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初等中等教育分科会(第74回) 議事録

1.日時

平成23年2月28日(月曜日)10時~12時

2.場所

中央合同庁舎第7号館(文部科学省)東館3階 特別会議室1

3.議題

  1. 分科会長の選任等について
  2. 初等中等教育分科会運営規則について
  3. 初等中等教育分科会の審議の状況について
  4. 幼保一体化について
  5. その他

4.議事録

○新しい分科会長について、小川委員が適任である旨の発言があり、了承された。
○小川分科会長から、安彦委員が分科会長代理に指名された。
○事務局からの説明の後、資料2-5のとおり、初等中等教育分科会運営規則が了承された。

 

【小川分科会長】 それでは、会議の公開について御説明いたします。
 初等中等教育分科会運営規則につきまして、資料2-5のとおりとなりました。第6条により、分科会長の許可があった者は会議の撮影などを行うことができることになっております。
 今回撮影を申し込まれた方については、会議終了まで撮影などを許可することといたします。よろしいでしょうか。
 では、審議に入っていきたいと思いますけれども、まず最初に、審議に先立ちまして、私のほうから簡単に一言、あいさつをさせていただければと思います。
 第5期の初中分科会では、主に、来年度小学校からスタートする新教育課程の課題に関係して、例えば学級編制や教職員定数の改善、児童生徒の学習評価など、また、内閣府の主導で、例えば特別支援教育とか幼保一体化の課題等々、様々なテーマについて審議してきました。
 今日スタートする第6期の初中分科会においても、第5期から引き継ぐテーマ、そして引き続き審議をしていく課題もあるわけですけれども、第6期の初中分科会の重要な責務としては、私としては、やはり来年度から小学校、再来年度から中学校でスタートする新教育課程の取組、特に、地方と学校での取組をしっかりバックアップしていくことが、第6期中教審の中心的な責務かと考えています。
 例えば、35人学級とか教職員定数の改善というのは、正にそうしたバックアップの1つかと思います。ただ、政治状況が不透明ということもありますけれども、今政府等々で議論されている社会保障と税の一体改革など、おそらく大きな行財政改革も必至という状況ですので、未来への投資としての公的な教育費の在り方についても、おそらく初中分科会の様々なテーマを審議していく際、一体的に深めていかなければならない重要な検討課題かと自覚しております。
 いずれにしても、今期の初中分科会が取り組んでいく諸テーマというのは、国民に広く発信して、国民の強い支持を得ていく中でしか推進していけないような課題も多いですので、この点については、事務局とも相談しながら、できる限り内々の審議にとどまることなく、発信型、国民に対する強い発信をしていく、そうした分科会運営と審議に努めていければと考えております。
 今後2年間、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、議題に移りたいと思います。
 まず最初に、初中分科会の審議の状況ですが、皆さんのお手元にあります資料3-1を御覧ください。
 第5期においては、資料3-1に書かれているようなテーマがいろいろ議論されてきましたけれども、第6期において当面審議すべき課題として、第5期の初中分科会から引き継いでいる重要事項として、特別支援教育の在り方、また、学校段階間の連携・接続等ということがございます。
 まず、この内容について、事務局のほうから御説明いただければと思います。よろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。

【千原特別支援教育課長】  失礼いたします。特別支援教育課の千原でございます。お手元の資料3-2を使いまして、分科会長から御発言がございました「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」の設置された経緯や背景、論点整理について、簡単に御説明をさせていただきます。
 目次を開いていただきまして1ページ目を御覧ください。
 第1パラグラフにございますように、平成18年12月に、ここにあります障害者に保障されるべき個々の人権及び基本的自由等々について定めました、いわゆる障害者の権利に関する条約、これが国連総会で採択されております。日本政府も、平成19年9月には署名をいたしておりますが、第2パラグラフにありますように、まだこれを批准しておりません。このために、政府の中では、できるだけ早くの締結を目指しまして、現在、必要な国内法令の整備等に係る検討を行っているところでございます。
 これにつきましては、3行目にありますように、「障がい者制度改革推進本部」――これは本部長が内閣総理大臣でございまして、全閣僚がメンバーでございます――が設置をされ、またその下に、会議体として、「障がい者制度改革推進会議」が設置されまして、批准に向けた議論がされている状況でございます。
 これは障害者の権利に関する条約ですので、幅広い観点について審議がなされておりますけれども、第3パラグラフにありますように、教育については、いわゆるインクルーシブ教育システムということについて、どう制度改革をしていくかという基本的な方針について議論がされている状況でございます。
 「障がい者制度改革推進会議」ですが、月に2、3回という、非常にハイペースで議論がなされておりまして、昨年6月には「第一次意見」が取りまとめられました。また、これを踏まえて、6月29日には閣議決定もされてございます。この閣議決定では、教育分野を始め、各個別分野については制度改革の具体的項目を、関係府省において検討するということが決まったところでございます。
 「第一次意見」、推進会議の問題認識として、教育関係で一番大きいところを簡単に御紹介いたしますと、障害の有無にかかわらず、全ての子どもは地域の小・中学校の通常の学級に在籍することを原則とする。その本人・保護者が望む場合などにおいては、特別支援学校や特別支援学級に在籍、就学することができるというように改めるべきだというのが、推進会議の問題認識でございます。これは、後でもう一度御紹介いたしますが、現在、いわゆる障害の就学基準というものに該当します場合に、原則として特別支援学校に就学するという仕組みと異なっている御指摘をいただいたところでございます。
 この点につきましては、下の囲みの「1 趣旨・目的」のアンダーラインのところにありますように、仮にそのような第一次意見の理念を踏まえると、体制面、財政面も含めた議論が必要であろうということで、そのようなことも含めた教育制度の在り方について、平成22年度内に改革の基本的方向性についての議論を得るべく検討を行うと閣議決定に示されました。そのことを踏まえ、昨年7月に、本分科会の下に特別委員会を設置いただきました。本特別委員会は、委員長を、本分科会に所属されております宮﨑委員にお受けいただきまして、また、第6期の委員で申しますと、安彦委員、青山委員、新藤委員、髙橋委員、向山委員に、委員会に所属して、審議をいただいたところでございます。
 また、3ページに、7月に設置いただいて、半年弱の間に8回の審議をいただきまして、取りまとめていただきました論点整理の概要を付けさせていただいております。
 こちらの論点整理の概要を御紹介いたしますと、まず「1.インクルーシブ教育システム構築に向けての特別支援教育の方向性について」ということでございます。
 最初の白丸でございますが、インクルーシブ教育システムの理念とそれに向かっていく方向性には賛成だという御指摘でございます。
 2つ目の白丸でございますけれども、その場合において、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある児童生徒に対して、その時点で教育的ニーズに最も的確にこたえる指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要という御指摘をいただいています。子ども一人一人の学習権を保障するという観点から、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある多様な学びの場を用意することで、一人一人の学習権を保障し、またニーズにも的確にこたえるということでございます。
 また、3つ目の白丸でございますけれども、共に学ぶということは、共生社会の形成に向けて望ましいという御指摘。また、4つ目の白丸でございますけれども、そういった構築に向けての今後の進め方については、やはり段階的に、短期と中長期に整理して、段階的に実施していくことが必要であるという御指摘をいただいてございます。
 また、2番目の「就学相談・就学先決定の在り方」でございます。
 ここは、先ほどの「第一次意見」とも関連するところでございますが、本人・保護者、学校、教育委員会が円滑に合意形成を図るため、医療や福祉の関係部局等との連携を図りながら、障害のある子どもの教育相談・支援を乳幼児期を含め早期から行うことが必要であるという御指摘をいただいてございます。
 また、次の白丸でございますけれども、就学基準に該当する障害のある子どもにつきまして、特別支援学校に原則就学するという今の就学先決定の仕組みを改めて、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、専門家の意見等を踏まえた総合的な観点から、就学先を決定する仕組みとすることが適当であるという御指摘でございます。その際、本人・保護者に対して十分な情報提供をする、こういう就学先決定をするときに、これからどういう段取りで進んでいくのかや、学校現場の状況がどうなっているかなど、そういったことを含め、十分な情報提供をしながら、本人・保護者の意見を最大限尊重して、本人・保護者と教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則として、最終的には市町村教育委員会が決定するということが望ましいということで御指摘をいただいてございます。
 また、4ページでございますけれども、そのような形で就学先が決定された後も、継続的な教育相談を行う、そして個別の教育支援計画というものを見直す中で、柔軟に就学先の見直しを図っていくことが必要である。例えば特別支援学校に就学先が決まったとしても、それが今後も固定されるということではなくて、柔軟に見直しができるということが大事だということを御指摘いただいてございます。
 また、次の白丸は、市町村教育委員会が就学先決定等、また相談等を行っていく主体となりますが、そのために必要な、本人・保護者に対して十分な相談・情報提供ができる体制を整備することが必要であり、また都道府県教育委員会も、その支援のための専門的な相談・助言機能を充実することが必要だという御指摘をいただいてございます。
 3番目の「インクルーシブ教育システムを推進するための人的・物的な環境整備」につきましては、引き続き、今期も議論をしていただくような状況になってございます。最初の白丸でございますが、発達障害も含め、特別支援教育の更なる充実のために、現場での意識改革、あるいは指導方法の充実、人的・物的な環境整備が必要だということでございます。
 2番目でございますけれども、いわゆる合理的配慮というものについて、これについてもいろいろ議論がございましたが、やはり今後、障害種別の内容も含めて、一層検討をしていくことが必要だという御指摘をいただいてございます。
 また、3番目の白丸にありますように、いわゆる交流及び共同学習ということについて、一層推進していくことが大事である。また先進的な事例で、東京都、あるいは埼玉県で進められているような、副次的な学籍を持っていただくというような、そういった一層の工夫が大事ではないか。また、特別支援学校のセンター的機能の充実と活用が大事だということを御指摘いただいております。
 4番目ですが、「教職員の確保及び専門性向上のための方策」ということにつきまして、これにつきましてもいろいろ御議論がございましたが、引き続き、例えば大学での教員養成の在り方、あるいは研修の在り方、そういったことについて、今後引き続き検討していくといことになってございます。
 最後に、今後の方向性でございますけれども、「障がい者制度改革推進会議」でも、昨年末に、「第二次意見」が取りまとめられております。本件につきましては、この通常国会に障害者基本法改正案を提出される予定ということでございまして、現在その提出に向かって、内閣府を中心に関係省庁が議論をしているという状況でございます。
 簡単ですが、以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 今、第5期の特別委員会でまとめられた論点整理の概要について説明してもらいました。
 これについて、何か御質問等がございましたら、自由にどうぞ。これは第6期でも継続して審議していくことになりますので、例えば、今後審議していく際に当たっての御要望等も、皆さんのほうからございましたら、自由に御意見をいただければと思います。どうでしょうか。
 では、こちらからお願いですけれども、この特別委員会のまとめに御尽力いただいた委員長の宮﨑委員もいらっしゃいますので、宮﨑委員のほうから、補足等含めて何かございましたらお願いいたします。

【宮﨑委員】  宮﨑でございます。特別委員会の委員長を務めさせていただきました。
 論点整理の概要については、今、課長から御説明があったとおりでございますが、一言だけ補足をしますと、2ページにございます障害者権利条約における教育関係の主要な条文(仮訳)に、外務省訳が掲載されておりますが、この第24条の教育をめぐる項目についての解釈をどうしていくかというのが、一番大きなポイントになろうかと思っております。
 私ども委員会としましても、インクルーシブ教育システムの理念に向かって努力をしていかなければいけないのは当然だと思っておりまして、その方向に賛成ということを、まず冒頭で申し上げました。そこで、具体的に、現状の教育制度の中でこの実現をどんなふうにしていくのかということですが、やはり現状に即して無理なく進めていくため、短期、中長期のやるべきことの整理をして、段階的にこの理念に向かって進んでいくのがよかろうと論点整理では取りまとめました。そのために、様々な仕組みをつくらなければいけないと考えてございます。
 今後、例えば障害のある方にとっての合理的な配慮をどうするのかというようなことを、具体的に、学校環境整備でございますとか、あるいは授業方法、内容等を、どんな形で、お子さんたちが学ぶ仕組みの中で応援をしていくかといったようなことなどについては、これから議論をしていただくことになろうかと思っています。
 同時に、今申し上げたことは人的・物的な環境整備といったことになろうかと思いますが、先ほどありましたように教職員に関する理解・啓発といったような問題、つまり専門性の向上、質的な向上といったようなことも課題になってこようかと思っておりますので、この委員会が継続していくということになるとすると、その辺りをきちんと議論していただくことになろうかと思っております。以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 そのほか、何か御意見とか、御要望、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、一応報告を終わらせていただきます。
 次、もう1つ、第5期から引き継ぐ課題としまして、学校段階間の連携・接続等に関する作業部会の内容を御報告いただきたいと思います。これは教育制度改革室のほうからでしょうか。よろしくお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】  それでは、資料3-3に基づきまして、御説明をさせていただきます。
 1ページ目を御覧ください。本作業部会は、当時の金森初等中等教育局長からの審議要請に基づきまして、3にございますように、学校段階間の連携・接続、優れた才能や個性を伸ばす学習機会について御審議いただくために、本分科会の決定により設置していただいたものでございます。
 2ページを御覧ください。2ページ目にございますように、第5期は、小川分科会長に主査をお務めいただきまして、御審議いただきました。
 3ページでございますが、この作業部会の設置の背景といたしましては、教育振興基本計画におきまして、「小中一貫教育やいわゆる飛び級も含め、各学校段階間の円滑な連携・接続等のための取組について検討する」とされていることや、規制改革会議の答申を踏まえて閣議決定されました「規制改革推進のための3か年計画」において、「中央教育審議会において、中高一貫教育制度について検証を行い、改善方策等について検討する」とされていることがございます。
 「学校段階間の連携・接続」につきましては、初等中等教育段階では幼小、小中、中高とあるわけでございますが、このうち幼小の連携・接続につきましては、既に、本日御欠席ですが、無藤委員に主査を務めていただきました「幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方に関する調査研究協力者会議」におきまして、昨年11月に報告書が取りまとめられ、公表されております。
 したがいまして、本作業部会では、「学校段階間の連携・接続」といたしましては、残る、小中連携、中高一貫教育について御審議いただくこととしておりまして、まずは中高一貫教育制度の検証と改善方策について、御審議いただいております。
 4ページを御覧ください。中高一貫教育制度につきましては、4ページ以降にまとめてございます。平成9年の中央教育審議会の答申を踏まえまして、生徒や保護者の選択肢を増やすとともに、我が国の中等教育の複線化構造を進める観点から、平成11年度から導入されております。4ページの下段にございますように、中等教育学校、併設型、連携型、この3つの設置形態を制度化いたしまして、5ページの上段にございますが、それぞれの設置形態に応じまして、中学校段階における選択教科による必修教科の代替、あるいは、高等学校段階における普通科の単位数の特例、さらには中学校・高等学校段階間の指導内容の移行につきまして、教育課程の特例を設けているところでございます。
 学校数につきましては、5ページ下段にございますように、年々増えてきておりまして、平成22年度では402校となっております。設置者別では、私立学校が最も多く221校、設置形態別では併設型が最も多く、273校ということとなっております。
 6ページを御覧ください。6ページでは、各都道府県の設置状況を、設置者と設置形態の別で、それぞれ示しております。こちらを御覧いただきますと、各都道府県で設置の状況はそれぞれであるということがうかがえると思います。
 7ページで、これまでの審議の経過を示しております。昨年11月以降、文部科学省によります教育委員会や学校を対象としたアンケートの結果、あるいは、委員からの、生徒や卒業生2,700人以上の方を対象とされたアンケート結果の御紹介などの御発表などももとに、また、各学校から実態のヒアリングも交えながら、議論を重ねていただいております。
 制度創設後10年以上が経過しておりますが、果たして制度導入当時にねらいとしていた成果が上がっているのか、あるいは、制度導入当時に懸念されていた課題が生じていないか、などにつきまして、その検証と改善方策について御審議をいただいているところでございます。
 8ページを御覧ください。8ページでは、これまでの御審議における主な御意見を御紹介させていただいております。
 まず、具体的には、8ページにございますように、冒頭でございますが、特色ある教育の展開につきましては、高校入試がないことを生かした意欲的な活動ですとか、特色ある教育・探求心を育てる教育といったことへの評価についての御意見を掲げさせていただいております。
 9ページを御覧ください。9ページの冒頭ですが、こちらは、教育課程の特例の活用状況ということで、これにつきましては、連携型や学校設定教科・科目に係る特例の拡大についての御意見。あるいは、次の項目になりますが、入学後の学力差や、いわゆる「中だるみ」が課題であることや、学習意欲の向上や、個に応じた指導方法の確立に取り組んでいることについての御意見などを掲載させていただいております。
 それから、9ページから10ページにかけて、入学者選抜につきまして御意見を掲載させていただいております。入学者選抜につきましては、現在、公立の中等教育学校や併設型の中学校において、学力検査を禁じておるわけでございますが、その規制の要否ですとか、公立学校で既に8割導入されております、いわゆる「適性検査」についての評価についての御意見などを掲載させていただいております。
 また、10ページから11ページとして、その他でございますが、例えば公立の中高一貫教育校の整備や、私立学校における制度の採用についての御意見、あるいは中高一貫教育校の普及によります地域への影響についての御意見。それから、教職員の人事配置・校務分掌などについての御意見など、様々な御意見を頂いているものを掲載させていただいているところでございます。
 今後の予定といたしましては、戻っていただきまして恐縮でございますが、7ページの下にございますように、来月3日に、中高一貫教育校における異年齢集団の活動や、教職員の負担への対応等について御審議いただいた後、この春を目途に、中高一貫教育についての議論を整理していただき、その後、今度は委員の追加、交代などをしていただきながら、残る課題でございます小中の連携・接続、さらには、「優れた才能や個性を伸ばす学習機会」について、御審議いただくことを予定しております。
 簡単ですが、以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 第5期の学校段階間の連携・接続等に関する作業部会の審議の経過を報告いただきました。この内容について、何か御質問、御意見、また、今のお話にもあったように、第6期においてもこの作業部会で審議を継続していくことになりますけれども、それに対する御要望等もございましたら、積極的に御意見を賜りたいと思います。どうでしょうか。特にございませんか。
 では、この審議の経過についても、一応御了解いただいたということで終わらせていただきたいと思います。
 では、次の議題に入りたいと思います。
 次の議題は、幼保一体化についての今の取組状況、審議状況について、幼児教育課のほうから御説明をいただきます。よろしくお願いします。

【濵谷幼児教育課長】  幼児教育課長でございます。それでは、お手元の資料4-1と4-2に基づきまして、御説明申し上げます。
 まず、資料4-1、「幼保一体化について」でございます。1枚おめくりいただきまして、現在の検討体制、これまでの経緯でございますけれども、一昨年12月に、閣議決定に基づきまして、幼保一体化を含む「子ども・子育て新システム」について検討して、結論を得るということになっておりまして、それに基づきまして昨年1月に、このような閣僚レベル、それから副大臣・政務官レベルでの検討チームができまして、検討を進めているものでございます。
 閣僚レベルでは、国家戦略担当大臣、少子化対策担当大臣、それから行政刷新の担当大臣の3大臣が共同議長となりまして、総務、財務、文部科学、厚生労働、経済産業、それから官房副長官というものが構成員になりまして、検討を進めております。実質的には、その下に作業グループということで、末松少子化対策担当副大臣を筆頭にいたしまして、文部科学大臣政務官を含む関係の副大臣・政務官が構成員となり、実質的な作業を行っております。
 昨年6月に、2ページでございますけれども、「子ども・子育て新システム」の基本制度案要綱というものが決定されまして、それを骨格にいたしまして、現在その具体化のための検討が進められているという状況でございます。
 「子ども・子育て新システム」全体を御紹介いたしますと、基本的には、社会全体で子育てを支える、社会全体で、特に財政面で支援するというようなことが基本的なコンセプトになっておりまして、その中で、いわゆる子ども手当、現金給付で支える方式、それから幼稚園・保育所などに通うお子さんに対しての支援、いわば現物給付的に支援すると、そういう2本柱の中で、現金、現物、両面から支えようということでございます。
 その中に幼保一体化も位置付けられておるわけでございますけれども、基本制度案要綱の中では、右側の赤のところで「こども園(仮称)」とくくっておりますけれども、3点から幼保一体化を進めようということで検討が進められております。
 1つが給付の一体化ということで、幼稚園・保育所で分かれております財政面での支援方策を、幼保一体給付(仮称)という形で、共通の財政支援にしていこうというのが1つ。2点目が施設の一体化ということで、幼稚園・保育所と分かれている施設について、新たに「こども園(仮称)」という、幼児教育・保育を共に提供する施設を新たに創設しようというのが2点目。それから3点目が、「こども指針(仮称)」の創設とございますけれども、現在でも幼稚園教育要領、保育所保育指針、それぞれ、要領・指針に基づいて幼児教育・保育を提供しておりますけれども、現在でも、特に21年の改定からは、殊に教育面ではその整合性の確保が図られているわけでございますけれども、形式面含めて「こども指針(仮称)」という形で、法形式上も統合できないかと、こういった3点の検討が進められているということでございます。
 1枚おめくりいただきまして、3ページでございます。昨年6月までは、作業グループ、いわば政府レベルでの検討でございましたけれども、昨年9月から、その下に、関係者、有識者などで構成されますワーキングチームを3つ設けまして、現在はそのワーキングチームでの議論を中心に検討を進めているという状況でございます。
 3つございまして、基本制度ワーキングチーム、先ほどの財政面での一体化、「子ども・子育て新システム」全体を検討するワーキングチーム。それから、幼保一体化ということで、「こども園(仮称)」という新たな施設の創設についての検討をするワーキングチーム。それから指針の検討をするワーキングチームという、3つのワーキングチームがございます。
 4ページでございますけれども、基本制度ワーキングチームについては、末松副大臣が座長で、本分科会の委員でもあります大日向委員、それから無藤委員が座長代理。幼保一体化につきましては、大日向委員が座長、無藤委員が座長代理。こども指針(仮称)ワーキングチームについては、無藤委員が座長、それから、東京大学の秋田先生が座長代理という形で検討を進めております。
 ここまでが検討の枠組みでございます。
 検討の内容でございますけれども、5ページからでございます。これは、1月24日に事務局から、幼保一体化についての全体像の案としてお示しした資料の概要でございます。まず、幼保一体化については、これまでの政府や与党などの取組から、あるいは中教審のこれまでの審議報告などを踏まえまして、幼保一体化、そもそも何のためにやるんだろうかという目的から整理をいたしております。
 3点でございます。1つが、幼児教育の保障ということでございます。仕事と子育ての両立のための支援が進み、就学前の子ども、5歳児を見ますと、約6割が幼稚園から小学校に入学しておりますが、一方で、保育所からも約4割の子どもが小学校に入学をいたしております。小学校に入学した段階で、すべての子どもが同じような教育を受けて小学校に入学するということが教育面からは望ましいわけですけれども、幼稚園・保育所を問わず、希望するすべての子どもに対し、生涯にわたる人格形成の基礎である質の高い幼児教育、特に幼児教育を保障するという観点に立ち、今回幼保一体化を進めるべきではないかというのが1点でございます。
 2点目が、主に保育でございますけれども、待機児童が多い、特に3歳未満児で待機児童が多いわけでございますけれども、仕事と子育てを両面で支援するなど、社会全体で次代を担う子どもの育ちを支えるという、主として次世代育成支援、保育の視点でございます。
 3点目が、これは幼児教育・保育共通でございますけれども、これまでの中央教育審議会の答申でも指摘されておりますけれども、家庭・地域の教育力・子育て力の低下が進む中で、育児の孤立化などが大きく指摘されておりますけれども、希望するすべての子ども・子育て家庭を支援するという、いわば子育て家庭への支援という観点でございます。
 こういった3点が目的ではないかということでございまして、それが5ページの下でございますけれども、それを整理いたしますと、質の高い幼児教育・保育の一体的提供、特に幼児教育のすべての子供への提供が1点。それから2点目が、3歳未満児を中心とした保育の量的拡大。3点目が家庭における育児に対する支援と、こういう3点でございます。
 こういった目的に沿いまして、幼保一体化、それでは具体的にどのような仕組みにするのかというのが、6ページからでございます。
 3点ございます。1つが、地域における幼児教育・保育の計画的な整備、2点目が給付の一体化及び強化、3点目が施設の一体化ということでございます。
 まず、地域における幼児教育・保育の計画的整備ということでございますが、市町村が地域における幼児教育・保育の需要などを調査いたしまして、その確保のための計画作りをする。そういった計画を達成するための財政支援として、基準を満たした事業者に対して財政措置を公平に行うことにより、多様な事業者の保育事業への参入を促進し、量的拡大を図ると、こういったことでございます。このイメージ図が7ページにございますので、恐縮ですが7ページを御覧いただきたいと存じます。
 幼児教育・保育を中心に、子ども・子育て家庭に関する需要といいましょうか、家庭、子どもの状況を見ますと、例えば幼児教育の観点からしますと、満3歳以上の子どもを持つ家庭には、すべてのお子さんに質の高い幼児教育が必要でございます。その中には、左端でございますけれども、片働き、いわゆる専業主婦家庭の方もいらっしゃいますし、共働きの家庭もいらっしゃるかと思います。
 一方で、保育の観点から見ますと、右端でございますけれども、満3歳未満の子どもを持つ共働き家庭、この辺が待機児童が多いわけでございますけれども、このような家庭・お子さんに対する保育の提供。それから、共働き家庭で長時間の保育が必要な場合には、満3歳以上でも保育が必要でございます。
 こういった個々の家庭の状況を、市町村が域内の家庭の状況を調査・把握いたしまして、それに必要な施設や事業を計画的に整備していこうと、そういった事業・施設に対しては、指定をし、すべて幼保一体給付(仮称)という、共通の財政措置を講ずることによって整備を行っていこうという考え方でございます。
 一番下に、受け皿、いわば供給主体、提供主体から考えますと、これは地域に応じて様々な形態があろうということでございます。例えば、後ほど御説明します「こども園(仮称)」については、幼児教育、学校としての位置付け、福祉施設としての位置付け、双方を持つ「こども園(仮称)」という、いわばフル装備の施設をつくって対応しようというやり方もございますし、例えば人口急増地域では、幼児教育のみのニーズなども多いというところでは、それに加えて幼児教育の専門施設である幼稚園でニーズに対応するやり方。それから、満3歳未満については、こういう大きな施設を作るのではなくて、満3歳未満のみ対応とする、乳児保育所とか保育ママとか小規模な施設とか、そういったものを組み合わせながら、総合的に市町村が、地域のニーズに応じた形で、必要な施設や事業を整備していこうというのが基本的なコンセプトでございます。
 恐縮ですが、6ページにお戻りください。
 2点目が、財政面での一体化、給付の一体化・強化ということでございます。
 幼児教育・保育、幼稚園・保育所に係る給付を一体化した、幼保一体給付(仮称)という新たな給付を創設しまして、幼児教育・保育に関する財政措置に関する二重行政の解消、いわば分かれているものを一体化する。それから、利用者の面から見ても、利用者負担の公平性の確保を図るということでございます。
 これは、8ページでございます。現行制度におきましては、左でございますけれども、幼稚園については、財政措置といたしましては、私学助成と、保護者に対する就園奨励費。また利用者負担も施設によって基本的には異なるということでございますし、保育所については、保育所運営費ということで、所得に応じた費用徴収。いわば、財政措置、利用者負担の考え方、ルールが違っておりますけれども、新たな制度においては、幼児教育・保育給付(仮称)、あるいは保育給付(仮称)ということで、教育時間や保護者の就労時間等に応じた新たな給付を創設し、共通の給付体系にそろえていこうということでございます。
 この給付の具体的な中身やルールでございますが、9ページでございます。9ページ、一番上の丸でございますけれども、この幼保一体給付(仮称)につきましては、保護者に対する個人給付を基礎とするということでございます。いわば、幼稚園でいいますと就園奨励費が拡充されたようなイメージでございますけれども、保護者に対する個人給付を基礎とするということでございます。ただし、確実に幼児教育・保育に要する費用に充てるために、法定代理受領、施設に直接払いをするということでございます。現実には、そういう意味ではお子さんの数に応じて、幼稚園あるいは保育所に給付が支払われるという形でございます。
 論点になっておりますのが、実は、3つ目の丸でございまして、契約については、市町村の関与の下、保護者が自ら施設を選択し、保護者が施設と契約する公的幼児教育・保育契約(仮称)とし、「正当な理由」がある場合を除き、施設に応諾義務を課すということでございます。また、入園希望者が定員を上回る場合は「正当な理由」に該当するが、この場合、施設は国の選考基準に基づき、選考を行うということでございます。
 いわば、すべての子どもに幼児教育を保障するという観点から、施設については、基本的には保護者から申込みがあった場合には断れないというのが原則でございます。ただし、定員を上回る場合には、様々な形での選考をする必要があるわけでございますけれども、こういった選考につきましては、保育の必要性の認定を受けない子どもについては、※で書いてございますけれども、施設の設置者が定める選考基準に基づき選考することを基本とするということでございます。
 福祉の世界では、現在、保育所については、すべて市町村がお子さんを施設に割り当てるということで、施設サイドには一切選考の自由がないわけでございます。一方で、幼稚園については、私学の建学の精神に基づく選考が当然認められているわけでございますけれども、そういったすべての子どもへの幼児教育の保障と、私学の建学の精神の調和を図る観点から、こういった内容となっております。この点が、実はワーキングチームでは今議論になっているところでございます。
 それから、「価格設定のイメージ」と10ページにございますけれども、この幼保一体給付(仮称)でございますけれども、基本的には、この給付をもって経営ができる、幼児教育・保育が保障されるという水準の給付を行う、公的な給付を行うということが原則でございますけれども、2つ例外がございまして、1つは、実費徴収。制服代とか、あるいは教材費など、そういったものについては、国が基準を定めた上で実費徴収を認めるということでございます。ただし、この場合には、低所得者には補足的な給付ということで、小学校以上の段階では就学援助などもございますけれども、そういったものと同じような考え方で補足給付を行うというのが、まず1点でございます。
 その上に、上乗せ徴収ということでございます。絵でいいますと「Y施設」とございますけれども、現在、私学においては、建学の精神に基づくさまざまな保育料、入学金の設定が行われておりますけれども、これについても情報公開を前提に、上乗せ徴収を認めるという考え方でございます。ただし、すべての子どもに幼児教育を保障するという観点から、所得が低いことによって幼児教育が受けられないということがないようにということで、低所得者については免除するといった案になっております。この点についても、そもそも上乗せ徴収を認めるべきではないのではないかといった御議論もございまして、ここが論点になっております。
 6ページに戻っていただきまして、3点目が、施設の一体化、新たな「こども園(仮称)」の創設ということでございます。幼児教育・保育、それから家庭に対する子育て・育児支援を一体的に提供する「こども園(仮称)」という、新たな施設を創設しようというのが3点目の柱でございます。この点については、11ページでございます。
 新たに「こども園(仮称)制度」という、新たに施設を創設する制度を設けようということ。この「こども園(仮称)」という施設については、学校教育法の1条学校であり、かつ児童福祉法上の児童福祉施設でもあるという、いわば複合的な性格を持つ施設として位置付けようということでございます。この「こども園(仮称)」については、こういったものを一体的に提供する施設とし、満3歳以上の子どもの受入れを義務付けることとするといたしております。
 その下に現行制度の図もございますが、幼稚園については、幼児教育、学校教育を提供する施設でございますけれども、満3歳以上のお子さんに、預かり保育も行っているということでございます。この現行制度の右上、「長時間」の「教育」というところが預かり保育でございますけれども、これを福祉の観点から見ますと、長時間の預かりに対して、児童福祉施設としての機能が十分ではないのではないかということが論点でございます。
 一方で、保育所については、満3歳以上、満3歳未満通じて、保育、養護と教育を提供する施設でございますけれども、基本的には家庭に代わる教育・養護を提供する施設でございますので、いわば制度的に、満3歳以上のお子さんについて学校教育が保障されていないということが論点でございます。新制度におきましては、満3歳以上のお子さんについては学校教育を共通に保障するということ。それから、長時間の預かり部分については児童福祉法上の保育を保障しようということで、学校教育と児童福祉の組み合わせた質を担保しようという考え方でございます。
 この点につきましては、したがいまして、幼稚園については施設のニーズ、地域の実情に応じて、幼稚園として残るところと、預かり保育、長時間保育を行い、「こども園(仮称)」に移行するところ、そういう意味では、施設や地域の実情に応じた選択で、「こども園(仮称)」に移行するところと、移行しないところが出てくるという整理でございます。一方で、保育所については、すべての満3歳以上の子どもに学校教育を保障するという観点から、満3歳以上のお子さんを保育する保育所については、すべて「こども園(仮称)」に移行するというのが考え方でございます。一方で、保育所については、満3歳未満のお子さんのみを預かる乳児保育所というものが、実態的に1,000か所程度ございますけれども、満3歳未満児については、これは学校教育としての位置付けがございませんので、引き続き福祉施設としての保育所として残るという整理でございます。
 実は、ワーキングチームにおいては、こういった満3歳未満のお子さんのみを預かる、いわゆる乳児保育所について、学校教育としての「こども園(仮称)」としての位置付けが与えられないかということも論点になっておりまして、この点は、教育の観点から大きな論点ではないかと考えております。
 最後に、12ページを御覧いただきますと、こういった基本的な考え方でございますけれども、幼保一体化の進め方のイメージといたしまして、国におきましては、基本方針の策定、あるいは財政措置の一体化・強化により、こども園(仮称)への移行を政策的に誘導するということでございます。
 具体的な進め方については、市町村におきまして、地域における、先ほどのような家庭や子どもの状況を見ながら、地域の実情に応じたこども園(仮称)、幼稚園、保育所等を計画的に整備していくという考え方でございます。例えば、都市部においては、当面幼稚園も保育所も足りないという状況でございますと、いろいろな施設やサービスを当面増やしていく。将来的に子どもの減少局面を迎えたときには、既存施設の、こども園(仮称)、総合施設への転換を図っていくというようなことが考えられますし、人口減少地域におきましては、既に、幼稚園、保育所を集約して「認定こども園」にしていこうという動きも現にございますけれども、子どもの減少に応じ、既存施設のこども園(仮称)への転換を、実情に応じた形で進めていこうということが考えられるかと存じます。
 なお、最後に、先ほどの学校教育の対象年齢につきましては、資料4-2でございます。
 2ページでございますけれども、幼稚園制度における「教育」、保育所制度における「保育」の位置付けでございますけれども、先ほど少し申し上げましたけれども、幼稚園につきましては、満3歳以上の子どもに対しまして、「教育」、これは、幼児同士の集団的なかかわりなど、家庭ではできない多様な体験を通して主体性や社会性を育むことを、体系的・組織的に行う学校であるということでございます。この対象年齢につきましては、3ページでございますけれども、過去に構造改革特区におきまして、2歳児に対して学校教育、幼稚園教育を行いましたけれども、「集団を通した教育」として幼児同士がかかわり合うというところには、なかなかなじまないのではないかということで、2歳児はなじまないという評価がされております。このため、学校教育の実施時期については、この特区における検証を踏まえ、現在も引き続き満3歳以上となっているわけでございます。
 一方で、保育所につきましては、(3)とございますけれども、個々の家庭に代わって養護及び教育を一体的に提供する施設であるということでございまして、保育所で行われる「教育」については、保育を必要とする子どもに対して、子どもの生活全般を保障する中で提供される家庭に代わる教育でございますけれども、現在は、満3歳以上の子どもに対しては、幼稚園教育要領との整合性を図った保育所保育指針に基づき「教育」を行うという運用がなされているということでございます。実態的には、指針と幼稚園教育要領の整合性を図り、3歳以上については共通の教育を行うということでございますが、制度上はあくまでも学校教育ではないということでございます。
 この点につきまして、6ページ下の絵でございますけれども、保育所サイドから見ますと、現在は学校教育としての位置付けがない教育について、学校教育としての位置付けを与え、すべての3歳以上の子どもを持つ保育所が「こども園(仮称)」となることにより、すべての子どもへの学校教育を保障しようというのが、今回の「こども園(仮称)」構想の、教育面から見たキーのコンセプトだということでございます。
 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、今御説明いただいた内容について、若干時間をとって意見交換を行いたいと思います。御意見ございましたら、御自由に御発言いただきたいと思います。どうでしょうか。
 第5期の初中分科会でも、その都度、幼保一体化については御説明いただいて、意見交換をしてきたんですけれども、第6期として、委員のメンバーも一部変わっておりますので、改めてここで幼保一体化について、御意見をお伺いしたいと思います。御質問等でも構いませんけれども、どうぞ。では、森委員。

【森委員】  質問ですけれども、国の方針として、将来的には幼保を一体化して、すべてこども園にすべきと考えているのか、幼稚園と保育所の違いを残して、中間的なものとしてこども園を、つまり3つで考えるのか、将来的には1つで考えるのか、そこまで議論が煮詰まっているとは見えませんが、厳しい質問かもしれないけれども、どんなことなんでしょうか。

【濵谷幼児教育課長】  御指摘のとおり、完全に方向性について固まったという段階ではございませんけれども、現段階でお示しをしておりますのは、将来的な子どもの減少なども踏まえますと、将来的にはこども園に収れんしていくという方向性を目指しながらということでございます。その点で、政策面として、国として誘導していくという考え方でございます。
 ただし、でございますけれども、特に幼稚園について、設置者の経営理念などもございますし、あるいは地域の実情ということもございます。すなわち、特に待機児童問題で、都市部で満3歳未満児の保育が足りないというところで、幼稚園が空き教室などを転用しながら保育機能も果たすということが、社会的には求められるということがございます。ただ一方で、例えば待機児童がいない地域においては、幼稚園・保育所の施設機能で、ちょうど、満3歳未満の保育ニーズも満3歳以上の幼児教育のニーズも満たされているといった地域もございます。
 そういう意味では、国として大きな基本方針を示しながらも、具体的な施設の在り方については、やはり地域の実情等に応じた形での収れん、再編が必要ではないかという考え方でございます。

【森委員】  要するに、この「幼保一体化について」の7ページで、市町村が事業計画を作るとありますね。このとき、幼稚園・保育所・こども園の計画を作るときに、一体何を理念にしてやればいいのかということが私にはさっぱり分からないわけです。どうもこれを見ると、年齢と、共働きか片働きかという、具体的な指針で振り分けるという案になっているようでありますが、それ以上言っても仕方ないかなという感じがして、これはなかなか政治的にも難しい問題があるから、それは理解できますけれども、年齢と、共働きか片働きかだけで判断させられる市町村の身にもなってもらいたいということです。
 ほとんどの親は、教育か保育かということはほとんど気にしていません。現実には。現実問題として、例えば長岡市にある保育所と幼稚園で、どれだけの内容に差があるかということも、ほとんどないですね。そういうことを、例えば厚労省と文科省で、現実に幼稚園と保育所でどのような違いがあるか、要するに、教育あるいは保育の質の違いがあるかというようなことは、調査はされているんでしょうか。

【濵谷幼児教育課長】  悉皆的な形での調査というのは、残念ながらございません。そういう意味では、幼稚園と保育所の現実の教育・保育のやり方なりが、違いが鮮明に出てくるのは、今は532しかありませんけれども、認定こども園でございます。そういう意味では、典型的なイメージで申しますと、幼稚園はやはり、2時か3時ぐらいまで教育を行って、家庭に帰るということが前提でございますので、しつけとかそういうことではなくて、家庭でしつけなどが行われていることを前提に、家庭ではできない集団的な子供同士のかかわり、遊ばせることを中心とした教育が中心でございます。
 一方で、保育所については、朝8時、9時ごろから、夕方6時、7時ごろまで保育しますので、そういう意味では、しつけなどの面も中心として、いわば遊びだけではなくて、ゆったりとした環境でくつろげるということも重視しながら保育を行っております。そういう意味での、大きなといいましょうか、イメージといいましょうか、目的に沿った違いがございますけれども、そういう意味では、家庭、地域の状況に応じて、すべての子どもに就学前の教育という面が機能として提供される。あるいは、家庭で子育てができない家庭に対しては、とにかく家庭に代わる、家庭と同じような、しっかりしたしつけなども行われるということが地域全体で提供されるということが、まず第一ではないかと。
 そのために、いろいろな施設類型、これは幼稚園・保育所だけではなくて、保育ママとか、特に保育面においては、3歳未満児については、子どもをたくさん集める必要もございませんので、そういった保育ママとか、小規模な保育サービスとか、そういうものも組み合わせながら、地域での資源を有効活用しながら、ニーズに対応していただくという考え方でございます。
 ただ、この計画、確かにニーズ把握とか提供体制の整備とか、こういう簡単なコンセプトのみでは、なかなか実務面でも対応が難しい面がございます。そういう意味では、調査の在り方とかやり方、計画の立て方、そういう面については、もっと具体的な形で制度設計をする必要があるというふうに考えております。

【森委員】  最後に意見を申し上げますけれども、手段のところに偏った議論をやっていますと、理念を見失うということがあります。幼保の一体化については、もっと高い視点から徹底的に議論をしないと、いろいろな意味で問題を残すのではないかなという気が私はしていて、基本的に、教育としつけというものの差というのも分からないわけですよね。だから、御説明されたことは一応納得するし、現実を見れば、認定こども園は第一歩かなということもよく理解しますけれども、それとは別に、もっと深い理念のところをもっと議論しないと禍根を残すような気が、私はします。それだけを申し上げておきます。

【小川分科会長】  よろしいですね。ありがとうございました。渡久山委員、どうぞ。

【渡久山委員】  前に出た案よりは、やや整理されてきたという感じはしますね。特にその中で、3歳児以上は幼児教育と、教育という面で入れていくというのは、今の幼稚園教育要領や、今の教育基本法等を含めて考えたら、それはいいと思います。
 特に、また最近、国際的にも非常に幼児教育が大事にされて、低年齢化していっているんですね。ですから、そういう意味では、日本ではもっと3歳児からの幼児教育を充実させていくということは、非常に大事だと思います。これができる、できないにかかわらず、やはりこれは大きな幼稚園の課題だと思います。それが1つです。
 もう1つは、そういうことを前提にして、今の幼保一体化というか、これを是非進めていただきたいと思いますし、また、今委員から言われたんですが、現場では交流教育という形で、幼稚園の子どもを保育所に連れていったり、保育所の子どもを幼稚園に連れてきたりして、いろいろなことをやって、同じゲームで遊んだりしているのはあるんですね。
 ただ、これは非常に抽象的な言い方ですが、幼稚園から見ると、保育所の子どもたちは遊んでばかりいると。あそこには教育はないという言い方があるし、また、今度逆に保育所から幼稚園を見れば、遊びよりも勉強、こんな子どもの時からあんなに勉強させる必要があるのかと言われるくらい、何か知識教育的なことが多いというように、これは表にあらわれた現象的な部分だろうけれども、そういうことが言われますから、今の幼稚園や、今の保育所の形だけでは、本当に公平で、平等な、いわゆる児童福祉法とか、あるいはここで言われている幼保一体化の理念が、必ずしも達成しているとは言えないと思うんですね。ですから、何らかの改善の必要があるということは、現実問題として大事なことだと思うんです。
 それを前提にしていきますと、1つは質問なんですが、果たしてこの「こども園」が、2013年ですか、何年かの目標で、実現するということを提案するわけですよね、政府として。しかしその前に、じゃあ今の認定こども園の関係をどうするんだと、これをまずある程度、考え方を整理しなければいけないのではないかと思うんですが、これが1つ質問です。
 もう1つは、資料4-2の6ページでは、将来像として、3歳児以上の教育をした幼稚園がありますが、そこを前提にして見ますと、幼稚園で保育、今は延長保育がありますけれども、それを本格的な保育にしていくとする場合、やはり施設設備の充実というのが必要になってきます。その場合に、どういう形で財政的な補助をするのか、今も私学助成制度を含めて助成金があるんですけれども、保育所のほうが高くて、多くて、幼稚園は少ないですね。今のままでは、それはまさに3歳児以上の子どもに対しての、国の対応の仕方というのはまずいと思いますので、この辺を今度はどうしていくのか。
 もちろん、今日ありましたように、私学幼稚園の場合は、少なくとも建学の精神等もありますから、それをどういう形で尊重しながら、なおかつ、すべての3歳以上の子どもに質の高い、あるいは均等な幼児教育を保障していくかということは非常に大事なことだと思いますから、それを大事にしていくべきだと思うんですね。
 それからもう1つは、これからは、家庭があるんだけれども、今、保育が非常に必要な子どもたちがあるんですね、保育のニーズが。これをどうするかということを解決しないまま進めるかどうかという問題は、やはり僕は政府の政策的課題だと思うんです。この部分については早急に、具体的な解決策をしていかなければいけないのではないかと思いますが、どうでしょうか。以上です。

【濵谷幼児教育課長】  認定こども園の扱いについては、これからこども園の具体的制度設計をする中で整理をしなければいけないと思っておりますが、基本的には、例えば現在、幼稚園と保育所の認可、2つの認可を持っている幼保連携型の認定こども園、これは今回のこども園として想定しているものと全く同じ機能を、もう既に持っておりますので、こういった幼保連携型の認定こども園については、新しくこども園としての新たな認可1つを取るということを想定いたしております。基本でございますけれども。
 それから、財政支援でございますけれども、これは、先ほど私学助成と保育所とで財政支援が違うんだという御指摘がございましたが、この点について、基本的には今回の幼保一体給付という個人給付に、幼稚園、保育所ともそろえるということでございまして、そういう意味では、財政面の支援は共通化するというようなことを想定いたしております。
 また、設備面とか、幼稚園が長時間保育を行うときに、特に0-2歳の待機児童が多い3歳未満児については、調理室が数千万かかりますけれども、その調理室が必置になります。この点について政策的な補助を引き続き行い、誘導していこうということを考えております。
 建学の精神の点でございますけれども、その点がまさに先ほどの、典型的に財政面で申しますと、応諾義務の話とか、あるいは価格設定の自由とかいうところが、財政面で特に顕著に、建学の精神との関係の整理が必要になりますけれども、この点について、先ほど申し上げましたが、定員が空いているときには入れていただくということが前提でございますけれども、定員を上回る場合に、建学の精神に基づく選考をしていただく。それを国としても認めるということ。それから、価格設定についても一定の要件の下に、いわば自由な、上乗せ的な価格設定が行えるということで、建学の精神との調和を図れないかというのが、現在の事務局としての考え方でございます。

【小川分科会長】  では、北條委員、よろしくお願いします。

【北條委員】  私、幼稚園の当事者でありまして、昨年の9月以来、本当にこの問題については苦しまされてまいりました。また、文部科学省の方々が大変誠実に、この間の問題に対応してくださって、内閣府あるいは厚労省との意見のすり合わせ等も本当に一生懸命やっていただいていると、そのことをよくよく身近で分かっておりますので、本当にそのことは感謝申し上げているところでございます。
 しかしながら、先ほど、御発言にもありましたように、この段階で「そもそも」という話をしてはいけないのかもしれないんですけれども、やはり今回の問題は、日本の子どもをどう育てるのかとか、あるいはどういう教育の仕組みの中で育てていくのかというような議論がないところで、経済政策とか、あるいは労働政策として出てきた問題だと。そこに大きな問題があって、先ほど御指摘のように、高い理念を徹底的に議論するということがなかったというところに、そもそもの問題があると思います。
 しかしながら、その「そもそも論」は、言うべき時期はとっくに過ぎておりますので、今の時点で申せば、当初私どもが大変心配いたしました幼稚園制度を廃止するということはなくなったわけでありますので、そのこと自体は、率直に申しまして大変安心しております。しかし、まだまだ詰めて議論しなければいけないことがたくさんありますので、今後、一層丁寧な議論を積み重ねることをお願いいたしたいということ。
 また、この問題は、実は小学校入学前の乳幼児期の段階だけの問題では決してございません。この問題の取扱いを誤れば、直ちに小学校段階とか中学校段階で同じような問題が出てくるわけで、これは火を見るより明らかであります。したがいまして、特に意見として申し上げておきたいことは、我が国が、日本の国民をどう育成するのか、そのための教育のシステムはどうあるのかと、そういう一貫した教育体系への目配りの中で、この問題を矛盾なく解決していかなければならない。大変難しい課題でありますけれども、丁寧な対応が求められる課題であるということを、今後の御検討の中でも、是非御配慮いただくことをお願いしたいと思います。
 意見でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。非常に重要な意見だったと思います。
 では、森委員。

【森委員】  1つの提案なんですが、中央教育審議会というのが、1年後、2年後に実現する施策を議論する場である限りは、現実との妥協とか、そういったことは当然必要になってくるし、第一歩を目指す政策というのが出てくるのは、これはいいことだと思いますけれども、その一方で、今の御意見で私が感じたのは、10年後に実現するような、時間がかかるけれども、そういう議論も一方でする必要があるのではないでしょうか。であれば、今の御発言のことも、私は解決するように思います。それが1つ。
 それからもう1つは、長岡市は保育部門を教育委員会の中に取り入れて、そういう意味で私は文部科学省派なんですけれども、保育所と幼稚園は教育委員会で一体的に見ています。その中でいろいろな現場の情報が入ってきますけれども、そもそも突き詰めていけば、教育と保育って、どこがどう違うんだろうかという議論から必要なのではないか。そこの整理がないと、非常にやはり苦しむ人が出てくると思うし、そんな気がしております。
 ですから、私の1つの提案としては、すぐ、1年後、2年後に結びつく政策だけを議論するのが中央教育審議会なのか、10年、20年先、これはいろいろな現実がありますから、実現できないけれども、長い間にそちらの方向に行けばいいということも議論する場なのかということ。私は長い視点での議論をするということも本来の目的ではないかと思いますけれども、そこだけちょっとお答えいただきたい。

【小川分科会長】  幼児教育課のほうで、今お2人から、御要望を含めてありましたけれども、何かございましたら。よろしくお願いします。

【濵谷幼児教育課長】  高い理念なり、理念の整理が必要だというのは、御指摘のとおりかと思います。今日御説明申し上げませんでしたけれども、子ども・子育てに関する理念等について、資料4-3というものでお配りをしておりますけれども、教育基本法におきまして、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする」と書いてございますけれども、この話を突き詰めていきますと、子育ての責任、親の役割、施設の役割、社会の役割というものの整理をいかにするかということが、実は根本論でございまして、そこの根本論の、ここの教育基本法の条文なり、そういうものを現段階で踏まえた上でどうするかということ、将来的にどうするかということ、そういった時間軸や理念についての整理が、実は必要ではないかと感じております。

【小川分科会長】  一応御意見はこの場でお伺いしたということで、今後の運営等々に生かさせていただければと思います。よろしいでしょうか。五十嵐委員、どうぞ。

【五十嵐委員】  日野市の平山小学校の五十嵐と申します。幼稚園や保育所で学んできた、育ってきた子どもたちを預かる立場として、一言申し上げたいと思います。
 先ほどからの幼児教育がもっと大事だという理念をしっかり掲げなくてはという意見、もっともだと思います。日野市では、学びの連続性ですとか、育ちの連続性ということから、保育所や幼稚園、それぞれの立場は違っても、子どもたちは小学校に上がってくるわけですから、やはり一貫したものを持ちたいということで、もう早くからその研究を始め、平成16年から文部科学省の研究をいただいて幼児教育の在り方をいろいろと模索してきました。たくさんの実践研究がありますので、幼児教育の大切さについては、もう少し発信をして、掲げられているものを広めることも必要だったのかなというような気がしています。
 同時に、国の動向を見ながら、いきなりすべてをこども園にはしないで、市内の10か所の公立保育所と、5園の公立幼稚園の1つずつを幼児園という形にしています。その第1号が平成17年からできたあさひがおか幼児園です。最初の頃に大変だったのは、理念は理解していても、保育士さんたちと、幼稚園の先生たちがどうかかわって、どういうふうに子どもを育てていくのかということが模索状態だったということです。お互いに保育指針や教育要領を読みながら、一緒に勉強を重ねて学び合ってきました。
 施設も違い、形態はそのままなのですが、保育所と幼稚園の教員同士がそれぞれ交流して、日常的に出入りをすることと、週に何回かは、同じ時間に一緒に活動をすることを無理なく取り入れることで、お互いの理解を深め合っています。
 そこには、必ず小学校が絡まなくてはいけません。保育所、幼稚園と小学校の教員たちが一緒になって、幼児期の子どもたちの学びを、どう義務教育に接続していくのかということを考えることが必要です。日野市では幼小保連携推進委員会という委員会組織があり、保育所、幼稚園、小学校の先生たちが、毎回、会場を変えて集まりながら、学び合っています。このような地道な研修を続けて、それぞれの立場や共通している柱を理解することができるようになりました。
 ただ、制度がしっかり定まらないと、この先どうなるのかということが進みません。ですから、やはり制度や仕組みはきっちりと作りながら、一方で、今、行政の中でできることとして、幼・保・小の連携などを無理なく進めること、そういう同時並行でいかなければ、絵に描いた餅になってしまうのではないかなというふうに考えています。ソフト面とハード面の両方の整備が必要です。
 日野市では、市内の子どもが保育所であっても幼稚園であっても、同じように質の高い保育内容で健やかに育つために、就学前の1年間は、共通のカリキュラムである「ひのっ子就学前コアカリキュラム」で取り組むようにしています。それから小学校に入学して2週間は、就学前教育から無理なく小学校の生活や学習につながるようなカリキュラム「小学校入門期ひのっ子タイム」で取り組むようにしています。
 今後、長期的に見て、議論の余地があるのであれば、保育士、幼稚園教諭、その養成をどのように行っていくのか、これからの幼児教育にかかわる者の育成と研修、そして、共通のカリキュラムというものをしっかり立てなくてはいけないのではないかと考えます。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、天笠委員と長尾委員。

【天笠委員】  2つ申し上げたい点があるんですけれども、1つは、先ほど、将来的に子どもの数が減少している云々という話もあったかと思うんですけれども、しかるべきデータを基にしながら、将来の人口の推計というんでしょうか、それをかなり慎重に踏まえていただいて、その下で将来の姿について議論を進めていただければと思います。この件については、とかく待機児童があふれているというか、多いという話は聞くんですけれども、一方においては、人口が非常に減少しているところは、公立幼稚園が閉園に追い込まれているという実情もあるわけでありますし、あるいは人口5万の市町村で、昨年誕生した子供が200人前後というところで、将来どうそれを育てていくのかというような、こういうこと等というのも現実の問題としてあるわけで、その中で、今日のこのテーマをどういうふうにとらえて考えていくかというと、1、2年の話ではなくて、やはり30年、50年という中で考えていかざるを得ないテーマでありますので、そういう点では、足元の人口の動態と、それから全体的な将来の人口の推計等々も是非この中で踏まえながら、この件についてしっかりとした方向性を出していただければと、そんなふうに思います。それが1点です。
 2点目としては、先ほどお話もありましたが、ここでこういう議論を進めているということが、小学校と幼稚園・保育所の接続の現実の動きの中に既に表れているわけなんですけれども、ちょっと気になるのは、そこのところが動き出すということが、全体のバランスの中でどう考えていったらいいのかということが、大変重要になってくるのではないかと。ですから、小学校と幼稚園のこの部分だけをいじれば、という話ではなくて、それが制度全体に、やはり連動せざるを得ないということです。
 そういう意味では、先ほどの学校間の接続の話になるのかもしれませんけれども、例えば中高を切り取ったような形で議論するとか、あるいは、この先行くと思いますが、高大の接続というのを切り取ったような形で進めるというスタイルがいいのかどうなのか、もう一度検討していただいく必要があると思われます。全体を常に見ながら、幼小の接続ならば、あるいは小中の接続ならばという議論の進め方というのも、非常に大切になってきているのではないかと思うんです。
 要するに、一部のところだけを切り取って、そこのところの対症療法というべきなんでしょうか、あるいは、そこのところの在り方だけでは、なかなか事柄が、結論が落ち着かないような状況になってきているという認識が必要だと思います。そういう点では、是非この分科会において、常に全体的なバランスの中での個々の議論だというふうな、そういう進め方をお願いしたいなと思います。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、長尾委員、お願いします。

【長尾委員】  長尾でございます。

 私が希望することは、一言だけです。五十嵐委員も天笠委員もおっしゃったように、この構想を作るに当たって、やはり現場をどれだけ調査してくださるのか、あるいは調査していかなければいけないのかということを、ひしひしと感じます。私自身、保育所に子どもを預けながら、また孫たちも保育所に預けながら、必死で子育てをして、仕事もしてまいりました。ですから、ユーザー側、つまり、保育所・幼稚園を利用する親御さんたちの気持ちをなしにして、机上の空論で、構想が固まっているように思えます。是非子育ての現場にいるお母さんたちの気持ち、それから、保育士、幼稚園教諭の養成課程を持っている現場である大学、その辺りとも是非話をつなぎながら、現場の調査を行いながらやっていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 残り、もう15分くらいしかありませんけれども、よろしいでしょうか。
 今日は本当に、いろいろな貴重な御意見を賜りました。今後、幼保一体化のテーマについては、この初中分科会で適宜、その都度、いろいろ意見交換はしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 では最後に、今日は、第6期の初中分科会の最初の会合ですので、できましたら初中教育を中心にして、ないしは初中分科会の今後の運営課題等について、何か皆さんから御意見、御要望があれば、自由にお伺いしたいと思っております。
 本来であれば、時間があれば、1人ずつ順番に御意見を伺うのが適切だと思うんですけれども、時間もありませんので、特にという御意見があれば、お受けしたいと思います。どうでしょうか。市川委員、どうぞ。

【市川委員】  2つのことを、意見というか、質問も含めてなんですけれども、1つは、今、天笠先生もおっしゃった初中教育全体と、大学との接続です。これは一体中教審の中で、どこで議論されるのだろうかということ。いつも初中で話し合って、要望を出すというようなことはありますが、私は、できるだけ大学と合同部会とか、もっと連携を深めたほうがいいと思います。
 具体的にどういうことが問題かといいますと、初中が、新しい学力観とか生きる力というようなことで、かなり教育改革を進めてきて、それは1つの方向として私は望ましいと思うんですが、よく言われるのは、結局大学入試が、いわゆるペーパーテスト偏重でなされていると。このことに対する不満はあると思います。幾ら改革しても、結局どうもという感じがあるんですね。
 それから、大学のほうにしてみますと、一時は学力低下で困るという話もありましたが、これは今度の指導要領で少し回復はされると思います。まだ残っている不満は、例えば、高校でもやたらに選択ばかり多過ぎるのではないか。例えば物理を全く習わなくても大学に入れるとか、それから理系だったら社会科で、もう日本史を全く高校で習わなくてよいとか。こういうことが、私は一番この分科会にも響いてくる問題としては、教員養成だと思っています。
 例えば、高校で物理を全く習わないまま、何か苦手意識を持って小学校の先生になる。やはり理科は教えにくいと思ったりします。昔だったら文系、理系にかかわらず物化生地とか、理科は全部、社会科だったらかなり幅広くやってきたのが、今はもう選択、選択で、一般的な教養を身に付けないままです。大学、特に教育学部ではこのことが大きな問題になっていると。もうちょっと、広く浅くでもいいですから、きちんと履修してきてほしいというようなことが大学からの要望としてもある。こういうことを、是非接続の問題として、どこかで議論する場を持ってほしいということです。
 それから、もう1つの接続とか連携というのは、地域教育と初中教育の問題です。90年代半ばから、もっと地域に受け皿をというようなことを言い続けてきても、90年代には実際あまりなかったんだと思うんです。それが十数年を経て、かなり地域教育も盛んになってきた。特に、完全週5日制になって土曜日にもっといろいろなものをということになって、できてきたら、今度、改めて土曜日授業をやるという。私はこんなに増えるとは思いませんでしたけれども、決して、これは文科省が土曜日に授業をやりましょうといって進めたわけではないと思うんです。あくまでも補助だったんですが、実際には相当増えてきて、地域教育の人たちは、せっかく自分たちがやり出したのに、土曜日はこういうことができないと。何かはしごを外されたような気持ちになっているというところがあると思います。
 やはり地域教育、学校教育、一体となっての子どもの学習環境ですので、これも、じゃあどこで話し合いがなされるんだろうというと、やはりちょっと部局が違う、委員会が違うと、もう話す場がない。是非今の、大学との接続、それから地域教育との連携ということについて、合同部会なり、持たれるといいのではないかなと思っています。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 ほかにどうでしょうか。非常に重要なテーマでしたけれども。
 では、橋本委員、そして、荒瀬委員、貞広委員ということで、よろしくお願いします。

【橋本委員】  青森県という地方の現状からしますと、こういうふうないろいろな改革が行われて、体制が変わるということですけれども、やはり学校サイドからしますと、その準備といいましょうか、例えば特別支援教育に関しても、今、現実を見ますと、特別支援教育についての理解が、まだまだ普通の先生方に届いていないとか、あるいは、特別支援学校のような専門性の高い先生方がたくさんいらっしゃるわけではないという現状の中で変わっても、せっかくの理念がうまく果たされないと思います。
 そういうことで、やはり、学校がそういうふうな条件を満たすには少し時間が必要だということで、そういう養成、教員養成というお話がありましたけれども、学校の教員の研修も充実するということを先にやっていかなければ、よい結果が生み出されないと思います。
 また、幼保の一体化の問題についても、保育所が今、非常に教育がしっかりしてきたという現状がありますし、待機児童がいない地方にとっては、その辺は大変ありがたいことと思いますが、やはりそういう保育士の研修というのが、幼稚園の教諭対象の講座などもやっておりますけれども、まだまだ参加率が少ないということで、資格としては、4人に3人は両方持っているという現状でございますけれども、やはり準備ということを先回ってやっていく必要があるのではないかと思いますので、その辺もよろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、荒瀬委員、どうぞ。

【荒瀬委員】  ありがとうございます。
 お聞きしていて、最初に分科会長がおっしゃいました、新しい学習指導要領が実施されていく中でのバックアップというのは、本当に重要だということを思っています。前から申し上げておりますけれども、中教審での議論が具体化された学習指導要領が、教育委員会、それから学校現場と行きますと、せっかく考えていたことが、必ずしもそうではないような形で動いていくということというのは、教育委員会の関係者の方がたくさんいらっしゃるのに申し訳ありませんけれども、いろいろと横並び、それからまた形骸化と言ってもいいと思うんですが、進んでいくような気がしてなりません。
 ですから、学校の自由な発想というんでしょうか、もちろん法律と学習指導要領に従った形で、学校の自由な発想が行われて、生き生きとした教育が行われるということを、中教審としては是非とも支援していかなければならないだろうということを思います。
 キャリア教育だって、田村委員が特別部会で随分と長い間御苦労なさいまして、私も一員にしていただいておりましたけれども、あそこでの理念が現場に本当にそのまま伝わっていくのかというと、非常に不安に思いますので、そういった情報を常に持ちながら、発信型ということを小川分科会長がおっしゃいましたけれども、発信していく必要があるだろうということを思います。
 それと、市川委員が先ほどおっしゃいました、初中教育と大学との接続という点では、今、京都だけなのかどうか分かりませんけれども、私も土曜から日曜日にかけて随分取材を受けたりもいたしましたが、入試問題の漏えいの事件というのは、なかなか大変なことでありまして、でも、今の形の大学入試が、それはそれで1つの形として随分と練られたものではあると思うんですけれども、これからの社会を担っていく若者を育てていく上で、大学入試の変更というのを考えていかなければいけないと思うんです。これは不正確ですけれども、元京都大学総長の井村先生とお話をしていましたときに、学部長を集めて、入試を変えていこうと思っているということをおっしゃった。そうすると、それは学部に持って帰って考えるということで、2年か3年たって返事が来て、「変える必要はありません」というふうなお話があったということを、井村先生は本当につらい思いでおっしゃっていたと思うんですが、変えないといけないものは真剣に考えて、変えていこうと。そのときに、結局、初等中等教育と高等教育の間で、市川先生もおっしゃっていましたように、きれいに切れていますから、だからお互いになかなか歩み寄れない。
 実は、今週の土曜日、日曜日か、神戸大学でAO入試に関してのシンポジウムがあります。そこへ行くことになっているんですが、真剣にそういったことを考えているところというのが、少しずつ出てきてはいるんですね。ところが、それが全体のものにならなのは、やはり入学試験というものに対する大学の皆さんのお考えというのが、十分に、大学の中でも検討されていないし、あるいはまた高等学校との話し合いというのも行われていないというところでありまして、医学部だって25人のAOでの入学合格者を決めるというのが神戸大学です。
 ですから、そういった動きというものを、もっともっと広く我々は知るべきだし、お伝えするべきだし、かつまた話し合いを続けていかなければならないだろうと。それをする際に、天笠先生がおっしゃいましたように、全体の中で、学校段階間の接続・連携といったものが図られなければならないなということを思います。
 中高一貫教育のお話がありましたけれども、実は私、実際に京都で中高一貫教育、特に公立の中高一貫教育を見ていまして、公立中学校の課題というのも随分と見えてきているのではないかなと。それがそういった形で発信されることはなくて、中高一貫教育は大変人気があるとか、中高一貫教育はいいんだといったような議論ばかりで、本当のところ、日本中で一番たくさんある公立中学校、いわゆる3年制の公立中学校がどうあるべきなのかという議論が行われないというのは、大変残念だということを思っています。
 極端に言えば、公立中高一貫校は、ある意味、ちょっとこれは言葉が不適切かもしれませんが、6年間の指導をするということなんだけれども、言ってみたら中学校から高校へ行く段階では囲い込みをしているとも言えるわけです。小学校に受験勉強が、低年齢化しているとも言えるわけです。先取りの教育をやっていくといったことも全国的にもあるようでして、それは結果的には、私立の、これは建学の精神ということで行われているところの教育に近づけていくということで、公立の中高一貫教育って一体何なのかということを改めて問われているようにも思いますし、公立中学校の教育は何なのかというのも問われているように思います。
 そういった様々なことを、繰り返しになりますけれども、新学習指導要領が実施されていくという、この段階において、もう一度とらえ直して、大いに様々な形で発信していく必要があるのではないかということを思っております。ありがとうございました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、貞広委員、どうぞ。

【貞広委員】  ありがとうございます。
 以前にも申し上げたことがあるのですが、教育に携わる人たちで、教育の場や、子どもが育っていく環境が良くなることに異論を挟む方はいらっしゃらないと思いますが、今、財政的には限られている状況で、高齢化が進む中で、医療・介護分野との競合問題があります。
 教育は人なりですので、その充実のためにはどうしても財政的な出動が必要だということがあります。できれば、国民の皆さんに、にこにこと教育にお金を払っていただけないかと思います。つまり、小川分科会長が冒頭でおっしゃったように、未来への投資として、教育へ公的資金が投入されるということに納得していただかなければいけない、この視点が非常に重要だと思います。今後、財の配分をめぐる議論もおそらく進行していくと思いますので、こちらの中教審でも、教育の分野、又は教育の特定のサービスを受ける需要者だけではなくて、もう少し広がりを持って、この新しい教育の在り方が、直接そのサービスに関係のない人たちを含めた社会全体の福利になるということを強く意識して、発信をしていきたいと思います。
 そのために、例えば、事務局の方に作っていただく資料についても、会議での議論についても、教育が社会全体の福利になるということを強く認識できるものにしていただきたい。それによって、10年、20年先にも教育の予算がなくなって、子どもの教育がお金の面から充実させていけないというようなことがないようなことになるのではないかというふうに期待しています。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、輿水委員、よろしくお願いします。

【輿水委員】  輿水でございます。
 今、10年、20年先という話がありましたけれども、15年前に、いわゆる学校週5日制がだんだんと定着していく方向になって、今この15年たってみて、もう一回揺り戻しということが起こっていると。一番やはり混乱しているのは現場だろうというふうに思っています。
 市川先生がおっしゃいましたけれども、学校と地域と、それから家庭が3つ合わさってやっていこうということが、あの時期では本当に一致したというふうな思いを現場は受けました。それで頑張ってやってきたわけです。これから先、本当に学校と地域と家庭がどういうふうに絡んでいくのかということは、大変大きな問題だろうと思っています。
 先ほど来、幼児教育をどうするかとありましたけれども、本当に幼児を、その基礎の部分を育てるのは家庭だろうというのは、これはもう一致していると思うんですが、その家庭の在り方が、女性の労働力がこれほど必要になった時代に、どういうふうに家庭の教育力を担保していくのかというのは、本当に大きいことで、保育所と幼稚園が一緒になって学校になればいいというだけではなくて、一番大事なところはそこだろうと。そこの論議を抜きにして、先に進んでいったのでは、またこれは10年たたないうちに、あれは見直しだということになるのではないかなということを大変危惧しております。
 是非、この場に私おりまして、できるだけ現場の実態をお話ししたいと、そういう中で10年、20年先、そしてまた、もっと言えば目の前の子どもをということを、いろいろと考えていけたら大変うれしいと思っています。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、田村委員、どうぞ。

【田村委員】  では、一言だけ。
 実は今、私たちの国は、神戸の阪神・淡路大震災のような大激震以上の大激震にさらされているという話をちょっと申し上げたいです。というのは、あのときにプロクター・アンド・ギャンブルという、世界最大の消費財メーカー、つまり家庭の人たちの意見を代表する考え方を持てないと商品が作れない会社だったんですが、そのセンターが実は神戸の東灘にあったんです。それが実はシンガポールに移転します。その理由をいろいろ、私も実は関係があるので話を聞いていたら、日本はそういう商品を作り出す社会的基盤を失いつつあると。そこで教育をされているということが、日本の教育から、その活力を失いつつあるんだということなんですね。具体的に言いますと、要するに国際比較が全然できないと、こういう話なんです。
 つまり、教育の成果についての国際比較という観点をやはり持ってやっていかないと、PISAをやって、これでいいやというのではなくて、それをもっと生かすような形を真剣に考えてやっていかないと、気がついたら二流、三流の国になっていたということになりかねないような時期に今、来ているだろうと思います。
 プロクター・アンド・ギャンブルはもう帰ってきません。残念ながら、日本のそういう時代が終わったというふうに見られているという、その大きな原因の1つに、日本の教育があるというふうに言われまして、ものすごいショックだったんですけれども、これは数週間前に言われたんですが、やはりその観点を、ここでちょっときっかけでも作っていただけるとうれしいなと思います。
 もう1つ申し上げると、キャリア教育の委員会をやるということで、私、非常に魅力に感じたのは、幼稚園から大学・大学院まで、あらゆる分野の学校種が参加したんですね。話をいろいろしながら感じたことを一言申し上げると、そのようにやっても、結局発言される方は、その分野の発言しかなさらないんです。天笠先生の話をお聞きしながら、かなりこれは大変なことになっているなという、つまりその分野でしか考えていないんですね。だから我々は、日本だけと考えるのではなくて、世界を視野に入れると同じように、専門分野を大事にするということは非常に貴重だし、そういう力はすごく大切なんだけれども、そこに止まっちゃっていると、日本の評価はどんどん下がっていく危険があると感じたということです。
 それをちょっと実感しているものですから、是非、ここでの議論は、今申し上げたようなことに対応できるようになっていると、少しいいのではないかという気がしているんですが、ちょっと余計なことを言いましたけれども、よろしくお願いします。

【小川分科会長】  では、渡久山委員と髙橋委員と新藤委員と青山委員。そして最後に、安彦委員ということでよろしくお願いします。

【渡久山委員】  1つは、先ほどからずっと接続問題が出ていますね。これは幼小、それから小中、あるいは中高、あるいは大学まで今ありますから、この接続問題は、今の制度の中で、それでいいのかどうなのか。やはり制度そのものが見直されなければ、今の接続問題は解決しないのかという根本的な問題がありますから、これは小川先生も安彦先生も非常に得意な分野ですから、是非とも今度の機会には、それが話題になれるような議論が1つあっていいなということが1つです。
 もう1つは、今、予算決定の時期ですので、一つ、是非決意でも、あるいは中教審としての意見でもいいんですが、新しい指導要領ですね。現場には非常に重くのしかかっているわけです。いろいろの教科が非常に増えてまいりました。それと同時に、小学校の英語の義務化と、高等学校での英語教育の充実というのが出ていますが、それは、今まで学習指導要領がある程度出ても、実際の学力は定着したかどうかという、要するに到達度の問題です。これがずっと乖離しているということは言われていたんですね。だから今度は、この問題が、逆に指導要領がずっとこうして高度化していく中で、十分な手立てがなければ、日本の子どもたちの学力の定着度というのは、非常に、もっと差が出てくると思うんです。学習指導要領との乖離部分が。そういう意味では、徹底的な条件整備が必要ではないかなという気がいたします。
 1つは、35人学級。今、予算として出されておりますから、是非ともその実現をしていただきたいなということと、先ほど宮﨑先生からありました、インクルーシブ教育をしていくにも、やはり制度、結局、今の特別支援教育に携わる教員が必要になって、増えてくる。それから、学校のバリアフリー化。これをやっていかないと、全くインクルーシブといっても、同じ今のような校舎だけでいいのかという問題がありますので、そういう問題を含めて、抜本的な教育条件の改善のための教育予算の獲得ということを、是非いただきたいなと思います。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、髙橋委員、どうぞ。

【髙橋委員】  ありがとうございます。
 私は、2点です。1点目は、市川先生がおっしゃっておりました、大学教育と中等教育についてでですが、やはり大学の受験の中の選択教科が多過ぎる。将来の教員養成にもかかわる問題、大学の時点で既に苦手教科をたくさん持った方が教員になるということは、今、教育現場でも大きな問題を投げかけていると思います。理科が苦手、数学が苦手、特に体育が苦手、鉄棒、マット、跳び箱、全くできなくても現場にやってくる先生が相当数いるというような問題もありますので、そういう意味では、やはり広い意味での教養を備えた大学生という、大学を受験するためには、この教科とこの教科は受けなければならない、必修科目というのが私は必要かなと思っております。
 それと同時に、私、以前申し上げました、同じように高校入試制度。中学校では9教科学んでおりますが、実際に受験しているのは5教科でございます。せめて残りの実技教科4教科の中から、1教科選択で6教科ということを将来考えられないかどうか。中学校教育も一緒にその中で議論していただければ、大変ありがたいと思います。
 もう1点なんですが、それは、現在70万人いると言われているひきこもりです。家庭にいて、学んでもいない、就職もしようとしていない。ひきこもり70万というのは、1年間に成人する人口の半分以上を占めております。人数の割合からいくと、非常に大きな問題。これは我々も、教育に携わっている者としては、非常に見過ごすことのできない大きな数字だなと思っております。
 これは、心の問題かもしれません。制度の問題かもしれません。やはり教育の中では、人としての生き方、20歳、成人式って何のためにあるんだ。20歳過ぎたら独立して、自分としての生計を成り立たせる、そういう意味の20歳ではないかと思うんですが、20歳過ぎたひきこもりの数が全体の70%以上いるというのは、大きな問題だと思っておりますので、こういったことも議論の対象にしていただければありがたいと思います。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、新藤委員、どうぞ。

【新藤委員】  ありがとうございます。全日本中学校長会の新藤でございます。
 1点だけお願いをしたいと思っています。先ほど、荒瀬先生からも言われていたんですけれども、やはり公立中学校の担うべき役割は何なのかということを明確にしていただきたいと思っています。新しい学習指導要領では、中学校は現在の週28コマから、週29コマということになります。現実問題からいきますと、今年度から教員の勤務時間が7時間45分からいきますと、本校の実際でいきますと、8時15分に教員、始業を始めて、6時間目の授業が終わるのが3時20分です。それで勤務でいきますと、3時45分、ここからが45分間の休憩を与えなければならないという形になってきます。
 そうしますと、現実問題として、週5日間のうち4日間が6時間の授業でいきますと、もう放課後の子どもたちの活動を保証する時間、教員の勤務時間を守りながらということが、ほとんど不可能な状況になっています。そのためにどういうことが起こっているかといいますと、夏休みを1週間短くする。それからさらには、土曜日を年間20回、3時間ずつやって、その代わり生徒には振替をさせない。もうこれで中学生は25日間、今までよりも休む日にちがなくなるという形になるわけですね。
 こうしないと、新しい学習指導要領が言われている授業時数を確保することが不可能というような状態が生まれてきている。こういった流れで、グローバルスタンダードのPISA型読解力も付けなければいけない、しつけもしなければいけない、健全育成も含めてやっていかなければいけないというような状況の中で、本当に教員は、やはり疲弊しているのが現実だと思います。
 そういった意味で、公立の中学校が担うべきは何なのか。東京都でいくならば、中高一貫校を都は作っているわけですけれども、そのパンフレットが、地域のリーダーを育てる中高一貫教育に子どもたちをやろうと、そういうパンフレットを平気で作るわけです。そうすると、公立中学校は地域のリーダーは作っちゃいけないのかとか、担っていないのかということになるわけですね。いや、私たちは正に地域に根差して、地域に生きる人材を育てるつもりなんですけれども、もう既に中高一貫校がそれを裏切る形で宣伝をされているというような実態を考えますと、公立の中学校はいかにあるべきなのかという辺りは、本当に真剣に議論をしなければいけないということだなと思っておりますので、今後また、この会議の中でいろいろと情報提供させていただきながら、皆さんの意見を聞きたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、青山委員、よろしくお願いします。

【青山委員】  ありがとうございます。
 やはり、先ほど荒瀬委員からお話しいただいた初等中等教育と、それから市川委員からもお話をいただいた初等中等教育と高等教育との接続ということについて、これは昨年度、北海道大学の委託研究で報告が出ているわけでございますけれども、それを受けて、その中には、やはり初等中等教育にかかわる部分と、それから高等教育にかかわる部分と、そこに特化する部分と、それから共通する部分と、やはりこもごも入っていると思っています。
 現在、その報告書を基にして、その中での仕分けが行われて、分析が行われている状況だと、私どもは、全高長としても受けとめさせていただいているわけですけれども、初等中等教育で今後どういうふうに取り組めるのか、それから高等教育でどう取り組んでいただいて、それを高等学校と大学との間でどう連携しながら1つの成案に持っていくのかということが、これから高等学校にも大学にも、双方に求められていることだと思っております。あの報告の中で、やはり「今後さらに連携して」という文言がございましたので、そこを全高長としても、全普高が65%を占めておりますから、全普高の中でも受け皿を作って、今後も対応してまいるという姿勢でございます。
 この第6期の中で、また今後話題になってくると思いますし、現在初中局でも、今後の高等学校教育の在り方についてということでヒアリングを進めていただいておりますから、その動きにも全高長として入って、取り組ませていただきたいと、積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
 1つ象徴的なのは、この4月から小学校に英語活動というのが、正課として高学年に入ってまいるわけですけれども、これに対して中学校、それから高等学校が、やはり同時にそのイメージを持って取り組んでいく。それを新しい教育課程の中、これは外国語が中心になるわけですけれども、新しい教育課程の中でそれを取り込みながら、同時並行で進めていくと、こういう姿勢を持っていくことが、1つ教育課程を豊かにしていく、充実させていく、そういう姿勢ではないだろうか。それが、やはり高等学校で言うならば、中学校と大学双方を見ていく、中学校であれば小学校、そして高等学校を見ていくという形になって、幼小中高大という、この教育の一貫性というものが今後担保されていくんだと思っています。
 そういう視点で、私もこの第6期、参加させていただいて、意見を述べさせていただき、また先生方からいろいろと御指導いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。
 ありがとうございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では最後、安彦委員。

【安彦分科会長代理】  今、青山委員がおっしゃったことの付け足しなんですが、そういう問題はやはりこの分科会でやらなければいけないかと思いますけれども、同時に、こういう学校教育全体、特に今の幼保の場合ですと、保育園4割に対して幼稚園6割だったのが、今度は全部という方向になっていくわけですね。幼児は100%学校教育を受けるということ。そういう幼児教育の学校教育化というか、それを前提に考えますと、やはり大学までの、大学院も入れてと田村先生はおっしゃるかもしれませんが、非常に長い期間、22歳までの期間を学校教育が責任を負うということですので、先ほど各部分ごとの接続が問題になっていましたけれども、これはやはり部分、部分ではなくて、全体を見る場を、教育制度分科会か、どこかに作る必要はないだろうか。そういう議論がもう十分始められていい段階ではないかというふうに思います。この点が第1点です。
 それからもう1つは、今、幼保の場合が特にそういうことがはっきりしてきたと思いますが、学校教育のほうは、いわば公教育の仕組みを話しているわけで、その部分と、先ほどお話があった地域や家庭という私教育の部分の関係付けというのが、改めて問われてきているということになるんだと思います。少子化の問題もそれに絡まっていますけれども、そういう意味では、公教育として我々はここまで責任を持つ、ここから先はどこどこが持つという方向で、今までの議論というのは、どっちかというとみんな相手に押し付けるような議論でしたけれども、逆に、学校はこれだけやりますからという、むしろ引き受ける姿勢というのをそれぞれはっきりさせて、その上で意見を出し合うという議論をしないと、なかなか進まないかなと思います。そういう意味で、学校体系の外との関係を同時にこれは見ていかなければいけない。
 この2点を、皆さんのお話を伺いながら、我々がやっていかなければいけないかなというふうに思いました。ありがとうございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 初回というようなこともありまして、皆さんから非常に貴重な御意見をいただきました。可能な限り、こうした御意見を分科会の運営、ないしは中教審全体の運営に生かしていければと思っています。
 最後、せっかく各委員からいろいろな要望等々も出されてきましたので、山中初中局長、今までの皆さんからの御要望等をお聞きしまして、何かあればお願いします。

【山中初等中等教育局長】  今まで非常に貴重な御意見をいただきまして、初等中等教育分科会ということですけれども、確かに高等教育とも関連しておりますし、また日本全体の構造の中で、教育というものがどうあるべきかという大きな問題とも関連しております。その中で、また財政の在り方もございますし、そういうものを含めた形で、中教審の中でも、ほかの分科会との連携というふうなことも考えながら、また御相談いたしまして、いろいろな場で、今日出されました根本的なところについても議論ができますように考えていきたいと思います。
 これはすぐに結論が出るというものではおそらくなくて、そういうものもありますし、また更に続けて議論しなければならないというものがあろうかと思います。そういう視点を持った形での中教審の運営というものについても、またいろいろ御相談しながら進めていきたいと思っております。ありがとうございました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。これで今日の会合を終わりたいと思います。
 次回の開催等については、また追って事務局のほうから御連絡が行くかと思いますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございます。

── 了 ──

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-- 登録:平成23年05月 --