| <国語> |
| |
○ |
国語科は言語力育成の中心的な役割を果たすべく、国語科自体の改善を図ることが必要である。
例えば、小学校・中学校においては、言語の教育としての立場から、実生活や実社会で必要な言語能力、各教科等の学習の基本となる言語能力、さらに言語文化に親しむ態度を確実に育成することが求められる。
高等学校においては、加えて、社会人として必要な言語能力の基礎を確実に育成するとともに、言語文化を享受し自ら創造していく能力や態度を育成することを重視する必要がある。 |
| ○ |
国語科で育成を図る言語力については、他教科等での活用も視野に入れ、基礎的・基本的な知識・技能を習得することと、それを活用して課題を探究することを重視すべきである。 |
| ○ |
言語力を育成するため、「受け答えをする」「事実を正確に伝える」「要点をまとめる」「相手・目的・場面を考えて情報を理解したり伝えたりする」「多面的・多角的に物事を見る」「情報を的確に分析する」「自らの知識や経験に照らして情報を評価する」などの技能や能力を育成していくことが望ましい。このため、発達段階に応じて重点化を図りながら、適切な言語活動や言語運用法の指導を組み込んでいくことが望まれる。 |
| ○ |
文章や資料を活用し、論理的に考え、表現する力を育成するためには、「情報の取り出し」→「解釈」→「熟考」→「論述」という、いわゆるPISA型読解力のプロセスを参考として指導することが期待される。 |
| ○ |
伝え合う力を育成するため、相手の立場を考慮しながら双方向性のある言語活動をしたり、建設的な合意形成を目指した言語活動をしたりする技能を育成することが望ましい。 |
| ○ |
我が国の文化や伝統を継承・発展させるため、近現代文学や古典をはじめとする言語文化に親しむ態度や、日常的に読書をしたり表現したりする言語生活を構築する態度を育成することが大切である。 |
| ○ |
今日の情報化社会の中で、複数のメディアやテキスト等を活用して、メディアの特性を踏まえた情報評価能力を育成することが期待される。
|
| <社会、地理歴史、公民> |
| |
○ |
社会科、地理歴史科、公民科では、身近な地域の観察・調査などを行う学習において、的確に記述し解釈を加えて報告すること、法則性や概念を基に事象を説明すること、価値判断や未来予測、また、未来がどうあるべきかという議論が必要な場面を設けて各自の解釈・判断を論述したり、意見交換したりすることが考えられる。 |
| ○ |
また、言語力や教科が求める思考力の育成のために、様々な資料を的確に読むことや、それらの資料を関連付けて読む、比べて読む、批判的に読むなどの指導を充実することが望ましい。
|
| <算数・数学> |
| |
○ |
算数・数学科では、算数・数学を活用する活動に重点をおき、その活動がよりよく行われるよう筋道を立てて説明したり論理的に考えたりして自ら納得したり他者を説得したりすることを大切にし、予測や推測を生み出すための指導を行うことが考えられる。 |
| ○ |
その際、帰納的な考え方や類比、予測や推測を後付け検証するための演繹的な考え方をはぐくむ必要があり、それらの考え方をよりよく用いるために必要な言語力を身に付けさせること。例えば、事実の説明あるいは理由や手順の説明の仕方を身に付けさせることなどである。
なお、指導にあたっては正答が不明であるような事象についても忌避せず、子どもたちが対処できるよう適切に扱うことが期待される。
|
| <理科> |
| |
○ |
小学校中学年では、例えば植物の観察などにおいて、問題意識や見通しをもちながら視点を明確にして、差異点や共通点をとらえ記録・表現すること、小学校高学年では、例えばものの溶け方などにおいて、条件や規則性に着目して事象を説明すること。中学校から高等学校の段階では、観察、実験の結果、状況により資料等を加え考察し、科学的な概念を理解し、実証性・再現性・客観性などの視点から評価、論述したり、討論したりすることが考えられる。 |
| ○ |
理科では、発想した予想や仮説の検証方法を考察する場面で、それぞれの予想や仮説と検証方法を討論しながら考えを深めあうこと、結果の解釈場面で、結果の確証や反証を基に観察・実験の方法や、発想した予想や仮説の真偽を検討しあうことが望ましい。そうした指導の充実がコミュニケーション能力の育成に有効である。
|
| <生活科> |
| |
○ |
体験活動を通して得られた気付きの質を高めるため、見つける、比べる、たとえるなどの学習活動や、体験したことを振り返り、言葉や絵などによって表す学習活動を重視することが考えられる。 |
| ○ |
身の回りの人とのかかわりや自分自身について考える力を育成するため、体験したことを伝え合う機会や、発表したり感想を述べ合ったりするなどの機会を増やすことが期待される。 |
| ○ |
小学校生活への適応や幼児教育との連携を図るため、体験と言語等とのかかわりを重視した合科的・関連的な指導を充実させることが望ましい。
|
| <音楽> |
| |
○ |
音楽のよさや美しさを生み出しているさまざまな要素の働きなどを聴き取り、イメージや感情を比喩的な言葉で表したり、音楽に対して、根拠をもって自分なりに批評したりすることのできる力を育成する指導を一層充実することが望まれる。 |
| ○ |
音によるコミュニケーションを通して、生活や社会と豊かにかかわる態度をはぐくみ、生活を明るく潤いのあるものにする音楽の役割を実感させるような指導を重視することが期待される。 |
| ○ |
良好な人間関係を構築する能力を育成する観点から、合唱や合奏、グループによる創作を通して皆で一つの音楽をつくっていく体験を重視し、表現したいイメージを伝え合ったり他者の意図に共感したりする指導を充実することが望ましい。 |
| ○ |
歌唱表現において、歌詞の内容や言葉の特徴を生かして歌ったり、日本語のもつ美しさを味わったりするなど、言語と音楽との関係を大切にした指導を重視することが望ましい。
|
| <図画工作、美術、美術・工芸> |
| |
○ |
表現や鑑賞の活動を通して、感性や想像力を働かせながらよさや美しさを感じ取り、思考・判断し、表現するなどの資質や能力を育てることが求められる。 |
| ○ |
生活や社会と豊かにかかわる態度をはぐくむため、身の回りの形や色、環境などから感じ取ったことを伝え合ったり、形や色、材料などを生かして他者や社会に表現したりするなどの学習を一層重視することが考えられる。 |
| ○ |
感じ取る力や思考する力を一層豊かにするために、自分の思いを語り合ったり、自分の価値意識をもって批評しあったりするなどして、自分なりの意味や価値をつくりだしていくような指導を重視することが望ましい。
|
| <外国語> |
| |
【中・高等学校】 |
| ○ |
コミュニケーション能力の育成と文法指導を対立的に捉えることは適当ではない。ルールとしての言葉の仕組みの理解と、ルールに基づく創造的な言語運用について、両者を関連付けた指導を充実することをめざす必要がある。 |
| ○ |
外国語の学習を通して思考を知覚の対象とし、思考に対して注意を払うことにより、言葉を焦点化したり修飾関係をとらえたりして、メタ言語能力を高め、言葉に対する感性を磨くことが期待される。 |
| ○ |
コミュニケーション能力の向上や思考力の向上のためには、言語の基盤となる語彙力の充実が求められること。その際、語彙を機械的に覚えるだけでなく、実際に使用するなど積極的に活用させることが望ましい。 |
| 【小学校】 |
| ○ |
小学校の英語活動等においては、体験的な活動等を通して言葉の持つ意味、言葉の大切さ(言語による相互理解等)、日本語との違いなどに気づかせたりすることが重要である。このことがメタ言語能力の芽生えを形成する上で重要な役割を果たすものであると考えられる。 |
| ○ |
小学校の英語活動等においては、コミュニケーション能力を養う上で必要となる積極的な態度の育成が可能であり、中学校以降続く英語教育にも資するものである。また、非言語を含めて、コミュニケーションを図るために、言語力を総動員することの大切さを理解させることができる。 |
| ○ |
小学校の英語活動等は、小学生にとって自己を表現したり、言語やコミュニケーションに関する感覚を養う体験的機会と捉えることができる。他の言語にふれる体験を通して、日頃用いている日本語の特性について気づいたり、日本文化について発信したりするなどの機会とすることができる。
|
| <家庭、技術・家庭、情報> |
| |
○ |
幼児や家族、地域の人々と触れ合い他者とかかわる力を高める活動や、情報通信ネットワークや情報の特性をいかして考えを伝え合う活動を一層重視することが期待される。 |
| ○ |
合理的判断力や創造的思考力、問題解決能力の育成を図るため、衣食住などの生活における様々な事象や技術製品などのもつ科学性を説明する活動や、価値判断が必要な場面を設けて、各自の解釈・判断を論述したり、最適な解決策を探究したりする活動を一層重視することが望ましい。 |
| ○ |
様々な語彙の意味を実感を伴って理解させるため、衣食住やものづくりなどに関する実践的・体験的な活動を一層重視することが考えられる。
|
| <体育・保健体育> |
| |
○ |
他者とのコミュニケーション能力を育成するため、ダンスなどの身体表現や、ゲーム場面での意思疎通などの集団的活動で互いに励ましあったり、相手チームの健闘を称えたりして、協力して学びあう活動や、実習やロールプレイングを実施した際の観察や体験をもとに話し合いを行い、考察し、健康に関わる概念や原則を見いだすなどの活動を充実することが期待される。 |
| ○ |
論理的思考力を育成するため、筋道を立てて練習や作戦を考え、その結果を客観的に評価し、必要な修正を図るなどの活動や、健康に関わる概念や原則をもとに、身近な生活や社会における健康課題を的確にとらえたり、改善の方法について具体例を挙げながら筋道を立てて論述するなどの活動を重視することが考えられる。
|
| <総合的な学習の時間> |
| |
○ |
問題解決的・探求究的な学習を充実するため、学習活動の中でPISA型読解力における読解のプロセスを参考とした「問題意識をもつ・問題を設定する」→「情報の取り出し・収集」→「整理・分析・思考」→「まとめ・表現」という学習の流れを重視することが考えられる。 |
| ○ |
他者や社会とかかわる力を育成するため、多様なグループ編成によって互いに教え合い学び合う学習活動や、異なる立場の人、地域の人との意見交換など協働して課題を解決しようとすることを重視することが望ましい。
国語科とも連携し体験を言語化する指導の充実や言語に対する関心を育成することが求められる。
|
| <道徳> |
| |
○ |
道徳的価値観の形成を図る観点から、自己の心情・判断等の表現力を高めるため「書く活動」を重視することが考えられる。 |
| ○ |
道徳的心情を豊かにするため、人に感動を与える心の美しさや強さを浮き彫りにした題材等を活用することが考えられる。 |
| ○ |
道徳的な問題に対する判断力を育成するため、公正、正義などの倫理的諸価値を用いて様々な課題について討論等を行い考察させるような指導を行うことが考えられる。
|
| <特別活動> |
| |
○ |
学校や学級における生活上の問題を、言葉や話し合いを通して解決する活動を一層重視する必要がある。 |
| ○ |
人間関係や集団生活の形成に必要な言語力を育成するため、協同の目標の下に行う同年齢や異年齢による言葉の交流活動を一層重視することや、自分や他者の多様な考えをよりよい方向へまとめていくような力を育成することが重要である。
また、構成的グループ・エンカウンター(注6)、ソーシャルスキル・トレーニング(注7)、ピア・サポート(注8)など好ましい人間関係やよりよい集団生活を形成するのに必要なスキルを学ぶ場を適宜設けることが望ましい。 |
| ○ |
学級会や児童会・生徒会など様々な会議の方法について、国語科で学習した内容を体験的に理解したり実践したりできるようにすることが考えられる。 |
| ○ |
実生活や実社会で役立つ言語力を育成するため、あいさつや言葉づかいの啓発活動を重視することや、地域との交流活動、児童会・生徒会と地域の人々との合同会議などを実施し正しい敬語の活用など言葉によるコミュニケーションを促すことが期待される。
体験したことを言葉でまとめたり、発表し合ったり、手紙に表したりする活動を一層重視することが望ましい。
| (注6) |
構成的グループ・エンカウンター:教師や同級生等から「尊重される、認められる、褒められる」体験を経ることで、自分の良いところや努力を周囲の仲間に評価されることを実感するとともに、自分を肯定的に評価でき、自尊感情を持てるようにする取組。 |
| (注7) |
ソーシャルスキル・トレーニング:人間関係についての基本的な知識、自分の意思を状況や雰囲気に合わせて相手に伝えること、対人問題の解決方法などについて説明を行い、また、ロールプレイングを通じて、グループの間で練習を行う。 |
| (注8) |
ピア・サポート:Peer 「仲間」をSupport 「支援する」。異学年交流を通じ、「お世話をされる体験」と、成長した後に「お世話をする体験」の両方を経験し、「自己有用感」を獲得する。同時に、自ら進んで他者と関わろうとする意欲や必要な能力を、仲間との活動によって培う。 |
|