「教授の仕事は別々の、だが重なり合う4つの機能を持っている…「発見の学識」(scholarship of discover)、「統合の学識」(scholarship of integration)、「応用の学識」(scholarship of integration)、「教育の学識」(scholarship of teaching)である。」
「統合の学識は、個々ばらばらに孤立している諸々の事実に意味を与え、それらの事実を関連づける。専門領域をより大きな脈絡の中に位置づけ、資料を意味深く解釈し、それによって専門外の人々を教育する。種々の物事を関連づけることは、教育者が自らの能力の限界まで熟考することである。研究が究極的に本物になるのは、関連づけること(意味を与えること)によってである。」
「統合の学識は、発見と密接に関連している。第一に、統合の学識は、諸々の専門分野が一点に集合する境界領域(重なり合っている学問的な近隣諸分野)で研究することを含む。伝統的な専門分野のカテゴリーが閉鎖的であることを打ち破り、知識の新しい位相を開拓する。第二に、統合の学識は、説明的解釈を意味する。自分の研究や他人の研究を、より大きな知的類型に適合させる。そのような努力は、専門が衒学的(pedantic)になりやすい危険を防ぐ。知識は統合なしでは衒学的である。」
「発見に携わる者は、いま知られるべきこと、発見されるべきは何か?を問う。統合に携わる者は、その研究結果は、何を意味するかを問う。より広い、より包括的な理解を提供するようなやりかたで、発見されたことを解釈し、説明することは可能かを問う。」
「統合の学識は、批判的分析と解釈・説明の能力を必要とする。統合の学識により、情報から知識へ、そして英知へと人を導く。」
「統合の学識は、新しい知の問題と人間の緊急課題の両方に応えている。大学は統合の学識により一層の注意を払わなければならない。」