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2.義務教育(小学校、中学校)の目標

 義務教育の目標の必要性については、必要とする意見と諸外国のように初等中等教育全体の中の区切りに過ぎないという意見の両論があった。
 また、義務教育(小中学校)の目標に盛り込むべき内容については、教育基本法に掲げられた目標を踏まえ、特に中学校の目標を充実させるべきという意見のほか、これまでの学習指導要領の改訂や今後の課題を勘案しながら、各教科の目標を検討すべきという意見など、多様な意見があった。

<義務教育の目標の必要性>
 義務教育答申が出たために義務教育を非常に意識して、「義務教育だったらここまでは」という議論になっているが、英米仏では、前期中等教育の何年目までが義務教育であるという程度で、義務教育はこうあるべきだという議論はあまり聞いたことがない。
 そもそも、諸外国のように初等中等教育制度の中でここまでは義務教育という議論だけにするのか、それとも、義務教育をかたく考えてそれを上に伸ばすなどという議論になるのか、それも含めた議論をすべき。

 イギリスでは日本ほど「義務教育」とは言わないけれども、16歳までにどんなことを身につけさせるかということをナショナルレベルで議論している。

 義務教育9年間を見通した目標の達成を目指して、小学校も中学校も連携を一層進める必要がある。そのためには、義務教育9年間全体を見通した目標をしっかりと規定することが重要。

 義務教育9年間を見通した目標をある程度詳細に規定すると、小学校の目的は義務教育の基礎の確立、中学校の目的は義務教育の目標の達成という整理になる。小学校、中学校それぞれの目的を明確にして、義務教育全体としての到達目標を具体的に規定することが求められていると考える。

<義務教育の目標と普通教育>
 「初等普通教育」などの言葉があるが、普通教育というのは、抽象的で分かりにくい感じがするので、もう少し明らかにした方がいい。

 教育基本法案第5条に、義務教育として行われる普通教育についてかなり明確に規定がある。したがって目的としての普通教育というのは、従来の学校教育法と同様に規定していいのではないか。

<義務教育の目標に盛り込む内容:総論>
 教育基本法案第2条「教育の目標」に示された5つの目標はいずれも大変重要。このことについては学校教育法の中にもきちんとこれを受けて盛り込んでいく必要がある。

 具体的な目標といった場合、社会、親や子どもたちから見て、わかりやすいものであることが必要。

 義務教育の目標が、ナショナルミニマムであることははっきりしている。一方でマキシマムな理想を掲げておくということも必要だが、今回は、ミニマムを意識した目標設定がされなければいけない。

 昨年10月の答申では義務教育の目標を示す言葉として「人間力」が使われ、生きる力と学ぶ力というのを両方大切にして、むしろ統一していく観点を強調したと思われる。この「人間力」という言葉を大事にしていいのではないか。

 義務教育の目標の第一は、個人が自立するため能力を身に付けるということにある。それをさらに補完する意味で、社会の形成者として皆で協力するという教育がある。この2つのことをはっきりと書いたほうがいいのではないか。

 教育基本法案のどの部分を小学校が主に担うのかという観点で書くのか、あるいは、現行法のように抽象化するか、どちらかだろう。

<盛り込む内容:教科、道徳など各論>
 現行の小学校の目標は具体的で各教科の目標に近いが、中学校の目標はバランスを欠く感じがする。中学校においても、項目として、できるだけ数多く挙げたほうがいい。

 中学校の目標に教科の部分まで入れるべき。

 教科別にまとめていくのがいいのか、あるいは、もう少し統合したほうがいいのか、議論しなくてはならない。

 これまでの学習指導要領の改訂の経緯や今後の課題を勘案しながら、各教科等の目標を出してもらいたい。英語など現行学校教育法の中にないものや、国語力の育成の観点もつけ加えてもらいたい。

 教育基本法案第6条第2項「学校教育」の中に書かれている「学校生活を営む上で必要な規律、あるいは、みずから進んで学習に取り組む意欲」は、生涯学習の基礎を培うという点から極めて重要である。義務教育の目標の中につけ加えてほしい。

 子どもたちの現状をみると、日常生活に必要な規律規範はあるべき姿から随分変わってしまっているが、我々が目指すべきなのは日常生活に必要なものではなくあるべき姿ではないか。国民の教育に対する関心や批判に応えるためには、義務教育ではこういうことまでは常識として教えていくということを宣言する必要があるのではないか。

 教育基本法案第2条第5号は、小学校については学校教育法第18条第2号に相当すると思うが、中学校については無いので加えてほしい。

 学校教育法の中学校の目標(第3号)では「公正な判断力」、高等学校の目標では「健全な判断力」となっている。義務教育の目標を考える際には、高等学校教育との関連を考えてほしい。

 学校教育法第18条第3号(小学校の目標)に「産業」が出てくるが、教育基本法には「産業」という言葉は出てこない。産業という言葉がなじむかどうか。小学生には、勤労という言葉が不適当であれば、職業としてはどうか。

 学校教育法第18条第3号(小学校の目標)の「衣食住」と「産業」とは少し異質なものではないか。むしろキャリア教育のほうにまとめて扱ったほうがいいのではないか。

 キャリア教育は義務教育段階においても系統的、組織的にしっかりやることになっている。小学校段階から勤労意欲、意識の理解があっていいのではないか。それを加えて、中学校にスムーズにつなげていく必要がある。

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