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初等中等教育分科会(第93回) 議事録

1.日時

平成26年11月7日(金曜日)10時~12時

2.場所

旧文部省庁舎6階 第二講堂

3.議題

  1. 小中一貫教育の制度化及び総合的な推進方策(小中一貫教育特別部会の審議のまとめ)について
  2. 高校早期卒業について

4.議事録

【小川分科会長】  それでは、定刻になりましたので、ただいまより中教審初等中等教育分科会、第93回目を開催いたしたいと思います。お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。まだお見えになっていない委員もいらっしゃいますけれども、始めさせていただきたいと思います。
 本日は、三つの議題について御意見を伺えればと思います。最初に、10月31日の小中一貫教育特別部会におきまして審議のまとめ案が取りまとめられましたので、最初にその小中一貫に関するまとめ案について御審議を頂きます。二つ目には、高校早期卒業制度です。この点については、今日は3回目になりますけれども、特に前回、本分科会の議論を踏まえまして、事務局の方から具体的なたたき台というか、案を御提案いただけないかというふうな御意見もありましたので、今日は事務局の方で整理していただいた高校早期卒業制度の在り方の要点整理について御審議いただきたいと思います。最後に3点目は、高校専攻科からの大学編入学の柔軟化について、これは現在、大学分科会において審議が進められていますけれども、その大学分科会における審議の方向性をお伺いして、本分科会でも皆さんの方から御意見を伺いたいというふうなことになっていますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、配付資料について事務局から御説明いただきます。
【小林教育制度改革室長】  まず冒頭、本日、国会の文部科学委員会が開かれておりまして、幹部の方の出席状況が悪くて申し訳ございません。
 それでは配付資料でございますが、議事次第にありますとおり、まず資料1として小中一貫教育特別部会の審議のまとめ案をお配りしております。ダブルクリップで簡単な概要版も添付させていただいております。
 それから資料1-2としまして、小中一貫教育の制度設計に関する、簡単に要点をまとめた資料を配付しております。
 それから資料2といたしまして、高校早期卒業制度の要点を図として整理したものをお配りしております。
 その他、議題1の関連としまして、参考資料1として小中一貫教育に関する基礎資料、それから参考2が小中一貫の実態調査の結果でございます。
 それから参考資料3としまして、教員養成部会における検討の報告、参考資料4が高校早期卒業と大学編入学に関連する基礎資料をお配りしております。
 参考資料5は委員名簿でございます。
 不足等ございましたら、お申し付けください。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 また、本日も報道関係者より、会議内容の録音を行いたい旨の申出がありましたので、これを許可しております。御了解いただければと思います。
 それでは、小中一貫教育特別部会の審議まとめ案について審議したいと思います。審議まとめ案について、教育企画課より御説明いただきます。お願いいたします。
【小林教育制度改革室長】  それでは、30分ほどお時間を頂きまして、事前に十分に前もってお配りできませんでしたので、大変恐縮ですが、ここで御説明をさせていただきます。
 まず、資料1-1でございますが、全体の構成でございますが、審議のまとめ案、まず「はじめに」があった後、1章で小中一貫教育が現在様々な地域で取り組まれている背景、要因についてまとめさせていただいておりまして、第2章で様々な実態調査を行った結果、現在取り組まれている現状と課題について。それから3章が、今後、小中一貫教育を制度化する意義について、あるいは留意点も盛り込まれております。4章は、具体的な制度設計の方向性について、それから第5章が小中一貫教育を総合的に推進していくための方策についてまとめさせていただいております。
 それでは、資料1-1の「はじめに」という所、3ページからでございますが、まず、今日お配りしております参考資料1でございますが、ページ数がなくて恐縮なんですが、参考資料1を7枚ほどおめくりいただきますと、資料9というのが出てまいります。7枚目でございます。その参考資料9の所に、今回、小中一貫教育の制度化に当たりまして、これまで中央教育審議会の関連で御検討いただいてまいりました経緯について整理させていただいております。7月29日に諮問がございまして、その後、教員免許の在り方、あるいは小中一貫教育の協力者会議で実態調査をどのように分析していくかといったような専門的な御検討を頂いたり、あるいはコミュニティスクールや学校施設についても、それぞれ協力者会議などで各専門的な観点から御審議を頂いたりして、最終的には、現在、11月7日でございますけれども、審議のまとめ案について現在御検討いただいているという状況で、短い期間でございますが15回、あるいは協力者会議で8回ほど検討を積み重ねていただいております。そのような経緯を簡単に資料1-1の「はじめに」の所でまとめさせていただいております。
 資料1-1の冊子の方でございますが、3ページから第1章でございます。こちらは、小中一貫教育が各地で取り組まれている背景について、様々な要因が存在しているのではないかということで、4ページ以降、それぞれの要因について挙げさせていただいております。まず、4ページの「1.」の所ですが、小中一貫教育が取り組まれている背景の一つに、義務教育の目的・目標ということで、学校教育基本法の改正、それから学校教育法の改正で、小中共通の目標として義務教育の目標規定が新設されたといったような背景について挙げさせていただいております。また、「2.」の所ですが、教育内容や学習活動の量的・質的充実への対応ということで、平成20年の学習指導要領改訂におきましても、非常に幅広い知識や柔軟な思考力、様々な創造的な能力などが今求められているということで、教科によっては授業時数が実質的に1割程度増加するなど、教育内容が質・量ともに充実している、そういったことについて、5ページにいきますが、例えば小学校高学年で専門的な指導の充実をする必要性ですとか、あるいは児童生徒のつまずきやすい学習内容について、長期的な視点、9年間の視点に立ったきめ細かな指導といった工夫を取り入れていく必要性が増しているのではないかという点を挙げさせていただいております。
 また、「3.」ですが、発達の、児童生徒の生理的な成熟の早期化などの状況について挙げさせていただいており、6ページでございますが、いわゆる中1ギャップへの対応ということを挙げさせていただいております。小学校から中学校への進学で新しい環境での学習や生活の不適応を起こす、いわゆる中1ギャップというものへの対応としての取組も多いのではないかということで、6ページの下の四角の中には、具体的な主な小・中学校の段階間での様々な差異、違いについて例示として挙げさせていただいております。
 また、7ページに参りますと、5番目の要因として、地域のコミュニティの核としての学校における社会性育成機能の強化の必要性ということで、現在の少子化ですとか、地域における様々な家庭の状況などから、社会性育成機能が社会全体として弱まっているという指摘について、いわゆる地域によっては小中一貫教育を縦の統合ということで、そういうものに取り組まれている現状もあるのではないかというような点について挙げさせていただいております。
 以上、非常に簡単でございますが、第1章の小中一貫教育が取り組まれている様々な背景についての章でございます。
 それから8ページですが、第2章、こちらでは、今日、参考資料の2としてお配りしております少し厚い資料ですが、小中一貫教育、現在様々な所でいろいろな取組が行われているわけですが、それについて、この審議に先立ちまして文部科学省で行いました全国の実態調査の結果、どんな現状と課題があるかということを挙げさせていただいている章でございます。その実態調査のほかにも、特別部会で、様々な先駆的な取組を行っていらっしゃる教育委員会にもヒアリングということでいろいろ情報提供を頂きました。それらを踏まえまして、8ページの下の所ですが、現在、実態調査の結果ですと1,130件ほどの取組が全国であるということで、かなり全国的な取組が広がっている状況でございます。
 9ページでございますが、ただ、様々な取組の中で、自治体の取組状況など、あるいは狙いなどが様々であるということが9ページ以降の内容でございます。まず、どういう目的を持ってそもそも取り組んでいるかということにつきましても、各地域によって様々な狙いがあるということ。それから9ページ目の「2.」の所ですが、教育課程の9年間の連続性の確保ということにつきましても、小中一貫への教育課程上の取組も、その取組状況がかなり多様であるということで、調査結果から、10ページの棒グラフのような所にも挙げさせていただいておりますが、例えば9年間を一まとまりに捉えた学校教育目標の設定を行っているような所は約47%あると。あるいは、9年間の系統性を各教科別に整理して小中一貫のカリキュラムを組んでいるというような所は52%ほど全体の中でございます。あるいは、小中一貫教育の軸となる独自の教科・領域を設定するというような所が25%ある。あるいは評価を小中9年間見通して行っているというような所はまだ12%ぐらい。あるいは、この棒グラフの4分の3ぐらいいった所ですが、一番多いのは小中の合同行事の実施ということで、こういった取組は70%ほどあるということで、9年間の教育課程の系統性・連続性の確保という中にも様々な取組があるという現状でございます。
 また、10ページ、「2.」の教育課程の中でも学年段階の区切りの設定についてでございます。当然、現行制度下では6-3ということでございますけれども、その下でも様々な工夫によって、11ページの頭の所ですが、9年間の中でも区切りを付けて取組を行っている状況があるということで、実際に調べましたところ、4-3-2の区切りを設けているところが約3割、非常に少数ですが、5-4あるいは4-5などの取組もあるという状況で、ただ、全体として見ますと、7割が6-3のまま9年間の一貫教育を実施しているというような状況でございました。
 12ページが、教育課程の中でも教育課程の特例の活用状況でございます。今、小中一貫に取り組んでいる所について調べてみますと、約2割が何らかの特例を活用していると。その特例を活用している所のうちの約7割が小中一貫教育の軸となるような独自教科を設定しているということ。また、約2割の学校で何らかの形で指導内容の前倒しなどを行っているというような状況でございます。
 12ページの「3.」の所ですが、指導方法や指導体制についてどのようなことが行われているかでございますが、白丸の下から二つ目の所ですが、小中一貫教育の接続の円滑化ということで、乗り入れ授業というのが行われていて、その実態ですが、中学校の教員が小学校で指導するケースが4割弱、あるいは小・中の教員による相互乗り入れが2割程度というような状況でございます。あるいは小学校での教科担任制の取組が約5割という状況でございます。
 13ページですが、施設の形態とマネジメント体制について見ますと、ここもかなり多様だという状況でございます。いわゆる施設一体型で一人の校長が小・中学校を併任して一体的なマネジメントをやっているという学校は約1割、ほとんどのケースは施設も分離あるいは隣接しているというような実態が浮かび上がっております。
 16ページでございますが、今回の調査で全体を見ましたときに、小中一貫教育の実施で大きな成果が認められるという回答、あるいは成果が認められるという回答が全体で9割近い状況となっております。様々な学習指導上あるいは生徒指導上、教員に与えた効果というところで様々な効果が見られているという状況でございます。
 17ページから、一方で課題について浮かび上がっているということで、具体的には、やはり一貫教育の実施に伴う準備に関わる課題、あるいは準備の時間の確保に関する課題、それから児童生徒に与える影響ということで、転出入への配慮、あるいは人間関係の固定化への懸念、そういったものも挙げられております。また、教職員の意識改革、あるいは人事・予算面での制度的な課題、そういったものも挙げられているところでございます。
 19ページですが、こういったことを踏まえますと、小中一貫教育の制度化を検討するに当たっては、それらの課題についても対応していく必要があるのではないかということでございます。
 また、20ページは、この調査の中で、様々な小中一貫教育の主要な取組を行っている所について、いわゆる成果・課題とのクロス分析を行いましたところ、成果について特に有意な差異が見られたということで、20ページの丸1から丸7まで挙げられているような取組については、小中一貫教育の成果があるという傾向がよく見られた取組になっております。
 21ページに、現状と課題、第3章の総括でございますが、様々な成果が報告されているということが今回の実態調査で小中一貫について分かっておりますが、一方で、教職員の負担の軽減あるいは負担感・多忙感の解消、時間の確保、そういったものも課題として認識されているというところでございます。また、各地域で取り組まれている小中一貫の内容ですとか、あるいは経過年数など様々な多様な状況があるということで、優れた取組が全国的に今後展開されるように、そういった多様性を尊重しつつも、様々な制度的・政策的な支援が環境整備を図っていく上で必要なのではないかということを記述させていただいております。
 また、第3章でございますが、第3章、22ページからは、小中一貫教育を制度化することの意義でございます。小中一貫教育の制度化の意義ということで、22ページの最初の丸の所でございますが、そういった一貫性の確保について市町村、設置者が取り組もうというときに、それは総合的かつ効果的な取組を実施できるようにするための仕組みを整備することがその意義ではないかということでございます。具体的には、様々な一貫性の確保ということで、例えば教育主体の一貫性の確保、下から二つ目の丸でございますけれども、小中一貫教育を制度化すると、教職員組織を法令上明確化できるということで、普通ですと二つの学校段階にまたがる教職員組織を一体的にマネジメントしやすくなる効果、あるいは都道府県による適切な人事配置を促進しやすくなるなどが期待されるという点でございます。
 また、教育活動の一貫性の確保ということで、教育課程の編成、年間指導計画の作成など、あるいは学校評価の実施など、通常ですと、それぞれ小・中学校固有の業務に加えて行わなくてはいけないような事柄も、制度化によりまして一体となって教育活動の一環として進められるといったようなことが、23ページの上の方でございますが、記載されております。
 また、学校マネジメントの一貫性の確保ということで、これも小中一貫教育を制度化することに伴いまして、学校マネジメント体制が一貫したものが構築されるという点について記述させていただいております。
 23ページの二つ目の点でございますが、制度化の意義としまして、設置者判断による柔軟な取組の促進(選択肢の提供)ということでございますが、設置者が小中一貫教育に取り組もうというときに、現在、24ページの頭の所ですが、例えば教育課程の特例を活用する場合には、既存の制度、研究開発学校制度ですとか教育課程特例校制度などを活用して行っているわけですが、現在、様々な一定の成果を上げてきている中で、むしろこういうことを制度化することによって迅速かつ柔軟な取組が一体的に促進できるのではないかという点について、設置者の判断で、一定の範囲でそういった特例の教育課程を実施できるような制度の整備ができる段階に達しているのではないかという点について記載させていただいております。
 また、制度化の意義の3点目としまして、国や都道府県の支援の充実の必要性ということを挙げさせていただいております。「3.」の二つ目の白丸ですが、一定の成果が既に明らかになっているわけですが、こうした中、国や県に対しては小中一貫教育の導入の必要性がある自治体が取組を行いやすくするための予算措置や人的措置、すぐれた取組事例の普及、指導・助言などが求められているのではないかということで、そういった意味でも制度化が重要なのではないかといった点でございます。
 また、「4.」ですが、これは小中一貫教育に指摘される課題への対応ということでございます。既に実態調査の中でも課題が挙げられているわけですが、25ページ以降、例えば人間関係の固定化への対応、それから9年間の中での転出入への対応の必要性、小学校高学年のリーダー性の育成の必要性、それから中学校の生徒指導上の問題の小学生への影響について、こういった課題があるわけですが、こういったことについても制度化とともにきちんと手当てをしていくといったことが求められるということについて、25ページ、26ページで記載させていただいております。
 また、27ページからは第4章、小中一貫教育の具体的な制度設計の方向性でございます。長くなって大変恐縮ですが、お手元の豆クリップで付いておりました資料1-2に、今回の制度設計の案ということで、黄色い紙ですが、簡単にまとめさせていただいております。今回、これまで見てまいりましたように、全国各地で既に様々な取組の成果があるということで、地域の実情に応じた柔軟な取組がやはり必要ではないかということでの指摘を、27ページにその御指摘を記載させていただいております。まず、制度化の目的でございますが、これまでの制度化の意義などを踏まえますと、今回の目的は27ページの白丸二つ目ですが、義務教育の目的・目標を踏まえて、小・中学校段階の教職員が9年間を通じて実現したい教育目標を共有し、一体的な組織体制の下、9年間一貫した系統的な教育課程を編成・実施することができる学校種を新たに設けるなどして、設置者が地域の実情を踏まえて小中一貫教育が必要であると判断した場合に、円滑かつ効果的に導入できる環境を整えることであるというふうにまとめさせていただいております。
 また、27ページの「2.」ですが、小中一貫教育を行う新たな学校種の創設等ということで、これは具体的に様々な形態が既にあるということで、28ページの「具体的には」という所で書かせていただいておりますが、まずは小中一貫教育の基本形として、一人の校長の下で一つの教職員集団が一貫した教育課程を編成・実施する単一の学校である小中一貫教育学校(仮称)を新たな学校種として学校教育法に位置付けるということで、その場合には、一定の範囲で、個別の大臣指定によらず設置者の判断で教育課程の特例を活用することを認めるべきであるということ。それから、その上で、様々な多様な取組実態がほかにもあるということで、別途、組織上は独立した小学校、それから中学校が小中一貫教育学校に準じた形で一貫した教育を施すような形態についても制度上明確に位置付け、同様の教育課程の特例の活用を認めることが必要であるということで記載させていただいております。具体的には、資料1-2のオレンジの表の部分の小中一貫教育学校(仮称)というものと、小中一貫型小学校・中学校(仮称)ということでまとめさせていただいております。右側の小中一貫型の方は、あくまでもそれぞれ別々の独立した学校でありますが、教育課程については同じような特例が認められる、9年間の系統性の確保ということが要件となっているということでございます。
 一方で、施設については、28ページの白丸の二つ目ですが、どちらのパターンの場合も、施設の一体・分離というような物理的な施設形態にかかわらず設置を可能とすることが現状に照らして適当ではないかといった点でございます。
 28ページの白丸の三つ目は、先ほど申し上げました小中一貫型の小学校・中学校の方でも、教育課程の9年間の系統的な編成・実施については要件として求めることが適当であるという点を記載させていただいております。
 また、小中一貫型の場合でございますが、それぞれの学校が独立しておりますので、その間の意思決定の調整システムの整備について、例えば丸1ですが、小中一貫に取り組む学校を一体的にマネジメントする組織を設け、学校間の総合調整を担う校長を定め、必要な権限を教育委員会から委任することですとか、あるいは学校運営協議会の合同設置、一体的なマネジメントを可能とすることから校長を併任するといったようなことが考えられるのではないかといったことの指摘でございます。
 それから29ページから、就学指定や設置義務をどう考えていくかという点でございます。これにつきましては、29ページの三つ目の白丸ですが、市町村が小中一貫教育学校を設置する場合には、就学指定の対象となるよう制度設計し、それに伴い、市町村に課されている小・中学校の設置義務の履行の対象として小中一貫教育学校も加えることが適当であるということでございます。
 また、29ページの一番下でございますが、例えば既存の小・中学校をベースとして特色ある取組を現行制度と同じように希望するような地域、あるいは様々な要因から第1章で述べた背景が大きな教育課題となっていないような地域、あるいは小学校から中学校へ進学する段階で多数の児童が私立の中学校に進学するような地域、あるいは中等教育学校や中高一貫校が設置されている地域もあることなどを踏まえますと、引き続き通常の小・中学校のみを設置することが適切な場合もあるのではないかといった点について記載されております。ですから、その29ページの一番下にございますが、このため、全ての市町村に対して小中一貫教育学校の設置を義務付けたり、あるいは既存の小・中学校を廃止したりするといったこと、小中一貫教育学校のみを設置するような制度は適当ではないということで記載させていただいております。
 30ページから教育課程の区分の考え方でございますが、ここにつきましては、柔軟な学年段階の区切りを設定しやすくするようなことが求められるといった点、それから一方で、そういう中でも中高一貫校が設置されている地域や、私立学校への進学者が多い地域などでは、小中一貫教育学校の小学校段階を終えた後、転校が円滑に行えるような配慮も必要であるという点について記載があります。白丸の3点目ですが、このため、小中一貫教育学校の修業年限である9年間を小学校段階と中学校段階の二つに区分して、9年間の全課程の修了を持って小中一貫教育学校の卒業とするということで、第6学年修了の翌年度から中学校や中等教育学校への入学を認めるといった制度が適当ではないかという点でございます。
 また、30ページ、「5.」学習指導要領との関係でございますが、こちらは二つの意見が特別部会でも出ておりまして、丸1の所にございますように、今回の制度化というのが既存の小・中学校を前提としたもので、あくまでも接続関係を円滑にするといったものであるので、現行の小・中学校の学習指導要領に基づくべきだという御意見と、一方で、丸2としてございますが、新たな義務教育の目的、目標ということが規定されたことを踏まえて学習指導要領も新たに9年間のものを策定すべきではないかという御意見もございましたが、30ページに結論の所を書かせていただいておりますけれども、今回は31ページにかけて挙げさせていただいている理由によりまして、学習指導要領は新たに作成しないということでの特別部会での結論を記載させていただいております。ただ、31ページの真ん中にございますように、今後、諮問に応じて行われることになります学習指導要領の全面的な改訂の中で、この審議の際の参考意見ということで、31ページの四角の中の意見を取りまとめさせていただいております。
 また、32ページ、教育課程の特例についての考え方ですが、どのような教育課程の特例の創設が必要であるかということで、四角の中ですが、小中一貫教科の設定ですとか、指導内容の入替え・移行についてあらかじめ制度化することが適当ではないかという点でございます。
 また、「7.」教員免許の取扱いでございます。こちらは教員養成部会での御審議を踏まえて記載させていただいているところですが、33ページでございますが、一つ目の白丸で、小中一貫教育学校の教員については、小学校及び中学校の教員免許状の併有を原則とすることが適当である。ただし、小学校・中学校教員免許状の併有率がかなりばらつきが地域によってあるということで、小中一貫の推進のためには、当分の間、どちらか一方の免許状を有することをもって相当する課程の指導を可能とする経過措置を設けることが必要であるということ。この際、小学校及び中学校の免許状のどちらか一方を有する場合の指導範囲については、教科担任のみならず、相当する課程の学級担任としての指導を可能とすることが不可欠であるということを記載させていただいております。
 また、三つ目の白丸ですが、今後、小学校と中学校の免許状の併有を進めるためには、例えば取得する免許状に関連する教職経験などを勘案して単位数を軽減するなど、併有がより取り組みやすくなるような措置を検討する必要があるという点について記載させていただいております。
 また、34ページの上でございますけれども、小中一貫教育のメリットの一つは、小学校における専科指導の充実ということで、小学校課程において中学校教員が専科指導ができるように、一層それが促進されるような措置を講ずること、それから他校種における指導範囲の拡大などについても検討する必要があるという点でございます。
 二つ目の丸ですが、小学校、中学校、それから小中一貫教育の全ての学校で指導が可能な免許状を新たに創設するということにつきましては、今後の小中一貫教育の定着状況などを見て引き続き検討することが適当であるという点が記載されております。
 また、34ページ、「8.」ですが、教育の機会均等との関係では、今回はあくまでも小・中学校の接続を強化する延長だということで、義務教育の機会均等が果たされなくなるといったような事態は想定されないのではないかといった点でございます。
 また、35ページ、既存の小・中学校との関係がどうなるかという点でございますが、35ページの二つ目の丸ですが、小中一貫教育を導入する際に、全てを小中一貫にするのか、あるいは例えば学校選択制も採用するのかとか、様々な観点、検討が必要なわけですが、どういう形態をとるかは、設置者である市町村が児童生徒の実態、保護者のニーズなどを踏まえて適切に判断すべき事項ということで整理されております。
 また、36ページ以降、第5章ですが、小中一貫教育の総合的な推進方策でございます。ちょっと時間の関係で、恐縮ですが、豆クリップで一緒に付けております概要の方を簡単に御紹介させていただきたいと思います。5章の内容でございますが、小中一貫教育の総合的な推進方策、赤字の下の四角の所ですが、様々な推進方策を挙げさせていただいております。まず、教職員体制の構築ということで、小中一貫教育学校は、現行の小学校、中学校と同様の定数の算定が必要であり、その上で9年間を適切にマネジメントするために必要な教職員の定数を算定する必要性、あるいは小中一貫教育の円滑な推進のための教員加配の措置が必要ではないかといった点。施設・設備の整備についても、新たな小中一貫教育学校については、現行の小・中学校と同様に国庫負担補助の対象とすることが必要であるといった点、それから小中一貫教育を効果的に実施するための施設一体型校舎あるいは異学年交流スペースなどの整備への支援も必要であるという点。
 それから地域との関係では、例えば一体的な学校運営協議会、中学校区内で一つの運営協議会の設置を促進するようなことが必要であるといった点。
 それから、国や県がモデル事業の実施や好事例の普及をしていくことが必要であるということ。
 それから、学校評価の充実ということで、現在、現行制度上は小学校、中学校の学校評価ということになっておりますが、様々なタイプの小中一貫教育の学校評価の在り方を今後検討していく必要があるといった点。
 それから概要の5章の右側の所ですが、都道府県教育委員会の役割としまして、まだ県として取り組んでいるところというのは実態調査の結果からも多くはないわけでございますが、県が取り組んでいくことが必要な点としまして、県内の推進計画の策定ですとか、モデル事業の実施、それから小中免許併有の促進、兼務発令、それから異動年限の柔軟化、人事異動での配慮など、あるいは教員研修など、そういったことが必要ではないかという点。
 それから、課題として挙げられております教員の負担軽減ということで、適切な教職員定数の算定、小・中合同の校務分掌で効率化、あるいは会議などあるいは校務支援システム導入などによる様々な事務の効率化、そういったことが必要ではないかということ。
 それから、9年間の教育課程の系統性・連続性の強化としまして、小中一貫教育の理念の徹底、あるいは一貫カリキュラムの構築、様々な区切りの取組の強化、それから特別支援ですとか、幼小連携との連動ですとか、そういったことも課題であるということを挙げさせていただいております。
 また、最後の丸は、本体の方の「おわりに」という52ページ、最後のページに書かせていただいていることで、今後の学制改革に向けてということでございますが、小中一貫教育の継続的な検証が必要であるということで、国は都道府県と連携して全国的な状況を定期的にフォローアップして、成果と課題をきめ細かく把握しながら改善につなげていく必要があるということ。それから今後の学制改革に向けて、幼小連携あるいは中高一貫との関係などについて試行的な研究を進めていくとともに、そういったものの成果を踏まえて、幼稚園から高等学校段階まで全てを通じた児童生徒の発達の段階に応じた、学校段階の区切りの在り方を含む公教育全体の質の向上方策について継続的に検討していくことが必要であるということについて最後にまとめさせていただいております。
 以上、大変長くなりましたが、御説明申し上げました。
【小川分科会長】  ありがとうございました。大変大部な内容ですけれども、今の事務局からの説明に対して御意見、御質問を受けたいと思います。御発言される方は、恐縮ですけれども、机上の名札を立てていただければと思います。どなたからでもどうぞ。では、松岡委員からお願いいたします。
【松岡委員】  大変短い期間での審議にもかかわらず、非常に中身の濃い審議のまとめということで、ありがとうございました。私から2点申し上げておきたいことがございます。
 まず1点は、先ほど、当該資料36ページの教職員体制の構築という所で、まとめでも触れられておりましたけれども、当面、現行小学校及び中学校の教職員定数と同様の算定を行うことが必要だとあります。これは私は最低基準だと思うんですね。小中が一貫になったからといって、双方の、小と中の教員がそれぞれ指導に当たることはできるだろうと、そう短絡的なものではないだろうと考えています。したがいまして、小と中を単に一貫校にして、教員定数は1足す1は2だという発想ではうまくいかないんだろうなと思います。1足す1が少なくとも2.5、あるいは3ぐらいと考えていただきたい。こちらのまとめにも、9年間を適切にマネジメントするために必要な教職員の定数算定という記載がございますけれども、このあたりの加配措置等につきましては、是非力強く審議のまとめとして打ち出していただければと考えています。
 それから2点目でございますけれども、幾つかの課題のところで、このまとめですと25ページになりましょうか、人間関係の固定化への対応ということ、あるいは小学校高学年におけるリーダー性の育成ということについて配慮すべきという記載があって、まさにもっともだと考えるところでございますが、中1ギャップの緩和という点について、小中一貫は非常に効果があるというこれまでの調査結果もございますけれども、確かにギャップという言葉は非常にネガティブな響きがあるんですが、一方で、私も本校の中学生を見ていますと、いわゆるステップアップという発想もあるわけですね。恐らく、皆様も御自身の人生を振り返ったときに、必ずしもなだらかなスロープを上がってきたわけではなくて、やはりどこかで1段階上がる、まさにステップアップする場面があったと思うんです。まあ、人によってはそれがもしかしたら小学校の就学のときかもしれませんし、あるいは中学や高校、大学入試かもしれない。あるいは就職とか転職とか結婚とか昇進とか、人生の様々な場面があるんですが、私は今の義務教育を見ていて、この義務教育段階で、まあそれは小さなステップであってもいいんですけれども、やはり子供たちが一つ乗り越える、ステップアップするという経験を持たせることは、将来社会生活を送っていく上で非常に重要だと捉えています。したがいまして、ある意味で現行の小学校、中学校という範疇で言えば、一部の子供たちにとってはやはり中学校入学というのは非常に大きな自身にとってのステップアップになっているんですね。したがいまして、一貫教育にしたときに、今度そういう場面をどのように意図的・計画的に教育課程に位置付けていくか、このあたりも非常に重要な要素かなと。したがいまして、この審議のまとめの25ページの人間関係の固定化ももちろん大事なんですけれども、やはりステップアップという発想に立ったときのその教育内容と言いましょうか、そういう点についても是非御留意をいただければ有り難いと考えるところです。
 以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 銭谷委員、どうぞ。
【銭谷委員】  短期間の間に小中一貫教育の特別部会の方で本当に行き届いた御審議を頂いたということで、拝読をさせていただきました。非常によく背景から今後の推進方策まで御検討いただいたというふうにまず受けとめております。特に、1章の背景の所で五つほど挙げているわけですけれども、全体的に見まして、一つやはり大きい状況として、地方における人口減少ということがあると思いまして、なかなか小学校だけ、中学校だけでは規模的に十分な教育ができない地域が増えているわけでありまして、いわゆる同じ小学校同士、中学校同士の統合のほかに、小と中の縦の統合ということを迫られる地域も出てきている状況の中で、こういう小中一貫教育ということを考えていこうということは非常に意味のあることだと私は思っております。
 それともう一つは、やはり中学校が戦後発足してもう70年近い中学校教育の歴史があるわけでして、そこの経験というものを小学校教育との連携の中で、中1ギャップの問題を含めてどうこなしていくのかという、やはり義務教育9年間の問題、一貫教育ということが今問われつつあるかと思いますので、そういう意味でも非常に時宜を得た検討ではないか、また提案ではないかというふうに思いました。
 その上で幾つか申し上げたいんですけれども、一つは、今、松岡先生がまさにおっしゃいましたけれども、小中一貫教育あるいは仮称の小中一貫学校において、やはりこれを是非やってみようというインセンティブが起きるような推進方策が私は必要じゃないかなというふうに思います。5章に少し書いてありますけれども、何と言ってもやはり教職員体制の構築あるいは施設・設備の整備ということで、こういうことを小中一貫教育に取り組もうとした場合に、そこに何がしかの加配なり、あるいはプラスアルファの要素が入ってくるということが必要ではないかなというふうに思っております。今の状況を見ましても、小中一貫教育を進めている所や、例えばそれぞれの校長先生のほかに学園長といったような形で置いているような所もございますけれども、特に仮称の一貫学校になると、今までの小学校お一人、中学校お一人から校長先生が減るわけですので、そういうことを考えたときに、何らかの小と中の教育のコーディネートというか、あるいは統合するようなそういう立場の人が要るんじゃないかなという感じもしますので、インセンティブが起こるような教職員の体制の整備ということに力を入れていただきたいというのが1点目でございます。
 それから2点目は、小学校の先生、中学校の先生の免許の共有の問題でございまして、これを原則とするのは当然だと思いますが、片方の免許しか持っていない先生の場合、どうも中の先生が小で教えるというのはよくあるようですけれども、小学校の先生が中で教えるという例は過去の例でも少ないようでございますので、私は、小学校の先生の指導性というものを、例えば中学校の道徳ですとか、あるいは特別活動とか総合的な学習の時間とか、あるいは学級担任として発揮できるんじゃないかなというふうに思っておりますので、その辺の課題について引き続きの御検討をお願いしたいと思います。
 それから3点目ですけれども、私は今、博物館に勤めている関係上、比較的芸術関係の先生方と接する機会が多いのでございますけれども、例えば音楽の専科の先生あるいは美術・図工の専科の先生とか、最近、子供の数の減少等もありまして、どうも従来ほどのペースで専科教員が配置できない状況もあるようでございますので、音楽、美術あるいは技術家庭、見てみますと、理科も含めて専科の先生の問題ということをこの小中一貫教育においては、特に小学校段階ですけれども、十分配慮して、むしろ中高一貫になったことのメリットを生かしてほしいなというふうに思います。
 それから最後に4点目ですけれども、これは前にこの会で話題になったときも申し上げたんですけれども、報告書では最後に書いてありますけれども、中高一貫との関連、それから幼小連携との関連ですね、それと小中一貫ということについて、やはり引き続き十分な検討を更にしていって、それぞれの必要性、またそれぞれのメリットはあると思いますけれども、この中高一貫、小中一貫、それから幼小連携、更に言いますと、高大接続ということもありますけれども、こういう学校間の連携の問題については引き続き実践を積み上げていって、いい方向にそれぞれが向かうことができるように、また御検討いただければなというふうに思います。
 以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 岩井委員、どうぞ。
【岩井委員】  失礼いたします。審議のまとめの全体に対しては特に御意見があるわけではないんですけれども、一部、49ページから50ページに特別支援教育の充実ということで述べられていることに関して少しお話をさせていただきます。
 今、日本の多くの学校に特別支援学級が設置されていると思うんですけれども、私も幾つかこの小中一貫校について視察をさせていただいた中で、学年の区切りとか通常の学級の中では成果を上げているんですが、特別支援学級については余り積極的な研究をされているところを聞いてないんです。これは、アンケート結果の現状からこういったことが言える、こういうことが実施されているというふうな報告ですけれども、もう少し積極的に、これは学級の場合は知的障害とか自閉症、情緒障害だけでなくて、様々な障害のお子さんたちが行っていると思いますので、そういった中で同じような区切りで考えられるところもあるし、また別な考え方をしなきゃいけない障害種別の問題もあろうかと思います。そういった点で特に触れられていませんでしたけれども、就学相談の問題とか、転学の問題とか、あるいは学年の区切りの問題とか、あるいは教育課程に関しても、小中一貫教育の特例が入ってきて、その特例の中で特例で障害児教育をやるということになると、かなり複雑になってくるので、その辺のことを、今後に向けてもう少し議論していただければ有り難いと思います。
 以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、この後は佐々木委員、荒瀬委員、北城委員の順でお願いいたします。
【佐々木委員】  ありがとうございます。まず、大変多様な視点から御検討いただきましてありがとうございます。今後の詰めというか、詳細の決定が重要だろうなと、多岐にわたっているので思いました。五つあるんですけれども、簡単に質問とコメントを申し上げます。
 一つ目が、24ページなんですが、下から2番目の丸の所に「小中一貫教育導入の必要性がある自治体が」というふうに書いてあったのがちょっと気になったのですけれども、今日の全体的なお話ですと、どちらかというと小中一貫教育導入の方が成果が出ていて、こちらに進めていこうとするのかなと読めたのですけれども、ここだけ必要性と書いてあったので、ここはもしかすると違う言葉が適切なのかなというコメントでございます。もし理解が違うのであれば、教えてください。
 それから、小中一貫でも、小中一貫型でも、あるいは今までの小・中でもよろしいという御説明だったと思うんですが、そしてそれを決めるのは、そうすると、設置者とおっしゃっているのは区長とか市長とかということですか。であると、そうすると、やはり市長選挙とか区長選挙とか、そういうものがあるごとに、その人の考えによって学校の制度が変わるのであるのかと。それは何年に一遍変わっていいのかとか、変わっちゃいけないのかとか。そうすると、住む者からすると、ある意味健全な生活パターンだと思うんですけれども、自分の好ましい学校教育がある所のエリアを選んで住むという住民が今後出てきてもおかしくないと思うのです。そうすると、そういうものの公表、自分たちのエリアではどういう学校教育の仕組みをとっていますということが発表されるようにしていくなどの指導なのかルールなのかというものが必要だろうなと思って、ちょっとここも気になりました。
 それから三つ目ですけれども、幼小からの学校の区切りも含めというお話が最後にあったのですけれども、幼稚園は、ちょっと私は保育園との関係がある中でどういうふうに含めるのかなということはよく考えなければならないと思っておりますが、もう一方で、今、高校でも国際バカロレアの導入をしようというような取組もあるわけで、高校から大学の流れ、それから高校の在り方、プログラムを見直しているかと思うんです。義務教育ではないと言ってしまえばそうなんですが、このバカロレアにしようとすると最後の2年間、そうするとその前の2年間の準備が意外と重要だったりするとなると、実は中学の3年生のところがこの高校教育と随分と一貫してつながっていくのではないのかなと想像しておりまして、今回のこの小中だけで今、一貫でカリキュラムを特別には作らないということですけれども、このあたりと、今後の高校の在り方や高校との連携や国際バカロレアの導入との関係みたいなものももう少し考えていく必要があるのかなというふうに思いました。
 それから四つ目は、今回、この説明と余り関係なかったからかとは思うのですけれども、海外から移住して日本に住まれているお子さんたちのことというのが余り触れられなかったと思うんですが、ほかのところでいつもテーマには出ます。そういった日本語が話せないとか、いろいろな国籍の方々が入ってくる。こういう子供たちがどの学年からも、どの時期からも転入できるとか、言葉をどうするとか、精神サポートする、これは9年間とかの一貫教育になると、もしかすると、また今までと違う体制が必要なのかなと思っておりますこととともに、その子たちに対してどうするかということだけでなくて、そういった外国籍の方たちや言葉や文化が違う方が入ってくることが、実は日本の子供たちの教育に大きくプラスすると私は思うので、そういったことも含めての何かどこかに配慮なのか、今後詰めていく際に少し話題にしていただけたらいいなと思います。
 最後に、保護者との関わりなんですけれども、9年間あるいは学校教育で保護者との関わりというのは非常に重要だと思っていて、保護者がどこまでこの教育や学校と一体となって子供を育てていくかということだと思うんです。そのときに、先生方のITスキルというのが非常に重要になってきます。今、学校教育の現場で、この資料の中でもITスキルとか電子黒板の話が少し出てきたんですけれども、このITというのが苦手だという先生たちがたくさんいらっしゃるわけなんですけれども、もうITは読み書きそろばんなんですよね。なので、これが苦手だというのでは、もう話にならないということじゃないかなと思っております。ちょっと私ごとなんですけれども、先月突然10月に、中学3年の息子が日本の中学よりも厳しい環境で勉強したいと言って、突然義務教育を、すみません、中退しまして、10月に留学をいたしました。私は留学を突然2週間ぐらいで手続をして、行かせて、何か1年間これで子供もいなくて仕事に集中できると思ったんですが、そうは許さなくて、その海外の学校は、ITがすごく活用されているんです。親のホームページがありまして、毎日、この子が宿題を出したとか出さないとか、小テストで何点取ったとか、全部見られるんですね。それで、実は今日は本当はその学校で親と教員の面接があるというメールが来たんですけれども、これがすごくて、学校の全ての国語、体育、数学、全部の先生の名前が出ていて、15分単位で全部時間が出ていて、好きな所を15分自分で親が予約できるんですね。全教科の先生と話せる。私は、中教審があるので行かれないということで言ったんですけれども、そうすると、全部の先生がうちの子供一人のための、今度は書面でのレポートを私に書いてくれるというんですね。それを読んで必要な先生と電話インタビューを設置しますと言ってくるんです。で、すごいなとちょっとびっくりして、これは子供が留学しているときに私も子供を通じて学校の教育の在り方を勉強させてもらおうと思って、今ちょっとわくわくしているんです。そういったITの使い方がある中で、日本の学校はまだ先生とメールするのも駄目みたいな学校が随分あったりします。親がこれだけ多様化して、そして多くの親に参画してもらうことがこの9年間の一貫教育や高校の国際バカロレアも含めて日本の教育を豊かにするんだろうと思う中では、先生のIT教育というのは、是非9年間の一貫教育を進めるに当たって推進を強めていただきたい。で、親も参加してこの9年間の一貫教育を進めていくというふうに進めていっていただきたいなというふうに思っております。どれも質問でもありますが、コメントなので、これで結構です。
【小川分科会長】  委員の方から出ている質問とか要望等々については、答えられる範囲で、後で一括して事務局の方からお答えいただければと思いますので、よろしくお願いします。また、委員の方にもそういうふうなことで御確認いただければと思います。
 荒瀬委員、よろしくお願いします。
【荒瀬委員】  ありがとうございます。先ほど松岡委員がおっしゃった2点目のことで、ステップアップを図るということの大切さということをおっしゃったんですが、恐らく初等中等教育に関わっている人間は、そこのところが最近非常に弱くなっているということを痛切に感じているのではないかということを思います。で、これが中高一貫校で既に若干言われていることでもあるんですけれども、そういうふうに考えていくと、形の上ではなだらかな、滑らかな成長というのを図っていくような形態をとっていくというのは、それはそれで大切だと思うのですけれども、むしろ今後、学習指導要領をどういうふうに組んでいくかという時点で、児童生徒がそれぞれ本当にステップアップを図れるような取組をどのように作っていくかというのは、これは非常に大事ではないかなと思うんですね。無業者の数が213万人とかいうのをどこかで見たのですけれども、これは非正規とかじゃなくて本当に無業者ですので、中には引きこもりの方もいらっしゃると思うのですが、そういう人たちの全てがどうかということは十分承知しておりませんが、やはり何かあったときに、すぐに自分は駄目だと思ってしまうとか、あるいは次の挑戦をしなくなるといったようなことは、これは社会問題ではなくて教育問題だというふうに思います。だから、そういう意味ではスムーズにつながっていくということの大切さと、しかし、ところどころ仕組まれたギャップがあるということも必要ではないかなと。それは教育課程上で十分に考えていけると思うのです。ただ、それを一律にやっていくというのはやはりまた大きな問題が生じてきて、既にお話もありましたけれども、発達障害の生徒だけではなくて、生徒個々の状況に対するきちっとした手当てができないと、制度ができたんだけれども成果は上がらないということになってしまうと思うのです。これも先ほどお話がありましたけれども、教員定数の問題というのは、一方では授業を持つ教員の配置ということも非常に重要ですけれども、例えば、発達障害の児童生徒に対する支援員の配置という、これもなかなか実際の学校現場の感覚で言うと十分に配置されているとは思えないという状況があります。ですから、お金の掛かることではありますけれども、是非そういったことがきちんと裏打ちされての制度の円滑なスタートと、それから維持だというふうに思います。
 で、最初の話に戻りますと、中高一貫の話で少しいたしましたが、高大の接続ということが今議論されておりまして、間もなく高大接続特別部会の方もまとめが確定して、中教審の答申という形になるということでありますが、高校卒業の50%以上が大学に進学するという時代でもありますので、初等中等教育12年間はもとより、大学も含めた16年間の教育でもってどんな成果を出していくのか、どういう若者を育てていくのかというところからの逆算でもって学習指導要領の改訂がなされていかないと、十分な内容にはならないのではないかなということを思います。
 以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 この後、北城委員、北條委員、尾上委員、篠原委員の順で進めさせていただきたいと思います。ほかになければ、そこでこの審議は打ち切らせていただきたいと思います。
【北城委員】  北城です。2点お話しします。
 一つは、小中一貫教育についてです。基本的に二つのパターンを制度設計するという結論に至ったということは、学校の事情に柔軟に対応できる大変良い結論だと思います。一人の校長の下で小中一貫教育を行うか、あるいはそれ以外の組織も認めるというのは、現実に即した適切な結論だと思いました。
 2番目は、39ページの一番下の丸に書いてあることです。先行事例には、小中一貫教育とコミュニティ・スクールやその他を組み合わせると成果が出る例が多く見られると書いてあります。インセンティブを作るときに、小中一貫教育だけのインセンティブというよりも、小中一貫教育とコミュニティ・スクールを連携するようなインセンティブというのも考えていただいた方がいいのではないかと思います。コミュニティ・スクールを導入している例はまだ全国で2,000校ぐらいだと思いますが、成果を出していると聞いています。特に地域社会の人々が教育に参加する等、いわゆる制度設計としても優れているという結果が出ているようですので、小中一貫校の導入とともにコミュニティ・スクールを導入することをインセンティブの検討の中で考えていただいたらというように思います。
 以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、北條委員、お願いします。
【北條委員】  ありがとうございます。学校教育法に定める学校教育制度というものがスタートして60年を超えているわけでありますけれども、その間、50年を超える頃から、本質的な改善を図る時期だということで議論がいろいろ行われてきたというふうに承知しております。私は、OECD先進諸国の動きを、ある一部の地域しか承知しておりませんけれども、それでも10年ごとに見に行かせていただきますと、10年前とは相当大きな変化をそういった地域では見せています。それに比しますと、日本ではそれぞれいろいろな工夫はしてきているわけですけれども、しかし、大きな見方としては、50年前とそれほど大きく変わったというふうには感じられないわけであります。先ほど特別支援教育のお話も出ましたけれども、OECD先進諸国での取組というのは、相当目を見張るようなきめ細かな方策というのがとられております。
 そういった観点から見ますと、このたびいろいろな制約がある中での短期間での取りまとめで、御苦労があったことは承知しておりますが、やはり、ちょっと失礼な言い方になってしまいますが、やむを得ない経過措置にとどまっているという感がいたします。学校制度というものが、中高一貫が既に制度化されて、このたび小中一貫が制度化されますと、制度としての学校制度というものが相当に複雑化してまいります。また、ちょっと時間は掛かると思いますが、幼小の問題も検討されております。そうした中で、いよいよこれからが本番なんだというふうに思いますが、そうしますと、そこにはどうしても相当豊かな財源が必要になってまいります。その財源が、子供の数が減ったからそれに比例して予算減をしていいというようなことではなくて、やはりきちっと財源を確保していくということが大切だと思います。
 そこで、ここでの議論とは違うのかもしれませんけれども、あえてお伺いをしたいと思いますが、消費税が近く10%に改定されるという見通しでありますが、その消費税財源というものが教育の分野でどう生かされるのか。社会保障に特化されているというふうに承っているところでありますが、是非これは消費税財源を教育にも使っていくということを国として明らかにしていく必要があるというふうに考えております。
 以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 尾上委員、どうぞ。
【尾上委員】  この報告に関しては、私は進めていくという形では全然問題ないと思うんですが、今の制度設計の段階では、保護者とか児童生徒の目線の意見がないので、よく確認をしておかなければいけないと思っているんですが、私の地域でも長く小中一貫教育に取り組んでいるんですが、やはり認知度といいますか、保護者が周知している度合いというのはすごく低いです。これはやはり教育委員会であったり学校であったりが広報といいますか、そういう伝えるのがすごくうまくない状態であるというのは現実的なところでもありますし、ましてや、転入してくる地域によって、その場所がやっていない、それで次にここに行くとまた特別な教科を使っているとか、やはり転入する時期によっては本当に学校を選ばなければならないというか、地域を選ばなければならない事態になってくる可能性もあるということで、48ページにあるような、保護者や児童生徒に個別ガイダンスを行っているのが半分しかないということを考えますと、もっともっとうまく説明をしていかなければいけない部分があるんじゃないかなというふうには感じます。
 また、私たちもそれなりに努力して対応していくという部分もあるとは思うんですが、やはりコミュニケーションをしっかりしていくということは大事だと思いますので、取組は積極的に進めてまいりたいとは思うんですけれども、説明をしっかりしていただけたらなというふうに感じております。
 以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では最後、篠原委員、どうぞ。
【篠原委員】  時間も押しているようですから、ごく簡単に。
 先ほど銭谷委員からもお話がありましたけれども、やはり中高一貫、それから私立学校への進学者、中学受験ですね。それから幼小の連携、だからそういうものをトータルでよく考える必要があると思うんですね。30ページにそういうことの記述が、二つ目の白丸かな、入っていらっしゃるので、そういうことが行えるように配慮することも必要であるということが書かれているので、この配慮を是非きちんと具体的な形でこれから進めてほしいなと。特に中高一貫の学校なんかの意見もよく聞いていく必要があると思うんですね。それから、是非そこのところを押さえながら、混乱のないように移行していくことが一つ。
 それからもう1点は、荒瀬委員からもちょっとお話あったんですけれども、今回は飽くまで6-3-3-4の学制全体の大きな見直しの中で、この小中一貫という6-3制の在り方が問われてこういう形に今集約しつつあるわけですね。これを実際やってみて、いろいろ問題点が出てきて、やはり高校まで含めて小・中・高全体の学制でもっと考え直した方がいいと思ったら、ためらいなくフィードバックしながらためらいなく見直していくという、そういうことが常に必要だと思うんです。小中一貫だけを切り取るような形でこれからどんどん進んでいくことは、僕はちょっと心配をいたしますので、そういう配慮を行政当局にもお願いをしたいと。
 以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、時間も迫っていますので、この辺で審議は打ち切らせていただきますけれども、今、多くの委員の方から御意見を頂きました。その中には少し事務局に対する質問とか御要望等が幾つかあったと思いますので、時間の制約もあるので、全て詳細にはこの場で御回答を頂く必要はありませんけれども、事務局の方でポイントポイントで何かあれば、今よろしくお願いします。
【小林教育制度改革室長】  ありがとうございます。様々な御意見を賜りまして、本当にありがとうございます。
 まず、佐々木委員の方から、必要性がある自治体ということで御質問ございましたけれども、今回の小中一貫教育につきましては、当然その実施しているところは、御指摘のように非常に効果が上がっているということでございます。一方で、小・中学校全体について、例えば大変小さなコミュニティの維持のために小学校、中学校をあえて別に設置しておきたいですとか、あるいは先ほど御指摘があったようなリーダーシップの育成のためにあえて小学校と中学校を別に置きたいですとか、そういった様々な自治体としての御判断もあるかということで、その必要に応じてというのは、自治体が是非これに取り組みたいという判断をした場合には、それを後押しするような積極的な制度設計なり支援が必要だというようなスタンスで全体をまとめさせていただいておりまして、ちょっと必要に応じてと入っていたところとほかとのバランスをもう一度全体を見通したいと思いますが、そのようなことでございます。
 また、全体として多くの御指摘を頂きました、そういった制度を是非取り入れたいというようなインセンティブをよく考えないといけないという点ですとか、あるいは自治体の中で、あるいは保護者とのコミュニケーションが非常に大事であるというような御指摘、それから特別支援ですとか、私学、幼小連携、中高との関係ですとか、それも含めた全体の学制制度の在り方の今後の検討ということで、最後の所にもちょっと記述がございますけれども、そういった御指摘を頂きました点について、全体を見通して再度チェックしたいと思います。ありがとうございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。この審議まとめ案の今後の扱いですけれども、一つはパブリックコメントに掛けて広く意見を聴取するというようなことだと思うんですね。今日頂いた意見、たくさんありましたので、それをこの審議まとめ案の方に反映させて、今後、11月20日に中央教育審議会の総会が予定されていますので、学制改革に関するほかの論点もありますので、それと一緒に11月20日の中教審の総会の方に御提案して、総会の方でもう一度御意見を頂く。そういうことをした上で、12月のまた初中分科会で最後の審議まとめ案について委員の方から御意見を頂くという、そういう手順で年内にこの審議まとめ案をまとめていきたいと思っています。そのように進めさせていただいてよろしいでしょうか。今日頂いた意見等々をどう反映させるかについては、分科会長の方に一任させていただければと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。それでは、第1の議題についてはこれで終了させていただきたいと思います。
 それでは、第2の議題ですけれども、高校早期卒業制度について審議を進めていきたいと思います。これについては、今日は分科会としては3回目の審議になるわけですけれども、前回、具体的なたたき台の案を事務局の方に提示してもらって議論した方が効率的だということで、そういう要請が委員の多くの方からありましたので、今日は事務局の方から案を提出いただきたいと思います。それを踏まえて皆さんから御意見を賜りたいと思います。それではよろしくお願いいたします。
【水田高校教育改革PTリーダー】  失礼します。資料の2-1から2-2にかけて順番に御説明させていただければと思います。前回御欠席の先生もいらっしゃいますので、簡単に前回までのポイントを申し上げたいと思います。
 高校から大学に飛び入学するという現行制度の下では、2年修了で大学に入学するということでございますが、特例的に当該大学のみに入学するということでございますので、高校に関しては中退の扱いになってしまうということでございます。その際、進路変更の際等に非常に不都合が生ずるという問題意識でございます。しかしながら、前々回、千葉大などからのヒアリングをしていただきまして、またそういった後の御質問を踏まえてシミュレーションしたところ、なかなか高校2年間で卒業、修了の要件である74単位を取ってもらうというのは現実的には難しいであろうということでございました。そこで前回、御議論いただいたわけでございますが、まず高校関係の立場の委員の先生方からは、やはり高校卒業の74単位というのは高校として必要なカリキュラムをその中でやってもらうという前提の中でできているものであると。さらに74単位を超えてその生徒の実情に応じて各高校が、修了認定権、卒業認定権を持っている校長が必要な単位を定めて卒業させていく。そういう状況を考えると、この74という現実というのはなかなか難しい問題があるんじゃないか、そういった御意見を頂いたところでございます。
 その一方で、優秀な子供への特例として飛び入学をしたとしても、どこかで安定させてあげるような制度がやはり必要ではないかということ。優れた資質などの生徒の個性を伸ばすことは重要であるということ。それから、大学に入った後の学習を、高校の学びの補完が完了した後に、何らかの認定を行うようなことができないか、そういった必要性についての御意見が相次いだところでございます。
 そういった中で、高校側として卒業を認定するということができないのであれば、高校卒業相当ということを認定していくことを考えてはどうかということでございました。大学入学後の教育といったことも読み替えたりするなど、どこか機関として認定していく仕組みが作れないかということがございましたので、事務局としてその宿題を受けていたところでございます。
 で、資料2-1がその中身でございます。最初の上から二つ目の四角にございますように、提案したい中身といたしましては、飛び入学者について、飛び入学した大学での一定の単位の修得状況を基に、高等学校において3年の課程を修了した者と同等以上の学力を有することを文部科学大臣が認定するということとしたらどうかというものでございます。イメージとして、下に図を付けてございます。左側が高校2年生修了時で大学に飛び入学をした子の状況でございます。下のベースになっています所が高校での修得単位でございまして、その上に、横に点線がありますのは、高校卒業程度の学力とありますが、これは学力というよりは、単位の修得数と読み替えていただいてもよろしいかと思っております。したがいまして、高校2年生で飛び入学ということですので、必要な単位数としては、まだそこまでとっていないということでございますが、この横軸は各分野というふうに一応想定しておりますけれども、一定の分野に関しては大学が特に優れたものだということを認めて入学を認めているということでございます。それについて、右側のような形で、大学入学後には、この楕円(だえん)ですとか左上の所に斜線がございますけれども、様々な教養教育などを含めて単位を修得するという状況でございますので、この右側のような状況について確認をした上で、文部科学大臣が高校卒業相当あるいは高校卒業程度という認定をすることとしてはどうかというものでございます。
 具体的には、審査の流れというのを真ん中から下に書いてございます。大学入学後に飛び入学者本人が文部科学大臣に申請していただくということでございます。文部科学省に審査委員会を設けまして、以下のような基準で審査をしたいというものでございます。審査基準としましては、高校2年間で修得できる単位の目安として、2年生修了ということであれば50単位を修得していること。それからプラスしまして大学で16単位以上を修得していること。これは、74から50を引いた24単位が高校としてはまだ残っているわけでございますが、単位の計算方法など高校と大学と異なってまいりますので、それを大学での学習時間、単位として計算した場合には16単位分になるというものでございます。さらに取得した単位の分野が著しく偏っていないこと、そういったことについて審査をした上で認めていくということとしたらどうかというものでございまして、その流れを書いたものが下の図でございます。こういったことによりまして、特例として大学入学が認められております飛び入学した者についても、通常の高校卒業と同等の法的地位ですとか社会的評価が得られるのではないかということで、例えば高等学校卒業程度特別認定者とか、そういった称号を与えてはどうかというものでございます。
 引き続きまして、大変恐縮でございますが、資料2-2を御覧いただければと思います。こちらは検討資料でございますが、ただいま提案させていただきましたような制度、方向性という前提でこの意見、要点の整理というのを書かせていただいておりますので、これについて御意見を頂ければと思いますけれども、まず1枚目でございますが、検討の経緯については、もう申し上げたとおりでございます。1ページ目の下の所には制度の必要性についてということで、前回御報告しました、今年の9月に文科省が行いましたアンケート調査では、飛び入学経験者の4割、高校生等の8割が、やはり飛び入学者に高校卒業を認める必要性というのをどちらかといえば必要、あるいは必要との回答がございました。理由としては、高校中退では進路変更が困難だということでございます。
 1枚おめくりいただきまして2ページ目を御覧いただければと思います。この丸につきましては、同アンケートですとかヒアリングを通じて様々御意見を頂きました、そこについてのポイントでございます。若干重複しますけれども、最初のぽつでは、やはり進路変更の可能性に対する配慮が必要ではないか。大学在学中に病気、事件、事故等々、様々なことに遭遇した場合に、やむを得ず大学を卒業できないといったときに、高校中退という扱い、高校卒業の扱いとなっていないということについてでございます。さらに、不安があって飛び入学制度での大学進学に踏み切れない者が存在しているということで、三つ目のぽつで、何らかの保証が必要ではないかということです。さらに四つ目にいきますと、前回の議論にもありましたように、飛び入学以外の理由により中途退学する生徒もいる中で、飛び入学者に高等学校の校長が卒業認定するというのはなかなか難しい、そういった意見も頂いているところでございます。
 その次の丸については、ただ必要性ということで、今後のグローバル化社会の中で、新たなイノベーションを創出し、国際的に活躍できる人材の育成が極めて重要であるということから、その下の部分で総合的な方向性でございますが、特に優れた資質を有する者が安心して大学に進学し、その資質を十分に伸ばすようにしなければならない。そのためにということで、飛び入学者が大学入学後に進路変更する際に、通常の高等学校卒業又はそれと同等の法的地位や社会的評価が得られるための妥当な仕組みを構築することが必要ということで、2ページ目の一番下の所から、ただいま申し上げました大臣による認定制度の創設についてということで記してございます。今御説明したことを活字にしてあるものでございます。3ページ目までにかけまして記してございます。
 最後から2番目の丸でございますが、前回の議論も踏まえまして、高校の校長の判断での卒業認定というのは、なかなか現在の教育では、3年の修業年限と74単位以上の教育課程を通じて、高等学校教育の目的である心身の発達等に応じた教育を施し、それによって豊かな人間性や創造性、健やかな体を養って、国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと等、そういった目標を達成するように定めている。そういったことを考えると、こういった飛び入学者に対する一定の保証する手法としては、高校の方が卒業を認めることはむしろ適当ではなくて、大臣認定といった形で高校卒業相当程度という手法の方が適当ではないかという結論にしているところでございます。
 最後の4ページにつきましては、前回の会議の中でも説明させていただきましたが、アンケート結果を添付しているところでございます。
 以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。前回もどういう具体的な仕組みが適切かということで委員の方からいろいろ意見が出ていたのですけれども、基本的には、今御説明いただいた資料2-1のこの中身というのは、今、大学から飛び入学で大学院に進学した大学院生が、学士号を持っていないというふうな、そういう状況のときに、その大学院生が大学院で単位を取得して、それを学位授与機構に申請して承認されれば、改めて学士が取得できるという、現行制度でも今そういうふうな仕組みが先例としてあるわけですけれども、まさにその仕組みを高校と大学の関係に適合して制度化してはどうかという、そういうふうな趣旨の内容ですので、そのことを踏まえつつ、皆さんから御意見を頂ければと思います。
 では、荒瀬委員、そして吉田委員、長尾委員の順でお願いします。
【荒瀬委員】  ありがとうございます。基本的に、こういう制度になるということについては私は、前回も申し上げましたけれども、異議はございませんので。ただ、何か書き方に少し誤解を招くようなことがあるのではないかなと。例えば、資料2-1でいきますと、この図は大変分かりづらい図になっていないでしょうか。大学に行ったら高等学校の単位をとったかのような図になっていて、足りない部分が大学で偏らないでとっていたら、高等学校もとれるんですよというのでは、本来これまでの議論ではなかったのではないでしょうか。とってはいないんだけれども認めるということのはずですよね。だから、これは何かとっていなかったものがとったみたいな感じになって、ちょっと私は違和感を抱きますのと、同じようなことが資料2-2の3ページの、先ほど御説明のあった二つ目の丸ですが、ここの所で、校長の判断で飛び入学者に修了認定ができるようにすることも考えられると書いていただいたことが、かえって、前回だったと思うんですが、髙橋先生、全国高等学校長協会長も、現行制度では、校長は卒業認定はできるけれども国の制度の中でできないんだということをおっしゃっていたわけで、これだと、そういうことも考えられるんだけれども、先ほどの御説明でも、校長はそれはなかなかしにくいだろうから、だからこういう形に変えるというのではなくて、変えていただくなら、私はもう辞めていますのであれですが、例えば卒業単位を60単位にすると変えていただくなら、別にそれは、むしろ高等学校教育が60単位で2年間で卒業できるんだけれども3年までいる充実した高校生活を用意するというのは、高等学校にとっては非常に大きな改革のスタートラインを引いていただいたというふうな感じさえ持つわけでありまして、どうもちょっと何かニュアンスの問題で私はややこれまでの議論との違和感を抱きます。
 それから、すみません、戻ってしまって、資料2-1の最後の認定の効果ということですが、通常の高校卒業と同等の法的地位、社会的評価が得られるということで、括弧書きの中のこの称号なのですが、高等学校卒業程度特別認定者というのは、ならば高等学校卒業程度認定試験を受ければよいということにもなるわけですので、これは高等学校卒業特別認定者とか何か、ちょっと名前を変えていただかないと、ここのところも後押しをすることにはならないと思います。
 それと、すみません、行ったり来たりで、資料2-2の2ページの方の一つ目の丸もそうですし二つ目もそうなんですけれども、「高等学校卒業の扱いとならない不安から」とか、「優れた資質を有する者が安心して大学に進学し」とか、こういったことが飛び入学を考える人たちに対してやや失礼な表現ではないかなと。しないのは不安だからだろうとか、安心できないからだろうではなくて、高等学校を卒業したと認定してよい資質、能力を持っているのであるから認定するんだという、むしろ積極的に後押しするような表現にしていただかないと、さっきの話とも関わりますけれども、ちゃんとお膳立てを全部整えたからはいどうぞというのではないと思うのです。すみません、まとまらないことで。
【小川分科会長】  はい、ありがとうございました。今、4点ぐらい、私も聞いていて、まさにそのとおりだなというふうに感じました。
 吉田委員、そして長尾委員という順でお願いします。
【吉田委員】  ありがとうございます。今回の取りまとめは非常に分かりやすくなったのは事実だと思うのですけれども、私がどうしても引っ掛かるのは、資料2-2の3ページの、先ほど荒瀬委員も指摘した所の二つ目の丸の下の方で「現在の高等学校における教育は、3年の修業年限と74単位以上の教育課程を通じて、高等学校教育の目的である心身の発達等に応じた教育を施すとともに、豊かな人間性や創造性、健やかな身体を養い、国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと等の高等学校における教育の目標を達成するよう行われている」と。これはやはり未成年者として、まだ高校生というのはしっかりとした判断力が形成されていない、そういう意味で我々は単なる授業だけじゃなくて、授業以外の部分において社会性を身に付けさせるというか、しっかりとした物事のよしあしを含めて、そういうことをするということが、やはり高校生という大切な中等教育の私は要件になっていると思うんです。で、この飛び級制度というのは、あくまでも学力優先。ですから、2-1の資料でも3年の課程を修了した者と同等以上の学力を有することを文部科学大臣が認定するという形になるわけですね。で、先ほどの大学の学位授与機構で、例えば大学の場合は、飛び入学して大学院を出るということによって認められる。ここに私はまさに学力のみで済まされる部分が大きいと思っています。ただ、高等学校の場合はそこが違う部分がある、中等教育としての意義があるということを考えたときに、ただ私は、飛び入学して大学を卒業する資格を得られたんだとしたら、学位授与機構と同じように、もう必然的に高等学校卒業資格を与えていいんじゃないかと。ただ、途中で辞めた人に対してこの問題が出てくるんじゃないかと。そうなったときに、この審査委員会を作るということは非常にいいと思うんですけれども、ここで私が一つ分からないのは、単なる学力だけの審査というのが若干納得できない。で、特に文部科学大臣が審査委員会に意見聴取して認定可否に関する意見をもらうと、一体本人の審査はどうなのかと。極端な言い方をしたら、本人が少なくともこの単位証明だけじゃなくて、自分が飛び入学してどういうふうになったかと、少なくとも小論文じゃないですけどそういうものを付けるとか、本来は面接なりがあるべきじゃないかなと思いますけれども、そのぐらいやはり高等学校というものが単なる学力だけではないという部分をしっかりと言っていただきたいなという思いがございます。
 以上です。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 続けて長尾委員、お願いします。
【長尾委員】  皆さんがおっしゃったことと重なるかもしれませんけれども、この間の議論を踏まえてこれだけのことまでもってこられたことは大変うれしいことだと思います。
 それで、一つ気になるのは、今も御指摘がありましたけれども、2-2の3ページの所、高等学校を卒業した者と同等以上の学力というのは、例えば大学の立場から言いますと、もう既にブランクがある子たちに対しては、大学側で高校卒業程度の学力があると認め、受験をさせることが既にできるようになっています。だから、この文言の「何を認定するのか」というところをもう少し明確にしないといけないかなと思います。資料2-1の図の所に書いてありますよね、審査委員の意見を踏まえ、文部科学大臣が何を認定するかというところが重要だと思います。ですから、「同等」というのではなく、先ほど吉田委員がおっしゃったように、人間性も含めた何かきちっとしたものと資格を保証してもらいたいなと思います。
 それからもう一つは、大学で16単位以上修得というのは、荒瀬先生が今おっしゃったのですが、やはりこれも何でもいいのではちょっと困るのではないかなと思っています。例えば、大学で言いますと、教養教育科目なのか、基礎科目なのか。学校によってもいろいろ違いますけれども、例えばTOEFLなどの英語の得点証明を持って来た学生には語学科目の免除をいたします。その免除も含めた修得単位であるのか、そして荒瀬委員がおっしゃった、何を目的にその科目をとらすのかというところも重要です。ただ数合わせじゃなく、そこのところ、解説が要るのかなというふうに思いました。
【小川分科会長】  最後に天笠委員、どうぞ。
【天笠委員】  御説明いただいたこの御提案に直接応答することができる発言かどうか、ちょっと自信ないんですけれども、少し申し上げさせていただきますと、この提案されていることがどういう文脈、どういう中でのこれなのかどうなのかというふうに捉えたときに、私はやはり、先ほどまでの小中一貫と、それから現在ここで検討しているこれというのは、広い意味で言うとつながっているというか、関連したテーマだというふうな受け止め方をしているんですけれども、それはやはり学校制度全体の柔軟な、あるいは弾力的な運用とか対応という、そういうことについてどういうふうに見いだしていくのかと。その一つとして、今これについての応答が問われているというふうな、そんな捉え方を私はしているわけでありまして、そういう観点からすると、これはもう一つの提案として認めていくというのでしょうか、そういう方法があり得るのかなと思うのですけれども、ただ、その場合には、先ほど来御指摘のように、もう少し言葉を詰めていくとか、運用上の在り方についてはもうちょっと知恵を絞る必要というのは既に御指摘のとおりで、私もそういうふうに思いますので、それで、基本的にはこの方向でということで、その上でもう少し運用上等々を丁寧に詰めていく必要があるのかなというふうに、そんなふうに思ったのがまず1点です。
 そういうふうに考えたときに、今回、こういうテーマというのは、学校制度の改革、あるいは学校制度を動かしていこうという、そういうインパクトとしてこの持つ意味というのは私はすごくあるのかという意味で、そういう位置付けをまずしていることが一つと、それから、先ほどの小中一貫教育学校のそれというのも、ある程度そういう課題性というのでしょうか、提案というのがその中に組み込まれているという、そういうこと等の分野で考えたときに、このテーマというのはもう一つ、やはり高等学校って何なんだろうというか、高等学校というのはどういう存在なのかどうなのかということをある意味で改めて問い掛けられているんだと思いますし、先ほどの小中一貫教育ももう既に入りつつあると思うのですけれども、やはり高等学校の存在というのを抜きにして考えられない。恐らく議論は高等学校に及んでいく可能性もかなりあるのではないか。というふうな、そういうことからしますと、やはり高等学校の制度上の位置付け等々というのも議論していかざるを得ないようなところがということで、そういう点では先ほどどなたかがおっしゃった、事柄が始まっていくんだという、そういう認識の中で事柄を捉えていくというのもまた大切なことなのかなというふうに思いました。
 そういう点では、制度改革を議論していくとか検討していくための基本的なデータをどんな形でこれから得ていくのかどうなのか。とすると、これまで例えば研究開発学校制度というのが、ある意味で言うとそういう趣旨理念だったんですけれども、私の認識からすると、どちらかというと教育課程の基準の改訂に得るためのデータのそれとして研究開発学校が機能しているんですけれども、改めて今日ここで捉えていくような、こういう学校制度の改革のありようについても、そのあたりとかみ合っていくような研究開発学校の制度をもう一度見直して、それを機能化させていくということも必要なのかなというふうに思いました。最後の所はちょっとこの御提案からすると、やや趣旨からずれた発言かもしれませんが、以上、よろしくお願いします。
【小川分科会長】  ありがとうございました。基本的にはこの制度の見直しの方向でというふうな御趣旨だと思うんですけれども、ただ、その際に、もう少し運用上で幾つかきちっと詰めておくべき課題があるのではないかというふうなことで、事務局に対するそういう更なる詰めを求める意見が多かったと思います。
 今、この場で何か事務局の方から委員の発言について御発言があれば、よろしくお願いします。
【水田高校教育改革PTリーダー】  まず、先ほど長尾委員から、16単位が何でもいいわけじゃないんだという話がございました。まさにおっしゃるとおりでございまして、資料2の2ページ目の一番下の段落から少し御紹介させていただいているのですけれども、現在の制度の中で通信制大学におきまして科目等履修生等として人文、社会、自然科学の3分野にわたって16単位以上の授業科目を履修した者については、当該大学の入学資格がある、そういった運用が可能になっているところでございます。この際にも、16については、確かに2-1の中では著しく偏っていないことという書き方をしておりますけれども、この中の運用としては、先ほど申し上げた3分野にわたって少なくとも各分野の履修というのを確認しているという状況がございますので、ここでイメージしておりますのも人文、社会、自然科学の各教養分野についていずれも履修しているという運用としたいというふうに考えているところでございます。
 また、今後御議論いただければと思いますが、程度という表現でございます。これは今の方向性でいきますと、事実上具体的なまとまった高校の卒業というものではないけれども、高校卒業とか同等の認定をするという概念からいたしますと、まあ程度という表現がどうかということはあるかもしれませんけれども、高校卒業そのものとは違うけれども、その能力、学力について評価をしたという名称が必要だというふうに考えているところでございます。これにつきましては、また表現ですとか運用について御議論いただければと思います。
【小川分科会長】  今日頂いた意見についてはちょっともう少し私も含めて事務局と御相談して反映させて、そうした加筆修正した上で、この高校早期卒業制度についても、先ほどの小中一貫学校の制度化に関わる内容と一緒に今後パブリックコメントを行って広く意見をお聞きしながら、先ほどお話ししたように、この後、11月20日に予定されている中教審にこれをお示しして、中教審の総会でも広く御意見を伺う、そういう段取りをさせていただければと思います。その上で、また12月の初中分科会に再度、できれば最終案として出したいと思いますけれども、そういうふうな手続で今後進めさせていただきたいと思います。
 はい、どうぞ。
【長尾委員】  今の御説明で、資料2-2の2ページの所で、「大学での16単位の範囲を通信制大学において科目履修生として人文、社会、自然科学の3分野にわたる16単位授業を履修した者は同等に合わす」とおっしゃったのですけれども、これ自体がもう今の大学制度では古いでしょう。いわゆる昔の2年間は一般教養といって、人文、社会、科学の三分野がありました。ですからここでは、いわゆる「教養教育」を16単位という意味だろうと思いますが、専門性が早くから特化されていく大学が今たくさんあります。そのときに、ちょっと大学の科目設定とかを調査する必要があるかと思います。これ、文言をこのまま置いておいたら、反対意見が大学部会等から出るような気がしてなりません。
【小川分科会長】  はい、分かりました。じゃあよろしいですね、少し御検討いただくということで。
【水田高校教育改革PTリーダー】  そうですね、分野ということでございますので、仮に専門分野であっても、当該の三つに分けた分野であれば、運用上は教養・専門ということではなくて……。
【小川分科会長】  どういうカテゴリーでそれを整理するかは少し詰めさせていただくということにしますので。
 今日の御意見を頂いたものを反映したような案を総会で提案して総会での御意見を伺うということ、その総会に提案する案等々については、また分科会長の方に一任していただければと思います。よろしいでしょうか。では、それで終わりたいと思います。
 最後に、残り10分程度しかありませんけれども、第3の議題に移らせていただきたいと思います。高校専攻科編入学に関する件です。これは、最初にお話ししたように大学分科会で今、議論しているような内容ですので、最初にその大学分科会での審議状況について説明を頂いた後に、皆さんから御意見を伺いたいと思います。それではよろしくお願いします。
【水田高校教育改革PTリーダー】  それでは失礼いたします。資料の3を御覧いただければと思います。この中に審議状況は入ってございませんけれども、この資料で御説明をさせていただければと思います。
 検討の経緯につきましては、御覧のとおりでございます。教育再生実行会議の第五次提言でも、冒頭で、学習者が目的意識に応じて自らの学びを柔軟に発展させるとともに、様々な分野に挑戦していくことができるよう、高等教育機関の間での進路変更の柔軟化を図ることが必要との提言を頂いている中で、高等学校の専攻科からの大学への編入ということも課題としては提言の中では頂いているところでございます。
 1ページ目の下でございます、現状でございますが、高等学校の専攻科につきましては、主に職業に関する資格を取得する場ですとか、高校卒業者に更に深い教育の機会を提供する場として活用されているところでございますけれども、御承知のとおり、現行制度ではこの専攻科での学習を大学で単位認定する仕組みがございません。また、この専攻科修了者が大学に編入学することも認められていないという状況でございます。このため、志と能力がある者にとって時間的・経済的な負担となっているということがございます。例として、看護の分野で専攻科を修了した後に看護系の大学に進学して保健師、助産師の資格取得を目指す者がいる、そういったこともございまして、各分野において大学での単位認定や編入学のニーズが存在しているというところでございます。
 次の丸はこれまでの提言で、キャリア答申ですとか、本分科会の高等学校教育部会の審議まとめの中でも提言されているところでございます。
 その次の丸が大学分科会大学教育部会の審議の中で出た御意見でございます。今のこの2ページ目の上から二つ目の丸が積極的な御意見でございます。一番上の、一つ目のぽつにありますように、この問題については、受け入れる大学がどういう教育を受けてきた学生かを判断すればいいのであって、一律に編入学を認めないという扱いにすることはないのではないかということ。個人の学びが袋小路に陥ってしまうような制度というのはよくないということで、これは改めていった方がいいんじゃないかということでございます。
 その後、二つ目のぽつのように、経済状況から進学を望んでいても諦める生徒がいるとか、三つ目のぽつでは、一つの例ですけれども、実際に現在でも入学が認められている専門学校と比べても、生徒数、教員数、教員の体制などでかえって手厚いような、そういった例も見られる、そういった御意見もございました。
 一方で、その下側でございますけれども、高校専攻科は多岐にわたるものでございますので、既に編入学が認められています専門学校と同程度に組織的・体系的な教育がなされている専攻科に限定して編入学を認めることが必要ではないかと。あるいは教員について一定の資格を持った人が必要であるとか、あるいは高等教育としての質を評価できる仕組みが必要、そういった慎重な御意見も出ているところでございます。
 その2ページ目の下の丸からでございますが、必要性も幾つかまとめさせていただいております。今後の職業人としての専門的な能力を習得することが求められている中で、学習者の目的意識に応じて、やはり自らの学びを柔軟に発展させることが必要である。様々な分野に挑戦していくことができるような進路の変更の柔軟性を確保していくことが必要ではないかということでありますとか、学生の選択の幅を広げて流動性を高める観点からも有意義ではないかという方向でございます。
 次の丸については、実際に大学教育部会の中で、看護分野と農業分野について非常に高度かつ体系的な教育がなされている例がございますので、そういった例を挙げているところでございます。
 その上で、その次の丸から先でございますが、方向性については、以上のことにつきましてある程度合意を頂いているところでございます。こういった状況を踏まえて、一定の教育水準を満たす高等学校専攻科については、高等教育機関に相当する質保証の仕組みを確保した上で、当該高等学校専攻科における学修を大学における単位認定ができる学修の対象とするとともに、その修了生については大学への編入学を可能とすることにより、高等学校専攻科修了後の進路変更の柔軟化に対応できるようにする必要があるということでございます。
 その前提として、その次の丸にございますように、修業年限や授業時間数、教育内容、教員資格に関して新たな基準を設けることや、客観的な評価の仕組みを構築する、こういったことによって質の担保を図る必要があるのではないか。そのための所要の措置を講じることとするということでございます。現在ここまでこういった全体的な方向性について御了解いただいた上で、更にもう少し具体化について御意見を頂いているところでございます。
 以上でございます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。今の資料の説明内容について、何か皆さんの方から御質問等々があればお受けします。いかがでしょうか。
 加治佐委員、どうぞ。
【加治佐委員】  確かに、多様な生徒が大学に入るとか、あるいはどういう経路で学んできたものでもマイナスにならないというか、あるいはやり直しが利くというか、そういう制度作りは必要だと思います。だから、制度の柔軟化には基本的に賛成であります。
 ただ、やはり高等教育というのは何なのかというのがここにも書かれているわけですけれども、そこのところが忘れられるとちょっと困るかなと。我々は大学として厳密な審査を受けて設置認可されて、今も認証評価等々、あるいは国立大学であれば法人評価を受けているわけですね。だから、そういうところと、ある意味高校の延長である専攻科、いろいろタイプがあり、質もいろいろだとは思いますけれども、そこがリンクするということは、やはりちょっと違和感はありますね。ただ、先ほど最初に言いましたように、柔軟化するなりチャンスを与えるということは必要ですので、確かに高校3年行って、更に専攻科2年行って、それから大学というのは大変だというのはこれも分かります。そういう意味では分かるんですけれども、ただ、専攻科の1年ないし2年が高等教育の質に値するかどうかを慎重に判断する仕組みというのはもう絶対必要だと思います。これは分野によっても違いますし。で、やはり今でもそうなんですけれども、専門学校の単位を認めるときには大学が判断するわけですけれども、大学に主体性を持たせるといいますか、あるいはその大学がそういう生徒を認めるということに対する一定の評価機関による評価とか、そういうことはやっていただきたいと思いますね。ちょっとそういう意見です。
【小川分科会長】  これは大学分科会の方で議論していると思うんですが、そういう仕組み作り等々については、何か大学分科会の方でどういうふうな詰めをされていますか。
【長尾委員】  大学分科会におります。おっしゃるとおりの議論がもう激しく交わされました。そして、加治佐先生のおっしゃるように、システムを柔軟にすることに対しては反対ではないことも。ただ、いろいろな大学の学長も含めて、大学の質の保証というものが崩れるのではないかということが議論の発端でしたけれども、結局、先週の議論の中では、希望者全員の編入を受け入れるわけではないこと。だから、大学が編入入試を主体的に責任を持って実施すれば、これは解決がつく問題ではないかということで収まっております。
【加治佐委員】  だから結局、この少子化で高校生が減少する中で、あえて言うと大学が信用できない面もありますので、だから結局そういう編入学を認める、あるいは単位互換を認める大学の行為そのものというか、それに対する評価というのをやはり入れるべきだろうということです。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
【長尾委員】  大学は認証評価機構からの認証を受けますので、その時点で学生の質や程度、教育内容といったものは評価をされておりますので、先生がおっしゃった評価はこの範疇にあると思います。
【小原委員】  一つ気になるのは、実際、各大学は単位の実質化というのをやっています。45時間をもって1単位です。それと専門学校の1単位というのは違いがあるのではないかと思います。例に35時間をもって1単位のものを大学の1単位として認定した場合に、大学1年次から入った学生との不公平感は否めません。だから、やはり大学は大学の単位、それから高等学校は高等学校の単位というのはきちっと区別した上で認定させるべきでしょう。また、優秀な成績、あるいはぎりぎりの成績、これも一緒くたに認定するということ自体も、学力担保の観点からしても問題が生じます。安易に入れてもいいですよという意味では、私立大学で学生募集に苦労しているところはいいと思うんですけれども、その一方で質の保証ということになってくるといろいろな問題が出てきてます。やはり大学の単位の在り方と高等学校の単位の違い、これをきちっとした上で編入を認めるという権限を大学に与えるべきです。
【小川分科会長】  これも大学分科会の委員である長尾委員の方から何か。
【長尾委員】  これはおっしゃるとおりです。単位基準がそれぞれ違うということは明らかなことですけれども、この編入制度に関しては、大学が主体となって編入を決める、認めるか認めないかを決めるわけでして、自動的に3年次編入するということは決まっておりません。だから、3年次であるのか、2年次になるのか、持ってきた単位を確認し、そして入試の段階で、大学が認定単位を計算するということですので、大学の質の保障は受け入れる大学の主体性にかかわってくるということになります。
【小川分科会長】  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。なければ、もう時間が来てしまっていますので、この辺でこの審議は打ち切らせていただきたいと思います。
 この高校専攻科編入学の件は、総会に提案する主体は大学分科会かと思いますけれども、今日頂いた意見等々については、反映できるものは反映していただいて総会の方に出していただければと思います。これも恐らくパブコメに掛けて、それと並行しながら11月20日の総会に、小中一貫と高校早期卒業制度と今の高校専攻科からの大学編入学、これが一つの答申としてまとめられて総会の方に提出されると思いますので、その辺よろしくお願いいたします。
 それでは、今日の議題はこれで終了しましたので、終わらせていただきたいと思いますけれども、次回以降の予定についてお願いします。
【小林教育制度改革室長】  次回の分科会の日程につきましては、分科会長と御相談の上、改めて御連絡させていただきます。
【小川分科会長】  ありがとうございました。
 これで議事は全て終了しましたので、終わりたいと思います。ありがとうございました。

                                                                  ―― 了 ――

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