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資料 3-4

アメリカにおける大学の質の保証のシステム【その2】
−アクレディテーション−

   アメリカ合衆国においては、高等教育の質の保証は、1州政府による大学の設置認可(資料:その1)と2民間団体であるアクレディテーション機関によるアクレディテーション(適格認定)(資料:その2)によって行われている。
 
1.アクレディテーションの一般的なプロセス
1 アクレディテーションの申請をしようとする大学は、大学全体又は教育プログラムについて、アクレディテーション団体の認定基準に即して点検・評価(self-study)を行い、その結果を点検・評価報告書(self-study report)にまとめ、協会に提出する。
2 協会は、大学の規模、性格又は教育プログラム等に応じて、実地視察団(visiting team)を組織する。
3 実地視察団は、点検・評価報告書をもとに、大学への実地視察を行う。
4 実地視察団の団長は、視察の結果を実地視察団報告書にまとめ、協会の評価委員会(Commission)に提出する。
5 協会の評価委員会は、実地視察団報告書と大学の点検・評価報告書をもとに、大学をアクレディットするか否かを決定する。
6 協会から大学に対して評価結果が通知される。
   
アクレディテーションは、通常5年から10年の周期で定期的に行われる。
   
(注) 大学基準協会「米国基準協会等の大学評価に関する実態調査報告書(中間報告)平成10年2月17日」より作成
 
2.機関アクレディテーション協会(例)
(1) 加盟共通要件
 
1 大学の使命と設置・運営の認可に関する事項
2 教育課程に関する事項
3 組織・機構に関する事項
4 財的資源に関する事項
5 大学情報の開示に関する事項
   
(2) 認定基準
 
1 大学が明確に目的を宣言していること。その目的が大学の掲げる使命と調和し、なおかつ中等後教育機関(postsecondary educational institution)としてもふさわしいものであること。
2 大学が教育課程その他のプログラムにおいて、こうした目的を達成する上で有効に組織された適切な人的、財的、物的資源を保有していること
3 大学が、その目的を現在遂行中であること。
4 大学が、その目的を継続して遂行していける見込みがあること。
 
3.大学の「変更」に伴う措置
大学が、加盟校としての地位に影響を及ぼす変更を行う場合には、アクレディテーション団体の判定委員会の承認を得なければならない。承認の必要な主なケースは以下の通り。
 
1 公立若しくは私立等の設置形態を変えようとする場合、あるいは設置母体となっている宗教宗派の変更を行おうとする場合
2 非営利的教育機関を営利的教育機関に改め、あるいは営利的教育機関を非営利的教育機関に改めようとする場合
3 複数の大学を傘下におく高等教育機構において、個々の大学が適格認定を受けるのをやめて機構全体に一元化して適格認定校の地位を認めてもらおうとする場合、逆にこの機構が一元的に適格認定を受けるのをやめて、これを構成する個々の大学に適格認定校の地位を認めてもらおうとする場合
4 加盟校認定証に記載されている学位課程のほかに、新たな学位課程を開設しようとする場合
5 既存の学位課程のほかに、新たな単位認定コースを設けようとする場合
6 本部キャンパス以外の教育活動の拠点を、州内に新たに作ろうとする場合
7 本部キャンパスのおかれている州以外の州で、あるいは国外(国外にあるアメリカ軍基地を含む)で新たに教育活動を営もうとする場合
8 加盟校認定証に記載されている付帯条件や制約条件を改めてもらいたい場合
9 判定委員会の次回の評価時期を変えてもらいたい場合
   
(注) 「アメリカ北中部地区基準協会の大学・カレッジ評価ハンドブック(大学基準協会企画 1995年)」より作成
 

 

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