ここからサイトの主なメニューです

初等中等教育分科会(第79回) 議事録

1.日時

平成24年4月19日(木曜日)10時~12時30分

2.場所

中央合同庁舎第7号館(文部科学省)東館3階講堂

3.議題

  1. 理科教育設備基準の改訂について
  2. 「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について」(答申)報告
  3. 特別支援教育の在り方に関する特別委員会の審議状況について
  4. 教員の資質能力向上特別部会の審議状況について
  5. 第2期教育振興基本計画の審議状況について
  6. 全国学力・学習状況調査について
  7. 学校評価の在り方に関するワーキンググループ取りまとめについて
  8. 幼保一体化を含む「子ども・子育て新システム」について
  9. ノルウェー/OECD就学前教育・保育(ECEC)ハイレベル円卓会議についての報告
  10. その他

4.議事録

【小川分科会長】  定刻になりましたので、ただいまから第79回初中分科会を開催したいと思います。

 今日の議題に入る前に、このたび新しく分科会委員になられた方がいらっしゃいますので、御紹介します。

 前任者の髙橋委員に替わって臨時委員に御就任いただいております神奈川県愛川町の教育長、また全国町村教育長会長の熊坂委員でいらっしゃいます。最初、熊坂委員より一言御挨拶をお願いいたします。

【熊坂委員】  おはようございます。ただいま御紹介いただきました全国町村教育長会の会長になりました熊坂でございます。髙橋前会長さん同様、よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 では、まず最初に配付資料について事務局から確認をお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】  本日の配付資料でございますが、議事次第を御覧いただきたいと思います。

 配付資料としまして、資料1-1から資料9まで、そして参考資料として本日の議題とは直接関係ございませんけれども、お配りさせていただいております。

 また、本日は教育振興基本計画について御審議いただきますので、委員の皆様の机上資料といたしまして、現行の教育振興基本計画の冊子と第77回の初等中等教育分科会でお配りさせていただきました現行計画のフォローアップにつきましての資料もお配りしております。不足等ございましたらお申しつけください。

【小川分科会長】  よろしいでしょうか。今日も議題が非常に多いんで、関係する資料も大分多くなっておりますけれども、よろしいでしょうか。

 それでは、今日の議題に入りたいと思います。

 この初中分科会でカバーするテーマが広範囲にわたっていますので、分科会ではどうしても報告や審議すべき項目が多くなります。できるだけ委員の皆様から御意見をお伺いできるよう工夫してほしいとお願いしていますけれども、今日も大変多くの議題が予定されています。その辺、まず御容赦いただければと思います。よろしくお願いします。

 早速、1つ目の議題に入っていきたいと思います。

 最初の議題は理科教育設備基準の改訂です。理科教育設備基準の改訂については教育課程部会において議決されておりますので、部会長の無藤委員から御報告をお願いいたします。

【無藤委員】  はい。では、無藤から御紹介申し上げます。

 お手元の資料の1-1、それから1-2というのが該当するものですけれども、理科教育設備基準の改訂というものです。少し背景といいますか、法律的なことですけれども、この理科教育設備基準につきましては、既に小・中学校分につきまして、昨年7月の本分科会で御報告してございます。今回は高等学校部分の改訂ということになります。

 理科教育振興法というのがございますけれども、そこにおきまして小・中・高等学校の設置者が理科教育設備を整備するために必要な経費の一部を補助するという制度が設けられております。

 理科教育振興法施行令第2条におきまして、その基準は理科教育のために通常必要なものとすること、また、その基準に関する細目は中央教育審議会の議を経て文部科学省令で定めることとなっています。さらに、初等中等教育分科会運営規則第4条第1項というところで、その基準に関する細目は部会の議決をもって分科会の議決とすることができることとされており、また、その同条の第2項におきましては、そのように議決したときに部会長は分科会長に報告するということになっております。

 今のことを踏まえまして、先だって教育課程部会におきまして、理科教育設備基準の改訂の審議を行い、まとまっておりますので、ここで御報告させていただきたいと思います。

 資料の1-1を御覧ください。まず、「趣旨」というのが書いてございます。先ほど申し上げましたが、新しい高等学校学習指導要領が平成24年度から高等学校及び特別支援学校の高等部で先行実施されます。それに伴いまして、理科教育のために必要な設備の整備促進を図るために設備基準に関する細目を定める省令の改正を行います。

 次に、2番で改正の主な内容ですけれども、(1)、(2)とあります。新学習指導要領を踏まえた改訂ということですが、まず、新しい学習指導要領において充実された指導内容に併せた改訂というのがあります。例えばということですが、地学基礎の指導内容として地球の環境が追加されて、それに伴いまして地球の学習用具、それから地形・地質模型の器具の充実などが図られるということであります。より詳しくは資料1-2にちょっと細かく出ておりますので、必要な方は御覧ください。

 また、学習指導要領の一部の内容が中学に移行しておりますので、例えば回転体説明器などを含む品目として積分概念説明教具というのがありますが、それを削除する。これは、既に昨年の中学校部分の基準改訂のときに加えられております。

 2番目の主な改正点が(2)というところでありますけれども、特別支援学校の数学に関する教育という部分ですが、本基準につきましては、障害種に応じて作成されております。現在、数学は大きく3つ、視覚特別支援学校、聴覚特別支援学校、知的障害と肢体不自由等を含んだ養護特別支援学校に分かれております。これを理科と同様に大きく4区分にする。すなわち視覚特別支援学校、聴覚特別支援学校、知的特別支援学校、肢体等特別支援学校というようにします。これも既に昨年の小・中学校改訂と同様でございます。

 改正事項は、おおむね以上のとおりでありますが、補助金の適用につきましては、平成24年度分の国庫補助金から適用されるということであります。

 以上の内容につきまして教育課程部会で審議いたしました。部会におきましては、以上のことと、さらに大規模校の数量基準が通常の2倍となっている現行規定を改正しないことの是非、また、ICT環境の整備、障害者の区分の柔軟な適用などについて議論が行われて、最終的にお手元の案にまとまったところであります。

 なお、大規模校の数量基準の問題はどういうことかというと、大規模校の場合に理科の授業が当然多くなるので、例えば理科の特別教室や、そのための特別な教具が2倍要るのではないかということであります。実際には、ほとんどの学校では時間割をやりくりする中で、1つの理科室と1セットの用具で済む場合が多いというようなことを受けて議論されたものですが、結論としては原案でもよいという方向になってございます。

 お手元の案でありますけれども、文部科学省におきましてパブリックコメントにかけられており、4月23日に公示予定ということになってございます。

 なお、パブリックコメントは、平成24年3月1日から3月30日、3月に既に実施済みで、40件ほどの意見があり、特段の大きな修正は必要ないという判断であるということでございます。

 以上、御報告でした。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 今の報告について何かございますか。よろしいでしょうか。御報告いただいたということで、内容の確認をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 それでは、次の議題に入ります。次は中教審の答申、教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について、これは教職員課から御報告をお願いします。

【藤原教職員課長】  失礼いたします。教職員課長の藤原でございます。お手元の資料2でございます。

 教職課程の認定でございますけれども、昨年10月7日の教員養成部会におきまして文部科学大臣から諮問があり、今年の2月15日に教員養成部会で議決いたしまして、これをもって答申とさせていただいたところでございます。

 この答申につきましては、初中分科会の運営規則に基づき、教員養成部会の専決事項という位置付けになっているところでございます。

 この教職課程の認定でございますけれども、これにつきましては教員養成部会の下に課程認定委員会というものが設けられてございまして、認定を受けようとする学科等の目的、性格と免許状との相当関係、あるいは教育課程及びその履修方法、教員組織、施設・設備、教育実習の実施計画等について審査がなされるということでございます。

 最近では、特に学際的な学科等の増加に伴って認定を受けようとする学科等の目的、性格と免許状との相当関係が薄い申請が増えてきている状況がございまして、こうしたものにつきましては慎重な審査を行っている状況でございます。

 昨年度の結果でございますけれども、お手元の資料の1ページ目でございます。149大学等から申請がございまして、140の大学等の内容を認定したということになってございます。この数字は、1年前と比較いたしますと11大学減という数字でございます。

 また、学校種別の認定の動向につきましては、その次のページ、裏面になるわけでございますけれども、こちらで上の左端から幼稚園、小学校と並んでございますが、幼稚園教諭の課程の認定につきましては、その欄の一番下でございます。19大学等が認定されたということで、括弧内が昨年度との比較でございますけれども、6減ということになってございます。また、小学校は23で4減、それから中学は91件で16の増、高等学校は104件で11の減、特別支援は8件で4の減、養護教諭が11件、6減、それから栄養教諭は6件で6減という状況になってございます。

 特に昨年度につきましては、大学院レベルでの改組が多かったということでございまして、そちらの内容が多くなってございます。これが昨年度の結果でございまして、具体的な内容は更に1枚おめくりを頂きまして、資料は個別の大学ごとに並んでいる形でございます。こちらは説明を省略させていただきます。

 教員養成部会におきましては、こうした認定された教職課程につきまして、適宜視察等を実施し、事後フォローをやっているところでございます。今年度も引き続きこうした実地視察等を通じて、教職課程の質的水準の維持・向上を図ってまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 今の教職員課からの報告について何かございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 次に、議題(3)、特別支援教育の在り方に関する特別委員会の審議状況について入ります。これは、この特別委員会の下に設置されております合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループにおいて報告が取りまとめられております。また、特別委員会の審議状況についても御報告いただきたいと思います。特別委員会の委員長の宮﨑委員から御報告、よろしくお願いいたします。

【宮﨑委員】  それでは、私から御報告させていただきます。資料3-1の合理的配慮等環境整備ワーキンググループ報告を御覧いただきたいと思います。

 特別支援教育の在り方に関する特別委員会では、昨年5月にワーキンググループを設置いたしまして、障害者の権利に関する条約における合理的配慮やその他の環境整備について検討を行い、その結果を本年2月13日に報告として取りまとめをいたしました。本日は報告の概要について説明させていただきます。

 3-1を1枚めくっていただきますと目次になっております。ワーキンググループは特別委員会の尾崎委員に主査を務めていただきまして、私もオフザーバーとして毎回会議に参加いたしました。半年で8回ほどの開催と、大変精力的に審議をいただいたところでございます。

 また、ワーキンググループの各委員は、会議の審議に加えて、障害種別に合理的な配慮の例示を作成していただきました。このワーキンググループの報告も踏まえて、今後、特別委員会として早期に報告の取りまとめをしたいと思っているところです。3月28日に行われました特別委員会でも、資料3-2のとおり、報告の骨子案を私からお示しをして、検討を開始したところです。

 この骨子案は、平成22年12月に特別委員会としてまとめをしました論点整理、これもこの会で御審議をいただいたところですが、その論点整理をベースにワーキンググループの報告、特別委員会本体でこれまで審議してきました教職員の確保及び専門性の向上などを取りまとめていこうというものでございます。

 特別委員会では、次回以降、報告案について審議することとしております。詳細については事務局から説明をしていただきます。

【千原特別支援教育課長】  失礼いたします。特別支援教育課の千原でございます。

 お手元の資料3-1の41ページを御覧ください。今、宮﨑委員長から御紹介がありましたとおり、昨年5月に特別委員会でワーキンググループの設置が決められました。検討事項は1ポツにございますように、「合理的配慮について」、また、(2)「その他の環境整備について」ということでございました。

 隣の42ページでございますが、ワーキンググループの委員はこのようなういうメンバーで構成されまして、主査には尾崎特別委員会委員、それから河本主査代理ということでございました。

 続きまして、43ページをおめくりください。今、委員長からありましたように、このような形で8回にわたり御議論いただきまして、1月13日に主査一任、2月13日に取りまとめということでございます。

 次の44ページ、概要を使いまして、簡単に御説明させていただきます。まず、「はじめに」というところの2つ目の白丸でございますけれども、合理的配慮は新しい概念である。また、障害者基本法で新しく、可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ、ということが、昨年8月の成立で規定されたという趣旨を踏まえて、障害のある子どもに対する合理的配慮の観点ということについて整理を行っていただきました。

 次の1ポツ、「『合理的配慮』の定義等について」の(1)でございますけれども、これは、障害者権利条約の定義に鑑みまして、このワーキンググループにおいて、「合理的配慮とは」ということで、障害のある子どもが他の子どもと平等に教育を受ける権利を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある子どもに対し、その状況に応じて学校教育を受ける場合に個別に必要とされるもの、としていただきました。そして、学校の設置者及び学校に対して体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの、という定義でございます。

 なお、この際、条約において合理的配慮の否定は、障害を理由とする差別に含まれるとされていることについて留意する必要がある、ということを書いていただいてございます。

 続きまして、ページをおめくりいただきまして45ページ、(2)でございますが、「『合理的配慮』と『基礎的環境整備』」ということでございます。先ほどの審議検討事項ということで、合理的配慮とその他の環境整備ということがございまして、この関係について整理いただきました。

 最初の白丸でございますけれども、国、都道府県、市町村は法令に基づき、あるいは財政措置によってそれぞれ教育環境の整備を行っております。これらは合理的配慮の基礎となる環境整備でありまして、それを基礎的環境整備と呼ぶとされました。これを基に設置者及び学校が、各学校において障害のある子どもに対して、その状況に応じて合理的配慮を提供するというまとめでございます。

 このことについては、50ページに図示として付けさせていただいております。土台的な、基礎的なといいますか、合理的配慮の基礎となる環境整備を基礎的環境整備といたしまして、その土台の基礎の上にAさんのための合理的配慮、Bさんのための合理的配慮といった合理的配慮が、個々の状況に応じてなされるというようなまとめになってございます。

 恐縮ですが、元に戻っていただきまして、45ページでございます。(2)の2つ目の白丸でございますが、こうした合理的配慮についてでございますけれども、個々の状況に応じて提供されるものである。これを、全て具体的かつ網羅的に記述することはなかなか難しいということもございますので、ワーキンググループでは合理的配慮を提供するに当たっての観点、着眼点を合理的配慮の観点ということで、教育内容・方法、支援体制、施設・設備、そういったことで類型化して、各観点ごとに各障害種に応じた合理的配慮の具体例、例示をするというような構成でおまとめいただきました。これについては後で御覧いただきたいと思います。

 そして、2ポツでございますけれども、「『合理的配慮』の決定方法について」ということでございます。2つ目の白丸に行かせていただきますけれども、「『合理的配慮』は、一人一人の障害の状態や教育的ニーズに応じて決定されるものであり」、その検討の前提として、設置者、学校は、障害のある児童・生徒の学習上、生活上の困難、健康状態、まず状態把握をしっかりすることが必要である。これを踏まえた上で、設置者及び学校と本人、保護者によって個別の教育支援計画を作成する中で、合理的配慮の観点を踏まえて、合理的配慮について可能な限り、その三者が合意形成を図った上で決定して提供することが望ましい。そして、その内容を個別の教育支援計画に明記することが望ましいというようにまとめていただいております。

 少し飛びまして、最後の行ですが、「さらに、『合理的配慮』の決定後も、幼児児童生徒一人一人の発達の程度、適応の状態等を勘案しながら柔軟に見直しができることを共通理解とすることが重要である」という御指摘でございました。

 次に、46ページ、3ポツのところでございますけれども、「基礎的環境整備」ということでございます。これにつきましては、それぞれの現状と課題について整理していただいております。

 1つ目の白丸でございますけれども、先ほど図で見ていただきましたように、合理的配慮の充実を図る上で、土台となります基礎的環境整備の充実は欠かせない。必要な財源を確保して、国、都道府県、市町村はインクルーシブ教育システムの構築に向けた取組として、基礎的環境整備の充実を図っていく必要があると御指摘いただいております。

 2行飛んでいただきまして、「そのためには、共生社会の形成に向けた国民の共通理解を一層進め、社会的な機運を醸成していくことが必要であり、それにより、財政的な措置を図る観点を含めインクルーシブ教育システム構築のための施策の優先順位を上げていく必要がある」と御指摘いただいております。

 基礎的環境整備につきましては、46ページから47ページにかけまして、(1)から(8)まで、このような個々のことについて、現状と課題をまとめていただきました。

 続きまして、47ページの4ポツでございますけれども、「学校における『合理的配慮』の観点」ということでございます。繰り返しになりますが、合理的配慮というのは個々の障害のある児童・生徒等の状況等に応じて提供されるもので、多様であり、個別性が高いので、本ワーキンググループにおいては、その観点というものを整理していただきました。

 その観点といいますのは、47ページ下から<「合理的配慮」の観点(1)教育内容・方法><(1)-1 教育内容>、そのような形で、47ページ以降、見出しが出ているところが合理的配慮の観点ということになります。

 47ページ、4ポツの4つ目の白丸でございますけれども、合理的配慮は全ての場合を網羅することができないため、その代表的なものと考えられる例を示したということであります。それぞれ括弧の中に合理的配慮の観点がありまして、その下に解説文が書かれております。大変恐縮ですが、51ページの別紙2を見ていただきますと、今ありました合理的配慮の観点とその例ということで、「情報・コミュニケーション及び教材の配慮」ということがありまして、このような別紙がそれぞれの観点ごとに書いてあります。下には、それぞれの障害種別に応じて例えばということで、こういうことが合理的配慮の例であるという例示をしていただきました。この例示につきましては、通常の学級、通級、特別支援学級、特別支援学校、それぞれで適用できると考えられるようなものを例示として委員の先生方に考えていただいたところでございます。

 以上で、3-1の資料の御説明を終わらせていただきます。

 3-2を御覧ください。今、宮﨑委員長からございましたように、ただいま特別委員会で、平成22年12月に取りまとめていただいた論点整理から、更に最終の取りまとめに向けての御議論をしていただいております。

 論点整理からの変更点は大きく2つでございまして、3-2の1ページ目の1ポツ、「共生社会の形成に向けて」というところについて、タイトルを変えてございます。

 もう一つ、論点整理においては、3ポツの環境整備というところ、3ページになりますけれども、論点整理では「環境整備」というタイトルでございましたけれども、これにつきまして、今見ていただきましたワーキンググループの報告を中心としたものとして、ここにありますようなタイトル、「障害のある子どもが十分に教育を受けられるための合理的配慮及びその基礎となる環境整備」というような形になっております。

 4ポツについては、5ページでございますけれども、「多様な学びの場の整備と学校間連携等の推進」ということで、論点整理のときにはほかの項目に含まれておりましたものを特に大事だということで、委員長試案として、このような形で提示させていただいております。

 以上、説明を終了させていただきます。

【小川分科会長】  ありがとうございます。このテーマに関わって、論点や課題をよく整理していただいたと思いますけれども、これについては少し皆さんから御質問や御意見を頂く時間をまとめて取りたいと思います。何か委員から御質問や御意見があれば、お願いいたしたいと思います。いかがでしょうか。よろしくお願いします。梶田委員。

【梶田委員】  よくまとめていただいたなと思っております。宮﨑先生、前からいろいろと御苦労いただいたわけですが、1つ心配なのは――心配というとおかしいんですけれども、原理原則はよく分かるんですが、例えば小学校、中学校だったら、公立の場合は市教委が準備するわけですよね。その辺について、例えばさっきの50ページの表なんかでも、一人一人、合理的な配慮の中身がかなり違うわけですよね。そうすると、市教委レベルで、まずはお金と人ですよね。どのような裏付けになっておりますでしょうか。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、事務方から。

【千原特別支援教育課長】  失礼いたします。梶田先生、ありがとうございます。

 例えば、先ほどの図で見ていただきました50ページでございますけれども、基礎的環境整備と合理的配慮の関係ということで、このようなバランスになっております。

 まず、合理的配慮をさせていただくために、基礎的環境整備をしっかりする。それが土台になって合理的配慮になりますので、そこのところが大事だということでございます。こちらにつきましては、国、都道府県、市町村、今、市教委という御指摘がございました。先ほど見ていただきました3ポツ「基礎的環境整備」、46ページから8項目ございますけれども、例えば多様な学びの場の活用、これは、市教委レベルで通常の学級から通級指導、特別支援学級、特別支援学校――特別支援学校になりますと都道府県になりますが、そういった学びの場を整備するのは、当然、それぞれの設置者が財政も鑑みながら設置しなければいけないわけですが、設置をする。また、専門性のある指導体制の確保、あるいは教材の確保、そういったことをやっていきます。

 また、そのときに当たっては、当然、国も例えば国庫負担金というような形で補助させていただきますし、また、教材の提供というようなこともさせていただくということで、まず、ここのところをしっかりやるということでございます。

 その上で、図の上にあります合理的配慮ということについては、それぞれ設置者、学校がしっかりやっていく。今回のワーキンググループの基本的な方向としては、ちょっと省いて大変恐縮でございましたが、本文の2ページのところでございますけれども、マル6ということでございます。学校教育において、これまで配慮は行われてきたけれども、真ん中辺り、5行目のところでございますが、ワーキンググループの先生方の気持ちとしては、学校教育において行われてきた配慮を合理的配慮の観点として改めて整理したことで、それぞれの学校における教育が一層充実したものになっていくことを願ってやまないということで、当然、合理的配慮の否定は差別に当たるということも条約で書かれておりますので、そういったことで財政措置も含めて合理的配慮をしっかりとやっていくんだというお気持ちが込められていると考えております。

【小川分科会長】  梶田委員、よろしいですか。

【梶田委員】  その辺も是非よろしくお願いします。この原理原則は、本当にうまくまとめていただいたなと私は思うのですけれども、ただ、実際に例えば各学校で、一人一人の障害の在り方で随分違うわけですね。そこの違いを前提にして、いろんな配慮をすることになっていますけれども、本当に個別学校のレベルで、そういうことが分かるかどうか。それから、お金があるかどうか。これは、やはり市教委がよほどバックアップしないとやれないと思うんですね。ですから、そこのところ、多分お考えだと思いますんで、よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  では、今の件に関係して宮﨑委員からよろしくお願いします。

【宮﨑委員】  ありがとうございます。課長から説明があったとおりなんですが、若干補足させていただきます。

 梶田先生おっしゃったように、まず、一人一人の状況が違うということが前提です。それから、基礎的環境整備、学校によっても様々違うわけですよね。特別支援学校でも様々で、例えばエレベーターが付いている場合には、上下の移動についてはもう考えなくていい。ただ、エレベーターが付いていない場合は配慮しなければいけないので、当然、合理的配慮の中に、その上下移動について考えましょう。例えば身体的な課題がある場合には、そこは対処しますということです。

 ですから、基本は45ページの「合理的配慮」の冒頭に書かせていただいているように、状態や教育的なニーズによって決定する。あくまでも個人に関わること、それから、学校の環境の現在の整備状況によって変わるというようなことを大前提で考えていきましょうということです。ですから、原理原則は、そのとおりなんですけど、現実は、現状から考えていけばいいんですよというメッセージを発しました。そういう意味でございます。当然、財政的な問題等も非常に厳しい状況ですので、その点は勘案しながら、それぞれで工夫していただくというメッセージを、この中では出しているということでございます。

【小川分科会長】  宮﨑委員、ありがとうございました。ほかに、では、渡久山委員、よろしくお願いします。

【渡久山委員】  よくまとまっていると思います。それを実際、現場で生かして、本当に障害児教育がインクルーシブにますますなっていくことを極めて期待したいなと思っています。そういうことを前提にして、意見を少し言わせていただきますが、例えば就学先決定、今でもそうですが、これには第三者機関ということが書いてありますから、それでいいんでしょうけれども、何となく学校寄りだとか、あるいは教育委員会寄りに決定される可能性が今でも随分あるんですね。ですから、これは、より合理的な配慮ということを是非ここでお願いしたいなというのが1つです。

 もう一つは、学校支援員がいるんですけれども、授業のときには出てきますよね。しかし、授業がないときにはいない場合が多いですね。そうしますと、障害を持った子どもたちの、あるいは学級の問題について議論をいろいろする際に、支援員が十分に機能を果たせるような議論にならない場合がある。ですから、授業だけでなくて、やっぱりきちっとした、そのような体制がとれないかなということを考えているのが1つです。

 もう一つは、今もありましたけど、学校のバリアフリーです。これは、障害児がどれぐらい健常児学校にいるか、いないかによって学校のバリアフリーは考えられるというんですが、私なんかが考えると、現場では、必ずしもそれだけではいっていない。例えば3階までの校舎があっても、エレベーターのない学校というのが圧倒的です、当たり前になっていますね。そうなると、やっぱり学校の設置基準そのものの中に障害児がいる、いないにかかわらず、障害児を受け入れることを前提にしたバリアフリー化ということが、展望として持っていなければいけないんじゃないかということです。

 もう一つは、いろいろ見ていますと、障害に対する対応が何となく医学モデル的なものがまだ残っているんじゃないか。社会モデル的な感じで、子どもたち一人一人が、ここにもありましたように、共生社会の中で共生して生きられるという感じのものをもっともっと実践段階では生かしていただければ幸いだと思います。

 以上です。

【小川分科会長】  今幾つかの論点等々ありましたけれども、特別支援教育課長とか、宮﨑委員から何かお答えするようなことありますか。すみません、よろしくお願いします。

【宮﨑委員】  ありがとうございました。まず、1点目の就学先決定の問題に関しましては、論点整理の中でもかなり書き込ませていただいて、今回の最終的な取りまとめをするときに、今お話があったこと、例えば第三者機関についてどう考えるかというのは、今後更に詰めをしたいと思っておりまして、御指摘をまた検討させていただこうと思っています。

 2番目の件に関しましては、財政措置やいろんな課題もあることですが、できるだけ具体的な対応を学校の中でどんなふうにできるのかという辺りは、合理的配慮との関係も含めて検討しなければいけないということと、今、学校教育だけではなくて、24時間の支援をどんなふうにするかということもありますので、これに関しては、ほかの省庁との絡みなどもあって検討していかなければいけないので、言及がどこまでできるかというのはちょっと分からないところだと思います。ここは、また事務局とも相談しなければいけないところだと思います。

 3点目の施設設置基準のこと等について、更に検討すべきというお話だったと思いますが、国の施設整備指針は、つい先だって見直しをしたところですし、例えば、全ての学校にエレベーター設置といった場合に耐震基準の見直し等があって、様々今御苦労されたところですので、エレベーターだけではなくてバリアフリーの問題、更に検討はしていかなければならないと思います。

【小川分科会長】  課長からも何か一言。その後に天笠委員、よろしくお願いします。

【千原特別支援教育課長】  恐れ入ります。就学先決定につきましては委員長がおっしゃられたとおりでございまして、論点整理で合意形成を図った上で、最終的には市町村教育委員会が決定する。意見が一致しない場合には第三者機関ということで御指摘を頂いています。

 それから、支援員につきましては、学習の中でもサポートする支援員という形もあるように私は承知しておりますが、渡久山先生からの御指摘、受け止めさせていただきます。ちなみに24年度予算では、地財措置で、23年度に比べて公立の幼・小・中・高で2,700名増員というような形になってございます。

 それから、3点目、バリアフリーについては施設部の所管になりますが、今、その方向で鋭意やっていると承知しております。

 それから、社会モデルということにつきましては、合理的配慮のワーキンググループでも、そのことは念頭に置いて御議論いただきました。資料3-1の11ページのところに4ポツ、「学校における『合理的配慮』の観点」、マル2、いわゆる「ICF(国際生活機能分類)を活用することが考えられる」と書いてあります。これは、あちこち飛んで恐縮ですが、37ページ、参考資料6のところ、「ICFについて」ということで、特別支援学校の学習指導要領解説自立活動編というところにICFのことについて書いてありまして、要は、いわゆる医学モデルだけではなくて社会モデル、両方のことを念頭に置いて、こういうことをやっていかないといけないということでございます。

 以上でございます。

【小川分科会長】  丁寧にお答えいただきましてありがとうございました。渡久山委員、よろしいですよね。

【渡久山委員】  はい。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、天笠委員、よろしくお願いします。

【天笠委員】  どうもありがとうございます。合理的配慮ということについてのコンセプトの御説明、大変丁寧に、また簡潔に整理されたと受け止めさせていただきました。その上で、委員長試案ということで、報告の骨子を先ほど御説明いただいたわけでありますけれども、ページを追って拝見させていただきますと、5ページの下から6ページにかけてが合理的配慮を具体化するとか、実現するということにとって大きな意味を持つ構成になっていて、言うならば、この考え方についての条件整備に関わる記述だと思います。

 1つは、そういうことについて、例えば学校間の連携ですとか、そういうことをより進めていくという記述があったり、その次には専門性の向上という記述があって、この辺りのところについては大変重要ということを改めて拝見させていただいた次第です。しかし、この辺りのところについての審議の扱い方を拝見しますと、これは、特別委員会において検討されることが望まれるということで、この委員会の役をそちらに委ねるというところで終えているような記述なんですけれども、専門性の向上ですとか、学校間のつながりを図っていくとか、こういうことについてのしかるべき整理とか、まとめが実は大変必要になってきている。こういうまとめ方をした場合のところで、このところを他に委ねるというところでとどめてしまうよりも、むしろ、この辺りのところについても積極的な言及をしていただければと思うわけです。

 そういうことを含めて、この辺りがどういう扱いになるのかという御説明をお願いできればということと、それから、資質向上という中にあって、これは、次の教員の資質能力の特別部会の報告と関わってくるのかもしれませんけれども、こういう特別支援に関わる資質能力の向上とか、免許状の取得とか、そういうことを現在どう考えていて、これからどのようにやっていこうとされているのか。それについての委員会の言及について、例えば免許状の取得率は現状このぐらいであって、これを進めていくには、このぐらいの目標値を掲げるべきではないかとか、そういう言及は今後あるのかないのか等々も含めて、この辺りのところについて説明をお願いします。私は、そういうところまで踏み込んだ方向性を示してよろしいんじゃないかとも思うんですけれども、そこら辺についての考え方ですとか、方向性等々について御説明いただけるとありがたい、よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  どうもありがとうございました。今、天笠委員からお話があったように、これは、特別委員会だけで取り組める話じゃなくて、今の教員養成の問題1つとっても、ほかの担当課なり、ほかの分科会等にも関係するものですので、その辺は文科省としてどう考えているかということも含めてお答えいただきたいと思うんですけれども、まず最初、委員長の宮﨑委員から、よろしくお願いします。

【宮﨑委員】  ありがとうございました。正に今、天笠先生がおっしゃったことを私どもも現状を考えると深刻に受け止めて、今回のまとめはしたいと思っています。

 まず、後半部分の教職員の確保、専門性の向上のところを先に申し上げます。現状、特別支援学校の免許状取得率は極めて悪いというのがございます。教員免許法の附則の16項で、いわゆる基礎免という通常の学校の免許を持っていれば教壇に立てるという仕組みになっておりますので、特別支援学校免許状を持っていなくても特別支援学校で教員ができる仕組みになっております。

 この附則の16項を何とか廃止する方向を打ち出したいんですが、現状は打ち出せない状況にございます。特に悩ましいのは、障害児によって少なくとも領域免許状を課しておりますので、なかなか難しい問題がある。これは、教員養成の仕組みをどうするかということと密接に関わっておりますので、この辺りも国として取り上げていただかなければいけない問題。あわせて、教員養成の仕組みそのものを検討してもらわなければいけないという問題がございます。考え方なんですけど、これは特別部会との関係もございますので、特別部会の動きを見定めながら、私どももこのことについて検討している。

 それはそれとして、今回一番ポイントになっているのは、とにかく現状の教員の資質向上を何とかしなければいけない。特別支援学校もそうなんですが、特に特別支援学級や通級による指導での教員の資質というのが、ある意味では極めて心もとない状況にございます。免許を持っていなくてもいいということもしかりですし、なおかつ特別支援教育を全く学んでいない人たちが教員をしているという現状があります。約10%の子どもたちが特別支援教育を受けている状況を考えたときにどうするかというのが喫緊の課題ですので、とりあえず、とにかく具体的にどんな形で特別支援学級や通級の先生の資質を向上させていくかという辺りが、例えば研修制度の在り方とか、そういう中身になっているということです。

 免許については、今後、特別部会でも検討していただきながら、併せて検討したい。できるだけ早く附則の16項をなくす方向で考えたいということでございます。

 1番目に御指摘いただいたことは、現状の日本の学校制度の中で特別支援教育がどんなふうに行われているかということに関して、もう少し精細な青写真を描いて、それを具体的に位置付けをしていきたいというのが考え方です。それが学校間連携の推進ということ。

 今の学習指導要領等で交流及び共同学習をきちっと書き込んでくださっているんですが、その辺りについても、交流及び共同学習の意義や考え方が学校全体のものに十分なっているかどうかというのは非常に微妙な問題がある。その具体的なカリキュラムも十分ではない現状があるということです。ですから、その辺りも書き込むと同時に、学びの場が全ての学校にきちっと共通に認識されて、具体化されているかというと、必ずしもそうでもないという問題がございまして、これについては、今ある資源をどんなふうに活用していったらいいかという辺りをきちっと書き込んでいきたいというのが、今回のこの6ページの(1)の「多様な学び場の整備と学校間連携」というところです。これは、論点整理の中でも書き込んであるんですが、それを更に突っ込んで書き込みたいと思っているところです。

【小川分科会長】  天笠委員、よろしいですね。

【天笠委員】  はい。

【小川分科会長】  では、輿水委員。

【輿水委員】  ある意味では屋上屋の話かもしれませんが、私は、昨年3月まで学校の校長をしておりましたので、学校の受入れというところでお話を1つしておく必要があるかと思います。

 学校は、入学式に子どもたちに待っていたよ、よく来たね、うちの学校の子どもだよ、それを伝えるのが一番大事なことと思っております。そういう意味では、入り口の、いわゆる就学先をどう決めるのかというところは、設備、施設の問題以上に大事なことだろうと思うのです。そのときに、先ほど来論議になっておりますけれども、学校は不安です。つまり、それだけの素地ができていない。先ほどお話がありましたが、免許の問題もそうです、研修の問題もそうです。設備という、いわゆるハードの問題よりも、学校としては、そこが一番。よく来たね、待っていたよと受け止め切れない。教員は、本当は受け止めたい。どの子もよく来たねと言いたいわけです。だけれども、それが、なかなかそうできない。そうすると、スタートの時期に、お子さん、又は保護者の方々は、ある意味、エレベーターがあるとかということ以上に、もっともっと不安な思いで不服申請をし、調停をかけ、そして入学してくることになる。そこは、本当に大きな問題だろうと思うのです。

 先ほど宮﨑委員おっしゃいましたけれども、免許の内容にしても、研修の内容にしても、これは、本当に喫緊だと思います。中身については、そういう意味では大変よく分かりますし、そうありたいと思うわけですが、どのように具体的に。喫緊、喫緊と言っているだけではなくて、本当に制度とか、道筋とかを作っていくところを是非よろしくお願いしたい。そうでなければ、学校も苦しい、もっと言えば、一番苦しいのは子どもだろうと思います。

 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、荒瀬委員。

 ほかに御発言の委員の方いらっしゃいますか。では、時間もありませんので、荒瀬、市川委員ということで終わらせていただきたいと思います。では、荒瀬委員からどうぞ。

【荒瀬委員】  ありがとうございます。まず、質問をちょっとしたいんですけれども、先ほど24年度は、支援員を増員するということをおっしゃっていただきましたけれども、週当たり20時間というような時間は国で決めていらっしゃるんでしょうか、それとも都道府県なり、市町村なりで決めているんでしょうか。

【千原特別支援教育課長】  私の承知している限りでは、たしか国で週20時間とか、そういう形は決めていないと承知しておりますので、市町村なりで決めていらっしゃるかと思います。すいません。

【荒瀬委員】  ありがとうございます。京都市の例で言いますと、京都市立学校は、支援員は週当たり20時間となっています。私、今、教育委員会におりますので、こんなことを言うのは変なんですけれども、3月まで高等学校の校長をしておりましたので、そのときに教育委員会と相当激しいやりとりをしていまして、20時間でどうしてカバーできるのか。先ほどからお話が出ていますように、具体的に対応をしていく場合、私がおりました堀川高校は、筋ジスの生徒とミオパチーの生徒3名いました。1校当たり20人だというんですね。でも、よくよく聞いていくと、結局、国の措置といいますか、あるいは京都府かもしれません、あるいは京都市独自かもしれませんけれども、要はお金がないので十分な対応ができないんですね。個別の指導計画を立ててやっていくというのは、特別支援学校ではいろいろと進めていらっしゃいますけれども、そうでない学校というのは、先ほどもございましたが、大変苦しい中でやっている。

 それで、京都市は、どうしたかといいますと、支援員は週20時間なんだけれども、人事課に言って臨時事務員という形で支援を具体的にする人をフルタイムで、ですから、週40時間で充ててくれて、それによって何とかしのいでいるという状態なんです。どこで決めるかということで言えば、今のお話ですので、帰りましたらどこで決めているのかというのを探り当てたいと思いますけれども、実際のところ現実に生徒が来るというときに、堀川高校は完全にユニバーサルデザインで設計された学校ですので、いわゆるバリアフリーですからエレベーターもありますし、そういう生徒を受け入れるということの使命も持っていました。

 ですから、受入れはするんですけれども、1つには、先ほどからありましたように教職員の資質向上に向けた研修の制度であるとか、あるいは、もっと抜本的な免許のことであるとか、同時に現実に今の状態で来ている生徒たちに対して、どのような対応をしていったらいいのかということが具体的にできるように、是非文部科学省としても御指導いただければということを思います。現実に来る生徒を拒むことは一切いたしませんので、その中で教育効果というと、これは言葉に問題がちょっとあるかもしれませんけれども、それが随分あるのも事実です。ですから、そういった中で進めていきたいという思いがきちっと保障されるように、よろしくお願いしたいと思っております。

 以上です。

【小川分科会長】  では、市川委員、最後、よろしくお願いします。

【市川委員】  私からは、ちょっと細かいことで、表現のことで恐縮です。障害の「害」の字、例えば今、いしへんを使う人たちも増えている。それから、平仮名で書くべきだという人もいる。

 それから、もう一つは、共同学習です。共同学習の共同の「共」の字、私は、この「共」というのは共同学習で久しぶりに見たような気がするのですが、教授・学習分野では、協力の「協」を使うことがかなり増えている。それから、「同」の字、一部の方に私は見えるんですが、「働」という字がだんだん使われるようになっている。

 今マジョリティーとしてどういう字が使われているかということは、私も印象でしか持っていないのですが、その中で、今、中教審なり、文部科学省なりがある1つの表現をすると1つのスタンダードになるかと思います。私、スタンダードを出していただくのは結構だと思うのですが、今回のをスタンダードにするというのが中教審なり、文部科学省なりの1つの見識というと大げさなんですが、と思ってよろしいでしょうか。これ、部会によってまちまちでもいけないと思いますし、もしこれを今回スタンダードにするというのであれば、それを確認していただきたいと思います。

【小川分科会長】  どうでしょうか、支援課長からお答えいただいたほうがよろしいですかね。

【千原特別支援教育課長】  恐れ入ります。漢字を行政文書の中でどう使うかは、実は特別支援の障害の「害」の字をどうするかとか、共同学習の「共」をどうするかは、私の承知している限りで大変恐縮ですが、特別支援教育課で決められることではない、ということだったと思います。ただ、特別支援の分野での議論でいいますと、例えば交流及び共同学習の「共同」については、今回、改正されました障害者基本法第16条の中で、「交流及び共同学習を促進しなければならない」という規定がありまして、その共同は、今、行政文書で使っております「共同」が使われております。

 また、障害の「害」の字は、いろいろ御議論がございまして、例えばいしへんの漢字を使う、あるいは平仮名にする。そういう議論が、例えば障がい者制度改革推進会議でも御議論がありますが、いわゆる国語というんでしょうか、日本語というんでしょうか、をつかさどる文部科学省として、国語審議会になるんでございますしょうか。そういったところで御審議していただいている状況で使う漢字としては、これを使っているということもありまして、特別委員会でもこの字を使わせていただいている状況でございます。

【小川分科会長】  市川委員が提起された問題は、中教審としてもちょっと検討したほうがいいかなと思いますので、この課題については引き取らせていただきたいと思いますけれども。

【千原特別支援教育課長】  すいません、基本法でも、障害者基本法の害の字はこの「害」です。

【市川委員】  おそらく20年くらい前であれば、これで全く問題なかったと思うんですよね。ですから、逆にどこかで変えると、何で変えたんだと。変わった理由なりを説明しないといけなくなる。ですから、ついつい昔からの、どちらかというと保守的な方になりがちだとは思うのですが、それがだんだんずれてくると問題も出てくるので、是非御検討の上、これは、こういう理由でこうなのだというようにしておいていただけるとありがたいです。

【小川分科会長】  時間が予定よりちょっとオーバーしていますので、この議題については、この辺で終わらせていただきたいと思います。環境整備をしっかりやってほしいというような意見を含めて、いろんな御意見ありがとうございました。国としても、その辺はよろしくお願いしたいと思います。

 では、次の議題(4)に移っていきたいと思います。教員の資質能力向上特別部会の審議状況についてです。

 これについては、この特別委員会の下に設置されています基本制度ワーキンググループにおいて報告がまとめられたようですので、これを含めて、これは教職員課からの御説明でよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。

【藤原教職員課長】  失礼いたします。お手元の資料4でございます。特別部会の審議の状況でございますけれども、平成22年6月3日に諮問がなされました。これを踏まえまして議論が行われ、昨年の1月31日付けで審議経過報告が取りまとめられてございます。その後、6月15日にワーキンググループが設置されまして、昨日でございますけれども、ワーキンググループ報告が取りまとめられ、特別部会にその報告がされた状況でございます。

 1枚おめくりいただきまして、ワーキンググループ報告の概要を添付してございます。今回の報告におきましては3章構成となっていますけれども、第1章が現状と課題、第2章が教員免許制度の改革の方向性、第3章が当面の改善方策という3章立てでございます。

 最初に現状と課題でございますけれども、この報告ではグローバル化や情報化、少子高齢化など、社会の急激な変化の中で人材育成像自体が変化しており、21世紀を生き抜くための力を子どもたちに育成するためには、これから学校というのは、基礎的・基本的な知識・技能の習得に加え、思考力や判断力、表現力などを育成していく必要がある。そして、こうした新たな学びを支える教員の養成が必要であるということ。

 それから、学校現場では、いじめや不登校、特別支援教育など、抱えている課題が複雑化、高度化しているわけでございまして、初任段階での教員が課題を様々抱えているという状況がございます。また、学校の小規模化や大量退職などによって、先輩から後輩へというような知識・技能の継承が困難となってきているという状況がございます。

 さらに、社会の急速な進展の中で、知識・技能の絶えざる刷新のため、学び続ける教員像の確立が必要であり、こうした教員の教職生活の全体を通じた学びを支援する体制を構築することが必要であることなどから、今後の教員養成の改革の方向性として教員養成の修士レベル化、教員の高度専門職業人としての位置付けの明確化といったことを基本的な考え方といたしまして、様々な改革方策を提言しているものでございます。

 1枚おめくりいただきまして、2のところで「教員免許制度の改革の方向性」というところが出てまいります。この基本的な構造は、昨年1月の審議経過報告の内容を踏襲しているわけでございますけれども、修士レベルの一般免許状を創設する。一方、当面は学士レベルの基礎免許状を併せて創設し、この段階でも教壇には立てるという制度設計としてはどうかということでございます。また、専門免許状の創設というのがございます。特定分野に関し、実践の積み重ねによる更なる探究によって高い専門性を身に付けたことを証明する専門免許状を創設するということがございます。

 その上に一般免許状と基礎免許状との関係というのが出てまいりますけれども、種々議論があったわけでございますが、3つのパターンが掲載されています。第1といたしまして、一般免許状を取得して採用されるというパターン。2番目といたしましては、基礎免許状を取得した後、採用直後に初任者研修と連携・融合した形で一般免許状を取得するというパターン。3つ目には、基礎免許状を取得し、採用後一定の期間勤務して、その後に修士レベルの学修をして一般免許状を取得する。そういった3つのパターンがあり得るということでございまして、それぞれメリット、デメリットがあるので、地域の実情に応じて様々な試行の積み重ねが必要というような位置付けにされています。

 それから、次のページでございます。こうした大きな方向性を目指しながら、当面改善する方策ということを提言されています。この修士レベル化というのは大変大きな制度改編を伴うものでございまして、修士レベルの課程の質と量の充実、それから教育委員会と大学との連携・協働による研修の充実など、ステップを踏みながら段階的に取組を推進する。そして、主要な取組は教育振興基本計画に盛り込み、計画的に取り組むというようにされています。

 そして、2のところでございますけれども、「教員養成、採用から初任者の段階の改善方策」ということがございます。修士レベル化を議論することの前に、まず、学部段階をどうするのかという話があるわけでございますけれども、学部の段階におきましても教科と教職の架橋の推進、あるいは学校ボランティアなど、学校現場での体験機会の充実などによるカリキュラムの改善、それから、いわゆる実習公害と言われているものをどう是正していくのかということがございます。また、教職センターなど全学的な体制整備の構築などを、ここに掲載されています。

 それから、修士レベルの教員養成・体制の充実と改善ということでございます。これにつきましては、教職大学院という制度がございます。発足後数年を経た状況でございますけれども、この教職大学院が大学と教育委員会との連携の中で一定の成果を上げつつあるという評価がされてございます。こうした成果をしっかり踏まえながら、更にこの制度を発展・拡充させてはどうかという提言でございます。

 この教職大学院の制度は、主として教職専門のところにかなり重点を置いて制度設計してきたわけでございますけれども、一方では、中学、高校の先生などを中心に、教科の内容を更に深めるような内容も、そこで学べるようにしてはどうかというような声があるわけでございます。今後は、そうしたものも取り込んだような形で、教職大学院の制度を発展・拡充させ、更にそうしたものの設置を推進していくことが必要ではないかということが提言されてございます。

 さらに、次のページでございますけれども、あわせて、そうした組織の改編を容易にするために、大学院設置基準の大くくり化など、必要な制度改正をしていく必要があるのではないかという提言でございます。

 それから、中学、高校に関しましては、国立以外の一般大学、一般学部の役割が大きいわけでございますけれども、そうした教育での内容も併せて見直しを図っていく必要があるのではないかということがございます。とりわけ専修免許状という制度が今、修士レベルの免許状としてあるわけでございますけれども、それは特定の教科の内容だけを深めても、その免許につながるという形でございますが、やはり現場の実践にどうつながっていくのかといったところを加味した内容にしていく必要があるのではないかということで、理論と実践の架け橋を重視した実習ベースの科目の必修化などの取組を進めていくべきではないかという提言でございます。

 また、次の丸でございますけれども、修士レベルの養成規模の拡大ということが必要になってくるわけでございますが、そうした際には柔軟かつ多様な国公私立大学の連携を推進していく必要があるということを提言されています。

 そのほか、初任者研修の改善は、大学、それから教育委員会が連携した形で初任研の高度化を図るといった取組を推進すべきではないかということ。それから、採用の改善ということがございます。

 それから、3のところでございますけれども、現職段階、あるいは管理職の段階の研修の在り方の改善というところにおきましても、教育委員会と大学が連携・協働して、現職研修のプログラム化・単位化を進める。あるいは管理職の養成システムの開発を推進していくといったことなどを提言されています。

 そのほか、5といたしまして「多様な人材の登用」、6では「特別支援教育の専門性の向上」ということ。先ほども議論になりましたけれども、免許状取得率の向上や特別支援教育の充実方策ということについて記述しているところでございます。以上がワーキンググループ報告の概要でございます。

 昨日の特別部会におきましては、こうした報告が行われまして、様々意見はございましたけれども、大きな方向性としては、こういった方向でという御意見でございましたので、今後、必要な修正を図った上で、速やかにパブリックコメント等の手続に入ってまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。免許法、教員養成、研修など、非常に広範囲の課題をカバーしたグループ報告の概要を説明いただきましたけれども、おそらくこれをベースにして特別部会で取りまとめに入っていくということですので、今日少し時間をとって、皆さんから取りまとめに向けて何か御要望や御意見があれば少しお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。それと、田村委員からまた何かございましたら、よろしくお願いいたします。

 では、梶田委員から。

【梶田委員】  修士化についてのイメージはよく出ています。ちょっと教えてほしいのは、2の最後のところの(5)その他のところで、1つは幼稚園教諭の問題が出ております。二種免許の割合が多いから、今後考える、検討する。もう一つは中・高の教諭について、教員養成ではない学科の人たちが多いということです。これを検討するとなっておりますが、ここのところは両方とも今の教員免許制度の根幹に関わる。例えば二種免、幼稚園の場合、短大でとっているわけです。これが問題だということになると、方向としては例えば短大での養成をやめるとなるのか、あるいは今の中・高が理学部や工学部で理科や数学の免許を出している、法学部や経済で社会科を出している。これは、ちょっと検討しなきゃいけないというわけですよね。

 この辺が修士化と並んで、場合によっては、これからの教員免許制度について、それ以上に大きな課題になると思うんですけど、これについて方向付けがもし出ているとするならば、ちょっと教えていただければと思います。

【小川分科会長】  よろしくお願いします。

【藤原教職員課長】  1点目の幼稚園の関係でございますけれども、この報告の10ページの下から3つ目の丸に記載があるわけでございますが、「幼稚園教諭については、現職教員の二種免許状保有者の割合が7割を超える現状、今後の幼保一体化に関する制度設計等の状況を踏まえ、新しい時代における質の担保・向上という観点から適切な制度設計を検討することが必要である」と記述されてございます。このとおりなんでございますけれども、今、二種免の割合が非常に高いという現状を十分踏まえないと、一足飛びに修士化というところにいけるのかどうかという観点は十分踏まえる必要があるだろうということが1つございます。

 それから、幼保一体化の話は、この後また議題としてあるようでございますけれども、当面の制度設計といたしましては、免許併有方式だということで制度が設計されているわけでございますが、こういったものを今度どう考えていくのかというようなことも十分踏まえながら、この制度を考えていく必要があるだろうということでございまして、現段階で、まだそこを明確にし切れていないということを、ここには記述してあるものだと理解してございます。

 それから、2点目の一般の修士課程の話につきましては、この報告書の16ページ、マル3、マル4のところで関連の記述が出てくるわけでございます。そこは、先ほど申し上げましたように、特定の教科の専門内容を深めたということのみをもって、今、専修免許状というものにつながる形になっているわけでございますけれども、やはり修士レベル化というものを本当に実のあるものにしていくためには、その内容がやはり学校現場での実践とどうつながるのかという観点をしっかり併せ持つ養成内容にしていく必要があるんじゃないかというのが基本的な考え方でございまして、それを踏まえ、マル4のところでは、「一定の実践的科目の必修化推進」というようなことが記述されてございます。

 これは、先生御指摘のように、一般の修士課程でそういったものをやるのは相当大変な話だということは十分理解してございまして、そうした取組をまず進めていくという中から、制度化の方向性も出てくるのではないかと現段階では思っているところでございます。

【梶田委員】  今お話しの点はそれでよく分かるんですけど、10ページの「その他」のところの幼稚園の下のところに中・高の免許が教員養成でないところで出ていてと、これも検討の中身として出ているんですが、これは、むしろ縮小する方向で考えようということなんでしょうか。つまり、今の数学とか理科の免許は理学部、工学部を出た人がもらっていることが多い、さっきお話のありました課程認定というのはそういうことでやっているわけですよね。教員養成の学部とか大学でないところで課程認定して、いろんな教科の教員免許を出している。しかし10ページのところの記述で言うと、特別部会の方向性としては、そういうことが再検討の対象となるのかなということをちょっと伺いたいと思うんです。分かりますか。その他のところの後段のところです。報告の10ページの(5)です。

【藤原教職員課長】  中・高免の話も含めて、御承知のように、開放制ということで戦後の教育行政をやってきたわけでございまして、そこの原則は当然堅持するというのが基本でございます。したがいまして、教員養成系の大学・学部だけでこういったものをやっていくということでは全くございませんで、広く様々な国公私の大学に、そこの機能を担っていただくのが基本だと思ってございます。ただ、その際には、先ほど申し上げましたように、その内容をどうしていくのかということを考えていく必要があるだろうというのが基本でございます。

【梶田委員】  ありがとうございました。

【小川分科会長】  ほかにどうでしょうか。では、特別部会の部会長の田村委員から最初お話しいただいて、あと北篠委員、中川委員、渡久山委員、佐々木委員、天笠委員ということで、よろしくお願いします。

【田村委員】  今、課長さんの御説明でもう十分なんですけれども、あえて付け加えさせていただくとすれば、開放制の原則は維持するという大原則がありますので、短大をやめるというような議論は議論のテーマには載っておりません。ですから、今の制度をそのまま。

 ただし、中身については、この特別部会が作られてワーキンググループが働く目標は、教育というのは自由なんだけれども、勉強しない自由はないということを明確にしようと。ですから、学び続ける教師という姿を示されない以上は21世紀の教員にはなれないんじゃないかというのが、委員会の中でも最初にお互いに確認した事項だったんです。ですから、そのためにいろんなことを考えようということで議論されています。

 ですから、中・高の場合も、現状は教育学部出身者よりも、そうでない一般のいろんな学部を出て免許状を取った人のほうが採用されているんです。活躍も、そちらのほうが人数がはるかに多いんです。そういったことを無視して修士レベル化を強行するというのは間違っているだろう。

 そこで、議論の中身では、修士というのを学位としては認定していないんです。だから、修士レベルといっているわけです。修士レベルだから、いろんなレベルが考えられるわけです。これは、これから議論してもらう。しかし、修士レベルに達成するまでに教員になった人も勉強は続けてください。だから、なっている間ずっとやってくれという話です。それが、この答申の根幹、基だと考えております。

 ですから、多様な人材が教員になる道も用意しようじゃないか。それは、ポスドクと言われる人たちもいろんな仕組みを考えて、教員になる道を用意しようということまで書かれていますけれども、流れてとしてはそういう話なんです。

 ただ、修士レベルというと修士というのが先に来ちゃいますから、梶田先生のような御心配が出てくるわけです。だけど、そこは随分議論しまして、修士レベルと、あえて「レベル」という言葉を入れたということで御理解いただければと思っています。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、北篠委員。

【北篠委員】  ありがとうございます。幼稚園の現場でも一種免許状保有者が少しずつ全国的に増えているということは傾向としてはございますし、まだまだ部分的ですが、専修免許状保有者も増えつつあるということは言えると思います。

 しかし、この問題、やはり幼児教育振興アクションプログラムの中で、一種免許状保有者の割合の数値目標を作って、幼稚園段階でも一種免許状保有者の割合を増加させていこうという議論がなされたわけですが、まだちょっと時期が早いだろうと。その後、御承知のように、ただいま新システムの検討の中で、ある意味置いてきぼりを食ってしまっていると思います。

 ここに示していただいたような形ですと、例えば今日の新聞にも公立保育所の移行に10年かかるとか出ておりましたけれども、まだまだ先送りされてしまうということになってはならないと思いますので、幼稚園教員の免許状の資格についても、国としての方向性をそろそろ出していただかないと、いつまでたっても今のままということになってしまうと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。時間も押し迫っていますので、すいません、発言者は手短に。中川委員、渡久山委員、佐々木委員、あと天笠委員ということで進めさせてください。よろしくお願いします。

【中川委員】  ありがとうございます。一般免許状と基礎免許状の関係で、これから議論が進むと思いますけれども、いわゆる基礎免許状を取得して、採用後に初任者研修と連携した修士レベルの課程を修了するということになっていますが、この負担、特に私立学校の場合には人的にかなり厳しい状況にありますので、そうした中で長期間にわたって学校を留守にする、あるいは費用的な面でもかなり過重な負担が本人、又は学校設置者にかかってくると困ります。その辺について、国ではどうお考えなのか、伺いたいのと、それから、運用についてはできるだけ柔軟な対応をしていただきたいというお願いをしておきたいと思います。

 もう一点は、現在行われております教員免許状更新講習とこれの整合性というか、関連について伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  課長でよろしいですか。では。

【藤原教職員課長】  失礼いたします。1点目でございます。その点、昨日の特別部会でも議論になったところでございますけれども、御承知のように私立学校の場合は、公立学校教員と違いまして、研修等の制度の仕組みが根本的に違うわけでございます。そうした点を十分踏まえた設計をしていく必要があるということ。それから、当然、一定の財政的な負担という問題もあるわけでございますので、具体的な制度設計の際には、そうした点も十分踏まえてまいりたいと考えておるところでございます。

 それから、2点目の更新制の問題につきましては、10ページの(4)のところで書いてございますけれども、「教員免許更新制については、10年経験者研修の法律上の実施義務の在り方との関係を含め、詳細な制度設計の際に更に検討を行うことが必要である」というような形で記述しているところでございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。よろしいですね。では、渡久山委員、よろしくお願いします。

【渡久山委員】  この中で高度専門職業人育成という方向性、それから田村先生が言われた、その辺は僕は非常にいいと思うんです。是非とも今の学部卒じゃなくて、それ以上の養成課程できちっとした学修をしておく必要があるんじゃないかと思います。これを前提にしながら考えているんですけど、1つは、具体的な話になると初任研の問題と初任者の問題、これ、実習等の問題もありますけど、小学校も今、初任者には担任を全部やっています。これ、副担任ぐらいの形で、やっぱり職場の中で軽減しておかんと、研修そのものとの兼ね合いで負担が非常に大きいです。この辺はもっと検討されたらどうかなということが1つです。

 もう一つは、これをずっと読んでいきますと、教職大学院に非常にシフトしているような感じがします。だから、見方によっては昔の高等師範みたいな感じを受けて、開放制があるといいながらも、最終的に一般大学の学士を受けて、その後どういう形で免許が取れるのかということになってくると、それに対してはちょっと疑問とか、なかなかやりづらいだろうという感じがいたしますので、この辺の問題。

 それから、教職大学院ということをいっても、例えば高度な教科教育、あるいは教科の場合は、一般大学の大学院のほうがずっと効果が上がると思うんです。その辺との兼ね合いがどうなのかということが問題として出てくるんじゃないかと思います。

 3つ目は、これには財政論がほとんどないんです。例えば免許の種類によって待遇が違うのか違わないのか、この辺の問題も全くないです。それと同時に、例えば現場の教員が大学院で研修する場合、どうしても職場保障というのがないといけない、あるいは研修定員というものがないといけない。そういうものについても記述しておかなきゃいけないんじゃないか、あるいは検討される必要があるんじゃないかという気がいたします。

 それから、ボランティアの問題があります。ボランティアをよく奨励しています。しかし、今、大学審議会から出ている学士課程教育の中で大学生が勉強しない、それでいて学士号が与えられるのかという日本の大学における学士課程教育の問題点というのは非常に指摘されています。ボランティアをあまり奨励すると、ボランティアに行って勉強しないということが起こり得ないかどうか。この兼ね合いが、僕は見ていると、ちょっと厳しいんじゃないかなという気がいたします。

 それから、10年研と今の免許の更新制の廃止の問題はありましたから、できるだけ廃止を含めて、やっぱりトータルとしてどのような養成をしていくのかが必要だと思います。

 それから、職場が非常に枯れていて、教員の養成、いわゆる職場で育つ教員というのがものすごく困難になっているということを前提に記述されているんですけれども、もう一つは、この報告の中で一番気になるのは、教育委員会と大学というものは連係プレーが非常にあるんです。しかし、マスターレベル、あるいは修士レベルの教員を養成するのを、果たして現在の教育委員会がどういうサポートができるのか。もちろん財政的なサポート、あるいは行政的なサポートはもちろんできると思うんです。しかし、実際、教員の高度な職業人をつくるための教育委員会の任務というか、能力といいますか、果たしてあるかどうか、期待できるかどうかという問題はちょっとありますので、その辺の部分も詳しく検討していただいたらどうかと思います。

 以上です。

【小川分科会長】  御意見ということで、部会でもまた御検討いただければと思います。では、あと佐々木委員、よろしくお願いします。

【佐々木委員】  ありがとうございます。学び続ける教師というのは大賛成で、ある意味当然だとは思うんですが、ここで教員育成カリキュラムについて3つ要望があります。

 1つは、教師の話す技術、つまり、声、発生、滑舌その他、あるいは顔の筋肉の動かし方、体の使い方、こういったコミュニケーションについての、知識学習ではなく体得するための訓練を十分な時間入れていただきたいと思います。

 2つ目は、グローバル化というのは、当然、語学ではなくて多様な発想を取り入れる、受け入れるということであり、そこから建設的な成果を作る、ディスカッションができるという技術です。ですから、会議の進行とか、議論の運営の技術というのも訓練に入れていただきたいと思います。

 3つ目が情報化ですが、これもITの使い方を学ぶことではありません。知識はインターネットで検索が可能になっているわけですから、これらをどう組み合わせるのか、どう使うのか、これらからどんな新しい発想をするのかというところに向かっていける教員を育成することが大変重要で、これは、教員自身が日々そのようなことを自らがする機会を増やすということだと思っております。

 以上、3つなんですが、上の子が高校3年、下の子が中学1年になりました。最近、学校の様子を聞くと、大変すばらしい先生がいたとそれぞれが言うので、「そういう先生いたの」とちょっと驚きながら、「どんな先生ですか」と聞くと、2人とも名を挙げた先生方は社会経験が5年、10年ある、そこから学校に戻ってこられた、あるいは入られた先生でした。学校の中で、民間企業で勤務経験5年以上ある先生が例えば50%いるようにするとか、そのような仕組みもこれから考えていってはどうかということを最後に提案したいと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、最後、天笠委員、よろしくお願いします。

【天笠委員】  このワーキンググループの目指すところとか役割を限定的に捉えるのか、それともかなり広範な課題を引き受けていただいて、そこで検討をお願いするのかどうなのか。このワーキンググループがある程度持続的、長期的になりつつあるところで、改めてその辺りのところを確認しておく必要があるかなと思います。

 どうしても時間が長く継続的に行えば、次々といろんな課題が出てこざるを得ませんので、それについての受け答えをしていくことになっていくかと思うんですけれども、もしそういうことでしたら、今、各委員会等々、先ほどの特別支援関係もありますが、そういう委員会関係の議論の推移、経過等の整合とか、目配せを是非お願いしたいなと思います。

 それはそれとして、当初の目指すところを限定的に考えるならば、その辺りのところをしっかり固めていただいて御提言いただければと思うんですけれども、10ページのその他のところにありまして、この初中分科会のメンバーの中に何人かいますが、学校間の連携接続についての議論で、今、小学校と中学校の関係について議論しているところであります。そうすると、当然、そこのところでは義務教育の免許状の話が出てこざるを得ないということなんですけれども、拝見すると、このワーキンググループでは、それを中長期的な検討課題だと位置付けているわけですが、この辺りのことについては意見がいろいろあるところではないかと思うわけであります。例えば、こういうところについて整合の必要性が出てきたことについての目配せも必要になってきているかと思います。そこら辺のところについての交通整理ですとか、方向性等々をしっかり固めていただいて御提言をお願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

【小川分科会長】  それは意見ということでよろしいですか。

【天笠委員】  はい。意見ということで。

【小川分科会長】  では、そのようにお願いいたします。

 予定の時間より30分ぐらいオーバーしていますので、一応、12時半をめどにということで進めさせていただきたいんですけれども、そうなると残りの議題については、多くの時間をとってやり取りできませんので、その辺は御配慮をよろしくお願いしたいと思います。

 では、次に議題(5)で、第2期の教育振興基本計画の審議状況についてです。これは、この基本計画部会で昨年12月に基本計画の策定に向けた基本的な考え方というものがまとめられています。今後、基本計画部会では、この基本的な考え方をベースにして、この間、関係団体からのヒアリング等々も精力的に行ってきましたし、また、各関係の分科会でも具体的に基本計画の内容に何を盛り込むかということで議論し、それを整理していますけれども、そうしたものを集約しながら、計画部会とすれば具体的な成果目標、そして施策などについて議論を行って、年内をめどに答申を行いたいと考えているようです。

 今日は、少し計画部会での審議状況を政策課から御説明いただいて、少し皆さんから御意見を頂ければと思いますので、よろしくお願いします。

 では、説明をよろしくお願いいたします。

【森友教育改革推進室長】  失礼いたします。第2期の教育振興基本計画の関係でございますけれども、資料5を用いて御説明したいと思います。

 昨年6月の諮問以降の審議の状況につきまして、これまでも本分科会でも御報告させていただいてきたところでございます。計画部会におきましては、今お話がございましたが、昨年12月に第2期教育振興基本計画の策定に向けた基本的な考え方ということで、大きな理念、方向性についてお取りまとめいただいたところでございます。資料の2ページが概要でございまして、それ以降に付いているものが「基本的な考え方」の本体でございますので、本日は、これについての御説明をさせていただければと思います。

 2ページを御覧いただきますと、全体の構成といたしましては、我が国の教育をめぐる現状と課題、今後目指すべき教育の姿、そして、今後5年間に実施すべき教育上の方策がございます。最後の今後5年間に実施すべき教育上の方策が、正に具体的な取組を記述するところになるのですが、現段階では、ここにつきましては取組例ということで書いているものでございまして、今後、具体的な取組の審議をしていただくことになります。

 まず、大前提となります第2期の計画のコンセプトといたしまして、一番上の0というところに書いてございますが、明確な成果目標の設定、そして、それを実現するための具体的な方策を明記していくということでございます。現行の計画につきまして、どれぐらいできているのかといった点で検証可能な目標というものがあまり設定できていないというような指摘もございます。計画という以上は、達成されているのかどうかといった点につきまして、ある程度チェックできるようにする必要があるということが理由にございます。

 また、考慮しなければいけない現状といたしまして、その下の1の白丸のところがございますが、これも諸所で言われていることですが、グローバル化、少子高齢化はもとより、産業の空洞化ですとか、格差の再生産・固定化等々、いわば危機的な状況がますます顕著になってきているということでございます。そして、これらの状況が東日本大震災において、更に加速してきているということについても記述しております。

 こういった状況を踏まえまして、1の3つ目の白丸でございますが、今後の社会の方向性につきましては、2つのキーワードを設けておりまして、1つは多様性ということ、もう一つは「自立、協働、創造」というものをキーワードにしております。まずは、一人一人がしっかりと生きていくことができるといったことが大事ということでの自立というものでございます。そして、多様性につきましては、成熟した社会の中で個人、様々なコミュニティの多様性を生かしていくことが何よりも大切だということで、そういった多様性がある中で協働していくことで、それぞれの強みが生かされて、高め合って、新しい考え方も創造されていくという考えから設けられたキーワードでございます。

 このためには一人一人が生涯にわたって能動的に学習を行っていく、いわゆる正に生涯学習社会を実現することが大切だというようなことも記述しているところでございます。

 そして、2の「今後目指すべき教育の姿」では、まず、現在の教育の評価、教育行政の評価といたしまして学校段階間、また、学校と社会生活間の接続が不十分であるといったこと。また、PDCAサイクルを回していくための目標設定といったものが不明確であるといったようなことなどを挙げております。

 そして、今後の社会の方向性、ありようを見据えた上で、教育の姿として今後目指すべきものは何かということで、その下のところにイ、ロ、ハ、ニとして4つ例示しているところでございます。

 まずはイのところでございますが、社会全体の底上げを図っていくための「社会を生き抜く力の養成」といった項目でございます。これまでも生きる力ということで位置付けてきておるところでございますけれども、この生きる力をより実質化していくということで、特に自立、協働といった観点から焦点を当てていくことが重要としているところでございます。

 また、その下のロの「未来への飛躍を実現する人材の養成」につきましては、社会の各分野を牽引していく人材を養成すること。特に若者の内向き志向などが指摘される中で、外から日本を見る機会を増加させていくといったこととか、優れた能力、多様な個性を伸ばす環境を作り出すといったことなどが、その取組として考えられるのではないかということでしております。

 その下のハの「学びのセーフティネットの構築」でございますが、これにつきましては様々な学習を受けることができるようにする経済的支援、アクセスの確保を図っていくことが必要であるということで、特に経済格差の固定化が指摘される中でとても重要な項目であると考えております。

 最後に、「絆づくりと活力あるコミュニティの形成」でございますが、様々な人が集まる地域コミュニティが教育の基盤であるということ。また、人が集まること自体が地域コミュニティを形成、活性化させていく。そして、ひいては地域の課題解決にもつながっていくということからの項目でございます。この拠点として学校、公民館などが大きな役割を果たしていくことについても言及しております。

 具体的な本文を御覧いただきたいと思いますが、14ページ以降が今ほど申し上げましたイ、ロ、ハ、ニの方向性についての記述でございます。例えば14ページのイの「社会を生き抜く力の養成」の白丸の最初でございますけれども、「多様化が一層進む社会を生き抜くためには、一人一人が一生涯にわたって能動的に学び続け、個人の自立と様々な人々との協働に向けた力を養い、その成果を社会貢献に活かしていくことが求められる」。また、その下では、「これまでの大量生産・流通・消費などのニーズに対応するために与えられた情報を短期間に理解、再生、反復する力だけではなく、幅広い知識と柔軟な思考力に基づいて新しい価値を創造したり、異なる他者と協働したりする能力等が求められる」。このために、「今後は、一方向・一斉型の授業だけではなく、ICTなども活用しつつ、個々の能力や特性に応じた学びや、子どもたち同士の学びあい、さらには学校内外の様々な人々との協働や多様な体験を通じた課題探求型の学習など、新たな学習の在り方が求められる」といったことなどについても記述しております。

 また、その次の15ページのところでございますけれども、下のほう白丸がございますが、生きる力について、小学校就学前の教育、義務教育段階、高等学校段階において確実に養成することが求められる。教育内容・方法、教育環境、教育システムの改善、客観的な検証に基づいた検証改善のためのPDCAサイクルの確立など、各種方策を通じて確実に修得することができるようにすることが必要であるといったことですとか、その下では、高等学校段階につきまして、質の保証のための取組を推進することが必要であるといったことなどにもついても言及しているところでございます。

 こういった取組の内容について、それぞれ一定の方針などを示しているところでございますが、23ページから「今後5年間に実施すべき教育上の方策」ということで、これは冒頭申し上げましたが、今後具体的な議論をしていくものでございまして、ここに掲げている施策は取り組む例として挙げているものでございます。こういったことを考えていくに当たっての成果目標、測定指標の検討に必要な観点というものを点線囲いのところの2つ目に書いておりますが、例えば「どのような能力が修得できたか」「どのような人材が養成できたか」といった観点から検討していくことが必要ではないかといったことなどについて記述しております。

 今後でございますが、1月以降、先ほどもございましたが、各団体からヒアリングを実施してきたところでございまして、4月以降は、この4つの方向性を踏まえて、それぞれの成果目標、そして達成度合いを検証できるような指標、さらには具体的な取り組み施策について、どのようなものが考えられるのかということにつきまして、具体的に御議論を頂いた上で、夏頃を目途に計画部会におきまして、審議経過報告のようなものをお取りまとめいただく。その上で年末を目途に答申、年度内に計画の閣議決定ということで考えているところでございます。初中分科会をはじめといたしまして、各分科会におきましても、引き続き計画部会における審議状況を御報告させていただきながら、具体的な取組内容について御審議いただきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。あまり時間も取れないんですけれども、今の御説明、資料5の内容について、皆さんから御意見、御要望、御質問があれば少しお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。

 では、順番に、熊坂委員、そして向山委員、渡久山委員でよろしいでしょうか。では、その順で。

【熊坂委員】  要望ということを付け加えてお話しさせていただきます。第2期の教育振興計画、大分固まってまいりましたが、この方向で進むのはもっともだということを思っているわけですが、実際、これを実行に移していく段階はやっぱり財政措置の問題が必ず付いてまいります。現在でも教育関係の財政措置いろいろあるわけですけど、交付金になると、算定の基礎には入っている、そういう話はよく聞くわけですが、末端の自治体までくると、それが全く見えない状況がある。これは、全国の町村教育長会の会議の中でもよく出てまいります。

 そういう中で、教育への財政措置が本当にこの基本計画で重要なら、その辺がもうちょっと見える形で財政措置していただけると有り難いかなと、そんなことを思います。

 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございます。向山委員。

【向山委員】  時間のない中、すいません。24ページの「教育の質の向上を実現する環境整備の推進」の中の教職員配置の適正化のところなんですが、これは、数値目標で、例えば今、何とか一応2年まで来ましたけど、3年、4年とか、あるいは中学校とか、そういったことというのは。ちょっと質問なんですが、これは数値的に書く予定ですか。ちょっとそこのところを教えてください。

【小谷教育制度改革室長】  具体的な数値目標として何を書いていくかというのは、これから御議論いただくものでございまして、そういった視点からも、今日も初中分科会委員の皆さんいらっしゃいますので、こういったものが適切ではないかという御意見があれば、是非出していただければと思います。

【向山委員】  それでは、意見があるのですが、是非数値目標を書いていただきたいと思います。これが結局ベースになって、これからの施策が進められていくわけです。いろんな現実については改めて指摘していただいているわけですが、今ここに小学校、中学校、高等学校の校長先生方もいるわけですが、ともかく教育課題が大変増えている。カウントの仕方によっても100ぐらいあります。例えば、国際理解教育を、情報教育を、最近では防災教育の問題もある。2つ目は、昭和41年くらいの勤務実態調査と比べて、あの頃は残業も10分か20分ぐらいだったのが、今は1日100分ぐらいになっていて、大変な多忙感になる。そして、親子関係の変化とか、若手教員の増加とか。大変大きな課題があり、圧倒的多数の人がマンパワーを増やしてほしいということを希望しています。

 それぞれヒアリングをしていただいて、おそらく定数改善のワーキングの中でもいろんな意見があったと思いますけれども、文部科学省としても数値目標を持って財政当局ともいろんなことで議論していけるのだろうと思います。おそらく各省庁、いろんな基本法を持っていて、その下にいろんな基本計画があって、その中でお金を持ってくるというのは、数値目標があるからだろうと思います。是非その辺を頑張っていただきたいし、強い要望をしておきたいと思います。

【小川分科会長】  教職員定数の改善、今お話があった件については、文科省の下でも教職員配置の適正化に関する検討会議というのが設置されて、正にその問題が検討されていますので、おそらく検討会議の内容が基本計画の中に組み込まれていくのだろうと思っています。

 では、渡久山委員、よろしくお願いします。

【渡久山委員】  すみません、ありがとうございます。いろいろありますけれども、時間がございませんので、箇条書き的にお話ししていきますと、まず1つは、第1期の教育基本計画、それの成果というか、総括をすべきじゃないか。あれも数値目標が全くというか、あまりなかったんですけど、それはどうだったのか。これをやらなければ、第2期の意味がないような気がします。

 それから、今ありましたように、第1期もそうだったのですが、数値目標がほとんどないですよね。数値目標がない計画を立てておきますと、教育基本法の中では、各地方自治体は国の基本計画を参照して作るという形になっていますよね。そうしますと、各都道府県、あるいは市町村の教育計画のモデルになるようなものを作ってほしいなという気がいたします。これが2つ目です。

 3つ目は、学力向上というか、学力低下の問題をどうするかという問題です。先ほども申し上げましたように、大学審議会から出ております学士課程教育の中では、高等学校から入学してくる子どもたちの学力が非常に低い、だから、大学ではまず高等学校の教育をしているのかというような指摘があります。しかし、高等学校では、中学で何しているのかという話がありますから。そういうことを考えてきますと、せっかくの学習指導要領が高い学力を身に付けるようになっていますが、やっぱり到達度が非常に低い。ですから、この計画では、是非とも日本の子どもたちの学力を、幼稚園、中学、高校、ずっと大学まで通して、学力向上のために何ができるかということを5カ年計画で具体的に示してもらいたいなというのが3つ目です。

 4つ目は、今、大学も入れて各局から、それぞれの局の重点施策と課題が出ていますよね。それとの整合性を図ってほしいと思います。初中局がいろいろ出しているものと、これとどう整合性を図っていくのかという問題がありますから、そういうことを是非お願いしたいと思うんです。

 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。ほかにございますか。なければ、最後、北篠委員ということで終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【北篠委員】  恐れ入ります。24ページのところでございますけれども、マル2の参考取組例ということでありますが、最初の丸、「すべての子どもへの質の高い幼児教育の保障」について、是非具体的に書き込んでいただきたいわけですが、その記載例として「幼保一体化を含む子ども・子育て新システムの構築など」と書かれたのでは、何を目指しているのかさっぱり分からないわけでございます。今、渡久山先生からも御発言がございましたけれども、我が国の国民をよりよく育成する、あるいはより高い学力を目指すという観点に立つならば、例えば幼稚園教育での設置基準の問題、あるいは免許状の資格の問題等々を具体的に書いていただかないと、さっぱり分からないということになりかねませんので、どうかよろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  今日お示しした基本計画、今の23ページから始まる3の「今後5年間に実施すべき教育上の方策」の具体的な中身は、各分科会、各作業部会で今審議している様々な検討の結果をここに反映することになっていますので、おそらく各項目ごとにより具体的な中身が今後組み込まれていくことになるかと思いますので、その辺は御了解いただければと思います。

 時間がありませんので、申し訳ありませんが、ほかにも御意見があるかと思いますが、この辺で基本計画については終わらせていただいて、次の議題(6)、(7)を一緒に報告させていただければと思います。議題(6)の全国学力・学習状況調査と議題(7)の学校評価の在り方に関するワーキンググループの取りまとめについて、事務局から御説明いただきます。

【下間参事官】  御説明を申し上げます。全国学力・学習状況調査につきましては、本分科会の委員でございます梶田委員に座長をお務めいただきまして、平成23年3月に取りまとめられた平成23年度以降の全国的な学力調査の在り方に関する検討のまとめに盛り込まれました提言に従いまして、現在、調査の枠組みを様々考えつつ進めているところでございます。

 24年度の調査につきましては、報道等ございましたけれども、去る4月17日火曜日に、震災等の影響がございまして、平成23年度の調査を見送らせていただきましたので、2年ぶりに、また、対象教科として従来の国語、算数、数学に初めて理科を加えて、22年度と同様の抽出調査及び希望利用方式におきまして実施させていただいたところでございます。また、調査の実施に影響を及ぼすような支障はなく、円滑に実施できたものと考えてございます。

 資料6-2に抽出調査及び希望利用の学校数の状況がございますけれども、抽出調査対象校と希望利用校を合わせた割合は、全対象学校の81.2%ということで、前回、平成22年度の調査より7.7ポイント増加しているということでございます。また、抽出対象校以外の全ての小・中学校が希望利用する、全ての学校が調査に参加している都道府県が21県ございまして、平成22年度の調査よりも8県増加しているということでございます。このことが教育に関する検証改善サイクルの構築、あるいは児童・生徒への指導の充実のために、全国学力・学習状況調査を活用いただく教育委員会や学校が着実に増加していることによるものと認識しているところでございます。

 資料6-3は問題例でございますけれども、時間の関係で説明は省略させていただきます。後ほどもしお尋ねがございましたら、お答え申し上げたいと思います。

 それから、資料6-4につきましては、平成25年度の「きめ細かい調査」についての基本的な枠組みということでございまして、これも梶田委員に座長をお務めいただきました全国的な学力調査に関する専門家会議が本年の1月に取りまとめたものでございます。先ほど申しましたように、24年度は抽出調査と希望利用方式ということで、平成23年3月の専門家会議の提言におきましては、当面、抽出調査及び希望利用方式を実施し、数年に一度はきめ細かい調査を実施するとの御提言を賜ったところでございますので、文部科学省としてはそのような方針に従いまして、25年度はきめ細かい調査を実施するということで、現在、検討を進めているところでございます。

 この「きめ細かい調査」につきましては、目的・意義、あるいは調査内容のところにございますように、市町村、学校等における検証改善サイクルの更なる進展や、国として市町村、学校レベルの状況を把握し、国や教育委員会の施策の検証・策定をするという観点。また、現在の抽出調査では、悉皆調査での最新データである平成21年調査の結果における学力のばらつきなどを算定の基準にし、都道府県ごとの状況が統計上有意なレベルで把握できるよう約3割という抽出率を算定してございますので、数年に一度は、最新のデータを取得し、抽出調査の精度の維持・向上させるという観点からもきめ細かく調査を実施していく必要があるということでございます。

 その中で、全ての市町村、学校等の状況の把握のため、対象学年、小学校6年生、中学校3年生の全児童・生徒を対象に実施するということ。それから、経年変化分析、あるいは経済的な面も含めた教育格差、家庭の状況等のきめ細かい把握・分析が可能となりますような調査を、現在行っておりますような同一日、同一時間帯に全ての児童・生徒に対して実施するという同時の調査及び事後に一部追加で実施する調査によりまして、従来の調査と異なる新たな調査として25年度は実施したいと考えておるところでございます。

 24年度の調査につきましては、本年8月頃を目途に調査結果を公表し、国、教育委員会における施策の検証、あるいは学校における教育指導の充実に生かしていただくということを考えてございます。また、25年度の「きめ細かい調査」の詳細設計について、更に検討を進め、夏頃までに決定したいと考えているところでございます。

 先日、2月27日に教育課程部会に御報告申し上げました際に、この「きめ細かい調査」の設計につきまして、平均正答率だけではなくて無解答の理由等把握や、知識・技能の活用能力を高めるための学校における効果的な指導方法の把握を行うこと、子どもたちの負担にならないような調査にしてほしいということ、調査結果の公表につきましては、しっかりとした国としてのガイドラインを設けてほしいということ、抽出調査は設置管理者の希望による参加ではなく、学校ごとに希望することなどについて御意見を頂いております。

 いずれにいたしましても、政策的にしっかりと学力向上につながるような調査を目指してほしいというような御意見があったところでございます。このようなことを踏まえまして、よりよい調査になるよう努めてまいりたいと考えてございます。

 資料7でございますけれども、学校運営の改善の在り方に関する調査研究協力者会議を平成22年10月から設置して、本委員会の委員でございます天笠委員に座長をお務めいただいてございます。

 学校運営については様々な課題があるわけでございますけれども、その中で平成19年に法制化され、実施義務を課されている自己評価だけでなく、努力義務とされている学校関係者評価、さらには一部の学校や地域において第三者評価を実施する等、様々な学校評価の取組が定着してきているわけでございますが、その中で学校評価の在り方につきまして検討するために、学校評価に関するワーキンググループを平成23年6月に設けまして、このワーキンググループにおいて取りまとめられた提言を本日御説明いたします。

 3ページのところに「学校評価の今日的意義」というところがございます。ただいま申しました協力者会議におきまして、昨年7月に、「今後すべての学校が保護者や地域住民と目標(子ども像)を共有し、地域の人々と一体となって子どもたちを育んでいく『地域とともにある学校づくり』を目指すべき」との提言をおまとめいただきまして、そのための必須のツール、仕掛けとして、全ての学校で実効性のある学校関係者評価を実施することを提案いただきました。

 このような観点から、実効性の高い学校関係者評価を全ての学校で実施するためにどのように取り組むべきかということにつきまして、ワーキンググループで御議論いただきまして、学校、あるいは保護者、地域の皆様方など、学校関係者、設置者それぞれにとって学校運営の改善、教育水準の向上、子どもの成長につながっているという有用感のある取組を実効性の高い学校評価と考え、そのために、組織的な学校評価の実施、あるいは、その前提となる学校からの情報提供を学校と地域の人々との関係づくりと捉えて積極的に進めること。また、設置者、国が全ての学校において実効性の高い学校評価が行えるよう支援することが重要であると御提言いただきました。

 具体的には、各学校において、内部におきましては設置者の方針を踏まえて、系統化・重点化した目標をしっかりと設定し、全職員の参加と協働により組織的に学校評価を実施し、ICTの活用などにより効率的・効果的に行う体制を構築する。

 また、保護者や地域住民など学校関係者との連携・協働につきましては、学校からの積極的な情報提供によりまして、学校の説明責任を果たすとともに、関係者の学校への理解促進と連携強化。また、コミュニティ・スクール(学校運営協議会)といった仕組み、あるいは学校評議員という仕組みも、学校が外部の様々な御意見を取り入れる仕組みとして活用して学校関係者評価に取り組んでいただく委員を確保するということ。また、学校がいろいろアンケートをとるわけでございますけれども、そうした外部アンケートを工夫することによって関係者の声を取り入れるということ。

 それに当たって設置者と国の役割としては、設置者は明確な方針を策定して、学校の評価と連動させ、また、人材育成を図り、公立の小・中学校につきましては中学校区単位の学校間連携を進める。また、教育委員会の中で学校評価を担当する指導主事の育成を図るなど組織体制を充実し、学校のICT環境も進める中で、効率的・効果的に学校評価を行うこと。また、各学校の情報提供ということが大事でございますので、その情報提供・発信の指針となるようなガイドラインを作るといったこと。また、地域や学校の実情に応じて第三者評価にも取り組んでいただくこと、学校の評価と教育委員会の自己点検・評価を連動することなど、様々な支援に取り組むこと。

 国としましても、人材の育成、学校運営協議会等の取組の推進、大学における教員養成段階の取組を支援するようなこと、あるいは調査研究の実施と好事例の成果普及。また、評価の実施状況をきめ細かく把握することで、次の評価について制度面も含め施策を検討していくこと。これらの支援方策についてお取りまとめを頂いたところでございます。

 これに従いまして、平成24年度は、3年に1回実施いたします学校評価の実施状況の調査を行いまして、それを踏まえた、制度面も含む施策の検討を進めてまいりたいと考えてございます。

 長くなりました。失礼いたしました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 委員の皆様も2時間を超えてちょっとお疲れで、次から次へといろんな御報告で大変かと思いますけれども、もしも今の議題(6)の学力・学習状況調査と学校評価のワーキングの報告について、何か御意見や御質問があれば一、二受けて構いませんが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。御協力ありがとうございます。

 では、次に議題(8)の幼保一体化を含む「子ども・子育て新システム」について御報告いただきたいと思います。これは、幼児教育課から御報告でよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。

【蝦名幼児教育課長】  それでは、お手元資料の8-1と8-2とございますけれども、子ども・子育て新システムにつきましての御説明をさせていただければと存じます。資料8-1を御覧いただければと思います。

 子ども・子育て新システムにつきましては、内閣府に設置されましたワーキングチームを中心に2年ぐらいの時間をかけて検討が進められてまいりまして、このたび基本制度について少子化社会対策会議という全閣僚がメンバーになった会議で3月2日に決定されまして、関係の法案が3月30日に閣議決定されて、現在、国会に提出されているところでございます。その概略について御説明をと思います。

 お手元の横長の資料8-1の4ページから御覧いただければと思います。今回、子ども・子育て新システムでどういうことをやろうとしているかということでございます。新しいシステムを考える際の現状認識としては、急速な少子化が進行している、結婚、出産、子育ての希望がなかなかかなわないという状況で、一方で、子ども・子育てに対する支援というものが質・量ともに不足している状況を何とかしようということで、子ども・子育て家庭を社会全体で支えるような、支援できるような仕組みをどう構築していくかということについて議論が行われていたわけでございます。

 4ページは大きく2つ、1つには、全ての子ども・子育て家庭に対する支援ということで、児童手当のような現金給付でありますとか、地域における子育てに対する支援のための様々な事業に対して、国としてもしっかり支援していくといったようなことが1つの柱でございます。

 もう一つとして、幼児教育や保育、地域によって様々なニーズがありますけれども、各地域において、そうしたニーズに的確に対応できるような仕組みをどうするかということで、幼保一体化をこの新しいシステムの下で進めていってはどうかということでございます。

 その幼保一体化を進めていくために大きく2つのことをやろうということで、1つにはお金の面での一体化、給付システムの一体化、こども園の創設とございます。これまで幼児教育と保育で公的なお金の出し方、あるいは利用者負担の在り方というものは、別々の制度を背景にして全く異なっていたわけでありますけれども、それらについてできるだけ同じようなルールの下で、受けるべき教育や保育の内容に応じて一体化した仕組みの下で公費を投入し、利用者負担を考えることができないかということでございます。

 もう一つは施設の一体化ということで、これまで幼児教育については幼稚園、保育については保育所ということで、それぞれが行ってきたものについて、新たに双方を1つの施設で行う一体化した施設というものを新しく創設することができないか。総合こども園と呼んでおりますけれども、そういった幼保を一体化した施設を新しく作るということで、これまで議論されてきた幼保一体化というものを更に進めていけないかということでございます。

 4ページに、そうした子ども・子育て新システムという、今ほど申し上げたようなことを進めていく上での基本的なコンセプトについて、2つ目の黒四角のところに4点ほど整理してございます。

 1つには、基礎自治体である市町村が、この分野で権限と責任を持ってしっかりとした行政をやっていこうということでございます。もう一つとしては、こうした取組を行っていくための費用は社会全体で、恒久財源を得た上でしっかりと取り組んでいこうということでございます。3点目としては、政府における推進体制や財源などについても、できるだけばらばらにならないような形で、一元的に実行できるような形で進めていけないかということ。4点目として、政府全体として、こうした子ども・子育てを考えるために子ども・子育て会議という、様々な立場の方々に入っていただいて、今後の子育ての在り方ついて検討できるような枠組みを作っていこうというようなことをコンセプトにして進めていこうということでございます。

 5ページ目に「幼保一体化の具体的な仕組みについて」ということで、先ほど申し上げたお金の一体化、それから施設の一体化についてどういうことをしていくかということを説明してございます。

 給付システムの一体化というところですけれども、大きく3つの点をその下に置いてございますが、先ほど申し上げたお金の出し方の仕組みを一体化する際に、市町村に中心的に働いてもらおうとしています。1つ目のポツにありますように、各市町村に、まずは地域における幼児期の学校教育や保育にどれだけのニーズがあるのかということをしっかり把握していただくとしております。そうしたニーズに対してどういった施設なりで、そうしたニーズを満たせばよいのかということなどについて、まずは市町村に計画を作っていただくこととしております。

 2つ目に、多様な保育事業の量的拡大、指定制度の導入とありますけれども、市町村が把握したニーズをお持ちのお子さんに、教育を行ったり、保育を行ったりということで、そのニーズを満たしていただくことになりますが、あらかじめ指定基準を設けて、質が確保された施設でそうしたニーズを満たしていただくことをするために、指定制度を導入しようと考えているところでございます。そうした指定制度導入によって質が確保された施設で、地域の幼児期の学校教育や保育についてのニーズを満たしていただく。

 そうした施設でしっかりとした教育活動や保育活動が行えるように、こども園給付という公的なお金を、そうした施設に対してお出ししていこうと考えているところでございます。

 その際に、施設に最終的にこども園給付という形でお金をお出しして、それを運営に充てていただくことになるわけでありますが、先ほど申しましたように個々人によって幼児期の学校教育や保育についてのニーズは種々、区々であろうと考えています。家庭で保育を行っていただける環境がある場合には幼児期の教育についてのみのニーズをお持ちのお子さんもいらっしゃると思いますし、あるいは共働きで家に帰っても面倒を見てもらえる人がいないということがあるとすれば、そうした部分での保育も必要になってくるということで、そうした個々人ごとに必要な教育や保育のニーズを踏まえて、個々人ごとに給付の額を設定して、最終的にそれを施設側にお渡しして、そうしたお子さんを受け入れて、しっかりと教育、保育をやっていただく、そのコストに充てていただくということを考えております。そうした形でのお金の一体化というものを、この新システムにおいて進めようとしているところでございます。

 もう一点の一体化としては、施設の一体化というものを進めようとしております。従来の幼稚園、保育所とは別の施設の類型として、新たに総合こども園というものを設けることとしております。これにつきましては9ページの資料を御覧いただければと存じます。

 9ページの一番下に非常に簡略化した図を用意しておりますけれども、現行制度上、幼稚園におきましては、満3歳以上のお子さんに対して学校教育を行うということでありました。保育所におきましては、保育に欠けるお子さんに対してのみ、年齢は3歳以上、3歳未満問わず、児童福祉法に基づく保育を行うということであったわけでございます。

 今回、総合こども園という新しい施設の類型を設けようとしておりますが、そこにおいては3歳以上の子どもさんに対しては、受け入れた全てのお子さんに対して標準的な時間、4時間程度になると考えておりますが、全ての受け入れたお子さんに対して学校教育を行う。その上で保育が必要だということであれば、保育も行うというようなことを考えているところでございます。

 また、3歳未満児については、受け入れを義務付けはいたしませんけれども、保育を必要とする子どもさんだけを受け入れて、児童福祉法に基づく保育を行うというような、1つの施設で学校教育と保育の両方を行うような新しい施設類型を実現したいと考えているところでございます。

 9ページの上半分の2つ目の丸にありますように、総合こども園という一体化施設においての取組というのは、学校教育を行う、それから保育を行うということで、学校であり、それから児童福祉施設であるというような位置付けを法的に与えることとしたいと考えております。

 この点については種々議論がありまして、学校というのは、現在、学校教育法で8つの学校種が定められておりますが、学校教育法にこうした教育と保育の両方をやる新しい施設を位置付けるかどうかということについて検討いたしましたけれども、学校教育法はあくまでも学校教育のみを行う施設を8種類規定していて、共通的に総則の適用などをさせているわけでありますが、そこにはやはり収まらないだろうということで、総合こども園の設置根拠として総合こども園法という全く新しい法律を制定して、様々なルールについても一から規定することにしたところでございます。

 1ページおめくりいただきまして、少し細かい点もございますので、ポイントとなる点だけを御説明できればと思いますが、総合こども園という新しい学校でもあり、児童福祉施設でもある施設のそれぞれについてのルールをどのように考えているかというところでございます。

 1つ目の設置主体につきましては、現在、学校は、国、地方公共団体、学校法人というのが原則でございます。一方、児童福祉施設である保育所については、設置主体の制限はございません。この2つの性格を持つ総合こども園というものの設置主体としては、国、地方公共団体、学校法人、社会福祉法人及び一定の要件を満たした株式会社、NPO等の法人というものも設置可能な主体として加えているところでございます。

 これは、現在、保育所については、既に株式会社が設置するものが参入しております。また、この総合こども園において保育を実施するということで、現在、指摘されています待機児童対策などにも資するように考えているところでございまして、専ら保育のこうした側の要請に基づきまして、設置主体については一定の要件を課した上で、株式会社等についても参入を認めるというような方針で、現在、法案を用意しているところでございます。

 株式会社につきまして、営利を目的としているということでございますので、要件の中で、ここはかなり厳しい制限を課しているところでございます。一番上の枠のマル5のところで、まずは経理をほかの経理から分離しなさいということを要件としております。その上で、分離した総合こども園の会計からほかの会計にお金が出ていくことは認めないということにしております。

 また、株式会社でございますので、株主に対する配当を行うことが生じますが、その際には政令で上限を定めようということで、配当を行う際には上限を設ける。全く野放図に、すべからく保護者から頂いた授業料などを配当に回すということは認めず、一定の制限を課すこととしたいと考えております。

 それから、同じ10ページの下から3つ目の枠囲いのところで設置基準がございます。現在、幼保の一体的な取組を行う施設としては認定こども園の制度がございます。幼保連携型認定こども園という、幼稚園と保育所の両方の認可施設が連携した形で認定こども園が運営されているような類型がございますが、その基準を基礎として、設置基準の在り方については今後検討していきたいと考えているところでございます。具体的には、省令で設置基準を規定することになります。

 それから、配置職員という、その次の欄ですが、園長はもとよりですが、その次に保育教諭という新しい職をこの総合こども園のために設けようとしております。そして、※印として記載しておりますが、保育教諭は幼稚園教諭の免許状と保育士資格を併有することを原則とするとしてございます。先ほどの御議論の中でも出てまいりましたけれども、現在、併有率は8割弱ということでありますので、多くの方が併有要件は満たすことができるだろう。一方、直ちに満たすことができない場合もありますので、5年程度の猶予期間を設けて、その間に集中的にもう片方の資格を取得していただくというようなことをどんどん促進できればと考えております。

 その先の両資格、あるいは総合こども園の保育教諭としての資格の在り方については、2つの全く異なる資格を併有という形から一歩進めることができるかどうか、更に検討してまいりたいと考えています。

 11ページに主な経過措置等とございます。ここで1つ目のポツでありますが、保育所については、小学校就学前の全ての子どもに学校教育を保障するという観点から、一定期間の経過後には、この総合こども園に移行していくこととしております。原則3年と考えておりますけれども、公立の保育所が移行する場合には、条例の改廃等もございますので、10年ということを期限として保育所については総合こども園に移行していただこうとしてございます。幼稚園につきましては、地域における様々なニーズに対応していただく、その中には教育のみを行っている施設に対する非常に強いニーズもございますので、引き続き幼稚園の形で幼児教育を行っていただくことを可能な制度にしたいと考えています。

 また、先ほど少し触れた認定こども園につきましては、制度発足から5年半を経過してございますけれども、この新しい総合こども園という制度に発展的に継承するような形で考えてございます。したがって、現在の認定こども園については、特例を設けるといったようなことで、総合こども園への移行を促進していきたいと考えているところでございます。

 それから、13ページに新しい制度で利用者負担をどう考えるかということにつきまして、先ほどお金のルールの一体化をこの際行いたいと申し上げました。利用者負担についても、今、幼稚園と保育所ではルールが全然異なっておりますけれども、できるだけ整合的な仕組みにしたいと考えております。具体的な水準については、財源の問題とも関連しますので、今後引き続き検討したいと考えているところでございます。

 15ページに「新システムの実施に向けた考え方」とございます。現在、子ども・子育て分野には、国、地方合わせて約2兆円の公費が支出されてございます。今回、新しいシステムを実施していく上で、これに更に1兆円を追加したいと考えているところでございます。その1兆円のうち7,000億円については、現在、国会に提出されておりますが、消費税の税率の見直しによって新たに得られる財源7,000億円をこの分野に充てたいということで考えているところでございます。

 したがいまして、新しい制度のスタートの時期につきましては、消費税の増税がいつからスタートするかという辺りを見定めた上で、別途、政令で定める日から、この新しい制度を動かすということを考えてございます。現在、5%を最終的に10%にするのは、平成27年10月と、提出している法案の上ではなっておりますので、その時期に合わせて、この新しい仕組みをスタートさせるということを現在考えております。

 設置基準でありますとか、あるいは給付の水準など、今後、引き続き検討していくべき課題がかなりございます。引き続き関係者の御意見も伺いながら、しっかりと検討を進めていきたいと考えてございます。

 以上、御説明です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。残りあと10分を切ってしまって、皆さんからいろいろお伺いしたいんですけれども、それほど時間が取れませんので、御了承ください。

 この件については、この初中分科会でもこれまで数回議論して、その都度出てきた意見については関係機関にもお伝えしてきました。最終的に、今御説明があったように、関係3法案という形で国会に提出されるという形になっています。

 また、時間を数分取りたいと思いますので、今の御説明について何か御意見がございましたら、一、二受けたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

【輿水委員】  一言です。質の高い学校教育、保育の実現ということで、この前もお話をしました病後児の保育について、細かく対応していただいていると思います。看護師等の施設への配置を含むと書いていただいたのですけれども、もう一点、10ページ、配置職員の中に養護教諭というのは、イメージとしては全然ないのでしょうか。看護師の配置等はなかなか難しいと思いますけれども、養護教諭というのはどうなのかということを御検討いただければと思います。

 以上です。

【小川分科会長】  何かお答えありますか。

【蝦名幼児教育課長】  養護教諭につきましては、先ほどの10ページのところで十分書き尽くせていませんけれども、任意配置という扱いではございますが、配置すべき職員として掲げているところでございます。この資料の中では「等」というようにしてございます。

【小川分科会長】  よろしいでしょうか。佐々木委員。

【佐々木委員】  一言。小泉政権下の規制改革会議で、このことを委員としてずっとやっておりましたので、やっと一体化ということになって大変うれしく思っております。ただ、幼稚園が今後も残るということに関しましては、また今後検討していっていただきたいと思っております。背景とか、歴史ということに関しては、大人の、あるいは関係者の利害が関係しておりますので、子どものために一日も早く一体化が実現することを祈っております。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、よろしいでしょうか。すみません、時間が迫っていますので、この辺で終わらせていただきます。

 最後、議題の(9)です。この1月に閣僚級のノルウェー/OECDハイレベル円卓会議というのが実施されたようです。日本からは、山中文部科学審議官が御出席されたということですので、是非、この初中分科会の皆様にお話ししたいということでしたので、お話をいただければと思います。

 山中文部科学審議官、よろしくお願いします。

【山中文部科学審議官】  文部科学審議官の山中でございます。今年の1月にノルウェーでOECD/ノルウェーの就学前教育についての国際会議が開かれております。OECDというのは、名前のようにEconomic Co-operation and Developmentで、経済の協力と開発ですけれども、PISA調査をやっていますように、今、教育についても関心を非常に高めてやっておりまして、1ページにありますように、そういう観点から、今まで義務教育、高等教育を中心でしたけれども、就学前教育についても現在、スターティングストロングという感じで強力に進めているところでございます。

 この会議の目的というのは、就学前教育の投資は見返りが非常に大きい、経済的効果が大きいんだという観点に立ちまして、それについては6ページ目にちょっと簡単に付けてありますけれども、2000年のノーベル経済学者のジェームズ・ヘックマン、シカゴ大学の教授ですが、この方は経済政策評価に関する分析でノーベル賞を受けていますが、この人の特に最近の研究は、幼児期への投資とその見返りということで、就学前の投資が見返りが非常に高いと。鉄は早いうちに打てというか、三つ子の魂百までもというか、遅くなって投資するよりも早いうちに投資しておいたほうがいい。だから、幼児教育、就学前教育にもっと投資すべきだということを言っています。

 そういう方の影響も受けまして、OECDでもこの就学前教育に焦点を当てて、今、プログラムを展開しておりまして、2ページにありますように、就学前教育というのは経済的効果も非常に高いんだということで、各国の政策とかがどうなっているのかということをやりまして、3ページにありますように、その投資の関係とか、質を向上するための方策、政策課題ということについて、先進国が集まって議論したというものでございます。

 日本からは私が出ましたけれども、日本は高齢化が急速に進んで、プラス少子化も進んでいるということで、税と社会保障の一体改革、こういう中で年金医療といった高齢者対策だけでなくて、子育て支援、就学前教育にも投資するんだということで、2番目にある、先ほどありましたように約7,000億円を消費税を財源として、ここに充てようとしているというところを言っておいたところでございます。

 5ページ目にありますように、各国どうなっているかという状況でありますが、投資という面で特に注目されるのは、韓国ではここ5年で幼児教育に2.5倍、保育に3倍投資が増えて、5歳児については、義務制ではないんですが、無償化という政策を採っています。韓国は出生率が1.2と日本よりも非常に低い状況にありますので、ここを注視しております。

 質を向上させる方策では、アイスランドみたいなところは経済的に非常に厳しいですが、マスターを基礎資格にしようとか、あるいは具体的な方策としてメキシコでは、4、5歳児を義務化した幼児教育にしたというようなことが報告されています。

 いずれにいたしましても、日本でも子ども・子育て新システムということで、就学前教育への投資ということについて政策が移行になっておりますけれども、これは、先進諸国どこでも共通の課題として、特にアングロサクソン系では、教育投資に対する効果が非常に高いのは、この辺の時期だということに焦点を当てて政策が行われているという状況でございました。

 以上、簡単でございますが。

【小川分科会長】  ありがとうございました。本当に短い時間で申し訳ありません。内容を見ますと非常に興味深くて、本当であればいろいろ論議したい気もあるんですけれども、時間がちょっとありませんので、御報告を承ったというだけで終わらせていただきたいと思います。すみません、ありがとうございました。

 では、時間がまいりましたので、この辺で終わりたいと思います。

 次回以降の予定について、事務局から御説明ください。

【小谷教育制度改革室長】  次回の初等中等教育分科会の日程につきましては、分科会長と御相談の上、追って御連絡させていただきます。

 本日はありがとうございました。

【小川分科会長】  それでは、これで今日の会議を終わります。ありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成24年07月 --