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初等中等教育分科会(第69回) 議事録

1.日時

平成22年6月18日(金曜日)15時30分~17時30分

2.場所

中央合同庁舎第7号館(文部科学省)東館3階 講堂

3.議題

  1. 今後の学級編制及び教職員定数の改善について
  2. 障害者制度改革に係る検討状況及び教育分野の主要課題について
  3. 「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」の諮問の報告
  4. キャリア教育・職業教育特別部会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(第二次審議経過報告)」について
  5. その他

4.議事録

【梶田分科会長】
 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第69回初等中等教育分科会を開会したいと思います。
 本日の議題に入ります前に、このたび新たにこの分科会委員となられました方がお二人いらっしゃいますので、御紹介したいと思います。
 本日付けで、戸谷委員に替わられまして臨時委員となられました東京都立竹台高等学校長、全国高等学校長協会長の青山委員であります。

【青山委員】
 ただいま御紹介いただきました東京都立竹台高等学校長、全国高等学校長協会会長の青山でございます。本日から参加させていただきます。よろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 同じく、本日付けで、岩瀨委員に替わられまして臨時委員となられました東京都新宿区立西戸山中学校長、全日本中学校長会長の新藤委員であります。

【新藤委員】
 今御紹介いただきました全日本中学校長会会長の新藤久典と申します。現在、新宿区立西戸山中学校の方に勤務いたしております。岩瀨委員に替わりまして、また微力ながら頑張りたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それではまず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】
 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。お手元に座席表、議事次第がございまして、議事次第の4に配付資料の一覧を掲げております。資料1が委員名簿、資料2が2-1から2-5までございまして、議題(1)の今後の学級編制及び教職員定数の改善に係る資料でございます。資料3が資料3-1から3-3までございまして、議題(2)の障害者制度改革に係る資料でございます。資料4が議題の(3)にございます教職員の資質向上の関係の資料でございます。配付資料の案内では資料4のみとなっておりますが、資料4を御覧いただきますと、番号としては資料4-1と、それから後ろから2枚目の裏側でございますが資料4-2という形でとじさせていただいております。それから資料5が議題(4)のキャリア教育・職業教育特別部会の審議経過報告の関係の資料でございます。
 また、机上に参考資料といたしまして、キャリア教育・職業教育特別部会の第二次審議経過報告の冊子及び同部会の部会長でいらっしゃいます田村副分科会長が日本経済新聞に御寄稿なさった記事を配付させていただいております。資料の不足等ございましたら事務局までお申しつけいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 本日は、大きな議題としては、前回に引き続きまして学級編制及び教職員定数の改善ということについてでございます。この審議を終わりましたら、障害者制度の改革についての内閣府の検討が大きくまとまってきておりますので、それについて御報告いただいて、それを我々も教育分野でどう受けとめるかということを考えていきたいと思っております。それから最後に、先ほど田村先生の新聞記事のコピーがございましたが、キャリア教育・職業教育特別部会が「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」という第二次審議経過報告を出しておりますので、これについて報告をいただく。こういう予定になっております。
 それでは、まず学級編制及び教職員定数の改善について、前回に引き続いて審議を行いたいと思います。まず、資料2-1の「今後の学級編制及び教職員定数の在り方に関する国民からの意見募集」の結果につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

【髙橋財務課長】
 それでは資料2-1、まず表紙を開けて1ページ目を御覧いただきたいと思います。この意見募集は3月18日から4月16日まで1か月間ホームページにおいて行いまして1,020通の御意見をいただきました。回答者の属性を見ていただきますと分かりますように、保護者が17%、教職員が57%で、教職員のウエートが高いということを、全体を見るときには少し念頭に置いていただければと思います。
 2ページ目を御覧いただきたいと思います。この1,020通、基本的には望ましい学級規模はどの程度だと思いますかということと、定数改善についてのアイデアをお寄せくださいと、この2点を自由記述でお願いいたしました。その中で、特に小・中学校の学級規模について触れていたものが71%で一番関心が高く、そのほか、教職員定数の在り方についてが39%、高校の学級規模についてが37%記述をいただいたという、関心の高さを示しております。
 次のページは、最初の質問でありました望ましい学級規模について聞いたものでございますが、上にありますように小・中学校では26~30人のところが6割で、非常に高くなっております。高等学校もほぼ同様の傾向でございます。
 これを保護者と教職員との属性別に分けてみたのが次の4ページ目でございます。こちらでも同様に保護者でも教職員でも26~30人が望ましい規模だと考える層が一番高いのですが、保護者の場合はその下の20人以下や21~25人がいいという方も合わせて3割ほどいらっしゃいます。これに対して、教職員の場合になりますと、26~30人に4分の3が集中していて、特に適正規模という観点からはあまり小さすぎず、大きすぎずという意識が教職員の方がより強いという傾向がここでは読み取れます。
 5ページ目は高校についてですが、ほぼ同様の傾向がありますので省略をさせていただいて、6ページを見ていただきたいと思います。これは2つ目の設問の定数改善、具体的にどんなアイデアがございますかということですが、これは400通ほどの回答がございまして、そのうち3割強が司書教諭・学校司書の充実。以下、複数配置・複数担任、特別支援教育対応、専科教員、事務職員、養護教諭、栄養教諭、この辺りが自由記述で1割以上になっていたところでございます。
 次のページに、やはりこれも保護者と教職員に分けて分析してみますと、保護者の場合には複数配置や複数担任ということが4割で一番多くなっております。以下、司書教諭・学校司書が24%、特別支援教育対応が21%と続いております。教職員になりますと、司書教諭・学校司書を挙げる方が非常に多くて、少しそこから下がりまして事務職員が18%、以下御覧のような形になっております。
 それから、次の8ページ目でございますが、今回の教職員定数の改善の直接の範囲からは外れますけれども、教職員以外の専門的スタッフについて御意見をいただきました。これは意見の総数が49通ですので、それほど大きくありませんけれども、その中ではスクールカウンセラー、看護師、スクールソーシャルワーカー、この辺りの充実が必要という御意見が多くございました。それから一番下は、これに関連する事項ということで、全部で247通自由記述がございました。1,000通のうちの247ですので、比較的数が多いかなと思いますが、そのうちの44%の方が正規教員の増を望むと。それから、国庫負担制度の維持拡充を望むという方が3割いらっしゃったということでございます。
 以上、大変簡単でございますけれども、国民からの意見募集の分析の概要でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。この初中分科会でこれまで出た意見を裏打ちするような部分もたくさんありまして、心強く思っております。
 では、次に前回の分科会で学校のマネジメントに関する御意見がいろいろ出ておりました。学級編制、教職員定数改善の審議に当たりましては、こうした学校のマネジメントの改善ということが非常に重要な意味を持っております。この点につきまして、小川委員から、「学校のマネジメントの改善について」という資料をおまとめいただいておりますので、御説明をお願いいたします。

【小川委員】
 では私から、資料2-2に基づいて少し説明させていただきたいと思います。
 前回の分科会でも、学級編制とか教職員定数の改善は重要な課題であるんだけれども、同時に学校のマネジメントの改善も進めていく必要があるという御指摘がありました。実は、その点に関しては、以前、2006年の文部科学省の教員勤務実態調査を契機にして、学校や教員の在り方等々の審議を進めていくために、この初中分科会の下に作業部会が設置されまして、そこで教員の勤務実態の実情を踏まえながら学校の組織経営の在り方、教職員の働き方を議論してきていた経緯があります。今日のこの会場にもその作業部会のメンバーの天笠委員、植田委員、渡久山委員、曽我委員が参加されていますので、これに関係する御意見がございましたら、作業部会に参加された委員の皆様からも補充していただければと思っています。
 この作業部会の審議については、まだ報告書をまとめるというような段階には至っていないんですけれども、これからの学校の在り方を考えていった場合に、学校のマネジメントについてはこのような方向で検討を進めていくべきではないかという、おおよその意見の合意みたいなところはできつつあったのかなと思っています。そうした点を踏まえて少し、作業部会で議論された基本的な方向性を私から報告させていただきたいと思っております。
 まず、1ページ目ですけれども、これについては学校を取り巻く現状について、教員の、ないしは学校の業務負担の観点から見た場合に、課題が多様化・複雑化しているのではないかということです。特に具体的には児童生徒の指導、学校の運営、外部との連携という3つの視点から見てみますと、まず児童生徒の指導では教育内容の多様化、生徒指導の困難化といった課題、また学校の運営では、会議・打ち合わせ、事務・報告書作成などの業務に多くの時間が割かれるようになっていますし、また新たな、学校評価を含めた対外的な説明責任を果たすということが非常に強く求められるような状況も生じておりますし、また最後に、外部との連携ということでは、家庭、地域との一層の連携、学校に対する意見、要望の多様化という中で、そうしたものにきちっと対応せざるを得ないということが起きているという指摘です。
 2ページ目は、こうした状況を受けて学校のマネジメント改善についていろんな議論があったんですけれども、その作業部会で審議された内容を少し簡潔に整理しておきました。まず柱とすれば、1、2、3、4とあるんですけれども、組織的な学校運営の推進というふうな点です。学校全体として取り組むことの重要性を確認しながら、更に業務の遂行方法の改善とか教職員の働き方の見直しといった点も踏まえた上で、そして今日のテーマにも関係する専門的な人材の活用についても様々な意見がありました。最後の専門的な人材の活用という点については、1つは、学校だけで担うには限界が生じてきていること、地域の方に学校に参画してもらい、地域とともに学校で子供を育てていくということが必要であるということ。2つ目には、日本は欧米に比べて教員以外の職員が非常に少ない、教員以外の専門人材を増やすことで教員の勤務負担を軽減して、授業に集中していけるような体制を整備していくこと。3つ目には、教育内容や学校運営に直接関わる業務についても専門人材、地域人材に学校に入ってもらう。そうした連携をしながらあらゆるマンパワーを学校に集中して効果的な教育活動の推進を進めていけるようにしていくことが必要だという、そうした意見が主に出されておりました。
 3ページ目は、そうした多様な専門人材について参考例として4つほど挙げております。時間がありませんので、その4つの業務内容と、その効果例については各自読んでいただきたいと思うんですけれども、各学校ではこうした4つの事例、参考例で掲げたスタッフ以外にも、スクールカウンセラーとか部活動指導員とかスクールガードリーダーなど、多種多様な専門人材というのが現在でも配置されておりますので、今日の教育問題に対応していく上でやはり不可欠な役割を担っているということは皆さん御承知のことと思います。今回の教職員定数の改善に当たっては、改めてこうした専門人材の確保ないしは拡充に対する何らかの国の財政支援の在り方についても検討しておくことが必要ではないかなと考えております。一応、作業部会の審議の内容を簡潔に説明した上で、専門人材の何らかの国の財政支援の在り方ということも少し検討いただければと考えております。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。以前、作業部会を作って、かなり議論してまとめたという経緯がございます。それと同時に、過去にも二度、この場でいろいろと御意見をいただきました。そういう議論を学校のマネジメントという視点からもう一度まとめ直していただいて、小川先生から御報告いただきました。
 本日は、今の小川先生の報告、それから国民の皆様からの意見募集、これらを踏まえて、資料2-3、提言骨子案というものを準備しております。これをめぐって皆さんに御意見をいただきたいと考えております。前回申し上げたように、7月半ばに予定されている次回の初中分科会で、提言という形でまとめて出し、それを基にして、それが実現するように、具体的に言いますと予算を取っていただくように御尽力をいただこうと、こういう流れでございます。そういうことで次回出す提言の骨組みとしてこの辺りでいいだろうか、ということで皆さんに御意見をいただきたいということでございます。
 これはちょっと復習的になりますが、3月のこの初中分科会で鈴木副大臣から問題提起といいますか、こういうことについて是非検討してほしいという要請がございました。その後、この分科会で2回集中審議をしたわけです。この意見を踏まえて、そしてまた途中で御報告いただきました教育関係団体のヒアリングの資料、それから以前に教育課程部会、あるいは教育振興基本計画の審議の特別部会等々でこの教職員定数をどうしても改善しなきゃいけないという議論が随分出ておりましたので、これも全部もう一度おさらいをして含めまして、こういうものを踏まえてこの骨子案ができております。この骨子案をまとめるに当たりましては、副分科会長をしていただいております木村先生、田村先生に御相談申し上げて、この辺りでどうだろうかということにしたわけでありますけれども、同時に、今御報告いただきました小川先生とか安彦先生、あるいは井上先生、天笠先生等、これまでのこの問題にいろいろと関ってこられた先生方の御意見も伺って、次回提言ということにしていく上で、この辺りのところは絶対押さえておきたいよね、ということで出させていただいた、ということでございます。
 それから、前回も出していただいておりますが、これを支える具体的なデータにつきまして、資料2-4にございます。こうしたデータと骨子案の内容が裏表になるようにしないと説得力を持ちませんので、この骨子、あるいは次回出す提言ができるだけエビデンスベーストで、資料に裏打ちされたものになるように、ということも考えながらまとめてあります。
 そういうことでございますので、副分科会長の木村先生から、この提言骨子案につきましてポイントを御説明いただき、その後に事務局から補足説明をお願いしたいと思います。では、木村先生、お願いいたします。

【木村副分科会長】
 木村でございます。ただいま御紹介いただきましたように私から資料2-3についてポイントを御説明させていただきます。資料2-3は2-4とペアになっております。資料2-3を御覧いただきますとゴシックで【資料1~8】と書いてありますが、これは資料2-4の、1ページおめくりいただいたところに、同じゴシックで【1】から、次のページまで【63】という番号を振ったものがありますが、これを意味しています。資料2-4の中の資料の【1】から【8】までが一番最初のところであります。
 それでは御説明申し上げます。タイトルを「今後の学級編制及び教職員定数の改善について(提言)」といたしました。本日御議論いただくのは骨子(案)でございます。「はじめに」のところでこの提言の基本的なスタンスを、極めて簡潔に記述してあります。第1部が「これまでの取組」、そのページの一番下近くの「今後の学級編制及び教職員定数改善の基本的な考え方」が第2部。この骨子の主要部分は第3部でありまして、「具体的改善方策」となっております。
 第1部のところでは、これまでの定数改善の経緯や近年の制度改正の概要等を説明いたしております。第3部を御覧いただきますと、ここが先ほど申し上げたようにこの報告書のメーンパートになっております。ここは3つに小分けがしてありまして、1番目、2ページの一番下の辺り、「学級編制の標準の引下げ」、それから3ページの下辺り、「教職員定数の改善」、それから飛びまして5ページへまいりまして3番目の「制度的改善事項等」という構成になっております。一番最後6ページのところに、この骨子のレポートに、メリハリをつけるために関連していただきました御意見について、「その他」としてまとめてございます。
 1ページに戻っていただきまして、第2部の基本的な考え方のところでございますが、ここでは2つの点を強調しております。1つが、学習指導要領の改訂によって授業時数、指導内容の増加に加えて、言語活動、体験活動の充実など、個に応じたきめ細かな指導の一層の充実が求められるようになったということ。2番目が、我が国の教員は学級という共同体の経営を通して学習面と生活面の調和のとれた指導を行い、成果を上げてきておりますが、近年の課題の困難化・複雑化等により、現在の学級規模では学級経営や生徒指導が困難になってきていることを記述しています。殊にここでは、学級という共同体という側面と、それから学習面という側面、2つの面があるということを強調しております。
 具体的な学級編制の標準についてでありますが、小・中学校の単式学級について、現在の標準の40人を引き下げることが必要であるとし、その理由を7項目にわたって第3部のところで記述してございます。新たな標準を30人とするのか35人とするのか明記すべきであるという議論もございましたが、具体的な数字については、今後、文部科学省において、予算全体の中で適切に判断していただいたほうがよろしいと判断いたしましたので、中教審としては引下げという方向性を示すということでこのような記述にしてございます。
 以下、詳細については、事務局から説明をお願いいたします。

【髙橋財務課長】
 それでは、今、木村先生からポイントを御説明いただきましたので、ざっと全体の構成をもう一度追っていただきたいと思います。
 まず、1ページ目についてですが、「これまでの取組」のところで、昭和55年に第5次改善計画で40人学級が完成したということ、及びその後は生活集団としての学級規模の40人は維持しながら、学習集団の小規模化を推進してきたという大きな流れを記述しております。さらに近年、学級編制の弾力化や総額裁量制、市町村の独自任用など様々な制度改正が行われ、各都道府県等における少人数学級などの取組が進んできており、そういった近年の取組も記述する予定でございます。
 2番の「基本的な考え方」は、今、木村先生から御説明がありましたので省略いたしますが、新しい学習指導要領が作成されたということ、生徒指導や学級経営面での課題への対応が困難化してきている、さらに子どもと向き合う時間の確保が必要になってきているといったことを基本的に押さえてあります。
 次に、2ページ目の下の「具体的改善方策」についてです。学級編制の標準については、木村先生から御説明ありましたように、40人の引下げが必要だということで、理由の7項目は基本的な考え方とほぼ対応する形ですが、まずは1点目に指導要領の対応ということがあります。3ページ目の一番上に行きまして、2点目に児童生徒への個別対応の重要性の増加があります。3点目に学級経営の困難さがあります。それから、これも御議論の中で御指摘いただきましたが、特に平成13年度以降、地方独自の少人数学級の取組が進むことによって、様々な実証データの蓄積が今なされてきております。ヒアリングで御説明いただいた、例えば山形県の「さんさんプラン」の成果でも、学力の向上、不登校率の低下、あるいは欠席率の低下、実証的なそういったデータもございます。そういった実証データも近年指摘されるのではないかということでございます。5、6、7はそれを若干補強する意味合いで書いておりますが、国際比較の面から見てもまだまだ日本の学級規模が大きいということ。さらに、この2月、3月、4月に行いました様々なヒアリングや意見募集でも圧倒的多数が少人数学級を支持しているということ。7点目は少し行政的な話になりますが、今後、児童生徒数が近年の横ばいからやや減少幅が大きくなり、自然減が出てきます。あるいは教員の平均年齢がこれから低下する見込みでございますので、平均給与が下がっていくだろうと推測されます。少人数学級といいますと、増員に伴う財源措置が必要になりますが、そういった代替財源の措置が今までよりはやりやすくなるといったことも背景にありまして、こういったことを総合的に考えて40人学級の引下げが必要だという形にしてあります。
 それから、御議論の中では小学校の低学年についてはさらなる引下げも検討が必要ではないかという御指摘がありましたので、それも記述しております。
 また、単純に少人数化を進めていくと規模が小さくなり過ぎることがあるのではないか。そういった場合には学級の判断で小規模に分割しなくてもいいような弾力的な仕組みが必要だという御指摘もありましたので、そのことも記述しております。
 それから、御議論はどうしても小・中学校の単式学級が中心になりますが、標準法上の標準としてはそのほか複式学級等がございます。複式学級については従来から計画的に改善をしてきておりますので、複式についても引き下げてはどうかということをまず書かせていただきました。
 特別支援学級についても、現行の8人をより引き下げてほしいという要望が多く出されております。一方で、特別支援学級については、在籍児童生徒数の増加により、学級数が今どんどん増えてきているという状況や、通級指導などに対する要望も大きいことを踏まえ、特別支援教育全体の支援の在り方の中で検討する必要があると考えております。
 それから、高等学校になりますと少し状況が違いまして、課程とか学科が多様でございますので、一律に学級編制を引き下げるというよりは教職員定数をしっかり確保して、各学校が必要に応じて弾力的に定数措置をしていくことがより重要ではないかということを記述しております。小・中学校もこの5年間は計画がございませんでしたので、あまり改善がされていないのですが、高校についてはこの5年間、改善がゼロでしたので、まずは高校についてもしっかりと定数改善の道を開いていくことが必要ではないかということを書いております。
 特別支援学校は現在6人、重複の場合には3人という基準ですが、これについても学級編制の引下げよりは必要な定数の確保をと考えております。この辺りについても御意見をいただければと思っております。
 それから、(2)の教職員定数の改善のところにつきましては、1から10まで、次の2ページにわたっておりますが、それぞれいただいた御意見を整理いたしております。こういった方向でよろしいのか、更に追加すべき点があるかどうか、これも御検討いただければと思います。
 ちょっと5ページに飛んで恐縮でございますけれども、制度的改善事項等につきましては、まず丸1で、学級編制権限の市町村教育委員会への移譲について記述しております。これも中教審の議論や政府の閣議決定等で大きな方向性は出ていたところですが、なかなかまだ制度化には至っておりませんが。新政権が地域主権ということを掲げていることもありますので、市町村教育委員会から都道府県教育委員への同意協議を廃止したり、都道府県の基準設定については見直して、市町村の権限に委ねてはどうかと考えております。
 そのほか、加配定数についてもその見直しが必要という御議論がございます。これも透明度を高めて、各都道府県が見通しを持って採用等ができるように基礎定数にできる限り組み入れていくといったことを検討する必要があるのではないかと考えております。
 そのほか、今、義務教育の場合は学級をベースに算定しておりますが、1人生徒数が違っただけで大きく学級数が動くということもございますので、少し児童生徒数の要素を加味した算定方式に改善していってはどうかといったことも書いております。
 それから6ページ目、その他のところでございます。これは学級編制や定数改善には直接関わりませんが、関連事項ということで出された意見をまとめたところでございます。特に少人数学級といった大幅な改善を行う場合には都道府県がしっかりと財源措置ができるように、今の義務教育費国庫負担制度は少なくとも堅持することが必要だといった御意見がありましたので書かせていただきました。
 それから、単に定数改善するだけではなく、教員の事務負担を軽減する、あるいは今日、小川先生から御説明もありましたが、専門スタッフの配置充実を図っていく、定数改善に加えて、こういった措置がトータルで必要だという御指摘を踏まえて書きました。
 それから、丸4の正規教員については、前回見ていただきましたように、最近、正規教員の比率が少しずつ下がってきて、臨時や非常勤のウエートが高まってきております。これもやはり改善計画が作られていないので、見通しを持った採用が難しい、あるいは、基礎定数ではなくて加配定数の場合にはなかなか正規教員の配置が難しいといった声も教育委員会から聞いておりますので、今回のこういった改善によって正規教員の配置が促されることも期待していきたいということを書いております。
 それから、少人数学級になりますと、学級数が増える地域にあっては学級によっては新たな教室の整備が必要になります。国としてそういった施設整備への配慮、財源確保の必要性ということも書きました。
 それから一番最後、教育委員会・学校現場の取組への期待でございますが、これも前回まで見ていただきましたように、実は既に都道府県独自の少人数学級の取組が、いろんなレベルはありますけれども、各県において進んでおります。今回の改善によって単に今まで地方独自にやっていたものを国が負担を肩代わりするだけになってしまっては教育環境が良くなったとは言えませんので、今回のこういった改善によって実際にどれだけ教育環境が改善されたのか、教員配置が改善されたのか、そういったことはしっかりと住民の方に情報公開をして、国の改善計画が環境整備につながっていくようにする必要がある。そういった観点の記述をしておるところでございます。
 時間の関係で資料2-4については説明を省略いたしますが、また御議論の中で御質問等があれば御説明をさせていただきたいと思います。以上、大変簡潔でございますけれども、補足説明をいたしました。よろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。資料2-4にあるような具体的なデータに基づいてこういう骨子をまとめてはどうだろうかということでございます。改めて言うまでもなく、教育を一層充実させるためにはやはり優れた教員がきちっときめ細かく教育現場に配置されなくてはいけない、今のままではなかなか十分とは言えないじゃないかという認識に立って、こういう幾つかの点で教職員の定数増を図っていきたい。ただし、これを運用するに当たっては、現場に近いところで柔軟にやらないと、機械的にやっていたのでは最初に思っていたような効果も上がらないかもしれないというので、できるだけ現場に近いところでの工夫が生きるような制度改善をしたいと。こういうことでこの骨子案ができております。皆さんにこれまでずっと御意見をいただいたことが一応盛り込んであると思いますが、こういう視点をもう少し強調したらどうかとか、あるいはこの辺の整理の仕方をこういうふうに考えたらどうだろうかとか、皆さんの方でいろいろと御意見があるかと思います。どういう点からでも結構ですので、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

【森田委員】
 この基本的な骨子については、改善については大いに賛成するところでございますが、2ページ目の生徒指導・学級経営面の課題等への対応について、これをもう少し突っ込んでいただければと思っております。と申しますのは、前回も前々回も生徒指導面に関してその必要性、重要性については皆さん委員の方々から御意見を賜っているところでございますし、今回の学級編制の標準の引下げということによって教職員を増やすということは生徒指導上の観点からも非常に重要なことだと考えております。
 しかし、今日、小川委員から、学級のマネジメントの改善について御報告がございましたように、生徒指導上、困難を極めている学校が非常に多くございます。とりわけ小・中学校の不登校児童生徒数の割合、あるいは暴力行為もそうでございますが、発生件数が飛躍的に増加しておりまして、加えて問題行動の低年齢化が進んでいる状況にあると思っておりまして、学級編制の標準を引き下げるということだけで対応できるかどうかというのはいささか疑問であります。
 もちろん生徒指導上、校内における生徒指導体制を充実整備させるとか、あるいは生徒指導面での、今、文部科学省でも研究会を立ち上げて教員の資質の向上ということ、研修を含めて、在り方を含めて取り組んでいらっしゃいますし、スクールカウンセラーの外部専門委員、あるいは専門家や警察、あるいは児童相談所などの関連機関といいますか、こういう専門機関との連携を進めていくということは非常に重要なことですし、これからも必要なことではございますけれども、現在、生徒指導担当の教諭、生徒指導主事と申しておりますが、小学校で約2%、それから中学校で約15%しか定数として措置されておりません。中規模、大規模学校を中心にしまして更に生徒指導担当教諭の定数も改善するということが私は不可欠だと考えております。
 と申しますのは、この定数でございますが、これは平成5年の改善でございまして、17年たっております。それから、その間に少子化が進み、それから先ほどの学級編制の弾力化という中で、現実には標準定数を下回るというところも出てきておりますけれども、標準定数が下がっても問題行動等の深刻化というのはやはり依然として憂慮すべき状態、あるいはますます困難を極めるという状況が続いております。平成5年の不登校と、それから現在と比べておりましても、小学校で約1.9倍、中学校で約2.3倍に膨れ上がっております。平成9年でございますと、暴力行為も一番重大事件が起こった時期でございますが、現在、平成20年に比べますと小学校で約4.5倍、中学校で約1.9倍というぐあいに暴力行為も非常に深刻な状況になってきております。
 そういう意味で重ねて申し上げますが、学級編制の標準を引き下げるということだけで時代に対応できるということはいささか疑問でありますし、平成5年に改善された生徒指導担当教諭の定数も併せて改善するということが今回必要だろうと思っております。
 また、さらに小学校の問題でございますが、これは今回でなくて、将来的にやはり検討すべき段階に来ているかなと思っておりますが、現在のところ、問題行動の低年齢化、あるいは生徒指導の規範意識だとかいろいろなことを基本的に涵養していく場としての小学校の生徒指導に関しても、現在は充て職でございますが、将来は一応これは必置ということを視野に入れて御検討を今後続けていただきたいと思っております。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。森田先生、今、御指摘いただきましたように、2ページのところ、生徒指導担当教諭の問題、あるいはスクールカウンセラー等の専門スタッフの問題、これは少し書き加えたほうがいいのかもしれません。それから、今の問題行動の低年齢化にどう対応するかということでの体制づくりですね。ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。渡久山先生。

【渡久山委員】
 今の森田委員の発言にも賛成するんですが、今、教職員定数を増やす、あるいは教職員定数のあるべき姿ということをいったときに、学級規模の改善といいましょうか、学級規模を小規模化するのみでいいだろうかというのはよく言われることですね。小規模は、今日説明いただいたデータの中でも26~30人が望ましいというのが一番多いわけですけれども、今日出していただいた資料の中で、実際に小学校や中学校の子供たちの学級、どういうところで実際に学んでいるかというと、小学校の場合も36人というのが20%ぐらいいるわけですね。中学校の場合は約40%が今そういう大きな学級で学んでいるわけですね。ですから、これで望ましい学級規模というのが出ていますけれども、私はそれでいいだろうかという感じがするのが1つです。
 それからもう一つは、今の考え方の中でもう少し増やしていただきたいのは、小学校の高学年の教科担任制というものは施行すべきじゃないだろうかと思います。ですから、そういう面で、先だっては髙橋課長から理科なんか増えているという話がございましたけれども、やっぱりこれを増やすべき。例えば今だったら体育とか音楽とか、そういうような教科はもう当然のようになってきつつあるんですけれども。特に私はなぜ理科ということを言うかというと、教員養成の大学、特に小学校教員の養成課程の中で、専門教科の中に理科というのもありますけれども、ほとんど実験とか何とかという設備が大学養成の中にないんですよ。そういう中で養成を受けてきて、全教科を小学校の教員が持つというのはそれでいいだろうかという問題があると思うんです。
 もう一つの観点は、今、学習指導要領がいろいろ変わってきて、内容も豊富になってきたし、時間数も増えてきたんですが、それへどう対応していくかという問題は単なる学級規模を小さくしたからじゃないと思うんですね。この諮問を中教審で受けたときに、川端大臣から、教員の質と量ということを言われています。その量の問題が同時に提起されているというのは非常にいいことでありまして、学力問題をきちっと対応できるような増やし方であるべきだという視点がもう一つ入っていいじゃないか。
 それからもう一つは、働く側の立場で、これはほとんど出ていません。ILO、ユネスコの教員の地位に関する勧告なんか読みますと、週40時間労働の中に授業時数が何時間、あるいは授業の持ち時間に対して教材研究の時間が幾ら、あるいは校務分掌が幾らだという形で配分されていて、教員の40時間労働の内実が決まっているわけですね。その中から教員の数が決まってくるということを考えますと、やっぱりそういう視点も1つ必要じゃないかと感じます。
 それから4つ目は、先ほど小川先生からも提起がされたんですけど、教員以外の職員をどうするのかという問題が非常にあるわけですけれども、アメリカに比べて日本の場合、非常に少ないわけですよね。ですから、教育内容を充実させていくという意味では非常にこれが大事なことでありますので、この部分を是非やっていただきたいということと、もう一つ、小川先生のところで教員の問題が出ていますけれども、待遇改善の問題がほとんどないんですよね。これは例えば校長、教頭、主幹と置きますけれども、例えば一般教員と主幹との間はほとんど差がない。あるところによると年間25万ぐらいしかない。そうするとやっぱり任務だけ厳しく、あるいは高度な任務を課しておいて待遇改善はほとんどないということではまずいんじゃないか。これは1つには校長の給料が安いからだと思うんですね。ですから、その幅でどんどん削って、内容に入れていくもんですから、結局は教頭と校長の間、あるいは教頭と主幹との間、主幹と一般教諭の間というのはできない。初任給だけは大体労働相場で決まってきますから、だんだん高くなっていっているんです。しかし、校長の上がり方というのは非常に少ないですから、そういう意味も含めて教員の待遇の問題についても同時に提起していくということでなければならないんじゃないか。次に出てくる教員養成採用問題とも非常に関わってきますけれども、私はそう思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。非常に大事なところを幾つも指摘していただきました。
 じゃ、天笠先生。

【天笠委員】
 私は学級の規模を小さくすればそれで良しということではなくて、やはり学校全体の組織との関係を考えながらこの問題を考えていく必要があると、基本的にはそういう立場であります。
 その上で2ページの、やはり先ほど御指摘ありましたように、生徒指導・学級経営という、ここのところについて関連して述べさせていただきたいと思うんですけれども、私はこれまで第6次、そして第7次等々にもそれぞれの立場で関わらせていただきまして、基本的には今申し上げたようなそういう立場で臨ませていただいたんですけれども、第6次、第7次というのは学習集団としての在り方ということが重要なテーマとして、それについて相応の手当がなされたと認識しているわけであります。それはそれで私は大変大切だったと思います。適切な対応だったと思うんですけれども、改めてここまで進行していった場合、もう一度、学習集団と生活集団との関係、いうならば学級というもののとらえ方が改めてここでテーマになってきているのかなと思っております。
 そういうふうに考えたときに、学習集団と生活集団と一元的に、一体的にとらえていくという言葉としては、学級経営というのが日本の学校のある意味独特の歴史的なものとニュアンスを込められた言葉として、あるいは先生方の言葉として存在しているというところが、実は今回、もう一度着目すべき点ではないかと思っております。そういう点では、ここで生徒指導・学級経営とありますけれども、学習の指導があり、生活指導があり、そしてその次に3として学級経営があり、そして4としてということで、そういうような並べ方をしても私はよろしいのかなと思っております。
 そういうふうに見たときに、学級担任がクラスの子どもたち全体を学習面からも生活面からも掌握しようとしたときに、10年前、あるいはそれ以前と学級を取り巻く環境が随分、保護者の対応ですとか難しい子どもの増加ですとか、そういうことで改めてもう一度そこのところを見つめ直してみる必要があるのではないか。標準の引下げというものはそういう文脈でそのことを考えていくということが必要なのではないかと、そんなふうにこの問題をとらえたいと思っております。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 じゃ、大嶺先生。

【大嶺委員】
 では簡単に。2番目の学級編制及び教職員定数改善の基本的な考え方を読ませていただきますと、それぞれ、これこれこういった課題があり、こういう状況を解決していくために40人より少ない人数ということになっているんですけれども、私は課題だけ、例えば近年著しく困難化・複雑化、それから大変になってきたということだけではなくて、やはりこれから先、現在もそうですけれども、今、学校の在り方が大分変わってきているという、これから先のことというのもある程度書いていく必要があるのではないかなと思います。例えば、今現在、義務教育9年間を一つの流れとして学校間を連携接続という形で結びつけていったり、あるいは小学校における教科担任制を取り入れていったりというような動きというのが各地において生まれてきているわけですね。ですからそういうことも考えて、現在がこれこれこういったような課題があるからということだけではなくて、今後、こういったような学校ということもやはり考えていかなければいけないという、将来性もちょっと配慮しながら書いていただけたらありがたいなと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 今御指摘のところは非常に重要だと思います。学習指導要領の改訂、この初中分科会がやったわけですけれども、ずっと皆さんで議論していただいた点でもございます。日本列島に生まれた子供たちがより一層充実した人生を送れるように、しかも国際競争力の点からも非常に上の方の位置を占めるような社会の構成員の力量を育てることができるようにということで、このままのんびりのんびりやっているわけにもいかないと、教育にもっと力を入れなきゃいけないという前向きの積極的な姿勢をこれまで初中分科会では言ってきたんですよね。ですから、そのニュアンスが、今、大嶺先生おっしゃるように少し出るようにと。ただし、渡久山先生が先ほどおっしゃっていただいたように、実際には教員の勤務の実態調査からいっても厳しい状況があり、それからここ数年どんどん待遇が切り下げられているということもあります。そういう現実の課題になっている要素と、これから将来へ向かっての大きな我々の取組の方向性、これをきちんと最初の方に書いた上でということですね。非常に大事な点だと思います。
 じゃ、向山先生。

【向山委員】
 私も今の大嶺委員に全く賛成なんですけれども、この中では定数改善していくのはもう一致しているのでありまして、これをどう国民にアピールしていくか、あるいは財務当局にこれから予算化していくかというところでは、課題への対応という部分と、これから将来の我が国のあるべき姿ということをリード文で書いて、そしてお金を取りやすくするという方法が大事だろうと思います。リード文の中に、例えばこれまでの我が国の国民が持っている規範性の維持していくことが大切。問題行動が多くなっていけば将来的にそれが担保されていくかどうか非常に疑わしい部分がある。非常にすばらしい国民性を持っているからこそこういう島国でも経済成長ができるわけです。それと同時に、創造性をもっともっと豊かにしていなければ、資源のない国で将来の見通しが持てないわけですから、そういったところをリード文の中に入れて、是非国民にアピールできるような形のものを作っていただければありがたいと思っています。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃ、宮﨑先生。 

【宮﨑委員】
 私は、今、大嶺委員、向山委員がおっしゃったようなことと重なることになるかと思います。小川先生がマネジメントの改善ということでお話しいただいたことに加えて、是非次にお話する方向性を定数改善の中でも入れていただくとありがたいと思っています。今回の小川先生の御報告の中の、組織的な学校運営の中では、外部評価というか、評議員制度が定着して、学校を外から評価するという仕組みがきちんとでき上がってきました。今回、私が課題だと思っていることは、外部からの専門的な役割を担う教員の配置をしたときの学校組織運営という問題をきちんと担保するような仕組みを作るということです。これは2ページの「専門的な役割を担う教職員の配置」の最初の行に、「配置するなどの体制整備が必要」だと書いてあるんですが、様々な外部委員を導入したときにそこをコーディネートする力のある教員が必要になってきます。3ページ目に「多様な専門人材の業務と効果」というのがいろいろ挙がっているんですが、ここについては例えば特別支援教育支援員、あるいは学習支援員というのが学校現場に大量に入ってきています。しかし、この人たちの研修体制はどこで、だれが、どんな形でするかということが明確になっておりません。学校現場に丸投げの状況がずっと生じています。こうしたことをきちんと学校全体で組織整備をしないと、ただ多様な人材を入れてもどうにもならないという問題が起きると思うんです。
 今日いただいた国民からの意見募集の一番最後のところにその他の意見で残念ながら49通しかなかったわけです。しかし、その中にかなり具体的な配置、対応の仕組み、日本の学校に足りない専門職の導入というのを書いてあると思うんですね。例えば先ほどありました生徒指導も学校だけで対応するのではなくて、様々な機関との対応が必要になります。特にスクールソーシャルワーカーなどを入れた北欧タイプの考え方などでは、スクールカウンセラーとソーシャルワーカーが入っているという学校の現状がございます。そういうものをきちんとコーディネートする、スーパーバイズするような位置づけなどもあるだろうと考えます。そうした観点を、今後、学校ではどのように機能させていくかという視点で、ここを是非、定数改善に併せて考えていただくとありがたいなと思います。
 なお、定数改善の中で、部活指導など中学校ではかなり厳しいんですが、その辺りは外部の様々なスタッフを活用するなどの検討が必要ではないかなと思いました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃ、青山先生。

【青山委員】
 これまでの議論を通じて積み上げられてきていると思いますけれども、この後、今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について御報告があると思われます。私はこの骨子の5ページの丸9、キャリア教育の充実のことについてですけれども、これが円滑に実現できるためにということを考えた場合に、審議経過報告の中に盛り込まれている様々な提言がございます。今の若者が学校から社会、職業への移行が現状として円滑に行われていないという現状認識があって、それを踏まえてキャリア教育があらゆる教科、科目等の活動を通じて体系的に行われていく必要があるという大変大切な認識をされておりますし、そのため教育の幅を広く見直すということや、地域社会と協力するといった様々な提言が行われているわけでありまして、これは小学校も中学校も高等学校も、特に高等学校の場合、進路指導というところで取り組んでいるわけでありますが、非常に重要なことだと思っています。
 小学校で職業というものについての体験が行われ、中学校では既にインターンシップにも取り組んでいて、その延長で高等学校でもインターンシップにも取り組んで、その幅がだんだん広がってきているという状況がございます。そうした一貫した職業観を形成していく指導、その流れの中で、今回、教職員の定数改善の計画を作成する際に、このキャリア教育、今現状としても取り組んでいるわけでありますけれども、更にそれを実効的に充実したものにしていくためにはキャリア教育の年間指導計画の作成でありますとか、それから産業界と連携してのインターンシップの推進。インターンシップを推進する場合に受け入れ団体に対して、例えば高等学校がどういうような形で連携を求めていくことができるかというのは、高等学校で苦労しながら、工夫をしながら今取り組んでいるところでありますが、やはり高等学校の中でもまだ足りない、工夫をしていかなければいけないという状況はございます。そして、それに連動する形で校内研修の充実実施がございますし、またハローワークなど関係機関との連携をして就職予定者や中退者の支援を行っていくということで、現在、高等学校の進路指導部が担っている機能を更に強化し、幅を広げ充実していくためには、どうしてもそれを専門的にといいますか、主として担っていく進路指導主事の定数配置というものが必要ではないか。ですので、その点についてしっかりお願いしたいという考えでございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃ、貞広先生。

【貞広委員】
 骨子全体には大いに賛成させていただいた上で、簡単に2点申し上げます。
 1点目が3の(3)の丸3、制度的改善事項等の中の教職員定数算定方式の問題についてです。ここに、現行の学級数をベースとするものから教職員定数、児童生徒数をベースとするものに一部改めていくという記述があり、その理由として、わずかの児童生徒数の違いで学級数が大きく異なることがないよう、ということが挙げられていますが、これは制度を弾力化すれば済むことであって、児童生徒数をベースとした算定方式に改める、またはそれを加味するという大きな制度変更が必要なものでは必ずしもないように思います。と申し上げますのは、先ほど髙橋財務課長さんからもお話があったように、これから児童生徒の激減期を迎えるに当たり、児童生徒ベースでの算定方式を導入しますと、この激減を真っ向から受けることになり、政治的な流れによっては教育費が大いに削減される可能性があるからです。したがって、児童生徒ベースの算定方式導入は、若干慎重に議論するべきではないかというのが1点です。
 それともう1点は、先ほど宮﨑先生からもお話がありましたけれども、日本の学校に足りない専門職の導入として、スクールソーシャルワーカーを御検討していただきたいと思います。米国を始めとする諸外国の学校に調査にまいりまして、そちらと比較をして日本の学校に足りない専門職のスタッフとして第一に挙げられるのはスクールソーシャルワーカーだと考えております。現在、日本の学校でも心理的側面に加えて、社会的、経済的問題を抱える子供が増加していて、かつ当然のことながら教職員の方々はその対応に追われているわけです。そのような観点からも改善を検討していただければと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃ、髙橋先生。

【髙橋委員】
 本当は先日行われました教職員定数の改善に関する教育関係団体ヒアリングの折に触れておけばよかったなと今反省しておるんですが、現在、市町村合併に伴う学校統合に限って教職員定数の激変緩和措置が講じられているわけなんです。これは国の政策として行われております。今問題になっておりますのは、市町村合併を伴わない学校統合についても激変緩和措置を講じることをどうか検討していただければなと。この前の折にたくさん要望することがあったもんですから、漏れてしまったという気はしております。今もう市町村合併は一段落しまして、今、全国の県で行われていますのは、同一市町村内の統廃合が進んでいるという現状から意見を言わせていただきました。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。ちょっとずれますしね、町村合併から学校の統合までがね。
 じゃ、安彦先生。

【安彦委員】
 全体の方向は問題ないといいますか、民主党はその気でいるわけですから問題ないと思っておりますが、基本的にはやはり量よりも質が問題なんだと思います。試されるのは教育の質が向上するかどうかということでありまして、そういう観点からするとちょっと気になっているのは、量は増やしたけれどもどうなんだという問題を指摘されたときに、どこを中心にして答えていけばいいかという。それで考えますと、天笠先生が言われた、個々の先生の力量もさることながら、学校としての組織、あるいは学校としての取組の体制、経営体制、あるいは組織体制、その部分がどれほど改善されるかといいますか、それが改善されないと個々の先生の力量が十分に発揮されないという事態が起こる。その辺から考えますと、やはり1つは研修ですね。先生方の研修が今は本当にかちかちで、とてもその時間がない。1人抜けると、もうほかの先生がきりきり舞いをするという状況が少しでも改善されるような組織体制、この人数の増でそれが可能になればいいというところも考えさせられます。
 改めて学校のレベルで増やした数をどう活用するかといいますか、それを見ますと、やっぱり1つは、ここでも、地域あるいは学校の取組ということが非常に奨励されていますし、私は基本的にその方向で望ましいと思っておりますが、そうだとすると今日の骨子でいえば6ページの最後のところに入りましたけれども、教育委員会や学校現場の取組に対してそれなりに厳しい目が向けられると思います。国は例えば全国学力・学習状況調査で一応の成果を自己点検自己評価の形で示していると思いますが、そういう意味では教育委員会がどう取り組むか、各学校がどういう職員の配置、あるいは組織、経営あるいは研修体制等々を工夫するか。その辺のことも併せて、きちんと目標設定なり何なりしながら住民に、あるいは納税者の方にはっきりこういうふうに年々改善をしておりますということを、ここに情報公開とありますが、こういうことをはっきり示すという、ある意味では原則を地方教育委員会、あるいは学校側に明確に持ってもらわないといけないだろう。国の姿勢を是非そういう意味では地方あるいは各学校にしっかりと形で示すようにしてもらいたいというのが私の希望です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃ、北條先生。

【北條委員】
 本日示されました骨子に今まで議論されております委員の皆様からの提案を盛り込んで、より充実した提言として広く公表されていくことにもちろん賛成でございます。
 念のため、ちょっと確認をさせていただきたいことと、お願いをしておきたいことがございます。それは、骨子段階では学校の学級編制及び教職員定数の改善の方向について義務教育段階である小学校と中学校を中心に議論がなされ、そして部分的にそれが高等学校にも話が及んでいく。さらに限定されて特別支援学校に若干の言及があるという格好になっておるわけでございます。学校の中でそれぞれ触れ方が違うわけですので、そこら辺が国民に誤解のないような形で明確にしていただく必要があるのではないかと考えます。その際、あえてつけ加えさせていただきますと、これは当たり前なんですけれども、幼稚園教育については今の段階では言及がないわけで、今後、幼稚園教育においても同様の改善が図られるべきであるということが国民への提言の場合には是非とも書き加えていただきたいと存じます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 じゃ、佐々木先生。

【佐々木委員】
 全体の方向性は賛成ですけれども、目線がちょっと気になりまして、ここで、中教審ですし、先生方が皆さん意見を出しますので、どうしても教員目線になっているなというのがずっと読んでいて気になります。子供がどうなるためなのか、子供にとっては例えば少人数制になったらどうなるのかという視点をやはりもう1回確かめて、言葉にすることが入っているとより良いなという印象です。
 私から考えますと、少人数クラスになるということは、子供から見ると自分へのアテンションが増えるということだと思いますし、一方で私はティーム・ティーチングや教科担任制が大変重要だと思うんですけれども、より多くの教員、あるいはより多くの大人と触れ合いながら学校の中で暮らせる、学べるということが、実はいろいろな子供と先生の間でも起こるかもしれない、相性が合わないとか、そういうようなことがあったときの、今までなら埋もれてしまって見てもらえない、あるいはこの先生しか自分は話しちゃいけないということが、少人数制になることで子供からすると出口が増えるのではないかなと思っております。ですから、例えば、いいアイデアがあまり浮かびませんけれども、「はじめに」のところも、いきなり「教育は人なり」であり、優れた資質を持つ教員がというふうにいくのではなく、「教育は人なり」であり、例えば子供たちが多くの教員や、大人と――スタッフという意味なんですけど――触れ合いながら学ぶために優れた資質を持つ教員がみたいにちょっと入れるとか、少し工夫ができるかと思います。
 また、4ページのティーム・ティーチングというところも、ここ1か所しか出てきませんけれども、少人数クラスにするだけでなく、こういった複数の先生が子供たちと触れ合う、また皆様から出ている教科担任制の導入というのが私は高学年だけでなく低学年からでもいいと思っているくらいなので、子供たちが多くの先生と触れ合うような、いろんな人の目で見られながら育つという環境をもう少し明確に書けたらいいと思っております。
 あと、専門家という話でいろいろ出ておりましたけれども、私はスクールサイコロジストが、カウンセラーやソーシャルワーカーにとどまらずサイコロジストが必要なんじゃないかなと思っております。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。今の目線の問題、非常に大事ですね。確かにどうしても、私も時々忘れてしまったりします。子供がこういうものをどう受けとめるだろうかという視点ですね。
 じゃ、小川先生、お願いいたします。

【小川委員】
 皆さんの意見と重ならない点だけ1点。6ページの(4)その他で、義務教育費国庫負担制度の堅持という項目がありますけれども、これに関わって少し意見を述べさせてください。
 今日、配付された関係する基礎資料、資料2-4の18ページにやっぱりそうだったのかなということが分かる資料が出ていました。これは義務教育費国庫負担金の交付状況で、2008年度に文科省から負担金制度が交付されているわけですけれども、文科省で保障している最高限度額まで都道府県が給与を十分確保できていない県の数というのが、例の国庫負担率の2分の1が3分の1に切り下げられた平成18年度以降だんだん増えていて、平成20年度でも16県まで来ていたということで、非常に由々しき事態だなと思っていたんですけれども、括弧つきの、まだ決算がきちっと確定していないということのようですけれども、これが22まで増えてきているという、これを見ますと、負担金制度の堅持だけではなくて、拡充ということを含めてきちっと書き込んでいただきたいなと思っています。
 というのは、こういう最高限度額まで各都道府県が教職員給与費を確保できていない状況が増えてきているというのは、確かに背景には非常に厳しい財政事情の中で都道府県が教員だけではなくて地方公務員全体の給与を削減したり、財政の効率的な運用ということで非常に努力された結果こういうふうなことが出てきているということは重々わかるんですけれども、しかしこうしたことを背景にしながら教職員の給与の切下げとか、ないしは非正規雇用の教員の増大というふうなことも生み出されてきている要因の1つなのかなと思っています。こうした事態が更に進行することを防ぐ意味でも、負担金制度というのはそういう意味ではそうした動きに対する一つのぎりぎりの防波堤にはなっているのかなと思っています。そういう点からいいますと、3分の1の国庫負担というのはなかなかこういう流れを押しとどめられないということもありますので、できれは2分の1の回復を含めた負担金制度の拡充ということをもう少しポジティブな書き方にしていただけないかなという思いがあります。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 じゃ、渡久山先生。

【渡久山委員】
 今、小川先生からございましたけれども、確かに義務教育国庫負担制度の中で、例えば教材費とか教員の旅費が措置されていたときには、これは昭和60年から一般交付税化されたんですよね。そのときには教材費は大体120%ぐらいあったんですよ。しかし、それがだんだん減っていって、現在は、現在というよりは平成15年では60%から50%以下になっているんですね。ですから、基準財政需要額で措置されていても、それがそのまま現場には措置されないという形になっているわけです。ですから、文科省お調べの平成17年度でいきますと、例えば教材費なんかだったら東京都は180%ぐらい出しているんですね。だがしかし、100%を超したのは神奈川と大阪と福岡だけなんですね。あとは全部100%以下になっているんです。そういう意味ではやっぱり国庫負担制度の2分の1というのもいいんだけれども、国庫負担制度の中にどういうような費用を積んでいくかということも非常に大事じゃないかなという気がいたしますので、これは民主党も何か一括交付金とか何とかというのを前にやっていたんですけれども、ちょっと内容が分かりませんもんですから、この国庫負担制度の中の必要な費用、これを積んでいく必要があると思います。
 それから、これは質問もかねてですけれども、今、菅総理も、あるいは自由民主党も消費税を10%上げると言っていますね。これは財務課長に聞いた方がいいのか、あるいは辰野政策評価審議官に聞いた方がいいか、あれの中に教育関係費も少しは入っているんですか、全く入ってないんですか、どうなんですか。

【梶田分科会長】
 その辺につきまして、どなたか事務局で分かっている方おられますか。

【渡久山委員】
 両政党が出しているから何か、単なる福祉あるいは社会保障制度のものだけではなくて、もう少し幅が広いのかどうかということです。私としては、そうであれば、きちっと社会的なセーフティーネットワークの中の、教育というのは非常に大事なんですからそれも一つのファクターの中に入れるべきじゃないかという感じがいたしますので、意見といいますか。

【梶田分科会長】
 今まだ多分はっきりと民主党も自民党も福祉目的ではないというか、そういう限定はしていませんよね。

【髙橋財務課長】
 今日お答えできる立場の政務三役が出席しておりませんが、しっかりと伝えさせていただきます。

【梶田分科会長】
 ということですので、もし何かわかれば次回でも少しお話をというふうに思います。
 井上先生。

【井上委員】
 この「今後の学級編制及び教職員定数の改善について」の骨子案は今までの初中分科会の議論をまとめて、基本的な方向はこれで結構じゃないかと私は思っておりますが、その中で1つ気になりますのは、実は4ページに丸4で「外国人児童生徒への日本語指導の充実」、これは確かに現在2万8,500人ぐらいの外国人にそういう必要性というのは十分分かるんですが、一方で今度の小学校の学習指導要領で、外国語教育を5年、6年に導入すると。特にこれは小・中・高等学校を通じてオーラルコミュニケーション能力を高めるということで、教育課程部会でも外国語教育を導入する場合にはネイティブスピーカーによったオーラルコミュニケーション能力の向上というのは共通の認識だったと思うんですが、そうしますと、6ページの「専門的スタッフの配置充実」というのがあるんですが、こういうところにネイティブスピーカーのALT、英語指導助手を充実すると。これは総務省の方の地方交付税措置だと思うんですが、中教審の総会でもALTを充実してネイティブスピーカーによる英語教育をより広く小・中学校に導入すべきだという意見があったと記憶しておりますので、その点も触れないと外国人の日本語教育だけ充実して、じゃ小学校は小学校の先生が付け焼き刃で英語研修してそれで指導すればいいのかという批判が必ず出てくると思いますので、その点についてはALTなどの充実を明記しておいたほうがいいんじゃないかと思いますので、その点お願いしたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃ、植田先生。

【植田委員】
 中学校現場の教員でございます。話が戻るのでございますが、この4月下旬から同僚がまた1人、病休に入りました。周りの声は、あいつが休むのかと。ばりばりやっていた教員ですが、それほど現場はもう本当に、にっちもさっちもいかないということについては今までもお話を申し上げてきました。だからこそ分母を増やしてほしい、教員を増やしてほしいという現場の私たちの声でございます。
 先ほど佐々木委員の御意見の中に目線をということがありまして、この会にいらっしゃる方はいろんな立場の方がいらっしゃいます。とにかく目の前の子供のために、日本の子供のために、生徒のためにということでは、皆さん御異論はなかろうと思います。ですから、私もこの全体案には賛成でございますが、そういう子供のためにという視点で書いていただけるとなおさらよかろうと思っております。これが1つでございます。
 それから1つ質問でございますが、資料2-3の2ページの具体的改善方策の(1)学級編制の標準の引下げ、最初の御説明の中で丸1のその下の○、「以下の理由から、現行の40人の学級編制の標準を引き下げることが必要」ということにつきまして、中教審での表現はここまでと、具体数は文科省内で予算を考慮してお決めになると言われました。以前、これは平成19年の5月だったと思いますが、教育振興基本計画の特別部会の中で小川委員が試算をされておられまして、35人学級にすると3,000億、それから30人学級にすると8,000億。我が家の家計からすれば天文学的な数字なんですが。私はこの辺の数字が次回で出されるのかどうかというのを1つ質問したいのでございます。
 以上です。

【髙橋財務課長】
 数字につきましては、これから様々な検討をしてまいります。増員については小川先生に試算いただいた数字からそれほど大きく変わるものではございませんが、今後自然減がある程度出てきますので、そこの見込みをすることによってネットでどのくらい増えるかが決まってくるということになります。子供の数自体はかなり正確に推計ができるんですが、特別支援を受ける子どもが今どんどん増えており、その分定数が必要になるもので、その辺の見込みというのがなかなか推計が難しいという状況でございます。次回までに確定した数字を出すということにはならないと思いますが、いただいた方向を踏まえて概算要求までにはしっかりと数字を固めていきたいと思っているところでございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃ、岩﨑先生。

【岩﨑委員】
 教職員定数が増加になるということは私も大いに賛成でございますけれども、今、安彦先生がおっしゃったように人員確保をどうするか、教職員の確保をどうするかという問題が出てこようと思いますが、確保とともに研修をどうするかということでございます。今までの研修内容とは随分変わってきていると思うんです。子供も変わってきておりますし、保護者も変わってきている。また、地域の実態も変わってきております。このため、研修の内容が随分多岐にわたってきています。そんな中でいろんな講座を計画いたしましても教職員が参加できない状況にあります。参加の申込みはあっても実際には参加してこない。生徒指導の問題とかいろいろな問題が出てきて参加できないという問題がありますので、是非今日のデータの中に研修の実態がどのようになっているのかということがお分かりになるならばデータとして入れていただきたいなと思います。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃ、新藤先生。

【新藤委員】
 まず、教員定数の問題のところで是非考えていただきたいなと思っているのは、例えば今、生徒指導主事というんですか、東京では生活指導主任という言い方をしていますけれども、これなどは学校、学級規模に応じて人数を増やすとか、あるいはもちろん経験ってあるんですけれども、実際今、見ていますと、生徒指導の問題というのは学級規模だとか生徒数との比例関係だけではもう解決できないところがあって、どんなに小さな学校であっても、大きな生活指導を抱えているところがあります。自分自身の経験から言っても、最初に校長で赴任したところは200人足らずの小さな学校でしたけれども、保護者会の折には、うちの学校は問題行動のデパートですということを言わなきゃならないくらい、いろいろな問題が日常的に起こっているところがあって、そういう面では生活指導主任というか、生徒指導主事、そういった専門職的な教員についてはやはり学校の実態等に応じて柔軟に配置できる方法を是非、学級数だけに、あるいは生徒数だけにとらわれた配置ではなくて、そういったところを是非お願いをしたいなというのが1点。
 それから、先ほど佐々木委員からもありましたけれども、専門スタッフの充実ということが非常に大きいかなと思っています。例えば自分の学校の例をいいますと、新宿ですが、スクールカウンセラー、都の配置が週1日、それから区独自の配置が1.5日ということで、昨年度から週1日だけの勤務が週2.5日の配置になりました。この間で明らかに子供たちの問題は改善が進みました。そういったところで教員も正直言って、スクールカウンセラーというのはかなり前からあったわけですけれども、週1日しか来ないスクールカウンセラーをどれだけ信頼して頼るかという部分からいきますと、なかなか校長がいろいろと説明しても改善しなかった部分があったんですけれども、現実問題として週半分来てくれて、子供たちが確実にそこで変化が見られるとなれば、教員たちは信頼していくしかないですね。そういう面では本当にいろんな専門的なスタッフ、ソーシャルワーカーですとかいろいろ言われていますけれども、そういった方たちが週1日とか半日とかそういう少ない数ではなく、是非週の最低半分ぐらいは勤務してもらって、教員と一緒に組んで子供たちの面倒が見られるような、そんな体制を是非整えていただければなと思っています。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 じゃ、曽我先生。 

【曽我委員】
 皆さんのいろんな話を聞きながらずっとその他のところを見ていたんですが、一番最終の6ページなんですが、この「その他」という文言が何となく「その他」でいいんだろうかと。基本的にこの提言が実施される上において、本当にこれがきちんと効果をなすためには、このことを整備しなければだめであって、一番重要な形のものがこの「その他」ではないかと。「その他」という言葉を、この提言を実施する上において、すべてのものが留意する点とか重要点とかということによってやっていただけると、保護者からこのことをやるとこんなふうになるんだ、ここを意識しなきゃいけないんだということが見えてくると思いますので、「その他」となると何となくさらっと通っていっちゃって最終ページの説明も少なくなるので、ここが見えると我々中教審が目指すものが何なのかということが非常に見えてくると思いますので、是非ここを少し強調していただければありがたいということでございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。まさにその他じゃなくて、基盤となる仕組み、改善とか、何かそういうふうなことですね。
 ありがとうございました。時間がちょっと過ぎてしまいまして、今日いろいろと御意見いただきました。全体としては、この骨子、いいじゃないかという御意見をいただいたように思います。ただし、1つはトーンの問題、書き方の問題。もう一つは、各項目において、まだ少し記述の仕方に工夫が要るんじゃないかという幾つかの具体的な御提案をいただいたように思います。
 ということで、次回に今度は文章化して出していただきまして、そこでまた御意見をいただくというふうにしたいと思います。しかし、これまでの議論で、ともかく学級編制基準を40人ではもうだめだよねということが、1つ、はっきり方向としては出ていると思います。それから、学級編制基準だけじゃなくて、いろいろな意味でのスタッフの張りつけも工夫が要るよねと。それからもう一つは、現場に近いところで柔軟な工夫ができるように、特に市町村教育委員会を始め、設置者のところでの柔軟な措置ができるための制度的な保障、この辺は非常に大事な点かと思っております。こういうことを踏まえて、次回、提言案を出させていただいて、最終的にまた皆さんに御意見をいただきたいと思います。
 それでは、ちょっと急ぐようでありますけれども、政府の中でずっと検討されておりました、障がい者制度改革推進本部及び障がい者制度改革推進会議での検討状況、それから教育という分野でどういうふうにこれを受けとめたらいいかということにつきまして、特別支援教育課の斎藤課長からお願いしたいと思います。

【斎藤特別支援教育課長】
 特別支援教育課の斎藤でございます。資料はお手元の3-1から3-3を使いまして説明をさせていただきます。
 まず、資料3-1にございますが、今回、障害者制度改革について、政府全体の検討が行われております背景ですが、障害者の権利条約に日本政府が平成19年に署名をしたところから出発しております。これから国会での承認、批准、締結を目指していくわけですが、現在、批准に必要な国内法制度の整備のためのいろいろな制度改革の検討が行われている状況でございます。
 検討の体制ですけれども、2枚ほどめくっていただきまして、資料3-1の4ページにございます。昨年12月に政府の下で、内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚により構成されます障がい者制度改革推進本部が設置されました。実際の検討につきましては、その下に設置をされた障がい者制度改革推進会議で議論が行われております。
 この推進会議のメンバーは、下の5ページ目に出ておりますけれども、これはかなり身体障害系の団体の皆様が中心で、しかも障害当事者の方を数多く入れる、非常に特徴的な構成になっております。加えて、右の方に有識者が出ておりますが、人権団体・運動団体の方々で、従来からインクルーシブ社会の構築という点で、教育につきましても場の統合を中心として運動してきてこられた方が中心になっております。
 このメンバーを見ていただきますと、教育や学校の関係者がほとんど入っていないということがおわかりいただけるかと思いますが、更に加えまして、学校現場で今、大変大きな課題になっております発達障害の関係の団体なり専門家が入っていないという点については、当初から懸念の声が上がっているところでございます。
 ともかくも、この推進会議におきまして、非常に精力的に検討が進められまして、6ページ目に検討経緯がございます。大体一月2回から、4月以降は毎週のペースで検討が行われまして、途中、第5回、3月19日に教育に関して集中的な討議が行われた後、第9回、4月26日には高井政務官ほか、当省からも意見表明なり、ヒアリングの機会が設けられました。この際に、全国特別支援学校長会あるいは全国連合小学校長会、それから全国特別支援学級設置学校長協会ほか、学校団体にも一応発言の機会が与えられたんですけれども、何しろ時間的には学校関係3団体合わせて5分という非常に限られた状況のもとで意見を申し上げたりということで検討が進められてまいりまして、このほど、6月7日付で「第一次意見」というものが取りまとめられております。
 その概要につきましては、資料3-2に出ておりますけれども、全体としては、1つ共通の大きな改革項目として、まず年度内に、恐らく年内になるかと思いますが、障害者基本法の主な改正の項目について議論をする。それから次は、2年ほどかけまして、差別禁止法について議論をしていく。さらには、障害者自立支援法に代わります障害者総合福祉法の検討、これは来年中ぐらいを目途に検討する、この3つが大きな共通項目でございます。
 教育についての各論につきましては、3-1の資料に戻っていただきまして、7ページ以降、主な大きな項目は2つほどございます。まず第1は、点線で囲んであるところが推進会議のまとめた問題認識でございます。ここについては、正直申し上げて、教育関係者や文科省からいろいろ意見を申し上げたんですが、なかなか十分に反映されていない状況ではございますけれども、まず【地域における就学と合理的配慮の確保】につきましては、障害の有無にかかわらず、すべての子どもは地域の小・中学校に就学し、かつ通常学級に在籍する。本人・保護者が望む場合のほか、個別の対応として、ろう者、難聴者、盲ろう者については適切な言語、コミュニケーション環境を必要とする場合、特別支援学校に就学、又は特別支援学級に在籍ということで、基本的には、現在の、障害の程度に応じて基準に当てはまる場合には原則として特別支援学校に就学するという仕組みを、ほぼ原則と例外をがらっと入れ替えるという提言がなされております。
 それから8ページ目にまいりまして、通常の学校に受け入れる場合、それから特別支援学校に決定する場合、いずれにしても、保護者の十分な合意を得るに近い仕組みでございまして、合意が得られない場合の第三者機関の設置、それから通常学校に受け入れる場合の合理的配慮ということで、例えば追加的な教職員配置、施設・設備の整備といった条件整備を行う、こういった提言がなされております。
 以上の項目につきましては、この次の8ページの「政府に求める今後の取組に関する意見」、ここが大変重要な項目でございます。この部分について、今後の政府のアクションとして、できれば閣議決定を目指して手続を進めていくという流れに今なっております。この部分だけ御紹介しますと、「障害のある子どもが障害のない子どもと共に教育を受けるという障害者権利条約のインクルーシブ教育システム構築の理念を踏まえ、体制面、財政面も含めた教育制度の在り方について、平成22年度内に障害者基本法改正にもかかわる制度改革の基本的方向性についての結論を得るべく検討を行う。」となっており、これが今後のアクションとして、今、提起をされているところでございます。
 それから9ページ以降はその他項目でございまして、9ページにございますのは、【学校教育における多様なコミュニケーション手段の保障】ということで、主として視覚、聴覚障害に関わるコミュニケーションの支援、例えば手話・点字による教育、あるいは発達障害、知的障害等を含めた教員の専門性向上のための措置ということも掲げられておりまして、これらにつきましては、手話・点字の教育等々、教員の確保、それから教員の専門性向上のための具体的方策の検討の在り方について――ちょっとわかりにくい文章でございますが、平成24年内を目途にその基本的方向性についての結論を得る、こういった規定になっております。
 それから10ページ目は虐待防止でございます。これについては、障害者の虐待防止についての法制度が議論されておりますが、実は従来は、学校において強い規制をかける、つまり発見・通報の義務を課すということは、必ずしも想定されていなかったんですけれども、今回の推進会議の議論では、学校では目に見えないところで虐待が起こっているということが指摘されまして、学校についても厳しい規制の対象に加える方向で検討するということが提起されております。これにつきましては、特に検討の期限は設けられておりませんけれども、速やかに必要な検討を行うという整理になっております。
 今後の予定ですけれども、現在の流れとしては、今月中にこの意見書につきまして、まずは上部の機関であります障がい者制度改革推進本部における、全閣僚による検討を経まして、この意見書を踏まえた制度改革の基本的方向について閣議決定をするための準備、調整が進められております。その際に、先ほど御紹介いたしました「○」のところ、「政府に求める今後の取組に関する意見」、この部分を抜き出したような内容で、教育関係を含めたアクションプラン的なものが決定されることになるかと思われております。
 これらの事項につきましては、今後、関係府省において検討を進めまして、各項目ごとに示された期間内、つまり就学制度の在り方については今年度内、あるいは専門性の向上、教員の確保については24年内という期限の中で結論を得るべきという方向づけがされているところでございます。
 このことを踏まえまして、文部科学省といたしましても、これから障害者権利条約の理念を踏まえた障害者制度改革の方向性につきまして、この中教審等の場も含めまして、とにかく今までの検討は、学校、教育関係者のいろいろな御意見、御要望もいただきながら、なかなかそれが十分反映されていないという面もございます。本日、御出席の各団体の皆様からも、いろいろな御意見なり御心配の声をいただいております。こういった声を踏まえながら、学校、教育行政関係者を交えた審議、検討を行っていく必要があると考えてございます。
 ということで、今後、政務三役とも十分御相談をしながら、この中教審の場を含めた具体的な審議、検討の体制なり進め方等につきまして、教育制度全般に関わる話でもございますので、早急に検討してまいりたいと考えてございます。私からの説明は以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。今、斎藤課長から御説明いただきましたように、こういう意見書が政府として出されて、一応、閣議決定まで行く見通しがあるということであります。そういうことになりますと、当然、教育分野でどうするかということになります。教育現場で、特にこの問題は大事なんですけれども、どう受けとめるかということで、なかなか大変なことになる部分もございます。
 ということで、次回、この問題については少し時間をとって、皆さんでいろいろと意見交換をしたいなと考えております。今日のところは、今、斎藤課長の御報告にかかわって、直接の御質問があればお願いしたいと思います。
 では、向山先生、はい。

【向山委員】
 時間がないので、質問というより補足なんですが、これは特別支援教育だけでなくて、今後の我が国の学校教育全体を進めていく上で大変大きな課題なんです。今、斎藤課長から話があったように、ここまで教育関係者の意見表明の場が全然なかったわけです。それで、私ども6月1日に小学校、中学校、高等学校、それから特別支援学校の代表者で、高井政務官のところに行って要望書を出してきたんです。2つあります。
 1つは、教育関係者を入れた会議でやってくれと。できれば、中教審か何かで議論してほしいと。2つ目は、今後やっていくためには大変な条件整備をしていかないと、趣旨として、ねらいとして賛同することはあるんだけれども、大変な混乱をもたらす、こういうことを言ってきたんです。大変大事なことなので、是非次、よろしくお願いします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。今の向山先生の御発言で、大事なことなんだけれども、下手なことをすると、つまり条件整備なしでやってしまうと大変なことにもなりそうだということがあります。この点はまた次回に考えていきたいと思います。
 では、渡久山先生、お願いいたします。

【渡久山委員】
 私は、この理念は非常に漸進的だと思うんです。今までも特別支援教育という名前が変わって、これは田村先生が非常に努力していただいたと思うんですが、日本における障害者、あるいは障害児に対応するものは、非常にいまだに差別的なところがあるんですね。ですから、やっぱり学校におけるインテグレーションもなかなかうまくいかなかったと思うんですね。
 そういう面で、考え方としては、インクルーシブな社会や学校づくりということについては、推進していく方向性を持ってたほうがいいと思うんです。ただ、今、課長さん言われたように、ここには何とか教授というのはいらっしゃいますけれども、教育関係者でないというお話ですから、どういう意味のことを言っていらっしゃるのか分かりませんけれども、そういう民主的な議論をきちっとやるべきだということを前提にしてお話ししておきます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 そういう動きがとっても進んできていて、これを教育現場で具体的にどう受けとめていったらいいのかということです。これから少し議論をしなければ、理念はとってもいいんですけれども、実効性がということにもなりますので、次回、皆さんで議論しながら、中教審として、あるいは初中分科会として、これを受けとめていくということを考えていきたいと思います。次回、また皆さんで議論したいと思います。ありがとうございます。
 それでは、次にもう一つ、これは去る6月3日の中教審の総会で、川端大臣から「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」という諮問がなされました。つまり、今、我々がここで議論していることと裏腹の問題ですね。我々は、まず教員の数を何とか十分な形で手当てしたい、そういうことを考えているわけですが、そのプロセスの中でも資質がということが言われます。この諮問は、質のほうの問題について、かなり長い見通しの中でということになるんじゃないかと思いますが、方向性を出してほしいということであります。
 これにつきまして、事務局から少し内容の報告をお願いしたいと思います。

【池田教育改革調整官】
 それでは、資料4-1に沿いまして御説明をさせていただきます。
 先ほど分科会長から御説明がございましたように、6月3日に開催されました中教審の総会で、川端大臣から「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」、諮問が行われました。
 最初の4枚が諮問文本体でございますが、その次のカラーの横長の資料に基づいて御説明をさせていただきたいと思います。
 御承知のように、学校教育を取り巻くいろいろな課題が大変多うございまして、左上にございますけれども、いろいろ課題が複雑・多様化している状況でございます。生徒指導上の諸課題、あるいは特別支援教育や外国人児童生徒への対応等々の課題が多くなってきております。それと、地域・保護者との関係ですとか、教員の実践的指導力やコミュニケーション力の強化が必要だという声も聞かれております。それから、右側にございますけれども、学校教育自体ではなく、学校を取り巻く環境もいろいろ変化してございまして、教員に対する信頼性が揺らいでいたり、それから教員間の同僚性が希薄化しているという御指摘もございます。
 そうした中で、先ほど御議論いただきましたように、教員の数の充実とともに、質も高めていく必要があろうということで、今回の諮問に至っているわけでございます。
 基本的な考え方は、2段目の欄にございますけれども、教員が生涯を通じて資質能力を高めながら、自信と誇りを持って教壇に立っていただく、そして社会からの信頼を得られるような環境を整えていく、そのためにどういうことを検討していったらいいかということでございますけれども、中ほどにございますように、養成段階も含めて、教員が教職生活の全体を通じて専門性を高めていっていただく、それを支援するシステムづくりが必要であろう。その際、初等中等教育政策、高等教育政策を一体的に考えていく必要があろうということでございます。
 中教審での具体的な審議事項としては、今申し上げたようなことを、特に中心的に御議論いただきたい事項として、一番下の欄にございますけれども、3点を掲げてございます。
 1つ目は、教職生活の各段階で求められる専門性の基盤となる資質能力を身に付けていけるような、教員養成・免許制度の在り方についてということでございまして、これは具体的には、現行は原則4年でございます教職課程の期間や内容をどう充実していったらいいか、特に、教育現場での実習を拡充する、そういうことも含めて御検討いただきたいということでございます。それから、教職大学院や教職に関する修士課程をどう考えていったらよいかということ。さらに、課程認定の厳格化、あるいは設置認可についても、同じように、もう少し厳しくしていく必要があるのではないか。あるいは、認定後の事後評価ということも考えていく必要があろうと、そういったことが1番目のくくりでございます。
 それから2点目の審議事項といたしましては、先ほど申し上げたような新しい養成の在り方を踏まえて、教職生活の全体を通じて資質能力を保証していくような仕組みをどう構築していったらいいかということでございます。具体的な検討事項としては、教員免許制度の見直しでございます。これは、免許状により一定の専門性を公的に証明していくような仕組みが考えられないか。あるいは、現職研修をいかに充実していくべきか。それから、免許更新制でございますが、これは現在、いろいろな団体や大学、教育委員会から提案や意見を募集して、それの整理中でございますが、そういった声を聞きながら検証して、今後の在り方を検討していただくということが2点目でございます。
 3点目でございますが、上記の、1番目と2番目のような取組を進める上で、教育委員会や大学をはじめとする関係機関、あるいは地域社会との連携・協働の仕組みをどう考えていったらよいかということでございまして、これは現在も一部の大学や教育委員会では進んだ取組をされていると思いますけれども、これをより広範に着実に行っていくためには、どういう環境を作っていったらよろしいか。あるいは、多様な人材の登用の在り方について、こういったことも併せて御議論をいただきたいと考えております。
 1枚めくっていただきまして、具体的な検討の体制でございますけれども、6月3日、総会で決定していただきましたが、同日、総会の下に「教員の資質能力向上特別部会」というのを設置していただきました。この委員につきましては、現在、三村会長や政務三役に相談しながら、委員候補者の方に内々打診中でございまして、すべての方から内諾をいただき次第、できれば6月下旬か7月の早いうちに第1回の会合を開催したいと考えております。
 今後の見通しでございますけれども、諮問の際、川端大臣から言及がございましたとおり、本年中を目途に議論をまとめていただき、一定の方向性を示していただきたいと考えております。その後、更にある程度時間をかけてじっくり議論をしていただく必要がございますので、年内におまとめいただいた方向性に沿って、具体の制度設計はもう少しお時間をいただいて御議論いただくということになろうかと思います。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。今、御説明いただきましたように、中教審に対してそういう諮問が出ました。総会の下に特別部会を作って、一応、方向性そのものは今年中に出せるように審議を進めるということでございます。
 ただ、初中分科会とは、これまで皆さんにいろいろと出していただいた御意見とも非常に関わりますので、審議が進んでいった段階で御報告いただいて、また皆さんの御意見をいただいて、その審議に反映できるようにしていきたいと、こんなことを考えております。
 ということで、今日はこの問題について、皆さんで議論するというわけではありませんが、諮問そのものについて、もし御質問があればお願いしたいと思いますが。よろしいでしょうか。
 それでは、もう一つだけございます。キャリア教育・職業教育の在り方について、これもやはり中教審の総会の下に特別部会が設置されて審議が進められております。5月17日に「第二次審議経過報告」が公表されておりますが、そのポイントにつきまして、上月課長からお願いいたします。

【上月生涯学習政策局政策課長】
 それでは失礼いたします。資料としましては、今、紹介がありました「第二次審議経過報告」の冊子、それから資料5としてポンチ絵で1枚にしたものをざっと説明させていただきたいと思います。
 まず、なぜこの問題に取り組んだのかということをいろいろなデータに基づいて審議をしたわけでございますが、冊子の179ページをお開きいただけますでしょうか。179ページの「各学校段階における卒業者・中途退学者の状況(一部推計)」というのがございます。これを見ますと、後期中等教育段階、ほとんど高校生でございますが、中途退学者が6.6万人、また卒業者の中でも一時的な仕事に就いた者プラス無業者が約9.9万人、それから就職者21.1万人のうち早期離職者が9.4万人という形になっております。
 さらに、高等教育段階を見ましても、現在、高等教育段階、大学を含めまして、中途退学者が増加している傾向がありまして、これも高校等の中退者とほぼ同じ数の6.6万人となっております。全体の数が後期中等教育は362万人、高等教育段階が329万人でございますので、かなりの中途退学者ということでございます。また、一時的な仕事に就いた者プラス無業者が11.4万人、あるいは早期離職者も最近増えていまして、大学等の高等教育段階においても4割近くが早期離職者という状態になっております。
 こういった若者の視点から見て、社会的に自立するということは大変厳しい状態になっているといったこと等を背景としまして、資料5のポンチ絵を御覧いただけますでしょうか。
 特に、初等中等教育を中心にポイントを説明いたしますと、昨年の第1回目の審議経過報告から進んだところといたしまして、ちょうど上の中ほどに、「発達の段階に応じた体系的なキャリア教育の在り方について」とございますが、その真ん中のところで、キャリア教育で育成する主要能力について4つ示しております。特に、キャリアプランニング能力というものを入れたものでございます。これらの能力を、その下に3つの四角がございますが、「後期中等教育における充実方策」の中で、基本的な考え方の1点目でございますが、この主要な能力につきまして、後期中等教育、ほとんどの生徒が高校生でございますが、後期中等教育修了までにはその能力を身につけさせましょうといったことを指摘しております。また、職業への円滑な移行準備等のための職業教育の充実、更にその下でございますが、このような話をしていきますと、高等学校教育全般の在り方についての検討も必要となっているということも指摘しております。
 その下は、高校における充実でございますが、キャリア教育で取り組むべき学習の観点の明確化。それから、キャリア教育を行う時間の明確化、これは現行の体制の中でできることもございますし、あるいは学習指導要領につながっていく話もあるかと思われます。その他、高等教育機関との接続等の問題、あるいは特別支援学校高等部における充実等々。さらにその下の四角でございますが、地域・社会との連携、産業界等との連携等についての指摘がございます。
 これを踏まえまして、高校等でのキャリア教育の充実が必要でございますが、特別部会といたしましては、これを踏まえまして、更に残された課題としましては、制度に関わるもの、例えば高等学校、高等専門学校の専攻科の在り方、あるいは専修学校における教育方策の在り方、更には高等教育段階における職業実践的な教育に特化した枠組みの在り方について、更に集中的な審議を行うこととしております。
 説明は以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。本日はもう時間がございませんが、まだこれは審議が進んでいきます。田村先生が部会長でありますし、また木村先生もこれに出ておられますので、これからまた審議が進んでいく中で、いろいろと御報告、御意見をいただいて、また生かしていただく、こんなことにしたいと思います。
 本日は大体この辺りなんですけれども、この初中分科会、せっかく皆さん集まっておられますので、これだけは、ということがあれば御発言をお願いしたいと思います。
 じゃ、髙橋先生。

【髙橋委員】
 ありがとうございます。学校現場を預かる一教育長として、日ごろ考えていることについて発言させていただきます。
 それは、高校入試の科目と中学校の教育課程についてであります。高校入試制度が9教科、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、外国語から、5教科、国、社、数、理、英に変更されて40数年が経過しております。受験する生徒の負担軽減、入試事務処理の簡略化、迅速化などがその理由だったと記憶しております。確かに、入試の事務処理は速くなったと思いますが、受験生である中学生の負担は本当に軽くなったでしょうか。受験は、しょせん競争です。試験の科目が減れば、それだけ狭い範囲の知識の競争になっただけで、生徒の負担が軽減されたとは思えません。中学生が9教科を学ぶわけは、この時期が心も体も成長が著しく、人としての多様な価値を理解するとともに、生涯学習への基礎を培ってほしいという願いからではないでしょうか。
 現在、多くの学校現場では、国、社、数、理、英の5教科を主要教科と呼び、音楽、美術、保健体育、技術・家庭の4教科をその他の教科、又は芸能教科などと呼ばれるようになっております。教科の存在価値とは、評価される場がきちんと担保されているかどうかにかかっています。高校入試は、その評価の場として大きな位置を占めることになります。中学校の学習活動は、高校入試を一様の目標にしていると言っても過言ではありません。内申書で評価されているといっても、高校入試の試験科目から除外された4教科は、必然的に教科としての価値が低く見られるようになったことは否めません。
 今、中学校の現場を見るとき、1つの教育の危機だと私は感じています。学校教育の中で、評価の高い教科と低い教科があってはならないと考えるからです。国際比較での順位は、教科を絞れば、国語、数学等の分野で優秀な生徒が出るとは考えません。優秀な人材は多くの価値観を持つ生徒たちから生まれるものではないでしょうか。生徒たちが多くの学ぶべき価値のある教育の中で、生き生きと学校生活を送る姿を期待しています。
 2つ目の危機は、地方のカルチャーの危機であります。今、どの市町村にも音楽、美術、スポーツ、技術・家庭等に関連する文化団体が活動しています。しかし、年齢層が高いのが目につきます。70歳以上であります。どの団体も発足当時は30から40歳代が中心だったと聞いております。本来そうあるべきです。カルチャーは、定年後からでは質の高い文化は育ちません。高校入試科目の9教科の復活は難しいとしても、プラス1教科、4教科の中から1教科を選択して、6教科制は考えられないでしょうか。教育基本法では、「教育は、人格の完成を目指し」で始まります。この人格に関わる教科が音楽、美術、保健体育、技術・家庭の4教科ではないでしょうか。
 その特色は、まず試験前に一夜漬けがきかない教科だと。習得するためには努力、辛抱、我慢を伴います。2つ目として、美しいものに感動する心など、感性を磨く教科であります。3つ目に、生涯学習につながる多様な価値を学ぶことができる教科でもあります。生きる力を育む特色のある4教科を、もう少し日の当たる場にと思い発言いたしました。
 機会、ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。この問題は、中学から高校、高校から大学への、1つは選抜の問題もありますし、もう一つは教育内容の接続、連続の問題がございます。ということで、ある時期、ちょっと初中分科会でも議論しましたが、この大変な問題が今、ほかの課題に押されていて、ということがございます。ということで、初中分科会でいつか議論する場を作るとか、あるいは教育課程部会で議論する場を作るとか、その辺をまた考えていきたいと思います。
 それでは、少し時間が過ぎました。今日の会は終わりにしたいと思いますが、次回以降につきまして、事務局からお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】
 次回の分科会でございますが、7月12日月曜日を予定しております。それで、まず、分科会長からお話しございましたように、次回、学級編制及び教職員定数の改善についての提言案について、おまとめの議論をいただきたいと思っておりますので、本日いただきました意見に加えて、追加の御意見がございましたら、恐縮ですが、25日金曜日、来週末までに事務局にいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、次回では障害者制度改革についての御意見の場も設けていただきたいと思っておりますので、お忙しい中恐縮でございますが、次回は11時から14時の間で、2時間ないし3時間ぐらい、御審議の時間をいただければと思っておりますので、また時間、場所につきましては確定次第、御連絡させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。ということで、次回、非常に大事なまとめの会、あるいは新しい議論の出発の会にもなるかもしれませんので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本日の会はこれで閉会にしたいと思います。皆さん、御苦労さまでした。

― 了 ―

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-- 登録:平成22年08月 --