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大学院部会 医療系ワーキンググループ(第3回) 議事録

1.日時

平成22年3月26日(金曜日)14時~16時

2.場所

文部科学省東館16F3特別会議室

3.議題

  1. 「新時代の大学院教育(平成17年答申)」の検証について
  2. その他

4.出席者

委員

(委員)菱沼典子
(専門委員)桐野高明(座長)、古谷野潔、福田康一郎、古市喜義

文部科学省

小松高等教育局審議官、加藤高等教育局審議官、新木医学教育課長、義本高等教育企画課長、樋口医学教育課課長補佐 他

5.議事録

○事務局より資料1-1、資料1-2及び資料2の説明があった。

【桐野座長】 

  本日の会議は、長野先生が今日はおいでになれないということを伺いました。したがって、ちょっと本日はご欠席の先生も多いんですが、これまでの検証の結果につきまして、ワーキンググループとして取りまとめて報告をしなければいけないんですが、大学院部会の報告の時期は4月末と聞いておりましたけれども、もうちょっと後になるかもしれないということでございます。

 当分科会のワーキングとしましては、一応の素案という形でまとまっておりますので、それについてご検討いただいて、もう少し磨いていただきたいというふうに思います。

 まず、最初に配付資料の確認、それから資料1の報告の素案について、事務局のほうからご説明をお願いしたいというふうに思います。

 それでは、資料1に従って議論をお願いしたいと思います。

 素案は前半と後半に分かれておりまして、前半が3ページまで、後半が別紙と書いてあるところ以降になりますけれども、まず前半部分についてご意見がありましたら、お願いをしたいと思います。いかがでしょうか。

【樋口医学教育課課長補佐】

 補足で、申し上げ忘れたところがございます。

 本日ここに付させていただいた資料につきましては、事前に先生方のほうに、前日にはなってしまいましたが、送らせていただきました。

 先ほど、本日ご欠席という連絡をいただいている長野先生からは、拝見させていただいた上で、特段問題点はございませんでしたという意見がございました。

 他方、本日、同じく事前にご欠席をちょうだいしております森田先生からはコメントをちょうだいしております。コメントをちょうだいした部分は、前半部分ではなく、後半の7ページのところ、○4といたしまして、単位の実質化と厳格な成績評価という項目につきましては、若干その表現が、私どもの表現が皆さんで修正されている点がございまして、そこのところを若干ご紹介させていただきますと、単位の実質化と厳格な評価、この行は「大学院答申を受け」という文章から始まる部分でございまして、その後、6行進みますと、「共有するポートフォリオを用い多くの教員が関わる指導の推移を把握し指導の充実を目指す取組も見られた。」というところ以降でございますが、以降、改行した上で、「しかし」以降の文章を変えていただきたいということで、読ませていただきますと、「しかし、人材養成目的や知識・技能の修得目標の理解に教員間で差があることもあり、成績評価基準の明示はされているものの、実際の単位認定の基準にばらつきがあり、また、学部教育と比べると単位の実質化の取組が形骸化しているケースが認められる。」と。また、改行の上、「また、診療等の日常業務を担う」というところから始まるわけですが、そこの終わり近くのところ、最後、「定められた講義の出席が適切に管理されていないなどの指摘もあった。」というところは、「講義の出席に関する適切な管理の観点から課題が残る。」という表現に修正されたいというようなご意見があると。

 すべてを網羅したご意見ではないのかもしれませんが、取り急ぎ、一応ご紹介しました。

【桐野座長】

 森田先生からのコメントが以上のとおりにあったということですが、全体的にいかがでしょうか。

 前半に、まず絞っていただきたいんですが、ちょっと私の感じたのは、やっぱりこういう審議会などで出てくる文章は、どうしてもいろんな制約があるのか、よくわからないんですけれども、全体として大学院教育がいい方向に向かっているか、問題があるのか、よくわからないんですよね。問題は多々あるけれども、全体としては上っているということなのか、相当問題があるのかというのはよくわからないんですが、私自身は、やっぱり国の大学に対する資金投下がだんだん細くなっている段階で、この大学院教育が全体としてよくなりつつあるという印象があまりないものですから、全体としてちょっと危機感が足りないんじゃないかという感じがします。

 特に、研究者の養成要件については、研究者の養成については、相当危機的で、僕はもうちょっとそこのところを書いたほうが、やはりいいんじゃないかという気がします。それはなぜかと言われても、一言ではわからないけれども、特に私が知っているのは医学系だけなんですけれども、医学系の基礎の研究者の養成をこのまま座視していていいのかなという。明らかによくないんですよ。そこは、どう書き込むかはなかなか難しいとは思いますけれども、ちょっと文章に工夫をしていただきまして、これまでもいろんな先生が、少し表現は、いろいろな表現の仕方があったとは思うけれども、それなりに少しそういう問題があるということはご指摘されておられたように思うし、いかがでしょうかね。

 それから、薬学系については、今後、大きく大学院のあり方が変わってきて、何か二列になるのか二列でないのか、よくわからないですけれども、やはりやり方によっては相当難しいことになるように思います。

 私はコメントで、定員問題についてどう考えるのか、少し検討するべきだと書いたんですが、これは文部科学省としてはやりにくいのかどうかわからないですけれども、やはり理工系でのポスドク問題なども、定員問題をナチュラルコントロールにゆだねているわけですよね。これは国の基本的な方針が、厳しい定員管理をするというのではなくて、各大学の自由にゆだねているというところがあって、言うのは難しいのかもしれないですけれども、そこのところがちょっと気になります。そこはちょっと私のもうごく個人的な意見ですけれども、もうちょっと危機感を漂わせたほうが適切じゃないかと思うんですが、何かどうでしょう。

【菱沼委員】

 危機感かどうかはわからないですけれども、私も昨日拝見して、インパクトがあんまりないなと。どこに予算をつけていったらいいのかという主張に結びつくような書き方がもうちょっとあってもいいのかなという気はしました。

 これを拝見すると、あとどこに国の予算を回してもらいたいとこれから言うのかというところはどうなんでしょうか。

【樋口医学教育課課長補佐】

 実は、先ほど定員のお話、大学院の規模のお話もございました。今回の現状の大きなミッションの中で言いますと、大学院部会全体の中では、今、何をしなければならないかといいますと、ご主張のとおりでございまして、やらなきゃいけないミッションは、5年前に大学院答申というものを出しました。それを機に、グローバルCOEを初めとする競争的資金をつけて、かつ大学院振興施策要綱という5年計画をつくって、大学院教育の改革というものを進めてきたわけです。その期限が来年度いっぱいで切れますので、次の振興施策要綱を踏まえる形になるのかということも含めて、ここの次のバージョンアップを図っていくための作業をしているというのが大きなミッションになっております。

 その中で、5年前にこの答申を出したことが、この5年間、どう動いてきたのかということをまず検証した上で、今後検討していきましょうという、この検証作業を今このタイミングで行っておりまして、今後、ご指摘のように、当然どこにどういうふうなストレスを込めてやっていくのかということを密に議論していかなきゃいけませんし、規模の話もその中で議題に入ってくるだろうというふうに思いますが、そういう流れがございまして、そういう流れをかたくなに守った結果としてこういう書き方になったということになってしまっておりますことは、ちょっと申しわけなく思っている次第でございます。

 菱沼先生からのご指摘の件ではございますけれども、これは一度、やはり本日、この議論の中で、どういったところに力点を置くべきかというようなご指摘もちょうだいしつつ、これはまず3つの各ワーキングがございまして、そのワーキング全体の調整を踏まえていかなければいけませんので、その点は今日はちょっと、先生方それぞれに今の段階で少しご意見を賜って、そして全体の調整も含めてこの書き方をどうするかと、我々事務局としても座長と相談しつつ、検討していきたいと思います。

【桐野座長】

 今、菱沼先生が言われたテーマは、この最初のところの8つの項目の5番と6番には関係すると思うんですけれども、5番では学生の生活が安定できる程度の支援が必要じゃないかということ、6番では基盤的経費を確実に措置するとともに、競争的資金の充実が不可欠ということで、言ってみれば総花的に書いてあって、全体的にぼーっと書いてあるというので、これじゃちょっとわかりにくいと言われれば、わかりにくいですね。しかし、具体的にどうしようというのもなかなか難しいんですが。

 今、樋口さんが言われたように、この文章の目的は、新時代の大学院教育の検証結果について意見を言うというところにあるんだろうと思うんですが、検証結果としては、ここに書いてございますように、全体としては、大学院答申の線に沿って、各大学とも努力しておられる面があるけれども、かなり十分でないところもあるというような、そんなまとめ方ですよね。

【福田委員】

 今のお話を聞いて、現段階でこの程度で仕方がないかなという感じもいたします。全分野を概観してみると、諸外国と比べた実情等を分析して、量的拡大の必要性が指摘され、大学院学生数の増大となりました。しかし、ただ入学定員数だけがどんどん増え、大学院の増設もありました。この大学院答申が出たときに、それだけやってもあまり意味がないとの議論がありました。要するに今度は質の改善に結びつけることが大前提となりました。医療系の場合に一番問題になるのは、専門職業人としての資格の取得ということと大学院教育が密接に関連あるいは、セットになっていることです。そのプロセスは、よその国に比べて少し違うところがあり、また、同じところもあるかもしれません。それから大学院教育そのものが発展段階の分野もあって、非常に難しい。だから、それをどのように記載するかというのは多分難しいかもしれない。おまけに、GP事業が出始めたときは資金的にも余裕があった時代ですが、ここへ来てかなり状況が悪い。政権交代もあった。それらが絡み合って何ともはっきりしない状況になってしまっている。

 振興施策要綱を新たにつくり直すように、今後何年間か、数年単位で、このような提言をもとにして施策を作る必要があると思います。多分桐野先生がおっしゃったように、その辺のところで次の施策に向かう指針があったらいいというお話をお聞きして、これだけでは物足りないなとおっしゃるのはよくわかります。経済状態も悪いし、仕分けの場面を見ていても厳しいです。縮減などは、やらないと言っているのと同じです。そこで相当インパクトのあるものにどのように持っていけるか、かなり工夫する必要があり、悩ましいところです。ほかの分野はいかがでしょうか。

【樋口医学教育課課長補佐】

 実はこの書き方、多少ワーキングによってスタイルは若干異なりますけれども、基本的には同じようなスタイルです。我々のほうが、どちらかというと、少しそういう資格とか職業とかという要素が非常に強いので、かなり臨床研究とか、そういう細かい領域のところにまで立ち入った報告にはなっているんです。

 ほかのワーキングのことを申し上げるのも何かもしれませんが、基本スタイルは、やはり5年前の大学院答申、新時代の大学院教育というものがその後どうなっているのかということですので、基本スタイルは、大学院、コースワークの充実とか人材養成の目的だとか、さまざまな項目に沿って書いています。

 ただ、その中で基本になってくること、一番大きなポイントは、人社系、理工系については、やはりキャリアパスが十分には、大学院の側からすると把握できていない。社会の側からするとニーズにマッチしていない。この辺のところについて、やはり集中的にこの点を議論すべきだというのが、資料に対して、委員の先生方が非常に議論になったというのは、やはりあります。

 その中で、現状認識はどうだ、ここはやっぱり真っ二つに分かれまして、いや、大学院はこれだけの厳しい状況の中で一生懸命頑張っているんだから、そこはきちっと評価してあげないとかわいそうだよという意見と、いや、そうはいっても、やはり求められるところまでに到達していないんだから、やはりここは厳しく書かなきゃいけないという、この辺は、ほかのワーキングを見ていても、それぞれの先生方のスタンス、かなり大きく両極端に分かれているなという印象を持っております。

【古市委員】

 大学院答申が出てから、各大学、どういう取り組みを行っているかというのをこの間のアンケートで見させていただくと、各大学でいろいろ取り組んでいるんだけれども、その格差というか、その取り組みの度合いが非常にばらばらだなというのが、これを見ていて感じるんですね。

 だとすると、やはりもっと底上げできるような、基本的な政策というのがまずあって、その上で、各大学の特徴を生かした施策を、出していくというんだったらいいんですけれども、何か基盤となるところが非常にまちまちだなという印象を強く持ったんですね。そういう意味で、基盤になるような施策をこの具体的な答申として打ち出されれば、もっと各大学が取り組みやすいんじゃないかなというふうに、ちょっと私は感じられました。

【古谷野委員】

 私も今の点は同感です。ヒアリングとか各個別調査の結果を見ても、GPを積極的にとって、積極的に改組して取り組んでいる大学院と、応募もしないという大学院とがあって、取り組みに大きな乖離があると感じています。おっしゃるように、各大学院の取り組みの底上げをやるには競争的資金だけでなく、それをもっとプロモートするような仕組みが要るのではないかということを、調査の時点で感じておりました。

 もう一点、申し上げたいことがあります。大きな視点から見ますと、今回、17年の答申の検証ということですけれども、17年の答申で、研究者と高度職能人といった人材要請目的の明確化や教育の実質化などについて幾つかのことが盛られました。大学院間で一定の落差はあるにしろ、改善する方向に向かって各大学院がある程度努力をしてきたということは間違いないんだろうと思います。

 一方、改善への取り組みの熱意に差があるのは、医療系については17年以降に、医学系と歯学系では研修医制度の導入、薬学系では6年制の導入、そして看護系では急激なエキスパンジョンといった大学院を取り巻く環境の急激で大きな変化がありました。これは大学院だけではなく学部の変化も含んでいますが、同じファカルティが対応せねばならないため忙殺されてしまい、それで精いっぱいで大学院の実質化の方に力を十分に注げないといったことがあったと思います。さらに国立大学については法人化があり、大学病院の収支、経営の改善といったことがあって、研究者の業務内容が随分違った形になってきている面があります。それから桐野先生が言われたように、今医療崩壊ということで、医療現場での医師の偏在が言われていますけれども、医療系の人材が大学から外へ動いて、大学が人材不足になるということが、まだ顕在化していないけれども、長期的に見ると起こり始める可能性があると言われています。このように、この数年の間に大学を取り巻く大きな社会的な変化があったわけですが、特に医療系はすべての分野でそういうことが起こっていて、17年の答申については頑張ってやろうとしたけれども、道半ばでそういう新しい課題が出てきて、苦労している状態であろうと思います。今後は、それらの新しい課題に対する対応と17年答申に基づく大学院教育の改善をどう折り合いをつけてやっていくかということが問題になると思います。

【桐野座長】

 今のご指摘は全くそのとおりで、すごくわかりやすいので、今のニュアンスは、大体中に似たようなことは何度も出てくるんですけれども、総論的に何か今の言い方、説明の仕方はわかりやすいというか、本当にそのとおりだと思いますけれども。

【福田委員】

 今のに賛成なんですが、それはもう既に前提として書かれています。もう一回、原点に立ち返って、大学・大学院のあり方はどうあるべきかという点で、広く言えば人材育成を明確化してきた努力は記載する必要があります。ただ、それすらできないところがまだあるのも現実です。

 あと1つは、成功事例と言っていいかと思っていますが、がんプロフェッショナル養成プランは比較的によい事例です。焦点を絞ったテーマに合った事例で、しかも多職種、異職種を含み、化学療法を始め、看護の専門職種等の職種も含め、さらに放射線治療等も入っており、人材育成として比較的よかった事例です。そうなってくると、大学院に入った段階で、分野ごとに、研究者養成と専門医養成ときっちり分けてあるのはちょっと行き過ぎかなという気もして、包括的に現場の医療の向上に貢献する大学院教育の仕組みとして位置づけるほうが、社会にとってわかりやすいのではないかと思います。

 そうなりますと、書き方は難しいと思いますが、いい面としては、前回の答申があり、それから連動した大学院GPで具体化してきたといういいことははっきり書く必要があります。しかし、GPに申請できない実態はもあるのが現実です。現実は書かなければならないと思います。

【菱沼委員】

 格差が広がっているので、その底上げはまだ必要だということ、つまり17年答申に対する結果と、今、さらに医療系の大学院が抱える問題がこれだけ明らかになってきているというのは、少し区切って描く必要があると思います。17年答申に対してとプラス現状、これから考えていくのにはどうしてもこういう問題があるというのを、この中にも書いてあるんですが、もっとはっきりさせた方がいい。最初のところに、新たな研修医制度のために大学院に入ってくる学生の数の問題、その生活の問題はものすごく大きく変わっているわけですし、薬学の場合は、臨床に出る人は6年の学部教育に変わり、研究者になる人たちは4プラス5年でいくというので、17年答申当時に、目的をはっきりさせて、教育のカリキュラムをつくっていきましょうと言っていたのを越えている状況が起こっています。看護の場合ですと、今、看護系大学の数的な拡大の問題と、この調査が始まるころはまだ明確にはなっていませんでしたけれども、大学院卒業をしている看護師たちの役割拡大を明確にしましょうというような最近の動きがありますので、そうなってくると、ここで評価したことだけで看護系大学院の今後のあり方について考えるわけにはいかず、新しい動きを入れないとどうしても先に進まないなという気がします。

 ですので、調査に基づいてどうだったかなというのをはっきり言わなきゃいけないと思うんですけれども、次のステップに向けて、明確に新たな問題が出ているということを、ちゃんと言わなければならないと思うんですけれども。

【桐野座長】

 これ自体を非常に限定的に言えば、17年答申がどの程度現実に実現しつつあるかということを書くんでしょうけれども、今言われたようなことは、多分どこかに書いても全然悪くはないとは思いますけれどもね。あまりにもこの文章を拡大していくのもちょっと難しいのかもしれませんけれども。

 それと、例えば看護系などは、医療の危機、医療崩壊というような事態に直面した以降に、例えば看護のナースプラクティショナーの議論とか、そういう議論が急激に何か盛んになってきて、前からあったんですけれども、もう場合によっては近々に、大学院教育の修士の部分にそういう資格を伴うような教育を入れてくる可能性があるわけですね。そうすると、大学院における博士号、修士号、そういうようなものと、その資格の問題というのが、どうもどうするのかよくわからないという、結構難しいところなんですね、設計がね。

【福田委員】

 専門看護師の問題はどうでしょうか。

【菱沼委員】

 専門看護師は、今の段階では職能団体の認定です。でも、今まさに始まっているのは、職能団体の認定の話ではありません。

【桐野座長】

 看護師が大学教育及び大学院教育になって、そして高等教育を受けた看護師も当たり前という、後期高等教育を受けた看護師は当たり前になってきて、もう当然看護師の業務の質というのは拡大するというか、もう変わってくるわけですよね。

 やっぱりこの医療系というのは、そういう研究者の養成というのと専門的な高度な職業人を養成するというのの調和がというか、その折り合いが本当についていないなという感じがしますね。今、その過度期なのかどうかわからないんですけれども。

【桐野座長】

 何か。

 まだ時間、十分ありますから、私、ちょっと話を広げちゃって、まとまる方向じゃない方向に持っていくんじゃまずいんですけれども、少しそういう周辺的なことも言わせていただいた上でまとめていくしかないと思うんですが、今、各先生方が言われたようなことも含めてまとめていただかなければいけないんじゃないかと思いますけれども、あまりにも拡大するようなことは、ちょっと難しいかもしれませんけれども、いかがでしょうか。

【福田委員】

 大学院GP事業ですが、菱沼先生、古谷野先生からお話がありましたが、この事業で初めて大学院が教育の一端であるということに気がついたと思います。GP事業をやったおかげでみんなの目が少し変わってきているのは事実です。それは支援事業としても、非常に適切だった。ただ、全体に行き渡るほど財政的内容ではなかったのも事実です。うまくやったところと、それからそれほどでもないところの差があるというのも事実でしょう。GP事業がきっかけになり、目前に何かぶら下がるものがあると、名ばかりの大学院ではないものが実際できてくる可能性があります。

 ただ、難しいところもあり、「支援期間が終わった後は自前でやりなさい」となっています。そうすると、実はこれはその辺のところの内容が書いてあるかどうかで審査の1つの焦点にもなります。「支援を継続してくれればやる」と、はっきりそう審査部会で言われたこともあります。くれなければできない、これは現実です。大学院に専任教員がいて、それだけの予算措置がされている場合ばかりではなく、学部の教育組織の上に大学院が乗っており、片手間が多いのも現状です。その点で、新たに大学院専任の教員組織をつくるなどの議論をきちんとするということをもう少し明確にする必要があります。教育組織上教員は、学部と兼担で、他に修士1つ、それから博士1つを担当できることになっています。

【桐野座長】

 GP事業というのは、今後どうなるんでしたっけ。

【福田委員】

 とりあえず新規なしと思います。

【桐野座長】

 ああいう事業が、かなり非常に長期的な視野で続いていくというのであればいいんですけれども、あるところで、ぴょんとスパイク状にひょっと行って、また元に戻っちゃうんであれば、あとは自力でやりなさいということだけれども、自力で資金を得られるめどがない団体に対して自力でやれと言われても難しいですよね。これは、だけれどもちょっとここの話と違うけれども。

【小松高等教育局審議官】

 今の話、一般論ですけれども、GP型の事業については、基本的には、今から数年前まではあのような形での事業自体が存在しておりませんでしたので、それをつくったのは、何となく残ったというよりは、奨学金のような個人補助と運営費交付金私学助成のような機関補助の、その2つの間のどっちがいいかとか、財源で財務省と綱引きをしているという状態に対して、新しいいろんな取り組みができるような第3極をつくろうということですから、基本的には1つの重要な要素としてはずっと続いていくと思いますし、医学のことに関して言えば、ある程度焦点を定めて続いていく努力をしたいと思っております。

 去年から今年にかけてはかなり異例の状態になっておって、これはある意味で、いい悪いは今は論評いたしませんけれども、政権交代とかでやり方とかもいろいろ変わり、それから仕分けみたいなところでも、1時間くらいで膨大な種類のCOEからGPから全部一括して話をして、投票みたいなことをやって3割の減だと。実は今回、2割ぐらいしか減していないので、その分の残りの1割は急だったからできなかったけれども、今度、23年度予算ではその10%は貸しだからもらうと実際向こうは言っていますし、我々はそれはうんと言っていないんですけれども、どうしてもそれをもらうと言うんだったら、その分も別途必要なものとして、こちらは財源があるはずだからもらうというので、意見のほうは折り合っていないんですね。そういうことがここしばらくはずっと続くかもしれません。

 ですから、苦しいということは言えますけれども、基本的にはそういう手段というのは、これは必要だということになれば、それで善処していただければ、むしろそれを力にして確保していきたいというふうには思っております。

【桐野座長】

 やっぱりGP事業というのは、成功だったとか失敗だったとかいう前に、あのような資金を投入することが必要であったということは、どこかに絶対に書いておく必要があると思うんですけれどもね。もちろん、もっと基盤的に大量に資金が投入されれば随分よくなると思います。もう間違いないと思いますけれども、それがなかなか難しい以上は、どういう形であれ資金の投入をしないと、やっぱり全体的によくなるのは難しいと思いますね。

【菱沼委員】

 GPとかいろんな大型の研究費やカリキュラムの改正が入って、各大学が、その温度差はあるにしても、大学院は教育の場であるという認識はかなり広まったと私は思います。あってなきがごとしのカリキュラムではなくて、きちんとしたカリキュラムが立ててあって、そこで教育がなされるということが大分広まったと思うんですね。ですから、それは非常に効果があったと評価をしていただきたいと思っています。

 それで、先ほどおっしゃられたように、1つのカリキュラムがあって、そこできちっと教育をしていくとなったときには、そこには基盤となる人材投入が必要だというふうな書き方をしていただけないかと。体系的なカリキュラムの運用のためには、人材と予算が必要になってくるわけで、院生の数はどうしても小さいですから、そこからの収入、学費では賄えない、そこに予算をつけていくということを言っていただけないかなと思うんですけれども。

【福田委員】

 今の点に関して、6ページか7ページのところに、検証結果の中身が、一部体系的な教育組織の編成の部分が書いてあります。GP事業で見ていて、うまくいっているところというのは、専任教員を置いています。それから、非常に感心するのが、機械のたぐいが、ばらばらの研究室単位でやらないで、共通で使えるようにしています。また、今までの問題点をかなりクリアに分析している。そういうことが非常にうまくいっている事例が見られます。菱沼先生おっしゃったように、成果として、大学院教育を実質化するためには、やはり専任のカリキュラムの整備とそれを担う教員と、それからその設備を配した配置等を責任持ってやろうとすることはかなり大事なことですね。

 検証のための訪問調査に行った大学の中でも、やはりそういう大学はありました。機器を集中して配置してやってらっしゃる。GPのほう事後評価の調査でもそういったことがありましたので、それは改善の兆しだと思います。

【桐野座長】

 大体、前半3ページの総論的なところについては、少し今、委員の先生方が言われたポイントを入れて、やっぱりこの17年答申によっていろんな大学の問題を指摘されて、それでそれを意識的に改革していった大学が結構多くて、大学院の教室の実質化には、多分進んだというのは言えると思うんですけれども、一方で、古谷野委員が言われたように、同時期に法人化があったり、いろんな社会的な負荷がかかってきて、その負荷を全部現有の教員で担っていくという荷物を背負わされたというような状態で、もう空回りしちゃっているというか、うまく進められないという限界も出てきていて、そのあたりがやっぱり今後も頑張っているところが持続的に頑張ってもらうような、そういうような仕組みが必要ではないかというような、そういうまとめ方をされるといいんじゃないかというふうに思います。

 一応50分ほど、前半の部分を検討してはどうかということだったんですが、大体、今、最後にちょっと申し上げたようなことではないかと思いますので、それでは4ページ以降の後段につきまして、分野ごとに特記すべき事項をまとめてありますけれども、これについてお願いをしたいというふうに思いますけれども、1つずつやってもいいんですけれども。

【古谷野委員】

 ちょっと失礼します。

【桐野座長】

 残念ですけれども。だんだん委員が少なくなっています。

 これは、まとまったら、それぞれ委員にメールか何かでまた問い合わせていただいて、ご意見をいただいたほうがいいと思いますので、お願いします。

 どうでしょうか。まず、こちらで言うと4ページ以降ですね。4ページ、5ページ、医療系の共通の現状が書いてありまして、医学、歯学、薬学、看護と書いてありますけれども、ここは何かかなり危機感が漂うような書き方がしてあると思いますけれども、まず自分に近いところをごらんになって、いかがでしょうか。

【菱沼委員】

 ここで使っている社会人という言葉は、仕事を持って在学しているという意味ですか、それとも社会人経験があって在学しているという意味ですか。

【樋口医学教育課課長補佐】

 学校基本調査上は、休職等をされている方を含んでおりますので、やめられたり退職されたり休職されたりする、社会経験者という意味で書かれています。

【桐野座長】

 社会人の大学院生と言った場合、感じとして、僕は、どこかで職を持って、そこで給与をもらいながら大学に入っている人という感じだったんですけれども、でもないんですか。看護系の社会人というと、一度看護師として働いた経験があれば社会人になっちゃうのかしら。

【樋口医学教育課課長補佐】

 それは用語上の問題で、少しそこは正確に書きたいと思いますが、統計上出てくる数字の中にはやめられる方も含まれておりますので、そういう意味で言うと、少し適切でなかった、実務経験者という言い方にしたほうがよかったかもしれません。

【桐野座長】

 看護系の場合、一度看護師として働かれて、ある程度職業的な経験があって入ってくる、だけれどもそのときは看護師はしていないという方が多いですよね。

【菱沼委員】

 そういう人もいますし、仕事もしていて学生もやっているという、フルタイムもパートタイムもいるのですが、状況が違いますので、さっきおっしゃったような実務経験者を使っていただいたほうがわかりやすいですよね。

【桐野座長】

 そうですね。何かちょっと工夫していただいたほうがいいと思いますね。

【福田委員】

 私も、職を持っていてというのは、十分理解できます。

【桐野座長】

 医学系は、病院の医者として働いているけれども大学院生もやっているという、不思議な存在がいっぱい、現に東大とか、そういうのはいっぱいいます。

 薬学系も少ないんですか。医学、歯学は似ていると思いますね。

 ここは、多分あるがままに書いてあるような気もしますし、いかがですか。何かご指摘があれば。

【福田委員】

 医学の場合、樋口さんとも話をいたしましたが、大学設置基準上の教員数が他の分野に比べてとても多いと思います。さらに附属病院所属教員もありますので、助教も含めた教員数は圧倒的に多いんですね。こういう状況の中で、それ口にふたをしていますが、相当、圧倒的に恵まれていることは事実です。

 ですから、それだけ恵まれているからと言われると、歯切れが悪くなります。確かに他の分野では、大変な数の学生を抱えており、それが基盤となっている。

 そういうベースの違いの大きい分野の中で、よそからすると、やはり、医学は相当恵まれていると思います。だからもっとちゃんとやらならければならないということに繋がります。そのところの関係はなかなか書けませんが、1点だけ、研修制度との関係で、研修の専任義務がありますが、同時に大学院もやってしまうという非常に安易な考えもあるようですが、これはかなり注意をしていただきたい。研修制度は決まっていることですから、研修と大学院との関係をどのように運用するかをきちっとしていただきたい。安易に連動させる可能性はなきにしもあらずで、注意しておく必要があると思います。

【桐野座長】

 ちょっと委員の先生が少なくなっちゃったので、議論が広がらないんですけれども、森田先生が今日おいでになっていないので、歯学部のことはちょっとよくわからないんですけれども、今日の結果で少し書き加えたものを森田先生にも送っていただいて、僕のほうからも、もし意見があれば追加していただくように言っておきますけれども。

 薬学系では、こういうレギュラトリーサイエンス等の幅広い社会的要請にこたえる大学院教育と書いてあるんですが、これはやっぱり当然、大学院教育の一環としてこういうのが需要がかなり広がるんですかね。今までは各企業が自分で教育をしておられたようなところがあるでしょうね。

【古市委員】

 実際上は企業の中でも、OJTとしてやっていくというのが通常だと思うんですよ。ですから、なかなか企業サイドとしてここまで専門教育を求めているかというと、決してそうは感じない。

【桐野座長】

 逆に言うと、先生になれるような人は企業にいっぱいおいでになるんですよね、レギュラトリーサイエンスに関しては。むしろ大学にいない。

【古市委員】

 だから、そういう意味でのいろんな講演に引っ張りだこというのはありますよね。ただ、必ずしも受け入れサイドとしては、そういう専門家をあえて求めるかというと、そうじゃないかもしれない。

【桐野座長】

 PMDAなんかでは恐らくまだ数が必要で、今後増えていくでしょうけれども、何千人という単位で増えるわけじゃないですよね。

【古市委員】

 でも、実際、今の厚生労働省で、そういうレギュラトリーの人を公募していますけれども、なかなか定員に満たないと言っているぐらい、それだけの専門家がいないというのは事実でしょうから、そういう意味でのこういう整合性を持った人を教育していくというのは一方では必要なのかもしれないですけれども、企業サイドとしてそれを求めるかというと違うかなという気はしていますけれども。

【桐野座長】

 ただ、レギュラトリーサイエンスの教育は、実際にやらなきゃならないとなったのは、本当にここ5年とかそんなぐらいの感じですよね。だから、意識的にやってきたところなんてほとんどないんじゃないかと思いますけれども。

【古市委員】

 薬学部としてカリキュラムの中でレギュラトリーサイエンスを教育しているのは聞いたことがありません。

【樋口医学教育課課長補佐】

 今の点は医学の面においても同じでございまして、ここに挙げてありますのは、薬学の中でそういう議論があったことは確かなんですが、医と薬とのその融合領域として、公衆衛生分野との融合領域として、そういったもの。大きな社会的に見れば、そういった専門家が不足しているという実態はやはりありました。それぞれが現場でやりながら、プログラムされた教育じゃない形で、実際専門家になっているというところを大学院教育として、そこはひとつ力を入れていく必要があるだろうということですが、単体のその分野分野で見るとそういうことがあるかもしれませんが、そういう分野として、医と薬が一緒にやっていく分野の一つとして、そういった傾向が見てとれるということです。

【桐野座長】

 5ページまではそれで、またもちろん前に戻ってご意見をいただいても全然問題はありませんので、6、7、最後の10ページまでをご議論をしていただきたいんですけれども、順不同で、問題がありましたらお願いします。

【古市委員】

 ちょっと表現が気になったところがあるんですけれども、9ページです。2の産業界、地域社会等多様な社会部門と連携した人材養成機能の強化なんですけれども、ちょっと表現がもしかすると誤解を招くかなというふうに思ったところなんですけれども、下から6行目、「ただ、産業界との連携については」というところなんですけれども、アンケートや何かを見ていますと、論文審査ですとか、あるいは教育プログラム策定というところでは、産業界との連携というのは必ずしも必要性を感じないというふうに表現されていますけれども、この表現を見ると、産業界との連携については多くの大学院でその必要性が強く認識していないという、連携全体にちょっとなっちゃうような、ちょっと誤解を招くかなというふうに感じたんですけれども。

【桐野座長】

 下から6行目ですね。「産業界との連携については多くの大学院でその必要性が強く認識されておらず」という、ここの表現ですね。

【古市委員】

 そうですね。だから、この必要性が強く認識されていないのは、論文審査ですとか教育プログラムの策定において、その産業界の参画というのは強く認識されていないということはあったとしても、連携全体としてはそうじゃないかなと思って。

【桐野座長】

 ちょっとニュアンスがこう、僕もちょっと変だなと思ったんですよ、ここ。

【樋口医学教育課課長補佐】

 少しそこは書いてあることがつじつまが合わないです。

【古市委員】

 あともう一点、産業界サイドの立場として、ちょっと意見を言わせていただくと、実は大学院の答申は出ていないですね。実際、大学のほうでいろいろ改革を進めていく中で、私どもに教育要請があった典型的な例として、連携大学院というのがあるんですね。それは、基本的には学外の、いわゆる国立あるいは独立行政法人の研究機関、それから企業の研究員を含めた連携大学院ということで、企業研究者が連携大学院の客員教授なり客員准教授になって、大学院でも講義を担っていく。また、一方で、その企業側の学位を持っていない、その連携大学院に参加して学位を取っていくという中での取り組みをやっている。

 確かに寄附講座ですとか外部招聘の講義というのももちろんあるんですけれども、連携大学院という形の連携もあると思います。この上のところです。「寄附講座や外部招へい講義等の形で産業界と連携した教育プログラムを実施している」。

【桐野座長】

 キーワードとして入っていない。入れて全然おかしくないと思いますけれども。

【古市委員】

 ただ、思ったんですけれども、医療系大学院の場合は、工学系とかに比べると、連携大学院の中に、国立とか独立行政法人ですとか国立研究機関というのは結構あるんですけれども、企業が入っているというケースは、実はあまりないんです。少ないんですね。

【桐野座長】

 大学は、それはあんまり熱心でないというところがあるんですか。例えば、レギュラトリーサイエンスなんかは、そういう形でやらないと実際できないと思いますよ。

【古市委員】

 そうなんです。

【樋口医学教育課課長補佐】

 今回の調査させていただいた中では、なかなかそういった事例が見出せなかったということで、教育講座とか寄附講座、研究の応用とかというのは、確かに。ちょっとその辺、若干やはり工学分野との違いがあるなという印象が、私どもも実感として持っておりましたので、ちょっともう一回見て精査したいと思います。

【桐野座長】

 連携大学院に対する実情というか、その統計はあるんですか。

【樋口医学教育課課長補佐】

 どういうところとパートナーを組んでいるのかというのは、ちょっと見たことないですね。

【桐野座長】

 あれはだけれども、普通は連携大学院というのは、それぞれの研究科で研究科委員会か何かでちゃんと審議をした上で、多分連携大学院をつくるというのは、大学の教育研究評議会か何かの認可を得てやっていると思うんです。結構、かなりぴしっとやっていると思うんですけれども、適当につくっているということはないと思うんですけれども。

【樋口医学教育課課長補佐】

 それはないです。

【福田委員】

 それは、具体的に実際に今度の調査で出てきたのは、例えば理研などの大きな研究所等がほとんどです。

【桐野座長】

 それは、もういっぱいやっていると思います。

【福田委員】

 企業となるとかなり少ない。少ないというか、ないですね。

【古市委員】

 私どもも要請された、2大学。

【桐野座長】

 何か大学側が、例えば利益相反の問題とか、いろんなことでそれを抑制しているようなことがあるんでしょうか。

【古市委員】

 いや、そのような状況はわかりません。

【桐野座長】

 ただ、実際、企業との連携でやらなければできないような場面というか、その領域というのは、確かに僕はあるんじゃないかとは思いますけれどもね。

【樋口医学教育課課長補佐】

 率直に申し上げますと、先ほど必要性が強く認識されておらずというところとも絡むかもしれないんですが、やはり、この今回の大学院の調査、医・歯・薬・看、それぞれの医療系の中を見させていただきますと、薬学科の分野においてはまだというところはありますが、そのほかの分野でいきますと、もうあまり多くは見られていなかったということで、とはいえ、先ほど座長がおっしゃったように、我々の認識の中ではやはりそういった形で、要するに新しい分野の中で完全に閉じてできるものばかりではないことが事実として存在していまして、そういう意味で、そういったことが、要するにお互いに力を出していかなきゃいけないところがあるなという認識で、現状に若干不満といっては何ですが、取り込めて、十分なのかどうかというのは価値判断が入ってしまってこんな表現になっているんですが、問題認識としては同じ認識でありまして、書き方の問題で、少し違った答えを招いてしまったかなと。

【古市委員】

 つまり、大学のアンケートがいかんと。最近多いのは、知財ですね。

【桐野座長】

 指導教員が学位審査の主査になるという問題はいろいろ言われているんですけれども、ここだと書いてあるのは、この8ページの○6の「円滑な学位授与の促進」というところで、「専任教員数の少ない専門性の高い分野などでは指導教員が学位審査の主査を兼ねる大学院が多く」と書いてあるんですが、これは本当ですか。

【樋口医学教育課課長補佐】

 実は、今回4分野を見させていただいた状況を申し上げますと、この場合、指導教官が論文の主査になるか、また審査委員に堪えているか、その段階はさまざまあると思っているんですが、この医学の分野では、かなりそういう意味ではクリアになっている現状はあります。そう書いてあるということです。歯学分野についても、そういう意味では、医学ほどではないんですが、かなりクリアになっています。

 ただ、それぞれの分野の中でその専攻が細分化されているケース、そういったところでは、やはり昔の講座割りの構成をとっているようなところで、若干そういった形態というのは残っている印象があります。

 他方で、看護、これは複数指導体制をとっているというところも結構ありまして、かなり手厚く一人の学生を指導しているという状況もあるんですが、それと、かつ専任教員がそもそも多くないですが、そういったこととの兼ね合いで、大半で、まだ主査あるいは審査員に入っているという現状があるというところがあって、そういったのを総括すると、そういったそれぞれの専攻の中で専門性を保っていかなければならないが、専門性の高い審査をするためにそういった現状というのが残っているというのもあります。

 ただ、他方で、規定上、学外審査委員を入れることができる、あるいは論文審査も、要するにかなりファーストオーサーとして、きちっとした論文はサブミットしているというか、そういったところが努力としてかなり出てきていて、そうすると、なかなか審査体制の努力によって、大学側としても努力しているという状況は他方で見られていることは確かで、その辺、何もしていないというよりは、いろいろ頑張ってはいるけれどもなかなか追いついていないんじゃないかというような状況かなと思います。

【桐野座長】

 これは、前も多分いろいろ議論になったんでしょうけれども、一方で、確かに専任教員がいない、非常に稀な専門分野で、評価がきちっとできないというようなところで、やむを得ずその指導教員が審査をするということが絶対的にいけないとまでは、ちょっと言えないですよね。ただ、かつて、もう今から何十年も前は、博士号の審査に金銭の授受が絡んでいたり、怪しげなことがあったので、その反省から、こういうのは非常によくないということだろうと思いますけれども、だけれども最近でも時々そんな話があります。

【福田委員】

 あと1つ、医学の分野ではありませんが、人文社会系などでは、主任教授の権限が伝統的に強くて、うんと言わなきゃ学位を出さない。それで満期退学もあるようです。

【桐野座長】

 それは、学問的な要請からですよね。

【福田委員】

 それもあるようです。

【桐野座長】

 だから、それまで全部ひっくるめて一概にというのはなかなか難しいかもしれないな。こういうふうに書かざるを得ないですかね。

【樋口医学教育課課長補佐】

 特に、医学系に関しましては、先ほど金品の授受の問題というのが一昨年ございましたので、そういう意味で我々も厳しく見ている。かなりここについては、一つ一つ目を皿のようにして見ておりまして、そういう意味で、指摘の仕方として、ここのご議論の中でここは厳しく指摘しなきゃいけないということであれば、そこには新しく修正等をしていきたいと思いますが。

【福田委員】

 8ページの真ん中から、学位の審査というか、学位の透明性というのもちょっと変ですので、学位審査の透明性、客観性という課題が残っているというのが事実です。

【桐野座長】

 そうですね、学位審査の。

【福田委員】

 今、専任教員の話が出ましたけれども、後ろの7ページの一番上、「大学院教育を担う専任組織」じゃなくて、「教員」が入ったらいいかなと思ったんですけれども。「専任教員組織」です。

【桐野座長】

 専任教員組織、一番上の行。

【福田委員】

 そうです。

【桐野座長】

 もう全部を通して、何かご指摘、ご意見があればお願いします。

【菱沼委員】

 最初の3ページまでの報告と4ページ以降の別紙というのはどういう関係になっているんでしょうか。

【桐野座長】

 これは、恐らく何か冊子になるんですよね。この検証についての、大学院部会全体の冊子になって、そういうときにこれがこうやってこう……。ですよね。

【樋口医学教育課課長補佐】

 今後、これと同じように計4つのワーキングが今、並行的に動いておりますので、それぞれのワーキングで、それぞれの大学院、かなりの数の大学院を調査した結果、検証結果をそれぞれまとめております。それをこの春、いつしかのタイミングで親部会にかけてまとめていくという作業になりますので。

 もともと、基本的には大学院、5年前の日本の学問領域が、分野が非常に多様であるということを大前提にして議論を始めていますので、そういうものを生かしつつ。ただ、全体的に多分、大学院全体の取りまとめを何らかの形でしていかなきゃいけませんので、前は実は親部会としてのまとめの中に、人社系ワーキングとしては何とかと、項目ごとに、修正したような形にしてあります。そのまとめ方は、今後また全体の中で調整していきますが、いずれにしてもこの形を生かしていこうと。最終的には、いろんな修正の仕方はあると思いますね。親部会にかけて、それはまたマトリックスの中で整理していくということになると思います。

【桐野座長】

 これは17年の新時代大学院教育の中にも、全体の総論のほかに、医療系のまとめがあったりして、非常によく書いてあると僕は思ったんですけれども、あれは先生は。

【福田委員】

 私どもも作業をしました。

【桐野座長】

 だから、あれと似たような構成になるんですね。

【樋口医学教育課課長補佐】

 今、もちろん、現在決まっているわけではありませんけれども、そういうイメージで考えています。結局、ここで保健系と医学系というのは、それあたりを、特に独自性が強い面もあるんですけれども、トータルで見ると、実は違うアプローチをしていたのに、同じ問題にするというのが結構ありましたので、それは全体に送って整理して、ここはその中でも独自だなというところは、それぞれわかるように書いていくという形が、一応今のところ想定されておりますので、前と同じような形になっております。

【桐野座長】

 医療系というのは、結構、それほど人数いないと思ったら、大学院生は3割なんですね。これは非常に大きな、ものすごく大きな部分なんですね。

【樋口医学教育課課長補佐】

 ちなみに、いわゆる旧助手で申しますと、日本の大学、すべての助手の半数以上は医学でございますので。

【福田委員】

 ですから、助教にどうしてもしてもらいたかったんです。専任教員にするためにです。

【樋口医学教育課課長補佐】

 そういう意味でいうと、大学院からそのあたり、若手研究者に関するというのは、医学、保健系の議論というのは日本の大学制度を左右する問題です。

【菱沼委員】

 この別紙のほうに書かれていることが、何かこの3ページまでのほうにはあまり見えないという感じなんですけれども、そこのところを書いていただけるとありがたい。

【桐野座長】

 僕も、ちょっとそれを感じたんですよ。だから、後ろのほうで、前にもうちょっと引き写して書いたほうがいうところについては、ちょっとご指摘をいただけませんでしょうかね。

【樋口医学教育課課長補佐】

 少し反省も込めてなんですが、今日のご議論のかなり中核は、5年前の大学院答申を、一定、各大学院がそれぞれこの大学院答申に書かれている中身の中で、実質化にどう取り組んできたかと。それが大学院調査などを通して、この別紙の中にある程度反映させています。

  ただ、他方で、その道半ばにして、さまざまな社会的な状況の変化の中で、臨床研修とかさまざまな問題が起こって、新たな課題に直面している。どちらかというとそういった課題に直面していて、特に医療系というのは実務経験者が入ってきている、社会人的なそういう側面が大きいものですから、抽出している過去のポイントというのは、どちらかというと、こういう状況の変化の中で、少なくとも3、4、5、6、7のところはそういう側面が多いと思うんですが、そういう中で、どちらかというとこれからの課題にどう対応していくかというところを書いて、その辺のところがちょっと、先ほどの括弧の項目では、1番目の項目というのは、本当はもう5年前の答申の検証の部分から導かれてくる抽出に入っていたので、その辺のところが少し、よく誤解されるような書き方になっていますので、整理しつつ、その4ページ以降の中で掲げられるべきことも、そこに入れ込みたいというふうに思っています。

【桐野座長】

 ここは、具体的に後ろと前が相当ちぐはぐだと思うところをおっしゃっていただければ、少し修正することは可能と思いますけれども。

【菱沼委員】

 例えば7ページの○4の単位の実質化と厳格な成績評価というようなところで、こういうことができているという評価と、まだこういうところが足りないということ、それからこういうことがあったというのが、全部書かれていますよね、その別紙のほうには。ここの部分今後も強化していくべきじゃないのかとかいうふうに前にあるといいと思うんですけれども。前のほうは、例えば医学倫理や研究方法、統計などを基盤としてというような、すごく具体的なものだけがこの3番のところに出てきているので、何だかちぐはぐな感じがしたんです。例えばですね。

【樋口医学教育課課長補佐】

 大変申しわけございません。実は私どもも事務局としてこの答申の原案を作成することに当たって、やはり今後、改善の方向性を示すだろう幾つかのよい事例といいましょうか、そういうヒントを抽出して、この提言の中に盛り込んで発信して、各大学院にそういった改善を促していく、やっぱり運動が必要だろうというような認識で書いてはみました。

 この4ページから、幾つか進んでいる点、でもだめな点、そんな中にあってこんな取り組みもあるというようなトーンで書いてあるんですね。この中で、これはもう前のほうの総括的な対策の中で、これはやっぱり推進していったほうがいいよというところを、ぜひ議論としてちょうだいいただければ、その分を我々としてはここに書き加えていくという作業をしたいというふうに思っています。

【桐野座長】

 多分、これで事務局のほうで、今日のご意見をいただいた上で修文をすると思いますけれども、それをもう一度先生方にフィードバックして、今おっしゃったような意見もちょっとフィードバックしていただければ、また検討をするということは十分できると思いますけれども、そういうやり方でよろしいですか。ちょっと今日全部の意見を出していただくのは難しいかもしれませんので、一度、もうお読みいただいているので、これにある程度修文をしたものをお送りすれば、今日のディスカッションなどをベースにまたご意見がいただけるものと思いますので、それを1回やって、それでかなりファイナライズした案をまとめていくということでよろしいですか。

 まだ20分ほどありますけれども、大体ご意見はいただいたということで、一応ここで本日の議論はここまでということでよろしいですか。何かちょっと言い残したことがあれば。

【福田委員】

 一番最後の10ページ評価のことですが、大学院の評価というのは非常に大変な話なので、本当は今までやった答申と、それから政策の実効性評価とGP事業で、その評価に当たっては、これはGPのほうは学振の事務局がやっていますからわかるんですが、これはなかなか難しい話と思います。ですから、その辺のところを今後どういう方向性でやるのか。これは文科省のほうにお聞きしたいんですけれども、ほかの分野もありますので、いかがでしょうか。方向性がわかるようでしたら。

【樋口医学教育課課長補佐】

 大学院の評価の点ですね。実は、ここに掲げましたこの中身、今回、評価項目といいましょうか、5年前の答申の中では、教員の教育活動の評価と、それからその大学院の自己点検評価、それから分野別の評価と、それぞれの各項目が提言の中には書いてございました。それを書いていまして、それを調査していくんです。

 他方で、実は今現在、中教審の中で起こっている議論として、実保証というのが大きな課題であって、専門的な人材育成という側面の中で、そういった、ある意味でこれは大学院だけの話ではないんですけれども、大学全体として、教育の体系、その人の評価システムについては、今は議論になっております。

 そういった、全体的なその議論を集約しながら今後の方向性というものを定めていくことになると思うんですが、他方で、今回の調査結果を見ていきますと、これはあくまでも調査結果を見て、他方でその現場の状況を見てみますと、やはり自己点検評価はかなりやられてはいるんですが、やはり表面的なものが多いというようなご指摘もかなり先生方からいただいておりまして、そこが質の保証という観点からどういう役割を担っていくべきなのかというところが、やっぱり1つのポイントになってくるんじゃないかなというふうに思っています。

【小松高等教育局審議官】

 前回、この医学だけではなくて、全体として大学院教育の答申をお出ししましたときの終わりごろ、それをやっていくとして、それが実行されるためには評価というのが必要だと。

 それで、5年前ですと、ちょうど臨床評価制度ができたばかりということがあって、それから規制改革ということで、その事前評価に当たる設置認可とかがめちゃくちゃに緩んでいた時代でもあったので、そういう意味で言うと、両者の組み合わせが必要であり、特に事前のほうがすごいスピードで緩んでいると考えると、その事後のほうを早く育てなきゃいけない。これは大学全体ということになっていますけれども、大学院についてやっぱりそれを考えていかなきゃいけないというのが、実はちょうど議論の焦点として、5年たっていますので、少し違ってきているかもしれませんけれども。

 ただ、そのときに、事後評価については3つほど、つまり自己点検評価、自分たちで自己点検評価と、それから新しくできた臨床評価と、そこの評価団体がまだできたばかりなので、試行錯誤していますから、その評価団体の行う評価の実効性や、それから効率性というか、そういったものを育てていくという、この3つで考えなきゃいけないということが1つと、学部なんかでもあるんでしょうけれども、とりわけ大学については専門分野別というのがまだ全然考えられておりませんでしたので、それをこれから考えなきゃいけないですよねというところでとまっているんです。

 ですから、これは一般論としても、そういうことで次はどうするかというのは、多分、この取りまとめが間もなく、ワーキンググループで出てきますと、さてそこのところどうしようかという議論になると思いますけれども、一般論あともかくとして、例えばここのワーキンググループとしては、そこを、今の状況を踏まえてもう少し充実したらどうかとか、そういうご議論があれば、それは入れておいても構わないかなと。ワーキンググループに書いたことを、すべてそっくりそのまま答申で、親部会でうんと言われるかどうかはともかくとして、実はこういう冊子なんかでも、答申に全部書かれていなくても、ワーキンググループで言っていただいたことは、すべて一緒に載っけて、合わせ読みができるような形で上積みして発表したいと思っていますから、必要があればそういうことも触れていただいて、あとは親部会でどう整理するかと。

【福田委員】

 そこの作業で、いろいろ今後の調査等も評価に入りますね。

【小松高等教育局審議官】

 これ自身はそうですね。ただ、評価というのは、よく言われるPDCAサイクルのときのちゃんと行われているかどうかのチェックという意味でも評価という言葉を使っていますし、それからイマジネーションという意味でも同じ言葉を使っているので、何を議論しているかとかどこを今ポイントにしているかというのは一応考えながらやらないと、議論が混乱する可能性があると思います。

 今の今回の分は評価というのはあるんですけれども、一般論として、例えば学問的に世界的にどうあるかという意味での評価ではなくて、この大学院指導施策要綱に沿って政策を進めてきた大学が自主的に取り組まれたものの、想定していたものとの進行状況というか、それをチェックしたという意味でのその評価というのに近いかと思いますので、このあたりはちょっと、この分野についてどうしていくかというのは確かにご議論があるかと思います。もし何か聞かせていただければ。

【桐野座長】

 認証評価的な評価とランキングづけ評価とが、何か渾然一体となっているところがあるんですね、どうしても。

【小松高等教育局審議官】

 そうですね。

【桐野座長】

 全然違うと思うんだけれども。

【福田委員】

 それは全然違いますよ。実は、認証評価もやらされており、医療系大学の場合は、今まさにここで議論になっているようなことが、入学定員も含めて評価の対象になっています。それを、優れた点と改善すべき点というのを提示していますが、その意味では、医療系の専門教員が見ていますから、よくわかると思いますが、大学全体の中で医療系となるとなかなか難しいところがあります。その点は専門分野の組織ごとにやっていかなければできないような話なります。これはちょっと別の観点です。

【樋口医学教育課課長補佐】

 ただ、もし何か言及しておく必要があるという、そういうのであれば、またいただけば、それはそれであわせて。

【桐野座長】

 ちょっと具体的に、どういうふうに書けばいいか、コメントをいただければ。

 ほかにございますか。

 古市先生、何か。大丈夫ですか。福田先生もいいですか。菱沼先生もいいですか。

 それでは、こういう文章の通例なんですけれども、さらに議論があるのであれば、予備日として4月16日を予定しているんですが、今までの議論を内容を取りまとめて修文をした上で、もう一遍委員の先生方に意見を聞いた上で、最後の取りまとめは私桐野に一任いただいてよいということであれば、そういうふうにさせていただいて、今後の手続などについては事務局から連絡をすると、それでよろしいですか。

 それでは、そういうふうにさせていただきます。

 それでは、事務局のほうにあとはお願いいたします。

【樋口医学教育課課長補佐】

 ありがとうございました。

 実は、先生方の日程の都合がなかなか合いませんで、非常に欠席の方が多くなってしまったこと、事務局としてもおわび申し上げる次第です。したがいまして、本日ご欠席あるいは退席された先生方もいますので、また私のほうでちょっと相談しまして、修正させていただいた案を、十分な期間をもって欠席された先生にも直接きちっと説明をして、ご意見をちょうだいして、しかるべきタイミングで親部会といいましょうか、大学院部会に上げるべく、座長とも相談してまいりたいと思います。

 ワーキンググループとして、今後、とりあえずこのミッションにつきましては、今日をもって座長預かりになりましたので、4月16日の予備日については、これは開催しません。今後の日程につきましては、また追ってご連絡申し上げたいというふうに思います。

 いろいろと事務局の不手際がございましたけれども、近々にまたご意見をちょうだいしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

【桐野座長】

 それでは、本日の議事はこれにて終了いたします。どうもありがとうございました。少し早いですけれども、終わらせていただきます。

 

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高等教育局医学教育課

企画係
電話番号:03-6734-2509(内線2509)

-- 登録:平成22年09月 --