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初等中等教育分科会(第71回) 議事録

1.日時

平成22年10月6日(水曜日)16時~18時

2.場所

中央合同庁舎第7号館(文部科学省)東館3階 特別会議室1

3.議題

  1. 「新・教職員定数改善計画(案)」について
  2. 特別支援教育の在り方に関する特別委員会における審議状況について
  3. 教員の資質能力向上特別部会における審議状況について
  4. 幼児教育・幼保一体化等について
  5. その他

4.議事録

【梶田分科会長】
 定刻になりましたので、ただいまから第71回初等中等教育分科会を開会したいと思います。
 本日の議題に入ります前に、このたび、新たに分科会の委員となられました方がいらっしゃいますので、御紹介いたします。本日は欠席されておりますが、9月1日付けで藤江委員に替わりまして岩波委員が、この分科会のメンバーとなられました。日本経済団体連合会教育問題委員会企画部会長、日本電気の副社長でいらっしゃいます。また、去る7月12日に開催されました第70回初等中等教育分科会以降、文部科学省の人事異動があったとのことでありますので、事務局から御紹介をお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】
 それでは、御紹介させていただきます。新たに就任いたしました者のみ紹介させていただきます。金森文部科学審議官でございます。

【金森文部科学審議官】
 どうぞよろしくお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】
 山中初等中等教育局長でございます。

【山中初等中等教育局長】
 山中でございます。

【小谷教育制度改革室長】
 伊藤大臣官房審議官でございます。

【伊藤審議官】
 伊藤でございます。よろしくお願いします。

【小谷教育制度改革室長】
 伯井財務課長でございます。

【伯井財務課長】
 伯井です、よろしくお願いします。

【小谷教育制度改革室長】
 千原特別支援教育課長でございます。

【千原特別支援教育課長】
 千原でございます。よろしくお願い申し上げます。

【小谷教育制度改革室長】
 日向教育改革調整官でございます。

【日向教育改革調整官】
 日向でございます。よろしくお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。それでは、配付資料につきましてお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】
 本日の配付資料は、議事次第にお配りしているとおりでございます。また、机上の参考資料として冊子もお配りしております。不足等がございましたら事務局までお申しつけください。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、本日の議事に入りたいと思います。
 本日は、まず初めに、「新・教職員定数改善計画(案)」につきまして事務局から説明していただきます。それから、開催通知でお知らせした議題に1つ、追加がございまして、特別支援教育の在り方に関する特別委員会から審議状況について中間報告がございます。それから、教員の資質能力向上特別部会における審議状況について、これも中間報告がございます。最後に、幼児教育・幼保一体化等につきまして御報告をいただいて、これにつきましては少し、皆さんで意見交換をしたいと思っております。
 それでは、まず、「新・教職員定数改善計画(案)」についてですけれども、この初中分科会、ずっと本年3月から7月まで集中審議をいたしました。そして、7月26日付で「今後の学級編制及び教職員定数の改善について」という提言を行いました。この提言を踏まえた上で今回の、この「新・教職員定数改善計画(案)」ということになっておりますが、これが策定されております。これにつきまして、伯井財務課長からお願いいたします。

【伯井財務課長】
 それでは、説明をさせていただきます。今、梶田分科会長からございましたように、今後の学級編制及び教職員定数の改善につきまして、今年の2月から関係団体のヒアリング、あるいは、国民からの意見募集等を行いまして、3月から本初等中等教育分科会において積極的、活発な御審議をいただきました。前回の7月12日の本分科会におきまして、提言の内容が梶田分科会長に御一任されたというものであります。委員からの意見も踏まえまして、皆様に御審議いただいた結果を机上に配付させていただいております。「今後の学級編制及び教職員定数の改善について(提言)」という形で取りまとめられまして、7月26日に梶田分科会長から当時の川端文部科学大臣に提出をいただいたというものでございます。
 この提言等を踏まえまして、文科省としましては、少人数学級の推進を柱とする「新・教職員定数改善計画(案)」を策定いたしまして、それに基づいて来年度の概算要求に必要な事項を盛り込んだというものでございます。
 それでは、資料2-1を御覧いただきたいと思います。新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(案)ですが、公立の小中学校の学級編制の標準の引下げというものは、現在の40人に引き下げられたのが昭和55年でございますので、それ以来の30年ぶりの40人学級の見直しです。また、計画的に教職員定数を改善していくという教職員定数改善計画の策定につきましても、平成13年以来でございますので10年ぶりのことです。それに向けて取り組んでいこうという内容でございます。
 具体的な内容につきましては、まず、公立義務教育諸学校につきましては、新学習指導要領の円滑な実施や、教員が子どもと向き合う時間の確保をするということで、まずは、少人数学級、35・30人学級を平成23年度から30年度までの8カ年計画で推進していこうというものでございます。小学校につきましては23年度から27年度にかけて、中学校につきましては26年度から28年度にかけて、それぞれ40人から35人、さらに、その完成後、小学校の低学年につきましては、29年度から30年度にかけて、35人から30人というように、学年進行を追って段階的に引き下げていくということを内容としております。
 また、複式学級につきましても、それぞれ、小学校については改善し、中学校については複数学年での学級編制を解消していこうという計画でございます。これに要する定数改善増が資料にございますように、51,800人でございますが、今後8年間に児童・生徒数の減少に伴います定数の自然減が、参考ですが、8年間を通じて32,400人です。したがいまして、差し引きいたしますと19,400人の増ということになるわけですが、それにつきましても、今後、定年退職者の増加に伴う教員の平均年齢低下、高齢者層が少なくなっていくということで、それに伴う給与減などが見込まれます。そうした財源も活用する中で、可能な限り追加財政負担を伴わないような形で、この少人数学級を計画的に推進していこうということでございます。それの初年度分といたしまして、小学校1、2年生に係る40人学級から35人学級の学級編制の引下げに係る改善が23年度要求数のところにございますが、8,300人、自然減の2,000人と差引きで6,300人という形になっているわけでございます。
 2ページが、「教職員配置の改善」といたしまして、平成26年度から30年度までの5カ年計画で、総数4万人の定数改善を盛り込んでおります。主な内容といたしましては、授業時数や指導内容の増加など教育水準向上のためへの対応であるとか、複雑多様化する生徒指導への対応、特別支援教育の充実など、様々な教育課題に対応するための定数改善を盛り込んだものでございます。この4万人の改善には、国費ベースで4万人でございますので、国費ベースにして900億円の増額が必要となるわけでございますが、それについては、その上の※印にありますように、26年度以降の改善増に必要となる恒久的な財源確保を講じた上で実施すべきということで、広く国民の理解を得ることが必要ということを明記しております。そのことを前提に改善内容のメニューを示しているというものでございます。
 また、柔軟な学級編制実施のための制度改正ということで、設置者である市町村が、地域や個別の学校の実情に応じまして柔軟な学級編制が実施できるような権限の見直しでありますとか、画一的な取扱いによって、余りにも過小規模な学級ができないような弾力的な学級編制を実施することができるような仕組みを導入していくということを明記しております。
 次のページが公立高等学校の定数改善計画案です。高等学校につきましては、習熟度別少人数指導の充実、あるいはキャリア教育の充実、特別支援教育の充実など、多様な教育内容の展開に対応した教職員配置の改善を行うということでございまして、23年度から27年度の5カ年計画で自然減に見合う数の改善増ということで、総数2,600人の定数改善の内容となっているところでございます。以上が定数改善計画として8月27日に公表した資料でございます。
 関係資料1は、これまでの改善計画の経緯について示したものでございます。関係資料2は、先ほど説明いたしました、7月26日の定数改善についての提言の内容を添付しております。また、関係資料3として、学校教育が抱える課題への対応のため、この少人数学級が必要であるのだということの具体的なデータなどを盛り込んだ必要性を示す資料で、この内容で公表したというものでございます。
 その次の資料が、資料番号を振っておりませんが、小学校1・2年生における35人学級の実現についての資料でございます。定数改善計画に基づきまして、23年度概算要求といたしまして2,247億円を要望しております。これは40人学級を小学校1・2年生について35人学級に学級編制を引き下げた分の、小学校1・2年生の全教職員数についての国庫負担金2,247億円というものでございます。そのことにつきまして、先ほど来、説明しております、学校の抱える課題にしっかり対応して、一人一人に応じたきめ細かな学習指導ができるよう少人数学級を推進していくということで、それによりまして、国際的に見て教育環境、国際的に見た我が国の1人当たりの児童・生徒数などが、この少人数学級についての計画が計画どおり改善されると国際水準になるというようなことを示した概算要求についての資料でございます。
 今後、我々としては概算要求の実現に向けて最大限努力をしていくということですが、本年度の概算要求につきましては、「元気な日本復活特別枠」として特別枠が設けられております。その1兆円超の特別枠について、文科省で10事業、全省庁で190事業ございますが、それを政策コンテストということで、ある意味、コンテストするという仕組みになっております。そのことにつきまして、広く国民目線で自由な意見を求めるということで、現在、全政策コンテスト要望事項につきまして、この9月28日から10月19日までの間、パブコメが実施されております。そのパブコメの結果なども参考に、今後、政府部内に設置される評価会議におきまして政策の優先順位づけを決定し、そのことも踏まえて最終的に政府として配分額を決定していく、こういう仕組みになっているわけでございまして、我々、非常に重要である少人数学級の実現に向けまして、動画での内容の説明であるとか、熟議を通じたPR等々、その他、インターネットを通じた広報、周知等、とにかく国民の理解をできるだけ求められるよう、現在努力しているところでございまして、引き続き、そうした取組を積極的に行うことによって、予算確保に適切に努めていきたいと考えている次第でございます。
 私からは以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。初中分科会でこの3月から議論してきたものを踏まえて、こういう予算要求を出していただき、同時に長期的な計画として教職員の定数改善計画、こういう形で今、まとめられつつあるということであります。皆さんのほうで、御質問、御意見があればお願いしたいと思います。植田先生。

【植田委員】
 失礼します。山口県の下関市の中学校に勤めております植田でございます。定数改善、我々現場の教員は非常に期待をしております、希望を持っております。平成18年の勤務実態調査に基づく第55回の初中教育分科会の資料からですが、「教職員をめぐる状況」の中にこういうものがあります。「学校現場が抱える問題は年々困難になっている」。その中に3つありまして、1番目、問題を抱えた子どもが増えている。2番目、特別なケアが必要な子どもが増えている。3番目、対応が困難な保護者が増えている。それから、大きな項の2番目、「教員はますます多忙になっている」。5つの小さい項がありまして、1番目、我が国の教員は授業以外の業務負担が多い。2番目、我が国の教員は勤務時間が長い。3番目、残業時間が大幅に増えている。4番目、休憩時間がほとんど取れなくなっている。5番目、教員の精神性疾患が急増しているというところは、現在も続いております。ですからこそ、今の定数改善には非常に大きな期待を持っております。
 今日の資料を見ますと、中学校だけで申しますと、まだ3年、4年、待たざるを得ません。これを一生懸命にやらなければいけないと思っておりますが、是非お願いしたいと、そういうふうな大変な環境にあるということを御承知いただきたいというのが1つでございます。
 それと、質問ですが、資料2-1の中に、「副校長・教頭の配置の充実」という言葉がございますが、以前に出ました「主幹教諭、指導教諭」という言葉が出てきません。実は、私が勤めます山口県は、まだ、主幹教諭、指導教諭も配置されておりませんが、全国で見ると半数の県くらいには配置されていると聞いております。ここでこの言葉が出ないと、なかなか地方にまで配置されないような気がするのですが、その辺はどうでしょうか。

【梶田分科会長】
 はい、ありがとうございました。いかがでしょうか。

【伯井財務課長】
 この資料2-1にございます少人数学級の推進についての副校長、事務職員等の充実の3,900人の数ですけれども、これは、例えば小学校ですと、27クラス以上で、教頭、事務職員が複数配置される現行の仕組みになっておりますので、そのことを前提にいたしまして、少人数学級推進によって全体的な学級数が増えることに伴うこれら職員の改善増ということでここには記しております。この計画にあるのは、この少人数学級を推進することに伴う教員の改善でございまして、それ以外の部分、先ほどおっしゃった主幹教諭の部分、それから、そういった基礎的定数の部分と、ここにはないのですけれども、例えば、少人数指導加配とか、生徒指導加配とか、そういう教員の部分は、当然、例年度と同様、概算要求しているものでございまして、そこも含めて適切に対応していきたいと考えております。

【梶田分科会長】
 はい、ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。渡久山先生。

【渡久山委員】
 今度の定数改善計画については、長い間、特に新学習指導要領の改訂のときにも、この学習指導要領の完全実施、あるいは効果的な実施のためには、それなりの条件整備、定数改善が必要だということをずっと中教審でも確認し、あるいは、そういうことで大臣にも答申してきたわけですが、それを受けて、ある程度、具体的な定数改善計画が出てきただろうというような感じで、これは非常に大賛成であります。
 そこで、1つ、せっかくですからお願いしたいのは、研修定数というのがあります。研修のための3,300人とありますが、ぜひ、研修の現状を改善してもらいたいというのがあります。例えば、現在、勤めていて研修に大学などに出ますと、それが原籍を保証しているところ、あるいは保証していないところがあります。あるいは、また、全く給与のないところ。完全に辞めて行っているような、経済的な支援もほとんどないという感じでは、これでは非常に、教員の研修のための定数の意味が出てこないという気がするので、これはひとつ、今後、具体的に実施していく面では、各県とも十分打ち合わせをして、より効果的な研修ができるようにしてほしいと思います。
 というのは、それの背景は、今、よく、教員の資質向上の問題で、6年生教員の問題というのがあります。とりあえず、現場教員の質を高めるという意味で、安心して研修ができる体制というもので、研修定員というようなものをきちっと確保できるようにしていただきたいということが1つです。
 もう1つは、具体的な改善方法の中で出ているものの中に、やはり、学校現場における専門職の職員、スタッフの充実・改善というのがあります。これは、大学でもそういうことが余りできていないと、よく言われてきたわけですけれども、やはり、小中学校の場合、極端に言えば、教員と事務職員しかいないわけです。それを、今、情報教育とか何とか言ってコンピューターを導入していくという中で、それだけで果たしていいのかという問題が出てくるわけです。先ほどの委員の発言にもありましたけれども、やはり、非常に困難を伴う子どもたちの生活指導も出てきておりますので、専門スタッフ、教員以外のスタッフを増やしていくというようなことについて、もっと積極的な要求をやっていただきたいと思います。
 つきましては、せっかくここまで出てきて、今、課長も30年ぶりにと言われましたが、30年間、定数改善をしない国というのは、考えただけでも、もうまずいのではないかと。そういうことを考えますと、やはり、今度はより強力にこの定数実現のための努力をしていただきたいと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。今、いろいろな点を御指摘をいただきましたが、研修定数の使い方について、今日は教職員課長が出ておられないから、あれでしょうか。実は、今までの教職員定数も、全部は使われていないというのが実情だというふうに私、承知しております。都道府県で、実は、随分、姿勢が違いまして、私がかつて学長を務めました、兵庫教育大、兵庫教育大というのは現職の先生に大学院に来てもらわないと成り立たない大学ですから、全部の都道府県の教育長さんを毎年回ってごあいさつかたがた、お願いに回っていたのですけれども、随分、研修定数の使い方について温度差があるというのが私の印象ですが、だれか、お分かりの人おられますか。もし、今日分からなければ、こういう発言があったということで、受けとめていただきまして、これ、せっかくつけていくわけですから、フルに使えるようにということでお願いしたいと思います。
 はい、それでは貞広先生。

【貞広委員】
 ありがとうございます。大変すばらしい計画を出していただきまして、ここの中にこの計画に反対する人はだれ一人いないと思うんですけれども、だからこそ、その勝算ということにかかわりまして、資料2-1の2ページ目のところにも御指摘いただいていますけれども、恒久的な財源確保、今後、この計画のみならず、その先ということも含めて、恒久的な財源確保について広く国民の理解を得る、その戦略を積極的に立てていただきたいということです。
 と申しますのは、基本的に、このベースとなっているのは、今、こんなに教育現場が大変で、先生方が大変だということが出ていますけれども、なかなかそれだけでは、例えば、少子高齢化の社会の中で雇用や福祉、又は医療という高齢者に直接、直結するような政策と並べられたときに、政治的に、そちらのほうを選択されてしまう可能性が高くなる可能性があると思うんですね。つまり、今までのように、教育現場の大変さということに加えて、どのように子どもたちの利益になるのか。ひいては、どのように社会全体がそれによって得をするのかという視点を積極的にアピールしていただいて、これにとどまらず、さらに先にずっと安定的に教育財源が縮減しないような戦略を立てていただければと思います。総合的な意見で申しわけありません。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。これ、26年を待たなくても、来年についても、12月までちょっとドキドキしながら見守らなければいけない部分もなきにしもあらずですけれども、この段階ではまだ、一生懸命に頑張ってもらうと、そういうことしかないのかなと思っております。そういうことで、本当にこの問題、このプランが絵に描いた餅にならないようによろしくお願いしたいと思います。角田先生。

【角田委員】
 今の貞広先生の発言にも関連してくるのかと思いますが、この計画は、もうとにかく私たちが待ち望んでいたものなわけですけれども、優先順位がパブリック・コメントによって決まるということなんですが、今日、実は大学で説明を受けたのですが、パブリック・コメントを出すのが、非常に出しにくいんです。我々、割と扱い慣れている者でも、それがやりにくいということがあったものですから、もう少し国民全体に分かりやすくすることと、それから、パブリック・コメントがもう少し簡単に、余り簡単過ぎるといたずらの問題が出てくるかと思いますが、何かその辺のところを工夫していただくということ、両面作戦で、広報をきちっとすることと、パブリック・コメントが、だれでもが意見を出せるようにする、そういうふうなことについて、これは文部科学省だけではないと思いますけれども、ぜひ、御提言をいただければありがたいと思いました。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、大嶺先生。

【大嶺委員】
 はい、ありがとうございます。2点です。渡久山先生から出ましたけれども教員の研修に関してですが、今度、これだけ教員の数が増えていくようになりますと、新規採用の教員というのが学校現場のほうに相当入ってくるわけです。東京都でも、地区によっては、それこそ3けた単位の新規採用教員という新しいメンバーを迎えて学校を運営していく。とても新鮮な新しい風が入ってくる、これはすばらしいことだと思うんですけれども、そういう教員をどういうふうに育てていくのか、これは後ほど、教員の資質能力向上特別部会の審議状況のほうでも出てくるのではないかと思いますが、その辺りもきちんとリンクさせながらやっていかなければいけないと思います。これが、まず、人的環境の部分です。
 それから、もう1点は物的環境の部分で、提携の中で、少人数学級に伴う施設設備、これに関して国としてそれぞれの地域によって教育条件の格差が出ないようにというような財源確保をしていく必要があるというふうに提言を出しているわけですけれども、そういう物的な施設設備の問題等に関してはどういうふうになっているのかというところをお伺いしたいと思います。

【梶田分科会長】
 今の御質問につきまして、何か事務局のほうで分かる点がありましたらお願いいたします。

【伯井財務課長】
 先ほどもちょっと出ましたけれども、研修に係る定数の話で言いますと、今日お配りしております提言の28ページに、それぞれの加配教職員について記載しております。研修等定数の5,484人というトータルのベースですけれども、そうした数を、今年も来年度の概算要求においてもそうした要求をしておりまして、引き続き、初任者の増にも対応できるような形でやっていきたいというふうに考えています。
 それから、施設の面では、マクロで見ますと、全体的な児童・生徒数の減少がございますのでその中で対応できるということなんですが、当然、地域によっては児童急増地域がございます。そうしたところについて、無理のない形で対応できるような少人数学級編制は必要であろうと、今後、制度の詳細を考えていくときには配慮していかなければならないということとともに、施設設備の財源につきましては、国の施設費の負担金交付金の中で、通常の教室改造等の事業ですけれども、そうした中で見ていくということになろうかと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、荒瀬先生。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。貞広先生がおっしゃいましたように、だれも反対しないと思うんですけれども、本当にこれが実現して、具体的に進んでいくかどうかというところで、私は、国民の理解を得るというときに、常識というんでしょうか、どういう常識が国民全体の中に広がっていくのがいいのかなというのを考えますが、どうも、現行の学習指導要領の取り扱われ方というのが大変不幸なことになってしまっていて、結果的に、勉強して学力を高めようと思ったら塾に行かなければならないというような傾向が非常に強いのではないかと思うんです。塾に行くことを私は否定するわけではありませんけれども、うちの学校で、今、高校1年生がなかなか手ごわい状態なのですけれども、「勉強しなさい」と言いましたら、急にたくさん塾に行き出したのです。9年間の教育の中で、勉強をするということは塾に行くことなのだということとほとんど同じ意味になっている。そこのところの信頼の回復といいましょうか、正しい認識の醸成をしていかないと、この子たちが、高校生でしたら、10年たてば親になって、また子育てをしていくとなると、どんどんとそういう感覚の再生産が続いていくのではないかと思います。
 ですから、理解を得るということは学校教育に対する信頼を取り戻すということが非常に重要になってきますので、これだけいろいろやっているのに、先ほどから出ていることに私も全く同感なのですけれども、どうして子どもたちがこんな状態なのか、これはもう規範意識とかも含めてです。規範意識なんていう大層な話ではなくても、どうしてルールを守ることができないのかとか、親が大変だというんですけど、それで学校の教員は余計に大変だということなんですが、どうしてそういう親が育ってきたのでしょうね。その辺りは、ぜひ、この中教審でも議論していかなければならないと思います。せっかくいろいろとお金を使ってやっていくということが、必ずしも、よい教育成果を生むことにつながっていないというような常識がどんどんと大きくなっていくと、これは、これからやろうとしていることが全然うまくいかないのではないか。
 いつも申し上げて大変恐縮ですが、公立高等学校の授業料の無償化、これだけのお金を使ってやっているのに、文科省のほうからはチラシもいただいてアピールしておりますけれども、今の感覚は、ここに書かれているような、すべての意志ある高校生が安心して勉学に打ち込める社会というイメージではなくて、それは、そんなのはしてもらうのは当たり前でしょうというような消費者感覚でしか受け取れないんですね。ですから、そこのところの教育政策の浸透というんでしょうか、どうすれば効果的なお金の使い方ができるのかということをしっかりと考えていかなければ、せっかくのことがもったいないのではないかということを思います。それが1つです。
 もう1つ、ここの文言にはなかったのですけれども、伯井課長のほうから先ほど御説明があったときに、資料2-1の3枚目のところで、「新・公立高等学校等教職員定数改善計画(案)」の中の最初の枠囲みですが、太字で、「習熟度別少人数指導やキャリア教育の充実など」というふうなことがありますが、それに加えて特別支援教育の充実ということもおっしゃいました。特別支援教育というのが、いわゆる特別支援学校の領域だけではなくて、すべての学校において行われていくということで、その際、ここも十分に注意していかなければならないのは、体や様々な発達段階での能力の障害というのは、人によって、本当に様々です。ですから、個々の指導計画を立てていくのだということで進んでいるわけですが、それが、ややもすると形式的になってしまいがちな面がありますので、そこのところの十分な確認というんでしょうか、進行管理というんでしょうか、そういったことも十分していっていただく中で、これが生かせるように持っていかれればいいなということを思っております。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。今日は、幾つも報告がありますので、次の特別支援教育の在り方について進んでいきたいのですが、ただ、荒瀬先生が前半におっしゃったことは、中教審、いろいろな分科会、部会に出ている者にとって一番大きな課題だと私は思いますし、実は、こちらに座っておられます事務局の金森文科審、山中局長、ずっとこの5年、10年御努力いただいてきた、まさに課題そのものだと思います。そして、そういうことを踏まえて2年前の新しい学習指導要領についての中教審答申も出たと、こういう流れです。ただ、これが、本当に現場のものになっていく、学校に対する信頼が回復する、教師に対する信頼が回復する、そして、そのためには、結果が出なければいけないわけです。子どもたちが勉強をするためには塾に行く、私学に行くというのではなくて、まず、公立を信頼してくれる、こういうことにならなければいけない。こういうことのためには、今日は、また、その問題をやればあと2時間かかりますからやめますが、また、いろいろな機会に皆さんで議論を深めていきたいとうふうに思います。
 それでは、急ぐようですけれども、特別支援教育の在り方に関する特別委員会につきまして、前回の分科会で設置を決定したところですが、この分科会がどういうふうに進んでいるかという審議状況につきまして、千原課長のほうから御説明をお願いいたします。

【千原特別支援教育課長】
 お手元の資料3-1で始まる資料で御説明をさせていただきます。今、梶田分科会長から御紹介がありましたとおりでございまして、内閣府側の障がい者制度改革推進会議の第一次意見、また、それを踏まえた閣議決定に基づきまして、本分科会の下に特別委員会を設置いただきました。
 資料3-1は割愛させていただきまして、資料3-2、これも前回、設置をいただいた設置紙でございますので省略をさせていただきます。
 お手元の資料3-3でございます。こちらが委員会の委員名簿、全部で27名、御参加をいただいております。本分科会からも宮﨑委員に委員長として参加いただきまして、6名の先生方に特別委員会に入っていただいているところでございます。この構成ですが、約3分の1が障害の当事者、あるいはその関係の団体の方、当然、教育関係の先生方、地方自治体の方、保護者の方、医療関係者の方と、多様なメンバーで構成していただいている次第でございます。
 お手元の資料3-4です。もともとの設置紙に書かれた論点をもう少しかみ砕いて書いた資料でございまして、1の総論から始まりまして、就学相談・就学先決定の在り方、あるいは、そういったことを進めていく制度改革の上に当たって必要な体制整備、合理的配慮と言われたようなものがどういうものか、そういったことを論点例としながら議論を進めてきていただいておりまして、昨日までに既に4回、御議論をいただいたところでございます。
 駆け足で恐縮ですが、資料3-5を御覧いただきたいと思います。こちらが、これまでに委員会のほうで御議論がありまして出された主な意見でございます。「1.総論」ですと、一番上の白丸ですが、「インクルーシブ教育の理念・方向性については賛成である。」ただ、上から4つ目ですけれども、「インクルーシブ教育といっても同じクラスで一緒に学ばなければいけないということではない」「障害の状態に応じて臨機応変に通級指導、特別支援学級で教育するなど色々な形があって然るべき」という御意見。また、下から6つ目になりますが、「子ども本意で、障害のある子どものニーズを出来る限り受けとめる制度設計ができればと思う」、あるいは、下から2つ目でございますけれども、「障害のある子を最大限に発達させる」という観点もあるけれども、「障害のない児童の権利についても保障しなければならない」というような御議論。
 また、ページをめくっていただきまして、上から3つ目の白丸の中ほどですけれども、「今まで進められてきた特別支援教育のプラス面を継承し、マイナス面を検証し、大きな枠について、財源負担も含めた国民的合意をはかり、それを進めながら、大きな枠組みを改善する中で、場をともにすること、その中でともに育つ・学ぶ体制を求めていくべきである」という御議論がございます。
 また、次の3ページ、「2.就学相談・就学先決定の在り方及び必要な制度改革について」に行きますけれども、就学相談・就学先決定ということでは、2.の1つ目の白丸ですが、「早期発見・早期対応が大事である」と、先ほど委員からも御紹介がありましたが、いわゆる、個別の教育支援計画など、そういったものも早くから作っていく必要があるのではないかという御議論もございます。
 また、下から4つ目、就学相談は、「保護者に教育に関する情報を適切に提供しつつ、判断を共にしていくというプロセスが大切であるだ」というような御意見。また、一番下ですけれども、「就学時に今後の進路(就学先)をすべて決めてしまってよいのかは疑問」例えば、「毎年柔軟に教育相談の中で就学先を検討することはできないか」というような御議論等々がございます。
 本日、時間の関係もございましてすべては御紹介いたしませんが、そういった様々な御議論をいただきながら、今、審議を進めていただいているところでございます。今後、年内に中間取りまとめをしていただき、また、平成22年度内に一定の結論を得るというような方向で御議論を進めていただく予定でございます。
 簡単ですが、以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。本日、時間の関係がございまして、この問題を皆さんで議論するということはほとんどできません。ただ、前回、この特別委員会を発足させるというときに、この分科会でも随分、こういうことを考えていかなければいけないということについて御発言がございました。これが特別委員会のほうでも、この記録を見ますと、随分そういう考え方に沿っていろいろと御意見が出ているように思います。また、中間まとめの前後にもう少し詳しく、どういう方向でまとまりそうかということで御説明いただいて、皆さんの、この分科会としての意見交換をしたいと思いますが、今日この場で、これだけは絶対に言っておきたいという方がおられましたらお願いしたいと思います。はい、曽我先生。

【曽我委員】
 先ほどの荒瀬先生のお話のときにお話ししようと思ったのですが、このインクルーシブのところであったほうが話がいいなと思いお話します。今の小学校、中学校って、様々な習熟度の子どもたちが1つの教室に入っているんです。これを、同じ先生が、小学校ではいろいろな教育をしている。様々な見方といっても、いろいろな子どもたちをすべて1人で見ているということです。
 インクルーシブ教育が導入されてくると、確実に障害のない子どもたちの学習の権利も保障していくということにも話が進みます。習熟度別に子どもたちをきちんと教育していくということになっていかないと、やはり、その子の学習の権利は保障されたことにならない。
 先ほどの塾の話なのですが、学校の中での教え方は、ある部分の子どもに合わせて教えるので、やはり、どうしてもついていかれない、フォローしてもなかなかできない子どもができやすい。塾というのは、その子に合わせてという対応ができるわけですから、そういう部分が学校の中に備わっていなければ、そこに漏れた子は、やはり、そっちで学ぶほうが自分の進捗度に合わせた学びができやすいから、どうしても外部にそれを求めてしまうというところがあると思います。それをやっているうちに、やはり、協調関係の保護者が存在しなくなって、まず、自分の子どもということになっていくと、どうしても、PTAの中でも、やはり、まずわが子の主張が非常に強くなってくるわけですから、いろいろなPTA活動を通して協調してとなれども、自分の子が置かれている立場を非常に頭に置いてくることになります。そうすると、そこにポジションが合っていない保護者にとっては不満足ということになれば協調できなくなってくるということも存在します。
 やはり、個人主義が協調になるためには、インクルーシブ教育の発想の中のように、一人一人の子どもの学習の権利を保障してあげれば常に保護者は満足する状況になりますから連帯もしやすくなる。そういうふうになって、すべての子どもたちを我が子のように思えるような社会になっていけば、ある程度解決すると考えます。私は、相当大きな教育改革がこれによって行われることによって、それが実現しやすい可能性が出てくるので、逆に、ここを見つめる体制をどのようにするかによって随分変わる、今までどおりの中にインクルーシブで障害の子どもたちをポンと入れても、もっと1人の先生が負う負担というか、いろいろな部分で難しくなるだけではないかというふうに感じています。是非、これをいい形で導入していただき、今の教育問題の改善に使っていただければ、もっと保護者も理解ができやすくなるのではないかと思いましたので、先ほどではなくて、ここでお話しさせていただきました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、渡久山先生。

【渡久山委員】
 この意見をいろいろ見せていただきましたけれども、障害のある子どもを最大限に発達させるということはいいのだけれども、障害のない子どもの権利もという話があります。これは、ややもすると非常に誤解を受けると思います。インクルーシブというのは何だったのか。障害を持っている子どもたちや障害者のために、健常児や健常者が何ができるかということなんですよ、発想は。ですから、これを、例えば、場を共にするという意味でのインクルーシブ教育を進められたら、当たり前のことですけれども、何かこれを見ていると、委員の皆さん、もう一度、やはり、障害者の権利に関する条約について、その趣旨をもう少し勉強してほしいと、極端に言えば、こういう感じがします。こういう発言が出るというのは、非常に逆に寂しい思いがしますね、私は。これは今後の問題として、どうぞきちっと議論していただきたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。まだ、これは滑り出したところで、この問題をめぐってといいますか、今、御指摘のように、必ずしも、勉強を深めながら議論するということではなくて、最初の段階でいろいろな思いが出てきている。それをこういうふうに、一応、羅列していただいている、リストアップしていただいているという段階ですので、中間まとめの前後には、ここにお出しいただきまして、そういう1つのあるまとまりを持ってきた段階で、皆さんにきちっとした議論をしていただきたいと考えております。
 では、これはよろしいでしょうか。これは非常に大事な問題です。今、曽我委員も渡久山委員も御指摘のように、そうであるだけに、じっくりとこれは議論の機会を設定をしたいというふうに思います。
 では、次に参りますが、「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」という文部科学省からの諮問が中教審に対して出まして、これを審議するための特別部会が設置されて、ずっと審議を続けていただいております。この審議状況につきまして、まず、事務局から御説明をお願いいたします。

【日向教育改革調整官】
 資料4-1から4-5までを使って御説明をさせていただきたいと思います。まず、これはもう既に先生方は御案内だと思いますが、6月3日の中教審総会におきまして諮問されました。また、その場で教員の資質能力向上特別部会の設置も決定されたところでございます。大臣からは、総会におきまして、本年度中を目途に一定の方向性をお示しいただきたいという御発言がございました。
 そこで特別部会ですが、資料4-1です。これまで6回ほど開催されました。前半の3回は、どちらというと自由討議ということで、フリーディスカッションという形で委員の方に御討議をいただいたわけでございます。後半につきましては、それぞれの論点ごと、例えば、教員養成の在り方について、教員免許制度について、採用について、現職研修について、教育委員会、大学等、関係機関との連携・協働についてということで、個別課題の整理を3回ほど行いました。とりあえず、第6回まで一通り議論が終わったということで、部会長のほうから、これまでの審議のまとめをするというような御発言がございまして、現在、その辺りを整理中という状況でございます。
 次に、資料4-2です。こちらは前回の際にも御説明をさせていただきましたので、ごく簡単に説明をさせていただきます。一番下の審議事項でございます。3つほどございまして、1つ目は、「教職生活の各段階で求められる専門性の基盤となる資質能力を着実に身につけられるような新たな教員養成・教員免許制度の在り方について」ということで、教職課程の期間・内容等の充実、教職大学院の在り方の検討、課程認定の厳格化などについて御審議をいただくということでございます。
 2つ目は、「新たな教員養成の在り方を踏まえ、教職生活の全体を通じて教員の資質能力の向上を保証するしくみの構築について」ということで、教員免許制度の見直し、現職研修の充実、免許更新制の検証と在り方の検討ということでございます。
 3つ目が、「教育委員会や大学をはじめとする関係機関や地域社会との組織的・継続的な連携・協働のしくみづくりについて」ということでございまして、関係機関や地域が一体となって教員を育て、支援する環境づくり、多様な人材の登用などということでございます。
 次に資料4-3でございます。特別部会の委員の名簿でございますが、田村副分科会長にこの部会の部会長をお願いしているところでございまして、ほかにも本分科会からは6名の委員の方に御参加をいただいているところでございます。
 次に、資料4-4です。これは、第5回、第6回の特別部会に提出された資料でございまして、各論点に関する主な意見をまとめたものでございます。かなり大部でございますので後ほどお目通しをいただければと存じますが、基本的な構成といたしましては、「基本的な考え方」、「教員養成のあり方について」、「教員免許制度について」、「採用と学校現場への多様な人材の登用について」、「現職研修等について」、「教育委員会、大学等の関係機関の連携・協働について」などから構成をされておりまして、主な論点とこれまでに出された主な意見について論点ごとに掲載したものでございます。
 最後に資料4-5でございます。これは直接、審議とは関係ありませんが、9月16日に「教員免許更新制について」ということで文部科学省からメッセージを出させていただきました。これは、ホームページに掲載するとともに、大学、教育委員会等にも周知をさせていただいたものでございます。基本的には、この教員免許更新制につきましては、昨年10月、本年6月にも広報させていただいているところでございますが、改めて確認のために周知させていただいたものでございます。
 内容はそこに書いてあるとおりでございますが、教員免許更新制の在り方については、教員の資質向上方策の抜本的な見直しを行う中で相互的に検討することとしており、一定の結論が得られ、これに基づく法律改正が行われるまでの間は現行制度が有効であること、また、現職教員の方についても現行制度に従って、定められた期間内に免許状更新講習を修了し、免許管理者の確認を受ける必要があると。このことについてメッセージとして出させていただいているところでございます。
 簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。

【梶田分科会長】
 それで、結局、いつごろに報告がまとまる予定でしょうか。

【日向教育改革調整官】
 そこは、大臣からは、年内を目途にというような方向性ということですが、具体的な時期につきましては部会長と御相談の上ということで、今の段階でははっきりいつということは決まっていない状況でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。御承知のように、この問題は、ずっと急務ではあるわけです。自民・公明政権のときでもそうですし、あるいは、今の政権の下でもみんな同じことなんです。結局「教育は人なり」ですから、最後はここに行くわけですが、ただ、ちょうど1年前の政権交代の前後に、民主党のマニフェストやインデックス、あるいは、新しい川端大臣、鈴木副大臣の御就任のときのお話等々で、免許更新制はやめたいとか、あるいは、6年制の教員養成にしたいとか、あるいは、専門免許という新しい免許制度をつくって、それがなければ校長、教頭にしない等々幾つかアイデアといいますか、構想が出ました。本当に教員に力をつけていくにはどうしたらいいかということの問題があったわけですが、それを踏まえて川端大臣から、そういう制度的な、仕組み的なものの検討も踏まえて、こういう諮問が出たというふうに理解しております。ただ、これが諸般の事情で、仕組みの問題までなかなか行っていないというのが私の率直な印象であります。
 ですから、ここで皆さん、先ほど荒瀬先生がおっしゃったように、まさにどうやって、より一層、教員が信頼される存在になっていくかということでの議論を、この初中分科会でも、また機会をとらえてやらなければいけないと思います。また、田村先生が、この特別部会の責任者で、安彦先生が副をやっておられますし、小川先生も出ておられたり、このメンバーが出ておられます。この中身はまだそもそも論が多いです。これはもう、教員養成部会でもずっとやってきたし、あるいは、中教審のいろいろなところでやってきたというところはありますが、もう少し、今おっしゃったように、仕組みの問題に触れるようになれば、この分科会にも少し詳しく報告していただいて、議論をしたいと思っております。
 そういうことで、今日は、これだけは特別、絶対に言っておきたいという御発言だけお願いしたいと思います。はい、天笠先生。

【天笠委員】
 もうこれは言うまでもないことなので、皆さん、お気づきだと思うんですけれども、風呂敷を広げて、広げたままで議論を進めようと、まあ、それも1つの議論の進め方としてはあり得るのではないかと思いますが、大体常識的に言うと、どこかに絞っていくとか、論点を上げていくということではないかと思うんですが、広げた風呂敷を、どういう形で、どこのところに論点を置いてこの先、進めようとしているのか、どうなのか。その辺りのところは、既に方向性等が御検討されているのか、どうなのか。それとも、まさに、今日、ここで拝見させてもらっているような、こういう状況で、これが今の現状だと認識するのか。そこら辺のところについて、もう少し御説明をいただけるとありがたいなということです。
 それから、ゴシックで四角囲みで、それぞれ、「必要だ」というふうな、そういう言い方が出ていますけれども、これは、全体の委員の方の意見を大枠にくくると、大体その辺りのところでおよそ必要だ、という意味なのか、それとも、今、申し上げた、論点をそういうところに、これからより深めていこうという意味の、ある種の方向性を示唆するという意味において、この辺りのところについて重点を置かれているのか、この、ゴシックにした「必要だ」というところについての意図とかねらいというのでしょうか、あるいは、これの作成のプロセス等が、もしありましたら御説明いただけるとありがたいと思います。

【梶田分科会長】
 では、田村先生から、ちょっとだけ、そういうことに触れてお願いいたします。

【田村副分科会長】
 ありがとうございます。今の天笠先生のお話は、まだ具体的に先生がおっしゃったようなことを明確に説明するまでに議論は詰まっていませんので、ちょっと御容赦いただければと思います。
 ただ、1つのスタンスなのですけれども、先ほど荒瀬先生が御心配しておられたことも含めて、私がこの問題のスタンスを申し上げるとすれば、今年の8月23、30日の「ニューズウィーク」の特集号が報道しておりますが、北のほうの少人数の国を除くと、エデュケーションという項目については日本は世界一なのです。その実情を、やはり、日本人がもうちょっとちゃんと評価する必要があるだろうという気がします。それは、公教育の評価という意味ではなくて、塾も含めて、私学も含めて、現実に初等・中等教育では今、日本は、人口の多い国を取り上げると、カナダと日本が断トツなんです。ですから、その実態はやはりちゃんと踏まえる必要があるだろうと。だから、自信を持って改革をさらに深めていこうという議論をしているつもりでおります。
 日本の今の状態が無茶苦茶で大変な問題だ、とんでもないというようなつもりでは、私はいないということだけお伝え申し上げたい。かなりいいのですよ、人口が多い国としては。これはもうはっきりしているわけです。外国で評価する際の指数というのはいろいろ項目が出ていますが、その中には、おっしゃるとおり、塾の役割も入っています、私学の役割も入っています。しかし、大半は公立学校が支えています。それも踏まえた上でそういう評価をされているということは、我々は自信を持って、いい方向に出せるような議論を進めていくということがとても大事だと思います。
 ですから、今の学習指導要領のやり方も、世界的に見ればそんなに間違っていないのではないかと私は思います。もちろん、今、荒瀬先生が御指摘のように、それを適切にやっていくことは必要ですけれども、方向性は間違っていないのではないかというふうに思っているということだけ申し上げさせていただきます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。この問題は、またこの資料を御覧いただきまして、ただ、繰り返しますが、仕組みのほうは、今のところ、1年前に言われたようには変わる状況にはございませんので、そういうことを頭に置きながら、これからどうするかということは、この初等中等教育分科会でも、またいい機会を作って集中的に議論したいと思います。
 それでは、最後の議題になりますけれども、幼児教育・幼保一体化等につきまして、これは政府全体としていろいろなことが進んでおります。また、今日、無藤先生も来ておられますので、そういうことの議論に先導役として深くかかわっておられますので、まず、事務局のほうから御説明いただきまして、無藤先生にもちょっと一言おっしゃっていただいて、そして、皆さんで少し議論したいと思います。
 では、お願いします。

【濵谷幼児教育課長】
 それでは、資料5-1、5-2、5-3で御説明をさせていただきたいと思います。
 前回の分科会で子ども・子育て新システムの基本制度案要綱の概要を御説明申し上げましたけれども、本日は、基本制度案要綱に至るまでの、これまでの、特に本審議会における幼児教育関係の答申、検討経緯、それから、次世代育成支援改革の流れという、これまでの過去の経緯について、資料5-1で、それから、今後の検討体制及びスケジュールにつきまして資料5-2で御説明させていただきたいと存じます。
 まず、資料5-1ですけれども、3ページ、横長のカラー刷りの絵ですが、「これまでの幼児教育の振興及び次世代育成支援改革の流れ」とございます。基本的に、この流れに沿って中教審の答申等を御紹介をさせていただくということでございます。
 近年、平成17年ごろから2つの大きな流れが幼児教育関係でございます。1つは、幼児教育の振興の流れ、もう1つは、特に財政面でございますけれども、次世代育成支援改革の流れと、大きく2つの流れがございます。御案内のとおり、本審議会におきましては、平成17年1月に幼児教育に関する答申をいただいております。幼児教育は、幼稚園・保育所等で行われる教育、あるいは、家庭教育を含む幼児が生活するすべての場において行われる教育であること。それから、家庭、地域社会、幼稚園、保育所、認定こども園などの幼稚園等施設、三者が連携して総合的な幼児教育を推進すべきこと。それから、生活の連続性、発達や学びの連続性を踏まえて幼児教育の充実を図るべきこと。幼稚園教育と小学校教育の連携・接続が必要であること、という流れが1つございます。
 ざっとですけれども、まず、中教審の答申ですが、4ページ以降です。今、申し上げたところをかいつまんで申し上げますと、5ページからでございます。まず、一番最初に、人の一生における幼児期の教育の重要性ということで、幼児期は心情、意欲、態度、基本的生活習慣など、生涯にわたる人間形成の基礎が培われるきわめて重要な時期である、という基本認識が示されております。
 その下、第2節、幼児教育の範囲ですけれども、こういった認識に立った上で幼児教育の範囲ですけれども、幼児とは、小学校就学前の者を意味する、ということで、幼児教育とは、幼児に対する教育を意味し、幼児が生活するすべての場において行われる教育を総称したものである。具体的には、幼稚園における教育、保育所等における教育、家庭における教育、地域社会における教育も含め得る広がりを持った概念としてとらえられる、というふうに、幼児教育の範囲について答申をいただいております。
 その上で、8ページからですが、子どもの育ちの現状と背景ということで、現在でも当てはまる現状ですけれども、近年の幼児の育ちが基本的な生活習慣等、あるいは他者とのかかわりなどなどでいろいろな課題があること。それから、2つ目、子どもの育ちの変化の社会的背景として、少子化、核家族化、都市化など、子どもにとって必ずしもよくない社会的な環境があること、そういった背景の中で、地域社会の教育力が低下していること。
 それから、9ページですけれども、親の子育てなどの環境の変化ということで、家庭の教育力の低下、核家族化の進行等で悩み、孤立感、情緒不安定の親、虐待の増加、女性の社会進出により子育て家庭が、自分にとって子育てをしていることがハンディキャップではないかというように感じてしまう親がいる、などのこと、それから一番下ですが、父母その他の保護者が子育てについて第一義的責任を有するという少子化対策における基本理念を踏まえ、親の育児を単に肩代わりするのではなく、親の子育てに対する不安やストレスを解消し、その喜びや生きがいを取り戻して、子どものよりよい育ちを実現する方向となるような子育て支援が必要である、という基本認識に立たれております。
 こうした基本認識の下に、具体的な提言、概要は13ページでございます。今後の幼児教育の取組の方向性ということで、先ほど申し上げた家庭・地域社会・幼稚園等施設の三者による総合的な幼児教育の推進ということで、幼稚園等施設においては、これまでの役割に加え、家庭や地域社会における教育力を補完する役割、失われた育ちの機会を補完する。家庭や地域社会が、自らその教育力を再生、向上していく取組を支援する役割、幼児教育の牽引力として家庭や地域社会を支援する役割を担うことが求められる、と御提言いただいております。
 また、2点目としましては、生活の連続性、発達や学びの連続性を踏まえた幼児教育の充実ということで、日々の生活の連続性、それから発達や学びの連続性を確保すること、その成果を円滑に小学校に引き継ぐ、幼児教育の成果の連続性を確保するため幼児教育の充実を図ることが必要である、というようなことが提言されておりまして、日々の生活という観点からは、施設での生活と家庭や地域社会における生活との連続性、保護者との連携の重要性、地域との連携の重要性。発達や学びの連続性の観点からは、幼稚園等、施設の教育を通した学び、さらには小学校以上の学習へと連続的につながっていくことが必要、というような基本につき御提言をいただいております。
 この御提言をいただきまして、教育関連の改正としては、23ページ以降でございますが、もう御案内のとおりでございますので簡単にいたします。24ページからでございます。まず、縦の系列、縦糸と申しましょうか、発達や学びの連続性という観点からは、教育基本法6条におきまして、学校において、体系的な教育が組織的に行われるべきこと。幼稚園や大学までの体系的・組織的教育の確保。それから、2つ目、横軸といいましょうか、幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであるということで、この教育には、幼稚園だけではなくて、家庭、保育所、あるいは地域社会においてこれらの教育が幅広く含まれる。こういったもののすべての振興に努める、ということが規定されております。
 これを受けまして、25ページですけれども、幼稚園が体系的な教育の一環として、子どもが最初に入学する学校として最初に規定すること。目的上も義務教育及びその後の教育の基礎を培うものであることが明確化されるとともに、家庭や地域の教育力の補完という観点から、家庭及び地域の幼児教育支援に関する規定が創設されたところでございます。
 また、幼稚園教育要領についても、こういった学校教育法の改正を踏まえまして、幼稚園教育と小学校教育の円滑な接続の観点から、教育内容におきまして、いわゆる協同的な学び、幼児同士が集団として共通の目的を見出して工夫・協力すること。それから、幼稚園と小学校の子ども同士の交流、教師同士の意見交換の機会を設けるなどが規定されております。
 また、加えまして、家庭・地域との連続性・連携・支援の観点からの記述もさらに充実され、地域の幼児教育センターとしての役割が明確化されたという改訂がなされております。
 この改訂の流れの一環として、幼稚園、保育所を通じた教育内容の整合性の確保という観点からですけれども、資料5-3の参考資料の5ページをお開きいただきたいと思います。「幼稚園教育要領及び保育所保育指針」とございます。古くは昭和38年の局長通知から、保育所におきましても、3歳以上の子どもについては幼稚園教育に準じた教育を行うよう指導通知が出ておりますけれども、その後、幼稚園教育要領、保育所保育指針の改訂のたびに内容の整合性の確保を図ってきたところでございます。平成21年4月から実施されております幼稚園教育要領及び保育所保育指針につきましては、いずれも告示・大綱化、幼稚園教育要領は、もともと告示・大綱化で、法令の規範性、大綱的な位置づけでありましたけれども、保育所保育指針につきましても、これまでの局長通知という法的な規範性のないものから、告示化されるとともに大綱化され、内容につきましても、基本的な考え方、計画的な環境の構成、遊び、あるいは生活を通した指導、一人一人の発達の特性に応じた教育を行うこと。教育課程、あるいは保育課程の編成をし、それに従った指導計画を作成して指導すること。こと、教育面については、健康、人間関係、環境、言葉、表現という5領域から構成され、これに基づいて総合的な指導を行うべきこと、また、5領域のねらいについても、ほぼ同じような記述ということで、内容面では、幼稚園、保育所、特に教育面については整合性の確保が図られてきているということでございます。
 今、申し上げたのが、先ほどの資料5-1の3ページの図の中の幼児教育の振興に関する流れでございます。一方で次世代育成支援改革の流れがございます。1つは、平成16年12月、これは幼児教育の振興と次世代育成支援改革の両方にまたがるものですけれども、当時、総合施設と言っておりましたが、今の認定こども園制度につながる中教審と社会保障審議会の合同の検討会議の報告でございます。そこのポツで書いておりますが、幼児教育の観点と次世代育成支援改革からの検討が必要であること、親の就労事情にかかわらず、等しく幼児教育・保育の機会を提供することが基本であること、加えて、子育て家庭への相談、助言、支援、親子の交流の場を提供することが重要である、ということで、いわば、幼児教育の観点から見ますと、すべての施設で等しく幼児教育を提供するという視点、それから、家庭や地域社会と連携した総合的な推進を図ると、この2つの視点が同じように総合施設の答申の中に盛り込まれているということでございます。これを踏まえまして、御案内のとおり、平成18年10月から、親の就労にかかわらず、すべての子どもに質の高い幼児教育、保育、子育て支援を総合的に提供するものとして認定こども園制度ができたということであります。
 もう一方が、次世代育成支援改革の流れでございます。これは、一番下の流れですが、社会保障審議会少子化対策特別部会の設置から、平成19年12月から始まった流れでございます。
 資料の33ページをお開きいただきたいと思います。平成19年12月の少子化社会対策会議決定に基づきまして、社会保障審議会特別部会が設置され、特に保育制度、保育所制度の在り方を中心として議論がなされてまいりました。それでまとまった議論、昨年12月に論点整理、議論のまとめがされておりますが、その概要が34ページでございます。一番上の丸ですけれども、「少子化対策としては、すべての子どもの健やかな育ちを基本に置きつつ、保育・放課後児童クラブ・地域の子育て支援をはじめとするサービスの抜本的拡充が必要」「少子化対策は、持続可能な我が国の社会を構築するための『未来への投資』であり、社会全体で費用を負担する仕組み(財源確保)が必要であるとともに、ニーズに応じて質の確保されたサービスが増えていくような子育て支援のための包括的・一元的な制度づくりが必要」ということでありまして、出産時から育児休業、保育、放課後対策まで子育て支援のための切れ目のないサービスを保障するということで、矢印の一番上でございますけれども、子育て支援サービスのための包括的・一元的な制度の構築、ということが盛り込まれております。
 その中で、35ページですけれども、特に保育制度につきましては、今までの市町村がコントロールして、措置的な形で保育所利用者と市町村が、いわば、利用者に対する認可保育所を割り当てる仕組みから、利用者と事業者が直接向き合って、市町村は保育の必要度を認定すること、それから、子どもの保育度に応じて給付を保障すること、個人給付を保障すること、それから、客観的な基準に基づく指定制の導入ということで、いわば、待機児童対策として、量の確保のための参入の促進ということがうたわれております。
 この保育制度改革ですけれども、先ほどの認定こども園制度改革と、財政論としてはパッケージでリンケージがされてきておりまして、その次のページ、37ページです。認定こども園、平成18年10月にできたわけですが、現在532か所ということで、実は、教育振興基本計画で2,000か所目標を掲げているわけですが、なかなか進まない。一方で、上のほうですが、保護者の8割近く、認定を受けた施設の9割以上が高い評価、保育時間が柔軟に選べる、就労の有無にかかわらない施設利用、教育活動の充実、異年齢交流など、利用した保護者から高い評価がある一方、なかなか進まないのはなぜかということで課題が指摘されていたわけであります。
 下に行政が取り組むべき課題とございますが、大きく2つでございます。文科省と厚労省の連携、縦割りが問題ではないか。財務状況の改善、財政支援が不足している。認定を受けたからといって何も経営面でのメリットがない、ということが指摘されてきたわけでございます。その指摘を受けまして、いろいろな運用改善、あるいは、補助金の仕組みなどを行ってきたわけでございますけれども、39ページです。昨年3月に田村先生や無藤先生にもお入りいただいた検討会ですが、その検討会の中で、財政支援の充実、二重行政の解消ということが指摘されておりますが、下の今後のスケジュールですが、認定こども園制度の改革については、保育制度改革の方向性を踏まえて今後、具体的な制度的検討を推進とされております。
 すなわち、何を申し上げているかと申しますと、42ページをお開きいただきたいと思います。いわば、現場の幼保一体化施設が認定こども園でありますけれども、認定こども園の問題として、縦割りがあること。国が縦割りであること、財政支援も縦割りであること。それから、下に幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型とありますが、両方の認可、幼稚園、保育所の認可を受けていれば私学助成や保育所運営費など恒久的な財政支援がありますけれども、幼稚園型の、特に幼稚園サイドから見ると保育所機能、認可外保育施設については財政支援がないということであります。現在、安心こども基金ということで補助金により財政支援をしておりますけれども、恒久的なものではないわけでありまして、ここに恒久的な財政支援が講ぜられないかというのが課題になっております。
 先ほど保育制度改革で指定制の導入ということを申し上げましたけれども、基準を満たしていれば、指定を受けられれば財政支援をするというのが指定制のコンセプトでありまして、この認定こども園について見ますと、保育所機能、認可を受けていなくても基準を満たしていれば、この保育所機能にも恒常的な個人給付が講ぜられるというのが保育制度改革のコンセプトに入っておりますので、そういう意味では、認定こども園の推進の意味でも保育制度改革の結果により、そういった認定こども園の財政支援措置が講ぜられるのではないかということで、先ほどのような流れになっているということであります。
 先ほどの3ページの図にもう一度戻っていただきたいと思います。そういう意味では、中教審の答申では、幼児期の教育を、幼稚園、保育所、家庭を問わず質の高い幼児教育を等しく保障するという流れ、それから、幼稚園について、家庭や地域社会、教育力の補完をする役割をする流れ、それから、幼稚園と小学校以降の教育を連携・接続する流れと、そういう流れのある、教育面での中身の質の確保と、連携・接続という流れ。一方で、一番下は、主として財政面について、認定こども園を通じて幼稚園と保育所の財政面での一体化を進める流れ、教育の質の確保の流れと、財政面の一体化の流れが2つ、流れていたわけですが、今般の平成21年度緊急経済対策におきましては、右ですが、幼保一体化を含め、新たな次世代育成支援のための包括的・一元的な制度の構築を進める、上記制度における新たな給付体系の検討等とあわせて、認定こども園制度の在り方など、幼児教育、保育の総合的な提供、すなわち幼保一体化の在り方についても検討し、結論を得る、というふうになっているわけでございます。
 そうしますと、資料5-3、参考資料の後ろから2番目の34ページをお開きいただきたいと存じます。これは財源の一体化の話でございますので、基本的には次世代育成支援改革の流れ、それで認定こども園を主として、それに幼児教育部分での財政面で一体化できないかという流れでございます。先ほどの点については、主として保育制度改革だけであれば認定こども園だけでありましたけれども、今般の子ども・子育て勘定(仮称)、この次世代育成改革の包括的・一元的制度においては、幼稚園本体も含めて財政面での一体化を図る、それが下から2つ目の「幼保一体給付(仮称)」となっているわけでございますけれども、保育制度改革や認定こども園の枠をもう一歩進めた財政面での一体化というのが、まず、次世代育成支援改革の流れからコンセプトでこうなっているということでございます。
 一方で35ページでございます。これも前回、申し上げたところで繰り返しになって恐縮ですけれども、このこども園(仮称)、幼稚園・保育所の一体化と、全体を一体化すること、その中で具体的に分解していくと給付の一体化、これが先ほどの子ども・子育て勘定(仮称)に包含される財政支援。一方で機能の一体化のところで「こども指針(仮称)の創設」とございますけれども、ここの部分の幼稚園教育要領と保育所保育指針の統合の考え方でありますが、これまで幼稚園教育要領、保育所保育指針、整合性を持って改訂をしてまいりましたけれども、それを一歩進めて、告示としても一本化し、さらに整合性を確保するという流れにあるということでございます。考え方といたしましては、すべての子どもに質の高い、特に幼児教育を保障すること。それから、幼小接続の流れ、21年改訂でも、幼稚園教育の内容、あるいは小学校教育との連携・交流という面でございましたけれども、それについても、さらに深堀りをして小学校学習指導要領との整合性・一貫性の確保ということがうたわれているということであります。
 以上がこれまでの中教審の答申や次世代育成支援改革の流れと、今回のコンセプトとの、いわば関連ということでございます。
 続きまして、資料5-2でございます。幼保一体化の検討体制及びスケジュールということでございます。全体のスケジュール、子ども・子育て新システムにつきましては、平成23年の通常国会、すなわち来年の通常国会に法案を提出し、平成25年度の施行を目指すということが少子化社会対策会議、これは全閣僚が入っておりますけれども、その決定として既に決定されております。そういう大きなスケジュール感の中で検討は進められているということであります。これは前回も申し上げましたが、その検討の枠組といたしましては、閣僚レベルで、この一番上の検討会議、少子化社会対策担当大臣が実質的なヘッドで、その下に関係大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣を含めて入っている。その下の作業グループということで、末松内閣府副大臣が主査、ヘッドになりまして、文部科学省の林政務官を含む関係の政務官、副大臣の作業グループがございます。この作業グループで実質的にいろいろな議論をしまして物事を決めていくということでございますけれども、作業グループのもとに3つのワーキングチームができております。1つが基本制度ワーキングチーム、これは、子ども・子育て新システム全体について検討するワーキングチーム。真ん中の幼保一体化ワーキングチーム、これは幼保一体化、特にこども園(仮称)について検討するワーキングチーム。それから、3つ目がこども指針(仮称)について検討するワーキングチームという3つのワーキングチームがございます。
 2ページには今申し上げたことが書いてありますので、省略をいたしまして、3ページから関係のワーキングチームのメンバーでございます。秋田先生、それから国公立幼稚園長会の会長、無藤先生、それから、本分科会の委員であります北條委員などに入っていただいております。
 それから、4ページですけれども、これも少しメンバーが違いますけれども、幼稚園関係者、国公立、私立、それから教育関係の有識者に入っていただいております。
 5ページのこども指針(仮称)についても同様で、こども指針(仮称)につきましては、無藤先生に座長をお願いしております。
 最後にスケジュールですけれども、6ページです。先ほどちょっと申し上げましたが、一番上の右上、法律案の提出期限、来年度予算に関連しませんので、3月上旬が通常提出期限でございまして、その前に作業グループ、ワーキングチームで議論いただいた結果を踏まえて法律案大綱を策定する。それに逆算していきますと、月2回程度、幼保一体化も来週に第1回を開催予定ですけれども、月1回、あるいは2回程度の開催をしながら少し、期間が短いわけですが、関係者と十分議論しながら検討を進めていく必要があるというふうに考えております。
 概略は以上でございます。

【梶田分科会長】
 無藤先生のお話が入る前に、レビューということで、今、お話をしていただきました。ただ、私たちは中教審ですから、幼児教育が仕組みとしてどういうふうに変わっていくのか、内容としてどう変わっていくのか、それが教育としてどういう意味を持つかとか、待機児童がなくなるというのは福祉の話なので、それは待機児童もなくしてほしいですけどね。教育として、つまり、子どもの成長・発達としてどういうプラスになるような構想が今あるのかというのが、我々にとっては一番問題なのです。幼保一体化について検討をしていただいているとか、あるいは、そこに厚生労働省と文部科学省の縦割りの話があるとか、あるいは、幼稚園部分には補助金がなかなかないけれども、そういうのは、1971年の中教審答申、46答申以降、ずっと40年間、同じことを言ってやられてきたわけです。
 私も、ある時期、厚生省と文部省の一緒に作られた会議に入れていただきまして、とっても勉強させていただきました。でも何にもなっていないです。ということで、いろいろとレビューするということで非常に大事なお話が今、ありました。私たちがやらなければならないのは、仕組みがどう変わるのか、内容がどう変わるのか、教育として、どういう前進があるのか、そこだろうというふうに思います。
 今、政府部内でどう検討されて、いつ法律を出すのか。それは、法律を出してもらわなければ、我々は余り関心がないですよね、参議院で通るかどうかですから。こういうふうな仕組みを変え、例えば、子ども家庭省(仮称)をつくって一本化、結構な話なので、私もそういう話は大好きです。大好きですけれども、参議院で通るかどうかの問題がありますので、まあ、それはちょっと置いておいて、その辺にぜひ絞って、皆さん、御意見をいただきたいと思います。
 無藤先生、長い間、いろいろな形でこの問題に御苦労いただきまして、ちょっと、無藤先生からお願いいたします。

【無藤委員】
 はい。今の課長の御説明のとおりでありますが、多分、初めて聞かれた方には非常に混沌とした感じが強いと思うんですが、実は、今、梶田分科会長からもお話があったように、幼保を一緒にするということの歴史自体はもう何十年というのがあるわけですが、特に中教審にかかわっては、先ほど御紹介がありましたが、平成17年1月の答申で幼児教育というものを打ち出しましたが、これは極めて画期的だったわけです。一番大きなことは、そこで幼児教育というものを、幼稚園のみならず保育所も含めると。それを文科省の答申で保育所も含める形で出したということ自体が非常に将来を見越したものだったと思います。ちょうど並行して認定こども園というものを作るべきであるということで作ってきたわけです。ですから、急ぎの議論、1月までに何とかという急ぎの議論には違いないのですが、背景としての歴史は長いものがあると私は理解しています。
 そして、それだけの必然性があると私は思うのですが、この必然性の一番大きなことは2つか3つだと思います。1つは、すべての保育ニーズに対応していくということであります。やはり、幼児教育の世界というのは、同時に親の就労その他の事情に対応する面というものをゼロにはできないわけで、幼稚園の場合にも、今は預かり保育なので、そういう面に対応しております。そういう意味で保育ニーズに対応する必要があるわけですが、今回、その保育ニーズという考えをかなり広げているわけです。それは、いわゆる、丸1日、フルタイムで働く親御さんに応ずるというだけではなくて、短時間という、例えば、パートで働く方などについても保育ニーズを認めていこうということで、かなり広げ、かつ柔軟な仕組みにしようということが1つあるわけです。その中で、いわゆる待機児童についての解消も図ろうということです。
 2番目は、すべての乳幼児に対して質の高い幼児教育を保障したいということです。このすべてということは、つまり、幼稚園は当然ですけれども、保育所も含め、いわゆる、認可保育所ではない仕組みの保育所もありますが、そういうものを含めて、どういう施設に行こうと、そのお子さんが質の高い幼児教育を受けられる仕組みをつくりたい、これが2番目の問題であります。
 それが一番大きいと思うんですが、並行して補助金の話もありましたが、補助金を柔軟に使うということは、実は、小学校以上の教育と少し違う事情があって、それは、現在の提案では、市町村における責任というのを明確にしたい。都道府県、国がいわばそれをサポートするような仕組みにする。市町村において幼保を一体的に取り扱う仕組みをつくる、こういう方向でございます。そういう意味では、幼児教育、保育というものが、いわゆる分権化に最も対応して進めようということだろうと思います。
 以上が中心的なことでありますけれども、それと関連して、特に中教審で議論してきたこととの関連で申し上げれば、公私間の連携の問題、接続の問題が絡んでくると思います。つまり、幼稚園と小学校の接続・連携というのは前からここでも議論してまいりましたけれども、そこに保育所も入りまして、幼保と小学校の間をどうつないでいくかという問題です。これについては別の場での議論もありますので、いずれこの審議会でも御報告があろうかと思います。そういった問題も、今回の幼保一体化にも含めていきたい。全体を通して、すべての幼児に対して質の高い育ち、学びを可能にすることで、まさに未来への投資を充実したものにしたいというのが我々の願いです。
 なお、そちらに大日向委員がいらっしゃるので、先ほどの3つのワーキングチームというのが紹介されたわけでありますが、そのうちのこども指針(仮称)は私が座長ですけれども、幼保一体化のほうは大日向先生が座長でありますので、一言お願いいたします。

【梶田分科会長】
 大日向先生、お願いいたします。

【大日向委員】
 この幼保一体化の動きというのは、就学前の子どもの育つ環境が親の生活スタイルによって分けられてきたこと、この矛盾を何とか是正しようという点にあります。これまでも様々な経緯があったということは、事務局の御説明、それから、今の無藤先生のお話からもそのとおりかと思います。幼保一体、あるいは新たなシステムの議論はどういう方向でなされるべきかということを考えますときに、本日の資料5-1の3ページが、平成21年度の子ども・子育てビジョンのところで一応区切られていますけれども、現在、動いておりますのが、平成22年6月29日に決定されました子ども・子育て新システムです。この子ども・子育て新システムの目的というのは4項目あるのですが、その第1項目に、すべての子どもたちが良質な成育環境に置かれる、ということが明記されています。同時に、あと3項目に、親の就労支援、両立支援、とりわけ、女性の就労継続支援ということも子ども・子育て新システムの中の目的に明記されたということは、私は大きな意味があることだというふうに考えております。
 この議論をするときに、常に親支援なのか、子どもの最善の利益なのかと拮抗する形でとかく考えられることがあったかと思いますが、私が、長年、親の育児不安とかライフスタイルに関して研究してまいりました立場から考えますと、親が今、あるいは、これからの時代、どういう形でハッピーに生きられるか、健やかに生きられるかということは子どもの最善の利益と拮抗することではない。むしろ、親は子どもにとって最も身近で重要な発達環境ですので、同じ路線で考えていくことが必要ではないかと思います。そういたしますと、単に待機児対策とか、少子化対策ということだけではなく、親が希望する生き方をいかに保障するかということが同時に幼児教育の改善、振興につなげていくということでは、今後、大変大きな議論ができるのではないかと思います。
 最後にもう1つ、幼児教育というのが単に幼児期、幼稚園教育だけではなく、保育所を含み、そして、家庭はもちろんですが、地域の教育の在り方を含めて大変広くとらえられたということに対して私は非常に大きな期待を持っています。OECDの加盟国では、幼児期の教育にいかに国家プロジェクトとして、財政投入も含めて制度を万全にしていくかということが、社会保障を始めとして、来るべき社会の在り方を左右するということで、かなり前から、この点は注力されているように聞いております。この辺り、今回新たに新政権のもとで皆様と一緒に御議論させいただくことを、大変大切な点だというふうに考えております。

【梶田分科会長】
 ちょっと問題をはっきりさせるために、すべての子どもって、確かに待機児童がいたりするのです。これは保育所を、あるいは、幼稚園を作ればいいんですよ。その話と、ずっとありました、例えば、イギリスなんかだと、かなり早く、第0学年で、もう今5歳から、あるいは、その前からやっています。あるいは、アメリカで言いますと、ジョンソン大統領のあのころからヘッドスタートで、子どもたちの就学前からの知的な刺激をどういうふうに持っていくか、あるいは、しつけ的なものを含めてどう持っていくかということで、セサミストリートなんかはそうでしょう。あのテレビを通じて、これは教育の話なんです。
 親の生き方も結構、これは大変なことですよ。でも、ここで私たちがまず考えなければいけないのは、どういうふうな仕組みをつくっていって、どういう内容をやっていって、どういうふうな公的な支援をしたら子どもの成長、発達がどれだけうまくいくか。もちろん、その大事な条件の中に親の問題があります。ただ、親の問題から言うと、さっきも言いましたように、中教審のというよりは、どうやって保育所を増やすか、あるいは、どうやって幼稚園を増やすかという、まず、お金のほうの手当ての問題があって、これはちょっと幼保一体化とか、幼児教育の充実とは話がずれるような気もしますので、幼児教育課長、もしその辺で何かあればお話しいただいて、それから皆さんに御意見をいただきたいと思います。

【濵谷幼児教育課長】
 確かに、待機児童対策としての量の確保だけを考えるのであれば、特に待機児童は3歳以上はほとんどいませんで、3歳未満児だけです。そういう意味では、幼稚園が3歳未満児の保育所を併設しやすいようにするとか、あるいは、株式会社なり、多様な主体が保育に入ってくるということで足りると思います。むしろ、今回の幼保一体化、指針の統一とか、財政面だけではなくて、施設の在り方まで踏み込まれておりますのは、就学前の子どもたちの半分弱は、既に保育所から小学校に上がりますので、保育所も含めて、幼稚園、保育所共通の質の高い教育を目指すべきではないかという理念から来ているものだと私は理解しております。

【梶田分科会長】
 はい、そういうことであります。どうか、皆さんのほうで御意見をいただければと思います。

【北條委員】
 梶田先生がおっしゃっていただいたような方向で私どももこの間、ずっと努力をしてまいりました。本日、全国から私立幼稚園の代表者が集まりまして協議会を開いております。濵谷課長にも御講演をいただきました。その折りも、どういう反応が多く出たかというと、極めて唐突である、こんな話は聞いていないと、そういう反応であります。
 私ども幼稚園は、幼児教育をやっているのは幼稚園だけであって保育所はやっていないなどと言うつもりはございません。先ほど、幼児教育課長から御説明がありましたように、保育指針というものも幼稚園教育要領と、おおむね、その軌を一にするところに参ったわけでございます。そうであるならば、私どもは、3歳から5歳に至る保育所を、学校機能を有する施設として位置づけ直す、そのことによって、日本の学校教育の体系を明確に位置づけていくということがきわめて重要なことだろうと考えます。
 このたびの問題は、幼児教育段階にとどまる問題ではないというふうに私は認識いたします。なぜかと申しますと、資料5-1の3ページになりますが、ここのところで、「幼児教育の振興」という部分を、例えば、「小学校教育の振興」と書き直す。あるいは、「中学校教育の振興」と書き直す、あるいは、「高等学校教育の振興」と書き直すならば、全部に通用するわけであります。すなわち、子ども家庭省(仮称)の構想というものは、子どもというものは、我が国の場合は誕生してから18歳までを言うわけですので、今回の、このまさにアリの一穴と申しましょうか、1つ穴があくならば、事は高等学校に至るまでの学校教育制度に大影響を与えることだと思います。
 したがいまして、幼稚園教育を担当する者として、その仕組みを何が何でもひたすら守ろうとは思いません。改革すべき点は改革していくのが国民の利益だと、そのように存じますが、しかし、余りにも乱暴な今回のやり方については、私どもは到底、容認することはできないということを申し上げておきたいと思います。

【梶田分科会長】
 はいありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。本当に、今までの長い歴史があって、これを政治の分野もどういうふうに解決しようかと工夫はしておられると思うんです。ただ、政治の分野の問題もあるけれども、実際に、まさに今、北條先生から御指摘があったように、幼児教育から始まってずっと、幼、小、中、高、大、つまり、きちっとした体系的な教育をやっていくという流れの中で、どういうふうに新しい幼児教育の構想を位置づけたら全部うまくいくのかということを考えていかないと、幼児教育だけ取り上げて、今、保育所に入れない子どもがいるから、というところと結びつけられると、ちょっと何か話の本質がずれてくるのかなという感じもあって、先ほどちょっと申し上げましたが、皆さんのほうで、どういう点からでも結構です。
 繰り返して言いますけれども、私は、これからお母さんが働くということは非常にいいことだと思うし、大事なことだと思うし、そのための社会的な支援は絶対にやらなければいけないと思うんです。これはやらなければいけない。だけれども、そのことで今までの幼児教育の在り方が、そのことを中心にすることによってゆがんでくれば、これは禍根を残す。それで、上のほうまで全部ふさがりますから、仕組みとして、一番下のところでつじつまが合っても、上のほうになると大変な危惧を覚えるような問題になると困るなと、その辺もございます。
 どういうことでも結構ですが。じゃあ、今日のところは、こういうことにしましょうか。この資料、たくさん出ておりますので、もう一度また見ていただいて、私、この問題は、まだまだすぐそう決着がつく話でもないだろうと思っております。また、話が進んでいく中で、今日も課題があるとか、解決しなければいけないというような、いわばオープンな、中身が具体的になっていない話が非常にたくさんありました。ですから、この辺が少しずつ詰んでくれば、またここにも出していただいて、皆さんの御意見を伺うというふうにしたいと思っております。
 最後に、これだけはということがあれば、どうぞ、岩﨑先生。

【岩﨑委員】
 ありがとうございます。制度が充実していくということは非常にいいことだと思うんですけれども、やはり、人間形成の基礎を培うという幼児期の教育において、親が支援を受けるということとともに、親も主体的に学んでいくという点が、最近はどうも軽くなっていないだろうかと思います。教育要領では、幼児教育機関が、教育のセンター的な役割を担うという内容がありますが、やはり、親自身が主体的に学んでいかなければならないことを決して見落としてはならないと思います。虐待の問題等からも考えますと、私は、その方向からもアプローチしていただきたいと要望しておきます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。では、天笠先生。

【天笠委員】
 先ほど教員養成のところで風呂敷云々というふうに申し上げましたけれども、こちらのテーマこそ、ある意味で言うと、広い風呂敷を掲げて、広い視野、全体的なところからの議論が必要な、そういうテーマ性、課題を持っているのではないかと、今、御説明を伺いまして、改めて感じた次第です。例えば、小学校と幼保との接続の問題等の御指摘がありましたけれども、そのことは当然、今度は小学校と中学校の接続、そういうところとのつながりということを問題にせざるを得なくなってくる。ある意味では、玉突きのような話になってくるのかもしれません。そうすると、改めて、小学校教育全体のバランスとか、全体のありようということを考えながら、今日の、このテーマも当然、考えざるを得ないということになりますので、そういう点からすると、先ほども御指摘がありましたように、より広い視野の中で提起されたテーマを、さらに議論を深めていく必要があるのではないかということを思った次第です。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。今、ちょっと出していただいた幼小、小中、中高の接続の問題といいますか、学校段階は分かれているけれども、1人の子どもはずっと行きますので、その問題につきましては、またきちっとした形で検討の場を設けるというふうに私も考えておりますので、また、それについては次の機会にでも事務局からでもお話しいただきたいと思っております。ほかにありますか。よろしいでしょうか。
 では、今日やった全部のことにつきまして、これだけはということがありましたら、お願いします。よろしいでしょうか。
 それでは、今日はこの辺りにしたいと思います。最後に、次回以降の予定につきまして、事務局のほうからお願いしたいと思います。

【小谷教育制度改革室長】
 来月以降の初等中等教育分科会の日程につきましては、また分科会長と御相談の上、御連絡させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
 はい、ありがとうございました。それでは、今日は多様な御報告をいただいて、いろいろな検討の中間経過につきまして、私たちは理解を深めることができたと思います。また、これを踏まえて、次のステップへ皆さんで議論していきたいと思います。皆さん、どうも御苦労さまでした。ありがとうございました。

─ 了 ─

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-- 登録:平成22年11月 --