平成22年3月23日(火曜日)15時~16時
文部科学省東館 3階 3F1特別会議室
(委員) 荻上紘一 (専門委員) 川嶋太津夫、平松一夫、松﨑佳子、水野勝文、山﨑正宏の各専門委員
(文部科学省)澤川専門教育課長、浅野専門職大学院室長、榎本高等教育政策室長 他
(1)事務局より配布資料の確認等を行った。
(2)議事内容は以下のとおり。
○ 事務局から、配布資料の説明を行った。
【荻上座長】
本日がこのWG最後の回となっており、できる限りこの場でご意見をいただきたい。
【川嶋委員】
4ページの「高度専門職業人には、技術的な訓練を受けたスペシャリストと、基礎的なものをベースに応用力を身に付けたプロフェッショナルとがあり、プロフェッショナルの育成を担う専門職大学院においては、両者を明確に区別して考える必要がある。」という箇所は、専門職大学院で養成するのは、後者のプロフェッショナルであり、スペシャリストは対象にならないということか。
【浅野室長】
これまでのWGの議論では、そこが明確にされていなかったためこのような書きぶりになっている。議論の中では、プロフェッショナルとスペシャリストは分けて考えるべきだというご意見はあったが、どちらを専門職大学院でやるのかというご意見はなかったので、本日ご議論を深めていただきたい。
【荻上座長】
「プロフェッショナルの育成を担う専門職大学院においては」のところは、「専門職大学院の役割が、プロフェッショナルの育成」と読むのか、それとも「専門職大学院にもいろいろあって、プロフェッショナルの育成を行う専門職大学院においては」と読むのか、どちらにも読める。
【川嶋委員】
私の考えから言うと、3ページに専門職(プロフェッション)と書いてあり、内容的にも、専門職大学院(プロフェッショナルスクール)で育成されるのは、いわゆるプロフェッションである。プロフェッションの育成を担うのが専門職大学院で、さらにスペシャリストまでも専門職大学院で育成してよいとなると、極めて多様で細かな職種まで専門職大学院の対象になりかねない。そして、それは現実にもそうなっており、そこは、明確にした方がよいのではないか。
【荻上座長】
確かに読みようによっては解釈がわかれる文章。専門職大学院は、プロフェッショナルの育成が目的であれば、そのように明確に書いた方がよい。
【平松委員】
「技術的な訓練を受けた」という箇所に力点があったように思う。プロフェッショナルはスペシャリストではないのかと言われたら、スペシャリストでもあるし、用語が誤解を生むのかなと思う。プロフェッションの中にはスペシャリストの部分もあると思うので、スペシャリストという言葉を変えた方がよいかもしれない。例えば、会計の世界では、イギリスには、プロフェッショナル・アカウンタントとアカウンティング・テクニシャンがある。単にプロフェッションというのは、明らかに高度専門職業人であるが、テクニシャンというと、記帳技術等を専門とするスペシャリストをいう。ここの日本語で言うカタカナのスペシャリストは、プロフェッショナルを含んでしまう。書きぶりをどのように変えたらいいのか提案できていないが、表現を変えた方がよいとは思う。
【荻上座長】
ここで言いたいことは、養成する人材が不明確な状態で専門職大学院を運営していくのは、望ましくないということ。
【川嶋委員】
スペシャリストとプロフェッショナルを区別してどうなるのか。区別して、専門職大学院を分化させるのか、それとも、それぞれ専門職大学院がどちらを主として人材を育成するのかを明確にするのか。
【荻上座長】
文章の読み方というより、内容に関して明確になっていなかったとのことであり、この場でさらにご意見をいただきたい。
【川嶋委員】
専門職大学院は、単に技術的訓練を行うのではなく、例え高度なものであっても技術的訓練のみのものは、専門職大学院としてはふさわしくない。
【平松委員】
例えば、「専門職大学院は、単に技術的な訓練を受けたスペシャリストの育成にとどまらず、プロフェッショナルを育成する」という表現はどうか。これは、上手く言わないとスペシャリストを軽蔑する言い方になるので難しいが、「専門職大学院の役割は、技術的な訓練を受けたスペシャリストを養成するのではない。」というニュアンスにすればよいかと思う。
【川嶋委員】
「技術的な訓練にとどまらず」か「技術的な訓練のみならず」という表現がよい。
【松﨑委員】
スペシャリストとプロフェッショナルを対比させて考えるメリットがないという気がしている。技術的な訓練だけでなく基礎的なものの上に応用力を身に付けたプロフェッショナルを目指しているという、スペシャリストの文言を除いた書き方の方がよいのかなと思う。
【荻上座長】
考え方としては、専門職大学院は、単に技術的な訓練をするという場ではないということであり、スペシャリストとプロフェッショナルを対立する概念とするとわかりにくくなる。
【水野委員】
私の理解では、専門職大学院と専門学校という議論から出てきた文章と記憶している。我々の場合も、スペシャリストであり、かつ、応用力をもって全体をアドバイスできる者がプロフェッショナルという認識がある。この文章は、「プロフェッショナルの育成を担うべき専門職大学院」という意味合いで受けとっていたので、修正としては、今の議論の方向性でよろしいと思う。
【荻上座長】
この議論を通じて、専門職大学院とはどのようにあるべきかということに関する理解にズレはないように整理されたと思うので、そのような主旨が明確になる表現に改めたい。具体的な文章は、私にお任せいただきたい。
【川嶋委員】
16ページ2つ目の○の評価機関が○○機関は、最終的には、数字が入るのか。
【浅野室長】
ここには認証評価機関の数を記入することになるが、現在、4機関が認証評価機関としての申請中であり、今後、認証された際にはこれを加えて記載することになるため、現時点ではこのような表現にしている。
【荻上座長】
15ページの「多くの分野(○○専攻)」も、数字が入って、何々専攻となるのか。
【小代補佐】
これも、さきほどの認証評価機関が認証された場合は、対象となる専攻と分野が増えるため、その時点で対象となる専攻数を記載することになる。
【荻上座長】
専攻という数え方は、これでよいのか。
【浅野室長】
現在、専攻数全体の9割以上に対応する認証評価機関が設立され、設立されていないのは一分野一専攻というものが多い状況である。ここでは、全体の専攻数のほとんどに対応する認証評価機関が設立されているということを強調する表現として記述した。しかし、表現について検討したい。
【川嶋委員】
13ページの現状のマル3について、「教員が研究活動による教育資源の蓄積を行うための環境がなくなり、教員の養成機能やモチベーションが低下する懸念や、サバティカルの対象としての魅力が低下するため教員の流動性が阻害されることなどにより、国際競争力の低下に繋がる恐れがある」とあるが、専門職大学院専任であれば、サバティカルの機会がなく、後期課程を担当していれば、サバティカルの機会があるということは、現実の実態では言えない。要するに教員組織に余裕がないということではないか。このようにここで記載するのは、奇異に感じる。
【荻上座長】
文章を「低下する懸念や、教員の流動性が阻害されることなどにより、国際競争力の低下に繋がる恐れがある」と改めてはどうか。
【松﨑委員】
1ページの最後の文章「必要な支援が実施されることが期待される。」という表現について、「期待される」というのは「必要である」ということなのか、対応が必要だということが求められているのであれば「支援が実施されることが必要である」とした方がよいのではないか。
【川嶋委員】
同様の段落で、「これに限定されない適切な対応」と言われると、このWGでの議論はなんだったのかと思ってしまう。
【荻上座長】
ここで記載する現状や検討課題は例示であり、専門職大学院はこれだけやればよいということではない、という趣旨の文章かと思うが、誤解のない表現に改めるようにしたい。
【平松委員】
先ほどの議論だが「適切な対応とそれに対する支援が求められる。」と言い回しを簡潔にしてしまった方がよいのではないか。
【川嶋委員】
5ページの国際会計基準について、他は、国際会計教育基準となっているが、ここはこのような記載でよいのか。
【平松委員】
このページでは、今問題となっている国際会計基準でよいが、他の部分は教育について問題となっているので国際会計教育基準としている。
【荻上座長】
教育を入れる箇所と入れなくてよい箇所があり、使い分けをするようにというご指摘が前回出たところ。
【平松委員】
これについては、大学のカリキュラム全体は国際会計基準が関係し、個々の授業で教える中身は国際会計教育基準が関係してくるので、前回のWGでは、5ページのところには、国際会計基準のみでよいとしたところであるが、さらに国際会計教育基準を入れてもよいかもしれない。
【荻上座長】
国際会計基準及び国際会計教育基準としてもよいと言うことか。
【山﨑委員】
専門職大学院をつくったときの考え方に立ち返って、今こういう問題があってこういうことを検討すべきだということが、わかりやすく書かれていた方がよいのではないか。単なる技術を持った人間ではなく、リーダーとなりうるような高度な職業人を養成していくんだということで、カリキュラムや教材などの教育の中身をグローバルに通用するものに見直していく必要がある。ここが問題だとはっきり書いてもよいのではないか。
【浅野室長】
ご指摘の主旨は、4ページの1つ目の○の「専門職大学院制度は、日本社会をリードする知見と応用力を有する専門職を養成することを目的として創設されたものであり、そのような理念にしっかりと立ち返る必要がある。」を受けて、「現在の専門職大学院は、本来の機能・役割を果たしているのか見つめ直す必要がある」という趣旨の文章が書かれていないので、そのような趣旨の文章を盛り込んだ方がよいというお話と理解した。
【荻上座長】
よろしければ、時間となるのでこのあたりで終了したい。
本日のご意見への対応については、座長一任とさせていただきたい。また、修正した資料については、後日、委員の皆様にメールで連絡させていただくこととしたい。
それでは、今後のこの報告書の扱いについて、事務局より説明をしてください。
【浅野室長】
皆様にまとめていただいた報告書は、今後、大学院部会に報告して答申をまとめていくとともに、次期の大学院教育振興施策要綱の作成に活用していくことになる。いずれにしても、最終的には、他のWGの状況をみながらまとめていくことになるが、その過程においては、座長を中心に、他の委員の皆様にもご協力をいただく場合もあるかと思うので、その際は、よろしくお願いしたい。
推進係
電話番号:電話番号:電話番号:03-5253-4111(内線2497)
Copyright (C) Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology