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初等中等教育分科会(第96回) 議事録

1.日時

平成27年1月19日(月曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省東館3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 平成27年度予算案について
  2. 公立小学校・中学校の適正規模化・適正配置等について

4.議事録

【小川分科会長】  おはようございます。定刻になりましたので、ただいまより中教審初中分科会、96回目を開催したいと思います。
 本日は、議題として、議事次第に記載されているように、最初に、先日閣議決定した平成27年度予算案の御説明を事務局からしていただきます。二つ目に、少子化に対応した学校規模の適正化・適正配置等をめぐる現在の施策動向について、事務局からこれも報告いただいた後、委員から御意見を頂きたいというふうに思います。その後、きょうは、御存じかと思いますけれども、第7期中教審の最終回ということですので、委員の皆様から一言ずつお言葉を頂きたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず配付資料について事務局から説明をお願いいたします。
【武藤教育制度改革室長補佐】  本日、配付は議事次第にございますとおり、まず議題の1に関しまして、資料1-1として平成27年度文科省関係予算(案)のポイント、資料1-2、1-3といたしまして平成27年度予算(案)主要事項の事項別表及び説明資料をお配りしております。
 また、議題の2に関しまして、資料2-1として学校規模適正化・適正配置等に係る検討経緯に関する資料、それから資料2-2といたしまして公立小学校・公立中学校の適正規模・適正配置等に関する手引の案、2-3として学校規模適正化等についての実態調査、2-4として議題2関係の参考資料をお配りしております。
 また、机上配付資料として少子化に対応した活力ある学校づくりに関する支援策の概要資料を別途お配りしております。
 その他、参考資料として本分科会の委員名簿をお配りしております。
 不足等ございましたら、事務局までお申し付けいただければと思います。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 本日も報道関係者より会議の撮影及び会議内容の録音を行いたい旨の申出がありましたので、これを許可しております。御承知おきいただければと思います。
 それでは、本日の議題に入ります。最初に平成27年度予算案について、事務局より説明をお願いいたします。
【池田財務課長】  おはようございます。財務課長の池田でございます。
 それでは、平成27年度初等中等教育局の関係予算の概要について御説明をさせていただきます。資料が1-1から3まで用意させていただいておりますが、最初に資料の性格だけ御説明をさせていただきますと、資料1-1、平成27年度文部科学関係予算(案)のポイント、これは省全体の主な予算を列挙したものでございます。それから資料1-2が、これは初等中等教育局関係の予算の主なものを列挙しているものでございます。資料1-3は、資料1-2の各事項について具体的に説明した詳しい資料でございます。きょうは時間の制約もありますので、資料1-1の全体のポイントに沿って御説明をさせていただきたいと思います。
 この予算案、先週14日に閣議決定されましたが、財政事情が非常に厳しい状況の中で、省全体の予算5兆3,000億強ございますけれども、増減でいうと0.3%減ということでございます。一方で、復興特別会計の中にも文部科学関係予算がございますので、これを足すと5兆5,000億円強で、1.1%の増ということでございます。
 1ページの下の半分は文教関係予算とございますが、これは初中関係を含め高等教育や生涯学習など、いわゆる教育関係の予算を取り出したものでございます。
 具体的な項目について、2ページ以降に沿って御説明をさせていただきます。
 まず、2ページの上に方にございますけれども、教員の「質」と「数」の一体的強化でございます。このうちの大半を占めますのが義務教育費国庫負担金でございます。これは御承知のとおり、公立の小中学校などの教員の給与について国が3分の1を負担するということでございますけれども、全体で1兆5,000億強の予算で、増減でいうと38億円の減でございます。
 この減った内訳を少し、下のところにございますけれども、四つほど並べてございます。上の二つが定数の増減ですが、先に下の二つを御説明いたしますと、教職員の若返りで、ベテランの先生が退職され新しい先生が入ってくると、いわゆる単価が減るということで、これで61億円減。一方で、人事院勧告が暮れに出ましたので、これを反映させたものが90億円増でございます。一方で、報道等にも出ておりましたけれども、では、定数がどうなったかということですけれども、子供の数が減って算定される教員の数が減ったり、更に統合が進んだりすることによって4,000人減るということでございます。これに対して新たな加配措置を中心として900人の増ということでございます。平成26年度現在で教職員は697,000人いますけれども、ここから差し引き、4,000減って900増えるということで、3,100人減るということでございますが、この減る方は、子供が減ったり、あるいは学級数が減ったりすることによって減るということになりますので、現場に既に配置される先生方をはがすというようなことではありませんで、子供が減って学級が減りますので、現場としてはそれほど困らないのかなと思っております。
 一方で、当初、概算要求のときには標準法を改正して10か年計画で基礎定数を増やすということを要求しておりましたけれども、残念ながら、これは厳しい財政事情の下で認められませんでして、本年度は加配の定数として900人の増ということにとどまっております。しかしながら、概算要求の中でいろいろ要求しておりました。ここにありますような課題解決型授業への転換であるとか、あるいはチーム学校を目指して学校マネジメント体制の強化であるとか、さらには、教育格差の解消や特別支援教育の充実といった個別課題への対応、そして、学校の適正規模化を進める上で統合する際の支援であるとか、あるいは過疎地の小規模校の教育の充実、こういった内容については、規模は少し少なくなりましたけれども、全体で900人を新たに加配措置が実現できたということで、当初目指していた方向性に向かっての一歩は踏み出せたのかなと考えております。
 それから、これも財政審などから指摘されていました小1の35人学級を40人に戻すということは、これについては35人学級を維持することができるということでございます。
 以上が教職員定数ですけれども、加えて、下の方の補習等のための指導員等派遣ということで、これは教員以外のサポートスタッフの方々ですけれども、平成26年度よりも2,000人増のトータルで1万人ということで、こちらの予算はかなり増えてございます。
 3ページにまいりまして、一番上の四角のところが教員の資質向上の強化ということで、このうち特に大きなものとしては、この項目の真ん中にある丸1というところで、教員研修に係る中核的機能の強化ということで、これは先ほど触れました小・中学校などで課題解決型授業を進めていく際の具体的なカリキュラムであるとか、指導方法などを検討する次世代型教育推進センターというのを教員センターに設置することにしておりまして、その関係予算も認められております。
 次の大きな項目は、学校を核とした地域力強化プランということで、これは今、政府全体で地方創生の取組を進めておりますけれども、生涯学習政策局と初等中等教育局の関係の予算をパッケージにしたものでございます。
 このうち初中関係のみ簡単にかいつまんで御紹介いたしますと、最初の四角のところ、コミュニティ・スクール導入等促進事業ということで、これも2億円ついております。現在、コミュニティ・スクールは1,900校余りでございますけれども、これを全小中学校の1割程度、3,000校に増やすということを目標に、未設置の地域への支援等々の予算が認められております。
 一番下のところで、地域提案型の学校を核とした地域魅力化事業という、これは額としては少ないですけれども、新規で認められておりまして、地域が工夫して学校を中心とした取組をする際に支援をするという予算でございます。
 もう1枚めくりまして、4ページでございますけれども、4ページの二つ目の大きな項目で、特別支援教育の充実、これは145億円で予算増ということでございます。主なものとしては、四角四つ挙げてありますけれども、一番上のところは教職員の資質向上でございますが、特に特別支援学校の特支の免許を持っておられる方がまだ少ないという状況もありますので、免許取得の促進を図る事業でございます。
 また、二つ目の発達障害の取組ですけれども、これは発達障害の可能性のある子供たちを含めてどう指導するかということと、発達障害のお子さんが小学校から中学校に進学した場合に情報やノウハウをどう引き継ぐかというような連携も含めた事業でございます。
 次のいじめ対策等総合推進事業でございますが、これは主なものとしては、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの配置の拡充でございます。スクールカウンセラーにつきましては、26年度予算で小中が連携して配置される相談体制を200校設けておりましたが、これを300校に拡充するということと、貧困対策のために重点的に600校に配置をするということが主なものでございます。
 スクールソーシャルワーカーでございますが、これは1,400人余りから2,247人ということで、配置数がをよそ1.5倍に伸ばすことができております。また、カウンセラーと同様、貧困対策のための重点加配として新たに600人が認められております。
 駆け足で恐縮ですが、次のページに入りまして、道徳教育の充実でございます。27年度は「私たちの道徳」を引き続き配布する経費や教師用の資料の作成・配布の経費が認められております。
 続いて、キャリア教育・職業教育でございますが、これはスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール、専門高校を今年予算上は8校ということでして、予算上8校だったものを16校に拡充をするということでございます。
 一番下の新しい時代にふさわしい教育制度の柔軟化の推進ということでございますが、これは三つの事業からなっております。一つは、教育再生実行会議の答申などを踏まえて中教審でも御審議いただいておりますが、中高一貫教育の取組のための調査研究でございます。
 二つ目は、フリースクール等で学ぶ子供への支援ということで、これは昨年フォーラムを開催しておりますけれども、実態を把握したり設置に向けた位置付けの検討を進めたりする経費でございます。
 一番下が、いわゆる夜間中学校の充実でございます。現在は、8都府県、全国で31校しかまだありませんので、未設置の地域への普及啓発をはじめ、設置促進に向けた調査を行うという予算でございます。
 続いてもう1ページめくっていただきまして、6ページでございますが、グローバル関係でございます。初等中等教育関係は一番上の丸のところでございますけれども、その主なものは、全体で大きく分けると三つございますが、二つ目のスーパーグローバルハイスクールでございます。今年度50校を指定しておりましたが、これを来年度新たに50校更に新規で指定して、全体で100校に増やすという予算を認められております。
 その下の在外教育施設への派遣教員の拡充ですが、これはいわゆる日本人学校などに対する教員派遣、この予算につきましては9年間ずっと減っておりましたが、対象の子供たちが増加しているなどの状況も踏まえ、9年ぶりに増加に転じております。
 少し飛びまして、8ページでございます。学びのセーフティネットの構築ということで、ここは主に三つの事柄が書いてございまして、まず一つは、幼児教育の無償化に向けた取組の推進ということで、これは報道等でも御覧になったかと思いますが、大臣折衝の結果、結果的に402億円がついております。主な内容は二つございまして、一つは、低所得世帯への保護者負担の軽減ということで、現在、市町村民税非課税世帯の保護者というのは月額でいうと9,100円の保育料が必要でありましたけれども、これを軽減して月額3,000円に引き下げるというものでございます。
 もう一つは、就園奨励費補助という形でこの予算は出しておりますけれども、市町村の負担がやや多くなっていって、3分の1国が補助をするということですけれども、予算が足らずに実際には市町村の持ち出しがやや多くなっておりましたので、それを解消して、市町村がこの予算を充実しやすくしたということでございます。これを合わせて402億円ということでございます。
 それから、その下が学校をプラットフォームとした貧困対策の推進ということですけれども、これは先ほど御説明したスクールソーシャルワーカーの配置拡充などの予算を充実させております。
 次に、その下の二つですけれども、これは高校生に対する就学支援ということですけれども、これは本年度から制度を見直しまして、年収910万以上の世帯については授業料をとるということで、その分を低所得者、中所得者に対する支援に充てるということで、仕組みを見直したことによる学年進行に伴う予算の増減がほとんどでございます。1年生、2年生が新制度の対象になりますので、それに伴い額が変わっております。それとともに、低所得者、中所得者の方々に対する支援も充実していく。
 その下の高校生奨学給付金も、学年進行で事業を実施するとともに、生活保護世帯に対する支援の拡充などをここで行っております。
 以上が初等中等教育関係の主なもので、最後の16ページ以降に復興特別会計関係の予算がございますが、各県からの要望も踏まえて、必要な予算は確保できていると考えております。
 説明は以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。今、初中局の関係施策を中心に平成27年度予算の説明についてありましたけれども、今の説明について、何か皆さんの方から御質問、御意見がございましたら御発言をお願いいたします。恐縮ですけれども、御発言する際には、机上の名札を立てていただければと思います。いかがでしょうか。
 北城委員、どうぞ。
【北城委員】  3ページの学校を核とした地域力強化プランのところです。コミュニティ・スクールの導入促進を図るための予算はかなり増やしていただいていますが、まだ2億円である一方で、次にある学校・家庭・地域の連携協力推進事業の方は49億円で11億円増となっています。いずれも地域社会が学校に協力するということでは同じような趣旨だと思うのですが、コミュニティ・スクールの方は、より地域が教育に参加する色彩が強いと思います。今年度はこれで決まりということですけれども、今後もより一層、コミュニティ・スクールの導入促進の方に力を入れていただいて、この二つを合わせて評価をしていくようなことが必要ではないでしょうか。コミュニティ・スクールを行っているところは非常に成果が出ているというような調査結果も出ているので、来年以降、また考えていただきたいと思います。
【小川分科会長】  事務局の方、いかがですか。
【塩崎参事官】  担当している初等局参事官でございます。
 今、北城先生から言われたとおりでございまして、初中局と生涯学習局で行っている事業を極力共同して進めていくということで、今回初めて一つの予算にもさせていただきましたし、この協力をして進めていくという方向で頑張りたいと思っておりますので、引き続き御支援をよろしくお願いいたします。
【小川分科会長】  ありがとうございました。北城委員、よろしいですよね。
【北城委員】  はい。
【小川分科会長】  ほかにいかがでしょうか。なければ、よろしいでしょうか。来年度予算案の説明はよろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。
 次の議題は、少子化に対応した活力ある学校づくりに関する現在の施策動向と学校規模の適正化等に関する手引の案について、事務局からまず説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
【武藤教育制度改革室長補佐】  それでは、御説明いたします。
 資料2-1を御覧ください。学校規模の適正化・適正配置等に関しますこれまでの検討経緯に関して御説明申し上げます。
 資料2-1、横長のカラーのものでございますが、左側にまず背景がございます。言わずもがなでございますけれども、集団の中で切磋琢磨(せっさたくま)しながら学習したり、あるいは社会性を高めたりするという学校の特質に照らせば、本来、学校は一定の規模があることが望ましいだろうと。このため文科省では、適正規模あるいは適正配置について標準等を定めてまいりました。学校の規模の方につきましては、小中学校ともに12から18学級、通学距離につきましては小学校で4キロ以内、中学校6キロ以内ということを定めておりました。この10年間で様々、少子化等への対応ということも含めて、小中学校の1割に当たる3,000校超が統合されておりますけれども、標準規模に満たない学校も依然として約半数あるということでございます。今後、さらなる少子化の進展が想定、予想をされている中で、学校の小規模化に伴う教育的なデメリットが更に顕在化するということが懸念をされているという時代背景でございます。この方向からすれば、学校の統合などによる適正規模化という方向性が一方である。他方で、統合が困難な地理的特性、あるいは地域コミュニティの核としての学校の重要性の配慮が必要であろうということで、結論としては、各市町村の実情に応じて、少子化に対応した活力ある学校づくりを推進する、そういうことが必要なのではないかという問題意識でございます。
 検討の具体的な経緯に関しましては、昨年6月に政府方針、骨太の方針2014等におきまして、学校規模適正化に向けた指針の作成が盛り込まれました。これを受けまして、昨年9月から、文科省の方で幅広い関係者の意見の聴取、全国的な実態調査を実施しております。特に二つ目のぽつですけども、調査研究の協力者にもお集まりを頂きまして、この少子化に対応した学校規模の適正化について議論をしていただきました。きょうお集まりの先生方の中でも、小川先生、天笠先生、貞広先生、早川先生にも加わっていただきながら議論を進めてまいりました。あわせて、少子化から生じる課題に対して効果的に対応している教育委員会、あるいは学校現場等々からヒアリングも行いました。
 こうした中、昨年12月、いわゆるまち・ひと・しごと創生総合戦略、これは閣議決定でございますけれども、この中にそれぞれの市町村の実情に応じた活力ある学校づくりをきめ細かに支援する旨、盛り込まれております。右側に本文がございますけれども、ちょうど中ほど、「そのため」以降でございますが、地域コミュニティの核としての学校の役割を重視しつつ、活力ある学校づくりを実現できるよう、学校統合を検討する場合、あるいは小規模校の存続を選択する場合、さらには休校した学校を子供の増加に伴って再開する場合などに対応して、市町村の主体的な検討、あるいは具体的な取組をきめ細かに支援する、こういった閣議決定がなされてございます。
 こういったもろもろのことを踏まえまして、本年1月、その一番下ですけれども、公立小学校、中学校の適正規模・適正配置等に関する手引の案を作成いたしました。その手引の案につきまして、資料の2-2に基づきまして御説明を申し上げたいと思います。
 2-2を1枚めくっていただきますと、目次がございます。大きく構造的なところを御説明すると、まず1章で学校規模適正化の背景、この手引の位置付け、2章で適正規模・適正配置に関する様々な考え方、3章で学校を統合する場合に留意すべき点、4章で小規模校を存続させる場合の教育の充実、5章で休校した学校の再開、6章で都道府県の役割について大きく記載をしてございます。
 早足、恐縮ですけども、もう1枚めくっていただきまして、1章から御説明を申し上げたいと思います。
 1章、学校規模適正化が課題となる背景ということで、中ほど以降に少子化の進展等の状況変化、我が国全体の人口問題の状況、それから最初の丸の最後のところですけども、人口の地域的な偏在が加速すること、それに伴って年少人口についても大きく減っていくというマクロ的な状況をまず御紹介しております。
 2ページにまいりまして、そうした背景の下で小・中学校が過度に小規模化したり、教育条件への影響が出たりする懸念があるということ、更に加えて、その次の丸でございますが、地域コミュニティの衰退、三世代同居の減少、共働き世帯等の増加、世帯当たりの子供の数の減少、こういった様々な背景の中で家庭・地域における子供の社会性育成機能が弱まっているという中で、学校が小規模化であることに伴う課題がかつてよりも一層顕在化しているという指摘についても、ここで触れております。
 こういった中、こういった様々な状況への対応を学校設置者である市町村ごとに見てみますと、必要な検討が既に行われている地域もある一方で、様々な事情から検討が進んでいない地域もある。全体としては、標準規模を大きく下回る学校が相当数存在している状況でございます。
 その次の丸の中ほどですけれども、更にこの学校規模の適正化、あるいは小規模化に伴う諸問題の対応が、先ほどのマクロ的な状況を見ますと、一過性のものではなくて将来にわたって継続的に検討していかなければならない重要な課題であるとの認識が広がっていて、主体的な検討が求められている、こういった背景を説明してございます。
 その上で、学校規模適正化に関する基本的な考え方ということで、まず教育的な観点でいえば、最初の丸の最初の行にございますが、学校の果たす役割を再確認する、4行目でございますが、単に教科等の知識、技能を習得させるだけではなくて、集団の中で多様な考えに触れたり、認め合ったり、協力し合ったり、切磋琢磨(せっさたくま)することを通じて思考力や表現力、判断力、あるいは問題解決能力などを育んだり、社会性や規範意識を身に付けさせる、こういった教育を十全に行うためには、一定規模の児童生徒集団あるいはバランスのとれた教職員集団が望ましいと、このため学校規模の確保ということが重要であるということでございます。
 右側のページにまいりまして、この適正化の検討というのは様々な要素が絡む困難な課題でございますが、あくまでも子供の教育条件の改善の観点を中心に据えて、学校教育の目的や目標をよりよく実現するために行うという基本的な考え方をここで明らかにしています。
 その上で、地域コミュニティの核としての性格への配慮ということで、様々学校が機能を有しておりますし、学校教育が地域の未来の担い手である子供を育むという営みであれば、まちづくりの在り方とも密接不可分であろうということで、このことの具体的な検討については行政が一方的に進めるものではなくて、学校が持つ多様な機能にも留意して、地域とともにある学校づくりの視点を踏まえて、丁寧に議論を行う必要があるということをここで明確にしてございます。
 特に山間へき地、離島等の地理的な要因、あるいは過疎地など学校が地域コミュニティの存続に決定的な役割を果たしている、様々地域事情がございますので、学校統合によって適正規模化を進めることが困難であると考える地域、あるいは小規模校を存続させることが必要である地域等も存在するところでございまして、こうした市町村の判断は尊重される必要があると。
 他方、こうしたケースにおきましては、教育の機会均等、あるいは水準の維持向上という義務教育の本旨にかんがみて、小規模であることのメリットを最大化する、あるいはデメリットをきちっと分析をして最小化するような工夫を計画的に講じていく必要があって、それに対して国、都道府県は積極的な支援をすることが求められているということを述べております。
 その上で、本手引の位置付けでございます。次のページにまいりまして、次のページの3行目でございますけれども、こうした学校の統合の適否の判断は、大変デリケートかつ困難な課題であり、検討が必ずしも進んでいない市町村、あるいは検討の参考となる資料の提供を望んでいる市町村も、後ほど御紹介いたしますけれども、非常にデータ的にも多くなっているという状況でございます。
 あわせて、都道府県の役割としては、ほとんどの都道府県が学校規模の適正化が課題であるというふうな認識を持たれておりますが、積極的な支援に取り組んでいるところは一部にとどまっているという状況でございます。
 このことにつきまして、既に中央教育審議会、この本初中分科会のもとに作業部会を平成20年に設けまして、21年に小・中学校の適正配置に関する主な意見の整理というのを取りまとめていただいて、本分科会に報告をしていただいております。ですので、この手引の位置付けとしては、各都道府県あるいは市町村のニーズに基づいて、本審議会におけるこれまでの検討、あるいは全国的な実態調査の結果を踏まえて、改めて有識者の先生方の協力も得ながら、丸の1ですけども、各市町村が学校統合の適否、あるいは進め方、あるいは小規模校の充実策等について検討する。あるいは都道府県がこうしたことについて指導・助言・援助を行う際の基本的な方向性、あるいは考慮すべき要素、留意点等を取りまとめたもので、財政的な支援も含めて、いろいろな方策と併せて総合的に支援をする一環として策定するという、そういう性格のものでございます。
 なお、それぞれの地域の実情等、様々でございますので、この手引の内容を機械的に適用するというようなものではございませんで、あくまでも主体的な検討の参考資料という位置付けでございます。
 長くなりましたけれども、1章について御説明をするとそういうところでございまして、続けて駆け足、恐縮ですけども、2章、適正規模・適正配置に関して御説明申し上げます。
 まず、基本的な事柄ですけれども、法令上、学校規模の標準、12から18以下が標準とされております。ただ、一口で標準未満といいましても、実際には抱える課題に大きな違いがございますので、12学級を下回る程度に応じて具体的にどのような課題があるのか考えていく必要があるであろう。
 まず、ページ中ほど以降でございますが、基本的な視点として、学級数が少ないことによる学校運営上の課題、これを丸の1から丸の14まで整理をしております。例えばクラス替えができないですとか、クラス同士が切磋琢磨(せっさたくま)できない、あるいは加配なしには多様なし同形態がとりにくい、丸の4でクラブ活動、部活動の種類が限定される、集団活動・集団行事の教育効果が下がる、男女比の偏り、あるいは上級生・下級生のコミュニケーション、先輩の数が少なくなる、体育科の球技、あるいは合唱・合奏みたいな集団学習の実施に制約が生じる、班活動・グループ分けの制約、協働的な学習の課題の制約、児童生徒から多様な発言が引き出しにくい、あるいは先生と子供との心理的な距離が近くなりすぎる、こういった様々な課題を整理してございます。
 こうした課題につきましては、中ほどですけれども、学級数、学級あたりの児童生徒数の減少に応じて一層顕在化することが懸念され、特に複式学級となる場合、これは直接指導と間接指導を組み合わせる必要がございますので、複数学年を先生方が行き来しながら指導する必要があるということが求められますから、更に丸の1から丸の5に記述してあるような課題が生じ得るということが指摘をされてございます。
 次のページにまいりまして、教職員数が学級数の減に伴って教職員数も少なくなるということに伴う学校運営上の課題を整理してございます。
 まず丸の1で、バランスのとれた教職員配置が困難になる、教員個人の力量への依存度が高まる、丸の3として、子供のよさが多面的に評価されにくくなる、多様な価値観に触れさせることが困難となる、多様な指導方法が困難となる、一人当たりの校務負担等が重くなって校内研の時間が十分確保できない、丸の8で、先生方同士が切磋琢磨(せっさたくま)する環境を作りにくい、丸の10で、免許外指導の教科が生まれたり、クラブ活動・部活動の指導者確保が困難となったりする、こういった様々な課題を整理しております。
 その次で、こういった課題につきましては、いずれも一般的に想定されるものでございまして、実際に個別の課題が生じるかどうかということは、様々な条件によって大きく異なるところでございますが、仮に上記のような課題が生じた場合、子供たちに与える影響として、丸の1から丸の9まで整理をしております。例えば集団の中で自己主張をしたり、他者を尊重する経験を積みにくい、社会性、コミュニケーション能力が身に付きにくい、あるいは子供の人間関係、相互の評価の固定化、協働的な学びの実現の関係、教員がそれぞれの専門性を生かした教育が受けられない可能性、切磋琢磨(せっさたくま)する環境の中で意欲や成長が引き出されにくい、依存心が強まる、進学等の際に適応に困難を来す可能性、多様な物の見方、考え方、表現の仕方に触れることが難しい等々でございます。
 こうしたことを踏まえまして望ましい学級数を考えた場合、小学校では、まず複式を解消するためには少なくとも1学年1学級以上、それから全学年でクラス替えを可能としたり、学習活動の特質に応じて学級を超えた集団を編成したりする、あるいは同学年に複数教員を配置するためには1学年2学級以上が望ましいであろうと。
 また、中学校につきましても同様の考え方に基づきまして、少なくとも1学年2学級以上、あるいは免外をなくしたり、全ての授業で教科担任による指導を行ったりするためには9学級以上、できれば更に適正規模に近付けていくということが望ましいと考えられるということでございます。
 ここまでが学級数に着目したところでございますけれども、一般に学級数が同じであっても、実際の各学級の子供の数、あるいは学校全体の子供の数には大きな幅があるということで、まず括弧書きのところでございますが、学年単学級の場合に着目して、3行目、学年単学級の場合は、学級の子供の数が10人に満たない場合から40人の場合まで様々でございます。
 次のページにいきまして、学級における子供の数が極端に少なくなった場合、先ほど申し上げた学級数が少ないことの課題のうち、特に以下の点が顕著な課題として表れてくるということで、御覧を頂いたような内容を、これは再計でございますけれども、整理をしてございます。
 特にその次の丸ですが、今後の教育におきまして、一方向・一斉型の授業だけではなくて、協働型・双方向型の授業革新の必要性も指摘をされているところでございますので、余りにも学級の子供の数が少ないと班活動、あるいはグループ分けのパターン、あるいは協働的な学習で取り上げる課題に制約が生じるということで、新たな時代に求められる教育活動の充実という観点で課題があるということでございます。
 あわせて、学校全体の子供の数に着目した場合、例えば各学年単学級の小学校であれば、40人から235人ぐらいまで、あるいは中学校の場合、15から120人まで幅広いケースがあり得るところでございまして、全国的な状況を見ますと、教職員を加配して学校全体の学級数を一定程度確保していると、つまり複式を解消するために加配を付けてそれぞれ単学級は確保しているという場合でありましても、学級数が少ないことにより生じる課題のうち、そういう場合ですと、特にこの4点については、学級数が確保されていても子供が少ないので顕著な課題として残る可能性がある、こういった整理をしてございます。
 これらを全体的に踏まえまして、中ほどですけれども、現行の学校規模の標準を下回る場合に、市町村において考え得る対応を大まかな目安として整理をしてございます。
 小学校について申し上げますと、大きく、1から5学級であれば複式学級が存在する規模、6学級であればクラス替えができない規模、次のページにまいりまして、7から8であれば全学年ではクラス替えができない、9から11であれば半分以上の学年でクラス替えができる、こういった整理をしてございます。
 1ページ戻っていただきまして、例えばということで申し上げますと、1から5学級のところを読み上げますが、おおむね、複式学級が存在する学校規模。学校全体の児童数や指導方法等にもよるが、一般に教育上の課題が極めて大きいため、学校統合等により適正規模に近付けることの適否を速やかに検討する必要がある。地理的条件等により統合困難な事情がある場合は、小規模校のメリットを最大限生かす方策や、小規模校のデメリットの解消策あるいは緩和策を積極的に検討・実施する必要がある、こういった書きぶりとしてございます。ポイントは、適否を速やかに検討する、統合困難な事情があればメリットを最大化、デメリットを最小化、こういったことを記述しておりまして、このあたりの記述が、学級数が増えれば増えるほどグラデーション的に記述の程度が弱まっている、そういった構造になっているということでございます。
 13ページ、二つ目の丸でございまして、あくまでも学校統合の適否を検討する際の一つの参考という位置付けをここでもう一度強調してございます。
 駆け足、恐縮ですけども、14ページにまいりまして、学校の適正配置(通学条件)につきましての整理でございます。
 次のページの通学距離による考え方。先ほど申し上げましたように、現行の基準でいきますと、小学校でおおむね4キロ以内、中学校は6キロ以内ということがございます。こういったこともありますので、全国的に見ましても通学条件は通学距離で捉えることが一般的になってございます。
 実際に各市町村の状況を見ますと、通学距離の基準が定めている市町村、相当数ございますが、いずれも4キロ、6キロ以内、あるいはそれ以下ということでございまして、過去平成20年に通学距離とストレスとの関係を調べた研究がございますが、これも4キロ、6キロ以内という場合において、ストレスが大幅に増加するということが認められなかったということでございます。
 これら踏まえまして、徒歩と自転車による通学距離と考えますと、4キロ、6キロという基準はおおよその目安としては引き続き妥当であろうと。その上で、それぞれの市町村におきまして、実際に子供たちが徒歩で通学しているだけなのか、一部の子供は自転車を使っていたり、あるいはちょっと遠目の子はスクールバスを使っていたりするか等々を考慮の上で適切な通学距離の基準を設定することが望まれるということでございます。
 他方、実際、全国的な状況を見ますと、スクールバスの導入事例が多くなってございますので、こうした通学距離の基準だけで通学条件を考えるということが実態にそぐわないケースが増えているということでございます。
 16ページの最初の丸にまいりまして、全国的な各市町村の実態を調査したところ、交通機関を利用した場合の通学時間を基準として設定しているところもございまして、そうしたところはおおむね1時間以内を設定している例が多かったところでございます。それから、過去3年間の統合事例を悉皆(しっかい)で分析をしましたら、統合後の最遠方からの通学時間は10分未満から75分まで非常に幅広いところでございましたが、9割以上が1時間以内となっておりました。
 実際の懸念といたしましては、通学時間が長くなる、あるいは徒歩の時間が減少する、そういうことに伴いまして体力の低下、あるいは家庭学習の時間の減少等の課題が生じる得るところでございますけれども、これも実態調査の結果、様々な創意工夫を生かして課題の解消を図っている事例も存在するところでございます。例えばスクールバスの時間の有効活用、音声教材の活用とか、あるいは校門から一定の距離でスクールバスから降ろして歩数を確保する、さらにはその次の丸の中ほどですが、長時間バスに乗った状態から円滑に心身の状態を切り替えていくという観点で、学校到着後に軽い運動の時間を設ける学校等もあるところでございます。
 こういったことを総合的に勘案した場合、適切な交通手段が確保できて、かつ遠距離通学等のデメリットを一定程度解消できる見通しが立つことを前提として、おおむね1時間以内を一応の目安とした上で、それぞれの市町村で1時間以上、あるいは1時間以内に設定することの適否も含めた判断を行うことが適当である、こういった整理をしてございます。
 続きまして、3章にまいります。学校統合をする場合に留意すべき点ということで、(1)で、まず、学校統合の適否に関する合意の形成。基本的な考え方、先ほど申し上げたことと重複しますが、最後の丸です。「地域とともにある学校づくり」が求められているということを踏まえて、学校規模の適正化の適否を検討する上で、直接の受益者である子供の保護者、あるいは将来の受益者である就学前の子供の保護者の声を重視する。重視しつつも、地域住民等と教育上の課題、あるいはまちづくりも含めたビジョンを共有して、十分な理解と協力を得ながら進めていくことが大切であるという基本的な考え方を述べております。
 その上で、個別の話として、課題の可視化と共有ということで、地域住民は日常的な学校を見る機会がないので、なかなかその課題を実感することが難しいということで、次のページにまいりますが、例えば標準規模の学校と比べた場合の具体的な制約、あるいは現状と統合後を比べた場合の可能性等につきまして、具体的なデータ資料に基づいて十分な情報提供を行うこと。
 それから、統合の効果の見通し、中ほどでございますけども、過去の統合事例から、丸の1からその次のページの丸の10に至るまで、競い合いが生まれたとか、たくましくなった、コミュニケーション能力が高まった等々、様々な効果が実際に学校の現場から報告をされてございます。
 20ページにまいりますと、指導体制、指導方法に与えた効果ということで、丸の1から丸の12まで、複式が解消された、クラス替えが可能になった等々、先ほど申し上げたデメリットの裏返しが様々な効果として、実際に学校現場から報告をされてございます。
 その次の丸になりますけども、こうした各学校、過去の統合事例における効果につきまして、客観的な条件が似ている具体的な事例を基によく研究をして、どんな効果か期待できるのか等々をきちっと見極めた上で適否を判断する必要があるということを、ここに記述をしてございます。
 21ページにまいりまして、統合を行う場合の検討体制の工夫、地域コミュニティの核としての学校の統合が一方的に進めるものではないということをもう一度ここで強調し、保護者や地域住民が新しい学校に何を望むのか、きちっと十分な対話を経て作っていただきたいということ、それからその次の丸で、適切な検討体制ということで、その次の丸になりますが、例えば地域や保護者の代表に参画をしていただいたり、アンケート、パブリックコメント等を行ったりするという工夫、さらにはその次の丸ですけれども、地域の自治組織等の主体的な検討の結果を踏まえて教育委員会が学校統合の検討を始める、そういう方式を確立しているところ、あるいは地区全体における学校規模適正化の大まかな方向性までは示して、統合の組合せ、配置等の具体的なプランについては、保護者や住民からなる地域の検討委員会の検討に委ねる、こういう方式を確立している例もあるところでございます。こういった例の御紹介。
 22ページにまいりまして、首長部局との緊密な連携ということで、学校統合の適否の判断、まちづくりの一環として行うことが多いということ、あるいは魅力ある学校づくりを統合を契機として行う場合に多額の予算が伴うこと、あるいは昨年の地方教育行政の改正によりまして、総合教育会議等の規定が設けられたことを踏まえて、総合的な施策の大綱の中に学校の統合に関する指針や計画、あるいは個別の施設整備やICT機器の充実、さらには小規模校における教育条件の改善等を議題として考えていくということも考えられるのではないかということを記載してございます。
 次のページにまいりまして、魅力ある学校づくりの様々なプランをここで御紹介をしてございます。
 まず、地域との協働関係を生かした学校づくり、統合の検討を機に、コミュニティ・スクールあるいは学校支援地域本部の積極的な導入、このことによって統合校を核としてそれぞれ旧通学地域の保護者、住民の間に新たな絆(きずな)を作っていくということ、あるいはその次の次の丸で、新たな学校で統合対象の地域の多様な文化や歴史・産業等の資源を積極的に生かした教育活動を展開する。
 さらには、若干かぶりますけれども、魅力あるカリキュラムの導入ということで、次のページにまいりまして、小中一貫教育等、あるいは様々な研究指定の活用、それから最後の丸ですけれども、学校統合が学校運営あるいは教育活動の在り方を変える大きな契機となるということを利用しまして、統合の際にICTを計画的に導入する、あるいは校務分掌等が大きく変わるので、この際、学校管理職、教員と事務職員との役割分担を大胆に見直したり、校務支援システムの導入、あるいは給食費の徴収、督促等の、そういう事務のうち、適当なものは学校ではなくて教育委員会が一括して担当する。大きく変わることを契機として、大きく学校の運営も効率化し、よりよいものにしていくということも考えられるのではないか。
 それから、中ほどの施設整備面の充実ということで、コミュニティスペースの設置ですとか、各種施設との複合化による教育活動の充実等について記載をしてございます。
 次のページにまいりまして、統合により生じる課題への対応ということで、課題に正面から向き合っておくということが極めて重要であるということで、例えばスクールバスの導入に伴う課題。先ほど申し上げたようなことが丸の1から丸の7まで書いてございます。
 通学路の安全確保に関する対応ということで、27ページから28ページにかけて、これまでも様々な政策文書で申し上げてきたことの徹底。
 子供の環境変化への対応ということで、まず、統合前に丸の1から丸の6に至るような様々な対応、学校統合の後も環境への適用を継続的に支援する観点から、様々な工夫の例をここで盛り込んでおりまして、特に次のページで、障害のある子供たちに対する対応というのをきめ細かに行うべきこと、それから地域との関係の希薄化を防ぐ工夫ということで、学校が関わる地域が広がることをむしろメリットとして生かすような様々な方策を丸の1から丸の7まで整理をし、あるいは地域の拠点としての機能の継承ということで、次のページにまいりまして、廃校にした学校の有効的な活用をまちづくりの戦略の一環として位置付けて積極的に行っていくこと。
 大事なこととして、統合に伴う事務の計画的な実施ということで、統合の際、膨大な事務が発生しますので、様々な現場からお話を伺って、丸の1から丸の15まで、本当に様々な事務があるということをここで整理をしております。
 31ページ、次の丸でございますが、先行の事例も踏まえて事務を具体的にリストアップして、教育委員会と学校の間、あるいは学校の教職員間で適切な分担をして計画的に対応する。それから、教育委員会に統合準備の担当者を増強して学校負担を大きく軽減した事例等も、ここで御紹介をしてございます。
 また、地域の大学等との連携ということで、地域コミュニティの中核的な存在としての機能の強化が今求められているということを踏まえて、31ページから32ページにまいりますけども、この少子化に対応した学校づくりは地域の最重要課題の一つでございますので、地域コミュニティの中核的な存在としての大学の知を生かすということの重要性をここで述べてございます。
 次ページにまいりまして、小規模校を存続させる場合の教育の充実ということで、学校の統合を選択しない場合ということを丸の1から丸の5まで整理をしております。離島、山間部、豪雪地帯等々、あるいは学校統合を行った際に、さらに子供の数が減っているというパターン、同一市町村内に一つしか小中学校がなくて、さらに小中一貫教育が導入されているようなパターン、さらには丸の4でございますが、当該地域のコミュニティの存続、あるいは発展の中核的な施設として位置付けて、地域を挙げてその充実を図ることを地域が希望する場合、さらには、都市部においても様々宅地造成等の大幅な人口変動が繰り返されるような場合、こういった場合については学校の存置を選択する。しかし、小規模校のデメリットの最小化とメリットの最大化をやっていく必要があるだろうということでございます。
 34ページにまいりまして、そのための方策を様々書いてございます。先ほどは小規模校のデメリットを整理しておりますが、小規模校には様々なメリットもございます。丸の1から丸の9まで、子供たち一人一人のきめ細かな状況を把握して、指導が行いやすいですとか、一人一人意見の発表ができるようになる、リーダーが務められる等々、あるいは丸の6なんかで、一人一人に教材・教具が行き渡りやすい、ICT等も比較的少ない支出で整備ができる等々、様々なメリットがございます。この様々なメリットを最大限に生かせば、例えばICTの効果的な活用による一定レベルの基礎学力の保障ですとか、あるいは繰り返し指導の徹底を総合的に実施する、さらには少人数であることを生かすことで、大人数ではなかなか難しかったような指導の充実を図っていく等々、様々現場からもお話を伺いまして、可能な、あるいは望ましい工夫をここで整理をしてございます。
 他方、35ページの後半ですけども、デメリットの緩和策ということで、社会性の涵養(かんよう)のための工夫ということで、小中一貫の導入、あるいは山村留学・漁村留学、テレビ会議システムと他校との合同授業、あるいは教室不足による多様な意見を収集させる観点で、タブレットPC等の活用等々、様々なこと、あるいは社会教育との連携、こういったことを盛り込んでございます。
 切磋琢磨(せっさたくま)する態度あるいは向上心の方策、教職員体制の整備、あるいはリソースの有効活用ということで、丸の1から丸3まで様々な工夫を盛り込んでございます。
 5章は、休校した学校の再開ということで、再開に向けた取組の様々な工夫、学校選択制の導入、区域外就学、あるいは40ページで施設の維持管理の方策、それから、再開後は小規模校であることが想定されるので、そのメリットの最大化、デメリットの最小化。最後は、国における支援メニューの活用ということで、もろもろ盛り込んでございます。
 最後、6章が都道府県の指導・助言・援助の在り方ということで、この手引に様々なことが既に盛り込まれておりますけども、それぞれの地域の実態に応じた指導・助言・援助ということであれば、都道府県の役割が大きくなるであろうということを踏まえまして、(2)の三つ目の丸ですけれども、それぞれの都道府県でこの手引も参考としながらガイドラインを整備していただくということですが、あるいは43ページにまいりまして、情報提供機能の強化やカリキュラム開発への支援、財政面・人事面での支援、44ページにまいりまして、統合困難な小規模校、なかなか設置者のみでは困難なケースもございますので、そこへの支援、特に教職員配置の充実や研修の充実、モデル事業の実施等について盛り込んでございます。
 これが大体手引の概要でございまして、資料の2-3に実態調査を申し上げておりますが、ほとんどこの手引を作るための様々なバックデータを盛り込んでございます。時間の関係で若干にとどめますけども、例えば資料2-3の23ページ、後段を御覧いただきますと、これは各市町村の小・中学校の適正規模に関する認識ということでございまして、「おおむね適正規模である」とお答えのところが17%ある一方で、適正規模化について課題を認識しているところが相当するということがここで明らかになっております。
 24ページにまいりまして、そうした課題を認識している市町村の課題の解消への検討状況ということで、一番下でございますが、「課題はあるが現時点で検討の予定は立っていない」ところが54%であること、それから大分先にいきますけれども、31ページから、先ほど申し上げた小規模校のメリットの最大化方策、先ほど御紹介したような内容がどの程度取り組まれているのか、いないのか。あるいはその次のページで、デメリット方策についてどうなのか、こういったことについてもきめ細かにデータをとって御紹介しております。
 41ページにまいりまして、学校統合による成果、それから42から43につきまして課題、これらも現時点でどんな状況にあって、どんな工夫がなされているのかということを精査しまして、それを手引に生かしているところでございます。
 長くなりましたけど、以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。大部な内容になっておりますけれども、非常に重要な手引案と思います。若干時間をとりまして、皆さんの方から質問、御意見を頂ければと思います。御発言の方は、恐縮ですけれども、机上の名札を立てていただければと思います。どなたからでもどうぞ、よろしくお願いいたします。
 熊坂委員、どうぞ。
【熊坂委員】  ありがとうございます。今御説明をお聞きして、全国人口減の中で、やはり学校の統廃合というのは避けて通れない問題だろうと私も認識をしております。特に町村の方は、自治体の規模として3万を切るのがほとんどでございますので、より深刻な状況を抱えていると、そんなふうに思っております。
 そういう中で、全国の実態をしっかり調査した上でこういうふうに手引のまとめをしていただいたこと、本当に有り難いなと評価をしておるところでございます。
 1点気になっているのは、標準数がイコール適正規模というのが、ちょっと気になるところです。例えば中学の例でいいますと、学年3学級、つまり9学級、これは標準からは外れているんですが、比較的この辺は学校運営がやりやすい。後ろの方にはそういうふうに書いてはあるんですが、ともすると、標準イコール適正規模という考えでいいのかどうかというのがちょっと気になるところでございます。
 以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、次、長尾委員、加地佐委員、堀竹委員の順でお願いいたします。
 じゃ、どうぞ。
【長尾委員】  こういう手引が作られたことは大変うれしいことだと思っております。私は今、広島の瀬戸内海の小さな島に関わっておりますけれども、現在島の人口が8,000人なんですね。そこが2,000人になるだろうというふうな予測が立っていて、島に行きますと、中学校の廃校、小学校も廃校になって、大きな問題になっているのです。まさに今、フレキシビリティーを持ってそれぞれで考えるという、この手引が出たことはうれしいことだと思っております。ただし、これはある意味、出血を止める絆創膏(ばんそうこう)のようなものだなというふうに思っております。今ここで止めても子供の数は減っていく、でも、その数を増やすためにどうすればいいのかということも含めて同時に考えなければなりません。当然、教育・医療・産業を絡めて支えていかなければ、過疎化していくところは子供が減っていきます。特に、女性の職場をそういう過疎地で増やしていかなければ家庭は定着しません。先は、絆創膏(ばんそうこう)では解決できない状況になっていくのも時間の問題だと思います。ですから是非、文科省だけではなく、ほかの省庁も絡み合いながら、この地域創生の問題に取り組んでいただきたい。もちろん教育の問題は大事なことですけれども、教育だけ考えてもなかなか難しい問題だと思っておりますので、次期はよろしくお願いしたいと思います。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 加治佐委員、どうぞ。
【加治佐委員】  手引は大変分かりやすくて、非常に姿勢もはっきりしていると思います。つまり統合ありきということではなくて、飽くまで市町村が主体で判断すると、そのための一つの考える際の総合的な資料であるという位置付けですので、いいと思います。しかも、その内容がこれまでの統合事例のいろんないい点、問題点、あるいは研究成果、こういうものが踏まえられておりますので、非常に説得力があるなという印象を持っています。
 学校というものは小学校、中学校が地域づくりの核だという姿勢が本当によく出ておりますので、今お話があったように、子供を増やして、学校を増やしていくというのが一番ではありますけれども、ただ、少なくなった子供が通う学校をいかに生かして地域づくりにつながるという視点がよく出ていますので、非常にいいのかなと思います。ただ、コストは間違いなく掛かっていくんだなということですね。だけど、その分コストを掛ける必要があるんだということを訴えているんじゃないかというふうに思います。
 ただ、その中で1点気になりますのが、全体を見ていまして、小学校と中学校の区別がないですね。つまり、私、今まではこの問題、幾つかの市町村で扱ったことがありますけれども、常に小学校と中学校を区別して考えました。つまり、例えば小学校はより地域とのつながりが強い。だけど、中学校になると、集団での活動をもっと重視すべきだから、より地域が広くなっても、ある意味、そっちの方をとるべきだという考え方をしてきたわけです。ところが、そういう区別がないわけですね。中学校は部活動その他、いろんなことを考えても、よりたくさんの生徒がいる方が望ましい。もちろん3学級、4学級ある方が望ましいということでやったんですけれども、だから先ほどあった標準学級数は同じでも1学年あたりの学級数は中学校が多い。小中一貫校と言われていますので、そういう流れの中で消えてしまったかなと思いますけど、私は小中一貫校でも、中学校は1校にしても、それと連携する複数の小学校があるというケースは結構あると思うんですよ。だから、そういう視点もいるのかなということを思いました。
 以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 堀竹委員、どうぞ。
【堀竹委員】  ありがとうございます。全国の小学校の統廃合の状況で見ると、毎年200校単位で全国から小学校が消えていく状況にあることを踏まえたとき、今回統廃合について、今までは規模の基準に合うか合わないかということで学校の存続が決められていたのを、さらに存続とか、魅力ある学校づくりというような新たな視点からも検討してよいということを打ち出し、単に学校を減らしていくだけでは何も変わっていかないという考えを示していただいたということは大変有り難いなと思っております。これから統廃合の問題を考えるときに、統廃合をしてもまた次の統廃合を生み出すというような現状は、学校を預かる校長としては、何としてでも変えていただくような対応をお願いしたいと思っているところです。
 結局、統廃合によって魅力ある学校を作るということがないと、また同じようなことが続き、最終的に学校を支えていく地域そのものがなくなるというような状況へつながっていきます。どうやって魅力ある学校づくりを進めていくかということについて、ここで様々に事例が出されていますが、さらにいろいろな事例を集めて、もっと魅力ある学校ということを考える状況が生まれるとよいと思っております。
 今、事例の中にはコミュニティ・スクールとか小中連携、小中一貫というような例が出されていますが、私は地域の高等学校も魅力ある学校づくりの視点に加えてよいと思っています。小中高という連携ができて初めて地域に魅力があり、統廃合がこれ以上進まないということになると思っています。そういった意味で、この事例は小中ということの連携ということに止まっていますけれども、地域の核としての高校ということと小中とのつながりという視点で、この問題を考えてみてもいいと思っています。ありがとうございました。
【小川分科会長】  この後は大島委員、松岡委員、市川委員、無藤委員、五十嵐委員の順で。どうぞ。
【大島委員】  本日、手引に関して御説明いただきましてありがとうございました。非常によくまとまっているとともに、課題がかなり明確になってきたんではないかなというふうに思っております。地域による違いが、都心と地方でかなり違うんではないかなというのを改めて実感いたしました。
 統廃合の問題があるかと思うんですけれども、人口減という現在の問題というのは、これからもっとよい方向に残念ながらいかないというのも現状だと思うんですね。そういう中で、ハード面としてはしょうがないにしても、統廃合するとしても、ICTを効果的に導入することによってソフト的に広がりを持つという社会というのができると思うんですね。今、クラウドとかネットワークなどはかなり充実してきて、海外とスカイプで、タダでいろいろ情報交換もできるような世の中になっておりますので、手引でICTのことは言及されているんですけれども、比較的クラス内、学校内の、顔が見える中でのインタラクションが比較的中心になっているような記述が結構見られていたので、そこを共有化しながら、例えば離島であってなかなか地域的に難しいところなどは、そういうICTなどを導入することによって地理的不利なところを解消するなど、あとスクールバスの問題も出ていましたけれども、毎日長距離を移動するのは大変ですけれども、例えば授業のカリキュラムを変えることによって、あるときは学校で勉強をしながらICTを使って、例えば週に何回かはスクールバスでお互いに行き来するとか、そのようなICTなどの、今ある最新の技術をうまくこういう教育にも取り入れながらやっていくことによって、その地域の活性と、あと産業ももしかして地域に取り込むこともできるんではないかと思いますので、そういう観点も是非今後の日本の現状を見ながら考えていただけると非常に有り難いのではないかというふうに思います。
 以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 松岡委員、どうぞ。
【松岡委員】  それでは、2点述べさせていただきます。
 1点は、第3章に関わって、学校統合に関して留意すべき点というところでございますけれども、私も以前、都内地区教育委員会でこの学校統廃合ということに関わりましたが、大変困難でありまして、結果的にうまくいきませんでした。学校の教育機能という視点から説いていくと、これは誰しももっともだと分かるんですが、住民感情といいましょうか、頭で考えれば分かるけれど、心が許さないというのが、現実です。やはり母校がなくなるということに関して非常に強い反感があります。だから是非この学校統合に関して留意すべき点と、この合意形成というところには、そういう住民感情に対してどういうことが効果があるか、あるいはどういう組織を作って検討して、ある程度一つの結論に皆さんが賛成できるのかというようなことを盛り込めるのであれば、そういうこともお考えいただければと思います。
 2点目でございますけども、2点目は第4章、小規模校を存続させる場合の教育の充実ということに関わってでございますが、これは私自身の体験でございますけれど、都内で在籍生徒数100名未満の中学校の校長として勤務いたしました。まさに単学級でございまして、1学年が1学級。この場合には、教員の負担感というのは校内で非常に顕著であります。特に一人の教科担任が3学年全てを指導しますと、教材研究の時間だけでもかなり膨大になりますし、また学級担任を担う者は、さらに学級経営という部分での負担感というのは大変大きいものがあります。私の勤務していた学校では、私の前任者が発案したのですが、学級担任の複数制ということを実施しました。3学級しかないのですけども、つまり担任が6名いまして、二人ずつの学級担任がいるということです。これは教育委員会にも認めていただいて、保護者会とか学級活動、全て複数制で行います。これ生徒の方からも、いずれかの担任とうまくいくというようなケースもありましたし、担任の組合せの仕方も、例えば男女で組ませたり、あるいは経験年数の多い教員と比較的若手教員を組み合わせたりということで、教員の育成という視点からもなかなかうまくいったという経験がございますので、これを御紹介をしておきたいと思います。
 以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 市川委員、どうぞ。
【市川委員】  手引は非常に目配りの効いたものになっていて、メリット、デメリットについても非常に丁寧に分析されていると思いました。
 一つだけ、大島委員がおっしゃったことでも関係するんですが、36ページのところには、例えば離島とかへき地であって、どうしても小規模校にならざるを得ないという場合、それもあり得ると思いますので、どうやってデメリットを克服していくか。ここに、授業などもICTなどを活用して他校との合同授業をということがちょっと出ているんですね。これは大学、高校も含めて、ICTを活用して学校間で連携した授業を行うというようなモデルをたくさん出していただいて、大学でもICTはかなり導入されているのでできるはずなんですが、実際にはほかの大学と結んだ上での授業なんて、そんなに例もないんです。中学校、小学校もそういうモデル校をまず増やしていくということが不可欠かなと思いました。
 それから、授業だけではなくて、小規模校になった場合に、まず部活が困難ということもあります。合同部活とか、社会教育とも連携しながら何か部活動のような活動を補っていくということも不可欠だと思うのですが、何年か前にこういう話をしたときには、合同部活、活動としてはできなくはないけれども、公式の試合に出られないとか、システム的に出られるようになっていないと、これがすごくモチベーションを下げることにもなると思いますので、単独の学校で部活が成立しないところは合同部活でも、社会教育との連携でも、試合に出られるというような方向を開いていただけるといいかと思います。
 あと、特別活動として、幾つかの学校が合同して修学旅行を行うとか、あるいは学校行事も連携して行うということによって、小規模校でもそうした活動ができるというふうな道を開いていただければと思いました。
 それから、これはちょっと細かな質問なんですけれども、適正規模というときに、もちろん今、ほとんどのところで問題になっているのは、少子化による小規模校が増えてしまって、それを何とか統合をというような話が圧倒的に多いと思うんですけれども、一方では、超大規模校というのもあるわけですね。グラフで見ると少ないですけども、やはりあって、私も文京区に少し関わっていたんですが、特に中学校で学校選択制が導入されたり、小学校でもそれなりの理由があれば、本来の学区でなくても行くことができたりするというようなところを結構入れていると。例えば中学校ですと、一方では入学希望者がゼロとか一桁というような学校が表れる。これはもちろん超小規模校ですが。一方では、その反動として超大規模校というのもできてくると。超大規模校というのは、今回は言及されないと思うんですけれども、どこら辺からが超大規模校という認識なのか、それからメリット、デメリット。例えば小学校でも1学年につき5学級、6学級になると、私も見ていて、小回りが利かなくて、新しい何か研究活動を入れるとかいうのについて、校長先生、大変な苦労をなさっていて、どうも動かない、動きにくい。一方、超大規模校の方については、今回の手引とはちょっと外れるかもしれませんけれども、どのように考えられているかということも伺いたいと思いました。
【小川分科会長】  ありがとうございました。事務局等々に対する質問については、後で一括して、事務局の方でお答えできる範囲でよろしくお願いします。
 では、この後、無藤委員、銭谷委員、橋本委員、吉村委員の順でお願いいたします。どうぞ。
【無藤委員】  この案そのものは非常に丁寧に作られて、調査を踏まえてよくできていると思いますが、この案の手引の後、もう少し検討があっていいということを二、三申し上げたいと思います。
 一つは、多分いろいろなされていると思うんですが、規模と学力との関係は文科省がいろいろデータを持っているわけですので、もう少し立ち入ってできるのではないか。学力の規定因というのは、もちろん規模だけの問題ではなくて、地域差がたくさんありますけれども、そういう中で、規模はどういうふうに関連するか。それとともに、当然ながら、小規模とか、時にはへき地であっても、優れた成果を上げている学校もあるので、そういったエクセレントスクールを洗い出す作業も含めた分析が必要かと思いました。
 2番目は、コストの問題なんですけれども、少子化というのは、5年、10年という単位でそう変わるものではないと思います。そうすると、この小規模校を維持するということに伴うコスト、特に自治体におけるコストをもっと明示する方向であるべきだと思います。多くの自治体で小規模校をたくさん抱えている場合に、言うなれば、そこに固定費がかかってしまって、教育予算がかなりを占めると、結局、他の部分に投資する予算がなくなっていくわけです。ここでは小規模であっても、いろいろと充実できるというふうに指摘があります。そのとおりですけれど、本当にそれがコストだけに可能かどうか。可能だとすれば、どうすればできるのかということです。少なくともそれを住民に対して明示するということが必要ではないかというふうに思います。
 それからもう一つ、小さいことなんですが、小中一貫学校はこれから法令になるのかと思いますけれども、そうなった場合に、当然ながら、この手引に加えた新しい視点となります。小中一貫学校を作るというのも一つの選択肢でありますし、あるいは小中一貫学校という枠組みを使いながら、5・4制とか4・5制という在り方でめり張りを付けるということも十分考えられますので、その辺は小中一貫学校が成立した後でまた御検討いただければというふうに思いました。
 以上です。
【小川分科会長】  すいません、発言は次、五十嵐委員、橋本委員、銭谷委員、吉村委員の順でお願いいたします。すみませんでした。
【五十嵐委員】  ありがとうございます。実は本校も統廃合の学校なんです。そこで感想も含めて、今の手引と関係あるところで意見を述べさせていただきます。
 やはり統廃合については、それぞれ元にいた、卒業生も含めて住民の方の皆さん、自分の学校がなくなるという、本当にその心配が多くて、なかなかうまくいきません。どこも同じだと思うんです。本校の場合も同じでした。そのメリットは分かっていても、気持ちがついていかないという、話合いはかなり長期にわたりました。本校の場合は、もともとあった平山小学校140年の歴史ある学校と新しくできた学校と結局一つになるということで、名前は変わらず、校章、校歌も変えてという形で統合になったわけなんですけれども、そのときにいろいろ話合いの中で、市の方から、新しい学校を作ろうというビジョンを出していただいたので校舎が大きな、新しいものにしていただきました。オープンスペースであったり、太陽光発電があったり、そういう新しいコンセプトの下に校舎が建てられるということと、それから間もなくしてコミュニティ・スクールとして発足しましたので、そういったことからも、新しいものができるんだということで一つになって今に至っています。その後は、ICTを、総務省のお金なんですが、絆(きずな)プロジェクトで一人1台入れていただいて、今、コミュニティ・スクールとして防災教育の研究開発をしています。やはり何かやったその先に、今までの歴史を大事にしつつ、今までのことを大事に留め置きながらも、この先を進むというビジョンをまず明確にするというのがうまくいくコツだと思います。実は10年間に本校ともう1校統廃合があったんですが、もう1校の方は、おかげさまで、NHKの合唱コンクールで金賞を連続2年、今年もらいました。ですので、次にどういうふうな学校を作っていくかという、新しいものを作るという意味で、手引の23ページにある魅力あるカリキュラムの導入というところがとても大事だなと思って読ませていただきました。
 以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 橋本委員、どうぞ。
【橋本委員】  ありがとうございます。熊坂委員のおっしゃったことに関連してなんですが、9ページになりますけれども、例えば中学校では、学年1学級であっても40人近い授業のやり方としては二つに分割してとか、TTで行うとか、様々な工夫をして非常に効果的な授業をやっているという実態もございます。財政力がありますので、大変言いにくいことではありますけれども、免許外指導をなくしたり、全ての授業で教科担任による学習指導を行ったりするために何学級以上が望ましいというのも、現状ではそういう書き方をせざるを得ないのかもしれないんですが、むしろ子供たちの立場からすると、しっかりした授業が行われるために、そういう定数の考え方もいずれ改善するということで、これは現状追認では仕方がないのかもしれませんけれども。青森県のような小規模、あるいは複式学級が多いところのため学級数の明示の仕方というのは工夫いただければ有り難いと思っています。
 二つ目ですが、実際に統合を行った学校の周りの保護者等の声などを聞きますと、確かに教育課程内というか、授業では非常に効果が上がっている。教育委員会においても、例えば通学時間にしても、全ての集落から回るのではスクールバスの時間が掛かるので、バスの台数を多くして、少なくとも35分では自宅方面に帰れるように工夫している、あるいは村費の負担の教員を雇用して充実を図っているなど、様々な工夫をして教育の充実を図っております。
 一方で、教育課程外の、先ほどスポーツのお話が出ましたけれども、特に伝統芸能といいましょうか、小規模な学校を主体にしてきたクラブ活動的なもので、地域の様々な伝承者の方々と協力しながら子供たちに広めてきた。そういう部分が統合小学校になると、休みの日といっても教員がいないわけですから、地域の文化の伝承というところが難しくなっている。教員の存在がいかに大きかったのか。それから、部活動などについても、スクールバスを利用してやっていますから、時間の制限もあり、そして地域でのそういう活動になかなか結び付かないなどの課題も生まれてきているところです。ですから、学校の問題としては解決をしたんですが、広い意味での様々な課題もある。その辺を生涯学習局関連の様々なことと一緒にしながら解決を図っていくということが必要ではないかと考えております。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 銭谷委員、どうぞ。
【銭谷委員】  人口減少とか地方の消滅とかが懸念されるこの時代、今、地方創生が大きな政治課題になっているわけですけれども、こういうときに非常に時宜を得た手引ができたというふうに私は評価したいと思います。
 大変目配りの行き届いた、よくできた手引書だなというふうに思って拝読をさせていただきました。余り皆さん、おっしゃらないんですが、歴史的に見ますと、日本というのは、明治以降、小学校を作ることに大変熱心に取り組んできたわけで、小学校を地域に造るために町村の合併とか、そういうことまで行ってきた国で、全国至るところでたくさんの小学校を造って教育に力を入れてきたという、この歴史を我々は尊重しなきゃいけないというふうに思います。
 昭和31年だったと思いますけれども、学校統合を進める通知を当時の文部省が出しまして、翌年の昭和32年だったと思いますけれども、統合のための手引まで出しているわけですけれども、無理な統合というのは、非常に地域の方々の反発等もありまして、その時点でもかなり統合は進みましたけれども、昭和48年に結局もう一度通知を出し直しまして、統合については非常に中立的な対応にしようということで、今日まできていると思います。今回それ以来の今回手引ですので、本当に行き届いた内容になっているということをまず評価したいと思います。
 結論的には、学校を統合するかどうかはそれぞれの地域で実情に合わせて判断するということにならざるを得ないと思うんですけれども、考える要素として2点だけ申し上げますと、1点としては、時代は随分変わってきているということがありまして、かつてに比べまして道路も整備され、交通手段もいろいろ便利なものがたくさん出てきているわけでありますので、そういう状況の変化、それからもう一つは、小規模校、あるいは過疎地、へき地における教育の進め方についての実践研究の積み重ねというのも大分できてきているので、そういうことの経験をよく生かした考え方をしていくということが大事なんじゃないかなというふうに思いました。無理に小規模校を残す必要はもちろんありませんし、無理に統合する必要もないわけでして、いわば社会状況の変化の状況と実際に小規模校での教育実践のメリット、報告書の中にもメリットの最大化、デメリットの最小化ということが書いてありますけれども、経験を十分生かして判断をするということが大事なんじゃないかなというふうに思いました。
 それからもう一つは、もちろん過疎地と都市部で条件はいろいろ違うと思いますけれども、先ほどどなたかもおっしゃっていましたけれども、小学校と中学校は事情が違うだろうと思いますし、さらに高等学校も今、統廃合が非常に大きな問題になっていますので、小中高という、小中連携、中高連携ということを視野に入れながら、例えば発達段階に応じた教育の在り方とか、1年間あるいは6年間同じ教育じゃなくて、いろんな教育の工夫というのができると思いますので、そういう小中連携、中高連携を考えたこれからの取組ということを是非期待したいなと思っております。
 いずれにしても、大変きめ細かい報告で、休校の再開まで触れておられるなんていうのは大変よく行き届いた報告で関心いたしました。
 以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、吉村委員、どうぞ。
【吉村委員】  ありがとうございます。私からは、地域とともに歩む学校づくりという視点から、この資料の活用について一点意見を述べさせていただければと思います。
 中身につきましては、先ほど皆さんから御意見がありましたように、私も非常にこれは有用であると思います。特に指針という形でなく手引という中でメリット、デメリットが記載され、また、それに伴って非常に細かい分析をされた調査結果があるというのは、非常に有り難いと思います。
 今、地域住民の方もこの問題に関心が高いようで、県教育委員会にも多くの問合せがあります。その多くは不安な面からの意見でありまして、私としては、この貴重な資料を教育関係者のみならず、これから学校づくりに携わっていく地域の方たちにも活用していただくべきではないかと感じております。
 そういった視点でいきますと、この手引の説明書と調査資料等がリンクして見やすいものになると良いと思います。紙面上の問題とかあると思いますが、現在のようなPDF等で資料がインターネットで見られるというものから、例えば、人口減少に伴っての記述の部分からクリックすると資料が出てくるというようなインターネットの機能を十分に生かした提示の仕方ですとかキーワードが太字になっているなど工夫すると、地域住民、国民の方たちにも、わかりやすく、また、安心していただけるのではないかと思います。担当者の方には、またお手数をお掛けしますが、そういった工夫があるとよろしいのではないかと思います。
 以上です。
【小川分科会長】  森委員、どうぞ。
【森委員】  ちょっと早めに帰りますので、一言申し上げますけれども、内容については特に不満、あるいは意見はございません。ただ、今後強調していただきたいのは、子供たちにとって何がいいのかということだけは外しちゃいかんということだと思います。現に、長岡での統廃合を実施した経験からいえば、地域の核としての学校といったときに、ともすると卒業生とか地域の主な有力者の意見に引きずられる可能性があります。両親の方はとっくにもうそういう考えを脱却して、例えば私のところの事例でいえば、どんどん越境して、ただでさえ少ない学校がどんどん少なくなっていく。それは母親や父親にしてみれば、小規模校ではなくて違う学校にやるという気持ちであって、そうすると、その地域の中で子供がいる家庭と地域の主な人たちの対立関係が出てくるわけです。市町村長は、基本的には地域の対立は嫌ですから、できれば避けたいという市町村長の方の多いんじゃないかと思います。
 そのときに一番大事なのは、これがバイブルだとすると、誰のために統廃合を考えるのかというと、子供のことを考えるということだけは外しちゃいかんですね。子供のために何がいいのかというのは、その地域によって全然違うんです。全く違いますよ。例えば離島とか、そういうところは違うし、1市町村に1校しかないところでも違うし、長岡のように過疎を抱えている、いっぱいあるところと違ってきます。それは判断なんだけれども、市町村長が判断するにしても、地域の有力者が判断するにしても、あるいは教育委員会が判断するにしても、いろいろ書いてあるのは大変結構なんだけど、根っこの理念だけはしっかりと打ち出していただきたいということだけお願いを、子供のためにというだけです。
 以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 船橋委員、どうぞ。
【船橋委員】  小規模校、過疎地、位置、離島などの学校について思ったことを大きく二つ話したいと思います。
 たまたま私の友人がソニーから島根県の隠岐諸島の海士町の教育委員会に行き、私の元部下が公設民営の塾のセンター長になりというところの縁があったんですけども、何度か小学校と高校に教えに私も行き、訪問しております。先ほど堀竹委員もおっしゃったんですけども、小中学校だけではなくて高校との連携、詳しくきょうは話す場ではないと思うんですけども、高校がなくなるというのは非常に経済的なインパクトが多いということで、非常に真剣に海士町は取り組んでおりました。そういう意味で、出口の1個になるところの強化、問題意識はすごく大事かなと思いました。
 2点目は、もちろん学校の地域主体に考えるべきなんですけども、どうしても支援に来る人、人的リソースが足りないというのを感じました。二つあると思っていまして、一つは、こういうところの専門的な活性の経験があるようなコーディネーターみたいな方々を育成する、派遣するみたいな人的プラットフォームと、もう一つは、それぞれの地域出身の大人で、都会に出ていってしまったけども、機会があれば、戻って、1回でもいいから教えに行きたいというような大人だったり、あるいは今の社会人で、多くは教育に関わりたいというような思いを持っている人だったりがいっぱいいます。多様な大人との斜めの関係というか、そういうものが特にこういう地域では足りないんじゃないかと思いますので、中長期的でいいんですけども、こういうものを支援したいという大人の固まりといいますか、プラットフォームというか、私もそうですけど、1回教えに行った後に、何度もスカイプで子供たちと、メンターリングじゃないですけども、やりとりをするというようなこともありますので、ICTの活用も含めて、1回関わった大人と、もろちん、地域の人がどういう大人がいいか、よそ者、外者ですから誰でもいいというわけではないんですけども、そういう人材のプールみたいなものを地域が選べるとか、あるいは地域出身の人のプールの状態とか、そういうデータベースなのか分かりませんが、何かそういうものを活用する時代になってくるんじゃないかなと。そういうものなしだと、自助努力だけではなかなかうまくいかないんじゃないかと思います。
【小川分科会長】  ありがとうございました。時間もありませんので、これで委員からの発言は打ち切らせていただきたいんですが、ただ、手引案を作成する際、御尽力いただきました天笠委員とか貞広委員、何かあれば。どうぞ。
【天笠委員】  今の話の中で一つ、高校までの話が出ていたと思うんですけども、あと1点、31ページから32ページにも書いてあるんですけど、それぞれの地域の大学の存在ということもまた大切な存在ではないかと。これまでも大学人、個人的な関わりというのはこのテーマにいろいろな関係の方々が関わっているというのは私も存じ上げているんですけれども、大学として、それぞれの地域においてこのテーマにどういうふうに貢献してきたかどうか、あるいは関係を作ってきたかどうかというと、もう一度問い直さなくちゃいけないところはたくさんあるじゃないか。そういう意味でおいて、小中高それぞれの段階の連携、つながりとともに、大学がそれぞれの地域において、様々な形で人的な資源の供給ですとか、あるいは様々なノウハウの支えですとか、こういうものにもう一度見つめ直し、より積極的な働きかけをお願いできればなという、そういうことを申し上げさせていただきたいと思います。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、時間も大分迫っているんですが、今、手引の案について、活用等々についても要望や質問等も幾つかあったんですけれども、時間が限られているので、ここの場で説明しておいた方がいいというふうなものがございましたら、事務局の方からお願いいたします。
【武藤教育制度改革室長補佐】  貴重な御意見ありがとうございます。今頂いた御意見を踏まえて、また記述を改善したいということが1点と、それから、学校規模適正化の法令の規定については、お配りしている資料2-4で参考資料というのがございまして、2-4の参考資料の最初のページ、1枚めくった裏側のページに、この標準が書いてございます。中ほどです。学校教育法施行規則のところ、学級数は12以上18、この後「ただし」がございまして、「ただし、地域の実態その他により特別の事情があるときは、この限りでない」と。ここが、先ほど熊坂先生の方からもございましたように、前段ばかり強調されるというような嫌いがないわけではないので、そのあたり、手引の中でもある程度記述はしておるんですけども、誤解の無いようにしていきたいですし、これができた後、いろいろなところに御説明に上がるわけですが、きちっと強調していきたいというふうに思います。
 あわせて、机上配付資料で、こんなカラーの横書きで学校教育への支援策というのがございます。これも様々書いてあるんですけれども、この中の左の下の方、小規模校の教育活動の高度化の支援、このあたりで、例えば御指摘幾つかありましたICTの活用ですとか、あるいはこれまでの小規模校へのいろいろな研究の成果なんかも踏まえて、どんなことが考えられるのかというようなモデル事業も含めながらしっかりと検討して、そこからさらに御指摘も踏まえていい事例を収集して提供していくということに力を入れてやっていきたいと思っております。
【小川分科会長】  よろしいでしょうか。先ほど質問を含めていろいろな方から御発言がありましたので、その内容については、是非事務局の方として引き取っていただいて、今後の施策等々について生かしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか、手引について。
 なければ、最初にお話ししたことですが、きょうは第7期中教審の最後の初中分科会になっております。本来であれば、委員お一人お一人に簡単でも、この第7期の審議の事項とか、初等中等教育全般に関わっての御意見、また次期、第8期中教審への要望等々、いろいろ一人一人お言葉を頂きたいんですが、きょうは30名ぐらいいらっしゃいますので、一人一、二分とやるとあと1時間近くかかりますので、特に何かこの場で発言したいという方、何名かに、いらっしゃいましたら御発言を受けたいと思いますけれども、いかがでしょうか。数名で恐縮ですけれども、特にこの場でこれは是非言っておきたいということがございましたら、いかがでしょうか。御遠慮なさらないで、是非、最後ですので。時間がないということで、皆さん、御遠慮されているかと思うんですけれども。
 荒瀬委員、どうぞ。
【荒瀬委員】  ありがとうございます。7期が終わるということで感無量でございます。私、臨時委員というのをこれで5回目させていただきまして、臨時もここまでくると相当いろいろ勉強させていただきました。
 とりわけ7期で、高大接続特別部会についてのみ申し上げたいと思います。高等学校教育部会も申し上げたいんですが、高大接続特別部会、大変多難な議論を乗り越えてまとめが出まして、今それが社会に出て皆さんからいろいろな御意見を頂いているんですけれども、中教審の議論というのが世間で騒がれるというのは、私はそれ自体、非常にすばらしいことだと思っておりまして、答えは一つとは限らないわけですから、いろいろな角度からいろいろな方がいろんな御意見を出していただく、その中でよりよいのを少しでも見つけていって進めていくという方向で考えていくというのが、進歩とか、充実とか、発展につながっていくと思うのです。今回、高大接続特別部会は大学入試という、いわばこれまでいろいろ議論はあったけれども、なかなか踏み込めなかったものに対して一歩といいますか、相当踏み込んだ発言をしています。これに対して、今後、本当にいろいろな方から御意見が寄せられて、それが例えば高等学校なら高等学校でも、小学校でも中学校でもと思いますし、あるいは街角でもと思うんですけど、今後の我が国の社会ということもそうですし、一人一人の若者にとってどういったことが意味のあることなのかということを考えていければ、どんなにすばらしいかと思います。具体的な内容ではございませんけれども、そういう期待を今後にしているということを最後に申し上げたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 ほかに。髙橋委員、どうぞ。
【髙橋委員】  皆さん、時間がない中ですみません。
 今回の中教審の中では高校についての審議が多く行われたというように思っております。そこで、一言申し述べさせていただきたいと思いました。私は、前会長にかわって途中から参加させていただきました。そして、これまでの高校の中で育んできた教育を踏まえながら、これからも社会で活躍する人材育成のために高校教育を変えていきたい、と感じています。しかし、グローバル社会の中で、グローバル人材を育成することは急務ですが、一方で今後の地域の活性化等を踏まえると、地域の中でどのように生徒を育て、またその生徒がいったん地域から進学などで出たとしても地域に帰ってくる、そういう観点での人材を育成していかなくてはいけないと思っております。しっかりと、地域社会を見つめて、人材育成をしていくことが大切と思っています。
 いったん地域から出た生徒が地域に帰って生きるため、今回の予算では地域提案型の学校を核として地域魅力化事業等がありますが、産業と大学だけではなく、産業と高校がつながったりといったことも今後の地域づくりにはとても大事なことというように思っています。
 そして、地域のつながりということでは何よりもチーム学校という中で、専門家スタッフを本当に充実させていくことが大切と思っています。小児科医が少なくなっている実態があるといいます。学校にとってはしっかりと教育を理解していただいた小児科医が必要です。それから、臨床心理士についても、高校全般への充実した配置に向けて、教育をよく理解していただいた臨床心理士をスタッフとして欲しいところです。そして、授業を進める中で学力としての知識技能はとても大事ですけれども、その知識技能を実際につなげていくことも大切です。教科と教科をつなげていく意識をもって、授業と授業がつながっていることを生徒に実感させることです。さらにその知識技能を実際に教養として高めていく場が芸術家庭等の実習の授業であったり、様々な行事等、特別活動であったりするわけです。どうしても効率化の中で見ていかなくてはならないところがありますが、3年間の高校で体系的な教育の実践の積み重ねの中で生徒が育っていくということを踏まえておいてほしいと思います。そのためにも教員を育てていく。今、教員がどうしても、効率化の中で、全国的な研究会とか、そういった研修等が狭まっている。教員を育てていく、もう一回、そういう枠組みを見直していかなくてはいけないと思っているところです。よろしくお願いしたいと思います。
【小川分科会長】  ありがとうございました。この後、尾上委員、北城委員の順でお願いします。
【尾上委員】  この大きな教育改革の流れは、本当に時代の流れだと感じております。特に私、保護者の立場からしますと、期待と不安とが両方入り交じっている状態の中、また、保護者の関わりというより地域との関わりがすごく大事とは思っております。そういった意味で、現保護者が二、三年すると子供が卒業し、教育との関わりが薄くなってくることを考えますと、国民全てがこの教育に関わるというような風潮に持っていかないと駄目かなと感じております。そのためには、関係機関等も含めて連携強化を図っていくべきかと。ただ単に子供がいる保護者や親がそのことの関わりだけではなく、地域の答えというのにすごく影響される部分があります。以前、統廃合の議論に私も入ったことがございますが、保護者の意見より、地域の重鎮と言われるような方の発言の方が重たく、本当に何の意見が通るのかなと。今から考えますと、これからの保護者となるべき人と子供たちの方が大変だと思いますので、積極的な説明、広報をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 北城委員、お願いいたします。
【北城委員】  第7期でいろいろ成果がありましたが、1点だけお話しいたします。高校と大学の接続の問題について大変良い提言が出されました。この問題について、社会的には大学入試改革ということに焦点が当たっているのですけれども、これは大学入試の改革そのものが高校以下、初等中等教育にも非常に大きな影響を与えるものと考えています。今回は高校と大学の両部会にまたがって高大接続部会が作られて大変いい議論が行われたので、実際の導入に当たっても、これを大学の効率化という視点だけで捉えて入試改革の段階で内容がゆがめられることがないように、今後も是非、初等中等教育の分野からも高大接続、特に大学の入学者選抜について議論をする場を作っていただけたらいいのではないかと思います。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 大島委員、どうぞ。
【大島委員】  第7期ということで務めさせていただいたんですけど、3点申し上げたいと思います。
 1点目は、今まで知識の量から質、深みという変換で、それが非常にダイナミックに変わったんではないかなというふうに思います。その中で、北城委員もおっしゃっていたんですけれども、どうしても大学入試改革という位置付けかというふうに捉えられがちなんですけれども、これを機会に、やはりシームレスに小中高と連携しながら、いわゆるグローバル社会に向けた日本と言うとあれですけれども、いわゆる人材育成としてどのようなこれからの次世代の人材を育成していくのかというのを根本的なところから見直して計画を立てる、ある意味、一つの大きなよいきっかけになっているんではないかと思いますので、下村文部科学大臣もおっしゃっていたように、絵にかいたもちにならないように、是非やっていくというのが一つ課題なんじゃないかなと思います。
 2点目は、日本の特に初等中等教育というのは、全ての地域にわたって手厚く、非常にすばらしい教育だと思うんです。私自身、幼少時代、アメリカにいて、大学院でアメリカにいて、今実際に自分の子供は小学校へ通っているんですけれども、これほど手厚い教育をしている国は多分ないんではないかと思うほど、非常にすばらしいなと改めて思いました。そういう手厚い教育を、しかしながら、人口減及び財政がなかなかこれから右肩上がりに上がらない中で、そういう教育をどうやって維持していくかというのは非常に難しい問題ではあると思うんですね。そういう中で、やはり連携ですね、どうやって人のつながりを持っていくかというのを、システムとしても連携をしようということがあるんですけれども、大学間の連携でもなかなかうまくいかないという現状がございますので、それを地域も含めて、多種多様な人とのつながりをどうやってシステム化していくかというのが一つ大事なんじゃないかと思います。
 3点目は、私自身が科学者ということもあるんですけれども、技術革新を教育の中にどうやって入れていくかというのは非常に大事なんではないかと思っています。特に技術というと、人とのつながりを阻害するというイメージがあるかと思いますけれども、最近のICTは安価に、しかもインタラクティブにどうやって人とのコミュニケーションを活性化していくかという方向にいっていますので、そういう技術革新をうまく取り入れながら、そこで出てきた問題を今度は技術の向上の方に向けていくという、ある意味、研究も含めたサイクルというのを教育の分野でも取り入れられるといいではないかなというふうに思っています。
 以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 船橋委員、どうぞ。
【船橋委員】  グローバル人材育成、あるいは留学促進という観点でしか貢献できなかったんですけれども、本当に貴重な意見をありがとうございました。
 その立場からお話を少しさせていただきたいんですけども、これからの時代、海外留学、あるいは早期の海外体験が非常に重要だと思っています。単に多様な価値観に触れるということだけでなくて、行くことで世界を知りますし、日本を知りますし、地域を知りますし、自分を知るという非常に重要なことで、無論海外で活躍する人も増やしたいですけど、1回でも行って、世界を知って、世界にアンテナを作るというのが私は大事じゃないかなと思っています。
 その上で、二つ、今後議論をしていただきたいということは、一つは、実は高校生にサーベイをとったところ、高校のときにどんなに短い期間でも、1週間とか1か月でも1回海外に触れた子は、かなりな確率で、大学で自費でも留学するというのが出ています。だとしたときに、初等中等教育、小中学校の例えばキャリア教育の中で留学のことを考えるとか、早期に考え始めないと、なかなかそれは実現しない。そういうものを小中学校で考える時間をこれから作っていくべきじゃないかというのが一つあります。
 もう一つが、留学したくないとかしない人の理由、いろいろあるんですけども、私が感じたのは、申し訳ないですけど、教職員のグローバル意識の欠如ではないかと思っています。これは大学の職員も含めて学校の先生が興味を持っていないという意味で、教職員のグローバル化。例えば先生を留学に予算を付ける、あるいは特に地域はそこの意識が低いんですけども、グローバル感覚とかグローバルに目を向けている方々を地域に一人、あるいは小学校の人でも中学校の人でもいいんだと思うんですけど、配置して、相談窓口じゃないですけども、そういう配置型の手立てを打たないと、なおさら地域と首都圏との格差が生まれていくと思います。いずれにしても、教職員も含めてグローバル化が必要なんじゃないかと。そこができないんであれば、誰かを配置していくというようなことを今後検討しないと遅れていくということで、次回以降はそういうところに焦点を当てていただきたいなと思っています。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。貞広委員、手短にお願いします。
【貞広委員】  すいません、手短にです。この7期ということですけれども、非常にこれまでの学校の概念が大きく展開するギアチェンジの段階にあるんだなということを非常に実感する会議だったかと思います。これまでの学校というのは、人口が増えていくもの、社会は拡大的によくなるものということを前提として学校をどんどん造るという前提できたわけですけれども、むしろ人口が縮小して社会は変容していくということを前提とした学校の概念の捉え直しということが重要なんだと思います。今回は私、小中一貫教育の作業部会と本日の手引書のプロセスに関わらせていただいたんですけれども、リソースがどんどん足りなくなっていく中で学校を弱体化させないためにはどうしたらいいのかというふうに考えると、学校内外のリソースをシームレスに連携をしてという大島委員のお話がありましたけれども、いかに活用していくかということだと思います。まず1点は、小中高などの学校間の連携をしていくということ、もう一つは、地域の力を使っていく。今回、コミュニティ・スクールにも予算がついていましたけれども、地域力の活用。そしてもう一つは、学校だけではできませんので、教育政策だけではなくて、教育政策の隣接領域ですね、福祉であるとか保健であるとか、そういう領域といかに連携をしていくか。例えば今回の予算であると、貧困地域へのスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの重点配置などは、それも一つの例だと思いますけれども、それがまた一つ。さらには、今回は小規模化した学校の話でしたけれども、自治体も小規模化して弱体化していって、なかなか単体で活力のある教育政策が得られないといったときに、自治体間でいかに連携をしていくかというような問題もあろうかと思います。こうしたシームレスの連携ということを広げていくのに、システムとして、又は予算として、又は質的なサポートとして何ができるのかということを是非次回につなげていただきたいなというふうに思います。
 以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 長尾委員、お願いします。
【長尾委員】  すいません。一番気になるのが、子供の六人に一人が貧困家庭という状況です。グローバルとかいろんなところでお金をたくさんかけていく中で、やっぱり取り残されていく子供たちが見えてきます。予算面では、低所得者とか貧困家庭とかというカテゴリーでかなりの予算はとってくださっていますけれども、次期の議論は、どうぞ、子供たちの視点から、いかにサポートしていくのか。中身のあるところを十分に議論して、取り残される子供たちがないように次期は議論をしていただきたいと思います。
【小川分科会長】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 私の方から一言お礼の挨拶をさせていただきたいと思います。
 本当に第7期、2年間ありがとうございました。今期は、皆さん御存じのとおり、官邸に教育再生実行会議が設置され、教育改革の審議が非常にスピードアップした時期でした。そういうこともありまして、中教審全体としても、先ほどお話が出ていた高大接続関係、そしてまた、教育委員会制度というふうな、歴史に残ると思うんですけれども、それほど大きな改革の審議を中教審全体としても行いましたし、また、この初中分科会におきましても、高校教育の在り方、又は道徳教育をはじめとする教育課程の改善、そして小中一貫教育の制度化等々、今後の学制改革や学校制度の様々な弾力化に向けたいろんな見直しも行うことができました。短期間にこれくらいの重要課題をスピーディに処理できた、審議できたというのは、皆さんの御尽力、また御協力だと思っています。本当に分科会長として心からお礼を申し上げます。
 第7期で積み残されたテーマとして、例えば第8期の中教審の最大のテーマになると思いますけれども、新しい時代における学習指導要領の在り方、これがまさにスタートしようとしています。また、チーム学校等々についても、大臣から諮問いただき、今審議をしていますけれども、この学習指導要領とチーム学校が引き続き第8期の中教審に引き継がれていきます。皆さんから頂いた御意見については、第8期の中教審の審議に引き継いでいただくよう事務局の方にお願いいたします。
 本当に初中教育というのは非常に広範囲で、国民の関心も非常に高い分野です。是非今後も委員のそれぞれの立場からお力添えいただければとお願い申し上げます。本当に2年間、ありがとうございました。
 それでは初中分科会をこれで終了いたします。

                                                                  ―― 了 ――

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