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初等中等教育分科会(第88回)・教育課程部会(第86回)合同会議 議事録

1.日時

平成26年1月23日(木曜日) 10時~12時

2.場所

旧文部省庁舎6階 第二講堂

3.議題

  1. 幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定について
  2. 平成26年度予算案について
  3. 平成25年度全国学力・学習状況調査本体調査のクロス集計結果について
  4. その他

4.議事録

【無藤分科会長代理・部会長】  定刻になりましたので、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会(第88回)・教育課程部会(第86回)合同会議を開会いたします。
 本日の議題に入ります前に、教育課程部会の柳原なほ子委員が、御都合により委員を御退任されましたので、御報告いたします。
 それでは、配付資料につきまして、事務局より御説明をお願いします。

【小林教育制度改革室長】  それでは、お手元の一番上の議事次第に配付資料のリストがございます。資料1-1、こちらは幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定についてという資料でございます。資料1-2が同じく要領の策定について(報告)というものでございます。資料1-3、こちらは認定こども園教育専門部会の審議の経過について。以上、幼保連携型認定こども園関係の資料でございます。
 資料2は予算関係でございますが、資料2-1が平成26年度文部科学関係予算(案)のポイントでございます。資料2-2が予算(案)主要事項【事項別表】でございます。資料2-3、同じく予算(案)の説明資料でございます。
 それから、資料3の関係は全国学力・学習状況調査のクロス集計結果の関連でございます。資料3-1がクロス集計結果。それから、資料3-2が平成25年度全国学力・学習状況調査「経年変化分析調査」の実施報告というものでございます。
 また、参考資料といたしまして、学校教育法施行規則の一部を改正する省令等の施行についての通知。参考資料2、教科書採択の改善について。それから、参考資料3と4が初中分科会の委員名簿、それから教育課程部会の委員名簿でございます。過不足等ございましたら、事務局の方までお申し付けいただければと思います。お願いいたします。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございました。それでは本日の議事に入りたいと存じます。
 最初の議題ですけれども、幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定についてということで、蝦名幼児教育課長より御説明をお願いいたします。

【蝦名幼児教育課長】  それでは、資料1-1から1-3まで3種類の資料を御用意させていただいてございますが、御説明をさせていただきます。
 幼保連携型認定こども園でございますが、認定こども園の制度は平成18年からスタートしてございます。その中で幼保連携型認定こども園は、幼稚園、保育所、それぞれの認可施設二つが組み合わさって連携した活動を行うことによって、1か所で幼児教育と保育の両方を行える仕組みということで18年からスタートして、保護者からもかなり高い評価を頂いておりますが、これをより作りやすくしていくというためには、幼稚園と保育所の二つの認可を前提とした仕組みから新しい幼保連携型認定こども園という単一の施設として、この仕組みというものを再構築しようということで、子育て全般に関する様々な今の制度改革の流れの中で、平成24年8月に認定こども園法の一部改正法が国会でお認めいただきまして、この新しい幼保連携型認定こども園の教育と保育の内容に関する事項についての議論が昨年の6月から始まっているところでございます。
 資料1-3では、この新しい幼保連携型認定こども園の教育・保育の内容の基準に関する検討の経過をお示ししてございます。昨年6月に初等中等教育分科会で中央教育審議会の初等中等教育分科会の教育課程部会の下に認定こども園教育専門部会を設けるということをお認めいただきました。一方、これは保育の内容にも関連しますので、厚生労働省の社会保障審議会の児童部会の下に、同様に認定こども園の保育専門委員会というものが設けられまして、認定こども園教育専門部会と認定こども園保育専門委員会の合同会議をこれまで5回開催してまいりました。去る1月16日に5回目の会議が行われまして、この内容について取りまとめをいただいたということでございます。この間、第3回目に当たりますが、昨年9月の会議では、認定こども園、幼稚園、保育所に関係する八つの団体からのヒアリングなども行ってまいったところでございます。
 この合同会議におきましては、大きな柱として、現在の幼稚園の教育要領と、それから保育所の保育の内容の基本でございます保育所保育指針、これとの整合性を保つためにはどうしたら良いかといったようなこと。あるいは小学校の教育が直後に控えてございますので、小学校教育との円滑な接続のためにどのような配慮が必要か。さらには、幼稚園とも保育所とも違う、幼児教育と保育を1か所で実施をする新しい機関であるということからしまして、この新しい幼保連携型認定こども園として、特に配慮すべき事項にどのようなものがあるかといったような3点を主な論点といたしまして議論を進めていただいたところでございます。
 その上で、1月16日の第5回の会議におきまして、幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定の方向性について取りまとめをいただきまして、本日、その報告書そのものは資料1-2として配付をさせていただいているところでございます。その内容の概略につきまして、資料1-1に簡潔に整理をしてございますけれども、策定に当たっての基本的な考え方としては、現在の幼稚園教育要領と保育所保育指針との整合性を確保するということ。この点につきましては、教育の内容については、現在の幼稚園教育要領の内容を基本に、今後策定をしていくべしというような方向性が示されたところでございます。具体的には、5領域、健康・人間関係・環境・言葉・表現、5領域を維持し、そのねらい・内容や内容の取扱いといったようなものを新しい要領としてしっかりと書き込んでいくべしということ。
 また、この新しい幼保連携型認定こども園では0歳から5歳の保育も実施いたしますので、ここで行われる保育の内容については、現在の保育所の基準でございます保育所保育指針の内容を基本にしっかりと要領の中に書き込んでいくべしということが方向性として示されたところでございます。
 また、小学校教育との円滑な接続の論点に関しましては、乳幼児期にふさわしい生活を通じて、創造的な思考や主体的な生活態度などの基礎を培うといったようなことが確認され、これをしっかりと新しい要領に書き込んでいくべしということがお示しをされたところでございます。
 また、幼保連携型認定こども園の固有の配慮すべき事項として、入園の時期が早い子供では0歳から入園してまいります。3歳から入園してくる子供もいますけれども、そうした入園時期の違い、あるいは今、幼稚園は大体午後2時ぐらいで降園しますけれども、保育所では夕方まで預かっていると。こういった幼稚園の利用、あるいは保育所の利用を前提とした子供さんというものが1か所に在園するということから、在園時間の違いなどに配慮して、生活の連続性や生活リズムの多様性に配慮した教育と保育を実施すべしといったようなことが大きな方向性としてお示しをされたところでございます。
 報告書本体は資料1-2にございます。1ページおめくりいただきますと目次がございまして、これまでの経緯というところ、それから1として、幼保連携型認定こども園の教育・保育の目的、これらは現在の法律の規定の内容の確認ということになりますが、今ほど申し上げた基本的な考え方は、6ページ以降に大きく三つの論点として整理をされてございます。その上で、9ページ以降に具体の教育と保育の内容を、これから要領として、最終的には告示をすることになるわけでございますが、規定をしていくに当たって、具体的に留意すべきところということで様々御議論がありましたところを9ページ以降に整理をしてございます。
 その中でも特に、幼保連携型認定こども園、0歳から5歳までの保育に欠ける子供さん、欠けない子供さんが共々に学ぶ場、生活する場であるということからしますと、例えば9ページの真ん中ぐらいに「発達や学びの連続性に関すること」といったようなところで、0歳から小学校就学前までの一貫した教育と保育を展開できるようにしていくような要領にしていく必要があるといったような御指摘も頂いたところでございますし、その次の丸に、生活の全体を通して子供の発達の過程を見通すというようなことの重要性についての指摘などもあったところでございます。
 また、その次のページ、10ページ、11ページにわたりまして、具体的な内容についての各委員からの御意見があったところを整理してございますけれども、特に新しい幼保連携型認定こども園は子育て支援というものについて義務的に行っていただくというような、地域の子育て支援の拠点になっていただくというような側面もございますので、11ページの真ん中ぐらいに「子育て支援に関すること」、教育及び保育の提供と保護者に対する子育て支援の機能が総合的に発揮されるように留意をすべしといったようなことや、その次の丸にありますように、地域の子育ての拠点としての役割を果たすように留意をするといったようなことが新しい教育と保育の内容の基準である要領を策定する際に重視すべき事項としてお示しをされたというところでございます。
 なお、資料1-2の「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」とあります。この名称につきましては、保育要領というふうな名称にすべきという意見が多くの委員から出されました。一方で、技術的なお話になりますけれども、新しい認定こども園法では教育というのは学校教育を指し、保育というのは保育所における、保育所で実施されている保育を指すというような法令上の整理がなされておりますので、この名称については、今後そういった法制的な観点も含めて検討するということとして整理をされてございます。
 この報告書につきましては、本日この場で御報告させていただいてございますが、昨日、厚生労働省におきまして、社会保障審議会の児童部会で報告がされたところでございます。また、新しい子ども・子育ての政令については、内閣府に設置されております「子ども・子育て会議」で現在検討されてございますが、直近の子ども・子育て会議においても報告を行った上で、2月上旬を目途として、新しい要領の案を公表いたしましてパブリックコメントを行い、25年度中に内閣府と文部科学省と厚生労働省の共同での告示を行うこととしたいと考えてございます。この新しい制度は平成27年度から早ければスタートするということでございますので、1年の間をとって告示を行った上で、解説の作成、あるいは夏頃を目途に説明会を実施し、その内容の周知徹底に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございました。
 それでは、私の方からちょっと、私というんですかね、私は認定こども園教育専門部会座長というのを仰せつかってございますので、その立場から補足の説明を少しさせていただければと思います。
 今、課長の御説明いただいたのと重なりますけれども、そもそもということから簡単に御説明すると、先ほどもありましたが、平成27年度から子ども・子育て新制度が施行される予定になっているわけです。その検討自体は内閣府の子ども・子育て会議で今鋭意進めている最中ですが、その中で幼保連携型認定こども園というものが、これは現状もあるわけなのですけれども、新しい形、言い換えれば、認可が一本化された一つの、幼稚園と保育園を兼ねるのだけれども、一つの施設として成り立つということになってございます。ということですので、幼稚園教育要領、それから保育所保育指針、それぞればらばらでは困りますので、一つのものにして園の運営や保育の基準等の参考に資したいと、こういうことで新たに要領を作るということになりました。
 それは、幼稚園側のところは文部科学省が責任を持っておりますし、保育所の方は厚生労働省が責任を持っているわけですので、それぞれから委員を出して合同という形で会議を設置したと。これはここで御了解を得て進めたわけでございます。予定としては、これも課長の御説明のとおりですが、年度内に告示の予定ということになっていますので、そのひと月前、2月半ば、あるいは初旬にはパブリックコメントに付すということですので、そういうような段取り。逆にさかのぼって、現在1月ですけれども、基本的な考えというのを明確にしたと、こういうわけです。
 その中身は、幼稚園の方は現にありますし、それから新しい制度の下でも幼稚園は幼稚園として維持されます。したがって、幼稚園に関わっては幼稚園教育要領というのが現在ある。それがそのまま使われる。保育所も同様に維持可能ですので、それについては保育所保育指針が維持されます。したがって、幼稚園側、保育所側は改訂を近々に予定しているわけではありませんので、当然ながら、それらと同様のものでなければ困るわけです。
 一方で、幼保連携型認定こども園は両方を兼ねてございますので、それを併せる形にしたと。かつ、また具体的に申し上げれば、お子さんとしても、幼稚園に相当するお子さんが在籍し、かつ、また保育所に相当するお子さんも在籍するわけですから、そして、通常同じクラスの中に両方のお子さんが、特に、実際には午前中は一緒という場合が多いと思うのですが、そういう形になります。したがって、目の前のお子さんが幼稚園の子か、保育所の子かで分けて保育するわけではないと思いますから、一緒の形でもできるという形にしたいということになります。
 ということですので、幾つか基本的な方針があるわけですけれど、一つは幼稚園教育要領、保育所保育指針の方は改訂しないわけですので、そのことを特認しないようにする。また、幼稚園教育要領と保育所保育指針を併せるわけですから、その整合性を確保したいということであります。実を申し上げると、数年前に幼稚園教育要領と保育所保育指針は既に改訂されているわけで、新しいものが現在使われているわけですけれど、数年前の改訂の折に、かなり幼稚園教育要領と保育所保育指針の関係は整備されております。双方とも、大臣告示になっているものですが、それぞれの位置付けがちょっと違うところもあります。
 幼稚園教育要領の方は、御存じのように、幼稚園における教育課程を作成する場合のガイドという意味であります。学習指導要領とほぼ似た性格ですけれども。保育所保育指針の場合には、保育所ですので教育課程とは言わないのですが、保育の計画を作成し、保育課程という言い方になりますが、それを作成する際の参考にするガイドでありますけれど、かなり保育所全体の運営に関わる部分も多く含んでおりまして、幼稚園教育要領よりも盛り込まれた情報の種類と量が多いように作られております。その調整というのをかなり議論したわけで、基本的には幼稚園で必要な部分と保育所で必要な部分、やはり必要なものもありますので、それらを併せるような形ということですので、どちらかというと、今の幼稚園教育要領よりは少し情報量が増えるようなものであろうかと理解しております。
 さらに、先ほど申し上げたように、幼稚園に相当するお子さんと保育所に相当するお子さんが入るという認定こども園としては、認定こども園ならではということが幾つかあるだろうと思います。例えば、先ほど申し上げたように、基本的には午前中、あるいは午後の初めぐらいで幼稚園相当のお子さんは降園するわけですが、保育所相当のお子さんはもっと長くいますので、それを一緒にする場合のいろいろな配慮点があるだろうと思います。
 また、特に3歳段階、これは、幼稚園は3歳児からですけれども、その3歳段階では保育所に相当するお子さんは恐らくその前からその園に在籍しています。それに対して、新たに家庭から3歳になると園に入ってくるということで、つまり、前からいる子と新入園児が混じるような形を通常とります。そういたしますと、保育として、あるいは幼児教育として配慮すべきことが複雑になると思うのですが、そういった点ということがあるのだろうと思います。
 さらに、特に認定こども園固有ではないのですけれども、小学校における教育との円滑な接続について特に盛り込みなさいということ。これは認定こども園の改正の折りに特に附帯決議で強調された部分でありますが、この部分は幼稚園教育要領及び保育所保育指針で多少触れてはいるのですが、それほど書き込まれてはいないところです。その後、中央教育審議会の報告にありますけれども、小学校への接続ということについて努力すべきだということに文科省としても、あるいは中央教育審議会としても報告を出して、それを受けて、特にこの認定こども園では小学校とのつながりについても十分配慮しなさいということになります。
 さらに、先ほどこれも課長の御説明にありましたが、この認定こども園はいわゆる幼稚園相当、保育所相当のお子さんを預かるとともに、地域の子育て支援の拠点になるという意味をもって、働くようになっております。その子育て支援についても、やはり幼稚園教育要領等で多少の書き込みはあるのですけれども、もっとそれをしっかりとした形で整備する必要があるということかと思います。おおむねそういうようなことを受けて、お手元の資料を、策定についてという報告を作りました。その策定については、そういったことを基本としながら、そもそも認定こども園とは何なのかとか、どういう理念を持っているかとか、法的にはどういう根拠に基づいて作られているかとか、いろいろな説明を加えているところであります。
 その上で、この策定については、本日お手元にございます報告というのは、「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」というものをどういうものとして作るかの、いわば方針というものを出したもので、本文そのものではありません。本文そのものは幼稚園教育要領、保育所保育指針を思い浮かべていただいて、あれをつなぎながら修正し、あるいは書き加えたものになります。ということですので、この1月の段階で御報告し、御了解を得た上で、具体的な文、保育要領の文面につきましては座長預かりということになってございますので、文科省側の座長が無藤ですけれど、そして厚生労働省側の座長は東大の秋田教授、この会議の委員でもありますけれども、その2人で事務方と相談しながら作りたいと存じます。
 予定としては、今後2月にパブリックコメントを受けながら、25年度中に告示を行う予定となっています。この告示も内閣府、文部科学省、厚生労働省の共同告示という形をとろうかと思います。ちなみに、来年度に入ってからいろいろしっかり広報、趣旨広報といいますか、趣旨の周知をしなさいということもこの報告にあります。
 つまり、平成27年度からの実施ということは、少なくとも通常のいわゆる伝達講習的なことですけれども、というのはその前の年度の夏休みなどを利用してやらないと困るだろうと思いますので、要するに3月告示だとすれば、7月、8月ぐらいに全国的にいろいろな形でお伝えするということになるのだろうと思います。そういたしますと、保育要領の仮称の文章というのは、幼稚園教育要領を思い浮かべていただくと、極めて簡潔にできておりますので、それをより詳しく解説する資料が必要になる。つまり、解説書の作成ということもあって、8月に完成しているかどうか私は分かりませんけれども、おおむねそれを目指しながら、現場の方で幼保連携型認定こども園(仮称)について学んでいただいて、27年度以降の実施に間に合わせたいということです。そういう意味で非常に、特にそれを受け持つ自治体及び現場からすると、ぎりぎりの日程になっているということで申し訳なく思っておりますけれども、今のようなことで進めていくということであります。ということで、少し座長という立場で補足させていただきました。
 それでは、今の御説明を受け、お手元の資料を基に御意見、あるいは御質問を頂戴いたしたいと存じますので、どなたからでも結構ですが、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 きょうは幼稚園の御専門の委員が御欠席のようなので、ちょっと分からない部分があろうかと思いますが、何か。お願いいたします。

【早川委員】  岐阜市の早川でございます。大変御苦労していただいて、いい案を提出していただいたと思っています。中身のことではないのですけれど、あえて言うならば趣旨の周知のための取組等に関わることかなと思ってお話しします。この幼稚園、保育園については、従来から縦割り行政の悪い例として扱われているわけですよね。しかし、地方教育行政の現場にいると、どうも進まない原因は縦割り行政のせいではないのではないかとこの頃思っています。国が制度改革を図ろうとしても、その都度、現場で実現がうまくいかずに、また国に戻ってくるということが、このことについては何回も繰り返されているように思うわけでございますが、それはなぜかというと、やっぱりそれぞれの園が積み上げてきた実績と、それを根拠としたプライドというのが大変強いということを感じるわけです。
 批判を恐れずに言うならば、幼稚園は、自分たちは教育をやっているのだ。保育園は、もっと広いフィールドで保育をやっているのだという、先ほどの教育と保育の文言のこだわりに象徴的に表れるように、そうしたことを教育委員会にいると感じることがよくあるわけです。そうした中で、近年特に目立っている動きとしては、幼稚園の幼児たちと小学校との連携ということが非常に積極的であるということ。これは大変いいことだというふうに思っておりますが、先生の人事交流はもちろんのこと、これから1月、2月ぐらいになると幼稚園の子が小学校の1年生の学級に行って、1年生の先生がそれを教えて、幼児たちを、小学校はこういうところで勉強するんだよってやるようなことが大変私どもの市でも多うございまして、先生側からすると、あああの子はこういう様子なのだとか、よく分かるというようなことがあります。そうした点では、幼小の連携というのは大変進んできているわけです。
 最初に戻りますが、これをうまく生かせるためには、やっぱり縦割り行政のせいだということで関係者が納得しないということが大事だと思うのです。それを隠れみのにしないというか、こうしたスキームや考え方ができてきたならば、もっと現場レベルで進めていこうという気持ちになっていくということが必要ではないかという、私の実感であり、そうした視点をこれからもっと進めていかなければいけないのではないかということを御指摘させていただこうと思います。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございます。早川委員の御指摘のとおりなのですけれども、これもちょっと解説ですが、新しい制度では、私立幼稚園というのはこれまで基本的には都道府県の監督下にあったわけですけれど、それが基礎自治体といいますか、市町村の下に移るわけです。ですから、逆に言うと、市町村にとっては、幼稚園も保育園も、新たな認定こども園も全てが市町村管轄ということで、全体を見渡せるということで非常に良い点があるわけですけれども、他方で、特に私立幼稚園については、いまだ管轄していないわけですので、幼稚園行政に余り慣れていない自治体もあるのですね。公立幼稚園は教育委員会の下にあって市町村との関係が従来からありますが、全国的に言えば、公立幼稚園がない地域もかなりあります。そういう意味では教育委員会の関与というのも大事なところです。
 その一方で、基礎自治体としては、幼稚園・保育所と併せた形で管轄すると。そうすると、窓口といいますか、扱う部署も一本化するようにというのが国の基本的な方針なのですね。そうすると、市町村としてはどこに置くかというところで、全国多様に、様々なやり方があるように見受けますけれども、時に教育委員会の関与が薄くなる場合もあります。そういたしますと、従来の幼稚園も、あるいは新たな認定こども園も幼稚園教育という面を持っている。幼稚園教育、それから認定こども園も幼稚園教育というのを含めていて、つまり、学校教育なわけですけれども、そういたしますと、教育委員会の見識というものがそこで必要になると思うのですが、ここら辺について懸念がないわけではないという気もしているところでございます。
 何か事務からありますか。

【蝦名幼児教育課長】  新しい制度については、市町村がかなり中心的な役割を担っていただくということで、今ほど無藤先生の方からおっしゃっていただいたような全体的な構図になっています。私ども事務方としては、この新しい仕組みが27年度に早ければ動き出すということではあるわけですが、それとともに、市町村中心の仕組みの中で、教育というものを、重視を是非市町村にしていただけるような何かしらの機会を様々捉えて、取組を強めていただけるようなことを目指していきたいと思っています。
 具体的には、先ほどのお話にもありましたように、保幼小連携ということになってきますと、私立の幼稚園、あるいは私立の保育所、公立の幼稚園、公立の保育所、4類型あったとしても、大概のお子さんは地域の公立の小学校に行くわけですので、公立の小学校を所管する教育委員会には是非中核的な役割を担っていただいて、例えば保幼小連携といったようなことで、地域の小学校に上がる前の子供の教育というものをより重視できるような体制づくりを各市町村で進めていただけるようなことも、この新しい仕組みの制度的な検討なり、仕組みの導入とともに考えていかなければならないというふうに考えているところです。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。
 どうぞ、お願いします。

【長尾委員】  ちょっと確認をさせていただきたいのですけども、私の所属する法人は幼稚園を持っております。そして、認定こども園に移行したいという意思があり、今模索しておりますけれども、今おっしゃっていただいたように、認定と認可も市町村の管轄になっていくわけですかね。

【無藤分科会長代理・部会長】  はい。認可権限は都道府県です。ただ、市町村を介して都道府県がということになります。

【長尾委員】  はい。そして、とても速いスピードでこれが動いていくという。うれしいことなのですけど、平成27年からスタートできるということは、あと1年しかないわけで、これも大学設置等と同じように、建物と全てが出来上がって認可、手続を整えるとなると、今、片一方を持っていて、それが両方の役割を備えたものを作っていこうとするときに、時間的になかなか難しいのではないかと思うのですけど、そこら辺はどういうふうに。

【無藤分科会長代理・部会長】  詳細は内閣府の子ども・子育て会議の資料を御覧いただきたいと思いますけれども、ので非常にアバウトな答えになりますが、27年度から実施というときに、27年4月1日に全部整っている必要は必ずしもなくて、27年度からの5か年計画の中での移行ですね。ですから、28年度とか29年度とか、それは各園及び市町村の判断で進めます。これが一つです。
 27年度に間に合わせるべきは、しかしながら、5年間の中でどうするかということについては、来年度、26年度に各市町村が幼児教育に関わる5年計画を立てるわけです。それは、当然ながら27年度予算に間に合わせなければならないとすれば、通常でいうと、26年度の秋ということになりますので、実質的には夏ぐらいまでにほぼ計画を立てると。逆算いたしますと、例えば私立幼稚園が認定こども園になるとか、保育園が認定こども園になるというのも、実質的な決定は26年度の前半ということに常識的にはなるだろう。各市町村でも既に担当部があり、また市町村における子ども・子育て会議を作って議論を進めていると思いますので、その中で、来年度に入っての夏までの間での方向付けになるということかと思います。
 その際に、もう一つだけ加えると、既存の幼稚園や保育園が認定こども園に転換する場合と、全くさらで新しく作っていく場合では認可の仕組みがちょっと違います。転換の場合には比較的認可の手続を易しくするといいますか、そのようなことになるだろうと思います。

【長尾委員】  ありがとうございます。

【蝦名幼児教育課長】  今のお話に関連しまして、新しい幼保連携型認定こども園、幼稚園と保育所の両方の機能を持ったこの施設については、認可権限は都道府県が基本ですけれども、政令指定都市と中核市の場合は、政令市、中核市に認可権が移譲されているという。それと、今ほどの無藤先生のお話のとおりで、市町村は27年度を始期とする5か年の地域での幼児教育と保育の需要と供給をバランスさせる計画を作っていただくという責務を今回負うことになりましたので、向こう5年間の中で、例えば27年度早々から認定こども園になって、保育の必要な子供を受けとめてというふうなことが27年度からということであれば、なるべく早めに市なり、都道府県と相談していただく、認可権者と相談していただく必要があると思いますし、その場合には計画を作る人も相談していただく必要があると思いますが、それが向こう5年間のどこかで、例えば3年目である29年からスタートしたいということであれば、初めから5か年計画に、この年から、この幼稚園では幼児教育の子供だけじゃなく、保育の必要な子も受け入れられますというふうなことを市側にちゃんと認識して認知してもらう必要がありますので、いずれにしても、今お考えのことについて、これはどの園でも同じですけれども、それぞれの市町村なり、都道府県との間でしっかりと考え方の共有ということをしていただいて、27年度を迎えるということが必要なのだろうと思います。

【無藤分科会長代理・部会長】  よろしいでしょうか。ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。
 どうぞ、お願いします。川嶋委員。

【川嶋委員】  1点だけ、どういうことになるのかということをお聞きしたいのですが、今のお話にあるように、保育所・保育園から幼保連携型認定こども園に転換する場合、あるいは幼稚園から転換する場合、そして新たに設置ということですけれども、保育園・保育所から転換される場合は、既に0歳児から5歳児までを対象として保育経験があるのですが、幼稚園が転換する場合は、0歳児から2歳児までといいますか、3歳児未満までを対象にした保育の体験、経験がないわけです。その際、何か戸惑いとか、問題が起きるのではないかという懸念を少し抱いています。つまり、実際は保育士の資格がある方とか、両方の資格を持っていらっしゃる方を雇用されるのでしょうけれども、いろんな面で幼稚園から転換した場合、これまで全く対象としてこなかった年齢層を対象にするということについて、何かトラブルが起きる、あるいは非常に幼稚園側にも戸惑いがあるのではないか。そういう点で幼稚園は文科省の所管ですので、これについては何か手当てといいますか、お考えがあるのでしょうか。

【蝦名幼児教育課長】  確かに幼稚園は0~2歳の子供に対して教育を行うというふうな役割は本来ないわけですが、1点、実態として、3歳児からの教育を行うのが幼稚園の本来の役割ですけれども、2歳児の受け入れというか、これは学校教育をやっているわけではもちろんないわけですが、実情受け入れて、そこで幼稚園に上がる前段階の準備の教育を、教育といいますか、保育をやっている例がかなり全国の、特に私立の幼稚園ではあるということがあって、幼稚園関係者に聞きますと、0~2歳の0歳は確かに敷居が高いけれども、2歳児であれば、相当程度自分たちもノウハウができてきているという話も聞きます。この新しい幼保連携型認定こども園は二つありますが、一つには、中心となって教育・保育をやっていただく、保育教諭という職名ですが、今、幼稚園教諭の免許状と保育士資格の両方を併有していただくことを原則にしてございます。当初、スタート時点では全員がお持ちでない状態もあるので経過措置はありますが、いずれにしても経過期間が終われば、両方持っていただくことが必須ということになります。
 それと、基本的に3~5歳の子供については、3歳以上の子供については受け入れを義務付けておりますが、0~2歳の子供については受け入れない場合も認めるというようなことでありますので、恐らく先ほどのような実態からすると、2歳の子供だったらまずはいけるので、3~5歳に加えて2歳もいってみようかと。そのうちノウハウが増してくれば、じゃあ1歳にもといったようなことに今後なっていくのかなというふうに思っております。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございました。ということでよろしいでしょうか。ほかにございますか。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。幾つか御意見を頂戴いたしました。ありがとうございます。
 文部科学省におかれましては、この報告を基に、更に必要な施策の検討に当たっていただければと思います。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。平成26年度予算につきまして、財務課より御説明をお願いいたします。

【池田財務課長】  財務課長の池田でございます。資料2-1から2-3の3種類、予算関係の資料を用意させていただいております。資料2-1というのは、文部科学省全体の予算のポイントの資料でございます。2-2と2-3が初中局関係の主要事項の2-2が一覧で、2-3が少し細かめの資料がございますが、お時間の関係もありますので、資料2-1の省全体の資料を使って御説明をさせていただきます。
 2-1の1枚目をごらんいただきますと、文部科学関係予算全体像が載っております。26年度は5兆3,627億円で69億円の増ということでございますが、その69の上に456億円という数字がございます。これは枠の下に注釈がございますが、給与臨時特例法の終了に伴って給与を戻すので、かなり増えていたり、それから、震災の復興特別会計の繰入れであるとか、科学技術関係の行政組織や予算の組換えなどでややイレギュラーの要素がございまして、そのイレギュラーなところを取り除くと、実質上456億円増に当たるという趣旨でございます。
 下半分をごらんいただきますと、文科省全体の予算から文化・スポーツ・科学技術を除いて、初中教育や高等教育を中心とする教育関係の予算が4兆964億円でございます。対前年では302億円見かけ上は増えておりますが、実質的には408億円増ということでございます。以上が全体でございますが、個別の予算、少し説明をさせていただきます。
 1枚めくっていただきまして、2ページでございます。2ページの上半分が義務教育費国庫負担金でございまして、これは教職員定数と給与でございます。これにつきましては、非常に予算折衝、厳しい状況でございまして、教職員定数の方は上の方にございますが、△3,800という数字が、3,800人減という。これは義務標準法に基づいて積算すると、子供の数に応じて学級数が減り、それに応じて教員が減るという自然減と言われるものでありますが、3,800人先生が減るというところから交渉がスタートいたしまして、結果的には703人の加配の増ということでございます。その703人分というのは、その下に1から5まで内訳が書いてありますが、小学校英語やいじめ対応、あるいは特別支援教育などに新たに加配を措置すると。これに対して、やや必要性の薄くなっているところは合理化をして見直すということで、マイナス400人ということで、400人縮減して、そのかわり新たに施策に必要なところに703人を付けたということでございます。
 もう一つ、313人減というのが上の方にございますが、これは4のところで学校統合の支援の加配というのが新たに今年創設しておりまして、市町村が学校統合に踏み切っていただくことによって若干定数が浮く分が313人ということでございます。報道などではこの313と400を足した713マイナスとプラスの703の差し引きでマイナス10という、微減ということで出ておりまして、これは確かに全体で見ればこういう形ではありますけれども、加配だけを見ると、400減らして703付いたという。一方では、概算要求しておりました少人数教育の充実のための改善というのは残念ながら認められませんでしたので、27年度に向けてのこの辺は課題かと思っております。
 それから、もう一つ、その少し下にメリハリある給与体系の推進ということで、これは財政当局からは、今、教員給与というのは人材確保法に基づきまして、一般の行政職よりも優遇するということがうたわれているわけでございますけれども、ここを一般の行政職と同じ水準に下げよということで相当求められておりましたが、ここは何とか打ち返しまして、概算要求どおりで認めていただいております。これは給与の調整額というのを縮減する代わりに部活動指導の手当を増やしていると。4年間で倍増ということを目指しておりますので、その初年度分ということで増やしているということでございます。そのほか、震災関係の加配として、特別に専任措置をしてございます。
 その下、ひし形のところにございますけれども、補習等のための指導員等派遣事業。これは教員以外に社会の多様な人材に学校に来ていただいて、学校教育の充実であるとか、あるいは教員の指導に当たっていただきたいということで、これは5億円増の33億円でございます。主としては、シルバー人材と書いておりますが、退職された先生方、あるいは企業の方々や現役の方も含めて、学校の先生以外の方に学校に来ていただくという予算でございます。
 続きまして、その下の道徳教育でございますが、これは昨年暮れに新「心のノート」、「わたしたちの道徳」を策定いたしましたので、これを使って学校での道徳指導を充実していただくための経費で、6億円増の14億円計上しております。
 次のページに参りまして、3ページの一番上でございますが、特別支援教育の充実ということで、これは障害のある児童生徒の自立と社会参加の加速化に向けて関係の予算を措置しております。早期からの教育相談から、高等部を卒業した生徒が就職するための支援などの予算を充実させております。これは32億円増の131億円ということでございます。
 次がいじめ対策の関係でございますが、これは1億円増の48億円ということで、新しいところでは、中ほどにございますけれども、ネットでのいじめに対応するための学校ネットパトロールのための予算が計上されております。それから、スクールカウンセラー、これはこれまで週1回、中学校には全校配置が終わっておりますけれども、週5日の相談体制を200校導入するということでございます。また、小中で連携して相談体制を築くという、これも新しいところでございまして、これも計上していると。そのほか、スクールソーシャルワーカーの配置拡充などの予算でございます。
 続きまして、キャリア教育・職業教育でございますが、これも1億円増の22億円でございます。これは地域を挙げてキャリア教育を充実させていくための予算であるとか、あるいはスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール、これは分野ごとに先導的なキャリア教育や将来のことを考えた教育をやっていただく高校を選定して、先導的な教育を進めようという予算でございます。
 駆け足で恐縮ですが、もう1ページめくっていただきまして、4ページでございます。4ページの一番上のところですけれども、土曜日の教育活動の推進、これは新規で14億円計上しております。これは子供たちの土曜日の過ごし方をトータルで充実させていこうという経費で、大きく2つに分かれまして、土曜授業推進事業、これは初中局に計上された1億円でございますが、これは学校の管理下で正規の授業として土曜日に授業を行うというものでございます。
 それから、下の地域の豊かな社会資源をという事業、こちらの方がボリュームがかなり多うございまして、13億円ということで、これは生涯学習政策局の予算でございますが、これは学校の授業以外の、多様な人材に来ていただいて、学校の土曜日の活動を充実させようというものでございまして、予算上は下にあるような内訳になってございます。
 続きまして、大きなくくりの2つ目で、未来への飛躍を実現する人材ということで、これはグローバル化対応で初中教育と高等教育関係の予算が盛り込まれておりますが、初中関係は一番下の丸のところです。グローバル人材の育成ということで、15億円増の17億円ということでございます。大きな柱が3本ございまして、このひし形のところでありますけれども、小中高を通じた英語教育を強化していくという事業、これは新規でございます。それから、スーパーグローバルハイスクール、これも予算上は50校程度ということで、これは既に説明会も開いておりますが、相当多くの希望が来ております。これも新規の事業でございます。
 それから、もう一つは高校生の留学促進ということで、長期はこれまでも措置しておりますが、新たに短期留学として2週間から1年未満の留学に対しても支援するということで、これが新しく付いております。
 続きまして、少し飛びまして7ページでございます。学びのセーフティネットの構築ということで、幼児教育関係と高校無償化の見直し関係の予算でございます。まず、幼児教育関係でございますけれども、これは昨年6月に与党・政府で決めた今後の基本方向を踏まえて、26年度から段階的に取り組んでいくという、その関係の予算でございまして、26年度は幼保の保護者負担の平準化のため、生活保護世帯であるとか、多子世帯の扱い、就園奨励費補助を保育所と近づけるという、そのための予算で104億円増の339億円ということでございます。
 その下、2つの事項が高校無償化の見直しの関係でございますが、これは所得制限をかけて、そこで生み出した財源を低所得者への支援と公私間格差の是正に活用するというもので、関係の法律は昨年の臨時国会で成立しておりますので、本年4月からの新制度スタートに向けて所要の予算が措置されたということでございます。この就学支援金の充実は3,876億円措置しておりまして、これは私立高校の低所得者、中所得世帯への支援であるとか、高校生への支援ということで、ここに書いてあるような形で充実を図っております。
 それから、その下の28億円(新規)、これは奨学のための給付金を新たに創設いたしまして、これも低所得世帯の高校生等の支援というものでございます。
 以上が、駆け足で恐縮ですが、初中関係全体の予算の概要で、あと最後の方に東日本大震災の特別会計の分をまとめておりまして、これは緊急スクールカウンセラー等派遣事業とか、あるいは教職員加配などをまとめて整理しておりますので、後ほどお目通しいただければ幸いでございます。
 以上でございます。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問がございましたら挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。
 はい、お願いいたします。

【細谷委員】  失礼いたします。本当に来年度の予算につきましては、今、御説明いただきました池田課長さんはじめ、本当に苦労されたということ。私どもも、全日本中学校長会ですけれども、いろいろと話を聞くにつれ、本当に御苦労さまでしたというふうに申し上げたいと思います。
 ただ、特に私たち、全日中だけでなく、ここにいる堀竹委員のいる全連小もそうなんですけれども、やはり教職員の定数ですね。これに関しての予算がほとんどなきに等しくなったというのは、非常に私どもにとってはショックで、特に少人数加配という、あるいは少人数教育という言葉すら消えてしまったということで非常に危機感を持っております。
 ただ、それまでの経緯も十分分かっておりますので、今後、今の学習指導要領そのものが教員の条件整備という前提で始まっている学習指導要領です。改訂はあるんでしょうけど、恐らく基本的なものは今後も変わらないと思います。それ以上に今の学校の現場、子供と向き合う時間は本当にありません。特に中学校の教員は部活動もありますので、やっと職員室に戻れるのが夜の7時とか、そこからまた仕事が始まるわけです。その中で調整手当もなくなってくる。部活動は増えたんですけど、土日だけなんですよね。時給にすると、600円だったのが、ようやく700円ぐらいになった程度なんですよね。世間の常識からしてもどうなのかという話もあるんですけども、今後、教員の子供と向き合う時間を確保するための教員の条件整備についての、予算上の文科省の見通しといいましょうか、戦略といいましょうか、そういうものを聞かせていただければありがたいかなと思います。お願いいたします。

【無藤分科会長代理・部会長】  局長自らお答えいただけるそうです。

【前川初等中等教育局長】  26年度の予算におきましては、定数改善が見るべき成果を上げられなかったというのは御指摘のとおりでございまして、数字のカウントの仕方にもよるわけですけれども、財務省公式発表のトーンでいきますと、マイナス10人の純減ということになっておりまして、史上初めて定数が減ったという年になるわけであります。私は本当に責任を痛感しているところでございまして、このままずるずるとマイナスを続けていくわけにはいかないと考えています。
 御承知のとおり、定数改善計画は標準法の改正をしながら目標を定めて、年次計画で改善をすると。これを第1次計画から第7次計画まで進めてきて、平成17年度を最後に計画的な定数改善が行われていないという実態でございます。ほぼ10年間、改善計画の空白期間になっているということであります。この間、文部科学省では何度か定数改善計画を作ろうと試みたわけでありますけれども、しかし、いずれも標準法の改正の裏付けのある形では作れなかったということであります。
 35人学級を小学校1年生に導入した際にも、本来であれば、年次計画で行うということが望ましかったわけでありますけれども、結局は単年度の措置に終わってしまったと。ただ、このときには標準法の改正はしたわけです。やはりきちんとした定数改善を年次計画で進めるためには、義務標準法の改正をしなければできないと私は認識しております。義務標準法をそのままにして、単年度の予算措置を積み重ねて改善計画をするというのは、これはどだい無理な話であると。結局、予算は単年度、単年度で決まっていくものでございますので、後年度に向けて計画的な改善が政府としてお約束できるようにするためには、やはり法律の裏付けがないと、来年どうするかということについて、財務省が分かりました、こうしますと言うはずがないわけです。そういうことがありまして、27年度に向けましては、義務標準法の改正をいたしまして、きちんとした定数改善計画を法律上の計画として進めていきたいと、そのように思っております。是非、全日中、全連小の皆様方におかれましても御協力いただきたいと思っている次第でございます。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございました。
 じゃ、どうぞ。

【掘竹委員】  小学校の校長でございます。今、話がありましたけど、小学校の場合には法による定数改善、1年生の方をおかげさまでやっていただいて、それから2年生については加配措置でというような状況でございますが、現状を申し上げますと、3年からは、結局35人以下学級というのが認められておりません。全国の学校の中で見ていると、それまで学級数35人規模でやっていたのが、結局足りないために3学級が2学級に減ずるといったような状況が出てくる中で、財務省の方は学力にこの少人数学級は効果がないとおっしゃっていますけれども、別の視点で見ると、例えば、今いじめの問題とか、そういうものがございます。学級規模が大きくなることによって、やはり1・2年で少人数で人間関係を作っていた子供たちが、大人数になることによって、そういった問題が出てくる。それから、1・2年生できめ細やかな指導ができていたのが、大規模になってこれができにくくなってきている。こういった現状にも是非目を向けていただいて、少人数学級、今回は少人数教育という言葉で予算は説明されておりましたけれども、これを文部科学省としても強力に推進をしていただきたいというふうに思っているところでございます。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございます。全く同感なんですけれども、今のことに関連してですか。はい。

【橋本委員】  ありがとうございます。今、中学校長会、小学校長会の会長さんからお話があったんですが、やはり今の学習指導要領が目指す、国が目指している教育の方向の中で、思考力、判断力、表現力などの活用する力をつけるということは、これは衆目の一致しているところだと思うんですね。そういうことからすると、やはりある少人数というか、今の40人の学級で、1時間で先生が一人一人の、「あなたの考えはどうですか」というふうに見るということが大体無理なんですね。だから、少人数学級が効果がないって、人数だけで世間が、新聞などに大きく書かれるというのは大変悔しいことでありまして、今までのように、いいから覚えろ、黒板を見ろ、写せ、暗記しろというような教育では全くなくなっているんですよ。そのためにクラスサイズを考えなければいけないというところを、我々教育に携わる者はもっと声を大きくして言っていかなければならないなということで、また国の方でも是非実現に、よろしくお願いしたいと思います。
 もう一つよろしいでしょうか。地方にいますと、大変今回、例えば子供の豊かな心を育成ということでも様々なこと、いじめ対策にも様々な予算をとっていただいて、大変ありがたいことだと思っております。しかしながら、なかなか地方がぱっと手を挙げられないということがございます。例えばスクールカウンセラーの拡充ということ1つを取り上げてみても、青森県なんかの場合には臨床心理士や大学教授が住んでいるのは大きな町でありまして、本当は、町だからたくさんそういう悩みの子がいるかというと、どこにもいるわけであります。ですから、そういうところに派遣したいと思っても、有資格者で多様に動ける人材を得るということが大変難しい。ですから、その辺のことも是非、いろいろと要請といいましょうか、その辺も考えていただければありがたいなと。いつも人を、実際手を挙げたいんですが、できないという現状がございますことをお許しいただきたいと思います。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございました。何か、2つほど御意見をいただきましたけれど。

【前川初等中等教育局長】  教育課程の在り方と、そのための教職員の配置の在り方というのは、これは対応していなければならないというふうに考えています。教育長おっしゃるとおり、教育の考え方が大きく変わってきている。その中で、なかなかペーパーテストだけでは測れないような学力というものがあるわけでありまして、そういうものを実現していくための条件というのはどうあるべきかというのは、やはり少人数教育の在り方も含めまして検討した上で、それにふさわしい教員の配置はどうあるべきか、学級編制はどうあるべきかということを考えていかなければならないというふうに思っております。新しい取組の中でもそういったものをきちっと考えながら進めていきたいと思います。
 その大前提としては、授業時数が新しい学習指導要領は相当増えているということがありまして、特に中学校では数学や英語などは3割授業時数が増えていると。それに対応する教職員の定数体制が実は十分なされていないという問題もございますので、全体の教育課程の在り方と教職員の配置の在り方とを照らし合わせながら、あるべき姿を考えていきたいと考えています。
 スクールカウンセラーに関しましても、そもそも人材不足という問題が各地にあるということを認識しておりますので、それをどういう形で克服していったらいいかということについても併せて考えてまいりたいというふうに思っております。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございました。ほかに。
 順番にいきます。押谷委員からどうぞ。

【押谷委員】  失礼いたします。厳しい中でいろいろ御配慮された予算だということで敬意を表します。ちょっと道徳教育にかかわって2点ほど御質問したいと思います。
 1点は、本当にうれしいことなんですが、義務教育費国庫負担金のところの配置改善の推進の2でいじめ・道徳教育への対応、235人加配ということであります。これ、大変うれしいことなんですが、この235人、どのような形で活動してもらうような仕組みになるのか。それぞれの学校の中で加配されて、その先生が周りの地域の全体に関わっていくというようなことになるのかもしれませんけれども、ある特定の学校に配置というふうになると、その先生は全体に関わってなかなか活動しにくいような気がするんですけれども、分かりやすく言えば、例えば道徳担当の指導主事、その地域のですね、いう形で確保されたならば、その先生というのはそこの地域の全体の学校に遠慮なく入っていけるような気がするのでありますけれども、この配置の仕方というのに何か規定とか、そういうお考えがあるのかどうか、1点。
 2点目は、道徳教育の充実ということに関わってなんですけれども、土曜日の教育活動の推進ということで新規に予算計上されてあります。その中に、土曜授業推進事業ということがあります。そのところで、そこで地域の人たちにいろいろ関わっていただいてうんぬんといったときに、道徳の時間、この土曜日にしようかというような形で展開するところもあるかもしれませんけれども、私は、道徳の時間、35時間ということで今のところ決まっておりますけれども、プラスアルファでこの土曜日の授業を考えていくというような発想、これは大丈夫なんでしょうかね。つまり、地域の皆さん、いろいろ関わって体験的なことも含めながらいわゆる道徳の授業というものを膨らませていくことができる。35時間の中でそういうようなものを入れたりするというんじゃなくて、35時間プラスアルファでそういうものをしっかりと位置付けながら、道徳の時間の年間指導計画を工夫していくと。そういうことが許される範囲なのかどうか、ちょっとお聞きしたかったわけです。

【無藤分科会長代理・部会長】  今、2つございました。

【前川初等中等教育局長】  まず、今回の道徳教育についての加配の増加分、どう使うかという話でございますけれども、これは単独の学校に、その学校のための加配として配置するということではなくて、一定の範囲の学校の全体の道徳教育の充実・向上を図るためのコーディネート役をするような先生を配置していくと、こういう考え方で考えております。道徳推進教師というのは、これは、もともと道徳教育は全ての教職員が協力して行うべきものでございますけれども、道徳の時間が全体の教育課程の中の要の時間であるように、教職員全体の中の要の教員となる人、それは、各学校ごとに道徳推進教師として指定していただくということは必要ですが、そのまた地域全体の道徳教育の向上を図っていくための役割を担うような先生、そういった方を配置していきたいということですので、場合によっては、充て指導主事の形で教育委員会の事務局に置くということも可能だというふうに思っております。せっかく充て指導主事という仕組みがございますので、そういう形で地域全体の底上げを図るという方法も考えていただいていいと思っております。
 それから、土曜授業というのは、最も狭い意味では教育課程内の学校教育を土曜日に行うというのが土曜授業であります。それから、それより広い意味では、学校の管理下で行う教育活動ではあるけれども、教育課程の外で行うというのもあり得ます。部活動とか、あるいは補習とかというものは、そういうものに当たるということになるわけですけれども。
 それから、もう一つは、教育委員会の管理下で行うけれども、学校管理下ではないというものでありまして、場所は学校でやるかもしれませんが、教育委員会が責任を負う形で地域の方々、保護者の方々、あるいは学生のボランティアといった人たちに参加していただいて、豊かな学習活動、体験活動、交流活動というものを展開していただくと。こういう、大きく分けると学校の管理下で2種類、それから学校の外で、教育委員会の下で行うものがあると。これをどういうふうにより分けるかということが必要なんですけれども、一番狭い意味での教育課程の中で行うものを土曜授業と呼ぶべきであろうと思っています。
 今回、学校教育法施行規則の61条を改正いたしましたが、この改正はどの部分を指して言っているのかというと、一番狭い意味での教育課程内の土曜授業のことを言っているわけでありますが、教育課程外で行う学校の教育活動というものもいろいろな形でできるわけであります。学校、あるいは設置者である教育委員会の判断によるわけでありますけれども、年間35時間を超えて、教育課程内の道徳の授業を土曜日にプラスアルファで行うという選択肢もあり得ます。それから、教育課程の外で、これは課外における土曜授業とも呼ぶべきものですけれども、あるいは土曜日の課外授業か、課外の授業として、任意参加の形で道徳に関するような教育活動を行うということも、これは学校の管理下で行うことは可能でございます。
 それとはまた別に、学校管理下ではない形で、教育委員会が主催する形で道徳に関わる教育活動を行うということも、これも選択肢としてあり得ます。それはそれぞれの地域の実情に応じて、学校の実情に応じて、どういう形態でやるのが一番いいかということを考えていただきたいと思いますが、ただ、学校週5日制の原則を変更したわけではございませんので、土曜日に授業を行うということのメリットは何かと言えば、やはり地域の方々、保護者の方々、様々なボランティアの方々に参加していただく可能性が高いと、そういう機会として設けることが適当だと思われるような日であると、土曜日がですね。ですから、土曜日にふさわしい教育活動の在り方といいますと、地域、家庭の参加を得て行うような活動が望ましいだろうと思っていますので、地域の方々に参加していただくような形で道徳に関わる教育活動を何らかの形で行うということは十分考えられますし、是非それぞれの教育委員会で検討していただきたいと思うわけであります。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございました。それでは順番に、荒瀬委員、熊坂委員、佐々木委員と。お答えは、3人にまず発言していただいてからにしましょうか。
 どうぞ、荒瀬委員。

【荒瀬委員】  ありがとうございます。4ページの下の「未来への飛躍を実現する人材の養成」というところで、その2つ目の「初等中等教育段階におけるグローバル人材の育成」という、グローバル化とかグローバルという言葉は少し前から大変いろいろな場面で使われるようになって、ところが、このグローバルというのはどういう意味を指すのかというのはなかなか多様でありまして、多様であるからこそグローバルなのかもしれませんが、それがどうも英語教育というところに小さく受けとめられてしまう傾向というのが非常に強くあるように思っています。
 ここでも、未来への飛躍を実現する人材の養成でグローバル人材の育成、まず出てくるのがやっぱり英語教育となっています。現行の学習指導要領の柱になっているのは言語力の育成ということで、小学校英語についても言語力をどのように高めていくのかという観点から英語という、日本語以外の言語に慣れ親しむことによって、一層日本語の力というのを大切にしていこうという、そういう発想が以前、教育課程部会の中でも議論として出ていたこともあります。私はまさにそう思っているわけでありますが。そういった点から、英語がしゃべれるということはとても大切なことでありますけれども、その大切なものを使うための基になる言語力というのをきちっとつけていくということを是非様々な場面で周知願いたいということを思っております。
 それから、英語力というときに、大変よく使われるのは、TOEFLですけれども、この予算の中に、TOEFLを受験するための受験料の補助とか、そういったことを考えていただいているのでしょうか。TOEFLはとても高くて、また、受験会場が突然日本国内でないということだって可能性としてはあるようなことも聞きますが、それはともかく、大変高額でありますので、TOEFL、TOEFLと言う以上はTOEFLの受験料の補助というのを是非していただきたいと思います。もっと言えば、日本国内に実は相当多くの高校生が受験している、例えばGTECや英検なんかもあるわけです。そういったものの研究を進めていただいて、TOEFLすなわち英語、これ以外はだめみたいな感じにならないようにしていただきたいと思います。もちろんTOEFLを受けるということは米国への留学ということを意識するわけですから、留学を促進するという点からは大変重要なことだと思うんですけれども、ならば補助が欲しいですし、TOEFL以外についても検討するべきではないかなということを思う次第です。
 最後に、スーパーグローバルハイスクールについて。先ほども非常に多くの学校が申請に向けて取り組んでいるということをお聞きいたしました。これまたすばらしいと思うんですが、じゃ、スーパーグローバルハイスクールとスーパーサイエンスハイスクールはどういう兼ね合いなのかということです。これは文部科学省内で整理されていらっしゃるというのは十分分かるのですけれども、広く一般に理解されるように整理されないと、スーパーグローバルイコール文系、スーパーサイエンスイコール理系というような、グローバル社会に対応できない発想が生まれてしまうと思うんですね。だから、きっちりとした整合性のある両者の意義を是非広くお伝えいただきたい、発信していただきたいということを強く思っています。
 前の学習指導要領がゆとりか詰め込みかという二項対立的なところで捉えられてしまったのと同じようになってはいけないと危惧しています。スーパーグローバルハイスクールは文系、スーパーサイエンスハイスクールは理系、あるいはグローバルイコール英語というようになってしまっては、我が国のこれからに、良い影響を及ぼさないようになるのではないかと心配しております。是非よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございます。
 熊坂委員、お願いします。

【熊坂委員】  先ほど小中の会長さんがおっしゃったことを繰り返すことになるかと思いますが、全国の町村教育長会でも毎年のようにアンケート調査をやるわけですが、一番出てくるのが、やはり教員の純増をしてほしいというのが出てまいります。文部科学省でいろいろな形の加配の御努力をされていることは本当に感謝するわけですが、これを全国に振り分けたときは、ほんの一部分しか恩恵に浴さない、そういう状況になるわけでございます。全部の学校が恩恵に浴するためには、やはり標準法の改正しかないのではないかと、前川局長さんがおっしゃったとおりだと思います。是非これからもそれをどう戦略的に進めていただけるか。我々も応援したいと思いますけど、お願いをしたいと思います。
 地域によって、地域の力でということで教員の確保をしているところが幾つか出てきています。例えば35人学級を自分たちの自治体でやろうということも出てきているわけですけど、やはりこれは財政力があってできることでございます。全国の教育の均等、人の確保、そういうことを考えてみますと、やはり是非、標準法の改正というようなことでお願いしたいと思います。
 以上でございます。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございます。
 佐々木委員、お願いします。

【佐々木委員】  今回の予算の御説明をいただいた中で、7ページ目、幼児教育に係る保護者負担の軽減が339億円という非常に大きな予算がついているのですが、この幼稚園の無償化をしていこうということに対して、どのような意図があるのかということを教えていただきたいのです。というのは、いろいろな予算を見ておりますと、例えばそのすぐ下には高校の無償化などの制限を加えるのにマイナス74億円。それから、先ほど来出ているグローバル人材を育成するというところは、例えばこれだけ留学生を増やそうと言っておいて、高校生の留学には3億円。そして、グローバル人材、全部合わせても17億円。そして、土曜の授業を頑張ろう、これも14億円。ITは4億円。道徳も14億円。こんな中で、なぜ幼稚園の無償化というのに339億円の予算をかけるという意味と意図を、配分のバランスが余りに悪いと私には思えるのですが、このように熱心に巨額をかけて幼稚園を無償化しようという意図を是非教えていただきたいと思います。

【無藤分科会長代理・部会長】  幾つか御質問、御意見ございましたが、適宜、どなたか。お願いいたします。

【義本審議官】  3人の先生方からいただいた、順番にお答えさせていただきます。
 まず、荒瀬先生のお話でございます。先生、お話しにありましたように、グローバル化というのは、世間的には英語というふうに見られがちではありますけれども、我々としてはそういう意図ではなく、先生が説いていただいていますように、言語活動としての英語、論理的な思考をしっかりするとか、コミュニケーションをしっかりとっていくというふうな言語が基礎でございますから、そういう観点から英語というのを捉え、それは現行の学習指導要領でもそうだと思いますけれども、その趣旨をしっかり捉えていきたいと思っております。昨年発表させていただきました英語教育改革の実施の計画においても、その視点に基づいて、小中高を通じた形での取組をしっかりやっていこうというふうな線で進めさせていきたいと思っているところでございます。
 それから、TOEFLの受験料という話がございました。たしか私の記憶しているところでは2万円を超えるというふうな金額でございまして、非常に高額でございます。一方、これはアメリカへの留学を主とした受験のための経費でございますので、英語全般の能力を高めるための判定するものとはちょっと性格が異なります。先生、御指摘のようにGTECもございますれば、あるいは英検も含めて、国内外でもいろんな形で4つの技能を測る試験もございます。
 今回の予算においては、このページで言いますと、4ページのダイヤモンド1つ目の中のポツの3つ目にございますけれども、外部試験団体と連携した英語力の調査事業という形で、これは4つの技能について、一定の国際標準に基づいた能力のベースを開発するCan-doリストというのを今作ろうとしておりますけれども、それに準拠する形で英検、あるいはGTECさんも含めて、国内の機関等が協力させていただいて、新しい評価方法を開発するということをしておりまして、その事業の一環として、日本の中学校、あるいは高校の生徒さんも受験いただくという形で、直接的な受験料負担の軽減ということではございませんけれども、一定のそういう活動をしていただいて、間接的な形での補助、あるいは支援ということにもつながってくると思っているところでございます。
 それから、スーパーグローバルハイスクールとSSHの話がございました。先生御指摘のように、一方は理系で、一方は文系だというふうな見方も、これも誤った見方が一部喧伝されておりますけれども、決してそういうことではなく、スーパーグローバルハイスクールにつきましては、将来的には世界でリーダーとして活躍するような志を持った人材を養成していこうということで、文系、あるいは理系の区別なく、今の学問においては文理融合というのがございます。しっかり教養の基礎を養いながら志を育てて、国際的な活躍する人材を育てていこうという観点からしておりますので、文理というふうな形での区分けではないような形にしております。そういう意味においては、スーパーサイエンスハイスクールの指定を受けた学校においても構想を持って出していただくことも今後あると思いますので、私どもとしてはしっかりその趣旨を伝えていきたいと思っているところでございます。

【前川初等中等教育局長】  熊坂先生の御指摘は十分踏まえながら、27年度に向けて捲土重来を期していただきたいと思っています。
 佐々木先生の御指摘の幼児教育の無償化をなぜ進めるのかということにつきましては、これは私がこういう説明をしては元も子もないわけでございますけれども、与党の公約の下でこれは進められているということなんですが、基本的に幼児教育が全ての子供たちのために用意されるべきであるという考え方に基づいているわけであります。現行で既に幼稚園、保育所に在籍する5歳児というのは97%になっているわけでございますけれども、その保育料の負担というのは結構大きなものになっているということで、この保育料負担を順次なくしていくということで100%に近づけていくということですが、その先に、これは学制改革の議論にも関わることでございますけれども、義務教育の年限をどうするかという議論があるわけでございます。これは教育再生実行会議が今現在、議論をしている問題でございますけれども、これは下村文部科学大臣からも教育再生実行会議に明示的に審議要請をしたものでございますが、6・3・3・4制の学制について見直す際には、義務教育の年限がどうあるべきかと。幼児教育を含めて広げていくのか。あるいは後期中等教育、すなわち高等学校に相当する部分の教育についても広げていくのかという問題を併せて議論してもらいたいということでございます。
 また、更に義務教育の範囲をどうするかということと併せて、無償教育の範囲をどうすべきかということについても議論いただきたいと、こういう明示的な審議要請が今行われておりまして、その下で教育再生実行会議がその課題について検討してくださっているというところでございます。その検討結果も踏まえながら、今後の幼児教育の在り方を考えなければならないと考えておりますけれども、当面、無償化を目指しつつ、保護者負担の軽減を図っていくという方向性で考えているということでございまして、なかなか規模の大きい話になりますので、すなわち全ての幼児教育を受けている子供たちを対象とする予算となりますと、どうしてもこういう規模の額になるわけであります。高等学校の就学支援金につきましても約4,000億円を使うわけでございますけれども、これは義務教育費国庫負担金で1兆5,000億円使っているのと同じような、要するに同じ年齢の子供ほぼ全てを対象にすると、こういう予算につきましては、どうしてもこういう規模の額になると。スーパーグローバルハイスクールなどにつきましては、やはり特定の優れた実践をするというところを選んで付けていく予算だということでございますので、どうしても桁が違ってくるということがございますけれども、いずれも重要な政策であるというふうに考えております。

【無藤分科会長代理・部会長】  どうぞ。

【佐々木委員】  ありがとうございます。与党の政策だからという答えであれば、与党と話していかなくてはならないということが分かりましたので、私もいろいろな立場からこの問題は関わっていきたいと思うんですけれども、やっぱり幼稚園は、今は人数も少なくなっていって、いろいろな問題があります。お金がないなと思っている人は一生懸命働いて保育園にというようなところですから、全体的な教育と考えると、小学校、中学校、その他の、今小さな予算で付けられているグローバル化などのところは、文科省としては熱心に働きかけていただいて、全体に教育の質が良くなり、平等に機会が与えられるということに熱心に取り組んでいただきたいと思います。
 私、ちょっと前の会議がありましたものですから、途中で来たので、ちょっと幼稚園・保育園関係などで1つメッセージというか、コメントだけさせていただければ、幼保一元とは言わない、連携のこども園のところでもあるんですけれども、私の周囲に、保育園に入れなくて、そして幼保連携のところに行っているんですが、保育園の時間数は預かってはくれるんですけれども、職員が全員幼稚園の方だということで、全くプログラムが保育園になされていなくて、朝全員、お母さんは順番に、9時ぐらいになると、近くの横断歩道で、1メートルぐらいの横断歩道で旗を振る、これを会社を休んでやらされると。
 それから、お芋掘りというのが2時にあります、3時にありますというのが頻繁にあったりするんですが、会社ではそんなにいっぱい休めませんということで、彼女が5時になっちゃいます、6時になっちゃいますと言ったら、あなたの子供だけ、1人だけ芋掘りはさせませんと。お母さんと一緒ということが幼児教育の重要なポイントなのでと言って、子供だけ1人、芋掘りのときには待たされて、ほかの部屋で。そして、お母さんが来たら、真っ暗闇の中で母と息子に芋掘りをさせているんです。これが今、幼保連携の、これは事実で、私は職員から聞いている話ですが、こういうことがあってはならないので、どうぞ、連携、私も聞くまで幼保連携いいじゃないかと思いましたけど、実態はそういうことが起きているということを私たち全員が知って、本当にどの家庭にとっても良い教育、それが本当に良い教育なのかという視点なんです、私が言っているのはね。子供が真っ暗闇の中でお母さんとお芋を掘ることが本当によかったのかということなんですけども。そういったことも考えて、連携のいろんなルールを決めたり、検討していかないといけないのではないかということをちょっと、予算とは関係ありませんけれども、コメントさせていただきます。

【無藤分科会長代理・部会長】  最後のコメント、私が座長の責任があるんですけど、まさに佐々木委員のおっしゃるようなことが起こらないように、幼稚園と保育所を一体にした新しい幼保連携型認定こども園にして、そのための保育要領で是非いい計画にしてほしいと願っているところでございます。
 ほかに。川嶋委員、髙木委員ということで。そろそろ時間ですので。

【川嶋委員】  分かりました。手短に申し上げます。先ほど荒瀬委員も指摘されたスーパーグローバルハイスクールですが、資料2-3の25ページに詳細が書かれているわけですけれども、私はある県でスーパーサイエンスハイスクールのアドバイザー的な委員をやっています。そこで問題になるのは、スーパーサイエンスハイスクールとグローバルハイスクールで育成しようとしている、例えば課題探求能力とか、プレゼンテーション能力とか、あるいは英語によってコミュニケーションを図ることができる力などが、どうも、現行の大学入試制度と必ずしもうまく整合性を持たないということで、高校の先生も、あるいは特に親御さんがこういうプログラムを経験したときに、大学に入れるかどうか心配されているようです。今の入試制度だと大学がきちんと評価してくれるのかと、非常に心配されているケースがございました。
 今、ちょうど大学入試の改革について議論が進んでいるところですけれども、入試制度改革は、拙速は避けるべきですけれども、高校までに育んできた能力をきちんと大学で評価するという、そういう取組、あるいは仕組みというのをしっかりと国として整備していかないと、せっかくのこういうグローバル、あるいは科学の世界で世界のリーダーになっていくという、そういう人材を育成しようとしても、なかなかうまくいかないのではないかと思いますので、是非、ここはそういう場ではございませんけれども、大学入試制度改革も頭に入れながら、こういう取組をやっていただきたいというふうに思っています。
 以上です。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございます。
 髙木委員。

【髙木委員】  資料2-1の3ページの特別支援教育の充実のダイヤモンドの4つ目でございます。ユネスコで批准されまして、共生教育ということで大変大事なことだと思っておりますが、ここで高等学校段階における特別支援教育、現行は割と特別支援学校の高等部とか、そういうところで行われている教育が多いと思うんですが、例えば、普通のという言い方は、普通科ということでもないんですが、高等学校は入学者選抜制度がありまして、なかなか学力的にいろいろな課題があるお子さんたちが、どうしても定時制に行ったり、それから志望する高校へ行けなかったりする。これだけ予算がもし付くのであれば、例えば特色ある高校の中で、新たな高校づくりというか、支援教育、支援学校だけではなくて、そういうお子さんたちが共生という形で様々な、障害だけではなくて、通常のお子さんも含めた高等学校教育ができるような新たな仕組みや体制、そういったものがもし考えられていればお答えいただきたいし、そういうことが今後対応されるようでしたら、是非推進をしていただきたいなというふうに考えております。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございます。じゃ、お2人からのことについて。

【義本審議官】  手短にお答えさせていただきます。川嶋先生のお話、いただいた資料にも書いておりますけれども、スーパーグローバルサイエンススクールの取組の観点としましては、大学との連携、なかんずく入試改善による生徒の学習内容を適切に評価するという。お話しいただきましたように、ここでの活動自身を入試の中で適切に評価し、多面的な人材を入試の中に入れていくというふうなことも大学と連携して取り組んでいただきたいということを1つの要件としてございますので、大学の方も今の動きの中で積極的な対応をする大学が出てまいりますので、それもしっかり視野に置きながら、選定等について進めていきたいと思っているところでございます。
 それから、髙木先生からいただいた特別支援教育のところでございます。特に高校段階におきましては、特別支援学校だけではなくて、通常の高校においても、例えば発達障害のお子さんとか少なからず入っているところでございます。この事業につきましては、特に特別支援学校に限定したものではございませんので、いろんな地域の特色も踏まえまして、その取組について検討いただくように私どもとしてお願いしていきたいと思っております。

【前川初等中等教育局長】  今の補足でございますけども、高等学校においては、学校教育法施行規則上、特別の教育課程を設けるということが認められていないわけです。学校教育法、法律の方には高等学校にも特別支援学級が置けることになっております。しかし、現実には、学校教育施行規則、省令の方で特別な教育課程を設けることができないということになっていますので、実質的に特別支援学級は設けられないというのが今の現状でございます。今回は通級指導を考えているわけでございますけれども、高等学校で障害のある生徒に対する通級指導ができるように教育課程の特例を認めていこうと。それをまず実験的に行って、その成果を見ながら、制度全体の見直しにもつなげていきたいと、そのように考えているところでございます。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございました。まだあろうと思いますけれども、時間が迫ってまいりましたので、次の議題に行かせてください。
 次の議題は、平成25年度全国学力・学習状況調査本体調査のクロス集計結果についてでございます。これは参事官から御説明をお願いします。

【岸本参事官】  それでは、お手元の資料3-1によりまして御説明申し上げます。
 平成25年度の全国学力・学習状況調査におきましては、きめ細かな調査ということで、学力調査のほかに例年質問紙調査を実施しておりますけれども、その質問紙調査につきまして、例年に比べて項目を大幅に増やして実施いたしました。その質問紙調査の結果と学力調査の結果とをそれぞれクロスさせる形でクロス集計というものを行っております。その結果を昨年12月に公表いたしましたので、その内容につきまして、簡単に御説明申し上げます。
 資料3-1の2ページ目を御覧いただければと思います。まず1点目、いずれもこれは新規で今回分析しました内容について御紹介いたしますけれども、1番目は、今回の学習指導要領の改訂におけます1つの中心点でございますけれども、授業の冒頭で目標(めあて・ねらい)を示す活動、あるいは授業の最後に学習したことを振り返る活動、こういったことを行っている、よく行っている学校における結果がどうなっているかということで分析を行いました。
 その結果、小学校、中学校ともに、全教科におきまして、全国平均と比べてかなり高い調査結果になっている学校と、逆にそうではない学校と比較いたしますと、非常に高い結果になっている学校におきましては、このようなめあて・ねらいを示す、あるいは最後に学習したことを振り返るという活動が非常によく行われているという状況がございました。
 また、教科別に見ますと、特に国語B、これは国語の中で活用、応用的な能力を調査するものでございますけれども、その国語Bの中の記述式の問題のところ、この部分で平均正答率がかなり高くなるという傾向が出ているということが判明いたしました。
 ただ、その下の部分にございますけれども、このような活動を「よく行った」と回答した学校の児童生徒の質問紙調査の結果を見ますと、学校としては、このような活動をよく行ったと思っているんですが、児童生徒の方は、小学校で見ますと、例えば冒頭に目標(めあて・ねらい)を示す活動という点で見ますと、15%の児童生徒がそうは思っていなかったり、中学校で見ますと、24%は思っていなかったり、更に授業の最後に学習したことを振り返る活動を見ますと、「よく行った」と学校側は思っているけれども、児童生徒は、中学校では43%の児童生徒が「そう思っていない」という形で、それが児童生徒に必ずしも意識付けがきちんとされていないという状況もあるということが分かったところでございます。
 続きまして、3ページ目でございます。こちらも同じく今回の学習指導要領の中で大きな目玉でありました言語活動等でございますけれども、これにつきまして、上の四角の中にございますが、1つ目の丸でございますけれども、学級やグループで話し合う活動をよく行った学校、また、総合的な学習の時間におきまして探究的な活動をよく行った学校、こういう学校につきましては、小学校、中学校ともに、全教科で平均正答率がより高くなるという傾向が判明いたしました。ただ、これにつきましても、真ん中のところにございますとおり、学校側で「よく行った」と思っている状況と、児童生徒の方でどう認識しているかというところには、やはり数字の上で乖離が見られるところでございまして、この部分につきましても、より明示的な指導が必要なのではないかという状況が示されていると思います。
 また、併せまして、一番下に参考ということで示しております。これは今回新規に分かったというよりは、平成19年の調査以来の中で既に判明している事項でございますけれども、ここにありますような「考えを発表する機会を与える指導」、あるいは「調べたことや考えたことを分かりやすく文章に書かせる指導」といったようなきめ細かな指導、このような指導を行うことによって、教科が限定されているもの以外は、基本的に全教科におきまして、平均正答率を高く押し上げる効果があるということが判明しているところでございます。
 最後に4ページ目でございます。これも今回の新規でございますけれども、学校における指導と子供たちの学習習慣との間にどのような関係があるかということで調査したものでございます。子供たちの家庭での学習習慣、例えば学習時間の長さであるとか、復習をするとか、苦手な教科の勉強をする。あるいはテストで間違えた問題について勉強するといったようなものについて、より肯定的な回答をした児童生徒の割合がどういう場合に多くなるかというのを調べますと、学校の方で、1つ、学習方法に関する指導、あるいは2つ目、家庭学習に関する指導を行った場合、このような場合、ある面では当たり前でございますけれども、児童生徒の家庭での学習習慣がより高い形で出てくるということが分かりました。併せまして、3つ目にございますが、総合的な学習の時間における探究活動、このような活動を行った学校ほど、先ほどのような児童生徒の家庭での学習習慣におきまして、非常に多くの項目でこれが高くなるという傾向が出ているということが今回判明したところでございます。
 詳しい内容につきましては、各教育委員会の方に今回の調査結果全体につきまして、お送りさせていただきますとともに、ホームページにおきまして、その全体像を公開させていただいているところでございます。
 私どもといたしましては、各教育委員会、また各学校、それぞれにおきまして、今回の調査結果と御自身それぞれの委員会、学校における状況を照らし合わせていただきまして、どういった点が不足しているのかといったことにつきまして、いま一度御確認をいただければというふうに思っておりますとともに、文部科学省といたしましても、今回、学習指導要領で改訂をして打ち出してきておりますものにつきまして、やはり学力との関係でいい状況が出ているということもございますので、ただ、先ほどの結果にございましたように、そこは必ずしも各学校の児童生徒一人一人のところまで十分にそれがまだ行き届いている状況ではないという状況もございますので、こういったものにつきまして、更に充実の取組を支援してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 隂山委員、お願いします。

【隂山委員】  ありがとうございます。質問ということではないのですけれども、こうやって全国学力・学習状況調査というものが入ってきまして、またしっかり戻ったということで、いろいろなことが進んできたと思います。こういう方法論とのクロス集計というのもすごく私はいいとは思うのですけれども、でもそれはって教育界の中の話というか、実際、私、今大阪府の教育委員長をやっていますけれども、昨年のちょうど今頃、各市町の教育長さんたちとかなり突っ込んだ議論をしました。一生懸命やって、かなりいろんな議論があった大阪なのですけれども、データを基にして、かなり徹底した議論をやっているけど、上がってこないと。1つの理由は何かというと、外国人問題なのです。
 ここのところに、僕もどこで言おうかなと思っていたのですけど、この後、日本語指導の問題も報告が出てきます。実はグローバリズムというのは、日本の若者たちが東南アジアやヨーロッパへ出ていってどうこうという問題ではなくて、海外の若者たちをどう日本に受け入れるのか。あるいは今後、日本の社会が外国人を受け入れて、どのような共存共生を図っていくのか。とりわけオリンピックというものが7年後に迫っている以上、この転換というのはかなり甚大な変化になるのではないかということを予測するわけです。私もロンドンへ十数年前に行って、それから最近行って見たときに、何かニューヨークみたいな多民族都市に変わってしまったのを非常に驚愕しました。これはオリンピックのせいだけではなく、経済のグローバル化ということが一番大きいだろうと思うんですけども、それに伴って、ロンドンの貴族が通っていた学校ですら、ヨーロッパ人よりもアジア人の方が多いみたいなところを見てきたわけです。
 そうしたときに、今後の全国学力・学習状況調査については、やはりより細かな調査項目を入れて、今後の文教政策の根源を少し洗っていただくということをしていただけないかなというような気がいたします。どんなに言ったって教職員は増えませんよ、残念ながら、この財政事情では。だったら、今もって手書きで指導要録を書いているという超アナログな学校現場の悩みと、それから、こういう予算が出ないという、物すごい現場との乖離があるわけなのです。せめてこうしたものは作業の効率化であるということを文科省以下、このことは徹底してやるとかいうふうにして、人やお金が増えないのであるのならば、まず、どこまで効率化できるのかということを考えていただくと。
 それから、グローバル化につきましては、ちょっと申し訳ないですけれども、さっきの予算のところでも非常に少ない予算で抜本的改革なんて言わない方がいいと思うのですね。だから抜本的改革には100億円必要だけれども、今回は10億円ぐらいで済ませておきますぐらいに言っておいた方が説得力があると思うのです。10億円で抜本的と言っちゃったら、じゃ、10億円でやってくださいという話にならないかなというような要らぬ心配までしてしまいまして、やはりグローバル化というのは、学校現場にとってかなり地域的には大きな問題になっています。
 1つだけ質問させてください。近年の日本で生まれた子供たちの何%が、お父さん、お母さん、どちらかが外国籍かというデータがもしすぐに出るようだったら教えていただければと思うんですが。

【無藤分科会長代理・部会長】  はい。御質問はちょっと待っていただいて、ほかに御意見。
 じゃ、貞広委員。

【貞広委員】  ありがとうございます。3-2の方の説明は後でしていただけるということですか。それとも今、併せて質問ということでしょうか。

【岸本参事官】  よろしいでしょうか。

【無藤分科会長代理・部会長】  はい、どうぞ。

【岸本参事官】  ちょっと時間の関係で省略させていただいておりまして、大変申し訳ございません。資料3-2は「経年変化分析調査」というものでございまして、これも本年、きめ細かい調査ということで実施させていただいたものでございます。趣旨的には全国学力・学習状況調査の問題は全て公開されております関係で、同じ問題を経年で使えませんので、なかなか正確に経年の状況を見ることができないというのがございましたけれども、それにつきまして、基本的に問題は非公開ということで、数年おきに実施して、その経年の状況を見ようということで実施をさせていただいた調査でございます。
 今回第1回目ということで、今回につきましては、冊子を2種類ずつ、各教科について行った結果について、その数字を出させていただいているというところでございますけれども、現在では未定でございますが、また数年後に実施をさせていただきまして、経年での日本の学力の状況を示していくような結果を出していきたいと思っているところでございます。

【無藤分科会長代理・部会長】  どうぞ。

【貞広委員】  それに関連してなんですけれども、学習指導要領の定着状況の検証ということを行うに当たって、今までは単年度のスナップショット的な評価をしていたわけですけれども、そこから脱して、経年変化を見ていくという調査デザインになったことは非常に歓迎したいと思います。ただ、であるならば、更にもう少し上をというふうな要望なのですけれども、今、陰山先生のお話にも関連するのですけれども、学校が実際にその子供たちにどういう学力を付加したのかという学年進行での伸びという観点を調査デザインの中に入れていただけないかと。例えば、入学生の学力水準がすごく高い学校が高いまま維持したのか、入学生の学力水準がそんなに高くなくて、しんどい地域なのだけれども、かなり学力を伸ばしたのかどうかという真の学校の教育力ですね。それを検証してあげられるような調査デザインというものにもう一歩進むことはできないだろうか。そうすると、難しい地域の先生方は非常に頑張っていらっしゃるのですけれども、点数としては高くない、相対値は高くない。でもすごく頑張っているというようなところが見えてくる。現場も元気になるような検証の機会になるのじゃないかと思います。
 以上です。

【無藤分科会長代理・部会長】  大事な点、ありがとうございます。ほかにございますか。
 そしたら、お2人の御意見、御質問というところで、もう一度お答えいただきたいと思います。お願いします。

【前川初等中等教育局長】  陰山先生が御指摘になった、参考資料1で、きょうはこれは参考でお配りするだけの資料だったのですけれども、これは外国人の児童生徒、あるいは日本国籍を持っていても日本語指導が必要な児童生徒、そういった児童生徒が増えてきているという現状に鑑みまして、そういった子供たちのための指導の在り方につきまして、特別支援教育に類する形で、学習指導要領によらない特別の教育課程を設けることができるということを制度化したというものでございます。この中で、日本語の能力に応じた特別の指導という言い方をしているわけでございますけれども、それは日本語の能力を高める指導のみならず、当該児童生徒の日本語の能力に応じて行う各教科等の指導を含む、こういう概念でございまして、児童生徒の学習到達度に応じた適切な内容で行うと。その際に、単純に年齢に応じた学年に入れるということではなくて、場合によってはそれよりも下の学年に入れるというようなことも含めて考えてくださいと、こういう通知でございます。
 別添1という、7ページとページを打ってあるものですけれども、別添1のところに「背景・趣旨」というところで、先ほど御質問のあった親が外国人である子供という数字は持っておりませんけれども、ここに示している数字は、平成24年5月現在に、公立の義務教育小学校に在籍する外国人児童生徒が約6万2,000人。それから、ちょっと古い数字ですけれども、平成22年9月現在ですが、日本語指導が必要な外国人児童生徒が2万6,000人。それから、日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒、これが約5,200人と、こういう数字は把握しております。つまり、今、日本国籍を持っている子供の中にも5,200人日本語指導が必要だと、こういう児童生徒がいるということでございます。
 それから、学校の校務のICT化というのは非常に必要性が高いというふうに認識しているわけですけれども、このICT環境を学校にどう作るかということの財政措置についても、これは設置者の一般財源に委ねられているという問題がありまして、文部科学省としては調査研究的な、あるいはモデル事業的な予算を付けることはできるんですが、全体に環境整備するという予算につきましては、国費ではもともと根っこがないということで、全て小中学校につきましては、市町村の一般財源の中でやっていただいている。地方財政措置の中で交付税措置の積算の中には入れているわけですけれども、そのとおりに予算化されていないというのが現状でございますので、なかなか私どもも隔靴掻痒の感があるわけですけれども、何とか旗を振りながら進めてまいりたいというふうに思っております。
 あと、同じ児童生徒集団が年を追って、学校の努力によってどのように学力を向上させたかという数字は、確かに私どももあるといいなとは思っております。なかなかそれは難しくて、確かに今、小学校6年生の4月と中学校3年生の4月と、この2つの学年で学力調査をやっておりますので、3年前の小学校のデータと当該年度の中学校の数字を照らし合わせれば、その間にどれだけの伸びがあったかということを見ることはできるんですが、これが同じ学校ではないものですから、同じ集団ではないわけですね。したがって、そこは課題だというふうに私どもも認識しております。そういうものがちゃんと示せれば、これだけの伸びしろがあったんだと、これだけ伸びたんだということで学校を評価するということができるようになると。今は単純に平均正答率がどうだったかということで絶対値で比較するということになりますと、幾ら学校が努力していても地域の実情によってなかなか上がらないと。上がっても低いレベルで上がっているだけであると、こういうことが起こるわけでありまして、もともと地域によっては、家庭環境に非常に恵まれた子供たちが多いというところがあるわけで、一方で、就学援助を受けている家庭が半分以上あるというような地域もあるわけで、これを絶対値としての平均正答率で比較するということ自体が、本来比較できないものを比較しているということですので、それがまた間違った序列化のようなものにつながるということで、私どもも何とか学校の努力をどう正当に評価できるかと、そういう尺度を作りたいというふうに思っておりますので、また今後検討してまいりたいと思います。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございました。
 それでは、一通りお答えいただいたかと思います。まだあろうと思いますが、次の機会にさせていただきたいと思います。
 それでは、最後になりますけれども、次回以降の予定につきまして、事務局からお願いいたします。

【小林教育制度改革室長】  次回の初等中等教育分科会の日程につきましては、分科会長と御相談の上、また追って御連絡させていただきたいと思います。

【無藤分科会長代理・部会長】  ありがとうございます。
 それでは、本日予定した議事は全て終了いたしました。これで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成26年07月 --