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初等中等教育分科会(第107回) 議事録

1.日時

平成28年11月14日(月曜日) 14時~16時

2.場所

文部科学省旧庁舎6階 第二講堂

3.議題

  1. 第2次学校安全の推進に関する計画の策定に向けたこれまでの審議経過について
  2. 高等学校通信教育の質の確保・向上等について
  3. 平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」調査結果について
  4. 「学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議」報告について
  5. その他

4.議事録

【小川分科会長】  定刻になりましたので、ただいまより107回初等中等教育分科会を開催いたします。よろしくお願いいたします。
  最初に、配付資料について事務局から説明をお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】  10月31日付で教育制度改革室長を拝命いたしました常盤木と申します。皆様、何とぞよろしくお願いいたします。
  お手元の資料につきまして、議事次第4の配付資料の欄も御参照いただきながら確認させていただきます。
  まず、議題(1)第2次学校安全の推進に関する計画の策定に関します資料は、1-1から1-3まででございます。続いて、議題(2)高等学校の通信制、広域通信制に関します資料は、2-1、2-2でございます。議題(3)平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」に関します資料は、3-1、3-2でございます。議題(4)「学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議」に関します資料は、4-1、4-2でございます。このほか参考資料といたしまして委員名簿のほか、先般の財政制度等審議会におきます資料の関連部分及びこれに対します文部科学省の見解に関する資料は、参考資料2-1から2-3でございます。不足等ございましたら、お知らせいただければと思います。
  以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。
  また、本日は報道関係者より会議内容の録音を行いたい旨の申出がありましたので、これを許可しております。御承知おきいただければと思います。
  それでは、早速今日の議題に入りたいと思います。
  最初に、議題(1)第2次学校安全の推進に関する計画策定に向けたこれまでの審議経過について、八田健康教育・食育課企画官より説明をお願いいたします。
【八田健康教育・食育課企画官】  失礼いたします。健康教育・食育課企画官をしております八田と申します。よろしくお願いいたします。
  本日、学校安全部会におけます議論の状況につきまして、資料1-1、資料1-2、資料1-3をお配りさせていただいておりますので、これに基づきまして、現在の状況につきまして御説明させていただきたいと存じます。
  学校安全の推進に関する計画につきましては、法律に基づきまして国が作成することになっております。現行の計画が本年度いっぱいでございますので、来年度からの第2次の推進計画につきまして、この部会における議論を踏まえまして閣議決定を目指してということでございます。
  これまで学校安全部会を6回開催いたしました。第5回までは、部会の委員、外部の有識者からのヒアリングを踏まえまして意見交換をし、先週第6回を開催いたしました。この第6回から、とりまとめに向けまして、これまでの議論の収束を図っていくということでございます。資料1-2が第6回の部会でお配りして議論させていただいたペーパーでございますけれども、これは大部でございますので、本日は、これをまとめました資料1-1をまず御説明させていただきたいと存じます。
  審議の経過のまとめでございますけれども、大きく3段落の構成にしてございまして、まずローマ数字の1といたしまして現状と課題、ローマ数字の2は今後更に詰めていくところでございますけれども、第1次の計画が、どちらかというと平たく書いてあったところにつきまして、もう少し基本的な方針ということで戦略性を出していけないかということで、まだ今後議論する予定にしているところでございます。ローマ数字の3が、具体的な方策としてまとめているものでございます。順に御説明させていただきます。
  まず、ローマ数字の1の現状でございますけれども、学校管理下におけます事故につきましては、負傷・疾病、死亡とも件数自体は減少している傾向があるわけでございますけれども、これは児童生徒数が減ったという影響が大きいところでございまして、負傷・疾病の率自身は横ばいという現状でございます。また、犯罪被害認知件数も減少傾向でございますけれども、通学中を含めまして安全を脅かす事件は依然として発生しておりますし、また交通事故も数多く発生しているところでございます。これらの現状、また東日本大震災以降も震災が発生しておりますので、このような現状を踏まえて、第2次は何を盛り込んでいくのかということを今議論しているところでございます。
  ローマ数字の3、具体的な方策として何をやっていくのかということをまとめさせていただいたものでございますけれども、大きく五つの観点からまとめさせていただいております。
  まず、1番が学校における安全に関する組織的取組の推進ということでございまして、学校において、安全というものを特定の教員のみが担うということではなくて、組織的に対応していくための仕組み作りというものを一層推進していくということでございます。
  第一次計画では、例えば学校安全計画の立案実行の中心になる者を、校務分掌において定めることの有効性が提起されており、97.9%の学校で教職員を位置付けているところでございますけれども、今申し上げたとおり、一部の意欲のある教員によって担われているのではないかという指摘もあるところでございますので、この中核となる教員が担うべき役割の明確化、またその者に対する研修を充実するとともに、個々の教職員の力量によるのではなくて、チーム学校として、この安全管理をしっかり推進していくということを柱に据えているところでございます。
  また(2)は、法律に基づきまして、学校安全計画、危機管理マニュアルの策定を求められているわけでございますけれども、この計画につきましては94.9%の学校において策定されているところでございますけれども、残り5.1%が残念ながらまだできてないということでございます。
  また、こういう計画や危機管理マニュアルにつきましては、策定して終わりということではなくて、実際の訓練などの検証を行うとともに、全国各地で様々な事件、災害が発生しておりますので、こういうものを踏まえて、不断に見直していくことが必要であるとしているところでございます。
  また(3)、それを担う教職員の研修・養成でございますけれども、国は、教員がそれぞれのキャリアステージに応じて身に付けるべき学校安全に関する資質・能力を具体化・明確化するということを検討すべきではないか、また教員を志す学生が養成段階におきましても、このような知識をきちんと習得できるように、教育委員会や学校に周知することが重要であるとしているところでございます。
  続きまして、2でございますけれども、学校が担う重要な役割でございます。安全に関します教育の充実を図っていくという観点でございます。
  これに関しましては、現在、学習指導要領の見直しの検討が進められているところでございまして、この中で、現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力の中に安全で安心な社会づくりのために必要な力を教科横断的に育成していくことが重要であるという指摘がされているところでございますので、このようなカリキュラム・マネジメントの確立が各学校におきまして着実に実施されるように、例えば国は現行計画の目標を踏まえて育成を目指す安全に関する資質・能力、また各教科等の内容や教育課程全体とのつなぎなどにつきまして整理・検討していくということ。また、各学校におきましては、各地域の実情に応じましてこのような教育課程を編成していくということ。また、単に教育を実施して終わりということではなくて、教育を実施したことによる児童生徒の意識の変容など、教育課程の実施状況に関するデータを把握・分析するということ。また、取組を検証して、さらなる改善につなげていくことが重要であると指摘をしていただいているところでございます。
  また、(2)教育の具体的な取組の内容についてでございますけれども、第1次の計画の取組におきまして、各学校におきましては専門機関と連携した教育、実践的な避難訓練などの進展が見られていると考えているところでございます。
  他方、様々な取組というものは、特定のすぐれた学校ではやっているけれども、ほかの学校ではやっていないということにならないように、様々な試みを関係者間で積極的に共有すること、またその教育効果を検証して、効果的な在り方というものを全国に発信していくことが重要ではないかという指摘を受けているところでございます。
  また、(3)現代的な課題といたしましては、SNSの問題、また児童生徒が将来は海外で生活する機会が多くなってまいりますので、そういうことも念頭に置いた教育の充実が求められるのではないかという指摘があったところでございます。
  次に3でございます。学校の施設及び設備の整備充実についてでございます。まず、学校施設につきましては、構造体の耐震化及び体育館のつり天井落下防止などの対策は進んできているところでございますけれども、つり天井以外の非構造部材の耐震化がまだ不十分だということ。また、国公立学校の耐震化に比べまして、私立学校については大幅におくれているのではないかということ。また、国公立学校につきましても、老朽化が進行した学校施設の割合が急速に増加しているという現状を認識しているところでございますので、国公私立を通じまして耐震化、また非構造部材の落下防止などの老朽化対策を進めていくことが重要ではないかという指摘を受けているところでございます。
  また、(2)設備の整備についてでございますけれども、特に学校への不審者の侵入防止対策や、災害等発生時の安全確保のための必要な設備、例えばAEDなどをしっかりと整備して、応急的な対応を確実に取るようにするということ、並びにそのような設備がちゃんと使われるように、教職員の使用訓練を行っていくことが必要であるという指摘があるところでございます。
  次に4でございますけれども、改めて申し上げるまでもございませんけれども、事故が起こらないようにするということは当然重要なわけでございますけれども、万が一起こってしまうということは現実にあるわけでございますので、その教訓、反省というものを事故防止のために生かしていくことが重要なわけでございます。また、交通事情などは、交通網の変化とともに変わってまいりますので、それに基づいて、例えば通学途中の安全管理というものを不断に見直していくことが重要でございます。
  この観点で、(1)学校における安全点検、(略)としてございますけれども、通学路につきまして、これまで学校の設置者、警察、道路管理者の連携により確認の取組を進めてきたわけでございますけれども、これを更に一層充実していくということ。
  それから、(2)でございます。これは学校における事故の事後的な検証や保護者対応が不十分という指摘を前々から受けていたところでございますので、昨年度末までの2年間を掛けまして、学校事故対応に関する指針というものを取りまとめました。これは学校の管理下で発生した事故に対しまして、例えば基本調査や詳細調査を行うなど、その教訓・反省をしっかり生かして事故防止に取り組むということでございますけれども、この取組をしっかりやっていくこと。あと重要なのは、国などが事故発生状況を分析いたしまして、防止策について情報提供するというPDCAサイクルをしっかり見直していくことが重要ではないかということでございます。
  最後に、5でございます。当然この学校安全に関する取組は、学校の教職員だけでは担うことができません。地域や家庭の協力、それから関係機関との連携・協働に関する取組が重要でございます。この観点から、例えば学校においてはコミュニティ・スクールや地域協働本部等の仕組みを生かして、学校安全の観点を組み入れた学校運営を行うことが必要ではないかということ。
  また、関係機関との連携に関しましては、例えば原子力被害を想定した避難訓練ですとか、学校に対する犯罪予告の対応などにつきまして、関係機関との連携による安全対策を推進する必要があるのではないかということでございます。
  以上のような資料を第6回の部会に出させていただきまして、これをもとに議論をさせていただきました。そのときに委員から出された主な意見をまとめさせていただきましたのが資料1-3でございます。最後にこれを御説明させていただきたいと存じます。幾つか御意見がありましたけれども、一部のものにつきまして御紹介させていただきます。
  まず、全体の構成などについてでございます。三つ目の○でございますけれども、第2次計画全体を通じまして、未来の担い手としてどのような子供たちを育成していくのかというビジョンをもう少し明確に位置付けるべきではないかということ。また、その下でございますけれども、5年後を見据えた工程表のようなものが出せないかという意見があったところでございます。
  次に、現状と課題につきましては、三つ目の○でございますけれども、安全教育が充実しない原因を挙げて、その対策を示していかなければいけないのではないか。委員の認識として、例えば教員の意識・指導力の差、学校種による差、地域の差が潜在的にあって、それが安全教育を一層充実するための課題なのではないかということでございますので、こういうことを5年間の中で明確に打ち出していくべきではないかという御指摘があったところでございます。
  次に、学校における組織的取組の推進につきましては、1番目の○でございますけれども、学校安全計画を策定する際に、単に策定して終わりということではなくて、学校の安全に関するコンセプトをしっかり示して、それを教職員が共通理解を図るということ。また、学校安全計画、危機管理マニュアルにつきましては、不断の検証・改善を行うということ。特に他校での事故事例も取り入れていくことが必要ではないかという指摘がございました。
  次に、2ページ目、最初の○でございますけれども、地域の自然条件等によって発生する災害、想定される災害も違いますので、こういうことを十分理解するということ。また、教員自身が自主的に学び合えるような場というものも少し検討していく必要があるのではないかという御指摘を頂いたところでございます。
  また、安全に関する教育の充実につきましては、二つ目の○でございますけれども、学校でのカリキュラム・マネジメントの確立のためには、その取組に必要な時間、どこで安全教育をやるのかなど具体的な事例を示すことが必要なのではないかという御指摘や、年間指導計画を見直して各教科等の安全に関連するものをつなげるなど、このようなカリキュラム・マネジメントの取組を各学校においてしっかり講ずることが重要であるという御指摘がございました。
  また、安全教育に係る時間の確保の方策といたしましては、今回のカリキュラム・マネジメントとして捉えているところは前進なのではないかという意見や、単に特定の学校種だけではなくて、学校種間のつながりについても考えることが必要であって、各学校段階における学習経験の積み上げの重要性を記述することが必要ではないかという指摘があったところでございます。
  また、PDCAサイクルの確立につきましては、安全点検に関して学校による自己点検だけではなくて、施設の安全性や危機管理体制などについて、外部の専門家によって検証してもらうという取組も重要ではないかという御指摘や、学校事故が発生した際には、その検証、保護者対応というものは、学校だけでは経験が足りないところもございますので、教育委員会による組織的なサポート体制を整備することが必要なのではないかという御指摘がございました。
  また、最後のページでございますけれども、地域・家庭、関係機関との連携・協働につきましては、特に大人がルールを守らないという現状があって、大人の意識改善についても重要ではないかということや、ながらスマホの危険性について改めて周知するということ。また、家庭も責任を持って学校と一緒に、例えばルールやマナーを教えるということについて取り組んでいくことが必要ではないかという御指摘や、災害が多く発生する中で、地域と協働した避難所運営訓練の必要性につきましても記載が必要ではないかという御指摘を頂いたところでございます。
  第6回の議論は今申し上げたようなところでございまして、今後、取りまとめに向けまして議論を更に深めていくことを予定してございます。予定といたしましては、年度内に部会としてまとめまして、答申を頂きまして、第2次計画の閣議決定を目指して準備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
  説明は以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。今の報告に付け加えて、補足の説明があればお願いしたいのですけれども。非常に大切な取りまとめですので、平成24年7月に策定された現在の計画と第2期のこの案を比較しながら読みました。現在の計画と比べて、今回の計画の中身は新しい視点として付け加えたもの、例えば教員養成の段階における安全教育の取組の充実とか、研修の充実とか、またカリキュラム・マネジメントを通じた体系的・系統的な安全教育の推進とか、チーム学校の取組を通じた家庭・地域と連携した安全教育の推進等々、現在の計画には、簡単には触れられていたのですけれども、更に最近のそうした新しい取組を踏まえて安全教育の取組の内容が今回非常に充実して書き込まれていることは、非常に新鮮に私は感じました。
  同じように現在の計画に基づいて、平成24年度から取り組んできた内容について、前進したところ、まだ不十分なところというのも当然あると思うのです。特に不十分な点については、現在の計画でも指摘されていたのですけれども、私学の耐震化を含めた取組が遅れているとか、地域間格差が依然と大きいという、そうした第1次でも指摘され、そしてこの間取り組まれてきたにもかかわらず、まだ改善されていないとか不十分であるということが、また今回の計画案の中にも書き込まれているわけです。
  そうした第1次というか、現在の計画と比べて新たな視点として書き込まれたものと、あと前進したところとまだ不十分なところ、特にまだ不十分だということを再度今度の計画に書き込む際に、例えば部会でどういう議論をされて今後の取組を進めていこうとしているのか等、その辺も含めて現在の計画と比較しながら、少し補足するものがあれば補足していただきたいのですけども。
【八田健康教育・食育課企画官】  失礼いたします。第1次の安全計画はまさに初めて作ったということでございますし、また東日本大震災の直後ということでございますので、まずやらなければならないことが数多くあって、それを網羅的に書いて、取組を促してきたということが現状であると思います。
  その計画の成果として、確実に学校の現場におけます学校安全の意識というものは変わってきておりますし、取組というのも着実に進んでいるということが言えると思いますけれども、例えば学校安全計画の策定一つをとってみましても、義務化されているものができていない学校が5.1%あるということで、あまねく広まっている状況ではないということです。第1次がまずその取組を開始したということであれば、その取組内容が各学校によって差がないような形でどう横に広げていくのかということ、あとは第1次が少し網羅的だったという反省があると思いますので、今回、報告書の案として、ローマ数字の2ポツとして基本的な方針を書こうと。この点は、部会として最後に議論させていただくことになるのだと思いますけれども、戦略性を出していって取り組んでいくという議論が、今、部会の中で進んでいるという状況でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  それでは、あと三、四十分時間を取りたいと思いますので、ただいま事務局から説明された第2次学校安全の推進に関する計画の策定に向けた、ただいまの審議経過について御意見、御質問があればお受けしたいと思います。御発言の場合、失礼ですけれども、机上の名札を立てていただければと思います。
  では、篠原委員からどうぞ。
【篠原委員】  今、小川分科会会長からも御指摘があったのですけれども、私も以前に学校の耐震化について、国公立と私立の差をあまり作らないように、いろんな支援をしてもらいたいということを前にも申し上げたことがございます。
  今、この報告を見ますと、やっぱり私立の方が遅れている。私立と国公立の耐震化率は今何%ぐらいだというのが、1-2を見てみると入ってないのですが、分かれば教えていただきたい。これは質問です。
  それから、なぜ私立が遅れているのか、現在どういう財政支援をしているのか、今後、集中的に行うと1-2には書いてあるのですけれども、どういう集中的な援助を行うのか、その辺を一括してお答えを頂ければ有り難いと思います。
  以上です。
【小川分科会長】  お答えは、今お答えできる範囲でよろしいでしょうか。
【八田健康教育・食育課企画官】  まず、耐震化の状況でございますけれども、お手元の資料1-2の37ページをお開きいただければと存じます。このページの上に国立大学法人等施設の耐震化・老朽化の状況がございまして、国立につきましては96.4%、私立学校につきましては、その下でございますけれども、例えば幼稚園・高等学校等につきましては83.5%、大学につきましては87.6%という現状にあるところでございます。
【山﨑文教施設企画部技術参事官】  失礼します。文教施設企画部でございます。国公立の状況については、先ほど御説明があった資料1-2の36ページ、37ページに書いてございます。公立学校が95.6%、私学が83.5%ということで、約10ポイント私学は低い状況になっております。
  公立は、地震防災対策特別措置法により補助率がかさ上げされているということもあって、Is値0.3未満の耐震補強については3分の2を、Is値0.3以上の耐震補強については2分の1を国から補助しております。私立はその対象にはなっておらず、大学では2分の1、高校等では3分の1の補助だと思いますが、そのようなことも進捗に少し関係しているのかなと思っております。
  集中的な援助につきましては、私は国公立の担当者であり、私立の政策担当者でないものですから、恐縮ですが、そこは次の宿題にさせていただければと思っております。
【篠原委員】  次の宿題というのはおかしいでしょ。こういうことについてちゃんと答えられる人をそろえなきゃ。1-2の中に集中的な財政援助を行うって書いてあるのですよ。
【山﨑文教施設企画部技術参事官】  平成28年度の第2次補正予算において、私立は当初予算では50億円程度の予算規模だったと思いますが、300億円程度の予算を確保して耐震化を進めようとしております。今後、あらゆる機会を通じてそういった予算の確保に努めていくというふうに伺っております。
【篠原委員】  具体的に補助率を上げるとか、そういうことを考えているのか、考えてないのか。
【小川分科会長】  ちょっと待ってください。その点について、吉田委員の方から御発言があるそうなので。
【吉田委員】  すみません。私が答えることじゃないのですけれども、現状をちょっと御説明させていただきますと、28年度、本年度につきましては、耐震化に45億円しかつきませんでした。それに対しまして熊本地震等のありました関係もありますけれども、今般の補正で301億円付けていただきまして、年度当初予算45億円と前年度の補正残分のスタートしましたものに、今年の要望が約200億円を超しまして、心配していましたところ301億円を付けていただけたわけです。実質的には大学に関してはIs値0.3以下に限らず、2分の1を国が補助しています。
  それと伴(とも)に、私学振興事業団の方で低利子の貸付けというのがプラスされます。それから、高等学校以下につきましては、原則が3分の1、そしてIs値0.3以下が2分の1、それにプラスして、各都道府県による補助があるが大きな差がございます。例えばの話、東京都はIs値0.3以下のところは国の補助と合わせて5分の4が補助されています。その関係で急速に進んでいます。
  今回の熊本につきましても、はっきり言って、私、高校ですので、私学の中高だけで申し上げますと、校舎が壊滅的になった学校、約40億円からの被害が出た学校が3校ございました。これらの学校と被害がなかった学校の違いは、はっきり言って耐震化工事でした。耐震化工事ができていたところは、建物にはほとんど被害はございませんでした。
  そんな関係で、熊本も今回、激甚災害の指定がされましたが、御承知のように激甚災害の指定も公立は3分の2ですけれども、私学は2分の1でした。これに対して6分の1、復興の特別予算で熊本の今回の地震でつけていただいて、3分の2までにしていただいて、あとは県の方でさらなる補助をしていただけるということですけれども、実際問題として3分の2まで届いている県は半分ぐらいしかないという状況。そして、大学等も今、3分の2に合わせて何とか進めているという状況でございます。
  すみません。私の口から。
【篠原委員】  その話は、文科省当局からきちんと説明していただかなきゃいかんよね。おかしいと思うんですよ。吉田さんの今の話でよく分かりました。担当者もこういう説明をするならば、答えられる体制をこれからきちんととってくださいよ。
【小川分科会長】  よろしいですか。それでは、よろしくお願いいたします。発言は、銭谷委員、そして梶田委員の順でお願いいたします。
【銭谷委員】  今、校舎の耐震の話が出ていましたけれども、公立学校の場合について言うなら、補助率のかさ上げということが非常に大きくて、そのことによって耐震化はものすごく進んだと思っていますので、今、吉田先生の方からもお話がありましたけれども、私学についても一層の御努力を払われることを強く要望したいと思います。子供たちが学んでいる校舎で地震において被害があって、子供たちが危険な状態になるということは許されないことでありますので、私学を含めた校舎の耐震化については、是非引き続きの御努力をお願いしたいと思います。
  そこで、ちょっと別な件になりますけれども、今回の御審議は大変意欲的だと思っていまして、お話をお聞きして、なるほどなと思ったのですけれども、ここ10年ぐらい子供の安全をめぐっては、かつてないような外部からの侵入者による被害ですとか、津波等自然災害による被災ですとか、大きな事件があったわけでございます。そのほかにも日常的に通学中の事故とか、あるいはこれは皆さんの御努力で減ってきていると思いますけれども、武道を中心とした授業中の事故による被害というのもあるわけですので、もちろん計画にまで書くのは難しいと思いますけれども、子供の安全を脅かす事例については、具体的に触れてもらった方がいいのではないかなという感じがいたします。そういうことに対してきちんと対応していく。
  例えばかつての話ですけれども、昔、学校のプールでよく事故がございまして、その事故の大きな原因は排水口にあったのです。プールの排水口がきちんと締められてないと。ただ、鉄板が置いてあるだけという状態で、水の中ですから、簡単に子供はそれを動かしちゃうということで排水口の中に足を取られて、子供が亡くなるという話がたくさんありましたので、当時、文部科学省は、100%になるまでプールの排水口をきちんと締めるということを徹底的に指導したことがあったように記憶いたしております。
  それと同じで、例えば学校安全計画というのも94.9%の学校において策定されているけれども、5.1%はまだできていないということであるとすれば、まだ策定されていない学校があるで終わらないで、100%になるまで徹底的にやるということを是非この計画の中にも書いておいていただきたいと思います。
  それからもう1点、最後ですけれども、子供の安全指導について、今、教育課程部会で議論していることの関連も踏まえていますけれども、各教科等の内容や教育課程全体とのつながりなどについて整理・検討といったような曖昧な書き方ではなくて、例えば特別活動の中の学校行事で健康安全・体育的行事というのがあるわけですから、そういう中でしっかり子供の安全にかかわる教育を、防災訓練を含めて徹底的に行うということをむしろ書いておいた方がいいんじゃないかという感じがいたします。
  ですから、子供の安全はとても大切なことですので、できるだけ具体的に現状をしっかり認識した上で、教科について書くという姿勢で、最終的におまとめいただければよろしいんじゃないかと思いました。
【小川分科会長】  ありがとうございました。梶田委員どうぞ。
【梶田委員】  2点だけコメントします。二つとも私の経験したことで。
  一つは、ここでは触れてないのですけれども、今、いろんな障害、特に精神面の障害を持った子供が小中高入ってきておりまして、これが分からんのです。初めから分かっていたらいいのですが、後になってとんでもないことをやってから分かる。私がかかわっていた学校でも数年前に、友達に毒を盛ったというのがありまして、その子はみんなに人気がある子だったものですから、だれもその子だと思いませんし、もちろん警察も随分入って、警察とも協力しましてやって、結局分からなかった。もっと大きな事件を後に起こしてから、そのことが分かりました。
  そういうことがあって、精神科の医者に随分御相談しました。これは教育の話じゃなくて治療の話だという言い方で、どうやって見分けて、どうやって治療するかという話を随分していただきましたが、ただ、普通の学校の先生方に見分けがつかない、そういう事例がありましたので、いろんなところで伺ったら、いろいろとあるのです。
  そういう精神面での障害の問題が実際には学校で、昔はほとんど考えなかったのですけれども、私なんかごく最近になって初めて出遭ったのですが、そういうことも起こってきて、これはチーム学校というあたりで考えておいていただければいいと思いますが、学校で引き受けた普通の子供の中に極めて多様な、発達障害の問題は最近言われますけれども、極めて多様な子がいるということで、これは少し議論していただけたらと。これ一つお願いです。
  もう一つは、さっきの公立と私立の耐震の話、これは耐震じゃありませんで、災害が起こった後の復興の話をちょっとだけさせてもらいます。
  20年ちょっと前に阪神・淡路大震災がありました。私、大阪にいるわけですけれども、兵庫県やら大阪府の私学が随分被害を受けました。でも、復興のお金がなかなか出なかったんです、20年前は。ところが、5年前の東日本大震災のときは、これは文科省の方々にかわってPRするのは何ですけれども、すぐ文科省の方が宮城県に飛ばれまして、そして初中の当時の財務課長も行かれました。そして、財務省の担当主計官も連れていかれて、これは公立、私立と言わず随分見た。私はそのときに宮城県の教育復興懇話会の座長をさせられたんですが、そういうことで、私も一部、一緒に見たりいたしました。
  その結果、どういうことが起こったかといいますと、私学も、これは国の方は多分4分の3だったと思うんですけれども、プラス県とか何とかで、後で私学の責任者の集まりでいろいろと確認して、みんな1億円だ、2億円だ、3億円だって大きな被害を出したわけですけれども、九十何%まで見てもらって、それも前のとおりやらなきゃ金出さないのではなくて、それをチャンスにより一層災害に強い建物にする。それでちゃんと九十何%出すという、私は20年前の阪神・淡路のときとはえらい話が変わっているということを痛感いたしまして、私が関係している学校も九十何%までそれでちゃんとやってもらいました。繰り返しますが、ほかの学校もみんなそうでした。
  ということで、これはもう少し文科省がおやりになったことをPRされてもいいのではないかと、詳細を。私は関係の私学は宮城県だけじゃなくて、東北は文科省の5年前の取組は喜んでおられたというのを知っております。是非そのこともちょっと申し上げておきたいと思います。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  この後ですけれども、鶴羽委員、北條委員、そして天笠委員の順で発言をお願いいたします。
【鶴羽委員】  今、北海道では、給食センターのアスベストの問題が連日新聞をにぎわせています。耐震化だけではなくて、そういった安全面のことも大事なのかなと痛感している真っ最中です。
  私、この資料を見させていただきまして、1-1の3の1の(1)のところで、「一部の意欲のある教員によって担われている」というところと、2ページの2の(1)の「地域によって取組状況が異なる」というところも実感しています。
  北海道には活火山が9つあります。火山のある町の防災教育もものすごく地域によって差がありまして、例えば有珠山のあるところでは、子供たちに昭和新山を毎年必ず登らせています。それは煙がまだ上がっていて熱いところもあります。でも、それを子供たちに知ってもらいたいということで、防災教育が20年も続いています。かたや、函館には恵山という火山があるんですけれども、あの町では危ないのではないかということで、2年前から小学校の登山が禁止になりました。ですので、そういったところも見ていかなければいけないのではないかなと実感しています。
  また、東日本大震災の話が今ありましたが、釜石の奇跡という鵜住居小学校と釜石東中学校の子供たちが自ら避難をしたということで、それは北海道でも今も防災教育のお手本として考えていますが、自分の命を自分で守れるような子供たちを育てるためには、どういったことが大事なのかと。私も保護者代表で教育委員になっていますので、常々に考えています。
  例えばどうやったら育つのかといったときに、考えさせるということと体験をさせるということが一番だと思います。あともう一つ、子供といっても幼児や小学生と中学生、高校生では違います。大学生だとほとんど大人。高校生、大学生は大人よりも力があります。いろんなことを早くから訓練して体験をさせると、きっと地域を支えるような人材として活動できるのではないかと思いますので、子供は守られるべき存在ですけれども、発達段階においては守る存在にもなるという観点で考えていただけたらと思います。
  以上です。
【小川分科会長】  北條委員どうぞ。
【北條委員】  ありがとうございます。東日本大震災の件、梶田先生のお言葉がありまして、本当に思い出しました。私、幼稚園でありますけれども、文科省の方々の大変な御尽力によりましてほぼ公立学校と同様の措置をしていただきました。これは災害共済給付も含めて、そういう措置を取っていただきました。とても有り難いことだと感謝しております。耐震補強の件は、私学はちょっと遅れているところはありますが、是非とも御配慮いただきたいわけであります。
  このたびの文書の中で、例えば今の1-3の2ページのところで「幼稚園から学校種間のつながり」とか、3ページのところで「家庭も責任を持って」というフレーズが入っております。学校での安全というのは、教育課程の時間内において学校で起こったことは、学校はどんなことがあっても責任を負うわけでありますが、その前提として、一つには家庭も子供の安全に対して日頃から十分な注意を払い、教育をする責任を有するという観点をもうちょっと強く押し出していただくことが、実は学校の安全にとっても効果があることだと私は考えるところでございます。
  1点ちょっと御検討いただきたいのですが、資料1-2の38ページ、39ページのところに通学路の学校安全の確保に向けた取組というのが出ております。平成24年度に全国で緊急実施したということで、私の幼稚園にもこういう調査といいますか、通知が来たのはよく覚えております。それで、私の経験でありますけれども、そのとき区の教育委員会と所轄の警察の交通課の方にこの通知が来たので、通園路の安全確保について工夫をしたいので、協議したいと申し上げたのですが、教育委員会の方は警察とやってくれと、警察の方はうちの担当ではないというお返事を頂いた。これは事実としての経験がございます。
  通学路の交通安全の確保というのは、小学校以上であるわけはないと思うんです。であるとするならば、大変恐縮でありますけれども、今後は通学路だけではなくて、通園・通学路という記載をしていただくと、意識は大分変わっていただけるんじゃないかと思っております。御検討をよろしくお願いいたします。
【小川分科会長】  ありがとうございました。では、天笠委員どうぞ。
【天笠委員】  自然災害にどう対応するか、そのために例えば耐震率を上げていくという努力ですとか、あるいは危機管理のマニュアルを整えて、そのパーセンテージを上げていくとか、そういう一つ一つの取組、営みの必要性と大切さ、またこの間の実績等々も多とするところなのですけれども、そういうふうにしたときに、拝見させていただいて、あるいは御説明を頂いて、書いてあるような、もう一つ靴の上からという感じがするところ、先ほど来ずっとこういうことを感じていました。
  それは申し上げたようなことについての備えは必要ですし、盛り込まれているのですけれども、もう一つの視点があるように思えました。それはどういうことかというと、組織自らが学校の安全を脅かすような視点というのでしょうか、もう少し申し上げるならば、組織運営のマンネリ化、そういう事態が学校の安全を脅かす一つの要因だという、そのあたりについての記述等々があるような、ないような。
  あるような、ないようなというのはどういう意味かというと、例えばPDCAサイクルの確立ですとか、そういう意味では触れているようにも見えるし、でもPDCAサイクルというのは、どちらかというと極めて観念的な記述になっているような感じがして、形式化されたPDCAをいくら回しても学校の安全とうまくかみ合わないというか、逆にそれが学校の安全を脅かすような事態を招きかねないような、こういう視点というのはどう考えていったらいいのか。
  ですから、マニュアルにしましても、対応にしても、学校の現状は、備えるということについては相当備えられているんじゃないかと思いますし、各学校の分掌担当でもそういうのはかねてから学校の中にしっかり存在しているわけですけれども、学校の安全が様々な形で脅かされるような状況が生まれてくるわけで、ですからそのあたりのところをもう一段といったときに、学校の組織運営の在り方という視点でもう一度見ていただくことが必要なのかなと思うのですけれども、それはこういう視点で少しあると思うんですけれども、システムは立派に備わっている。
  だけども、いろいろ報道されるような事態が発生するということが、この間、様々に起こっているように思うのですけれども、そこはある意味でいうとなぜなのかとか、あるいはそういうことによって起こされる学校の安全が脅かされる要因の分析とか検討ということ、その知見をこの中に盛り込んでいくことが学校の安全を確保するのに大切なんじゃないかということで、いろんな備えは備えとしてできているんですけれども、それがどちらかというと形式化したり、あるいはマンネリ化したり、形骸化する。あるいは場合によっては、そこから当事者意識が失われたりということがいざというときに危機を招いてしまうとか、危機に十分対応し切れないとか、そのあたりからもう一歩踏み込んだ記述というのでしょうか、視点というのも更にあるといいかなと思いました。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  時間があまりないのですけれども、ほかに御意見ある方。中島委員、そして森田委員の順で。
【中島委員】  簡単に。これを分析していただいて大変有り難いと思いますが、一つ、食物アレルギーによるアナフィラキシーショックですか、これも日常的なもので、これも書き込んでおいてもいいのではないかと。それだけです。
【森田委員】  ありがとうございます。先ほどの天笠委員の発言にかかわることなのですが、私もいじめ問題を扱っております。これもシステム、制度、仕組みは随分整え、いろいろな手引、マニュアルがある。しかし、依然として基本方針や組織の実施状況は実効性に欠けるところが多く、更にそこから起こってくる悲劇というのはなかなか絶えない。それは今回のいじめ問題防止対策協議会のとりまとめでも御意見が出たのですが、評価の観点というのを一つは入れるべきだろうという御意見がありました。これは傾聴に値すべき意見かなと思っております。
  PDCAは結構ですが自己評価になってしまいます。その問題点を補うために、資料では外部専門家を導入することになっていますが、これはよほどの事態でないと外部専門家というところにはお願いできない。むしろ地域の中の、あるいは学校の評議員、コミュニティ・スクール、地域学校協働本部など、いろいろな仕掛けが学校の外側にあります。こういう方々をもう一段かませながら、今の実施状況を改めて検証して、評価・提言していただくということは必要だろうと思っておりますので、その点は是非とも御検討いただきたい点でございます。ありがとうございました。
【小川分科会長】  ありがとうございます。では、最後に、渡邉委員よろしくお願いします。
【渡邉委員】  私、学校安全部会の方に関わっておりまして、少し私の方から補足したいことがありますので、付け加えておきたいと思います。
  今、アレルギーの問題などの御指摘がありましたけれども、実は概要の3ページ目の一番下から2行目にあります「学校事故対応に関する指針」という、これは平成26年度、平成27年度、2年間にわたって作成したものでございます。この中にはそういった問題に対する対応ということが非常に具体的に書かれてありまして、事故防止もそうですけれども、事故が起きたときにどのように対応するかという道筋も書かれております。今回その辺についての議論がなかったのですけれども、こういうものができて、これを周知していくということも同時に入りました。これは非常に重要なことなので、御理解していただければと思っております。
  そして、これは今回だけじゃなくて、以前から学校安全部会若しくは東日本大震災を受けた防災管理、防災教育に関する有識者会議のときも挙がっていたことなのですけれども、教職員の資質・能力を高めるということ。そのために現職の教員に対しては研修を行うということで、これは現在、例えば教員研修センターでは、毎年、先生方若しくは指導主事の方たちを集めて研修を行っております。それとこれから教員になる方に対しての指導ということになりますと、昨年の中教審の「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」の中でも、教員養成課程において学校安全について知識・技能を備えておくことが必要だという御指摘があったと思います。
  それに伴って、学校安全に関する内容の必修化ということを前提で進めていく必要があると思うのですけれども、その中でいろいろお伺いする意見の中では、例えば教員免許を出している学校で指導できる人がいないのではないかというお話もお聞きします。ただ、学校の安全とか危機管理ということは、例えば管理職の経験者の方であるとか、教育委員会の指導主事でそういうことをされた方というのはたくさんいると思います。実際に今、免許状更新講習などをそういう方が学校危機管理の内容を御担当しているというのもあります。
  ですので、教員免許状を取る上で、学校安全について必ず学ばなければいけないということが非常に重要になってくる。教員になって必要になってから学んでは遅い場合もありますよね。教員になった途端に災害が起きるなんていうことも当然考えられるわけですので、教員養成課程において最低限そういうのを学べるような体制を作っていければいいと考えております。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。予定したお時間を少しオーバーしていますけれども、多くの委員から御意見、要望を頂きましてありがとうございました。
  これまでの御意見、要望にかかわって、今の段階で何か事務局の方からお答えできることがあれば、お答えいただければと思います。
【八田健康教育・食育課企画官】  先生方から非常に貴重な御意見を頂きましたので、これを部会の方に持ち帰らせていただきまして、内容の充実をさせていただきたいと思います。本日はありがとうございました。
【小川分科会長】  ありがとうございました。それでは、議題(1)についてはこれで終わらせていただきたいと思います。
  議題(2)以降なのですけれども、今日教職員定数に関する最近の動向について財務課から簡単な御報告を頂く予定になっておりますけれども、(2)からその他にかかわっては、恐縮ですけれども、事務局の方から一括して御報告いただいて、その後に30分ほど時間が残されている予定ですので、残り30分で議題(2)から議題(5)までの説明についての質疑をしたいと思います。すみませんけれども、時間の関係上そのように進行させていただければと思います。よろしくお願いします。
  それでは、次に議題(2)高等学校通信教育の質の確保・向上等について、森田初中教育企画課長よりお願いいたします。
【森田初等中等教育企画課長】  失礼いたします。資料2-1と2-2に基づきまして、公立通信制高校の質の確保・向上について御報告申し上げます。
  昨年12月から問題になりました三重県伊賀市のウィッツ青山学園高校の問題をきっかけとして、文部科学省で義家副大臣を座長とするタスクフォースを作って、広域通信制高校の集中改革プログラムを策定したことについては、5月のこの分科会で御報告をさせていただきました。その後、それに基づきまして協力者会議を設置いたしまして、この分科会の委員もしていただいている荒瀬先生に主査をお願いいたしまして協力者会議を設置して、高等学校通信教育のガイドラインの策定について検討してまいりまして、9月30日にまとまったものを各都道府県所轄庁に通知を出しました。これが資料2-1でございます。
  資料2-1の1ページ目の2段落目にございますが、本ガイドラインは、通信制高校の学校運営の改善のため取組、所轄庁おける指導監督の指針として策定をいたしました。
  次のページでございますが、ガイドラインを今回通知いたしましたけれども、これに沿って、各所轄庁に対して5項目の指導を今回の通知に盛り込んだところでございます。例えば2番目でございますが、学校の管理運営等について、所轄する通信制高校、あるいは学校設置会社、これは株式会社立の場合でございますが、この状況を定期的に確認するなど、各所轄庁における指導監督に努めていただきたいということ。あるいは4項目でございますが、サポート施設等の連携施設との適切な協力、連携関係の確保がなされているかについて、所轄庁で十分な確認を行っていただきたいことなど、5項目の指導事項の通知を行いました。
  次のページからがガイドラインの本体でございます。ガイドラインは三つの柱からなっておりまして、一つ目が1ページの1ポツ、学校の管理運営に関する事項でございます。主な点のみ御報告申し上げますが、(2)連携施設との適切な協力・連携関係の例えば○3でございますが、添削指導、面接指導、試験等につきましては、連携施設の職員など実施校の監督権が及ばない者に実施させるのではなく、実施校の教職員が行うこと。あるいはその次の○5でございますが、実施校が行う高等学校通信教育とサポート施設などの連携施設が行う活動との区別を明確に説明するなど、生徒・保護者に十分な説明を行うこと。あるいは○6でございますが、連携施設において、実施校である高校の名称のみを掲げたりするなど、連携施設が実施校である高校の施設そのものであるかのような誤解を招くことのないようにすることなどを盛り込んでいるところでございます。
  次に、4ページからが、2番目の教育課程等に関する事項でございます。(1)の○1にございますように、教育課程については学校教育法や学習指導要領等の法令に従って編成をするということ。(2)が添削指導、それから5ページの(3)面接指導、6ページ(5)試験、これらについてはいずれも教員免許状を有する実施校の教職員が行う必要があるということなどを盛り込んでいるところであります。
  3番目の柱は、6ページの下の施設及び設備に関する事項でございますが、高等学校通信教育規程に定める基準を満たすことなどを盛り込んでいるところでございます。
  資料2-2は、今回のガイドライン策定をするに当たって、文部科学省におきまして7月から8月にかけて、105校の公立通信制高校を対象に、教育指導の実態についての書面調査を行ったものでございます。
  主な点のみ申し上げますが、スライドの4ページ目、(1)の○1、公立通信制高校独立のものが67校、全日制や定時制との併置のものが38校、合わせて105校ございます。○2にございますように、在籍生徒数は約10万人となっております。
  スライドの6ページでございますが、サポート施設と連携しているという施設数が、表の合計のサポート施設の欄にございますように、1,234施設あるということが把握できたところでございます。
  スライドの8ページでございますが、先ほどのガイドラインで申し上げましたが、実施校の教職員でないサポート施設などのサテライトも職員が学校教育を行っているケースがあるかどうかということを調べたところ、全体の合計にございますように12校で、387の施設でそういうことが行われているという結果でございます。これについては更に精査する必要があると思っておりますが、ガイドラインからいいますと、不適切な実態がある可能性があると思っております。
  今日は時間の関係で主な点のみの紹介とさせていただきますが、今回の書面調査で不適切な実態があるのではないかと思われるような学校に対しては、今後、所轄庁と文部科学省が一緒になって実地調査を行って、その把握と改善の指導に努めていきたいと思っているところでございます。
  議題(2)は以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございます。
  では、続けさせていただきます。議題(3)平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の調査結果について、高橋児童生徒課長補佐にお願いいたします。
【高橋児童生徒課課長補佐】  失礼いたします。児童生徒課課長補佐の高橋でございます。お手元の資料3-1と3-2を御覧いただければと思います。時間の関係で、3-1を基に御説明させていただければと思います。
  平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」、速報値でございますけれども、概要を御説明させていただきます。こちらにつきましては10月の末頃に公表させていただいております。この調査においては、暴力行為、いじめ、不登校等について状況を把握するために毎年行っている調査でございます。
  1枚おめくりいただいて、2ページから御覧いただければと思います。
  まず、暴力行為の状況でございます。小・中・高等学校における、暴力行為の発生件数は5万6,963件、1,000人当たりの発生件数についても4.21件、どちらも前年度よりも増加している状況でございます。今回の調査の傾向といたしまして、特に小学校の学校管理下における児童間暴力が約4,000件増加、対教師暴力についても約800件の増加をしている状況でございます。小学校の暴力行為の加害児童数は全体で40.1%増加しておりますが、特に1年生、2年生の低学年での増加が著しいという傾向がございます。
  1枚おめくりいただきまして、3ページ目でございます。いじめの状況でございます。小・中・高等学校及び特別支援学校における、いじめの認知件数は22万4,540件、前年度より3万6,468件増加しております。1,000人当たりの認知件数についても増加しているところでございます。認知件数につきましては、全ての学校種で増加しているところでございます。特に小学校、特別支援学校においては、いじめの調査を開始した昭和60年度以降最高となっております。
  1枚おめくりいただきまして、4ページでございます。一番上の○のところでございますが、小学校におけるいじめの認知件数は、前年度より約2万8,500件増加しているところでございます。いじめの発見のきっかけにつきましては、特に学級担任、アンケート調査、本人からの訴え、保護者からの訴えが増加しているところでございます。
  いじめを認知した学校につきましては62.0%、前回より5.5ポイント増加しているところでございます。
  いじめの態様につきましては、小・中学校、特別支援学校においては、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」といったところが最も多く、続いて「軽くぶつかったり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」といった態様が多いところでございます。
  高等学校においては、同じく「冷やかしやからかい、悪口、脅し文句、嫌なことを言われる」というのが最も多いのですが、続いて「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」といった態様が多くなっている状況でございます。
  1枚おめくりいただいて、5ページ真ん中のあたりでございますけれども、いじめ防止対策推進方第28条1項に規定する「重大事態」の発生件数の状況でございますが、今回は313件といった状況となっております。法28条第1項第1号、いわゆる生命、心身、財産等に重大な被害が生じたものに該当するものは129件と、前年度より増加しておりますが、一方でいじめに起因する不登校の状態になったものにつきましては218件と、前年度より減少している状況でございます。
  続きまして、6ページをお開きいただければと思います。長期欠席の状況でございます。こちらの長期欠席につきましては、26年度までは学校基本調査の方で実施しておりましたけれども、学校等の負担を考慮いたしまして、こちらの問題行動等調査の方に一本化したものでございます。長期欠席者数につきましては、小学校で約6万3,000人、中学校で約13万1,000人、高等学校で約7万9,000人といった状況でございまして、前年度と比べまして増加をしている状況でございます。
  6ページでございます。長期欠席のカテゴリーといたしましては「病気」「経済的理由」「不登校」「その他」というカテゴリーでこれまで調査しておりましたが、「その他」のうち、「不登校」の要因を含んでいる者について、新たに今回調査を行いました。その結果、約1万1,000人の児童生徒がいるという状況を、こちらの方で把握することができました。
  7ページ目でございますけれども、小・中学校の不登校の状況でございます。小・中学校の不登校の児童生徒数につきましては、約12万6,000人でございます。1,000人当たりの児童生徒数につきましては12.6人と、増加している状況でございます。
  真ん中のあたりでございますが、30日以上の欠席で不登校というふうに定義をしておりますが、今回の調査から、更に欠席の状況を把握するために、90日以上欠席した者、出席日数が1日から10日、出席日数がゼロといった詳細な調査を行いました。その結果、90日以上欠席した者につきましては、不登校児童生徒数の約6割を占めるといった状況が出てまいりました。
  1枚おめくりいただければと思います。8ページでございます。こちらは高等学校における不登校の状況でございます。高等学校の不登校の生徒数につきましては4万9,591人ということで、前年度より減少しているところでございます。高等学校においても新たに欠席の状況を詳細に調査いたしましたが、真ん中あたりでございます、90日以上欠席した者につきましては全体の23.4%といった状況でございます。
  続きまして、9ページをお開きいただければと思います。高等学校における、中途退学の状況でございます。中途退学者数につきましては4万9,001人ということで、前年度よりも減少しているところでございます。事由別中途退学者数につきましては真ん中のあたりの表にございます。
  駆け足で恐縮ですけれども、次のページをお開きいただければと思います。最後になりますけれども、自殺の状況でございます。小・中・高等学校から報告のあった自殺した児童生徒数につきましては214人と、前年度よりも減少している状況でございます。他方、警察庁の統計数値におきましては、27年度につきましては327人といった数字が出ております。また、一番下でございますけれども、「自殺した児童生徒が置かれていた状況」につきましては、こちらの表のとおりとなっております。いじめの問題があった児童生徒数は9人という結果が出ております。
  非常に駆け足で恐縮でございますが、以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございます。
  恐縮ですけれども、続けさせていただきます。議題(4)「学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議」の報告について、鈴木児童生徒課長補佐から説明をお願いします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  失礼いたします。児童生徒課の課長補佐をしています鈴木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。資料4-1に沿って御説明させていただきたいと思います。
  初めに、こちらにつきましては学校図書館の整備充実に関する調査検討協力者会議を昨年6月に設置させていただきまして、第1回開催以降これまで8回の会議を経て、先月20日に報告書が取りまとめられましたので、御報告をさせていただきたいと思っております。
  まず、冒頭ですけれども、検討の背景でございます。これからの学校図書館の役割を踏まえた上で、学校図書館の運営に係る基本的な視点を整理する必要があるという問題認識が1点ございます。
  それからもう1点が、平成26年6月に学校図書館法の一部改正が行われましたけれども、その法律改正の附則の中において、学校司書としての資格・養成の在り方等について検討を行うという旨の規定がございました。こういったことも踏まえまして、文科省としては有識者会議を設置し、検討をさせて頂きました。
  次に、基本的な考え方でございます。学校図書館をめぐる基本的な考え方につきましては、これまでも読書センター機能、学習センター機能、情報センター機能といった役割が学校図書館にはあるという整理をさせていただいておりましたけれども、今般新しい今後の学習指導要領の改訂を見据えまして、様々な学習における利活用を通じて、子供たちの言語能力、情報活用能力等の育成を支え、主体的・対話的で深い学びを効果的に進める基幹としての役割が学校図書館にはあるという整理を頂きました。
  また、そのためには、図書館資料の充実と、司書教諭及び学校司書の配置の充実やその資質・能力の向上、この双方が重要であるという基本的な考え方の整理を頂いております。
  他方、2ポツ、現状における課題でございます。現状における課題といたしましては、図書館資料の面では、小学校における外国語活動ですとか、特別支援教育、外国人児童生徒、主権者教育の推進など、学校教育に求める新たなニーズに応えられる図書館資料の整備が課題であるという整理を頂いております。
  また、図書館資料については、社会の変化、学問の進展により誤った情報を記載している図書がそのまま置かれている状況も一部にあるという観点から、図書館資料の適切な廃棄・更新を行っていくことが課題であるという整理を頂きました。
  また、人的整備の観点からは、学校司書が保有する資格や知識・技能等の状況は様々であり、その養成等の在り方が課題であるという整理を頂いてございます。
  具体的な方策といたしまして、3ポツでございますけれども、大きく二つございます。1点目が学校図書館ガイドラインの作成ということでございまして、学校図書館の整備充実を図るために、運営上の重要な事項について、教育委員会や学校の参考となるよう、その望ましい在り方を示す「学校図書館ガイドライン」の作成を行うことが必要であるという旨の指摘を頂いております。
  具体的には、ここにあります(1)から(7)の項目についてガイドラインを示させていただくということであります。例えばですけれども、(2)学校図書館の運営に関しては、校長は学校図書館長としてリーダーシップを発揮して、学校図書館の運営に当たることでありますとか、(3)学校図書館の利活用については、学校図書館は児童生徒の読書活動、学習活動を支援するため、図書の館内、館外貸出しを積極的に行うことでありますとか、あるいは図書館資料については、教育課程の展開に寄与するという観点から、調和のとれた蔵書構成とすること等々についておまとめを頂きました。
  大きな2点目が、学校司書のモデルカリキュラムの作成についてでございます。学校司書の養成につきましては、現在はカリキュラムあるいは資格等はございませんけれども、今後、現行の司書や司書教諭の養成と同様に、大学あるいは短大において担っていただくことが適切であるというおまとめでございます。
  学校司書のモデルカリキュラムの内容としては、学校司書に求められる知識・技能を整理した上で、専門的知識を習得できる望ましい科目・単位数を示すということで、モデルカリキュラムを示させていただいてございます。大きくは学校図書館の運営・管理・サービスに関する科目と、児童生徒に対する教育支援に関する科目ということで整理を頂いております。文科省といたしましては、今後、学校図書館ガイドライン、学校司書のモデルカリキュラム、この二つについての周知や普及を図ってまいりたいと考えてございます。
  簡単でございますが、以上でございます。よろしくお願いいたします。
【小川分科会長】  ありがとうございます。報告が続いて申し訳ありませんけれども、最後もう一つ報告がありますので、お時間いただければと思います。
  最後、その他の議題として、教職員定数に関する最近の動向についてということで、黄地初中教育局企画官から説明をお願いいたします。
【黄地初等中等教育局企画官】  お手元の参考資料2-1から2-3に基づきまして、現在の動向を御説明いたします。
  来年度の概算要求につきましては前回の会議で御説明したところでございますが、今回これにつきまして、参考資料2-1にございますように、財務省に置かれております財政制度等審議会におきまして、財務省が提出した資料の中で幾つか論点が指摘されているところでございます。こちらの資料につきましては、事実誤認や誤解等に基づく記述も見受けられましたので、よりよい政策形成を促す観点から、参考資料2-3にございますとおり、文部科学省の見解をまとめて、ホームページでも公表したところでございます。本日は参考資料2-3に基づきまして、状況を御説明申し上げたいと考えてございます。
  なお、その前提といたしまして、参考資料2-2を御覧いただければと存じます。こちらの資料は、本年の4月7日に財政制度等審議会に提出された資料でございます。こちらを数枚おめくりいただきまして、8ページを御覧いただければと思います。
  今回の文部科学省の概算要求の大きな目玉の一つが特別支援教育や外国人児童生徒等への対応に関します基礎定数化でございますが、4月の財政審の資料の中でも、その重要性が述べられてきたところでございます。8ページの青囲いのところを御覧いただければと思いますが、少子化が進展する一方で、特別支援を要する児童生徒数や日本語指導が必要な外国人の子供の数は増加している。こういった点も踏まえて、太字にございますように、児童生徒の数に応じた適正な教職員数について必要十分な定数を配置するべきだと主張されています。すなわち基礎定数化について論じられているところでございます。
  こういった点も踏まえまして、今回、概算要求をしたところでございますが、この点につきましても幾つかの論点が新たに示されてきたところでございますので、これも含めて文部科学省の見解につきまして、参考資料2-3を用いて御説明したいと考えてございます。
  数枚おめくりいただきまして、まず資料の1ページを御覧いただければと思います。1ページの上の方に財政審の資料の抜粋を掲げているところでございます。こちらで言われておりますのが、子供の数が減っている一方で、教職員が40%ぐらい増えているではないかという指摘でございます。
  こちらにつきましての見解は、その下の2ページを御覧いただければと思いますが、少なくとも平成元年から平成17年に至るまでの間は、第6次、第7次の教職員定数改善計画にもありますように、実際、先生の数は増えてきたところでございますが、直近の10年間に着目してみますと、確かに特別支援学校や特別支援学級に関する先生方は増えているのですが、通常学級の先生の定数はそれほど改善していないのではないかというのが1点目の問題意識でございます。
  次に、1枚おめくりいただきまして、3ページを御覧いただければと思いますが、財務省の指摘として、例えば教員のPT比については、主要5か国と比べて遜色ないレベルになっているという指摘がございます。これにつきましては、そもそも比べる相手が主要5か国でいいのかどうかという問題意識がございます。
  下の4ページを御覧いただければと思いますが、政府がまとめております経済・財政再生計画の改革工程表では、成果目標として、例えばPISA調査等で世界トップレベルの維持・向上を目標とするということが掲げられておりますので、そういうことからすれば比較対象の国というのは、PISA調査でトップレベルの国の方がふさわしいのではないかということでございます。実際、その下の図表を御覧いただきますと、フィンランド、エストニアなどといったように、PISA調査で上位の国のPT比を御覧いただきますと、日本よりはるかによい条件で指導体制が構築されているということでございます。
  一方で、隣の表を御覧いただけますでしょうか。これは主要5か国のPISA調査の結果でございますが,実際、日本よりは成績が悪い。PT比も若干高めになっているという状況でございます。
  次に、少しページが飛びまして、7ページを御覧いただけますでしょうか。財政審におけます財務省の試算がこちらでございます。基礎定数あるいは加配定数ともに、先生と子供の割合を固定化することによって、子供の数に応じて先生の数も減らすことができるのではないかということでございます。先生と子供の数を固定化させることによって、教育環境を継続させることが財政審の主張でございますが、これにつきましてはその下の8ページを御覧いただければと思います。
  そもそも通級指導を受けている子供、あるいは日本語指導が必要な子供の数は今後も増えることが見込まれますので、このあたりを試算の中に加味してないのではないかという疑問が一つ。あるいはこの試算のとおり、先生をそのまま減らしてしまいますと、通級や日本語指導が必要な子供が増えている一方で、先生の数が減るわけでございますので、実際、教育環境は悪化するのではないかということを大きな問題として持っているところでございます。
  次の指摘につきましては、今度は資料10ページを御覧いただけますでしょうか。財政審の資料においては、この青枠のところを御注目いただければと思いますが、様々な課題解決のため、例えば外部人材を活用することができれば、先生をそれほど増やさなくてもいいのではないかといった問題意識に立って、費用対効果を最大化させるための組合せを検討すべきだということが言われてございます。
  これにつきましては、そもそも先生に求められる役割と、ここで例示されております看護師や支援コーディネーター、理学療法士といった外部の専門家の役割分担は、そもそも違うのではないか。したがって、外部人材の配置をもって、先生の配置に代替できるという性格のものではないという問題意識を我々は持っております。
  具体的に見ますと、11ページを御覧いただければと思いますけれども、こちらの表にございますように、先生はあくまで特別の教育課程を教えることが役割でございます。一方で、看護師その他の専門スタッフは、医療的なケアですとか、医療的な観点からの先生に対する支援を実施するということで、全くもって役割が異なりますということで、先生に代替できるものではございません。すなわち子供それぞれが持つ障害の程度、教育ニーズの程度に応じて、専門スタッフあるいは先生をしっかり配置するということでございます。
  同様の論点が、外国人等への日本語指導についても触れられてございます。こちらについては13ページを御覧いただければと思いますが、こちらも子供が持つ日本語能力の程度に応じて、必要な支援、教育の在り方が異なってまいります。
  中ほどに児童生徒の日本語能力の段階が順を追って掲げられておりますが、例えば日本に来たばかりの日本語がまだまだ覚えられてない段階では、生活支援、社会生活に必要な日本語を覚えていただくために日本語支援員といった外部のスタッフが重要なところでございますが、一方で、ステージ2からステージ4に至る間では、日本語と教科の統合的な指導を学校で行うことが必要になります。こちらも正規の教育課程である以上、こういった子供たちに対しては、責任を持って指導ができる教員の配置が必要ではないかという問題意識でございます。
  次に、14ページを御覧いただければと思います。特別支援教育について、3点ほど問題意識が財政審資料の中では掲げられております。一つは、海外の研究事例として、特別支援教育において、学級規模と学力の間に有意な関連は見られないという視点。2点目といたしまして、一人当たりの児童生徒数は都道府県で15倍もの差があるように、地域ごとにばらつきがあるのではないかという視点。3点目としては、支援員を活用することで、通級を設置してない自治体も存在するので、こういった自治体の例も参考にすべきではないかという視点でございます。
  まず、1点目につきましては、15ページを御覧いただければと思いますが、中ほどに文部科学省の見解と書いているところを御覧いただきたいと思います。そもそも今回の概算要求の内容は、通級指導の要求であって、学級規模を引き下げる要求ではございませんということと、そもそもの問題といたしまして、特別支援教育の趣旨としては、子供たちの自立や社会参加に向けた主体的な取組を促すものでございますので、財務省の言われるように、学力のみをもって評価するということは全くもって適切ではないのではないかという点でございます。
  続きまして、16ページを御覧ください。一人当たりの児童生徒数は最大15倍もの差があるという点でございます。こちらにつきましては、そもそも15倍というのは計算間違いでございます。
  それはさておきまして、実際のそれぞれの自治体の状況を御覧いただければと思いますが、資料の右下に相関関係のグラフがございます。こちらは通級指導を受ける子供たちが多い自治体ほど、先生一人当たりがケアをする子供たちの人数も増えているという相関が見られるということを示しております。つまり、そういった自治体ほど、一人当たりの指導時間がとても少なくなっているということで、それは適切な状況ではないのではないかというところもございます。したがいまして、今回、基礎定数化によって、例えば子供が10人いれば、一人の先生が付くことによって、こういった不適切な状況は解消できるのではないかということでございます。
  続きまして、18ページを御覧いただければと思います。外部人材の支援員を活用することで、通級指導教室を設置していない自治体も15自治体ほど存在するということが、財政審の資料の中で指摘されてございます。ただ、こちらにつきましては、特別支援教育総合研究所の調査によれば、1,200自治体のうちのたった1%にすぎないということでございますので、こういったワン・オブ・ゼムの例だけを基に対応を考えてよいのかという、そもそもの疑問がございます。
  続きまして、資料19ページを御覧いただければと思います。こちらは外国人児童生徒への対応に関する指摘でございますが、こちらの棒グラフにもございますように、外国人児童生徒は地域によって相当偏在しているのではないか。したがって、そういう偏在しているところの自治体、あるいは地元企業が十分責任を果たすべきではないかという問題意識かと思われます。
  これにつきましては、文科省の見解といたしまして、20ページを御覧いただければと思いますが、そもそも義務教育の趣旨としては、その対象になる子供がいる以上、どこの場においてもしっかりと充実した教育を提供することが基本になりますので、偏在しているか、散在しているかという問題ではそもそもございませんと。そういう観点から、義務教育の経費の3分の1は国が負担しているというものでございます。
  一方、企業誘致で、企業が多い自治体でも、当然法人税みたいな税収があるわけでございますが、その6割は国にいくという点にもしっかり着目する必要があろうかと考えてございます。
  続きまして、若干飛びますが、22ページを御覧いただければと思います。財政審の指摘といたしまして、企業や自治体も一定の責任を持つ必要があるのではないかということでございますが、こちらにつきましては、例えば愛知県の例のように、愛知県が寄附をして基金を設けて、日本語指導の支援に向けた取組を展開している例もございます。一方で、こういった自治体ばかりではございません。例えば右側にございますように、神奈川県大和市のようにインドシナ難民を受け入れている例ですとか、その下の長野県飯田市のように、満蒙(もう)開拓団を送り出したという歴史的経緯の中で外国人がいる自治体など、様々な要因が関係してございますので、そういった点も踏まえて対応する必要があるのではないかということでございます。
  いずれにしても、こういった愛知県のような自治体も含めまして、次のページにございますように、外国人集住都市会議が先般、文部科学大臣、あるいは財務大臣宛てに要望書を提出しているところでございます。この中の下線部にも書いてございますように、国全体として真摯に取り組むべき課題であるということを前提に、日本語指導の充実、あるいはそのために必要な指導者を計画的・安定的に配置する、そのための基礎定数化を図ることといった点等について御要望を頂いているところでございますので、しっかりこれを踏まえて対応してまいりたいと考えてございます。
  最後に、そのまとめでございますが、24ページを御覧いただければと思います。これは財政審の資料の抜粋でございますが、外国人生徒の日本語指導や通級指導についても、教員と外部人材の役割分担、最適な組合せの検証が必要ということがうたわれているわけでございますが、これにつきましては25ページを御覧いただければと思います。
  外国人対応にせよ、通級指導にせよ、正規の教育課程を教えるのはあくまで教員でございます。したがって、外部の人材が先生の代替を担うという前提での比較検証は適切ではないということで、最後に文科省の見解のまとめとしているところでございます。
  駆け足でございますが、説明は以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。高等学校の通信教育の質の確保、そして児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査結果、学校図書館の充実に関する調査研究協力者会議の報告について、そして今の教職員定数に関する最近の動向という、非常に多岐にわたるテーマについて連続しての御報告で、聞く方も疲れたかと思いますけれども、残り20分ほど時間がありますので、今の報告に関して御意見や御質問があれば、どなたからでもお受けしたいと思いますので、よろしくお願いします。
  それでは、貞広委員、小室委員、安藤委員、梶田委員、若江委員、そして最後は吉田委員、田中委員ですね、そういう順でお願いします。
  では、最初、貞広委員お願いします。
【貞広委員】  ありがとうございます。まず、高等学校通信教育の質の確保・向上について、1点確認の質問と3点ほど意見を申し上げたいと思います。ちょっと時間がないところ、こんなに長くて申し訳ないのですけれども、従来、通信制高校の運用実態に私個人的にも危惧を持っていまして、そうした意味での質問と意見でございます。
  通信制高校は、実態として全日制や定時制に何らかの事情でなじめなかった子供たちのまさに学びのセーフティネットとして機能している部分もございまして、であるからこそ、なおのこと履修の実態と成果の実質化というものが必要で、今回こういうガイドラインを策定していただいたこと、大変歓迎したいと思います。
  その上で、通信制高校ですと、株式会社が設立することができるのですが、これまでに株式会社立で設立した通信制高校が、学校法人に設置者変更された実態があるのかどうかということ。また、その際は、新規に学校法人で設立するよりも、設置者変更ということで、新規に設立するときよりも多少ハードルが低くなってしまうようなことがないのかどうかということです。そして、設置者変更について審査をするのは、都道府県の知事部局なのかどうかということ。これが質問でございます。
  あと3点意見を申し上げますと、通信制高校は数に違いはありますけれども、基本的にサポート校を持っていまして、それが全国に散らばっていて、監督している都道府県とは全然違うところにあるわけです。多いところは300以上。今回のガイドラインで、都道府県ごとにちゃんと情報交換しなさいということがありましたけれども、ばらばらに広がっている100を超えるサポート校を情報交換だけで監督できるかというと、相当程度危ういのではないかと思います。今回のものは第一歩として、もう少し実質的にしっかりと内実を把握できるような制度なり、仕組みなりを考えていくことが必要なのではないかと思います。
  また、監督する側(がわ)でございますが、私も実際に通信制高校の設置についての審査のようなものにかかわったことがございますけれども、県の知事部局の職員の方々は大変行政能力の高い方なのですが、都道府県によっても大分違いがあると思うのですけれども、実際、教育についてほとんど御存じない方ばかりで構成されていまして、条件整備の側面も、建物と先生の人数は把握するけれども、教育課程の面はほとんどノークエスチョンで、どういうふうな教育効果を上げるのか、どういうふうに子供たちをサポートしていくかという面については、スクールリテラシーがないので、見えてないところがあると思うのです。これだけ問題になりましたので、文部科学省さんの方でも人員という面で、ちゃんとスクールリテラシーを持った、専門性を持った方を配置していただけるように御指導いただければと思います。
  最後にもう1点でございますが、通信制高校に在籍しているお子さん方というのは、全ての方ではないですけれども、社会的・経済的にしんどい立場にあったりとか、発達障害などで通常の学校になじめないという課題集積型というか、課題が集積しているお子さんが大変多いので、今回の中にもスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを積極的に使いなさいというふうに書いてくださっていますけれども、むしろ通常の高校よりもこういうサポートが必要ですので、そのあたりも目配りをしていただければと思います。
  最後のその他については、言いたいことがたくさんありまして、皆さんそうだと思いますけれども、こちらの文部科学省さんがお示しくださっている案は、まさに現場のニーズであるとか困り感の積み上げによって、何が必要かという予算の組立てだと思うのですけれども、財務省さんの御見解は、官庁のありようとして仕方がないのだと思うのですけれども、一律共通の基準でどういうふうに考えるかという組み立て方をしており、これは、まさに条件整備に向かうときの哲学の違いだと思うのです。この哲学の違いに数で闘わなきゃいけない苦しみというのは、本当に大変なお仕事だと思うのですけれども、少しでもニーズや困り感の積み上げの予算を何とかお認めいただけるようにお願いしたいと思います。
  以上でございます。
【小川分科会長】  最初の質問については、後で総括のときにお答えいただきます。時間がありませんので、申し訳ありませんけれども、発言者は発言時間について御配慮いただければと思います。
  では、どうぞ小室委員。
【小室委員】  ありがとうございました。先ほど参考資料2-3を御説明いただいた件につきまして、今、貞広委員からもありましたように、本当に内実に合わせた主張がしっかりと伝わるような形になっていただきたい。特に特別支援学級に教員がますます必要になっているのに、財務省の資料ではそういった状況がわからないグラフで表現されてしまって、教員数は増えていて、児童生徒数は減っているというプレゼンテーションがより広報されてしまっている状態というのは、非常に危機感を覚えています。ここ一、二年で特別支援学級のきめ細かさはすごく充実したなと思っていまして、特別支援の指導内容も非常にきめ細かくて、大変感動しております。対象の児童生徒にとって生活を改善することにつながっている、効果が上がっていると思っています。しっかり主張をお願いします。
  一方で、そう簡単に教員の数が増えない中で、教員の仕事自体を見直すということについても、もっとダイレクトに何かできないのかということも感じています。教員数を増やすことが重要という主張を続けるとともに、具体的に教員の仕事を減らす取組も発信していかれるといいのかなと。
  私は本業のコンサルティングで今小学校に入っているものですから、その方たちの問題意識、先生たちのいろんな課題を出していただく付せんを見ると、「教員免許が必要ない内容の仕事に大半の時間を使っている」と。せっかく教員になったのに、教員としての仕事以外の仕事が非常にあるという嘆きをかなり聞きます。イギリスが98年に出したように、教員がやるべきでない仕事というものをしっかりと出して、分担を急いでいくということも一方でやりながら、教員の数をしっかり確保していくというプレゼンテーションをされると、より説得力が高まっていくのではないかと思っております。
  それからもう一つは、資料3-1の児童の問題行動等に関する調査速報値につきましてです。これはニュース等でも拝見しまして、小学校低学年で暴力行為が増えているというのは非常にショッキングな結果でした。これは、今は速報値ということなので、結果のみの共有ということになると思うのですが、これは原因をどういうふうに分析されているのかということであったり、それをどう対象につなげていくのかというところだったりが最も気になります。
  今のところ、こういうふうに分析していますというのがあればお聞かせいただきたいんですけれども、かつてからあった理由以外に、ここ数年でぐっと低学年で増えているということには何かしらの分析が必要ではないかと思っております。今後、それをどういうふうに対処していくのかに関して、今後のこうした委員会でできる限りきめ細かに共有していただければと思います。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。田中委員どうぞ。
【田中委員】  お2人の委員からお話がございましたけれども、私も同じように財政審に係ることで発言をしたいと思います。
  参考資料2-3でございますけれども、今、様々な問題を抱えた子供が増えている学校現場の現状を考えますと、子供の数が減っているから、その分、教員を減らしてよいという単純な話ではないと思うのです。まず、それを申し上げておきたいと思います。
  それから、24ページになりますけれども、財政審では教員の量よりも質を高めるべきと主張されておりますけれども、もちろん教員の数を増やすことだけを求めているわけではありません。質の向上も重要であると認識をしておりますが、量か質かという対極的な議論ではなく、学校現場の現状を踏まえて一体的に考えていく。そのように私は思います。
  それから、この財政審の資料なのですけれども、これを見ますと、これまでの中教審の教育再生の方向性を踏まえた議論や学校現場の実態を、極端なちょっと乱暴な言い方をすると、何ら踏まえていない、反映されていないという感じがいたします。そういうことを踏まえますと、教育改革に見合う教育予算の充実をせずに、これ以上多忙化を極(きわ)める学校現場の努力に頼ることは限界であると申し上げておきたいと思います。
  以上です。
【小川分科会長】  続けていきます。安藤委員、梶田委員、若江委員という順で。
【安藤委員】  ありがとうございます。3点ありますので、簡単にまとめながらいきたいと思います。
  一つ目ですが、広域通信制高校の実態調査につきまして、資料2-2のところですけれども、私が関係している発達障害と言われる児童生徒の中には、広域通信制高校を進学先に選ぶ子供たちが増えています。その附属というか、関連の中学校もございますので、その中学校を選択して、きめ細かい指導が受けられる、ニーズに応じた教育を受けられるという希望を持って入学していきますが、例えば資料2-2の8ページで指摘されていますが、(3)のサテライト施設の展開状況、運営実態の中で、枠の中の上から2番目ですが、「学習指導要領に基づいた指導が行われているのか、各教科の教員免許状を取得している者により指導が行われているのか」。この当たり前のことが行われているかどうかということに疑問を持つような例を私自身見ております。ですから、是非この調査をこれからも継続していただいて、改善すべき点をきちんと改善していただきたいと思います。それが1点です。
  2点目は学校図書館の整備充実についてというところですが、これは今まで言われながらも、なかなか進んでいかなかった部分じゃないかと思います。更に充実をしてほしいのですが、司書教諭ということではなくて、図書室に行くと常にだれか人がいるという状況。もちろん司書が望ましいのですが、そこまで一気にいくことは難しいと思いますが、だれかがいる状況というのを是非早期に作っていただきたいと思います。
  なぜかと申し上げますと、2点例がありますが、1点目は、私がアメリカのシリコンバレー近くの公立小学校とか、東部のシカゴ近郊の公立小学校で実際に見てきた例ですが、私の専門は読み書き障害ですので、読み書き障害の子供がどのように学校図書館を利用して、読み書き能力を向上させたかという実践をやっている学校に行ってみました。
  そうしますと、そこには読みの能力に応じた学習プログラムがパソコンの中に組み込まれていて、子供たちは時間になると、そこへ行って自分で操作をして、読み能力を向上させるようなプログラムをすることができる。あるいはそこでつまずくと、そばにいる司書がアドバイスをしてくれる。あるいは司書じゃなくて、地域の住民がボランティアでやっている例もあります。
  その学習プログラム以外にも、図書室にある書籍はみんなラベリングがしてあって、例えばですが、7段階の虹色になっていて、自分の読みレベルに合ったカラーの本を選ぶと、読めるようになる。そこが読み終わるとチェックをしてもらって、次の段階にいく。レベルを上げていくことで、子供たちは読み能力を向上させているという例を見ています。
  そして、あとはさらには読み聞かせを常時やっていたりしています。非常に効果が上がっているなと感じています。
  それからもう一つ横浜市の例ですが、常時人がいるということのメリットということですが、横浜市ではここ数年の間に、学校司書の資格があるかないかというのは別問題ですけれども、人が常に学校図書館にいるという状況を作っています。そうすると、図書室に入っただけで、既に今までと違った図書室が展開されています。そして、環境だけではなくて、子供たちの読書に対する取組も本当に変わっているというのが実感されます。是非、常時人がいるという状態を目指して、学校図書館の整備をしていただけたらと思います。
  最後、三つ目ですが、特別支援教育のためにこれだけの教員の加配定数のことを挙げていただいて、私の立場としてはうれしいなと思っています。ただ、一つここに、量的な面だけではなく、質的な面があるということも文科省としてアピールしていただきたいと思います。
  例えば参考資料2-3の11ページを御覧ください。今、通級による指導というふうに呼びますが、通級による指導のニーズが大変増えていますし、文科省も通級による指導をできるだけ推進していくというふうに政策を打っていらっしゃると思いますけれども、拠点校方式とか、校内通級とか、様々なタイプがありますし、自治体によって呼び方も通級というふうに呼んでいないところもありますし、あるいは特別支援教室というところに通級指導を関係させようという自治体もありますし、様々ですけれども、そこにある取り出し「授業」によるという一番上の文言ですが、通級指導は取り出し指導だけをやるところではないというのが実態です。
  法的根拠は別としても、実態として通級指導をしている先生というのは、通常の学級の先生よりも特別支援教育の専門性を持っている教師です。平成5年に制度化される以前から通級指導教室は様々な自治体で、主に言語を中心として行われてきましたが、そのような先生たちの中には、例えば通常の学級で困っている、読み書き能力の問題を持っている子供たちに対する適切なアドバイスができる先生もたくさんいらっしゃいます。そういう先生は拠点校方式により、あるいは校内通級により、様々方法はありますけれども、通常の学級の先生に対してのアドバイス、コンサルテーションを行うという役目を担っている実態がたくさんあります。
  それによって何が起こるかというと、通常の教育の内容が変わっていく。つまり授業改善が行われたり、学級経営が改善されたりしています。実際にそういう成功例を私はたくさん見ておりますので、通級指導というのは発達障害に対する学習支援に間接的な役割を持っている。直接的もありますが、間接的な役割を持っているということを是非強調していただきたいと思います。
  更に付け加えると、11ページのSTのところに言語障害、聴覚等というふうにありますが、諸外国ではSTが発達障害の子供の学力向上のために、あるいは読み書き能力の向上のために支援をしているという実態もありますので、医療的な問題だけではなくて、発達障害という言葉をそこに入れていただけたらうれしいなと思います。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  あと4人いらっしゃるので、予定の4時を少しオーバーするかもしれませんけれども、その辺は御了解ください。あと、時間がありませんので、これからの発言者は発言時間について御配慮いただければと思います。梶田委員どうぞ。
【梶田委員】  では、簡単に2点だけ。一つは、広域通信制の問題です。これはうまくいっているところもあるのですよ。通信制だけが悪いというわけじゃないので、本当によくやっておられるところもある。しかし、非常に問題があるところもたくさんあります。
  私は大阪府の私立学校審議会の会長を14年ぐらいやらされているんですが、大阪府の私立学校審議会は、委員の方々が広域通信制の問題に非常に熱心に取り組んでこられまして、例えば新たに認可するような場合も必ず小委員会を作りまして、例えばこういう人を具体的にどういうふうにするのだということを申請者から聞き取り調査をしながら、そのやりとりの中でいいかげんなことができないようにしていく。それから同時に、これは認可しても、毎年、事務局から立ち入り調査していただいて、まずい点があれば指導もする。それも聞いてもらえなければ、認可を取り消しするという条件で認可する。これが大阪のこれまでやってきた一つです。
  もう一つ、広域通信制が大変なのは、本部がよその都道府県にあるものが、例えばサポート校ということで、大阪でいっぱい展開しております。これを実は大阪の場合、全部監視しようと。法的には人の権限がなかったりするわけですが、大阪の子供は大阪の教育関係者で守らなきゃいけないという、これが私立学校審議会の委員の方々のお考えです。
  具体的に言いますと、新聞広告、それから家庭に配布しているビラ、いろんなサポート校がうちに来ると、高卒の資格がいくらで取れますよという、いかにも高卒の資格を金で売っているような、しかもそこが責任を持ってやっているわけじゃないというか、よそに本部があってという、こういうところは全部指導に行ってもらっています。事務局から必ず行ってもらっています。そういう情報をつかむと。
  そして、もちろんその本部のあるところにも連絡をして、しかるべくやりますが、大阪の場合は直接にも、そういうところについてそこは不法であるとか、あるいは教育的に非常にまずいということについて、大阪府の私立学校審議会と私学課の両方の名前で指導を入れるということを、ここのところずっとやっております。これは非常に熱心な委員の方が数人おられて、うまくいっておりますので、各都道府県の私学担当課にも文科省からそういうことにつきましても、一つ行政実例ですから、御指導いただけたらと思っております。
  もう一つ、最後にありました財務省に対する文科省の非常に粘り強い働き掛け、これははっきり言いますと、教育が生きるも死ぬも、教育は人なりですから、人がいなきゃどうにもなりません。これは是非これで頑張って、非常に形式論で、あまり実態にそぐわないような論で人減らしを、確かにお国の財政事情がありますから、理屈はどうあれ金を削りたいというのは分からんでもないけれども、これでやっていたら日本の学校教育は崩壊します。是非頑張ってほしい。
  ただ、これで一つだけ申し上げておきたいのが、次の指導要領の答申も出ておりませんし、告示もされておりませんので、次の年度の予算要求に上げるわけにいきませんが、次の予算要求の場合には新しい指導要領を実施するために、例えば小学校の英語担当の先生方、これは再教育もしますけれども、外からもお招きしなければ、あるいはALTを入れなきゃできません。
  ですから、例えばそういうことも新しい要素が入ってくる。それを是非国の、例えば今、人口減少の中で、日本のこの経済規模を保つためには、簡単な話、今、外国人労働者もいろんな意味で規制緩和して入れざるを得ないです。その子供をどういうふうに学校で面倒を見るかというのは、今日も出ておりましたが、これは不可欠な話です。
  もう一つは、そういう中で、日本の子供たちも英語を武器として最低限の国際的なつき合いをやらなければ、この経済規模が保(たも)てないわけです。これはアベノミクスを始め、お国の全体的な計画の中で言われているわけですから、それを学校で本当に支えるためには人が要るのだと。子供が少なくなればというわけにいかないのだということを是非強調してほしい。
  もう一つそれに関連して、今、先進諸国では教育費を増やしているのです。なぜか。それは知識基盤社会とか知識の爆発と言われるように、学校で教えないといかん中身が増えているのです。しようがないですね。ですから、大事なことは、どこでも増えている。そうすれば、それを担当する人も、あるいはそれに関わるお金も増えるのは当然でしょというのが、先進諸国の共通の理解だと思うのです。安上がりで日本の国の、あるいは社会の10年後、20年後、30年後を担保することはできないわけですから、今の御努力、本当に私は多といたします。是非この方向で頑張っていただきたいと思います。
【小川分科会長】  あと3人いらっしゃるのですけれども、申し訳ありませんけれども、一言ずつでよろしくお願いいたします。次の予定が入っている方もいらっしゃいますので。
  では、若江委員。
【若江委員】  私、学校運営協議会の委員を幾つかさせていただいているので、現場の声を簡潔に2点お伝えしたいと思います。
  1点は、安藤先生からもお話がありましたように、図書室にだれかがいるべきだということについては、多くのケースでは、地域本部で図書ボランティアみたいな方が結構活躍をしておられますので、逆に言うと、そういう地域ボランティアの方々への専門的な教育みたいなものも一つの方向であると思います。
  もう1点は特別支援とか不登校のことなのですが、不登校の要因で、先生方は学校を挙げていろんな手だてを組んでおられて、それは子供たちと触れられれば、いじめとか暴力、自殺の抑止につながっていくと思うんですが、問題としては子供が会いたくないという場合もあれば、親が子供に会わせないということが比較的多いという現状を聞いております。つまり親の教育というか、問題の問題というのが非常に大きくなってまいりますので、それこそ小室委員がおっしゃいますように、これは教員が担うべきことではないはずですので、チーム学校等の専門家の連携体制、つまり社会教育とのいい連携が不可欠ではないかと思っております。
【小川分科会長】  吉田委員。
【吉田委員】  ありがとうございます。まず1点、今回の財政審の件なのですけれども、これは私は毎年のことながら、何でこんなくだらないことを言われなくてはいけないのかと。昨年もあったわけですけれども、国が総理大臣の下、教育再生実行会議を開いて、経済財政の再生とともに教育再生というものを言っているくせして、ここでまた教育費を削減するみたいな教員の定数削減と。先ほど梶田委員からもお話がありましたけれども、今度のカリキュラムが変わることによって、どのぐらい教員の負担が増えるのか。また、既に小学校、中学校はアクティブ・ラーニングとかどんどん進んでいます。そういう中で今度、高等学校にも入る。
  その根底にあるものは、今のままだったら教員はかわいそうだと思います。特に私は私立ですから、これは余計な話かもしれませんけれども、公立学校の朝早くから夕方まで子供がいる限りは、教員に全ての責任があるみたいな日本の自己責任のない社会、これを変えない限りは教員の負担というのは減るわけがないと思っているのです。それに更に人数を減らして、負担を増やすというのはいかがなものかと。文科省には特別支援教育、外国人教育なんて当たり前のことですけれども、財務省に、あの方たちは、実態を知らないのだったら是非教えてあげていただきたいという思いがいっぱいでございますし、我々から言えといえば、いくらでもお手伝いにまいりますので、是非強く出ていただきたいと思っています。
  それから、通信教育の件につきましてですが、これは先ほど貞広委員からお話があったように、通信教育の本来の目的というものがずれてきているのは事実です。この15年来、先ほど梶田委員からお話がありました私立学校審議会の全国の審議会があるのですが、全国の審議会で文科大臣を始め文部科学省に対して、毎年、通信教育制度について要望書をお出ししていました。ところが、一切取り合っていただけなかったのですが、ようやく3年前に、高大接続の部会で初めて通信教育がまずいということが言葉として出てまいりました。そう言っていたところに、ウィッツ青山の件が出てきたというのが実態です。
  ですから、先ほどの大阪府じゃないですけれども、資料2-2の最後の表にありますように、株式会社立が全くない県とある県、それから最近、認可されているところと認可されてないところ、これは時間がないので詳しく申し上げませんけれども、是非皆さんに御覧いただきたいのは、Nという高等学校のホームページを見てみてください。これは通信制高校なのに、実際に年間5日間で学校が卒業できるのだと。
  そして、沖縄県にあるのですけれども、実際、今度通学コースをこの4月から始めて、それは東京と大阪です。そして、塾とか予備校とくっついて東大進学専門コースとか、それに並行して、高等学校の勉強は夜3時間ぐらい通信をやればいいと。それ以外は予備校や塾で勉強して、そして東大を受けましょうという宣伝が堂々と出ているのです。
  これ実はウイッツ青山の件が出るまでは、6万円で高校卒業ができますという宣伝だったのです。それはなぜかというと、就学支援金を利用した1単位四千七百いくらですか、もらえるから、それでできるのですよと言っていたのですが、それプラス、沖縄県にありながら東京や大阪や名古屋の専門学校で別の資格を取って、それがそのままキャリアになって就職できますとか、そういうふうになってきている。
  通信制高校の本来の目的、いまだに教育基本法では通信制、定時制は勤労青少年のための学校です。そして、勤労青少年のための学校と言いながら、全く意味も違うし、先ほど貞広委員のおっしゃったようないろいろな問題を抱えた子供たちの受皿である学校でもある。そういう本当にいい学校が確かにあるのです。その学校がかえって首を絞められるようになっているという実態を是非お分かりいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【小川分科会長】  では、最後、鶴羽委員一言でよろしくお願いします。
【鶴羽委員】  私は質問です。これからの学校図書館の整備充実についてのところで、「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニングの視点からの学び)を効果的に進める」という文言がありますが、これはだれが、どこで、どのように行うものなのか。図書館というと、静かに本を読むというイメージがありますので、ここにアクティブ・ラーニングの視点を入れるというのは本当に素晴らしいと思うのですけれども、これは具体的にどういうふうなことなのかをお聞かせいただければと思います。
  以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
  予定の時間を10分過ぎているのですけれども、基本的に三つの質問が今来ているのですが、今この場で簡潔にお答えできるところはお答えいただいて、次回はたしか12月に予定されておりますので、必要であればそちらの方で御報告いただくということもあるのですが。三つの点については貞広委員の質問と小室委員と、そして今の件、簡潔に。
【常盤木教育制度改革室長】  貞広委員からの御質問でございますが、株式会社立から学校法人立の高等学校となったのはこれまで7校ございます。
  以上です。
【小川分科会長】  いいですか。また必要であれば12月に予定していますので、そこで改めて時間を取りたいと思います。
  小室委員の件については、担当の方から何かあれば簡単によろしくお願いします。
【矢野財務課長】  財務課長でございます。参考資料2-3の5ページをお開きいただきたいと思います。先ほど文部科学省の見解として出させていただきましたものでありますが、先ほどイギリスの例を小室先生は引かれましたが、5ページを御覧いただきますと、イギリスは実はPT比、先生と子供の比率は小学校で20.8で、これは日本の17.4より一見悪いように見えます。しかしながら、5ページの2013年のフルタイム換算、Teacherというところを御覧いただきますと、教員の数が45万人。これは日本では69万人ぐらいです。69万対45万。イギリスは日本より人口は半分ぐらいで、義務教育は11年制ですから、単純比較にはならないのですが、そういうことです。
  そのほかに実はTeaching Assistants、これはフルタイム換算で24.4万人、School Support Staffは22.7万人ということで、授業の準備とか昼食時間の食堂やグラウンドでの監督、指導を行います。こういった日本の学校にはない特徴がイギリスの学校にはあります。ちなみに、その他のスタッフ、日本はフルタイム換算するとなんと3.6万人ぐらいです。つまりイギリスのように、教員以外の専門スタッフに教員が担う必要のない仕事を託すというところが日本にはないというのが、イギリスと日本の教員の在り方の根本的な違いかなと感じております。もちろんできるだけいろんな業務が軽減できるように、この辺の予算もしっかり取ってまいりたいと考えているところでございます。
【小川分科会長】  小室委員の質問は、基本的には小学校低学年で暴力行為が増えているのはなぜか、その対策をどう考えているかというような内容だったと思います。申し訳ないのですけれども、10分以上過ぎていて、私もそうですけれども、次の会議の予定等が詰まっていますので、アクティブ・ラーニングの件と小室委員が提起された小学校低学年の暴力行為を含めて、問題行動に関わる調査データをどう読み込むかという話は次回の初中分科会で事務局から御説明頂くということで、この件は措置させていただいてよろしいでしょうか。すみません。
  申し訳ありません。進行の不手際で10分以上時間をオーバーしてしまいましたので、おわび申し上げます。
  この辺で今日の分科会は終了したいと思いますけれども、次回以降の予定について事務局から説明をお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】  次回につきましては、12月16日金曜日10時からを予定しております。正式な案内につきましては追って連絡させていただきます。
【小川分科会長】  次回は12月16日金曜日10時からということですので、よろしくお願いいたします。
それでは、今日の議題は全て終了しましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

 ―― 了 ――

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