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初等中等教育分科会(第80回) 議事録

1.日時

平成24年7月13日(金曜日)13時~15時30分

2.場所

学士会館210号室

3.議題

  1. 特別支援教育の在り方に関する特別委員会報告について
  2. 小中連携、一貫教育に関する主な意見等の整理について
  3. 高等学校教育部会の審議状況について
  4. 第2期教育振興基本計画の審議状況について
  5. 教員の資質能力向上特別部会の審議状況について
  6. その他

4.議事録

【安彦分科会長代理】  それでは、定刻になりましたので、ただいまから第80回初等中等教育分科会を開会いたします。

 御覧のように、小川分科会長が中央線の人身事故で15分ほど遅れるということですので、分科会長がおいでになるまで私が進行を代わりにさせていただきます。

 本日の議題に入ります前に、このたび新たに分科会委員となられました方がおられますので、御紹介いたします。青山委員に替わりまして臨時委員に御就任いただいております、東京都立三田高等学校長、全国高等学校長協会会長の及川委員と、大江委員に替わって臨時委員に御就任いただいております、東京都新宿区立西早稲田中学校長、全日本中学校長会長の三町委員でいらっしゃいます。

 両委員から一言ずつ御挨拶をお願いしたいと思いますが、まず及川委員からお願いします。

【及川委員】  及川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【安彦分科会長代理】  ありがとうございます。

 続きまして、三町委員お願いします。

【三町委員】  紹介いただきました、全日本中学校長会の会長をさせていただいております三町と申します。5月から会長就任ということで、大江委員を引き継いでこれから参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【安彦分科会長代理】  ありがとうございました。

 それではまず、配付資料につきまして、事務局から御説明をお願いします。

【小谷教育制度改革室長】  配付資料でございますけれども、議事次第にございますように、資料1から資料5-4まで、そして、参考資料となっております。不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。

【安彦分科会長代理】  よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、ちょっと長丁場になりますが、本日の議事に入ります。最初の議題、特別支援教育の在り方に関する特別委員会報告についてであります。当該報告につきましては、去る6月8日に開催されました同特別委員会におきまして、委員長一任となりまして、配付資料のとおり取りまとめられております。本日の委員の皆様の御審議を経て、内容について御了承いただける場合には、初等中等教育分科会報告として取りまとめるという方向で考えております。

 それでは、議論に先立ちまして、まず特別委員会で委員長を務められました宮﨑委員と特別支援教育課から内容について御報告をお願いいたします。

【宮﨑委員】  それでは、委員長を務めさせていただきました宮﨑から、報告書の総論について御説明をさせていただきます。

 資料1を見ていただければと思います。今回の報告につきましては、サブタイトルで「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」と書かせていただいているところでございます。

 表紙をおめくりいただきまして、目次がございます。まず目次ですが、「はじめに」の後に、本報告は5点にわたって整理をいたしております。私から総論についての説明をさせていただきまして、各論については後ほど事務局から説明をしてもらいます。

 まず1枚めくっていただいて、1ページ目を御覧いただければと思います。「はじめに」のところで経緯を整理しております。これにつきましては、障害者の権利に関する条約が国連で採択をされまして、これを日本として批准するに当たり、政府全体として障害者制度改革が進められているところです。一昨年7月のこの初等中等教育分科会で文部科学省から審議要請を頂きまして、特別委員会が設置され、審議を開始いたしたところでございます。一昨年12月の特別委員会としての論点整理、そして、昨年8月、障害者基本法の改正、そして、前回の分科会で御報告をしました、本特別委員会の下のワーキンググループの報告を踏まえて、今回の特別委員会での取りまとめしたものを報告として今回御審議をいただくということでございます。

 3ページを御覧いただきたいと思います。共生社会の形成に向けてという整理をいたしました。まずこの中の四角囲みですが、四つ目の丸について少しお話をいたします。インクルーシブ教育システムにおいては、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、その時点で教育的にニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要であるとしております。これは特別委員会の論点整理で整理をしたとおりでございます。

 また新たに、インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の基本的考え方を整理いたしました。それが五つ目の丸でございます。ここでは大きく3点で整理をいたしました。第1に、障害のある子どもが、その能力や可能性を最大限に伸ばし、自立し社会参加することができるよう、関係する医療、保健、福祉、労働等との連携を強化し、その教育の充実を図ることが重要であること。第2に、障害のある子どもが、地域社会の中で積極的に活動し、その一員として豊かに生きることができるよう、可能な限り共に学ぶことができるよう配慮することが重要であること。第3に、特別支援教育に関して、障害者理解を推進することにより、インクルーシブな社会の構築につながることと、教育の充実、共に学ぶ配慮、障害者理解を基本的な考え方にしてみました。

 このような形で特別支援教育が推進されることで、障害のある子どものみならず、周囲から認識されていないものの、学習上又は生活上の困難のある子どもにも、さらには全ての子どもにとっても良い効果をもたらすことができると考えているところでございます。

 4ページの四角囲みのところでございます。一つ目の丸、基本的方向性は、できるだけ同じ場で学ぶということであり、その場合には、それぞれの子どもが学習活動に参加していける実感あるいは達成感を持ちながら、充実した時間を過ごし、生きる力を身に付けていけるかどうか、これが最も本質的な視点であり、そのための環境整備が必要としております。

 また、その次の丸ですが、今後の進め方としまして、施策を短期と中長期に整理した上で、段階的に実施していく必要があるとして、短期的には、就学先決定等について制度改革、教職員の研修の充実、当面必要な環境整備の実施、合理的配慮の充実のための取り組みを必要な財源を確保して順次実施するということにいたしました。中長期では、短期の施策の進捗状況を踏まえまして、追加的な環境整備や教職員の専門性向上のための方策を検討し、最終的には、共生社会の形成に向けてインクルーシブ教育システムを構築していくことを目指すとしているところでございます。

 それでは、2以降の各論については事務局から説明をしていただきます。では、よろしくお願いします。

【千原特別支援教育課長】  失礼いたします。特別支援教育課、千原でございます。お手元の資料の12ページから御覧ください。本文を追いかける形で御紹介させていただきます。

 2ポツ、就学相談・就学先決定の在り方ということです。13ページに飛びまして、(1)早期からの教育相談・支援の1のところでございます。乳幼児期を含め、早期からの教育相談・就学相談を行うことによって、本人・保護者に十分な情報を提供する。そして、幼稚園等において、保護者を含め関係者が教育ニーズと必要な支援について共通理解を深めることによって、円滑な支援につなげていくことが重要という御指摘をしていただいております。

 次の14ページをおめくりください。(2)就学先決定の仕組みというところが中盤以降でございます。1の就学先の決定等の仕組みの改善でございますが、就学基準、学教法施行令22条3でございますけれども、これに該当する障害のある子どもは特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の方法を改めて、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の御意見、教育学、医学、心理学等説明的見地からの御意見等を踏まえて、総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当であるという御指摘です。そして、その際、本人・保護者に対して十分情報提供しつつ、本人・保護者の意見を最大限尊重して、教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則として、最終的には市町村教育委員会が決定することが適当とおまとめいただいております。これは論点整理で御指摘いただいたことでございますし、また、これを踏まえて、昨年8月から施行されております改正障害者基本法を改正いただいてございます。

 また、その下の最後の丸、各市町村教育委員会に設置されております就学指導委員会につきましては、次の15ページですが、早期からの教育相談・支援や就学決定時のみならず、その後の一貫した支援についても助言を行うという観点から、教育支援委員会(仮称)といった名称が適当ではないかという御指摘でございます。そのために、機能を拡充して、一貫した支援を目指す上で重要な役割を果たすことが期待されるとまとめていただいてございます。

 開いていただきまして、飛びまして17ページに移らせていただきます。途中ほどの3の就学先決定について意見が一致しない場合についてでございます。今のような形で就学先決定をいたしますが、十分に相談をしたけれども、結果として意見が一致しない場合が起こり得るということで、真ん中下のところでございますが、その場合には、都道府県教育委員会による市町村教育委員会に対する指導・助言の一環として、都道府県教育委員会の「教育支援委員会」(仮称)に第三者的な有識者を加えて活用することも考えられるという御指摘をいただいております。

 その下の(3)一貫した支援の仕組みの相談支援ファイルあるいは個別の教育支援計画の活用等ということで、可能な限り早期から成人に至るまでの一貫した指導・支援ができるように、子どもの成長記録、指導内容等に関する情報を、その扱いに留意しつつ、必要に応じて関係機関が共有し活用することが必要であるとおまとめをいただいてございます。

 2ポツにつきましては以上でございます。

 次に21ページ以降でございますが、3.障害のある子どもが十分に教育を受けられるための合理的配慮及びその基礎となる環境整備でございます。先ほど宮﨑委員からお話がありましたように、前回の本分科会におきまして御説明をさせていただいたワーキンググループの報告書の内容をベースに御議論いただきました。

 委員会として新しく加えていただきましたところが、飛ばしまして、恐縮でございますが、35ページの(4)というところがございます。上の「合理的配慮」の充実、ここのところがワーキンググループの報告に加えて、委員会で御指摘をいただきました。これまで学校において、障害のある児童生徒等への配慮は行われてきたものの、「合理的配慮」は新しい概念であって、その確保についての理解はまだ不十分であり、情報が不足している。このため、早急に「合理的配慮」の充実に向けた調査研究事業を行って、国として「合理的配慮」のデータベースを整備し、各教育委員会の参考に供することが必要であるというおまとめでございます。

 続きまして、36ページをおめくりください。4ポツ、こちらからが、多様な学びの場の整備と学校間連携等の推進ということでございます。37ページの四角囲みの下の(1)が多様な学びの場の整備と教職員の確保の1の最初の白丸でございます。多様な学びの場として、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校、それぞれの環境整備の充実を図っていくことが必要であると御指摘いただきました。また、同じページの下から二つ目の白丸でございますが、通常の学級においては、少人数学級の実現に向けた取り組みや複数教員による指導など指導方法の工夫改善を進めるべきであるという御指摘を頂いてございます。

 おめくりいただきまして、38ページでございます。最初の白丸、多様な子どものニーズに的確に応えていくためには、教員だけの対応では限界があるとしていただきまして、校長のリーダーシップの下、学校全体で対応する必要があることは言うまでもないが、その上でということで、少し飛びまして、特別支援教育支援員の充実、さらにはスクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、ST、OT、PT等の専門家の活用を図ることによって、障害のある子どもへの支援を充実させることが必要であると御指摘を頂いております。次の白丸の最後の2行でございますが、医療的ケアの観点からの看護師等の専門家についても、必要に応じて確保していく必要があるという御指摘でございます。

 また、その下、2、通級による指導の一層の充実の二つ目の白丸の最後のところでございますが、通級による指導を行うための教職員体制の充実が必要と言っていただいております。

 その下の3、幼稚園、高等学校段階における特別支援教育の充実の下の丸の2行目でございますが、都道府県教育委員会が環境を整えていくことが重要であるという御指摘をいただいております。

 またページをおめくりいただきまして、恐縮ですが、40ページを御覧ください。(2)学校間連携の推進の1、学校間連携による地域の教育資源の活用の3行目の後ろからですが、域内の教育資源の組合せ、スクールクラスターと呼ばせていただいておりますが、学校単体では難しい場合に、域内の教育資源を組み合わせることにより、域内の全ての子どもの教育的ニーズに応えて、各地域におけるインクルーシブ教育システムを構築することが必要であると御指摘をいただきました。

 また、41ページに移らせていただきますが、中ほど、2、特別支援学校のセンター的機能の一層の活用の最初の白丸、特別支援学校のセンター機能のことが最初の4行ほど書いてございます。その後、今出てまいりました、域内の教育資源の組合せ、スクールクラスターの中でコーディネーター機能を発揮し、発達障害をはじめとする障害のある児童生徒等への指導・支援機能を充実するなど、インクルーシブ教育システムの中で重要な役割を果たすことが求められている。そのため、センター的機能の一層の充実を図るということの御指摘を頂いております。

 ページをおめくりいただきまして、42ページを御覧ください。上の方の3、特別支援学校ネットワークの構築ということで、今の域内の教育資源の組合せや特別支援学校のセンター的機能を効果的に発揮するためということで、最後の行、特別支援学校ネットワークを構築していくことが必要であるという御指摘を頂いております。

 また、下の(3)交流及び共同学習の推進ということで、特別支援学校と幼・小・中・高等学校等との間、また、特別支援学級と通常学級との間で行われております交流及び共同学習については、1行飛びまして、共生社会の形成に向けて、経験を広め、社会性を養い、豊かな人間性を育てる上で大きな意義を有するとともに、多様性を尊重する心を育むことができるということで、こちらについては43ページに進んでいただきまして、最初の白丸の3行目、4行目ですが、更なる計画的・組織的な推進が必要と御指摘を頂いてございます。

 43ページの(4)関係機関等との連携ということで、インクルーシブ教育システムを構築する上では、医療、保健、福祉、労働等の関係機関等との適切な連携が重要であるというおまとめでございます。

 続きまして、45ページから始まります5ポツ、特別支援教育を充実させるための教職員の専門性向上等ということでおまとめいただいてございます。四角囲みの下、(1)教職員の専門性の確保の1の最初の白丸でございます。全ての教員は特別支援教育に関する一定の知識・技能を有していることが求められる。特に発達障害に関する一定の知識・技能は必須であるという御指摘でございます。そして、これについては、教員養成段階で身に付けることが適当であるが、現職教員については、研修の受講等により基礎的な知識・技能の向上を図る必要があると御指摘を頂きました。

 お開きいただきまして、46ページでございます。2の学校外の資源をも活用した学校全体としての専門性の確保のためのシステム構築の最初の丸でございます。全ての教員が多岐にわたる専門性を身に付けることは困難なことから、必要に応じて、外部人材の活用も行い、学校全体としての専門性を確保していくことが必要であるという御指摘を頂いております。

 また、47ページに進んでいただきまして、下の方、(2)各教育職員の専門性、養成・研修制度等の在り方の1、校長等の管理職、教育委員会の指導主事等を対象とした研修の最初の丸でございます。学校全体としての専門性を確保していく上で、校長等の管理職のリーダーシップは欠かせない。また、各学校を支援する、教育委員会の指導主事等の役割も大きいということで、このことから、校長等の管理職や教育委員会の指導主事等を対象とした研修を実施していく必要があるという御指摘を頂いております。

 ページをおめくりいただきまして、49ページを御覧ください。3、特別支援学校教諭についての養成・研修の最初の白丸でございます。特別支援学校教員の特別支援学校教諭免許状の取得率が約7割ということで、3行目、取得率の向上による担当教員としての専門性を早急に担保することが必要である。このため、養成、採用においては、その取得について留意すべきである。特に現職教員については、免許法認定講習の受講促進等の取組を進める。そして、その後も研修を通じた専門性の向上を図ることが必要であるという御指摘でございます。

 おめくりいただきまして、50ページでございます。最初の4、小・中学校の特別支援学級や通級による指導の担当教員の養成・研修ということで、特別支援学級や通級による指導の担当教員は、特別支援教育の重要な担い手であり、その専門性が校内の他の教員に与える影響も極めて大きい。このため、専門的な研修の受講等により、担当教員としての専門性を早急に担保するとともに、その後も研修を通じた専門性の向上を図ることが必要であるという御指摘でございます。

 最後に、51ページでございます。(3)教職員への障害のある者の採用・人事配置の最初の白丸の3行目でございます。障害のある者が教職員という職業を選択することができるよう、環境整備を進めていくことが必要であるというおまとめでございます。

 大変簡単ではございますが、以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 ここから、司会運営を私にかわります。よろしくお願いいたします。

 今まで特別支援教育については、この初中分科会でも何度か皆様から御意見を伺ってきていたわけですけれども、今回が最終回ということで、皆さんから御意見をお伺いしたいと思います。

 今日は、今、報告のありました本報告の内容について、修正すべき点があるかどうか、また、内容を踏まえた取組の実施に当たってどのような点に留意すべきかというふうな観点を中心にしながら、皆さんからの御意見を伺えればと思います。

 何かございましたら。はい、中川委員、どうぞ。

【中川委員】  ありがとうございます。インクルーシブ教育が非常に重要だということは、私立学校関係者も十分認識しています。私立学校教職員の研修あるいは教員免許状更新講習の中でも、いろいろな場面でこのインクルーシブ教育を取り上げ、できるだけ啓蒙(けいもう)しています。しかし、実際に配慮を要する生徒を受け入れようとしますと、施設設備、あるいは教員の指導力、あるいはコーディネーターをはじめ様々な人材不足、予算面で大きな問題点があります。そういった点について十分御配慮いただきたいと思います。

 それから、この資料の48ページの2、全ての教員についての養成・研修の三つ目の白丸でありますけれども、その中に、教育委員会の主催する研修に国立と私立学校関係者も受講できるようにと書いてあります。私立学校、公立学校は枠組みも違いますし、それぞれいろいろな背景も違いますので、できればこれは、私立学校はその実情に合わせて独自の研修ができるように、この部分を切り離していただければ有り難いと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 ほかに。はい、北條委員、お願いします。

【北條委員】  ただいま中川先生の意見と気持ちの上では大変似ておりますが、私立学校は、御承知のように教育委員会との関係で公立学校と大分その在り方が異になりますので、今後の運用に当たってはその点に十分な御配慮を頂きたいというお願いが1点でございます。

 それから、質問が一つあります。38ページの3の一番下のところ、「各都道府県教育委員会が環境を整えていくことが重要である」と。ここはもうちょっと具体的にどういうイメージなのかを御説明いただけると有り難いと思います。

 全体としては、大変きちんとお作りいただいてあることに感謝申し上げます。

【小川分科会長】  ありがとうございます。

 では、今の質問についてよろしくお願いします。

【千原特別支援教育課長】  失礼いたします。例えば高等学校につきまして、公立の場合は設置者が都道府県になってございます。ここのところはやはり多様な学びの場の整備ということで、それぞれの多様な学びの場の環境の整備の充実を図っていくというコンテキストの中において、やはり高等学校段階においても、設置者である各都道府県教育委員会がそういったことの環境を整えていくというような御議論があったかと存じております。

【小川分科会長】  北條委員、よろしいですか。また、よろしくお願いします。

【北條委員】  それは分かるんですけれども、ここは「幼稚園・高等学校における」と書いてありますから、幼稚園との関係はどうなんでしょう。

【小川分科会長】  いかがでしょうか。宮﨑委員ですか。では、よろしくお願いします。

【宮﨑委員】  今、課長から説明があったとおりでございまして、幼稚園も高等学校も、特別支援教育体制整備事業というのは遅れて出発していますので、まだ十分な整備ができているとは言えない。なおかつ、環境整備については具体的な数値目標等は挙げることはまだ今のところはできないんですが、例えば園が設置された時代背景とか、学校ができた背景などで順次整備を進めていかなければいけない。これは国としてもきちっとした体制を整えながら、環境整備を整えていく必要があるということを申し上げるために書いたところでございます。特に合理的な配慮だけに委ねるということではなくて、基本的な環境整備が極めて重要であるということをここで申し述べたかったというところです。

【小川分科会長】  北條委員の方から何か具体的な御意見がおありであれば、お聞かせいただきたいんですけれども。

【北條委員】  このところは、「各都道府県教育委員会が」と最後のところの主語になっておりますので、その役割がイメージできないもので質問したわけです。結構でございます。

【小川分科会長】  そうですか。

 では、渡久山委員、どうぞ。

【渡久山委員】  今度の提言もよくできているんじゃないかと思います。本当に長いこと中教審に関わり合って、特殊教育と言っていた時分から比べれば、インクルーシブというのが主潮になってきているということは非常に望ましいことだと思います。特に欧米に比べて、障害児教育あるいは障害者に対する社会的な在り方というのはすごく遅れているような感じがいたしますものですから、是非ともそういう面では積極的にこのインクルーシブ教育を進めていただければと思います。

 それを前提にして、3点だけお願いしたいのがあります。就学指導の場合、ここでもやっぱり、最後に結論が出なかった場合は第三者的なという形で都道府県教育委員会の指導まであるようになっているわけですが、そうじゃなくて、やっぱり一番身近な、障害児や、あるいはそれを持っている保護者のところで決まるような感じのものがいいんじゃないかと。基本的には私は、障害児や、あるいは保護者の教育的な選択、これを尊重すべきだというような形を考えていますので、よろしくお願いしたいと思います。特に教育委員会が決めるというのは、もちろん行政責任ですから、それはそれなりに一定の意味がありますけれども、従来、必ずしも障害者や保護者の意向が十分に尊重されたと言えない部分もありましたので、特にこの部分を要望しておきたいと思います。

 二つ目は、35ページにいろいろと書いています、合理的な配慮という部分ですね。これは僕は非常に必要だと思います。特に施設設備の十分整っていない日本の学校の現状、特に普通学級における障害児を受け入れた場合のバリアフリーの問題等を含めて、この合理的な配慮が非常に遅れている面もあるんだと思います。

 せんだって、全国特別支援学校長会の研究大会が6月20何日かにあったようです。恐縮ですけれども、これは日本教育新聞の記事なんですが、そこに記事として、特別支援学校の慢性的な教室不足というのがあるんです。慢性的な教室不足というのは今に始まった表現ではないんですよね。ということになってくると、合理的配慮のまず一歩の入れ物そのものに問題がある。特にこれ、特別支援学校の教室の慢性的不足というような指摘がされています。これは僕が検証したわけじゃないから、どれぐらい正しいのかどうか分かりませんけれども、そういう記事がありますものですから、直ちにこれは将来とか未来を待たずに解決すべきものは是非解決していかなければいけないだろうと思います。それが一つです。

 それからもう一つ、課長が説明されました、51ページの学校あるいは教育界における障害を持った教職員の採用の問題ですね。これは僕は、ひょっとすると教育界は遅れているんじゃないかと思います。現在、障害者雇用の関係で言いますと、多分、企業は1.8か1.6の義務がありまして、それを果たさなければ公表するとか、あるいは何らかの、罰金というと言葉は悪いんですけれども、金を出さなければいけないんですが、公的機関は恐らく2.0だと思うんですね。そういう面からいうと、果たして文部科学省傘下で2.0の雇用が果たされているかどうかという面は非常に疑問があります。その辺を含めて、先ほどここで提起されているような、障害者を教育界に採用する、特に教育現場で採用していけるような体制を作っていただくことが非常に大事じゃないかと思います。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 向山委員、どうぞ。

【向山委員】  すみません。今の渡久山委員の意見に、私は就学先決定については反対であります。いろいろな意見がある中で14ページにこういうように書いていただいた、このとおりにやっていただきたいと思います。戦後のずっといろいろな教育の中で、就学先決定をめぐる大変いろいろなことがあった。私も10年行政にいて、校長を11年やって、いろいろな事例も扱ってきました。また、校長会でいろいろな御意見があって、子どもさん自身が不幸になったケース、学校が大変なケースといろいろなことがあります。それぞれの思いを大切にしながら、どこで最終的に決定していくのかというのは大変難しい問題だと思いますが、部会がいろいろな意見を聞いていただいてこういうように集約していただいたということは大変有り難いと思っていますし、こういう方向でやっていただきたいと思っています。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 ほかに。では、井上委員から。

【井上委員】  インクルーシブ教育につきましては、教育基本法の改正以来、非常に大きな課題として中教審でも議論してきたわけで、この部会で精力的な御議論をいただいて、このようにまとめていただいたことは大変御苦労があったことと感謝したいと思います。

 その中で1点だけお尋ねしたいんですが、インクルーシブ教育をやる場合に、特別支援学校もそうですが、通常の学級においても受け入れるということになっていくわけでございます。そういう意味で、やはり学校教育におきましては、教員免許状が専門性を担保する一つの大きな要素になっているわけでございます。そういう中でインクルーシブ教育をやる場合に、特別支援学校教諭免許状を持っているのが、特別支援学校で現在、7割程度というように聞いているんですが、これでは十分な専門的な教育が担保できるのかどうか。

 それから、通常の学級で指導する場合も、やはり専門的な知識を持った、特別支援学校免許状を持った教員が担当に当たるということが望ましいわけでして、校長をはじめ指導主事の研修は学校の体制の研修とあるんですが、研修というのはどうせ1日か2日で終わってしまうもので、それが果たして本当に身についた専門性と言えるかどうかというのは非常に疑問だと思います。

 50ページの2番目の丸にございますように、「特別支援学級や通級による指導の担当教員が現在の特別支援学校教諭二級免許状を保有していることが望ましいが、短期的に保有率を大幅に引き上げることは難しい」と決めつけているんですが、やはり新しいインクルーシブ教育を実施する場合は、可能な限り、校長がリーダーシップを持って、教員にこういう免許状を取りなさいと。例えば教員経験が3年あれば、6単位を取れば特別支援学校の免許状を取得できるわけで、以前から放送大学等でそういう機会を設けてやっているわけで、かなり多くの人が受けてきています。これを更に推進するとか、あるいは免許講習会を各県でやって積極的に対応することによって、現状をやはり改革するということが、私はインクルーシブ教育をやるからには教員の専門性を担保した上で実施するというのが筋だと思うので、そういう取組を是非お願いしたいと。

【小川分科会長】  その点はよろしいでしょうか。よろしくお願いします。

 では、梶田委員、その後は、貞広委員、五十嵐委員、そして、荒瀬委員ということでお願いします。

【梶田委員】  本当によくまとめていただいたなと思います。特に共生社会を目指してインクルーシブ教育をどう実現するかという、骨太のはっきりとした方向性が出ているということについて私は感謝をしたいと思います。また、合理的配慮ということが今回言われている。合理的配慮ということは、基本は関係者それぞれの視点があってなかなかそれが一致しない場合に、やはり具体的なデータとかいろいろなものに基づいて客観的に、この辺りで今の段階では一歩前進させるべきじゃないかという、いわばある種の知恵の出し方、これについて非常にはっきり打ち出されたということは私はすばらしいことだと思います。しかもそれについては例示を別表の形で視点ごとにこれだけ詳しく出された。もちろん私はこれでいい、これだけ済んだとは思いません。しかし、これは非常に大きな前進だなと思います。そういうことで、まず特別委員会の皆さんに感謝するとともに、これを是非初中分科会の提言として出していただきたいなと思います。

 その上ですけれども、やはり2、3あります。先ほどからいろいろな委員の方が御指摘のように、一つは、教員養成の中でもっときちっとやらなければいかんと。例えば介護実習の中で、大体2日間ぐらいでしょうかね、特別支援教育のところに学生を連れていってということはあるわけですけれども、障害の種別の多様性ということからいっても、とてもこれでは足りない。やはり介護実習の中でというよりは、どういう教員免許を取る人でも、最低1週間ぐらいといいますか、5日間になるのか分かりませんが、それをシステマティックに、こういう障害への教育的対応、こういう障害への、ということでやっていかなければいけないんじゃないかと。というようなことで、この分科会の下にあります教員養成部会でこの辺は少し詰めていただいて、具体策を出してほしいなと思っております。

 それからもう一つは、今の合理的配慮も含めて、先ほどから中川委員あるいは北條委員も御指摘のように、これ、どうしても公立の学校の話のように聞こえてしまうところがある。よく見ればそうじゃないんですけどね。私も10年、幼・小・中・高を持っている学校法人の責任者を一応やってきて、中での議論で、毎年、幼稚園とか、小学校にとか、中学にとか、高校に、障害のあるお子さんも受け入れてきました。

 ただ、やはり私立でやるのはとても大変なんです。はっきり言うと、どこでも多機能トイレぐらいはあるんです。でも、それ以上いろいろなものを付ける、あるいは学習支援のための人を配置する等というのは、学校法人というのは、富裕なところもあるかもしれませんが、ぎりぎりでやっているとなかなかしんどいものなんです。その辺の支援の仕組みやはり少し考えていただかなければいけないのかなと、そんなことも思います。

 それからもう一つだけ、最後ですが、そういうことも含めて、私は、まずこれで一つの大きなメッセージとして出すのはいいんですが、これで終わったというようになったらいけないと思うんですね。ここから具体化を、例えば合理的配慮の中身についてもまだまだいろいろと検討していかなければいけない。ということで、私は是非何かの形での検討委員会を、これを受けてより一層具体化するための検討委員会のようなものを設置していただきまして、この理念、この考え方が現場で本当にいける、うまく前進するようにしていただきたいなと。最後のところは要望ですけれども、お願いしたいと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 では、貞広委員、どうぞ。

【貞広委員】  ありがとうございます。インクルーシブ教育システムの構築のために大変充実した報告を頂きまして、ありがとうございます。その上で2点御質問させていただきます。

 1点目は、先ほど来、複数の委員の先生方が指摘されている免許の問題、例えば教員の専門性向上の問題です。やはり私も、50ページの二つ目の丸の「短期的に保有率を大幅に引き上げることが難しい」というのは、是非引き上げていただきたいと考えます。その際にこういう議論がなかったのかということで御質問申し上げるんですが、例えば免許の取得率の向上や、教員の専門性を向上させるために、制度上のインセンティブを、短期的なり時限付きなりで、設けようかというような御議論はされなかったのかということ、それが1点です。

 それともう一つは、労働市場へのトランジションについての質問です。インクルーシブ教育のシステムは、最終的にはこの教育システムの中で学んだ人たちが、保護の対象ではなくて、自立と社会参加の主体になっていくことを目的としています。今回の報告は、教育システムそれ自体については十分に書き込まれていると読ませていただいたのですが、では、この教育システムから労働市場へのトランジションを考えたときにどういう議論が行われ、それが具体的にどこに書き込まれているのかということについて、お教えいただきたく存じます。以上2点御質問です。

【小川分科会長】  なかなか難しい問題かと思うんですけれども、これは課長さんでよろしいんですかね。

【千原特別支援教育課長】  恐れ入ります。いわゆるインセンティブ付与について、この特別委員会の場でございましたかちょっと不明確なんですが、そういうような御意見が確かありました。例えば免許を取るとお給料を少しアップするような話はございましたが、結果として、この報告の取りまとめの段階ではそういうような記述には至っていなかったという理解でございます。

 それから、就労、労働へのということで、今、実態から申しますと、例えば特別支援学校を卒業されて就職される方は2割強で、6割強の方が施設等に行かれているという状況です。この中にもちょっと、今すぐに見つけたいと思うんですが、キャリア教育の重要性とか、そういったことについては御指摘を頂いたと思っております。ちょっと今、探させていただいて。申し訳ありません。

【小川分科会長】  宮﨑委員からもでしょうか。では、宮﨑委員、お願いします。

【宮﨑委員】  まず、50ページのところ、先ほどから御指摘いただきましてありがとうございます。井上先生からも御指摘いただいて、書きぶりが断定的な書き方になっていて、この辺はちょっと反省しなければいけないと思っています。

 実は全ての教員が何らかの形で特別支援教育についての研修をしていただきたいということは、私どもの中では大変多く出ております。特に通級による指導や特別支援学級の教員に免許を付与するということについては、大変な議論になりました。現実にそれではどうするんだというところで、いろいろな御意見があって、免許状として、特別支援学校免許状で果たしていいんだろうか、特別支援教育免許状のような形で別途検討するということの方がより子どもの実態に合っているのではないかというような御議論があったりしたんです。これは教員の資質向上特別部会のいろいろな審議を待った上で検討すべき中身ではないかというようなことなどが出てまいりました。

 井上先生からあったように、確かに放送大学等は、これも私も言い出しっぺで、免許状付与の内容が放送大学でもされるようになったわけですが、現実の対応というのは、これは希望者ということですので、これを各都道府県教育委員会と連携するような仕組みにするとか、そういったようなことは確かにあるだろうと思うわけです。

 どちらにしましても、具体化のための検討委員会と梶田先生がおっしゃいましたが、そういった中で、免許付与の内容についてもう少し詳細に検討していかなければいけないと考えております。これは、特に貞広先生からあったことで言えば、司書教諭免許状のような形で、何時間か研修をするような形でとにかく教壇に立つための対応が考えられるんじゃないかというような御議論はあったんですけれども、ここには十分反映し切れていないというところは否めないかなと、改めて読んでそれはちょっと感じました。
 それから、トランジションの問題は、これはものすごく重要で、私どもは最初にキャリア教育についてまず勉強会をしました。この中に書き込みはどこかにしてあるんですが、本人の社会参加、自立に向けた対応、特に共生社会を改革していくというか、気付いていく当事者としての役割がすごく大きいと思っておりますので、その点からもこの教育が大事なんだという考え方は底流に流れているということだけは御承知おきいただければ有り難いと思っております。

【小川分科会長】  では、特別支援教育課長、またお願いします。

【千原特別支援教育課長】  失礼いたしました。今のキャリア教育等は、18ページ、19ページのところを御覧ください。例えば18ページの下から二つ目の白丸の「特別支援学校では」というところで、幼・小・中・高で一貫性のあるキャリア教育を推進し、卒業後も継続した支援を行っている。そういったことについて、特別支援学校以外の障害のある子どもに広げていくことが望ましいという御指摘。あるいは、19ページの二つ目の白丸、望ましい自立と社会参加のための教育という意味で、キャリア教育と特別支援教育の考え方には共通するものがあると。最後の方では、自立支援、職業教育や職場体験を更に発展させ、進化させていくべきであると。あるいは次の、生涯学習という観点でも、具体的には職業教育に関する学習の機会が確保されること等の御指摘を頂いてございます。

【小川分科会長】  よろしいでしょうか。

 では、北城委員、先ほどすみませんでした。

【北城委員】  大変的確なインクルーシブ教育システム構築のための報告書を出されていると思いますし、書いていることに反対ではないんですが、これを実際に行うときに関しての意見です。45ページの三つ目の丸のところに、学校全体としての専門性を確保していく上で、校長等の管理職のリーダーシップは欠かせないとか、校長とか管理職への研修が必要であるとか、校長のリーダーシップについては、それ以降も47ページ等にも書いてあります。50ページの上から三つ目の丸のところには、中核を担う担当教員については人事異動上の配慮を行うことが適当であると書かれています。こうしたことを含めて、学校運営に関する校長とか管理職のリーダーシップが非常に重要であると記述されていますが、これを個人の資質だとか研修で全て解決するのは難しいと思います。

 これはインクルーシブ教育だけではなくて、一般の初等中等教育に関しても同じことが言えますが、校長先生にどういう権限を与えるのか、また、校長先生の指示の下に、教員が適切な教育を行う仕組みをどう構築するのかが重要です。また、人事等の配置に関しても、校長先生の意見をどう尊重して、教育委員会が配置をするのかということも大切です。 校長先生を含めた管理職の権限についても、これを強化するような仕組みを入れていかないと現実問題としてはなかなか運営が適切にできないということです。これはインクルーシブ教育だけではなくて、初等中等教育全体の問題として考える必要があると思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

【長尾委員】  この会が初等中等教育分科会であるということ、そして、こういうふうにまとめてくださったということで、大変すばらしい報告ができていると思います。先ほど、キャリア教育、それから、社会・就職へのトランジションという話が出ましたが、当然、初等中等を経て大学に進む生徒たちも多数出てくるのではないかと思います。今、高等教育部門でも研究会を開いたり、幾つかの大学がインクルーシブな教育をしたり、また、障害を持った学生を受け入れていこうとする取組がなされておりますので、是非高等教育とのリンクと情報交換をしていただいて、一貫した教育になるようにしていただけたらと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

では、五十嵐委員、どうぞ。その後、荒瀬委員。すみません。

【五十嵐委員】  ありがとうございました。先ほど、校長のリーダーシップという話がありましたが、私は小学校の校長をしております。学校が特別支援教育を推進していくという体制は、一学校では絶対無理です。ですから、やはりそこの自治体の教育委員会がどういう体制を取って、どういうビジョンを持って、それを学校に落としていくかという体制を作ることが大事です。その体制をした上では各学校がそれぞれの校長がマネジメントを生かしてやっていきますので、それを支援する仕組みが絶対条件だと思っています。

 ちなみに、日野市は特別支援教育を平成17年から本格的に取り入れましたので、もう市の施策になっています。教育においては、ICTと特別支援教育と幼・保・小・中の連携、この三つが重点でずっと7年間やってきていますので、これはやらざるを得ない。では、各学校はどうするかということで、結構いろいろな体制をとってきています。その中で、今、この報告を読ませていただいて、これは既に進んでいるなということを見せていただきながら、現状で困っていることもここでちょっとお話ししたいと思っています。

 まず市のビジョンになりましたので、当然、教員のそういう研修が必要です。ですから、全ての教員が特別支援教育の研修を受けていますし、毎年そういう研修の機会はあります。校内でもOJTでやっていくというようになっています。また、校内委員会を立ち上げていますので、コーディネーターもしっかりと養成していますし、その研修もしっかりしています。そういう体制はあります。それから、個別指導計画や個別の教育支援計画も作っています。この仕組みをやる研修も行いました。

 さらに、就学に関しては、幼稚園・保育園の就学支援シート、それから、小学校から中学校へ行くときの進学支援シート、これも確立しています。さらに、発達障害である子たちの学習の困り感に対応するために、小学校は全校、リソースルームというものがあります。通常の学級においても、日野スタンダードというものをつくって、全ての子に分かりやすい授業をしていこうという取組をしています。

 そういう仕組みがようやく整った上で、先ほどの話に戻すんですが、インクルーシブな社会構築、どの子も、障害のある子もない子もそれぞれが達成感を持って共に生きていけるというのは当然大事なことです。そういう理念が早くからあるので、具体的には、小学校の就学先を決定するときには、今の法律では市教育委員会が決定するとなっていますが、現状は本当に保護者の意向に沿っていますので、そのニーズに応えています。それを精一杯受け入れるのが今の学校の仕組みになっています。当然、先生たち、学校はみんな、その大事さを分かっていて勉強していますので、温かく迎えたいという気持ちで迎え入れます。

 気持ちがあって、ビジョンがあっても、困難なことがやっぱりあるんです。それはなぜかといいますと、ここにも書いてくださっているんですが、27ページになりますか、ここに尽きるなと思って実感しているのが基礎的環境整備です。その子を受け入れて、その子がただ一緒にそこにいるだけでは駄目だと思っています。それもとても意味のあることは分かります。でも、その子が本当に達成感を持っているのか、その子の自立する力を6年間いて、付けてあげられたのかどうかというのは、正直言って自信がないんです。一緒にいるだけで終わっていたんじゃないか、悲しい思いをさせていなかったかというのが常にあるんです。

 ですので、やはり理念があってそういう体制を取ったとしても、本当にその子がどうなのかということは絶対落としてはいけないと思うんです。やっぱりその子だと思うんです。子ども自身だと思うんです。ですから、そういった意味で、27ページ以降にさらりと書いてあるんですが、これが本当に、環境にしても、施設整備にしても専門性のある教員、ある程度の教員はこういうものは身に付けるべきだと思いますし、教員養成には、特別支援学校用の本当の専門性を高めていくのも必要ですし、全ての教員がこの基礎的知識はあるべきだと思いますので、ICTと同様、教員養成でやるべきだと思います。

 そういう基礎知識を付けた上でも、やはりその子の障害に応じて、大勢いる中でも個別に何かをさせてあげたい。本校は特別支援学級がありますので、特別支援学級においては、教員たちが自力で教材を作って、ICTで個別学習もしているんですが、通常級にいる、本当は特別支援学校がその子の能力が生かせるんじゃないかという最初の判断を受けた子どもも、その中でどういう力が育てられるんだろうというのは、やはり専門性のある人に行ってほしい。その人に行ってほしいですし、教材も欲しいわけなんです。

 ということで、非常に理想と現実のギャップを感じているのが現実です。その辺りをやっぱりクリアするように、理念だけじゃなくて、具体的に学校の教室でどういうようにしてあげるのかというところまで落とさないと、どこかで苦しむ、どこかで誰かが悲しんでしまうということになり、そのままで終わってしまいますので、この先に期待したいと思っています。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。非常に重い指摘であります。

 それでは、最後、荒瀬委員、どうぞ。

【荒瀬委員】  ありがとうございます。前にも申し上げましたけれども、もう既に御意見が出ていますので、私も重ねて申し上げたいんですが、梶田委員もおっしゃいましたけれども、具体化の検討委員会のようなものを作って、これが本当にどう動いていくのか見ないといけないということです。

 一つの文書ができて終わるというんじゃないということは皆さん十分思っていらっしゃるということは分かります。文部科学省がこれから正に進行管理をなさっていかれるということは分かるんですが、しかし、往々にして、それが都道府県教委に行って、市町村教委に行ってとなると、違ったバイアスがかかって、本来の議論の精神といいましょうか、方向性がなかなか正確に伝わらないということがありますし、様々な形での広報活動も含めて、これは国を挙げてやっていこうということで、是非その点についての方策を具体的にお考えいただきたいと思っています。

 それと、前に申し上げましたのはお金の問題でありまして、やりたくても、お金がなければどうにもならないということです。11ページの(3)の一つ目の丸の6行目でしょうか、「必要な財源を確保して順次実施していく」という、これは様々な部分、全部、必要な財源というのが本当に必要なわけでありますが、そこが十分でなければ、やりたくても進められないということをもう一度申し上げておきたいと思っています。

 それから、11ページの二つ目の丸の最後の辺りに、「国としての施策の優先順位を上げる必要がある」と。上げる必要があるんではなくて、上げるんだという決意を持って臨んでいただきたいと思います。4月から京都市の設置している、高等学校はもとよりおりましたので分かっておりますが、小学校、中学校、幼稚園、それから、京都市では総合支援学校という呼び方をしておりますが、支援学校に行きました。

 今、京都市では市の真ん中にこの総合支援学校が設置されていますが、やはり以前に造られた学校というのは、全て市の周辺部です。通うのがとても遠い。肢体不自由の生徒が自力で通えませんので、当然のことながらスクールバスを用意しないといけないけれども、スクールバスも十分に用意できなかった時代、ぐるぐる回って2時間以上かけて通う。「それは大変だったでしょう」ということを私が申し上げましたら、そのときに保護者の方は、「2時間以上かけても通える学校があるということがうれしい」と30年ぐらい前におっしゃったそうです。そこから何か進んだことはあるわけですけれども、進んでいないこともいっぱいあるわけです。是非そのことを、これを契機に一層進めていただきたいと思います。

 それと、どうもさらっとしか触れられていないので気になるんですが、18ページの一番上の2行目のところで、「「子ども・若者育成支援推進法」にあるように、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者が」というくだりがありますが、一つのことをするのはそれぞれ担当なさっているところがなさるというのは当然分かるんですけれども、インクルーシブという、正にこの思想からすれば、ありとあらゆる困っている子どもや若者に対して支援をしていこうという観点でそれをしていこうと思うと、国を挙げてやっていかないとどうにもなりません。もちろん自治体もやっていかなければいけないわけですけれども、是非国が音頭を取って積極的に号令を掛けていただきたいと思います。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 時間が大分オーバーしていますけれども、よろしいでしょうか。なければ……、では、三町委員、どうぞ。

【三町委員】  恐れ入ります。本当に先ほどの議論は初めてなので、まだ聞かせていただこうと思ってちょっと待っていたんですけれども、基本的にインクルーシブ教育の推進というスタンスで、しかも現実を踏まえながらまとめられているということで、私は大変有り難く思っています。

 報告書にありますけれども、特に学校として、どの学校もそうだと思いますけれども、短期的視点でのこれからの動き――法改正、それから、教員研修の充実、条件整備等について、ここをとにかく具体的に見えるような形で進めていただきたい。法改正はされましたと。じゃあ、その後の動きとして、教員研修の中身は何なんだ、具体的にどうするんだろう、あるいは条件整備はどうしていくんだろうと、これを具体的に進めていただくことが、学校にとっても安心して仕組みを変えながら進めていける条件だと思っております。是非そういう意味での進め方をしていただけたらということが1点です。

 2点目は、やはり最後にありましたけれども、教職員への障害のある者の採用、人事配置というところで、これも実際にそういう先生がいらっしゃるんだと思います。私は直接は把握していないからわからないんですけれども、テレビドラマ等で視覚障害の先生が子どもと本当に向き合いながらやっている姿からも、大変意義があることだと思っております。そこでの条件としては、やはり当たり前ではありますけれども、いわゆる学校の先生としての求められる資質が当然あるという、その中で選考していかれるんだと思います。

 もう一つは、障害があることによって、やっぱり子どもを守るというときにどの程度のことが可能なんだろうか、また、そういう場合には学校、周りの教員等がどんなような体制を取ればいいのか、こういうことが実は不安なところでもあります。ですから、こういうところは是非国で情報を集めていただいて、逆に流していただくというか、どういう形の対応があるんだということを教えていただけると、これも見える形で取り組んでいけるのかなと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っています。以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 では、この辺でよろしいでしょうか。非常にたくさんの御意見ありがとうございました。皆さんの御発言にもあるように、例えば梶田委員から、合理的な配慮の検討というのはまだまだ不十分であるために、今後、継続的な検討も進めていってほしいというようなことを含めて、多くの委員からは、基礎的な条件整備が特別支援教育を充実していく上で不可欠であるという御意見、あと、教員の能力開発、研修等も、これも継続的な取組として進めていってほしいというような、総体的には、今回のこの報告書の内容をスタートとして、今後、学校現場で取組を進めていくわけですけれども、その取組をきちっと検証しながら、出てきた課題については適切な対応、施策を国の責任としてやっていただきたいという、およそそういう御意見ではなかったのかなと思っています。

 今日頂いた意見につきましては、私と担当課、宮﨑委員等とも調整しまして、最終的に初等中等教育分科会の報告として取りまとめていきたいと思っています。また、その内容につきましては、加筆修正等がありましたら、また皆さんの方にお返しして、御了解いただければと思います。そして、最終的には中央教育審議会の総会に御報告させていただきたいと思います。それでよろしくお願いいたします。

 それでは、1時間ぐらいかかってしまったんですけれども、特別支援教育の議題についてはここで終わらせていただきたいと思います。

 次に、第2は、小中連携、小中一貫教育に進みたいと思います。学校段階間の連携・接続等に関する作業部会が本分科会の下に設置されて、昨年10月から小中連携、小中一貫教育に関する成果と課題等について議論をしていきました。その作業部会の中では、小中連携、小中一貫の取組を先行的に進めている様々な学校や市町村教育委員会などのヒアリング等も行いまして、現状をとにかく把握した上で、現在の課題、そして、小中連携、一貫教育を進めていく上での具体的な改善方策、最後に、義務教育学校制度創設の是非について議論を進めてきました。

 この作業部会の意見が、今日お手元にあるように、小中連携、一貫教育に関する主な意見等の整理という形でまとまりましたので、この作業部会の主査を務めた私からまず簡単に報告をさせていただきたいと思います。

 資料2は、全体とすると100ページを超える大部な冊子になっていますけれども、基本的には35ページまでが本報告の内容で、それ以下は、要約、参考資料となっております。それで、時間もありませんので、この作業部会の中で主に争点になったところを中心にしながら報告をさせていただければと思います。そういうことで御了解いただければと思います。

 まず目次を見ていただければお分かりかと思いますけれども、この意見等の整理については三つの構成になっています。一つは、小中一貫、連携、接続に関する現状です。2は、小中連携、一貫教育の推進ということで、この間に取り組まれてきた取組の目的、効果、そして、教育課程、指導方法、推進体制、地域との連携、そして、教員人事、免許、あと、校地・校舎となっています。三つ目が、義務教育学校制度創設の是非というような構成になっています。

 1については、時間がありませんので、これについては、小中連携、小中一貫といっても、非常に多様な取組が全国で行われているという、そうした実情を文科省が実施したアンケート等で御報告しております。これは時間がありませんので、お目通しいただければと思います。

 まず今日は、時間がありませんので、第2章の小中連携、一貫教育の推進のところから少し簡単に説明させていただきたいと思います。もう皆さん御承知のとおり、小学校から中学校への進学に際しては、新しい環境での学習とか生活へ移行するというような段階で不登校等が増加する、いわゆる中1ギャップ等が指摘されてきました。その原因については、小学校から中学校に進学する際の接続が円滑になっていないんじゃないかとか、また、児童生徒の発達が従来と比べて非常に早まっている等そうした背景から、この作業部会においては小中連携や接続の在り方について検討してきました。

 これも皆さん御承知のとおり、小中連携、小中一貫といっても、全国で今、取り組まれている内容というのは、目的や形態が様々に異なっていますので、私たち作業部会においては、まず小中連携と小中一貫の定義を確認しておきました。これについては6ページです。小中連携というのは、小・中学校が互いに情報交換、交流することを通じて、小学校教育から中学校教育への円滑な接続を目指すなどの取組としました。また、小中一貫教育というのは、小中連携のうち、小・中学校が9年間を通じた教育課程を編成し、それに基づき行う系統的な教育、取組というように捉えて、その辺のところは整理しておきました。

 目的、効果等については、7ページ、8ページにも触れておりますとおり、小学校、中学校の教職員が9年間の教育活動を理解することで、系統性を確保して、義務教育の目的、目標に掲げた資質、能力、態度などをより良く養えるようにするということ、効果については、現行の取組における中学校の不登校出現率の減少等の様々な成果を普及していくという観点から、これも更に効果検証の在り方や評価手法については今後更に検討を進めるということにしております。

 次に、教育課程は9ページからです。現在でも多くの学校で行われている4・3・2などの学年区分は、児童生徒の実態に合わせた教育課程の工夫の観点から、今後も多様な取組が進められることを期待するとしております。また、現状でも、教育課程特例校などにおいて、文部科学大臣の指定に基づいて学習指導要領の範囲を超えた教育課程の基準の特例が認められていますけれども、設置者の創意工夫による小中一貫教育の取組を更に推進する観点から、設置者の判断で当該特例の実施を可能にすべきかどうかという点についても、本作業部会では議論をしました。

 この作業部会の議論においては、委員からは、学校、市町村において積極的に小中一貫教育を推進できるように、設置者の判断に基づいて一定の教育課程の基準の特例を活用できるようにすべきとの意見があった一方、義務教育の全国的な教育の機会均等、また、教育水準の担保、転入学児童生徒への配慮等も考慮して留意すべきとの意見もありました。

 そうした、賛成、反対といいますか、慎重であるべきだというような意見も総合して、本作業部会としては、具体的な制度として、小中学校が9年間を通じた特色ある教育を実現できるよう、小中学校の教育課程の基準の特例として、一定の範囲内で各学年の各教科等の授業時数を減じ、その内容を代替する学校設置教科の授業時数に充てることができるようにするのが望ましいのではないか、また、設置者の判断で小中学校における指導内容の学校間又は学年間での入替えや移動を可能にするということについては、義務教育における全国的な教育の機会均等などの観点から十分な検討を経て取り組むのが望ましいのではないかというような結論になりました。

 次に、指導方法等については15ページ以降に書いておりますけれども、時間がありませんので、指導方法については、中学校の教員が小学校で、又は小学校の教員が中学校で指導を行う、いわゆる乗り入れ指導については、児童生徒の不安感の軽減とか、また中1ギャップの解消、また教員の他校種に対する理解を進めるというような仕組みとして積極的に導入を図ることが期待されるとしています。

 次に、小中連携、小中一貫を推進する体制については17ページ以降です。学校段階間での取組の体制、19ページには市町村段階での取組の体制、そして、20ページには都道府県教育委員会の取組等が段階別に記載されています。これも時間がないので、詳しくは読んでいただきたいんですけれども、基本的には、学校レベルでは、校内体制として小中学校間の連絡、調整機能を行うコーディネーターを校務分掌として位置付けるというようなこととか、学校間の連携・協力体制として小中学校教職員が互いに授業を見合ったりするということなどで、9年間の教育課程及び指導方法を理解するということをベースにしながら、適切な情報交換、交流が重要であるということ。

 また、市町村教育委員会としては、小中一貫教育推進担当の指導主事の配置や、兼務発令された教職員の後補充の講師等の配置等によって小中連携、一貫を支援する。また、都道府県レベルでは、人事異動方針として、小中の教職員の交流の促進、教職員の兼務発令、また、小学校における専科指導に対する教職員定数の加配措置の活用等、そういう形でもってこうした取組を支援していくことが考えられるのではないかとしております。

 次に、22ページでは、小中連携、一貫教育を地域との連携という形で進めることがより効果的ではないかということで、その辺の指摘もしております。時間もありませんので、その辺は省略させていただきたいと思います。

 次に、25ページには、教員人事、教員免許等の推進に対応した取組、課題等が記載されております。これもポイントだけをお話しします。やはり小中学校の先生方の人事交流が基本であるということでその点の促進、また、小学校等の専科、担任制度の更なる活用のために、都道府県、そして、市町村において、児童に対する指導に関する研修等の実施を進めてほしい。

 また、教員免許についても、現職教員の隣接校種免許状の取得を更に促進するために、既に都道府県教育委員会などが開設している免許法認定講習を免許状更新講習としても位置付けることで、教員の負担を軽減するなどの取組。また、小中学校段階をまとめた、いわゆる義務教育免許状というような議論も出たわけですけれども、これについては、要取得単位数の増加の課題などもあって、中長期的な検討課題であるとしています。特に複数免許状を取得する場合の最低修得単位数の設定等の在り方については、検討することを期待するとしております。

 最後、28ページ、校地・校舎等では、小中連携や一貫教育の効果的な実施に資する学校施設の在り方として、やはり国として検討することが必要ではないかとしております。特にこの点については、校舎や屋内運動場の一体化に当たり、小学校、中学校を改築する場合、国庫負担率等の見直しを図るなど国として検討することが必要ではないかというようなことも指摘しております。

 最後、29ページが、義務教育学校制度創設の是非についても議論をしました。時間もありませんので、なぜ義務教育学校制度の創設の論議かということについては、義務教育学校の創設等については、これまで平成17年度の中教審答申等でもその検討が必要であるというような指摘もありましたところから、本作業部会としてもこうした検討を行いました。29ページ、30ページにはその辺の経緯と諸外国の義務教育学校制度等との概要等も説明しております。そうしたことをベースにしながら、義務教育学校制度創設の是非については31ページから32ページにわたるような論点がありますので、そうした論点を整理した上で、この論点に即しながら、作業部会としては議論を進めてきました。

 委員からは、地域の実情に応じた教育の実現や、義務教育9年間を一体的に捉え、児童生徒の学力向上等を図っていく観点から、義務教育学校制度の創設に賛成するという意見がありました。また他方では、そうした賛成の意見に対して、人間関係の固定化による再チャレンジの機会の喪失、また、初等教育段階からの制度の複線化等への懸念も示されました。そうした賛成、反対の意見のやりとりをした結果、この作業部会の結論としては、義務教育学校制度の創設には慎重な検討が必要であるというような結論となっております。その辺のところについては、32ページから33ページに創設に対して賛成の意見、また33ページには創設に慎重であるべきとの意見を整理しております。

 以上、簡単ですけれども、作業部会の意見等の整理の説明をさせていただきました。審議をよろしくお願いいたします。

 今の説明の内容については、何か御質問、御意見があれば、頂きたいと思います。

 では、梶田委員、貞広委員、ほかにいかがでしょうか。では、まず梶田委員、どうぞよろしくお願いします。

【梶田委員】  苦労しておまとめいただいたということについては感謝いたします。ただ、率直に言いまして、私、前にも申し上げたと思うんですけれども、この話は46答申から出ているんです。1971年、このときの課題出し、これは是非私は文科省の関係の方々に読み直していただきたいんです。6・3制を日本に持ち込んだとき、敗戦直後アメリカの教育使節団が持ってきたこのときに、アメリカの中では90何%は6・3という区切りの仕方なんです。ところが、この七、八年前の段階で6・3がもう数%でしょう。

 どうしてそうなっているのか。それは面白いから変えてみようじゃないんです。これはこの中にも若干触れてありますけれども、子どもの成長、発達の特に心の発達、体の発達が大きく変わったからなんです。これは発達加速現象とか、発達前傾現象。

 ここで何に興味を持つかということは知っておられますから、そういうことよりも、子どもたちは学ぶわけです。学ぶときに、例えば思考のパターン、小学校下級では、ピアジェ的にいいますと具体操作、つまり、いろいろなことを具体的に活動したり、イメージを創ったりしないと、抽象概念が十分に扱えない。だから、数え棒なんかをいっぱい使ったりして、大人から見ると本当に大変な手間をかけて、小学校低学年のあれ、やっているわけです。これはそれがないと子どもたちが学べないからなんです。

 ところが、前は5、6年までそれでいけたんだけど、5、6年になったら、いわゆる抽象的な思考、ピアジェ的にいうと形式操作が優位になってくる。そうすると、授業の仕方を変えないといかんわけです。だから、小学校は、低学年と高学年は同じというわけにいかんのです。つまり、抽象概念がどこまで扱えるかで授業の仕方が全然変わってくるわけです。

 それと今度は別の面からいいますと、道徳判断も、大体、昔は6年生まで結果道徳というのが中心だった。結果の重大性で判断する。その上になると、動機道徳に移ってきます。その移行が大体、今、小学校4、5年からなんです。あるいは、体の発達も、思春期発達、中学に入ってからぬくぬくと大きくなるのがほとんどだったのが、今や4、5年からなっているわけです。

 もう既にこういうことがあるから、これを検討しないと、子どもの学びとか成長を支援するという学校教育の在り方としてはおかしいんじゃないかというのが、膨大な資料から、1971年に出ているわけです。その後、文科省は研究開発室を作って、そこでいろいろなデータを集めた。私も実はそこへお手伝いに行っていたわけです。お手伝いに行っていて、いろいろな研究グループにお金を出して、研究費を出して、たくさん今のような、私が今言ったようなことは全部、一つや二つのデータじゃないんです。いろいろなところの日本の子どもについてのデータで、そういう発達の移行が非常に早まっているということが実証されているわけです。これについて、私はまとめも作らされました。研究開発室にお手伝いに行っていましたからね。1970年代の終わり頃です。

 そういうことを踏まえて、この研究開発学校というのもできたんです。学校制度は区切りを変えるのは大変な話なものだから、カリキュラム上あるいは指導の方法上の何かできないかと。先導的思考という言葉がやられたりしたんですけれども、それをやるためには指導要領の縛りを一応置いておいて、いろいろなことができるようにしましょうということで、研究開発学校の制度も始まったんです。そのために始まったんです。私はそれの最初から、準備からさせていただきましたので、そういう問題意識なんですね。

 それでどんどんきて、実は今、中1プロブレムといいますけれども、これはある意味での、いわば学校のカリキュラムの考え方、指導の考え方の6・3という区切りと、子どもの成長・発達の具体とが食い違っているところから出ている、やはり一つのまずいところなんですね。もちろん中1プロブレムの問題だけじゃありません。本当に思春期発達に対応できる指導あるいは教育が考えられているか。だから、大分前に研究開発学校の枠組みの中で、あるいはほかにもっと根本的な特区で、あるいは最近でいえば教育課程特例校という形で、その辺をやっていいですよという話になったわけでしょう。

 そういうところで何で4・3・2とか、そういう区切りを変えているかと。私がこういうことを縷々(るる)申し上げたのは、私は是非こういう作業部会を作ったら、文科省の関係の方々は、文科省はずっと何回も引っ越しをしていますから、資料なんか分からなくなっているかもしれないけれども、多額の税金をかけてその辺の資料をたくさん集めているんです。そして、具体的に例えば小学校の上級ではどういう指導をしたらより有効かという、そういうもののまとめも何回もしているわけです。そういうことを踏まえた上で小中一貫を例えば議論していただけなければ。

 現状、今やっていることについてのまとめとしては、私は本当に御苦労いただいたと思います。でも、我々この分科会でやらなければいけないのは、子どもたちの現実を踏まえたときに、より一層前進するような何かがないかということを議論せんといかんわけでしょう。義務教育学校を創ればいいかどうかという話ではないだろうと私は思っております。ということで、前にもちょっと申し上げたと思いますので、繰り返しになるのでこれ以上は言いませんが、この問題は、表面的な小中をつなぎたいとか、つないでいいですよという話じゃなくて、もっと根本的な、本質的な日本の学校制度の議論に基づくものだということで、この報告を受けとめていきたいなと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 では、貞広委員、よろしくお願いします。

【貞広委員】  ありがとうございます。大変難しい問題をまとめていただいたと思います。勉強させていただきました。

 1点御質問なんですけれども、通常、小中連携、小中一貫というのは、義務教育の継続性の確保と教育の充実ということで検討されるわけですが、その一方で、今、全国の現状を見ますと、例えば実際に今日のペーパーにも、23ページの四つ目の丸のところにありますように、「小・中学校の統合に併せて、小中一貫教育が導入される場合もある」という御指摘があります。つまり、子どもの少子化が進んで学校規模が縮小して、学習集団という面から、連携や一貫教育を導入しないと立ち行かないような小規模化が進んでいる。そして、将来に向かってはそうした現状が全国的に拡大していくということが予想されます。この際に、実際にこれ、論点ということで出ているんですけれども、こうしたときに、小中一貫、連携の場合の教員定数の新たな在り方について実際にどのような議論がされたのかということを御質問させていただきたいと思います。

 中には、コーディネーターという人材が必要だという御指摘がありますので、例えばコーディネーターを加配しなければいけないという定数の新たな在り方もあるでしょうし、その一方で、ある一定程度以上の規模同士の小中連携、小中一貫ではなくて、非常に小さくなってしまった学校同士の一貫や連携という形であれば、例えばそれぞれフルスペックではないような定数同士の一貫ということも検討の対象になっていかざるを得ないかもしれないとも思うのですが、教員定数という面でどのような議論があったのかということを教えていただければと思います。

【小川分科会長】  では、私の方から最初お話しして、あと、事務局で何か答えがあればと思います。

 基本的には、定数問題については、小中連携・一貫教育の作業部会では踏み込んだ議論はしていません。ただ、今、これ以外に、学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議が省内に設置され議論が行われていますよね。あちらでは、少子化に伴って学校規模自体が非常に小規模化している中で、やはり定数配置をどうするかという議論はあります。

 それについては、例えば、中学校が小規模の場合には専科もなかなか置けないということで、複数校掛け持ちの専科の先生を配置するというような自治体もありますし、また、小学校、中学校を連携して、むしろそういう小中一体として地域の定数を配置していくというようなそういう視点も必要ではないかという議論は、検討会議の方では出ています。ただ、小中連携の方では、いろいろな要望は、ヒアリング等、また、委員の中からはそうしたことを含めて議論はあったんですけれども、作業部会として、何か定数に関わって、この提言の中に要望とか施策を書き込むというところには至っていません。

 事務局から何か追加説明はございますか。

【小谷教育制度改革室長】  貞広委員から御指摘いただいたことにつきましては、委員の先生方からも問題意識は提示されました。112ページを御覧いただきたいんですけれども、第12回の中で、特に小規模の中で統廃合がされながら小中一貫を進めてこられた東京都桧原村と熊本県産山村からもヒアリングをさせていただいて、意見交換をさせていただきました。それで、その結果につきましては、先ほど小川分科会長から御説明があったとおりです。

 あと、具体的な定数措置という形ではそこまでは踏み込んだ記述にはなっておりませんけれども、先ほど分科会長がおっしゃったようなコーディネーターとか、あるいは乗り入れ授業のために例えば中学校の先生が小学校に行かれた場合の後補充の講師の支援とか、そういったことは御提言がありまして、この意見等の整理の中にも記載がなされているところでございます。

【小川分科会長】  よろしいでしょうか。

 ほかに。貝ノ瀬委員。

【貝ノ瀬委員】  先ほど梶田委員からお話がございましたけれども、正に子どもの発達段階、発達の状況が変わってきたという、それは私も問題意識は全く同じであります。そういう問題意識を基にしまして、私が今いる本市では、全ての学校を小中一貫教育にしているわけであります。6年間、3年間で区切ってしまい、そこで小学校教育、中学校教育ということで貫こうというのは、相当無理がきているわけですよね。ですから、そこで9年間で子供を育てていこうという発想で、そして、途中では区切り方というのは子どもの発達段階や地域によっていろいろあるとは思いますけれども、それを考えながら9年間で子供を育てる教育を進めています。

 例えばお話のように、中1ギャップだとかそういうことも発生しやすいというようなこともあって進めているわけですが、実際に9年間のカリキュラムを一貫させ、小中の先生方が同じ問題意識を持ち、そして、教師が相互乗り入れ授業をしたり、子どもが小中を行ったり来たりということで、半ば兄弟関係のような感じで日常生活するということは、やはり大変に教育効果があり、率直に申し上げて、学力にも効果があるわけです。

 ですから、検証も私どもはしておりますけれども、そういった問題意識を持ってやっているわけです。これは今の制度の中でも相当なことができるということなんですね。私どもは特区申請を特にしたということでもありません。今の学習指導要領の範囲内でもってぎりぎりやれるところをやっているということであります。手前みそで恐縮ですけれども、それでも大変な効果が出ているということでございます。

 現状の中では、全国まだまだ小中一貫、小中連携と言いましても、少なくともカリキュラムを一貫させているというような、そういう状況は少ないと思います。これからは、カリキュラムを一貫させるということ、小中9年間で子どもを育てるということをまずはやってみるということが大事です。今回、設置者の判断で教育課程の変更も認められるというようなことは大変大きな前進で、一定の歯止めは必要なのでありますが、そこは今後議論がまた継続して必要になってくると思いますけれども、相当に前進しました。

 一挙に義務教育という制度化になりますと、実際に私は今、現場の責任ある立場からしますと、やはりちょっと飛躍を感じるわけです。教育改革の制度化につきましては、日本の国の教育の制度全体のグランドデザインの中で考えていくということが必要なんじゃないかと思うわけです。今回のまとめは、非常によくまとめられていると申し上げたいと思っております。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 ほかによろしいでしょうか。

 すみません、では、時間も30分ぐらい予定よりもオーバーしていますので、この小中連携、一貫教育に関する意見等の整理については、ここで終わらせていただきたいと思います。

 ただ、本意見書の整理については、これからいわゆるパブリックコメント、意見募集を実施することになっています。また、この本意見等の整理で提案されている、設置者の判断で教育課程の基準の特例を活用できるようにする新たな制度については、これの具体の制度設計については教育課程部会において検討することになっております。教育課程部会で、今言ったような、設置者の判断で行う教育課程の基準特例をどう活用するか、先ほど貝ノ瀬委員からもありましたような制約・縛り等も含めて、そういう制度設計を教育課程部会で行うことになります。その結果につきましては、またこの初中分科会で報告させていただいて、また皆さんから御意見を伺うというような手続になるかと思います。その点またよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 では、次の議題3に移りたいと思います。高等学校教育部会の審議状況について、これについても、資料3-1、2、3、これに即して少し御説明していきたいと思います。

 高等学校教育部会においては、これは昨年11月に審議を開始してきました。今後の高校教育の在り方を検討するに当たっての課題を整理する、更にその課題をどういう方向で検討するかという検討の視点についてこの間議論して、今日机上にあります資料3-2のような「課題の整理と検討の視点(案)」という形で提案させていただいております。これについてもこの部会長を私が務めておりますので、これも簡単に私から説明させていただければと思います。よろしくお願いします。

 まず、この「課題の整理と検討の視点(案)」の基本的なねらいを私から報告させていただきます。高等学校教育改革が単独の課題として中央教育審議会で審議されるというのは実に20年ぶりのことです。そうしたこともありましたので、高等学校教育部会では、まず部会で取り上げて検討すべき課題は何なのかということ、そしてまた、そうした課題をどのような視点と方向性で検討していくかという、いわば高等学校教育部会の見取図というか、海図作りを最初にやろうということで、昨年11月から、資料3-1にありますように様々なテーマに即して、ヒアリング等も含めて議論を重ねてきました。

 1回から6回までは個別の論点についての審議を行い、7回以降はこれまで出されてきた意見を資料3-2にあるような「課題の整理と今後の検討の視点(案)」という形でまとめました。実は昨日、高等学校教育部会があって、今日提案されている内容についてはいろいろな意見が出て、昨日の部会の意見を残念ながらこの資料3-2には反映していませんけれども、おおよその議論の骨格については、部会の共通認識が図られたと思っております。

 目次を見ていただければお分かりのとおり、まず高等学校教育の現状、そして、課題、そしてまた、高等学校教育に期待されるもの、そして、4以降は、今後の施策の方向性。その方向性の中でも特に重要な課題として、質保証をどういうようにして進めていくか。そして、6として各種の振興方策。最後、高等学校と大学の接続というような構成になっております。

 これも時間がかなりオーバーしていますので、詳細に御報告することはできませんけれども、ポイントだけ押さえながらお話しさせていただければと思います。

 まず、1ページから始まる高等学校教育の現状についてですけれども、これは皆さんも御承知のとおり、中学校卒業後の生徒の高等学校進学率が98%に達しており、生徒の興味、関心、能力、適性、進路等が極めて多様になっておりまして、学力の面においても、極めて高い学力を有している者がいる一方、いわゆる義務教育の学習を十分修得していない生徒も少なからずいるという、そうした現状もあります。また、高校中退者についても近年減少傾向にあるわけですけれども、依然として5万人を超えているという、そういう実情等が記載されております。

 なお、昨日の議論の中では、今言ったような点は押さえつつも、やはり近年の社会経済等の大きな変化の中における高校教育のシビアな現実についても、もっと踏み込んで書くべきではないのかというふうな意見も出ておりました。例えば高校生、特に中位層以下の高校生の学習時間が極めて大幅に減少している現状、つまり、学習においては底抜けの状況にあるというような点とか、また産業就労構造の大きな変化や近年の経済不況等を背景に、高卒の雇用就労環境が極めて厳しくなっており、それに対応した能力育成や進路保証も非常に大きな問題となっている等、そうした点も記載すべきであるというような指摘もありました。最終的なまとめは、そうしたものも含めてきっちり現状分析をしていきたいと思っています。

 2では、そうした現状を踏まえながら、高等学校教育の課題が記載されています。ここでは、将来の進路等の環境を意識して学びに取り組む態度、社会の一員として求められる意識、態度の育成、学習時間の減少に指摘される学習意欲の減退等が課題となっており、青年期の生徒が自己を見つめながら自我を確立し、人間としての在り方、生き方についての自覚を深め、人間性を豊かに育むことができる教育が重要になっているというような点を指摘しております。

 以上を踏まえて、3、高等学校教育に期待されるものを整理しております。ここでの基本は、どの学校においても生徒の自立に向けて、全ての生徒に最低限必要な能力を身に付けさせるとともに、生徒の適性や進路に応じて必要となる資質、能力を身に付けさせることが期待されること。特に生徒の適性や進路等に応じた課題を踏まえた教育を行うに当たって、これからの時代が将来予測困難になっていることを見据えて、各学校が地域の実情や生徒の希望、実態等を踏まえて、目標とする人間像を明確にした上で、それぞれの生徒の個性や能力を伸長させる教育を行うことが期待されるというように押さえております。

 以上のような現状、期待されること等を踏まえて、4以降、今後の施策の方向性、振興方策、高大接続というような形で進めております。

 9ページ、今後の施策の方向性ですけれども、ここではポイントとすると、大きく言って2点あります。一つは、全ての生徒に最低限必要な能力を身に付けさせること。その際、全ての生徒に最低限必要な能力を身に付けさせる内容として共通の学習内容を、すなわち、高校教育のコアをどう考え、それを全ての生徒に保障していくこと。二つ目には、それを踏まえながら、学校ごとに地域の実情や生徒の実態を踏まえ、生徒が修得すべき内容を明らかにし、その内容を確実に修得させるとともに、修得状況を明らかにする様々な質保証の仕組みを構築すること。主にこの2点を軸に今後の施策の方向性を押さえております。

 その上で、今お話ししたように、全ての生徒に最低限共通して身に付けさせる共通の学習内容、すなわち、コアをどう考えていくか。これは8月以降、高等学校教育部会で検討していくわけです。これまでの議論では従来、教科の学習の修得を中心にして議論されてきていたわけですけれども、教科の学習の修得にとどまらないで、社会的、職業的な自立、社会・職業への円滑な移行に必要な力を育成する教育、また、社会の一員として参画し、貢献する、意識するなど市民性を育む教育等、いわゆる市民教育の完成という視点でコアの内容を詰めていってはどうかという、そうした今後の課題が確認されております。

 13ページ、5、高等学校教育の質保証に関わってですけれども、高等学校教育に対する社会からの期待の裏返しとして、高等学校教育がこれまで質の保証に関する機能を十分に果たしていないのではないか、ないしは質保証の取組が社会的に見えにくくなっているのではないかという指摘が強まっているというような共通認識の下に、高等学校教育の質の保証は非常に重要な課題であるということも本部会では確認しております。

 今後、その質保証の在り方等についても、高等学校教育部会で8月以降また検討していくわけですけれども、この案にもありますとおり、一つは、高校においてどのような能力を身に付けさせるか。これは先ほどの繰り返しですけれども、生徒に共通に修得を求めるコアをどう考えるか。二つ目とすれば、その到達目標を誰がどのように設定すべきなのか。三つ目は、到達目標に対する到達度をどのように把握するか。四つ目には、これらの点を踏まえた質保証をする仕組みをどう構築していくかという課題を確認しております。

 以上を踏まえて、6、各種の振興方策。ここは、こうした課題、施策が今後、検討していくべき主要な課題ではないかということで、これは飽くまで検討事項例ということで16ページ以降記載しているので、高等学校教育部会の今後の審議の中では、当然、この中から取捨選択ないしは優先順位を付けながら検討していきます。また、法制度改正が必要でないもので緊急に取り組むべき施策、また、法制度改正が必要で少し中長期的な視野に立って検討すべき施策等が入っておりますので、そうしたことも再整理しながら、優先順位を付けながら、検討を進めていきたいと思っています。また、16ページ以降の施策については、高等学校教育全体として取り組むべき振興方策と、目標とする人間像に応じた振興方策について、二つに分けて示しております。

 最後に、これもこの間この分科会においてもいろいろな形で議論をしてきたわけですけれども、高等学校教育の改善、充実のためには、当然、大学等の高等教育と一体となって取組を進めていく必要があるわけです。この点については、高等学校教育から大学等の高等教育への接続の円滑化を図るために、大学入試の在り方を含めた高大接続の在り方については別途検討が必要であること。具体的には、高等学校と大学の接続に関する新しい検討の場を設けてはどうかということで、20ページのところで7の柱、そうした記載をしております。

 実はそうした高等学校教育部会の意向もありまして、大学分科会大学教育部会に高等学校教育部会から数名出席させていただきまして、そうした趣旨をお伝えしました。そして、現在、大学分科会の了解も得て、大学分科会の安西分科会長とも相談しながら、入試を含めた高大接続の在り方について検討する新たな場の設定を今、事務局に具体的に調整をお願いしているところです。順当にいけば、8月、9月辺りから作業が開始されるのではないかと期待しております。

 以上、簡単ですけれども、部会における審議内容について紹介させていただきました。ただ、これは最初言いましたとおり、高等学校教育部会で取り上げるべき、検討すべき課題は何なのかという部会の共通認識を確認しながら、課題の検討の方向性を確認するという意味で作ったものです。実際ここで書かれている課題や振興方策等については、8月以降、例えば質の保証の在り方等個別具体的な課題と振興方策については、順次、優先順位を付けながら検討していくことになります。以上、簡単ですけれども、報告をさせていただきました。

 何か御質問、御意見等があれば、お聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 いかがでしょうか。はい、市川先生、どうぞ。

【市川委員】  大変重要な議論がなされていると改めて思いました。まず第1に、コアについてなんですけれども、私は非常に重要なことだと思います。高等学校ですと、それまで小中であったような道徳という時間もなくなりますし、道徳の更にスパイラルのような形で改めて市民性教育のようなことを高等学校でこそやっていただきたいと思っています。大人になる一歩直前のところですし、是非18ぐらいまでにこういうことをしっかりやっていただきたい。

 市民としてということがやはり今の若い人はだんだん薄れてきているようで、例えば選挙でも余り行かなかったりとか、何か人任せになってしまうような傾向がある中で、自分たちが社会を作っていくという意識も持ってほしいですし、あるいは、たばことかお酒とか、こういうことももう目の前にある。もう既にやっている子もいるのかもしれませんが、どういうことが大事なのかということをもう1回見直してほしい時期でもありますし、そういうことも含めた教育を是非ここでやっていただきたい。いかにこれが形骸化しないようにするか、どこの学校でもちゃんとやっていただけるようにするかということがポイントかと思いました。

 それから、質保証ということなんですけれども、これは主に教科の教育の方だと思います。学校としては、やっぱりいろいろな学力レベルのある中で、そんなに大量な留年者を出せないでしょうし、一律の基準で留年とか落第とかは決めにくいんだと思うんです。ただ、やっぱり個々の生徒にとっては、どのぐらいの修得状況にあるのかということを明確に示すための、例えば教科別の検定試験のようなもの。検定の中にはグレードがあってもいいと思います。例えば国語1級、2級、3級とか、数学1級、2級3級とか、例えば大学入試センターが、1点を争う試験のためだけではなくて、ある程度緩やかな検定のようなものをやってくれるといいと思いますし、もしセンターができないというのであれば、どこか民間委託でもいいと思いますが、それぞれの生徒が自分の学力を自分で保証するといいますか、示すためのものができるといいのではないかと思いました。

 それから、是非ひとつ議論していただきたいのは、だんだん教科の選択制が進んできて、一昔前であれば、私たちの頃は、理系でも文系でも、理科は物化生地を全部やっていた。社会科も地理歴史はもちろんですが、倫理社会、政治経済まで全部、理系でも文系でもやっていました。それが生徒の負担を少なくするとか、あるいは大学入試の軽減ということでどんどん少なくなってきた。私はその弊害も一方では出ていると思います。

 確かに今、物理とか特定の教科だけ見ると、ものすごくレベルの高いことをやっているんですが、一方では、高校では全く物理をやらないとか、化学をやらないという生徒もいる。高校では、ある程度広く、もう少し全体的なことをやってきてほしい。この選択というのをどういうように考えるかという、これは議論がされたのかどうかちょっと伺いたいんですけれども、余りにも社会科や理科の選択が進み過ぎたのではないかという懸念を持っています。

 私が一番懸念しているのは、教員養成の大学に行く方たちというのが、例えば高等学校では物理は全く取っていないとか、化学は取っていないとか、生物は取っていないとか、非常に偏った履修の基に、教員養成というと文系が多いですから、高等学校でも履修していない、もちろん大学入試にもないというような状況になって、苦手意識、例えば理科はどうも苦手とか、数学は苦手というような意識を持ったまま、例えば小学校の先生になるとかいう方が非常に増えている。これはやっぱりそれ自体問題だと思いますし、教員養成ということから見ても、高等学校での選択が少し過度になり過ぎたのではないかという、この議論はあったのかどうか伺いたいと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。今、3点にわたって御指摘を受けました。三つとも、8月以降、個別課題に即して検討すべきものですけれども、これまでの議論の中でも当然、様々な委員から指摘されている問題です。

 3については、本分科会には高等学校教育部会のメンバーもおりますし、高等学校関係者の方もいらっしゃいますので、荒瀬委員、先ほどの市川先生の3番目の問題について、少し御意見いただければと思います。

 あと、2の質保証の仕組みについても、これも8月以降、具体的に検討を進めていくわけですけれども、おおよそこれまで高等学校教育部会のいろいろな議論の中では、これまでやはり大学入試に依拠して高等学校教育の質保証を担保してきたけれども、やはりそれではいけないのではないかと。大学入試に依拠しないで、高等学校教育体系の中で質保証を図っていく仕組み、それを原則とすべきで、高等学校教育体系の中で図られる質を大学がどう活用するかという、そういう関係の仕方で入試を含めた高大接続を進めていくというのが基本ではないかと、おおよそそういう基本的な議論の方向は出ているのかなと思っています。それを今度具体的にどう制度化するかは、8月以降やっていくのかなと思っています。

 では、3の点を含めてお願いします。

【荒瀬委員】  これは私の意見ですけれども、正に市川先生のおっしゃるように、かつては全てやっていました。全てやっていたことは、生徒にとっては負担であったという見方は当然あるわけですけれども、必要な基礎的な教養の入り口は全ての生徒が見た、ないしは少し入ったということが言えるわけでして、高等学校教育の質保証という点でいえば、私は全ての生徒が全ての科目をやる。ただし、その全てというのをどの範囲まで広げるのかというのは考えなければならないと思っています。新しい学習指導要領が来年度から全て実施されるという時期に当たって、またこういったことを考えていかないといけないということですので、その辺の絡みも含めながら考えていくべきだと思っています。

 これは及川委員が様々な場面で発信しておられますけれども、高大接続(仮称)についての議論があったときに、要は、大学入試センター試験で『枕草子』は出ないんですよね。全ての高等学校の生徒は『枕草子』をやっている。ところが、『枕草子』は出ない。どうしてかというと、全ての生徒がやっているから、そんなものを出しても点数の差が出ないという考えなのか、あるいは、やっているはずなんだけど、やっていない学校があったら大変だということなのかよく分かりませんが、一般的に読むべきものとされている教科書に載っているものは出ない。それは本来、高等学校教育の成果を見るものなのだろうかという疑問が当然あります。

 ですから、大学入試に左右されているような高等学校教育では駄目なんですけれども、しかし、現実問題として大学入試に影響を受けてしまっていて、高等学校教育の独立性というんでしょうか、そこのところが不十分であるということが、私はこういう部会が動き出している大きな理由だろうと思いますし、高等学校までにどういう力を付けておくのかという、まさにコアに係る部分が、将来の国の有り様も決めていくだろうと思いますし、個人の生活の有り様も決めていくだろうと思いますから、今後、大いに検討を深めていきたいと思っております。

【小川分科会長】  市川先生、よろしいですか。

【市川委員】  ありがとうございます。

【小川分科会長】  では、時間もありませんので、発言をしたい方。では、そちらから、佐々木委員、輿水委員、梶田委員、井上委員、田村委員、そして、五十嵐委員ということでお願いします。よろしいでしょうか。時間も予定よりもう30分オーバーしているので、すみませんけれども、延長もよろしくお願いいたします。

 では、よろしくお願いします。

【佐々木委員】  ありがとうございます。短く。二つだけ追加するならば、キャリアの教育とかグローバル人材とか、いろいろ出てきているんですけれども、是非社会人としての責任とか、自分が社会を創るんだというようなことの教育が高校のところでしっかり入るといいなと。今読んでいると、社会人と職業人が一緒になったり、グローバル人材と社会性が一緒になったりしているんですけれども、そうすると、グローバルの方に重きがいったり、職業人の方に重きがいってしまいます。

 今、日本社会あるいは世界を見ていて、仕事はできるが、生活はできないとか、学業はできるけれども、日常生活が全然ままならないと、こういう人が出てきています。テストの点はすぐれているが、社会性がないという人たちです。成年年齢が下がり、今後、私の期待するところは投票権が早く18歳になればいいということなのですけれども、若者たちが国をつくるに当たっての、自分の生活とか国づくりとか社会ということをしっかり学習できるようなことが高等学校に入ると、話し合われるといいなと思いました。

 もう一つが、文系と理系などに高校1年の終わりぐらいで分かれるというところが、私、今、高校3年の娘を持っていながら大変不思議に思い、時にかわいそうに思っております。なので、この辺りは大学入試と関係すると思いますが、やはり先ほどもおっしゃったように、大学入試と関係しない形で、どうやって高校生活で多様なものを学んだりすることができるのか、なぜそこで職業もまだ分からないまま文系と理系に分かれるのかが私はよく分からないので、そういったことを検討していただけると。これは各学校ではできない仕組みの話なので、是非こういうところで話し合っていただきたいと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 輿水委員、どうぞ。

【輿水委員】  もっと基本的なところでの感想も含めてですけれども、98%の子どもたちが高等学校に進学し、今や無償化が22年度から来ていると考えたときに、この98%の子どもたちに高等学校教育の目標である、心身の発達及び進路に応じて高度な普通教育や専門教育を施すことを目的というので合うのかどうかということを、一つは非常に基本的というか、疑問に思うところでもあります。

 現場が一番困っているのは、様々に力の付いていないというか、意欲を引き出されていないまま、みんなが行くからという形で進学してきた子どもたちをどうしていくのかということではないかと思います。今まで小学校とか中学校では、この段階の子どもたちはこういうような思考とかこういうような発達があるというようにかなり分析されて、それに応じた学習指導要領の中身が検討されてきたと思うのですけれども、義務教育を離れて高度な普通教育を受けるということは、ある意味でその条件が整ったということがあったのではないか。でも、現実として98%が進学するのであるならば、もっと根本的に、この子たち全員が自分で食べていく力、これをどう育てるかという、本当に基本的なところを検討していく必要があるのではないかと思います。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 では、梶田委員、どうぞ。

【梶田委員】  簡単にします。今の輿水委員の話に私、本当に賛同いたします。それを前提にして、この議論を8月から具体的にやっていかれるということで、私、期待したいと思いますが、下手をすると浮きます。言葉だけが独り歩きします。「質保証?一体何ですか」という話、「コア?一体何ですか」という話。

 そうならないためにですが、私、荒瀬先生が入っておられますから、極めて具体的に出してくださると思いますが、一つ、まず今の高等学校の学習指導要領の具体と併せて考えていただきたい。コアになるものは書いてあるんです。あるいは、ある種の質保証を考えて、あれは作られているんです。ですから、「それが駄目で、ここが駄目である」、「あそこは駄目である」、「これでは」、という、そこを考えていただきたい。

 それから、もう一つ具体で言いますと、今の、ほとんど全員が進学する中で、高等学校が一つの教育機関として有効適切に機能していくためにはどうしたらいいかということを、どこの都道府県でも時間をかけていろいろな委員会を作ってやっております。是非そういう資料を集めて、ここへ生かしてほしい。私は兵庫県と大阪府、大阪府は断続的ですが、兵庫県はもう十何年関わっております。どれだけの議論がされているか。特にほとんど全員が今、学校に行っているんです。だけども、行っているだけになっている場合もあるので、それをどうするかということがある。そういう中で、質保証だとかコアだとか言葉だけが踊っていくようなことがあれば、本当に実態とは関係ないペーパーだけが出てくるようになるんじゃないかと私は恐れます。ということで、この辺ですね。

 しかし、最後は一人一人がどうやって世の中で、自分で立っていくかということはあります。ですから、そこに持っていくには、くどく言いますけれども、質保証って、私、ある種の思い上がりだと思っているんです。コアというのも思い上がりじゃないかと。青年教育というのは極めて多様な子がおるわけです。その中で本当にどうやったらサポートできるか、支援できるか、支えていけるかというところで是非議論していただきたいと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 では、井上委員、どうぞ。

【井上委員】  ありがとうございます。高等学校は、義務教育終了後、生徒が能力、適性、興味、関心に応じて本来進学すべき学校だと思っているわけですが、実際には普通科志向がどうも一般的になってきて、親もできるだけ普通科へ行って、大学に進学するようなことを希望しているというのがあって、結局、普通科教育では何も身に付かなく、そして、大学進学率が50%ですから、結局、5割はそのまま社会に出てしまうという実態があるわけです。専修学校や各種学校に行く人もいるが、それは勉強よりは自分はもっと技術や技能を身に付けて、それを生かしたいという子どもたちがそれだけいるということになってくるわけです。

 そうなってくると、高等学校教育の在り方として、現在の普通科志向から、やはりある程度、勉強嫌いの人たちは、専門学科で情報とか、あるいは工業とか、看護とか、水産とか、もっと身に付くものを身に付けることによって、高等学校を卒業後、そういう人も大学に進学したり、専修学校に行ったりして、更にそれに磨きをかけて、スペシャリストへの道を歩むということも可能にして、それによって社会における活動をしていけば、今のようなフリーターとかニートという問題も少しは解消されるんじゃないかと思っているわけでございます。

 したがって、高等学校の在り方という場合に、かつて職業学科、今の専門学科が4割で、普通科が6割だったのが、今は専門学科は3割で、普通科は7割という実態になっています。そういうところが、やはり高等学校の在り方自体が今の高等学校教育の問題点ではないかと思っています。

 これは例えば大学卒業後も、必ずしもそれによって社会的に職業生活が円滑にいくかというと必ずしもそうじゃなくて、3年後の離職率を見てもかなり高いとか、そういう実態を見ると、やはり鉄は熱いうちに打てで、高等学校における専門学科の充実というのが、非常に我が国の産業構造の充実とか、あるいは、中小企業が9割を占めている、そういう企業の担い手としての育成をするとか、そういう意味では専門学科が重要じゃないかと考えておりますので、その辺についても更に議論を進めていただきたい。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 では、田村委員、お願いします。

【田村委員】  ありがとうございます。非常な労作で、義務教育学校、それから、高等学校ということで、積極的に取り上げてまとめていただいているというのは高く評価するものです。

 この段階でちょっと気になることを申し上げますと、これは両方に関わっていることなんですが、21世紀はダイバーシティとよく言われます。つまり、多様性ということなんですね。この流れはどうやってもどう変えられないという事実があるわけですね。ですから、先ほど梶田先生がおっしゃったように、その中で真面目な顔をして、コアとか、これだけはというようなことを決めるというのは、これは下手すると、本当に思い上がりと言われてしまう危険がある気がします。ですから、サンデルの正義の議論じゃないですけれども、こういう多様な意見があるんだということをできるだけまとめて提言するぐらいで、それ以上やると、非常に浮いてしまうというか、ただ「ああ、そうですか」で終わってしまうという心配が一つございます。

 例えば現段階で、現場でやっぱり気になる、一番大きな問題になりつつあるのが、医学の発達で、精神発達の中でのいわゆる発達障害という問題です。これがものすごい勢いで広がってきているわけです。見ていると、その発達障害の専門家がこの中に入っておられないんですね。これは一つの例ですけれども、市民教育というのは、僕、これからものすごく大事だと思うんです。だから、それは確かに。そうすると、その点についての専門的な識見を持っている方がこの中に入っているのかというと、それも入っていない。

 だから、学校関係者がいることは絶対必要ですけれども、そうでない世界のいろいろな知恵を、例えばキャリア教育一つとっても、結局は、大学の学位とか、高等学校のアカデミックなグレードに、いわゆる職業段位とか、そういう学校以外のところで作ったいろいろなレベルの価値、社会的な価値をくっつけることで成功している国が多いんですね。日本は段位をやめてしまったと聞いて非常に心配しているんですけれども、やめてしまったんならしょうがないから、文科省が作ったらいいと思うんです。そういう段位とのくっつけ方、学位とくっつくことで、やる気が出てくるわけですね。

 これは最終的には、先ほど井上委員もおっしゃっていましたけれども、学校という制度が行き詰まりだと、子どもたちが魅力を感じなくなってきた。ですから、専門学校をやるというんだったら、専門学校に関連した大学も作る。あるいは、その先に、例えば公務員になるための試験も、その専門学校の専門職の科目を作って、そこを通るとその試験を通って公務員になれるとか、社会が規制で決まった形じゃなくて、非常に流動的な仕組みを要求して、そういうことがないから子どもたちが一生懸命やらないんだということを訴えるというぐらいのつもりでおまとめになるというのはとても大事じゃないかなという気がして。ちょっと余計なことかもしれないんですけれども、是非まとめに向かっては、そういうことがもしうまくいくといいなと思って、ちょっと発言させていただきました。ありがとうございました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

【田村委員】  最後に、教員の問題ですが、これはもう、実は教員の問題は養成のところで手を付けるというのは当然なんですが、むしろ例えば理数系がいなければ、理数系の知識を持っている人が社会にいっぱいいるんですよね。それを教員に登用する道をもっと、道を開くというか、社会の規制の流動性みたいなことを提言するという方が早いんじゃないかなという気がしています。両方やる必要があるんでしょうけれども。すみません。

【小川分科会長】  では、五十嵐委員、最後、お願いします。

【五十嵐委員】  ありがとうございます。義務教育から高等学校教育につなぐ立場として、すごく期待しております。そのことを少しお話ししたいと思います。

 この中に、例えば最後にまとまっているところが見やすいかと思うんですが、各種の振興方策ということで横書きに検討事項をまとめていただいています。これは高等学校と大学にも関わると思うんですが、21世紀を生き抜く力を育成するために、上の方に書いてあるんですが、「一斉講義型の授業に加えて、ICT等の活用による対話側・協働型・グループワークを取り入れた新たな学びを実施したり」と書いてあります。やっぱり私はここが一番大事だと思っています。

 この新たな学び、これからの日本をしょって立つ子どもたちが、大学、高等学校、そして、中学校、小学校、全部つながると思うんですけれども、一斉型の、教えられるんではなくて、学びとる、考える、本当に広く全部の段階の学校にわたってそういうものを身に付けさせていくということにおいては、高等学校の教育方法の改革、教育方法の改善、充実という辺りにすごく期待したいと思います。これが大学にも義務教育にもつながるところだと思っていますので、これが実際の授業に、日々の高等学校の学びに変わっていくということをとても期待したいと思っています。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。非常に恐縮ですけれども、議題1の特別支援教育が1議題で1時間ぐらい取ってしまいまして、予定よりも30分ほど遅れております。それで、恐縮ですけれども、30分ぐらい会議を延長させていただければと思います。よろしくお願いいたします。御都合のある方は、途中で退席されていただいても構いませんので、よろしくお願いします。

 では、今の高校教育の部会については、まだ御意見のある方が多いかと思いますけれども、この辺で終わらせていただいて、議題4、第2期教育振興基本計画の審議に入っていきたいと思います。この内容については、生涯学習政策局から説明をお願いします。よろしくお願いします。

【森友教育改革推進室長】  失礼いたします。なるべく簡潔に説明させていただきたいと思います。

 振興基本計画の関係でございますが、まず資料4-1にございます、計画部会におきましては、本年末を目途に答申を取りまとめるということとしております。その前段階といたしまして、夏頃に審議経過報告を取りまとめる予定としております。そして、現在、その審議経過報告に向けまして、成果目標、成果指標、そして、それを実現するための取組などにつきまして審議を進めているところでございます。本日お配りしている資料は、6月末の計画部会におきまして配りました資料でございまして、それを御説明させていただければと思います。

 まず資料4-4、A3の横置きの資料でございますが、御覧いただきたいと思います。かさばって恐縮でございます。この資料は、年末に計画部会において取りまとめました次期振興基本計画の基本的な考え方におきまして整理をしました四つの方向性。これは上を見ていただきますと、左側に「イ 生き抜く力」とございますけれども、生き抜く力、社会を生き抜く力、未来を開く学びのセーフティネット、そして、コミュニティの関係ということで、四つの方向性を示しております。その方向性ごとに整理をしているものでございます。

 例えば一番上にありますのは、まず初中教育関係ですと、生き抜く力の成果目標の1で、生きる力を一人一人に確実に身に付けさせる、社会的自立の基礎を培うといったことで、ここについては抽象的な表現にとどまっておるわけでございますが、その成果目標の達成度合いを測る指標といたしまして、下に1として、PISA調査の平均得点で調査国中トップレベルを取る等の指標を掲げております。また、その下の豊かな心に関しましては、幾つかのアンケート調査の結果に基づきます、それぞれの児童生徒の割合の増加を指標に掲げております。更にその下の健やかな体の関係ですと、今後10年間で子どもの体力が昭和60年頃の水準を上回ることができるようにしていくというようなことを挙げているところでございます。

 これらの成果目標、成果指標の実現に向けた取組が、1枚めくっていただきますと、3ページからそれぞれ書いてあります。基本施策1、確かな学力の関係、基本施策2、豊かな心と健やかな体の関係、基本施策3で、後ほど御説明がございますが、教員の資質能力の総合的な向上の関係でございます。

 さらに、また1枚めくっていただきますと、裏の4ページのところでは、幼児教育の関係、特別なニーズに対応した教育の推進、そして、今ほども御議論もございましたが、基本施策6、9では、学力調査の関係、また、高等学校段階での学力状況を多面的、客観的に把握する様々な仕組みの検討とか、大学の入試の改善など、高大の接続の関係の質保証に関わる問題を書いております。

 また、5ページでは、特に非常に重要だと考えられることから、いわゆるキャリア教育の関係についての成果目標を掲げております。その成果指標としては、児童生徒の進路に向けた意識の向上とか、就職ミスマッチなどによる若者の雇用状況――就職率、早期離職率等の改善に向けた取組の増加などを指標として掲げております。

 そして、その裏のページ、6ページでございますが、それに関わる取組を記述しているところでございます。

 さらに、その右側の7ページ、四つの方向性の二つ目の方向性でございますが、ロ 未来への飛躍、それに関わります成果目標、成果指標を掲げております。成果目標としては、社会の各分野を牽引(けんいん)するリーダー、国際舞台で先導的に活躍できる人材を養成するといったことを掲げております。成果指標では、新たな価値を創造する人材の関係ですと、例えばPISA調査における平均得点トップレベルの順位を目指すといったこと、グローバル人材の関係ですと、英語力の向上に係る指標を掲げているところでございます。

 そして、1枚めくっていただきますと、9ページには、今ほど申し上げました、未来への飛躍に関わります成果目標、成果指標の実現に向けた取組を整理しております。

 飛び飛びで恐縮ですが、10ページをお開きいただきますと、3番目の方向性でございますが、セーフティネットに係る成果目標、成果指標がございます。例えば初中教育関係ですと、高等学校における経済的な理由による中退者の数の減少とか、家庭の経済状況や教育環境の違いが学力に与える影響の減少などを挙げているところでございます。

 そして、11ページには、それに関わる教育費負担軽減に向けた経済的支援の関係とか、学習などに困難を有する者への学習機会の提供などの学習支援の取組について整理しているところでございます。

 そして、最後の四つ目の方向性につきましては、13ページのコミュニティの関係でございます。成果指標として、例えばコミュニティ・スクールを全公立小中学校の1割に拡大していくといったようなことについて触れているところでございます。

 そうしまして、この資料に整理しております成果指標、成果目標を基に、資料4-2、A4縦書きの資料でございます。第2期計画の全体構造という、少しボリュームのある資料でございますが、これが冒頭申し上げました、夏頃に一つの報告としてまとめる予定の審議経過報告のイメージでございます。

 表紙にございますが、内容といたしましては、第1部、第2部として分けております。1部につきましては、現状に関わる記述、そして、方向性等に関わる理念的な考え方を整理しているものでございまして、これにつきましては、昨年夏にまとめました基本的な考え方をベースに充実するということで、今、事務局で整理をしている最中でございます。

 今、後ろに添付しているのは、第2部の各論に関わる内容でございます。お開きいただきますと、これも四つの方向性、そして、その方向性を支える基盤整備などについて目次を分けて整理をしているところでございます。例えば2ページをお開きいただきますと、社会を生き抜く力の養成ということで、下に四角囲いの記述がございます。これは成果目標、成果指標と書いておりまして、今ほど資料4-4で御説明した成果目標、成果指標がそのまますっぽり入っている構成になっております。

 そして、1ページお開きいただきますと、4ページでは、これも今ほど資料4-4で申し上げました基本施策ごとの主な取組がスポッと入っているものでございます。資料4-4にない要素としては、3ページのところにございます基本的な考え方と、現状と課題がこの指標では加わっているものでございまして、かなり詳細にわたりまして記述を加えているところでございます。特に現状と課題につきましては非常に分析的なものでございますので、後ほどまた必要に応じまして御覧いただければと思いますが、現状と課題につきましては割愛させていただきます。

 基本的な考え方につきましては、これもかさばって恐縮ですが、資料4-3、A3横置きの資料でございますが、これに抜き出して整理しております。時間もございませんので、それぞれ読み上げることはしませんが、ポイントといたしましては、太字のゴシックで書いてある記述の部分がポイントだと考えております。

 特に四つの方向性を支える基盤的な整備、環境整備などに関わる記述が、最後の3枚目、3ページのところにございます。左側を御覧いただきますと、四つの基本的方向性を支える環境整備ということでガバナンス、基盤整備とございますが、特に初中教育の関係ですと、基本施策22というのがございます。これはいわゆる教育委員会制度の改善、改革に関わる基本的な考え方を整理しているものでございます。

 そして、その下の基本施策23では、教職員体制等の整備ということで、きめ細かで質の高い教育を支える条件整備が必要だ、教員が一人一人の子どもに向き合える環境作りの観点から、教育の質の向上につながる、教職員配置の適正化が重要となる、教育上の様々な課題に対応できるような教職員配置の適正化につきまして計画的な教職員定数改善を検討するといったようなことで、基本的な考え方を整理しているところでございます。

 非常に簡単でございますけれども、以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 膨大な資料で、全体を把握するというのはなかなかしんどい作業ですけれども、これまでも何度か振興基本計画部会の進行状況はこの分科会にも御報告させていただいてきました。今日は、今お話しあった全体に関わってもよろしいんですけれども、できれば、今、振興基本計画部会で詰めている各柱の成果目標、成果指標、さらに、基本施策の中で主な取組として初中分科会として取り上げることで、抜け落ちていることなどがないのかどうかということも含めて、残りの時間で少し御意見をいただければと思います。何かございましたら。

 はい、北條委員、どうぞ。

【北條委員】  当然、事務局としてはお考えのことだと思うんですが、審議経過報告まであんまり時間がなくなってきたところで、資料4-2でいえば8ページに当たります基本政策4というところで、ただいまの4-3とか4-4の御説明の中でも、幼児教育の充実部分についてはいわば空欄になっているわけであります。4-2の8ページですと一応文字は埋まっているわけでありますけれども、このままの書きぶりではうまくないということは当然のことだろうと思います。

 一つだけ念のために伺っておきたいのは、時間がなくなってきたところで、この基本施策4についてはここまで先送りされてきたわけですけれども、この時点でもなお先送りになるのか、あるいはここは見直しをしていただけて、今後の課題としてきちっと今後の方向を書いていただけるのか、ちょっと変な聞き方になって恐縮でございますが、お願いいたします。

【小川分科会長】  事務局の方、どなたに? よろしいですか。

【森友教育改革推進室長】  これは、今御覧いただいている資料4-2の8ページのところですと、主な取組の下で「今後、以下のような項目例の具体的取組内容を更に記述」ということとしておりまして、全体的に7月の末にございます計画部会で配る資料には、これよりも中身を、何をやるのかもうちょっと分かるような形で資料を整理している最中でございます。その作業の中で、例えば幼児教育に関わる、白丸で二つある項目につきましても、中身はもうちょっと分かるような記述にはなろうかと思います。

【小川分科会長】  はい、どうぞ。

【北條委員】  しつこくてすみませんけれども、いわば、この間いわゆる新システムの検討の中で先送りになってきているわけですね。例えば教員の資質向上の問題、免許制度の問題とか、それから、学級規模の問題とか、先送りになってきているわけです。この段階でもなおそういう方向がちゃんと入ってきませんと、ほかの部分では着々とこの間教育の充実ということで進んでいるわけですが、新システム絡みで先送りされたがために、ここ2年なり3年分、幼児教育の充実についてはスポンと抜け落ちてしまう。そういうことにならないようにどうか御配慮をいただきたいと。ありがとうございます。

【小川分科会長】  よろしいですか。

 では、宮﨑委員、そして、向山委員、お願いします。

【宮﨑委員】  ありがとうございます。私は先ほどの特別委員会の報告と関わって、資料4-2の10ページの主な取組について今後記述を深めていただけると思っております。先ほどの委員の方々の御意見を伺って本当に有り難いと思ったわけですが、具体化のための取組がここには多分書かれていくだろうと思いますので、特に短期的に私どもが検討すべきといったような、例えば就学先決定についての制度改革に基づく対応の仕組み、それから、教職員の研修、当面必要な環境整備の実施、合理的配慮のための実際の取り込みをどんな形で各学校に返していくかという辺りについては、是非この辺りで書いていただければと思っているのが1点です。

 2点目は、高等学校段階の特別なニーズがある生徒さんたちへの支援の仕組みについては、高等学校段階のワーキンググループで既にもう2年前に出してあります。これについては、特に高校の校長先生方から様々な御意見を頂戴しました。具体的な高等学校段階の支援の仕組み、幼稚園も含みますが、その辺りについて是非支援の検討を書き込んでいただきたい。

 それから、3点目なんですが、このことは本当は私どもの特別委員会の中でも書きたかったことですが、できなかったことなんです。帰国児童生徒あるいは外国籍のお子さんたちへの日本語の取組など、世界的なニーズから考えると、日本ではかなり厳しいものがある。日本語指導の在り方などは十分にできていないというのが現実にあります。この辺りについても大きな課題になっていくと思いますので、この点の書き込みも是非しておいていただければ有り難いと思います。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 では、向山委員、どうぞ。

【向山委員】  すみません、一つ要望だけさせていただければと思います。資料4-2の全体構造のプロットが非常にわかりにくいなと思っています。こういった基本計画というのは、広く国民に周知して、ほかの方々、関係者に見てもらうためには、やっぱり一目見て何を言いたいかということが分かることが大事だろうと思うんです。1期のときに、実は私、校長会で担当して、これを概念図にしたり、落としたりしてやったことがあって、ちょっと苦労したこともありまして、これ、やっぱり理解していってもらうというのは非常に大変なんだろうと思うんです。

 そういう点で、例えばこの第1部、第2部、第3部の書き方もそうでありますし、四つの基本的方向性のイロハニなんかで柱の並びがこれでいいのかどうか。この段階になってくると大枠をいじりにくいのかもしれないけれども、やりたいことをメッセージとして出していくときに桁をそろえたりしていいのか、検討できれば是非検討していただいて、より分かりやすいものにしていただければと思います。ちょっと要望だけです。

【小川分科会長】  そういう意見は部会でもいろいろ出ていましたけれども、何かありますか。一応そういう要望ということでお聞きしたいと思います。

 ほかにどうでしょうか。大分お疲れのようですけれども、では、最後、渡久山委員、五十嵐委員、井上委員、輿水委員でよろしいでしょうか。では、この4人でよろしくお願いします。

【渡久山委員】  どうもありがとうございました。今、宮﨑委員から特別支援教育のがありましたけれども、高等学校の関係も今、発達障害の関係を含めて、独立した特別支援学校ができるんですね。あるいは、今の特別支援学校における高等部の生徒が増えているんですよね。ですから、先ほどの話も含めてもっと具体的な対策が必要だと思います。

 この基本計画は、見ますと、文章上、非常に総花的になっています。簡単に言えば、前の計画もそうだったんですが、文字はできるだけ少なくして、数字が多くなるような基本計画になっていかないですかね。ほかのは、各地方の教育計画は、大体、理念が出てきて、ある程度具体的施策とか、次には財政計画がきちっと出てくるんですよね。ですから、そういう意味で、財政計画等を含めた計画に是非してもらいたい。

 それから、総花的にしないで、非常に絞り込んだ形がいいんじゃないかと思います。そういう面でいうと、私は2ページの学力問題で、世界トップの学力水準を目指すと書いていますね。僕は非常にいいことだと思います。しかし、僕は、目指す前に、現状として、低学力をどう解消するかというような、非常に現実的な問題の数値目標を具体的に挙げた方がいいんじゃないかと思います。

 60ページに現状のデータ、いろいろデータがありますけれども、それは現状のデータであって、それをどう数字的に改善するんだ、この5年間でどうするんだというような問題は非常に問われると思います。そういう意味では、僕は、幼稚園から大学あるいは大学院まで、今、日本の持っている一番の大きな課題は低学力状況、これを解消するために、この5年間でどういうようにするのかということを是非考えてもらいたい。そのためには、今の35人学級、要するに、小中高等学校の学級規模、そのことについても具体的な提起を是非やっていただければ非常にいいんじゃないかと思いますので、この問題を一つお願いしたいと思います。

 それから、どこでもそうなんですが、教員の配置数というのは非常に少ないんですね。そうすると、5年間でどれぐらい何が増やせるかということは、今の学級規模との関係もありますけれども、標準定数法をそのままでずっと進めていくのか、5年も今までなのかということでは非常に寂しいですよね。ですから、やっぱりこれも具体的な計画の中できちっと言っていただければと思います。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 では、五十嵐委員、お願いします。

【五十嵐委員】  ありがとうございます。先ほど高等学校教育でも触れさせていただいたんですけれども、今回、このように初等中等教育から高等教育までつなげて学びを見ていくというものが出たということはとても意味があると思っています。

 資料4-2の3ページ最初の基本施策の1番の確かな学力を身に付けるための教育内容・方法の充実というところで、先ほどの高等学校教育の推進方策と同じ言葉が基本的考え方の二つ目に出ています。「グループ学習やICTの活用等による協働型・双方向型の授業への革新」、このことはやはりこれからの社会を生き抜く子どもたちを実現するための方策の一つとしてこれが使えるんだということが明記されていますので、4ページにこれから膨らませていくんだろうと思うんですが、主な取組の中の「ICTの活用による学びのイノベーションの推進」というこの抽象論を具体的に教室ではどういう学びにしていくのかということを、初等教育から高等教育にかけて新たな学びを、これから教室の授業をこんなように変えていこうというイメージが分かるような具体策を、学習指導要領の内容を羅列するのと同じように、学びの例の具体的なイメージを出してくことが必要かなと思います。

 それと関連して、そのためには全国の各学校でこの環境が整わなければできない話ですので、先ほどの横広で出していただいた資料4-3の3枚目の基盤整備というところがとても大事になってくると思います。基本施策24、良好で質の高い学びを実現する教育環境の整備の丸の二つ目、ここの黒く塗ってある、太字になっています、「施設・設備の整備、協働型・双方型の授業革新や校務効率化に向けたICT環境の整備」と書いてあります。これはずっと言われてきているんですけれども、なかなか広まらないと、本当にどこの学校も悩んでいます。

 ここを何とかするためには、整備だけでは絶対駄目で、今ちょうど、教材整備計画ですか、それが出ていて、今年度800億というのがあっても、地方交付税の配置されているところでもそれが教育のためにきちんと使われているかどうかということもしっかり周知しなければいけないと同時に、ここのところはICT環境を確実に整備するぐらいの強いトーンで書かないと、いつまでたっても整備ができなくて、理想の新たな学びなんて、整備されているところしかできないということになりかねないと思うんです。こうやっていろいろなところで出た以上は、きちんと整備をするんだということも同時並行で、やっぱりもう少し強いトーンで書いた方がいいのではないかなという感想です。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 では、井上委員、すみません。

【井上委員】  ありがとうございます。教育振興基本計画は、第1期の際に、教育立国を掲げて、我が国の未来を担う青少年の人材育成をいかに充実させるかという観点で振興計画はできたと思うわけでございます。その際の一つの問題点は、今回は成果目標という形ですが、いろいろな重要施策でも、それに対する財政的な裏付けが明確でなかったという反省が第1期ではあったと思います。ただ、その中で、我が国はOECDの先進諸国の教育投資を参考にして教育投資の充実を図るという記述は確かあったはずです。

 そういう点で、第2期においては、昨年9月のOECDの発表でも、31か国中最下位の教育投資、すなわち、GDPに対する公財政支出が最下位に転落したというのは、これは考えてみますと、義務教育の国庫負担金が2分の1から3分の1になり、国立大学の運営交付金が毎年1%削減されているというのが、端的にそこが現れてきたんじゃないかと思うわけです。

 そういうものに対して教育振興基本計画では、成果目標を上げるためには、国として条件整備を当然する必要がある。そのための裏付けとしては、やはり予算措置をし、公財政支出に占める比率が最下位であれば、少なくともOECDの中位を目指した教育投資の拡充を行うというのは、中教審としては当然言うべきではないかと私は思っているわけです。

 文部科学省は、財務省とやるといつも腰砕けになってしまうのかもしれませんが、ここのところは、中教審として、やはりこれらの成果指標があり、成果目標を達成するためには、財政、教育投資の拡充をやはりOECDの中位を目指して図るべきだということを是非振興計画の中に入れていただきたいということをお願いしておきます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 では、最後、輿水委員、よろしくお願いいたします。

【輿水委員】  一言です。この成果目標8にコミュニティの形成というのがあるんですけれども、この中に、今日の論点の一番初めにあったインクルーシブ教育の中のスクールクラスターというイメージを入れていただきたいなと思います。財源とか上限とか環境の整備がなかなか進まない中、そうは言っても、ニーズによって学校は受け入れるという、ある意味ではそういう基本的な姿勢を明らかにするわけですから、そうなると、やはりスクールクラスターというのは大変大きな支えになると思います。成果目標8のところに、その言葉がいいかどうかはまた御審議でしょうけれども、是非そういう面も出していただけたら、学校、またそういう課題、要望のあるお子さん、保護者の方も心強いのではないかと思います。よろしくお願いします。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 本当に誠にすみません。あと10分ぐらいですので、これで終わらせていただきたいと思います。

 最後、教員の資質向上特別部会の審議状況について、これは藤原課長から、できれば5分以内によろしくお願いします。

【藤原教職員課長】  それでは、時間もございますので、簡潔に御説明させていただきたいと思います。

 資料5-1を御覧いただきたいと存じます。特別部会につきましては、平成22年6月に諮問を受けて、田村委員を部会長とする特別部会が設置されたところでございます。その後、4月にもこの初中分科会に御報告させていただきましたけれども、特別部会としての審議のまとめを5月15日にし、その後、パブリックコメント、それから、教育関係団体からの意見募集を実施いたしまして、6月25日の特別部会におきまして、答申(案)という形でまとめていくということで御了解が得られたものでございます。

 具体的な内容につきましては、資料5-4を御覧いただきたいと存じます。1枚お開きいただきますと、目次がございます。全体といたしまして、3章立てということになってございまして、現状と課題、改革の方向性、当面の改善方策ということでございます。

 中身といたしましては、学び続ける教員像の確立という大きな方向性を目指して、教員養成の修士レベル化を行おうという方向性を改めて明記した上で、具体的には7ページでございますけれども、教員免許制度の改革につきましては、修士レベルの一般免許状、それから、学部レベルの基礎免許状を創設する。それからまた、特定の分野に関し高い専門性を身に付けたことを証明する専門免許状を創設してはどうかという提案内容でございます。

 また、10ページの(2)では、一般免許状と基礎免許状との関係が記載してございます。修士レベル化ということを考えていく上で、最初から教員になる前に修士レベルの学習を終えてから出るという、そういった硬直的な考え方ではなくて、一旦学部レベルの免許状で教員としての教職生活をスタートして、その後、初任研と一体型の内容で一般免許状を取得するようなパターンや、あるいはまた、一定期間しっかりと勤務をした後に修士レベルでの学習を行って一般免許状を取得するようなパターン、そういったものを様々組合せながら進めていくべきという内容でございます。

 また、11ページでは、第3章といたしまして当面の改善方策が出てまいります。ここでは、教育委員会、学校と大学の連携・協働による高度化が大きな方向性になってございます。二つ目の丸で書いてございますけれども、修士レベル化に向け、修士レベルの課程の質と量の充実、教育委員会と大学との連携・協働による研修の充実などステップを踏みながら段階的に取組を推進すると。また、そのうち主要な取組は、教育振興基本計画に盛り込み、計画的に取り組むとしておるところでございます。

 また、12ページ以降で、当面の教員養成等の改善方策が出てくるわけでございます。四角の中の最初の丸で書いてございますが、学部レベルにおける教員養成の充実という観点で申し上げますと、教科と教職の架橋の推進など、より実践的な学部レベルの教育を進めるとともに、修士レベルでは、教職大学院制度の発展・拡充、あるいはまた、一般の大学学部におきます修士課程のカリキュラム改革の推進といったようなことを当面しっかりとやるべきだろうという内容でございます。

 また、23ページでは、7といたしまして、学校が魅力ある職場となるための支援という内容も書いてございます。こうした教員養成改革を進めていく上で必要な条件整備も併せてしっかり行っていくべきであろうということも併せて記述をしているところでございます。

 以上が、この内容の概要でございますけれども、今後、直近の中教審総会に、こちらの内容を報告いたしまして審議をいただくというようにしておるところでございます。以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 残り時間がありませんけれども、何かございますでしょうか。これまでこの問題については、初中分科会でも適宜御報告いただいておりましたけれども、今回の報告について何かございますでしょうか。

 では、なければ……、はい。

【三町委員】  すみません。この特別部会の中の議論でいろいろ出ていて、まとめられたということは理解しております。ですから、この内容で進めていく上では、学校の立場からいえば、やはりこれまでの制度との整合性とかで整理、こういうことはかなり時間がかかるんじゃないかと思います。ですから、是非そういうところを踏まえながらの今後の進捗ということでお願いできたらという思いでおります。一言ですけれども、以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 では、時間も参りましたので、この辺にしたいと思います。

 最後に、次回以降の予定について、事務局から説明をお願いします。

【小谷教育制度改革室長】  次回の日程につきましては、分科会長と御相談の上、また追って御連絡させていただきます。

 今日は時間にわたりまして、ありがとうございました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。30分延長で御迷惑をおかけしました。これで全て終わりましたので、これで閉会としたいと思います。ありがとうございました。

―― 了 ――

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