平成23年7月29日(金曜日)13時~15時
文部科学省東館3階3F1特別会議室
(委員)菱沼典子委員 (臨時委員)有信睦弘(部会長)、勝悦子、川嶋太津夫、河田悌一(副部会長)、田中成明、山田信博の各臨時委員 (専門委員)有川節夫、板橋英之、荻上紘一、桐野髙明、小泉潤二、五神真、椹木哲夫、続橋聡、本間謙二、松田良夫、吉川裕美子の各専門委員 (事例発表者)金子昌信九州大学大学院数理学府長、益子正文東京工業大学理工学研究科教授、片岡幹雄奈良先端科学技術大学院大学副学長、大門寛奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科長
磯田高等教育局長、河村私学部長、小松高等教育局審議官、伊藤生涯学習政策局審議官、藤原大学振興課長、内藤専門教育課長、樋口大学改革推進室長 他
【有信部会長】 所定の時刻になりましたので、第55回大学院部会を開催したいと思います。よろしくお願いします。 本日はご多忙中のところ、ご参集いただきましてありがとうございます。
今日は、新しい試みでもあります、Qualifying
Examinationの導入に関して議論を進めていきたいと思います。それに先立ちまして、日本で先駆的にこのようなシステムを導入されている4人の先生方にお話をまず伺い、その後議論を進めたいと思います。
本日は、九州大学の金子昌信数理学府長、東京工業大学の益子正文理工学研究科教授、奈良先端科学技術大学院大学から片岡幹雄副学長と、大門寛物質創成科学研究科長にご出席いただいております。皆様、本当にお忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。
最初に、先生方から各大学の事例を紹介していただいた後に議論を進めたいと思いますが、まず、事務局から配付資料の確認をお願いします。
【樋口大学改革推進室長】 お手元の式次第に続きまして、資料1といたしまして前回の大学院部会の議事録の案でございます。これに関しましては、ご意見がございましたら、8月12日までに事務局にご連絡いただければ幸いでございます。続きまして、資料2以下から4までが、本日、先ほどご紹介いただきました先生方からご提出いただいた資料で、資料2が九州大学からいただいた資料、資料3が東京工業大学からいただいた資料、資料4が奈良先端科学技術大学院大学からいただいた資料でございます。それから、資料5といたしまして、「博士課程(前期)・修士課程の修了要件等に関する取組事例」という資料がございます。それから、資料6として、本日ご欠席の菅先生から「Qualifying examsについてのコメント」という資料をいただいております。続きまして、資料7-1、7-2としまして、「第2次大学院教育振興施策要綱(案)」についての資料でございます。なお、参考資料として、前回大学院部会に配付しました「Qualifying Examinationの導入を進めるための制度的取扱いについて」という資料を置かせていただいております。以上でございます。
【有信部会長】 ありがとうございました。もし過不足ありましたら、事務局あてにお申し出いただければと思います。
それでは、早速ですが議論に入りたいと思います。最初にお三方からプレゼンをいただきますが、全員のプレゼンテーションが終わった後に質疑を進めたいと思います。恐縮ですが、お一方当たりの発表時間を15分程度でお願いできればと思います。まことに申しわけございませんが、よろしくお願いします。
それでは、最初に金子先生からよろしくお願いします。
【金子学府長】 九州大学の金子です。よろしくお願いいたします。
それでは、資料に沿いまして、九州大学大学院数理学府の取り組みについてご紹介させていただきます。
まず、九州大学の組織ですが、大学院は学生の所属する教育組織である学府に所属し、教員は研究院及び研究所に所属しておりまして、我々数学の場合は大学院数理学府数理学専攻、単一専攻です。博士、前期・後期課程、修士2年、博士3年というシステムで、前期課程の1学年の定員が54名、そこに21年度よりMMAコースというコースを設置いたしました。8名程度を募集人員としております。後期課程は定員20名、数理学コースと機能数理学コースの2コースがございまして、この平成18年に新しくつくりました機能数理学コースというのが今回のお話、MMAコースにかかわるコースであります。
去年までは数学の教員はすべて数理学研究院というところに所属おりましたが、この4月に改組が行われ、今年度より、数理学研究院と、マス・フォア・インダストリ研究所という研究所に分かれて、この2つの部局が数理学府の教育を責任持って担当するという体制になっております。
それでは、次のページをごらんください。まず、平成18年4月に設置いたしました、博士後期課程、機能数理学コース。これまで数学で博士課程といいますと、研究者、特にアカデミックポストを目指す、数学者になるというのが主な目的でしたが、平成15年度から19年度に21世紀COEプログラムで採択いただきましたプログラムが「機能数理学の構築と展開」と銘打ちまして、数学研究で培った力を産業界で生かすという目的を当初から持った学生を育てようということで、このコースを立ち上げました。
このコースの一番の柱は、3カ月以上の長期インターンシップを必修として課して、学生に産業数学を実践的に学ぶ機会を提供する。輩出人材の目的がR&D、研究開発部門で活躍できる数理リサーチャーの研究者を育成しようという、これが平成18年度に設置した博士後期課程のコースであります。
その後、平成19年度大学院GPで「産業技術が求める数学博士と新修士養成」というタイトルで採択いただきまして、その一環といたしまして、博士前期課程にMMAコースというのを平成21年4月より設置いたしました。MMAというのは、Master
of Mathematics Administrationの略ということで、MBAやMOTは有名でありますけれども、志といたしましては、その数学版ということです。これは博士ですと研究者という感じですが、研究者というところまで行かなくても、修士レベルの数学の力で、数学を幅広く学んでもらい、一種の数理コーディネーターといいますか、これまでの修士課程も、入ったら1人の先生について、ずっとそこで、割に狭い分野の研究をある程度深くやるというのが伝統的なスタイルでしたが、そうではなくて、後でカリキュラム等をご紹介いたしますが、より幅広い数学を身につけて、そういう力で産業界に役立てていただこうと。一部は高校教員を目指す学生も数学に入ってきます。高校の先生になるにしても、これまでの一分野集中型で研究するということも一つには大事かもしれませんが、こういった、そうではない幅広い数学を学んで先生になってもらうというのも大事であろうかと、そういった方面の人材ということも考えております。
主にこういうプログラムベースで企画し、設置してきたものですが、機能数理学コース博士課程は、21世紀COEに続きます、グローバルCOEプログラムのマス・フォア・インダストリ教育研究拠点ということで、まだ今、動いておりますけれども、先ほど申し上げましたマス・フォア・インダストリ研究所設置というのは、一つの大きな果実であると考えております。
MMAコースにつきましては、8名程度という募集ですが、初年度からこの3年ぐらいは、毎年6名の学生を受け入れて、いかんせん、なかなかまだ周知ができておらないというところがありますけれども、東京、京都等で説明会等を行いまして、今年は11名の受験があるということですので、着実に知られてきているのかなといった状況であります。
次の資料をおめくりいただいて、これが博士の機能数理学コースの学位取得に至るプログラムを模式図的に書いたものです。入学して、1年次もしくは2年次に長期インターンシップに行ってもらって、そこである程度の研究に携わってもらって、実際、いろいろな共同研究につながったり、特許につながったりする事例が既に出ております。
制度として導入したのが、まだ最近ですが、2年生の終わりに基礎論報というものを書いてもらい、これは数学の新しい発見というよりは、むしろ応用としての数学という視点、あるいは数学が産業にどう役立っているかというのを、学生本人のインターン等の経験、共同研究での経験を通じて出していただいて、どういう学位論文につなげていくかというのを書いていただき、そういうステップを置いて、学位論文につなげていくということになっています。
次のページが、MMAコースのカリキュラムの模式図です。一番大きな特徴が、従来ですと1人の先生について2年間、数学はセミナー、ゼミというのが一番大きな教育の中心ですけれども、それをやめまして、MMA講究A、B、C、Dという形で半期ごとにそれぞれ分野や先生を変え、ここでゼミ形式にて半期に集中して1つの分野を学び、演習等をしてもらいます。ほぼ毎月セミナーレポートの提出を義務づけておりまして、そこに博士後期課程のTAもつけ、半期完結型で講究A、B、C、Dを必修といたしまして、その一つの集大成をもって修士論文にかえるというシステムにしております。
あと、1週間から1カ月程度の企業への短期インターンシップを義務づけして、それとともにMMA実務講義というのが、真ん中やや上にありますけれども、企業から人を招いて、いろいろな企業での数学の使われ方等を実際の前線で活躍しておられる方に講義していただくというようなことをしております。これも今までは、数学の使われ方というのをもっぱら紹介していただくようなことでしたが、今、九大にイノベーション人材センターというのがありまして、そこにおられる先生、企業から来られた人にお願いして、来年度あたりからもう少しプロジェクトマネージング的なことまで教えていきたいということを計画しているところです。
あと、MMA数学特論と称して、英語科目を選択必修として課す等の、英語による数学の教育ということも行っております。
その次のページが、授業科目表です。先ほど申しましたMMA講究A、B、C、Dというのが一番の中心になっております。修士論文を課しませんから、半期ごとの単位を取って、最後、4期分の講究報告を集大成したものを提出してもらい、それを従来やっていた修士論文の発表会と同等のことをやっていただいて、それは4期でやったことを網羅的にやるもよし、自分が特に力を入れたところに焦点を絞ってやってもらってもいいんですけれども、15分程度のプレゼンをし、質疑応答という形で審査するということが最終試験という位置づけになっております。
あと、中にはMMAコースに来たけれども、従来型の修士論文も書きたいという学生もおりまして、そういう学生のために自由科目として、従来の数理学コースの数理学基礎論究というのが修士論文に当たるところですけれども、それに単位を認定して、同じように修論発表させて、認定するというようなことも取り入れております。
最後のページが、もう少し詳しく講究についてまとめたものです。数学では代数幾何、解析、その応用、というのが一つの大雑把な分野の分け方かと存じますけれども、おおむねそれに沿うように教員を配置しまして、非常に幅広い分野を半期ごとに勉強してもらおうと考えております。それはいろいろな講義を聞いたらいいのではないかという意見もありますが、我々は、講義を聞いて学ぶということと、セミナーについて、この場合、3人ないし4人、2週間に1回、3週間に1回、学生が発表して、先生がずっとついてやるという教育とは根本的に違うと考えておりまして、セミナーというのを中心に据えて、ここでいろいろな分野についての数学力を身につけてもらい、社会に出ていただきたいと考えています。
この3月に最初の卒業生を送り出したばかりで、彼らは皆、社会に出ておりますけれども、博士課程に進学を希望するならば、博士課程進学は修士論文もしくはそれにかわるものの提出が義務づけられておりますが、この4種類のセミナーで提出された、かなり大部なセミナー報告を集成したものを修士論文にかわるものとして認定することとしております。
あと、先生がいろいろ変わるのですけれども、例えば実務的なことですが、奨学金にアプライをするときの推薦書をだれが書くかということがあったりもしますし、2年間を通しての修学指導という意味でも、最初の講究を指導した先生に2年間を通してのスーパーバイザーという役割を担っていただいて、その方に2年間、その学生の指導教員ということで指導していただいているというシステムをとっております。
おおむね以上になります。ありがとうございました。
【有信部会長】 ありがとうございました。
それでは、益子先生、引き続きよろしくお願いします。
【益子教授】 東京工業大学の益子でございます。本学で行っております博士一貫教育プログラムの運営委員会の委員長を務めております。いささか資料が多過ぎまして駆け足になるかもしれませんが、お許しください。
2枚目にございますように、本日のメインの議題がQualifying
Examinationということで、私どもでやっているものの中でそれに相当するもののご報告ということで参りましたが、その前に私どもがやっている博士一貫教育プログラムの全体の概要をまず説明させていただきまして、その中でQEをどのような形でやっているかというこことをご説明させていただきたいと思います。
資料の下に書いてある数字でいきますが、ナンバー2ですが、博士一貫教育プログラムの設計概念というものをまずお話しいたします。数字関係は後で申し上げますが、博士一貫教育というのは東工大では初めての試みで、2006年から、概算要求という形で文部科学省に認められまして、それで行っているものでございます。5年の時限ということでやってきております。文部科学省に提出するときに、設計概念というものを長期間議論してつくり上げたわけですが、重要な点として2点、優秀な人材の産業界への輩出、多様な人材の輩出という、この2点に絞りました。
一つは、博士一貫、つまり、博士の学位を取った人材を産業界へどんどん出していきたいということが、まずメインの目的でございます。私ども東工大でこれまでも博士の学位を取った学生は、それなりに企業に就職はしていったのですが、それでもやはり博士後期課程に残りたいという学生や、将来行きたいところというのはアカデミックポストが中心でございまして、やっぱりそういうふうに思っている学生を企業ではなかなか使いづらいということがずっと言われておりました。昨今、アカデミックポストのパイは小さくなっておりますので、博士課程の学生は、学位を取って、優秀な学生を産業界へどんどん送り出して、日本を支える基盤技術、あるいはその周辺といったところでリーダーとなる人材として活躍をしていける人材を出していきたいということで、多様な人材を、金太郎あめのようにどこを切ってもみんな同じというのではなくて、それぞれの個性を生かした形で学位を取って、社会に出ていく、そういった教育プログラムをつくろうということで考えたものです。
下にチェックが3つございますが、学生への早期の動機づけということで、私どもは、現行の制度は、区分制大学院で2年の修士課程、それから3年の博士後期課程ということで、区分制の大学院をとってございますが、修士を取って、そして博士というと、学生が博士課程への進学を考える時期が大分遅くなりまして、企業のリクルート活動もだんだん早まっておりますので、できるだけ早いうちに、自分は博士の学位を取るんだという意思を明確にさせようということで、修士課程の途中の段階で、博士の学位を取るということに目的を定めさせるという意味で、博士一貫プログラムをつくったというわけです。
3番目ですが、現行の制度との共存をするということで、先ほど申しましたように、区分制の大学院という規則の中で東工大は動いておりますので、その区分制の大学院の規則を維持しつつ、その中でどうやって一貫教育プログラムを構築していくかということに若干工夫が要ったかと思います。まず、入学時ですが、入学時は通常の修士課程の入学試験を行いまして、全員、修士課程の1年生として大学院に入学をいたします。その中から、下から2つ目のチェックのところですが、博士一貫教育プログラムへは編入という形をとりまして、入学後6カ月以降、6カ月単位で、6カ月後、1年後、1.5年後という3回のチャンスを設けまして、博士一貫教育プログラムへの編入ということを行っております。
その学生にとっての最終目標は、博士の学位を取るということですが、区分制の大学院の規則の下で動いておりますので、途中で修士の学位も与えて、最終的に博士の学位を与えるというプロセスの中で進めております。
4番の絵は若干の概念図ですけれども、上の図が区分制の大学院、下の図が、我々が行っております一貫教育コースというもので、時間的にフレキシブルにしようということで、例えば一貫コースの編入時期を、先ほど申しましたが、6カ月単位で3回設けて、自分がその気になったときに、いつでも一貫コースのほうに移ることができるというように入り口を広げているということ。そして、修士の審査ですが、修士の学位を与える時期も、編入時期にあわせまして、適宜必要なときに与えるということにしております。そして、博士後期課程へ進学するというような柔軟なスケジュールでやるということになっております。
最終的には一応、通常の区分制ですと5年が標準修業年限ですが、博士一貫教育の場合は、一応、目標を4年というふうに定めまして、各学生には、編入時期に4年間どういうふうに過ごして学位を取るんだというようなプロポーザルを出させております。結果的に4年では修了できず、5年で修了する学生ももちろんいるのですが、一応目標は4年ということで各自にスケジュールを書かせております。
1枚飛ばさせていただきまして、6番のほうに入ります。全学で一律博士一貫教育プログラムというものを設けまして、それに参加したい専攻は参加する、参加したくない専攻は参加しないということで行っております。全学的な枠組みとしては、あまり細かいことまでルールを決めてしまうと、なかなかやりにくいということがございますので、ミニマムな規則を全学で決めて、それでアディショナルな部分は各研究科あるいは各専攻で足すといったような形で運営をしております。
全体的な大枠ですと、まず、一貫教育プログラムの修了要件としては、大学院全在学期間中にコースワークを30単位取るということ。その中には、派遣プロジェクト4単位というふうに書いてございますが、海外留学、あるいは国内の企業等へ3カ月以上行って、まとまったプロジェクトをこなしてくるといったもの、これを必修として課しております。参加専攻は必ずこれをやるということ。それから、それにプラス、各専攻では、独自の教育プログラムをそれに足すということ。3番目として、適切な段階で審査・選抜を行って、研究成果の把握と指導を行う。1人の指導教員が最初から最後まで1人の学生を見るというのではなく、集団指導体制のような形でその学生を見て教育していきましょうという、ある意味、意気込みみたいなものですが、それを全体的な大枠として決めて、これをもとに各専攻で自分たちのものをつくり上げるといった形で運営をしております。
派遣プロジェクトは飛ばしますが、海外への大学、あるいは国内企業への中長期派遣ということで、3カ月以上、半年、1年と、特に海外の大学に行った学生は半年行った者、1年行った者もございますが、そういった形で派遣プロジェクトをこなしているといった状態であります。
8番のスライドですが、これまでの取り組みと進捗状況ということで、年次と数字が書いてございますが、2006年から始まりまして、当初はM1、M2、両方が対象ですので、編入学生が比較的多いのですが、全体的に1年当たり4~50人が編入してまいります。例えば、2006年度、編入した学生を見ていただきますと、1年で80人程度編入しておりまして、修士の学位を取るときに短縮した者、短縮していない者といった数字がございますが、そのまま2年間で出た者の数が右側、1年短縮した者が4名、半年短縮した者が40名といった形で、修士の段階でも短縮して博士後期課程に進学するといったことになっております。
さらに、その学生が博士学位を取ったときはどれほど短縮したかといいますと、大体1年短縮。すなわち、4年で学位を取って修了していった学生が大半ということで、中には3年間で学位を取った者もいますし、通常どおり5年で出ていった者もいるということで、それぞれの学生の力量、あるいは境遇に合わせて学位を出しているといった状況でございます。
9番目に入ります。先ほども申し上げましたが、専攻ごとにいろいろなやり方をやっておりますので、大学としてこれというのがなかなか言いづらい部分がございますので、私どもの化学工学専攻の例をご紹介させていただきたいと思います。
まず、編入生の選抜試験は6カ月に一度やっておりまして、10分間程度のプレゼンをさせて、20分間の質疑応答をして、面接試験をするということになっております。その10分程度のプレゼンは、自分がなぜ博士一貫に行きたいのか、博士一貫に進んだ場合、4年間どういうふうに過ごすか、将来どういうふうに自分は活躍したいかといったようなことをプレゼンさせて、それに対する質疑応答をやることになっております。
10番に入りますが、ここがいわゆるQEに相当する特定課題研究と我々が呼んでいるものになります。我々は区分制ですので、修士課程から博士後期課程に進学するときに、修士の学位を与えなければいけないわけですが、それを修士論文にかえて特定課題研究といった形でも修士を与えて、博士後期課程に進学させるという、その2つ、どちらでもいいということにしております。
その特定課題研究ですが、私どもの場合は、2つ目のポツですが、従来の修士論文と同じような研究成果を発表するということでもいいということにしております。あるいは、博士論文の第1章、いわゆるイントロダクションですが、自分の研究の背景や、位置づけ、重要性等々、そういったものを自分の口でしっかりと語るといったこと。そういったものでも、どちらでもいいということで、課題研究の発表にさせております。通常の修士論文ですと、印刷物として事前に論文を書いて、その印刷物としての論文の審査も含めて、プレゼンの審査もしているわけですが、特定課題研究の場合は、印刷物はなくて、発表のみで審査をするということにしております。
11番に入りますけれども、博士一貫教育に入った学生は研究経過報告会といったものをしております。これは、自分がやっている研究について、3カ月に一度、4、5名の先生の前で発表して、いろいろディスカッションをして、今後、どういうふうにしていくかということを討議して決めていくということで、いわゆる集団指導体制といったものをここで確立しようとしているものでございます。
12番に移りますが、特別セミナーといったことを化学工学専攻ではやっております。これはいわゆるスクーリングではなくて、いろいろな課題を課して、例えば研究に関するものを国際会議で発表するとか、そういった研究関連のものを、何々をやると何点といったポイント制にしておりまして、それぞれについて自分が申告して、ポイントをもらうということをやっております。いろいろなセミナーを運営するとか、例えば中学校、高校に行って化学教室の先生をやってくるとか、そういったことも含めて、いろいろなところでポイント制をつくっておりまして、何点以上ポイントがたまったら単位をあげるというような形で申告制にして単位を与えております。
次の、地球がバックになっているスライドですけれども、大学全体の博士一貫コースの数字でございます。現在、東工大には45、6専攻ございますが、そのうち34専攻で博士一貫コースを運営しております。博士一貫コースは、延べ人数が254名。現在、まだ卒業しないで残っている学生が、在籍学生が153名ございますが、修了した学生が101名ということで、その下に短縮した年限が書いてございます。
派遣プロジェクトで行った先ですけれども、海外へ行った学生が130数名、国内の企業へ行った学生が50名弱ということで、約3対1ぐらいの割合で海外に行く学生が多いということになっております。
最後、14番目ですが、2年ほど前に学生にアンケートをとりまして、博士一貫教育プログラムについて意見を求めました。その中から2つほどピックアップしてまいりましたが、まず、進学の意思決定に関して、博士後期課程に進学した動機について聞いたものです。特に一貫コースがなくても、自分は博士後期課程へ進学するつもりだったという学生が60名、それに対しまして、一貫コースがあるので、博士の学位を取ろうというふうに意思を決めたという学生がほぼ同数いるということで、一貫コースがあることによって、学位を取ろうといった動機づけになっているのではないかと私どもは理解しております。
それから、特定課題研究、QEですけれども、専攻によっては修士論文でかえるということも構わないというふうにしております。それで、自主的に修士論文で学位を取った学生が68名、特定課題研究というもので学位を取った者が47名ということで、ほぼ半数ですけれども、こういった状況で博士一貫教育の中で進学をしていると、こういった状況でございます。
以上でございます。
【有信部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、引き続き、片岡先生、よろしくお願いします。
【片岡副学長】 それでは、奈良先端科学技術大学院大学の物質創成科学研究科の取り組みについてご紹介いたします。
まず、私たちの研究科は1専攻で、その1専攻の中で、物性物理学、半導体工学、電子工学、有機合成化学、高分子化学、あるいは生物物理学といった、物理系からバイオ系まで非常に広い分野の研究室が、それぞれ3研究室ぐらいずつあり、本来ですと同じ専攻にないような研究室が1つの専攻をつくっています。ということで、もともと物質科学の中での融合領域ということを意識して教育、研究をしようということになっています。
ところが、学部がない大学院大学ですので、教育されてきているところは、例えば化学の人は化学で、ずっと化学をやっていきたいと。そうすると、化学の先生は、自分の研究室の学生は責任持てるけれども、例えば物理系の学生に対しては責任持てないというようなことが起こってしまうので、むしろそこのところを積極的に融合させて、「光で観る」「光で創る」「光で伝える」といった、光ナノサイエンスという物質科学の一分野を開拓していこうという、そういう意気込みで教育研究を構築しようといたしました。
その人材養成目的はどこのところでも同じだと思いますが、特に融合領域で活躍できる人材を養成したいということで、博士前期課程では企業高度専門職業人、後期課程では研究者ということが養成目的ですが、これは変わらないということです。
3ページに行きます。教育の現状ですが、学部のない大学院大学ということで、学生は非常に多様な分野から参ります。中には法学部など、文系から来られる方もいらっしゃいます。さらに、さまざまな大学から来るので、学力レベルも非常に多様です。そうすると、研究室での研究になっていくと、どうしても基本のところが身についていないのではないかという反省も出てきまして、多様な学生に対応したカリキュラム、共通の学力プラットフォームを形成するような、そういうカリキュラムというのをつくるということが必須の条件として私たちに突きつけられました。
さらに、博士前期課程修了生の80%、定員が90名で75から80名が、大体、企業の開発研究部門に就職いたします。これは全国でもトップレベルで、皆様から高い評価をいただいているところですが、やはり博士後期課程の進学者も増やさないといけないということで、後期課程のプログラムを魅力あるものにして開発したいという要請がありました。さらに、博士後期課程の修了生、ここには65%と書いてありますが、現在もう少し上がって70から75%と思いますが、企業に就職します。ということは、本来のアカデミアで活躍できるというのは当然ですが、企業で通用する人材を戦略的に育成しなければならないということを考えて、特定の専門に閉じこもらず、幅広い分野で創造性を発揮する人材、つまり、融合領域で活躍できる、そして、融合領域を開拓していけるという、そういう人材を育成する、そういう教育プログラムに変えていこうということを意図として現在の制度ができ上がっています。
4ページをごらんください。これがコース制の概略です。主に3つのコースに分かれています。σコースというのは、これは修士で卒業する人のコースです。修士で卒業する、つまり修士で就職するという方は、必ずこのσコースに入ります。それから、πコースというのは、形の上では現状の積み上げ型、修士論文を行い、博士論文を行うというコースですが、現状の積み上げ型と違うのは、博士前期課程と博士後期課程では研究室を変えていただくという点です。つまり、これは戦略的にπ型の研究者を育成しようというコースです。それから、αコースというのが、前期課程・後期課程一貫のコースで、この場合は同一の研究室で行うのですが、このコースでは修士論文を課しません。仮に修士論文を書くとなると、当研究科は様々な分野の方が来られており、修士論文を非常に重視する分野から来られた先生が非常に強くて、大体、1月から3月まではほとんど修士論文を書くということに費やされるような状況になっています。そうすると、後期課程に進学する人には、その3カ月というのがある意味では重複になってむだになるというところで、ここのところを省いて、5年かけて博士論文を書くというような形にしてやれば、より有効な教育ができるのであろうというふうに考えられて、この3コース制がつくられております。学部がありませんので、入学した段階での能力はまちまちなので、博士前期課程、1年次の前半は共通の学力プラットフォームを形成させるという、そういうプログラムになっています。これでσコースに行く人と、α・πコースに行く人とでは取る科目が少しは異なるのですが、基本的に共通の学力プラットフォームを形成させるということになっています。
おそらく修士論文の研究が始まったときから、求める能力というのは、修士の段階では皆さん一緒ですが、博士課程に進むということを考えると、そこのところが若干違ってきて、2年次に書いてある小さいところ、関連分野の概観、これが修士で卒業するコースですが、博士課程まで進む人は、複眼的視野の養成ということで、より積極的に他分野を見ていただくというふうにコースをつくっております。
これを念頭に置いていただいて、次に、5ページ以下、この教育カリキュラムのポイントについてご説明いたしますが、まず、αコース、これは博士前後期一貫制です。これは一貫して博士研究の指導を行うことで、最初から学生と教員のディスカッションによって博士の研究テーマを選ぶ。そういう中で教育指導を集中させる。この場合にやはり区分制の上に成り立っていますので、修士の認定というのをなくすわけにはいかないので、修士論文のかわりに特別課題研究というものに変更いたしました。これは、修士論文のかわりに、例えば投稿した論文があれば、その論文の原稿、学会で発表したものであれば、学会の発表のアブストラクトやポスターの内容というものを添付していけば、10ページから30ページぐらいのレポートで構わないというものです。それから、πコースというのは、これは戦略的にπ型研究者をつくろうというコースで、これは通常の修士論文を課しています。後期課程から進学してくる学生に関しては、修士論文は他の研究室でやっていたということで、自動的にπコースに所属することになります。σコースは、前期課程で修了するコースで、ここも修士論文を書く従来型のコースと、課題研究というものを課して修了認定をするコースがございます。さらに、そのコース分けにかかわらず、博士前期課程1年次春学期は共通の学力プラットフォームの形成に力を注ぐということになっています。ただし、α、πコースとσコースでは、受講する講義、あるいは必須単位が異なっております。
これらの半年あまりの講義で、そんなに共通の学力プラットフォームがつくのかという、そういうご批判はあるかと思いますが、それまでの学習内容によって、同一科目にエレメンタリークラス、アドバンストクラスの2つのクラスを設置しまして、講義担当教員以外に、1つの講義に対して3ないし4名の助教、2名のTAを常に配置して、1人の助教やTAが4人から5人の学生を見るということで、その講義の合間に、本当に理解が進んでいるかどうかというのをきめ細かく理解度をチェックして、学習を助けております。なお、この科目の成績によって、研究室の配属が決定されるというインセンティブもつけておりますので、すべての学生は大変懸命に講義に取り組んでいます。
それから6ページに行っていただいて、後期課程の教育カリキュラムのポイントですが、特に博士後期課程でどういうことを身につけてほしいかということをここに挙げてあります。これは当然、どこでも同じと思いますが、深い学識であるとか、研究推進力、融合展開能力、プレゼンテーション能力、国際性とコミュニケーション能力、研究経営能力、自学自修の精神ということを身につけてほしい。こういうことを涵養するためにさまざまなプログラムを用意して、後期課程で単位化しています。例えば、科学倫理、科学技術政策、知的財産、技術ベンチャー論といったことで、中にはこういう講義は演習方式で行っている科目もあります。これは必修単位です。
それから、提案型演習科目、リサーチマネジメントというのがあるのですが、αコースの場合では、みずからの研究とは全く異なる分野の研究提案を行っていただきます。1人の学生については、大体4名のスーパーバイザーが設置されるのですが、その4名のうちの1名は全く分野が違うということが要求されていますので、その分野の違うスーパーバイザーと相談しながら、自分の所属する研究分野とは全く違う分野の研究提案を行っていただいて、それを判断していただく。
一方、πコースでは自分自身の研究提案を行ったらいいのですが、それがまた競争的研究支援制度と重なっておりまして、その競争的研究支援制度でいい成績が取れると、そこに研究費がいただける。もちろん、αコースの学生は、これに応募することはできますが、その応募書類はリサーチマネジメントにかえることはできないということになっています。
さらに、国際性の涵養ということで、海外派遣支援制度があり、UC
Davisとタイアップしまして、1カ月の英語研修を行い、さらにそれに引き続き、UC Davis、あるいはEcole
Polytechniqueやポールサバティエ大学という協定校に対して2カ月から3カ月の短期留学をするという状況になっています。
その前の4ページのコース概略を見ていただくと、左側に、中間審査、修了審査とありますが、大体1年に2回ずつ、すべてのαコース、πコースの学生に対しては中間審査を行います。前期の中間審査は個別審査ですが、秋の中間審査は2泊3日の合宿制で、しかもそこはすべて英語で行うということになっています。ここでこの合宿制の中間審査会には、UC
DavisやEcole Polytechniqueから4名の外国人教員を招聘しまして、やはり審査に当たっていただく。さらに、そのセミナーのやり方を学生が企画するというようなことで取り組んでいます。
その次の7ページ、8ページは教育の課程表がついていまして、詳細は省略しますが、αコース、πコース、あるいはσコースで、取る科目が少しずつ違っているということを示してあります。
その次の8ページは、後期課程の表です。
9ページには、修士論文、特別課題研究、課題研究の審査基準を挙げています。修士論文は従来型の審査ですので、新規性が求められるというところで、そのような7項目で判断いたします。
特別課題研究の場合は、概略的なものでいいのですが、そこの中には新規性は求められますが、必ずしも絶対ではありません。先ほど、東工大の益子先生がおっしゃられました、博士論文の1章に対応するようなものでも構わないということで、この場合の審査は、今後の展開が具体的に考えられており、合理的であるか。どちらかというと、リサーチプロポーザルに重点を置いた審査になっています。
課題研究、これは修士で卒業するσコースの場合ですが、この場合は新規性を求めず、得られた結果に基づく結論や仮説の展開が論理的であるというふうなことを要求している修士論文にかえて、今後の展望が適切に述べられているということを審査項目に挙げております。
博士の修了要件ですが、その次にスーパーバイザーの中間審査では、先ほど説明しました5つの能力というものの到達度を評価しますが、すべてのスーパーバイザーの総合評点が5点満点で4にならなければ、学位論文を提出できないということになっています。さらに、その学位論文では、修士論文で挙げた7つの審査項目に加えて、博士論文に記述された内容と、博士論文提出者の科学に対する考え方、取り組み方についての論理性を問うということになっております。
その次の11ページには、中間審査の報告書のひな型が書いてあります。このように、春と秋と2回、中間審査をやりますが、そのたびにスーパーバイザーは、その学生に対してどういう審査をしたかということと、それから、そこに13の判断すべき能力について書いてありますが、それをそれまでの、例えば留学をしたかとか、国際学会で発表したかとか、そういうさまざまなことを勘案しながら点数をつけて、総合評価が4にならないと学位論文を出せません。大体、マスターのときはこれが2.5から3ぐらいになっていればいいということになっております。
このコース制を導入した結果、どういうことが起こったかといいますと、やはり短期修了が促進されたということで、博士前期課程1年半、あるいは後期課程2年、2年半というような短期修了者が各年度3名前後出ております。さらに、日本学術振興会特別研究員(DC)の採用者が増加したということ。3つ目に多様な指導が可能になったということ。これは、博士前期課程で修士論文を課さなくなりましたので、レベルが低かった学生には、2年間はとにかく基礎を勉強するよう指導して、それで博士課程に進んで、本格的に研究をさせる。あるいは、非常に能力の高い者は、最初から投稿論文を書くことを念頭に置いた、短期修了を念頭に置いた指導が可能になったということで、よさが出ているかなと思います。それから、研究室を変わるというのは、非常に学生にとってはストレスが高い要求なのですが、これを積極的に選ぶ学生も何人か出てきています。それから、海外の短期留学者、3カ月までの短期留学者が確実に増加しています。社会人学生が後期課程在学生の3割いますので、それを除けば9割の学生が海外短期留学を経験しています。ということで、これに伴って英語力は確かに向上しましたし、学生は基礎学力向上の意義を理解するようになったというメリットがありました。
反省点としましては、プロセス重視のカリキュラムであるにもかかわらず、学位の質というものに対する考え方が、やはり教員によって異なるので、成果重視型の審査を変えることが非常に難しいということです。ですから、その両方を満たさなければならないので、学生、教員の負担は確実に増加しています。これが今後の検討課題です。2つ目に、残念なことに、後期課程進学者の増加には必ずしも結びついていないということ。それから、これは私の感想なのですが、学振の特別研究員というのは、成果重視で選考されるため、どうしても成果重視型の学位審査をなくすことは不可能であるというふうに考えています。
13ページは、これまでの研究科の学術振興会特別研究員、特にDC1とDC2の推移ですが、確かに18年度から運用を開始して、19年度入学生から対応していますが、確実に増加しているということが見てとれるかと思います。
以上です。
【有信部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、引き続き事務局から、博士課程前期あるいは修士課程の修了要件等についての取り組み事例と、菅委員からのコメントについて説明をお願いします。
【樋口大学改革推進室長】 資料5をお開けいただきたいと思います。ここに掲げました資料は、この大学院部会を中心にまとめていただきました答申に際して、この5カ年間の大学院教育の進展の検証の書面の調査をさせていただいた大学や、大学院GPなどで取り組まれている大学の中から、修士の修了要件、あるいは博士後期への進学要件といったところに着目して、一定程度特色のある取り組みをされている大学の事例を紹介しているものでございます。
これを3つのカテゴリーに分けて、課程の区分別に分けてございます。まず、最初のもの、これは5年制博士課程でございます。これは5年制でございますので、すべてに修士を与えるというものではございませんが、退学を許可された者に修士号の授与をする要件がございますけれども、その要件として、研究中間レポートというものの審査を課している例でございます。
それから、区分制博士課程につきましては、3つの例を記載してございますけれども、最初の一橋大学の事例は、博士課程のコースを研究者養成コースと修士専修コースという2つに分けてございまして、これは修士の修了要件としましては、修士論文を課してございますけれども、博士後期への進学要件として、成績優秀であるということに加えて、博士課程後期進学資格試験というものを課して、1科目以上の合格を求めるものがございます。並びに口述試験というものの合格をあわせて求めてございます。
ページをめくっていただきまして、同じく博士課程の事例、青山学院大学の政治経済学の事例でございますけれども、これも修士の修了要件を修論研究の場合と、課題研究の2通りということに分けてございまして、これはそれぞれの修論研究か課題研究かそれぞれで修得必要単位というものを30単位か38単位かという形に分けているというケースでございます。
もう一つ、早稲田大学の、これは政治学専攻のケースでございますけれども、これも博士後期進学を念頭に置いた一貫性のあるプログラムを設定してございます。これも修士論文を修了要件には課してございますけれども、博士後期入学出願者と、入学を出願しない者について、その必要となるページ数の差を設けているということであるとともに、博士後期への進学に際して、分析手法認定試験というようなものを課し、さらに口述試問というようなものを課している事例でございます。
3ページ、これは修士課程のみの専攻の例を2つ掲げてございます。まず、福島大学の経営学のケースでございますが、これは修士論文の場合とともに実務家・特定課題研究モデルというものがございまして、この場合に、この課題研究レポートの提出、審査という形の修了要件を課してございます。
また、最後の会津大学については、これは科目の中にソフトウエア開発アリーナという単位を計20単位の履修を課しております。ここで出てくるプログラムやソフトウエアなどの成果物を特定の課題研究の成果という形にして、この審査を修了要件としているという事例でございました。
続きまして、資料6として、菅委員のコメントの1枚紙がございます。概略をかいつまんでご紹介しますと、米国の多くの大学院でResearch
Presentation&DefenseとProposalというものがかなり多く取り入れられていて、これは文章の提出だけではなく口述試問というものを課しているということがございました。このResearch
Presentation&Defenseについては、これをそのまま口述試問の中で1時間程度の時間を通してじっくりと質疑応答するということが特徴で、これを数名の教員によって行っております。一方、Proposalに関しては、自分の推進している研究とは異なる研究内容で研究企画を書かせ、その企画書の提出と、それを評価者によって評価を行っているということでございます。
現在、日本の大学院では、Research
Presentation&Defenseを修士論文相当、Proposalを学振への申請という位置づけと考えられるところもあるわけですが、このような時間を十分に取るディフェンスというような形、あるいは学生が能動的な立場での能力というものを審査する教育的な配慮に基づく試験というものが少なく、まだここまでのトレーニングというものが米国に比べると希薄なのではないかという論旨でございます。
以上でございます。
【有信部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、これからおおよそ40分程度かけて、Qualifying
Examinationを中心に議論を進めていきたいと思います。特に大学院答申の一番の目的は、やはりポテンシャルを持った若い人たちが必要な教育と訓練を受けて、きちんとした学位を授けられて世の中で活躍するというシステムをきちんと確立したいということでありまして、できるだけ博士課程に進学する学生をプロモートしたいというバックグラウンドもあります。そういうことで、今、3つの大学での試みについて、どれも今回は理系の話でしたけれども、紹介いただきました。質問なりご意見なりございましたら、自由にどうぞお願いします。
それでは、口切りにちょっと質問をさせていただきたいのですが、九州大学では、MMAの特徴としては複数の研究室を経験するということと、修了要件が独自に定められているということ、それから、機能数理のコースではQualifying
Examinationのようなものを導入しているというのが特徴だというふうに伺いましたけれども、特にこういうコースに来る学生の学部時代の出身元というのはどのようになっているのでしょうか。
【金子学府長】 実際はまだ数学あるいは数理学情報といったところが多うございます。少しずつ環境や工学系の学生がMMAコースを志望してきているという程度で、大部分はまだ数学です。いろいろな学生を受け入れていきたいと思って、宣伝中です。
【有信部会長】 企業の研究所にいた経験からすると、数学というのは非常に重要で、ありとあらゆるところで数学的な素養というのが要求されるのですが、実はそういう人たちが極めて少ないという意味で、両側からうまく進んでいくと非常にいいと思います。
それから、片岡先生のプレゼンで、αコース、πコース、σコースの3つのコースに分けておられましたけれども、例えばαコースで修了できない、つまり博士の学位が取れないというようなケースはあるのでしょうか。もしあるとしたら、こういう学生は一体どうなるんでしょうか。
【片岡副学長】 基本的には、αコースを志願した学生は修士で卒業できないということになっていて、修士で卒業させるためには、1人について4名のスーパーバイザーがついていますが、そのスーパーバイザーが、この学生はどうやっても学位は無理だと判断したときは、σコースに強制的に変更して、修士で卒業させるということになっています。
【有信部会長】 ありがとうございました。どなたか。はい、どうぞ。
【川嶋委員】 2、3お伺いしたいんですが、まず、九州大学の事例についてです。私、内容的には全く素人ですので、素人的な発想で質問させていただきます。
MMAコースについてですが、今年の春、修了者が出たということで、進路はどういうところかということをお聞きしたいのが1点と、あと、MMAコースというのは、一種のMBAに対応したようなコースにしたいということで、マネジメントコーディネーターの育成を目指しているということでしたが、カリキュラムを見ると、マネジメントにかかるのは実務講義というところだけでしょうか。
【金子学府長】 まず就職ということですけれども、東芝、日立、三菱UFJ銀行等の企業へ4名、1人が今、公務員試験受験中というところになっています。
それから、カリキュラム上のことですけれども、いろんな科目を新設いたしまして、例えば、アクチュアリー数理といって、保険数学の基礎を教える科目や数理モデル概論というような、いろいろな分野で登場する自然現象なり何なりをモデル化して数学をつくっていくというような科目ですとか、機能数理学概論といって、似たような趣旨の科目等々、普通の科目としてはいろいろ新しいものをつくっております。産業とのかかわりというので特化したものが実務講義であり、インターンシップであり、そういったところです。
【川嶋委員】 ありがとうございました。引き続きよろしいですか。
東工大さんの試みについてお伺いしたいんですが、2ページの設計概念のところで、産業界への輩出ということと、それから博士一貫ということ、この2つの概念というのは必ずしも一致しないと思うんですよね。早くドクター取らせるということと、産業界へ輩出は論理的には別の目的だと思います。実際の進路を見てみると、確かにそのとおりで、スライドの13にある課程修了者のところを見ますと、企業関係56名、大学関係37名ですから、確かに産業界への就職者が多いのですけれども、今お話ししたように、この2つの概念は必ずしも一致しない。
それで、それに関連するのですけれども、その次の14ページで、修士論文を書いて修了した者が68名、特定課題研究で修了した者が47名というご説明だったのですが、この進路先との関係というのは、やはり修士論文を書いた学生はアカデミアに行く傾向が強かったのでしょうか。
【益子教授】 数字的には追いかけてございませんので、対応はとれておりません。修士論文を課すか、特定課題研究にするかというのは、専攻の方針がかなり強うございまして、例えば、工学系ですと、電気系の専攻では必ず修士論文を書かせるというふうに決めておりまして、本人の意向というよりは、専攻でそういうのを決めているということがあります。それで、修士論文を書いたからどうこうということは、今のところ、周りの情報、いろいろな先生方のお話からは何も伝わってはきておりません。
【川嶋委員】 それともう1点は、特定課題研究はQualifying Examinationに相当というふうに書いてあるのですが、その下の具体的な内容について見ますと、一方でむしろ研究のプロポーザル的な内容を含んでいると思うのですが、このことは資料6にもあるのですが、Qualifying Examinationとプロポーザルの関係というのはどういうふうにお考えなのでしょうか。別立てでするというようなことはお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
【益子教授】 まず、私どもが特定課題研究と呼んでいる理由は、修士論文を書かせないので、違う名前として特定課題研究が規則として認められているので、それを使っているということで、いわゆるQEというふうに認識して使っているわけではありません。それで、博士論文の第1章でもいいというのは、若干そこは意識はしているのですが、当然、例えば修士1年、1年半で博士後期へ進むということもありますので、当然、成果が出ていないのが、ある意味当たり前かなと思いますので、このまま進んでも成果が出せるというところをチェックして、それで進学後にしっかりと研究をしてもらうと。ただ研究をするだけでしたら、通常の区分制の博士後期課程と一緒ですので、研究をしながらも、いわゆるそれ以外のところに目が向けられるかといったところを評価して、そういったところもあわせてやっていけるだけの能力を持っている、ポテンシャルがあるというところを選抜時、QEのときに見るということになろうかと思います。
【川嶋委員】 ありがとうございました。
最後は文部科学省にお聞きしたいのですが、今、お聞きしているように、現行の制度の枠組みの中でいろいろ工夫されておられる試みを紹介していただいたと思うのですが、今後の議論の方向性としては、制度改正も視野に入れておられるのかということと、あと、文系については、資料1枚で、具体例が紹介されなかったのですが、これは現実がそうなのか、それとも時間的な関係でいい事例を見つけることができなかったのか。つまり、前者のケースだとすると、大学院の教育に限らずいろいろなところで言われているように日本の高等教育では人文・社会系というのはやはり問題が多いと、そういうことなのでしょうか。
【樋口大学改革推進室長】 まず、前者の制度改正を視野にというところについてですけれども、既にこの答申、後でご説明します大学院教育振興施策要綱の中でもQualifying
Examinationの導入ということで大学院設置基準なりの改正を視野に入れた検討ということを考えております。これは主として、Qualifying
Examinationというものを、博士に上がる進学要件にしているものと、修士の修了要件にしているケースと、さまざまありますので、法規的にはその辺の整理をこれからつけていかなければいけないわけですけれども、修士を終わり、博士に上がっていくという、区分制博士課程においてQualifyingというものを導入するときに、やはり制度改正なりの検討をしていかなければいけないだろうというのが発想にございます。これは答申、並びに大学院教育振興施策要綱でも一貫した方針でございます。
それから、文系のものが今回挙がってこなかったというのは、確かに多い、少ないという意味でいうと、理系でこのような仕組みが取り入れられているものが多いということによるのではないかと思います。ただ、前回の会議の際にも、先生方の中でそういう取り組みをしていたというお話もございましたので、文系の中でもないわけではないのだと思います。ただ、実際の印象として申しますと、博士一貫という明確な形をとっているところが理系に比べれば文系は少ないというのが実際のところで、やはり修士が終わった段階でかなりのセレクションがかかっているという枠組みが、文系ではその傾向というのがやはり強いのではないかというふうに見ています。
【河田副部会長】 2つ質問があります。一つは東工大の方に、もう一つはあと2つの大学にあわせての質問であります。
東工大さんの13ページを見ますと、海外研修に行かれる方が135名ということで、さまざまな国に行っておられます。おそらく英語を主として話して、そこで生活なり実習をされると思いますが、東工大さんのカリキュラムについての資料には、英語の授業についての記載がないのですが、その点について教えていただきたいということです。
それから、もう一つは、奈良先端大さんのほうは、8ページに物質科学英語から始まって、国際化科目ということで、上3つは多分英語で授業をされるんだと思いますが、あとはどうなのでしょうか。それから、この科目をどの程度学生さんが取られて、それが英語力として身についていっているのかということ。
それから、九大さんのほうは、MMAの数学特論1と2は英語科目と書いてあって、あとは日本語でやっておられると思うんですが、これも選択必修となっておって、必ずしも取らなくてもいいわけですから、九大での英語教育がどうなのか、どの程度、理系の方々が英語力を身につけて大学院を修了していっておられるのか、その2点についてお教えいただければと思います。
【益子教授】 博士一貫教育プログラムということで、特に英語の授業を何か立てているかというと、それは一切やっておりません。大学としては、大学院の授業の中にコミュニケーション科目というのをつくっておりまして、語学の先生が大学院生向けの授業をやっております。それを取るか取らないかは学生の自由ということになっておりまして、縛りとして何かしなさいということにはしておりません。
当初、海外に派遣するのに、やはりある程度英語が使えないとだめだろうということで、一応、TOEICのスコアを出させて、7~800ないとだめだろうというふうに思っていたのですが、現実は600以下の学生も行っておりまして、それでももちろん相手先は我々各教員の知り合い先に行くというところがかなり多いのですが、非常に面倒見がよくて、そこの研究室のほかの学生、大体、他の大学というのはいろいろな国から留学生が集まっていることが多いんですね、西洋の研究室は。その中の1人ということで、あまり英語がフルエントでなくても非常に面倒見よくやってくれるということで、相手方にとっては非常に申しわけないのですが、行ったことによって英語の能力が上がって帰ってくるというのが実態かと思っております。
【片岡副学長】 まず、物質科学英語2、3というのは、これは研究科で雇用をしているネイティブスピーカーによる英語の講義です。物質科学英語研修というのは、UC
Davisで1カ月間の英語研修を行うというコースで、この物質科学英語研修はドクターの学生ほとんど全員が取っています。その次のサイエンスリテラシー、上級1、上級2というのは、やはりネイティブスピーカーによる科目で、講義ではなくて、こちらはむしろ学生がプレゼンテーションの練習をするという科目になっております。これは国際学会で学生が発表するというときに、アドホックにとれるということになっています。
それから、国際インターンシップは物質科学英語研修1カ月の研修を受けた後、UC
Davisに残る、あるいはフランスの大学に2カ月短期留学して研究をするものですが、それが2単位になっています。
融合インターンシップを国際化科目に入れているのはちょっと問題なのですが、これは国内の企業でのインターンシップということになっています。国内の企業に行くということで、国際的な中における日本の位置づけもわかるだろうという、ちょっとこじつけです。
それから、光ナノサイエンス特講では、大学に来る外国人の講師が特別講義を行いますが、それを8回聞いたら1単位にするという、これは完全に英語の講義になっています。
ということで、UC
Davisでの英語研修、これはドクター後期課程の学生はほぼ全員取りますし、そのうちの8割から9割がそのまま残って国際インターンシップを取っているという、そういう状況です。
【金子学府長】 まず、MMAコースの数学特論1、2というのは選択必修ですが、この2つのうちの1つは必修という意味の選択必修で、学生は1つは必ず取ることになっています。1つだけの学生と、両方取る学生と半々ぐらいだと思います。おおむね学生さん方は、なかなか英語に苦手意識が高いようです。
一般の数理学コースのほうでは、今、釜山大学との集中講義の講師の交換や、主幹教授制度というのがありまして、それによる招聘教授、外国からの教授による集中講義形式で、幾つか年間、講義は取れるようになっていて、各講義、10から20名ぐらいの受講者がおりますが、それは必修ではないですから、全員が取っているというわけではありません。
内向き志向ということがよくいわれますので、このマス・フォア・インダストリという取り組みでも海外にも長期インターンが行けるというものがありますが、結局、去年手を挙げた学生がおりませんでしたので、これはこれからの課題かなと思っております。
【勝委員】 幾つか質問させていただきたいのですが、東工大さんの資料を見ますと、アメリカの大学にかなりの学生を送っているということだと思うのですが、私は、先週、北京に行きまして、中国の大学院は相当程度欧米の大学院と共同プログラムである、あるいは独立したオフショアの大学院を共同で設置するというような動きが400件以上あるという話を聞きまして、東工大さんの場合も、例えばダブルディグリーであるとか、博士一貫教育プログラムでなくとも、大学院でそういった形でプログラムがあるのかどうかお尋ねしたいというのが1点。
あと、この博士の一貫教育プログラムは編入によって多くの学生が来ていると思うのですが、この編入する動機というのは、やはり博士修了時間を短縮するというのが大きな動機になっているのかということをもう1点、聞かせていただきたいと思います。
あともう一つは、奈良先端科学技術大学院さんですが、非常に充実したプログラムで、このプログラムで博士号を取るのはかなり厳しいものだというふうに考えられるのですが、このαとσとπ、それぞれ入り口が全部決まっていて、その中で編入ということはできるのかできないのかということと、あと、このコースで博士を取っている人数と、それぞれのコースの人数というものを教えていただければと思います。
【益子教授】 ダブルディグリーですが、博士一貫ではもちろんやっていないのですけれども、海外との大学との間では精華大学とやっております。精華大学で修士を取ってきて、東工大に1年来て、また戻ってドクターを取る。両方の修士を取って、どちらかのドクターを取るというようなことをこちらの学生もそうですし、向こうの学生もやっております。制度上、海外の大学とやっているダブルディグリーはそれ1つだったと思います。
それから、やはり修了期間の短縮がかなりの動機になっているのは事実だと思います。それから、もう一つは、5年間、文部科学省から交付金をいただいておりまして、それにはRA経費を出せたんですね。今、東工大では博士後期課程の学生には授業料相当の額を補助しておりまして、事実上、授業料はなくなっているのですが、修士の課程の学生にはそれが適用されていないんですね。編入いたしますと、編入した学生にはRA経費というのを払っておりましたので、授業料相当とまではいかないのですが、それに近い額、何十万円という額を渡しておりますので、それも若干、動機にはなっております。
それで、短縮というのは、決してマストではないのですが、先ほども言いましたけれども、それを目標に頑張れということですので、その成果が出て、やっぱり頑張るので、結果的に短縮されているということで、短縮しなくちゃいけないぞというようなプレッシャーは与えていないわけですが、短縮して出られるぞというのが動機になっているのは事実かと思います。
【片岡副学長】 σコース、πコース、αコースというのは、基本的に入学試験で合格してきた人の希望によって分けています。ですから、4月に入学した段階で、この研究室でドクターまで行きたいという人はαコースに手を挙げますし、2つの研究室、両方経験したいという人はπコースに手を挙げます。πコースはまだ学生数が非常に少なく、来年の3月に初めての修了生が2名出る予定です。
また、πコース、αコースを志願した者については、研究室配属の優先権を与えています。1つの研究室が定員7名ですが、人気のあるところは10人、20人となってしまうので、αコース、πコースに手を挙げた人は優先権を与えている。そのかわり、就職活動は原則禁止ということで、どうしても就職を念頭に置いて、後で後期課程に行きたいという人は、2年次の8月に進学試験がありますので、それまでにドクターに行きたいということを言えば、αコースには編入することができるようになっています。πコースに関しては、8月を超えて3月まで就職が決まらなかったからドクターに行くというような人も含めて、ドクターに行きますという場合はπコースに配属するということにしています。
逆に今度、πコースとかαコースからσコースに行くのは、先ほど申し上げた、スーパーバイザーが、どうしても学力的に無理だから修士で卒業しなさいと言うケースがあろうかと思いますが、幸いにしてそういう人は今まで1人もいません。あとは経済的な理由もあります。αコース、πコースに関してはRAや授業料免除など、いろいろなことで経済支援はしておりますが、それでも家庭の問題で、経済的にどうしても難しいとか、健康を害してしまったので後期課程で研究することは難しいと、そういう特殊な事例に関してはσコースに戻って、修士で卒業させるということは認めています。
今年の3月に初めてのαコースの学生が出たのですが、αコースに入学した学生は3名が短期修了していて、10名が無事に卒業して、2名程度、残念ながら、投稿論文が間に合わなくて、単位取得退学という形になっている学生が1名、それと、留年してさらに学位を目指すという学生が1名おります。そういう状況です。
【有信部会長】 ありがとうございました。
特に東工大さんのように、編入というプロセスをとっているのは特徴的と思います。実際には学生を見ていれば、その学生ができる学生かそうでないかは大体わかるんですよね。ですから、Qualifying
Examinationがある意味で本当に客観的に機能しているかどうかというところについては、今の一貫コースの設計からすると、ちょっと想定しにくいかもしれませんけれども、本来、社会人のような人たちが博士課程に入ってくるときに同じレベルで能力が評価できるような、そういう仕組みに発展していくといいなという気がしますし、九州大学の例も、どちらかというとまだ数学系の人が多いという意味で、もっと違う分野から来る人たちが、Qualifying
Examinationのところできちんと評価ができるようになればいい。奈良先端大の場合は、大学院しかないので、そこに入る段階でおそらくふるいにかけられるというところがあるので、ちょっと事情は違うのかもしれませんけれども、関連するようなことでご質問があれば。
【有川委員】 資料6の菅先生の資料に、落第させる理由になり得るということが書いてあります。実際にQEのようなものを導入されていて、チェックポイントとしては非常に意味があると思いますが、基準を満たさない、あるいは適正を欠くと判断されるような場合には、どのようにされているのでしょうか。これは博士課程関係だと思いますので、東工大と奈良先端大からお話を伺えればと思います。
【益子教授】 全学で、指導教員のほうから、やめたほうがいいんじゃないかって言われた学生が実は1人おります。二百何十人のうちの1人、今までおります。それ以外は、実情を申すと、教員のほうから「君、行きなよ」と言って、釣っているほうが多いので、大体、釣られた学生はそれなりの能力があるということだと思います。
チェックポイントは、例えば、化学工学専攻の場合ですと、3カ月に一度、プレゼンして、数人の教員で見て、進捗度を見ているということがありますので、あまり挫折しないでやっていけているのが実情かなと思います。
【片岡副学長】 本学の場合は、特別課題研究の審査、これは修士論文の審査とよく似ていて、そのレポートの審査項目がありましたけれども、それに対してちゃんと答えられるレベルにあるか、それから、プレゼンテーションは、質疑応答がきちんとできたかというところを評価しますが、仮合格という制度あって、そこで、合格点の60点に達しない場合はその審査員が、どこのポイントが現在だめだと指摘し、発表が終わってから3月の修了時点までに、そこのところに対してレポートを書いてくれば、そこのところで合格は認めるということになっています。
基本的に、落とすということが目的ではなくて、何とかして学生の意欲を引き出して、よりよい学位論文を書かせたいというのがありますので、むしろ学生のほうが、もう自信がないからコース変更したいと言ってきたときも、大体は「君ならできるから大丈夫だよ」というのを4人が一生懸命サポートするという、そういうふうな形になっています。
【大門研究科長】 菅先生の書かれたQEと大体同じですが、基礎知識なり、そういうのは試問していますし、プロポーザルというのは、ドクターに行ったときの研究内容のプロポーザルということで、きちんとやっておりますけれども、ただ、この菅先生の資料には、自分の推進している研究とは異なる研究内容のプロポーザルと書いてあり、そこがちょっと違っておりまして、先ほど話したように、進学のときだけではなく、その後もいろいろな研究、競争的資金を出すためにプロポーザルなどをさせておりますが、それも自分の研究についてというのが多くて、進学時に異なる分野についてももう少しやらなくてはいけないかなと考えております。
【本間委員】 九州大学の先生に質問というよりお願いです。資料に書いてあるように、代数、幾何、解析、応用4分野の基礎的知識もしくは俯瞰的な知識を習得させて、これが終わると、高校の教員や一般企業に就職するというふうに言われていましたが、例えば私のところの教員養成の大学で言えば、こういう俯瞰的、基礎的な知識があって、さらにドクターに行っていただいて、自分の専門でドクター取ってもらって、そして我が大学のようなところの教員になってもらうというのは非常にありがたいわけです。代数をやっていると幾何のことはさっぱりわからないということでは教員養成はできないわけで、ですから、そういう面で言うと、もちろん先生のところでは教員養成大学の教員を養成するという目標は全然入っていらっしゃらないのかもしれませんが、普通で考えると、こういうようなことをやっているとドクターには入れません。にもかかわらず、QEをやって、そういう幅広い知識を得て、そしてそこでドクターに入るだけの力があるかどうかを確認していただき、それでドクターに入れて、また自分の専門的な研究をさせるというような形で養成していただいたら、私たちの大学としては非常にありがたいと思っております。
【金子学府長】 ありがとうございます。コースのもともとの考え方が博士課程でやっていた機能数理学コースの修士版ということで、もちろん、博士課程へ進学することも可ということはやっておりましたけれども、修士段階で数学人材を世に送り出すというようなことをメインに据えておりますが、今おっしゃっていただいたようなことは非常に大事だと心得ております。参考にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
【五神委員】 Qualifying Examinationだけでなくて、この制度として一貫制博士というものを考えるときの規模感ということがちょっと気になっています。東工大の場合ですと、45~6専攻あるうちの34専攻が採用しているということですから、かなり大半の専攻で採用しておられます。一方で、このコースに1学年入る方の数は、最初80人ぐらいですけど、その後はほぼ40人台になっているということを考えますと、専攻あたりでは、かなり少数ということになるんじゃないかと思います。Qualifying Examinationをやるにしても、やはり同級生の間で、その季節になってみんなでExaminationに向けて勉強し合うというイメージがあるのですが、このように少数ですと、受ける人は特殊でぽつぽつといるような状況なのではないかと思います。あるいはご紹介されている化学工学の場合にはある程度まとまっていて、同級生間の切磋琢磨もできるような環境が整っているのでしょうか。それから、この40数人ぐらいというのが、目標値、規模として、東工大としては理想的なのか、あるいはもっと増やしたいと思っているのかというところをお聞きしたいと思います。
【益子教授】 人数が40数人になっているというのは、実はお金に絡んでおりまして、各専攻、数名を、先ほどちょっとRA云々と言いましたが、派遣プロジェクトで100万円とか150万円とかを1人の学生に出しますので、希望者全員にそれをあげるわけにはいきませんので、基本的には1専攻当たり1、2名というたがをはめております。ある意味、エリート教育というのはちょっと言い過ぎですが、そういう意味で、ちょっとくすぐって博士一貫に行かせるというようなことをやっておりますので、結果的には数字はやはり40数名が定常値になっていると思っています。
ただ、設計したときは、全員行きたいと言ったら行かせればいいのではないかという案がありまして、お金はもらえなくても教育は博士一貫の教育を受けたいという学生もいます。今まで5年間は文科省から援助をいただいておりましたので、今のところ希望者にはすべてお金はあげられていたのですが、今年からは自前でしかできませんので、お金のほうが苦しくなってきておりまして、お金をもらえる学生は少ないけれども、教育はしっかり受けたい、あるいは別のところのお金で派遣プロジェクトをやりたいという学生も出ていますので、大学全体としてはこの一貫教育に入る学生の人数を増やしたいという意図はございます。
【五神委員】 もし40何人ぐらいしか財源的に余裕がないのだとすれば、教育効果を考えたら、例えば10人ぐらいのコースを3つ、4つぐらいにして、そこで切磋琢磨させた方が、試行プログラムとしては良いのではないかと思います。今お聞きすると、むしろ各専攻の中で奨励金みたいな形で与えているという印象を受けました。そういうことも非常に重要で意義のある試みだと思うのですけど、制度として効果を高めていくという観点で見たときに、規模としてはもう少し数をまとめたほうが効果が上がるという感触をお持ちなのかどうかということをお伺いしたかったんです。
【益子教授】 1つの専攻に学生が多くいて、その専攻の中でクローズしてというよりは、博士一貫に選ばれた学生が専攻を超えて集まって何かをやるということを実は期待をしておりました。それから、博士一貫ではありませんが、例えば、留学生に対していろいろなプレゼンをするとか、支援をするとか、サポートに入るとか、そういったときに博士一貫の学生が集まり、そういったことで、博士一貫の学生という何らかの団結力みたいなものは部分的には芽生えているのだと思います。
【有信部会長】 ありがとうございました。
当初の予定した時間になりました。なかなか共通理解とまではいきませんでしたが、日本でQualifying
Examinationを行う場合の具体例が示されて、実際にこれを本格的に導入しようとすると、どういう問題がありそうかということについて、おぼろげながら問題点の把握はできたかなと思います。
特に、身近でずっと学生を見ていれば、本来、Qualifying
Examinationのようなものは要らないという考え方もありますけれども、今、目指しているのは、もっと学生の流動性、あるいは年齢のダイバーシティ、人種のダイバーシティをもっと高めるということを前提にして、優秀な学生が、さまざまなダイバーシティの中で切磋琢磨しながら育っていくというようなことも頭に入れると、やはり共通にポテンシャルをどこかで見なければいけないということになると思いますので、そういうところからすると、現状と理想の間でどういう着地点があるかについて、少し事務局のほうで考えてもらって、次回に方向性を整理してもらったものをたたき台にして議論を進めていきたいと思います。
続きまして、第2次大学院教育振興施策要綱について、これは前回の議論の中で一応パブコメに出すということを了解いただいたと思いますが、その後の進行状況について事務局から説明をお願いしたいと思います。
【樋口大学改革推進室長】 失礼します。資料7-1、7-2でございますが、第2次大学院教育振興施策要綱の案についてご説明申し上げます。
この大学院部会では、7月1日の部会でご議論いただいたものにつきまして、委員の皆様のご意見を踏まえて修正したものについてパブリックコメントを実施いたしました。その結果、既にパブリックコメントは終了してございますけれども、いただいた意見を見ますと、一般的には奨学金やTARAといった経済的支援を求めるもの、あるいはキャリアパスの構築の重要性、また、専門的大学院、MBAなどの質の確保といった意見が出てございましたけれども、いずれも施策要綱に掲げた施策について、具体的な実施にあたっての留意点や方向性についてのご意見ということだというふうに理解してございます。施策そのものの訂正、是正というものを求めるものではなかったというふうに思ってございます。現在、近々に文部科学大臣決定という形で成案化すべく、作業を進めている状況でございます。
なお、話が前後しましたけれども、7月1日に大学院部会でご議論いただいたことについて、若干修正を施してございますので、その点のご説明をさせていただきます。
これは資料7-2のほうをごらんいただきたいと思いますが、そのとき出ました意見の多かったところは、7-2の最初の理念のところでございまして、リーダーの養成が急務であるということは、震災の復興ということにとどまらず、そもそも日本の未知の課題に先んじて解決し、日本のプレゼンツというものを高めていく、そもそものためにも求められているものだということが掲げられていましたので、その旨を背景のところの下から2番目の段落のところに付記してございます。
その一方、この震災に伴って、雇用への影響や、優秀な人材誘致といった懸念の中で、国内外の優秀な学生がその魅力、能力を磨くことができるような環境をつくっていうことが重要であるということもご指摘がございましたので、これを最後のパラグラフの中で付記してございます。
また、続く2ページのところに基本的に視点というところがございまして、これは各論の構成順になる5つの柱を立てていたところでございますけれども、この内容を準用させていただいて、1から5、1番であれば博士課程、修士課程、専門職学位課程を授与する、その課程において、明確な人材養成の目的に基づき、個々の専門分野を超えた組織的な指導体制で一貫性のある教育を提供する学位プログラムに基づく大学院教育を確立する。
そして、2番目は、一般的な大学院教育の体制の話を申し上げた上で、特に博士課程に特化して、前期・後期を一貫した博士課程教育を独立し、俯瞰力と独創力を備えた、社会の発展、成長を牽引するリーダーとなるような人材を養成する拠点を形成するとしてございます。
また、その教育の充実ということ、教育改革ということを踏まえた上で、3番目として、教育情報を公表し、社会に対する説明責任を果たすとともに、大学と社会との対話と連携による教育の支援、充実、それから、学生が将来への見通しを持てるような環境の構築というものを3番目に掲げてございます。
4番目が海外大学との質の保証をされた連携交流と、外国人学生、日本人学生の垣根を越えた共同教育を推進し、大学院教育のグローバル化を推進する。
5番目といたしまして、社会経済の各分野で指導的役割を果たすとともに、国際的にも活躍できる高度専門職業人を養成する制度創設の理念に立ち返り、この専門職大学院の質の向上を図るという形。
これはそれぞれ各論として示させていただいています各施策の方向性を示すものでございますが、こういった要約を記載して、各論への導入というものに生かされるような記載を施したところです。
各論の記載に関しましては、前回、基本的にはご説明させていただいた中身と変わってございませんけれども、先ほど来のご議論の中で、若干幾つか補足をさせていただきたいところがございますが、7-1のほうの資料で補足させていただきたいと思いますが、裏のページを開けていただきたいと思います。
まず、この1カ月の間、動いたこととして、Qualifying
Examinationについての議論が進んでいるということも一つの事例でございますけれども、3のところに、社会との連携の強化と多様なキャリアパスの確立というところがございまして、その四角の欄に、企業と大学による従来の枠を超えた対話を通じた産学協働の推進というところがございました。これに関しましては、去る水曜日、27日に、産学協働人材育成会議というものを設けて、東京大学の濱田総長、それから、日立製作所の川村会長を共同座長とする一つの円卓会議を設けて、具体的な提案の作成ということにとどまることなく、具体的なアクション、具体的にはイノベーティブな人材であり、グローバルな人材を育成するということを主眼とした具体的なアクションというものを引き出していくような対話の場の設定というもの、その会議を発足させていただきました。今日ご出席の山田学長にもご出席いただいております。もう、1点、勝委員からご指摘がございましたけれども、中国ではジョイントディグリーが活発であるという点につきましては、その下、4の、大学院教育のグローバル化の促進という中で、四角の枠が2つございますけれども、下のほうの枠の中で、海外大学とのジョイントディグリーの実現に向けた検討を行うということで、現在、文部科学省内で有識者の方々を呼んでの具体的なケーススタディー、研究に着手したところでございますので、しかるべきタイミングで部会の中でもご報告させていただくような形をとらせていただきたいと思っております。以上がこれからの道行きでございますが、今後、さまざまな形でこの部会での議論が深まっていく中で、新しい施策が生み出されるということはあろうと思いますので、そうしたところは適宜、5年間のうちに見直しながら修正を図っていくという考えでございます。以上でございます。
【有信部会長】 ありがとうございました。パブリックコメントに関して言うと、総じてサポーティブな意見のほうが多くて、否定的な意見はほとんどなかったように聞いております。何かこの件に関してご質問等々ありましたら。
【川嶋委員】 2点ですが、1つは、もっと前にコメントしたらよかったのかもしれませんけれども、専門職大学院のところの書き方ですが、例えば、資料7-2の2ページの最後の5のところで、「専門職大学院の質の向上を図る」というふうに書いてあると、様々な努力をされている既存の専門職大学院の質が悪いような、そういうとられ方をしかねないので、「さらなる」などの言葉を入れたほうがよかったのかなというふうに今になって気づきましたが、遅すぎたかもしれません。
もう1点は、情報提供ですけれども、今、樋口室長が最後に指摘されたダブルディグリーとかジョイントディグリーについて、特に中国の動きですが、1週間ぐらい前のアメリカのクロニクル誌の記事によると、中国は基本的に英語圏の大学と積極的にダブルディグリー等の協働プログラムをつくっていくということが報道されていましたので、日本の各大学も、そういう中国の動きをきちんと注視して、それに対応できるようなことを考えていく必要があるのではないかと思います。
【本間委員】 人文・社会系大学院の中に、教員養成系の大学院も含まれているんでしょうか。
【樋口大学改革推進室長】 1月31日に答申をまとめていくに際して、そもそも人社系、理工農系、医療系、専門職という4つのワーキングで議論を進めて、それぞれに報告書を出して、それを集約して答申をまとめていったわけですが、人文・社会系大学院の中で教育学にかかわる大学が入っていました。また、教職大学院そのものは、専門職の大学院のワーキングの中での指摘ということの範疇ということになっております。
【本間委員】 教育学というのは、いわば旧帝大の教育学の大学院ですが、例えば、9ページに人文・社会科学系大学院において、教育機関、企業云々というふうに書いてあるわけですが、人文・社会系大学院の中に教員養成系の大学院は含まれているかいないかというのは、私にとっては非常に大きな問題でして、これはもちろん、教育機関と積極的な連携を強化し、ということについては、私はもちろんだというふうに思っておりますが、そこのところはいかがなものでしょうか。
【藤原大学振興課長】 全体としては、人文・社会科学系大学院ということで、含まれているということでございますけれども、ただ、先生がおっしゃるように、教員養成というのはまた全然違う部分が、その固まりとしてあるわけでございまして、教員養成自体として別途、今、特別付加もやってございますけれども、そうした観点で検討されるべき事柄というのは、また別途あるのだろうというふうに思っております。ここでは、そういったもの、濃淡ございますけれども、人文・社会科学系全体として、ここに書いてあるようなさまざまな、より幅の広い教育の必要性といったことをうたっているということだと思っております。
【有信部会長】 人文・社会系の検討の中で、教員養成を主たる目的とした大学院は、人文・社会系のスコープの中には入っていませんでした。金子委員が今おられないので、確実に全く議論されていないかどうかというということは言えませんが、スコープの中には入っていなかったと思います。むしろ、どちらかというと、専門職大学院の中で、それぞれ議論するということになっていたと思います。ただ一方で、いわゆる教職課程そのものが、いわゆる教員養成を主としていた旧来の教育学部が、必ずしも教員養成だけではなくて、人文・社会系とか自然科学系の教育研究を進めているということは承知しています。ただ、大学院というスコープの中で考えるときに、そこが多分、はざまに落ちていた可能性はあります。
【本間委員】 つまり、教員の質の向上と、今、別のところで議論されておりますけれども、もちろん、その別のところで議論していただくのも結構でございますし、それから、専門職大学院で議論していただくのも結構ですが、専門職大学院の場合には、御承知のようにマスターでございます。それで、本当に教員養成の質の向上ということを本気になってお考えになるならば、あるいは日本の科学技術の、本当にこれからの進歩ということを考えていくならば、学校教員がいかに質の高い知見を持っているかということは非常に大切でございますので、ぜひ議論の隅っこにでも加えていただければというふうにお願い申し上げます。
【有信部会長】 ただ、そういう意味では、実際には教員養成、教職というスコープとは別に、それ以外の人文・社会系のコースの博士の人たちが教職につくという見方も別途あるわけです。だから、教職につくのは教員養成系を修了した人たちだけという考え方が、本当に正しいかどうかというのは、今後、議論の対象になるべきだろうと私は思っています。
【小松高等教育局審議官】 すみません、ちょっと補足になりますけれども、教員養成の学部、それから教職大学院というような専門職大学院としての部分と幾つかあります。それから、いわゆる旧帝大でやっているような教育科学的な意味での教育学というのもありますが、この大学院教育振興施策要綱はこれで独立したものではなく、こちらにお配りをいたしております、グローバル化社会の大学院教育の答申の中で提言されていることを、施策的に翻訳をして言えることを集約して、今後の行動計画の基本的な要綱というものでつくった性格でございますので、これで独立しているわけではなくて、この中から出てくるわけですけれども、この中でご議論をいただいたときには、この分野を抜かすというふうな形にはしておりませんので、そのときの分類としては、人文・社会系の中に、便宜上、教員養成学部が含まれております。
ただ、今、有信先生がおっしゃられたように、教職大学院というようなまとまった形とか、それから、人文・社会系といっても非常にたくさん分野がございまして、文学部でも、またその中でもいろいろ分かれるとか、そういうところにこれ自身が焦点を当てて何かいったというわけではないということであって、逆に申しますと、これで進めていくときには、当然、教員養成学部にかかわる部分もあわせて進めていくという計画であると我々は受けとめておりますし、それから、この中の大学として努力をしていただかなければいけない部分は、教員養成学部も当然、一緒に努力をしていただくということで考えております。
この答申の冊子の中に、親委員会からの名簿が入っておりますけれども、そのうちの166ページ、167ページ、168ページ、169ページのあたりに4つのワーキンググループの構成が書いてございます。この構成をさせていただく際に、人文・社会系で言いますと、例えば、専門委員の上から3人目でございますが、教育学部長、教育学研究科長はここに入っていただいております。
したがいまして、今、有信先生がおっしゃられたように、そのものとしてご指摘の点の議論をやる必要があるという場合は、これはまた、この部会なのか、ワーキンググループなのか、また別の機会なのかわかりませんけれども、いろいろとご指摘をいただきながら進めていかなければいけないという位置づけになるだろうということが一つと、今、申し上げましたような構成でお考えをいただきましたので、この要綱については、教員養成学部もほかと同じような意味で含められていると、そういうふうなご理解をしていただけばありがたいかと存じます。
【有信部会長】 いずれにしても、この問題をないがしろにしているということではなくて、議論はきちんと進めていきますし、いわゆる初等・中等教育にかかわる人たちをどう育成していくかということは非常に重要だと思いますので、今後とも議論が進められるというふうにご理解いただければと思います。
多少時間が延びていますが、事務局から事務連絡事項がありましたらお願いします。
【樋口大学改革推進室長】 本日はありがとうございました。次回の大学院部会は8月22日、午後1時から3時までということでございます。よろしくお願いいたします。
【有信部会長】 本日はどうもありがとうございました。これで閉会とさせていただきます。
大学院係
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