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初等中等教育分科会(第75回) 議事録

1.日時

平成23年7月25日(月曜日)10時~12時30分

2.場所

旧文部省庁舎6階 第二講堂

3.議題

  1. 中高一貫教育制度に関する主な意見等の整理について
  2. 「キャリア教育における外部人材活用等に関する調査研究協力者会議」中間取りまとめについて
  3. 「外国語能力の向上に関する検討会」審議のまとめについて
  4. 「学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議」議論のまとめについて
  5. 幼保一体化について
  6. 義務標準法等の一部改正等について
  7. 教育振興基本計画部会における審議状況について
  8. 理科教育設備基準の改訂について
  9. PISAデジタル読解力調査の結果について

4.議事録

【小川分科会長】 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまより、第75回初等中等教育分科会を開催したいと思います。
 本日の議題に入ります前に、このたび新たにこの分科会の委員になられた方がいらっしゃいますので御紹介します。新藤委員に代わって臨時委員になられました、全日本中学校校長会長の大江委員でございます。大江委員、一言お願いいたします。

【大江委員】 おはようございます。大江と申します。中学校は来年から、学習指導要領全面実施に入ります。一層努力してまいりたいと思います。よろしくお願いします。

【小川分科会長】 ありがとうございます。それでは、まず配付資料について、事務局からお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】 本日の配付資料でございますが、議事次第でお配りしておりますとおり、資料1から資料9まで、そして参考資料1、2とございます。不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。

【小川分科会長】 それでは、今日の議事に入りたいと思いますけれども、今日は初等中等教育分科会に関係します、様々な部会や検討会議からの報告が大変多く予定されております。限られた時間の中での各部会、検討会議からの御報告をいただき、さらにそれについての意見をお伺いするということになりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、最初の議題です。中高一貫教育制度に関する主な意見等の整理について、その報告と審議を行いたいと思います。これにつきましては、本分科会の下に設けました学校段階間の連携・接続等に関する作業部会において、昨年11月から議論を行ってきました。主査を私が務めておりますので、作業部会における主な意見等の整理については、私から御報告させていただきたいと思います。
 委員の皆様には、事前に資料はお届けしておりますので、今日は私から、要点のみ報告をさせていただきます。資料1を御参照ください。
 初等中等教育分科会では、初中局長からの審議要請に基づいて、教育振興基本計画や規制改革推進のための3か年計画といった閣議決定の内容も踏まえて、「学校段階間の連携・接続等に関する作業部会」を設置し、審議を現在進めてきています。以前、この分科会でも報告しましたように、本作業部会では、まずその中から、中高一貫教育について審議するということで、この間進めてきました。中高一貫教育については、これは皆さん御承知のとおり、生徒や保護者の選択肢を増やすということとともに、中等教育の複線化構造を進めるというような観点から、平成11年度から導入されてきました。中高一貫教育では、中等教育学校、併設型、連携型の3つの設置形態を制度化して、設置形態に応じて、例えば中学校段階における選択教科による必修教科の代替とか、高等学校段階における普通科の単位数の特例とか、また、中学校、高等学校段階間の指導内容の移行などについて、教育課程の特例というものを設けてきております。
 学校数は年々増えてきておりまして、最新のデータによりますと、402校が設置されております。私立学校が最も多くて221校、公立が176校、国立が5校となっております。制度創設後約10年間経過してきておりますので、果たして制度導入時にねらいとしていたような成果が上がっているのかどうか、また、制度導入時に懸念されていた課題が生じていないかといったような様々な観点から、中高一貫教育の検証と、その改善方策についての検討を行ってきたところです。
 昨年11月以降、文科省の実態調査の結果などを踏まえながら、関係の学校からのヒアリングも交えて、この間議論してきました。先月開催した第6回の作業部会において、同作業部会として、このような意見の整理をまとめさせていただきました。もう既にお目通しかと思いますけれども、今日の配付資料の資料1の25ページに概要をまとめておりますので、これを御覧いただければと思います。
 この内容については、ここに書いているとおり、例えば、中高一貫教育校において特色ある教育を展開するために、目指す学校像、生徒像の明確化とか、海外留学、国際バカロレアなど、特色のある教育活動の支援が必要であること。高等学校段階における学校設定教科の単位数、中学校段階における指導内容の学年間の移行など、教育課程の特例を拡充する必要があること。中高一貫教育校においては、特に中学校段階と高等学校段階の接続に当たる時期において、学習意欲の向上を図ることが重要であること。公立学校において入学者選抜を行う際には、アドミッションポリシーを明確にすること。また、各教育委員会において、いわゆる適性検査について検証する必要があること。その他、集団活動の評価、教職員の負担軽減のための取組、又は地域における中高一貫教育校の整備や、特に連携型の中高一貫教育校への支援といった内容について議論を整理しております。
 本作業部会では、今後、この中高一貫教育の検討に加えて、小学校、中学校との連携接続、さらには優れた才能や個性を伸ばす学習機会についても審議していくことになっております。簡単ですけれども、私からは以上、報告したいと思います。
 事務局から補足がございましたらよろしくお願いします。

【袖山主任視学官】 主任視学官の袖山でございます。よろしくお願いいたします。事務局から、1点補足を申し上げたいと思います。
 ただいま御報告いただきましたように、学校段階間の連携・接続等に関する作業部会におきまして、中高一貫教育制度に関する主な意見等の整理を取りまとめいただいたところでございまして、作業部会での活発な御議論に、事務局といたしましても厚く御礼を申し上げたいと存じます。
 この意見等の整理の取扱いについてでございますけれども、事務局といたしましては、この議論、内容につきまして、更に国民各層から幅広く御意見を聴取するという観点から、任意の意見募集という形で、いわゆるパブリックコメントを実施いたしたいと考えておりまして、このパブリックコメントの結果も踏まえまして、今般作業部会でいただきました意見の整理、内容を、今後の文部科学省における行政に生かしてまいりたいと考えている次第でございます。以上でございます。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、ただいまの報告内容に関して、何か御質問、御意見がございましたら御発言いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。では、安彦委員。

【安彦分科会長代理】 中高一貫教育推進会議に出ていたメンバーの1人として、国会での附帯決議があったと思いますが、受験エリート、受験競争の低年齢化に対する歯止めといいますか、そのことについては、やはり今後とも気を付けて、十分に注意していっていただきたい。受験そのものを否定するつもりは全くありませんし、その果たしている社会的な意味も十分認識しているつもりですけれども、やはり今の受験教育の状況を見ますと、非常に心配をいたします。
 とりわけ受験学力をあたかも本来の学力であるかのように思わせるような様々な報道、一般の方々の認識等の浸透を見ますと、正直言って中高一貫がかかわる学校のシステムは、ますますそういう面からしか見られなくなるような心配があります。それはちらっと聞いておりますが、従来やってきた適性検査を、学力検査という名前に変えて、明確に選抜試験であるということを正面から出したらどうかというような御意見も、委員の間にはあったかどうか知りませんけれども、周囲にはあるわけでありまして、その辺は私たち、そもそも推進してきた側の人間としては、やはり一つのけじめであると思っておりまして、その点は十分に認識していただきたい。
 ですから、当初、東京都などは、平気で「入学者選抜」ということばを、中学校段階の試験に対して使っていたわけですけれども、私ははっきりとそういう、言ってみれば不用意な表現はやめてほしいと言いました。当時の本省のほうでは、「入学者決定」方法というふうに、はっきりと選抜という言葉を避けて、建前というか、筋を通していたわけでして、その点、やはり今後気を付けていただきたいということで用語を変更してもらいました。以後、東京都のほうはそういうことでやっておられます。その辺のことはある程度議論されたかと思いますが、私としては意見を申し上げたいと思います。

【小川分科会長】 ありがとうございました。田村委員、どうぞ。

【田村委員】 ありがとうございます。今、安彦先生のおっしゃられた御意見と軌を一にする発言なんですけれども、中高一貫教育というのは、私は、いろいろな条件が合えば、非常にいい仕組みだと思います。子どもたちを育てる環境の中で、たくさんの環境があるんですけれども、かなり推奨できるいい仕組みだと思います。しかし、それがもたらす影響というのは、大人が考えなければいけないということを本当に認識していただきたいという気がします。
 要するに、たくさんの仕組みのうちの1つですから、それに乗れない子はどうなるのかということを配慮しないで、今、安彦先生のおっしゃったように、選抜をするという表現をすると、じゃあ選抜されない人間なんだというレッテル付けが小学校卒業生にされる危険があるわけです。ですから、公立で全国的にやっていくということが前提であるとすれば、よっぽど慎重に、そういう影響が及ぼされないような工夫をしながら、時間をかけてじっくりといい選抜方法を考える。選抜というか決定というか、そういう方法を是非工夫していただきたいと思います。
 中高一貫教育が、この6・3・3制の制度の中で、国立で一部、それから私立で一部、工夫して始められて、結果、内容がいいものですから、だんだん育ってきたという。それには数十年時間がかかってきているわけです。ですから、公立がおやりになるのも私は賛成なんですけれども、数十年かけてきたというこの経緯をよく考えていただいて、そんなに慌てて今やっているやり方をそのまま同じようにやるという、選択肢がないという考え方は、是非捨ててほしい。公立で、後から新しくやる場合は、いい教育なんだから、それによって悪い影響が残らないような工夫をしながら、そのいい教育が普及できるような仕組みとしていくよう、を努力してほしいということを是非お願いをしたいと思うんです。中高一貫を全国的に広げることに賛成して、応援してきた立場から、ちょっと心配しております。どうぞよろしくお願いしたいと思います。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、井上委員、お願いします。

【井上委員】 ありがとうございます。中高一貫教育の導入は、平成9年の中央教育審議会の答申で報告が出されたわけですが、これについては、実は昭和46年の中教審答申、あるいは臨時教育審議会の答申の中にも触れられておりまして、これについて導入するかどうか非常に慎重な調査研究会議が行われて、それに私も立ち会っていたわけです。この場合に、やはり生涯学習社会への実現を目指すという、臨教審答申の趣旨からいいますと、学力入学試験の激化というものを緩和するために、生涯にわたって人々が、ライフステージに応じた学習をしていく。その成果を社会全体で適正に評価しようという方向ですから、学校に入ることの、受験競争によって、それをいわば世間がエリート化するということは絶対避けなければいけないという観点で、この中高一貫教育を導入する場合に慎重な検討が行われたと記憶しております。
 その場合の議論としては、やはり従来の学校制度が6・3・3・4制の単線型であるものを、できるだけ子どもたちの個性、能力、適性に応じて複線化して、そういう個性、能力を適正に伸ばそうという観点から、小中の一貫教育とか、あるいは中高の一貫教育、あるいは高大の連携による学校制度の複線化というのがこの意図にあったと思うわけです。そういう意味で、中高一貫につきましては、やはりそういう観点からいうと、子どもたちの適性や能力や、興味関心をいかに適正に伸長させるかという観点からでございますから、受験競争を激化させてしまうと、これは全く趣旨にもとるわけでございます。そういう点、中高一貫教育校が、社会全体からいうとエリート校のように思われ、それによって入学試験を行うというのは、全く制度の趣旨と異なるわけでございますので、今、お二人の委員からもお話があったように、そういうことは絶対に今後ないように、中央教育審議会としても、十分そういう基本理念を踏まえた更なる改善策について、検討をお願いしたいと思います。以上です。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、輿水委員、どうぞ。

【輿水委員】 本件の意義につきましては、ほかの先生のおっしゃったとおりだと思います。私は、この3月まで小学校の校長をしておりましたので、実際に子どもたちを中高一貫教育校といいますかそういうところに送り出す立場におりました。ある意味では、受験という言葉はいけないというような話でしたけれども、現実のところはその要素はかなり濃いのではないかなと思う立場での発言をさせていただきたいと思います。
 これを改善していく――改善といいますか、本来あるべき姿を強力に出すためには、1つは、平成9年に出されました中教審の中身に、特色を出して6年間の一貫した教育をするんだと出ていて、それが1から7まで具体的に書いてあったと思います。その中には、じっくり学びたい子どもにはじっくりとというふうな、そんな特色まで書いてあったと思います。ところが、今、全国展開されている中高連携の、または中高併設の、中等教育における学校の特色のアピールの仕方は、エリート教育志向に偏っているのではないかと思わせるものがあります。何をこの学校は特色としているのか、どういうことを目指しているのかということが、小学校の段階になかなか具体的に下りてきていない現実があるのではないかというふうに思います。小学校での主体的で適切な進路指導を推進することが必要です。親のニーズというのは、複線化とはいいますけれども、やはり学力というのは大変大きな影響を持つ状況でありますので、どういうことをこの学校は具体的に考えて、具体的にどういうシラバスでやっていくのかということを、強力に小学校段階にアピールするような、そういう働きかけを是非やっていただきたいと思います。以上です。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、貝ノ瀬委員、どうぞ。

【貝ノ瀬委員】 貝ノ瀬です。この問題について、実態論のほうから申し上げれば、本市などの場合も、小中一貫教育を実施しているわけでありますが、今、全国的に相当小中一貫教育も拡大しているという中での中高一貫ということの中で、やはりその辺の接続の問題は非常に難しいところがあります。小中一貫は当然義務教育ですので、義務教育9年間で子どもをしっかり育て上げて、15歳で卒業させていくということ。本市でも9年間を一貫して子どもの教育をしていくという小中一貫教育を進めていますし、全国的に新しい義務教育学校を作れというような声が他の自治体からもあるわけであります。
 その中で中高一貫ということで申し上げますと、結局、中等教育学校ですと、小学校卒業段階で中学校の中高一貫に入っていくということで、小中一貫でしっかりと義務教育を習得した者が、中等教育学校を選択しようとしてもできないということになりますよね。ですから、選択の幅が広がっているとはおっしゃっていますけれども、そういう点で、もう少し考える必要があるのではないかと思います。
 実際、例えば近隣の中高一貫の学校の様子を見ますと、確かに公式的には次世代のリーダーを育てていくということで、人間力ということがうたわれておりますけれども、実際には、保護者の説明会には、どこどこの大学に何名合格させますというようなマニフェストを作って、保護者に説明しているという実態もあるようです。
 そうなりますと、小中、高もそうですけれども、それこそ学習指導要領でもって生きる力、そういうことをしっかりとやるということになっている中で、そういうマニフェストでうたわれた大学が、そこだけが生きる力を体現した大学であれば、そこにたくさん合格させようという趣旨ならばわかりますけれども、そういうことではないのではないかと思いますので、やはりその辺、原点に帰って、中高一貫も、もう少し考えていく必要があるのではないかと思います。以上です。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、橋本委員、お願いします。

【橋本委員】 失礼いたします。今、入り口、出口というところのお話が主でございましたが、青森県には、連携型と併設型がありますけれども、いずれもかなり一生懸命されて、よくいっているのではないかと思います。
 そして、特に併設型を見ますと、高校生の先輩のモデルがそばにいるとか、専門的な芸術等の学習もできるとか、それから、森林環境学習という広い視野で、国際的な面でいろいろな学習ができるとか、大学の先生からもいろいろ学べるというように、非常に内容が濃くなっているときに、普通の中学校にとっても、今後の中学校教育を考える上で大変参考になる取組が多々見られるというところを見ますと、その地域の小学校、そして中学校にも大きな影響を与えているように思います。ですから、公立という観点からして、小さな町に作りましたということもありますけれども、そういう意味で育ててまいりたいと考えております。以上です。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、大江委員、お願いします。

【大江委員】 この趣旨が、中等教育全体の複線化、多様化に資するという話、受験競争の激化への対応、これは全く異論はないんですが、複線化、多様化というならば、通常の学校と中高一貫校、あるいは公立も含めて、それとの編入学も含めて、選択の機会を柔軟化していかないと、様々な課題が今後大きくなるかなという危惧を感じます。中高一貫校において、6年間継続しなかった生徒の実態も、十分踏まえながら検討したほうがいいのかなと思っております。以上でございます。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、天笠委員、どうぞ。

【天笠委員】 今、それぞれの御意見で、いわゆる中高一貫教育校のそれがということですけれども、この作業部会は、学校段階間の連携・接続に関する作業部会ということですので、ある意味で言うと、中学校と高等学校の接続というテーマの中でこれを取り上げたということなんだと思うんですけれども、改めてこのことを取り上げることが、中学校と高等学校の接続にどういうことになるのかとか、あるいは、これが小学校と中学校の関係、先ほども小中一貫、連携という話も出てきているということですので、そういうことにどう影響を及ぼしていくのか。更に言うならば、高大接続の関係というのが、このことによってどういうことになるのか。そういう意味における議論を更に続けていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

【小川分科会長】 最後の意見は、作業部会でもそういう意見が出ておりましたので、おそらく今後、小中連携とかそういうことで、いろいろまたやっていくかと思います。
 ほかによろしいでしょうか。では、一応この作業部会における意見の整理については、今、多くの委員から貴重な御意見を伺いましたので、それも踏まえまして、この内容については、今後意見募集を実施して、またその結果について、この分科会で再度報告させていただくというようなことにしたいと思います。
 先ほどもお話ししましたように、今回の中高一貫の検証・検討に続いて、この作業部会においては、今後小中連携についての議論を開始する予定になっております。新たにそうした小中連携のテーマを議論するに当たっては、委員の交代も含めて少し準備作業がございますので、それについては中央教育審議会令に基づいて、私と事務局のほうで調整させていただいて、進めさせていただきたいと思います。その点、よろしくお願いいたします。
 それでは、中高一貫に関する意見の整理については、これで一旦終わらせていただきたいと思います。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。キャリア教育における外部人材活用等に関する調査研究協力者会議の中間取りまとめです。担当は児童生徒課、よろしくお願いいたします。

【白間児童生徒課長】 失礼いたします。児童生徒課長でございます。お手元に資料2-1から3までお配りしておりますけれども、これを用いまして御説明させていただきます。
 キャリア教育における外部人材活用等に関する調査研究協力者会議でございますけれども、今年の1月に設置をしております。資料2-1に要項をお配りしてございますが、そこに検討事項1と2とございますようなことで検討をいただいており、メンバーにつきましては、資料2-2の最後の21ページにございますけれども、産業界の先生方、それからキャリア教育に係るNPOの関係の方、また関係省庁等からなりますメンバーで、今年に入りまして6回御議論をいただき、去る7月20日に中間取りまとめをいたしましたので、その概要を御報告させていただきたいと存じます。
 資料2-3としまして、1枚の概要のペーパーをお配りしてございますので、主にこれに沿って御説明させていただきたいと存じます。先ほど御説明いたしましたように、この会議は、キャリア教育に外部人材を導入するに当たっての体制作りですとか、あるいは活用方策といったことについて御議論をいただいているわけでございますけれども、これまでの6回では、その前提といった感じでございましょうか、なぜキャリア教育が必要なのかといったこと、それから、どうすれば学校でキャリア教育が行われるようになるのかといったところでかなり御議論をいただき、それが今回の中間取りまとめの主な内容となっているところでございます。
 資料2-3の概要の1番にございますように、1つは、本会議としてメッセージを発信をしたいということで、「なぜ『キャリア教育』が必要なのか」ということでございます。1つは、(1)にございますけれども、キャリア教育の理解の共有ということで、この会議としては、より分かりやすく、キャリア教育を子どもたちが社会の一員としての役割を果たすとともに、それぞれの個性、持ち味を最大限発揮しながら、自立して生きていくために必要な能力、態度を育てる教育であるということで捉えた上で、学校、教育界、そして地域・社会、産業界へのメッセージとして、(2)、(3)番としてございます。
 まず、学校、教育界へのメッセージとしましては、学校での学び・進路選択に、子どもたちがはっきりとした目的意識を持って取り組めていないのではないかといった課題意識の中で、1つは、社会の「本物」に触れさせたり、働くことの喜びを伝えたりすると同時に、また一方で、世の中の実態や厳しさといったものも伝えて、子どもたちがその両面を学ぶということが必要なのではないかということ。そして、「なぜ学ぶのか」を学ぶ教育として、キャリア教育は最重要課題に位置付けられるべきものではないかといったことでまとめてございます。
 また、地域・社会、産業界へのメッセージといたしまして、子どもたちは近い将来、地域社会へ巣立ち、我が国の社会・経済を担っていく。そういった子どもたちの育成というのは、産業界、地域・社会にとっても極めて重要な課題であるということで、子どもたちにその社会の本物、あるいは働くことの喜び、世の中の実態、厳しさといったことを伝えていくと。そして、進路選択に気付きや考えるきっかけを与えることは、学校、家庭はもちろんだけれども、地域・社会、産業界も連携して、その役割を担っていかなければいけないのではないかということで、メッセージを発しているということでございます。
 その下の2のところでございますけれども、では、「どうすれば学校で『キャリア教育』が行われるようになるのか」ということにつきまして整理をしております。まず現状につきましては、(1)にございますように、学校におけるキャリア教育については、それぞれの学校段階ごとに特有の課題があるわけでございますけれども、特に高等学校の普通科におけるキャリア教育を、これから関係者が一丸となってどのように作り上げていくのかというのは、非常に大きな課題ではないかということを、この会議では認識をした上で、またその際に、外部の教育資源等と連携・協働していくに当たっての調整ということに、やっぱり課題が大きいのではないかという認識をしております。
 その上で、(2)以下でございますけれども、「誰が本気になってキャリア教育を行っていくのか」ということにつきましては、もちろん学校が主体になって行っていただくということは言うまでもないわけでございますが、次のポツにございますように、例えば、報告書の中には具体の例が書かれてございますけれども、宮城県教育委員会等で推進している「志教育」といったこと。それから、埼玉県の例として、知事のリーダーシップの下で、「産業人材育成プラットフォーム」といった形で、産業界、知事部局といった方々の主導の下での連携の在り方。それから、福井県の例として、商工会議所等で、産業界提案型のキャリア教育を実践しているといった各地の事例なども、こういった取組にも期待をしていきたいということで、この報告書では掲げているところでございます。
 (3)といたしまして、教育課程の中にどのように位置付けていくべきかということについて、この会議で議論した内容でございます。1月の中教審答申でも述べられておりますけれども、教育活動全体を通じて、意図的・体系的・系統的に取り組むために、全体計画や年間指導計画の策定が必要だということはもちろんでございますけれども、そのキャリア教育を進める上での中核的な役割を担う学習活動といたしまして、すべての学校の特別活動や、総合的な学習の時間、道徳の時間で、ある程度の時間を割いて取り組んでいただきたいということをまとめております。また、その際には、大変先生方のお忙しい中で、こういったキャリア教育に取り組みやすい材料として、すぐにでも使用できるような実践例ですとか、あるいは授業例、指導案といったことも積極的に提供していくべきではないかということを提言してございます。
 さらに、中教審答申で御指摘をされておりました、高等学校普通科において、「産業社会と人間」等のような中核となる時間を明確に位置付けるということについては、是非検討を進めていくことが必要だということで、そのためにもキャリア教育の実践の効果についての調査も進める必要があるのではないかということを述べているところでございます。
 次に、「学校、教育委員会は何をすべきなのか」ということでございますけれども、まず現場の先生方に、このキャリア教育というものをよく理解をしていただく、深めていただくということが必要で、その場の設定が必要であろうということでございます。今、既に行っている様々な教育活動を、キャリア教育の視点でとらえ直して、キャリア教育の視点で焦点化をして、意図的・体系的・系統的に行うことができるように、そういった理解を深めるための場の設定が必要ではないかということでございます。
 ちなみに、今回の資料2-2の報告書の表題の下に「日常の教育活動の中でキャリア教育を意識する」といったサブタイトルがついているわけです。こういったところを十分に御理解を深めていただくといった場の設定ということであろうかと思っております。
 また、校内でのキャリア教育の体制といたしまして、校長のリーダーシップの下で推進委員会を立ち上げるなど、やはり学校全体として進めていただくといった体制作りが重要ではないかということでございます。
 そして、(5)と(6)でございますけれども、地域全体でキャリア教育を進めていただくという取組のための協議の場の設置といったものも必要だということ。また、これを全国規模でキャリア教育を後押しするために、国においても、例えばこういったキャリア教育コンソーシアムといった形での協議の組織を設置するですとか、あるいは、実際に先生方が学校の外部の方の支援の内容を一覧できるような、例えばキャリア教育ポータルサイトといったものを文部科学省ホームページに、是非設置をしてほしいというようなことも述べているところでございます。
 資料の最後の欄外の※にございますように、以上が中間まとめの概要でございますが、会議では今後引き続きまして、キャリア教育を進めていく上での体制整備の在り方ですとか、あるいは、それぞれの関係機関からの連携、協働をしていくためにはどういう仕組み、課題があるのか、そういったことについて議論を進めていただく予定にしておりまして、年内を目途に、最終的な取りまとめをしていただければと考えているところでございます。概要の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】 ありがとうございました。この協力者会議の中間取りまとめの案について、何か御質問、御意見があれば。では、梶田委員、どうぞ。

【梶田委員】 キャリア教育ということについて発信していきたいという結論的な内容はいいと思うんですけれども、ニュアンスに気を付けてほしいと思います。これだと社会のためのキャリア教育なんです。一人一人の子どものためでなく、一人一人の人間の側からでもなくというニュアンスが強い。
 どういうことかと言いますと、詳しい人もおられると思いますけれども、アメリカでもある時期非常にキャリア教育が言われました。そのときに、社会の側の都合に上手に合わせていける人材を作るだけではだめだと。一人一人が幸せに人生を送るにはどうしたらいいか、人間の側からの、一人一人の側からの発想がなければいけないということがよく言われました。この文脈でよく用いられた言葉が自己実現であり、アイデンティティーであり、あるいは自己概念でありという、そういう経緯があります。別にアメリカがそうだったから日本でやらないといけないということではないですが、大事な視点だろうと思います。
 ただ、2008年1月の新しい学習指導要領のための中教審答申の最初のところに、生きる力というのは、世の中に出てうまくやっていくための基礎的な力であると同時に、一人一人が自分に合わせた個性的な人生を送っていくための土台、基礎になる力だというような趣旨が書いてあるんです。このことの意味が分からないと。定年までは社会の都合に合わせることでいいんです。ここにおられる人たち、ほとんどの人が社会からの引退が近くなっているでしょう。90まで生きていく時代に、社会的な意味でのキャリアだけでやっていけます?
 つまり、一人一人の自己実現、一人一人がどういうアイデンティティーを持ってどういう形で世の中にもはまり込んでいくか、それを通じて、自分の人生というものをどう作っていくのか、という視点が強烈になければいけないのではないでしょうか。それがないままでは、それはお国としてはそうおっしゃるけどね、という話で終わってしまうんですよ。
 今、大学を卒業して、就職して1年間、あるいは2年間の間に、どれだけたくさんの人が仕事を変わっているか、これは御存じだと思います。しかもそれは気軽に変わっているんじゃないんです。みんな非常に重い気持ちで、場合によってはうつ的な気分を伴いながら、変わっているんです。このことを、やはり頭に大きく置いていただいて、一人一人の側から、社会にどうやったらうまくはまってくれるか、であると同時に、それは大事なことなんですけれども、それと同時に、一人一人が自分の人生というものを自己実現的にどう考えていくかという視点が、やはり強烈に出ていてほしいと思います。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、井上委員、どうぞ。

【井上委員】 キャリア教育について、従来から中教審でいろいろ御議論していただいているのは非常にいいことだと思っているんですが、実際キャリア教育という場合、学校教育の中で職業教育をどこまでやるかということについて、このキャリア教育では、勤労観とか職業観を確立できるようにするというのが一般的な学校教育制度の中の考え方かもしれませんが、例えば、高等学校の職業教育を担う専門学科については、平成7年にスペシャリストへの道ということで、専門高校を、より職業に密接した専門教育を行うということを明示したはずでございますし、それから、5、6年前には、職場体験とかインターンシップを更に進めて、ドイツなどで行っているデュアルシステムを導入して、それによって専門高校においても、職業の実践的な技能を身に付けさせようという委託研究を文科省はやったはずでございますが、そういう点について全くここに触れていないのです。
 やはり今、梶田委員がおっしゃったように、高校を出ても普通科高校が8割を占めているようでは、学校を出て大学に進学しないという方が多いと、結局社会に出てどうなるかというと、フリーターになったりニートになったり、職業を転々と変わるという人が非常に増えているわけです。そういうことを避けるためには、高等学校段階でもっと職業に密接した教育を充実する必要があると、私は常々主張しているんですが、なかなかそれが最近は文部科学省にも理解されていないというのは非常に残念なのですが。
 そういう点で、高等学校が少子化で再編されていく段階で、職業高校が普通科高校の総合学科化とかそういうものに吸収されて、本当の職業教育が行われてこなくなっているのではないか。そこを非常に危惧しているわけですから、キャリア教育一般もそうですが、学校教育の中で、特に高等学校段階では、職業教育を担う専門高校を充実して、そこで社会に直結するような技能を、デュアルシステム等を導入して充実するということが私は非常に重要ではないかと思いますので、デュアルシステム導入について、文部科学省はどのように考えているか教えていただきたいと思います。

【小川分科会長】 今、井上委員からと、梶田委員からもありましたけれども、何か協力者会議での議論等でお答えするようなことがございましたら、よろしくお願いします。

【袖山主任視学官】 2点目の職業教育の充実につきまして申し上げたいと思います。デュアルシステムの導入につきましては、井上委員がおっしゃられましたように、委託事業、昨年から補助事業という形になりましたけれども、実施をしてきておりまして、他省庁と連携による、いわゆる担い手育成事業という形で実施をしてきたところでございまして、一定の成果を上げてきていると考えております。その成果を広く普及をするということを通じまして、いわゆるデュアルシステム的な教育の充実といったものに引き続き努めていく必要があると考えている次第でございます。

【小川分科会長】 ほかによろしいでしょうか。では、岩波委員、どうぞ。

【岩波委員】 岩波です。私、キャリア教育部会のメンバーとしても、皆さんにお世話になったんですけれども、先ほど梶田委員がおっしゃったように、根本のところを外すと非常に付け焼き刃的になってしまうなという気がしています。キャリア教育部会の中でもいろいろな議論があったんですが、まず仕事って何と。これはやっぱり世の中に貢献するということ。それから、それが翻って自分に貢献する。そこをどういうふうに教育の場で知らしめるかということ。これは教育だけではなく、社会に出てからもそうだと思います。
 それから、それぞれが小学校以降勉強していく中で、そういった学問なり勉強が、仕事が世の中にたくさんあるわけですが、どうつながって、どうそれが役立つかと。そこをやはりフッキングをしてあげないと、何のために勉強しているの、何のために足し算やっているのということになる。これはやっぱり日本の中で、終始一貫してやってほしいし、やっていきたいねというのが、産業界も含めての意見で出ていました。
 あと、キャリア教育では、いろいろな多くの専門学校も含めて、いい取組が随分されています。ただ、今日の資料2-3にもありましたように、なかなか共有化されていないというのが実態かなという気がしています。したがって、学校の中だけにとどまるだとか、地域だとか、教育行政の中でとどまってしまうのではなくて、それをもっともっと共有化して持てればいいのかなと。これはインターネットを駆使したり、あるいは材料云々ということにつながるのかもしれないですけれども、それをもっと放り込んだらいいのかなと思っています。
 それから、企業とか産業界があるわけですけれども、やはり産業界、あるいは企業群にとっても非常に重要なテーマなので、キャリア教育には経済界も協力をしてやっていこうという機運で、これは全然変わっておりません。
 そんな中で、今日もお話にありましたけれども、学校と企業、あるいは学校と産業界をつなぐコーディネーター。これはさっき冒頭に申し上げましたように、いろいろな仕事があったり、学問があったり、勉強があるわけですけれども、そこに多くの人がおられるわけで、それをどうマッチングしていくか。完璧にマッチング、ひも付けはできないのかもしれないですけれども、この努力を、コーディネーターという言葉はありましたけれども、定義からいうとそういったコーディネーターの方が、産業界からも出していってしかるべきですし、いろいろなところから出てきてつなげていくという活動が大事なのかなと思います。

【小川分科会長】 ありがとうございました。貴重な意見が出てきましたので、これを是非協力者会議のほうにも伝えていただいて、また後半の作業に生かしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 では、次に移りたいと思います。次は、外国語能力の向上に関する検討会の審議まとめについて。国際教育課からお願いいたします。

【中井国際教育課長】 国際教育課長の中井でございます。よろしくお願い申し上げます。
 外国語能力の向上に関する検討会ですが、これは昨年の11月に審議を始めまして8回の会合を行い、6月30日に審議まとめを発表いたしました。この会の目的ですけれども、御案内のとおり、新しい学習指導要領の下では、外国語能力について、読む、書く、聞く、話す、この4技能をバランスよく育てる、そうしたコミュニケーション能力の向上が求められております。では、本当に新しい学習指導要領の下で勉強した生徒が、実社会に出て困らないような外国語能力とは何だろう、それを身に付けるためにはどのようなことをしたらいいだろう、そういう目的意識で始まった会でございます。
 資料の22ページを御参照ください。ここに検討会の委員がございますけれども、委員の構成にもこの目的は反映されております。座長は下から2番目の吉田研作先生。中教審の吉田先生ですが、そうした中教審関係、英語教育界の先生方は半分、残りの半分は商社の方、メーカーの方、マスコミの方、金融界の方、スポーツ界の方。いわば実社会で、日本の英語教育をベースにグローバル化の著しい実社会で本当に苦労をされ、その苦労をベースに、今、それぞれの会社で後進を育てられているような方にも入っていただきました。その下で、新しい学習指導要領の中で、子どもたちが社会に出ても本当に困らないようなコミュニケーション能力を付けるための方策を審議した次第でございます。
 15ページに概要がございますので、これに基づいて御説明いたします。表題に、「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」とございます。実社会に出て求められる外国語能力というのはやはり英語であり、それも国際共通語としての英語であろう。すなわち、前置詞なども含めて、英文法を完璧に使いこなす必要はない。ネイティブのようなきちんとした発音をこなす必要はない。発音は若干乱れていて、文法は若干壊れていても、きちんと話せる英語能力が必要になるだろう。具体的には、基本的考え方の2にありますように、相手が誰であれ臆せずに積極的に話せる態度を持ち、相手が何を言わんとしているのかを的確に把握し、こちらとして言うべきことを説明し、反論、質問する能力、こうしたことが本当に必要なコミュニケーション能力ではないだろうか。では、これをどのように身に付けたらいいのか、そういうことを目的に議論が行われました。
 議論のベースになりましたものは、平成10年から15年の間に文科省で進めました、「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」でございます。この行動計画は、小学校段階から大学、更には社会人まで幅広いものでした。今回の答申は初中段階のものですので、その中で初中のものに絞り込み、また、実社会での経験を踏まえて本当に必要なものを優先度付きで絞り込んだものでございます。
 その結果、ここにあります5つの提言をいただきました。最初が、具体的な達成状況を明確化するということです。単に4技能をバランスよくというだけではぼやっとしておりますし、学習指導要領の到達目標も、必ずしも明確なものではございません。どこまでやったらいいのか、それをはっきりさせよう。実は、前回の行動計画の下でも、例えば中学の段階ならば英検3級、高校卒業段階ならば英検準2級から2級といったものを目安にしたらどうかといったことがありました。今回、学習指導要領が改まりましたけれども、この基準はそれぞれ学習指導要領の到達の1つの指針となりましたので、改めて確認されております。同時に、単に目標を掲げ放しではなく、各学校に対して外部検定試験を活用して、こうしたものの達成状況を把握・検証することを求めております。
 また、次の大きな課題としては、CAN-DOリストです。今、非英語圏、もしくは外国語教育の基準としては、具体的にどこまで、どういう能力ができるようになったのか、何ができるのか、CAN-DOリストで示すことが求められております。多くの国が、これを国単位で実現し、取り組んでおります。まだ日本は、これは非常に大変な作業でありますので、国としては取り組んでおりません。是非これは国としてもやるべきだといったことが求められております。
 提言の2が、勉強しようという意欲、モチベーションです。今、実際のところ、中学段階から英語が始まりますけれども、学年を追うに従って英語が嫌いになり、分からなくなる子どもが増えているのが実情であります。どれだけ立派な英語教育であっても、子どもたちが英語のモチベーションを持たなければ意味がない。そのための施策を、まず取り組むべしというものです。具体には、今の世の中、どの分野でもグローバル化というのが進んでございます。生徒の進路の方向とは関係なく、英語といったものは必要となる可能性が非常に高いですし、もし英語を使えさえすれば、製造業だろうと農業だろうと、仕事の幅は大変広がります。夢も広がります。そうしたことも伝えて、英語を一生懸命勉強させたらどうか。勉強する意欲を更に高めたらどうかというものでございます。この関連から、高校留学の有用性も指摘され、推進が求められております。
 3番目が、使う機会です。外国語、英語となりますと、これはスポーツのように習うより慣れよという部分が多いです。ただ、御案内のとおり日本では、週3回、4回の授業以外ではなかなか使う機会がありません。ここを何らかの形で増やさなければ、みんなが英語に寄り添う素地は付かないのではないか。具体には、今、JETだけでも4,000人の多くのALTの方がいらっしゃいます。そうした方を英語以外の課外活動等々で活用することで、生きた英語を使うことを増やしたらどうか、その工夫を考えたらどうか。また、ICTもございます。今、スカイプ等々を使えば、ほとんどお金をかけずに、姉妹校との交流はいろいろな形で行うことができます。そうした工夫を使うことで、単に授業で英語を勉強させるだけでなく、そこで学んだことを使う機会を増やすことが大事ではないかという提言です。
 4番目には、そうした非常に応用力が求められる英語教育を実施するために、英語教員の英語力、指導力を強化しよう、そのための拠点づくりの戦略的な英語教育改善を図ろうといったものでございます。従来、前回の行動計画の下でも、先生には英検準1級、それに相当するTOEFL、TOEICの点が求められておりました。今回は民間の方にも検討していただきましたけれども、例えば商社やメーカーが海外に駐在される方に求められる英語力と比べましても、これはそんなに突拍子のないことではございません。これをベースに先生方の英語力をきちんと確認し、把握していこう。また前回、SELHiといった拠点校構想がありましたけれども、この成果、また反省点を踏まえた新たな拠点作り、それにはスーパーサイエンスハイスクール等の連携もあるかもしれません。それについても議論が行われました。
 最後は、やはり入試です。どれだけしっかり初等中等段階で、学校の中でコミュニケーション能力を重視した英語能力をやっても、やっぱり入試のほうでそれに対応していただかないと、保護者も子どもたちも学校もなかなか対応できないのではないだろうか。実際、今の入試を見ますと、少なくとも話すということについては、ほとんど取り上げておりませんし、書くことについても弱いのではないだろうか。学習指導要領で求めているような4技能を総合的に問うような入試問題の開発・実施を促進しよう。また、そうしたものにある程度対応しているTOEFL、TOEICは、AO入試、一般入試でも使われておりますけれども、そうした外部検定の活用も促進したらどうかという提言でございます。
 初中教育に対しましては、学習指導要領が改まりましたその下で、コミュニケーション能力をバランスよく育てる英語力、外国語能力教育に努めてまいる所存ですが、こうした提言を踏まえまして、本当に実社会でも困らないような、子どもが実社会に出ても役に立つような英語教育が実現できるように心してまいるつもりでございます。雑駁でありますが、以上が説明でございます。どうもありがとうございました。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、今の外国語能力の向上に関する検討会の審議のまとめの内容について、何か御質問、御意見がございましたら御発言ください。では、北城委員、よろしくお願いします。

【北城委員】 大変的確な提言だと思います。この資料の24ページを見ると、TOEFLの国別ランキングで、全体163か国ある中で、日本は135位です。これは、日本の英語教育は、国際社会で活躍するためには不十分だということを言っているんだと思います。今、産業界では、企業のグローバル化に対応して、グローバル人材を育てなければならなくなっています。その中には語学以外にもいろいろな要素があるのですが、しかし、英語がしゃべれなければグローバルに活躍できないというのは現実です。なおかつ今の日本の英語教育では、24ページの全体順位が表しているとおり問題があります。そういう意味で、今の英語教育では、日本の国際化には対応できないということです。しばしば日本語教育を充実しなければいけない、外国語教育は後だというような意見がありますが、やはり明確に今の英語教育では不十分だというのを言うべきです。
 その上で、提言は非常に的確ですが、提言の後のところをもっと強く書いたらいいと思います。要するに、国立大学は、今のような英語での入試をやめるべきです。これは大学分科会とも関係しますが、TOEFLとかTOEICのスコアだけによる、話したり、聞いたり、読んだり、書いたりする能力を調べ、最低限この点数をとらなければならないとするのです。今の国立大学の入試とか、私学の入試を変えない限り、いくらこういう提言を出しても、受験に通らなければならないということになって、何も変りません。5番をもう少しはっきり書くべきです。AO入試とか言うだけではなくて、すべての英語の入試をTOEFL、TOEICに変えるというと、非常に大きなメッセージになると思います。
 それから、もう一つ、提言4のところですけれども、英語教員の英語能力、英語指導力の問題です。特に英語を母国語としない子どもたちに、英語をどう教えるかという教育方法が大事です。大学入試のための英語を教える教育方法ではなくて、国際社会で活躍できるような、聞いたり話したり読んだり書いたりできる能力をどう習得させるかという英語教育方法を開発すべきです。それを中学、高校の英語教育に入れていく必要があります。また、今の英語教育は、大学の受験に通るための英語教育のような色彩もあるので、何のために英語を学ぶ必要があるのかも教えるべきです。教員の英語力だけではなくて、英語教育方法についても考える必要があるということを強調していただきたいと思いました。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、渡久山委員、よろしくお願いします。

【渡久山委員】 ここに書かれていることはもっともだと思いますが、今、北城さんからもありましたように、どうも日本の英語教育というのは、教育のための教育という感じがしてならないんですね。しかし、今度学習指導要領を変えましたから、小学校から高等学校まで、英語を重視していこうと、学校現場は変わってくるだろうと思います。ですから、あと5年後の子どもたちが、少しは話せるかな、分かりませんが、そういうのが出てくると思います。
 ただ、1つ私が気にしているのは、ここにもありますけれども、外国語の検討会なんだけど、それが英語だけにシフトしている。僕はそんな時代は終わったんじゃないかなという気がするんです。もちろん英語を大事にすることは当然ですよ。今、国際語ですから。しかし、それだけでは日本の国際化には耐えられないのではないかという気がします。特に日本の場合、例えばハングルを話す人たちも非常に多いんです。中国人も多いんです。だが、中国語をコミュニケーションの手段として、あるいはハングルをコミュニケーションの手段として使える日本人というのは非常に少ない。そういう意味では、極めて日本は、国際的でない国の1つではないかなという気がするんです。ですから、今後は外国語といった場合、少なくとも高等学校辺りからは、英語以外の外国語が入ってくるようなカリキュラム作りというのが、今後の問題として非常に大事ではないかなというのが1つです。
 もう一つは、私が気になっているのは、今度、高等学校の英語の教員が英語で授業をするということは非常にいいんですが、そういう養成課程が大学にあるかどうかなんです。大学の教員が英語を使えて、英語で論文が書けてというのは非常に大事なんです。だがしかし、これは日本の大学の先生方は、それが欠陥と言っては悪いけど、非常に劣っているということは、よく国際的に言われているんです。ですから、この大学における英語教育をどうするんだと。
 ある大学で、ジャパニーズフリーというのを作ろうとしたんだけれども、猛反対にあった。何でかというと、それでこの大学は、英語を第2公用語としようとしている努力もあったんですけれども、そういうことがあるんですね。ですから、大学における英語教育や外国語教育は、もう少しコミュニケーションの手段として生きる英語ができるような形を是非とも考えておかなければ、これは今、北城さんが言われたように、受験のための英語だけになってしまうような気がしますので、1つ提言したいと思います。

【小川分科会長】 貞広委員、よろしくお願いします。

【貞広委員】 ありがとうございます。印象的な意見で恐縮ですが、今回のまとめは具体的施策を提案する趣旨で出されているものなので致し方ない部分があるとは思うのですが、リテラシーというよりもツールとしての観点が非常に強調されているような印象を受けまして、それを危惧します。今の英語教育を何らかの形で修正して、使える英語を身に付けるという観点は非常に重要だと思うのですが、学校は英会話学校ではないので、学校で行われる英語教育ということを考えると、もう少しツールというよりも、話す内容にこそ配慮した英語教育の在り方が必要であると思います。特に今回、新しい学習指導要領になりまして、英語に限らず、どう考え、どう表現するのかということが学習指導要領の全体のトーンになっていますので、そうした一般的なリテラシーの中にこれをどう位置付けるのか。または具体的には、ツールとしての英語教育と、国語、英語、その他の教科や活動で行われる教育をどうつないでいくのかということを、次の段階として考えていただければと思います。ありがとうございます。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、青山委員、お願いします。

【青山委員】 ありがとうございます。全国高等学校長協会の青山と申します。
 今回のこの具体的施策、基本的な考え方に基づいて提言が5つ示されておりますけれども、前回の行動計画の状況と、それから、今回平成28年度達成ということで、これから実際に動いていく環境と、やっぱり大きく異なっているのは、小学校に外国語活動が入ったということ。それから、中学校で学ばなければいけない語数が増えたということ。それを受けて、高等学校が全体的に小学校から上がってくる人たちを受け入れて、そして、その人たちを大学等に、今度は送り出していくということになります。
 提言1のCAN-DOリストというのも、非常に抽象的には当時もあったのかもしれませんけれども、ここのところにきて、CAN-DOリストというのはかなり明確に準備されて、それに基づいて、既に指導が始まっているという基礎環境があります。それを提言1で強調していると、私は解釈しています。
 それから、提言2の海外留学につきましても、留学の制度が出来上がって、一時期高まったものが日常化をして、他の諸事情も影響して前面から後退しました。今後、今の社会状況の中で、これからどういう形で充実していくのかというところも、ここに目標を設定しているわけですけれども、それをどういうふうに達成する方向に、プロセスに乗せていくのかというところで、これは全国的にも考えていかなければいけないところだと考えています。
 それから、提言4のところで、これは先ほどの中高一貫教育校にもかかわってくるわけでありますけれども、私は提言4の白丸4つ目のスーパーサイエンスハイスクール。このSSHで取り組まれている英語の教育、英語指導というのは、今後の英語を中心とした外国語教育を充実させていく1つの指標になってくるのではないかと思っています。つまり、トータルに様々な文献に当たって、その文献を取捨選択し、それを分析し、それをまとめ、コンストラクトして、そしてプレゼンテーションしていくという一連の流れなんですが、その中に、英語が主体になっているのではなくて、英語は先ほどもお話がありましたとおり、ツール化しています。それを使わなければ形成されないということで、あまり英語というもの自体に主眼を置くのではなくて、それはあくまでも媒介的手段であると思います。それを巧みに使うことによって、自分の意思を表明していこうという、非常に総合的なものがありますので、SSHの学校の生徒たちの力が伸びていることが実証されていると思います。
 ですから、SELHiがある意味、一時期非常に高まったんですけれども、やっぱりそれは英語指導そのものをどうしようかという考え方で取り組んだために、ある時期に来て詰まってしまったということであるのではないかと思います。ですから、もっと効果的なものにするために、今後もし、また第2のSELHiということをお考えになるのであれば、その行き詰まった部分を打開していくように工夫していくと、発展的につながっていくのではないかと思います。
 最後に、提言5のところですが、これについては大学入試制度の内容について触れられていて、いろいろお考えいただいていると思うんですけれども、それでは、いわゆる制度全体はどうなんだろうかということです。グローバル社会に対応するということで1例を申し上げるならば、既に委員の皆様も御案内のとおり、東京大学が秋季入学のことについてプロジェクトを立ち上げ取り組んでいること、それから、つい最近は、10月に英語オンリーでの入試を始めることを具体化していく方向性を示したことが報道されているわけですけれども、いわゆる大学入試の時期をどうするのか、大学入試自体の構造をどうするのかということについても、おそらくこの提言5をまとめるベースには、委員の皆様が意識的に御検討になっているのではないかと思います。このことを今後どう具体的にお示しいただけるかというところに、1つ大きなポイントがあるのではないかと思います。以上です。

【小川分科会長】 では、橋本委員、どうぞ。

【橋本委員】 今、青山委員が最後におっしゃったことにも少し関連するのですが、大学入試との関連で考えますと、余り高校にいろいろと言うことは、例えば海外留学の推進とかうたわれていますけれども、大学入試ということが高校にとっては大変大きな課題でありますので、やはりその辺は考えていただきたいなと思います。
 提言4のところで、教育委員会の立場からいたしますと、教育委員会は、教員採用の際に外部検定試験等を活用し、英語力を求めるとなっておりますけれども、英語力を求めるという、これには誰しも反対をしないことではあります。
 しかしながら、今、現状といたしましては、教員免許をもって教員採用をしているということからしますと、やはりその辺は大学の先生方のお考えで、反対をする方も多いと。そういう資格を付与するということもありますし、やはりできれば大学の教員免許をとる課程の中に、そのような英語力向上に相当する単位を入れて、それを外部試験でも代えられるというような仕組みを作っていただくということのほうがいいのではないかと考えます。このことにつきましては、十分に教育委員会の意見も聞いていただきたいなと思います。特別選考のほうでは、そういう資格を持っている者を採るという二本立てでやっておりまして、必ずしもそういう高いスコアを持っている者が、指導力が高いという現状ではないこともお伝えしておきます。以上でございます。

【小川分科会長】 ありがとうございました。今、5人の委員の方から御意見がありましたけれども、中井課長から何かあればよろしくお願いします。

【中井国際教育課長】 本当に貴重な御意見をどうもありがとうございました。幾つか我々のほうでも、これはと思うことについて、ポイントを御説明いたします。まず、入試との関連でございます。これは基本的に、初等中等教育局への提言です。初等中等段階で学習指導要領を実施する際に、どのような要素を考えたらいいかというための提言でございまして、大学入試、大学のほうでもいろいろなことを考えての判断ですから、初等中等段階だけでの議論では必ずしも議論が尽きるものではありませんけれども、ただ、そうはいっても、今、初等中等教育段階でコミュニケーション能力をバランスよく育てようとしているならば、やはり大学のほうでもそれを受けとめてもらいたい。そうしたメッセージは強く出すべきではないかということで、こうした形でまとまったものでございます。
 いただきました意見を含めまして、この点につきまして、提言5については様々な御意見、指摘がございました。そうしたものは担当の高等教育局にも伝えまして、今後のことについても議論していきたいと考えております。
 あと、英語力といった点だけですけれども、これについても相当議論はされました。ただ、これは本文の冒頭の1ページの「1.はじめに」の下から2段落目にありますけれども、やはりグローバル化の社会の中で、何が必要な外国語能力かというと、様々な言語が存在するんですけれども、コミュニケーションの手段としては、英語が国際共通語として重要なんだと。英語も国際共通語として、すなわちネイティブの英語じゃなくてもいい。国際共通語としての英語が大事なんだ。したがって、この検討会では、外国語能力向上の検討会でありましたけれども、まずは国際共通語としての英語に取り組もうといったものが出た次第でございます。
 あと、ツールだけではなくというのは、そのとおりです。基本的には、これまである意味、ツールの要素も大事なのですけれども、要はツールというよりは、話す内容、思考力、先方の言ったことを理解し、何を言うのかきちんとまとめる力。また、臆しない態度、そうしたもの全体を取り組んでいこうという形で議論が進められました。そうしたものを進める中で、拠点校の整備、いろいろな議論が出ましたけれども、SELHiの指摘、SSHの指摘がございましたけれども、SSHは非常に英語の部分については、英語力向上にも有効でした。これは取り込んでいこうという議論がありました。SELHiについては、どうしてもこれまでは学校単位であったために、周りの学校に対するシェア、知見の共有が進まなかったり、拠点となったSELHiに対して、英語教員が替わってしまったら継続的な取組が続かなかったりという指摘もございました。それゆえこれからは、SELHiといった点ではなく、教育委員会に面として英語教育の強化といったものを進めてもらおう。そうしたことを議論した次第です。
 今、御指摘いただきました点、いずれも審議会では十分取り込んで議論されていましたし、足りない点につきましては、その点を踏まえまして、これから取組を進めてまいりたいと考えております。どうもありがとうございました。

【小川分科会長】 ありがとうございました。
 では、次の議題に入っていきたいと思います。学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議の論議のまとめです。これは参事官から御説明をお願いします。

【下間参事官】 初等中等教育局の参事官でございます。お手元の資料4に沿いまして御説明申し上げます。
 中ほど参考資料の1ページ、2ページ、3ページの辺りを御覧ください。昨年の10月に設置をされました学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議でございます。趣旨のところにございますように、学校、家庭、地域の連携による新しい学校づくりが進む中で、その中にあります課題についてさらに進める観点など、学校運営を今後より効果的・効率的なものにするとともに、学校の自主性・自律性を高め、保護者や地域に開かれ、信頼される学校づくりを進めていくために、実効性のある学校運営の改善方策について、本分科会の委員でもございます千葉大学の天笠先生に座長をお願いいたしまして、これまで9回の会議を経て御議論のまとめをいただいたところでございます。
 資料4の冒頭、表紙を開いていただきますと、概要がございます。この概要に沿いまして御説明を申し上げます。まず、議論の背景と問題意識でございますが、枠囲みの中に要約してございますけれども、その下のポイントに沿いまして簡単に御説明を申し上げます。取りまとめに当たりまして、まず学校と地域との連携は、教育施策の中心的な柱ということで、これまで教育改革の中で様々な取組がなされてございます。そうした中で、新しい公共の概念でございますとか、社会の意識変化を踏まえた今日的な学校と地域の連携の在り方について、議論をいただいたところでございます。また、東日本大震災を契機といたしまして、教育論からの学校と地域の連携にとどまらない、学校と地域の関係が問われているという認識を共有されたということでございます。
 このような中で、平素からの学校と地域の人々との関係づくりが、人々の学びと成長を促し、ひいては子どもたちを守り、地域を守ることにつながるという認識の下に御議論をいただいたところでございます。
 2ページでございます。そうした中で、「地域とともにある学校」ということでございますが、そうした地域とともにある学校の目指すべき学校運営の在り方として、これもポイントに沿いまして御説明を申し上げます。
 ポイントの1にございますけれども、地域とともにある学校づくりに必要な目指すべき学校運営の在り方に、必要なことは2点ございます。1つは、地域でどのような子どもを育てていくのか、何を実現していくのかという目標、子ども像といったものを共有いただくこと。その際、当事者間で納得のプロセスが不可欠であるということ。また、学校における教育活動や学校運営に、地域の人々が参画し、共有した目標に向かって、ともに活動していくこと。この2つのポイントにつきましては、学校と地域の方々の相互理解と信頼関係が不可欠でございまして、そのために、学校運営には以下の3つの機能を備えることが必要ということです。1つ目に、関係者が当事者意識を持って、熟慮と議論、「熟議」を重ねること。また、学校と地域の方々が「協働」して活動すること。また、それを支える学校の組織としての「マネジメント」という3つの機能を備えることが必要ということでございます。
 その際、これらについて、関係者の努力と様々な取組を引き出す「仕掛け」を作っていくことが必要であり、本文のほうでは、例えば、コミュニティ・スクール、学校運営協議会ですとか、学校支援地域本部などの、地域と学校がつながりを持つ体制を作ることなどが取り上げられているところでございます。
 こうした地域とともにある学校づくりによって得られる成果ということで、ポイントの2番目でございますけれども、4つ挙げておりまして、子どもたちの「生きる力」を育むことができると。例えば、様々な多様な人々とのかかわりの中で、社会性の育ちが促進されるとか、地域の人々に支えられて学んでいくことで、地域への愛着が芽生えるといったようなこと。2点目として、教職員、保護者、地域住民等がともに成長していくということでございますとか、3点目、学校を核として、地域のネットワークが形成され、地域の活力が向上する。また4点目として、地域のコミュニティの基礎力が高まるといったことを挙げております。
 そうした中で、今後の推進方策として、国が何をしていくべきかというところが3点目でございますけれども、ポイントに沿いまして御説明をします。最初に、国に求められる役割は、今後の具体的な推進目標を打ち出すとともに、各地域・学校での取組を後押しする、運用上、制度上、財政上のあらゆる角度からの支援の実施ということが挙げられておりまして、具体的な推進方策として5つ挙げてございます。
 「熟議」「協働」「マネジメント」等をキーワードとして、1つ目が、今後5年間で、コミュニティ・スクールの数を全公立小中学校の1割に拡大をしていくということでございます。コミュニティ・スクールにつきましては、本年4月現在で789校、約800の学校でございますので、全公立小中学校の数の1割を約3,000校としますと、あと2,200校増加させていくということになります。また、今後の学校運営の必須のツールとして、すべての学校で、実効性ある学校関係者評価を実施する。保護者でありますとか、地域の方々による学校関係者評価を実効性あるものとして実施をしていくということ。
 また、3点目、中学校区を運営単位と捉えて、複数の小中学校間の連携・接続に留意した運営体制を拡大するということ。4点目といたしまして、学校の組織運営の管理にとどまらない「マネジメント」ということでございます。学校の組織としての総合的なマネジメント力を強化していく。また、5点目といたしましては、地域コミュニティの核として、今回の東日本大震災で被災いたしました学校を再生・再興いたしまして、震災復興の推進力となるよう、総合的な支援を実施するというようなことをおまとめいただいたところでございます。
 さらに今回の検討のまとめは、学校・家庭・地域の連携の在り方といったことを中心に御議論を賜りましたので、先ほど冒頭で御説明を申し上げましたとおり、学校評価の在り方などにつきまして、また別の観点からの御議論が残ってございます。したがいまして、この協力者会議におきましては、今後、学校評価のワーキンググループを設置いたしまして、高等学校など様々な学校種を含めました学校評価の在り方について、引き続き議論を進めていただくこととしてございます。今回の検討をおまとめいただきまして、文部科学省といたしましては、地域の自発性と独自性に基づいたそれぞれの地域とともにある学校づくりを支援するため、具体的な施策の検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。

【小川分科会長】 ありがとうございました。これについて何か御意見、御質問があれば御発言いただきたいと思います。では、大江委員。

【大江委員】 感想めいた話になりますが、資料2ページのポイント(1)で、目指すべき学校運営を実現するため云々の2行目です。教育委員会と教育長の明確なビジョンと行動が云々とありますが、これはとても大きなポイントかと思うんです。これは本当は設置者も入ってきたほうがいいのかなと。義務教育では、設置者と地域の関係が非常に強うございまして、教育委員会だけに責任をというのは非常に厳しいのかなという感想を持つところでございます。学校と地域の一体化には、やはり設置者及び教育委員会による学校支援が不可欠であります。学校、地域、行政が一体化できるシステムを作っていかないと、学校の場だけではなかなか難しい。
 今、学校の再生、独自性とか、地域のとおっしゃいましたけれども、学校のと切り替わってしまうと形骸化するのではないかという不安もあります。学校週5日制の土曜休業日が、本来は学校ではなくて地域でという趣旨であったにもかかわらず、現在は学校による学習活動、部活動が中心になってしまっているという現状もあるわけでありまして、やはり学校の負担が増えるだけでは、なかなかこれは立ち行かないだろう。やはり教育委員会、設置者、学校の目的と役割、責任を明確にするようなシステム作りが必要かなと思います。以上です。

【小川分科会長】 ありがとうございました。井上委員。

【井上委員】 ただいまの御意見にも関連するのですが、実は学校、家庭、地域社会の連携というのは、ずっと戦後言われてきたことです。具体的に本当にどこまで進んでいるのかというのがよくわからない点があります。確かにコミュニティ・スクールが800校できたというので、地域社会がその学校運営に参加して意見はおっしゃっていると思うのですが、具体的に、例えば学校の現状を見ますと、先生方の超過勤務が一月約40時間という実態があるわけで、こういう教員の勤務実態から言うと、学校、家庭、地域が連携すれば、それは家庭や地域社会が担うべき役割もその中にあるわけですから、それらを精選して、これは学校が本来やる、子どもたちと向き合って教育をするのはもちろん学校ですから。あと、家庭が本来やるべき、家庭の子どもたちのしつけとか、あるいは日常の生活に対するそういう指導とか、そういうのは家庭がやるとか、あるいは、地域社会で子どもを全体として見守って、非行等に走らないようにするとか、いろいろ役割分担があるわけで、それを今は、どちらかというと学校がみんな背負っているのではないか。
 それを抱え込んでいるから、月40時間も超過勤務の実態が出てきて、学校は先生方が忙しくてなかなか子どもたちに向き合う時間がないというのが実態で、現場の先生方の声だと思うのです。これはある意味では、本来学校がやるべきではない、担わなくてもいいような仕事まで学校が抱え込んでいるからそういうことになっているので、その辺は、せっかくこういう学校、家庭、地域の連携と言う以上は、それぞれの役割分担も明確にしていかなければ、抽象的なことを言っても説得力がないので、今の学校の、校務が非常に多くなっている実態が何ら軽減されずに、子どもたちに向き合う時間もないのではないか。かえってこういういろいろな連携事業で、会議ばかり多くなって、先生方が子どもたちに向き合う時間が減っていくということになっては本末転倒でございますから、そういう点についても、更に具体的な検討をすべきではないかと思っております。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では渡久山委員。

【渡久山委員】 どうもありがとうございました。今、井上委員が言われた側面は、非常にあると思うんです。この学校運営協議会を審議したときに、学校評議員会から始まっていったと思うんですけれども、学校評議員会で成功しているところは、地域との関連も非常にうまくいっていたと思うんです。ですから、それを一歩進めて、学校運営協議会という形にしていくということは、僕は基本的にはいいと思うんです。ただ、現在PTAの関係者もいらっしゃるかもしれませんが、地域やPTAとの関係でいうと、やっぱり一定の教頭や校長や職員だけが対応していて、その人たちは非常に忙しくしているんですが、全くそこには地域性はないわけです。
 これが1つと、もう一つは、やっぱりいろいろ学校に意見があって、なかなか難しい意見もあるものだから、学校から直接出ていくということはなかなか難しい面もあるというような側面もあるんです。多忙化というのもあるんですけれども、1つはそういうようなことが、逆に地域に開かれていた学校であれば、それは保護者の中でいろいろ議論をして、無理な意見が分かってくるという状況も起こっているんです。ですから、そういう面では、やっぱり開かれた学校づくりというのは非常に大事だと思うんです。
 ただ、残念ながらいろいろ言われているように、学校は陸の孤島とまで言われているぐらい、非常に閉鎖性が高いです。ですから、そういう中では、今、800校ぐらいしかないということ自身がそうですね。それから、指定校にしたら、やむを得ずやるんですね。しかし、指定校は大体2年ぐらいやって、終わればその学校はどうなるか。継続的にやるかというと、ほとんどの場合そうなっていないんです。だから、文部科学省の権威で指定校をやると、2年間は頑張ろう、済んだらやっとほっとしたという感じになってくると、全く意味がないんです。研究事業の中にはそういうことが非常に多いんですが、この問題はそうではなくて、地域の保護者や地域の住民が、学校行政、あるいは学校のいろいろな問題に参画しようということですので、そういうことにはならないはずなんですが、残念ながらそれがうまくいっていません。かつてこれができたときには、ルビコン河を渡ると誰かが表現したんですが、今、どこにルビコン河があるかも分からないぐらいの程度になっているんです。
 そういう意味では、日本の学校は、余りにも閉鎖性が強過ぎる。逆に言うと、今、委員から言われたように、学校の教員が余りにも多忙で、子どもたちに向き合う時間さえないのに、またこれで地域のかという形が言われているわけですから、そういう面も抜本的に解決しなくてはならないだろうと思います。
 ただ、ここには校長とか、教育長なんかもいらっしゃいますから是非お願いしたいのは、実は、これをやっていく場合に抵抗するのは校長とか教員、教員が何でまた新しい雑務を持ってくるんだと言う場合もあるんですけれども、行政層が非常に大きな決定権を持っています。ですから、そういう意味では、指定校として学校を指定するのではなくて、教育委員会、県を指定するというような感じで、県全体で1つの取組、あるいは市町村で、1つの自治体できちんとした取組をして、そこで成果を上げていくということも考えられたらどうかと思うんです。一校一校別々にするのではなくて、地域、自治体を指定して、そこで3年ぐらいはやってみるという感じでやられたらどうかと思います。今でも既に成功している自治体もあることを知っているんですけれども、どうぞそういう面では大胆に、積極的に進めていただいたらいいのではないかと思います。以上です。

【小川分科会長】 では、貝ノ瀬委員、どうぞ。

【貝ノ瀬委員】 貝ノ瀬です。この協力者会議の提言をまとめるに当たりまして、天笠座長さんと一緒に委員としてお世話になりましたので、一言申し上げたいと思います。この中身についてですが、やはり地域と信頼関係を持って連携を図っていくというのは、今までお話が出ておりますように、昔から言われておりますし、これを誰も否定する人はいらっしゃらないと思います。ただ、やはりこのことをもっと積極的に受けとめて、これをてこにして、地域の皆さん方、家庭ともしっかり信頼関係を持って連携をする中で、やはり教育の質を高めていく、学校の質を高めていく、子どもをよりよく育てていくということが更に必要だろうと思います。そういう意味では、このコミュニティ・スクールというものは、大きな力になるツールの1つだろうと思っております。
 私自身は、自治体の教育の責任者として、すべての学校をコミュニティ・スクールとして指定して、10年がかりでやっておりますけれども、手前みそかもしれませんが、一定の成果が出ていると思っております。京都なども相当数の学校を指定して成果を出しておりますが。そういう中で、やはり私は、今、様々な課題を抱える教育の中で、コミュニティ・スクールというのは、非常に大きな教育改革のツールの1つだろうと。今――今ですよ、今現在考えられる中では、やっぱりベストな仕組みだろうと受けとめております。毎年検証をしながら進めておりますけれども、これは市民の皆さん方にも喜んでいただいておりますので、やはり私どもとしては、自分たちだけのことではなくて、できればいいものはもっと知っていただいて広がっていけばなおいいなということで、私も積極的にこれについてかかわっていきたいと思っている立場の人間です。
 先ほど大江委員から、彼は全国の中学校の校長会の会長ですけれども、全国の校長会の会長が前向きに御発言なさいましたけれども、大変心強い限りです。先ほど御意見のありました、校長先生が多少腰が引けているというところも、私もそれは感じておりますけれども、そういう意味では積極的な御発言があって、私はこれから3,000校どころじゃなくて、5,000も1万もいくのではないかと考えておりますが、そんなふうに積極的に取り組んでいきたいと考えております。以上でございます。

【小川分科会長】 では、安彦委員、どうぞ。

【安彦分科会長代理】 この点については、今もお話がありましたが、学校側が腰を引いているということについて少し説明いたします。説明するといいますか、この点は是非気を付けていただきたいと、私自身は考えております。例えば、こうやって「地域とともにある学校」という言葉一つとっても、私としては、現状を見ていて心配をしております。というのは、今の学校教育全体を見たときに、例えば、モンスターペアレントの問題だとか、様々な、いわば外の保護者の方、あるいは産業界の方、いろいろな人が、先ほどのキャリア教育もそうですし、外国語もそうですけれど、学校側に対して要望をしてまいります。しかし、この点はしっかりと認識していただきたいのですが、学校は、実は公教育を施している場所でありまして、私教育をする場所ではありません。この点は、もちろん教育という部分では共通する部分がありますけれども、公教育というのは、あくまでも一定の法律の下で、憲法、教育基本法、学校教育法等の下で教育活動をしているわけでして、先生方は勝手に教育をしているわけではありませんし、また、自分たちの要求、考え方だけでやっているわけではありません。その点、地域とともにとか、こういうことを言ったときに、得てして、私もある学校の運営協議会のメンバーになっていますけれども、例えば、受験圧力的な発言を不用意に学校側に行う。こういうことはかなり日常的にあると思いますが、私は、それは基本的には公教育本来の役目である、例えば、受験するしないとか、そのために必要な能力をすべて学校が身に付けさせるべきだとか、そういうことまでは、公教育というのは直接には関与していないと思います。
 もちろん、公私は非常に区別が付きにくいのではないですか、という議論をする方もありますけれども、まずは私教育と公教育の区別はしっかりと付けておいていただきたい。分担と協力という言葉も、言葉としてはありますけれども、実は中身についてはかなり吟味していただかなければいけないわけでして、私教育の部分がいいかげんで、それを何もかも学校によろしくみたいな形で、学校に求めたりしている状況を見ますと、保護者、あるいは地域の方たちの不用意な発言というのが強まってくる、という懸念をいたします。その部分については、分担と協力の中身が、実は違うわけでありまして、何もかも一緒にという言い方は、これは非常に危ないと私は思います。学校教育というのは、公教育の中心的な柱ですけれども、その部分についての責任というのは、あくまでも学校側が責任を持っているということについての認識を、教員はやはりしっかりと持っていていただきたい。地域の保護者、あるいは地域の住民の方が、ある意味で自分たちの教育論で、勝手にこうすべきだ、ああすべきだということを言った場合に、例えば国全体、あるいは国民としての最低の基礎教養等はどうなるか、ということが心配になったりするわけであります。
 この部分につきましては、是非しっかりと吟味していただいて、まずは公教育と私教育の区別をした上で、必要なところは共通に、ということを考えていかなければいけないと思います。それをやっていただかないと、いろいろな部分で、何もかもが学校に要求されてきて、それでそれを引き受けなければならないという状況が生まれてきつつあり、正直言って、今、受験圧力が非常に強まっているものですから、それこそ、公教育は危機に陥っていて、受験教育のほうにからめとられそうな状況が、特に中等教育学校その他の様子を見ていますと、生まれてきつつあると感じています。是非この点、学校運営の改善というところでは、しっかりと吟味しながら進めていただきたいと思います。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、五十嵐委員。

【五十嵐委員】 ありがとうございます。学校現場を応援していただく心強い発言だったかなと、ありがたく受けとめておりました。一小学校校長としての発言をさせていただきます。
 地域の力は本当に大きいです。特に本校は、古い伝統があり、4代、5代目というような子もいます。本校はコミュニティ・スクールとして、あらゆる角度から支えてもらっています。まずは、初任者の課題研究を、地元の農家の方が農業体験ということで面倒を見てくださって、若手教員の育成にもかかわってくださっています。それと、やはり家庭の教育力をつけたいという、どの学校もそうだと思いますが、基本的な生活習慣をしっかりつけるために、学校運営協議会が中心となって、家庭にも働きかけ、親子花まる週間の企画を立ててくださいました。学校、家庭、地域とが一緒になって学校を支えてくれています。
 そういった意味では、コミュニティ・スクールは、やはり学校がきちんとしたビジョンを打ち出すことがまず大前提だと思っています。その応援団といいますか、そういうフォローを地域の方が一緒になってやってくれています。地域の力を盛り込みながら学校運営をしています。私は今、本校ではそのような状況になっていて、大変ありがたいと思っているところなんです。
 本来、公立学校は、教育委員会のビジョンがあって、その中にあるわけですが、私は逆に、もっと個々の学校の校長に権限が欲しいと感じています。裁量が欲しいです。予算もままなりません。人事面でも教員公募は限られています。ほとんど形式的な面があります。もっと本当に地域に根ざすためには、一歩出たいなというそういう思いをしている校長もいるということで、発言をさせていただきました。
 地域との連携力については、先ほどのキャリア教育ともかかわりがあるんですけれども、これからの教員に求められる力の1つだと思います。英語力も同じです。これからの教育には、全体的にこういう新しいことが求められています。このことを、学校現場に入ってすぐにというのはなかなか厳しいですし、新しいカリキュラムに基づいて進んでいるわけですから、教員養成でしっかり新しい教育についての理解をしておいて欲しいと思います。すべての根源は教員養成課程にあるのではないか、ということを、今までの発言を聞きながら思っているところです。以上です。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、天笠委員、お願いします。

【天笠委員】 私が取りまとめ役をさせていただいたんですけれども、その間、そこにありますように9回会議が開かれたわけで、いろいろな御意見がありながら、今、御報告をいただいたような形でまとめさせていただきました。その間、常に基盤になっていた部分の1つというのが、この家庭、学校、地域との関係にかかわって、初中分科会でこの10年発してきたことの検証ということが常にありました。御承知のように、1998年に学校裁量ですとか校長権限の拡大ですとか、そういう方策が打ち出され、その後、様々に学校評議員制ですとか、地域運営のコミュニティ・スクールとか、御承知のような形でいろいろなことが出てまいりました。それはこの初中分科会がその提言をしてきたわけでありますけれども、それらが果たして功を奏してきたのか、ということ。
 それら一つ一つが、それぞれがそれぞれとしてということであって、もう一度、ある意味では仕切り直しというんでしょうか、組み立て直しというんでしょうか、あるいはもう一度今日的状況の中で捉えなければいけない、整理しなければいけない課題を、こういう形で整理させていただいたと捉えていただければと思います。ある意味では、ここからもう一度、それぞれのお考え、見解を出していただき、それを引き継いで、さらに次への展開に持っていきたいなという心づもりで、これをまとめさせていただきましたので、そういう意味で引き続きそれぞれのお立場から御意見をいただければと思います。以上です。

【小川分科会長】 ありがとうございました。
 では、次に移らせていただきます。次が議題の5ということで、幼保一体化についてです。これは幼児教育課からお願いいたします。

【濵谷幼児教育課長】 幼児教育課長でございます。お手元の資料5-1から5-3に基づきまして、簡単にポイントのみ御説明させていただきます。
 幼保一体化を含む子ども・子育て新システムにつきましては、昨年9月からワーキングチームを設けまして議論をしてまいったわけでございますが、去る7月6日に中間まとめの案が出まして、結論としては座長一任になっておりますけれども、近々中間まとめとしてまとまる資料の概要でございます。
 まず経緯でございますけれども、資料5-3の、67ページ、68ページをお開きいただきたいと存じます。子ども・子育て新システムにつきましては、閣僚レベル、それから、副大臣、政務官レベルの作業グループの下にワーキングチームを3つつくりまして、議論を重ねてまいっております。68ページでございますが、全体を議論する基本制度ワーキングチーム、幼保一体化について議論するワーキングチーム、指針の在り方について議論するワーキングチーム、3つのワーキングチームで議論を重ねてまいっております。それぞれ開催実績は御覧のとおりでございます。
 メンバーでございますが、69ページでございます。基本制度ワーキングチーム、末松内閣府副大臣を座長にいたしまして、中教審の無藤委員、大日向委員、それから北條委員も含め、経済界、労働界など関係者が参加して、議論を重ねてまいったということでございます。
 中間まとめの概要でございますけれども、資料5-2でございます。1ページに考え方が書いてございます。子どもは社会の希望であり、未来をつくる力であるということ。第1パラグラフが、子どもの立場から、乳幼児期の教育が、生涯にわたる人格形成の基礎を培う極めて重要なものであり、未来への投資でもあること。そして、子どもの健やかな育ちが大人にとっての願いであり喜びであること。子どもの最善の利益を考慮し、すべての子どもが尊重され、その育ちが等しく確実に保障されるよう取り組まなければならないということ。
 一方で真ん中のパラグラフは、家庭、子育ての立場からの記述でございます。子育てをめぐる環境が非常に厳しい状況であること。子育てとは本来、日々成長する子どもの姿を通じて、親に大きな喜び、生きがいをもたらす営みであり、親としての成長を支援していく必要があること。ワーク・ライフ・バランスを推進する必要があること。最後にそのためにはということで、子育てについての第一義的な責任が親にあることを前提にしながら、子ども・子育てを支える機能を新しい形で再生する必要があるというのが、基本的な考え方でございます。
 ポイントでございます。資料5-3に戻っていただきまして、その4ページでございます。具体的内容のポイントでございます。すべての子どもへの良質な成育環境を保障し、子ども・子育て家庭を社会全体で支援するということで、すべての子ども・子育て家庭への支援。これは子ども手当や地域における子育て支援の様々な事業などでございます。それから、2つ目の柱が、幼保一体化ということでございまして、この中で、給付システムの一体化。いわば財政面での幼稚園と保育所を一体化するということ。それから、もう一つが、施設の一体化ということで、新しい学校教育と保育を総合的に提供する新たな施設類型を作るという、こういう2つの一体化を進めようということでございます。
 幼保一体化の具体的な内容でございますけれども、同じ資料の17ページでございます。給付システムの一体化、施設の一体化とございます。給付システムの一体化の具体的仕組みでございますけれども、これにつきましては、地域において市町村が学校教育、保育の需要をはじめ、子ども・子育てに関する需要の見込み量の確保のための方策と内容、計画を策定する。計画に基づいて、適切な供給体制の整備を行っていこうということ。それから、2点目が、指定制度の導入でございますけれども、これは待機児童対策ということで、多様な事業主体の自由な参入を促進することによって、量の確保をしようということ。3点目が、財政の一体化、給付の一体化ということで、学校教育・保育に係る給付を一体化した新たなこども園給付(仮称)という給付を創設しまして、学校教育・保育に関する財政措置に関する二重行政の解消と公平性の確保を図るということでございます。
 大きな2つ目、施設の一体化でございますけれども、これは現在でも認定こども園という制度がございますけれども、認定こども園という制度を発展的に継承するということで、新たな施設として、学校教育・保育、それから家庭における養育支援を一体的に提供する総合施設(仮称)を創設しようということでございます。
 18ページでございますけれども、市町村における計画的な整備ということで、子ども・子育てに関する様々な家庭の状況に応じた形で、給付としては子ども・子育て支援給付(仮称)、それから、様々な事業を、市町村が計画的に整備していこうという内容でございます。
 19ページでございます。幼保一体化の具体的な進め方でございますけれども、様々な議論がございましたけれども、結論といたしましては、国におきまして、幼保一体化を含む全体に関する指針を策定する。それから、今申し上げましたような財政措置の一体化等によりまして、幼稚園や保育所の総合施設(仮称)への移行を政策的に誘導していこうということでございます。ただ、具体的な幼保一体化などについては、各市町村におきまして計画を策定しまして、計画的な形で推進していこうということでございます。例えば、都市部では、学校教育・保育、いずれの数も足りないということで、当面はいろいろな施設、事業の量を増やしていくという対応が必要だろうと。そういった中で、将来的に子どもが減少した局面においては、既存施設の一体化を進めていくというような形が考えられましょうし、人口減少地域におきましては、現在でも幼稚園や保育所を一体的な施設に収れんしていくような動きが進んでおりますけれども、それを今回の仕組みによりまして、計画的な形で推進していこうということでございます。
 それから、給付の一体化の具体的な中身でございますけれども、32ページでございます。先ほど、こども園給付(仮称)と申し上げましたけれども、幼稚園、保育所、現行制度では左下に図がございますが、幼稚園は私学助成、保育所については保育所運営費ということで財政措置。事業者に対する財政措置も、利用者が払う保育料も考え方が違うわけですけれども、これを新たなこども園給付(仮称)ということで、基本的には一体化した新たな給付を創設しまして、標準的な教育時間、あるいは長時間保育、それぞれの時間に対応するような給付を、基本的な考え方を統一した上で給付を行っていこうというようなことでございます。
 それから、施設の一体化でございますけれども、37ページでございます。新しく学校教育・保育、家庭における養育支援を一体的に提供する総合施設(仮称)を創設しようということでございます。現行制度では、幼稚園は標準4時間の学校教育、保育所では、保育に欠ける子どもの保育を行っているわけですけれども、新制度ではこれを総合的に行う新たな総合施設(仮称)を創設しようということでございます。
 39ページでございますけれども、現行制度でも、幼稚園と保育所の双方の認可を持つものを行政者が新たに認定する認定こども園という制度があるわけでございますけれども、認可・認定が3つあるということで、二重行政、三重行政と言われているわけでございますが、これを新しく総合施設法と(仮称)いうものを作りまして、1本の認可にいたしまして、行政ルートも一元化をしていこうということでございます。
 具体的な制度設計の概要については41ページでございますけれども、認定こども園におきましては、学校教育法、児童福祉法、認定こども園法に基づきまして、それぞれ設置主体、職員、研修、監督、政治的行為の制限などにつきまして、幼稚園籍の職員あるいは子どもか、保育所籍の子ども・教員かで、全部適用する法律が異なるわけでございますけれども、これを新たな法律を作りまして、それぞれ質の高い学校教育・保育を提供する観点から、新たな規制体系に一本化していこうという内容でございます。
 それから、最後に、財政面のことでございますけれども、この資料の一番最後のページ、70ページでございます。今回の幼保一体化を含む子ども・子育て新システムは、社会保障改革の一貫として位置付けられておりまして、特に給付面での一体化、あるいは質、量の拡大ということで、財政的な措置が必要でございます。所要額とございますけれども、右に2015年、2025年とございますけれども、この税制抜本改革の中で、0.7兆円程度確保しながら進めていこうということでございます。また、税制抜本改革以外の財源を含めて、1兆円程度の措置を今後検討するということでございます。また、真ん中にC工程とございますけれども、新システムの具体案を早期に取りまとめ、税制抜本改革とともに早急に法案提出というスケジュールとなってございます。
 最後に資料5-1に戻っていただきまして、今回のまとめは、中間的な取りまとめということでございます。一番下の丸にございますけれども、このワーキングチームといたしましては、先ほど申し上げたような工程表にあるように、税制抜本改革とともに早急に法案を提出できるよう、残された課題、国、地方、事業主の負担の在り方、利用者負担の在り方、国における所管の在り方などについて、できる限り速やかに検討を再開するというようなスケジュールになっております。以上でございます。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、今の子ども・子育て新システムに関する中間まとめ案について、何か御意見や御質問があれば御発言いただきたいと思います。では、北條委員、どうぞ。

【北條委員】 昨年9月以降から、この問題は精力的に検討が行われてきたわけでございますけれども、その場に参加してまいりましたけれども、率直に申しまして、大変違和感のある中での議論であった。それがいよいよ幼児教育課の皆さんの本当にお骨折りによって、何とか中間まとめ、まあまあ何とか飲み込めるところにきたということでございますが、その違和感のよってきたるところは、そもそも論をしてもしようがないというのは分かっているんですけれども、そもそもの始まりが、経済政策、労働政策として位置付けられた課題であったということでございます。
 例えば、ここで中教審の議論をすれば、教育体系の中での初等教育段階で、どういう教育の在り方が望ましいのかという議論になるわけでありますけれども、全くそういうことではないわけでして、経済政策、労働政策として検討するというのが前提にあるというところに大きな違和感を持っておりました。
 それから、もう一つは、先ほど認定こども園についての御説明もあったわけですが、私どもは、従来から中央教育審議会と社会保障審議会の合同の検討会議の検討の中で、お互いに合意したものとして認定こども園の仕組みをつくってきた。そして、認定こども園法の下で、幼保の一体化について推進を図ってきたという立場であります。認定こども園法は18年10月に施行されたわけで、まだ5年もたっていない。5年もたっていない段階で、新しい総合施設(仮称)というものを作っていくというやり方というのが、本当に子どもの育ちを考えていく上でいいやり方なのかということには、率直に申しまして大きな疑問がございます。
 事、ここに至っておりますので、中教審の先生方に、今後のこととして、大きな課題がこれからも残ってまいりますけれども、このいわゆる総合施設(仮称)というものは、学校の性格を持つということになってまいります。そうしますと、新たな公立学校、新たな私立学校というのが生まれてくることになりますので、現行の教育法体系の中で、それをどう取り扱っていくのかというのが、今後すぐに問題になってくる課題でございます。そのことが1つです。
 それからもう一つ、現在は、これが小学校入学前に基本的に限定されております。一部については小学校教育段階、学童保育のことが一部入ってきておりますけれども、教育と保育を一定的に検討するということが、実は幼稚園段階だけの問題ではなくて、直ちに小学校段階、中学校段階に広がってくる問題だという観点を私どもは持っておりますが、そういう観点から、やはり中教審の先生方には、是非注目をお願いいたしたいということでございます。以上です。ありがとうございました。

【小川分科会長】 ありがとうございました。ワーキングチームの無藤委員、何かございましたら。

【無藤委員】 制度の中身、案ですけれども、それは既に御説明がありましたので、私が参加して、特に私は中央教育審議会の委員でもございますので、その立場から一言だけございます。
 いろいろなねらいが最初に挙げられていて、今、北條委員の御指摘のとおりでもありますけれども、もう一つ、やはり幼児期の教育というものをいかに充実させていくかという視点も大きなものだったと思います。幼児期の教育というのは、大きく言えば教育基本法第11条においては、乳幼児期全体を考えながら、その質を上げていくという趣旨だと思いますし、また学校教育法においては、3歳以上のいわゆる幼稚園教育でありますが、それを保育所その他に広げていきながら、乳幼児期の子どもの育ちを、より高いものにしていこうという趣旨だと思います。いろいろな意味で限られた枠がある中で、ぎりぎりのところでこの案がつくられたということで、今後よりよい仕組みになることを、私としては期待しているところです。以上でございます。

【小川分科会長】 ありがとうございました。
 では、次に議題6に入ります。義務標準法等の一部改正等についてということで、これは財務課・初等中等教育企画課からお願いいたします。

【伯井財務課長】 財務課長の伯井でございます。義務標準法等の一部改正と、その後の検討会議における検討につきまして御説明を申し上げます。
 資料6-1からの枝番号のついた資料で説明をさせていただきます。資料6-2でございます。いま一度経緯をおさらいさせていただきますと、資料6-2の1ページの2のところでございますが、昨年の3月から、本初等中等教育分科会におきまして審議をいただきまして、昨年7月には、少人数学級の推進等を求める提言をいただいたわけでございます。その後、2ページでございますが、概算要求を行いまして、昨年末の3大臣合意におきまして、小学校1年生の35人以下学級を実現すること。そして、2,300人の定数改善を行うということ。さらにこのことを義務標準法の改正により措置するということとともに、24年度以降、すなわち小学校2年生以上も含めた定数改善につきましては、学校教育を取り巻く状況や、国・地方の財政状況等を勘案しつつ、引き続き予算編成過程において議論をするということになりました。
 それを踏まえまして、予算案の閣議決定がなされ、さらに今年の2月4日に、政府として法律案を提出いたしました。国会審議の過程におきましては、新たな加配事由、小学校の専科指導でありますとか、特別支援教育に係る新たな加配事由の創設。更には東日本大震災に係る定数上の特別措置。また、教職員の定数配分に当たって、都道府県教育委員会に対して、市町村教育委員会の意見を十分に尊重することを義務付けることなどの議員修正が行われまして、その結果、義務標準法及び地教行法の一部改正法といたしまして、本年4月15日に全会一致で可決・成立し、同22日に公布されたというものでございます。
 法律の具体的な内容の概要が資料6-3でございます。1ページを御覧いただければと思いますが、1年生について、国の学級編制の標準を35人に引き下げるということでございます。このことについて、公布日から施行をしております。そして、附則におきまして、(1)の2つ目の丸ですけれども、政府は学級編制の標準を順次改定すること等について検討を行い、その結果に基づき、法制上その他の必要な措置を講ずることなどとされておりまして、現在検討会議で、今後のことも含めた議論を進めているということでございます。そのほか(2)で、市町村が地域や学校の実情に応じて柔軟に学級を編制できる仕組み、学級編制の弾力化を促進していくための仕組みの構築といたしまして、従前都道府県教委の事前協議、同意が必要でありました学級編制につきまして、これを事後届出にするなどの改正を行い、この点につきましては、24年4月から施行するということにしております。さらにこのことについては、都道府県における定数配分をしっかり行うような議員修正も行われたところでございます。
 その次のページは、先ほど御説明いたしました加配事由の追加について、小学校において専門的な指導が行われる場合、あるいは、障害のある児童生徒に対する特別な指導、あるいは指導体制の整備を行うことについての加配事由の追加が、これも議員修正によって法定されたというものでございます。
 この国会審議におきましては、様々な御指摘がなされました。それをまとめておりますのが資料6-5でございます。
 1ページ目が加配教職員の十分な確保の重要性。御案内のように、教職員定数は児童生徒数、すなわち学級数をベースとした基礎定数という、将来に向けて安定的、確実な基礎定数が、70万人の公立義務教育諸学校の教職員のうちの64万人が、この基礎定数で占められております。そのほか約1割の7万人は、個別のメニューに応じて申請されたものに対して査定をし、加配をするという加配定数。基礎定数と加配定数を組み合わせて台頭していますが、加配についても十分な確保が必要であるというような趣旨の御指摘がございました。また、2ページも同じような趣旨でございますが、それをそれぞれのメリットに応じてバランスよく措置すべきではないかというような趣旨の御質問でございます。
 3ページ目は、少人数学級を既に独自に行っている都道府県があり、小学校1年生で言いますと、約93パーセントの学級が35人以下学級に既になっているという中で、法案を出す趣旨はどういうことなのかというような御質問に対しまして、既に少人数学級を実施している都道府県であっても、他の学年に活用する、あるいは他の教育条件の改善に、国としての標準定数の算定を御活用いただきたいというようなことで、全体としての配置の改善につながるんだというような趣旨の答弁をしているところでございます。また、弾力化後の教職員定数の配分というのを、できるだけ設置者である市町村の意見が尊重されるような形で、都道府県教委が定数配分すべきではないかというような趣旨の御質問。さらには、3でございますが、計画的な定数改善。年次定数改善計画の見通し。これを今後議論していくわけでございますけれども、そういうことについての御質問。さらには少人数学級の教育的な効果、検証、評価の仕方などに関する質問、財源についての質問等々が出たわけでございます。
 これらを踏まえまして、資料6-1でございますが、本年の6月から、公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議を、副大臣主催の下に設置をいたしまして、少人数学級の推進、あるいは、指導方法工夫改善の在り方、その中で、基礎定数と加配定数の適切な組み合わせによる教職員定数配置の在り方、さらには設置者や学校の意向を十分反映した学級編制の弾力化の在り方、今後に向けた計画的・安定的な学級規模、教職員配置の適正化方策などにつきまして、できるだけ既に実施している自治体等のデータからくる教育効果についてのエビデンスに基づいて、可能な分析を行いながら検討を進めるということにしているわけでございます。
 委員は、資料6-1の2枚目でございますが、木村主査、それから、本分科会長の小川副主査の下、16名の先生方の御協力を得て、3枚目にあるような具体的な検討事項について、現在も御検討を行っていただいております。本日も午後、第5回目の会合を行うわけでございますが、これは検討事項につきまして、既に少人数学級、あるいは学級編制の弾力化等を実施している自治体関係者、あるいは学校長の方々、さらには有識者の方々、その中には経済学の観点からの有識者の方々なども含めまして、まずヒアリングを行い、検討を進めているという状況でございます。以上でございます。

【絹笠企画官】 では、引き続きまして、初等中等教育局の企画官をしています絹笠と申します。私からは、今の義務標準法にも一部かかわりますので、県費負担教職員の人事権につきまして、2点ほど御説明させていただきたいと思います。
 資料6-3の2ページ「(4)その他」のところを御覧いただきたいと思います。「(4)その他」の丸1のところに、公立の義務教育諸学校の学級編制並びに教職員の任免等及び定数の在り方について検討〔改正法附則第4項関係〕ということでございますが、こちらはこの法案の国会審議のときに、議員修正でこの附則が付け加えられたところでございます。
 この教職員の任免等の意味でございますけれども、3月30日に実際審議されたわけでございますが、文部科学委員会における審議の中で、この附則にかかわられた議員の方からは、この任免等というのは都道府県と市町村教育委員会の間の役割分担のこと、具体的には県費負担教職員の人事権の移譲のことについて意味しているということの説明があったところでございまして、そうしたものにつきまして、移譲による活性化のメリットと、また過疎化、そうしたところの懸念のこと、または市町村などの広域化などについて検討していくべきではないかということが、説明として加えられたところでございます。
 もう1点、県費負担教職員の人事権に関しまして御説明させていただきたいのが、今度は資料6-6を御覧いただきたいと思います。資料6-6は「事務処理特例制度を活用した人事権移譲の動き」ということで表題を付けさせていただいておりますが、簡単に経緯を申しますと、大阪府におきまして、現行の制度を使って人事権を3市2町のほうに移譲したということに関することでございます。まず一番上の丸でございますが、大阪府におきましては、従前から府から市町村への権限移譲について御検討されていたところでございますけれども、2つ目の丸にございますように、この県費負担教職員の人事権の移譲につきましては、現行制度上移譲が可能かどうかにつきまして、大阪府教育委員会から文部科学省に問い合わせがございまして、それが昨年4月でございました。それに対しまして、3つ目の丸にございますように、同じ昨年4月30日、大阪府に対しまして、県費負担教職員制度の趣旨・目的、広域的な人事異動であるとか、教職員の適正な人事配置、そうした趣旨・目的が損なわれない範囲において、現行制度である事務処理特例制度を活用して、県費負担教職員の任命権に関する事務を市町村が処理することができる旨回答したところでございます。
 それを踏まえて、大阪府の北摂地域(豊中市、池田市、箕面市、豊能町、能勢町)におきまして、大阪府から北摂地域の3市2町への人事権移譲につきましてそれぞれ御検討された結果、今年、先月6月3日、府議会におきまして、この事務処理特例制度を可能とする条例が成立したところでございます。
 一番下の丸にございますように、この条例が実際に施行され、任命権が移譲されますのは来年4月ということでございまして、それに向けまして、現在豊能地区準備室が設置されまして、府教委からの事務引継ぎ、人事管理システムの整備などが進められているというのが現状でございます。この県費負担教職員の人事権につきましては、中央教育審議会においても何度か御提言いただいたところでございますが、実際このような形で移譲するような試みが出てきましたのは初めてでございますので、この施行に向けました3市2町の準備状況なり、実際施行された後の実施状況なども十分踏まえながら、初等中等教育行政における重要な一課題として、又は教育振興基本計画における教育行政の充実に関する一課題として広く御意見をいただきながら、また御検討いただければと考えているところでございます。以上でございます。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、今の事務局の説明について、御発言のある方、いらっしゃいますか。では、向山委員、よろしくお願いします。

【向山委員】 定数改善については、長く学校教育関係者の悲願でありました。このたび31年ぶりに定数改善を小学校1年で実現したということで、特に財務課中心に、関係者の皆さんには大変感謝を申し上げます。これを是非小学校の2学年以上、あるいは中学校に拡大をしていただきたいという趣旨から、幾つか申し上げます。
 1点目は、昨年の3大臣合意のときに、今後の学校教育の状況を勘案しつつ、これからまた検討するということであります。今後の学校教育の環境というのは、昨年議論したときと変わっていないということがあります。当然数十年ぶりに教育内容を増やす教育課程であります。これは変わっておりません。それから、教員の多忙感、先ほど安彦委員から御指摘がありましたけれども、平成18年の調査で、1日約100分の超勤なわけです。前に超勤の調査をしたのは昭和41年で、そのときは10分だったわけです。我々が子どものころの先生は、1日10分だった超勤が、今、100分になっていると。
 そして、今日のいろいろな項目、施策も大変それぞれいいんですけれども、やっぱりどうしてもビルド・アンド・ビルドできているわけです。スクラップする部分が少なくて、ビルド・アンド・ビルドできていると。カウントの仕方にもよりますけれども、何々教育、国際理解教育とかキャリア教育というのは、100ぐらいになってしまってるわけです。そういった教育内容を増やしていく、そして課題も大変増えていくという現状は変わっていないわけですから、是非1年生だけではなくて2年生以上、あるいは中学校にも拡大してもらいたいということが1つ目です。
 2点目は、昨年の夏でしたか、元気な日本復活特別枠の中で、国民からのいろいろなコメントを集めたわけですが、そのときにも、3位ぐらいだったでしょうか、大変高い評価で、たくさんの実施してほしいというコメントが寄せられたわけです。こういった国民からの大変な大きいニーズもあるということも、是非踏まえていただきたいと思います。
 3点目は、やっぱり平成23年、1年生から始まっていて、どうしても予算の査定をする側は、効果の検証を求めるだろうと思います。23年始まって、4か月、5か月たってどうだったんですかと。ただし、この効果検証というのは、わずか数か月というのは大変難しいだろうと思います。この辺のところで性急に効果検証を、それほど変わらないんじゃないかということで切るようなことは、是非やめてもらいたいと思います。
 そして、最後4点目ですけれども、長いスパンで見ると、やっぱり10年後には義務教育の子どもは1割も減ってしまうわけです。一人一人の子どもたちが資質を伸ばしていかないと、今後の30年、40年の我が国は立ち行かなくなるわけですから、きめの細かい教育をするためにも、是非先生の数を増やすということをしていただきたいと。以上4点であります。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、髙橋委員、お願いします。

【髙橋委員】 初めに、定数改善につきましては、私もかかわった者の1人といたしまして、文部科学省には、改善法案を通していただきましてありがとうございました。特に小学校1年生については、学校生活に慣れる時期という考えからすると、非常に効果があるということでございます。それから、1年生を更に2年生、3年生、中学校への拡大、これは向山委員と同じですので省略いたします。
 私といたしましては、町村教育長会と関係しておりますので、そのほうでお願いしておきます。やはりこういった改正がなされた場合には、全国どの市町村においても、ある程度そういった利益が公平に享受できるような体制が必要かなと思っております。特にきめ細かい、質の高い教育を目指した少人数学級ということで、今までは各市町村割でもって、少人数加配が年間何人と、市町村教育委員会でもって各学校に配置していた。そういう少人数の加配があったんですが、小学校1年生の35人学級ができてから、これは県によっても違うのかもしれません。特に茨城県、それから多くの県の場合には、例えば今まで各市町村割で8人いた少人数加配が4人に減ってしまった。県全体でも、今まで700人いた少人数加配が300から400人減ると。各市町村公平に平等に減らされてきたものですから、35人学級は、多くを抱える大都市においては、結果としていいほうに働いたんですが、中小の市町村によっては、逆にその効果を享受できないで、少人数加配が減ってしまう。今まで1人いたものがゼロになる、2人いたものが1人になる。結果としてそうなってしまったものですから、是非次年度からは、この部分について改善していただければありがたい。先日のアンケートでも、その旨要望しておいたところです。以上です。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、大江委員どうぞ。

【大江委員】 定数改善につきましては、本当に天の岩戸が開いたというような思いであります。とても感謝をしております。ただ、検討会議に期待いたしますのは、検討事項の(3)に、「設置者や学校の意向を十分反映した」とありますので、とても大きな期待をしているところであります。趣旨の冒頭に、新学習指導要領の本格実施とか、いじめ等の学校教育上の課題というふうに明記しながら、中学校の学習指導要領の全面実施に合わせていないというところが非常に不可解な部分でございまして、是非小学校2年生、中学校1年生の拡大をお願いしたいと。以上、意見でございます。

【小川分科会長】 ありがとうございました。3人の委員からいただいた意見等については、今、検討会議が進行中ですので、そちらのほうにお伝えするようにいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題、教育振興基本計画部会における審議状況について進みたいと思います。生涯学習政策局からよろしくお願いいたします。

【森友教育改革推進室長】 失礼いたします。資料7に基づきまして御説明させていただきます。
 第2期の教育振興基本計画につきましては、去る6月6日に開催されました中教審の総会におきまして、文部科学大臣から、その策定についての諮問がなされたところでございます。
 まず、46ページをお開きください。教育振興基本計画につきましては、教育基本法の第17条に基づきまして策定する計画でございます。10年先を見据えた5年間の計画として策定をされております。現行計画につきましては、平成20年度から24年度までの計画となっております。この計画につきましては、地方公共団体におきましても、政府の計画を参酌して計画を定める努力義務が課されております。また、47ページから50ページまでを御覧いただきたいと思いますけれども、計画におきましては、今後5年間に取り組むべき施策につきまして、基本的方向の1から4までとして、考え方、施策を整理しております。
 基本的方向の1は、主に地域社会とのかかわり、家庭とのかかわりなどに関する内容でございます。また、基本的方向の2は、主に初等中等教育関係。基本的方向の3は、高等教育関係。基本的方向の4は、安心・安全、あるいは教育の機会均等などに関します内容でございます。
 1ページにお戻りいただきたいと思います。諮問文でございますけれども、右側の2ページの1、2段落目で、現行計画の状況ですとか、3段落目以降で、少子高齢化、グローバル化の進展、経済的格差の増大や、地域社会のつながりの低下といいました、現在の社会状況を踏まえた課題について整理をしております。また、3ページ目の2段落目で、今般の震災の状況について記述をしているところでございます。
 審議の事項といたしましては、3ページ目の一番下の段落に「第一に」とございますけれども、生涯学習社会の実現を目指して、家庭、地域の教育力の向上や、初等中等教育から高等教育に至る学校教育の充実など教育振興のための基本的な方針及び諸方策を明らかにしていただきたいというものでございます。
 また、右の4ページにございますけれども、その際、社会状況の変化ですとか、現行計画を踏まえた施策の実施状況、さらには今般の震災が社会全体に与える影響などについても検証・評価をして、その上で1から3にございますが、生涯を通じて学習の機会を確保する方策、自立し共に生きるための知識や能力などを身に付けていくための方策ですとか、社会の絆を再構築する方策、グローバル化の中での施策の在り方というものを考えていくことについて、御留意いただきたい旨記述がなされております。
 6ページ以降を御覧いただきたいと思いますが、これは現時点での現行の計画の進捗状況を記述をしているものでございます。例えば、14ページでございますけれども、確かな学力の向上につきましては、計画では世界トップの学力水準を目指すとなっております。進捗といたしまして、20年、21年に学習指導要領を改訂し、21年度のPISAの調査の結果では、生徒の学力は改善傾向にあるが、下位層が多いなど、更なる学力向上方策が必要であると。今後といたしまして、指導要領の全面実施のフォローアップをしっかりしていくといったことなどが書いてあります。
 また、16ページのところでは、高校改革につきましての記述がございます。中退や不登校の生徒、キャリア教育の必要性等々の様々な課題があると書かれておりまして、今後につきましては、高等学校改革の取組を一層推進していくということ。
 それから、21ページでございますが、教育委員会の関係でございます。これは計画では、例えば地域住民の意思の反映などによります機能の活性化を促すといった記述がございますが、進捗といたしまして、白丸の2つ目、教育委員会の在り方のところでございますが、教育委員会の在り方に関し、一定の進捗が認められるものの、保護者や地域住民の意向が十分に反映されていないなどの課題が指摘されているところでございます。今後につきましては、22ページの右上の矢印のところでございますが、地域住民の学校運営への参画を促進する。保護者や地域住民に最も近い市町村への権限移譲など、地方教育行財政制度全般について検討が必要などといった課題の整理をしております。
 続きまして、36ページでございますけれども、今回の計画の検討に当たりまして、現在の社会状況等を整理したものでございます。現状を左側の欄に整理をいたしまして、その状況を踏まえた課題を真ん中に記述しております。左側に少子高齢化、地域社会、家族の変容、社会格差の増大、産業構造・雇用の変化、グローバル化等についての記述をしてございまして、真ん中にある3つの方向性といたしましては、一人一人の付加価値を高めること、安心して子どもを産み育てる環境作り、コミュニティの再構築、成長分野の担い手の育成、イノベーション等々について方向性を記述しているものでございます。
 さらに、37ページでございますが、これは今回の東日本大震災の中で特に被害の大きかった3県につきまして、状況分析をしているものでございますが、一言で申し上げますと、今回の震災によりまして、少子高齢化等々といった全国的な状況が顕著にあらわれていると言えるのではないかということで整理をしております。
 基本計画部会におきましては、諮問を受けまして、まずは今般の大震災の影響の大きさを踏まえまして、この大震災を教訓として、全国的に考えていかなければならない課題、方策につきまして検討を行うこととしまして、7月の初旬には、今回被災をされました岩手県、宮城県、福島県の教育委員会ですとか、私立学校も含めた大学、小、中、高等学校の関係者からヒアリングも行っております。先日、7月21日の計画部会におきましては、そのヒアリングで出された御意見なども踏まえまして、大震災を教訓にして、全国的に考えていかなければならない課題、方策について審議をしたところでございます。
 38ページを御覧いただきたいと思いますが、その整理をした資料でございます。少子高齢化、地域社会の変容等、先ほど申し上げました社会状況が、大震災を受けて、特に被災地において一層急速に進展することが見込まれること。また他方で、被災地では、いまだ厳しい環境の中にあっても、子どもたち、教職員、地域の人々の献身的な行動など、社会の絆の強さが明らかになっていること。さらには日本全国、世界各地から支援が寄せられて、強く勇気づけられていること。また、どんなに困難が起きようとも、生き抜く力が必要であって、ヒアリング等におきましても、そうした力を育むことの重要性が指摘をされていることなどを記述しております。
 次のページ、39ページからでございますが、こういった状況の中で、次期の基本計画策定に当たりまして、震災を教訓として重視すべき事項として、4つの点について整理をしております。1つ目が、学びのセーフティーネットということで、学習機会の確保、安心・安全な教育環境の実現に向けた十分な支援ということで、施策の例としましては、下に書いてあるとおりでございます。そのほか3点につきましては、社会を生き抜く力、絆づくりとコミュニティの再構築、未来への飛躍ということで、イノベーション等々にかかわる記述をしているところでございます。
 今後の検討におきましては、44ページにございますが、大枠といたしまして、現行の計画が初中教育、高等教育などといった縦割り的な整理になっておりますので、横断的な視点でこれを捉え直す必要があるのでないかとか、あるいは、成果目標をより明確にすべきではないか。記述も分かりやすくすべきではないか。内容につきまして、総花的ではなくて、重点的な記述にすべきではないか。そういうことをする際には、各分科会と密接に連携を図っていくことが必要であるといった検討の内容を記述しております。計画部会におきましては、今後、年内を目途に、第2期計画の策定に当たっての基本的な考え方についてまとめる方向で、審議が進められる予定となっております。以上でございます。

【小川分科会長】 ありがとうございました。基本計画部会の今の審議状況を御報告いただきました。皆さんのほうから何かございますか。では、渡久山委員、よろしくお願いします。

【渡久山委員】 どうもありがとうございました。時間がないので簡潔にやりたいと思います。
 1つは、第1期の振興計画を作った際、私も審議に参加したんですが、残念ながら数値目標が明確にならなかった。これは非常に残念なことなんです。教育基本法を改正するときも、やっぱりそれには財政規定がないというようなことが1つの理由でもありましたし、教育基本法の中に財政規定というのを作って、それで振興計画を策定することになったんですが、残念ながら数値目標が明確でなかったということは、非常に大きなその後の批判を受けたことなので、今回は是非これを入れていただきたい。
 そのときに、各自治体の教育計画が出たんです。しかしそのときには、各地方自治体の教育計画は、財政難であってもちゃんと5年計画の中に、どれぐらい、どんな金が要るのかという数値計画がきちんと出ていたんです。しかし、国がそれを作らないというのだったら、今、説明があったように、国の計画の策定を見ながら、地方も作るわけですから、これではちょっとまずいと思いますので、是非お願いしたい。
 それから、もう一つは、いろいろ教育を支えている施設設備もあるし、教育内容もありますが、やっぱり人的な問題なんです。教職員の問題なんです。そこの中で是非考えていただきたいのは、やはり教職員のワークライフバランスですね。先ほどからも出ていますように、超勤が今のような状態で、本当に学校教育を支えていけるかどうかという問題は、真剣に考えてもらいたいです。ですから、今後5年間の策定の中で、教職員のあるべき姿はどうなんだと。働く時間は、8時間とはいっているけれども、向山委員からもありましたように、今は100分のオーバー勤務がある。子どもたちに向かう時間がない。
 この辺を明確にしてほしいし、もう一つは、先だって送っていただいたものの中に、安心して子どもを産み育てる環境というのがありました。これは非常に大事なんです。特に教職員の場合は、多いところで7割が女性教職員なんです。少ないところで3割ぐらいですけれども。この7割の女性教職員の多くの場合、職業選択として教職を選んだ者は、結婚してもきちんと仕事が続けられるし、定年までおれるということが、やや前提になって、期待があって入っているんです。しかし、入職した以降、余りの多忙な中で、やっぱり本当に安心して子どもが産み育てられるような環境にはほとんどない、難しいと。男の理解がないというのが女性の言い分で多いんですけれども、それだけではないと思いますので、今度の計画の中には、やはり男女共同参画社会というのがありますが、共同参画社会を作る以前の問題として、女性労働の在り方をどうするんだということを是非入れていただきたい。
 3つ目は、やはり義務教育の国庫負担制度の問題です。今日も今、35人学級が出てまいりました。すばらしいと思います。本当に法案になって、新しい政権だからできたというふうに見てもいいぐらいです。ですから、そういうことで問題は、義務教育国庫負担法を、今、また2分の1に戻すか戻さないか、あるいは、概括的な交付金とも言われていますけれども、そういうことは一度過去に経験があって、各自治体の目的外流用というのが随分ありました。それだから逆に、義務教育国庫負担法というのがあって、各自治体に一定程度ひもを付けた予算にしてあると。だからこそもらえているというようなこともありますから、是非ともそういう面では、この国庫負担法を充実させ2分の1にすると同時に、対象をもう少し増やしていくのが当面の問題として、ここの中でも議論されていいのではないかなと思います。特に義務教育が国の責任だということであれば、義務教育にかかわるすべての費用、できるだけ多くの費用を、国が責任を持てる状況を作るということが大事ではないかなと思います。
 これは4番目なんですが、ここで先ほどの定数法の場合も、被災3県について配慮をいただいていることは、非常に大事だと思います。今、これはまさに国難というか、非常に大事なことでありまして、特に福島では、子どもたちが減ったから教員は要らないだろうと、今の定数法でいけばそうなりますよね。子どもたちの数に応じて教員定数を配置するわけですから、子どもたちが減ったら。それではいけないわけですね。被災県では、そうではなくて、自分自身の家族も被災を受けている中で、非常に精神的に苦労しながらでも、なおかつ頑張っている教職員が多いわけです。しかし、これは定数法だけの策定ではいけないので、今、文部科学省も一定程度努力されていますけれども、これは大きく大胆に、もっと長期的な計画を立てて御支援いただければ幸いだと思います。以上です。

【小川分科会長】 ありがとうございました。では、安彦委員、お願いいたします。

【安彦分科会長代理】 総会のメンバーでもあるんですけれども、総会はしばらくありませんので、この基本計画部会の方、あるいは事務方の方に是非検討していただきたいんですが、私は以前から、「子ども」という言葉が、こういう抽象的な言葉でずっと使われてきていることに対して、一方では抽象的だということと、それから、どうしても大人の目線で上から物を言う感じになっておりまして、非常に違和感がありました。
 是非この基本計画辺りで、新しい段階でもありますし、今後の進め方等の全体構成の2つ目の丸のところに、どのような人を育てるのかという、政策の成果目標を明確にすべきということと絡むので、検討していただきたいんです。子どもという言葉は使って構いませんけれども、パラフレーズとしてでも、「日本の未来の主権者」「国の未来の主権者」という言葉が使えないか。これは省を超えて使えるはずです。自由民主主義国家ですから、思想の自由のところを侵害することはないだろう。基本的にこういう言葉が入りますと、子どものほうの意識といいますか、子どもが自ら育っていくプロセスが入りますので、上からの目線だけで言うのではない。また、いろいろな面で、これまで言われてきたような経済的な視点やら、政治的な視点やら、いろいろなものが入れられます。
 そういう意味では、こういう、ある程度具体的なものが見える言葉を使わないと、子ども、子どもと言っているうちは、どうもはっきりとした取組がどこからもなされないような気がいたしますので、是非御検討いただきたい。これは「子ども・子育て新システム」の「こども指針」のところにも、「子どもに対する理念」というのがありますけれども、その辺でも是非御検討いただきたいと思います。

【小川分科会長】 ありがとうございました。今後、初中分科会とすれば、おそらく教育振興基本計画部会の審議と並行して、初中関係のものを取りまとめるということで、並行して審議していくことになると思います。今、教育振興基本計画部会のほうでは、取りまとめの構成とか進め方等を議論していますので、その辺のところがある程度見えてくると、初中分科会としても、初中教育に関係ある様々な、これまでの第1期のフォローアップを踏まえながら、第2期に何をその中に盛り込んでいくかということを、分科会でこれからまた適宜開いて検討していくことになると思います。また、様々な御意見をお聞かせいただければと思います。
 では、第8番目の議題は、理科教育設備基準の改訂について。これは教育課程部会の部会長の無藤委員から御報告でよろしいでしょうか。よろしくお願いします。

【無藤委員】 それでは、御報告いたします。教育課程部会で議論し、既に決定され、省令も公示されているものでございます。お手元の資料8-1と8-2を御参照ください。
 資料8-1が概要であります。それに沿って御説明いたします。理科教育設備基準の改訂でありますけれども、これは理科教育振興法というのがございますが、そこで小・中・高等学校の設置者が、理科教育設備を整備する、そのために必要な経費の一部を補助するということであります。そして、特に理科教育振興法施行令第2条ですけれども、その基準が、理科教育のために通常必要なものとすると、また、その基準に関する細目を、中央教育審議会の議を経て文部科学省令で定めるとなっておりまして、今、御報告するわけであります。
 そして、初等中等教育分科会運営規則第4条第1項でありますが、それに関する細目は、部会の議決をもって分科会の議決とすることができるとされており、第2項で、そのように議決した際には、部会長が分科会長に報告するということで、今、報告してございます。
 まず、資料8-1の趣旨でございますけれども、中央教育審議会の答申を受けて、平成20年3月に、小・中学校の学習指導要領が改訂され、平成23年度からは小学校、24年度からは中学校で全面実施であります。そのために、理科教育のために必要な設備の整備・充実を図るため、設備基準に関する細目を定める省令の改正を行うということであります。
 次に、改正の主な内容でありますけれども、まず(1)ですけれども、学習指導要領改訂に伴いまして、新たに項目が様々な教科、特に理科と算数・数学について入っています。それに対応して、新しい項目に対応した品目を付け加える。例えばということで、例がそこに挙がってございます。
 もう一つは、注記的なことを申し上げますけれども、より多くの学校で、理科設備が整備されるようにしたいということで、学級規模にかかわらず、すべての学校について同一の数量基準を適用するとなっております。大規模校におきましては、2つ以上の学級で同じ種類の授業が同時に行われるという想定をして、一律に通常の2倍の数量基準を適用していました。それに関して実態を調べますと、大規模校でも通常校でも理科室の数はあまり変わらない。そして、大規模校の多くの学校で授業計画や時間割を工夫して、同じ時間帯に同じ設備を使う授業が重ならないように、要するに、小規模等と同程度の設備で授業を行う工夫をなさっているということを受けまして、お手元の改正の主な内容の(1)の2番目の丸の、同一の数量基準を適用するということにいたしました。
 さらに(2)でありますけれども、特別支援学校における問題であります。障害種に応じて基準を作成しておりますけれども、特に算数・数学につきまして、これまで視覚特別支援学校、聴覚特別支援学校、養護特別支援学校の3つに分かれておりました。これに対して、理科と同様に、4種類、つまり、視覚、聴覚、知的障害、肢体不自由等のそれぞれの特別支援学校の4区分に対応させるということでございます。
 ということで、改正の主な内容は今のとおりでございます。そして、具体的には補助金の適用につきまして、小学校の設備の基準は、平成23年度分の国庫補助金、中学校の設備の基準は平成24年度分の国庫補助金から適用されるということであります。この内容について、最初に申し上げたように、教育課程部会で審議いたしました。そしてその後、文部科学省においてパブリックコメントにかけてございます。そして、最後にありますが、平成23年4月28日に省令の公示がされているということであります。以上、御報告でございました。

【小川分科会長】 ありがとうございました。
 では、次に最後、PISAデジタル読解力調査の結果等について。これは参事官から御説明をお願いいたします。

【下間参事官】 資料9でございます。去る6月28日にOECDが公表いたしまして、報道等で御案内かと存じますが、概要につきまして改めて御報告を申し上げます。
 1ページ目、調査の概要でございますけれども、PISA調査では、OECDとしては将来的に筆記型の調査から、コンピュータ使用型の調査に移行することを予定してございまして、昨年12月に公表いたしましたPISA2009と同時に実施をいたしました国際オプションとして「デジタル読解力調査」、いわゆるコンピュータ使用型の調査と生徒への質問紙調査を実証したところでございます。
 PISA2009に参加した65か国・地域、47万人のうち、19か国・地域の3万6,000人の15歳児が参加してございます。我が国では高等学校1年生相当の約6,000人がPISAに参加してございますけれども、そのうち3,400人が参加した調査でございます。
 2ページ目、その結果でございますが、試行でございますので、詳細な分析が可能なところまでの調査ではございませんけれども、参加19か国・地域の中で、我が国のデジタル読解力の平均得点は上位4位ということでございます。習熟度の下位層、レベル1以下の割合は、2番目に少ないといったようなことが下の表からも明らかになってございます。また、我が国のデジタル読解力は、プリント読解力に比べると、平均得点にほとんど差がございませんけれども、習熟度の上位層、下位層の割合が少ない。中段の棒グラフを御覧いただきますと、左側、斜線のグラフが、昨年12月に公表しましたプリント読解力、右側の塗りつぶした棒グラフが今回のデジタル読解力ということでございますけれども、プリント読解力の場合には、レベル1以下、いわゆる成績下位の生徒、またはレベル5以上、成績上位の生徒といったものが、それぞれある程度の人数がおるわけでございますけれども、デジタル読解力のほうには、レベル1以下からきれいな山型を描いておりまして、こうした習熟度の上位層、下位層の割合が少ないといったことが特徴になってございます。
 また、生徒質問紙調査からは、ふだんの1週間のうち、高等学校の国語・数学・理科の各授業において、コンピュータを使っている生徒の割合が、調査を実施した19か国・地域のうち、生徒質問紙調査に参加した17か国・地域の中で最も低いということ。それから、実際に何ができるかという観点でいいますと、マルチメディア作品の作成で、できると回答した生徒の割合が、参加国・地域の中で最も低い。あるいは、表計算ソフトを使ったグラフの作成についても、OECD参加国の平均よりも低い水準にあるといった課題が明らかになったところでございます。
 こうしたことを踏まえまして、資料の4ページ、あるいは6ページでございますけれども、1つは、やはりこれはコンピュータ使用型ではございますけれども、今回は言語力中心の調査でございました。そうした中で、読解力の向上、あるいはコミュニケーション能力の育成といった、新学習指導要領の着実な実施、それから、21世紀にふさわしい学びと学校の創造を目指した教育の情報化ビジョンを踏まえた取組など、情報化時代にも対応した教育の充実を図ってまいりたいと考えてございます。
 あと1点、大変恐縮でございます。このお時間を頂戴いたしまして、今後の全国学力・学習状況調査の動向につきまして御報告を申し上げたいと存じます。ページを振ってございませんが、既に本会議でも御報告をいたしましたが、本年3月31日に本分科会の委員でもいらっしゃいます梶田先生を座長とする、全国的な学力調査の在り方等の検討に関する専門家会議から、検討のまとめをいただいておりまして、その中で、今後も全国的な学力調査の実施を継続すべきこと。対象教科として、24年度から理科を追加することを検討すること。当面22年度調査と同様の調査方式を継続し、調査の意義・目的の実現を図ること。また、こうした新しいタイプの調査方式を検討するなど、よりよい調査を目指すべきこと。その検討とあわせて、国として教育格差等の状況を把握・分析し、関連する施策の検証を行うとともに、教育委員会等や学校が行う教育改善に資するために、数年に1回は「きめ細かい調査」を実施することを検討することが必要といったおまとめをいただいたところでございます。
 23年度調査につきましては、本年の4月19日に実施予定でございましたけれども、東日本大震災及びその後の状況などを勘案いたしまして、従前の全国学力・学習状況調査としての実施を見送りました。各教育委員会及び学校等において、国が作成した問題冊子等を御活用いただくために、9月下旬を目途に問題冊子等を配布するということを考えてございます。そうした中で、今後の全国学力・学習状況調査につきましては、去る7月8日の閣議後の定例記者会見におきまして、大臣から、この資料にございますような方針を表明いたしました。ただいま御説明申し上げました専門家会議の検討のまとめを踏まえまして、来年4月下旬実施予定の24年度調査は、理科を追加して、従前の抽出調査及び希望利用方式とすること。また、平成25年4月に実施を予定してございます25年度調査は、きめ細かい調査が行えるよう、必要な経費を、今後平成24年度概算要求に盛り込む方向で調整をすることということでございます。
 25年度の調査につきましては、ただいま申し上げましたとおり、23年度調査を見送ったこと、また検討のまとめなど、提言を踏まえまして、国として教育格差など、様々な状況等を把握・分析し、施策の検証を行う。又は、教育委員会や学校が行う教育改善に資するためにも、なるべく早くきめ細かい調査を行うことが必要と考えたために、25年4月に実施予定の調査につきまして、きめ細かい調査が行えるような概算要求を今後検討していくということを決めたところでございます。概略は以上でございます。

【小川分科会長】 ありがとうございます。時間がありませんので、これについてはこれで終わらせていただきます。何か御意見等がございましたら、お寄せいただければと思います。
 それではこれで、今日の予定されていた議題はすべて終わりたいと思います。
 最後に、次回以降の予定について、事務局からお願いします。

【小谷教育制度改革室長】 次回の日程につきましては、分科会長と御相談の上、追って御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】 では、これで終わります。ありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成23年09月 --