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初等中等教育分科会(第108回) 議事録

1.日時

平成28年12月16日(金曜日) 10時~12時30分 

2.場所

都市センターホテル5階 オリオン (東京都千代田区平河町2-4-1)

3.議題

  1. 「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)」「OECD生徒の学習到達度調査(PISA2015)」の結果について
  2. 幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申(案))
  3. 第2次学校安全の推進に関する計画の策定について(答申(素案))

4.議事録

【小川分科会長】  定刻になりましたので、これから、第108回初等中等教育分科会を開催いたしたいと思います。
  本日は、報道関係者より、会議の撮影及び会議内容の録音を行いたい旨の申出がありましたので、これを許可しております。御承知おきいただければと思います。
  本日の議題に入る前に、前回、11月14日の第107回分科会以降、文部科学省の人事異動があったとのことですので、事務局から御紹介お願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】  それでは、文部科学省の人事異動について御報告いたします。
  12月6日付で、浅田審議官が大臣官房審議官初等中等教育局担当から大臣官房審議官高等教育局担当に異動いたしました。
【浅田審議官】  引き続きよろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】  また、浅田審議官の後任といたしまして、藤江審議官が大臣官房審議官初等中等教育局担当に就任しております。藤江審議官は後ほど参ります。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  続いて、配付資料及び前回の会議からの積み残しがありますけれども、その事柄について事務局から説明をお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】  それでは皆様、議事次第の4、配付資料の欄も御参照いただきながら、資料について御確認させていただきます。
  まず、本日の資料でございますが、議題1、TIMSS、PISAに関しまして、資料1-1から1-3まで御用意してございます。
  議題2、次期学習指導要領の改善等に関しまして、審議経過から答申(案)の概要、答申(案)本体、そして補足資料まで、資料2-1から資料2-9まで御用意してございます。
  議題3、第2次学校安全の推進に関する計画の策定に関しまして、資料3-1、3-2を御用意してございます。
  そのほか、委員の皆様の名簿、参考資料1に加えまして、参考資料2、「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議の最終まとめをお配りしてございます。
  なお、この資料でございますが、本分科会の委員でございます堀田委員が座長を務められ、その他の委員の皆様にも多く参画していただきました「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議において、まとめられたものでございます。そうした資料でございましたので、皆様にも配付させていただきました。
  以上でございます。
  続いて、前回の分科会におきまして御質問いただいておりました内容について、坪田児童生徒課長より回答させていただきます。
【坪田児童生徒課長】  前回の御質問に回答いたします。
  小室委員から、児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査の結果につきまして、小学校低学年で暴力行為が格段に近年増えていることについてどう分析しているか、また、その対策についての御質問でございました。
  暴力行為の小学校の学年別加害児童数を見ますと、御指摘のように、低学年の増加が著しい結果となっております。考えられる増加の一因としましては、今、いじめの認知を積極的に、それも組織的に進めるように通知等で昨年来、強くお願いしておりまして、そのことと関連し、いじめと暴力行為はかなり重なる部分がございますので、いじめの認知が進むことで暴力行為の認知も進み、調査への計上も進んだ結果であると見ております。
  また、現場からいろいろと聴取する結果によりますと、これは体感的なものでございますけれども、感情のコントロールがうまくできず、すぐに手が出てしまう低学年の児童が少しずつ増えていることが挙げられております。
  対策としては、道徳教育の充実、コミュニケーションスキルを高める実践的な指導と、学校全体で暴力を根絶するための取組を推進する必要があります。また、文部科学省として今、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置拡充を進めておりますけれども、心の問題、そしてまた、家庭の支援を福祉機関とも連携するという意味で、これら専門職ともチームを作る形で取り組んでいくということを、各教育委員会等に促していきたいと思っております。
  二つ目でございます。これは鶴羽委員から御質問を受けた件でございますけれども、学校図書館に関する報告書を前回説明させていただきましたが、その中で、学校図書館について主体的・対話的で深い学びを効果的に進めるとの文言があるが、具体的にどのようなことかということで御質問を頂きました。
  この趣旨ですが、読書センターだけではなくて、情報センター、学習センターとして機能してほしいと、学校図書館には大きな期待を国としては持っております。そういう流れの中で、主体的・対話的で深い学びが必要とされる中で、子供たちが学校図書館の利活用を通じて必要な資料の選択、情報の収集などの調べ学習の活用というのを推進していただく。また、教員の授業づくりとか教材準備を支える役割を学校図書館は担っていただくということが非常に重要だということで、このような主体的・対話的で深い学びを支える基盤としての学校図書館という趣旨でこの記載をさせていただいているところでございます。
  このような機能を果たすためには、専ら学校図書館の職務に従事する職員である学校司書や学校図書館の専門的な職務を掌る司書教諭の役割がますます重要でありますので、その配置の充実について努めていきたいと思っております。
  以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。今の事務局からの説明について御質問や御意見などがあれば、この後の学習指導要領の改善及び必要な方策等の審議の際に出していただければと思います。ありがとうございました。
  それでは、本日の議事に入っていきたいと思います。
  まず、議題1、国際数学・理科教育動向調査、TIMSS2015及びOECD生徒の学習到達度調査、PISA2015の結果について、木村参事官及び合田教育課程課長より説明をお願いいたします。
【木村参事官】  それでは、資料1-1から1-3に基づいて御説明を申し上げます。
  まずは、資料1-1を御覧ください。国際数学・理科教育動向調査、TIMSS2015のポイントでございます。これは11月29日に結果が世界公表されております。
  このTIMSSでございますけれども、調査概要のところを見ていただくと、小学校4年生、中学校2年生を対象にいたしまして、算数・数学及び理科の到達度を測るために実施をされました。小学校は50か国・地域、中学校は40か国・地域が参加しております。我が国では抽出された学校の中から、小学校148校、約4,400人、中学校は147校、約4,700人が参加しております。
  1ページ真ん中あたりに平均得点の推移を記載しております。今回の調査結果でございますけれども、我が国は小学校算数が593点で5位、小学校理科が569点で3位、中学校数学が586点で5位、中学校理科が571点で2位ということでありました。我が国の平均得点でございますけれども、小・中学校の算数・数学及び理科の全てにおいて、前回2011年の調査と比較して、有意に得点が上昇しているという結果が出ております。
  2ページと3ページには、算数・数学及び理科のそれぞれの問題の例が記載されております。このTIMSSでございますけれども、学校のカリキュラムで学んだ知識とか技能がどの程度習得されているかということを中心に調査をしておりますので、このような問題例のような形で出題されているということでございます。御参考にしていただければと思います。
  具体的な教科別の調査の結果、4ページに算数と数学の結果が出ております。小・中学校ともに、前回2011年と比較いたしまして、基準値500点と同程度、あるいはそれより低い550点未満の児童生徒の割合が減少して、いわゆる550点以上の基準値より高い児童生徒の割合が増加をしております。
  一方で、この下の方に、小・中学校それぞれ国・地域別に上位5か国を記載しておりますけれども、例えばシンガポールみたいな国と比較すると、475点未満の児童生徒の割合にはほとんど差はございませんが、最上位の625点以上の児童生徒の割合が、我が国は相対的に低いという状況が見てとれるかと思います。
  5ページには理科の調査結果が出ております。これも算数・数学と同様の傾向になっております。点数の低い児童生徒の割合が減少して、基準点より高い児童生徒の割合が増加しているという傾向が見てとれます。国際的な比較、下の方を見ていただいても、やはり最上位層の625点以上の児童生徒の割合が相対的に低い状況にあります。
  このTIMSSですが、教科調査と併せて質問紙の調査も行っております。6ページを御覧ください。算数・数学についての質問紙調査の結果を記載しております。ここで上の方のグラフ、算数・数学は楽しいと思う児童生徒の割合ですけれども、これは国際平均は下回っておるのですが、2003年以降、我が国の算数・数学が楽しいと思う子供の割合は増加をしております。
  一方で、右のグラフ、算数・数学が得意だと思う児童生徒の割合が横ばいになっているという状況です。
  下のグラフです。中学生に対しては、数学が日常生活に役立つ、あるいは将来、自分が望む仕事に就くためによい成績を取る必要がある、という項目を調査しておりますけれども、これも肯定的な回答をしている生徒の割合が2003年以降増加をしております。更に国際平均との差も縮まっているという傾向が見てとれます。
  7ページには理科の質問紙調査の結果を記載しております。小学生については、理科は楽しい、あるいは理科は得意だ、と思う児童の割合は国際平均を上回って、更に2003年以降、増加している傾向が見られます。
  一方で、中学生でございますけれども、理科は楽しい、得意だ、と思う生徒の割合は、国際平均を下回っているという現状です。
  中学生につきましては、数学と同じように、日常生活に役立つ、将来、自分が望む仕事に就くために理科でよい成績を取る必要があるという項目を調査しておりまして、これも数学と同様に肯定的な回答をしている生徒の割合は増加しているという状況でございます。
  8ページには、今回の調査、各国の成績が記載されております。9ページ以降、それぞれの教科別のこれまでの1回目から6回目まで、各国別の成績を記載してございますので、適宜、御参照いただければと思います。
  次に、資料1-2、PISA2015の結果であります。
  上の調査概要を御覧になっていただけばと思いますが、このPISAについては、義務教育修了段階の15歳児を対象にしまして、生徒が持っている知識や技能を実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかということを評価する調査であります。読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーという3つの分野について、2000年以降、3年に一度実施されている調査であります。
  今回、各調査年度、PISAは中心分野というものを設定しておりますけれども、今回は科学的リテラシーを中心分野として調査をしております。
  我が国の参加人数でございますけれども、高校1年生を対象にいたしまして、抽出された学校の中から198校、約6,600人が参加をしております。なお、今回の2015年の調査から、これまで過去、筆記型の調査をやっていたものが、コンピューター使用型の調査、CBTの方に移行したということであります。
  下の方のグラフには、平均得点、それから順位の推移が記載されております。今回の調査結果は一番右側に記載しておりますけれども、科学的リテラシーが538点、読解力が516点、数学的リテラシーが532点ということになっております。国際的に見れば、引き続き平均得点が高い上位グループに位置しておるということでございます。
  一方で、前回の調査と比較いたしまして、読解力の平均得点が有意に低下しているというデータが見られますが、これについては、例えばコンピューター使用型調査への移行の影響というものが一部考えられるのではないかと考えております。
  2ページでございます。コンピューター使用型調査に移行したということで、こういう問題が出たという事例でございます。今回、情報通信技術を切り離すことができない現代社会の中で、生徒の知識や技能を活用する能力を測るため、さらに、よりインタラクティブで多様な文脈の問題を提示するために行われたということで、この問題を見ていただくと、例えば暑い日のランニングで、気温、湿度、水を飲むというところで、生徒がそれぞれ自分でシミュレーションを行うことによって、こういう条件の下では例えば熱中症になるとか、あるいは脱水症状が起こるとか、そういうシミュレーションをしながら問題に答えていくというインタラクティブな問題が出ていると、一つの事例として御紹介させていただきます。
  次に、3ページでございます。諸外国と比較した日本の結果であります。上段の表がOECD加盟国35か国における比較、下段の表が全参加国・地域、72の国と地域の中で日本がどの位置にあるかという比較を示してございます。御参考いただければと思います。
  4ページに参ります。今回の中心分野であります科学的リテラシーにつきまして、上の表でございますけれども、現象を科学的に説明する能力、科学的探究を評価して計画する能力、データと証拠を科学的に解釈する能力という三つの能力別に比較しております。いずれの領域においても、日本は国際的に上位に位置しているということがお分かりいただけるかと思います。
  下段の我が国の結果の特徴、2というところでございます。これは生徒質問紙の中で、生徒の科学に対する態度について、2006年の調査と比較可能な項目であります科学の楽しさという指標、理科学習の道具的な動機付けという指標、そして理科学習者としての自己効力感という指標、科学に関連する活動と、この四つの指標の結果を記載しております。
  このチャートを見ていただくと、四つそれぞれの指標値につきまして、OECDの平均を下回っているという現状でございますけれども、理科学習に対する道具的な動機付けについては、肯定的に回答する生徒の割合が増加しているということで、自分の将来に理科の学習が役に立つと感じている生徒の割合が増加するといった改善傾向が見られております。
  5ページでございますが、科学的リテラシー、読解力、数学的リテラシーのそれぞれの分野において、全ての分野においてシンガポールは1位でございますけれども、上位8か国・地域における習熟度レベルの割合を掲載しておりますので、御参考にしていただければと思います。
  6ページでございますが、今回の2015の調査における各国の成績、そして7ページ以降は、これまでの2000年からの経年比較、それぞれ科学的リテラシー、読解力、数学的リテラシーの成績の表が記載されておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 それでは、資料1-3につきまして、教育課程課の方から御説明いたします。
【合田教育課程課長】  引き続き、手短に御説明させていただきたいと思います。
  資料1-3でございますけれども、先ほどお話がございましたように、今回、読解力が有意に低下をいたしておりますが、今回、PISAの2015を受験いたしましたのが現在の高校2年生ということでございまして、小学校4年生から新課程の移行措置が始まりまして、40年ぶりに内容が増える新課程を、副教材と教科書という2本立てで必死で取り組んできた世代でございます。学習時間も長くなってございまして、この子供たちが有意に低下するというのは、ちょっと理由が見当たらないところではございますけれども、この1-3にございますように、一つは、先ほど参事官から申し上げましたように、文字のフォントの小ささなどもございまして、少しCBTに戸惑ったという側面は否定できないと、お茶の水女子大学の耳塚先生などが御指摘をなさっているとおりでございます。
  それからもう一つは、先生方の御指導が不十分であるということよりも、子供たちを取り巻く情報環境というのが我々の想像以上に変わっておりまして、朝、新聞を読んで、学校で授業を聞いて読書をするという生活から、スマートフォン、SNS中心の生活になっている中で、まとまった、筋立った文章を読むのが授業における教科書のみという状況になっている今の子供たちの現状というものも前提としてあるのではないかという指摘が、これは後ほど御説明申し上げます、今回の中教審の指導要領に関する答申の中でも既に御議論いただいているところでございます。
  1-3の指導の改善・充実のところにもございますように、小学校の段階から既に語彙の差がある、これが学力の差になっているという指摘が強くなされている中で、今後改めて、子供たちの語彙の力、身の回りの語彙から抽象的な思考に必要な語彙に至るまで、語彙の段階的な指導の強化、それから文章を読むプロセスに着目した学習の充実ということでございまして、情報と情報との関係性というものをしっかりと読み取るという学習を、これまで以上に意識的にやっていかなければならないと思っております。
  同時にこれから、今回、CBTに対する戸惑いというものも出ておりますので、コンピューターを活用した指導の充実ということを新課程に盛り込むと同時に、来年度からも具体的な指導を重ねていただくように、指導改善のポイントなどを作成してまいりたいと思っております。
  その下の調査研究の充実のところでございますが、そのために私ども、国立情報学研究所、新井紀子先生などと連携しながら、今年の2月に高校生12校4,000人を対象としたリーディングスキルテストということで、何が原因で、もしかしたら教科書を読めていないという原因の背景にあるのかということでございますとか、その二つ下でございますが、諸外国、特に我が国では国語でコンピューターを使うということはほとんどなされていないところでございますが、かなり行われております例えばデンマークなどでは、どのような教育が行われているのかということを、これは参考ということで私どもも調査研究をさせていただきまして、後ほど御説明させていただきます中教審の答申に基づく指導要領の改善と相まちまして、子供たちの読解力の向上ということに更に取り組ませていただきたいと思っております。
  以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  それでは、ただいまの説明に対して、委員の方から何か御質問や御意見がございましたら御発言をお願いいたします。恐縮ですけれども、御発言の際には、机上の名札を立てていただければと思います。よろしくお願いいたします。
  それでは、吉田委員、角田委員の順でお願いします。どうぞ。
【吉田委員】  ありがとうございます。
  今のOECD、PISAのポイント等で見せていただいたのですけれども、一つ先に御質問して、更に質問させていただきたいのですが、このCBTになったということですけれども、今回受けた約6,600人の高校1年生レベルの子たちというのは、日頃からこのCBTというか、自分たちでノートパソコンなり何なりを操作しているという子供たちなのですか、それとも初めてCBT試験に臨んだのですか。
【小川分科会長】  いかがですか。
【合田教育課程課長】  PISAの調査自体が、先生御案内のとおり、二段階層化クラスター方式ということで、ほぼ全国の子供たちの属性が均等になる代表値として有効なようにこの6,000人を選んでございますので、そういう観点からいけば、かつ、今の、これは先生の方が御案内だと思いますけれども、高校生の情報活用能力の実態からいいまして、率直に申し上げて、CBTが初めてという子も決して少なくなかったのだろうというふうに思っております。
【小川分科会長】  では、続けてどうぞ。
【吉田委員】  ありがとうございます。それに伴ってなのですけれども、結局今、我々が一番直面している問題って、これから大学の入試もCBTになる云々(うんぬん)の問題があるわけですけれども、子供たちの方がスマホ文化によって、スマホを読み込む速さとかそういうのがあると思うのですが、実際に画面に向かって物を読んだり、理解したり、読解力のこともそうでしょうけれど、例えばTOEFLのiBTテストなんて4時間半も画面に向かっているわけです。それに今の子供たちが耐えられる状況にないというのが、私は事実ではないかなと。
  それとともに、我々ですら、本当にこれはお恥ずかしいですけれども、やはり長い文章が送られてくると、紙にプリントアウトして、指で追って読みますよね。それが画面になるということの難しさというのがあると思うので、やはりこういうことを考えても、ICTのことも含めて、先ほどデジタル教科書のお話もありましたけれども、デジタル教科書も実際に全員に配ることは不可能であるという前提で話が進んでいるような状況だったら、こういうことはなかなか上がっていかないのではないかと。だから、そういう意味でも、是非文科省としても国を挙げて、生徒一人1台パソコンの話もありましたけれども、やはりノートでしっかりと子供たちが勉強し、そしてまたプログラミング等も続け、それこそSTEM人材育成するための要件としても必要になるのではないかと思うので、是非お願いしたいということを一言付け加えさせていただきます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  何かありますか。では、合田課長。
【合田教育課程課長】  資料1-3のところで、ちょっと御説明は時間の関係で省かせていただきましたが、一番下に、学校ICT環境整備の加速化ということがございます。これは吉田先生に御指摘いただきましたし、堀田先生にも御指導いただいておりますけれども、率直に申し上げて、ICT環境はかなり、地域や学校によって差がございます。私ども、まず小学校については、2020年度から、これをある程度均等化していかないと目の前の子供たちが次代を担う力を育むことができなくなるという危機感を、これは他方で、この整備の責任は各自治体首長にございますので、そういう方々にそう思っていただけるような、私ども戦略なり広報なりというものを更に強めていきたいと思っております。
【小川分科会長】  では、角田委員、どうぞ。
【角田委員】  すごく素朴な質問なのですけれども、読解力について、成績低下の理由にCBTを挙げているのはどうしてなのかなと。科学的リテラシーや数学的リテラシーもCBTなのですよね。どうして読解力だけはCBTが原因と言えるのか。読解力だけ字が小さかったのでしょうか。
【合田教育課程課長】  実は、率直に申し上げますと、本当の意味でのCBTと言えるものは科学的リテラシーだけでございまして、それ以外はPDFを張り付けたようなCBTだったというのが今回の状況でございます。
  1つは、これは一部報道にもございましたけれども、率直に申し上げまして、アルファベット圏向けのレイアウトに漢字を乗せたものでございますから、かなり字が小さくなっていると。例えば台湾なんかも今回かなり成績が急落いたしておりまして、その背景には、ちょっとそういう見づらさというものがあったのではないかと。ほかの科学や数学はそうではないのですけれども、特に読解力につきましては長文を読ませて答えさせるというものでございましたので、それは一つちょっと戸惑ったのかなということと、このCBTというのは複数の情報を、御案内のとおり紙でございましたら一覧性がございますので、情報を全部一斉に見られるわけでございますが、今回のCBTというのは、同時に二つの画面を見ることができないと。1ページ目の次が2ページ目、もう一度1ページ目を見たいのだったらまた戻るというものでございまして、私ども率直に申し上げて、日本の国語教育の場合には、大事なところには丸を付けるのだよ、大事なところは線を引いて関係性を矢印で示すのだよ、などという指導をやっているものでございますから、このタイプのCBTにかなり戸惑ったのかなと。
   科学や算数・数学などでは、子供たちは手元にある紙に計算したり何とかしたりという跡が見受けられますので、そこはそんなに障害にならなかったと思うのですけれども、読解力についてはそういうやりにくさがあったのではないかというのがお茶の水女子大学の耳塚先生の分析でございますが、私どもは先ほど申し上げたように、それと同時に、子供たちの情報環境の変化というものにおける子供たちの読む力というものが弱くなっていないか、ということは、これはかなり重要な問題だとして、次の改訂でも重視して取り組ませていただきたいと思っております。
 以上でございます。
【小川分科会長】  角田委員、よろしいですか。
【角田委員】  はい。
【小川分科会長】  ほかに、あと一、二あれば。銭谷委員、そして天笠委員の順でお願いします。
【銭谷委員】  今回のTIMSSとPISAの結果を見ますと、読解力には若干、前回に比べて課題もありますし、試験のやり方の影響がどのぐらい結果に反映しているのかというのもありますけれども、全体としては、日本の子供の学力というのは、私は引き続き堅調といいましょうか、いい傾向にあるのではないかというふうにまず思いました。
  その上で、ちょっと一つだけお聞かせいただきたいのですが、TIMSSもPISAも、TIMSSで言うと小学生も中学生も、それからPISAで言うとどのリテラシーも、全部シンガポールが国別・地域別ではランクとしては1位なのです。これは多分、初めてだと思いますけれども、この調査をしたIEAなりOECDは、こういうシンガポールについてどのような感じを持っているのか、文部科学省あるいは国立教育政策研究所として、シンガポールのこれまでの教育の状況についてどのような感じを持っているのか、参考までにお聞かせいただければというのが質問でございます。
【小川分科会長】  事務局の方、どなたかお答えいただけますか。よろしくお願いします。
【木村参事官】  詳細は定かではございませんけれども、シンガポールにつきましては、御案内のとおり人口が少ない、その中で基本的な産業というのはサービス産業を中心とする第三次産業ということで、どうしても知識創造型の人材を育てていく必要があるという背景がございます。
  その中で、やっぱり教育への投資というものを非常に重視しておるようでして、国家予算の2割ぐらいを教育の分野に投じているという現状があります。当然、中・高を卒業した後、サービス産業が約7割を占めると言われておりますので、そういった、将来、生徒が望む仕事に就くためには、特に理数系の分野でいい成績を取る必要がある、そのために頑張らなきゃいけないという背景があろうかと考えてございます。
【小川分科会長】  ほかにございますか。銭谷委員、今の回答でよろしいですか。どうぞ。
【銭谷委員】  多分そういうことだと思うのですけれども、何となくこういう調査がありますと、もちろん自分の国のことは非常に気になるわけですが、全体的に見ると、例えば非常にアジア圏、特に東アジア圏の成績がいいということで大体終わっちゃうのです。だけど、かつては、今回もそんなに悪くないのですけれども、フィンランドが非常によくて、みんなでフィンランドの教育の状況というのはよく調べたり勉強したりしたことがあったわけです。小さな国であるシンガポールの教育の状況がそのまま日本に持ち込めるものとは全く思いませんけれども、これからの日本の教育を考える上で、シンガポールについて、あるいは東アジアの各国について、もちろん日本のように1億も人口がある国ではありませんけれども、少し調べてみると。それで、日本として参考になる点はないかという調査をすることは必要なのではないかなと思います。
  今のお話だけでも、大変教育を重視しているというのは分かるのですけれども、それ以上に何かあるのかもしれませんので、その辺は是非お願いしたいなと思いました。
【小川分科会長】  ありがとうございました。今後の検討課題にさせていただければと思います。
  それでは続けて、天笠委員、どうぞ。
【天笠委員】  失礼いたします。御報告いただいて、いい状態の場合には更に持続的に、更に向上を図っていく、それから、必ずしもはかばかしくなかった点についてはどう対策を練っていくかという、当然そういう方向性、考え方が出てくることは言うまでもないと思いますし、いろんな形で手当てしていただくということで、今後の対応策という話の中に入っていくかと思っているのですけれども、対応策をいろいろ御検討いただくときに、今、銭谷委員が言われたことも私も同感するところは非常にあるのですが、その視点というのもやっぱり大切にしてほしいなと思うのです。
  次に御報告いただけると思うのですけれども、答申の中に、また後で確認いただければと思うのですが、我が国の子供たちの学びを支えて、世界の子供たちの学びを後押しするというスタンスで我々は次の学習指導要領を提起していこうというふうな、この視点と、今ここで御報告いただいているこの方向性というか対策が、別建ての話ではなくて、やっぱり一体として組んでいただくという意味で、そういう意味でも私は、何が今までの御説明から聞くと弱いかなと思ったのは、対策は対策として、いろんなデジタル環境を高めていくとか、そういうことなのですけれども、戦略的にどういうふうにとか、戦略を練るとか、そういう少し、あるいはかなり視野の広い視点というのもあわせて、その対策の中にしっかりと位置付けておかないと、眼前の上がった下がっただけで一喜一憂するというふうなことになってしまうのは、あまりいい傾向ではないのではないかと思います。それは振興計画とかそういうものといろいろなかみ合わせというのが当然御検討されているかとは思うのですけれども、改めて世界の子供たちの学びを後押しするという、我が国の教育がということと、この話とをどういうふうにリンクさせていくのかどうなのか、そのような視点でのまた対策ということも御検討いただければと思います。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。ほかにも意見があるかと思いますが、、次に二つ大きな審議事項がありますので、二つの国際学力調査の結果に関わっては、これで一応締めさせていただきたいと思います。関係する御意見や御質問があれば、次の学習指導要領の審議のところでしていただければと思います。よろしくお願いします。
  それでは、議題2に移りたいと思います。議題2は、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策についての答申案について、これは合田教育課程課長より説明をお願いいたします。
【合田教育課程課長】  失礼いたします。それでは、答申案について御説明させていただきたいと思います。大部なもので恐縮でございますが、資料2-5と2-6で御説明させていただきたいと思っております。手短に御説明させていただきたいと思っております。
  先生方御案内のとおり、平成26年11月に諮問がございまして、以降、この中教審で470人の先生方に440時間審議を積み上げていただいたところでございます。本年9月12日に本分科会に御報告申し上げ、御審議を頂きました審議のまとめでございますけれども、団体ヒアリングですとかパブリックコメントを経て、教育課程部会として先週、答申案というものをおまとめいただいたところでございます。従いまして、今回はごくアウトラインと、主な審議まとめからの変更点に絞って手短に御説明させていただきたいと思っております。
  資料2-5の1ページをおめくりいただきますと目次でございまして、基本的な構成というものは変わってございません。第1部と第2部に分かれておりまして、先ほど天笠先生からもお話がありましたように、第1部はまず、子供たちの現状というのが第1章、それから2030年の社会というものを見据えて、子供たちに求める資質・能力というのが第2章、それから第3章が、そこから見たときの現在の学習指導要領、教育課程の課題、そして、それを踏まえた上で、第4章で今回の改訂の基本的な考え方というものを整理した上で、第5章から第10章にかけて6本の柱で教育課程を見直していくという基本的な構造は審議まとめと変わってございません。
  その上で、総論を踏まえて第2部として、第1章で各学校段階の議論、第2章で教科について議論するということになってございます。
  ページをめくっていただきまして2ページの一番下に団体ヒアリング、今日お集まりの先生方も含めてどのような団体から御意見を賜ったかということを記させていただいております。
  4ページを御覧いただければと思います。いろいろな課題がありました平成10年の改訂でございましたけれども、梶田先生を中心に御尽力いただきまして、4ページの一番下の○にありますように、ゆとりか詰め込みかという二項対立を越えて、現在子供たちは学びを進めているということでございます。今回の指導要領の改訂の議論が、この20年改訂の延長線上に真正面から、子供たちの知識の理解の質を高めることに取り組む改訂であるというのは前回御報告を申し上げたとおりでございます。
  5ページ目でございますけれども、子供たちの現状と課題ということでございまして、上から三つ目の○でございます。前回も御報告申し上げましたように、国内外の学力調査の結果によれば、近年、改善傾向というところがございますけれども、その後に、先ほど御報告申し上げましたPISA、TIMSSの結果というものを整理させていただいているところでございます。
  その上で、6ページでございますけれども、上から三つ目の○、スマートフォンなどの普及に伴う子供たちの情報環境の変化、これは審議まとめの段階でも既に入っていたものでございますが、それに加えまして、その下のPISA2015では、ということでございまして、CBTに対する戸惑いと同時に、上から6行目ほどでございますが、情報化の進展に伴って、特に子供にとって言葉を取り巻く環境が変化する中で、一定量の文章に接する機会が変化、あるいは減少というような現状を整理させていただいておりまして、今回のPISA調査でもこのような状況が浮かび上がってきているということでございます。
  その下の○にありますように、子供たちの語彙の問題というものも審議まとめから御指摘いただいているとおりでございます。
  それから、7ページの一つ目の○でございます。今回の議論、団体ヒアリング等を通じまして、言語活動と同時に重要な体験活動というものの重要性を改めて見据える必要があるという御指摘を頂いているところでございます。この○の5行目にございますように、子供たちが様々な体験活動を通じて、生命の有限性や自然の大切さ、自分の価値を認識しつつ他者と協働することの重要性などを実感しながら理解するようにすることは極めて重要であるという御議論を頂いたところでございます。
  それから、その上で、2030年の社会との関わりということで、9ページ目の一番下の○にありますように、第4次産業革命ともいわれる時代背景の中で、子供たちの力をどう育むのかということにつきまして、10ページ目の上から四つ目の○にありますように、人工知能に目的を与えると。その目的のよさ、美しさ、正しさなどを判断できる、そういう力というものが、日本の学校はずっと育まれてきたものであろうと。そのことを、自信を持って前に進めていく必要があるということでありまして、このような人工知能に目的を与えるといったような力こそ、11ページの上から4行目、生きる力の育成と学校教育及び教育課程への期待というふうにございますように、これまで学校教育が大事にしてまいりました生きる力にほかならないということの御議論を頂いているところでございます。
  このような観点から見た現行の学習指導要領の課題ということでございまして、15ページを御覧いただければと思っております。15ページの上から二つ目の○の3行目にありますように、各教科等において教員が何を教えるかという観点で組み立てていると。これを、何ができるようになるのかというところまで発展させなければならないという御指摘を頂いているのは、夏の審議まとめと変わりないところでございます。
  知識の理解の質を高めるために、生きる力というこの理念をどう具体化していくのか。特に学習指導要領の具体的な在り方、総則、あるいは各教科の目的、内容というものを分かりやすく再整理する必要があるという観点で御議論いただいたところでございます。
  その上で、19ページでございますけれども、第4章ということで、今回の指導要領の改訂の総論ということでございます。社会に開かれた教育課程、あるいは20ページにありますように、学びの地図としての指導要領の枠組みの見直し、それから、飛んでいただいて恐縮でございますが、23ページのカリキュラム・マネジメント、それから26ページのアクティブ・ラーニングといったような議論を夏の審議まとめどおり、引き続き議論を整理させていただいております。
  その上で、27ページでございますけれども、先ほど冒頭に申し上げましたように、六つの柱で指導要領を見直していくという。まず一つ目が、何ができるようになるのかという議論でございます。これにつきましては、29ページにありますように、まず一つ目には、生きて働く「知識・技能」の習得、それから二つ目でございますけれども、30ページの真ん中あたりにあります○2の「思考力・判断力・表現力」の育成、それから、下方にございます○3の「学びに向かう力・人間性等」の涵養(かんよう)と、この三つで全ての教科を分かりやすく再整理するという御議論を頂いておりまして、各教科においても具体的な議論を重ねていただいたところでございます。
  これがなぜ大事かということにつきましては、33ページにありますように、この構造の中でこそ、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」というものが明確になってくると。その教科を学ぶことによって、どのような考え、枠組みで物を捉え、思考の枠組みで物を考えていくのかということこそが、学校と社会生活を結ぶ大変重要な枠組みであるということが改めて重要になってきたということでございます。何のためにそれを学ぶのか、全ての子供が学ぶのか、ということが改めて明確になったというのが一つ目の重要な意義であろうかと思っております。
  二つ目が34ページの4、教科等を越えた全ての学習の基盤として育まれ活用される資質・能力ということでございまして、教科の意義を見据えながらも、教科を越えて、子供たちに必要な資質・能力をどう育んでいくのかという議論でございます。
  35ページ、言語能力の育成というところがございまして、それに関連しては37ページの上から二つ目の○にありますように、今回のPISAの読解力の状況も踏まえて記述を追加させていただいているところでございます。
  それから、先ほどお話がございました情報活用能力も、各教科で育んでいく必要があるという御議論も頂いております。
  また、39ページでございますけれども、現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力という議論でございまして、これにつきましては、43ページに飛んでいただいて御覧いただければと思っております。篠原先生が先駆的にお取り組みいただいた主権者として求められる資質・能力につきましても、それがなぜ必要なのか、しかも2つ目の○にありますように、政治に関わる主体としてだけではなくて、広く国家・社会の形成者としていかに社会に向き合うかという観点から、発達の段階に応じて、家庭を巻き込みながら充実をしていく必要があるという御議論を頂いているところでございます。
  45ページの、何を学ぶかということについては、学びの量と質を引き続き重視し、学習内容の削減を行わないということについては、夏の審議まとめのとおりでございます。
  それから、48ページでございますけれども、どのように学ぶかというところでございまして、これにつきましては、夏の審議まとめの際も御報告申し上げましたように、小・中学校、例えば48ページの上から二つ目、三つ目の○にありますように、小・中学校についてはアクティブ・ラーニングということで浮き足立つのではなくて、目の前の子供たちをしっかり見て指導を深めてほしいということ、他方で高等学校教育におきましては、入試改革の動向も踏まえながら質的な転換を行っていく必要があることでありますとか、それから、49ページの一つ目の○の下から2行目、「型」に拘泥する事態を招くことがないというようなことを意識しながら、50ページの○1、○2、○3とありますけれども、主体的な学び、対話的な学び、それから深い学びと、この三つの観点で授業改善をしていくということ。
  それから、50ページの一番下の○から51ページ目の一つ目の○でございますけれども、特に51ページの一つ目の○にありますように、アクティブ・ラーニングというのは、国語における言語活動ですとか、理科における実験・観察、芸術における表現といったものの質をどう高めていくのかというのが重要なポイントであるという点、それから、52ページの一つ目の○でございますけれども、対話的・主体的で深い学びは1単位時間の授業で全てが実現されるものではないと。単元というまとまりで捉えていく必要があるという点でありますとか、その下にありますように、52ページの三つ目の○でございますが、深い学びにとってこそ、各教科固有の物の見方・考え方が大事であるということ。更に53ページの二つ目の○でございますけれども、アクティブ・ラーニングというのは、討論すればいい、ディベートすればいいという話ではなくて、具体的な在り方というのは発達の段階や子供たちの学習課題等を通じて様々であるので、基礎的・基本的な知識・技能の習得に課題が見られる場合には、その確実な習得を図ることが求められるといったような地に足のついた、これまでの教育界の蓄積を生かした主体的・対話的で深い学びのための御議論というものをまとめさせていただいているところでございます。
  その上で、54ページの子供たち一人一人の発達をどのように支援するのかという御議論でございますとか、60ページの学習評価の充実、これも資質・能力の三つの柱で教科を整理するということに伴って、しっかりと評価の枠組みを変えていくという議論。それから64ページでございますけれども、実施するために何が必要かと。これは今回の御議論の中で特に重視されたところでございますけれども、64ページの三つ目の○の、チームとしての学校という御議論でありますとか、65ページにございます教員の資質・能力の向上につきましては、先の国会で法案を提出し成立をした、その新しい枠組みで充実を図ることでありますとか、あるいは67ページの1行目の必要な教職員定数の拡充ということにつきましては、現在、29年度予算編成について詰めの議論をさせていただいているところでございます。
  なお、68ページに飛んでいただきまして、四つ目の○でございますけれども、教科書の御議論も頂いたところでございます。学習指導要領はどのような資質・能力を育むのかということをこれまで以上に明確化いたしますけれども、具体的な指導方法を書き込むということはないわけでございます。であるが故に、これまで以上に教科書が大事になってくるわけでございまして、その教科書の改善ということにつきまして、現在、私どもも教科書会社と教科ごとに対話を重ねている状況でございます。
  資料2-6でございますけれども、各論の部分でございます。これにつきましては、今申し上げた総論の変更、それからPISAの学力調査の結果なども踏まえながら改めて修正をさせていただいておりますけれども、各論について大きな内容の変更等はないところでございます。
  駆け足で恐縮でございましたけれども、この答申案につきましての御報告をさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  それでは、これから質疑、また意見交換に入っていくわけですけれども、その前に、答申案の取りまとめに大変御尽力いただきました教育課程部会長の無籐委員から一言いただきたいと思います。よろしくお願いします。
【無籐分科会長代理】  では、私の方から多少のコメントなのですけれども、中身は今、課長に御説明いただいたとおりでございます。資料にもありますけれども、2年間にわたり、多数の部会の中で、恐らくこれまでの学習指導要領の改訂にも増して、その会合の回数や関わっていただいた委員の数も多かったのではないかと考えています。
  今回、いろんな意味で頑張ったという話よりは、やはりこれから日本が抱える課題、2030年というのが一つのメルクマールですけれども、そこで日本、また日本を囲む世界がどうなっていくか、いろんな可能性がありますが、少なくても現在の延長線上で単純に、これあたりというふうには言いにくい。つまり、未知の課題、未知の社会になっていくだろうということは明らかです。そういう意味で、学校教育として改めてどういう責務を負うべきかまで含めて検討してきたと思います。
  未知の課題、状況に取り組めるような思考力を、例えば幼稚園、小学校から育てていかなければならないと思いますし、また、高等学校を卒業し、大学なり社会に出ていって、更に学び続けていくような主体であるべきだろうと考えます。
  では、そのためには何をすればいいのか、どういう力を子供に育てるべきか、というときに、資質・能力という言い方で幼・小・中・高、実は恐らく大学まで含めて、その柱を整理したわけです。
  そこでは、従来で言う知識・技能や思考力が密接に絡み合い、更に学びに向かう力と名付けておりますけれども、情意面や人と協力する力などを含めて、それらの統合が学力なのだというふうにした、ということであります。これは従来の学力の考え方の発展ですけれども、今申し上げたような意味では、ある意味で学校教育のミッションを再定義し、これからの10年、20年に向けての学校教育の在り方を積極的に位置付けたという方向かと思います。
  その上で、それはいわば枠組みでありますので、各学校の授業の実際をどう変えていくかというときに、やはりキーワードとなったのがアクティブ・ラーニングということでありますけれども、それを具体的な指導計画、授業の実際の改善につなげるために、主体的・対話的で深い学びという言い方でより詳しくして、授業の実際につながり、また、その改善の視点になるようにということを考えたということであります。
  非常に大枠だけを言えば、その二つの点が今回の特徴だと思いますけれども、その中でかなり膨大な資料でありますが、各教科、各校種について細かい議論を集大成して、教育課程課でまとめていただいたということでございます。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  それでは、答申案について、これから質疑ないしは意見交換をしていきたいと思います。分科会として、恐らく最後の場になると思いますので、今日は通常より多少時間を多めにとっておりますので、各委員から様々な御意見、御質問をいただければと思います。どなたからでも構いません。恐縮ですけれども、御発言の際には机上の名札を立てていただければと思います。
  それでは、松岡委員からどうぞ。
【松岡委員】  ありがとうございます。1点質問でございますけれども、これまでの審議の中で、特に答申に向けて記述の充実を図る事項というものを取りまとめた際、あれはパブリックコメントを受けてだったかと思いますが、海洋教育という文言が一つ出ていたと思うのです。それについては今回の答申案の中ではどのあたりに、どのような形で反映されているか、御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【小川分科会長】  では、合田課長。
【合田教育課程課長】  ちょっと先ほど時間がなくて、説明が不十分で大変失礼いたしました。先ほどちょっと御説明を省かせていただきました資料2-6の各論の136ページを御覧いただければと思います。今御指摘がございましたように、パブリックコメントの中でも、我が国が四方を海に囲まれた海洋国家であるという観点から海洋教育、あるいは我が国の産業をつなぐ要素として海運というものが大事だという御指摘を随分頂いたところでございます。
  それを踏まえまして、136ページの上から三つ目の○の下から5行目から4行目にかけてでございますけれども、この記述は、前回はなかったところでございますが、「防災・安全への対応や」の後に、「周囲が海に囲まれ、多くの島々からなる海洋国家である我が国の国土の様子」ということを入れさせていただいておりまして、特に社会科を中心に、こういった我が国の海洋国家としての国土の様子でありますとか、あるいは陸運と同時に重要性を持っております海運といったことについての指導というものを深めていってはどうかという御議論を中教審で頂いたというものでございます。
【小川分科会長】  それに関係して。よろしいですか。
【松岡委員】  今の御説明は分かるのですけれども、もう少し海洋教育というのは範囲が広いといいますか、例えば領土問題であるとか、いろいろそういうものが含まれると思うのですが、今の御説明ですと、136ページ、137ページのところでの記述ということになりましょうか。
【合田教育課程課長】  仰せのとおりでございます。頂いた御意見を踏まえて、中教審教育課程部会等で御議論いただいた結果がこういう形になっているということでございます。
【松岡委員】  ありがとうございました。
【小川分科会長】  よろしいですか。
  渡邉委員、どうぞ。
【渡邉委員】  私は意見ではなくて、記述の間違いを見付けたので、それは是非直していただきたいところがあるのですが、233ページを見てください。233ページの二つ目の○になります。特別活動のところですけれども、「特別活動の充実を図るためには、『チームとしての学校』の視点で、教員以外の」というところですが、その後に「養護教諭、栄養教諭」が出てくるのですが、養護教諭、栄養教諭は教員ですので、これは明らかな間違いです。ですから、ここは教諭以外にするか、あるいは教員以外のという言葉を外していただくのが正しい表記だと思います。
  実は、教大協を通じてこのことをお伝えしたのですけれども、どうも伝わっていなかったようです。ここは明らかな間違いですので、直していただきたいと思います。
【小川分科会長】  どうぞ。
【合田教育課程課長】  修正させていただきます。
【小川分科会長】  ほかにはいかがでしょうか。では、鶴羽委員、そして銭谷委員の順でお願いします。
【鶴羽委員】  意見一つに質問二つ申し上げます。
  意見は、子供たちの言語活動のところで、語彙の大切さですとか読解力というところは本当に大きな課題として書かれているというところは、今の子供たちの課題に沿っていると思います。
  といいますのは、私の子供は小学生なのですけれども、やはりスマホ、テレビが文字だらけで、文字に触れる機会が激増しました。でも、その文字というのが短くて分かりやすく早く展開していくために、子供たちは文字を読むのではなくて見るという習慣ができています。ですから、長い文章で抽象的なものを読み解くという機会を作っていかなければ、本当に厳しいのだなというふうに感じています。これが意見です。
  あと、質問二つのうちの一つが、アクティブ・ラーニングにこれから力を入れていき、取り入れるということなのですが、やはり課題は、単なるグループ学習になってしまうというところと、あとはどう学びにつなげていっていいのかということを、やはり教師の力量と体験だと思うのですけれども、それを今の先生たちにどのようにして伝えていこうとしているのかというようなことをお聞かせください。
  せっかくやっていても、ただ話して終わりだと、多いのはお客様になっている子供、関わらない子供が多いのです。参加しないという、そこをどうするのか現場の先生たちが苦労しているというところもあります。
  あと二つ目の質問は、資料2-6の136ページの、先ほどありました社会科のところなのですけれども、北海道は、沖縄もそうなのですけれども、例えば歴史についてなのですが、北海道は縄文時代の後、弥生にいきませんし、江戸もありません。そのまま続縄文、擦文、アイヌ文化期と続いて明治に入ります。それが教科書に載っていないために、今の子供たちも北海道で生活する大人たちも歴史を知りません。日本共有の、本州の歴史をそのまま学んでしまっています。
  今、アイヌ民族のことについては、国立博物館の年号をめどに動くこともあるのですけれども、理解がされていないということと、どういう歴史をたどっていたのかということの、そこの部分が分からないので、領土問題についても関心が持てないでいるというのがあります。
  しかも、縄文については世界遺産にしようという動きで今、動いているのですけれども、肝心の道民、北海道の人たちが、そこをやっぱり理解していない。ですから、ここのところの歴史教育については、きちんとやっぱり北海道と沖縄については教科書でも触れてほしいなというのはここで申し上げさせていただきますが、いかがでしょうかというのが質問です。
【合田教育課程課長】  1点目の御意見については、御指摘のとおりかと思っております。しっかり取り組ませていただきたいと思っております。
  それから、御質問二つございまして、1点目については、今回の改訂が指導要領を改訂しておしまいというものではなくて、先ほどの条件整備ですとか研修ですとか、その総力戦であるというふうに私どもは思っておりますし、先ほど御覧いただきましたように、今回の答申でも、そこのことは色濃く書かせていただいております。
  アクティブ・ラーニングというのは、先ほど答申の内容でも触れさせていただいたように、ただ討論すればいいとか、議論すればいいとか、ディベートすればいいということではなくて、何のために主体的・対話的で深い学びが今の子供たちに必要なのかと、時代を切り開いていくためにこれは必要不可欠であるという、前回、帯野先生がおっしゃっていただいたような、グローバルな環境の中における教育の方向性についての、まず大きな大きな前提の認識を100万人の先生方と共有する必要があると思っております。
  私ども今回、これまで以上に、教育委員会などに教育課程説明会ということで説明することも多いのですけれども、それだけではなくて、既にやらせていただいておりますが、せっかくYouTubeのような情報発信もできますので、この場の委員の先生方も含めて、多くの先生方にそういう時代認識の下で教育を捉え直していく必要があると。今の130年間の教育の蓄積を踏まえながら、それをもう一歩前に踏み出すために、そういう共通認識を持っていった上で、先ほどお話がございましたように、アクティブ・ラーニングというのは、全ての子供を主体的な学びでアクティブ・ラーナーにすることが目的であって、対話することによってお客さんを生み出していては元も子もないわけでございまして、そのための何のためか、そしてそれぞれの単元ごとにどういうデザインで子供たちをアクティブ・ラーナーにしていくのかということについて、基本的な理念とやり方と、それから具体的な方法ということを組み合わせて、私ども情報発信もし、研修も深めていきたいと思っております。
  特に今国会で教育公務員特例法を改正いたしまして、先生方の資質・能力の指針というものの考え方を教育委員会が定めるということになってございます。そのときには、やはり今申し上げたようなことが、これから正に先生方の教職としての専門性のゆえんになってくるだろうと思っております。
  それから、2点目でございますけれども、社会科のワーキンググループの中では、アイヌでございますとか琉球(りゅうきゅう)の文化とか歴史というものが大事だという御議論がございますので、これはこのワーキンググループの御議論なども踏まえながら、これから具体的な指導要領の改訂の作業に入らせていただきたいと思っておりますし、同時に、私どもとしては、これは教育委員会とも連携しながらですけれども、既にいろいろお取組を頂いておりますが、やはりそれぞれの地域で、自分たちの地元の文化や歴史を知るための副教材なども、相当教育委員会は力を尽くして作っていただいておりますので、それとの連携とか協力とか活用といったようなこともしっかり取り組ませていただきたいと思っております。
  以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  この後の順番ですけれども、銭谷委員、帯野委員、堀田委員、角田委員、天笠委員、安藤委員の順でお願いいたします。
  どうぞ。
【銭谷委員】  私は、教育課程部会に参加をしておりましたので、審議の状況については十分承知しているつもりでございますし、また、自分の意見もこれまで言わせていただきましたので、本日は特に意見ということではございませんけれども、感想及び要望をちょっとお話しさせていただきたいと思います。
  まず、今回の教育課程部会は、ごまをするわけじゃないのですけれども、やっぱり無籐部会長の大変なリーダーシップがございまして、いい議論ができたと思っております。無籐先生には感謝申し上げたいと思います。また、教育課程課を始め、事務局もいろいろな委員の要望、意見に対して誠実に対応していただいて、よくお取りまとめを頂いたというふうに思っております。その上で2点ほど感想、要望みたいなものですけれども、ちょっとお話しさせていただきたいと思います。
  1点目は、目次を御覧いただければいいと思うのですけれども、第1部、第2部の2部構成になっているわけですが、第1部の第4章が今回の議論の一つの焦点があらわれている部分かと思います。それで、ここにはキーワードが三つございまして、一つは、社会に開かれた教育課程の実現ということと、カリキュラム・マネジメントの実現、それから、アクティブ・ラーニングの実現と、この三つが恐らく今回の指導要領改訂の三つのキーワードではないかなと私は思っております。
  それで、随分これについては御議論いただいたわけですけれども、アクティブ・ラーニングについては、主体的・対話的で深い学びの実現ということで、大分考え方が分かりやすく整理されてきたのではないかと思います。
  それから、カリキュラム・マネジメントについても、もうちょっと議論したかったのですけれども、一応、教育課程を軸に学校教育の改善・充実の好循環を生み出すと、これがカリキュラム・マネジメントだということで、考え方としては大分すっきりしてきたというふうに思っております。
  ただ問題は、今回を通じて一番キーワードになるべき、社会に開かれた教育課程の実現ということが、本文では3点ほど視点が出されているのですけれども、まだなかなかぴんときていないのではないかなと思いますので、これから指導要領の作成、それからいろいろな御説明の場合には、本当に社会に開かれた指導要領の説明になるように、いろいろ工夫を更にしていただきたいというのが1点目でございます。
  それから2点目でございますけれども、今回、第8章に、「子供一人一人の発達をどのように支援するか-子供の発達を踏まえた指導-」という章ができたのは大変よかったのではないかなと思っております。これは、指導要領上は恐らく、指導上の配慮事項とかいろいろなことで記載されることになると思いますけれども、ここに1から6まで、学級経営の充実、生徒指導、キャリア教育、個に応じた指導、特別支援教育、子供の日本語能力に応じた支援の充実と、6点、視点が示されておりますけれども、現在の教育の状況を考えたときに、いずれも大切な視点でございますので、これも指導要領できちんと記載をし、かつ、それが支援員が実現できるように、教職員の定数改善を含めて、政策面でも是非支援をしていただきたいということでございます。
  特に私が大事だと思うのは、前回の指導要領から今度の指導要領までの間に、特別支援教育につきましては、インクルーシブ教育ということで大きく動いているわけでございますので、これは第2部の第1章の5の特別支援学校の規定と併せて、特別支援教育の充実ということに、特に意を用いていく必要があると私は思っております。これは普通の学級でも通級の場合でも、あるいは特別支援学級でも特別支援学校でも、いずれでも必要なことでございまして、この特別支援教育のインクルーシブな教育実現のために必要な措置ということについて、全力を是非傾注していただきたいというのが私の要望でございます。
  以上2点だけお話を申し上げました。
【小川分科会長】  ありがとうございます。
  続けて、帯野委員、どうぞ。
【帯野委員】  具体的な方向性のことについてでもよろしいでしょうか。
【小川分科会長】  よろしいです。
【帯野委員】  外国語教育で、少し狭くはなるのですが、他教科にも共通するところがあると思いますので、意見とお願いを申し上げたいと思います。
  まず、読ませていただいて、よく網羅されていると感じました。現指導要領の反省点というか課題も明確になっていますし、あと、読み・聞き・書く・話す、4技能プラス話すの発表のところですか、五つの領域で考えるというのも非常に大切なことだと思います。
  私の解釈が間違いでなければ、この発表というのは、話すについても中身の部分だと解釈していますので、恐らくそれは他教科、他の学習で得た総合的な力であるのかなということですね。もし間違っていたら教えていただきたいですし、間違っていなければ、今後もう少し分かりやすく示していただけたらと思います。
  それから、話が元に戻りまして、小・中・高一貫で捉えるということも大切なことだと思いますので、納得のいく内容であると思います。
  その上で2点、意見を申し上げたいのですが、教育の枠組みの再検討がいるのではないかと思います。今後10年間、6・3・3で日本の教育がよいのかという大きな議論は置きまして、少なくともカリキュラム編成のときに、外国語学習の適正を考えると、6・3で分けることが適切なのか、あと、この中には、小学校で低学年、中学年、高学年となっていますが、もう少しそこも明確にする必要があるのではないか。
  私が考えるに、1年から4年ぐらいまでを早期英語、5年から中1までを初期の英語、そして中2から中3を、初期でも中等ぐらいの3つぐらいの、6・3ではなく4・3・2ぐらいにカリキュラム上は編成をした方が良いのではないでしょうか。この6・3という枠組みの中で考える限り、次の10年の目標は達成できないのではないかと思いますので、4・3・2が適切であるかどうかは専門の先生方に御判断いただくとして、是非カリキュラムを編成するときには、現在の教育の枠組みを再検討いただきたいと思います。
  それと連動して、教員養成の方も、小学校教員、中学校の英語の専科教諭ということではなくて、4・3・2を総合的に、一貫した教育のできる、理論と実践力を持った教員が養成されるような、そういう教員養成課程の編成も是非検討していただけたらと思います。
  それから三つ目は、プラス一つお願いなのですが、研修、特に小学校教員の研修で、今、現場の方は、戦々恐々としたところがあります。研修については、従来の取組としてたくさん書いていただいているのですが、なかなか今の国のカスケード研修などの従来の研修ではもう間に合わない。自治体によっては非常に教育に力を入れているところと、たくさんの課題があって教育が最重要課題になっていない自治体の間に、温度差があります。プラス、教育に非常に力を入れている自治体でも、どうしても政治というのは目立つ政策には力を入れますが、研修という地味で土台の部分には予算も回り切らない状態にありますので、そこは自治体の責任でありますが、恐らくこれからは、集団研修でなくて、ICTの技術の発達を考えれば、本当に技術を持って、先生方の個別研修も十分可能になるのではないかと思いますので、是非そういう新しい多様な研修の取組を国の力で、全国で共有するとか、あるいは先行事例を開発するとか、そうして自治体に新しい、多様な研修の在り方についてインセンティブを与えるような政策を是非作っていただければというお願いを申し上げたいと思います。
  以上です。
【小川分科会長】  主に外国語に関わるようなことですけれども、何かございますか。
【齋藤主任学校教育官】  国際教育課でございます。
  今、外国語教育に関しまして、大変重要な御指摘を頂きましてありがとうございました。4技能の「話すこと」の部分は、確かにおっしゃるような部分も含みまして、いわゆる他教科で学んだことも含めて、いかにコミュニケーションを図るかの観点も入っているというふうに考えております。
  それから、特に御指摘いただいたところで、教員養成の部分につきましても、やはりこれから、小学校に限らず対応していく必要があり、充実を図っていきたい。また、研修につきましても、確かに現在、我々の方ではカスケード方式ということで、なかなか予算の制約がある中でやっておりますが、それ以外の取組についても、なるべく振興を図れるような方法について検討をしていきたいと思っております。ありがとうございます。
【小川分科会長】  では、次に参ります。堀田委員どうぞ。
【堀田委員】  東北大学の堀田でございます。よろしくお願いいたします。
  私は今日、参考資料2で配付されました、先ほど合田課長から触れていただきましたけれども、デジタル教科書の位置付けに関する検討会議で座長を務めました関係で、そのことと今回の学習指導要領の改訂についてお話しさせていただきたいと思います。
  今回の大部のまとめを頂きまして、大変ありがとうございます。次の学習指導要領は、学びの地図というのが一つのキーワードになっているかと思いますが、この地図というのは、すなわち学習指導要領が構造化され、可視化されやすくなるということと同時に、それによって各教科間の関連のみならず、例えば教科を超えて横断的に行うような能力開発がやりやすくなるとか、例えば教材との対応づけや、あるいは教員研修との関係がつけやすくなるということが地図としての機能なのかなと考えるところでございます。
  今回、デジタル教科書の検討を進めていく上では、ここにいらっしゃる天笠委員、尾上委員、若江委員等に御協力いただきながら進めてまいりました。基本的には、紙の教科書とほぼ同様の内容のみをデジタル教科書というというふうに定義することになります。これによって、紙で使用義務のある教科書をデジタルで使っても使用義務を果たしたということになるということで、これは学び方の多様性を担保する方向に向かうということになりました。
  一方で、期待されているいろいろな動画とか様々なリソースへのリンクとか、そういうことについては基本的にはデジタル教科書ではないということにして、検定対象にしない一方で、新しい技術をどんどん取り入れて、現場のニーズに合わせて使っていただけるというような形にすることになりました。検定してしまうと、検定の技術的、あるいは時間的な困難が想定されますので、今のところそういうふうな形にするということになりました。
  このことはすなわち、デジタル教科書から、世の中にある良質な様々な教材、紙でもたくさんの教材がもう既に作られていますけれども、それらのみならず、デジタルの様々な教材とどういうふうにうまくリンクするか、それが子供たちの学び方をどうやって支援していくか、そして情報の活用を支援し、例えばPISAで課題となったデジタルでの読解力のようなものをどうやって身に付けさせていくかという指導法との関係で重要なことだと考えております。
  そうすると、今回の学習指導要領が資質・能力を基に構造化されるということがクローズアップされることになりまして、それがうまく外側にあるいろいろな教材や教員研修や民間の学習プログラム、先ほどありましたけれども、研修プログラムとか、そういうものとうまくリンクできるような形にしていく必要があると思うわけです。そうすると、学びの地図としてうまく機能しやすくなると思うのですけれども、現在はそれぞれのリンクは全て個々の機関、あるいは会社が学習指導要領に向けて一方的に貼っています。そしてそれは当然ながら、それぞれの会社の企業秘密にもなりますし、相互利用ができない形になりまして、非常に効率が悪くコストもかかるという形になっており、参入障壁も高くなっていると。できれば学習指導要領の構造を外側の様々なものに関連付けしやすくするような対応を国主導で是非進めていただいて、学習指導要領の構造がオープンな形で、しかもコンピューターリーダブルになるようにしていただいて、様々な教材や研修などが学習指導要領に向かって、公表されたデータを使ってリンクしていくような、それによって関連付けていろいろな教材にたどっていけるような、それによって子供たちの学習を支援していけるような、そういう形がデジタル教科書を軸にできればいいなと考えておりますので、これを国主導で是非進めていくということをお願いしたいという気持ちでございます。
  以上です。
【小川分科会長】  非常に重要な指摘ですけれども、何か合田課長ございますか。
【合田教育課程課長】  今、堀田先生の御指摘でございますけれども、この答申案の第1部の最後のページ、71ページの脚注の137などは、これから今、堀田先生の御指摘や、あるいは堀田先生のお力をお借りしながら前に進めていかなければならない事柄ではございますけれども、私ども今回、これは全く教育的な観点から、三つの資質・能力に従ってカリキュラムを分かりやすく再整理するということをやらせていただきました。その先に子供たちではないのですけれども、私ども自身も情報環境というのは大きく変わっていく中で、その情報環境の変化の一つとして、今先生が御指摘いただいたような、あらゆる教育にしても、研修にしても、それから先ほど帯野先生からお話がございましたように、学年や学校種を超えて教育内容を関連させていくにしても、そういった分類とか整理というような取っ掛かりとなるような仕組みとか枠組みというものは大変大事だと思っております。
  私ども、率直に申し上げまして、教育課程行政ではこれまで経験してこなかったような枠組みに一歩踏み出すわけでございますが、堀田先生を始め、多くの先生に御指導いただきながら、重要な枠組みとして取り組ませていただきたい、中教審の御指摘を踏まえて取り組ませていただきたいと思っております。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  角田委員、どうぞ。この後、角田委員、天笠委員、安藤委員、若江委員、そして尾上委員の順でお願いします。どうぞ。
【角田委員】  私の方からは、高校のキャリア教育について1点、情報提供をさせていただきます。
  答申案57ページの二つ目の○に書かれていることは大変重要と思っています。「日常の教科・科目等の学習指導において、主体的・対話的で深い学び、アクティブ・ラーニングでの授業改善を実現するなど、教育課程全体を通じてキャリア教育を推進する必要がある」と記述していただいていて、教科・科目等の学習指導の中で主体的・対話的な深い学びを実現することイコールキャリア教育なのだということが明文化されているのですが、このことが知られていないと思ったのが、私どもが隔年で実施している全国の高校への進路指導とキャリア教育の実態調査の最新結果です。まだ発表前なのですが、キャリア教育に取り組んでいるという高校が100%近くなっていたのですが、それを学校教育活動のどの時間でやっていますかという質問になると、総合的な学習の時間等が多く、教科の時間は前回伸びて3割近くになっていたのが、今回がくっと減ってしまったのです。でも、違う質問で、アクティブ・ラーニング、主体的・対話的で深い学びの授業改善をしていますかという質問に対しては、かなり多くの学校が取り組んでいると答えています。その割合より、キャリア教育を教科の時間でやっているという答えの方がずっと少ないのです。ここがまだ結びついていないのだなと非常に思いまして、この新しい学習指導要領について趣旨等を徹底していくときに、もう一度、キャリア教育とは何なのかということも併せて理解を深めてもらうことが必要だと思っております。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  天笠委員、どうぞ。
【天笠委員】  1点失礼いたします。今後の学習指導要領の改訂のスケジュールについて、1点意見を申し上げさせていただきたいと思います。
  それは、既に公表されていますように、順次、小学校、中学校、高等学校という形で本格実施に入ってくる。その間、いわゆる移行措置期間、あるいは先行実施という形でスケジュール化されているわけですけれども、そういうスケジュールが出来上がってくるという制度的な背景については私なりに理解しているつもりでありますし、またそういう必然でスケジュールができているというのも理解しているつもりですけれども、その上であえて申し上げさせていただきたい点が申し上げたい意見ということなのです。それは、例えば高等学校の歴史総合というのは、そんなに先になされるべき話なのかどうなのかと。先ほど歴史という話もありましたけれども、この国の状況とか海洋教育等々ありましたが、状況からするならば、場合によっては明日にも必要な、我々が持たなければいけない、そういう知的体系というのでしょうか、教養を含めて、そういう今日的状況というのもあるように私個人としては認識しているわけですけれども、そのスケジュールに乗るならば、およそ現在のテンポからするとものすごい先のような、場合によってはテーマ・課題、あるいは状況が変わるような、そういう状況にあるのですが、改訂のスケジュールというのは、従来型のそれであってということなのですけれども、ここは何とかならないものかなというのが個人的な思いとしてはあります。
  高等学校が最後じゃなくて、今回の場合は高等学校にたしか関心が集中したというのも私の認識なのです。それはどういうことかというと、教育課程企画特別部会から御一緒させていただいていたのですけれども、たしか教育課程企画特別部会の最初の頃に出てきたテーマというのは、高等学校の教科・科目についての提起があったり、そういうものも一つある意味でいうと提起する、あるいは関心を集める、そういうものとして意味があったし、あるいは今回の改訂において、高等学校というのは、小・中・高等学校、幼稚園を含めてどういう存在なのかどうなのかという、そこのことを再認識するということもその中には含まれていたのではないかと思っております。
  そういうことから、今回こういう審議がまとまってということで、その間、ワーキンググループ等々は、幼稚園から高等学校まで、先ほど英語でありましたけれども、それは英語にとどまらず、全ての教科等でそれを行ったわけですので、ですから、そういうせっかくの取組というのが、スケジュールに落としていくと、極めて従来型の固定化された発想の中で、これを順次実施していくという。
  繰り返しますけれども、そのシステム、制度はよく理解しているところでもあるわけですが、そこももう一度考えてみたときに、例えば小・中・高で同時に展開していくものとか、あるいは中・高で一緒に連携していくものとか、あるいは幼・小・中で同時に展開していくものとか、いろいろその辺りは知恵を絞る、そういうところもあるようにも思えるわけですけれども、その辺りのところを検討していただくということを意見ということで申し上げさせていただきたいと思います。
  以上です。失礼しました。
【小川分科会長】  なかなか難しい重要な指摘なのですが、いかがでしょうか。
【合田教育課程課長】  大変難しい御指摘を賜りまして、これはもう先生が御案内のとおりでございますので、今の枠組みを御説明するまでもございませんけれども、教科書の問題ですとか、それから今回大変重要なのは、例えば高等学校で歴史総合ということで、世界史必修をやめた場合に、中学校において我が国の成り立ちや枠組みや現在の政治的な仕組みを知る上で、間接的に関連する世界史的な知識の指導を強化しなければならないという枠組みもございまして、そうしますと、小学校、中学校、高校というのは、教科書だけではなくて、カリキュラム構造の関連性からも、やはりこういう順次やっていく枠組みというのは大事なのだろうなと思っております。
  もちろん天笠先生がおっしゃいますように、今の流れでいきますと、新高校教育課程が適用されるのは現在の小学校4年生ということでございますので、遅いじゃないかという御指摘があろうかと思いますけれども、と同時に、これは宮本会長がお見えでございますので、釈迦(しゃか)に説法で恐縮でございますが、私ども手応えを感じておりますのは、やはり全国の、例えば歴史の先生も、歴史総合になるということを見据えた上で、では、目の前にある日本史Bとか世界史Bというものをどう教えていくのかということについて、歴史教育という観点からもいろいろお取組を頂く流れも出てきておりますので、そこのところ、私ども従来以上に、移行措置という枠組みを超えて先行実施という形で後押しするということを是非取り組ませていただきたいと思っております。
  また、先ほどの帯野先生の御指摘にも関わりますけれども、今回の改訂でも、学校間の接続というのは特に強く強調しているところでございます。その観点から、移行措置の中でどういう取組があり得るのか、そういうポイントについては、私どもも積極的に情報発信をさせていただきたいと思っております。
  以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  安藤委員、どうぞ。
【安藤委員】  先ほど銭谷委員の方から、教育課程部会に参加されたお立場から、インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進ということがお話しされて、私も同席させていただいた者として、少し補足をさせていただけたらと思います。
  この文言の中に、発達の違いとか子供の多様性に即したというところに視点が当たっているのは大変すばらしいと思います。それは今まで画一的というような評価がされていた日本の教育を根底から変えていく方向性を示すものだと思います。そして、その背景ですが、やはり発達障害も含めてですが、障害というものが状態像としてとられるという世界的な観の転換があって、子供たちが示す学びにくさは教育環境との相互作用で生まれているという認識が広まっているからだと思います。そうだとしたら、一人一人の教育的ニーズから出発した教育を進めるということは、授業改善につながると。学校教育そのものの質を上げていくという意味では非常に大切なのだと思います。
  具体的に2点ほど申し述べますと、様々な教育以外の専門性を持った多職種によるチーム支援ということが一つあります。
  それから二つ目には、連続した学びということで、教育課程そのものも小、中、高、特別支援学校全てを連続した教育課程というふうに捉えるようにということが書かれていて、これからの方向性を示すものとして大変重要だと思います。
  例えば通級指導教室などは、特別の教育課程によるということがあって、それは特別支援学校にある自立活動というような枠組みもこれからは観点として入れていかなければいけないと。つまり、全ての先生にとって、全ての学習指導要領が連続した教育課程の中で理解されていくことが大事だと思います。
  最後にもう一度、各教科の中で、例えば学びにくい子供に対してこういう配慮をということが明記されるようですが、それが単なるテクニックというかスキルの習得ということに終わってしまわないで、そこに全てインクルーシブ教育というものの理念が通るように、それが授業そのものの改善につながるように進めていけるように、是非お願いしたいと思います。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございます。この後、若江委員、尾上委員、篠原委員、貞広委員、堀竹委員の順でお願いします。
【若江委員】  ありがとうございます。キャリアリンクの若江でございます。2年間、本当にいろいろと勉強させていただいて大変有り難く思っております。
  私が申し上げたいのは、37ページ、38ページあたりに関わるところなのですけれども、社会に開かれた教育課程を推進していくということは、地域の人材とつながっていくという意味で、学校、つまり教育を核に地域とか社会が前に向かっていくという、非常に教育が核になるというところだと思うのですが、同様に、スタート時点でお話がありましたように、大学入試やPISAテストにおけるCBT化は、それだけではなくて、社会全体がICT化しているという現状で、先ほど堀田先生がおっしゃいましたように、言い換えれば、これは社会に開かれた教育課程を実現していくということは、教育に関わるいろいろなリソース、つまり人、物、金、情報の資源であるとか要素がICTでつながる、ICTを核につながれるというふうにも言えると思うのです。
  そうなると、37ページ、38ページの情報活用能力と書かれているところの情報活用能力というのがちょっと狭過ぎる感じがして、ICT活用能力じゃないかなと、読めば読むほど情報だけにとらわれるのはどうかなというのがちょっとありました。
  でもそれは置いておいて、是非とも加えていただきたいのは、38ページの下から三つ目の○の最後の行なのですけれども、これも私自身がいろいろこだわったところをうまく表現していただいているのですが、「時代を超えて普遍的に求められる『プログラミング的思考』などを育むプログラミング教育の実施を」ということで、プログラミング教育ということが非常に誤解されやすいので、もう少しこの「プログラミング教育の実施を」と「発達段階に応じて」の間ぐらいに、プログラミングが自身の生活と身近にどのように関わっているかから始まり、理科のところでのシミュレーションであるとか、音楽、芸術などの創作分野など、教科の特性や発達段階にというふうに、もう少し具体的なことを入れていただくと、よりプログラミング教育ということについての誤解が解消されるのではないかなというふうに思いました。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。その辺のところはまた少し検討させていただければと思います。
  尾上委員、どうぞ。
【尾上委員】  最近、関心の高い保護者からは、社会に開かれた教育課程って何ですかということをよく聞かれます。私自身も明確に答えられる状況ではありませんが、この答申の中にもありますように、明確に書かれている部分がありますので、それをしっかり伝えていくということが大事と思っております。
  天笠委員がおっしゃったことと重なるかもしれませんが、保護者、地域には、この情報というのが遅れて入ってきますので、なかなか同時並行でうまく進めないことが多々見受けられます。そういった面からしますと、この段階で設置者や各学校の取組でリーダーシップ等が重要であるというようなことが書かれておりますが、まずは今の段階で学校から発信する力が大切かと思います。ふだんからの関わりによって、この学習指導要領を改訂する段階で、スムーズに保護者や地域に入ってくる状態ができると思いますので、その環境整備をうまくやっていくには、やはりスケジュール感が見えていないとなかなか伝えられないし、その関わり方というのが見えてこない部分がありますので、社会教育という観点からしても当然ながら重要だと思いますので、学校に任せるのではなく、地域とか保護者、家庭がしっかり認識をし、コミュニティスクールであったり地域学校協働本部であったりというところを認識した上で、この開かれた教育課程に進んでいくというような形が必要だと思います。是非ともその発信というのが必要ですので、スケジュール感を明確にしていただけたらと思います。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 篠原委員、どうぞ。
【篠原委員】  大変目配りの利いた全体の構成になっていて高く評価をさせていただきたいと。合田さんも御苦労でございました。
  その上で1点要望と1点確認なのですけれども、いずれ、これを受けて解説が作られるわけですよね。現場の先生方はやっぱりこの解説に大変関心が高いというか、そこに目が向くと思うので、是非うまく落とし込んで、現場の先生方に学習指導要領に沿って現場でそういう教育がなされるような、その流れを是非きちんと作っていただきたいと。これはなぜこんなことを言うかというと、我々中教審の方では、この解説には直接的に関わることができない状況になっているようなので、是非そこをお願いしたいと、これは1点要望、前川さん、よろしくお願いいたします。
  それからもう1点は確認なのですけれども、主権者教育について。資料の2-6の137ページ目の○3、白○が四つございます。その最後の方に、「小・中学校における主権者教育の充実のため、モデル事業による指導法の改善や単元開発の実施、新しい教材の開発・活用など」云々(うんぬん)というふうに記述があります。是非ここを具体的に進めていただきたいと。
  というのは、前から申し上げているように、高校では公共という必修科目が今度入ってきますけれども、小・中・高一貫した流れをどう作るかというのがこの教育においては大変重要でして、その上でこういう記述を入れていただいたのは大変有り難いと思うのです。例えばモデル事業って、モデル校を指定したりして、全国一斉にはすぐできないので、まず一点突破、全面展開の特区的な感じでやられるということなのか、それから、教材も高校は副教材をこの間全部配りましたけれども、ああいう副教材的な小・中学校版、こういうものを考えていらっしゃるのか、そこの確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【小川分科会長】  課長、お願いします。
【合田教育課程課長】  137ページの、今篠原先生から御指摘があった部分でございますけれども、このモデル事業というのは、実は先生御案内のとおり、今年度も御指摘のように、高等学校は教材を配りましたけれども、小・中学校についてどういう主権者教育が最も効果的なのか、これは篠原先生おっしゃっておられるように、発達の段階からすれば、やはり小学校の段階などは身近な問題をどう取り扱う、それをどういうふうに次のステップに持っていくのかということについて、既に幾つかの自治体でこのモデル研究、モデル事業などをやっていただいているところでございます。これは当然、来年度も続けた上で、その中で要するにこういう取り上げ方ですとか、こういうワークシートが有効であったとか、こういうテキストがうまくフィットしたとかというような実践も頂いておりますので、そういう実践の積み重ねの中で、私どもとして、例えばこういう教材を、この単元のときにうまく使うと効果的ですよということを、どういうふうに開発して共有していくのかということについては、この御指摘を踏まえて更に取り組ませていただきたいと思っております。これは新課程の改訂を待ってではなくて、今年度の取組、それから来年度の取組ということも踏まえながら、そういうよい取組を教材のような形で取りまとめて共有するということも含めて検討を重ねさせていただきたいと思っております。
【篠原委員】  分かりました。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  時間も大分迫ってきておりますので、今、名札が上がっている貞広委員、堀竹委員、そして最後、宮本委員で終わらせていただきます。よろしくお願いします。
  では、どうぞ。
【貞広委員】  ありがとうございます。先ほど篠原委員もおっしゃいましたけれども、拝見いたしまして、大変各方面に目配りがなされていて、すごくいいものをまとめていただいたと思っております。
  今まで日本の中で一部のすぐれた先生方がやっていらした大変すぐれた取組が、学校全体、又は日本全体にこの枠組みだと広がっていくだろうなという、大変期待感の高まるような答申を頂いているかと、そういうふうに書いていただいているかと思います。
  そういう期待があるからこそなのですけれども、本当にこれだけ劇的に日本の教育を変えるかもしれない、変え得るかもしれないこの内容が皆さんに伝わるか伝わっていくかというもどかしさを既に感じておりまして、現場の先生方や教育委員会の方とお話をしていましても、既に皆さん御承知だとは思うのですけれども、決定的に知名度が高いアクティブ・ラーニング、次いでカリキュラム・マネジメント、怪しくなってきて社会に開かれた教育課程で、学びの地図とか誰も知らないみたいな。何か片仮名の方が印象が深いのかなという、単に印象的な意見ですけれども。
  ですから、内容的な部分は本当にちゃんと書いてくださっているのですが、私が危惧していますのは10章に相当する部分で、本当に皆さんにちゃんとした形で、単なる型ではなく伝わるのかどうかというところがやはり、これに魂が入っていくかということだと思うのです。
  9章のところまでが大変挑戦的で、多面的に書かれているのと比べると、10章が比較的常識的な書きぶりになっていて、どうやって工夫したら伝わるかというのがなかなか模索中だと思うのですけれども、是非ちょっとこの部分がもう少し充実されていくということも併せて考えていただければなと思います。
  それから、広報が意識を変えるというのもありますし、また、理念で変えにくいことでも条件整備で何か新たにいいことがあると、あっ、なるほど、学習指導要領変わったし、僕たちこういうことやっていいのだというふうに意識が変わるというのもあります。また、条件整備、国というよりも地方の公共団体の方々の責任の上でお願いするということも多ございますので、なかなか文部科学省さんでは難しいので、もしかしたら我々研究者の役割なのかもしれませんが、地域の本気度が浮かび上がるような情報の出し方とか、何らかの形で条件整備をしていくインセンティブが高まるような工夫を是非していただければと思います。
  以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございます。
  では、堀竹委員、どうぞ。
【堀竹委員】  ありがとうございます。私の方からお願いですけれども、お話を申し上げたいと思います。
  今回の学習指導要領は、これからの社会を担っていく人材の育成ということを明確に前面に出して、具体的に何をするのか、条件整備も含めて、この案の中に書き込んでいただいたということは大変評価をしたいと思っております。
  そうした中で、幾つかお願いをしたいと思っております。こういうような大きな改革をしていく中で、具体的にこういうことをするということを出されたわけでございますけれども、この中で大半のものは学校現場がどうそれを背負っていくかというような、大変重い課題を学校現場では担うことになるのだろうというふうな気持ちでおります。そうした視点で何点かお願いを申し上げたいと思います。
  1点目は、やはりこれで学習指導要領が具体的に答申をされると、その中身を学校としてどう受け止めて体制を作っていくかということが、それぞれの地教委と連携をしながら進めていくことになると思っていますが、そのためには、やはり校内でそれを理解する時間をとらなければいけない、そのための時間を確保する手立てが今現場では非常に厳しい状況にあるということを御理解いただきたいと。
  それから2点目でございます。地域との連携の必要性というのは学校現場も感じていますし、学校だけでは教育の中身の充実というのが難しいという意味で、地域や専門機関との連携をした教育内容を充実していくということも、これも大きな課題だと思っておりますけれども、これにもやはり準備の時間の確保は必要だというようなことがございます。
  それから3点目としては、情報の様々な形でいろいろなものが今後、改革に関わって出てくるだろうと思っておりますが、これを的確に学校の中で共有していくためにも、これも時間が欲しい。そう考えたときに、現況の中で、学校の教員が使える時間がどれだけあるだろうか。現在も週の時程を見てもらえば、水曜日を除いてはほとんど6校時まで授業時間があるという現状の中で、教員たちがこの理念を理解しそれを具体化していく、それぞれの学校での方策を立てて組織を運営していくための時間が、いかにしてもやはり足りないのではないかというような危惧を持っています。
  理念、そして狙い、こういうようなものについて、非常にすぐれたものであるだけに、今後どう、これを実現するための学校支援ということを考えていくかということを併せてこの後考えていかないと、せっかくの学習指導要領で狙っていることが、学校での取組の差が出たり、中には大変厳しい言い方をしますけれども、形だけで終わってしまうということに終わったとすれば、今回の改革は大変残念なことになるのではないかなと思っております。
  そういった意味で、これを実現するための条件整備というようなことも今後動き出す前に考えていただけると大変有り難いなと思っております。
【小川分科会長】  では最後、宮本委員、どうぞ。
【宮本委員】  ありがとうございます。今の堀竹委員、その前の貞広委員の意見とかなり重なるところがあるのですけれども、まず1点目ですが、今回の改訂は、今まで以上にたくさんの方が関わったということで、特に私がよかったと思ったのは、教科等ごとのワーキンググループです。一つの領域に関して様々な校種の人たちが一緒に話合いをするという機会が持てたということ、特にこういう中に入っている研究団体のリーダー的な人たちがそれぞれの専門領域に対して、校種を超えた理解が深まったという意味ではすごくよかったと思います。
  そういう中では、高等学校の教育研究団体の中でも、小学校、中学校の学習を意識したような形で次の学習指導要領に向けた準備を進めていこうというような動きも出てきていますし、あるいは領域ごとに校種を超えた形で一緒に何かやっていこうという動きも出てきつつあります。是非そういう取組を文科省としても引き続き支援していただきたいというふうに思います。
  その一方で、今もいろいろお話が出てきていましたが、例えば高等学校でいえば、全体に管理職含めてこの改訂の趣旨が十分理解されている状況にあるかというと、まだまだそういう状況には多分ないと思います。先ほど角田委員の方から調査の中で、アクティブ・ラーニングに関する認識は進んでいるけれども、キャリア教育との関連についての認識が下がったというのは正にそういうことで、アクティブ・ラーニングということについての理解は進んではいるのですけれども、この新しい学習指導要領の改訂の全体像の理解が十分ではないために、そこで止まってしまっているというのが現状だと思うのです。したがって、これから全体像をきちっとどうやって示していくのかということを、しっかりやっていけば、かなりそこは改善できると思います。これまでの審議の中でも何回も何回も出てきていますけれども、周知をする、理解をしてもらうという方策をどう具体的にとっていくのかということが、今後やはり非常に大きな課題だと思います。
  最後は、先ほどの堀竹委員のお話にもありましたように、やはり条件整備を本当にきちんとやっていただきたい。学校現場には本当に今、時間がありません。研修が必要だとわかっていても、外に研修に行く時間すらないのですよ。つまり、外に研修に行くためには授業を空ければならないわけですから、そうすると、誰かがその授業を補わなくてはいけないし、学校にそれだけの余裕がないという状況です。そういう中で研修に出すというのは、校長としても非常に今やりづらい状況ですし、では、インターネットを使って学習すればいいじゃないかというのでしょうけれども、それをする時間すらなかなかないという、今実際にはそういう現状があるわけです。
  ですから、学習指導要領改訂の趣旨をきちっと理解して、そして次の準備をしっかりやっていくための条件整備、ここはやはりしっかりやっていただかないと、新しい学習指導要領が本当に定着していかないのではないかという危惧をしています。
  教育を変えよう、いい教育をしていこうという意欲を持っている先生はたくさんいらっしゃいますし、今回の学習指導要領改訂の趣旨に対して、非常に理解をしている教員や管理職はたくさんいるのですけれども、具体的に、じゃあどうするのか、その時間をどうやって生み出せばいいのかというところで戸惑っている方々がたくさんいらっしゃるというのが現実だと思いますので、是非そこのところを後押ししていただきたいということを重ねてお願いいたします。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。今日はたくさんの委員の方から様々な御意見を頂きました。ありがとうございました。
  きょうの意見をどこまで最終答申案に組み込んでいけるかどうかというのは、事務局の方と相談させていただいて、可能な内容については、今日頂いた意見については反映していきたいと思います。その辺、どういうふうな加筆修正するか等々については、分科会長の私の方に一任していただければと思います。その上で、今日御了解いただいた答申案につきましては、来週21日に中教審の総会が予定されておりますので、その総会の場で審議していただこうと思っておりますので、その点についても御了解いただければと思います。よろしくお願いします。
  最後に、答申案の審議については、恐らく今日の分科会が最後の場になるかと思いますので、最後、今までのお話でまだ十分お話しいただいていない点がもしもあれば、合田課長の方から最後一言、何かいただければと思います。よろしくお願いします。
【合田教育課程課長】  手短に申し上げます。
  本当に初等中等教育分科会の先生方には様々な観点から重要な御意見を賜りましたことを心からお礼を申し上げたいと思っております。私ども、今回の指導要領の改訂というのは、先ほど来、お話がございましたように、我が国の学校教育のよさを踏まえながら、もう一歩前に踏み出すと、子供たちのためにもう一歩前に踏み出すための枠組みを作っていくということだと思いますけれども、それにつきましては、先ほど、最後お話がございましたように、やはり条件整備と車の両輪ということで、セットでなければならないと思っております。
  今、本当に大詰めを迎えさせていただいております平成29年度の予算案の編成という中で盛り込まれる条件整備の取組と、それから今回の指導要領を車の両輪としながら、確実に前に進めさせていただきたいと思っております。
  いずれにいたしましても、初等中等教育分科会の先生方に賜りました格別の御高配に重ねてお礼を申し上げたいと思っております。
  ありがとうございました。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  それでは、最後の議題に移りたいと思います。議題3は、第2次学校安全の推進に関する計画の策定について、答申素案について、和田健康教育・食育課長より説明をお願いいたします。
【和田健康教育・食育課長】  御説明いたします。
  資料3を御覧いただければと思います。資料3-2が第2次学校安全の推進に関する計画の策定に関する答申素案でございます。かなりボリュームがありますことと、11月14日に当分科会においても御議論いただいておりますので、本日は資料3-1、この概要版を基に御説明を差し上げたいと思います。
  資料3-1、概要の一番後ろの8ページを御覧いただければと思います。前回からの主な修正点について書き出してございますけれども、学校安全部会での御議論、それから前回11月14日の当分科会での御意見等を踏まえまして、全体的に加筆修正を行っております。まず、「はじめに」の項を新たに追加して記載したこと、それから、ローマ数字1の児童生徒等の安全を取り巻く現状と課題について、これまでの取組やそれらを踏まえた課題に関する記載を充実しております。
  それから、ローマ数字2の今後の学校安全の方向性において、目指すべき姿でありますとか施策目標等について新たに記載しておりまして、施策目標は、ローマ数字3の学校安全を推進するための方策の項目立てに沿って記載しておりまして、別紙として参考指標を添付しております。
  それから、ローマ数字3の学校安全を推進するための方策については、第1次計画の書きぶりに合わせた技術的な修正を行ったほか、具体的な方策については、実施主体を極力明確に書くようにしておりまして、またそれぞれの記載内容についても充実をしたところでございます。
  資料3-1の最初のページにお戻りいただければと思います。まず、ローマ数字1の児童生徒等の安全を取り巻く現状と課題につきましては、1として、学校管理下で発生する事故のデータや犯罪被害、交通事故、自然災害の発生状況を見ると、全体として巻き込まれる事故は減少していますけれども、いまだに児童生徒の安全が十分に確保されているとは言い難(にく)いような状況にあるということ。
  2において、学校安全の取組というのは、東日本大震災の教訓も踏まえながら、第1次計画期間中に強く推進されてきましたけれども、まだ様々な課題が存在しております。すなわち、地域間でありますとか学校間・教職員間で差があるということ、それから継続性が確保されていない状況があるということ、とりわけ学校保健安全法上の義務である学校安全計画、それから危機管理マニュアルをいまだに策定していない学校が存在するということは極めて問題であること。
  学校施設の安全確保に関しては、これまで耐震化が進められてきた一方で、老朽化が深刻化しており、不具合も多く発生しておりますので、老朽化対策が急務であること。私立学校については、国公立に比べて耐震化が大幅に遅れており、その早期完了が課題であるということ。
  2ページの一番上でございます。学校では、児童生徒等の安全を確保するために、危機管理マニュアルの策定、安全点検の実施がなされているけれども、それらが形骸化してしまうことの危険性、それから事故が発生した後の検証が不十分であることの懸念、こういったものが指摘されているということ。これは前回の分科会での意見を反映した記述とさせていただいております。
  それから、ローマ数字2の今後の学校安全の方向性ですけれども、これが今回御議論いただくポイントになってまいりますけれども、目指すべき姿、それから施策目標を明確に書いてございます。目指すべき姿というのは、今後の学校安全の目指すべき姿ということで、1の(1)全ての児童生徒等が、安全に関する資質・能力を身に付けることを目指すと、(2)学校管理下における事故に関して、死亡事故は限りなくゼロを目指すとともに、負傷・疾病の発生率については、障害や重度の負傷を伴う事故を中心に減少傾向にすることを目指すというのを目指すべき姿としまして、それを実現するための施策目標を1から12に分けて記述をしております。
  (1)の学校における安全に関する組織的取組の推進のところで、例えば施策目標1においては、全ての学校において、管理職のリーダーシップの下、学校安全の中核となる教職員を中心とした組織的な学校安全体制を構築すること。
  それから3におきましては、全ての学校において、自校の安全教育に係る取組を評価・検証して、学校安全計画及び危機管理マニュアルの改善を行うこと。
  それから(2)安全教育の充実方策としては、施策目標5として、全ての学校において、学校教育活動全体を通じた安全教育を実施するということ、それから、自校の安全教育充実の観点から、その取組を評価・検証して学校安全計画の改善を行うこと。
  それから(3)として、施設設備の整備充実ということで、施策目標7ですけれども、全ての学校において、耐震化の早期完了を目指すとともに、緊急的に取り組むことが必要な老朽化対策等を実施すること。
  それから(4)で、PDCAサイクルの確立ということで、施策目標9ですけれども、全ての学校において、定期的に安全点検を行うとともに、生活安全・災害安全・交通安全の全ての観点から通学・通園路の安全点検を行い、児童生徒の学校生活環境の改善を行うこと。
  前回の御意見で、幼稚園についての御指摘もございまして、通学路という言い方から通学・通園路という言い方に変更してございます。
  施策目標10でございます。全ての学校において、学校管理下における事故が発生した場合には、学校事故対応に関する指針に基づく調査を行うこと。
  それから、(5)としまして、家庭、地域、関係機関等との連携・協働による学校安全の推進として、施策目標11では、全ての学校において、児童生徒等の安全に関する保護者・地域住民との連携体制を構築すること、それから12では、全ての学校において、児童生徒等の安全に関する外部専門家や行政機関との連携体制を構築するといったようなことが記載されております。
  この1から12の施策目標の事項の進捗状況を図る上で参考とする資料としまして、資料3-2の次に別紙を付けてございます。これを参考指標としながら、この施策の取組を進めていくということになります。
  それから、ローマ数字3でございますけれども、学校安全を推進するための方策につきまして、ここは大きな変更点、あるいは重要なポイントとしては、4ページ目の2です。安全に関する教育の充実方策として、(1)の「カリキュラム・マネジメント」の確立を通じた系統的・体系的な安全教育の推進を課題と方向性と具体的な方策に分けて書いてございます。
  課題と方向性としましては、8月の次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめにおいて、健康・安全・食に関する資質・能力について整理がなされておりまして、安全に関する内容を整理すると以下のようになりますので、各学校はこれを踏まえつつ、地域の特性、児童生徒等の実情に応じた安全教育の推進が求められるということで、例えば知識・技能について書き出しますと、様々な自然災害、事件・事故等の危険性、安全で安心な社会づくりの意義を理解し、安全な生活を実現するために必要な知識や技能を身に付けていること。
  思考力・判断力・表現力等については、自らの安全の状況を適切に評価するとともに、必要な情報を収集し、安全な生活を実現するために何が必要か考え、適切に意思決定し、行動するために必要な力を身に付けていること。
  それから、学びに向かう力・人間性等につきましては、安全に関する様々な課題に関心を持ち、主体的に自他の安全な生活を実現しようとしたり、安全で安心な社会づくりに貢献しようとしたりする態度を身に付けていること、こういった記載を充実してございます。
  その他については、前回お諮りした時点から大きな修正点はございませんので、この資料3-1で御説明を申し上げました。よろしくお願いいたします。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  この第2次学校安全の推進に関する計画の策定については、前回の分科会においても、委員の方から非常に多くの御意見を頂きました。その内容についても今日、答申素案の中にはきちっと反映していただいておりますし、また、参考指標で指標化等々も新しくやっていただいて、加筆修正を含めて非常に読みやすい、分かりやすい素案になっているかと思います。
  残りの時間、それほどないのですけれども、もし皆さんの方からこの素案について何か御質問、御意見があれば、改めてお聞きしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。また、まとめに関わった渡邉委員の方から何かございましたら。
【渡邉委員】  今回の第2次の計画につきまして、委員として参加させていただいております。これまでと大きく変わったといいますか、1次と違ったのが、施策目標というものを具体的に示したということになると思います。施策目標を出したことによって、別紙で参考指標という形で配付されておりますけれども、どれだけそれが達成されているかということも、今後、これを見ていくことも可能になると思っております。
  現状については、実は既に良好な状況ではあるのですけれども、特に学校保健安全法によって規定されている部分というのは非常に高い数値が出ているのですが、ただ1点だけ、施策目標の11と12に関わる部分で、家庭、地域、関係機関等の連携・協働というところが、他から比べてちょっと数値が低い。これは別紙の5ページのところを見ていただくと分かるのですが、この推進計画を国と学校設置者と学校が進めていくということになるわけですけれども、なかなか連携というところまでは、学校だけの力では難しい部分というのは多々あるのかなと思います。もちろん、学校設置者がそのあたりを支援していくのですが、それだけではまだ不十分というのもあるのではないかと思います。となりますと、やはりこの計画を推進していく上では、国の力が欠かせないということになるかと思います。
  この、地域との連携ということを考えますと、例えば内閣府は防災とか交通安全に取り組んでおりますが、そういった内閣府やほかの省庁との連携とか、国自体の支援の在り方というのも今後考えていただきますと、この計画を推進していく上での環境もよりよくなっていくのではないかと思いますので、この計画を普及、徹底していく上でのそのような国の取組を期待したいと思います。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。この答申素案については、もう1回ぐらい分科会にかけられて総会の方に提案という手順でよろしいでしょうか。
【和田健康教育・食育課長】  はい。今後の予定としましては、来週21日総会にお諮りしまして、年明け1月に学校安全部会で最終的にまとめまして、その後、初中分科会にもう1回お諮りすると。その後、総会、それから閣議決定という流れになってございます。
【小川分科会長】  そうですね。そういうふうな手順で、来年にもう一度分科会の方に最終案という形で提出されるということです。御意見、御質問はもうないでしょうか。また改めて最初から最後までお目通しいただいて、もしも御意見等々がございましたら、また担当の方に御意見を上げていただいて、最終案に向けての意見として参考にしていただくようにお願いしたいと思いますけれども、よろしいですか。では、今日はこの辺でこの審議については終わりたいと思います。
  これで今日予定していた議事については全て終了しましたので、この辺で今日の分科会を終わりたいと思いますけれども、最後に次回以降の予定について、事務局からよろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】  次回の初等中等教育分科会の日程は、既に御案内差し上げておりますとおり、1月27日金曜日10時からを予定しております。正式な開催案内につきましては、追って御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  次回は1月27日ということですので、日程の確保、よろしくお願いいたします。
  それでは、今日の分科会はこれで終わります。ありがとうございました。

――了 ――


お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

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-- 登録:平成29年02月 --