資料2-1 中央教育審議会初等中等教育分科会(3/24)で出された主な意見(「今後の学級編制及び教職員定数の改善」関係)

少人数学級について

○学級規模は30人を目標にしてほしい。

○近年、学校では小中一貫やコミュニティスクールの取組など新たな取り組みが始まり、学校の抱える問題も変化しているのに、学級規模は40人のままであり見直す必要。

○一定の児童生徒数がいる方が効果がある教科、少人数の方が効果がある教科があるので、学力の向上を図るためにはどのような学級編制がよいのかという点を考えるべき。 

教職員定数の改善について

○教員は多忙感に苛まれており、ぜひ計画的な定数改善をお願いしたい。

○OECD調査結果でも、日本は国際的に教員一人当たり児童生徒数は多い。学級の人数を減らし、それに基づいて教員を増やすこと重要。一クラスにおける教員数は、小学校は1.5人以上、中学校は2.0人以上をお願いしたい。

○第7次改善計画でも自然減と同数の定数改善を行っており、今回も自然減を活用して少なくとも自然減以上の定数改善をお願いしたい。

○今は小学校1~中3まですべて同じ学級編制の標準。厳しい財政状況を踏まえ、学年ごとにより有効な定数の確保の在り方を考えてはどうか。

○特に小学校で理科の専科教員を配置してほしい。専科教員は他の科目を教えられないので専科教員を置きたくないとの声があるが理科の面白さを子供に伝えることは重要。

○学校の職員構成をどうするかという観点から、標準法そのものを抜本的に見直す必要があるのではないか。

 新学習指導要領の円滑な実施について

○新学習指導要領の「質」「量」の改訂への対応が必要。授業時数増に対しては、当然定数改善が必要。また、現行では、「言語活動の重視」を打ち出しており、すべての教科において言葉による思考力を充実させる必要がある。そのためには、児童生徒の話し合いの時間などを設ける必要があるが、その際40人では難しく、少人数学級のための定数改善をぜひお願いしたい。

○新学習指導要領で授業時数が増加するのに教員定数は増えないというのは大変な問題である。ぜひ教職員定数の改善をお願いしたい。

○新学習指導要領の改訂で理数教科の充実がいわれており、日本学術会議でも専科教員を置いてほしいという提案をしているので、そこに力点をおいてはどうか。また、言語力の重視が言われており、司書の配置も検討する必要がある。 

教員が子どもと向き合う環境づくり等について

○現場の教員として、教員が子どもと向き合う時間を確保するため、仲間と、時間的・精神的なゆとりがほしい。

○精神疾患による教員が増えており、我々教員はギリギリの状態で頑張っている。

○学校現場は児童生徒の問題行動、小1プロブレム等、様々な問題があり、教員が子供と向き合う時間を確保するため必要な定数の確保をお願いしたい。

○学校現場で先生が頭を痛めているのは、教員が子どもと接する時間がないということ。少人数学級や少人数指導により、より効果的な授業が行える態勢を作ることが重要。

○少人数学級や教職員定数だけではなく、教員の中で役割分担をできるような態勢を整え教科教育にもっと時間をかけ、教材研究をできる時間のゆとりを持てるようにすべき。

○スクールカウンセラー、地域の方々の協力を得て、教員の環境を整えることが非常に重要。単に人数の問題にとどまらず、内容を高めることを進めて欲しい。 

義務教育費国庫負担金について

○危惧するのは、義務教育費国庫負担金は国の負担率が3分の1であるため、都道府県は残りの3分の2が負担となり、全体の3分の1の県が負担金を使い切れずに返してしまっているという現状がある。義務教育費国庫負担率の2分の1の復元を進めてほしい。

○国庫負担金については、3分の2を地方が負担しており、負担率2分の1回復を目指してほしい。また、現在、地主権戦略として行われている一括交付金の議論は、義務教育費国庫負担金の廃止、一般財源化につながる話であり、我々が期待するものではない。負担金、補助金、地方交付税で措置されているものすべてが教育に限定して措置されるような教育一括交付金を望む。これらのことについて、ぜひ中教審で議論してほしい。

○事業仕分けでは、国庫負担率を全額に戻すべきとの意見もあった。3分の1ではなく、国が全額負担して、国が義務教育に責任を持っているという姿勢をぜひ出して欲しい。 

中教審での議論の必要性について

○「必要に応じて」中教審で議論をするのではなく、ぜひ中教審でしっかり議論させてほしい。今回の定数改善は単に学級編制を小さくして定数を増やすという「量」だけの話ではなく、学校や教職員の働き方を大きく変える契機になるものである。また、人事権の移譲等も地方教育行政の在り方を大きく変える問題であり中教審で議論する必要。

○学校の最適規模、望ましい環境の作り方という観点も重要。文部科学省が主な検討事項としている(1)学級編制、(2)教職員定数、(3)権限移譲には異論はないが、相互のバランス、相互の関係が大切。中教審でも議論する場を用意してほしい。

○団体や有識者のヒアリングだけではなく、中教審でじっくりご議論いただきたい。 

施設整備について

○施設整備は大変な作業が必要となる。結論としては、地域の実情に応じて運用を任せていただきたい。必ずしも35人にしなければならないとなると、自治体では直に対応できないので、段階的にできるようにしてほしい。 

その他

○限られた予算の中で戦略をもって重点的に金を投入するという、政治的な判断が必要。

○各政党とも、少人数学級に対する関心が高い。人、学校、子供たちにどのような教育をしていくのか国民的な課題。より効果的な政策に盛り込んでいただくことを期待。

○学校全体でどのような仕組みにすれば、効果的な学習ができるか、という観点から、専門家の力量を発揮できる態勢をどのようにつくるか考える必要がある。

○国で決まったことが、県に、県から市町村、市町村から学校に行くと、自由な発想がなくなる。学校や校長・教職員の創意工夫を大切にできるような仕組みにすべき。

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初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課)

-- 登録:平成22年05月 --