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初等中等教育分科会(第77回) 議事録

1.日時

平成23年10月24日(月曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省3階 特別会議室1

3.議題

  1. 教育振興基本計画について
  2. 「公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議(中間とりまとめ)」等について
  3. その他

4.議事録

【小川分科会長】  では、定刻になりましたので、ただいまより、第77回の初等中等教育分科会を開会したいと思います。
  まず、最初にお断りしておきます。本分科会は、本日、過半数の出席が予定されていたんですが、今日になりまして急遽出席できない委員がいらっしゃいまして、残念ですが、定足数に満たなくなったということで、今日は委員懇談会ということで開催させていただきたいと思います。すみませんが、よろしくお願いいたします。ただし、通常の初中分科会と同じように公開で、通常どおり運営していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
  では、まず、配付資料について事務局から御説明ください。

【小谷教育制度改革室長】  それでは、配付資料につきまして御説明をさせていただきます。
 まず、議事次第にございますように、配付資料として、資料1-1から資料3-2、参考資料がございます。不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。

【小川分科会長】  よろしいでしょうか。もしも資料等で不足がありましたら、事務局のほうにお申し出いただければと思います。
 では、今日の議題に入っていきたいと思います。今日は、議事次第にありますとおり3つの議題を予定しています。第1は教育振興基本計画について、第2は「公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議」、これは、検討会議が先日中間取りまとめをしましたので、その報告をし、御意見があればお伺いするということです。第3は、「その他」として、先日、学校段階間の連携・接続等に関する作業部会におきまして、小中連携の審議がスタートしましたので、その審議状況について報告したいということです。
 以上3つの議題が今日予定されております。よろしくお願いいたします。
 では、最初の議題ですが、教育振興基本計画について、議論をしていただきます。これまでも、計画部会での審議状況については、この初中分科会に、簡単にではありますが、適宜報告をしてきました。第2期の教育振興基本計画については、教育振興基本計画部会で審議が進んでおり、現在、計画のフレームワークとか、全体像をどうするかというところで審議が進んでおります。今後、教育振興基本計画の中身の議論に入っていくことになるわけですが、そうした際には、教育振興基本計画の様々な内容について、各分科会から報告を頂くということになっております。この初中分科会では、その基本計画の中身に関わって、今、幾つかの部会等で審議が進んでいます。例えば学校段階間の連携・接続の在り方とか、11月から審議がスタートする予定の、今後の高校教育の在り方とか、また、特別支援教育の在り方など、そうした部会などでの審議の内容については、適宜、審議状況を基本計画部会に報告していこうと思っているんですが、そうした部会等がカバーし切れない問題もこの初中分科会では多数抱えております。第2期の基本計画の策定に向けて、初中分科会としてこれまで十分まとまった意見をお伺いする時間を設けることができませんでしたので、その最初の機会として、広くこの初中分科会の各委員から、振興基本計画の内容について御意見を伺いたいということで、今日この会を設定させていただきました。
 広汎な内容にも関わると思いますが、今日は、各委員から自由に意見を言っていただいて、その内容を適宜、事務局と私とでまとめながら、基本計画部会の議論に反映させていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 最初に、皆さんから御意見を伺う前に、基本計画部会で今、どのような審議状況になっているのかということを、生涯学習政策局政策課から内容を報告いただいて、また、皆さんの御意見をお伺いするたたき台として初中局の企画課から説明をしていただきたいと思います。
 まず最初に、生涯学習政策局から、よろしくお願いいたします。

【森友教育改革推進室長】  資料1-1を用いて御説明をさせていただければと思います。「教育振興基本計画部会における審議状況について」という資料でございます。
 1枚おめくりいただきますと1ページ、「当面のスケジュール」というのがございますが、教育振興基本計画部会におきましては、7月に今般の大震災を踏まえました教育上の課題につきまして一定の整理を行った後に、8月、9月の部会におきましては、第2期の教育振興基本計画について横断的な視点から、どういった基本的な方向性にしていくのか、そして、今後取り組むべき課題としてはどういったものがあるのかといったことにつきまして御審議をいただきました。さらに、10月におきましては、有識者の方々からヒアリングを行いまして、議論を深めているところでございます。
 資料2ページから5ページでございますが、これは既に9月上旬の初中分科会で御説明をしておりますので、詳細については省略させていただきますが、2ページ目、「我が国の諸情勢の変化を踏まえた教育政策の方向性」ということで、左側に我が国が直面する問題、真ん中に、その打開に向けた方向性の例、そして右には、教育行政の方向性のイメージというものを整理しております。
 現在の社会の諸情勢等を踏まえまして、右側の教育行政の方向性といたしましては4つ挙げておりまして、絆づくりと活力あるコミュニティの形成、学びのセーフティネットの構築、社会を生き抜く力の養成、未来への飛躍を支える人材の養成といったものを整理しております。
 計画部会におきましては、基本的な方向性そのものにつきましては、おおむねこのような感じなのかなということで議論が進んでおります。また、ページが飛びますが、6ページの資料でございます。この資料は9月の計画部会におきまして、先ほど申し上げました4つの教育の方向性につきまして、更に議論を深めていただくために用意をした資料でございます。それぞれの方向性ごとに、どのような考え方でその方向性の内容があるのかということと、大きな論点といったものを参考までにお示しをしているものでございます。
 初中教育関係で申し上げますと、例えば最初の「社会を生き抜く力の養成」のところですと、変化の激しい時代を生き抜く力は、学校教育のみで培うものなのか、それとも社会生活との関わりにおいても培われるものなのか。高校・大学進学率の増加や学校の役割の多様化など様々な状況変化の中で、学校段階ごとの接続が十分に図られているのかといったこと、そして、「何を身に付けることができたか」を担保するための必要十分な仕組みは何なのかといったことです。
 それから、その下の「未来への飛躍」に関しましては、国際的な市場環境で活躍ができる人材、新たな社会的・経済的価値の創造をもたらす人材の創出に向けた方策といったものはどういうものがあるのか。その下の「セーフティネット」の関係では、教育費用をだれが、どのように負担すべきなのか。さらには、その下の「コミュニティの形成」ですと、学校、家庭、地域との関係、それから、教育委員会の運営等についてどのように考えるか、のような論点も御参考までにお示しをしたところでございます。
 7ページ以下の資料は、その際の参考資料として用意したものでございますが、7ページは、中教審のそれぞれの分科会等、ほかの政府の審議会等を含めまして、どういった教育関係の政策の検討が進められているのかといったことを俯瞰した資料でございます。
 それから、8ページ、右上に別紙1とございますが、8ページは、これまで提言されている資質・能力、いわゆる力の内容をそれぞれ整理しております。
 また、9ページでございますが、教育の質の保証・向上に関わります取組の内容につきまして、整理をしているものでございます。例えば上の段でございますが、PDCAサイクルの関係で申し上げますと、学力テストがありまして、学校評価があり、教育委員会の評価がありといった評価の手法ですとか、その一番下の段で申し上げますと、各学校段階間の接続の関係で、幼小、小中、中高等の接続に関わる状況などを整理しているものでございます。
 それから、次の10ページの学びのセーフティネットの資料で申し上げますと、これは教育費の負担軽減ですとか、教育機会の確保の観点からの取組といったものを整理しております。さらに、最後の12ページでは、地域とともにある学校づくりに関わる取組などをそれぞれ書いておりまして、先ほど申し上げました4つの方向性ごとに状況などを整理しているといった形になっている参考資料でございます。
 総会ですとか、計画部会におきまして、これまでの議論の中で初中教育に関わりが深い意見といたしまして出されているものを幾つか御紹介いたしますと、1つには高校の関係ですが、高校の役割の明確化、特色化、差別化が必要であるといったことですとか、高校教育の質の保障を図るための取組が必要だといったこと、それから、教員に着目して、教員の負担がとても過大であると、塾などと連携した取組も必要なのではないかといった意見もございました。また、教員の社会的地位の向上が重要で、定年後の教員をどう生かしていくのかといったことも課題ではないかといった御意見もございます。
 さらに、家庭の状況とも関わってきますが、学校教育と福祉が連携をしていくための体制づくりといったものが重要ではないかといった御意見、それから、教育委員会制度についてしっかりと議論をしていかなければいけないといった御意見もございます。
 さらに、先ほどの方向性のうち「未来への飛躍」の関係ですが、抽象的ではございますが、若者が海外に出て、外から日本を見る機会を増やすことが大切であるといった御意見ですとか、イノベーションには人材の多様性、物の見方の多様性が必要であるといった御意見もございます。また、コミュニティの関係で申し上げますと、学校を核としたまちづくりのためには、教員や市民の意識を高めていくことが必要であるといった趣旨の御意見が出されております。
 さらに、基本計画を策定するに当たりましては、PDCAサイクルをしっかりと回していけるようにするためにも、具体的な成果目標の設定が大切であるといった御意見も多く出されておりまして、何らかの形で測定をしていけるような手法を考えていくといったことも必要ではないかと考えております。基本計画部会におきましては、本年内には計画の基本的な方向性について骨子をまとめるということで、引き続き審議を進めていただくこととしております。
 以上が全体の状況でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございます。では、今度は、初等中等教育企画課からお願いします。

【西田企画官】  初中企画課で企画官をしております西田と申します。よろしくお願いします。
 資料1-2を御覧ください。今、教育振興基本計画部会での審議の状況について説明をいたしましたが、そこで4つの基本的な方向性が示されておりますので、その4つの基本的な方向性を踏まえまして、教育振興基本計画を策定していく中で、今後初等中等教育段階で重点的に取り組んでいく教育施策について、その視点の例ということで、本日の先生方の御議論の材料にしていただけたらということで資料を作成させていただきました。簡単に内容を御説明いたします。
 まず1つ目の基本的方向性、「社会を生き抜く力の養成」ということでございますが、これに関連する初等中等教育における視点例といたしまして、何点か挙げさせていただいております。知識・技能や思考力・判断力・表現力、学習意欲等の「確かな学力」の育成と教育に関する検証改善サイクルの確立ということ、これは、新しい学習指導要領の円滑な実施でありますとか、次の学習指導要領に向けての検討、それから、学力・学習状況調査の実施を奇貨とした、そこで見つけた課題を踏まえて教育の課題を改善していくサイクルを確立していこうというような方向性、視点でございます。
 それから、次の規範意識や思いやりの心など豊かな心の育成という視点でございますが、これにつきましては、現行の基本計画におきましても、道徳教育の充実というようなことで施策をしてきているところでございます。
 それから、次の社会的・職業的自立に必要な基盤となる能力や態度の育成ということですが、これにつきましては、今年の1月に答申もいただいておりますが、キャリア教育、それから、職業教育の充実といったようなことが施策として上がってくるのではないかと考えられます。
 それから、次のインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進ということでございますが、これは、昨年末に中教審の特別委員会でも論点整理をいただいております、特別支援教育をどういうふうに推進していくのかというようなことになってくるかと思います。
 それから、次の少人数学級の推進等によるきめ細やかで質の高い学びの実現ということでございます。御案内のとおり小学校1年生については35人学級ということになったわけですが、そういったことも含めて質の高い学びを実現していくというような視点。それから、その次の高度な専門性と実践的な指導力を有する教員の養成と、教員の質の問題でございます。これについては、特別部会でも御審議をいただいているところでございますが、視点の1つとして考えられるということ。それから、これも作業部会で御審議をいただいておりますが、各学校段階間の連携・接続というような視点も挙げられるのではないかということでございます。
 それから、次の基本的方向性の2つ目ですが、「未来への飛躍を支える人材の養成」ということでございます。これにつきましては、視点例を3つ挙げてございますが、豊かな語学力・コミュニケーション能力やチャレンジ精神などを有する人材の育成、それから、科学技術・国際化・情報化の進展に対応した先進的な教育環境の整備、それから、産業界との協働による学校の教育力の向上というような視点でございます。
 これに関連いたしましては、外国語能力を向上させるというようなこと、それから、コミュニケーション教育の充実、それから、情報化に対応した教育環境の整備、それから、先ほども申し上げましたが、キャリア教育や職業教育の充実といったようなことが施策面では入ってくるのではないかと思われます。
 それから、3つ目の基本的方向性として示されております「学びのセーフティネットの構築」ということについてでございますが、これについての視点例として、全ての子どもへの良質な成育環境の保障(幼児期の学校教育、保育の一体的提供等)とございます。御案内のとおり幼保一体化を含む子ども・子育て新システムの構築に向けて、現在、関係の閣僚会議等で検討が行われているわけでございます。これをどうしていくのかというような話。それから、2点目として、経済的に就学困難な幼児児童生徒への多様で手厚い支援制度の構築ということでございます。これは幼稚園段階であれば、幼稚園就園奨励費の補助金でありますとか、義務教育段階の就学支援、それから、高校段階での授業料無償化・就学支援金、あと高校奨学金といったようなところが入ってくるのであろうと思います。
 それから、3点目として教育相談体制の充実というのも挙げております。これはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置といったようなことが施策として考えられるのではないと思っております。
 それから、基本的方向性の最後の4つ目の方向性として、「絆づくりとコミュニティの再構築」というのが挙げられております。これに関連する視点例として2点、地域とともにある学校づくりの推進、それから、教職員人事権の委譲など、地域の主体性、創意工夫が活かされるような教育行政体制の確立といったような視点を挙げさせていただいております。
 コミュニティ・スクールの推進でございますとか、教育委員会の機能強化、学校運営の改善、それから、住民に近いといったような意味で市町村へ学校への権限を委譲する方向性、こういったようなことが視点として考えられるのではないかと考えております。
 簡単でございますが、以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。今、生涯学習局からは、基本計画部会で進行している第2期の基本計画の大枠と、政策の基本的方向性についての審議状況を御説明いただきました。それに基づいて、初中局企画課からは、主に基本計画部会で設定した、これからの教育行政、教育政策の方向性ということで4つの柱が設定されておりますが、その4つの柱に即して、この初中分科会でこの基本計画の中に入れ込むべき重要な課題というのは、おおよそこういうことがあるのではないかということで、幾つかの事例、視点の例を紹介しながら御説明いただきました。
 今日は、今の2つの資料をベースにして、初中分科会として第2期の教育振興基本計画の中に入れていく政策課題を、どのようなものを、どういう形で入れていくべきかということについて委員の方から広く意見をお伺いしたいと思っております。
 基本計画部会でも、基本的には先ほどからお話ししているように、第2期の大きな基本計画の全体のフレームワークと政策の方向性というようなことが議論の中心ですが、個別領域的には、例えば初中分科会に関係するようないろいろな個別の政策についても、特にこういうところは重要だというような意見はいろいろ出ています。しかし、そういう個別政策の内容についての詰めた議論というのは必ずしも基本計画部会の中では行われているとは言えません。おそらく分科会のほうで少しそれを深掘りして、その中身を基本計画部会の議論に反映させていくという段取りをとるのかなと思っています。そういうこともありますので、今日は是非皆さんのほうから、第2期の基本計画の中に盛り込むべき政策課題、また、どのような視点でそれを盛り込んでいくかということで、御自由に出していっていただければと思います。今日頂いた意見については、私と事務局とで適宜整理して、基本計画部会の議論に反映していくような努力をしていきたいと思います。
 およそ1時間から80分ぐらいそういう時間をとって、御意見を伺えればと思います。それでは、どうぞ御自由に御意見を述べてください。

【天笠委員】  意見というか、その前にもう少し御説明いただきたい点が1点あります。それは、これまでの開催状況の経過を見ますと、東日本大震災を踏まえたことについて、ヒアリングをしたりですとか、それの課題の整理というんでしょうか、そういうことが数回行われているわけでありますが、今の例えば4つの柱ですとか、細目をそれぞれ御説明いただいたんですけれども、そのことと東日本大震災に関わって話がなされたこととがどう関わりながら今の御説明に至ったのか、震災というものについての位置付け、そしてこの柱立て、そして中身の細目等々について、震災の対応という観点から、もう少し御説明を加えていただけますでしょうか。

【貝ノ瀨委員】  関連しますが、私も同じように感じていたんですが、安全安心ということで、そういう視点がどこで出てくるのかなというのが、まず今お聞きして思ったことです。それに関係しますが、そうすると、例えば4つの基本的な方向性を踏まえてということで、多分、事務局から出されたんだと思いますが、この4つの方向性というのは、どういう経過でこれが示されているのかということですね。つまり、第1期の基本計画の反省といいますか、評価を踏まえてこの方向性が出されて、そして議論をされるべきだというふうに提案されてきたのかということ。それらも含めてほとんど達成されていないのではないかと思いますが、そういうことについてどのように整理して、そしてこれからどのように議論してまとめていくのかなと思います。何か総論的に始まっているような感じで、最終的にまとめていくのにかえって大変なのではないかなという感じも受けているんですが、それらを含めてちょっと質問を申し上げたいと思います。

【小川分科会長】  では、事務局からお願いします。

【森友教育改革推進室長】  経過をまず私のほうから申し上げます。1つ、震災の関係につきましては、7月末の初中分科会でも報告したところですが、もともと何で震災の状況をまず整理しようという話になったのかと申しますと、震災を受けて、それへの対応を考えていく中で、例えば防災教育ですとか、コミュニティとの関わりの話ですとか、そういったことは、震災を受けた地域だけではなくて、全国的にもきちんと展開していかなければならない施策なのだろうと。ほかにもそういった震災を踏まえて全国的にやっていくべきものというのはあるだろうということで、そういったことを中心に震災地からのヒアリングも踏まえまして、まず報告をまとめたものでございまして、その報告の内容につきましては、新しい2期の基本計画の内容にも反映をさせていくというような大きな考え方の下に、整理をまずしたものでございます。
 7月末に議論を計画部会でしましたが、これの表題は「東日本大震災を受けて教育振興基本計画の策定上留意すべき課題について」ということでまとめたものでございますが、実はこの取りまとめの内容につきましても、大きく4つの方向性というか、視点からまとめておりまして、今申し上げました4つの方向性が、まさにこのときの震災対応の中でも同じようなまとめの内容となっているものでございます。
 それから、1期の計画の評価、それを踏まえた方向性の話ということもございましたが、施策ごと、あるいは今の計画の議論の内容について、どういった方向性で進捗しているのかということにつきましては、今回、資料1-3にございますけれども、細かくはそちらの資料を御覧いただきますと、計画全体の中でそれぞれの施策がどういった進捗状況にあるかといったことを整理しております。そういった議論を基本計画部会でする中でも、現行計画につきましては、縦割りにし過ぎてはいないかという御意見が結構出まして、つまり、現行の計画は基本的方向の1から基本的方向の4まで整理をして内容をまとめておりますが、ともすると基本的方向の1が家庭・地域との関わりで、特に生涯学習政策局関係、それから、基本的方向の2が主に初中教育関係、そして基本的方向の3が高等教育関係、基本的方向の4が、これは安全・安心、あるいは経済的な支援も含めた内容、となっており、いわゆる学校段階ごとの縦割りになっているのではないかといった御批判もございまして、新しく計画を考える際には、いわゆる縦割りではなくて、特に全体の接続をうまくしていくことからも横割りの大きな方向性の視点を持つべきではないかといった方向性の中で議論がなされたわけでございます。
 先ほど申し上げました4つの方向性につきましては、そのような御議論も踏まえまして、かつ先ほど資料でもお示ししましたが、現状の社会情勢を踏まえた形で導き出されたものであると考えております。

【小川分科会長】  一応今、お答えいただいたんですが、天笠さん、どうぞ。

【天笠委員】  ということでこの4つの柱は設定されたという今の御説明については了解いたしましたが、その上で、私はこの教育の施策の検討に当たっては、これまでの経過という視点と、それがどうだったのかということを、新しく発生した事態へのまなざしということと、それから、少なくとも現在の時点で将来的に起こることが予想されることという、そういう時系列というんでしょうか、時間の流れの中での、これまで起こったことと、起こるであろうことと、3点の視点から検討するということもまた1つの捉え方ではないか、議論の仕方ではないかと思うんです。提示されたことがべたっと並んでいるような、全体が一般的に箇条書きが並んだような形で、なかなか取っかかりにくいというような、そんな印象を持ちました。そういうことでちょっと質問させていただきました。

【小川分科会長】  橋本委員、どうぞ。

【橋本委員】  資料1-2の4つに整理して書いておられるものの視点例というのがありますが、これは例でしょうけれども、例えば「社会を生き抜く力の養成」のところにも、「少人数学級の推進」というような言葉がありますし、「学びのセーフティネット」というところにも、日本が少人数学級とか、基礎定数をこのくらいにしてやっていくというのが安全安心の学びのセーフティネットだというようなこともあるので、今後、この視点で、これは例でしょうけれども、両方に関わる内容とか、そういう形で実際の教育施策を展開していくというようなお考えでしょうか。

【板東生涯学習政策局長】  生涯学習政策局でございます。今後、この計画の大きな柱立てをやって、その中に視点とか、あるいはいろいろな政策が並んでくるかと思いますが、相互にかなり密接に関連しておりますし、おっしゃるように、こちらの視点から見たらこの政策はこういう説明ができるけれども、こういう意義付けもできるのではないかというようなことで、いろいろなところに分類できる政策というのはかなりあるかと思います。ですので、それは再掲も含めて全体的に、いろいろな視点が漏れないような形で、あるいはいろいろな方向性というのが更に強調されるような形で整理はしていく必要があろうかと思います。
 御指摘の例えば少人数学級の関係ですと、いろいろな視点から全国どの地域でもきちんとした教育を受けられるようにというような、そういった教育機会の確保なり質の確保という観点から、当然、学びのセーフティネットという問題に関わってくるかと思いますし、それから、どういう力を付けていくかということと非常に関係するということで、当然のことながら、どういう力を育成するかということと関係してまいりますし、そういうことで重なり合うということを当然前提にしながら、後でそこのところは再掲なども含めて整理をしていきたいと思っております。

【小川分科会長】  橋本委員、よろしいでしょうか。貞広委員、どうぞ。

【貞広委員】  2点お尋ねしたい点がございます。
 まず、1点目です。今回席上で頂戴した資料ですが、特に資料1-3は、第1期の教育振興基本計画中の具体的な各々の取組を対象として、その進捗状況の評価・点検を行い、そこから新たな計画の作成を行う資料であると拝見しました。そこで、お尋ねしたいのは、その基礎となる、複数の計画にまたがった、かつ長期的な視点の検証がなされているのかという点です。
 例えば前回の教育振興基本計画の中には、第4章の部分で、国や地方自治体、学校、そして家庭も含めてだと思いますが、関係者の役割分担を再考しなければならないという視点が書かれています。今回それがどの辺りまで進捗しているか、さらにはその状況を検証・点検した結果を明示できているのかという点を確認させていただきたいと思います。例えば、一つ具体的なことを挙げますと、こと「評価」ということに関し、事業量評価ではなく成果指標による点検が必要だということが書かれています。確かに成果指標が必要であることは確認するまでもないのですが、その一方で、教育の分野ではどうしてもなじまない点があるのも事実です。したがって、例えば、成果指標による点検にはどうしてもなじまない点については、別の評価の形をこちらから積極的に提示するというようなやり方もあろうかと思います。そうした点検や評価そのものの在り方について、長期的な視点での評価というものはどうされているのかということがこれらの資料から見えないことが気になりました。
 次に2点目です。先ほど申し上げた関係者の役割分担、さらには学びのセーフティネットの観点にも関わってくるものとして、資料の11ページのところに記載されている「教育の費用負担について」申し上げます。従来、我が国では、通常のベースとなるような教育については、スタンダードを設定することによって教育条件の平準化に成功してきましたが、おそらくこれから地域間・学校間・個人間で差異が広がっていくと予測されます。このとき、差異ゼロというのは費用負担の役割分担からしても現実的ではありませんが、それでも長期的には、どの程度の格差までであれば社会や現場が認めていくのかという視点を持ち、検討と議論とを行わなければならないと思います。さらに、そうした通常のベースとなる教育の費用負担と並行して別に、学びのセーフティネットというニーズがある子どもたちに、より手厚く保障していくという視点も持たなければいけない。前者のコアとなるファンディングの部分と後者のニーズベースのファンディングの部分も含めて、だれがどのように役割分担していくのかというのは、先送りできる課題ではないと思います。
 具体的な各々の取組の評価・検証に加えて、それらをくし刺しにするような政策横断的かつ長期的な視点の検証というものを是非次の計画立案に反映させていただければと思います。

【小川分科会長】  後半のほうの御意見は御意見としてお伺いして、これは基本計画部会としても、そういう視点での検討をやっておく必要があるのではないかという、そうした点はお伝えしたいと思います。前半のほうの御意見について、第1期の基本計画の評価とか、あと指標設定の際、どういう形で設定するのかという議論ですが、後で基本計画部会での議論を説明いただきますが、私自身も基本計画部会にずっと出ていまして、この間の一番大きな課題というのは、第1期の各領域というか、局ごとの、ある意味では、言葉は良くないんですが、各局の寄せ集め的な、縦割り的な計画作りというような性格が強かったので、第2期はそういうことではなくて、文科省全体しての大きなフレームワークと優先順位、もう少しめり張りをつけた基本計画の大きな柱をどういうふうに作っていくのかということにかなり時間を割いてきたように思います。そのため、今言われたような評価のところとか、あと第2期でどういう評価設定をするのかということについては、まだ十分審議を尽くしていないように思います。ただ、基本計画部会では、その評価については、領域ごとにいろいろな性格があるので、インプット、アウトプット、アウトカムという、その領域とか政策課題にふさわしい3つの視点を組み合わせながら指標作りはやっていく必要があるのではないかという、そういう一定の意見交換はされたんですが、まだその辺のところの踏み込んだ議論というのはこれからの課題だと思っています。そのことも含めて、基本計画部会で今言ったような点について、どういう議論をされてきたのか、また、今後どういうふうに議論されていくのかについて、事務局のほうから少し御説明いただけますか。

【森友教育改革推進室長】  まず初めの関係者の役割分担という点で現行の計画について、うまくいっていたのかどうかという評価をされているのかという御質問だと思いますが、計画部会の中の御意見でも、作った後に一番重要になるのは、――作る最中もそうなんだと思いますが――、関係者の方々に、どういうものなのかという内容をきちんと分かっていただいた上で、それぞれの方たちに当事者意識を持って取り組んでいただくということが大事なのであって、その辺の仕組みをしっかりと作っていかないとまずいのではないかという御意見が幾つか出されております。ですので、先ほど分科会長からも御説明いただいたように、その辺を含めて、今の段階では十分に検証しているわけではございませんが、そういった仕組み作りをきちんとしていくということは大事でございますので、その辺については、また今後議論をしていくような形になるのかなと思っております。
 それから、成果目標の関係でございますけれども、成果目標そのもの、個々具体の成果目標をどうするのかといった御議論も、まだ計画部会ではしておりませんので、まず考え方として、これは諮問文にもあったんですが、きちんと検証ができないような計画だと総論としてきついのではないか。もちろん各論を見ていったときに、必ずしも数値的な評価、数値的な指標がなじまないものも当然ございますので、それはケース・バイ・ケースだと思いますが、全体の構えとしては、まず検証できるような形で指標作り、あるいは成果目標作りに取り組んだ上で、その中での議論を踏まえて個々具体的にまた議論していくというような形になるのかと思います。これも含めて今後の計画部会の御議論になろうかと思います。

【小川分科会長】  貞広委員、よろしいでしょうか。
 第1期の計画と第2期の計画の大きなフレームワークというか、作り方が若干違ってきていますので、そういうところで少し皆さんから、第2期の基本計画の大きなフレームワークのところの御意見がいろいろ出ているかと思いますが、そういう点についても当然御意見を伺いたいのですが、しかし、もう一方で、初中分科会として基本計画の中に入れ込んでいく政策課題等々についても、もう少し御意見を伺いたいと思います。
 では、渡久山委員、どうぞ。

【渡久山委員】  平成20年の教育振興基本計画が配られていますが、これは、まず我が国の教育をめぐる状況なんですね。教育をめぐる状況から教育施策を考えようということで、我が国の教育立国の実現に向けてという形で具体的な教育目標、教育立国に向けた具体的な目標があるんですね。ですから、それを実現していくためにどうするかということで、この平成20年の計画が立てられているんです。ですから、読み方によっては非常に分かりやすい。分かりやすいんだけれども、最終的にこれで非常に批判が出たのは、数値目標がないと。5年間で何をどうするんだということがないというのが、これに対する大まかな評価だったんですね。そうすると、それを踏まえているかいないかというのも今度の問題なんですが、平成20年のこの計画の一番最後には、「教育振興基本計画は、政府が5年間に取り組むべき具体的な方策だ」と書いてある。その具体的な方策を5年間で、これで何ができたのか、何ができなかったのかということをきちんと見て、だから、5年後には見直すんだと非常に丁寧に書いてあるんです。
 それと、今、新しい計画の資料を見ますと、我が国だけではなくて、世界全体の情勢も含めてだけれども、我が国の情勢という国全体の持っている課題について分析がされていますから、それはやっぱり我が国の課題に対して、教育は何ができるのか、何をすべきかという提起だと思うんですね。ですから、そこの連続性を議論して、何か書いておく必要があるのではないかというのが1つです。
 もう1つは、やっぱり我が国の直面する問題点というのが大きく指摘されていますよね。それは4つになっていますけれども、総花的になっていく可能性がここのままではあるんですね。ですから、それをもっともっと絞り上げて、最終的にこの5年間でやるべき課題はこうだということをより具体的に、多くの国民が分かりやすいような、政府の教育計画というようにしていくのがいいのではないでしょうか。そのためには、それなりの財政計画もきちんと立ててもらわないといけないだろうと思います。平成20年の計画で一番批判されたのは、マスコミからもそうですが、結局、具体的な数値目標がほとんどないと。これで、政府は、何を、いつ、どうするんだというようなことですから、今度はそうならないためにも、是非必要だと思います。
 視野を非常に広くしたのはいいと思うんです。問題は、具体的にそれを解決していく4つの方策、これもやや抽象的ですよね。ですから、それをもう少し具体的な問題にしていく必要があろうかと思いますが、ただ、例えばセーフティネットの部分が実は財政計画と非常に深く関わってくるわけです。今、大学はだれでも入れる、あるいはだれでも卒業できる――だれでも卒業できるという言い方はちょっと変ですが、だれでも入れることはほとんど事実なんですが、ただ問題は、高校もそう、大学もそうですが、中途退学者が非常に多い。学力がきちんと付いているかどうかという問題がある。
 それから、今、難関大学とそうでない大学との格差が非常に広がっている。その格差の内容を見ますと、非常に財政的な問題が出ていると。だから、今度の予算の中でも高校無償化とか、あるいは高校における給付型の奨学金が出てきたのは非常にいいことだと思います。問題は、大学についてどうするかということがありますから、最終的にはそういう財政負担をこの5年間でどれぐらいして、どういう成果を上げていくのかという数値目標もきちんと入れたものにしていってもらえばありがたいと、こういうことです。

【小川分科会長】  ありがとうございました。井上委員、どうぞ。

【井上委員】  第2期の教育振興基本計画を考える場合は、今まで御意見をいただいているように、第1期の教育振興基本計画の実施状況の評価というのをどうしても参考にしなければいけないと思うわけで、これについては20年度から24年度までですから、そういう意味ではまだ計画進行中ということですから、今後、24年度予算でまだ未実施のものについてどれだけ実現していくかということについては、もう1年状況を見なければいけないとは思うんです。ただ、全体としては、第1期計画の問題としては、今も御発言があったように、教育立国を目指すということで、一方、文部科学省が所管している科学技術創造立国のほうでは数値目標があるのに、教育振興基本計画ではその数値目標を明確にすることができなかったという点が1つの問題点として指摘されたことは事実ですが、そこのところで、最近のGDPに対する公的な財政支出の状況を見ても、OECD諸国の中で日本は最下位であると9月の新聞報道でも出されているわけでございます。
 そうしますと、教育立国と言いながら、公的財政支出はOECDの31カ国の中で最下位というのは、教育に重点的に投資を行っていると言いながら、必ずしも十分ではないということが言えると思うんです。そして、教育振興基本計画の眼目は、あくまでも教育条件整備がその中心だと思われますから、それには教職員の配置とか、あるいは施設設備の充実とか、それに伴う学校教育なり社会教育、生涯学習を充実するための条件整備をいかに進めるかということがこの振興基本計画の中心だと思っているわけです。そういう点で、第1期ではそれぞれの施策について、ある意味では幅広く書いてありますが、特に重点的に進めるべき点についてということで、ある程度重点化のところは絞ってあるわけで、それらについてどれだけ第1期計画が進んだかという検証がどうしても必要だと私は思っております。
 したがって、東日本大震災が起こって、日本の今後の財政支出は震災の復旧・復興に重点が置かれるのは間違いのないところですが、ただ、未来への先行投資として我が国が持続可能な発展をするためには教育投資を続ける必要があるわけですし、また、東日本の被災地についても、それを復旧・復興するにはやはりその人材育成がどうしても必要だと私は思っておりまして、そういう点に対する今後の配慮ということは、この振興基本計画の中でも明確にしておくべきではないかというのが1点でございます。
 そして、国が1千兆円を超す債務を持つような状況になっておりますだけに、なかなか教育に対する財政支出を明確にするということは難しいと思うんですが、少なくともOECDの中央位を目指した教育投資を行うという、そういう1つの目標というのは掲げてもよろしいのではないかと、このように思っております。
 それから、もう1点は、セーフティネットとの関係なんですが、実は最近の雇用構造の変化とか経済状況の変化というようなことから、経済格差、家計の格差、そして、それに伴う教育格差というものが、全体的に固定化する方向にあるのではないかという心配が出てきているわけでございます。そういう意味では、セーフティネットの中でも、確かに22年度から子ども手当、あるいは高校の授業料の無償化とか、あるいは大学の授業料免除枠の拡大など、文部科学省の御努力でいろいろな施策が講じられているわけですが、特に一人親世帯等が我が国の学校では2割程度あるということが言われていて、そういう子どもに対する家庭の教育なりしつけなりが十分でないということが全体的な学力低下に結び付いているのではないかという指摘もございます。
 そういう意味で、一般的な施策のほかに、下校後、従来のいわゆる学童保育等に行くような子どもに対する学校の復習とか、予習とか、そういうことによって学校の授業を補完するようなシステムが必要ではないかと思っているわけです。例えば大阪の門真市などでは、「門真っ子」として退職教員がそういう子どもたちに対して学習相談とか学習指導をしているというような例もございまして、先ほど退職教員の活用の仕方というお話が出ましたが、そういうシステムを作って、そういう子どもたちに対する補習の場を確保するということが、私は、非常に今、教育上のセーフティネットとして必要ではないかということを1つ考えているところでございます。
 それからもう1点は、教育の質の保障ということで、全国の学力・学習状況調査が実施されまして、実際にPDCAサイクルに基づいて、学校なり教育委員会が評価システムを導入して、それによって学校の教育改善等が行われているということは大きな改革だと思っているわけでございまして、そういう検証改善システムというのを更に定着させていくことによって、子どもたちの学力の向上を図っていく必要があると感じているわけです。
 実は第1期のとき、それには第三者の評価機関が必要だという議論がありまして、それをかなり議論したんですが、結局、評価機関は教育委員会の学識経験者による評価機関になっていると思うわけで、その辺もやはり今後、評価の在り方ということを考えた場合には、更に検討を加える必要があるのではないかと思っていますので、それらについても議論を進めていただけたらと思っております。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。無藤委員、どうぞ。

【無藤委員】  大きな枠というよりは、1つ、2つ加えたいと思います。詳細な資料にいろいろ書いてあるのではないかと思いますが、今、4つの視点が大きく提案されておりますけれども、それらを各地域でどうやっていくかというところで、都道府県、市町村の教育委員会、また各学校で、こういった方向を踏まえながら、やっぱり数年間の計画を立てて実施していくということや、そこでの点検が必要だと思います。
  そういう意味で、先ほども出ましたけれども、成果指標、その他の指標はいろいろと工夫して、国としてもやる、また教育委員会などでもやっていくということや、また学校現場に近いところでは、より具体的な子どもの様子、学校の様子も取り出すことはできますから、そういった質的な評価というんでしょうか、そういうことも必要だろうと思っています。
 その際に、全国平均とか都道府県平均といった学力調査ももちろん非常に基本となる資料ですが、もう一つは、こういった幾つかの方向を学校・教育委員会単位で統合して考えていく際に、例えば最近の言い方で言えば、エフェクティブスクールのようなものを見つけて要因を検討していくことも必要だろうと思います。エフェクティブというのは、効率というか、効果性があるというか、有効であるというか、いろいろな面を持っておりますが、それが直接的に授業の質を上げるということもあるでしょうし、学校や教育委員会のある種の事務・業務の効率化ということもあるし、研修面もあると思いますが、そういった様々なアプローチから、具体的なところで成果を上げていくところを見ていくということも、どこかに入っているといいなと思いました。
 以上です。

【小川分科会長】  輿水委員、どうぞ。

【輿水委員】  より学校現場に近いという立場でちょっとお話をしたいと思います。前回の教育振興基本計画のときに、平成18年の教育基本法改正に伴って様々な改革が行われまして、学校としては、例えば小学校であれば、今年度から初めて新しい学習指導要領に基づく授業が本格実施、中学校は来年度からやっと本格実施というところだろうと思うのですね。そうなると、今いろいろ御意見が出ましたけれども、本当の意味での評価といいますか、教育振興基本計画がどのように現場の中で息づき、そして本当に力となって評価がされるのかというところでは、今の段階でこれを評価して、また新しいものというのは、現場サイドからすると短いサイクルで動いていると思わざるを得ないところがあります。
 前回のこの中に、「個性を尊重しつつ能力を延ばし」云々とある中で、学習指導要領も変わり、教科書も変わり、やっとこれからというところですので、今まで論議のあった評価については、より実際の現場に近いところで、子どもの姿でしっかりと評価をしていただいた上で、新たなものというふうに是非やっていただきたいというのが願いでもあります。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございます。では、青山委員、どうぞ。

【青山委員】  今、2期の振興基本計画の検討が進んでいるところが、やはり1期をベースにして2期の内容を固めていくと。先ほど文科省からも触れられておりましたが、例えば文科省の中での局別の縦割りを廃し、横のつながりを密にしていって、例えば高等学校教育でも、高等教育に関わる部分、あるいは初中局に関わる部分というものがあるわけで、それはもちろん生涯学習政策局にも関わってくる部分も大変大きいところがあると思いますので、そこで横の一貫性というものを示していただくことで、この第2期の振興基本計画というのはその厚みが増してくるということを私は感じております。
 現在、高等学校改革については、各県でのプログラムが進行中というところもありますし、それから、東京都などは一応これまでの3次にわたる改革が終了して、先般、23年度の高校教育白書というものが取りまとめられて、その白書の中で改革の検証というものが――概括的な部分はありますが――行われた。今度は、それに基づいて次の教育の内容面でどこに重点的に施策を組み込んでいくのかという、そういう時期に来ています。ですから、これから各県で同じような形で出てくると思っております。
 その際に、学校に対しての経営診断、経営の面での診断と、それから、教育指導の面での診断と両面から診断というものが行われていて、これも間もなくですが、例えば一回り終わるという時期にも入ってまいります。これは学校にとっては、気が付いていながら、なかなか実践に結びつけることができなかったという部分について具体的に指摘を受けて、それに対しての改善を進めていく、いわゆる先ほどのPDCAサイクル、これを実質的に動かしていく、やっぱりこれは大きな仕組みであると思っております。ですから、これを何年かサイクルで繰り返し繰り返し学校が受けて、それでその達成度についても自己評価しながら、あるいは他者評価を受けながらその次の改善につないでいくということ、これは繰り返し繰り返し続けていかざるを得ないものだと思っています。こういったことも振興基本計画の中に組み込まれるということは必要なことだと思っています。
 それから、あとはこの振興基本計画がどのように各学校に浸透していくのか、浸透させていくのかということではないかと思います。その仕組みをどうするかというところを考えていかなければならないのではないかと思います。私ども高等学校というところをちょっとお話しさせていただきますと、前回の第1期の振興基本計画の7ページの(2)の上の、「義務教育修了までの教育は」というところからの1パラグラフの中で、ちょうどその中段になりますけれども、「また」書きからのところなのですが、「また、義務教育後の教育、中でも高等教育は」ということになります。これは、言い訳ではないのですが、この文言を見ていった場合に、さて高等学校教育というのは、ではどこに位置付いているのだろうかということを、今になってなんですが、高等学校としては考えているところなんです。
 第2期の振興基本計画の中で、高等学校教育についてもかなり重く見ていただいて、今後の高等学校教育をどうしなければならないのかを検討していかなければならないだろうということで、高等学校教育部会も立ち上げていただいたということですので、高等学校の教育というのは非常に多岐にわたって幅が広くなって、様々なパターンの中で今、展開をしているところなんですが、その中で方向性を見失いがちな部分もありますので、その点で高等学校教育を再度固めていくと。それから、再度、効果性を持って、生徒が学びというものに対して没入していくといいますか、集中していく、そういう魅力ある高等学校教育を作り上げていくために、義務教育と高等教育との間での高等学校教育のポジショニング、それから機能、これを具体的に考えていかなければならないというふうに高等学校の校長会では考えているところであります。そういった点も含めて、2期の教育振興基本計画の内容に高等学校としては期待を持たせていただきながら、今後の取組を進めてまいりたいと考えております。

【小川分科会長】  ありがとうございました。橋本委員、どうぞ。

【橋本委員】  ありがとうございます。県の教育委員会という立場から言いますと、国の計画を踏まえて、県がもう少し具体的な計画を立てていくわけですが、やはり地域には地域のいろいろな計画があって、その中でどういう計画にしていくかというようなこともございます。そのようなことで言えば、国の計画においては、先ほどから出ていますように、今後、例えば5年間でここを重点というところでの評価というようにしていただくと、県も様々やりたい中で、国のそういう方向性も大事にしながら、こうやりましょうということが言えるのではないかと思います。書き方をあんまり拡散させるよりは、特にここが重点というような方向性を示していただけるとありがたいと思います。よろしくお願いします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、北城委員、どうぞ。

【北城委員】  教育振興基本計画の作り方が、前回は、教育のいろいろな課題を掲げて、その解決策を提言していることに対して、今回はどちらかというと、国が抱える課題に対して教育としてどう取り組むかという視点で書いているような感じがします。そういう考え方でまとめたということを出していただいたらいいと思います。例えば資料1-2の中の「未来への飛躍を支える人材の養成」という中に、視点例で、「豊かな語学力・コミュニケーション能力やチャレンジ精神などを有する人材の育成」と書いてあります。私はこういうことは大事だと思いますが、こういうことを書いたときに、それでは初等中等教育でこういう考え方の人材を育成したときに、有力な大学に進学できるのかという課題があります。ここで書いたことを実現する仕組み作りということを考えていかないと、いくらここで書いても実態は別なことで組織が動いてしまうというところがあると思うので、今回は、方策を書いたらそれをどう実現するかという実現のための仕組み作りとか、その結果の評価の仕組みを入れていく必要があるのではないかと思いました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。長尾委員。

【長尾委員】  私は大学の責任を持っております立場から、先ほど青山委員がおっしゃったこと、それから、北城委員がおっしゃったこととかなり関連するかと思います。初等・中等教育と高等教育の連携をどのようにとっていくか、ということを考えております。今もグローバル化とか、学習力とか、こういう言葉は高等教育でもずっと議論しております。例えば資料1-1の7ページの、「未来への飛躍を支える人材の養成」もずっと大学分科会等でも話し合ってきました。初等・中等教育の、特に高校ではどういうグローバル化を目標とし、そしてそれをどのように大学と協力して人材を養成していくかという、その連携がないと、「みんなが一生懸命英語をやらなければいけない」とか、「グローバル化だったら英語」という、責任所在がないままでばらばらにやることは、大変なわりに成果が出ず辛いだろうと思っております。初等・中等教育で、本当に基本的なこと、英語の単語を増やす、それも必要ですが、それよりも生きる力、基本的な力を身に付けておいてもらえば、そして広い意味でのグローバル化を身に付けておいていただいて、大学で今度は、具体的な部分を担う、ということも可能です。こういった連携が必要かと思っております。
 もう一点、我々が今、一番大変な問題として考えておりますのは、就職活動が大学3年生から始まってしまって、4年間の高等教育が本当にできているのかというところです。高等教育の質の保証について議論をしているのですが、とても理想的な言葉の裏には、高校現場における「高校3年生はほとんど受験勉強」というような状況になっているのではないかと思います。そこのところで、もう少しうまく連携して、3年間の教育、4年間の教育効果をねらって、大きな意味で教育連携ができるような答申ができないのかなと思っております。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。今まで委員の皆様から出された中で、共通して強調されたのは、基本計画と、その基本計画の検証の仕組みをしっかり考えていただきたいということ、もう一つは、第1期との連続性とか、第1期の反省を踏まえると、財政的な数値目標というのは第2期はしっかり書き込むということ。中でも例えば具体的な目標として、OECDの中位を目指すとかという、より具体的な目標を設定するということも第2期の基本計画においては重要ではないかとか、それに、教育と福祉の視点についてもいろいろな方から御意見があったように思います。さらに、青山委員、長尾委員から出されましたけれども、第2期は、この20年ぐらいの高校教育の現状と、高校と大学の接続問題の課題等々を考えると、今回の基本計画の中では、初等中等教育の中でも高校教育のポジショニングということをより明確にした基本計画作りということもやっていただきたいし、そういう高校教育のポジショニングの作業の中で高大接続の新しい課題とか展望を作り出すことも、初等中等教育の第2期の大きな課題の1つになるのではないかとか、そうしたことが指摘されております。
 今出された意見の中には、基本計画部会のほうに上げて、更にもんでもらうような課題もありますけれども、例えば、高校教育のポジショニングと高大接続については、11月から、初中分科会の下に作られた高校教育部会で審議を進め、その成果を振興基本計画の中に盛り込むというような、そういうことになっていくだろうと思います。どうぞ。

【北城委員】  高校部会で高大接続を考えるということになるんでしょうが、大学の入学試験が高校の教育にいろいろな影響を与えるので、高大接続を高校部会だけでやるのは難しいと思います。先ほどのチャレンジ精神を持った人材を育成すると言っても、有力な大学がチャレンジ精神とは関係ない成績で入学試験の結果を出すとすれば、いくら高校で意欲を持った学生を育成しても、そういう学生は有力な大学には入学できないということになってしまいます。高大接続を検討するときは、高校と大学と両方の分科会を入れて議論しないとうまくいかないと思います。

【小川分科会長】  その点はどうしましょうか。一応高校部会ではその辺のところは意識してやるかと思いますが、それは大学分科会のほうでもそうしたことはやっぱりやっていただいて、できれば、今度できる高校教育部会と大学分科会との意見交換の場なども設定していただければ、今言ったようなことはいろいろ意見交換できると思いますが、その辺は事務局のほう、そういうことでよろしいんでしょうか。

【板東生涯学習政策局長】  ただいま御指摘の点は非常に重要な点だと思っておりまして、今までそういう学校間の接続の問題とか、両方をつなげて議論しなくてはいけない問題について、中教審の中でも十分に議論できていなかったということがあろうかと思いますので、やり方につきましては、各分科会などとも御相談をいたしまして、今回の教育振興基本計画の中でやはり重要なテーマだと思いますので、入試の問題とか高校をめぐる問題、高校と大学の接続とか連携の問題、これにつきましては、合同部会なのか、あるいはまた違う場も含めてどう議論するのか、この辺りについては、またちょっと工夫をさせていただきたいと思います。

【小川分科会長】  北城委員、よろしいでしょうか。重要な御指摘ありがとうございました。
 ほかにはございませんか。では、佐々木委員、そして渡久山委員、あと天笠委員、よろしくお願いします。

【佐々木委員】  一言発言させていただきたいのは、やはり教育の問題は、どうしても、今出ていた大学の問題がきちんとしないと日本のこの仕組みの中でうまく進んでいかないということで、大変重要であるということ。理想は大学の入試システムが変わることであると思いますが。ですから、私どもがこういった基本計画を考えていく上では、1つは全く枠を離れて、本来はこういう人間を育てたいのだということを忘れずにきちんと明記したり、具体化していくことと、同時に、そうは言っても夢物語的に書いてもなかなか現場で実際に動かないということであれば、大学との連携を明確にするという、この2つが分かりやすく書かれていると一般の方々、学校関係者でない方が読まれたときにも、分かりやすいのではないかなと思います。
 あと、細かいところですが、ICTのことで、たまたま最近、学校の先生などとお話をしているときに、学校の校内にいろいろと配られている機材が箱のまま入っていて、使われていないというお話を聞いて、これは5年のいろいろな計画が終わったら、検証されて、きっとこういう無駄はなくなると思うんですけど、という話を聞いておりまして、先ほど来出ている検証ということと一致すると思うんですが、教育の理想を語り始めると、全員、何時間あっても足りないほど皆さん語れると思うんですね。なので、過去に決まったことで結構だと思うんですが、やはりそれが継続して、そして正しく効率的に実施されているかという検証は丁寧に行っていくことが大変重要だなと思っております。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、渡久山委員、どうぞ。

【渡久山委員】  資料1-1の、我が国の諸情勢の分析の中で少子高齢化というのがあって、4ページにも具体的に提起されているんですが、「未来への飛躍を支える人材の養成」という部分がありますが、人材の中で少子化対策をどうするのか、やっぱり文部科学省の管轄ではないということでいいのか、せっかくそこまで分析しているのなら、文部科学省として少子化対策を、どこから、何ができるのかということがその辺で提起されてもいいんですが、この4つの柱になってくると、「社会を生き抜く力の養成」と言ったら、結局、学校教育に全部なっていくわけですね。だから、そこも問題になって、この中の視点の例というのがありますが、僕は、せっかくそういう分析がきちんとできているんだから、それに対して文部科学省としてどうこたえるのか、何ができるのかということが1つあると思うんです。
 それから、もう一つ、この4つの視点というようなものを考えても、どうしても文部科学省の所管の中では、幼稚園から大学、あるいは大学院までという、こういう学校教育システムの中でどういうものができるのかということに最終的になっていくのではないかと思うんですね。逆にいうとそこに具体的に絞り込んで、何をどう改善するかということによって、今の諸情勢の解決ができるかというような、逆な提起もできていくと思うんです。そういう意味でいくと、社会を生き抜く力の育成を支える部分というのは、少子化の部分はどうするか、それから、未来への飛躍というのがありますが、これは、知識基盤社会といった場合、主に大学がこれは担い得る問題だと思いますから、例えば大学に特化するとまではいかなくても、大学を中心にして変えていけるかどうか。もちろんここにある語学とか、チャレンジ精神というのはどこの段階でも必要かもしれませんが、そういうふうに、もっと特化して最終的には分かりやすくやっていく。例えば最後の絆の問題辺りは、まさに地域と結びつく学校ですよね。そうであれば、小・中学校、幼稚園でもそうだけど、幼稚園もいろいろな意味で学校ですから、コミュニティ・スクールの問題があるとすれば、それを特化してもっときちんとやっていって、目標を最終的に作り上げていくというような形にする。この4つの視点として挙げてありますが、これは非常に窮屈になっていかないかなという気がしますね、最終的に。そういうことで、少しこれも検討してもらっていくのもいいのではないかという気がいたします。
 以上です。

【小川分科会長】  では、天笠委員、次に井上委員ということで、その次に森田委員、お願いします。

【天笠委員】  1つは資料1-1の「変化を踏まえて」という、この変化が相当なスピードで急激に動いているというところに十分問題意識を持っていただいて、これにどういうスタンスをとっていくのかということを常に捉えてもらって審議を進めていただければと思います。その変化に応じることも必要ですし、あるいは変化にあえてスタンスをとるということも両方求められることになると思いますので、この点、一つどうぞよろしくお願いします。
 それから、2つ目、確かに検証は重要なんですけれども、検証を通して何が大切なのかというと、未来を予測するというか、未来を見据えていくということが必要だと思います。できるだけ視野を広げて将来を見据えていただくということがこのテーマで大切なのではないかと思います。したがいまして、検証を通して未来を見開く、将来を見据える、5年先を見据えるということを是非大切にしていただきたいと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  井上委員、どうぞ。

【井上委員】  先ほど佐々木委員からICTの学校現場における状況についてお話があったので、誤解があるといけませんので、私から少し発言させていただきます。
 実はICTは、電子黒板とか、タブロイド型のパソコンとか、また実物投影機とか、学校現場で授業の革新を目指すという意味では、電子黒板等のICTを活用した協働学習とか、あるいはグループ別学習とか個別学習など、子どもたちが授業に楽しく参加して、それをよく理解する、お互いの意見を言い合うというような、そういう授業方法を今、学校現場でICTを活用してやっていただいているところでございます。そういう意味では、確かに電子黒板等の活用ができない教員がまだいることは事実でして、そういう点では研修を更に進めて、実際にICTがいかに子どもたちの授業参加を大いに自主的にし、また、活発にするかというようなことについては、更に普及するようにしていきたいと思っているわけです。
 実は私は、教育ICT利用促進協議会というのを作って、そこの責任者をやっているものですから、ちょっとそういう点で発言させていただきました。

【小川分科会長】  わかりました。では、森田委員、どうぞ。

【森田委員】  先ほど天笠委員が、我が国の諸情勢の変化を踏まえ、という観点から将来を見据えていく、この観点が非常に重要だとおっしゃいました。私もそのように思っておりまして、今回のこの案でございますが、これは、明らかに第1期とそれから、2期との連続性・継続性、あるいは検証・反省、それから、今後に向かってという視点も大事でございます。これは私なりの私見でございますが、第2期の柱立ては、ある意味では日本の社会モデルの転換というものも踏まえた構想になっているように見受けております。直面する問題から、問題の打開に向けた方向性、そして教育行政の方向性というこの3つの柱の流れでございますが、我々の社会はともすれば、俗に言われる縦のガバナンス、要するに官と民、あるいは国と国民という関係の中で様々なサービス、教育も含めたサービスをいかに与えていくか、そしてそれをどう享受するか、あるいはどう保障されるか、その権利はどうなるかという受け手と与え手という縦の関係構造の中で流れてまいりました。
 しかし、これからの社会作りに向けて新たなる公共というスローガンで昨今言われている関係構造は、明らかに縦のガバナンスから横のガバナンスへの移行を想定しています。横のガバナンスの社会では、その横を構成する民なり国民なり市民と言われる者には、いかに社会を作り支えていくかという資質・能力が求められてきます。つまり、与えられるだけではなくて、国民と国家というのはある種の契約関係でございますが、その与えられるサービスに対していかに我々が関わっていくか、あるいは参加し、自分たちの社会を官とともにいかに形成していくかという、この視点が非常に大事になってまいります。その視点から個々人の社会への参加保障だとか、あるいは絆づくりと言われるものが出てきているだろうと思います。
 この前の平成18年の教育基本法の改正、あるいは学校教育法の中でも、非常に重要なタームとしては、公共の精神だとか、あるいは公徳心だとか、こういうものが強調されておりまして、道徳教育の中にも入っておりますけれども、それは狭く限られたものではなくて、これからの子どもたちが、本来、日本の社会を作っていく場合に、いかに関わり、自分たちが主体的に参画していくかという、ここのところに非常にウエートがあるように思います。
 そういう意味で、第2期の4つの柱というのはこれで結構だと思うんですが、子どもたちを社会へつなげ社会作りへとつなげていく視点が少し薄いような気がいたしまして――入っていますよ、それぞれの部分に。例えば規範意識だったら道徳教育に入っていますが、私の申し上げているのは、道徳教育に狭く限られるものではない。例えば公共の精神にしても、新たな公共の担い手にしても、この「絆づくり」という観点からすれば非常に重要なものでございまして、絆づくりは単に学校と地域、今、渡久山委員がおっしゃったように、地域の中の学校の役割というのは大変重要な役割をこれから果たしてまいりますが、それにとどまらず、広く捉えていただき、個々の国民、市民が自らの所属する集団、これは組織もそうですし、社会もそうですが、この社会とどうつながりを持って、そのつながりを作りながら基盤にしてどう社会を形成していくかという、この視点の教育の観点が非常に重要になってまいります。それをどう教育振興基本計画の中にうたい、それをどう具体化していくか。これは様々なレベルのやり方がありますが、これを検討していただきながら、将来を見据え、あるいは今、変わりつつある社会、とりわけ、この東北の震災を1つ大きな契機として進めていくかという観点が大事なこととなってまいります。私たちの社会は、どちらかと言えば利害関係のある集団あるいは関係性に対しては、いろいろな働きかけや関心をもち、支え合い、サービスの授与、提供等を行っていますが、赤の他人に対して非常に冷たい社会といいますか、つながりの意識やお互いの支え合いに弱いところがありました。これまでも日本の社会の公徳心なんていうのはいろいろと批判があったように、その辺りの手薄さといいますか、希薄さがあります――震災は、それをある意味では解消していく、あるいは現実には変わっていく1つの大きな契機になった。私は1つの日本の社会のそういう絆づくりの1つのターニングポイントになる大きな契機だと思っています。それを1つは生かしながら、この中で絆づくりというのをもう少し拡大して考えていただきながら、それを具体化していき、学校教育の中でこれからの将来を見据えた社会の成員メンバーをどう育成していくかという視点を改めて強調していただきたいという思いがしております。ありがとうございました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、青山委員、よろしくお願いします。

【青山委員】  先ほど長尾委員からも御意見をいただいたとおり、この中でも学校段階間の連携・接続というのは、これは作業部会ができて、そこで検討いただいて、報告書が出ているわけでありますが、この学校段階間というのが、今までの意識と、それから、今後の意識というのは、これはもうがらりと変わってくると思っています。こういう表現ができるのかどうか分かりませんけれども、スエズ運河やパナマ運河のいわゆるカナルシステムと同じことで、水を動かしながらギャップがないように船が自然に上がっていって、次の海へ出ていくという仕組み、そういう一連の流れというものが構築できるかどうかというのがこの学校段階間の連携・接続だと思うんですが、そのときに教育課程のカリキュラムを考えた場合に、例えば先ほどICTの話題が出ましたが、生徒にとっては、ICTというのは道具であって、その道具を使いながら習熟していくことでありますが、生徒の一番身近にくるのは、IT教育、つまり、情報教育ではないだろうかと思うんです。教科「情報」というのは、これは高等学校には教科として設置されているわけですが、中学校や小学校においては教科の中の要素として取り扱われている部分が大きいと思います。ですが、やはりこれを一貫した、貫く教育課程というものが必要ではないだろうかということを感じています。それが、この4つの基本的な方向性、社会を生き抜く力を養成する上で、今、自分が勉強している内容がここのどの部分につながっていくのかということを意識させていくということで、教育課程の中にこの4つの基本的方向性を綿密に組み込ませていくということが、やはり今後、若者を育てていって、グローバル化に対応して我が国を牽引していく、そういう人材育成につながっていくのではないかなと感じています。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、予定した時間になりましたので、この第1の議題については、ここで終わらせていただきたいと思います。今日いただいた意見、非常に重要な御指摘ばかりですが、これについては基本計画部会に上げて、そこで更に審議し詰めていただくということと、あと、初中分科会の下にある様々な会議、これもテーマごとにございますので、そういう会議でも、今日御指摘いただいた課題については更に詰めて、また、そこの作業部会等の成果を、また初中分科会とともに基本計画部会のほうにも反映していくようにこれから努めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 では、第1の議題を終わりまして、第2の議題に移りたいと思います。「公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議」の中間取りまとめがこの前ございましたので、これは財務課のほうから御説明をお願いします。

【伯井財務課長】  財務課長でございます。それでは、資料としてブルーの冊子をお配りしておりますので、それに基づいて説明をさせていただきます。
 このブルーの冊子の150ページの「概要」というのを御覧いただきたいと思います。おかげさまで今年度、義務標準法の改正によりまして、小学校1年生につきましては、本年4月に成立・公布された改正法におきまして、35人以下学級が実施されておるわけでございますが、その同法の附則におきまして、小学校2年生以降の学級編制の標準を順次に改定していくことその他の措置を講じることについて検討を行って、その検討の結果に基づいて法制上の措置を講じるというように法改正の附則で小学校2年生以降の扱いについての検討条項が設けられたということ、さらに、同法改正の国会審議においては、少人数学級の教育効果であるとか、少人数学級によるもの以外の加配定数の充実確保の必要性ということが指摘されたわけでございます。それらを受けまして、法律の成立後、今年の6月にこの検討会議を設置して、議論を進めていただいたところでございます。
 メンバーにつきましては、この資料の162ページにございますように、木村東京都教育委員長を主査といたしまして、小川先生を副主査とし、そして本分科会の委員の一部の方にも御参画いただきまして議論を進めまして、9月28日に、少人数学級の効果についての現段階での整理とともに、当面講じるべき方策について具体的内容をお示ししていただいたというのがこの中間まとめでございます。以下、中間まとめの概要について御説明いたします。
 152ページで、まず今回の報告におきましては、各地における様々な取組の検証と学校現場の声から見られる教育効果というのをおまとめいただいたわけでございます。本体の9ページ以降に、各自治体レベルでの取組の成果や、全連小を始めといたします教育関係団体等に行っていただいたアンケート結果を入れまして、できるだけ事実関係に基づいて成果を検証していこうということで、その部分にページも割いております。
 全連小のアンケートは、今年、小学校1年生について35人以下学級を新規に導入した学校122校について、教員、保護者、校長からそれぞれ聞いておりますが、圧倒的多数で学習指導面、生徒指導面、両面で効果があって、きめ細かな指導ができ、あるいは保護者と学校との信頼関係が高まり、子どもは勉強が好きになったというようなデータが出ているわけでございます。そうしたデータを基に各地の取組の検証を分析いたしまして、ここに書いてございますが、学校教員にとって、あるいは家庭、保護者にとって、あるいは子どもたちにとってはということで分析をいたしまして、学習、行動の改善、とりわけ欠席、不登校という客観的に出るデータの改善、あるいは学力の向上など各種の取組の検証結果につながるんだという分析をしたものでございます。
 さらに、新学習指導要領が求める言語活動の充実に対応するためには、全ての教科できめ細かな指導をするための学級規模そのものの縮小が必要であり、先ほども出ておりましたけれども、ICT等を活用した協働的な学び、あるいは双方向型の学びという授業革新を進めるためにも少人数学級、あるいは少人数学級と併せて個々に応じた指導方法の工夫改善を積極的に進めることが重要であるという提言をしていただきました。154ページに、今後、具体的に進めるべき施策ということでございますが、小中学校の35人以下学級について、順次その取組を進めていくことが必要であると。当面、小学校2年生の35人以下学級の実施を最優先に取り組むべきであるということで、児童が小学校教育に適応する上で重要な時期であり、1年生に引き続いて、切れ目なく小学校2年生に対応していくことが関係者の求めるところであるということを整理していただいて、小学校2年生を最優先に取り組むべきであると。
 しかしながら、下にありますように、学習内容が増加・高度化している中学校につきましても、35人以下学級をできるだけ速やかに実施していくことが必要であるという提言をいただきました。さらに、昨年は、加配措置というのは現状維持、さらに基礎定数への振り替えということがあったわけですけれども、157ページ以下に、当面充実が必要な加配定数ということで、基礎定数とともに加配定数の充実も必要であるという考え方の下、学習支援が真に必要な子どもたちへの手厚い支援という観点から、中学校における学習支援が必要な生徒への対応のための加配措置、それから、発達障害等の子どもたちのための通級指導の充実など特別支援教育への対応のための加配措置、日本語指導が必要な外国人児童生徒のための加配措置、それから、東日本大震災の被災児童生徒の学習支援のための加配措置、さらには、158ページにございます、よりきめ細やかで質の高い指導の充実ということで、小学校における専科指導の充実のための加配措置、地域連携による質の高い教育の充実のための加配、これらにつきまして、当面、充実が必要であるということが提言をされたわけでございます。
 これらの改善・充実が必要であるという御提言をいただきまして、本日も資料2-2でお配りをしておりますが、これは初中局の概算要求の主要事項でございます。今日は時間の関係上、今御説明いたしました定数の改善だけの説明にとどめさせていただきますが、その2ページにございます教職員定数の改善といたしまして、総勢7,000人の改善要求を概算要求に盛り込んでございます。その内訳は、先ほど言いました小学校2年生の国の学級編制標準を35人に引き下げることに伴う4,100人の教職員増と、残る約3,000人は加配措置でございます。加配措置のうち、4の被災した児童生徒のための学習支援というのは、東日本大震災に係る教育復興支援というので、既に今年度の措置といたしまして986名の加配を被災県を中心に行っておりますので、それを引き続き行うための1,000人と、それ以外の、1で中学校への加配が800人、特別支援教育が600人、日本語指導100人、小学校専科400人、地域連携100人という、復興を除いて6,000人、そのうち4,100人が小学校2年生の35人以下学級への対応という形の要求・要望を行っているところでございます。
 要求・要望としては、復旧・復興の1,000人については、復旧・復興対策経費として22億円を要求し、小2の35人以下学級を含むその他改善6,000人につきましては、日本再生重点化措置、いわゆる新首相特別枠というところで応募をしているものでございます。以上7,000人の定数改善要求・要望を来年度概算要求で行っておりまして、これをできるだけ定数改善が確保できるように、現在、財政当局と折衝をしているところでございます。
 その他の予算事項につきましては、資料を御覧いただきまして、御理解をしていただければと思います。
 私からは以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。これから来年度予算の折衝がありますので、是非文科省には満額通るように頑張っていただきたいと思います。では、今の報告とか、来年度予算案に向けて何か皆さんのほうから御質問があればお願いします。では、髙橋委員、そして天笠委員、森田委員ということで、よろしくお願いします。

【髙橋委員】  本年度より始まりました小学校1年生の少人数学級に対する文部科学省の取組には感謝しております。ただ、課題としまして、現在、町村の80%以上の学校では既に35人以下学級に現状としてなっております。市町村の現場からは、あまり恩恵に浴していないというような話も聞きますが、これは仕方ないと思っています。
 ただ、今一番の課題としましては、今まで各町村に配置されていましたきめ細かな指導のための加配定員、茨城県では少人数加配というのが付いておりました。小学校1年生の35人学級を作るために、どこからその先生を持ってきたかというと、その加配定員の枠の中から、現在、小学校1年生の35人以下学級を作っているというのが現状です。したがって、本年度は、昨年度から比べまして少人数加配が、どの市町村でも半分ぐらいに削られてしまったというのが現状かと思っています。これも施策としては私はすばらしいと思いますし、賛成なんですが、更にそれを小学校1年生までの35人学級を2年生にまで拡大する、これは当然だろうと思っております。ただ、そのために予想されますのは、昨年半分になりました少人数加配が、来年度はゼロになりはしないか、いろいろな意味できめ細かな学校経営、学習指導面で非常に貴重な指導教員でありましたので、これは都道府県の財政によっても多少やり方は違うのかもしれませんが、是非こちらのほうの少人数加配定員のことを御努力いただければありがたい、各都道府県にもそのようにプッシュしていただきたいという思いがあります。
 それから、もう1点、これは先日、財務課の課長さんにはお願いした件です。もう一度この場で申し上げることになるんですが、現在、町村におきまして深刻なのは、小さな町村であります。現在、町村の数は930、そのうちの約半数は人口1万人以下でございます。1,000人以下の町村というのも少なくございません。ただ、その中で今、問題になっていますのは、少子高齢化によりまして、町村内に小学校1校、中学校1校という町村も少なくございません。その中で更に子どもが減少していきますと、小学校は別としまして、特に中学校は学年でもって複式の学級として数えなければならない学校も出てきます。その場合には、学級数に応じて配置されております教員の数が、いわゆる主要教科と言われています5教科を割るようなことも当然予想されてきます。そうしますと、教育の機会均等というものも危うくなってきます。そういう小さな町村があるということも踏まえて、先日、課長のところにお願いに行きましたのは、定数法の改正というのは、これはそう簡単にいくことではありません、それは承知しています。ただ、その中で、教職員の現在の定数の中で、そういった零細な町村について、定数法の例外措置若しくは運用面での配慮を是非お願いしたいということをお願いしました。
 先ほど話し合われました教育振興基本計画の中でも、いろいろな意見が出ておりました。絆づくりとコミュニティの再構築、これも市町村で平成の大合併以来、いわゆる小さな町や村の中には、合併した大きな市のところへ行くために、バスで通学しているところも少なくございません。そうしますと、その中で、子どもたちがバスで通学して、地域のコミュニティとか絆づくりというのは果たしてうまくいくんだろうかという危惧もしております。どうぞ今後、基本計画を検討する中で、今、日本で静かに、でも、確実に進んでいます少子高齢化と過疎化のことを踏まえた上で計画その他も考えていただければと、そのように思っております。
 以上です。ありがとうございました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。後で伯井課長のほうに、皆さんからいただいた御意見についてお答えできる範囲でこの場でお答えいただきたいと思ういます。では、天笠委員。

【天笠委員】  私も、今、髙橋委員が指摘された点について、同様のことを申し上げさせていただきたいと思っております。
 今回御説明いただいたところには、少人数指導という言葉が消えているんですが、これまで少人数指導と少人数学級と使い分けながらそれを進めていくという、そういうスタンスであったかと思います。ですが、今回の場合、少人数学級一色でこれを進めているというところに、今の話と非常に関わってくるところがあるように思います。基本的には、私は少人数指導と少人数学級は両立させて実現化を図るべきものであって、少人数指導に充てた教員を引きはがして少人数学級に充てるというのは、いろいろなお立場があるのかもしれませんが、できるだけ回避していくべき対応ではないかと思っております。
 まさに、きめ細かな指導の実現ですとか、指導方法の改善を積極的に進めていくということをここに書いてあるわけで、それを、これまでは少人数学級を目指すことと、少人数指導との対応との両にらみで進めてきたところではないかと思うので、基本的にこの方向、スタンスを目指すという点については、今回も是非それを目指してほしいと思っております。要するに少人数学級に比べて少人数指導が次善の策だという、こういう考えではなくて、やっぱり両立を図っていくという、そういうスタンスでこれに臨んでいただきたいと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  森田委員、どうぞ。

【森田委員】  基本的には、今、髙橋委員、それから、天笠委員がおっしゃった件と同じでございまして、やはり加配定数、それから、少人数教育に関して若干危惧を感じております。お二人がおっしゃったことに付け加えて、もう一つは、生徒指導の基礎定数や加配に関わることです。少人数教育で緊急に取り組むべき対策の理由として、教育が増えることで、欠席理由だとか、不登校だとか、問題行動にきめ細やかな配慮が行き届くということが理由に挙げられています。これはもっともなことでございまして、これは当然でございますが、これをもって、つまり、教員が増えたことによって、それぞれの問題へのより根本的な対応と、生徒指導が果たすべき基本的な教育課題が全て達成されるというわけではございません。これは、昨年のここの会議で申し上げさせていただいた点でございますが、問題対応だけにとどまらない本来の生徒指導を進めていくことが日本のこれからの社会では大切な視点になってまいります。とりわけ小学校課程における生徒指導の意義と重要性については改めて認識していただき、生徒指導を主担する教員の確保や加配についてもお忘れなくという意味で、言わずもがなのことですが申し上げさせていただきました。ありがとうございました。

【小川分科会長】  では、貝ノ瀨委員と橋本委員、最後は渡久山委員ということでお願いします。

【貝ノ瀨委員】  私は、少人数学級を推進していくという、そういう立場で申し上げるわけですが、先ほど伯井課長さんのほうから、ブルーの冊子の153ページの御説明もありましたが、その中で、きめ細かい指導、それから、家庭との密接な連携ですとか、授業が楽しいとか、子どもの意欲に結びつくという、そういう説明がありました。これは、もちろん言われていることでありますが、ここにも何人か私を含めて、昔、教壇に立っていた人間がいると思います。では、そのときは、例えば保護者と信頼関係がなかったかとか、それから、きめ細かい指導ができなかったかとか、それから、子どもが意欲を持って勉強できなかったかと言われますと、そんなことはなかったわけなんです。ただ、それはどういうことかといいますと、結局、学級の規模を小さくしたとしても、相変わらず勉強をとにかく教え込むために規模を小さくするんだという発想で、どんどん小さくするというようなことでいけば、結局何ら改善がされないだろう。子どもの学びにこたえていくような授業、つまり、少人数指導なり少人数学級なりの在り方について授業改善がなされていくということがセットにならないと、結局、拡大していかないだろうと思うんです。
 つまり、チョークと黒板だけでもって一斉指導で二、三人の子どもを相手にして、先生が前に立って勉強を教え込むというような、今、極端な言い方をしていますが、そういう授業を続けられている限りは長続きしないし、効果が出ません。ですから、そういう意味で授業改善がセットになるべきだということと、それから、保護者との信頼関係をより深めていくような仕組み、つまり、地域とともに連携を深めていくような教育経営とか、そういったものがセットになっていくということ、それが教育効果を高めていくということになるだろうと思いますので、その点、あえて申し上げたいと思いました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、橋本委員、どうぞ。

【橋本委員】  本県は小1、2、3と中1で33人学級を独自にやっておりますが、昨年度の段階で小3に拡大できるかというときに、校長会のほうに聞き取りをしたところによりますと、小学校長と中学校長では少し差がありまして、どうしても少人数ということが進まないのであれば、少人数指導のほうをというのがやっぱり中学校長でありました。ということは、やはり中学校は、教科の種類とか、様々な学校の事情によって授業のサイズを変えながら多様に運営していくという面もありますので、もちろん中学校も少人数学級にクラスサイズを小さくするということはとても大切なことではありますが、現実にもし財政が厳しいということであれば、やはり中学校はそういう中学校長たちの聞き取りを十分にして、柔軟に対応できるような加配の方向を充実するということが一番今、求められているところではないかと感じております。
 あと、質問なのですが、「中学校における経済的な困難を抱える生徒など」と見出しに使われたのは何か意味があるのか、お聞かせいただければと思います。

【小川分科会長】  では、最後は渡久山委員、よろしくお願いします。

【渡久山委員】  今出ている問題も、財務課長が話した35人学級を推進するということが前提で予算が組まれるということで、これは非常に大きく期待したいと思います。しかし、歴史的な経過を言えば、40人学級がずっと続いてきて、全く改善ができなかったんですね。特にこれは事実だから言ってもいいだろうと思いますが、小泉改革のときに、非常に人件費の削減なり、あるいは拡大がほとんどできなかったから、文部科学省としても大変な苦労をしてきたわけでしょうけれども、政権が代わって、教育予算もトータルとして増えたし、あるいは今の学級規模の縮小も入ってきたんですね。その中で今の35人学級の提起があるわけですけれども、それにしても先ほどのような少人数指導の部分から幾らか持っていかなくてはいけないという事情が出てきて不満が出ている。
 それから、中学の場合もそうですね。例えば今、35人以下学級の場合、小学校の子どもたちのほうが、より35人以下の恩恵を受けているんですね。中学校の場合は、まだ受けていないのが40%以上ではないですか。ですから、この辺の部分はまた配慮していかなくてはいけない部分だと思います。それが1つあるし、また、基本計画との関係もありますが、特に小学校における問題として、理科教育の問題で理科離れというのがあります。話によると、そんなことを言っては悪いけれども、小学校の教員の理科離しといいますかね、理科が苦手で、あんまり理科の指導ができていない。これは大学の養成機関でも問題が出ているわけですから、これは本当に真剣に考えていかなくてはいけない問題ですから、今度の基本計画との問題でやっていただきたいと思います。
 それから、1つ気になったというか、是非お願いしたのは、東日本大震災の関係です。これは、僕は国難ととらえて、きちんと対応すべきだと思います。特に私が今やっている協会は、生涯学習局の指導を受けて、今、退職者から図書を拠出していただいて配っているんですが、大きなニーズがあるんです。もちろんこれは古本ですから、必ずしも新本を送ることはまだできませんが、ニーズが多ければそれもやらなくてはいけないと思います。この辺の部分で、是非ソフトの部分、今、人員の配置については課長からありましたけれども、そういうような施設、あるいは設備の部分、あるいは図書とかを含めた問題等についてもきめ細かな対応をしていただきたいと、特に要望しておきたいと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、幾つか質問も出ていますので、伯井財務課長から、この場でお答えできる範囲でよろしくお願いします。

【伯井財務課長】  様々御意見をいただきまして、ありがとうございます。一番多かったのは、1つは、今年の23年度予算で小学校1年生に35人以下学級を導入するときの4,000人の定数改善のうち、1,700人を指導方法工夫改善加配定数から振り替えを行っております。それにつきましては、資料の中間取りまとめの155ページにもございますが、もともと、少人数指導ではなくて、少人数学級のために加配を活用している分が9,200人ございまして、そのうち小学校1年生の改善をするならば、小学校1年生相当分、9,200人を9学年で割った数よりやや多くなっているんですけれども、それは、小学校1、2年生、中学校1年生辺りは各県で既に導入している少人数学級の割合が高いものですから、そこに少しウエートを置いた形で1,700人を振り替えたということでございますが、そこについて様々な御意見が出ているところです。9,200人のうちの1,700人をまず振り替えを行ったという1つは事実関係でございます。
 そして、その増えた分をどうしたかということについては、92ページを御覧いただきたいと思いますが、振り替えたのが1,700人で4,000人増えて、定数改善が2,300人ございましたので、各県ともに何らかの形で定数増が図られたわけでございます。既に小学校1年生の対応がとれていた県については、どう活用したかなどについての資料が92ページで、少人数学級の実施拡充状況でございます。小学校1年生への対応も含めて21県が、対象学年であるとか、学級編制を更に引き下げるというような取組をしております。先ほど青森県の橋本委員からお話がございましたように、小学校3年生まで対象学年を拡大されているとか、あるいは7都府県が中学校へも拡充しているとか、そういう拡充効果も出てきておりまして、これ以外にも、もちろん少人数指導のほうで配置を改善している県がございますので、我々としては、小学校1、2年生等の基礎定数増をできるだけこういう形でフルに活用して、教育環境を良くしてもらいたいということをお願いしております。
 そんな中で、我々としては、少人数学級基礎定数の増ということも必要でございますけれども、併せて少人数の指導方法の工夫改善が必要なんだということを、今回の報告におきましても、小川先生の取りまとめの下で明確に色濃く出しておりまして、153ページのところにございますように、少人数学級だけではなく、先ほども出ました、新しい学びへの対応ということもそうでございますが、個々の子どもたちに応じた授業をしていくためには、指導方法の工夫改善というのも併せて積極的に進めることが必要なんだという、少人数学級とあいまって効果が出るということを打ち出したところでございまして、今後、その辺は説明の仕方も含めて工夫していく必要があろうかと思っておりますが、両方重要であるという考え方は御指摘のとおりでございます。
  それから、小規模校につきましても、この中間取りまとめでは必ずしも明確な解が出なかったわけでございますが、今後の検討事項の――今、159ページの一番最後のところをやっておりますけれども、複式学級の学級編制の標準の見直しとか、髙橋先生から先ほどございましたが、統廃合の支援とか、過疎地域の学校などにおける教育課題の解消のためにどういうことができるのかということも検討していこうということでございますので、その辺も今後しっかり対応していきたいと考えております。
 最後に、御質問で、中学校に対する加配を800人、来年度概算要求で行うわけですけれども、それが経済的な困難ということになっているのはどういうことかということでございましたが、これは、この検討会議においても、例えば就学援助率と子どもの学力との相関が一定程度見られるということで、学力格差をこれ以上発生させないようにしようという考え方の下、特に学習内容が高度化する中学校については、そのための少人数指導であるとか、補充的指導という学習支援に取り組むところを加配措置によって応援していこうという考え方でございまして、経済的困難と書いたのは、積算をする都合というか、そういうところの子どもが多い学校に対して一定の加配措置を講じるという考え方でやっているわけでございますけれども、真にそういう困難な子どもに対する少人数指導とか学習支援をしっかり対応しようとする学校に対して、加配によって対応していこうという少人数指導の考え方も含めた対応でございます。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。

 今後、この検討会議は更に基礎定数と加配定数の効果的な組み合わせ等々もまた議論していく予定ですので、今日頂いた御意見等は、またそうした審議の場で生かさせていただきたいと思います。
 では、最後、「その他」ということで、学校段階間の連携・接続等に関する作業部会の審議状況の説明をお願いします。

【小谷教育制度改革室長】  それでは、資料3-1と3-2を御覧ください。学校段階間の連携・接続等に関する作業部会におきましては、これまで中高一貫教育制度について御審議いただいておりましたが、10月14日の第7回会議から、資料3-1のような新たな委員構成で小中連携について御審議を開始していただきました。本分科会からは小川分科会長が主査として、更に貝ノ瀨委員、無藤委員、天笠委員、向山委員に御参画いただいております。第7回の当日の会合では、文部科学省において実施いたしました全国の実態調査の結果ですとか、9月6日の前回の初等中等教育分科会で委員の皆様から頂戴いたしました御意見等を紹介した上で自由に意見交換をしていただきまして、資料3-2としてその主な御意見を項目ごとに整理し、列挙しております。
 今後は先進的な取組がなされている地域や学校のヒアリングなども交えながら御審議を深めていただいて、来春ごろを目途に作業部会での意見を取りまとめて本分科会のほうに御報告いただきたいと考えております。
 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。この小中連携の審議内容については、適宜この分科会に御報告させていただいて、皆さんからまた様々な御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、これで今日の分科会を終了したいと思います。本日はありがとうございました。

―― 了 ――

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