資料4-4 「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(平成27年10月29日初等中等教育局長通知)

選挙権年齢や国民投票権年齢が、18歳以上に引き下げられることに対応し、
1.高等学校における政治的教養の教育を充実させるとともに、2.政治的活動等に対する適切な生徒指導を実施するため、関係する留意点等を示した新たな通知を発出。
(これに伴い昭和44年に発出した「高等学校における政治的教養と政治的活動について(通知)」は廃止)

背景

 習得した知識を活用し、主体的な選択・判断を行い、他者と協働しながら様々な課題を解決していくという国家・社会の形成者としての資質や能力を育むことが一層期待。公選法等の改正は、若い人々の意見を現在と未来の我が国の在り方を決める政治に反映させていくことが望ましいという意図に基づくものであり、今後は高校生が国家・社会の形成に主体的に参画していくことが一層期待
他方、学校や教員の政治的中立性に留意することや、政治的教養の教育において具体的な政治的事象を扱うことと、生徒が具体的な政治的活動等を行うことは区別することが必要。

政治的教養を育む教育

 授業において、1.現実の具体的な政治的事象を取扱うことや、2.模擬選挙や模擬議会など現実の政治を素材とした実践的な教育活動を積極的に行うことを明確化。

指導上の留意事項

  • 学習指導要領に基づき、校長を中心に学校として指導のねらいを明確にし、系統的、計画的な指導計画を立てて実施。
  • 一つの結論よりも結論に至るまでの冷静で理性的な議論の過程が重要。また、多様な見方や考え方のできる事柄等を取り上げる場合には、様々な見解を提示することなどが重要。
  • 教員は個人的な主義主張を述べることは避け、公正かつ中立な立場で生徒を指導。指導が全体として特定の政治上の主義等を支持・反対することとならないよう、また、学校の内外を問わず地位を利用した結果とならないように留意。

高等学校等の生徒の政治的活動等

 高等学校が教育を目的とする施設であること等を踏まえると、高校生の政治的活動等は必要かつ合理的な範囲内で制約を受ける。

  • 学校の教育活動として、生徒が政治的活動等を行うことは、教育基本法第14条第2項に基づき、禁止することが必要。
  • 放課後や休日等であっても、学校の構内においては、学校施設の物的管理の上での支障等が生じないよう、制限又は禁止することが必要。
  • 放課後や休日等に、学校の構外で行われる政治的活動等については、違法なもの等は制限又は禁止されるほか、学業や生活に支障があると認められる場合などは、これによる当該生徒や他の生徒の学業等への支障の状況に応じ、必要かつ合理的な範囲内で制限又は禁止することを含め、適切に指導を行うことが求められる。
     また、満18歳以上の生徒の選挙運動は尊重することになることや、生徒の政治的活動等は、家庭の理解の下、生徒が判断し行うものであることに留意。

その他

インターネットの特性を踏まえた指導の必要性や、学校・家庭・地域の連携の重要性について記述。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成28年01月 --