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初等中等教育分科会(第73回) 議事録

1.日時

平成23年1月28日(金曜日)15時~17時

2.場所

ホテルフロラシオン青山 1階「ふじ」

3.議題

  1. 第5期初等中等教育分科会の審議の状況について
  2. 「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について」(答申)報告
  3. 教員の資質能力向上特別部会における審議状況について
  4. 平成23年度予算案について
  5. 少人数学級の推進について
  6. 幼保一体化について
  7. その他

4.議事録

【梶田分科会長】
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第73回初等中等教育分科会を開会したいと思います。
 まず、配付資料につきまして、事務局からお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】
 本日の配付資料は、議事次第にございますように、資料1から資料8-3までとなっております。不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。本日は、たくさん御報告がございます。よろしくお願いいたします。
 第5期の中教審の委員の任期は、今月末までとなっていますので、この第5期中教審の初等中等教育分科会としましては、本日が最後の会となります。
 そういうことで、まず最初に、この第5期の初中分科会の締めくくりといたしまして、これまでの審議状況等につきまして、事務局から報告をお願いしたいと思います。
 それが終わりましたら、この議題にもありますけれども、教職課程の課程認定の答申について報告いたします。
 その次に、教員の資質能力向上特別部会の審議状況につきまして、事務局から現状を説明していただきます。
 次に、開催通知でお知らせしましたところと少し変更がございまして、昨年の12月24日に、平成23年度の政府予算案が閣議決定されておりますので、この初等中等教育関係部分につきまして、少人数学級の推進などもございますので、事務局から御説明いただきたいと考えております。
 その次に、幼保一体化につきまして、このところ、新聞報道もされておりますが、今の状況を御説明いただきます。最後に、キャリア教育における外部人材活用等に関する調査研究協力者会議が設置されるということで、この御説明をいただくことになっております。今日はこのように盛りだくさんの内容でございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最初に、第5期初等中等教育分科会の審議の状況につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】
 それでは、資料2-1を御覧ください。
 初等中等教育分科会におきましては、昨年3月に鈴木副大臣から検討をお願いいたしまして、5月から7月にかけて、今後の学級編制と教職員定数の改善について審議を行っていただきました。審議の結果は、初等中等教育分科会の提言としてまとめていただき、7月26日に梶田分科会長と田村副分科会長から、当時の川端文部科学大臣に御提言いただいたところでございます。この中では、新学習指導要領の円滑な実施、生徒指導面の課題等への対応、教員が子どもと向き合う時間の確保等の観点から、学級編制の標準の引下げや教職員定数の改善を提言していただき、また、設置者でございます市町村が主体的に学校の教育条件整備に取り組む観点から、学級編制に関する都道府県教育委員会の市区町村教育委員会への関与を見直すということを御提言いただきました。
 この提言を踏まえまして、文部科学省では、小学校1年生の35人学級の実施に係る教職員定数改善のための経費を平成23年度予算案に計上いたしますとともに、小学校1年生の学級編制の標準を、現行の40人から35人へ引き下げることや、市区町村の教育委員会が地域や学校の実情に応じて柔軟に学級を編制できる仕組みを構築することを内容といたします、義務標準法の改正案を今国会に提出することとしております。詳細につきましては、また後ほど議題(4)、(5)において御説明したいと思っております。
 続きまして、梶田分科会長に部会長も務めていただいております教育課程部会におきましては、昨年3月に「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」を取りまとめていただきました。中央教育審議会におきまして、平成20年1月に「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」の答申が取りまとめられまして、これを受けて、平成20年3月に幼稚園、小学校、中学校の学習指導要領等が改訂され、平成21年3月に高等学校、特別支援学校の学習指導要領等が改訂されました。学習評価につきましては、平成20年の答申におきまして、「今回の学習指導要領改訂の基本的な考え方を踏まえ、より一層簡素で効率的な学習評価が実施できるような枠組みについて、更に専門的な観点から検討を行う」こととされておりましたため、このことを受けまして、平成21年4月、初等中等教育分科会教育課程部会の下に、児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループの設置を決定していただきました。ワーキンググループにおいて計13回の審議を行っていただき、さらに、小・中・高の全国校長会等、関係団体からの書面によるヒアリングも実施されたところでございます。また、平成22年2月の中間まとめにつきまして、一般の方々からも意見を募集いたしまして、これらの意見等を踏まえて更に議論を進めていただき、小・中・高等学校及び特別支援学校における学習評価の在り方の改善のために必要な事項について、教育課程部会として報告をまとめていただいたという経緯でございます。この報告を受けまして、文部科学省では、昨年5月に学習評価を行うに当たっての配慮事項等を示した通知を都道府県教育委員会等へ発出したところでございます。
 続きまして、2ページ目を御覧ください。
 まず、2ページ目の冒頭でございますが、これは宮﨑委員に委員長を務めていただいております、「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」の関係でございます。障害者の権利に関する条約の批准に向けまして、全閣僚による「障がい者制度改革推進本部」、そして、その下に設置されております「障がい者制度改革推進会議」において議論・検討が進められておりましたが、昨年6月に取りまとめられた「障がい者制度改革推進会議」の「第一次意見」を踏まえて閣議決定されました、「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」におきまして、「障害者権利条約のインクルーシブ教育システムの構築の理念を踏まえ、体制面、財政面も含めた教育制度の在り方について、平成22年度内に(中略)制度改革の基本的方向性についての結論を得るべき検討を行う」ということ、さらに、「手話・点字等による教育、発達障害、知的障害等の子どもの特性に応じた教育を実現するため、手話に通じたろう者を含む教員や点字に通じた視覚障害者を含む教員等の確保や、教員の専門性向上のための具体的方策の検討の在り方について、平成24年内を目途にその基本的方向性について結論を得る。」と示されたところでございます。
 このために、初等中等教育分野におけるこうした課題につきまして、専門的な見地から審議を深めていただくことを目的に、この分科会の下に「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」を設置していただきました。同特別委員会では、第1に、インクルーシブ教育システムの構築という障害者権利条約の理念を踏まえた就学相談・就学先決定の在り方や必要な制度改革、第2に、こうした制度改革の実施に伴う体制・環境の整備、そして、第3に、障害のある幼児児童生徒の特性・ニーズに応じた教育・支援の実施のための教職員等の確保及び専門性の向上のための方策等、これらについて8回にわたって御審議いただき、初等中等教育分科会における御審議も踏まえていただいて、先月24日に論点整理として取りまとめていただいたところです。
 お手元には、その当日中央教育審議会総会に梶田分科会長から御報告いただきました論点整理をお配りさせていただいております。この論点整理につきましては、先月25日から1月23日まで意見募集を行い、現在、事務局においてその結果を集約しているところでございます。
 続きまして、小川委員に主査を務めていただきました、小・中学校の設置・運営の在り方等に関する作業部会についてでございます。平成20年6月に当時の金森初等中等教育局長から御審議をお願いしまして、1点目として、学校規模の在り方や学校の適正配置について、2点目として、地域住民や保護者が学校運営に参画するコミュニティ・スクールについて、3点目として、地域の実情に応じてあらかじめ保護者の意見を聴取した上で就学すべき学校を指定する、いわゆる学校選択制について御審議いただくために、この分科会の下にこの作業部会を設置していただきました。
 計12回の審議を経て、平成21年7月の初等中等教育分科会におきまして、「意見等の整理」を報告していただいております。これらの報告を受けまして、文部科学省といたしましては、まず、小・中学校の適正配置に係ることでは、「意見等の整理」の中の、「国が市町村や都道府県の協力を得て適正配置に関する調査研究等を行い、情報提供することも考えられる。」という御提言を受けまして、今年度の新規事業として、全国の様々な学校統合の事例をまとめた事例集を作成する調査研究を実施しております。
 学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティ・スクールにつきましては、指定校数が昨年4月の段階で629校となっておりまして、今後も着実に増えることが見込まれておりますが、「意見等の整理」を踏まえまして、より一層、積極的な導入の推進を図るために、本年度から新たにコミュニティ・スクール指定校が1校もない地域の保護者や、地域住民、学校関係者を対象とした個別説明会を開催しております。説明会参加者は、全国15地域で約2,400名程度となる見込みです。説明会の実施に当たりましては、「意見等の整理」の中の、学校運営協議会制度と学校支援地域本部等との連携の必要性に係る御指摘を踏まえまして、生涯学習政策局と共同で説明を行わせていただくなど、両者を一体として推進するよう取り組んでいるところでございます。
 また、学校運営協議会制度の成果や課題、今後の方向性等につきましては、昨年10月より天笠委員に座長を務めていただきまして、学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議を設置して、審議を行っていただくとともに、関係者による熟議を開催して引き続き検討しているところでございます。
 学校選択制につきましては、全国一律に推進すべきというものではなく、メリットとデメリットを十分に考慮した上で学校設置者が導入を判断すべきという、導入についての基本的な考え方をお示しいただきましたので、文部科学省といたしましては、平成21年12月に、学校選択制を導入した自治体の例や、逆に、導入後に見直しを行った自治体の例などをまとめた事例集を作成いたしまして、全国の全市町村の教育委員会に提供しているところでございます。
 続きまして、3ページ目を御覧ください。
 小川委員に主査を務めていただいたおりました、学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会についてでございますが、これは、平成20年10月に当時の金森初等中等教育局長から御審議をお願いし、この分科会の下に作業部会を設置していただきました。10回の審議を行っていただいて、今後の学校の在り方や、教職員の職務の在り方等について検討を行っていただきまして、先ほど御説明いたしました初等中等教育分科会における、今後の学級編制及び教職員定数の改善についての審議の際に、小川主査より検討状況を御報告いただいたところでございます。
 また、このほか、今期の初等中等教育分科会では、不登校児童生徒への支援についても御審議いただきました。これは、平成20年6月の当時の金森初等中等教育局長からの御審議のお願いにこたえていただいて御審議いただいたものでございます。平成21年7月の初等中等教育分科会におきまして、委員の皆様からいただいた主な意見を踏まえまして、文部科学省の基本的な考え方及び支援策等を報告させていただいております。
 不登校の児童生徒への支援につきましては、不登校の早期発見・早期対応の取組とともに、未然防止への取組や、教育支援センターやNPO等の民間組織・団体との連携した取組が必要ですので、文部科学省としましては、現在取り組んでおります不登校児童生徒を支援する施策や事業が、今後より一層有効・適切に活用されるよう、引き続き促進していくこととしております。
 昨年には、まず3月に、生徒指導に関する学校・教職員向けの基本書として「生徒指導提要」を取りまとめました。さらに、6月には、「生徒指導提要」の内容を効率的に習得させるための教員研修の在り方について調査研究を行うために、生徒指導に関する教員研修の在り方研究会を設置いたしました。森田委員に座長を務めていただいているところでございます。今後とも、この「生徒指導提要」を活用するなどして、学校における生徒指導の充実・強化を促進することとしております。さらに、来年度には、不登校児童生徒の現状の把握・分析を進めて、これまでの不登校施策を点検し、不登校に対するより適切・効果的な取組を検討するための調査研究を行う予定としております。
 第5期の審議の状況は、以上御説明したとおりでございますが、現在審議中で、来期も継続して審議していただく課題といたしましては、障害者の権利に関する条約の理念を踏まえた特別支援教育の在り方と学校段階間の連携・接続等がございます。特別支援教育の在り方については、先ほど御説明したとおりでございますが、学校段階間の連携・接続等につきましては、平成21年7月に、小学校と中学校の連携・接続の在り方や、平成11年から制度化された中高一貫教育の検証と改善方策など、また、いわゆる「飛び級」の是非も含めた優れた才能や個性を伸ばす学習機会について審議を行っていただきます、学校段階間の連携・接続等に関する作業部会を設置していただきました。その後、小川委員に主査に御就任いただきまして、これまで3回の会議を開催したところでございます。現在は、中高一貫教育の検証・改善方策等について御審議いただいておりまして、その後、小・中の連携・接続の在り方等について、さらには、優れた才能や個性を伸ばす学習機会等についても御審議いただく予定でございます。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。ただいま御説明いただきましたように、この2年間、この初等中等教育分科会では、ちょうど3年前に新しい学習指導要領、幼稚園の教育要領の答申が出ましたので、これを実効あるものにするために、一つは、学級編制と教職員定数の改善ということで議論していただきまして、提言を出しました。また、もう一つ、幼・小・中・高の学習評価の在り方を改善しようということで、ワーキンググループを教育課程部会の下に作っていただきました。ここで議論していただいたものを報告として出していただき、それに基づいて指導要録の改善についての通知が文科省から出されております。そのほか、教育諸条件の整備についての審議など、幾つか大事なことがございました。
 来期も2点、継続して審議していただくことになっております。一つは、宮﨑先生に御苦労いただいているところですが、特別支援教育の在り方に関する特別委員会において論議を継続していただく。もう一つは、学校段階間の連携・接続についても始まったところですので、これを第6期においても続けていただく。このようになっております。
 以上、御説明いただいた点につきまして、この場で確認をしておきたい御質問等があればお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、2番目の議題に参ります。本日の午前中にありました教員養成部会で、これは毎年のことなんですが、10月に諮問を受けました、「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定」の審査結果について、教員養成部会の議決をもって答申といたしましたので、御報告させていただきます。これは簡単に言いますと、大学の、いわゆる教職課程の課程認定ということです。この教員免許状は、教育職員免許法で大学課程で所要の単位を修得し、都道府県の教育委員会が免許を与えると、このようになっております。そういう大学等の教員養成の課程が適当であるかどうかということについては、中央教育審議会に諮問して、その答申に基づいて決定することになっておりますが、この諮問に関する審査は、教員養成部会の専決事項となっております。これは、2000年まで教員養成部会が教育職員養成審議会という独立した審議会であった、そのころからのこういうことを引き継いでいるということだろうと思います。そして、この教員養成部会で議決しましたら、この初等中等教育分科会に報告するというふうになっておりますので、少しお時間をいただいて報告をするということでございます。
 内容的には、資料3を御覧ください。資料3に具体的にどういう大学がとか、あるいは数として幼稚園の教職の課程だとか、小学校、中学校、高校について、それぞれ出ております。全体の課程認定大学等の数は、前の年度から比べて34減りまして、151大学等となっております。また、本年度は通常の課程認定の審査に加えまして、高等学校の福祉の教職課程の再課程認定の審査も行っております。これは、平成22年4月の教育職員免許法施行規則の改正によりまして、平成23年度の入学生から、高等学校の福祉の免許状取得に必要な「教科に関する科目」として新たに2科目が追加されたため、改めて課程認定もやり直したということになっております。
 この教職課程の課程認定につきましては、教員養成部会の下に常設の課程認定委員会というものが置かれておりまして、ここで詳細に審査していただく。非常に厳しい委員会であります。ここでずっと審査していただきまして、これは、今日午前中に報告がありました。幾つかの大学につきましては、例えばカリキュラムの組み方がまずいとか、教員の配置がまずいとか、幾つかではないですね、かなりたくさんの大学について、この課程認定委員会から手直しをするようにということでお願いをして、手直しをしていただいたと報告を受けております。
 また、特に問題になりましたのが、学科の名前とか、内容ですね。例えば体育の教師を養成するのに、必ずしもこれでいいのかなという学科の内容、名前であったりして、7大学か8大学くらいはもう一度考え直していただいて、大きく是正されたところ、うまく改善されたところは認定されております。そういうもろもろの厳しい審査をしていただき、また、御指導いただきまして、その結果としてこの資料3にあるような形で、今回、課程認定がなされたということであります。
 また、この課程認定したら終わりということではありませんで、教育職員免許法が改正されて、もし問題があれば、課程認定取消しもありますので、問題のありそうな大学を含め実地視察に行っております。これは、課程認定委員会の先生方、また、時には親部会の教員養成部会の先生方、また、文科省の視学委員ということでお加わりになっている外部の委員の方々等が何人かでチームを作って、教職員課の方と御一緒に、実地に大学の視察をし、気の付いたことはその場で御指導申し上げ、面倒なといいますか、複雑なことにつきましては、後で御指摘をしておいた上で、それをどう改善したかということを、その大学から教職員課に来ていただいて、御一緒に相談しながら是正していると、こういうようなことをやっているわけです。
 ということで、今年も無事に、今日の午前中の教員養成部会で新たに課程認定が答申され、これを大臣あてに提出しました。以上、報告をさせていただきます。
 では、3番目の議題に参ります。昨年6月に文部科学大臣から「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」諮問を受けまして、新たに特別部会が設置されて、その審議が行われております。これは皆さん御承知のとおりであります。この特別部会における審議の状況につきまして、事務局から報告をお願いいたします。

【日向教育改革調整官】
 教育改革調整官の日向と申します。
 先ほど梶田先生から御説明がございましたが、昨年の6月に中教審の総会に、「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」、諮問がございました。その後、総会の下に、新たに教員の資質能力向上特別部会が設置されたわけでございます。その状況について説明をさせていただきます。資料4を御覧ください。
 教員の資質能力向上特別部会におきまして、これまで8回の検討が行われ、審議経過報告の取りまとめが行われております。この審議経過報告につきましては、1月31日に開催予定の総会で報告をさせていただくことになっておりまして、また、この後、引き続き答申に向けた検討が行われることとなっております。
 それでは、審議経過報告(案)の概要でございますが、これはまだ最終的な表現の調整をしておりまして、12月27日の特別部会で資料として配付された審議経過報告(案)、その段階のものでございます。この概要について説明をさせていただきます。
 まず、1の教員養成の在り方というところでございますが、上から3つ目の丸でございます。教員養成は、学部4年に加え、1年から2年程度の修士レベルでの課程等での学修を要すること(修士レベル化)について、今後検討を進める。すぐ下の丸でございますが、この場合、例えば、当面は、学士課程修了者に基礎的な資格を付与し、教員として採用された後に、必要な課程等を修了すれば、修士レベルの資格取得を可能とすることも検討する。2ページ目にまいりまして、上から3つ目の丸でございます。学部・大学院等における教員養成に係る課程認定審査や設置審査をより厳格化するとともに、新たな事後評価システムの構築を検討し、教員養成の質の保証を図る。また、事務体制についても抜本的に強化する。
 次に、2番目、教員免許制度についてでございます。上から2つ目の丸でございます。教員免許制度についても、教職生活全体を通じて、教員の資質能力向上を図ることを支援する制度に改革すべきである。教員養成の修士レベル化について今後検討を進めることとし、その際、例えば、当面は、学士課程修了者に基礎的な資格(「基礎免許状(仮称)」)を付与し、教員として採用された後に、必要な課程等を修了すれば修士レベルの資格(「一般免許状(仮称)」)を付与することも検討する。すぐ下の丸でございます。また、教員が教職生活を通じて、より高い専門性と社会性を身に付けていくことを支援するため、教員免許状により一定の専門性を公的に証明する「専門免許状(仮称)」を創設することについて検討する。すぐ下の丸でございます。教員免許更新制については、教員が教職生活の全体を通じて自発的かつ不断に専門性を高めることを支援する新たな制度への移行も視野に入れて検討を進める。その際には、「専門免許状(仮称)」制度と関連づけて検討するとともに、10年経験者研修との関係についても、整理していく必要がある。
 少し飛びまして、次の3ページ目の4.現職研修等について、でございます。上から2つ目の丸でございます。初任者研修の在り方については、養成期間と初任者の時期について複合的に考え、初任者研修について発展的に解消することも含め今後検討を進める。すぐ下の丸でございます。任命権者と大学が連携した研修の在り方や、研修の受講成果を「専門免許状(仮称)」の取得単位の一部とすることなどについて、検討する必要がある。
 そのほか、5番目といたしまして、教育委員会・大学等の関係機関の連携・協働について、また、4ページ目の、当面取り組むべき課題といたしまして、管理職の資質能力の向上、幼稚園教諭の資質能力の向上、特別支援教育に携わる教員の資質能力の向上について、今後の検討課題が示されておるところでございます。
 5ページ目が審議経過でございまして、6ページ目が、特別部会の委員名簿となっております。
 以下、12月27日の特別部会の配付資料で、審議経過報告(案)全文を掲載させていただいております。
 簡単でございますが、以上で説明を終わらせていただきます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。これは、今も御説明がありましたように、月曜日にあります中央教育審議会総会、第5期最後の総会で、審議経過のまとめということで、一応のまとめをしていただきます。しかし、ここから、第6期に本格的にまとめをしていただいて、答申に持っていくということでございます。これは、今、御説明いただきましたように、幾つか色々と議論のある点は含んでおります。これはまだまだ途中段階のものですので、ここであまり議論が盛り上がってもと思いますが、もしこの場で、これだけは発言しておきたい、あるいは確かめておきたいということがございましたら、御発言をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。
 平成23年度の政府予算案が閣議決定されまして、今の通常国会に提出されるということになるわけですが、初等中等教育関係の予算がどうなっているかということにつきまして、財務課から説明をお願いします。

【濱口企画官】
 失礼いたします。初等中等教育局企画官の濱口でございます。本日、課長の伯井が所用のため、代理で私から説明をさせていただきます。
 予算については、お手元の資料5を御覧ください。1枚おめくりいただきますと、「平成23年度の文部科学省予算(案)のポイント」という部分が出てまいります。一番上の四角囲みにもありますが、文部科学省全体では、今年度予算5兆5,926億円に対しまして、来年度予算案では約500億円減の5兆5,428億円となっておりますが、この四角囲みの下の※印を見ていただきましてもお分かりのとおり、補正予算に前倒しされている部分も実はございます。それも合わせますと、対前年度1,539億円増、2.8%増という形になっておりまして、かなり厳しい予算案の中ではありますけれども、教育関連、あるいは科学技術、文化等々にもかなりの予算が振り向けられているという全般的な状況でございます。
 その下の四角囲みにありますが、基本的な考え方は、現在の大きな政策方針の一つであります、「強い人材」の実現ということが柱にございます。これによりまして、その下の白丸の部分でも幾つかありますけれども、初等中等教育分野では、まず、小学校1年生の35人学級実現のための予算、それから、大学関係の主要関係経費の拡充、あるいは競争的資金の中の科研費の基金化等々による対応というものが大きな柱としてございまして、そのもう一つ下の白丸にもありますが、来年度の予算案につきましては、いわゆる要求額と要望枠というものがございましたが、結果といたしましては、要望枠にエントリーしたもののうち、10項目につきまして、かなり国民からの御意見もいただきまして、補正予算と合わせまして、総額9割を超える予算額を確保しているという状況でございます。
 その下の文教関係予算のポイントで、教育関係の部分の大枠が出てまいりますが、文教関係予算の中では、22年度が4兆2,419億円に対しまして、23年度予算案が4兆1,641億円という状況でございます。先ほど申し上げました大きな柱として、学級規模の改善と大学関係の主要関係経費の拡充、あるいは教育費負担軽減、学校施設の充実というものがございます。詳しくは、ホームページでも御覧いただけますので、お時間があれば御覧いただきたいと思いますが、初等中等教育関係の予算につきましては、更にもう一枚おめくりいただいた部分でございます。
 ここで各項目が出てまいりますけれども、下の方の四角囲みところでスターマークが大体8つほどついておりますが、主だったもので順に申し上げますと、まず、義務教育費国庫負担金につきましては、1兆5,666億円という形で、初等中等教育予算の関係でも若干減にはなってはおりますが、基本的にこの義務教育国庫負担金の、いわゆる自然減等のようなところが大きく出ている部分がございます。
 ただし、中身といたしましては、この義務教育費国庫負担金の下の説明書きにポツが2つありますけれども、2つ目のポツで、2,300人の定数改善ということで、その括弧書きの中にもありますとおり、純増300人ということになってございます。去年も純増で300人ということで、7年ぶりでありましたが、2年連続の純増という形は、ここにもありますとおり、平成3年度以来の20年ぶりということで、かなり努力をしたところでございます。今後、また義務標準法の改正というところにつながっていくものでございます。
 その次の幼稚園就園奨励費補助につきましても、総額212億円で8億円の増でございます。この部分につきましては、いわばすべての階層におきまして、この第1子の場合の例がありますが、補助単価が3,200円増という形になってございます。
 それから、3つ目は高校生の就学支援でございます。3,922億円で、11億円減となっておりますが、これは生徒数、あるいは執行状況の勘案をいたしました結果でございます。基本的には前年と変わらない状況でございます。
 それから、4つ目は、公立学校施設の耐震化でございます。これも補正予算で1,337億円ということでついておりますので、平成23年度分と合わせますと約2,100億円という状況になっております。これによりまして、耐震化率は、約81%から約85%に向上するというものでございます。
 その他、特別支援教育就学奨励費負担、あるいは全国学力・学習状況調査の実施も予算増ということになっておりますし、新規事業といたしまして、日本人の若手英語教員をアメリカに100名派遣をいたしまして、英語教授方法等につきましての研修を行っていただくという事業。あるいは学びのイノベーションという形で、子ども同士が学び合う環境の整備、あるいはデジタル化対応への在り方等について、実証的な研究を行うという部分につきましても、3億円の新規の予算となっているものでございます。
 時間の関係もありますので、それ以降のページにつきましては、例えばスクールカウンセラーの充実等々、細かい予算資料が出てまいりますけれども、またお時間のあるときに御高覧いただければと思います。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。この初等中等教育分科会で昨年7月に提言を出しました、教職員定数の改善や、学級編制基準の引下げにつきましては、残念なことにかなり値切られてはおります。1年生だけついております。加配との差引きでということで、若干この分科会としてもろ手を挙げてというわけにはいきませんが、今、御説明がありましたように、全体としては、厳しい財政状況の中で、いろいろと頑張って予算をとっていただいているなという感じでございます。皆さんから、この予算の問題につきまして、御質問があればお願いしたいと思いますが。よろしいでしょうか。
 それでは、次に、少人数学級の推進について説明をお願いします。

【濱口企画官】
 引き続きまして、資料6について説明させていただきます。
 先ほどの予算に関連いたしまして、35人以下学級の推進による教職員定数の改善として、資料6がございますので、これも併せて御説明をさせていただきます。
 資料6の1枚目、大きく2つの事項がございますが、先ほど申し上げました公立の小・中学校の学級規模の改善の部分にかかりまして、これからの制度改正のイメージを記した資料でございます。35人以下学級という部分につきましては、随時御説明申し上げておりますとおり、これまでの教職員定数の改善については、この1ポツの下の部分の(参考)という部分を御覧いただいてもお分かりになりますとおり、義務標準法というものが設けられて大体50年ぐらいたつわけでございますが、随時5年、あるいは数年単位の教職員定数改善計画というものを累次にわたって作ってまいりまして、その間、ある意味、複数年にわたるような全体的な計画を作り、教職員の確保、養成というところを念頭に置きながら措置をしてきたという経緯がございます。
 第1次のところは、昭和34年度から50人ということでありますが、第2次の昭和39年度からで45人に段階的に引き下げをし、40人になったのは昭和55年度以降ということで、第5次からという形になってございます。今回、30年ぶりに引下げをいたしまして、現在は小学校1年生から中学校に至るまで学級規模は40人を標準とするということになっておりますが、来年度予算案では、小学校1年生についてのみ35人に引き下げるという形になってございます。
 ここの部分につきましては、恐縮ですが次のページをめくっていただきますと、参考資料1という部分が出てまいります。箱書きが2つありますが、その下の方の箱書きを御覧いただきますと、「平成23年度義務教育費国庫負担金について」とありまして、国家戦略担当大臣・財務大臣、それから、文部科学大臣の3大臣合意というものが昨年12月17日になされております。そこの中で見ていただきますと、合意事項が1ポツから4ポツまでございます。具体的に見ていただきたいのは、4ポツでございますが、「平成24年度以降の教職員定数の改善については、学校教育を取り巻く状況や国・地方の財政状況等を勘案しつつ、引き続き、来年以降の予算編成において検討する。」ということになっておりますので、いわば小学校2年生以上の取扱い、それからまた、中学校も当然そうですが、これらにつきましては、また、来年度以降の予算編成に向け適宜検討していくということになってございます。
 また、1枚目にお戻りをいただきますと、この学級規模の改善と同時に、先生方にも御議論いただいて、提言でまとめていただきました学級編制の弾力化という部分がございます。こちらにつきましても、この図の部分を見ていただきたいと思いますが、若干その制度が詳しく書いてあります。ここの図の中で、左側に現行、右側に改正案としてございます。現在のところ、国が定めている学級編制の標準の数を基にして、最終的な学級編制というのは、市町村立学校については各市町村が定めるわけですが、間に都道府県の役割が規定されていて、いったん都道府県の方で、国の標準を基にした基準を作ります。この基準に従った形で各市町村で学級編制を行うという形になっているわけでございますが、この都道府県が基準を作って、各市町村は都道府県と相談をし、同意を得て学級編制をするという部分につきまして、この図にもありますとおり、事前協議、同意と言われている部分を見直すものです。右側の改正案にありますとおり、何らかの情報提供は当然その定数配分等々との関係もありますので、やっていただく必要はあるかと思いますが、そこの部分を一つ緩めるということと、それから、都道府県の基準という部分についても、その基準の在り方というものを緩めていただくということで、2つ検討をしているところでございます。
 ただ、そこの中にもありますとおり、一つの前提として、学級編制の在り方については、なるべく市町村のやりやすいようになっていくということで、改善をするわけでございますが、そこに密接にリンクをいたします教職員定数の措置という部分につきましては、今後も都道府県に残りますので、今後の学級編制につきましても、都道府県と市町村で適宜情報交換をしながら、両者で協力してやっていただくという、一つのイメージになってこようかと思ってございます。
 そこの中では、「例えば」ということで、大きな矢印の下の中に例を書いておりますが、小学校1年生について、仮に法律が成立をいたしますと、35人学級の実現ということになるわけでございますが、その場合、1学年の児童生徒が36人ということになっている場合、35人標準という形でカウントすると、通常の場合2つの学級に割るということになって、18人・18人ということになるわけですけれども、個別の状況に応じて、この18人・18人の2つに割るということを選択もできますし、あるいはその学校の状況、学年の状況に応じまして、そこを割らずに、担任と、例えばチームティーチングの方のお2人で一つのクラスでやっていただくということも、都道府県と市町村等で相談をしていただきながら実施するというような形での方向性で考えておるところでございます。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。この資料6、非常に分かりやすく図解したものがございます。教職員の定数改善計画、これは今までは、例えば5年間、6年間と、年次計画でやっておりましたが、今回残念ながら、1年目だけは認められて、2年目からは改めてまたそのときの状況によってということになっております。頭出ししただけでもいいと、こういうふうな感じでございます。
 それから、もう一つ、資料6の1枚目にありますが、小学校・中学校の学級編制の具体的な在り方を地教委で考えていただけるようになるという、これも非常に大事な点で、これはこれから法案が出るんですね。

【濱口企画官】
 現在準備中でございます。

【梶田分科会長】
 準備中ですね。ということで、これをぜひ前進させていただく、こういうことでございます。
 何か御質問ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、次に、何度がここで伺ってまいりました幼保一体化の問題につきまして、幼児教育課から現在の状況の御説明をお願いします。

【濵谷幼児教育課長】
 それでは、お手元の資料7-1と7-2に基づきまして、御説明申し上げます。
 幼保一体化につきましては、昨年から随時御報告申し上げていますけれども、今日御報告いたしますのは、今週月曜日、1月24日に幼保一体化ワーキングチームに提出した資料でございます。この資料でございますけれども、これまでワーキングチームで5回検討してきた内容に基づきまして、現時点での事務局としての一定の整理をした資料でございます。資料7-1、1枚おめくりください。目次でございますけれども、全体といたしまして、幼保一体化の目的、それから、幼保一体化の具体的仕組みとその効果ということで、具体的仕組みについては、給付システム、いわば財政面での一体化と、施設の一体化、新たな施設の創設というような2つが主な内容でございます。また、効果・進め方といたしまして、幼保一体化の効果、地域の実情に応じた進め方と、そういった内容となっております。
 2ページ、幼保一体化の目的につきましては、以前この分科会にも御報告いたしました資料とほぼ同じ内容でございますけれども、これまでの中教審の答申等を踏まえてまいりますと、幼保一体化の取組については、3点の視点があるのではないかということであります。1点目が、小学校への入学、連携・接続といったことを考えていきますと、幼稚園・保育所を問わず、希望するすべての子どもに対して、人格形成の基礎である質の高い幼児教育を保障するという視点。それから2点目、主に財政面、社会的な支援といったことが中心でございますけれども、仕事と子育てを両面で支援するなど社会全体で次代を担う子どもの育ちを支えるといった視点。3点目といたしましては、育児の孤立化など、そういったことが典型でございますけれども、家庭や地域の教育力・子育て力の低下などに対応する、希望するすべての子ども、あるいは子育て家庭を支援するといった視点。この3つの視点があるのではないかということであります。
 3ページでございますけれども、こういった点を踏まえますと、幼保一体化の目的につきましては、3点ということでございまして、質の高い幼児教育・保育の一体的提供ということ。待機児童対策を中心とした保育の量的拡大。それから、家庭での子育て、育児、家庭教育の支援。そういった3つが目的ではないかということでございます。
 4ページから具体的な仕組みでございますけれども、まず、給付システムの一体化、財政面での一体化が第1点目でございます。その中で3つ柱がございますけれども、1つは地域における幼児教育・保育の計画的整備ということでございます。これは、資料7-2、参考資料の2ページをお開きいただきたいと存じます。
 地域の実情に応じて、計画的に幼児教育・保育、それから、家庭への支援を漏れなく提供していく体制を計画的に整備していこうという内容でございまして、市町村におきまして、幼児教育・保育に関する地域の需要、現時点での提供体制など、ニーズ、供給の必要量等について調査・把握いたしまして、市町村におきまして、そういった調査した需要に基づき、5年程度の目標値を含む計画を設定していただき、それに基づいて、供給体制を計画的に整備していこうというのがまず1点でございます。2ページの下にイメージとございますけれども、内容といたしましては、提供体制の目標値の設定とか、特に大きな都市では、日常生活圏域ごとにきめ細かな形で需要の見込みや提供のための方策を計画的に立てていこうというイメージでございます。
 もう少しこれを幼児教育にのせて考えますと、同じ資料の16ページをお開きいただきたいと存じます。一番最後の16ページ、進め方のイメージでございますが、子ども・子育てに関する需要とありますが、その中で幼児教育と保育について考えてまいりますと、需要の中の左からまいりますと、典型的には満3歳以上の、いわば専業主婦のお子さん、これは幼稚園、幼児教育がまず必要なお子さん。それから、真ん中が、満3歳以上の子どもを持つ共働き家庭、幼児教育と保育の両方が必要なお子さん、それから、右端が、待機児童の多い満3歳未満の子ども、共働き家庭のお子さん。典型的にはこういったお子さん、家庭があろうかと思いますけれども、そういった地域、市町村の中の家庭、お子さんの状況を市町村において把握しまして、それに必要な施設、事業を計画的に整備していくということ。
 それから、この計画に下に指定=幼保一体給付(仮称)とありますけれども、基本的には幼稚園、保育所などを通じた共通の給付体系、財政措置を通じて財政支援していこうということであります。こういった財政支援の対象といたしましては、新たな施設、幼児教育、保育、子育て支援の総合施設であるこども園(仮称)において対応するというやり方が基本的には考えられますけれども、そのほかに当然満3歳以上の幼児教育に特化して教育を受けたいというニーズもありますので、プラス幼稚園、それから、待機児童については、こういった施設だけではなくて、保育ママなど多様な保育サービスがございますので、そういうものを組み合わせながら、地域の実情に応じた幼児教育、保育の提供を行っていくようなイメージでございます。これが市町村の計画的な整備という点でございます。
 それから、本体資料の4ページに戻っていただきまして、今、参考資料の16ページで指定=幼保一体給付(仮称)の対象という枠がございましたけれども、2つ目は主に保育制度改革の内容でございまして、基準を満たした施設や多様な保育事業への財政措置を広く行い、参入を促進し、量的拡大を図る、これは主に待機児童対策といった観点でございます。
 それから、5ページでございますけれども、幼保一体給付(仮称)という財政措置の具体的な内容でございます。幼児教育・保育に係る給付を一体化した新たな幼保一体給付(仮称)というものを創設し、財政措置の公平性の確保を図っていこうということであります。この給付については、これまでも御説明したとおりでございますが、個人給付を基礎とし、施設に直接払いであるという形でございます。
 契約につきましては、保育については認定の仕組みを導入、また、具体的なやり方でございますけれども、これは保育の必要性の認定を受けた子どもと受けない子どものいずれにつきましても、市町村の関与の下で施設と保護者が契約する、公的な関与の下の契約とするということであります。具体的にこの中で論点になっていましたのは、応諾義務と価格の設定が議論になっていましたけれども、この資料におきましては、この契約については、正当な理由がある場合を除き、施設サイドは受けなければいけない、応諾義務を課すという内容になっております。ただし、入園希望者が定員を上回る場合については、当然何らかの選考が必要となりますので、その場合に建学の精神に基づく入園児の選考も認めていこうという内容になっています。
 それから、6ページに給付の内容とございますけれども、基本的にこの給付、個人給付でございますけれども、幼児教育、あるいは保育を提供するために必要な水準の給付をすべての子どもに保障するということでありまして、法的な給付をもって教育、保育が提供できる、施設サイドが経営できるような水準というのが基本でございます。しかし、特色ある幼児教育などを行う施設につきましては、いわばその上乗せ的な徴収も認めていく。その中で説明責任を果たしながら、上乗せ徴収を認めていこうという内容でございます。
 加えまして、給付の一体化及び強化とその下にございますけれども、現在、認定こども園におきましては、いろいろなパターンがございます。例えば幼稚園型でございますと、幼稚園に認可外の保育施設を併設しておりますが、この部分について制度的な財政措置がない。いわば幼稚園の持ち出しになっておりますが、ここにつきましても、基準を満たした場合に財政措置を講ずるというような改善をしていこうということであります。また、幼稚園が保育、特に待機児童が多い0~2歳児の保育を行う場合には、調理室等、数千万円の設備投資が必要になりますので、そういった補助制度を創設するといったこと。それから、具体的な内容は今後でございますけれども、配置基準の見直し等の教育、保育の質の改善も併せて行うという内容でございます。
 それから、7ページでございます。これが学校教育法との関係では一番大きな部分でございますが、施設の一体化ということで、新たにこども園(仮称)という施設を創設するという内容でございます。まず、位置付けでございますけれども、丸2にございますが、「次の内容を実現」と書いてございますけれども、このこども園(仮称)につきましては、5つの視点、目標があるということであります。
 1点目は、学校教育法と児童福祉法上の位置付けの付与による幼児教育・保育の質の保障ということであります。現行の保育所におきましては、3、4、5歳児もおり、実質的に幼児教育を行っておりますが、この教育については、学校教育としての位置付けがないわけでございます。このような現行の保育所における幼児教育に対しまして、学校教育としての位置付けを付与する。一方で、現行の幼稚園の預かり保育に対しまして、児童福祉としての位置付けを付与するということで、これによりまして、保育所にも学校としての基準、幼稚園にも児童福祉施設としての基準を合わせて適用するということで、質の確保を図っていくということでございます。
 2点目は、保育の量的拡大ということで、幼稚園が0~2歳児も含め預かるということで、量的拡大を図る。それから3点目、家庭での子育ての孤立状況などに対して、施設が幼児教育センターとしての役割を果たしていただくということ。それから4点目、二重行政の解消でございますけれども、現行の認定こども園については、幼稚園の認可、保育所の認可、こども園の認定という3つの認可・認定が必要でございますけれども、新たな制度におきましては、こども園(仮称)の認可に一本化するということであります。最後に5点目、幼稚園教育要領と保育所保育指針の統合ということでございまして、新たな指針の策定により、幼児教育・保育の内容の統一化を図るといった内容となっております。
 8ページ、最後に、効果・進め方でございますけれども、効果につきましては、まず、質の高い幼児教育・保育の一体的提供が図られる。それから、保育については、幼稚園からこども園(仮称)に移行、あるいは指定制度なども併せて、待機児童の解消を図る。それから、家庭における養育支援の充実ということで、こども園(仮称)が地域の幼児教育センターになるといったこと、あるいは市町村での事業、併せて家庭への支援を行っていこうということであります。
 最後に、進め方とございますけれども、これは参考資料の15ページを見ていただければと思います。国におきましては、幼保一体化を含む子ども・子育て支援に関する基本方針を策定するということ。また、財政措置の一体化・強化によりましてこども園(仮称)への移行を政策的に誘導するということであります。また、市町村におきましては、国の基本方針などを踏まえまして、計画的に必要な施設の整備等を行っていくということでございます。例えば都市部において、当面人口増の地域で幼稚園も保育所も足りないといった地域につきましては、こども園(仮称)、小規模保育サービス、保育ママなどといった、当面施設の整備を純増で行っていく。将来的には子どもの減少局面を迎えたときには、計画的に既存施設のこども園(仮称)への移行を推進するといったような形が想定されるということでありますし、過疎地域、人口減少地域におきましては、現在でも市町村独自で幼稚園、保育所、こういったものの認定こども園への移行なども行われていますけれども、そういった形で、こども園(仮称)への移行を市町村が地域の実情に応じて行っていこうということでございます。
 なお、この保育所につきましては、先ほど少し申し上げたその関連でございますが、3歳以上の子どもがいる保育所につきましては、すべての子どもに学校教育を保障する観点から、基本的にはすべてこども園(仮称)に移行するという想定でございまして、残る保育所については、3歳未満児がいる、いわゆる乳児保育所のような保育所であります。また、幼稚園につきましては、先ほどの財政的なインセンティブなどを通じて、地域、あるいは各園の判断で移行していただくというような形でございます。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。簡単に言ってしまいますと、今のところは、今の幼稚園、保育所、認定こども園、この枠がそれほど変わる予定はないということです。ただし、もし万一、関連の法律が通れば、もし万一と言いましたのは、与党民主党の中にもいろいろと異論があるというふうに聞いておりますので、そうすれば、二重行政が解消するとか、お金の出し方が変わるとか、あるいは幼稚園にも保育機関としての位置付け、あるいは保育園、こども園(仮称)に学校としての位置付けが出てくる。こういうことでございます。ですから、これは、これから後の議論の行方だとか、政治状況の行方だとか、こういうことを見守らなければということになってきているように、皆さんも受けとられたんではないかなと、こういうふうに思います。
 もし、この問題で、どうしてもという御発言があればと思いますが、はい、どうぞ。

【髙橋委員】
 髙橋です。幼保一体化については、難しい課題がたくさんあるということは理解しております。ただ、もう以前から国の方針として、幼保一体化の方向で実施しますよということは全国に周知されているところでありますし、各市町村の現場におきましては、その準備体制のための会議も進めているわけでございます。特に施設の改修を、耐震も含めて、そろそろ各市町村は始めている。その中で幼保一体化を踏まえた施設ということで準備をしているところも多数ございます。
 それから、私の自治体などでは、もう既に人事交流なども活発に行っておりますし、それに向けての会議も、専門職を置いて続けているところなんですが、その難しい中で、やはり新聞報道などを見ますと、方向性や、具体的な施策、実施時期について何か先延ばしや、ある程度ぶれているんじゃないかというふうな印象を持たせる嫌いがなきにしもあらずかなと思います。そうなりますと、現場も混乱しますし、一番心配しますのは、現場の組織の中でのモチベーションが、国の方針で幼保一体化はやるんですよという方向で進めた中で、もしかすると、先延ばしになっていくかも分からない、やや不透明だという印象を持ちますと、そのモチベーションを維持していただくのは、私としてはちょっと心配があります。もともと現場を預かる者といたしましては、古くからやってきました幼稚園教育、それから、保育所については、職員の中に、どちらかというと、人は保守的ですから、今までのものを変えたくないという意見もある。私たちとしては、そういう国の力もありまして、今後の方向性として幼保一体化を進めますよということを説得して、今、進めておりますので、そういう方向性につきましては、何か新聞報道にありますような、先延ばしなど、そういったことがないよう、お願いしたいと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。はい、黒須委員。

【黒須委員】
 ありがとうございます。現場での話ということなんですが、新聞報道なんか見ていますと、今もお話がありましたが、若干後退をしているというふうな、そういう感じに受けとめられるんですね、我々には。この幼保一体化は、私は是非進めていただきたいと思っているんです。そのためにも、期限を切って、いつまでにというようなことを一日も早く出していただくことが大事なことなんじゃないかと思うんです。
 今、現場では、保育所が足らなくてしょうがないわけです、御承知のとおり。現在、私どものまちでは、大ざっぱにいうと保育所に9,000人、幼稚園の入園児が7,000人ということで、幼稚園の空きは1,000人ぐらいあります。これは3、4、5歳ですから、0~2歳ということを考えると当然そこまでは空かなくなります。3、4、5歳児枠ということでは、1,000人ぐらい空いている。一方で、保育所の方は、つい先日もうちの名前が出ましたけれど、毎年その整備を200人ぐらい拡充しても500人近く待機児童が出てしまっているんです。それで、実際に保育所に預けるお子さんでも、昔に比べると随分保育要件が緩和されています。ですから、どうしても保育に欠ける子どもというのではなくて、預かってくれれば、どこかで仕事をやりたい、だから、幼稚園か保育所、どっちに入れようかなという、もともと全く目的が違うにもかかわらず、どっちに入れようかなという程度の人が少なからずおられるんです。給食があるから保育所へ行こうかとか、少し長く預かってくれるから保育所へ行こうかとか、そういう、いわゆる判断基準の人も非常に多くなっているということなんです。
 幼稚園の方も、やはり今までの体制ではだめだから、時間を延長して、一般的に今はもう5時まで預かり保育をやっていますね。長いところは7時まで預かるというところもあるわけです。幼稚園といったら2時までですよね、基本的には。それが5時までとか、7時まで預かるところも少なくない。一方で保育所も、もう教育を抜きにしては保護者の要望にこたえられないということで、幼稚園ほどではもちろんありませんけれども、積極的に教育の面も取り入れている。こういうことを考えると、一日も早くこの一体化というのはすべきだと思うんです。
 今、幼稚園側から反対が出ていますけれども、私なんか、実際に幼稚園の会議、あるいは保育所の会議へ出て、一体化の必要性をよく話をしますと、もう現在ではきちんと理解をしているんです。ですから、ぜひ進めてもらいたいと思うし、今、幼稚園と保育所と認定こども園というのがありますけど、この3つで進むということは、私はいいことじゃないと思っているんです。ですから、一日も早く、もう少し単純な形で進めていただくように御尽力をしていただきたいという思いがあります。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。今、髙橋委員、黒須委員がおっしゃったことは、本当にそのとおりだと思います。ただ、この話の最初が、今、待機児童が、保育所に入れない子がいっぱいいると、一方、幼稚園は空いているじゃないかと、一緒にすればいいという、そこから入ったわけですね。これがやれる地域もあるでしょう。しかし、それは幼稚園を保育所にすることなんですよね。結局その点で、具体的な施設設備の問題も、人の問題、働き方の問題も、変わるわけですね、幼稚園の部分の。そこでいろいろな問題があって、今、御報告いただいたようなところに案がまた返ってきている。ですから、おっしゃるとおりという部分は、私はもうよく分かります。ただ、それが、推進する、一生懸命やろうという側でも、そこまで返ってしまっている。そこには、ただ単に幼稚園の業界がエゴで反対しているというのではない、それだけだったら簡単なんですよ、しかしそれだけではないことがいろいろとあって、今日はもう時間がありませんから、問題点をそうざらえしませんけれども、こういうことがあるだろうと思います。
 これは、この来月以降の初等中等教育分科会でもまた御意見があれば、このワーキングチームの会議にも出していただきたいと思います。
 それから、もう一つお願いしておきたいのは、やはり国の方から、すぐこれがやれるような、もう決まっているような、ミスリーディングな情報の出し方がこれまでいろいろとあり、私はこれは、国の行政機関として非常にまずかったと思っております。関西でも、もうこれはすぐ実現するから、市でそのための受け皿になる委員会を作って検討を始めているというところが幾つかあります。ですから、私は、この問題が最終的にどこに着地するかについては、今、お2人、黒須先生、髙橋先生がおっしゃったようなことを踏まえて考えなければいけないと思います。本当に関係者みんなが、うまくいくように考えていただく必要があります。
 ただし、もう一度言いますが、情報の出し方については、よほど慎重に、この問題も、少なくともいつどういう形で着地するかというのは、多分文科省の責任ある立場の方でも、今、見通しついていないと思います。見通しがついてないものをいつからやりますよとか、こう決まっていますとか言うのは、これは無責任極まりない話だろうと思います。
 ということで、これは次回以降の話ですが、よろしくお願いします。はい、渡久山先生。

【渡久山委員】
 この我が国における幼児教育、あるいは幼児の保育問題というのは、やっぱり子供の権利条約を踏まえて、子どもの権利として、平等性と、機会の均等というものが図られなくてはいけないだろうと思うんですね。それと同時に、やっぱり今、男女共同参画社会と言われていながら、女性の働く労働権、これは子育てのために女性が働けないという実態がありますよね。そのための問題なんです。そういうことから見ますと、我が国においては、一つは、幼児教育の問題も必ずしも充実しているとは言えないと思うんですね。特に諸外国では、幼児教育の早期化というのがだんだん出てきておりまして、非常に充実が図られている。特にOECDなんかでいうと、幼児教育にかけている日本の予算は非常に少ないわけですよね。これが課題なんですね。
 それから、もう一つは、今の保育においては、待機児童が非常に多い、これを解消することが必要じゃないかということ。だから、この問題は、最初に言った原理原則、あるいはこの目的からして、これは非常に高くていいと思うんですね。是非そういう形で一体化、あるいは一元化していくという方向性というものは、やっぱりきちんと持っていなくてはいけないんだと思う。だが、しかし、今、大事なことは、もしも行政としてやるんだったら、幼児教育をどう充実するか、幼児教育にもっと金がかけられないかと、今の矛盾なんかですね。これが一つ。
 もう一つは、保育待機児童を解消していくために、保育所をどういう形で増やしていくのか。保育施設と言ってもいいですね。もちろん幼稚園を代用してもいいです。その中で一つ考えられるのは、5歳児、4歳児は、保育所に行ったり、幼稚園に行ったりしていますね。そうすると、それら両方とも一緒に小学校に入っていくんですね。受け入れる小学校としては、小1プロブレムと言われるように、やっぱりいろいろな問題点を含んでいるわけですね。そういう矛盾がある現実をできるだけ解決するためにどうするかということから、本当は行政は図られるべきだと思うんですね。そういう意味では、行政の継続性という問題から言えば、やはり認定こども園をどうするのか。認定こども園が今、500何か所ですか、必ずしも多くはないらしいんだけど、それは使い勝手が悪いし、いろいろ問題があるらしいから、それを解消するのにどうするかというようなこと等、具体的なそういう解決策からいくべきじゃないだろうかという気がしているんです。これが一つです。
 もっと大きなところから言えば、これはあんまり議論になっていませんけど、ある外国のように、例えば5歳児、4歳児は全部幼稚園にするわけです。それから、3歳児からゼロ歳児は全部保育所にする。要するに、行政が二元化であっても、子どもが生まれて、小学校に入るまでは全く同質の保育や幼児教育を受けるということを前提にして考えた場合、そういう形のシステムもいいんじゃないかということで、もしもこれを、この抜本的な改革の中にそういう発想をも入れて、具体的な検討ができるとすれば、近い将来にそういうことも計画されたらどうだろう。
 だから、2つ、僕は提起したい。具体的な今の行政課題は行政課題として、それを解決してほしいということ。もう一つは、もしも、ある程度将来的に考えていくんだったら、もっと抜本的に日本の子どもたちは、どの子どももすべて平等に、あるいは機会が与えられていて、そして、保育も、幼児教育も全部が極めて充実していけるような、そういうようなシステムなり、制度なりを作っていってほしいと、このように思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。今、渡久山先生がおっしゃった、非常に重要な、やはり一つの提言といいますか、これは是非、この幼保一体化ワーキングチーム、あるいはそのほか関係のところでの議論に生かしていっていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 
 それでは最後の議題、キャリア教育における外部人材活用等に関する調査研究協力者会議の設置につきまして、児童生徒課から、御説明をお願いいたします。

【大月児童生徒課課長補佐】
 課長の磯谷が所用のため、児童生徒課大月より御説明申し上げます。
 資料8-1を御覧ください。田村先生に部会長を務めていただきました中央教育審議会キャリア教育・職業教育特別部会での議論を踏まえまして、協力者会議を設置し、キャリア教育に関して、外部人材を導入するに当たっての学校・教育委員会における態勢作りや活用方策、職場体験・インターンシップの効果的な活用などの事項を調査研究していくこととしております。来週の31日に開催される中央教育審議会総会において、特別部会での2年の審議を経まして、「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」答申が取りまとめられる予定となっております。その中には、産業界と連携し、キャリア教育を進める方策として、経済団体、PTA、校長会、自治会、職能団体や労働組合等の関係機関、NPO等の協力を得て協議会を設置することや、学校と企業等との調整を図る際などに外部人材を活用することが幾つかの好事例とともに、紹介、奨励されております。
 実際、協議会を作ったり、学校と企業等を結びつけるコーディネーターを活用する良い事例も徐々に出てきており、資料8-1にもございますように、平成21年度の公立中学校の職場体験の実施率は94.5%、高等学校におきましても、71.1%となっております。しかしながら、中学校におきましても、教育効果が高いとされる5日以上の実施率は19.2%にとどまり、高等学校においても、普通科の実施率は64.2%に下がり、また、体験者の割合で申しますと、17.3%にとどまるなど、量的にも課題を抱えております。また、質的には、インターンシップ、職場体験を実施することが目的化しており、ただそれだけに教員の方が非常に労力を使われて、事前・事後指導が不十分であったり、また、学校が主体的に外部の人材を活用するのではなくて、外部人材に一方的に頼り切っているような質的、また、体制的にも問題があります。また、特別部会でも御議論がございましたとおりに、中学校、高等学校、非常に頑張っているところでも、企業の協力が得られないので困っているというような声もあります。一方で、企業が教育支援活動を行わない一番の理由としては、学校側の企業への支援要望がないというようなアンケート結果もあり、学校と企業との間で職場体験、インターンシップの推進に関して、また、外部人材としての、講師としての活用なども含めますが、ミスマッチが起きております。
 一方で、資料8-3にございますとおりに、学校と外部人材を結びつけるものといたしまして、大学とか、また、広い意味で学校支援地域本部であるとか、その他の団体も活動を始めておりまして、経済産業省においても、そのような団体を支援しようというような動きもございます。ただ、民間団体においては、経済産業省のそういう認証、評価の仕組みには、あまり積極的に加わらないなどのいろいろな動きがございます。また、厚生労働省においても、高等学校の現場において、将来の計画作りを支援するキャリアコンサルタントを学校に活用させたいというような動きもございまして、中にはうまくいっているところもございますが、なかなかうまくいっていないところもあるというような現状でございます。
 今回の調査研究協力者会議におきましては、このような状況を踏まえまして、メンバー表は資料8-2にございますけれども、経済産業省や厚生労働省にもオブザーバーに入っていただきまして、学校がキャリア教育をより充実できるように、キャリア教育に関して、外部人材を導入するに当たっての学校・教育委員会における態勢作りや活用方策、職場体験・インターンシップの効果的な活用などの事項を調査研究していただくことになっております。
 メンバーは、資料8-2のとおりでございますが、特別部会の委員を務めてくださった渡辺三枝子先生のほか、現場でキャリア教育の充実に努められている方が中心となっております。この会議は、1月31日に第1回を開催することとしております。調査研究協力者会議での議論の結果、制度的な改正等について検討する必要が出てきた場合には、この初等中等教育分科会で御議論、御審議いただくことになると考えております。
 簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。中教審全体のキャリア教育の推進についての議論、特別部会での議論、これを踏まえて、こういう具体的な取組について、調査研究協力者会議ができたと、そういうことでございます。
 今日は、第5期中教審初等中等教育分科会、最後の会合でございます。ということで、初等中等教育全体にわたって、今日御出席の委員の皆さん、これだけは言い残しておきたいということが多分あると思いますので、御発言がある方はお願いしたいと思います。どなたからでも結構です。いかがでしょうか。植田先生。

【植田委員】
 失礼します。今日が最後の会ということで、私自身は、4期、5期に参加させていただきました。大変お世話になりました。私自身にとっては、この席上で皆様方のいろいろな貴重な意見を聞かせていただき、日本の5年後、10年後、20年後のイメージを自分の頭の中で思い描くと、本当に温かいといいますか、大きな希望に包まれるような気持ちになりました。ただ、学校に帰れば、いまだに厳しい風が吹いております。これは現実でございまして、その辺のところは平成18年の勤務実態調査でもはっきりしましたし、数字にもなったところでございます。特に昨年12月でございますが、本校、私が勤めている中学校の、私よりも2つ、3つ若い優秀な教員が亡くなるということがありまして、本当にショックを受けまして、皆様方には現場の厳しさを認識していただきたいと思うわけでございます。
 この先生、体育の教員なんでございますが、教科指導はもとより、生徒指導でも主任として、本校、それから、前任校でも実績を上げられました。部活動でも県下で表彰を受ける。そのぐらいの方が、去年のゴールデンウィーク明けに突然お休みをとられました。疲れたんだろうなと私も見ておりましたが、夏休みに入るころに復帰されて、2学期になったら再び休みをとられました。そして、12月に逝去されました。その訃報を聞いたときに目の前が真っ暗になりました。何で私よりも若い方が、50を前にして亡くなるんだろうというふうに本当にショックを受けたところでございます。
 現場には非常に厳しいものが依然あるのです。私自身は、一隅を照らすといいますか、教室で、学校で、社会でそういう教員になれればいいなと思っております。多くの教員とその光を合わせて、その中で子どもたちがすくすく成長してくれたらいいと思うんですが、非常に冷たい風に私自身も吹き飛ばされそうなところがございます。最後にお願いでございますが、どうぞ現場に温かい春風を、今、皆様の御努力の様子を聞かせていただきまして、本当に期待しておるところでございますが、温かい風を吹かせていただきますようよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。はい、じゃあ、曽我委員。

【曽我委員】
 今日で最後と思いますと、皆さんとまたお会いできるのがいつかなと思いながら、この会に出ておりましたが、最後に、一言皆さんに御礼を申し上げたいと思います。
 私は、保護者と先生方を代表してこの会に参加をさせていただいております。どちらかというと、保護者を代表してというところが非常に強いかと思います。子どもたちのために、先生方が様々な御議論をされて、そして、日本の未来を支えることができるような子どもたちに導きを与えてくださっていることに対しては、本当にこの会に出ることができて痛感したところでございます。本当に心から感謝申し上げたいと思います。
 そんな中で、1つだけお願いがございます。地方分権が進んでいく中で1つだけ感じていることがあります。教育がばらばらになっていくことにはなってほしくない。地方分権がより良い形で子どもたちの教育にすばらしい結果をもたらすならば、大変ありがたいと思っていますが、生まれた環境によって、住んだ地域によって、それによってそれぞれの子どもたちが受ける教育が変わってしまう。これはとても残念なことでございます。どんなに地方分権が進もうとも、どこに生まれても、どこに育っても、すばらしい自分の能力を磨き上げることができる、初等中等教育の重要性だけは是非この中央教育審議会で今後とも御論議いただき、守っていただき、国が責任をもって子育てをするということを意識していただくことをお願いして、私としては、御礼を申し上げたいと思います。本当にこれからも、子どもたちをよろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。はい、ほかにいかがでしょうか。

【岩﨑委員】
 ありがとうございます。私も4期と5期、このように本当に先進的な審議の場に参加させていただきまして、ありがとうございました。寄せていただくたびに何か学ぶことが大き過ぎて、自分の小ささというのを実感したところでございます。それで、私は、2つのことをお願いしておきたいと思います。
 まず、1つは、教職員が精神的な疾患で休む、あるいは大きな夢を持って就職しながら辞めていってしまうという、その問題でございます。いろんな課題があるだろうとは思います。本人の力量もあると思います。情熱もあるだろうと思います。人間性もあるかと思いますけれども、やはり現場は大変厳しいものがございます。やはり財源的な教職員の増員ということについて一つお願いをしておきます。
 2つ目は、先ほど出ておりました、幼保の一体化でございます。私たちの市では、もう6年になると思いますが、施設の隣接している場合は一元化をしております。しかし、幼稚園の教諭につきましては、シフトで保育所の方にカバーに参らなければなりません。これは働き方の問題でございます。そうなってきますと、今までの、明日の遊びの準備、環境構成だとか、今日の記録だとか、校内研修や会議等ができないということが実態としてございます。そのようになりますと、先ほど、幼稚園教員の資質の向上が今後の課題だと御説明いただきましたけれども、果たしてそれがかなうのかどうか、そのことについては大変懸念をいたすところでございます。
 早朝はパートの方、そして、薄暮はまたパートの方、子どもたちの1日の暮らしについて連携していくということが欠けます。どうしてもおろそかになってまいります。きのうの状態が今日は分からないというようなこともございます。そういうふうなことで安易に一体化ということは、やはり課題が大きいだろうと私は思っております。一体化、一元化して、また元に戻したところもございます。隣接していながら、幼稚園は幼稚園、保育所は保育所に戻したところもございます。それはいろいろな課題があるから戻しているわけでございます。
 このように考えますと、やはり時代の流れがあって、一体化という方向が出てきたんだろうとは思いますけれども、やはり財政的な、財源的な問題、教員の研修、そして、子どもにかかわる時間の問題、そういうふうなことから、教職員の増員を是非お願いしたいと思います。私どもの市では、幼稚園であって3歳保育を始めた途端に人数がオーバーいたしまして、保育室の増設ができず、3歳児は抽選でというようなところもございます。このような実態の中で、一体化、一元化をしたわけでございますけれども、いい面もございますが、課題として残る面もたくさんあるということも御了解いただいて、そして、財源的な措置がきちんとできるのであれば、それは時代の流れとしていいんじゃないかなと思います。
 ただ、待機児童について、ややもすると、女性が働くからということだけに問題が置かれているように私は思えてなりません。男性の働き方はどうだったのかというところにも、やはり考えを及ぼさないと、女性が働くために幼保の一体化というのは、私はちょっと早計過ぎるんじゃないかという考えを持っております。本当にいろいろな勉強をさせていただきましたけれども、どうぞ子どもたちのために、ますます子どもたちの健やかな成長のために御審議をお続けいただきますようにお願いしておきます。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。黒須先生。

【黒須委員】
 ありがとうございます。私は、実際の行政の長という立場なものですから、教育の専門家ではありませんので、そういう点では非常に勉強させていただいた。こういうところで勉強させていただくということは、ちょっと適切な発言ではないかもしれませんが、でも、率直に言って、いろいろ勉強させていただいて、そういう面では、非常に視野が広がったということを、私、うれしく、ありがたく思っているんです。
 ただ、やはりそういう中で、学ばせていただいている中で、これは文部科学省がどうこうというんじゃないんですけれども、国のお金の使い方というのには疑問を感じますね。例えば子ども手当の問題なんかでも、あの使い方がいいのかというのは、私はすごく疑問を感じているんです。私どものまちで子ども手当120億円です。これをもっと、例えば教員が足りないとか、学校の施設であるとか、そういったことに。保護者や教員から、例えばブラスバンドやっているけども、器機がもう古くなっちゃって、何とか改善してくれないかというようなこととか、トイレがもう古くなっているからとか、そういう最も子どもたちに身近な問題がすごく多いんですよね。
 例えばその120億円の使い方にしても、給食を全部ただにしたって、うちのまちでも10億円で足りるんです。例えばもう一つ、修学旅行のお金ですね。義務教育の修学旅行、全部これを公費負担にしてしまっても5億円で済むんですね。あるいは35人学級というのも、これも我々もすごく期待しましたけれども、1年生だけということですよね。また、先ほどお話もありましたけれども、教員への負担というのがすごく多いということを考えると、もうちょっとお金の使い方というのを考えてもらったら、もっといい施策が出るんじゃないかなと思うんです、子どもたちのためにも。そういう点で、非常に疑問を感じましたし、今の政府の在り方というのはどうなのかなということを感じております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。はい、ほかに。市川先生。

【市川委員】
 私は、この10年くらい、主に教育課程部会を中心に学力の問題についてかかわってきたわけですけれども、10年前といいますと、ちょうどゆとり教育対学力低下論ということが社会的にもかなり話題になっていて、そういう議論が大変多かった。ところが、この中教審の中で、単に学力低下論に押されて昔に戻ればいいというのでもなく、それから、いわゆるゆとり教育の頃に言われていたような、非常にロマンチックなといいますか、夢を追い求めるような形での教育でもやっぱり良くないということで、その両方をかなり見据えた上で、今度の指導要領の改訂は、非常に現実的で、かつ生活にも根差したしっかりしたものができたと私たちは思っています。
 習得はもちろん大事だけれども、活用、探究というところまで視野に入れて、それから、キャリア教育のことまでもちろん大事だと。それで、結果的に、今回、PISAの調査でも、学力低下には歯止めがかかったという結果が出て、正直なところ、行政も頑張って、学校も頑張れば、結果が出るものなんだということを私も実感した次第です。ですから、今回教育課程の改訂に当たって、梶田先生を始めとして、一番考えられたのはそのバランスということだったと思います。先生がよく「一点豪華主義ではないけれども、ちゃんと目配りのきいたバランスのとれたものにした」とおっしゃって、私も全くそのとおりだと思います。国での議論というのは、そういうものでないといけないのだなと思いました。
 いろいろな学校や教育委員会を訪問して、確かに全体的に随分頑張るようになったと思う一方で、変わらないところはやっぱりなかなか変わらないと思うこともあります。例えば高校に伺うと、やはり昔ながらの、私が受けたころの40年前、50年前のスタイルの授業が多いです。それから、小学校の方は、90年代にあれだけゆとりゆとりと言われたので、これでは力が付かないだろうなと思われるような授業をひたすら信じてやっているという学校もあります。ただ、多くのところがかなり動いたので、平均としては上がったんだろうと思っていますが、まだ低学力層が日本では多いと言われたり、問題もあります。
 これから改めてバランスのとれた、しっかりした習得・活用・探究ができる力というような考えに立った授業はどういうものであるか、その成果がどういうふうに出ているのかということを実際に示すことによって、全体がもっと動いていくのではないかなと思います。私にとっては非常にいい経験をさせていただいたと思っております。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、新藤先生。

【新藤委員】
 ありがとうございます。全日本中学校長会の新藤でございます。私は1点は、先ほど植田先生とか、それから、岩﨑委員もお話をされていましたけれども、これからの教員のことを考えたときに、まず1つは、これからの若い人たちが本当に教員を目指してくれるかなということが心配になります。というのは、例えば私の学校、今、今週1週間、寒稽古ということで、朝7時から1時間活動しております。教員も半数以上参加しています。かなり無理してふだんよりも1時間早く出てきて、私も1時間早く起きて参加して、一緒に子どもたちと走ったりしているんですけれども、そういった中で、子どもたちは非常に充実して、今日、その打ち上げをやったんですけれども、朝、とってもいい顔をしておりました。
 でも、その教員たちの勤務状況を見ますと、今、東京都の算定基準でいきますと、1週間に22時間から24時間授業を持つことになっているんです。それを超えないと講師はつかない。それで今、週見ると28時間なんです。週28時間の授業の中で、22時間ないし24時間が上限だとされている。そこまで教員は働けということなんだろうと思うんですが、それによって、まだ若くていろいろな条件が整ってて、やれる人はいいんですけれども、例えば子育て世代に入っている女性などは、どんどん肩身の狭い思いをせざるを得なくなってきている。こういったような勤務状況がずっと続くことによって、今、先ほどキャリア教育の問題もありましたけれども、私は、その中で重要なのは自己実現ということをいかに図らせていくかということだろうと思うんです。
 じゃあ、教員自身の自己実現はどうなんだろうか。中学、高校と行く間に教師になりたいという思いがあって大学へ行く。あるいは大学へ入ってから、いろいろな様々なことによって教員になりたいと思う。最初は思ってなかったけど、卒業して働き出して、いや、やっぱり教員が必要だと言って、教育の世界に戻ってくれる教員たちもたくさんいます。そういった思いを持ってくれる人がいるからもっているんですけれども、これから考えても、例えば新学習指導要領、平成24年度から始まりまして、週29コマになります。
 現実問題としてどういうことが起こっているかといいますと、東京の実態ですけれども、夏休みが1週間短くなっています。それから、学校5日制になっていますけれども、東京都の場合は年間20日まで、午前中3時間授業だったら振り替えなくていいということになっています。教員は夏休み等にまとめてとることにはなっているんですけれども、そう考えてみますと、もうそれだけで25日間、言うならば休みというか、そういうゆっくりする時間がないということになってきますね。そういうところへ今、追い込まれていて、それでも確かな学力、確かな学力、学力増強学力増強とこういうふうに言われていて、必死になってやっている教員たち。それから、部活動も充実させなきゃいけないと言われている。そうすると、そこまですべての教員が求められていれば、一人一人がすべてそれをオールマイティにやれということが求めれているとすれば、教員ってすごく魅力ある仕事だけど、もう今後、そこまで求められて、それをやり切るだけの自信が私はない。じゃあ、教職取るのは無理かなというようなことになったとすれば、本当に寂しいことだなと思います。
 私は、もっと多くの若者が、あるいは社会人が、やっぱり教育は人なりだと、じゃあ、自分もその一端を担いたいという気持ちを持ってくれるような体制をどうやったら作ることができるかな、今、校長として本当に限られた自分の能力や経験の中で、どうしたらそういうことを実現できるかなというようなことを悩んでいるのが実態です。何も結論もありませんし、ああしてください、こうしてくださいということも申し上げられるような状況ではないと思うんですけれども、そういったことで悩んでいるということを皆さんに知っていただければなと思いました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。はい。井上先生、それから、荒瀬先生、そそして、郷先生と。この辺りで、大体終わりにしたいと思います。すいません。

【井上委員】
 ありがとうございます。私も、平成17年から6年ほどこの中教審に参加させていただいて、皆様方の教育を思う真摯な心の審議に参加させていただいて、大変うれしく、また、ありがたいと思っている次第でございます。
 そこで、この6年間を振り返って一番印象的なのは、やはり教育基本法が改正されて、新しい時代にふさわしい教育理念というものが確立し、それに基づいて、学校教育法等の教育3法の改正、あるいは教育振興基本計画が策定されて、基本的な教育立国への方向というのが明確に位置付けられたということは、中教審の成果ではないかと思っています。それに基づいて、やはり我が国の人材育成というものに対して、教育立国という理念の下で、いかに教育を充実させるかというのは、教育課程部会を中心として、新しい学習指導要領の本年4月からの小学校の実施、あるいは来年4月からの中学校実施へと、進展してきたと思うわけでございます。
 そこで、教育は人なりと言われるように、それを実質的に教育を効果あらしめるのは、やはり教員の養成、それから、資質向上というのが重要な課題であることは言うまでもないと思うわけでございますが、その中で、先ほど教員の資質能力向上特別部会の今後の審議の在り方を拝見していて、実は、非常に心配なのは、先ほど植田委員もおっしゃったように、学校現場で勤務時間が多く、月40時間も勤務時間をオーバーをしているという実態を考えた場合に、教員の皆様方が自分の仕事が忙しくて、お互いに学校としての組織全体の助け合いの精神がやや欠けてきているのではないかと思うわけでございます。そういう場合に、助け合いと申しますか、先輩が後輩を指導するという学校現場の良き伝統というものを考えると、初任者研修制度というのは、私は、実は、創設にかかわったからなおさらそう思うのでございますが、初任者研修制度は、教頭なり、教務主任が新任の教員に実際の教員としての実践的な指導力、あるいは使命感を教えるという、そういうことで非常に効果があるのではないかと思いますので、そういうお互いの、先輩・後輩のつながりとか、学校全体の組織力を高めるという上で、もちろん校長のリーダーシップというのが大きく、これは学校全体の運営に影響することは申すまでもないのですが、やはりお互いの助け合う精神というのは、初任者研修を端緒として、それが学校全体でいつまでも維持されるということが期待できるのではないかと思うのですが、教員免許更新制と絡んで、発展的に解消すると書いてあるのが非常に気がかりでして、これについては今後十分に検討して御審議をお願いしたいというのが1点です。
 それから、もう1点は、キャリア教育については、田村部会長の大変な御努力でまとまったことは十分承知しているんですが、こういう外部人材の育成という問題も確かにあるかもしれませんが、実は、諸外国でも後期中等教育段階における職業教育というのが非常に重要視されているわけです。我が国の場合、少子化に伴って高等学校の改編とか、組織替えで、専門学科から普通科に変更するという方向があって、一時は職業科が4割ぐらいあったのが、今は2割強になってきているという実態があるわけです。そして、確かに平成17年の中教審のスタートの段階でも、ニートとか、フリーター等の問題意識があって、それをいかに解消するかという問題もそのとき指摘されていたと思うのですが、そうなりますと、高等学校段階で、やはり大学進学率が5割といっても、実際に高等学校段階で就職する子どもたちがいるとすれば、普通科だけでは、社会に出て結局は、コンビニとか、あるいはスーパー等の従業員となると、どうしてもフリーター的な働きしかできないとすると、結局ニートとか、引きこもりとか、そういう問題に結びついているのではないか。実態として。そういうことを考えると、後期中等教育段階の諸外国の実例からいっても、やはり専門学科をもっと充実させるような取組というのが、この中教審でももっと強く言われてよかったんじゃないかと思うわけでございまして、外部人材の導入だけじゃなくて、高等学校教育の在り方自体も、是非今後とも、そういう点も踏まえた検討をしていただけたらということを強くお願いしておきます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。荒瀬先生、お願いします。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。私も、教育課程部会でお世話になって、6年間この場、この初等中等教育分科会は多分4年間だったと思うんですが、お世話になって、学習指導要領が変わっていくという、その場に居させていただけたというのは、本当に良い経験をさせていただきました。学校教育法が変わるときには、参議院に参考人として呼んでいただいたのも大変良い経験をさせていただきました。
 今、もう皆さんおっしゃっていますが、私、中教審というのは、かかわらせていただいて、いろいろと社会は変わっていくわけではありますけれども、そういった動きをしっかりと見据えながら、この国の教育の方向性を出していくという点で、目的と目標というのをきちんと見据えた上で議論が進められているということを知りましたし、今後も是非そういった点での御議論というのを続けていっていただいて、いわば、方向性を示していく非常に重要な機関なんだということを改めて思っております。
 今朝の新聞でHTVの2号機「こうのとり」が見事に国際宇宙ステーションにドッキングしたということが報じられておりましたけれども、「はやぶさ」が、京都では2月2日から京都大学総合博物館で展示されます。実は、このはやぶさの展示に向けては、JAXAが応募を募っていらっしゃったときに、うちの学校も生徒がはやぶさ委員会というのを作りまして、是非堀川高校ではやぶさの展示をしたいというので、建物をフルに活用して、いかに遠いところへ行って、とんでもないピンポイントに着陸して帰ってきたかということを表す、体験的に分かるような企画をしたいというようなことを言っていまして、応募したんですが、残念ながら京都大学総合博物館に敗れました。そういたしましたら、京都大学総合博物館の准教授の方が、是非一緒にはやぶさ展示の企画をやりましょうと声をかけていただいて、おかげでうちの生徒は大変喜んでやっておりまして、それが2月2日から始まるんですけれども、様々なそういった取組が若い人たちに用意されていく、そして、それを大人たちがしっかり見守っていって、失敗もいっぱいするでしょうけれども、でも、それを支えていくというような、これは、まさに私も田村先生の下で議論に入らせていただきましたキャリア教育・職業教育特別部会の根本的な大切な点ではなかろうかということを思っております。
 育てたように子どもたちは育つという、当たり前のことでありますけれども、そのためには手間と暇と金が要るわけでありまして、手間は多分現場が一生懸命やっていく。暇が今、時間がなかなか厳しいという話がありまして、金はもっと厳しいということで、お金の使い方の話もありましたけれども、是非国がこの手間、暇、金をかけて次代の若者を育てていく、そのために必要な方向性を中教審が出していっていただくということを今後も続けていただけるものと信じておりますし、そういった支えでもって現場では、特にますます複雑になっていくし、多忙感もひどい状態でありますので、校長がしっかりとして学校経営を進めていくということが大事だなということを感じております。
 以上でございます。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。じゃあ、郷先生。

【郷委員】
 ありがとうございます。私も、6年間この分科会に入れていただきまして、大変いろいろなことを教えていただいて、勉強させていただきました。先ほどの中学の若い先生が亡くなられたというお話は大変ショックなお話で、私、学校の中でどういうことが問題なのかということが、やはり現場の様子が、ここで議論していることとは随分違うことがあるのではないかしらと、一体どういうことなんだろうかということが大変気になります。
 私がちょっと御紹介したいのは、全く別のことでして、これは小学生のお母さん、私の友人ですけれども、年齢はずっと若いお母様が、今、5年生の男の子さんがあるんですけれども、関東圏に住んでいらっしゃるんですけれども、中学校が荒れていると。その荒れているということの中身は私はよく分かっておりませんけれども、とにかく公立の中学校にはなかなか上げたくないので、私学を受験させたいと。その私学の中学を受験するためには、この方は5年生の10月から受験塾に入れられたんですけれども、もう3年生の2月から塾に申し込んで通っているお友達が大半で、今、とてもとてもついていけないと。塾に入って、暮れの3日とお正月三が日にしか休みがない。そういう冬期講習なども受けて頑張っているけれども、前から入っている生徒にはもうとてもついていけないと。これからまだ6年生になるわけですけれども、もっと、いわゆる成績のいい塾というのは、夜もお弁当持ちで、夜遅くまでとにかく受験勉強しているということを私に状況を教えてくださったわけです。
 それで、この方は、伸び伸びとお子さんを今まで育ててこられていたわけなんですけれども、後から塾に入ったために、もう既にその塾では5年生のうちに日本史は全部終了するというスケジュールだと。学校では6年生から始まる日本史なんだけれども、そんなことで、このお子さんはまんが日本史とか、テレビのドキュメンタリーとか大好きで、それなりに歴史が好きだと、そういうお子さんなんですけれども、もう江戸時代まできているという、そういうほかのお子さんの中にはもう全くついていけないと。テストも5点とか、10点といった点で、これでは歴史嫌いになってしまうと。そして、劣等感ばかりが強くなってしまうんじゃないかと、こういうふうにこのお母さんは焦っていらっしゃるということなんですね。
 それで、塾を辞めさせようかということも考えていらっしゃるというわけですけれども、具体的にこの子どもさんと似たようなお子さんも近くにいらして、それで、そういうお子さんは物事に対する、劣等感は残るけれども、今まで持っていた興味とか、生き生きとしたものに対する学習意欲というのが失われていくという、そういう状況が今あるんだということを私はお聞きして、それで、これはお子さんを育てられている、ある特殊な例かもしれませんけれども、何かやはり公立の学校に対する期待というのがどうしてこういう状況になっているのかは、私は、やっぱりこの中教審の初等中等教育分科会で、公立の学校がどうしたら、私立へ行きたいお子さんがいても、それはもちろんいいですけれども、当然公立に行って問題がないという、そういう状況があってほしいなと、6年前にも思って、多分そういうようなことを申し上げたと思うんです。
 それが今、最近こういう話を私はたまたま聞いて、悩んでいらっしゃる方がやっぱりあると。これは地域にもよるし、どこでもそうだとは思いませんけれども、こういう問題を学校の中の先生方も悩んでいらっしゃって、しかも、子どもを育てているお母さんも、子どもと一緒になって自信をなくしつつあるという、この状況をどうしたらいいのかと。これは大変大きなことを申し上げて申し訳ないですけれども、やはりここは原点に立ち返る必要があるのではないか。キャリア教育とか、そういうことも大事ですけれども、本当のところは何が問題なのかということを、やはりこの際、突き詰めてそこを少しでも良くしていく必要があるのではないかというふうにつくづく思いましたので、率直なところを申し上げました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。まだいろいろとあるかもしれませんが、時間が参りました。それで、最後に、初等中等教育局長の山中さんから、ごあいさつをお願いいたします。

【山中初等中等教育局長】
 初等中等教育局長の山中でございます。第5期の分科会の最終回ということで、一言ごあいさつ申し上げたいと思います。
 この2年間大変御熱心な議論をいただきまして、本当にありがとうございました。今もいろいろな先生方から、国の教育に対する思い、あるいは子どもたちに対する思いというものを語っていただきまして、そういうものを受けて、私ども文部科学省もしっかり取り組まなければならないと思っています。教育基本法が改正され、学校教育法も改正され、学習指導要領も改訂されということで、また、教員の免許制度も改正されるという中で、大きく日本の初等中等教育、小・中・高等学校、幼稚園の教育が動いてきたわけですけれども、それはやはり今、現場の先生方はそれに必死といいますか、そういう動きの中で、それをどうやって子どもたちに定着させていくかというところを非常に悩みながら格闘されていると。そういう状況、その中でも、非常に明るく元気で学校に行くのが楽しいと、そういう子どもたちというものが一人でも増えるように、そういう学校環境になるようにどのようにしていくのかという。新しい政権になりまして、将来のための教育というのは投資であると。新成長戦略という中でも、人材というのが大きな柱になってきております。来年度の予算案の中でも、まだ小学校1年だけだということでありますけれども、30年ぶりに学級の編制基準を35人にしようというところが動き出す、あるいは高校の無償化というのも動き出すといった新しい動きも出てきています。こういう動きを是非もっと進めていって、日本の教育というものが更にいいものになるように、その基本になります幼小中高、ここの教育というのがより良くなりますように、今までの皆様方の御議論を踏まえて、また、引き続き参加していただく皆さん方には、また更に日本の教育というものが良くなるような状況というものを作り出していく、そういう議論をしていただければ本当にありがたいなと思っております。
 梶田分科会長を始めとしました皆様方、今までの御議論に対して本当に心より感謝申し上げ、また、引き続き、それぞれ日本の教育のためにしっかりと頑張っていきたいということを申し上げて、感謝のごあいさつにさせていただきます。どうもありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。私からも一言だけごあいさつをしたいと思います。
 本当に2年間、皆さん御協力いただきましてありがとうございました。この初等中等教育分科会、先ほど市川先生がおっしゃったように、新しい学習指導要領が出て、その後にこれを実質化するという、そういうことを、いわば担った第5期だったと思います。改めて言うまでもありませんが、初等中等教育というのは国の根幹を作っているんですね。社会の根幹、これはオバマ大統領の二、三日前の一般教書演説、新聞にも報道されているので、また見てください。日本にああいう施政方針演説がないのが極めて残念です。
 私たちは、この初中分科会について、やはりもう一度日本の社会が、日本の国が諸外国から尊敬される、あるいは信頼される、頼りにされると、こういう国にしていこう、社会にしていこうと、こういうことを一生懸命考えてきたんだと私は思います。そのためには、学校が、教師が信頼され、尊敬されなければいけない。指導要領も30年ぶりに中身が増え、レベルが上がりました。ただ、これを本当に実現するためには、やっぱり去年の7月に初中分科会が提言を出しましたように、人・金・物が要るんです。私は、金の準備もないのに、夢を語ってはいけないと思っております。やはりそういうのは単にミスリーディングでなくて、一生懸命頑張った人たちが結局はしご外されてしまう。今、そういう状況が若干出てきているんじゃないかということにも危惧を持ちます。私たちは、地道に、実直に、教育の議論には派手さは一切要りません、地道に、実直に、どうやったら子どもが力を付けてくれるのか、あるいは人間として育つか。これをやはり物・金・人の支援体制も含めて、きちんと一歩一歩やっていくのが教育の議論じゃないか、あるいは初中分科会の任務じゃないかと、こんなことを改めて、この2年間、いろいろな機会に皆さんの議論の中で考えさせていただきました。
 第5期はこれで終わりますが、どうか、こういう今までの議論を土台にしていただきまして、第6期もやはり日本の初中教育、これは国の根幹だということを、これは言葉のあやではないんですよ、どうかお互い念頭に置いて、そういう方向に進むように、また議論していただきたいし、また、ここで御縁があって一緒になったものは、これを機会としてそういうことを発言していきたいと、そういうふうに思います。本当にありがとうございました。(拍手)
 それでは、これで本日の会議を終わりたいと思います。
 第5期中教審初等中等教育分科会、これで全部終了いたします。ありがとうございました。

─ 了 ─

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