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初等中等教育分科会(第105回) 議事録

1.日時

平成28年5月26日(木曜日)10時~12時

2.場所

三田共用会議所 講堂(東京都港区三田2-1-8)

3.議題

  1. 第2次学校安全部会の推進に関する計画の策定について
  2. 教育再生実行会議第九次提言について
  3. 高等学校における特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議報告について
  4. 高大接続システム改革会議 最終報告について
  5. 広域通信制高校の教育運営改善緊急タスクフォース取りまとめについて
  6. 次世代の学校指導体制強化のためのタスクフォース中間取りまとめについて
  7. 第3期教育振興基本計画の策定について

4.議事録

【小川分科会長】   おはようございます。ただいまから第105回の初等中等教育分科会を開催いたしたいと思います。

最初に配付資料について事務局から説明をお願いいたします。

【今井教育制度改革室長】  失礼いたします。それでは議事次第に基づいて御説明させていただきます。

本日は、審議案件1件、報告案件6件でございます。

配付資料につきましては、資料1-1、1-2、1-3がございますが、これは第2次学校安全の推進に関する計画の策定についての関連の  資料でございます。続きまして、資料2-1、2-2、これは、教育再生実行会議「第九次提言」についての御報告に関係する資料でございます。続きまして、資料3-1から3-3、これは高等学校における特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議の報告に関する資料でございます。続きまして、資料4-1、4-2につきましては、高大接続システム改革会議「最終報告」についての資料でございます。そして、資料5-1から5-3、これにつきましては、広域通信制高校の教育運営改善緊急タスクフォース取りまとめについて、でございます。そして、資料6-1から6-3につきましては、次世代の学校指導体制強化のためのタスクフォース(中間まとめ)についてでございます。そして、最後に資料7-1から7-4、第3期教育振興基本計画の策定についての課題の資料でございます。

なお、本日、参考資料1といたしまして、初等中等教育分科会委員名簿を付けさせていただいておりますが、この点、羽生委員が本年4月 1日付で国立国会図書館長に御就任されたことに伴いまして、3月31日をもって中教審を御辞職されておりますので、その旨を変更させていただいたものでございます。

また、参考資料2といたしまして、今月10日に発表させていただきました文部科学大臣メッセージ、教育の強靱化に向けて、を配付させていただいております。

事務局の方からの説明は以上でございます。足りない資料等がございましたら事務局までお申し付けいただけたらと存じます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

本日は、報道関係者より会議内容の録音などを行いたい旨の申出がありましたので、これを許可しておりますので、御承知おきください。

また、今日は会場の都合で、机上のマイクについてはお2人で1つ使用するということになっておりますので、その点は御容赦ください。また、発言の際には、マイクのスイッチを押してからお話しいただけますようよろしくお願いいたします。

今日は、先ほど事務局から説明がありました通り、最初に第2次学校安全の推進に関する計画の策定について、これについて事務局から説明いただいた後に40分前後、少し時間をとってその内容について皆さんからの御意見を賜りたいと思います。よろしくお願いします。

その後については、報告案件が6件ほどありますので、これについては、1件1件案件の説明の後に質疑応答というのは時間の都合上できませんので、最初に報告案件については事務局から一括して6件ほどまとめて報告していただいた後、30分ぐらい時間をとってその報告案件についての御質問や御意見を伺うという、そのようなスケジュールで今日は進行させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

それでは、最初に、第2次学校安全の推進に関する計画の策定について、健康教育・食育課の和田課長より説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【和田健康教育・食育課長】

健康教育・食育課長の和田でございます。御説明申し上げます。

本題に入ります前に、この学校安全に関しましては、昨年9月まではスポーツ青少年局学校健康教育課で担当しておりまして、中教審で言いますとスポーツ青少年分科会の下に学校安全部会がありましたけれども、組織再編に伴いまして、初等中等教育局健康教育・食育課になり、中教審も初等中等教育分科会の下に学校安全部会を置くという形になりましたので、最初に御説明を申し上げます。

本題に入らさせていただきます。資料1-1から1-3でございます。第2次学校安全の推進に関する計画につきましては、4月の総会におきまして文部科学大臣から諮問がございました。資料1-1がその諮問文と諮問理由でございます。具体的な検討課題等について御説明申し上げますと、資料1-2を御覧いただければと思います。

資料1-2、これは現在の学校安全の推進に関する計画、これの概要でございます。これが策定された背景でありますけれども、学校保健法が平成20年に改正されまして学校保健安全法となりまして、安全に関する条文が追記をされたところであります。同法におきまして、学校における教育活動が安全な環境において実施され、児童生徒等の安全の確保が図られるよう、学校における安全管理等に関して必要な事項を定めたものでございます。そして、法3条で国は学校安全の推進に関する計画を策定するとされておりまして、この計画は、平成24年4月の閣議決定でございます。5年間の計画ですので、つまり今年度までということになりますので、昨今の状況を踏まえつつ、第2期の計画を策定するという見直し作業が必要となってくるわけでございます。

東日本大震災の経験等を踏まえまして、この計画に基づく取組を着実に進めてきましたけれども、防災教育の重要性の認識が高まって、地域の関係機関と連携し、先進的な取組が進められた地域や学校がございます。一方で、取組が未だ十分ではないような地域、学校も引き続き見受けられます。震災から5年が経過しましたけれども、記憶が風化して取組の優先順位が低下するといったことも危惧をされているところであります。また、震災のときに避難所となった学校の中で、学校支援地域本部を設置していた学校では混乱が少なかったといったような調査結果もございますので、こういった経験も踏まえた取組を行う必要があると考えております。

震災時、災害時の対応を円滑に進めるためには、日頃から学校・家庭・地域が密接に連携した学校安全の体制を構築しておくことが極めて重要であります。学校・家庭・地域の連携、協働の推進に関しましては、昨年12月に取りまとめられました中教審の3答申に基づきまして、文部科学省におきましては「次世代の学校・地域創生」プラン、これを策定しておりまして、学校安全に関しましてもこのプランに基づいた取組、連動した取組を進めることが必要であります。

資料1-3を御覧いただければと思いますけれども、現在の計画策定以降も学校における活動中の負傷、疾病の発生件数、これが一時期よりは減って来ましたけれども、最近では約110万件で横ばい状態にあります。それから、登下校中に事件・事故に巻き込まれる事案が依然として発生をしているのは御案内の通りかと思います。家庭や地域、関係機関との連携した対策を着実に実行するということが求められているということであります。

加えまして、スマートフォンやSNSの普及による児童生徒等を取り巻く安全に関する環境の変化、更には学校を標的とした新たな危機事象、こういったものも懸念されておりますので、こうした状況を踏まえた新たな視点からの取組も必要となっております。

安全教育におきましては、児童生徒等が自らの命を守り抜くために主体的に行動する態度の育成や、安全で安心な社会作りに貢献する意識を高めることを視点として、災害安全、生活安全、交通安全の3つの領域を網羅した安全教育を効果的に行うことが引き続き求められております。現在、平成26年11月20日の「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」の諮問を受け、学習指導要領改訂に向けた審議が中央教育審議会において進められており、安全教育についても同諮問を受けた形で議論をなされているところであります。

資料1-3の3枚目でございますけれども、この学習指導要領の議論の中では、各学校において安全に関して教科横断的な視点を踏まえて教育課程を編成し、学校内外の様々な人的・物的資源等を効果的に組み合わせて教育活動を行い、その状況を評価し、改善を図っていくということで、このカリキュラム・マネジメントの実現の重要性が指摘されております。このカリキュラム・マネジメントの表に安全教育を当てはめると防災を含む安全教育はこのような形になりますけれども、こういった議論も踏まえながら安全教育の在り方についての検討が必要という状況でございます。

更に、自然災害や事件・事故災害が発生した際に、児童生徒等の命を守るためには、全ての教職員が協力し合って的確に対応する必要があります。児童生徒に対する安全教育の充実を図るためには、教職員自身が自然災害等の安全に関する知見等、指導すべき内容を明確に把握しておくことが必要になります。このため、安全教育、安全管理を適切に行うために必要な組織体制の在り方とともに、教員養成段階で身に付けるべきこと、あるいは教員研修の在り方についても検討が必要となっております。

以上、諮問文を中心に必要な点について御説明申し上げましたけれども、本分科会に先立ちまして4月に諮問をさせていただいた際の総会におきましては、例えば、校舎の建て替え、老朽化対策について。また、地域協働本部等の構想が進む中で、それらの学校安全に関する計画であれ、あるいは対策、こういったものを確実に位置付けるべき。あるいは、その学校安全推進計画の策定率100%に向けた御意見。また、教員のITを活用した働き方と教員の負担軽減がひいてはその学校安全につながるといった御意見。また、危機管理マニュアルの策定、学校安全計画の策定について、私立学校も含めた充実、徹底ということの御意見等を頂いてございます。

6月から学校安全部会をこの初等中等教育分科会の下で開催させていただきますけれども、今申し上げたような総会での御意見、それから本日頂戴する御意見、これらを踏まえまして年度内にしっかりと議論を重ねていく所存でございます。

以上、少し長くなりましたが、御説明申し上げます。ありがとうございました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

あと、資料1-2には、現在策定されています学校安全の推進に関する計画の概要が資料として配付されています。現在のものは、平成24年度策定で28年度までの5年間のものですので、これを踏まえつつ次期の学校安全の推進に関する計画を策定するということになっております。それで、今、事務局から説明がありましたとおり、6月から初中分科会の下に設置される学校安全部会においてこの内容については審議することになっております。その学校安全部会で審議に向けて、初中分科会の委員の方々からいろいろな御意見、また要望等をお伺いできればと思います。

それでは、三、四〇分これから時間をとって皆様からの御意見を賜りたいと思います。どなたからでも構いませんので、どうぞ。発言の際には、恐縮ですが、机上の名札を立てていただければと思います。よろしくお願いいたします。

小原委員、どうぞ。

【小原委員】  安全といった場合、少し抽象的であるので、もう少し具体的に身体的なものとか分けていくことが必要となります。さらに今社会で問題になっているのがサイバー上の安全性です。それに対して子供たちと学校の安全性が確保されているのかというのは、この学校の課題として考えていくべきです。是非どこかにサイバー攻撃からの安全、子供たちを守るということも審議に入れると良いと考えています。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

その点については、現在策定されている計画の中でも情報社会への対応という項目の中で議論をされているかと思います。

福田委員、どうぞ。

【福田委員】  ありがとうございます。

ここに書かれていることは何一つ文句があるわけではないですが、小学校の校長をしておりますと、学校管理下の事故というのは非常に、何ていうのだろう、いつも頭から離れない、気を使っている事項の1つなんです。この学校管理下の事故は増加傾向とありますが、一言で言うといろいろな要因がその中には含まれていると思います。

どこで言って良いのか分からりませんが、色々な公園の中からシーソーが消え、ブランコが消え、今、小学校でも私が管理職になってからもブランコの撤去などを行っています。それは事故の統計とかが出たり、それが報道されることによって保護者とかも非常に敏感になっていきますから、そういうものは事故の統計から出ると撤去。今いろいろ校長たちが頭を悩ませているのは、例えばその組体操、運動会でどうするかとか、そういうような中で、安全最優先なので、統計として数字が出れば校長たちはそこに対して撤去とかやめるとかという選択肢にどんどん追い込まれていくわけです。ただ、その事故の中には、子供たちが成長するのに必要な体を作るために自然に遊びの中で身に付けていくとか、教育の中で身に付けていくために通るべき、何ていうのだろうな、過程を含むと思います。ですから、安全のために全ての成果も撤去していくというのかな、なくしていくということが現場にいて非常にもどかしい思いがあります。ですから、そのデータのとり方とか出し方とか、また報道の仕方によってどんどん子供たちは自然の中で育っていく力が弱くなっている現状があるということもどこかに念頭に置いておく必要があるように思います。

教員たちもいろいろな体育で跳び箱、今の子供たちがどんどん弱くなっているのも現実で、跳び箱で開脚飛びをしようとして両手をぱんとついたら手首を骨折するとかね、それはいろいろな状況の中で子供たち自身もそういう力が弱くなっている。また、安全対策のためといってそういう環境が、どんどん弱くなっていくような環境が促進されている。何か人類の退化を食い止める最後の砦は学校なのではないかと思うようなときもありますが、安全最優先なのは分かっているのですけれども、そのデータのとり方、どうやったって事故は起きるのですから、それをどういうふうに最小限に抑えつつ、子供たちの成長をより促進するためとの兼ね合いを考えていくという視点を持っていきたいものだなと思っています。

以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

では、その後は田中委員、そして鶴羽委員お願いします。どうぞ。

【田中委員】  それでは、私から老朽化が進む学校施設の安全確保について一言申し上げたいと思います。

現在学校におきましては、建物自体あるいはつり天井の耐震化は結構進んでいると思います。しかしながら、非構造部材の耐震化がまだまだ十分とは言えない状況にございます。そう考えますと、いつその地震が起きるか分からないという状況の中で、本計画の中、次の計画の中に国の学校施設整備予算の大幅な拡充という、そういうような項目といいますか、記述をしっかりと盛り込んでいく、あるいは策定していくということが何よりも大切だろうと考えておりますので、その点をお願いしたいと、そのように思います。

以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

鶴羽委員、どうぞ。

【鶴羽委員】  私も今、福田委員のお話を聞いて、ちょうどこの春から運動会で組体操が廃止となりました。理由は子供の怪我ということだったんですけれども、保護者の立場から言いますと、この防災教育と安全教育というのは、今まで学校からの情報では分けてあったのですけれども、これを拝見して、それを一緒にやっていこうというようなことなのかなということを感じましたが、この資料1-1のところにある最後のところです。「児童生徒が、自らの命を守り抜くために必要な資質・能力を身に付けること」とあるんですけれども、これはどうやったら、この時代の中でけがをしないように、危険なことをさせないように大事に子供を育てている保護者が本当に多いんですけれども、困るということがない中で育ってきた子たちに、命を守る、命を守るということは困ったときにどうするかということだと思うのですけれども、そういう機会をどうやって提供していくのかなというところはお伺いしたいなと思います。

実は、東日本大震災の後に、北海道でもほとんど防災教育イコール火事の避難訓練でした。ところが、太平洋沿岸では、北海道は500年おきに津波が起きているという統計が出て、100年を切ったということで、東日本大震災の後にほとんどの海沿いの学校では津波による避難訓練も行うことができましたが、もし津波が起きたときに避難所でどう命をつないでいくのかというところが話し合われました。そこで1つ授業として海沿いの子供たちに避難所体験をさせようということで授業をやったときに、学校側と実現できなかったことが、真冬を想定した体育館で一晩過ごすということでした。その中で言われたのが、子供の体力が持たないということと、風邪を引いたらどうするのだということでした。でも、実際もしそういうことが起こったら、ガスもない、暖房もない中で子供たちが一晩命をそこでどうつなぐのかというようなことは、体験をする中で物を使う工夫というものが生まれます。そういったところをやろうとしても学校はできないと思いました。そこのところをどういうふうに捉えるのかというところを、どのように考えているのかということを教えていただけたらなと思います。

以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

他にいかがでしょうか。天笠委員、どうぞ。

【天笠委員】  失礼いたします。御提案のこの趣旨と、それから、こういうことについて検討を図っていく、深めていくということについて、基本的に大賛成であります。

それで、それに当たって、検討の過程でお願いしたいことの1点として、この今のプリントにも、例えば資料1-2にもあるのですけれども、安全教育ですとか、安全管理ですとか、あるいは先ほどもありましたように防災教育ですとか、あるいは昨今ですと危機管理ですとか、ある意味で、この種のことについて用語が非常に出ていて、用語のレベルからいくと非常に混線していたりですとか、混乱しているような状況というふうに私は認識しておりまして、それをもう一度、この際ですので、ある程度体系的に整えていただいたりですとか、整理していただくようなことというのもその中でお願いしても良いのかなと思っております。

もちろん法令の用語であったり、いろいろな歴史的なそういう経過があっての1つ1つの概念であるということは理解しているのですけれども、今日の学校の安全の確保というのは、そういう視点からの体系性の確保とか整備というのもまた非常に大切になってきているのではないかなと思います。非常に言葉が混在していて、それが場合によっては安全を危うくする可能性を持っていたりとか、あるいは安全に向かう集中的なある意味ではエネルギーを分散させたりですとか、そういうことになっていないかどうか。あるいは、それぞれの言葉で多義的にそれぞれが語られて、結果として非常に問題の、課題の核心が拡散するとか、何かそういう傾向もなくはないのではないかと。事態は一層深刻化しているということからすると、もう一度そういう意味で言うと、こういう学校の安全を確保するのにどういう体系性、構造として一体的に捉えていくということが私どもにとって、多くの人にとってある程度理解がより深まっていく、あるいは共有できる、ということをお願いしたいと思います。それがある意味では学校の体制とか、あるいは学校と地域の体制作りを整えていくとか、そういうことにつながっていく視点になるのではないかと思いますので、是非申し上げたようなところから、一旦交通整理等々も含めて御検討をいただけるとありがたいかと思いますので、よろしくお願いをいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

では、尾上委員どうぞ。

【尾上委員】  尾上です。危機管理マニュアルに関してですが、これまでいろいろ防災訓練とか引き渡し訓練とかとやっていても、保護者はなぜか車で迎えに来るとか、本当に徹底されていないことが多いです。今後まだ検討するということですが、マニュアルの分厚い物を渡すと大変なので、例えば簡易バージョンのものは保護者に手渡せる、地域の人に手渡せるとか、そういったことも併せて検討をいただき、また、学校支援協働本部という設置が併せて大事だと思われますので、本当にこの学校安全教育ということを校内だけではなくてその地域に浸透させる仕組み、先ほど学校支援地域本部が機能しているということをおっしゃっておりましたので、併せてそういったところも一緒に議論でき、またそういう設置を進めていくということを基本的なところで進めていっていただきたいと思います。

以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございます。

では、この後、北條委員、そして若江委員、お願いします。

【北條委員】  ありがとうございます。

今、5人の先生方の御発言を伺いまして、それを踏まえた議論を進めていただければとまず思いました。同時に、私は幼稚園をやっております。ここから徒歩で15分ぐらいのところの幼稚園をやっておりますもので、幼稚園での遊具の問題です。これを幼児教育、あるいは幼稚園教育の段階で少し議論をしていただく必要があるのではないかなと考えております。

いろいろな事故が時々起こるわけでして、その場合にも人命に関わるような事故が起こることも時々、年に何回か起こります。そうしますと、お話にもう既に出ておりますけれども、この遊具は危険だという、そういう、そこまではっきりとした通知ではないですけれども、安全確保の徹底というような通知が繰り返し繰り返し出されてまいります。

私のここ40年の経験で言えば、遊動木という遊具が幼稚園では大変子供たちに人気のあるポピュラーな遊具でした。それから箱型ブランコというのもポピュラーで人気のある遊具でありました。その他にもいろいろありますけれども、こういうものが危険性が極めて高いという、報道等もそういうことがなされまして、私自身はそれには少し違和感をその頃から持っておりまして、使い方の問題だと私自身は思っておりましたので、我が園にも箱型ブランコも遊動木もつい最近までありましたけれども、撤去する気は私自身はなかったんですが、老朽化がひどくなって新しく購入しようとすると、もうどこでも作っていないという状況になるわけであります。こういうことで、いろいろな遊具が実は消えていってしまったんですよね。今、結構目のかたきにされておりますのは普通のブランコです。確かに事故率は高いですね、ブランコというのは。滑り台と並んで死亡事故が時々発生いたしますので、そういう意味では確かに危険なんですけれどもね。でも、そうやって遊具をどんどんどんどん撤去していって本当に良いのかということは、子供の危険回避能力というのを主体的に付けていく上では、私は極めて疑問だと思っております。こういう教育というのは、幼児教育段階がスタートだと思いますので、そこでのスタンスというものをある程度しっかりと議論して、保護者とともに認識を共有していくようなことを幼児教育の現場で確立しませんと、小学校段階、中学校段階、どこへ行ってもこの問題というのはずうっと解決しないままで、事故が起これば撤去する、この繰り返しになってしまうと思います。その点を御配慮いただく、御議論をいただくようにお願いしたいと存じます。ありがとうございました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

【若江委員】  ありがとうございます。

この分野に関しましては、産業界でも非常に大きく取り上げられていて、注目されている分野なのですが、今、福田先生や北條先生からお話がありましたように、学校教育においては、そういう教育的な面からの視点というのがすごく重要だろうなと思いましたし、その1つ1つ、例えば目的1つにとりましても、安全担保なのか、危機管理なのか、天笠先生がおっしゃるように、もう少し整理をして考えないといけないと思います。対象にしても子があり、親があり、地域がありというようなことがあったり、分野についてもソフト面、ハード面ということがあるので、本当に天笠先生の御意見に、非常に通じるところがあるんですが、体系性ということを考えて整理をきちっとしていかないと現場が適切な判断ができなくなるのではないかと思いました。英語で言うとセーフティネットだったり、クライシス・マネジメントだったりというようなことがありますので、そのあたりも視点において考えていくべきではないかなと思っております。

以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

堀竹委員、どうぞ。

【堀竹委員】  ありがとうございます。

私の方からは1つ、この防災計画の場合には、行政と教育現場との連携ということが非常に大きくなると思っています。今、自然環境の変化の中で災害等の多様な危機が迫っている。そうした中で、各学校には防災マニュアルを作るようにということが教育委員会等、行政から指導されています。その指導に従い学校は防災マニュアルを作りますが、作ったら終わりで、それで今済んでしまっていないかという危惧を持っています。こうした状況を変えるためにも、行政の専門家の力を借り、各学校等が作ったものに対してきちっと評価をしていくというようなことで、より実効性のある安全計画が作れないだろうかということを思っているところです。

それから、ここのところ地震とか日本でも大きな災害があって、学校が不幸にして災害の直接的な被害を受けるというようなケースが増えてきています。学校関係者にとっては、耐震基準というのはさほど大きな関心があるものとは思えないところがあります。ただ、基準を満たしているから安全だと思っているところがあります。私自身、この建物はこういう基準で建てられているのかという程度のとらえ方でした。今いろいろな状況が変わっている中で、本当に公的な教育機関の建物の耐震基準というものがこれで良いのかどうかという基本的な部分での議論も必要になりつつあるのではないかと思っております。そういうようなことも含めて今後御検討頂ければ大変ありがたいなと思っております。

以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

そろそろ時間もないですけれども、他にいかがでしょうか。安全教育に関わってきた渡邉委員、どうぞ、最後、よろしくお願いします。

【渡邉委員】  渡邉でございます。前回のこの学校安全の推進に関する計画の策定にも携わってまいりました。委員の皆様の様々な御意見をお聞きしまして、また、これまでやってきたことと今回の第2次の諮問を読ませていただいて感じたことがあります。大臣の諮問の中にも東日本大震災から5年が経過して、震災の記憶が風化し、取組の優先順位が低下することが危惧されますということが書かれていますが、安全の問題というのは常にこういうことがありまして、何か大きなことが起こるとそっちにわっと動くのですけれども、時間がたつとまたそれが低下してしまうということを繰り返しています。これは防災だけではなくて防犯もそうですが、何もないと安全であるという意識がどうもあって、でも実は危険な状態が続いているという可能性もあるわけです。ですから、安全ということが常に確保され、それを維持していこうとする意識が大切だと思います。関係者、それは教員もそうですし、保護者もそうですし、関係者の意識をどうやって維持させていくか、高めていくかということもこの中で少し議論できればと思っております。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

他によろしいでしょうか。市川委員、ではどうぞ、最後、お願いします。

【市川委員】  私も少しこの分野には疎かったというと何か非常に申し訳ないんですけれども、改めて問題提起されてみますと、どこまでをどう問題にするのかということをかなり整理しないと、話がどこまで広がるのかよく分からないなという印象を受けました。

例えば、学校における子供の安全の確保、もちろん大事なことなんですが、ではどういう場合に危険になるかというと、例えば、体に関することだけでもまず体育の時間が危ない。それから、理科ですといろいろな薬品を使ったりしますから、これも危険を常に伴っていると。技術家庭でもいろいろな包丁を使ったり、金槌を使ったり、火を使ったりもしますので相当危ない面があると。それから、給食の時間も危ないと言えば危ない。一体何が起こるか分からない、場合によると死に至るというようなこともあるので、まず、身体に関するものだけでもかなり色々な教科が関わってくる可能性があるので、どこまでをどう議論するのかという整理が必要かなと思いました。

更に心理的な安全ということまで広げますと、これも子供の安全を確保するということであれば心理的な安全は大きいと思うのですが、どの教科の中でも例えば先生が叱責したり、子供同士が何か議論をしたりすることによって非常に傷つくというようなことはいつでも起こり得るわけで、かといってそういうことを全部控えていたら逆にそれを克服していくような力も付かない。休み時間も含めればいじめの問題とか、これも安全確保の問題なのだということになると、話は相当広がり得るのですが、全体としてはどういう問題があって、今回はどういうことを問題として取り上げるのか。そして、そのときの何は危険だからやめよう、あるいは、そういうことをやめてしまうとそれはかえって成長につながらないという、そのあたりのかなりの抜本的な議論が必要な難しい話だなと思いました。どちらにしてもそこを整理していかないと話が進みようがないなという、申し訳ないですが、改めて難しい問題で、かなり整理しないと議論が進まないなという印象を受けたということです。

【小川分科会長】  ありがとうございました。よろしいでしょうか、他に。

では、なければこの第1の学校安全の推進に関する計画の審議はこれで終わりたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

最後に、私もこの大臣の諮問を受けて、改めて、今の学校安全推進に関する計画を最初から最後まで丁寧に読んでみたのですけれども、学校安全に関する取組とその課題については、今の策定の計画でもかなり網羅されていましたし、整理されているという感じがします。ただ、6月以降部会で検討していくわけですけれども、その際には是非この現在の計画で取り上げてきている中心的な取組とその課題についてはきちっと検証をした上で、次に策定する計画の中にその検証を踏まえたものを是非入れていただければと思います。

特に読んでいて印象的だったのは、計画については、基本的には幼稚園から高校までですが、大学における安全教育の在り方についても現在の計画では言及しているのですけれども、それについては具体の中身というのは、まだ検討されていないようです。是非その点もやっていただきたいし、もう一つは、カリキュラムの問題もこれから新学習指導要領改訂の動きもあるので、これに絡めると、安全教育の指導時間をどう確保するのかというのは、常に学校現場の大きな問題になっていまして、現在策定の計画においてもその点はかなり強調されて、そうした安全教育の指導に関する時間をどう確保するかということは課題として取り上げているのですけれども、この点についても、どこまで進行して、どういうふうな問題があるかということもきちんと検証しながら、次期の計画策定についての審議を進めていっていただければと思います。

検証ということについては、第2期の教育振興基本計画においてもこの学校安全は非常に重要な柱として位置付けられていますので、是非、今2期の検証作業をしている過程ですので、部会においてもその作業をやりつつ次期の計画策定に反映していただければと思います。

では、なければこの第1の議題は終わりまして、次以降、報告に入っていきたいと思います。先ほど最初にお話しましたように6件ほど報告案件がありますので、恐縮ですけれども、事務局から一括して報告していただいた後に30分ぐらい時間をとって意見交換をさせていただきたいと思います。

それでは、最初の報告ですけれども、教育再生実行会議の第九次の提言が出ましたので、それについて教育再生実行会議担当室から御報告をお願いいたします。

【伊藤教育再生実行会議担当室参事官】

内閣官房教育再生実行会議担当室の内閣参事官をしております伊藤でございます。本日は、教育再生実行会議におきまして5月20日、先週の金曜日に取りまとめられ、座長から総理にお渡しをいただいた第九次提言「全ての子供たちの能力を伸ばし可能性を開花させる教育へ」について、お時間を頂戴し、御報告をさせていただきます。

資料の方は2点ございます。資料2-1といたしまして提言のポイントを1枚紙にまとめたもの、そして、資料2-2として提言の本体とその参考資料、委員の体制等を記した、少し大部のものでございますが、用意をさせていただきました。本日は、主に資料2-1のポイントの1枚紙で要旨を御紹介させていただきます。

教育再生実行会議は、委員の皆様も御案内のとおり平成25年1月の活動開始以来、昨年7月までに8つの提言を取りまとめた後、昨年秋に体制を見直しまして、新たに提言フォローアップ会合を設けるとともに、「情報化時代に求められる『多様な個性が長所として肯定され、生かされる教育』への転換」という新たな課題について検討を行ってまいりました。

今回の提言は2部構成となってございまして、第1部が新たな検討課題に関するもの、第2部が第八次までの提言のフォローアップに関するものでございます。

まず、第1部の「多様な個性が生かされる教育の実現」に関しましては、特にこれまでの教育で十分に力を伸ばし切れていなかった子供たちへの教育や、特に優れた能力を更に伸ばす教育について取り上げてございます。

具体的には、(1)「発達障害など障害のある子供たちへの教育」につきましては、早期発見・早期対応のための就学時健康診断等の見直し、また、特別な支援を要する子供たちに係る個別の支援情報に関する資料の作成・引き継ぎ、教員の専門性の向上、高校での通級指導の制度化などを提言してございます。

(2)の「不登校等の子供たちへの教育」につきましては、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の促進、不登校の子供を対象とする特別な教育課程を編成、実施する学校等の先導的な取組の周知や支援。

(3)「学力差に応じたきめ細かい教育」につきましては、よりきめ細かい習熟度別少人数指導を可能にするための指導体制の充実や、「地域未来塾」などの放課後等や地域における学習の場の充実等を提言してございます。

なお、このポイントの1枚紙では、この(3)のところに「デジタル教材の積極的な活用」を書いてございますが、実際には、これは(1)から(5)まで全ての項目でICT等を積極的に活用する旨の記述が盛り込まれておりまして、今回の提言の1つのポイントであると考えてございます。

次に、(4)「特に優れた能力を更に伸ばす教育、リーダーシップ教育」につきましては、小学校高学年での教科担任制の推進やスーパーサイエンスハイスクール等の取組の推進のほか、理数分野等で突出した能力のある小中学生を対象とした新たな教育プログラムの創設、また、特定の分野で特に優れた能力を有する発達障害、不登校等の課題を抱える子供たちの能力を伸ばす取組の拡大等を提言してございます。

(5)の「日本語能力が十分でない子供たちへの教育」につきましては、不就学の子供の実態把握や地域での支援人材の確保、日本語能力が十分でない子供を対象とした特別な教育課程の編成、実施の一層の活用。企業や地域と連携したキャリア教育、進路指導の充実等を提言してございます。

(6)の「家庭の経済状況に左右されない教育機会の保障」につきましては、学習塾等に行かなければ学力が身に付かない、希望する進路への道が開けないということのないよう、学校教育の一層の充実や教育費負担の軽減等を進めること。特に幼児教育無償化の段階的推進、私立中学校生徒に対する支援の在り方の検討、無利子奨学金の拡充、所得連動返還型奨学金制度の具体化、給付型奨学金の在り方に関する検討などを着実に進めることを提言してございます。

(7)とし、最後に「これらの取組を効果的に推進するための体制の構築」についてといたしまして、国における施策の効果の検証・分析機能の教科、新たな教育施策や先進的な取組の成果を横展開していくための教育再生先導地域、仮称でございますが、これについて検討を求めることを提言としてまとめているところでございます。

続く第2部に当たります「これまでの提言の確実な実行に向けて」では、既にこれまでの提言を受け、中央教育審議会等での御審議を経て、法令改正や新たな施策が多数実施に移されたところでございますが、これらについても当初の狙いがしっかり実現できているか、形骸化していないかを継続的に確認していくことの必要性を強調するとともに、当面の重要課題といたしまして、選挙権年齢引下げへの適切な対応、教師の資質向上、学校の組織運営改革、学校と地域との連携協働、更に高大接続改革や大学教育の改革、教育投資や教育財源の充実等を上げているところでございます。

この九次提言につきましては、5月24日、おとといの閣議に馳大臣から報告をさせていただきまして、総理からも「今回の提言は1億総活躍社会実現の基盤となるものであり、馳大臣を中心とし、提言を着実に実行するように」との御指示があったところでございます。

今後、提言の実行に当たりましては、中央教育審議会や、また初等中等教育局の方で設けてございます様々な有識者会議等で更に具体的に御審議をいただくものも多数あろうかと思いますけれども、何とぞこれらの実現で学校教育のより一層の充実につながるよう引き続き委員の皆様からは御指導、御支援をいただければと思ってございます。

以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございます。

では、続けてまた報告を受けたいと思います。次は、高等学校における特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議報告です。これについては田井専門官により御報告をお願いいたします。

【田井特別支援教育課専門官】

初等中等教育局特別支援教育課の田井と申します。高等学校における特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議の報告について、お時間を頂き御報告をさせていただきます。資料3-1を御覧いただければと思います。

現在、小中学校におきましては、障害のある児童生徒に対して、大部分は通常の学級で授業を受けながら、週1時間から8時間の範囲で、障害に応じた特別な指導を一部特別な場で受ける通級による指導が平成5年度より制度化され、実施されています。通級による指導の内容は、特別支援学校の特別な指導領域、自立活動に相当するものでございまして、障害による学習上、又は生活上の困難を改善・克服する指導を、個々の児童生徒の障害の状態等に応じて具体的に目標や内容を定めて行うものでございます。例えば、自閉症の児童生徒に対しての円滑なコミュニケーションのための指導や、肢体不自由の児童生徒に身体の動きの改善・向上を図るための指導等が、そういったものに当たります。

当該通級による指導は、現在、高等学校においては制度化されてございませんが、小中学校でこのような指導を受けていた生徒が高等学校に進学した場合に、当該指導を引き続き教育課程の中で受けられるよう制度化を検討すべきことについて、平成24年7月の本分科会の報告等でも御指摘をいただいていたところでございます。

これらを受けまして、文部科学省では平成26年度よりモデル事業を実施するとともに、通級指導の制度化について昨年11月より有識者会議で検討を進められ、本年3月に報告書が取りまとまりましたので、本日御報告させていただきます。前置きが長くなってしまいまして申し訳ございませんが、資料3-1が報告書の概要でございます。

「現状と制度化の意義」についてでございますが、インクルーシブ教育システムの理念も踏まえまして、高等学校における特別支援教育の適切な実施の必要性、中学校において通級による指導を受けている生徒数が年々増加している状況を踏まえまして、高等学校においても障害の状態に応じた特別な指導、すなわち通級による指導を行えるようにすることが必要であるとされております。

次に、「制度設定の在り方」についてでございます。高等学校における通級による指導については、基本的な考え方は小・中学校等と同様としつつ、高等学校における教育の特徴を踏まえて制度を設計する必要があるとされております。まず、教育課程上の位置付けでございますが、小・中学校等と同様に通常の教育課程に障害に応じた特別な指導を加えることができるようにする必要があるとされております。教育課程上の論点につきましては、中央教育審議会における学習指導要領の改訂の議論の中で検討することとされ、具体的には、現在教育課程部会の下の特別支援教育部会の中で単位認定や単位数の在り方等について御議論いただいているところでございます。同様の論点につきましては、高等学校部会においても議論をいただいた後に審議のまとめの中に盛り込んでいただく予定でございます。

御参考といたしまして、資料3-3に5月18日の特別支援教育部会資料をお配りしてございます。こちらの6ページ目に関連する記述がございますが、今後継続して審議していくものでございまして、時間の関係もありまして御説明は今回省略させていただきます。

すみません、資料3-1、引き続きでございますけれども、次に通級による指導の対象でございますが、対象となる障害種は小・中学校等における通級による指導の対象となる障害種と同一とすることが適当であるとされております。具体的には、※4として記載しております障害種でございます。

次に、指導内容でございますが、小・中学校等と同様に特別支援学校の自立活動に相当する内容、すなわち障害のある生徒が自立、社会参加を目指し、障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するための指導とされております。

次に、指導の対象となる生徒の判断手続きでございますが、生徒に対する情報収集・行動場面の観察、生徒と保護者へのガイダンス、校内委員会における検討、検討結果について生徒や保護者との合意形成といったプロセスが想定され、これを参考に学校・地域の実態を踏まえて実施することとされております。

次に、担当教員に必要な資格でございますが、高等学校教諭免許状を有することに加え、特別支援教育に関する知識、障害による学習上又は生活上の困難の改善・克服を目的とする指導に対する専門性や経験を有することが必要であるとされております。

更に、一番下の枠囲みでございますが、制度化後の充実方策といたしまして、国の役割としては、必要な教員定数の加配措置や教員の専門性の向上、教育委員会の役割としては、実施校の検討・決定、教育支援委員会等の活用による支援体制の強化、中学校からの迅速な引き継ぎ体制の構築等があり、また、高等学校の役割としては、学校全体として特別支援教育に取り組む体制や関係機関とのネットワークの活用等に努める必要があるとされております。

これらについての具体的な今後の進め方については、資料3-1の裏のページにお示しをさせていただいております。本報告書及び教育課程部会での議論を受けまして、今年度中に必要な制度改正を行い、翌年度の平成29年度は導入の準備期間といたしまして、平成30年度から制度の運用開始をしたいと考えております。

簡単ですが、御報告については以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございます。

続けて、高大接続システム改革会議最終報告について、これは教育制度改革室の今井室長、よろしくお願いいたします。

【今井教育制度改革室長】

失礼いたします。それでは、資料4-1、4-2に基づいて御説明をさせていただきたいと存じます。時間の関係上、大変恐縮ですが、資料4-2の方を御覧いただけたらと存じます。

高大接続改革の全体像イメージ、今般3月でございますが、高大接続システム改革会議が最終報告をまとめました。その内容につきまして御紹介をさせていただきたいと存じます。

この最終報告につきまして、その全体像が資料4-2の1ページ目に書いてあるとおりでございます。今回、高校教育、大学教育、大学入学者選抜を一体的に改革を推進することで学力の3要素、その伸長を更に図っていこうということを基本理念といたしまして、3つの観点からそれぞれ改革を進めることを議論していただいて、その方向性を示していただいたところであります。

1つ目の高等学校教育改革につきましては、資料の左上にございますように3つの改革、すなわち教育内容の見直しということで、次期学習指導要領の改訂が進んでいくということ。また、2つ目の改革といたしまして、教員の養成・採用・研修の改革についてその議論が今進んでいるということでございまして、特にシステム改革会議では、3つ目の観点にございます多面的な評価の推進の議論がなされてまいりました。この中で日々の学習評価の改善、そういったもの議論と併せて、現在高校が多様な学習活動をしているということを前提に、そのような多様な学習成果を多様なツールで評価していく、その中の1つといたしまして、矢印の1つ目にございますように、高校段階の基礎学力の定着度合いを把握して指導の工夫・充実に生かしていく、そういったツールといたしまして高等学校基礎学力テストの導入を目指していこうということでございます。併せて、矢印2つ目にございますように、現在、農・工・商業などの校長会で実施をしていただいている検定試験、また、英語、数学など民間検定試験なども充実をしております。こういったものも生徒の図るべき学習活動の状況に応じて利活用を促進していこうということでございます。

そして、2つ目が右側下にございます大学教育改革でございます。大学教育改革は大きくは2つございまして、1つ目は卒業認定・学位授与の方針、そして教育課程編成・実施の方針、入学者受入れの方針、ディプロマポリシー、カリキュラムポリシー、アドミッションポリシーと言われているものでありますが、この3つの方針に基づいて大学の教育の質的転換を図っていただく、そのような改革を進めていくということでございまして、1つ目の黒ポツにございますように、本年3月に学校教育法施行規則を改正いたしまして、大学に対しましてこの3つの方針を一体的策定・公表することを制度として義務付けをいたしました。この結果、来年の4月からそれが施行されるということで、現在各大学におかれましては、この3つのポリシーの策定、その公表に向けた準備に向けて取組んでいただいているということでございます。また、その3つの方針の策定に関しましてのガイドラインの作成も行われておりまして、現在そのような流れの中で大学教育改革の質的転換の議論が進められているということになっております。

この2つの改革をつなぐという観点から、大学入学者選抜改革が行われているところでありまして、この改革は2点でございます。1つは、個別入学者選抜の改革ということで、学力の3要素を多面的・総合的に評価していただくための改善、また新しい選抜の実施ルールの構築をしていくということで、その改革の方向性が打ち出されております。そして、2つ目のポイントは、一番左下でございますが、大学入学希望者学力評価テストの導入でございます。特にシステム改革会議で議論がなされましたのは、現行のセンター試験の改善といたしまして、記述式問題の段階的導入、平成32年度以降は短文記述で、また平成36年度以降はより多い文字数での記述式を目指していくということでその検討を進めていくということが方向性として打ち出されております。また、併せてマークシート方式の改善というものも32年度以降取組んでいこうということでございます。

以上、3つの改革を一体的に進める観点で最終報告が取りまとめられてきたということでございます。

なお、初等中等教育段階で特に関係の深い基礎学力テストについて簡単に御紹介、御報告をさせていただきたいと存じます。資料は5ページ目を御覧いただけたらと存じます。

高等学校基礎学力テスト(仮称)の全体イメージをポンチ絵にしたものでございますが、こちらの右端にございますように、高校における教育の日々の授業の実践、またその指導改善を通じて生徒に身に付けていただく基礎学力、これを育てていくということを進めていくということでございます。そのために、そのツールの1つとして基礎学力テストを実施したいから提起をいただくということを考えておりまして、今般の基礎学力テストのイメージにつきましては、コンピュータをベースとしたテストとして、アイテムバンクの構築、更にその中から複数レベルの問題セットを構築した上で、学校が自らの生徒の状況等に応じて選んで受験することができる仕組み、そういったことを模索していきたいと考えているところであります。

また、そういったアイテムバンクを構築するために、1つは高校等の力を借りまして、既存資源の活用をしながら問題を集めていくという観点と、もう一つは新しい問題、そういったものを作成していくということを考えていければということでございます。また、CBT、コンピュータにつきましては、新しいコンピュータを新たに導入するというよりも、むしろ学校内に配備されているコンピュータを活用していく方式、インハウス方式と呼んでおりますが、そういったものをベースに検討を進めていこうということがその方向性として打ち出されているところであります。

また、実施回数、時期、場所等につきましても、これまで高校2年から3年の間で年2回程度受けられることからスタートしようというように、その実施の回数等についてかなり詳細に決めておりましたが、指導の工夫・改善に生かすという観点から、学校又は設置者において適切に判断できる仕組みとして、学校で使いやすい、そういった提供の仕方を考えていこうということが打ち出されているところでございます。

また、その平成31年度から試行実施期と位置付けられておりまして、この間、大学入学選抜や就職等にはその基礎学力テストの結果は用いないと。当面本来の目的である学習改善に用いながらその定着を図っていこうということが確認されているところでございます。

なお、この基礎学力テストにつきましては、6ページ目と7ページ目を御覧いただけたらと存じますが、単にテスト改革に終わらないようにするため、システム改革会議では、例えば6ページ目にございますように、多様化する高校教育の質の確保という中でこの基礎学力テストをどう位置付けていくのか。こちらにございますように、左上の方、義務教育段階から多様な高校入試を経て、現在98.5%が高校に進学していますが、その高校は専門高校、普通科高校、そして総合学科高校という観点から、また定時制・通信制というその教育の提供の仕方も様々多様でございます。そういった中で各学校がこの基礎学力テストを使って、社会で自立するために必要な基礎学力について、各学校がそれぞれの実情を踏まえて目標を設定し、取組が進められるよう、その基礎学力の定着度合いの目安を把握していく仕組みとして構築しようと考えて検討がなされてきたところであります。

ただ、一方で、基礎学力テストを必ず使わなければいけないということではなくて、例えば、その生徒の状況等に応じてテストという手法が合わなければ、こちらの青い破線の中にありますように、少人数指導、補習の実施など、きめ細やかな学習指導を通じて基礎学力の定着に向けた取組を進めていくということもあるだろうということがその方向性として議論をいただいたところでございます。

また、7ページ目にございますように、この基礎学力テストの導入だけで多様化する高校教育の改革を語るのではなく、こちらにございますように、特に中教審の高校教育部会でも御議論いただきましたが、多様性と共通性という軸をそれぞれ専門、普通、総合高校、それから定時制・通信制に分けて施策を様々展開をしていく。その中の特に共通性の観点でこの基礎学力テストの活用、またこれを使わない場合でも基礎学力の定着に向けた取組を進めていくということを確認しております。

また、下にございますように、共通的・基盤的な施策としてその高校を支える様々な教育内容の見直し、教員の指導力の向上などの施策も併せて展開していくということの中で、この基礎学力テストの導入を目指していくべきであるということを確認いただいているところでございます。

以上のような形で最終報告が高大接続システム改革会議でまとまりました。今後につきましては、8ページ目でございますが、更に高大接続改革を検討・推進を進めていくために、文部科学省の下に改革推進本部・高大接続改革チームというものを設けて、リーダーに安西文部科学省顧問を筆頭に更に具体的な検討を進めていく体制を構築しております。下段にございますように、高等学校基礎学力テスト、それから大学入学希望者学力評価テストの検討・準備グループなどが設置され、その議論がこの5月以降始まったというところでございます。

次の大きなポイントは、平成29年度の初頭に予定をされております新しいテストの実施方針、また個別入学選抜の改善も含めて、現在、高校と大学の協議の場が設定をされて、新しいルール作りの議論もされております。これも平成29年度の初頭を目途にそれを公にしていくという方向でございますので、またこの1年をかけて更により具体的な改革を進めていくという方向にあるという状況にございます。

事務局からの報告は以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございます。

すみません、あと3つ報告を続けさせていただきます。次は広域通信制高校の教育運営改善緊急タスクフォースの取りまとめについて、こ れは教育制度改革室の黄地企画官より御報告をお願いします。

【黄地初等中等教育局企画官】

資料5に基づきまして御説明いたします。資料の順序が前後して恐縮ですが、先に資料5-2の方を御覧いただけますでしょうか。

これは、義家副大臣を座長といたしまして、文部科学省に設置しました広域通信制高校に関する緊急タスクフォースにおいて、本年3月にまとめた集中改革プログラムでございます。本日はこの概要と今後の対応方針につきまして御説明いたします。ページをおめくりいただきまして4ページの方を御覧いただければと思います。

まず、検討経緯といたしまして、事の発端は昨年12月、構造改革特区制度を活用して三重県の伊賀市に設置されました株式会社立のウィッツ青山学園高校におきまして、生徒が高校就学支援金の申請に関して詐欺を働いたという容疑で東京地検特捜部の捜査が行われたことにございます。その後、同校の不適切な実態が次々と明らかになってくる中で、この問題を放置いたしますと、通信制高校制度全体への信頼を損ねることにもなりかねないという危機感を持って今後の対策について議論を重ねて取りまとめたものでございます。

具体的な問題は様々ございますが、例えばその次の5ページを御覧いただけますでしょうか。このポンチ絵のオレンジ色の部分にあります通り、全国各地40か所にLETSと呼ばれる純然たる民間教育施設がございまして、これがウィッツ青山学園高校のサポートを行っているということでございます。ここでの問題は、本来は学校として責任を持って行うべき教育活動のほとんどが行われているというものでございまして、ウィッツ高校自身は生徒の学習実態を正確に把握していないという管理運営の不適切な実態がございました。更に教育内容も学習指導要領に照らして不適切な状況でございまして、教える教員も不足しているという問題がございます。当然ですが、文部科学省といたしましては、所轄長である伊賀市に対しましてこのウィッツの問題について責任を持って対処するよう厳しく指導してきたところでございますが、国としてもこの問題に真正面から取組むべく、このプログラムにおきまして3つの対策をまとめたところでございます。

その内容につきまして、ページを戻って恐縮でございますが、2ページを御覧だけますでしょうか。時間の関係上要点のみかいつまんで御説明いたします。

まず、第1点目は、ウィッツ高校問題に関する対応でございます。同校の生徒が高校側の違法・不適切な対応によって不利益をかぶってしまうことのないように、卒業の見込み生や在校生を救済するための回復措置の実施等を打ち出したものでございます。本来であれば、学習指導要領に基づく教育をきちんと受けていない状況では高校卒業ということは認められず、結果として大学入学資格も得られないということとなってしまいますが、改めて適切な面接指導を受講した場合には、特例的に大学入学資格が認められることとするなどの回復措置を講じたところでございます。

2点目といたしましては、高校就学支援金事務の適正化に向けた対策でございます。今回の支援金をめぐる事案は、受給要件を偽って不正に支援金を受給されたという疑いがあったということもございますので、このようなことが起きませんように、受給要件や罰則規定に関して周知徹底するとともに、申請様式の改善などを通じた不正防止の対策とともに、実地検査の実施など、チェック体制の強化の推進を打ち出したものでございます。

3点目といたしましては、広域通信制高校における質の確保・向上方策でございます。この改革の内容につきましては、別資料のA3の資料5-1というものを御用意していますので、こちらを御覧いただければと思います。具体的には、このポンチ絵の左上にございますように、まず文部科学省におきまして早急に専門家会議を立ち上げまして、全ての広域通信制高校を対象にした全国調査を行います。更に本年夏頃をめどにガイドラインの策定を目指したいと考えてございます。またその後、速やかに所轄長とも連携しながら徹底した実態把握を行うとともに、その結果を踏まえながらガイドラインを改定したり、また必要に応じて制度見直し等の検討を更に進めてまいりたいと考えてございます。

最後に、この今回のプログラムを策定した後のウィッツをめぐる状況について御報告させていただければと思います。資料5-3を御覧ください。4月に入りまして、同校が法令に基づかない不適切な卒業認定であることを自ら認識しながらも、昨年2月以降、卒業証書や卒業証明書を生徒等に送付していたという事態が発覚してしまいました。このため、4月21日に義家副大臣から所轄長である伊賀市長に対しまして、ここにありますとおり、マル1からマル4の、卒業認定に対する対策の検討、マル2として人員体制の強化、マル3として生徒全員の回復措置の完了、マル4といたしまして法令違反状態に対する是正措置、以上4点について指導したところでございます。これを受けまして、伊賀市といたしまして、4月28日の特区学校審議会の検討を経た上で、2ページ目にございますとおり、5月6日に同校に対して伊賀市から学校教育法第14条に基づく変更命令を発出したところでございます。その内容は以下3点でございまして、1点目といたしまして教員をしっかり充足していただくこと、2点目として適切な教育課程に努めていただくこと、3点目といたしまして適切な管理運営をしっかり図っていただくこと、以上3点について変更命令を発出し、6月30日までに書面での報告を求めているという状況でございます。文部科学省といたしましては、引き続き所轄長である伊賀市に対して指導、助言を適宜行いながら、生徒が不利益を受けることのないよう、全力を挙げて対応してまいりたいと考えてございます。

以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

それでは、次に、次世代の学校指導体制強化のためのタスクフォース中間まとめ、これは財務課の矢野課長より御報告をお願いいたします。

【矢野財務課長】

それでは、資料6-1、6-2、6-3をお開きいただきたいと思うのですが、この場でも何回か御説明申し上げておりますけれども、昨年、平成28年度の予算要求過程におきまして、財政当局から教員の加配につきまして、人口減に伴いまして機械的に比例して削減すべきではないかということ。あるいは、教員は授業の専門家であるので、例えば生徒指導等に係る部分については、外部の専門家にお任せすべきではないか。また、教員を増やすにしても、例えばその費用に見合った効果が十分得られるかどうかという検証を経ないで教員の数を増やすのはおかしい。こういったような点につきまして指摘されたところでございますが、御案内のとおり中教審の委員からの御発案で、それに対しての反論という形で緊急提言を頂戴したということ。新聞では異例の提言と書かれたわけですけれども、その結果、加配の削減というのはなくなったということでございますが、その予算編成の過程におきまして、昨年の11月末に次世代の学校指導体制強化のタスクフォースというものが大臣の指示によりまして義家副大臣の下に置かれ、それ以来審議をしてまいりまして、今回の中間まとめ、これは4月21日にもう既に出ておりまして、かなり新聞紙上では報じられておりますけれども、中間まとめが取りまとめられたということでございます。

中身につきましてですが、資料6-1、6-2を中心に御説明申し上げますけれども、まず、授業の専門家、すなわちやや欧州と申しますか、日本の学校教育の基本は知・徳・体、全て人格を統治するという学校教育であるわけですが、欧州では御案内のとおり主に知の部分を学校で担う。多分そういうイメージがその財政当局の中にはあったのだろうと想像しておりますが、改めまして教科指導、生徒指導、部活動指導等を一体的に行う日本型教育というものの価値を評価すると。国際的にも高く評価されているこの基本的な姿勢については変わりないのではないかということ。

そういった現在の学校指導体制について述べた後、今後その更なる対応が必要な課題は一体何ぞやということで、グローバル化であるとか、生産年齢の人口、あるいはその主体的・判断的な能力の涵養、というと、これから未来に向かってプラスの課題。また、現在学校現場で一番御苦労されている、例えば格差の問題、特別支援教育の問題、いじめ、児童生徒の暴力行為、不登校、あるいは外国人児童生徒というような目の前にある課題。その他にも現在地方創生ということが言われておりますけれども、過疎化、地域社会の支え合いの希薄化等、そういった更なる課題に学校がどう対応していくべきか。そういった観点から次世代の学校像というものを踏まえて、学校指導体制の在り方がどうなのか。ということを更に踏まえまして、教職員定数であるとか、その他の人的体制をどう考えるのかということを今回提言されたわけでございまして、具体的には、資料6-1の次のページを御覧いただきますと、4つの大きな課題、特別支援教育、日本語指導、あるいは外国人児童生徒の対応、あるいは経済的に困窮な状態にある家庭の児童生徒、あるいはいじめ等について。例えば通級指導の担当教員の充実であるとか、外国人児童生徒指導担当教員の充実、あるいは貧困による教育格差の解消のための教員の定数の拡充、あるいは児童生徒支援専任教諭の配置・拡充ということ。また、未来に向かってプラスに積み上げていかなければいけない教育、例えばアクティブ・ラーニング等々につきましては、例えば専科指導のための戦略的な定数確保といったような中身になっているところでございます。その下から2行目に書いてあります「基礎定数」と「加配定数」のベストミックス、基礎定数化を一定程度図りながら加配定数も必要な分についてはしっかりと確保していくということ。また、学校組織運営改革、チーム学校ということが言われております。さらに、教職員の業務改善の取組。今、別途堂故政務官の下に教職員の業務改善のタスクフォースが立ち上がっておりますが、そういった取組と相まって、学校教育を更に充実するものとしていこうと。こういうまとめになっておりまして、概算要求の前に最終まとめをまとめまして、来年度、29年度の概算要求に臨み、十分な教職員定数、あるいはその他の人材の確保を目指していくと、こういうことを考えているところでございます。

以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

それでは、最後に第3期教育振興基本計画の策定についてに移りたいと思います。これは、前回も現在の第2期教育振興基本計画のフォローアップの審議を前の初中分科会でも行っていただきましたけれども、それに加えて先月の中教審の総会で、馳大臣の方から第3期の教育振興基本計画の作成について諮問がありました。そして、今月より総会の下に教育振興基本計画の部会が設置され、第3期の基本計画策定に向けての議論もスタートしております。北山会長からは、第2期の計画のフォローアップを引き続き分科会で行っていただきたいということに加えて、第3期計画の策定についても各分科会と連携しながら議論を進めていきたいと要請がありましたので、本日は、まずはその第3期教育振興基本計画の策定についての大臣からの諮問の内容や、計画部会での審議状況について、担当の生涯学習政策局政策課の教育改革推進室の寺坂室長補佐より御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【寺坂生涯学習政策局政策課教育改革推進室長補佐】

それでは、資料7-1から資料7-4を御用意しておりますけれども、7-1を中心に御説明させていただければと思います。

資料7-1でございますけれども、改正教育基本法に基づく教育振興基本計画につきましては、現在、平成25年度から開始をしている第2期計画の4年目となってございます。先ほど分科会長からもお話がございましたけれども、この計画の着実な実施のために、昨年度、総会の下に教育振興基本計画部会を設置いたしまして、本初等中等教育分科会からも小川分科会長、無藤分科会長代理に御参画いただきましてフォローアップについて御審議いただきました。その際には、本分科会におきましても第2期教育振興基本計画における現状と課題という、資料7-2の資料をおまとめいただいたところでございます。その後、資料7-1の1ページ目にまた戻りますけれども、先月18日の中教審の総会におきまして、大臣より平成30年度から34年度を対象期間とする第3期教育振興基本計画の策定について諮問いたしまして、今月の17日に教育振興基本計画部会におきまして、委員の体制を拡充した上で審議を開始したところでございます。体制拡充後の委員名簿については、資料7-4に付けてございまして、22名の臨時委員の方に御参画をいただきまして、合計30名体制で審議をスタートしたところでございます。

諮問につきましては、資料7-1の3ページを御覧いただければと思います。諮問本体は資料7-3という形で御用意しておりますけれども、概要を用いまして御説明いたします。

今回の諮問事項は2点ございまして、1点目につきましては、2030年以降の社会の変化を見据えた教育政策の在り方についてでございます。具体的には、3ページの下の四角の中にございますように、改正教育基本法の基本理念、現行計画の成果と課題、2030年以降の我が国において予想される社会の変化、国際的な視点から見た我が国の教育の強みと弱み、国際的な教育政策の動向等を踏まえた今後の教育政策に関する基本的な方針について、またその方針を踏まえた今後5年間の教育政策の目指すべき方向性及び主な施策の内容についてということ。また、それに加えまして、第2期計画の点検結果も踏まえ、明確化かつ精選した指標を設定して、教育政策の検証改善サイクルを確立することについて御審議いただくということが第1点目でございます。

2点目につきましては、4ページでございますけれども、各種の教育施策について、その効果の専門的・多角的な分析、検証に基づき、より効果的・効率的な教育施策の立案につなげるための方策についてということでございまして、具体的には、下の括弧の中でございますけれども、社会経済的な効果を含む教育政策の効果を社会に対して示すための方策について、特に必要なデータですとか情報の体系的な整備や実証的な研究の充実も含めた総合的な体制の在り方について御審議いただくということにしてございます。

5ページには、その諮問事項を体系化したイメージを記載しておりまして、2030年以降を見据え、教育に求められるものを基に今後の教育政策に関する基本的な方針を議論し、更に方向性、施策について議論を進めていくという流れを図示したものでございます。

当面の計画部会における主な検討事項といたしましては、8ページを御覧いただければと存じます。諮問事項の1を検討事項のマル1であります2030年以降の社会の変化を見据えた教育の目指すべき姿というものと、検討事項マル2のマル1を踏まえた教育政策の基本的方針、目指すべき方向性等という形に分解をしたもの。それに加えまして、諮問事項の2に該当する検討事項マル3、教育投資の効果や必要性を社会に対して示すための方策の3つを御検討いただくこととしてございます。議論のスケジュールにつきましては、資料の9ページでございますけれども、計画部会におきまして、夏頃までに先ほど申し上げました検討事項のマル1とマル3について御議論いただきまして、秋以降に検討事項マル2について御議論いただき、平成29年の初めに基本的な考え方を取りまとめていただく予定としてございます。その後に主な施策、指標、またフォローアップについても御議論いただきまして、平成29年夏頃に審議経過報告、平成29年中に答申をまとめていただくことを予定してございまして、中教審の総会、また各分科会のほうにも適宜御報告をしながら進めていくということで考えてございます。

以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

第3期の基本計画の策定については、随時この初中分科会に教育振興基本計画部会での審議状況については報告させていただき、また初中分科会においても、特に初等中等教育に関わる施策については皆さんから御意見を賜って、第3期の計画に反映できるような、そういうふうな形で進めていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

6件の報告の案件を頂きました。残り20分ほどしか時間がありませんけれども、今事務局から御報告いただいた6件の内容について、皆さんの方から何か御質問や御意見があればよろしくお願いいたします。

それでは、吉田委員、どうぞ。

【吉田委員】  ありがとうございます。すみません、少し次の会の関係で出るのでお先に言わせていただきます。

まず、第九次提言についてなのですけれども、1番が新たな検討課題であり、2番がフォローアップということでしたけれども、2番については余り御説明がございませんでしたが、今までの提言を含めて全てそう思うのですけれども、この再生実行会議というのは、あくまでも総理も参加なさって政府でやっていらっしゃる会議。ですから、保護者とか一般の方々から見ると、これの記事が出ると、それがそのまま実行されると思われる方が多いんですね。実際に今回の提言等でもお金の掛かることばっかりがどんどん出てきます。にもかかわらずこのフォローアップの最後に教育投資、教育財源の充実というのが出ていますが、結局八次提言で出されたことが実行できていないというか。そういった意味で言えば、先ほど矢野課長から御説明のあった次世代の学校指導体制の在り方について等ということも、本来であったら起こるはずがないような問題が財務省の方から出てきているというような状況があると思うのです。そういう意味では、せっかく政府が教育再生ということで、総理を中心にここまでやられている以上は、是非きちんとお金を付けていただきたい、そういう思いを強く感じます。

そういう中で、今回(6)番で家庭の経済状況に左右されない教育機会の保障ということで、貧困による学力課題のある学校への重点支援とか公教育の充実、高大接続改革の実現、そして奨学金等のことが出まして、九次提言の本文の方の14ページのところに「家庭の教育費負担の軽減」という文章が入りました。ここで私が1つお尋ねしたいのは、「国・地方公共団体は、家庭の教育費負担軽減のため、財源の確保と合わせた幼児教育の無償化の段階的推進、国公私立を通じた義務教育段階の就学援助に対する着実な取組、私立中学校生徒に対する支援の在り方に関する検討、高等学校就学支援金や高校生等奨学給付金の取組の一層の推進、大学等での授業料減免や無利子奨学金の拡充、より柔軟な所得連動返還型奨学金の具体化、給付型奨学金の在り方に関する検討などの取組を着実に進める」ということがあるのですが、ここで、国なのか、地方公共団体なのかといったときに、特に高校以下の初中教育、幼稚園教育については、地方にかぶせる部分が出てくる可能性がかなりあると思います。そうなりますと、地方は今お金がないということで全て蹴られる。国もお金を出さない、そして地方も出さないということになれば、こういったことが実現できるのかどうか。

特に私ども、今回この私立中学校生徒に対する支援の在り方を入れていただけたことは大変ありがたいと思っているんですが、実際に今公立というか、中高一貫教育制度ができたときが、どういう目的で中高一貫教育校ができたかというと、保護者や生徒が学校選択の自由を得られるように、様々な形の学校種を設けるということで中高一貫校ができました。そして、公立の中高一貫教育校ができたことによって、実際には公立の中高一貫校は入試もあり、そして就学指定校でもありません。私立学校と全く変わらない。にもかかわらず片方は完全に無償であり、私立の中学生に対する支援というものは、義務教育でもない高等学校にできたにもかかわらず支援金制度も全くないという状況で、大変厳しい状況に置かれているのも事実でございました。そういう意味でも、こういったことが実際に実現できるかどうかということが肝心だと思います。

それでいながらこの19ページの八次提言関連のところで、最後の四角のところを見ますと、「特に、幼児教育の無償化及び幼児教育等の質の向上、高等教育段階における教育費負担軽減等、教育投資を充実するとともに、税制の見直し等」と書いてあるのですが、ここでは、今言っていた中学校のことや、ほかの奨学金のこと等が消えてきている。その辺のところも含めて、私は文部科学省だけではなくて財務省の関係というものをしっかりと政府に言っていただくように中教審としても言っていただきたいのだという思いがございます。

それからもう1点、高大接続の方も、これも提言に絡んでくるのですが、4-2の資料で言うところの高等学校基礎学力テストについてお尋ねしたいのですが、ここにある内容で、最も基本になるのは、私はこの基礎学力というものをどこに置くかということだと思うのです。小学校、中学校は義務教育です。高等学校は義務教育ではありません。そうなった場合に、この基礎学力のレベルというものをどこに置くのか。特に高等学校は入試で国公、私立を問わず全て各学校が入学試験をやって、それぞれの学校段階があります。そして、98.5%も進学している時代ですから、学力差というのは大変大きなものがあります。そうすると、この基礎学力というものをどこに置くかによって、このテストの意義というものが私は全く変わってくるのではないか。

当初この基礎学力テストをやるという話は、高大接続システムの高大接続会議の中で始まったことであって、当初は選抜性の低い大学の試験に用いるという話だったものが、いつの間にか学力テスト的イメージに変わってきている。だとすれば、この基礎学力というものの置き方をしっかりと先に捉えた上でお話を進めていただきたいなと願っているところでございます。

時間のないところでもう1点だけ追加させていただきますが、先ほどのウィッツ青山の通信制高校の件でございますけれども、これはあえて申し上げさせていただきたいんですが、実は、私ども私立中高の設置は各都道府県の私立学校審議会が行います。そして、その連合体である全国私立学校審議会連合会が、実は過去15年以上前から毎年この通信制高校の実態について文部科学省に対して申し入れをしていました。それは、要は広域通信制の実態のない通信制高校、また、極端な言い方をすれば、実際にはみんな提出するレポートとかそういうものに関しては、補完校というかサポート校みたいなところで全部用意されたものを写して出せばもう単位がもらえるような、そういう学校が多くあり、真面目に通信制高校できちっとやっている学校に生徒が来ないという状況も実態にあったわけです。特にその上に株式会社立でこれをやられるということに対しても猛反対をしたにも関わらず、文部科学省はその通信制の実態調査をしていただけませんでした。それがようやく、これもたしかおととしですか、高大接続部会の通信制、ごめんなさい、高等学校部会に初めて通信制高校の実態というものが出てきて、よくないという話が出たわけでして、その結果がこれです。にもかかわらずまた新たに沖縄の方で通信制高校が大々的に年間6万円で支援金もあるから高校卒業資格がもらえます、そして東京にある専門学校で勉強すればダブル・ディグリーではないですけれども、資格を取ることもできますというようなことを大手の企業が始めている。そういう実態に対して、私はしっかりとした目で文部科学省として御指導いただきたいという思いであえて言わせていただきました。

以上です。すみません。

【小川分科会長】  今3点ぐらいの質問と要望が出たのですけれども、後で事務局の方からそれについてお答えいただきたいんですが、 時間もないので、今、札が上がっている方々のまず質問を受けて、その内容を幾つか事務局の方から答えられる範囲で答えていただくというふうにしたいと思います。

時間がありませんので、加治佐委員、安藤委員、市川委員、中島委員、帯野委員というような順で御発言をお願い致します。時間がありませんので、恐縮ですけれども、短めによろしくお願いします。

【加治佐委員】  それでは、発言させていただきます。私は今のお話とは全く違うことであります。私は、研究成果というものを政策や施策の立案に生かす方法や仕組みということについてお話ししたいと思います。

今回、教育再生実行会議の第九次提言、それから第3期の振興計画の諮問の2番目、そしてこの次世代の学校指導体制の在り方について、この中でそういうことを触れておられるわけですね。特にこの次世代の学校指導体制の在り方について(中間まとめ)の5ページから6ページにかけて、特に6ページではっきり研究の基本方針を定めて実証研究を進めると、こういうことを明確に述べておられるわけですね。ここに書いてあることは全くそのとおりで、是非これを進めていって、政策の効果というものを研究によって明らかにしてほしいと思うのですが、こういうものが出るたびにといいますか、あるいは、我々はこれまでいろいろ教育政策について研究してきて、常に疑問が皆で共有されてきたことがあるのですね。それは、文部科学省の科学研究費を使うとか、あるいはいろいろな民間団体から、あるいは大学独自がお金を出す、あるいは学会でお金を出して共同研究等々、あるいは個人研究でいろいろな研究をしてきました。例えば、学校や学級の適正規模であるとか、あるいはT.Tによる学習効果といいますか、教育効果、そういうものをそれなりの実証的な方法で明らかにしてきたと思います。ところが、そういうものが、貴重な公費を使って研究をしておきながら、政策にどう生かされているのかというところがほとんど見えない。場合によっては、学会の中での自己満足的な研究に終わるといいますか、そういうことさえあったと思うのですね。今回その第九次の再生実行会議の(7)番目の提言や、あるいは、この第3期の振興計画の2番目の諮問内容では、「教育施策の効果を専門的・多角的に分析、検証するために必要なデータ・情報の体系的な整備や、実証的な研究の充実も含めた総合的な体制の在り方」、これをやるというふうに書かかれています。非常に良いことだと思うのですね。

次世代の学校指導体制の在り方について中間まとめでは、文部科学省が平成28年度に5,400万の予算を付けて、主導をしてこういう研究をされようとしているのですけれども、それはそれで結構なのですが、ただ、我々は、例えば、特に教育経済学とか、あるいは教育社会学とか、そういう分野でかなりその政策の効果を明らかにする研究をしてきておりますので、しておりますので、そういうものもきちんと取り込むような仕組み作りというのを是非やっていただきたいと思うんですね。これができれば、私は、研究費そのものが有効活用されることになりますし、研究が政策に生きるということになれば、非常に研究の活性化というのをもたらすのは間違いないと思います。ですから、非常に難しいとは思うんですが、是非こういうことをせっかく出されましたので、文部科学省主導の研究だけではなくて、いろいろなところでやられている政策の効果を確かめる研究を取り込むような仕組み作りというのを是非お願いできればと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

では、続けて安藤委員、どうぞ。

【安藤委員】  では、私の方は、高等学校における通級による指導の制度化及び充実方策について述べさせていただきます。

先ほどのお話ですと、制度が30年度から運用開始ということで、大変心強いお話を頂きました。是非これが実効性のあるものとして現場に浸透していくことをお願いしたいと思います。4点ほど述べさせていただきます。

1点目ですけれども、是非意識改革、そして通級指導の意義、役割についての啓発を、実効性のあるものを行っていただきたいということです。特に、教育現場はもとよりですけれども、高校を所管する教育行政の皆さんにこのことについて確実に理解をしていただき、遂行していただきたいと思います。

余談ですけれども、2007年に特別支援教育が始まってほんの二、三年後でしたけれども、高校を所管する行政の人たちの会話の中に、ここには特別支援教育の対象とするような生徒はいないんだよというような、そういう議論があったことを私は覚えています。既に特別支援教育が始まっていながら、特別支援教育の本質がなかなか高校に理解されていないのだなということを非常に強く感じたのを覚えています。是非その点を理解していただけるように意識改革を行っていただきたいと思います。

2点目です。この制度は、通級の制度が是非生徒のニーズに応じたフレキシブルな運用になるようにということをお願いいたします。ここでは、自校通級、他校通級という2つの形態が書いてありますけれども、小中学校で今行われている連続的な学びの場の確保ということが高校についても実のあるものとして行われるようにしていただきたいと思います。高校になると、生徒の実態として、障害そのものの保障、障害そのものの支援ということだけではなくて、環境との相互作用や、あるいは対人関係によって非常に情緒面・心理面で支援が必要な状態の生徒が大変多いと思います。彼らについて、様々なデリケートな問題を抱えている中で、是非その生徒本人のニーズに応じた立場でこの制度を進めていただきたいなと思います。

3点目です。人材育成についてはこちらにも書いてありますけれども、是非教員の資質・能力の向上ということをお願いしたいと思います。実際には、通級の利用者が増えている中、教員のOJTによる人材育成ですが、進んでいない状況があります。追いつかないという状況にあると思います。是非その辺を教育委員会を挙げてやっていただきたいと思います。

最後、4点目ですけれども、専門性の担保というのが大変重要だと思います。先ほど教育支援委員会の支援体制というのも述べられていましたけれども、是非心理や認知発達、言語発達の専門家をこの教員養成と絡めて体制作りをしていただきたいなと思います。通級指導教室では自立活動も行われるのですが、その背景としては、学習指導要領にないような子供の発達をきちんと専門的に評価できる専門性が必要ですので、是非その辺の専門性の確保ということも、多様な専門家がこの教育に関わっていただけるような仕組み作りをお願いしたいと思います。

以上です。

【小川分科会長】  市川委員、どうぞ。

【市川委員】  第九次提言についてですけれども、私は、今回のこの理念としても「全ての子供たちの能力を」というのは非常にすばらしいことだと思いますし、また、今回特徴は、全ての子供というときに、学力や能力の高い層についてもかなり着目していて、それを伸ばそうというのが出ている。私は、これはこれで非常に大事なことだと思うんですね。10年、20年掛かってでも、ここに書いてある、例えば学力差に応じたきめ細かい教育、ここに高い層のことも入っている。それから、特に優れた能力を更に伸ばすとかリーダーシップ教育、これについても非常にすばらしいことが書いてあると思います。問題は誰がやるのかということなのですね、この教育を。私は2つのことを申し上げたいと思います。

基本的には、教育課程の外で行われることが多いと思いますし、これを学校に余り押し付けるとかえって実現しないのではないかと。ただでさえ学校の先生は非常に忙しい。今回の学習指導要領の改訂でまた新しい課題がいろいろと出てくるところに、こういうこともやってくださいと言うと学校はとても応じ切れない。私は、中心になってほしいのは、むしろ教育委員会かなと思います。その管轄している地域のことを見据えた上で、教育委員会が運営や実施の中心になっていただいて、国もそれを支援していただくという方が良いのだろうと。学校は、場所とか、場合によってはこの先生を是非協力してほしいというような形で、先生にお願いすることもあるかもしれませんが、学校自体にこの運営と実施の要となってほしいという形だとかえって実現しにくいのではないかということが1つ。

それから、これをゼロから立ち上げるというのはもう大変なこと、それこそ物すごい予算を要する、労力を使うことだと思うのですが、実際には既にあるものというものがかなりあります。私も地域教育にこの10年ぐらい関わっていますと、民間団体とか、自治体とか、あるいは大学とか企業、かなりいろいろなものを地域で提供していると。これは学区ということを離れて学区フリー、場合によると市区町村もフリーにしていろいろなことをやってくれているのですね。そういうものがなかなか組織化もされていないし、学校や教育委員会でもそういうことを把握し切れていない。これをある程度調査して、精査して、それを支援して拡充していくということであればずっと実現は可能であろうと思います。是非そういう今あるものを最大限に活用して更に拡充するという方向で実現していただけると良いなと思います。多分省庁としても、局ですね、初等中等教育局と生涯学習局のはざまにあるような問題で、場合によると何かどちらからも浮いてしまうというようなことになりかねないのですが、是非この文部科学省の中では連携してこれが実現されると良いなと思っています。

【小川分科会長】  では、中島委員、どうぞ。

【中島委員】  第九次提言ですけれども、提言の中身そのものは大変ありがたい良い話だなと思っています。ただ、私は町村の教育長でございますから、市と町村とでは本当に財政的にも人的にも相当な差があります。したがって、これをやろうとしても金もない、人もおらんという。是非国は、第九次提言なら提言で、(8)番ぐらいの提言にその財政上のことを入れられないか。もう提言が終わっているからどうしようもないのかも分かりません。是非とも何とかこのあたりはお力添えをいただきたい。そうしないと絵に描いた餅になるという心配をします。

1つ御質問でございますけれども、特別支援教育、先ほど通級指導のことが出てまいりましたが、今小中学校の場合は、自校というのはほとんどない、他校へ通級に行っています。これを見ますと自校というのが出てきますから、各学校全部通級指導教室を作るということなのでしょうか。それは大変ありがたいことなので、特に私は、小中学校の場合は、行きたくても保護者が連れていけない、通級はそういう形になっていますから、行けないわけで、是非ともこの自校通級ができますようなシステムを頑張っていただきたいなという意見と質問みたいなものですが、以上です。

【小川分科会長】  最後にしたいと思いますけれども、帯野委員、どうぞ。

【帯野委員】  私も教育再生実行会議の第九次提言について一言申し上げたいと思うのですが、(5)の日本語能力が十分ではない子供たちへの教育の部分です。今都心の学校では、教室の中に外国人の児童生徒が数人というのは、当たり前の光景になってきました。背景も国籍も家庭環境も多様な子供たちに、誰が日本語を教えているのかなというのが以前から大変気になっておりましたので、この提言で取り上げていただいたのは大きな一歩だと思います。

ただ、具体的なところで地域分野の役割として、中でも、大学生、日本人教師など地域の人材の安定的な確保に努める。また、教育課程編成のところでも地域の国際協会やNPO、それから大学等と連携して初期的な指導を行うということで、その地域の力を活用するというのはすごく良いことだと思うのですが、日本語の専門教員をどうするのかというところが欠けているのかなと思います。

日本語の教員は圧倒的に不足をして、きょうはデータを持ってきていないので自分の経験のところで申し上げるのは恐縮なのですが、私が最近まで勤めておりました大学でもこの20年で留学生が10倍になっているのに日本語教員は1名だけ。退任するときにもう1名非常勤を増やしましたが、大学全体の認識は低かったし、また、私が今教えているベトナムの大学でも5年前までは日本語を勉強している生徒、学習者が50名で学科だったのが、それが5年間で500人になって今では日本語学部になっています。そこで圧倒的に不足しているのが日本語教員で、そこではジャパンファウンデーションが大きな役割を果たしていると思うのですが、学部の先生たちに本音の話を聞くと、私たちが欲しいのは日本語ができる日本人ではない。日本語教育の専門家が欲しいのだということです。日本の語学教育に対する認識にも関わっているのではないかと思うのですが、英語も英語ができる外国人なら英語が教えられるというものではないし、したがって日本語も日本語ができる日本人が日本語を教えられるというものではありません。是非日本語教員の養成が急務であるという認識を共有していただきたいと思います。それは日本語能力のない外国人の児童生徒のためでもありますし、大学の留学生政策の大きな柱だと思いますし、かつアジア全体の日本語学習についても非常に大きな課題だと思いますので、実行会議で取り上げてもらったことを1つのきっかけとして、その仕組みと、先ほども御発言がありましたけれども、財源、その確保も含めて、しっかりこれから文部科学省の中で議論していただきたいものだと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

申し訳ないのですけれども、時間が少しオーバーしてしまいましたけれども、その点は御容赦ください。今、幾つか質問及び要望がありましたけれども、時間もありませんけれども、お答えできる範囲で事務局の方からお応え頂ければと存じます。

では、最初に再生実行会議の第九次提言についてはいろいろ御質問、御要望がありましたので、浅田室長の方から最初、お願いします。

【浅田教育再生実行会議担当室長】

教育再生実行会議の担当室長としてお答えします。教育再生実行会議と、文部科学省をはじめとする他省庁との役割分担としては、基本的には実行会議で大きな方向性を示し、それを各省庁で具体化に向けてより専門的に検討し、法令改正、予算等とか、いろいろな形で実現を図っていくという関係にあると考えています。同時に、教育再生実行会議は、提言のフォローアップを重視するということになっており、そのために昨年秋から提言フォローアップ会合を開催し、提言の実行状況を継続的に見ていくことになっています。

今日、お話のありました第八次提言についても、提言フォローアップ会合において、中央教育審議会で議論がまさに始まった第3期教育振興基本計画の策定に向け、第八次提言の趣旨をしっかりと反映するよう期待するとの議論があり、第九次提言にもその旨の記載が盛り込まれているところです。今後、提言のフォローアップという観点からも、実行会議としても引き続き、状況を見て、施策が進むよう促していきたいと考えております。

【小川分科会長】では、局長、よろしくお願いします。

【小松初等中等教育局長】お時間の関係で個別に細かくはお答えできないので、トータルとしてお答えしたいと思います。初中教育局でございます。また、今後に待つものも多いものですから、一般的にお答えしておきたいと思いますが、まず、帰られましたけれども、吉田先生からのお話、財政あるいは国公私の均衡、それから広域通信制の問題、これらについては、御指摘を踏まえながら御指摘の実現の方向へ持っていきたいと私どもも思っております。

それから、加治佐先生のお話ですけれども、これもその方向へ持っていきたいと思っておりますが、この研究成果等につきましては、それぞれの基礎学問的な部分と、それからやや応用学問的な意味での政策科学的な部分と、それから実際にその政策にしていくということをどのように組み合わせて実際のその税金の使い方を説得力あるやり方にしていくかということの関係をしっかり整理していかなければいけないと思っています。

もう一つ、この成果とか実証というときに、基礎としての数値やデータ、ビッグデータ的な効果、そういったものも大事ですけれども、他方で日々現場においてどのような取組が行われ、現にどこを悩んでいてということの集積の中に行政はあると思いますので、その双方からバランスを持ってきちっと、それこそ多角的と書いてあるようなことが実証できるようにしていかないといけないと思いますので、この在り方については、私どもとして先ほど御指摘の予算等を含めましてしっかり構築していきたいと思います。

安藤先生の方からの御指摘、高校の通級、特にこれからの制度設計に係ってまいります。まずは、これができるという、その制度間のことを踏み出せということで言われていて、我々の方でもその検討を進めている。それが実現するということが第一歩だと思いますが、確かに質を伴わないと後でどうしようもなくなるということもあり得ますので、全て1つずつお答えできませんが、よく踏まえて対応に努力したいと思います。

それから、市川先生の連携の取組のことでございます。この辺も御指摘を踏まえてよく両局でも意思疎通を図りながらやりたいと思います。

中島先生のお話でございます。自校通級、こういう御指摘があり、我々としてもそういうことができるようにいろいろしていきたいと思っておりますが、実態と財源と、そういったものを見ながら懸命にやっていく必要がありますので、これは各現場とよく連携をしながらやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

帯野先生のお話の日本語の、特に専門性の関係でございます。これももとより財源とかそういうことも関係するんですけれども、今私どもの方ではこうした考え方に備えまして、海外の在外教育施設関係の政策や、あるいは帰国子女の政策というのは伝統的にあるわけですけれども、今までは帰国子女と外国からの人みたいな政策にしておりましたけれども、今この5月にその辺のところは、少し、グランドデザインまでは行きませんけれども、トータルとして政策が見直されなければいけないということで、省内の会議で提言を頂いているんですけれども、この中では、むしろ日本語をどのように学習する必要があるかということからもそのアプローチにする必要がある。その帰国子女か外国人だとかそういうこと、あるいは外国人の中でも留学生か、何ていうのでしょうか、子女として来られている方、そういうことではなくて、もうそういう段階に入っているという認識が示されておりますので、まさしくおっしゃられるとおりの課題が大きくなってきていると思いますので、その点も一生懸命努力させていただきたいと思います。

はしょったようなことを言って漏れているかもしれませんけれども、以上、お答えさせていただきます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

質問された委員の方からもリプライしたいかもしれませんけれども、時間がありませんので、きょうはこの辺で終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

では、次回以降の予定について、事務局からよろしくお願いします。

【今井教育制度改革室長】  次回の初等中等教育分科会の日程につきましては、分科会長と御相談の上、追って御連絡を差し上げたいと存じます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。本日予定した議事は全て終わりましたので、これで会議を終了したいと思います。ありがとうございました。

 

―― 了 ――

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-- 登録:平成28年06月 --