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初等中等教育分科会(第83回) 議事録

1.日時

平成25年4月3日(水曜日)10時~12時

2.場所

中央合同庁舎第7号館(文部科学省)東館3階 1特別会議室

3.議題

  1. 分科会長の選任等について
  2. 初等中等教育分科会運営規則について
  3. 初等中等教育分科会の審議の状況等について
  4. 第2期教育振興基本計画(答申(素案))について
  5. 幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定について
  6. その他

4.議事録

○新しい分科会長について、小川委員が適任である旨の発言があり、了承された。
○小川分科会長から、無藤委員が分科会長代理に指名された。
○事務局からの説明の後、資料3のとおり、初等中等教育分科会運営規則が了承された。

 

【小川分科会長】  それでは、会議の公開について、御説明いたします。初等中等教育分科会運営規則につきましては、資料3のとおりとなりました。第6条によりまして、分科会長の許可があった者は会議の撮影などを行うことができることになっております。
 では、審議に先立ちまして、私のほうから一言御挨拶をさせていただければと思います。
 第6期から引き続き、初等中等教育分科会長を務めさせていただくことになりました。よろしくお願いいたします。
 本分科会は、広範囲で非常に多様な教育課題をカバーしている分科会です。このため、分科会の下に5つの部会が設けられているほか、重要な喫緊の課題についてはアドホックな作業部会なども設置されており、実に多くの方々の御協力によって支えられ、運営されている分科会です。また、この分科会は、初等中等教育の重要なテーマに加え、5つの部会や作業部会の審議結果などの御報告を受けて、様々な御意見を集約して中央教育審議会総会に上げていくという役割もありますので、委員の皆様には非常に広範囲のテーマや教育課題について御審議をお願いすることになるかと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。
 また、今期の初等中等教育分科会は、総理直属の教育再生実行会議との連携の下で審議や運営が進められていく状況にある点も大きな特徴です。教育再生実行会議からの問題提起についてはしっかりと受け留めながらも、中教審の分科会としての存在意義を高めていくような審議と運営に努めていきたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。
 また、現在、教育再生実行会議が非常に迅速な審議を進めているという状況にありますので、今期の初等中等教育分科会はこれまでの分科会以上に大変忙しくなるのではないかと思っております。様々な役職に携わっている委員の方が非常に多く、お忙しいことは承知しておりますが、どうか時間のやりくりをしていただきまして、会議の開催に御協力いただければと思います。どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、議題に入っていきたいと思います。初等中等教育分科会の審議の状況についてですが、第6期においては、第2期教育振興基本計画などについて審議してまいりましたけれども、第7期におきまして当面審議すべき課題として引き継いでいる事項として、教育振興基本計画のほかに、今後の高等学校教育の在り方についてなど、幾つかあります。
 これについて、教育制度改革室から御説明頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】  まず、第6期の初等中等分科会の審議の状況につきまして、資料4-1に基づき、御説明をさせていただきます。
 まず、第2期教育振興基本計画につきましては、平成23年6月、第77回中央教育審議会総会において文部科学大臣よりその策定について諮問された後、教育振興基本計画部会を中心に各分科会においても関係事項について御審議頂いたところでございます。初等中等分科会におきましては、社会を生き抜く力の養成等の基本的方向性や成果目標、成果指標の在り方、「確かな学力を身につけるための教育内容、方法の充実」等の各基本施策の内容、教育投資の必要性等について御審議頂いたところでございます。なお、第2期教育振興基本計画につきましては、現在、最終的な答申に向け審議が続いているところでございまして、この後、本分科会においても、答申(素案)について御審議頂きたいと考えているところでございます。
 続きまして、教育課程部会でございます。教育課程部会におきましては、理科教育設備基準の改訂、産業教育の施設・設備の基準の改訂、小中一貫教育に係る教育課程の基準の特例について、御審議を頂いております。
 2ページでございます。教員養成部会でございますが、教員養成課程の質の向上等につきまして、大学からの教職課程の設置申請に対して、文部科学大臣の諮問に基づき審査を頂いたところでございます。本年1月末におきましても、平成25年度開設の113大学413課程について、資料4-2のとおり、認定可として答申を頂いているところでございます。また、既に認定された教職課程の運営状況を確認する観点から、平成23年度に45大学等の実地視察を行いまして、報告書も取りまとめていただいているところでございます。
 続きまして、高等学校教育部会でございます。今後の高等学校教育の在り方につきましては、第6期初等中等教育分科会の下に新たに高等学校教育部会が設置されまして、平成23年11月以降、17回の会議を開催し、御審議頂いているところでございます。同部会では、高校教育の現状と課題、高校教育に期待されるもの、今後の施策の方向性、各種振興方策に関する検討事項について整理を行い、平成24年8月に「課題の整理と検討の視点」を取りまとめていただいたところでございます。また、平成24年8月以降には、「課題の整理と検討の視点」で示された論点のうち、高校教育の質保証の在り方等を中心に審議を進めていただきまして、平成25年1月には、資料4-3にあるとおりでございますが、審議経過報告として、「初等中等教育分科会高等学校教育部会の審議の経過について~高校教育の質保証に向けた学習状況の評価等に関する考え方~」を取りまとめていただいております。この審議経過報告におきましては、高校教育の質保証に向け、生徒の学習状況の評価等を充実すべきことが提言されており、そのための基本的方向性として、第一に、基礎的・基本的な知識・技能や課題解決に必要な思考力・判断力・表現力等の評価については、その到達度を把握する希望参加型のテスト、「高等学校学習到達度テスト」と仮称しておりますが、このようなテストを全国規模で行う仕組みを設け、各学校・生徒の希望に応じて活用できるようにするとともに、教科・科目の特性を踏まえつつ、技能検定の活用等を促進し、客観的な把握に基づく評価の充実を図ることとしております。また第二に、その他幅広い資質・能力の評価については、評価の妥当性の確保、評価の手法や評価指標等に関する調査研究を行い、その成果を踏まえ、評価の取組を進めることとしております。
 続きまして、3ページ、特別支援教育の在り方に関する特別委員会でございます。同特別委員会におかれましては、平成24年7月に、「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」を取りまとめていただいているところでございます。
 また、第6期においては、学校段階間の連携・接続等に関する作業部会が設けられておりまして、平成23年7月に「中高一貫教育制度に関する主な意見等の整理」を、また、平成24年7月に「小中連携、一貫教育に関する主な意見等の整理」を御報告頂いているところでございます。
 以上が第6期初等中等教育分科会の審議の状況でございますが、続きまして、資料5を御覧頂きたいと存じます。資料5は、第7期初等中等教育分科会における当面の審議事項の案として、お示しさせていただいているものでございます。
 まず、第6期からの継続審議事項といたしましては、今後の高等学校教育の在り方について、高等学校教育部会を中心に、第6期における検討の成果を踏まえ、高校教育における質保証の仕組みの在り方等について、さらに審議を進めていただくこととしております
 また、第7期における新規審議事項につきましては、今後本分科会の審議を通じて取り上げるべき議題の整理等も御議論頂くこととなるとは存じますが、差し当たり現時点において当面予定されるものといたしまして、3点ほどお示しさせていただいています。
 1点目、「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」の策定についてでございますが、こちらは、認定こども園法一部改正法の規定に基づき主務大臣が定めることとされた「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」について、教育課程部会を中心に御審議頂きたいと考えているものでございます。本件につきましては、この後、布村初等中等教育局長より審議の依頼をさせていただく予定でございます。
 また、2点目、教員養成課程の質の向上等につきましては、教員養成部会を中心に、第6期同様、教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程認定についての審査、また、既に認定された教職課程の運営状況確認等の観点から、実地視察を実施していただく予定でございます。
 その他でございますが、教育再生実行会議において提起された課題等につきましては、今後、必要に応じて本分科会において御審議をお願いしたいと考えております。参考資料2にもございますが、本年2月の教育再生実行会議の「いじめ問題等への対応について(第一次提言)」を踏まえた道徳教育の充実につきましては、道徳を新たな枠組みによって教科化すること等も提言されておりまして、当面は「道徳教育の充実に関する懇談会」を設置して検討を進めていくこととしておりますが、その後、しかるべき時期には中教審にもお諮りし、御審議頂きたいと、そのようなことも予定しているところでございます。
 以上が、今期第7期における当面の審議事項の案でございます。よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 今、主に資料4-1と資料5に基づいて、第6期の本分科会の審議状況と、第6期から引き継いで第7期の本分科会で当面審議する事項について、説明頂きました。これに関して何か、御質問、御意見等、委員のほうからございますでしょうか。

【北條委員】  資料5の第7期における新規審議事項の中の「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」についてでございます。仮称でありますから、今後変更するということだと思いますが、このところ、この新しい制度の検討に当たりましては、教育という言葉と保育という言葉が非常に厳格に定義されて使用されております。その経緯から言いますと、正式の名称を決定されるに当たっては十分御検討頂きたいと思います。

【小川分科会長】  今の御意見について、何か事務局のほうから御説明があれば、よろしくお願いいたします。

【蝦名幼児教育課長】  仮称としたのはまさに北條委員の御指摘のような点もあるからということでございますので、今後、その点も含めて御検討頂くことになっております。

【小川分科会長】  ありがとうございました。他に、いかがでしょうか。なければ、第6期の本分科会の審議状況と、第7期の本分科会に引き継がれる幾つかの事項について、御了解頂いたものといたします。引き継ぐ事項については、高等学校教育部会、教育課程部会、教員養成部会で審議がスタートしていくかと思いますけれども、審議が一定程度進んだ段階でこの分科会のほうに御報告頂いて、皆さんのほうから御意見を頂戴するというふうなことにしていきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、議題(4)、第2期教育振興基本計画(答申(素案))について、審議を進めていきたいと思います。これについては、生涯学習政策局教育改革推進室のほうから御説明頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

【森友教育改革推進室長】  失礼いたします。資料6-1を御覧頂きたいと思います。教育振興基本計画の関係でございますが、第1期の計画が平成24年度までの期間の計画ということで、平成25年度からの第2期の内容について、一昨年、平成23年6月に大臣から中教審に対して、検討頂くよう諮問がなされました。特に教育振興基本計画部会を中心に御審議を頂いているところでございまして、同年7月に「東日本大震災を受けて教育振興基本計画の策定上留意すべき課題」を、また同年12月の「第2期計画の策定に向けた基本的な考え方」などを整理した上で、裏面に参りますが、平成24年8月には中間的なまとめといたしまして「審議経過報告」を整理していただいたところでございます。その後、いわゆるパブリックコメントを実施するとともに、関係団体からのヒアリングをさせていただき、加えまして初中分科会をはじめ各分科会におきまして御意見なども頂いてきたところでございます。
 さらに、本年1月におきましては、「第2期計画の記述に関する論点(案)」ということで、下村文部科学大臣から、「審議経過報告」の内容に加えまして、教育委員会制度の抜本的な改革ですとか、あるいは、全国学力・学習状況調査を継続的に悉皆で行うということ、さらに、6・3・3・4制について幅広く検討をしていくこと、高等学校段階での学習の到達度を把握する共通的な調査の仕組み、そして、それを活用した大学入試の在り方、さらに公立高校授業料無償制・高等学校等就学支援金制度に関しての記述についてより充実するよう、お願いをしたところでございます。
 このような点を踏まえまして、3月18日の教育振興基本計画部会におきまして、これらの状況を踏まえて修正をしました「第2期教育振興基本計画(答申(素案))」を配付して、御審議を頂いたところでございます。
 今後の予定といたしましては、本日の初等中等教育分科会におけます御意見、また大学分科会などにおけます御意見なども踏まえまして、さらに教育振興基本計画部会で御審議頂き、その上で答申を取りまとめの運びということを考えているところでございます。
 本日は、今ほど申し上げました3月18日に教育振興基本計画部会で御審議頂きました答申(素案)について、御審議を頂きたいということでございます。まず、特に、「審議経過報告」から変わった点を中心にいたしまして、御説明申し上げます。
 資料6-3の40ページをお開きください。ここは子供たちの学力に関する施策を記述しているところでございますが、【主な取組】の1-1に、現在の省内の取組なども踏まえまして、「さらに、土曜日における授業や体験活動の実施など、各地域の実情を踏まえ、土曜日の活用を促す。」という記述を加えているところでございます。
 また、42ページでございます。こちらは「基本施策2 豊かな心の育成」ということで道徳教育をはじめとした取組を記述しているところでございますが、先ほども教育制度改革室から説明がありましたけれども、【主な取組】の2-1に、「道徳をその特性を踏まえた新たな枠組みにより教科化することについて具体的な検討を行う」ということを記述しております。さらに、いじめの関係ですと、2-3に「いじめの防止対策に関する法制化を推進する」ということですとか、体罰禁止の徹底などについても、記述を加えております。
 48ページを御覧ください。ここは教員の資質能力の向上に関する項目でございます。「審議経過報告」の段階では、少々長い段落を1つだけ設けまして、そこの中で全て書き込んでおりましたが、委員の方から、教員養成・教員採用・研修について体系的に項目を整理して書き直してほしいという御意見がございましたので、それを踏まえまして、4-2、4-3、4-4を、それぞれ、教員養成、教員採用、研修といった形で、項目ごとにわかりやすいように、書き分けをしているところでございます。
 さらに、50ページですが、委員の方から、幼児教育の関係で、特に、質・能力の向上など、あるいは目配りのきく体制について記述を加えてほしいという御意見がございましたので、例えば5-1に、「幼児期の子ども1人1人の発達と学級集団の状況に即した指導を適切に行うことができるよう、教職員配置のあり方について検討する。」といった記述を加えているところでございます。
 53ページでは、「基本施策7 各学校段階における継続的な検証改善サイクルの確立」ということで、「審議経過報告」においても全国学力・学習状況調査についての記述を盛り込んでいたところでございますが、特に、7-1の1つ目のポツに、「全数調査を継続的に実施する」といったことを明確に記述したところでございます。
 また、60ページ、「基本施策10 子どもの成長に応じた柔軟な教育システム等の構築」というところでございます。こちらは、「審議経過報告」におきましても、幼小、小中、中高、高大といった、それぞれの学校段階の接続を円滑にする取組について記述をしていたところでございますけれども、特に、【主な取組】の10-1の5つ目のポツに、「子どもの成長に応じた柔軟な教育システム等の構築に向けて、6・3・3・4制(学制)の在り方も含め、学校制度やその運用等に関する調査研究を実施し、その状況等も踏まえながら幅広く検討を進める。」といった記述を追記しております。
 80ページを御覧ください。こちらは「基本施策17 教育費負担の軽減に向けた経済的支援」という項目でございます。それぞれの学校段階ごとの教育費負担軽減の取組を整理して記述しておりますが、17-3の「高等学校段階に係る教育費負担軽減」ということで、「特に低所得者層においては授業料以外の教育費が負担となっているとともに、公私間の教育費格差も見られる状態にある。限られた財源の下、これらの課題に対応するために、所得制限を設けることも含め、(略)総合的な見直しを行う」と、記述の見直しをしているところでございます。
 86ページ、学校施設の耐震化・老朽化対策等、学校施設に関する記述を設けているところでございますが、特に、「審議経過報告」の時点でも「平成27年度までのできるだけ早い時期に耐震化を完了することを目指す」といった記述はしておりましたが、加えまして、屋内運動場等の天井等落下防止対策につきましても、「平成27年度までの速やかな完了を目指す」といった記述を加えております。
 96ページでございます。こちらは、教育委員会の関係、地方教育行政の改革についての記述でございますが、【主な取組】の23-1に、元々、教育委員会の在り方についての検討について記述を設けておりましたが、「教育委員会の責任体制を確立し、(略)その抜本的な改革のための検討を進める。」ということで、明確に記述しているところでございます。
 さらに、98ページを御覧頂きますと、こちらは、教職員等の指導体制の整備、教職員定数の関係の記述でございますが、【主な取組】の24-1は「審議経過報告」の段階よりも充実した記述ぶりとしているところでございます。「少人数学級の推進、習熟度別指導、小学校における専科指導の充実、教育格差解消のための補充学習支援などを含め、学力向上に向けたきめ細かで質の高い教育の実現に向けた取組が求められる。」として、いじめ問題への対応ですとか、特別支援教育における対応につきましても、指導体制の充実が必要だということを述べた上で、「今後の少子化の進展や国・地方の財政状況等を勘案し、教育の質の向上につながる教職員配置の適正化を計画的に行うことその他の方策を引き続き検討し、その結果に基づいて必要な措置を講じる」といった記述ぶりにしているところでございます。
 各論については以上でございまして、ページをお戻りいただきまして、30ページを御覧ください。こちらは教育投資の関係の記述でございます。ここにつきましては、「審議経過報告」の時点では「今後検討していく」ということを記述していたのみでしたが、その後、昨年末にかけまして、教育振興基本計画部会、また各分科会におきましても、特にそれぞれの学校段階ごとに重視をしていくべき投資の観点などにつきまして御審議を頂きまして、そういった点の御議論も踏まえて、記述をここで起こしているものでございます。30ページの冒頭では、教育投資の意義ということで、「教育の効果は、単に個人に帰属するものではなく~広く社会全体に還元されるものであり、(略)必要な教育投資については、学習者本人のみならず社会全体で確保することとなっている。」と記述した上で、3つ目の○で、「教育投資には、国や地方公共団体による公財政支出、家計による負担や様々な形での寄附などの私費による負担に加え、(略)ボランティアなどの人的貢献、企業の教育面におけるCSR活動など民間団体等の自発的取組などが含まれることに留意が必要であって、社会全体で教育を支える環境を醸成することにより、これら全体の充実を図ることが求められる。」としております。また、(第1期計画策定以降の教育投資の状況)というところで、現状について検証しております。
 また、31ページからは、(各学校段階ごとの教育投資の必要性及び方向性)ということで、それぞれの学校段階ごとの記述を加えているところでございます。例えば、小学校就学前の教育段階につきましては、「依然として、家計の教育費負担の重さが指摘されており、少子化対策の観点からも、この点は重要な課題である。」とした上で、「幼児教育の無償化への取組について、財源、制度等の問題を総合的に検討しながら進めていく必要がある。」ということを記述しております。
 また、義務教育につきましては、「在学者一人当たりの公財政支出で見れば、義務教育段階については諸外国との比較でも、既に一定程度の投資水準にあり、少子化の進展にあわせ投資額は減少するのが自然であるとの指摘がある。しかし一方で、非正規教員の任用状況、免許外教科担任の状況、一学級当たり児童生徒数など地域間での義務教育における環境の格差が生じているとともに、家庭の経済状況による教育格差も指摘されている」といったことを記述し、いじめや暴力行為等の問題行動、また特別支援教育への対応など一人一人に目が行き届いたきめ細かな指導が依然として大きな課題となっていることを踏まえ、「引き続き、(略)教職員等の指導体制の整備等を図っていく必要がある。」としております。
 また、高等学校教育段階につきましては、「低所得者層への支援の充実や公私間の教育費格差の是正に配慮することが求められる。」としているところでございます。
 さらに、34ページでは、学校施設の関係で、「誰もが安心して教育研究を行うことができる環境整備をすることは、最優先の課題の一つである。」、「非構造部材の耐震対策を含めた防災機能強化や老朽化対策などの課題への対応が求められている。」といった記述をしております。
 そして、35ページですが、教育投資の関係の最後のまとめといたしまして、それぞれの学校段階全てを通じて、3つの観点で投資の重点化を図るべきだということをお示ししているところでございます。3つの観点とは、「協働型・双方向型学習など質の高い教育を可能とする環境の構築」ということ、それから、「家計における教育費負担の軽減」、さらに、「安全・安心な教育研究環境の構築(学校施設の耐震化など)」ということで整理をしております。そして、2つ目の○の最後のところから3つ目の○にかけてですが、「教育の再生は最優先の政策課題の一つであって、欧米主要国を上回る質の高い教育の実現を図ることが求められている。」とした上で、「上述した教育の姿の実現に向けて、恒久的な財源を確保し、OECD諸国並みの公財政支出を行うことを目指しつつ、第2部において掲げる成果目標の達成や基本施策に必要な予算について財源を措置し、教育投資を確保していくことが必要である」といったことを記述して、今後の教育投資の大きな方向性を示しているところでございます。
 第2期教育振興基本計画(答申(素案))の状況については、以上でございます。よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。第2期の教育振興基本計画については、先ほど説明がありましたように、平成23年6月からスタートして、実に2年近い審議を積み重ねてきて、今ようやく最後のまとめの段階まで来ております。たしか、4月中旬に、最後の教育振興基本計画部会があって、そこで了解というふうなことになるのかと思いますけれども、そういう意味では、第2期教育振興基本計画の内容について初等中等教育分科会として意見を申し述べる最後の機会になるのかと思いますので、何か今の御説明に関わって御意見があれば、委員のほうからお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。

【天笠委員】 こういう柱立てで、こういう内容をこういう形で計画としておまとめになったと。時間をかけて、それぞれのお立場からまとめられたということで、基本的には計画の内容について、ここのところは特にどうのということではなくて、今度はこれを受け留める、それぞれの市町村ですとか各学校がこれはどんなふうに読み取っていったら良いのかとか、どういうところが重要なのかという辺りの部分というのが必要な気がしてならないんですね。要するに、当然、様々な行政のシステム・仕組みの中でこの計画は具体化されていくわけですけれども、実践する学校の立場からすれば、どういうふうに我が校の教育の計画とか教育課程に組み入れながら、受け留めながら、教育実践を展開していくのかというところが問われてくるわけでありますが、そういうところについての示唆というのがあってもいいのかなというふうに、今の御説明を聞いて思ったわけですけれども、当然、国の立場からすれば、これからこういうことを展開していくというのは、よく分かるわけでありますが、それらと地方の教育行政ですとか学校との対応関係がどういうふうに中期的に展開していくのか、その辺りのところについてのメッセージですとか、指摘ということもまた大切なのかなあというふうに思うんですね。そういう点では、PDCAサイクルですとか、進捗状況の点検ですとか、そういうような言葉が入っているわけですけれども、計画の実施、評価、そして、それがフィードバックされるようなこと、あるいは、それぞれの学校あるいは地域における中長期的な計画に基づく学校づくりとか、カリキュラムのマネジメントの在り方とか、そういうことについての言及というのがどこかに位置付けられてくるといいかなというふうな感想を持たせていただきました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。北條委員、お願いします。

【北條委員】  第2期教育振興基本計画については、今までも2度ほど意見を述べさせていただきまして、大変考えていただき、改善をしていただいたというふうに思っております。ありがとうございます。その上ででありますけれども、ざっと読ませていただいて、まず、6ページ、7ページあたりですが、全体としまして、よく言われることでありますけれども、横文字の片仮名書きの言葉が非常に多いわけでありまして、もう少し減らしていただけたらなとも思います。例えば、「イノベーション」という言葉が大変大事な概念として展開されていて、22ページの脚注のところで定義付けがありますが、そこまでは当たり前のように使われておりますけれども、しかし、これで意味がとれる人というのはそうは多くないというふうに思われますので、横文字の片仮名書きについてはもう少し御検討頂けたらというふうに思います。
 それから、7ページのところでありますが、ここに書かれていることには基本的に大賛成でございます。ただ、気になるところが幾つかありまして、例えば、「積極的福祉(ポジティブ・ウェルフェア)」という考え方、それから、30ページの「人生前半の社会保障」たる教育という考え方は、私は賛成であります。文部科学省の方々にこういうふうに記述していただけるのは大変嬉しいのではありますが、しかし、例えば「社会保障と税の一体改革」などの中では、教育は社会保障の対象ではないという厳しい見解もあります。その辺りのこともお分かりの上でお使いになられている表現だと思いますから、考え方としては賛成でありますけれども、少し心配だなというところがございます。
 7ページの(個々人の自己実現、社会の「担い手」の増加、格差の改善)というところですけれども、この何行かは少し言葉の運びが乱暴ではないかというふうに思います。例えば、「社会的自立の基礎を培う」というところ。ここは日本語として「培う」という言葉で良いのかということを若干感じます。それから、「新しい世代にも学ぶ『高齢者』に至る」という表現がありますが、もし「至る」という言葉を使うんだったら、「子ども・若者」の後に「から」などの表現を入れないと、少し日本語としておかしいんじゃないかと思います。また、「これまで十分な社会参画が進んでいるとは言えない女性」というふうに、ここに「女性」という言葉を入れてしまって、本当によろしいんでしょうか。ここは非常に微妙なところでして、例えば、家庭で子育てに勤しんでいる女性が社会に参加していないというニュアンスになってしまうと思いますので、ここのところは気を付けていただきたいと思います。この部分の最後の3行のところは、このとおりであろうというふうに思っております。
 それから、幼児教育については、随分書き込みをしていただきまして、ありがたいと思っております。ただし、50ページでありますけれども、5-2の「認定こども園への移行を促進する」というところで、これは、現行の認定こども園法の下で認定こども園への移行を促進するということには何ら異論はないんですが、新しい仕組みに移りますと、いわゆる幼保連携型の認定こども園というのが制度的には幼稚園ではなくなるということに現在なっておりますので、幼稚園でも保育園でもない第三のものへの移行を促進するということで良いのかどうかという、大きな疑問がございます。
 それから、「幼稚園、保育所、認定こども園を通じた共通の給付(子ども・子育て支援法に基づく『施設型給付』)を満3歳以上の小学校就学前のすべての子どもに保障する。」というふうに書かれております。これが事実であれば大変歓迎すべきことでありますけれども、後ほど、子ども・子育て関連3法の御説明があろうかと思いますが、3法のところで考えられている「施設型給付」の考え方と、50ページの考え方というのは、同じなのか、違うのか、ちょっとこれは気を付けなければいけないなというふうに思っております。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、五十嵐委員。

【五十嵐委員】  第2期教育振興基本計画(答申(素案))を見せていただいて、先進国の中でも少ない我が国の教育支出を何とかしようという思い、そして、35ページにもありますが、OECD諸国並みの公財政支出を行うことを目指すことや、欧米主要国を上回る質の高い教育の実現を図るということが書かれていることは、本当に大変心強く思います。是非これを実現させていただいて教育投資をしていただくことが、現場の子供たちに絶対に還元されると思います。
 具体的に目指すところとして上手に書かれているなと思いましたのは、33ページの上から6行目、先ほど説明していただきましたが、「これからの激動の社会を生き抜く子どもたちには、自ら考え、また、学校内外の多様な人々と協働しながら主体的に課題を解決し、価値を創造する力が求められており、このような力を育むためには、協働型・双方向型の新しい学びへの移行が求められている。」と書かれていまして、ここをもっともっと強調していただきたい。従来は教師の指導法とかカリキュラムというのが主な論点だったんですが、これからは、子供たちがどう学ぶかということにさらに視点を当て、この辺りを目指してそれぞれの現場で頑張っていきたいと思います。そのためにはやはり環境が必要で、こういう協働して問題を解決していく力、協調的問題解決力とも言われていますが、この力をつけるためにはやはりICTの環境が本当に大切です。そういった意味では是非、教員だけでなく子供たちが十分に学ぶことができるICT環境、そして、ソフトウェアなどを整備できる環境を整えていただいて、協働型・双方向型の学びが実現できるようにしていけたらいいなあと思います。2015年のPISAでは、ICTを活用してそういった力を評価するというふうに伺っています。そういう評価だけではなくて、現実の社会の中で協働して問題を解決していく力をつける、このためのICTというのは非常に有効であるということは、既に本校でも様々なことで結果が出ています。記述式の問題の回答率が上がったり、子供たちの学習意欲がとても向上したりということが見られていますので、全ての学校にそういったICT環境を整え、こういった学びを実現できるような動きを是非進めていただき、今後具現化していけたらなあというふうに思います。
 そこで、40ページのところなんですが、先ほど1-1のほうの御説明はあったんですけれども、1-2の「平成29年度までにすべての教員がICTを活用した指導ができることを目指し、」というところですが、これは少し遅過ぎるんじゃないかと思います。もう随分前から取り上げられていましたし、やりたくてもできない環境にある地域や学校も現実にはありますので、どこの学校でも環境が整い、先ほどの33ページのところに書かれているような子供たちの学びを実現するために、いち早く教員のICTを活用指導力向上のための教育支出がなされるようにしなければなりません。このことで、40ページに書かれている「平成29年度」という目標を前倒しで達成できるのではないかというふうに期待をしています。是非33ページの辺りに書かれている理念を実現するための環境整備が必要であるというような書き方も加えていただけたら、一歩進むかなと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、吉田委員、どうぞ。

【吉田委員】  今、先生方からいろいろお話を伺っていまして、第2期教育振興基本計画につきましては、特に我々私立学校にとりましては、33ページにもございますけれども、「公私間の教育費格差の是正」というものを非常に大きく取り上げていただいたということが、我々にとって大きな力になると思っております。そういう中で、若干気になっておりますのは、進学率が98%に達するほどの高等学校の教育について、質の保証ということが盛んに言われていることです。確かに、質の保証というものは必要なわけですが、現在、高等学校に就学する生徒というのは、入学試験を経て入学してきております。中学校から高等学校に上がった段階で既にそこに大きな、質というか、子供たちの学力に格差が生じていることは、事実だと思います。そういう中で統一的な質の保証というものがどこの線をもって言えるかといったことに、非常に大きな心配をしております。私立高校によっては、学力の低い層をお預かりして、そういう人たちに社会性をしっかりと身に付けさせて、そしてその次のステップに進ませるという教育を実践しているわけですが、そういう中でどこまでをもって質の保証と言うかについては、我々、心配しているところでございます。そういう意味でも質の保証という部分においては、やはり小中高それぞれの段階でどこまでやるのかという辺りをしっかりともう一回捉えていただければというふうに願っております。
 それから、86ページですが、安全安心な学校施設というのは、本当に喫緊の問題だと思っております。そういう中で、ここでも国公私立学校それぞれしっかりと防災機能強化ということを謳っていただいたわけなんですが、実は私立学校について、1点、まだ解決してない問題がございます。公立学校の場合ですと、校舎の建て替えその他につきましても、国、都道府県、市区町村が負担して当然ながら改修・改築ができるわけですけれども、私立学校の場合には、耐震補強工事の、最大で3分の2、Is値0.3以下までは補助されていますが、ようやくこの平成25年度から幼稚園の改築工事においても一部補助されることになってきたんですが、小中高大につきましてはいまだに、改築はだめで、改修工事、すなわち、補強工事のみということになっております。私立学校としては、やはり、建て替えするほうがより安全なものができる、建て替えに一部でも補助が欲しいという願いもありますし、安全安心な学校を1日でも早くつくるためには、国公私立への補助が全く同様ではないということを一文入れていただくなり、補助を進めていただくなりをしていただければと、願っております。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、最後に無藤委員、どうぞ。

【無藤分科会長代理】  非常に良くできているので、それについてとやかく、直すとか、そういうことではないのですが、以前から1つ気になっていることを申し上げたいんですけれど、至るところで、特に国際比較といいますか、OECD先進諸国でどうだということが使われて、結構だと思うんですね。特に、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)などの国際学力調査が非常に重要な意味を持つということも、そのとおりだと思うわけですが、もう一歩進んで、こういう席で言うのも何ですけど、文部科学行政自体のグローバル化というものを進める方向が一歩でも出たほうがいいんじゃないかという気がします。つまり、国際的な情報、特にOECD諸国や東アジア、東南アジアの情報は、現在は絶えず日本に入ってくるといいますか、文部科学省としても情報収集に努められていると思いますけれども、情報発信も同時に必要だと思うんですね。例えば、学習指導要領が英語で読めるとか、主要な文部科学省の報告の英語版がすぐにインターネットサイトに掲載されるというようなことです。半分冗談で言えば、英語を話せる日本人とともに、英語を話せる文部科学省職員を目指していただけると良いのではないかということです。
 それとともに、現在、国際的な組織といいますか、例えばOECDの中に教育政策委員会や教育研究革新センター(CERI)などもあるわけですけれど、そこに文部科学省としても委員を派遣されているかと思いますが、そういうところへの積極的な関与を是非進めたらどうかと思います。さらに、グローバルと言うときには、先進諸国でやっていることを我が国の教育に役立てることだけではなくて、我が国の教育をむしろ輸出することによって世界中の教育の改善に資するという視点も必要ではないでしょうか。ユニセフなどは大分前からエビデンス・フォー・オールということで、いわゆる発展途上国の教育に力を入れており、我が国もいろいろな援助をしているわけですけれど、せっかくやっていることを文部科学省として位置付けても良いのではないかというふうなことを思いました。
 それと少し関連するんですが、もう1つは、教育にかかわるエビデンス(検証結果)の収集について、国が積極的にイニシアチブを取っていただけないかということです。小中学校については、学力調査等があって、割と細かく検討されているわけでありますけれども、それに比べて幼児教育と高等教育については、極めて大きな課題を持ちながらも、十分なエビデンスを我が国がつくり出しているとは言いにくいと思います。それぞれ直感的には非常に高い水準を持っている部分はあるわけですけれど、いろいろ足りないところもある。専らエビデンスとして出てくるのは、主としてOECD及びアメリカなわけですね。しかも、特にこの数年で言いますと、東南アジア、東アジア諸国、具体的には韓国や台湾やシンガポールなどと比べても、エビデンス収集の努力というのは、日本は遅れていると思います。もちろんそれは、私のような研究者が頑張らなきゃいけないわけでありますけれども、研究者が頑張るにしても、資金面、組織面でのバックアップがなければできないわけですね。特に、私は最近は幼児教育に関与しておりますが、幼児教育のエビデンス収集はどの国もナショナル・プロジェクトとして行っております。韓国も数年前から国の研究所を設立しておりますし、台湾もシンガポールもそうです。欧米諸国のほとんどは、国レベルでの巨額な予算を計上して行っているわけですね。日本は一切そういうことはないわけなので、日本の10年先を考えたときに、今、国際的には、教育というのは、エビデンス・ベースド・エデュケーションといいますか、データに基づいた、研究証拠に基づいた教育を進めるという、これが2000年代のスローガンだと思うんですね。OECD諸国のいろんな報告では、頻繁にその言葉が出てまいりますが、残念ながら日本から発信できる情報は、特に幼児教育・高等教育についてはほとんどない。高等学校教育についてもないと思いますが、それは非常に遺憾な事態だなあと思うので、教育振興基本計画に載せる話かどうかよく分かっておりませんけれども、どこかで考えていただければというふうに思いました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、船橋委員、どうぞ。

【船橋委員】  初めて参加させていただくので、見当違いなことだったり、今話すべき話じゃないことかもしれないんですけれども、御了承頂けたらと思います。教育行政の4つの基本的方向性については、「社会を生き抜く力の養成」から始まって4つありますけれども、ざっと読んだときに、優先順位がよく分からない。痛いところを突くかもしれませんが、全部、多分大事なんだと思いますけれども、優先順位だったり、重みをどこに置いていきたいのかという指針みたいなものが、少し分かりにくかったなと思います。例えば、これから答申を出して、仮に予算が半分しか取れなかったとしたときに、この4つの方向性に対して予算が同じ比率で行くのか、内容によっては、少ないお金では全く効果が出ないものもあれば、少ないお金でも効果が出るものがあったときに、仮に半分になったらどういう配分にするんだろうとか、その辺りの今後の運用面というか、戦略面というか、あるいは、仮に予算が半分になったら1個削るのかもしれないとか、どこに重みを置いて、どこに向かっていきたいんだろうというのが、私の理解不足もあるかもしれないんですが、正直あまり分からなかったというのがありました。そういう意味で、無藤さんがおっしゃったように、お金をかけないけど、KPI、片仮名で申し訳ないけど、キー・パフォーマンス・インディケーターみたいな、成果やエビデンス重視で、とにかく質を上げにいくんだという戦略もあると思いますし、今、何が大事か。4つに絞ったというのは、よく分かるんです。多分、相当絞った上でこれだと思うんですけど、その上で、でもどうしていくのという具体論になったときの、実体的な成果を出すときに必要となるところは、今後、議論が相当必要なんじゃないかなと思いました。ちょっと抽象的な話で申し訳ないんですけど、その辺りが今後大事なのか、読んでいて正直わからなかったので、多分、その辺りが今後問われる。あるいは、お金をかけなくても質を上げる方法をとにかく集めるなんていう、そんな指針があってもいいと思うんですが、何をやるかは出ているんですけれど、どうやって実現するのかというのがちょっと見えにくい面があったという、質問であり、意見であります。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、加治佐委員、どうぞ。

【加治佐委員】  答申(素案)について、1点だけ申し上げたい。教員の資質向上に関するところです。「養成・採用・研修の一体的な改革」ということで48ページに書かれていることとか、あるいは98ページに書かれていることは、基本的に異論はないんですが、今後5年間でこういうことをされるということはわかるんですが、できればもう少し踏み込んだ書き方をしていただけないかということです。いろいろ議論された結果、こういう表現・内容に落ち着いたということなんでしょうけれども、「修士レベル化を想定しつつ」とあるわけですね。つまり、現行の教育職員免許法のもとでいろいろな改善を図るということに、基本的にはなっているわけですね。昨年8月の中教審答申は明らかに教育職員免許法の改正にまで踏み込んだことを出されておりましたので、学部卒、大学院卒、あるいは現職教員に対する、免許による質保証、あるいは資格証明みたいな、そういうことを目標にするといったようなことをもう少し具体的に書き込んでいただけないのかなというふうに思います。「修士レベル化を想定しつつ」という、この表現がちょっと、私にとっては弱いということです。それから、4-4のところで「研修等定数の効果的な活用を進める」とあります。もちろんそのとおりなんですが、もう少し、研修等定数の増加とか、充実とか、そういったようなことがないと現実には修士レベル化は図れませんので、そういうところもお願いしたい。また、学ぶ人々、つまり社会人や、学部を卒業して大学院に入学する人々に対する何らかの支援ということを行わないと現実的には修士レベル化はできませんので、そういったようなところも何か記述ができるのであれば、入れていただきたい。
恐らくそういうことを相当議論されてこのような素案となっていると思いますので、多分無理だというのは何となく分かるんですが、こういう機会ですので、一言述べさせていただきました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。この辺りで打ち切らせていただきたいと思います。今、委員のほうから様々な意見を頂きましたけれども、今後、教育振興基本計画部会もありますので、今後の審議に生かせるようにしていきたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、次の議題に入っていきたいと思います。「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」の策定について、お願いいたします。これは、初等中等教育局長及び幼児教育課からの御説明でよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。

【布村初等中等教育局長】  資料7として、子ども・子育て関連3法に関する資料をお配りしてございますので、それを御覧頂きながら最初に聞いていただいて、後ほどまた資料の御説明という流れになります。
 子ども・子育て支援新制度につきましては、幼児教育の在り方を中心に、本分科会においても御議論頂いたところでございます。昨年の通常国会に法案が提出されまして、国会における修正を経て、この関連3法案が昨年8月に成立しております。この新制度につきましては、既にある認定こども園制度の改善を行い、幼保連携型認定こども園につきまして、認可・指導監督を一本化し、学校及び児童福祉施設としての法的位置付けを持つ単一の施設とすることとしております。この新たな幼保連携型認定こども園においては、幼稚園教諭免許状と保育士資格を併有する「保育教諭」を置くということとしております。この「保育教諭」につきましては、5年間は片方の免許・資格のみで代用できるということになりますけれども、5年後までには両方の免許・資格を持っていただくことになります。
 そしてもう一つ、幼保連携型認定こども園の教育・保育の内容につきましては、新たに「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」を定めることとなっています。この「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」につきましては、幼稚園教育要領と保育所保育指針との整合性を確保するということとともに、小学校教育との円滑な接続に配慮していくということが、大きな命題になります。
 子ども・子育て支援新制度につきましては、質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提供を図ることを大きな目的としており、新たな幼保連携型認定こども園における教育・保育の内容の基準となる「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」は、新制度の大きな中核をなすということになります。「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」の在り方につきまして、今後、この初等中等教育分科会におきまして、教育の観点から御審議を深めていただきたいということをお願いしたいと思っております。また、保育の観点からは、厚生労働省の社会保障審議会におきましても並行して検討がなされるという状況でございます。
 この子ども・子育て支援新制度は、最も早い段階では、平成27年4月の本格施行ということが予定されておりますので、「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」はその1年前の平成26年3月頃には告示をしたいというふうに考えているところでございます。そのため、この保育要領(仮称)につきましては、来年の年明け頃までに御提言を頂きますよう、御審議をお願い申し上げたいと思います。引き続き、幼児教育課長から御説明を申し上げます。

【蝦名幼児教育課長】  それでは、お手元の資料7、「子ども・子育て関連3法について」に基づき、今ほどの審議のお願いの背景となる制度の概要について、ごく簡単に御説明をさせていただければと思います。
 1ページ目をお開きいただければと思います。子ども・子育て関連3法が昨年8月に国会で成立いたしまして、早ければ平成27年4月からスタートをするということになってございます。現在、そのための制度の詳細な部分の検討をもろもろやっていかなければならないという状況です。この3法の大きなポイントとしては、3つほどございますが、1つは、幼稚園、保育所、認定こども園を通じた、財政措置の共通化といったようなことを目指していこうということ。それから、本審議会への審議要請とも関連します、認定こども園制度を改善するということが2点目。それからもう1点として、地域の様々な子ども・子育て支援事業を法定化して支援をしていくということでございますが、3つのポイントのうち、認定こども園制度の改善について、資料の3ページを御覧頂ければと思います。
 認定こども園の制度は、平成18年度にスタートをいたしております。左側に現行制度とございますが、4つの類型がございます。1つは「幼保連携型」という類型で、認可された幼稚園、認可された保育所の両方を持っていなければならず、その両方がそれぞれに、教育・保育活動において、お互いに協力をし合う、連携をするということで、都道府県が認定をして、1つの施設で幼児教育と保育の両方を受けることができる仕組みでございます。また、「幼稚園型」、「保育所型」とありますが、「幼稚園型」については、認可幼稚園を母体として、そこで保育所的な活動もやっていただくということで、幼保両方の提供ができるようにするものです。「保育所型」は、保育所が中心になって、保育に欠けない子供の受け入れなどを通じて幼保の相互的な提供を行うという仕組みでございます。この中で特に「幼保連携型」というものについては、2つの認可をまずは必要とされている。それに加えて1つの認定が行われて、ようやくこの形ができるということでございます。非常に質の高い幼児教育・保育を行える仕組みではありますけれども、実際にこういうタイプのものを設置しようとすれば極めて事務的にも煩雑であったということがございまして、今回の法改正によりまして、幼稚園と保育所の組み合わせによる幼保連携型認定こども園というものを、幼児教育を行う学校としての位置付けと保育を行う児童福祉施設としての位置付けの両方を持つ単一の施設として再構築をすことといたしました。
 4ページには、そこで行われる教育・保育を極めて簡略化した図でお示しをしていますが、受け入れた全ての子どもについて、3歳以上の子供に対しては学校教育をしていただき、その上で保育を必要とする子供に対しては児童福祉法に基づく保育を行うというような、1つの施設で両方の性格を併せ持つ、新しい類型の施設というものを今回設けました。
 一番最後の7ページを御覧頂ければと思いますけれども、これまでの幼保連携型認定こども園は幼稚園と保育所の組み合わせでありましたので、そこで行う教育については幼稚園教育要領が適用されておりましたし、保育については保育所保育指針というものが適用されてございましたけれども、今回、2つの施設を内包する組み合わせの施設から、全く新しい単一の施設に再構築をするということで、ここで行われる学校教育と保育のそれぞれの内容の基準を策定する必要がございます。これを「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」と呼んでございますけれども、この内容について、特に教育の観点から本審議会におきまして御検討をお願いできればということでございます。以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。本件については、今後、この分科会の下に設置されている教育課程部会において、審議を進めていただくということになっております。その教育課程部会での審議の進行状況に合わせて、部会においてまとまった意見、内容等については、本分科会に適宜御報告頂くというふうなことで進めていきたいと思っております。今の件について何か御質問等がございましたら受けたいと思いますけれども。では、北條委員。

【北條委員】 今の御説明で大体分かったわけですが、教育課程部会で検討するのは、幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)」の教育部分だけということでよろしいんですか。

【蝦名幼児教育課長】  実際の検討の仕方については、今後また御相談させていただければと思いますが、適宜、社会保障審議会に設けられる福祉の立場からの検討組織と合同会議を行うなどして、1つのものを最終的に作り上げていただくということを、今のところ想定してございます。

【小川分科会長】  他にいかがでしょうか。なければ、御了解頂いたということにいたしたいと思います。本日は、第7期最初の初等中等教育分科会ということですので、委員の方1人1人から、抱負とか、本分科会の運営や初等中等教育に関わる諸テーマについて御意見を伺うのが本来の筋かと思うんですけれども、この後、次の仕事を抱えている方もたくさんいらっしゃいますので、一人一人から意見をお伺いするということは時間の制約上できませんが、もし委員の中でどうしてもということがございましたらお受けしたいと思いますけれど、いかがでしょうか。分科会のこれからの運営とか、第7期のこの分科会で是非こういうふうな視点でこういうふうな問題も取り上げていただけないかとか、あと、初等中等教育全般に関わる御自身の御意見等もあればお受けしたいと思うんですけれど、いかがでしょうか。せっかくの機会ですから、どうぞご自由に。では、早川委員、お願いします。

【早川委員】  先ほどの第2期教育振興基本計画の続きの話になるかもしれませんけれど、大変良くできていると思うんです。最初に天笠委員のほうから、これを市町村や学校がどう受け留めるかというお話をしていただきました。特別に支援を必要とする子の教育に力を入れるのは当然といたしまして、今後、できる子の才能を伸ばす教育ということについて、もっと義務教育段階から力を入れるべきだというふうに思っているんです。学校というところは、子供の読み・書き・そろばんの能力だけでなく、子供の問題解決能やアイディアを伸ばすということにもっと努力すべきではないかということを思っているわけです。力のある子どもは、教師の敷いたレールの上を流れるように進むわけではない。蟻の行列でも横にちょろちょろ動く蟻が次の可能性を生み出すわけで、そのような可能性を生み出す人物として、中にビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズのような人物がいたんだと思うんですけれど、教師が少し意を用いることによって子供の才能が開花する可能性は大変高いと思います。そうした意味で、答申(素案)の4つの基本的方向性の中の「(2)未来への飛躍を実現する人材の養成~変化や新たな価値を主導・創造し、社会の各分野を牽引していく人材~」のところについて、現行制度の義務教育の中で教師が少し意を用いるということは大変重要なことだと考えます。なお、4つの基本的方向性は、市町村レベルでも学校の教育の中でもそれぞれ具体的な施策・取組がぶら下がりやすい内容となっているとともに、また、4つの基本的方向性相互にストーリー性があり、大変取り組みやすいものだというふうに捉えております。

【小川分科会長】  ありがとうございました。他に。どうぞ。

【露木委員】  教育振興基本計画の話に戻ってしまうんですけれども、意見だけ、ちょっとお話しさせていただきたいと思います。
 まず1つ目は、土曜日の授業ということが新たに加えられたということでございます。最近、土曜日に授業を行う学校というのが全国的にも増えてきています。私は東京都の教員をしておりましたけれども、東京都においては、土曜授業というのは全国レベルから比べるとさらに積極的に進められている状況にあるのではないかなというふうに思っております。現場で土曜授業についてどのように受け留めているかということなんですけれども、土曜授業というのは正直、随分使い勝手が良いなと受け留めております。授業時数を確保するという意味でも、また、地域と連携した教育を進めていくという意味でも、やり方によっては大変ありがたいなというふうに思っておりますので、教員の勤務時間等の問題を考えると厳しいという御指摘もそのとおりかと思いますけれども、是非、今後の議論の中でうまい方法を考えていただけるとありがたいなというふうに思っております。
 2点目は、道徳の教科化ということについてです。これまでも、小学校の中で道徳の指導というのがおざなりになされているやに聞こえるような報道といいますか、御意見というのを聞いておりますけれども、小学校教育の中で道徳というのは週1回、年間で言えば34単位時間以上きっちりと行われておりますし、学校現場では子供たちの心の豊かさを高めるために道徳の指導ということをしっかり行われているというふうに、私は認識しております。ですから、教科化の進め方次第によっては良いことだなと思っておりますが、あまりにも道徳というのがおざなりにされ過ぎてきたというような捉え方ではなくて、道徳というものはしっかりやられてきたけれども、さらに改善を進めるためにこういうことも必要ですよというような捉え方をしていただきたい。あまりにも、いじめの問題、体罰の問題等と関連付けて、教科化、教科化と進めてしまうということは適切ではないなというふうに思っておりますので、意見として言わせていただきました。
 最後に、教職員定数についてです。昨年度、文部科学省としては5年計画で少人数学級を進めるという提案をしていただいたわけですが、財務省とのやりとりの中で、児童生徒の学力の向上の状況を見極めながら少人数学級については今後も検討するというふうになったわけですけれども、文部科学省に関わるところでその検証を進めるわけですから、是非、少人数学級につながるような検証を進めていただけたらありがたいなと、これは文部科学省に対するお願いでございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。他に、いかがでしょうか。では、市川委員。

【市川委員】  今の2人の委員の先生方の御意見とも関連してなんですが、私も何期か、この初等中等教育分科会、それから教育課程部会などに出席していて、常々思うことなんですけれども、いわゆる義務教育、初等中等教育ということと、地域教育とか生涯教育との連携がどうもうまくとれていないという気がして仕方がないんですね。というのは、早川委員がおっしゃったようなことに私は大賛成で、例えば学力向上といったときに、学校は、学力の低い子どもたちの底上げを図らなくてはということにどうしても目が行くと思いますけれども、一方で、かなり才能のある子供たちとか、多様性を持った子供たちを育てたいということもあります。ところが、義務教育の枠内でそれをやろうとすると、どうしても無理があります。学校でそんなに多様なことはできない、あるいは、一部の才能ある子供たちを特に伸ばすようなことは、なかなか義務教育として学校の中でやるわけにはいかない。しかし、社会全体から見ればそういうことは必要なのであろうというときには、それぞれの地域、特に自治体が、何かそういう環境を用意していく。これは何も義務教育としてやる必要はないわけで、例えば放課後とか土曜日とかでもそういう場を用意するということについて、生涯教育と連携してやることはできるだろうと思います。以前、学校週5日制を導入するときに、地域の受け皿があまりないときに5日制をやっても、かえって子供たちが教育の恩恵を受けられなくなってしまうのではないかという意見もありました。ところが、その後、私が見ている限りでは、地域教育というのがこの10年ぐらいの間に随分充実してきていて、NPOでありますとか、あるいは自治体が様々なプログラムを用意したり、大学も小中高の子供たちのためにいろんな講座をやったりしています。そういう芽が出てきたときに、一方では学校教育においてまた土曜日も授業をやりましょうということになり、土曜日は必ず学校へ行くというような形になると、せっかく出てきた地域教育の芽が潰れてしまう可能性もあるわけですね。これもやっぱり、地域教育と学校教育との連携というのがうまくとれていないからではないかという気がしています。私はこれまで、地域教育・生涯教育と学校教育の合同の部会等が開かれるということはあまり聞いたことがありません。子供にとっては、地域であろうが、学校であろうが、一つの学習環境であり、全体としてどれだけ子供たちのために充実した学習環境を提供できるかということが大事であると思います。これには相当、地域性もあると思いますが、例えば東京都はちょっと特殊なところがあり、私がいろいろ聞いていますと、土曜の授業が多いことも特徴なんですね。他の地方に行って状況を聞いてみると、土曜の授業はそんなにやってないようです。何で東京はこんなに多いのかなと時々思うんですが、やはり私立学校が多いということとの関連もあるのでしょうし、いわゆる学校選択制というのがかなり浸透している地域では、土曜も授業を実施する学校に子供たちが集まるということがあるのかもしれませんが、何か問題があるたびにやっぱり学校がやらなくてはという形でどんどん囲い込んでいくのではなくて、むしろ、地域教育との連携のもとで総合的な学習環境を充実させていく。それにはやはり、地域教育、生涯教育との連携というのが不可欠だと思います。ですから、是非そういう方向が盛り込まれていくといいと思った次第です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、熊坂委員、どうぞ。

【熊坂委員】  1つは、昨年度、大変問題になりました、いじめだとか体罰の関係、こういうことを考えていきますと、不登校は最近あまり表へは出てきませんが、やはり深刻な状況には変わりがないというふうに思います。ですから、そういう児童生徒の問題を、社会的な状況・背景、それから、今、家庭が非常に貧困な状態がある、そういう背景を踏まえてこの問題を考えていきたいということがございます。
 もう1つは、いじめ・体罰の問題を基としまして、教育委員会制度の在り方という議論がまた出てまいりました。我々、町村の教育を担う教育長の立場から言いますと、自分たちの教育委員会の在り方をしっかり見直す中で活性化を図っていかなければならないということも考えております。今回、この点も議論の対象にしていただけたらと思います。以上2つ、要望としてお話しいたしました。

【小川分科会長】  では、荒瀬委員、どうぞ。

【荒瀬委員】  先ほど市川先生がおっしゃったように、いろんなことで学校が振り回される、あるいは教育委員会が悪者にされる。私は教育委員会の在り方についての議論が行われるというのは大賛成ですし、良くないところがあれば、改善していくということも当然だと思います。しかし、何か問題があったときに、何が問題なのかというのを明らかにして、その問題を解決していくという方向でなくて、あっち行ったり、こっち行ったりと揺れていくのが、本当に教育にとって良いのだろうかということを思います。例えば、学校週5日制の中での授業時間の確保についても、長期休業期間を短縮するなど、保護者との間、あるいは地域との間で本当に地道な努力を積み上げてきて、年間205日以上の授業日数を全ての学校で確保しています。また、土曜日の活用については、先ほども社会教育の部分でなかなか受け皿がないという御意見がありましたが、「みやこ子ども土曜塾」という取組を、博物館だとか、あるいは地域のボランティアだとか、そういった方々の協力を得て、全体として盛り上がりを持ってやっています。これらは現行の教育委員会制度の中でも、十分にできることです。一方で、批判を受ける部分については正していかなければいけないと思います。私は、加治佐先生のおられる兵庫教育大学大学院で、教育委員会事務局についての御研究の評価委員をしておりまして、そこで勉強をさせていただいて、驚いたんですけれども、全国的に見ると、京都市のように教育行政のプロパーによって構成されている教育委員会事務局というのは少ないようです。そうなると、緊張感だとか、あるいは、より改善していくために問題点は何なのかというベースに立った議論が生まれにくく、学校側からの限られた視点だけで物事が動いていって、今問題になっているようなことになってしまう。それはよくないと思うんですね。教育委員会事務局の体制が自治体によって異なるのですから、それを踏まえて議論しないと、一部の報道のように教育委員会というのは非常勤の教育委員で構成されており、よろしくないという議論ばかりに行ってしまうのを、是非中教審としては冷静に、無藤先生が発信ということもおっしゃいましたけれども、初等中等教育分科会から発信していくというような、そういったことも非常に重要なことだと思っています。

【小川分科会長】  では、長尾委員、どうぞ。

【長尾委員】  グローバル化とか、イノベーションとかというものを今から推進していかなければいけないということも、中教審の議論に入れていただきたいというふうに思っているんです。先ほど文部科学省の職員も英語を話せるようにというふうな御指摘がありましたけれども、グローバル人材を育成するためには、語学力だけではなく、広い世界観とか、他者への理解であるとか、暗記力ではない思考力、探求力といったものを育んでいかなければいけないと思いますが、このためには、初等中等教育・高等教育も含めて、幼少期から社会人になるまで一貫したグローバル教育をしていかなければならず、単発的に行うということではイノベーションは実現できないというふうに思っています。「グローバル人材育成推進会議中間まとめ」(平成23年6月22日)においても、「高校卒業時に国際バカロレア資格を取得可能な、又はそれに準じた教育を行う学校を5年以内に200校程度増加させる」というふうなことが提言されていて、文部科学省においても、国際バカロレア(IB)認定校の拡大に向けて動いています。それは一つの画期的な方法であろうと思いますし、このほかにもいろんなグローバル化の方法があると思いますので、方法論も含めて、今後の社会を担っていく子供たちのグローバル化をどういう方向でやっていけばよいのかということを、初等中等教育・高等教育段階とで合わせて考えていくような方向性としていただきたいと思っております。

【小川分科会長】  ありがとうございました。天笠委員、お願いします。

【天笠委員】  先ほど御説明頂いた資料6-2ですけれども、第2期教育振興基本計画の概要が全体として出ていまして、大変よく整理されてお示しいただいたなと受け留めております。この中では、我が国を取り巻く危機的状況ですとか、今後の社会の方向性がそれぞれ整理されて位置付けられているわけですが、例えば、今後の社会の方向性の観点を踏まえたときに学校週6日制はどういう位置付けで捉えられるのかとか、こういう議論が必要なんだと思うんです。しかし、どうも昨今の傾向として、非常に直近の課題対応について議論されがちなところがあり、資料6-2でお示しいただいている基本的な枠組に沿いながら、それぞれ議論していくということが、一つのスタンスとしてあるんじゃないかなと受け留めさせていただきました。この分科会の委員の任期は2年間であり、第2期教育振興基本計画の前半期間を守備範囲にするというんでしょうか、平成25年度からのこの計画の実施を検証するということが大きな役割になるんじゃないかと思います。そういう点では、本分科会では折々に、4つの基本的方向性がどういう状況の中でどういうふうに展開しているのかを検証するようなテーマを掲げていただいて、それについて議論をしていくというふうなことをお願いしたいと思います。個別の議事・議題については、これから非常に具体的なものが様々出てくると思うんですけれども、第2期教育振興基本計画に掲げた4つの基本的方向性というのがどういう展開状況にあるのかということを、少なくともこの分科会はそれを見届けるというんでしょうか、分科会としての考え方を示していくというふうな役割があるのではないかと思いますので、是非、今後の議事・議題の設定に当たって、御検討頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、大島委員、よろしくお願いします。

【大島委員】  2点ほど意見を申し上げたいと思います。本日示された答申(素案)は、4つの基本的方向性が非常によくまとまっていて、具体的にもいろいろと書かれていて、素晴らしいと思いました。今後、計画に盛り込まれた事項について、誰に対して誰がどのような組織及び環境でどのように資金をかけて行っていくかについて、具体的に議論していくことになると思います。日本の場合には教育課程、特に初等中等教育段階では学校段階ごとに分かれており、教育課程の編成基準としての学習指導要領などもきちんと定められています。そのため、教育の到達目標というのは非常によく定まっていると思います。しかし、例えば何歳で卒業して何歳で次に進学すると、年齢に関しての時間軸は非常に厳密で硬直化している点が一つ気にかかっています。学校段階ごとの教育の目標を示すとともに、学校段階間の連携をある程度きちんとすることによって、年齢に対してもある程度の自由度、例えば、先ほどできる生徒の話などもありましたが、飛び級、あるいは、その年齢で教育が修得できなかった人が後になって学習できるといった、そのようなシステムを構築することが、第2期教育振興基本計画で掲げている4つの基本的方向性の中でできるのではないかというふうに思っています。それが1点目です。
 2点目ですが、教育投資の在り方のところで、協働型・双方向型学習など質の高い教育を可能とするための環境の構築を図ろうとされていらっしゃいます。地域との連携という観点が強調されていますが、現在の経済状況の中では、1個の自治体で実施することが難しいということもあると思います。しかし、その一方で連携、連携というのはずっと昔から言われていますが、なかなか進んでいないという実態もあります。経済的なところや人的なところについて、具体的にどのように連携して進めていけばよいのかということを少し具体的に議論していけるといいのではないかというふうに思っております。

【小川分科会長】  ありがとうございました。最後に、篠原委員、お願いします。

【篠原委員】  私は政治が中心の仕事なので、教育についての専門性は低い立場でございますけど、人よりも2周遅れの人生を歩んだことによって、教育の現状あるいは課題について、いろいろと見えてくることが非常に多くて、こういう形で私も参加させていただいているということでございます。
 その中で私がいつも気になっているのは、先ほど市川先生から学校や地域の連携の話がございましたけれども、私は、それに加えて、幼児教育、初等教育の段階では特に家庭の役割ですね。家庭の教育力というのをどうつけていくかということを常に噛み合わせながら議論をしていかないといけないと思います。先ほど北條委員からもお話がございましたけど、私は、そこがどうも中教審全体の流れの中でいつも欠けているところだなあと。これは何故だろうと思っているのですが、厚生労働省との関係とか、いろんな役所が絡んでいて、一方で、文部科学省は学校教育が中心ですから、検討がどうしてもあと一歩進まないのではないかと。また、家庭教育に入り込もうとすると、世の中はまだ、非常に抵抗が強いですよね。もうそろそろ、いじめの問題なんかを考えても、家庭の教育力をどういうふうに向上させていくかということを考えていく時期に来ているし、一歩踏み込んでいく必要があるんじゃないかなあというふうに思います。特に、これから女性がどんどん働きに出て、女性の社会進出が活発になればなるほど、そういう労働政策と家庭における教育力の在り方みたいなものを関連付けて、もう少し具体的に考えていく時期に来ているのではないかなと思います。そういう面では、先ほど、厚生労働省の社会保障審議会の福祉部会と教育課程部会の合同会議を開かれるという話も出ていましたけど、そういう横串の形で家庭教育の問題を大いに議論してもらいたいなと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。本当に申し訳ないんですけれども、時間が迫っていますので、この辺りで終わらせていただきたいと思います。この分科会というのは、当面の具体的な課題について、限られた時間の中で審議するということが普通の形なんですけれども、本日お話を伺って、たまにはフリーに意見交換する時間もあっていいんじゃないかなと思いました。意見交換の機会が増えれば、お忙しい中でも御出席していただけるんじゃないかと思いますし、委員の方は、日頃初等中等教育に関わって、いろいろな思い、御意見があるかと思うので、事務局のほうで、時々で構いませんけれども、委員が自由に吐露するというか、意見交換するという機会を工夫していただいて、年に1、2回でも最初は構いませんので、是非やっていただければなというふうに思います。その際、先ほど市川委員からもあったように、本分科会の守備範囲を超えるようなテーマに発展していった場合に、他の分科会の方をお呼びして少し意見交換するとか、そういうふうなこともあっていいのかなあというふうなことを、今、9人ぐらいの委員の方のお話を伺いながら、日頃の分科会の議論ではないような、非常に面白い御意見などもお伺いしましたので、是非そういうことも少し、事務局のほうで考えていただければと思います。

【篠原委員】  他の役所の審議会と関連があるときは、府省の垣根を越えて、合同会議をやったり、合同ディスカッション、フリー・トーキングを行ったりすることはいかがでしょうか。

【小川分科会長】  是非前向きに御検討頂きたいと思います。
 では、事務局から、次回の会議の予定がございましたら、よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】  次回日程につきましては、分科会長と御相談の上、調整させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  では、本日予定した議事は全て終わりましたので、これで閉会といたします。ありがとうございました。

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-- 登録:平成25年07月 --