資料3‐2 初等中等教育分科会(第38~40回)における主な意見

学校外の教育施設での学修と就学義務の在り方について

  • 学校に復帰することを前提とした補習、補完教育というものが一番期待されている。フリースクールは様々であり、一律にフリースクールを認めることは教育的に問題。
  • 学校現場としては、フリースクールのうちこういうものは認めるが、こういうものは認めない、と機械的に区別することの難しさがある。
  • 学校現場では、学校の通常の学級への復帰を目指して日々努力している。適切な登校刺激がないと、適応指導教室に卒業式の前日まで通って、卒業式の一日だけ原籍校で卒業することもまれではない。
  • フリースクールなど、学校外での教育施設での学習は就学義務の履行と認めていくのが、時代の要請。
  • いわゆる就学義務というアプローチではなくて、教育を受ける権利を保障するという学習権の保障というアプローチの方から考えるべき。
  • 小学校ぐらいのお金をかけているような適応指導教室は原籍校とする対応をしていい。しかし、慣れてきて、卒業した後も、その教室にしか通って来ないということも起こっていることは今後の課題。
  • よりよい教育を受けるために児童生徒がインターナショナルスクールに通う場合と、不登校児童生徒が社会的自立のためにフリースクールに通う場合とは、中身が全く違うので分けて考えるべき。
  • 現状のように学校に在籍してフリースクールに通う者を出席扱いにするのか、それとも籍はフリースクールにあるのかによって随分とらえ方は違ってくる。
  • 閉鎖的な集団において、子どもたちを集め、「しつけ」と称して児童虐待をしながら、学校に通わせない状況が起こる危険性がある。これを学校らしきものとして(認めて)いくという方向には慎重であるべき。
  • 外国人に就学義務は無いが、外国人労働者が多い地域は希望者に教育の機会を提供し努力している。

就学義務不履行への対応の在り方

  • (学校教育法施行令の)「正当な事由」をどの様に解釈するかを、通知等で明確にしていくことが必要。
  • 正当な事由があるから、学校に通わせることを免除するというようなことも必要。
  • 虐待等によって学校に行かせないというのは、明らかに就学義務違反。それについては、通知で明確にし、校長や教育委員会は毅然と対応すべき。
  • 「一定の要件」の内容は非常に難しい問題であり、慎重に検討すべき。
  • バカロレアなど世界に通用するカリキュラムに従ったインターナショナルスクールを我が国で認めないというのは、国際社会ではおかしい。結局教育のアウトカムをどう見るかということであり、教育内容をチェックするという国の姿勢はもつべき。

高等学校の在り方について

  • 高等学校教育はどういう成果を上げているのか、また多様な生徒が今何を求めているのか、という現状把握をした上で、今後の目指すべき方向を議論するべき。
  • 学校教育法には小学校の目標を詳しく書いていることを踏まえて、高等学校の目標もきちんと明記することが必要。
  • 「普通教育」の概念をもっと詰める必要がある。
  • 義務教育における普通教育とは、国民の最低の共通教養という趣旨であるのに対し、高校教育の目的である高等普通教育とは、卒業後に大学に進学するにせよ就職するにせよ、レベルの高い専門的な教育に進む上で必要な基礎教育、一般教養という趣旨だと考えられる。
  • 高等学校は、大学や企業のニーズを踏まえた教育を行うべき。大学で教育を受けるのに、あるいは職業人となるのにどの様な高校教育が必要か、更にはその高校教育を受けるにはどのような中学校教育が必要かという発想が必要。
  • 高等学校の目標には、市民教育の完成の面があり、これを全員に必要な最低ラインとした上で、各高校の多様化を認めていくべき。
  • 高等学校の中には、大学進学を目標とする高校、就職を目標とする高校、その混合型の学校がある。生徒の実態にあわせて、目的を学校ごとに多様にすることを認めるべき。
  • 97パーセントの高校進学率を前提にすると、専門基礎的な教育を教える高校もあっていいし、中学の補習をする高校があってもいい。社会のセーフティネットを守るため、中退者をいかに出さないようにするかを考えていくべきであり、高校教育の最低ラインをがちがちに決めるべきではない。
  • 高校生が自分自身の可能性を探るためには、すぐに科目選択に結びつけるのではなく、ある程度共通の学習を課すことが必要。
  • 高校卒業後、19パーセントが専門学校へ進学し、17パーセントが就職することなどを考えると、高校で専門的な技能を身に付ける教育がもっと必要。
  • 社会とかかわり、自分の生き方を模索する機会を増やすことは、高校生にとって非常に重要。

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