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大学院部会 専門職学位課程ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

平成22年3月10日(水曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省東館 3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 専門職大学院の在り方に関する検証・検討について
  2. その他

4.出席者

委員

(委員) 荻上紘一
(臨時委員) 佐藤弘毅
(専門委員) 伊丹敬之、樋口美雄、平松一夫、松﨑佳子、水野勝文、山﨑正宏各専門委員

文部科学省

加藤高等教育局審議官、澤川専門教育課長、浅野専門職大学院室長 他

5.議事録

(1)事務局より配布資料の確認等を行った。
(2)議事内容は以下のとおり。

○事務局から、配布資料の説明を行った。

【荻上座長】
お手元の資料は、当WGにおける報告書の原形となるが、体裁については、他のWGと並びをとることになる。今日議論したことを最大限に生かしていきたい。

【樋口委員】
人社系WGでも定員割れについて議論しており、定員をオーバーしていれば問題であるが、定員割れをしていたらどのような問題があるのかという点が課題としてあがっている。専門職学位課程WGでは、定員割れが問題であるということが前提であるが、どう考えればよいか。

【浅野室長】
定員の問題については、定員未充足のすべてが問題というわけではなく、開設以来一度も定員を満たしたことがないような状況について問題認識を持っている。必ずしも、定員を埋めればいいということではないが、定員を設定している限り、このような定員未充足が続くようであれば、本来あるべき定員の適正化を検討すべきではないかと考えている。

【樋口委員】
定員とは何かという問題であり、オーバーしていたら教員が不足してサービスの低下を招く問題があるが、定員割れの場合、過剰サービスになることも考えられる。まして、学生は過去の入学者数の実績をみて入学してくるのであり、実人員にあわせて、定員を削減することが必要なのか。

【澤川課長】
定員というのは、産業界等のニーズも踏まえた上で設定されるのが望ましい。定員を割っているから即悪だということではなく、人材育成について何らかの問題があるという一つの証しだと思われ、定員未充足の問題については深刻に捉えるべきではないか。

【浅野室長】
補足させていただくと、入学者数については約38パーセントの専門職大学院でしか情報公開されていないので、学生にとっては、何人の入学者がいるのかわからないのが現状である。

【伊丹委員】
定員割れは、多くの場合はネガティブな現象であると考える。定員をはるかに上回る教員が過剰サービスをしているから、定員割れがユートピアであるようなケースの話は論理的にはあり得るが、現実には存在しないと思う。定員割れの場合、ディマンドに合わない供給をしているから企業の売上げが伸びないというのと同じ現象として厳しい見方をするのが正当である。どんな方法を採っても定員充足をしたら立派と言うことではなく、定員未充足をシグナルとして、質に対する社会の評価の現れとして一番シンプルに捉える指標であると考える。

【樋口委員】
学生の応募者の質が低いから結果として定員以下となった場合にも定員の数を減らすべきなのか、という議論が出てくると思うので、議論をしておいた方が良い。

【平松委員】
定員を充足していないということは、社会的な評価を受けた結果であるということ。いくつかの原因がある中で多少の定員未充足は仕方ないと思うが、かなりひどい状態で定員未充足が続く場合は社会的に問題である。私のように教員兼理事という経営者サイドにいる場合、専門職大学院はそもそも赤字であり、定員未充足の場合、経営サイドから圧力がかかり、教員サイドは定員を充足しようとして、結果的に質の低下を招くという悪循環に陥ることもあると経験上言えると思う。そのため、定員未充足の問題は、中・長期的には難しい問題を提起すると思うので、専門職大学院はややきつめの評価が必要であると認識している。

【水野委員】
学生へのヒアリング等からも、学生側のニーズに応えていないため定員未充足になっているケースが確認されており、定員未充足が何かニーズに応えていない、あるいは、何か不足するものがあるのではないかという見方で見ることによって改善することがあると思うので、定員については充足する方向で見た方が良いと現段階では思う。

【佐藤委員】
設置審査的な観点から、専門職大学院を含めて学部教育でも、大学は、認可申請の際には、認可を求めるために自発的に設置計画をたてるが、その中で、望ましい教育を行うための適正規模を設置者に十分に検討してもらっている。それが、長期にわたって充足されていないということは、先程のディマンド側のニーズを踏まえていないということを含めて、計画そのものに無理があったと考えられる。例えば、ディマンド側のニーズを含んでいない、教員側の問題や、学生の進捗状況によるかもしれないが、当然ながら設置者は、問題意識を持って定員を修正すべき。
もうひとつ、学生募集という現実的な観点から、ある定員が示されて、それに著しく到達していないということは、やはり志願者にとって問題である。定員そのものは、自発的に決められており、それに修正を加えて、大学としてきちんと対応すべきである。この意味において、定員未充足の状態が長く続き、それを放置していることは問題である。

【荻上座長】
質の高い入学者を確保するため入学者を厳選している場合、アドミッション・ポリシーで質的な面について明確に示しているのか。

【浅野室長】
入学者選抜においては、入試において一定の質の有無を厳格に審査した結果として、定員未充足になっているというケースがあるかと思うが、予(あらかじ)めそれをアドミッション・ポリシーで明確にしているということはないであろう。

【荻上座長】
数だけでなく質についてもアドミッション・ポリシーで明示している大学があればすばらしいことであると思う。

【伊丹委員】
アカデミックスクールについては、現実にこういったことが起こっている。つまり、定員とは無関係に入試の結果として何人とるということで、質を満たす人が多い年は多くとり、少ない場合は少ない人しかとらない。定員を意識して、合否基準が毎年決められているかというと、学部段階では大きく違っている。

【荻上座長】
そうであるならば、本来は、アドミッション・ポリシーに質の面に対する大学の考え方を明示すべきである。定員の数だけ書いてあって結果的に質の高い入学者を確保するため入学者を厳選しているような場合、アドミッション・ポリシーの明示の観点からすると必ずしも好ましくない。

【松﨑委員】
志願者がどれくらいいて入学者がどのくらいあるのかを明確にすべきである。志願者がそこそこしかいなく定員が満たされていないというのが一番問題である。

【平松委員】
資料2の1、4ページの国際会計基準となっているのは、国際会計教育基準と記載をお願いしたい。国際会計基準とは、企業で、会計士が適用する基準であり、国際会計教育基準は、国際会計士連盟というところが、世界の会計士協会が守らなければならない資格取得前後の教育について決めているもので、我が国もこれに振り回される恐れがある新しい分野である。

【伊丹委員】
ダブルスクールの問題は専門職大学院の本質に係(かか)わる問題であるが、ダブルスクールは望ましいというスタンスが案外正しいのではないか。例えば、一方では資格試験に通りたい、また一方では専門職大学院で得られるものに価値があると、このような2種類のディマンドを最初から持ってダブルスクールを行っている場合は、ダブルスクールは、社会の中に専門職大学院の機能と専門学校の機能が共存している例として捉えることができるのではないか。しかし、結果として起きてしまっているダブルスクールは問題である。

【荻上座長】
専門職大学院の設計の段階では、最初からダブルスクールを想定していたのか。

【平松委員】
会計の場合はそうではない。資格試験が一人歩きしている部分がある。会計では、資格を取ることだけではなく、すぐれた会計人育成をしようという崇高な理念によってはじまったが、現状としては、学生は資格試験に通りたいが、専門職大学院は資格試験だけの授業を行っている訳ではないため、結果的に必ずしもニーズに合わない科目もあり、それを承知の上でダブルスクールで資格の勉強をする。
資格に結びつく分野ではダブルスクールの問題は切実であり、必ずしも悪いと言い切れない部分がある。

【樋口委員】
ダブルスクールではないが、志望者数を増やすために試験を意識した新しいコースを設けることで人数を増やすということも現実に出てきており、これをどうするのかについては議論しておかないと健全な大学院という姿と違っていく可能性があるのではないか。

【平松委員】
会計分野の類似したケースについて会計大学院評価機構が評価した結果、そういう主旨にあわないコースを設置するのは、ふさわしくないのでやめなさいという勧告を出している。

【水野委員】
我々の資格試験の場合は、現場では問題にならない印象がある。ダブルスクールを強調して「バランス」というよりは、本来高度専門職業人養成はどうあるべきかということと、この知識があれば試験資格者として認めるということは別の次元であると考える。

【山﨑委員】
こういう人材を教育したいという目標や熱意がでてきて、各分野において日本のリーダーとなる人材を育成するということが、資料1の専門職大学院の役割・機能の中に明確に書かれていて、今議論されているような基礎知識・専門知識といったようなものが資料2の教育内容・方法の充実という中で書かれていると思うが、専門職大学院を創設したときの理念に立ち返らないとせっかく動き始めたものが、単なる技術屋を作っているだけにならないか懸念している。
MOTの分野で広聴をしていた時に、サムソンの専務が、「MOTの教育でどんな人材を作ろうとしているのか見えない。まず日本のためにこんな人間を作るのであると見せて、そのためにこんなカリキュラムでこんな教育をするんだとすべきではないか。」という意見が出ていた。今このタイミングで見直しをされているのは、最初の理念に立ち返って、ズレてきたところを修正していくものだと考えている。
リーダーとして必要な倫理観を持ち、かつグローバルな知識をもった社会人ということが最初の一番大きな意味合いだったと思う。専門家も、いわゆる専門職だけを作るとなってしまったら問題である。

【佐藤委員】
このWGが上部委員会に提出する内容にどれだけ政策提言的なことを具体的に盛り込めるのか、書き込むべきなのかよくわからないので教えて欲しい。というのは、資料1と資料2に共通するのが、設置認可申請と設置認可審査について、慎重に、あるいは厳格に行えと言及している。そうすべきだと思うが、例えば、定員割れとなっている現状以前の問題として、そもそも大学院大学の設置基準ができてないことが問題であるため、慎重な審査や厳格な審査は、事実上不可能である。このため、「大学院大学の設置基準を早急に整備すべきである」や、「設置審査規則の精緻化をはかる」であるといった何らかの絶対的な提言がないと、このままでは設置審査をやる人間は手の打ちようがないので、そのことを書き加えるべきか検討いただきたい。「設置基準の精緻化」とりわけ「大学院設置基準の精緻化」それから「審査にかかわるルールの整理」の二点を提言しても良いのではないか。

【荻上座長】
専門職大学院設置基準そのものの検討が必要であることが明確に伝わるような記述を工夫したい。我々の意図が親委員会に伝わらなければ意味がない。これから作る文章の性格について事務局から御説明ください。

【浅野室長】
このWGの報告は大学院部会に報告され、他の各WGの報告も踏まえて、大学院部会で大学院の教育について答申をまとめていくことになっている。つまり、大学院部会における議論の材料を提供するということになる。

【荻上座長】
そういう意味でも佐藤委員ご指摘の点についても明確に盛り込み、できるだけこのWGの意図が伝わる文章にした方が良い。

【伊丹委員】
博士後期課程との接続の問題をこれだけ取り上げているのは非常に良いことだと思うが、現状のところで、博士後期課程とのダブルカウントの問題を抱えている専門職大学院の数を書いた方が良いのではないか。その数は少ないかもしれないが、インパクトとしては大きい問題だと思う。

【荻上座長】
これも非常に大きな問題で、場合によっては法令の改正も必要になる。

【樋口委員】
資料2の修了者の進路について、専門職大学院で養成された人間が、社会で能力を発揮できる環境になっているのか。あるいは、会社に戻った場合、学んだものが活用できる社会になっているのかの表現が必要ではないか。
つまり、専門職大学院制度を設けることによって社会にとってどういうインパクトがあったのか。あるいは、経済学の言葉で言えば外部効果がどうだったのか。本人にどういうプラスがあれば、社会にあるいは会社にとってどういうプラスとなるのかという点を書き加える必要があると思う。

【伊丹委員】
今の点、大切な指摘だと思う。修了者の進路とキャリアという言葉を入れなければならないのではないか。キャリアという点で言うと、ヒアリングなどの議論で出てきたのは、まだキャリアとして専門職大学院の修了ということが、社会の認知を受けていないということがあった。それは、専門職大学院のクオリティーが悪いのではなく、社会の側の認知の遅れがあるという認識であったと思う。

【佐藤委員】
資料1検討課題の最後の文章は、何を言おうとしている文章なのか。

【浅野室長】
これは、専門職大学院を設置しようと検討している際に、その分野の定員充足状況が、集まっているところと集まっていない所に二極化している状況や、学内で類似した分野があり学生を取り合って学生の確保が難しいといったことが見られることから、分野の役割・機能といったことを、総合的に検討した上で明確にする必要があるということ。

【山﨑委員】
ヒアリングでこれが本当に大学院といえるのかというものがあったが、認証評価で基準に満たないものは大学の認可を取り消すといった内容をいれるべきではないか。

【荻上座長】
設置認可されているので、難しいのではないか。

【山﨑委員】
現在の認証評価は、あいまいな評価あるいは評価機関もない状態で行われ、おかしいと思っても何もできないというのはおかしいのではないか。

【澤川課長】
先生のご指摘は、ヒアリングなどを通じて浮かび上がってきた課題として、専門職大学院制度そのものに対する信頼を損ないかねない実態が一部見受けられた、という危機意識というものをしっかり書くようにということだと思うので工夫したい。

【浅野室長】
通常、認証評価で不適合との認定が出ると、文部科学省でも、法令に違反していないか調査を行い、その結果に応じて、改善勧告であったり組織の廃止命令ができる制度設計になっているが、そこまでひどいような状態になっている所は今のところない。

【山﨑委員】
品質を保つためには、厳格に行うべきである。

【荻上座長】
大学は、設置が認められた後、設置計画履行状況等調査が行われ、その中で様々な指摘を受け必要な改善を行うが、その後どうなっているのかは、認証評価でチェックするという仕組みになっている。このような質保証のシステムを厳格に適用していくべきというのは当然であり、ここでも記載されているが、さらに厳しい記述を工夫すべきということか。

【水野委員】
修了者の進路について、就職状況は現在の問題になっているのか。逆に言うと、就職状況がよくないという現状認識で良いのか。

【浅野室長】
これは、先ほどの議論にあったように、専門職大学院を修了した人たちの能力が社会的に評価されているのか。あるいは、就職はできているけれども、専門職大学院で受けた教育を生かせる仕事についているのかなどに関することについて、記述を工夫すべき点である。

【樋口委員】
報告書に書く必要はないが、先ほど定員の問題を言ったのは、職業カルテルの議論と結びつきやすいからである。日本の場合、資格を取った以上は一定の仕事と所得を保障するということであるが、海外では考えられない。社会のニーズということは出てくるが、競争をある意味では阻害するという話があるので気にしている。

【荻上座長】
本日、言い忘れたことや改めて資料を読んでみてご意見などがあれば、来週月曜日までに事務局にメールで御連絡ください。今後は、本日の議論などを踏まえ、私と事務局にて資料をとりまとめた後、委員の皆様にメールにて事前に御照会してご意見をいただき、次回WGでは最終的なまとめとしたい。

○事務局より今後の日程等について説明があった。

お問合せ先

高等教育局専門教育課専門職大学院室

推進係
電話番号:電話番号:電話番号:03-5253-4111(内線2497)

(高等教育局専門教育課専門職大学院室)

-- 登録:平成22年04月 --