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大学院部会 専門職学位課程ワーキンググループ(第1回) 議事録

1.日時

平成21年10月5日(月曜日)17時~19時

2.場所

文部科学省3階3F2特別会議室

3.議題

  1. 専門職学位課程ワーキンググループの運営について
  2. 専門職大学院の在り方に関する検証・検討について
  3. その他

4.出席者

委員

(委員) 荻上紘一委員
(専門委員) 伊丹敬之、平松一夫、松﨑佳子、水野勝文、山﨑正宏の各専門委員

文部科学省

加藤高等教育局審議官、小松高等教育局審議官、義本高等教育企画課長、藤原大学振興課長、澤川専門教育課長、榎本高等教育政策室長、今泉大学改革推進室長、浅野専門職大学院室長他

5.議事録

 事務局より平成14年及び平成17年の中央教育審議会答申、大学院教育振興施策要綱、これまでの大学院部会の審議検討の経過などについて、資料4及び参考資料1~7により説明を行った。

【荻上座長】
平成17年度に大学院答申や大学院教育振興施策要綱が策定された当時は、専門職大学院制度は発足から日も浅いため、その在り方については今後の状況を見て検討すべきとされていた経緯から、当ワーキンググループでは、施策要綱の検証ではなく、専門職大学院制度全体の検証という視点で議論していくということ。

 事務局より、本ワーキンググループの今後の進め方、専門職大学院の現状、専門職大学院の検証・検討の論点及び実態調査などについて、資料5~9により説明を行った。

【荻上座長】
検証・検討の論点や調査項目について、このようなまとめ方で良いのか、もっと別な論点も加えたらどうかという意見を遠慮なくいただきたい。

【伊丹委員】
適正規模の観点から、全体の供給量にかかわるような検討が必要ではないか。

【荻上座長】
非常に重要な論点。

【伊丹委員】
専門職大学院の役割機能の明確化については、専門学校の中にもより高度化してきたものがあることから、専門学校と専門職大学院との線引きをどのように考えるのかという観点が必要。
大学の社会における公共の役割と、その中で専門職大学院における高度専門職業人養成教育をどのような考え方で行うべきかということについて、既に認可されている専門職大学院の在り方よりも、さらに厳しい考え方で整理することが必要ではないか。
そういう論点をきっちり議論し、問題意識として持つような論点の表現があったほうが良い。

【水野委員】
知財の分野は、資格の問題が直接かかわっているが、先ほどの専門学校との違いを考えると、資格を取得するための教育というものに偏って良いのだろうか。資格という既存のスキームをクリアすることと、専門職大学院の目的である高度専門職業人養成のための教育とは違うのではないか。

【平松委員】
会計大学院も同じ問題を抱えている。優れた高度専門職業人を育成するとの理念に基づき、多くの専門職大学院で必修科目として取り入れている科目がある。しかし、この科目は資格試験に出題されない。これに関係するものすら出題されない。専門職大学院の理念としては正しいことを行っているが、資格取得の面では厳しい。このことは、関係団体全体で国際的動向等を踏まえて制度設計をしないと、専門職大学院だけが高い理念を掲げて頑張ろうとしてもどうにもならない、深刻な問題。

【荻上座長】
これは非常に重要な問題。せっかく高らかな理念を掲げていても、資格につながらなければ仕方ないのではないかということ。
今日ここでいただくようなご意見を踏まえて、論点をもう少し細かく分けて、わかりやすく整理するなどをして、先に進めていければと思う。

【伊丹委員】
修了者の質の確保は、教育の質の向上と書くべき。入学者が良ければ修了者の質は確保できるが、しかし本当の教育の付加価値は、入ったときと出るときのプラスアルファの度合いであり、教育の質の向上という格好でむしろ問題設定したほうが良い。
教育の質を確保するための方策は単純に言えば、教員の質を高めることと、なるべく良い教材を用意することの2つ。特に教材の確保は、質を高めるために大切。
これらと深く関連するのは、教員組織の充実とも関連するが、博士課程の問題。
博士課程は、将来のティーチングスタッフの養成と、そこで行われる教育活動が教材を提供するという2つの役割を担うことから、教育の質を確保する上で重要。その意味において、専門職大学院と博士課程の在り方についても議論した方が良い。これはすべての専門職大学院に共通する課題ではないかもしれないが、世界をリードしようとしている専門職大学院には、深刻な問題。
もう一つ言いたいのは、私どもの研究科は実はダブルカウントして博士後期課程を作ったが、学部とのダブルカウントはない。実質的な問題は何もないダブルカウント教員については、その制度がなくなった途端にもめることになる。博士後期課程との教員のダブルカウントについては、実情に合った議論が必要。

【荻上座長】
ドクターコースの検討は、大きな検討課題かと思われるが、教材ということで議論をするのが良いのか。学士課程答申では、アドミッションポリシー、ディプロマポリシー、カリキュラムポリシーという3つで議論をしたが、ここで(1)がアドミッションポリシーに当たり、(2)がディプロマポリシーに当たるとすれば、その真ん中のカリキュラムポリシーは明確には書かれていないというふうにも見えるが、教材ということに絞って議論したほうが良いのか。

【小松高等教育局審議官】
今のご指摘を受けて改めて見ると、(1)はどちらかというと先生からお話のあったカリキュラムポリシーに近いところが入っているが、少し整理をしないといけない。
確かに学士課程答申的には、そのプロセスの部分等はいずれにしても必要だと思われるし、出口のところでは資格試験等との関係もある。司法試験の関係は職業独占的につくられており、弁理士試験の場合は試験の一部科目免除というような感じで、これは大学院のサイドから見て、なかなか一方的には対処できないところ。
一方、ディマンドサイドからは、試験に出ない科目についても専門家で教えてほしいというのが本来のニーズであり、このため実際は結構四苦八苦しているようなところがあるという、そのあたりを踏まえて、組み方を再検討して見ていただければと思う。

【荻上座長】
今お話があったようなことで少し整理をするということにしたい。

【山﨑委員】
科学技術の進展や社会経済のグローバル化に伴い社会的、国際的に活躍できる高等専門職業人の育成という専門職大学院の目的に関連して意見を言わせていただく。私は1986年に初めてアメリカでMOTというものを学び、世の中にこのような学問があったということを初めて知り、以降、生きていく流れにおいて、自分自身を変えてくれた学問体系というのがMOTだったと思っている。それはどういうことかというと、企業人として経営をやっていく過程において、学んでおかなければならない基礎知識というのがあり、それはもうかなり幅広く色々なことを知っておかないと、企業全体を運営していくことができない。
例えば、会計、特許、知財などはきちんとした制度があるが、経営における専門職というのはちょっと違った形の専門職ではないかと思う。どうやって専門的な知識を、あるいは専門レベルを判断するかというのは難しいところだが、私自身の理解は、やはりそこは基礎知識として教える中身ではないかと思う。
自分が期待するMOTと、その教育されている中身とは随分乖離がある。ここにお金を出して、1年間、人を出していいのかなと思いたくなるような学校もある。もちろんすばらしい学校もある。
専門職大学院の目的に、企業側からの見方を加えた場合に、教えるべき基礎知識というものは必ずあり、その辺を含めて、専門職大学院の目的にあるような中身になっているかどうかという見方をしなければいけない。

【荻上座長】
目的、理念として目指すところと、それを達成するための教育課程が必要であるということ。

【水野委員】
今ご指摘のところで熱意のあるお話がありましたが、知財の場合もビジネス・MOTとコラボレーションができないと結果が出ない。
知財とビジネス・MOTは、実は非常に近接した、基礎的には両方とも通科目があってもいいような分野だと認識しており、今のお話に賛同するところがある。
また、知財分野は学問的にも国際的に通用する研究が必要な部分があり、博士課程があることによってその部分がカバーされることも考えられる。先ほどの博士課程の問題、それから今のMOTの話は、知財の関係についても同じような認識を持っている。

【平松委員】
まず一つは教材の問題。これがいかにできているかというのは重要であり、質問事項の中に、どのように教材を開発していくかについての項目を加えたら、他の大学にとっても参考になるのではないか。
それから、教育課程の博士課程の話。私の大学ではビジネススクールとアカウンティングスクールをつくったが、学費をかなり高く設定しても赤字になる。だからと言って、ダブルカウントをあまりすると教育の質が落ちるというので無理をしたところもあり、その上に、まだドクターコースを作ろうとした。これは研究者として当然だし、専門職学位課程での教育を質的に維持するためにも大事なことで、それを学校法人に提案したところ、まずそもそも今のビジネス・アカウンティングは赤字じゃないかと一度は却下された。
しかし、「そんなことはない。今現在いる学生たちにアンケートをとると進学の意欲は高い。」と粘り設置し、実際にふたを開けてみると、例えば商学研究科よりも、新しく作ったビジネススクールの上にあるドクターコースの方が受験生は多い。非常に意欲的な実務科目を含めて学んだことで、さらにドクターコースで自分の経験を学問的に体系化するという、ドクターコースに行く目的意識もはっきりしており、非常に良かったと現時点では思っている。

【小松審議官】
事務方として興味があることで、ディマンドサイドと書いているが、ディマンドサイドとは何かということが、そう簡単には言えないのかもしれないと思っている。例えば資格試験のあるところでも、必ずしも全員がその資格試験を受けられるかどうかはわからないし、ビジネススクールは特に資格があるわけではない。法科大学院ですら司法試験に必ずしも全員が行くわけではなく、企業に行くということもあり、そのあたり、どのようなイメージかということは、結構人により違うのかもしれないなと思っている。その辺について何かお考えやこの辺は悩ましいということがあれば教えてほしい。

【伊丹委員】
私どもの研究科は、知的財産に関する専攻とMOT専攻と2つあるが、一方には資格試験があり、一方には資格試験がないというのが混在している。それを見てみると実に面白いディマンドの問題があって、受験する人のディマンドと、卒業した人を受け入れる社会のディマンドとが違う。受験する人は、どこか安全帯が欲しいから、資格のあるもの、資格につながりそうなものに魅力を感じている。私どもの知的財産専攻の受験者の6割以上が、入学志望理由のどこかに、弁理士試験を受けたいとか、それもできるとか、何かそういうルートも許されているとか、受けたいからと許されているからでは幅があるが、何らかの形で書いている。MOT分野ではそういうことは一切ない。
ディマンドというか、社会のニーズというものが、受験者のニーズなのか、修了した人を受け入れる社会のニーズなのか、両方考えてあげる必要がある。

【平松委員】
資格というのは一つの魅力で、私どもは経営戦略研究科という専門職大学院の中にビジネススクールとアカウンティングスクールが両方あり、資格のないビジネススクールよりも資格のあるアカウンティングスクールの学費を高く設定している。
今、小松さんがお尋ねのように、いわゆる卒業後のディマンドサイドのことで申しますと、国の政策もあって、公認会計試験というのは、以前は5%ぐらいの合格率で厳しかったものが、現在は15%を超え、大勢の合格者が出るようになって就職難になってしまった。
そういう意味では、ディマンドサイドにも働きかける必要があるし、国の政策としてももう少し考えないといけない。
また、卒業後の進路としての企業、自治体、監査法人を含めたディマンドサイドの意見も参考にすると同時に、実際に勉強している人たちがどう思っているかという意味での学生サイドの意見や、教員にもうまく聞く方法があればと思う。

【松﨑委員】
私どもの臨床心理学は非常に特徴がある。大半の学生が日本臨床心理士資格認定協会の試験を受けるという形になっており、大学卒、新卒の学生が多い。それと、専門職大学院だけではなくて、認定協会が指定する指定大学院という制度のもと、非常にたくさんの臨床心理士を養成しているという関係があって、質をどう高めていくのかが課題。
特に実務を重視した、高度で実務的な教育がどのくらいきちんとできているかというところでの、専門職大学院の質をどう保証していけるのか、そこが一番大きい課題。

【山崎委員】
私どもは管理者として上に上がっていけそうだなと思われた人間を選別して、MOT・ビジネススクールで勉強させている。ディマンドというのは何かといったら、企業側もそれを学ばせたい、学ぶ人も、行けば当然何かがあるという、その価値が認識されるようなやり方が一番よい。
そういう意味で、私どもの場合はどういうことをやってほしいかというカリキュラムを自分のところで認定して、それに従って教育してもらうようなところを選んで人を派遣している。

【水野委員】
先ほどの資格との関係に関わるが、授業形態のところのデータを見ると、知財は講義形式が非常に多い分野となっている。これは現場の感覚からすると意外で、結局、今我々が必要なのは現場力、しかもグローバルな現場力、課題への対処法等であり、座学が試験に受かるための知識、理解の中心になっていないか心配。我々は資格を取ってから、かなり実務教育をしている。会社の中で知財分野のこと、マネジメントのこと、共同して戦略を組めることなど。

【伊丹委員】
今おっしゃった資格を取った後でやる教育、それは恐らく資格を求める分野の教育であり、高度職業人教育と違うのだろうと思う。
したがって、例えば今の知財の例で言えば、弁理士試験を目指すという方たちもたくさんいる専攻と、弁理士試験を通った人がいる専攻というのが2つあって良い。それを両方とも全く一つの知財分野での一つの専攻を認めようとすると、受ける側のニーズが、言ってみれば二極分化するわけで、一つの専攻としては、分裂に陥る。結局、どちらかに重点を置いたほうがはっきりして良いという気がする。

【水野委員】
その点はよくわかる。

【伊丹委員】
資格の問題をどのように考え、それぞれの大学院がどのようなカリキュラムをつくるかというのは、かなりベーシックな、大学としての性格を決める基本的なポイント。

【荻上座長】
今後は本日の意見を整理し、それに基づいて調査をして、それに基づいて議論を進めていく。

 事務局より今後の日程等について説明があった。

お問合せ先

高等教育局専門教育課専門職大学院室

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電話番号:03-5253-4111(内線2497)

(高等教育局専門教育課専門職大学院室)

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