ここからサイトの主なメニューです

6.今後の検討スケジュール等

  • 教育課程企画特別部会において本「論点整理」を取りまとめた後は、各学校段階・教科等別の検討を行い、審議まとめを経た上で、平成28年度中を目途に中央教育審議会として答申が取りまとめられるよう、検討を進めていく予定。なお、5.(1)2.に示したように、小学校における授業時数に関しては、再度、当部会において小学校の教育課程全体を見通した観点から検討を行い、平成27年内から平成28年当初を目途に一定の結論を得ることとする。
  • 各学校段階・教科等別の検討においては、教育課程企画特別部会の議論を踏まえつつ、各教科等や学校段階に閉じた議論ではなく、カリキュラム全体としてどのような資質・能力を育成すべきか、その中で各教科等が果たすべき意義とは何かといった点を踏まえた上で検討を行うことが求められる。

[別紙]

 英語教育の改善・充実については、第二期教育振興基本計画等(※1)を踏まえ、文部科学省に設置された「英語教育の在り方に関する有識者会議」報告(平成26年9月)(※2)において提言がまとめられているところであり、諮問においても、同報告の提言を踏まえつつ検討を行うことが求められているところである。
 これらを前提に、これまでの英語教育の実施状況や今後検討すべき小学校教育を中心とした課題を整理するとすれば、以下のとおりである。

小学校中学年における外国語活動と、高学年における教科化の必要性について

  • 前回改訂において、中学校における4技能を通じた学習の素地として、「聞く」「話す」の2技能を中心に小学校段階で慣れ親しませるため、「外国語活動」(年間35単位時間)が創設された。
  • その後の「外国語活動」の充実により、児童の高い学習意欲、小学校で外国語活動を経験した中学生の成果や変容、指導に当たる教員の肯定的な捉え方といった成果とともに、教育課程の特例を活用して小学校低学年・中学年から外国語活動を取り入れることにより、中学校とのカリキュラム上の接続を意識した先進的な事例の成果が得られるなど、外国語活動を通じた学習の成果(※3)が認められる。
  • 一方で、児童の「読む」「書く」も含めた更なる言語活動への知的欲求が高まっている状況にある。例えば、中学生1年生の8割が、外国語活動で「英単語・英文を読む」「英単語・英文を書く」ことをもっとしておきたかったと回答(※4)するなど、1.小学校の外国語活動において音声中心で学んだことが、中学校での段階で音声から文字への学習に円滑に接続されていないこと、2.国語と英語の音声(※5)の違いや英語の発音と綴(つづ)りの関係の学習、文構造の学習において課題があること、3.高学年は、児童の抽象的な思考力が高まる段階であり体系的な学習が求められることなどが課題として指摘されている。
  • こうした課題に対応するためには、現行の成果も踏まえつつ、中学年から外国語活動を通じて外国語に慣れ親しみ、「聞く」「話す」の2技能を中心に外国語学習への動機付けを高めた上で、高学年から発達段階に応じて4技能を総合的・系統的に扱う教科学習が必要である。
  • また、教科として系統的に学ぶことにより学習内容の定着を図る英語教育の充実は、言語能力を向上させ、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成や、国語力の向上にも大きな効果がある。

  • ※1 補足資料131ページ参照。
  • ※2 補足資料157・158ページ参照。
  • ※3 補足資料147ページ参照。
  • ※4 補足資料148ページ参照。
  • ※5 脚注83のとおり、引き続き、専門的な見地から検討を行う必要がある。

指導内容と、指導のために必要となる時数について

  • 小学校教育では、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施すことが目的となる。小学校段階の学びを、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、教科ごとのより高い指導の専門性が確保されている中学校、高等学校段階までの一貫した学びに円滑に接続させることにより、更なる英語教育の質向上を図る。このため、小・中・高等学校を通じて、英語の基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、次代を担うために必要な4技能を総合的に活用して思考・判断・表現する力を将来的に育むのに必要な主体的に学習に取り組む態度を養成していくことが重要である。
  • 次期改訂では、各学校段階の学びを円滑に接続させるため、「英語を使って何ができるようになるか」という観点から、国として小・中・高一貫した指標を設定(※6)、学習・指導方法、評価方法を改善することが必要である。
  • 小学校高学年においては、教科としての英語教育のうち基礎的なものとして、これまでの体験的な「聞く」「話す」に加え、「読む」「書く」の4技能を扱う言語活動を通じて、4技能への積極的な態度の育成を含めたコミュニケーション能力の基礎を養うことが必要である。教科化に当たり、身近なことについての基本的な表現による4技能の豊かな言語活動を行うため、新たに、
    1. アルファベットの文字や単語などの認識
    2. 国語と英語の音声の違いやそれぞれの特徴への気付き(※7)
    3. 語順の違いなど文構造への気付き
    等を促す指導を行うために必要な時間を確保することが必要である。
  • また、中学年からは、外国語学習への動機付けを高めるため、体験的に「聞く」「話す」を中心とした外国語活動を通じて、言語や文化についての体験的理解や、音声等への慣れ親しみ等を発達段階に適した形で養うとともに、指導内容・方法や活動の設定、教材の工夫、他教科等で児童が学習したことを活用するなどの工夫により、指導の効果を高めることが必要である。
  • このような方向性を目指し、小学校高学年において4技能を扱う言語活動を展開し定着を図り、教科として系統的な指導を行うためには、例えば70単位時間程度の時数が必要であると考えられる(※8)。また、中学年における外国語活動については、従来の外国語活動と同様に35単位時間程度の時数が必要であると考えられる(※9)。
  • 同時に、中学校及び高等学校の英語教育についても、指導内容・方法の質の抜本的な向上を図る必要がある。中学校については、小学校の外国語活動で学んだ内容が中学校で十分に生かされていないことや、自分の意見や考えを話したり書いたりすることができていると考える生徒の割合が低く(※10)、また、そのような指導をしていると考える教員の割合も低いという課題も指摘されている。
  • 小学校外国語活動で学んだ内容が中学校で十分に生かされていないことや、言語活動が十分ではないという指摘も踏まえ、中学校では、義務教育終了段階として小学校での学びの連続性を図りつつ、身近な事柄についてコミュニケーションを図ることができるようにするとともに、高等学校における目標の高度化に向けた基礎を培う観点から、発達段階に応じた、より具体的に身近な話題についての理解や表現、簡単な情報交換ができるコミュニケーション能力を養うことが必要である。その際、身近な話題、例えば、学校生活、地域行事、生徒の体験、他教科等での学習内容等と関連付けて、互いの考えや気持ちを英語で伝え合う言語活動を中心とする授業を行うことを重視する。また、授業を実際のコミュニケーションの場面とする観点から、中学校においても授業を英語で行うことを基本とする(※11)。
  • このような状況も踏まえ、特に、前回改訂において大幅な時数増を行った中学校における時数を最大限に活用する観点からも、小学校高学年で「読む」「書く」を通じて慣れ親しんだ語彙や表現などの学習内容を、上記1.、2.、3.に示したような認識や気付きを生かして、中学校の言語活動において繰り返し活用することによって、中学校段階において着実な定着まで高める。また、中学校においても、生徒の身近なコミュニケーションの場面を設定した上で、学習した語彙や表現などを実際に活用する活動を充実させるなど指導の改善を図る。あわせて、新たに4技能を測定する全国的な学力調査の実施により、指導改善のPDCAサイクルを確立することが重要である。
  • 高等学校段階においては、英語教育の多様性に対応した目標・内容の設定、及びそれらの充実を図るとともに、中学校との円滑な接続を図る観点から、日常的な話題から時事問題や社会問題まで幅広い話題について抽象的な内容を理解できる、英語話者とある程度流暢(りゅうちょう)にやりとりができる能力を養うことが必要である。引き続き、授業を英語で行うことを基本とするとともに、言語活動の充実(発達段階や生徒の英語力等の状況に応じた発表、討論・議論、交渉等)を図るための科目の見直し(※12)を行う。
  • また、小学校で学んだ語彙や表現などの学習内容は中学校の言語活動で、中学校で学習した語彙・表現・文法事項等は高等学校の学習において、意味のある文脈の中でコミュニケーションを通して繰り返し触れることができるよう、様々な言語活動を工夫し、言語の運用能力を高める。
  • なお、小学校高学年を含めた指導語彙数については、これまでの成果や諸外国の状況等を踏まえながら検討する。また、小学校で慣れ親しんだ語彙等は中学校において新たに学習する語彙等も含め、繰り返し言語活動において活用することで更なる定着を図ることとする。

  • ※6 補足資料133・134ページ参照。
  • ※7 脚注83のとおり、引き続き、専門的な見地から検討を行う必要がある。
  • ※8 さらに、仮に105時間(週3コマ程度)実施することについては、指導体制などの条件整備や小学生の生活への負担等を考えると、教育課程の特例としてではなく全国一律に実施することは極めて困難。また、現段階で教科ごとの指導の専門性が中学校以降ほど確立されていない小学校段階でこれを強いることは、英語嫌いを生み出すことにつながりかねない。今後、児童への指導に当たっては、教科化に対応できる指導力を備えるとともに、児童理解、学級経営を基盤とした授業の実施等に対応できる指導者が求められる。
  • ※9 補足資料132ページ参照。
  • ※10 補足資料149ページ参照。
  • ※11 「授業は英語で行うことを基本とする」こととは、教師が授業を英語で行うとともに、生徒も授業の中でできるだけ多くの英語を使用することにより、英語による言語活動を行うことを授業の中心とすることである。これは、生徒が、授業の中で英語に触れたり英語でコミュニケーションを行ったりする機会を充実するとともに、生徒が英語を英語のまま理解したり表現したりすることに慣れるような指導の充実を図ることを目的としている。英語に関する各科目の「特質」は、言語に関する技能そのものの習得を目的としていることである。しかし、このような技能の習得のために必要となる、英語を使用する機会は、我が国の生徒の日常生活において非常に限られている。これらのことを踏まえれば、英語に関する各科目の授業においては、訳読や和文英訳、文法指導が中心とならないよう留意し、生徒が英語に触れるとともに、英語でコミュニケーションを行う機会を充実することが必要である(出典:高等学校学習指導要領解説外国語編)。
  • ※12 科目構成のイメージについては、補足資料126ページ。

高学年における指導時間の確保について

  • 高学年における指導時間の確保については、(1)2.に示したように、短時間学習として実施する可能性も含めた専門的な検討が必要となる。その際、外国語における短時間学習の実施に向けては、以下のような視点を踏まえた検討とともに、担当する教員が、その指導内容の決定や指導の成果の把握と活用等を、責任を持って行う体制整備が必要であるといった観点から、教員養成、教員研修及び教材開発に関する条件整備が不可欠である。
    • 一定の効果が期待される場合には、指導内容のまとまりや学習活動の教育効果を年間授業時数に含めることを可能とする方向で専門的に検討を行う。
    • 10~15分の短時間で円滑に効果的な学習を行うためには、児童の学習規律が確立されていることが前提となるため、低学年からの学びの在り方も含め、学校全体の学習規律の確保が必要。
    • 短時間学習を行うための、教員が指導できる指導計画、教材の整備や指導法の確立が必要。
    • 指導計画については、学校が定めた標準の授業単位時間により実施される授業の指導計画と連動させ、短時間学習に適した活動が選定されることが必要。
    • 教科化を前提とした場合、短時間学習を含めた学習についての評価の在り方も確立することが必要。

    ※ 授業との内容の系統性を確保して短時間学習の活動を可能とする場合(※13)
     70単位時間のうち、例えば、教科化に向けて、1.アルファベットの文字や単語の認識や2.国語と英語の違いや音声のそれぞれの特徴への気付きなどを一定の言語活動を含めたまとまりのある学習を行った上で、その内容に、ICTなども活用しながら15分程度の短い時間を単位とした活動を関連付けて「繰り返し学習」を行うことによって定着を図る。(1.関係では例えば年間15単位時間程度の短時間学習の実施が考えられるが、2.関係なども含め、更に効果が期待される短時間学習の可能性について、今後専門的に検討。)


  • ※13 補足資料135ページ参照。

教員の養成・研修、学校における指導体制等

  • 小学校における外国語教育においては、教員が、中学年からALT等とのティーム・ティーチングも一層活用しながら指導を充実しつつ、高学年の教科化に向けて、英語の指導力に関する専門性を高めて指導するとともに、専科指導を行う教員を活用することにより、専門性を一層重視した指導体制を構築することが必要である(※14)。
  • 各学校においては、校長のリーダーシップの下、学校全体の目標の設定、それに基づく教育課程の実施、評価、改善を図るカリキュラム・マネジメントなどの方針を明確にした上で全教職員の共通理解を図るとともに、専門家、地域の外国語が堪能な人材及びALT等とチームを組んで指導に当たるなど地域とも連携しながら、校内の外国語教育の指導体制の強化に取り組むことが重要である。
  • このため、具体的な指導内容や指導方法、指導体制等については、英語教育の特性とともに、小学校全体の現状や学校関係者の意見を踏まえつつ、中央教育審議会等の場において、教育課程及び教員養成(※15)などの観点からさらに専門的に検討を行う。

  • ※14 補足資料146ページ参照。
  • ※15 補足資料145ページ参照。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成27年11月 --