囲から出題することとし、法科大学院別の正答率の差異などを参考に改めて試験範囲を検証することとしてはどうか。
  • 1年次修了時点と2年次修了時点で問われる到達水準に質的な差異が存在するのであれば、受験年次毎に別個の試験を課すことも考えられるが、問うべき内容の質に本質的な差異がないのであれば、合格ラインの設定を変更することにより到達水準を判定しても良いのではないか。
  • 将来的な司法試験短答式試験の免除を想定することも必要であるが、確認試験は短答式試験の前倒しではないことから、難易度や出題範囲は法科大学院教育の視点から決定することが肝要ではないか。
  • 試験結果の精緻な分析が可能となるよう、個人情報の取得が可能となるような確認試験の実施体制を構築することが必要ではないか。

3 試験方式に関する論点

  • 昨年度に引き続き、マークシート方式で実施することとしてはどうか。

検討の視点

  • マークシートによる解答方式においても、基本的な知識や思考力を確認することは十分に可能であるが、発展的・応用的な思考能力の確認については、問題作成の工夫のみで十分な確認が可能となるかは未知数であると考えられる。
  • ひとまず今年度については、マークシート方式を継続することとし、確認試験で問うべき能力水準の判定が可能かどうか、難易度や出題範囲とセットで検証を行うこととしてはどうか。
  • また、CBT形式については、問題作成量が膨大となり負担が相当に増加すること、かかる経費と収入の関係等問題が多いことから、今年度の試行試験の検証及び将来的な運営主体の在り方と併せて検討することとしてはどうか。

4 試験結果の活用方法に関する論点

  • 試験実施後に学生一人一人が、その後の学修に活かせるようにするための情報発信(出題趣旨や解説の公表、誤答傾向の指摘、今後の学修指針の作成等)を行うべきではないか。

検討の視点

  • 確認試験の主たる目的は基本的な知識・思考力の確認であり、過度に難解な試験とするのでなければ、特段の解説の作成は不要であるとも考えられる。
  • しかしながら、受験した学生がその後の学修活動を行うにあたって最も適切な対応を検討することが必要であり、その観点からは、出題趣旨や背景、問題の解説、誤答傾向の指摘等について、全国レベルにおける得点分布等とともに発信することが必要ではないか。

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