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初等中等教育分科会(第87回) 議事録

1.日時

平成25年12月16日(月曜日)10時00分~11時30分

2.場所

中央合同庁舎第7号館(文部科学省)東館3階 1特別会議室

3.議題

  1. 教科書採択の改善について
  2. OECD生徒の学習到達度調査(PISA2012)の結果について
  3. グローバル化に対応した英語教育改革実施計画の公表について
  4. その他

4.議事録

【小川分科会長】  おはようございます。定刻となりましたので、ただいまより第87回初等中等教育分科会を開催いたします。
 年末を控え、お忙しい中、きょうは非常に多数の委員の御出席を頂いております。本当にありがとうございます。
 なお、本日、報道関係者より、会議の全体についてカメラ撮影を行いたい旨、申し出がありましたので許可しております。御承知おき頂ければと思います。
 まず、配付資料について事務局からお願いいたします。

【小林教育制度改革室長】  はい。配付資料の確認ですが、お手元の議事次第を御準備ください。そちらにございますとおり、資料の1が教科書採択の改善について(意見のまとめ)(案)、資料の2がOECD生徒の学習到達度調査(PISA2012)のポイント、資料3が、グローバル化に対応した英語教育改革実施計画(仮称)でございます。また、参考資料といたしまして、参考資料1が土曜授業の実施に係る学校教育法施行規則の一部改正について、参考資料2が、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律について、参考資料3、平成26年度全国学力・学習状況調査に関する実施要領、参考資料4、こちらの分科会委員名簿でございます。加不足等ございましたら、恐縮ですが、事務局までお申し付けください。

【小川分科会長】  資料の方、よろしいでしょうか。それでは、きょうの議事に入らせていただきます。
 最初の議題は、前回に引き続いて、教科書採択の改善についてです。今回は、前回の議論を踏まえまして、分科会としての意見のまとめ案について、引き続き御審議を頂きたいと思います。資料1を使いまして、きょうは審議をしていきたいと思います。まず最初に、永山教科書課長の方から資料1の説明をお願いいたします。

【永山教科書課長】  それでは、資料を御覧いただければと思います。資料1として、教科書採択の改善について(意見まとめ)(案)という資料を用意させていただいております。前回、11月28日の当分科会におきましては、今、資料1の4ページを御覧いただきますと、参考資料1で付けていますが、先日、11月15日に下村大臣より発表した「教科書改革実行プラン」、この内容について、前回御説明をさせていただき、その中で、この「教科書改革実行プラン」は、教科書について、編集段階、検定段階、採択段階、各段階にわたって制度の改善を行っていくということでございます。そのうち、3の教科書採択の改善につきまして、当分科会の方に審議の要請をさせていただいたところでございます。この改革プランについては、教科書採択の改善について、3点盛り込んでおります。
 1つが、白丸にございますが、共同採択について、構成市町村による協議ルールを明確化すること。
 2つ目の丸が、「市郡」単位となっている採択地区の設定単位を「市町村」に柔軟化すること。
 3つ目が、採択結果・理由など、教科書採択に関する情報の公表を求めるという3点を盛り込んでいるところでございます。
 資料の1ページに戻っていただければと思います。「はじめに」のところで、当分科会における検討の経緯というものをまとめさせていただいております。
 1つ目の丸は、今申し上げたとおり、11月15日に発表した「教科書改革実行プラン」のうち、採択に関する分について、3点について、分科会の方に審議要請がなされたということが最初の1つ目の丸に記載させていただいております。
 2つ目が、改革プランの内容についての分科会としての受け止めということを、前回の御議論を踏まえまして、まとめております。当分科会、初中分科会として「教科書改革実行プラン」について、1つ目としては、共同採択地区内で教科書が一本化できず、無償給付ができないという事態発生の防止。
 2点目として、地域の実情に合った採択地区の設定を可能にするということ。
 3つ目として、採択権者による責任ある採択を促進するということに資するものと受け止め、これらの事項を具体化すること、また留意点をまとめるなどの観点から審議を行ったことなど、検討の経緯、経過というものをまとめているところでございます。
 1以下がそれぞれの具体的な改善項目に対する考え方を整理させていただいております。
 1つ目は、共同採択に係る協議ルールの明確化ということで、前回、御説明させていただきましたが、中学校の教科書採択をめぐって、沖縄の八重山地区におきまして、共同採択地区内で教科書の一本化ができず、結果として国から教科書の無償給付ができないという事例が生じております。
 この背景として、現在、教科書の無償措置法におきまして、共同採択地区内においては、協議して同一の教科書を採択しなければいけないという規定があるわけでございますが、実際に法律上、どういう形で協議をして、どういう形で協議の結果をまとめていくのかということについては、法律上のルールがございません。各地方自治体、地方公共団体の自主性、自主的な協議というものに委ねられているということでございますが、今回、このような形で一本化ができないという事態が発生したことを受けまして、2ページ目の1つ目の丸になりますが、こういう事態の発生を防止するという目的に照らせば、一定の法的なルール、具体的には地方自治法に規定をする協議会の設置を共同採択地区について義務付けてはどうかということを提案させていただき、御議論いただいたところでございます。
 前回、御欠席の委員の方もいますので、少し6ページを御覧いただきますと、これが参考資料の3、地方自治体における「協議会」制度ということですが、現在の共同採択地区において、協議会というものが設けられておりますが、これは、法律に基づく協議会というより、事実上の協議会ということで、実際の規約の内容などについて、かなり違いがあるということがございます。その協議会を、今回は地方自治法における協議会というものの設置を義務付けることによって、教科書採択におけるルール、規約などの内容などの整備が図られると考えております。
 ただ、法律上は協議会の種類として、1から3、3つの種類がございます。教科書採択という点から言うと、計画作成協議会は、少し性格が違うものでございますので、協議会の中で、管理執行型の協議会、連絡調整型の協議会という2つがあり、管理執行型の協議会というものは、権限が事実上、協議会に移るということで、協議会での決定が、それぞれの教育委員会での決定と同じ効力を有するというものが管理執行型の協議会。連絡調整型の協議会というものは、協議した結果、連絡調整ですので、協議した結果を再度教育委員会に持ち帰って採択することによって、一定の法的な効果が生ずると、そういう性格の違う2つのものがあるわけでございます。
 また2ページに戻っていただきますと、前回、御説明させていただきましたが、地方自治法の、今、御説明させていただいた協議会制度のうち、今回のような事態の事例の発生を防止するという目的に照らせば、管理執行協議会を設置することを中心に、それを踏まえて、協議ルールの明確化を図るための制度の整備を図ることが適当であるということで、整理させていただいております。
 2つ目、採択地区設定単位の柔軟化についてでございます。現在、無償措置法、法律では採択地区の設定の基本単位は「市郡」とされております。「市郡」を単位として単独採択地区、1つの市ないし郡で1つの採択地区を構成する場合、また複数の「市郡」によって採択地区が構成される場合。共同採択地区、単独採択地区という2つの形があるわけでございますが、ただ、その採択地区の設定の単位は市ないし郡ということになってございます。これが、1つ目の丸にございますが、近年の市町村合併の進行により、1つの郡を構成する町村の数が減ってきております。
 資料にも、これは後ほど御覧いただければと思いますが、1郡で1町村というものが約4割、1郡で2町村までを含めると、約3分の2の郡というものが、1ないし2の町村で構成されているということで、1つの行政単位としての実質的な意味を失ってきているという実態がございます。
 また、幾つかの県では、郡を構成する町村が飛び地になっているということで、実際に飛び地の町村で1つの採択地区という形での弊害がございます。そういう観点から、郡という行政区画が減数しているということで、こういう中で採択地区の設定単位を現行の「市郡」から「市町村」に改めるということで、前回、御説明をさせていただきましたが、それについては、郡の区域に関わらない柔軟な採択地区の設定を可能とするということから、基本的には妥当であるとさせていただいております。
 2つ目の丸は、そういう形で「市郡」から「市町村」に見直した後の採択地区の設定についての考え方でございますが、制度見直し後においても、都道府県教育委員会が採択地区の設定を行うということになります。その際に、制度改正の趣旨を生かして、市町村教育委員会の教科書の研究能力などを総合的に勘案して、適切な採択地区の設定を行うことが必要であるとさせていただいております。
 3点目。これは、採択結果・理由等の公表についてでございます。
 1つ目の丸、教科書が学校教育において果たす重要な役割を踏まえて、教育委員会にあっては主に住民に対して、私学にあっては主に保護者に対して、その関心に応じて採択に関する情報を適切に提供することが必要であるということで、基本的な方向性を書かせていただいております。
 2つ目の丸が、その際の留意点ということで、前回も私学の問題、また特別支援学校の問題について御説明させていただきましたが、私学については、学校単位での採択を行っているということ。また、公立、教育委員会とは情報の公開に係る労力の問題、採択について説明責任を負うべき対象の点などにおいて異なるという特殊性、特別な観点がございます。そういう学校の設置主体の問題、また学校種、これは特別支援学校を意識したものですが、そういう私学という設置主体や特別支援学校など、学校種の特性を踏まえて、採択に関する情報の公表の在り方については、それぞれ異なっており、それについて配慮する必要があると整理させていただいております。
 前回、御説明させていただいたとおり、文部科学省としては、採択に関する情報の公開について、一定の法的な枠組み、具体的には無償措置法の改正になりますが、そういう枠組みを作ることは必要と考えておりますけれども、2つ目の丸にありますように、私学の問題、特別支援学校などについては、特に配慮していく必要があると考えているところでございます。
 1枚おめくり頂きまして、最後3ページになりますが、4、その他ということで、前回、御議論いただいた内容についてまとめさせていただいております。1つ目の丸が、今回、当分科会としては、実行プランの方向性を踏まえて、主に現行制度の改善という観点から審議を行ったということ。そして、その内容について、おおむね妥当と考えているということでございますが、審議の過程においては、1つ目として地方分権の進展、地方教育行政制度改革の動向、デジタル化の進展に伴うニーズの対応化などを踏まえて、より柔軟な共同採択の在り方について引き続き検討すべきと。この点が、前回、様々な委員から御意見を頂いた部分だと思います。共同採択制度の在り方自体について見直すべきではないかという御意見がございましたので、ここに記述させていただいております。
 また、2として、採択の問題の前提として、採択に当たっていろいろ問題が生じないように、そもそも教科書検定の段階、検定を通じて、教科書の質を高めていくべきであるといった御意見も出されたところでございます。
 最後の丸になりますが、教科書をめぐる課題としては、今、御説明した2点のほかに、教科書のデジタル化、教科書の多様化の向上など、他の重要課題もあることから、今後も引き続き教科書制度の在り方について、議論を深めていく必要があるとさせていただいております。
 以上が事務局で用意させていただいた審議のまとめの素案でございます。説明は以上になります。御審議をどうぞよろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 前回の議論を踏まえて、資料1、意見のまとめ(案)を作成していただきました。前回は、主にこの3つの柱、共同採択の協議ルール、採択地区の設定単位の柔軟化、採択結果・理由等の公開等について。これは、一つ一つ時間を分けて審議していただきましたけれども、きょうは意見のまとめ(案)、一括して委員の方から御意見を伺えればと思います。どなたからでも御質問、御意見があればお願いいたします。
 では、加治佐委員、熊坂委員、橋本委員ということで、まずお願いいたします。

【加治佐委員】  どうも失礼します。前回、地方分権の趣旨とか、あるいは教科書の採択権者は市町村であるという趣旨、あるいはいろいろな教科書をめぐる最近の教育ニーズ等々を踏まえて、単独の採択地区にするのか、あるいは共同採択地区を設定するかということは、それぞれの市町村が話し合って決めればいいと、そういう趣旨のことを申し上げたと思います。すなわち、今は都道府県が採択地区を設定することになっていますけれども、それを、あえて言うと止めるということだったんですけれども、そうすると、協議ルール等は国レベルで定める必要がなくなるかなということで申し上げました。
 その趣旨は、先ほど申し上げられました「その他」のところで反映されていますので、それはそれでいいと思うんですが、こういう方式を教科書改革実行プランに書いてある採択のやり方でいくとした場合、それはそれで市郡単位が市町村単位になるということですので、一定の進歩、前進だと思います。
 ただ、そうであったとしても、単独市、単独町、単独村と市町村が設定したところは、教科書採択権限を単独で持つわけですね。ところが、共同採択であると、採択地区を設定された市町村教育委員会は、この協議の方式が管理執行協議会方式ということになれば、それに拘束されるということになります。つまり、権限が逆転するというか、権限が事実上ないというか、自分の意思よりも、協議会の意思が優先されるということになりますから、どうも単独で採択地区を持っているところと、複数の市町村で構成されている採択地区を構成する市町村というのは、どうもバランスを欠くという感じがしてならないんですね。
 当然、都道府県は配慮してくれるのではないかと思います。とりわけ東京都は、市町村単位で採択地を設定すべきだという要望を出されていますので、東京都は例えばそうされるし、多くのところも市町村の実情をよく鑑みてやられると思うんですが、やはりできますれば、この審議のまとめの中で、2の「採択地区の単位設定の柔軟化について」の2つ目の丸のところで、そのようなことが書かれているんですが、もう少し都道府県が採択地区を設定するときには、より市町村と話し合うとか、市町村の意向を尊重するとか、そういうことをより加えていただけないかなと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。熊坂委員、どうぞ。

【熊坂委員】  前回欠席をいたしましたので、失礼いたしますが、若干ピントが外れたことを言うかもしれませんが、御了承いただきたいと思います。
 おおむねは、このような形の弾力化というのをありがたく思っております。実は、一昨年の全国の理事会で、この飛び地の問題等で、もうちょっと弾力化ができないかということを論議したことがございます。飛び地になったところが、共同採択を組むのに、違う市と組みたいという話が出てきたと。1つと組むんでしたら、その話は出なかったんだろうと思いますけれども、別のところと組みたいということ。それと、全国を見ますと、様々な状況があるということ。そういうことから、より弾力的にしてほしいというお話が出ました。
 もう一つ、一番その中でネックになったのが、ここにも調査の研究能力ということが入ったので、これでいいのかなと思いますが、教科書の調査をやる段階では、どうしても町村だけでは担い切れない、そういう実情がございます。私の地域も、実は前回の採択の前に、分校いたしました。1つの市が22万少し、私の方が4万ちょっと、もう一つの村が3,000ちょっとということで、市の方が独自採択をやりたいという話が出まして、調整をいたしました。調査研究だけは合同でやるという取り決めをしたわけですが、そういうことも可能な表現と私は受け取っているんですが、そのようなことでよろしいんでしょうか。

【小川分科会長】  よろしいかと思いますけれども、事務局の方、そのような趣旨でよろしいですよね。

【永山教科書課長】  今御指摘の点は、そのような趣旨でお考え頂いても結構でございます。

【熊坂委員】  はい。ありがとうございます。そうしますと、特には、問題点は感じておりません。
 神奈川県は従来から、地域の内心を、ほぼそれで採択地区にしているということですので、私の方が分離したときに、逆に横浜市は区でやっていたものを1つにするという方針が出て、それも承認をしているという経過がございますので、そこの採択地区を決める段階で、市町村の意向を十分に反映した形が取られればありがたいと思います。
 以上でございます。

【小川分科会長】  先ほどの加治佐委員と同趣旨の御意見かと思います。橋本委員、どうぞ。

【橋本委員】  ありがとうございます。私も前回欠席しましたので、ちょっとピントがずれているかもしれませんが、今、熊坂委員がおっしゃったことを考えております。市町村への単位の柔軟化を図るということは妥当と考えておりますけれども、実際、全ての教科書が、必ずしもその地域の児童生徒の実態というか、全てぴったりというわけではないと。主たる教材でありますが、A社もいいし、B社もいいしというのをやりながら採択しなければならない状況であります。実際に、協議の過程で、A町とB町が違う意見を持ったということで、進行役の者がまた協議を深めて1つにしているという実情もございます。
 そういう中で、やはり非常に重要なのは、研究調査委員が出て、詳しく様々調査をし、協議会で意見や質問を戦わせるという、その協議の過程において、本当にどの教科書が我が市町村にいいのかということを判断できるということでありまして、もしこのことが市町村に柔軟というときに、その辺が深められるということは、やはりある一定のメンバー、そして研究調査員になるリーダー的な教員が、小さな町村ではなかなかいないということもございますし、やはり情報交換をして意見を戦わせるということも減る。
 そういうことになりますと、これまでの採択地区の協議会の意味というのは、どこに決めるかというよりは、その研究調査の協議の過程ということに非常に意味があったのではないかと思いますし、この辺が柔軟かということについても、きちんとできるということが大事なのではないかと考えております。

【小川分科会長】  はい。ありがとうございました。荒瀬委員、そして市川委員ということで、では、荒瀬委員、どうぞ。

【荒瀬委員】  ありがとうございます。さきほど加治佐委員がおっしゃったことに賛同するということを、まず申し上げたいと思います。
 あとは、細かいところかもしれませんが、2ページの3の「採択結果・理由等の公表について」の2つ目の丸の私立学校のことについての表記なんですが、その3行目に「労力」という言葉が出てきておりますけれども、これは、前回の議論からすると、労力を問題とするというよりも、私立学校の持っている状況というんですか、事情というんでしょうか。設立趣旨とか、そういったことの方が重視されるべきで、労力に問題があるからというのは、前回の議論の趣旨ではないように思いました。
 それと、もう一つは、3ページの4、「その他」とあるんですけれども、これは、「その他」というくくりなのかどうかと。冒頭申しましたように、加治佐委員のおっしゃったことに、私は賛同する立場からしましても、決して「その他」ということで、軽くお考え頂かない方がよいのではないかなと。今後も引き続いて、教科書採択については考えていかないといけないことがありますので。
 また、さきほどからの何人かの委員の方の御意見なんかを踏まえても、こういったことが「その他」になってしまうのであれば、議論している意味が薄れてしまうのではないかなということを思いまして申し上げました。
 以上です。

【小川分科会長】  4については、「その他」というのは、例えば「今後の検討課題」とか、そういう趣旨がはっきり伝わるような表題を付けてほしいということかと思いますので、これは事務局の方でも検討して頂ければとお願い致します。
 あと、これは、事務局に確認ですけれども、前回も出た質問なんですけれども、2ページの3の3ポツの「採択結果・理由等の公表について」の丸1のところは、関心に応じた採択に関する情報を適切に提供していくことが必要であるという趣旨は、都道府県や私立等に関する努力義務という形で法律改正していくという趣旨かと思いますけれども、どの程度の要請をするのかということは、もう少し明確に御説明していただいた方が、議論に資するのかと思いますけれども、いかがでしょうか。

【永山教科書課長】  具体的にどういう形で法律上明記するかについては、まだ関係部署等の調整中でございますが、私ども、文部科学省といたしましては、今、小川主査の方からお話がございましたように、私学の問題、また特別支援学校など、配慮すべき事柄がございますので、一番強い形の法的な義務というよりは、努力義務という形に法律上位置づけて、それぞれの特性に応じた柔軟な対応ができるようにしたいというのを、有力な案として考えてございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、市川委員、どうぞ。

【市川委員】  前回、私はどうもこの問題の所在がよく分からなくて発言ができなかったんですが、改めて伺ってみて、こういうふうに思いました。
 まず、もともと、共同採択の制度というのは、それなりの大きな意味があったわけですよね。小さな町村などで、単独で採択ということはなかなかしにくいし、その後の研究体制を考えても、単独というのは無理があるというところが、一緒になってやろうではないかと。それは、大きな意味があったと思うんですが、実際に、その協議会が立ち上がって、ふたを開けてみると、特定の科目で意見が合わないということが出てきたと。一本化してもらわないと困りますということになって、一本化がついにできなかったところがあって、そこは、例えば1つの町村について、もうそれは独自のお金で、その町村の税金で賄ってくださいということにならざるを得なくなった。それは八重山問題だということだったんですが、そういうことはもう二度と起こしたくないということだと思うんですよね。
 そのためには、柔軟化ということが出ているんですが、私はこの主文になっているのを、市町村という細かい単位に採択地区を作るときに柔軟化すればいいという問題ではないのではないかと思っています。それは、やっていただいても結構なんですけれども、むしろ立ち上がってから意見が合わないということが問題なわけですから、むしろ柔軟化するというのであれば、この共同採択の趣旨でとにかく立ち上げたと。一緒にやろうということで、立ち上がった。どうしても特定の科目については意見が合わなくなった。そのとき、どんなことがあっても一本化してもらわないと困るというのではなくて、一応、調整は十分図ると。場合によっては都道府県の教育委員会がそこに入ってもいいかと思いますが、調整を図ると。それでも一本化できなかった場合には、そのときには、それぞれの市町村の判断を認めると。立ち上がった後にこそ、一本化できなかった場合に、どう柔軟化を図るかということを、何らかの改正をしない限り、また同じ問題が起こり得るのではないかと思います。
 また、そうすることによって、共同採択のメリット――これは、ほとんどの科目では、それで多くのメリットを得ているわけですから、最初から小さな単位でこの地区を設定するということではなくて、ほとんどがこれでうまくいっているのであれば、採択地区そのものは大きな単位で設定することがあっても、意見が合わなかったときには、最終的には両方認めるという形の柔軟化を図ってはいかがかなと思いました。

【小川分科会長】  はい。ありがとうございました。
 そういった課題の趣旨については、3ページの今後の検討課題ということで、その辺は整理をしているわけですけれども、市川委員の場合は、今回の見直しの際にも、既にそういうことも踏み込んでやった方がいいんじゃないかという御提案ということでよろしいですか。

【市川委員】  ええ。私の言ったようなことをやるには、何らかの大きな法改正とかが必要になってくるらしいので、別に無理は申し上げません。今後ということでも結構ですし、ただ、10年後とかにやっていると、その10年の間に八重山問題と同じ問題が、また起きるのではないかと。とにかく、特定の教科で起こっているというくらいのことなのですから、そこのところをちょっと柔軟化してはどうかというのが私の意見です。別に、いつやるかということは、ほかの問題も絡んでいると思いますので、強くは申し上げられません。

【小川分科会長】  ありがとうございました。五十嵐委員でしたね。どうぞ。

【五十嵐委員】  ありがとうございます。私は、先ほど荒瀬委員がおっしゃったように、「その他」の部分です。
 前回の議論を踏まえて、ここにその議論の趣旨を書いていただいたのは本当にありがたいと思いますが、先日、政府の規制改革会議で、電子教科書を認めるべきだという話題になったという報道がありました。もうそういう動きが来ていますので、やはり教育の本質ということから考えて、多様な学びに対応するための教科書の在り方等も含めて、ぜひ文部科学省の方から先にそういった議論、ここにも教科書のデジタル化ということを書いていただいているのですが、早くその検討を進めていただければいいなと望んでおります。
 以上です。

【小川分科会長】  はい。ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 もしも、これ以上御意見がなければ、基本的に今まで出された意見の多くは、きょう、資料1という形でまとめさせていただいた、意見のまとめ(案)の基本については了解していただけたのではないかなと思っています。
 ほかに、あと幾つかの指摘等々については、この意見のまとめ案をベースにしながら、加筆修正で十分反映することで、分科会としての御了解を得られるのかなという分科会長としての受け止めなんですけれども、そのようにさせていただいてよろしいでしょうか。きょう頂いた意見については、分科会長一任ということで、あと、事務局と私の方で、少し加筆修正をして、成案のたたき台について、再度分科会の委員の方にお送りして、御了解ということにさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【小川分科会長】  では、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。
 きょう出された意見については、今後の教科書制度の課題を早急に、引き続き検討してほしいという御意見も多々あったと思いますので、是非事務局としてもそうした意向を踏まえて、今後、さらに検討を進めていっていただければと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 それでは、議題1については、これで終わらせていただいて、次に2番目のOECD生徒の学習到達度調査(PISA2012)の経過について、事務局から御説明を頂きたいと思います。

【岸本参事官】  それでは、資料2を御覧いただきたいと存じます。OECD生徒の学習到達度調査(PISA2012)のポイントにつきまして、御説明させていただきます。
 本PISAは、義務教育修了段階の15歳児を対象といたしまして、知識や技能を実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを評価するものでございます。
 主な調査のカテゴリーといたしましては3つ。読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野がございます。2000年から調査を開始いたしまして、3年ごとに調査を実施してございます。各年度とも、重点的に調査する項目を決めておりまして、2000年は読解力、2003年は数学的リテラシー、2006年は科学的リテラシー、2009年は再び読解力で、2012年は再び数学的リテラシーを中心分野としているところでございます。
 65カ国の地域から約51万人が参加いたしまして、我が国では15歳児ということでございますけれども、高校1年生の段階、高等学校、中等教育学校後期課程、高等専門学校の1年生のうち、無作為抽出で選ばれました191校、約6,400人が調査に参加しております。2012年の6月から7月に掛けて、調査が実施されております。
 この結果の概要をまとめたのが、一番下のグラフを御覧いただきたいと存じます。それぞれ3つの項目につきまして、2000年から調査を開始しているところでございますけれども、重点的に調査を実施した年以降は、数値で比較できるような形になってございます。すなわち、読解力については2000年から、数学的リテラシーにつきましては2003年から、科学的リテラシーについては2006年から、数値の比較によりまして、例えば3年前と比べまして、数値が上がれば全体的に学力が上がっているということでございますし、下がった場合は下がったという評価ができるところでございます。
 これを見ていただきますと、まず読解力につきましては、2000年から2003年、2006年と低下したわけでございますけれども、2009年、2012年と右肩上がりで上がりまして、2012年は538点。OECD加盟国の順位が1位で全参加国の地域、括弧書きでございますけれども、4位という結果になっているところでございます。
 数学的リテラシーにつきましても、2003年から2006年に低下したわけでございますけれども、2009年、2012年と上昇いたしまして、536点、OECD加盟国は2位、全参加国地域は7位でございます。
 科学的リテラシーにつきましては、2006年から2009年、2012年と上がりまして、547点、OECD加盟国は1位、全参加国地域では4位という結果になってございまして、平均得点が比較可能な調査会以降、2012年、最も高くなっているというのが、まず特徴の1つでございます。
 続きまして、2ページを御覧いただきたいと存じます。上がOECD加盟国中の順位でございます。数学的リテラシーにつきましては、韓国が1位でございますけれども、読解力、科学的リテラシーにつきましては、日本が1位になってございます。下が全参加国地域の順位でございます。上位を見ますと、上海やシンガポール、香港などの地域が入っているところでございます。なお、このPISAにつきましては、基本的には国単位の参加でございますけれども、特に中国につきましては、全国として参加することが非常に難しいということで、例外的に一部の地域の参加を認めているところでございまして、このような結果になっているところでございます。
 次に、3ページを御覧ください。比較可能な都市ごとに、各国の平均点の変化についてまとめたものでございます。見ていただきますと、話題になりましたフィンランドにつきまして、若干低下している傾向が見られるというのが1つの特徴でございます。また、前回2009年から参加いたしましたシンガポールが、非常に上位だったわけでございますけれども、さらに点数を伸ばしているという状況が見られるところでございます。
 次に、恐縮です。4ページを御覧いただきたいと存じます。習熟度レベル別の割合の変化を見たものでございます。例えば、数学的リテラシーを見ていただきますと、習熟度が低いところからレベル1未満、レベル1、レベル2、一番高い方がレベル5、レベル6以上ということで並べたものにつきまして、それぞれ棒グラフになっておりますけれども、一番左が2003年の結果、右に2006年、2009年、2012年という形で並べているものでございます。
 これを見ていただきますと、数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシー、いずれにつきましても、習熟度が下位の部分につきましては、割合が減少いたしまして、上位の部分につきましては、割合が上昇しているということで、全体的に上昇しているという結果が見られるところでございます。
 このように得点自体を見ましても、また、習熟度のレベルを見ましても、今回の結果は非常にすぐれた結果になっているところでございます。このような結果になった要因といたしましては、様々なことが考えられるわけでございますけれども、例えば、基礎的、基本的な知識、技能と、思考力、判断力、表現力など、確かな学力を育成するための取組や、少人数教育の推進による、きめ細かな指導体制のある教育環境の整備、また、全国学力・学習状況調査の実施によります教育施策、教育指導の改善の取組などの成果が現れてきているものではないかと考えているところでございます。
 一方で、ほかの上位国、例えばシンガポールなどを見ますと、学力が向上している状況がございまして、世界的に学力の向上に熱心に取り組んでいる状況にあるところでございます。文部科学省といたしましても、引き続き教職員定数の改善など、きめ細かな指導体制の整備、理数教育の充実などを図った新学習指導要領の着実な実施とフォローアップ、さらに、世界トップレベルの学力を育成するための取組を進めることが重要であると認識しているところでございます。
 そのほかの、若干気になる点がございまして、5ページを御覧いただきたいと存じます。これは、数学的リテラシーに影響を与えます学習意欲の変化などについて見たものでございます。今回は、数学が中心分野でございまして、この中で、参加した生徒に5つの指標につきまして聞いてございます。1点目が「数学に関する興味・関心や楽しみ」で、数学の授業が楽しみであるかどうかという点でございます。2つ目が、「数学における道具的動機付け」ということでございまして、例えば将来必要だから数学を学ぶ必要があると、学びがいがあるという内容でございます。3点目が「数学における自己効力感」でございまして、具体的な問題につきまして、解く自信があるかどうかということを聞いたものでございます。4点目が「数学における自己概念」でございまして、総括的に数学は自分はよい成績を取っているかという、それに対する自信を回答したものでございます。最後5つ目が、「数学に対する不安指標」でございまして、例えば数学の授業についていけないのではないかと不安になることがないかという指標を聞いたものでございます。
 この5つの指標につきまして、一番最後の不安に関する指標は、プラスとマイナスを逆にして、五角形の図に表したものが真ん中の図でございます。外側にいけばいくほど、全体的に学習意欲が高いということになるわけでございますけれども、黒がOECDの平均で、点線が2003年の状況、実線が2012年の状況でございます。赤が日本の状況で、点線が2003年、実線が2012年の状況でございます。これを見ていただきますと、日本はOECD平均と比べまして、これらの5つの要素が低いという結果になってございます。
 他方、興味・関心や道具的動機付け、自己効力感につきましては、2003年から2012年の間に増加しているという状況でございまして、全体的に学習意欲等がOECD平均と比べますと低いんですけれども、改善の傾向が見られるというのが大きな状況になっているところでございます。
 以下、6ページ以降、若干細かい資料になりますけれども、同じように、数学の授業の雰囲気についてどうかと聞いたところ、日本につきましては、OECD平均よりも授業の雰囲気がよいという結果になっているところでございます。
 下の生徒と教師の関係につきましては、以前はOECD平均からかなり関係がよくないという結果があったわけでございますけれども、今回の調査では、かなり改善傾向が見られまして、OECD平均に近付いているという状況になっているところでございます。
 次に7ページを御覧いただきたいと存じます。就学前教育との関係について見たものでございます。就学前教育というのは、幼稚園、保育園、双方を含むものでございます。
 まず、これらの教育を受けている割合につきましては、日本は96.7%が1年より長い間、これらの教育や保育を受けているということになっております。これは、OECD平均の73.4%よりも高い数値になっているところでございます。
 この就学前の教育歴と、今回、数学的リテラシーの得点等の関係を見たのが、一番右の3つでございますけれども、1年より長い期間、これらの教育や保育を受けているものが540点と一番高い結果になっているところでございます。
 下が学校外の学習環境の中で、インターネットの利用状況について、それぞれ得点との関係を見たものでございます。左が平日の状況でございまして、それぞれ3つの線が数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシーの点数が、上にいけば高いという関係で書いたものでございますけれども、これを見ますと、大体1日に31分から60分インターネットを利用している生徒が一番得点が高いという結果になってございまして、これ以上利用時間が増えますと、得点が下がるということで、インターネットの使い過ぎはよくないという傾向が見て取れるところでございます。
 最後、8ページを御覧ください。今回、PISAの調査のオプションといたしまして、デジタル数学的リテラシーと、デジタルの読解力につきましても調査を行っております。これは、実際にパソコン上で問題を解きまして、問題を解くためには、例えばホームページにアクセスしたりとか、コピー・アンド・ペーストの作業、またeメールの送受信など、いわゆるICTリテラシーに関する技能をプラスアルファとして持ち合わせていることが、解くためには必要となっているところでございます。
 この結果は、デジタル数学的リテラシーにつきましては、日本は全参加国地域中6位、デジタル読解力につきましては4位という結果になっているところでございます。
 私からの説明は、以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。今の説明について、何か皆さんの方から、御意見、御質問ございますでしょうか。では、細谷委員、どうぞ。

【細谷委員】  失礼いたします。今回のこのPISAの調査結果、私の方にもデータが幾つか来て、取材等も受けたんですけれども、今事務局の方がおっしゃられたような分析を、大体私たち全日中もしております。やはり、今の学習指導要領が、非常に言語活動、思考力、判断力、表現力といったものの指導について、かなり重きを置いたものであることと、理数教育についても重きを置いたというのが、移行期間から含めて、現在に至るまで、小学校と1年違いますけれども、中学校でもかなり取組が多くなってきたという結果があるんだろうという気がいたします。
 本校を見ていても、かなり意識的に言語活動については取り入れておりますので、今回の結果をある程度は――、この間の全国の学力調査でもそういう結果が出てはきたんですけれども、そういう気がいたします。
 それと、もう一つは、今回余り出ていないんですけれども、秋田とか福井のような、全国の学力調査で非常に高得点が出ているところもやっておりますけれども、いわゆる放課後や家庭での学習時間ですね。小学校はどうだか分からないんですけれども、全国的に授業以外の学習時間も増えているんですね。やはり、それもかなり大きな影響があるんじゃないかなという気がいたします。
 ただ、まだ中学校においては、言語活動というのが、実を言うと、まだ苦手な分野なんですね。全教科において、苦手とする教員が多いということで、今の学習指導要領が始まって、中学校はまだ2年目ですので、今後、言語活動の推進、活性化ということで、各地区の校長会でも、今、取り組もうという話も出てきておりますので、こういう形でいけば、別にPISAの学力がどうのこうのという問題よりも、いわゆる国の方で考えている、こうした学力全体の底上げができてくるんじゃないかなという気がいたします。
 もう一つ申し上げたいのは、学校だけでなく、こういった、特に思考力、判断力、表現力についての子供たちの学力を伸ばすための1つのお願いという気がいたしますけれども、最近、各企業とか、あるいはこういった官庁や何かでもやっていますが、何とかコンクールというのがありますよね。表現力コンクールや何か。ああいうものというのもやっていただけると、学校は今、どんどんそういうものに参加してやる。それは、やはり子供たちにとっても刺激ですし、あれはいろいろな商品も付きますし、賞状も付きますけれども、そういう意味で、非常に子供たちの知的活動を後押ししてくれるものですから、そういう意味では、社会総掛かりでという言葉を使いますけれども、そうやっていただくと、学校としても、大変ありがたいかなと思います。
 最後に1つ、学習意欲が低いという、今までよりも少し上がってはきているんですけれども、学習意欲につきましては、やはりこれもまだ我が国の学校教育の中では、一番置き去りにしてきたんじゃないかなというのが、自分で考えて表現することについて、指導者が認めて評価してあげるという、いわゆるプラス評価の部分、こういった指導というのが、まだまだ遅れているんですね。こういったものも、例えばポートフォリオ評価のような、個人内評価というものを、かなり教育活動に取り入れていくという取組をしていくことによって、学習意欲というのは、さらに上がっていくのかな。
 実際に言語活動というのは、そういった個人内評価や何かのプラス評価がセットになっていなければいけないものなんですけれども、そういう形でセットになったものでこれから進めていけば、さらに学力は上がっていくのではないかなという気がいたしますし、中学校の方も、そういうものを教員全員で認識させた上で進めていきたいなと。要するに、学ぶことは楽しいことなんだということを、子供たちの中に浸透させていきたいなと考えております。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。学力の方の専門家もいらっしゃいますので。はい、では、天笠さん、どうぞ。

【天笠委員】  こういう結果、大変関係の方々の御努力の成果であるということで、まさに御同慶の至りと、まずは申し上げてよろしいのではないかと思っております。
 その上で、さらに、これはいろいろな形で分析を今後されていくのではないかと思うんですけれども、そういうときに、是非これから申し上げるような観点からも分析を加えていただきたいなと思って、お願いということで申し上げたいと思います。
 それは、我が国の教育課程の在り方というのが、今回のこういう結果とどういうふうに結び付いてこういう成果が現れたのかどうなのか。そのあたりのもう少し緻密な分析が欲しいところだということで、例えば各教科がどういう形で絡んでいるのかとか、あるいは総合的学習の時間がどうこれに貢献したのかとか、あるいは各教科の相互のつながりとか、教育課程全体としてどういう相乗効果があって、そしてこういう国際比較の成果につながっていくのかどうなのか、そのあたりの分析が、きょうの御説明ですと、まだ弱いような感じがしまして、是非そういう点で教育課程の中に踏み込んだ分析等々を是非お願いして、そのことについての見解を、またしかるべきときにお伝え頂けないかなと思っております。
 どういう教育課程を組んだことがこういう成果につながったのか、その前の教育課程と、現行の教育課程のどこがどういう形で、こういう変化をもたらしたのか、そういうことの見解とかデータを得ることが、次への展開に必ずつながっていくことになっていくのではないかと思いますので、是非そういう点についての検討をお願いしたいと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  はい。ありがとうございました。ほかにいかがですか。では、堀竹委員、五十嵐委員、そして北城委員ということで、この3人で終わらせたいんですけれども、よろしいですか。はい。

【堀竹委員】  貴重なお時間ありがとうございます。
 小学校教育という立場から考えたときに、やはり小学校教育の影響というのは、家庭教育と密接なつながりが1つあるだろうと思っています。先ほど天笠先生の方からも、もう少し分析の幅を広げてということがございました。やはり高校生の学力の一番の基礎になるのは、家庭教育と結び付いた幼児教育、小学校教育だろうと思いますので、そういった視点も加えていただければ、大変ありがたいなと思っているところでございます。
 それから、2点目でございますが、結果の公表というところでございます。やはりこの間、保護者の方々の学校教育に寄せる期待というのは、大変大きいという状況でございます。そうしたときに、全国学力・学習状況調査と同じように、PISAの学力の結果の公表ということについても、大変保護者の方々は強い関心を持っていると思います。
 そうしたときに、是非発表の仕方の中で、もう少し保護者に分かりやすいという、この学術的な分析も必要だと思いますけれども、先ほど申し上げた家庭との連携ということを考えたときに、データの公表の仕方について、少し工夫をしていただくことがお願いできたらという考えでございます。
 以上でございます。

【小川分科会長】  五十嵐委員、どうぞ。

【五十嵐委員】  ありがとうございます。私も分析の結果、楽しみにしております。
 今回の結果なのですけれども、2003年、6年と、非常に結果が悪かったときに、学校現場は非常に批判されました。学力低下の原因だということで随分苦しい思いをしていました。しかし、これも実は2003年よりも前に、遠山文部科学大臣のときに、「確かな学力の向上のための2002アピール『学びのすすめ』」というのが示されています。本当に、実に明確で、もうそこには既に、みずから学び、みずから考える力、それから、基礎基本を定着させること、先ほど事務局がおっしゃられたように、少人数指導、習熟度別の指導、そういうきめ細やかな指導の教育環境のことや、また家庭教育や学びの機会、学びの習慣ということまで、きちんと触れられています。それが、やっと10年掛かって、それぞれの現場が一生懸命努力を積み重ねた結果が、やっと出てきたのかなと考えています。
 それで、今回のように、このOECDの報告書はかなり分厚いもので、全部を翻訳されていないので分からないのですが、たったわずかなランキングのところだけで楽観的になったり、悲観的になったり、右往左往することなく、私たちは冷静にこれからを生きていく子供たちの21世紀の学びをしっかりと考えていかなければならないのではないかなと思います。
 そこで、やはり今までどおりきちんと努力を重ねると同時に、新たに私は次の2点が必要だと思います。その1つは、先ほどの結果にも事務局が話されましたけれども、日本の児童生徒の意欲、モチベーション、それから自己効力感を上げて、素直に前向きに取り組む態度を育てるということを第一に置かなければいけないのではないかということ。
 それから、もう一つは、この調査、PISAでは計れない、これからの21世紀に必要な能力の育成ということにも目を向けなければいけないのではないかということです。例えば、先般出された、第2期の教育振興計画に、自立、協働、創造を目指して、主体的な学びを実現していくというのがありましたけれども、まだ学校現場にはすとんと下りてきていません。前の2002アピール「学びのすすめ」のように、具体的な手立てをもっと広く学校現場や保護者にも伝えるように、もう少し文部科学省としてもPRしてもいいのかなと思っています。
【小川分科会長】  では、最後、北城委員、どうぞ。

【北城委員】  全体としては、学力が上がったことは、大変結構なことで、それぞれの方々の努力の成果だと思うのですが、一方で、ここにも書かれているとおり、「数学における興味・関心や楽しみ」とか、「数学における道具的動機付け」とかの低いことが気になります。動機付けは低いけれども、学力は高いという格好になっているので、それが本当に好ましいことなのかということです。本来ならば、数学を学ぶことがおもしろいとか、数学を学ぶことが必要だという動機があって、その結果として学力が高いということが好ましい。学力が上がったこと自体は良いのですが、高校とか大学の進学とか、しばしば学力で子供を計るということばかりに目がいってしまうと問題です。
 学力が高いということはすばらしいとして、動機が低いその背景を調べるために、子供たちがどういう気持ちで学んでいるのだろうかというところも分析していただきたい。子供たちが生き生きと学んで、その結果、学力が高いということが、子供の将来、自己肯定感とかを高めるためにも大事です。そういうような分析した上でほかの国の成績と見比べることによって、現状で何か問題となっている背景が見つかるのではないか思うのです。
 例えば、フィンランドはどうなのか、逆にシンガポールはどうなのかとか、幾つか成績の高い国、あるいは国際社会で我々が競争しているような国の学力と、その国の子供たちの関心事等がどういう関係にあるのか。また、どういう教育をすることによって、学ぶことが楽しく、なおかつ学力が上がるのかというあたりのことをよく検討していただければありがたいですし、それが、将来の子供の活躍にも関係すると思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 事務局の方に、今、質問というか、要望がいろいろ出たんですけれども、何かこの場でお答えできることがもしもございましたら、少しでも構いませんので、よろしくお願いいたします。

【岸本参事官】  様々な貴重な観点を頂きましたので、これから我々としても、小学校の状況も含めまして、また今回のPISAの結果も含めまして、しっかり分析をさせていただきたいと考えております。

【小川分科会長】  はい。ありがとうございました。
 それでは、時間も迫ってきていますので、この2の議題については終わらせていただいて、次の議題3、グローバル化に対応した英語教育改革実施計画の公表について、これは国際教育課から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

【神代国際教育課長】  国際教育課長の神代です。資料3に基づきまして、御説明いたします。
 今年の5月、教育再生実行会議の第3次提言におきまして、英語教育に関して提言がございました。小学校の英語学習の抜本的拡充ですとか、中学校における英語による英語授業の実施、それから、初等中等教育を通じた系統的な英語教育について検討するといった中身でありますけれども、これも踏まえまして、文部科学省として、今後英語教育をどのように改革を進めていくのかということにつきまして、今申し上げたような教育課程の中身とともに、それを実現するためのもろもろの体制整備ということも含めて、またそれを計画的にどのような時間軸で実現していくのかといったスケジュールも含めた形で、一体的なものを先週の金曜日、大臣の方から閣議後の記者会見の中で発表したものでございます。
 以下、この中身について簡単に御説明をしたいと思います。まず、1ポツの「グローバル化に対応した新たな英語教育の在り方」でありますけれども、現在、小学校においては、御承知のとおり、5・6年生において、週1コマ、教科ではなくて、外国語活動という形で行われておりますけれども、これをまず開始学年を小学校中学年、3・4年生に引き下げます。その中で、現在行っておりますような活動型のものを週1コマから2コマ程度行いたいと。ここでコミュニケーション能力の素地を養うとともに学級担任を中心に指導していただくということであります。
 それから、5・6年生、高学年につきましては、現在の活動型から教科という形で行っていくと。また、週3コマ程度の時間をここで確保したいと考えております。こういうことを通じまして、初歩的な英語の運用能力を養うとともに、英語指導力を備えた学級担任に加えて、専科の教員を積極的にここで活用していくということをまとめたところであります。
 それから、それに伴いまして、中学校においては、身近な話題についての理解や、簡単な情報交換、表現ができる能力を養うことを目的として、授業を英語で行うことを基本とするという形で変えていきたいと考えております。
 それから、高等学校については、今年度から高校1年生において、英語の授業を英語で行うということを基本とする中身が既に実施されておりますけれども、これをさらにそういった形の授業を高度化するために、発表、討論、交渉といった活動を取り入れることで、言語活動をより高度化し、幅広い話題について、抽象的な内容を理解できる、英語話者とある程度流暢にやりとりができる能力を養うといったものを目指したいと考えております。こういった改革とともに、小・中・高校を通じて、一貫した学習到達目標を設定することによりまして、英語によるコミュニケーション能力を確実に養っていきたいと考えております。
 また、これと並行した形で、日本人としてのアイデンティティーに関する教育の充実、伝統文化、歴史の重視といったものも並行して進めていきたいと考えております。
 2つ目に、こういった今申し上げたような英語教育の内容を実現するための体制の整備というものも一緒に進めていく必要があります。これは、できるものから来年度の予算で計上していくものもありますし、そういったものを通じて、できることから着実に実施をしていきたいと考えております。
 まず、第1に小学校における指導体制の強化ということで、特に高学年で教科型の授業を実施するとなりますと、それができるような専科の教員の指導力、あるいは現役の英語の先生方の指導力の向上というものを併せて図っていく必要があると思います。こういったものを図るための研修授業というものを随時行っていきたいと考えております。
 それから、中学校・高校におきましても、同じように指導体制を強化していくということでありまして、全体的な英語科の教員の指導力を向上するとともに、中学・高校の英語教員につきましては、現在、達成すべき英語力ということで、英検準1級、TOEFLiBT80点以上の英語力を求めているわけでありますけれども、これを全ての英語科教員について、こういった英語力を確保するということを目指してまいりたいと考えております。
 それから、外部人材の活用も非常に大事と考えておりまして、JETプログラム等で招聘しております外国語の指導助手、ALTの配置の拡大、あるいは地域でいろいろな形で英語の堪能な方、あるいは社会教育という中で、英語教育をやっておられる方もおられますので、そういった方々の活用も積極的に促進していきたいと考えております。
 それから、指導用の教材というものも、併せて開発する必要があると思っております。特に小学校の段階で、今御承知のように、『Hi, friends!』という教材を配付しておりますけれども、これよりもさらに先の内容、高度な内容も取り扱ったような教材ですとか、あるいはICTで生徒たちの自学、自習ができるような教材も併せて開発していきたいと考えています。
 このような教育課程の改革及び体制の整備というものを並行して、一体的に進めていくということで、小・中・高の各段階を通じて英語教育を充実し、生徒の英語力を向上させると。高校卒業段階で、現在は英検準2級から2級という学習到達目標を定めておりますけれども、これをもう1段階、ワンステップ上げるような形で考えたいと思っております。
 それから、それに非常に関連する話といたしまして、大学入試の問題もありますけれども、これも最近の教育再生実行会議での提言も踏まえた形で、英検とかTOEFLといった外部検定試験を大学入試においても積極的に活用すると。特に読む、書く、聞く、話すという4つの技能を大学入試においてきちんと測定するような形で入試を行っていただくといった改革も、並行して進めていきたいと考えております。
 今後のスケジュールでありますけれども、今申し上げたような中身につきまして、来年早々にも有識者の会議を設置し、より専門的、技術的な検討を行っていただきたいと考えております。これを踏まえまして、中央教育審議会で学習指導要領全体の改訂についての議論が行われますので、その中に有識者会議の提言を反映し、それで2018年度から段階的に先行して実施するようにしたいと。それで、東京オリンピック、パラリンピックの開催が予定されております2020年度には、全ての学年において、あるいは小・中・高全てにおいて、今申し上げたような中身の改革が完成するといったものを目指して、今後、できることから着実に実現してまいりたいと考えております。
 私からの説明は以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。今、資料3に基づいて御説明がありました。これについて御意見、御質問がありましたら、御発言。では、こちらから田邉委員、そして無藤委員という、こちらからいきたいと思います。はい、どうぞ。

【田邉委員】  グローバル化に対応した英語教育ということで、スポーツとの関わりという点でお話しさせていただきます。
 まず、4年に一度、夏のオリンピックが開かれておりますけれども、今まで夏のオリンピックを開催した都市はたった3つでありまして、その中でロンドン、パリ、ロサンゼルス、その中に東京が入ってくる状況です。また、ロンドンオリンピックを経験されたIOCの委員の方から、オリンピックが来るということは、日本から世界を変えていく絶好の機会ですよということを日本国民全員が理解して、自覚してほしいというメッセージも頂いております。
 その中で、今IOCが2010年、ユースオリンピックゲームというのをシンガポールでスタートしまして、ここでは若者へのスポーツへの関わりということで、スポーツを通した文化教育プログラム、そしてスポーツ競技というところを2つ持った大会が2010年、シンガポールからスタートしております。そして、冬は2012年インスブルックで、2014年、来年度は中国の南京で行われるということで、IOCはじめスポーツ界としても、若者へのスポーツの関わり、そして世界に羽ばたく若者のリーダーの教育作りというところを行っております。
 そして、オリンピックが来るということで、もちろん国内の中に事前の強化合宿であったり、調整合宿であったりということで、東京だけではなくて、日本の各地域においても様々な機会で日本の文化を発信する機会であったり、国際交流、それからボランティア活動に参加する機会があるのではないかなというのを強く感じております。ですので、オリンピックという1つの大きな世界的なイベントを通して、世界に羽ばたく若者へのリーダー教育をするよい機会ということになるのではないかなということを強く感じております。
 以上です。

【小川分科会長】  はい。ありがとうございました。では、無藤委員、どうぞ。

【無藤分科会長代理】  はい。英語力の問題ですけれども、先ほどのPISA調査でも世界的にトップな地域ではありますけれども、上海、香港、シンガポールです。日本はこれから、とりわけアジア圏の中で、競争というだけではなくて、それらの地域、国と連携し、協力しながら仕事をする大人たちを育てる必要があると思うので、そのための道具としての英語は不可欠だと思います。そういう意味で、この計画は非常に望ましいものだと考えます。
 その際に、1つだけ私は加えたらどうかと思うことがあります。それは、中・高生、あるいは小学生を含めての英語力の客観的な評価の問題です。ここの提案では、外部検定試験を利用しながら、どの程度の割合の高い英語力の生徒がいるかのチェックをするということが提案されているかと理解しました。
 それは、上位レベルの人間がどのぐらい出るかという意味では有効なやり方だと思いますが、その一方で、中学などの全体的な英語力の水準というものは、教育課程の検討が必要だと思います。それは、全国の抽出調査を、やはりすべきではないか。小6、中3で現在やっているようなほどの大規模である必要はないと思いますけれども、それが望まれると思います。
 それから、もう一つは、研究レベルの問題で、英語教育、今、特に小学校では非常に多様な試みがなされていると思いますけれども、それで本当に効く要因というものを明らかにすべきだと思います。例えば、一部の地域では、小学校1年生から小学校の英語指導を入れているかと思いますが、あれが本当に中3卒業時の英語力を上げているのか、上げていないのかということは、全く分かっていないと思います。
 その際に、単にアンケートで英語が好きになったかというのでは、全く意味がないと思います。そうではなくて使える英語、言い換えればリスニング、スピーキング、また読み書きまで含めての総合的な英語力のチェックというのが必要です。
 それは、大学入試センターのように、本格的に個人ごとの意思決定まで考えると、非常に費用が掛かりますけれども、そこまでではない研究レベルで言えば、クラス単位の集団式のテストで十分可能なのでありますし、それは既に幾つもテストが開発されておりますから、やはりそれを行うべきだ。特に、研究開発学校などの指定については、それを義務付けるだけで、一気にデータが手に入るわけですから、そういうことをなさったらどうかと考えます。

【小川分科会長】  はい。ありがとうございました。篠原委員、どうぞ。

【篠原委員】  2点ばかり申し上げたいんですけれども、1点は、英語教育のこういう計画をお作りになってやっていくことは、私も基本的に賛成なんですけれども、一方で、やはり国語教育という問題も非常に大事な教育の柱だと思うので、こことうまく両立させるように、これをやることによって、学校現場ではそうでもないと思いますけれども、保護者とかになると、すごく、ああ、もうこれから英語だ、英語だというところへずっと偏っていく心配を、ちょっと僕はしておりまして、その辺をうまく両立を図っていくということでやっていただきたいなと。いくら英語ができても、ここに書いてあるように、日本のことをしっかり勉強して、日本語がこなせない人がグローバル人材になるとは私は思えませんので、そこのところをきちんと押さえて進めていく必要があると。これが1点です。
 それから、もう一つは、2018年度から段階的に全校実施、2020年度から全面実施ということで、大分タイムラグがあるんですね。ということになると、対象の子供たちを引き下げて視野に捉えていかないといけないんじゃないかなと。例えば、今の幼児の段階の人たちが、今度小学校へ入って、この対象になってくる。今の高校生の人たちは、ほとんどこの改革では影響がないとか、そういうようなずれがずっと出てくるので、この対象年齢をきちんと広く捉えていくというふうに持っていかないと、大学の入試改革もそうなんですが、あのとおりにいったって、実際にあれができるのは、五、六年先だと思うんですよ。そうすると、今の高校生は基本的に関係ないんですよ。だから、そういうようなことを、ちょっとよく整理して、幅広に対象年齢を引き下げていって、そこを視野に入れて、きちんとそういうところにも発信をしていくようなことをしないと、実態とずれが出てくる可能性があるなと。この2点、ちょっと申し上げます。

【小川分科会長】  はい。ありがとうございました。

【北城委員】  いいですか。

【小川分科会長】  はい。すみません。

【北城委員】  基本的にはグローバル化に対応した英語教育を充実するということは、大変結構なことだと思いますし、私も国際社会で仕事をする上で、英語力では大変苦労したので、こういうことは重要だと思うのですが、その上で4点述べさせていただきます。
 1つは、大学入試改革についてです。基本的には4技能測定可能な方法で大学では入試が行われるようにすべきです。これは、高大接続部会とか、いろいろなところで議論されていますけれども、大学で今のような入試の形にならないようにしていくことが必要だと思います。
 それから2番目が、英語教育を行う教員の養成です。どういう英語教育を行うことが最も効果的かというのは、常に議論があることですし、検証も必要だと思うのですが、一方で、英語を母国語としない子供たちに英語を教える英語教育法については、アメリカでは大体修士課程のコースがあります。少なくともそのレベルぐらいの教育を受けた教員を養成していく必要があるのではないかということです。
 それから3番目は、外国人による英語教育です。これも、非常に重要なのですが、外国人といったときに、英語を話せる外国人なら誰でも良いということではなくて、基本的にはアメリカ英語を話す人を中心にしていった方が良いと思います。オーストラリア人の英語を習っても、それとアメリカの英語とでは随分違います。あるいはニュージーランドとか、英語をしゃべる人はイギリス人とか、英語を話せる人はたくさんいますけれども、基本的には国際社会で議論するときにはアメリカ英語が使われます。従って、主としてアメリカの英語を話せる人を配置していただいたらいいと思います。
 最後、4番目なのですが、流暢にやりとりができる能力についてです。TOEFLとかTOEICの点数が高くても、国際社会でうまくコミュニケーションできないということがあります。論理的に説明する能力だとか、どういうふうな表現をすれば、海外の人が理解してくれるのか、という点です。日本人が作る資料は、画面にたくさん文字が書いてあって、それでは国際社会ではうまく説明できません。また、日本人はよく図を描きます。たくさん図を描くと、日本人は図で理解できるのですが、御存じのように、アメリカ人に家を紹介するときには、地図を描かないのです。基本的には、「真っすぐ行って、2つ目の信号を右に曲がって」とか、そういう文章で書く人たちに対して、地図を描くと分かるという発想では適切に伝達できません。そういう意味で発表とか、討論とか、特に論理的な思考力とか、どのように相手を説得するかが課題です。高校とか大学段階ではそういう英語力も入れていかないと、英語は話せても、国際社会では仕事ができなくなってしまいます。そういう意味で、ある程度ビジネスの面で経験のある人たちの意見も英語教育の、特に高校レベルなどでは考えていただきたいと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  吉村委員、どうぞ。

【吉村委員】  ありがとうございます。私は今、県教育委員会で英語教育に携わっている者として意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、今回出されました実施計画は、非常にすばらしいものだと感じております。また、英語教育に携わる者として、これをどのように国民はもちろんですが、それぞれ行政で携わっている方、大学で携わっている方、学校現場で携わっている方に、きちんと伝えていくかが、大事だと思います。
 先ほど、篠原委員からありました保護者にも、やはりこれが英語だけだという誤解も与えないよう、きちんとした伝え方というのも必要だと思っております。
 今回、この計画の中で、特に私自身、大切であると感じていますのは、研修のあり方も含め、指導体制の構築が図られ、きちんと線でつながっていくことだと考えております。
 例えば、今回の5ページにありますように、研修の在り方についても、非常に具体的に示されております。英語教育の推進リーダーを、まず国で養成し、県で中核教員を養成し、中核教員が各学校できちんと校内研修を行うというシステムが線で示されております。
 私たち行政で研修に携わっている者として、各大学などで研修を行っている場合もございますが、若手教員の育成が大きな課題ではないでしょうか。そのような視点からも、教員養成の段階から、そして初任研、5年目、10年目等ありますが、研修会が1回1回のみで終わらずに、きちんと線で繋がったものにしていくことが大切だと感じております。
 また、学校現場におきましても、ここにも記載されておりますが、小・中・高一貫した目標を持って行っていく。そのためには、市町村教育委員会と県の教育委員会が連携し、そして、各校種の先生方が連携しやすい体制をとることが必要だと感じております。
 以上です。

【小川分科会長】  細谷委員。

【細谷委員】  はい。

【小川分科会長】  すみません。細谷委員、そして最後に……。

【橋本委員】  お願いします。

【小川分科会長】  こちらも。はい。では、すみません。30分で終わらないと思いますので、よろしいですか。分かりました。はい。では、どうぞ。

【細谷委員】  はい。すみません。この計画、すばらしいと思います。オリンピック、パラリンピックを見据えてという動機付けもいいと思います。私もこの間、オリンピックが決定したときに、朝礼で子供たちに、特に私のいる港区は宿泊施設がたくさんあるので、外国人が7年後はたくさんいる。そういった意味で、ボランティアの形でやるのには、やはり英語が必要だねという話をしました。
 その中で、実は港区は、小学校1年生から既に英語活動をやっておりまして、いろいろな課題が出ておりまして、そういう意味で、この計画を進めるに当たって、是非文科省の方には、これから先、これも頭に入れておいていただきたいということが2つほどございます。
 1つは、小学校の英語活動が、現在、音声言語だということです。それによって、非常にうちの子供たちにもよく言うんですけれども、もう英語がつまらないと。英語嫌いがかなり増えています。この間も、たしか学力調査でも、そういった傾向が出ていたと思いますが、つまり中学校に入ると文字言語ですから、物すごい数の単語が来ますから、それでもうだめなんですよ。既に小学校時点で、もう嫌だと言っている子が随分いるんです。これは、アンケートでも、本校で取りましたけれども、出てきています。
 今回のこれを見ますと、高学年では読むこと、書くことというのも入っておりますので、文字言語が入ってくるんだと思っておりますが、是非小・中・高の指導内容もそうですし、指導方法も含めた、系統的なカリキュラムをもう一度十分検討して進めていただけるとありがたいなと思います。
 もう一点は、中学校の教員のレベルアップについてなんですが、実は先日も全国の校長先生方で話題になっているのが、若手教員が、今潰れ掛かっていると。特に英語が多いんですよ。実は、御存じのように、中学校の英語は、今まで週3時間でずっときていたのが、週4時間ですね、3年間。それで、授業数が増えた。さらに、今の若い先生は、研修が非常に多いということもありまして、さらに中学校は部活動も持つわけですね。そういうことで、非常に負担が多いと。これを見ますと、特に若手あたりを中心に、研修がさらに増えていくのかなといいますと、今、学級数が御存じのように40人学級。そして、持ち時数が公立の中学校は週に24時間持たなきゃいけない。この上、さらに言語活動には、先ほどポートフォリオ評価と言いましたけれども、非常に教材研究だけに時間が掛かる指導要領なんですね。
 そういう意味では、今の状態の教員の勤務条件等も含めて、今のままでいきますと、肝心の指導者がいなくなってしまう。下手すると、教員採用を受ける人がいなくなってしまうという、非常にその辺が、中学校の校長会での大きな話題なんですね。
 是非、7年後です。子供たちが育つ前に、指導者の方の育成というものを、そういう意味で大切に考えていただけるとありがたい。部活動の指導もできなくなると、今度はオリンピックの選手も育てられなくなりますので、その辺も含めてよろしくお願いしたいということです。
 以上です。

【小川分科会長】  銭谷委員、どうぞ。

【銭谷委員】  すみません。時間のないところで恐縮でございますが、大変意欲的な実施計画で、私はいいと思います。是非これを進めていただきたいと思うんですが、ちょっと条件が幾つかありまして、1つは、今、細谷先生がおっしゃったことに、私は全く賛成でして、カリキュラム面で必ず小学校・中学校・高校という一貫したカリキュラムというのを、是非きちんと検討していただきたいと。
 それから、2点目には、教材、それから担当教員の問題について、きちんと財政措置を講じていただきたいと。それができないと、恐らく計画はうまくいかないと思いますので、教材、これは教科書を含めてですが、教材整備、教員の配置、あるいは外部指導者の導入等について、十分な財政措置を計画的に行っていただきたいというのが、2つ目のお願いです。
 それから、3点目ですけれども、先ほどのPISAの調査結果でも現れていましたが、今、教育の面、学力の面で大変成功しているのは、ほとんど東アジア、ないしはアジアの各国、都市です。しかも、これらの都市、あるいは国は、日本に先駆けて英語が主たる言語ではない国ですけれども、英語教育を小学校から取り入れて、かなり成果を上げている。もちろん課題もあります。
 ですから、実施に当たっては、先ほどの学力の問題のところで、実は申し上げようと思ったのですが、日本は、ヨーロッパで成功した国は、フィンランドなどのように、すぐ私どもも調べに行きましたけれども、アジアでうまくいった国というのは、余り注目しない傾向もありますので、むしろ謙虚にアジアの国の学力ないしは英語教育で成功している国、地域の実情をきちんと調査をするということを私はやった方がいいのではないかなと思います。それらも踏まえて、是非この計画が実現できるように、当局において御配慮いただければありがたいなと思います。
 最後に、あと1点だけですけれども、これらの施策と併せて、外へ出たがらない日本人ということがありますけれども、大学生はもちろんですけれども、高校生の海外留学を勧める施策を併せて、是非推進していただきたいというお願いでございます。

【小川分科会長】  はい。ありがとうございました。予定の30分が過ぎていますけれども、ちょっと重要なテーマですので、先ほど挙手されている方、全員よろしいでしょうか。まず、こちらから。

【橋本委員】  ありがとうございます。地方におりますと、外国人に出会わないでずっと大きくなるというところで、この話というのは、一部の国際的に活躍するという人たちなのではないかというのが、一般的な印象があると思いますが、やはりこれからを考えたときには、どの地方にいても、農業をはじめ、様々な物作り産業が生きていくためには、そういう国際的な視野で立ち向かっていくということが求められているところであります。そういう意味で、やはりグローバル人材の基、基礎となる資質・能力を高めるということは大事なことですし、このように強化されるということは、大変大事なことではないかと思っております。
 一方、どうしてうまく子供たちに英語がいかなったのかということを考えますと、やはり学習意欲というか動機付けということがうまくいっていなかったと思います。やはり英語を使って分かり合えたとか、楽しかった、何とかして英語で分かってほしいという場面を適切な発達段階に応じて作っていくということが、どうも英語教育という一本の堅い受験型といいましょうか、そういう中に押し込められていたのではないか。ですから、ここは抜本的に子供たちが道具としての英語を使って、自分の表現とか考え方が出せるという抜本的な英語教育の改善ということをしていかなければいけないと思います。
 最後に、教員採用についてなんですが、県では特別枠で1級等を持っている方を採っているんですが、英語力イコール必ずしも英語指導力ではないということを実感しております。ですから、その辺をやはり養成課程にも、また充実していただきたいと思いますし、また採用したからには、その辺も充実していかなければ、なかなかうまくいかないと感じております。
 以上です。

【小川分科会長】  はい。では、吉田委員、どうぞ。

【吉田委員】  ありがとうございます。今回のグローバル化に対応した英語教育の改革というのは、内容はいいと思うのですけれども、実際にこれをやるに当たって、私が大きく疑問に持つのは、例えば中学校で英語で授業をやることを強制する云々ということもあります。ただ、そうした場合に、今の日本の英語教育というものをどう捉えていくのか。ただ、実際に私は、日本という国においては、英語の文法も何も絶対必要だと思います。
 今の英語教育をやったままで、そこで今度はTOEFLiBTの57以上云々ということがありますけれども、TOFELiBTとかになった場合に、単語の数だけでも、もう倍以上違います。そうすると、今の英語の授業の倍以上のものをやらなかったら、ある意味不可能だと思います。それが、また全員に本当に必要なのかどうか。
 今、小学校の英語の話を細谷先生はなさっていましたし、それから、篠原委員も国語のお話をなさっていたんですけれども、実際に小学校3年生から英語をやることによって、逆に英語嫌いを作るという可能性は大なのではないか。
 これは、実は私自身の経験なのですけれども、60を過ぎていますけれども、小学校のときに私立で、英語が2年生からあった学校なんです。この学校から、小学校に入って、大学を卒業するときまで、ストレートに残っている人は、2分の1ぐらいしかいません。残りの3分の1ぐらいは、落第をしている。それから、下手すれば、残りの人は途中でいなくなるぐらいだったんですけれども、その中で、一番中・高で教科として問題があったのは英語なんです。それは、小学校のときに英語をやってきて、中学校へ行って怠けちゃう部分があったのかもしれません。ただ、実際に、もう小学校で英語嫌いを作っていた実態というのもあると思うんですね。
 では、英語が好きな子をもっと伸ばしてやろうという形でやれるんだとしたらいいと思うんですが、実際に今、うちの学校でもTOFELやIELTSに対応したアカデミックイングリッシュという授業をやっています。これは希望者だけで、ネイティブの先生に、1つのクラス六、七人でやらせています。これは、まさに英語だけで授業をやって、それから発表とか、討論とか、交渉といったことも、全てやらせています。この子たちが、ようやくやっていって、高3でiBT、極端な言い方をしたら70取れればもう最高ぐらいになってきていますけれども、そういうことをやるだけにもすごく労力も必要だし、先生の数も必要だと思うんです。
 そうすると、カリキュラム全体の問題はどうなるんだろうかと。きょう、学習指導要領のことも最後に書いてありまして、我が国の歴史や伝統文化、国語に関する学習の一層の充実のための方策も必要だとかあるし、それから、歴史等も小学校で84時間、中学校で35時間増やすとかありますけれども、そこに英語がこれだけ加わり、子供たちは、勉強を一体何から何をすればいいのか、どこまでそこに余裕があるのか心配です。
 それから、教員採用の件もございましたけれども、実際に私も、ここ3年ぐらい、iBT80以上の教員というのを、1つの条件で教員採用を公募しました。そうすると、英語で来る人はそんなにいません。逆に、理数系でiBT80以上なんていう人はいます。英語科の80以上をせっかく採用しようと思っても、実は海外に留学しちゃうとかになってしまう。
 そうすると、本当にこういう教員を育てられるのかどうか、今のこの忙しさの中で、先生方がそこまでのことができるか。たしかグローバル化の最初に調査したときに、今、公立高校の7割近くが英検1級以上、iBT80以上クラスを持っています。それから、中学校でも40%とか何とかという数字があったと思うんですけれども、あれは、もう英検の準何級とか、いろいろなものを混ぜての数字で、本当の意味での数字ではないのではないかなと。そうすると、それを培って教育をやっていくということは、かなり難しいのではないか。
 そうすると、ここで抜本的に指導要領を改訂するなり何なりも、早急にやらなければいけないし、それから、子供たちの意思意欲、それをどう持ってくるか。
 それから、PISAの調査で出ていたシンガポールとか上海とか北京の話がありますけれども、あそこは完全にエリート教育をやっています。実は、私もシンガポールに10月に見てきました。もう小学校6年生の段階から切り捨てです。それで、そういうエリートを作っていって、初めてああいう国は成り立っているわけですけれども、今の日本の全員に平等にするということを考えるんだとしたら、もう少し抜本的に考えて、今の教育とのバランスを考えなければいけないのではないかと思っております。
 以上です。

【小川分科会長】  はい。すみません。時間もありますので、もう一言ずつでお願いします。こちらから熊坂委員、市川委員、荒瀬委員、天笠委員、そして最後に堀竹さんということでお願いします。

【熊坂委員】  はい。それでは、一言だけ。確かに英語の必要性、十分理解しているわけですが、ここのところの改革では、プラスの量なんですね。プラスの量なんです。内容もそうですし、時間もそうです。そういう量を考えたときに、果たして子供の目線で、この量をどう考えるか。総合的に英語を増やす、そうしたら、ほかのものは削るとか、そういうことも含めて、総合的に考えないと義務教育というのがどうなってしまうか。私はそれを心配しております。
 以上です。

【小川分科会長】  はい。では、市川先生。

【市川委員】  はい。では、一言で。目標は高くて、非常にいいことだと思います。ただし、授業を英語で行うことを基本とする。これは、効果から言ってもどうなのか。労力から言っても、もちろん大変なことですが、日本の中学校、高校では、もう既に通達も出ていますが、果たしてそれが効果的なのかどうか。これが効果的だというのは、一部の英語教育の中の立場であって、私は日本全国でこれをやるのは、決して効果的かどうかはよく分からない。かなり疑問があります。
 むしろ入れてほしいのは、先生が全部英語でしゃべりましょうではなくて、実際に、今、インターネットなどもありますから、海外の子供たちと英語でコミュニケーションを取るような、そういう英語教育場面をもっと作るということであって、先生が文法の説明から何から全部英語でやったらどうなるか。子供たちのフラストレーションは大変なもの。
 逆に、先生がそれをできたとしても、子供たちには通じないということになって、むしろ相当の学力低下を招くことになるのではないかということを懸念します。

【小川分科会長】  はい。では、荒瀬委員、どうぞ。

【荒瀬委員】  はい。1つは、小学校英語の導入を検討していた五、六年前の教育課程部会で議論に関してのことです。言語力向上ということの一環として小学校への英語の導入を考えるのだという視点もあったように記憶しています。ですから、先ほどからお話がありましたけれども、英語ができるようになるということだけが目的ではないということは、もう当然なんですが、言語力向上という視点から、現行の学習指導要領の趣旨を大切にしていくということがまず1点目。
 2つ目としましては、学校現場の感覚で言いますと、外部検定となるとTOEFLと出てくるんですけれども、費用の点からも、それから、現在、実際に高等学校で行っている様々な外部検定との関係からも、本当に高等学校の英語教育というのを考えるときには、どうしてTOEFLなのかということを吟味しなければならないと思っています。英検や、その他の実際に高校現場で活用されている有力な検定もあります。それら我が国で行われている様々な外部検定について、よく調査をする必要があるのではないかなということを思います。
 3点目。英語教育の実質化という点からは、教員養成段階で、数学や理科の教員が英語を使えるようにしていくといったことも御検討いただければと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  では、天笠委員。

【天笠委員】  はい。私は、先ほど提示された、この英語教育改革案につきましては、大変懐疑的です。それは、どういうことかというと、教育課程の全体像が示されていない中で、きょう、部分の提示だけが行われたわけですけれども、改めてこの部分が教育課程全体の中でどういう位置付けになるのかどうなのか、そのことは、やはりしっかりと詰められないといけないのではないかと思います。
 先ほどの2点目にありましたPISAの調査で相応の成果が上がっているというのは、もちろん数学的リテラシー、数学、算数の教科の充実ということがあるわけですけれども、それとともに、他の教科を含めた教育課程全体で成果を上げているというところにもっと目を向けていくべきであって、そういう点では、教育課程全体でという発想というのが、私は極めて重要なのではないかと思っております。
 そういう中で、きょう御提案いただいたものを位置付けて、その中で成果を生み出していくような、そういう発想、方向性ということを、これから是非詰めていければいいかなと思っております。
 以上です。

【小川分科会長】  はい。では、最後、堀竹委員。

【堀竹委員】  時間のないところ、ありがとうございます。
 私は、3点から意見を申し上げたいと思います。1つは、カリキュラムの問題でございます。小・中・高、今まで小学校で外国語活動が取り入れられたときもそうでしたけれども、中・高との関連というのは、必ずしも加味されていなかった。結局、小学校での外国語活動の成果が、必ずしも中・高で生かされていないというのは、そこに問題点があるということで、カリキュラムの一貫性について、十分な議論が必要だろうと思っております。
 それから、2点目でございます。英語活動を進めるのは、やはり教員の指導力に、一に掛かっているだろうと思っております。ところが、小学校を見ると、中・高と決定的に違うのが、小学校の5・6年は、いわゆる英語指導ですけれども、3年生から4年生までは外国語活動です。そう考えたときに、教員が身に付けるべき小学校での英語指導を進める教員の指導力として求められるのが、高学年には、やはり英語としての指導力が求められますけれども、3・4年生の教員に、いわゆる中・高で考える英語の専科教員の指導力が果たしてどこまで必要かというところについては、まだ明らかになっていない部分があるということで、小学校での教員の指導力ということについて考えていただければと思っております。
 それから、3点目でございますけれども、先ほどお話がありましたけれども、今回の議論の中で、やはり教育課程全般で、この英語の問題を考えていかないと大変厳しい部分があるだろう。例えば、外国語活動の時間、高学年で今現在、1時間、それが英語になると3時間に増える。これは、今、既に高学年では28コマ授業をしている中で、具体的にそういうようなことが可能なのかどうかということも含めて、これは教育課程全般を見れば、外国語活動、理想としては大変いいと思っていますけれども、教育課程全般の中で、どういう形で実施するのが望ましいのかということは、十分な議論が必要だろうと思っています。
 それから、今後の小学校における英語指導の教員の育成ということを考えたときに、やはり2018年という実施の目安があるわけですけれども、その中で、本当に小学校の教員が、今の様々な教育課題を抱えて、研修とか、そういうことに追われている教員に、求められるだけの英語の指導力を2018年までに具体的にどの程度の力を付けたらいいかということもはっきりしない中で、具体的にそれが可能なのかどうかということは、十分シミュレーションをした上で考えていかないと、実施に至ってから大きな課題が出るのではないかという心配を持っております。
 以上です。

【小川分科会長】  はい。ありがとうございました。やはり重要なテーマですので、さらに皆さん、御意見あるかと思うんですけれども、ちょっと時間がオーバーしていますので、きょうはこれくらいにさせていただきます。
 きょうは、本当に様々な要望、御意見、検討課題等々の御指摘がありました。恐らく、きょう出た意見等々については、来年1月に設置される有識者会議の方に引き取っていただいて、さらにそこでもんでもらうということになるかと思いますけれども、その点、どうかよろしくお願いします。
 今までの御意見を伺って、国際教育課の方から、何かございますか。

【神代国際教育課長】  すみません。もう時間が過ぎていますが、2点だけ。
 1つ目は、天笠先生から御指摘がありましたように、当然これは教育課程全体の中で、今、計画でお示ししたようなことがはまるかどうかということを、これから中教審の場も含めて御議論いただきたいと考えておりますので、そこは是非、活発な御議論をお願いしたいというのが1点。
 それから、無藤先生から御指摘がありました、そういう英語ランクの客観的な評価、これも来年度の予算の中で、すぐに開発していく予定にしておりますので、これについても皆さん方の御意見を頂きながら進めていきたいと考えております。
 以上でございます。

【小川分科会長】  はい。ありがとうございました。きょうは予定よりも大幅に時間がオーバーしてしまいました。すみませんでした。
 それでは、最後、次回以降の予定について、事務局からお願いいたします。

【小林教育制度改革室長】  はい。次回の日程につきましては、分科会長とまた御相談の上、御連絡させていただきたいと思います。

【小川分科会長】  はい。ありがとうございました。
 それでは、きょうの分科会を終わります。ありがとうございました。

── 了 ──

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-- 登録:平成26年07月 --