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初等中等教育分科会(第68回) 議事録

1.日時

平成22年5月17日(月曜日)14時~16時

2.場所

旧文部省庁舎6階 第二講堂

3.議題

  1. 今後の学級編制及び教職員定数の改善について
  2. 公立高等学校の授業料無償化及び私立高等学校等の生徒への就学支援金の支給の現状について
  3. その他

4.議事録

【梶田分科会長】
 それでは定刻となりましたので、まだ、今、この会場にお急ぎの委員の方もおられるということでありますけれども、ただいまより、第68回初等中等教育分科会を開会したいと思います。
 まず、事務局から、配付資料の確認をお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】
 教育制度改革室の小谷でございます。それでは、私の方で配付資料の確認をさせていただきます。お座席の方に、座席表と議事次第を置かせていただいております。その4ポツで配付資料について記載しておりますが、資料1として、委員の名簿、資料2-1、2-2、2-3、2-4、本日の議題1に関連いたします学級編制・教職員定数の改善についての資料を配らせていただいております。それから、資料3-1から3-2、3-3、3-4として、議題2の高等学校無償化に関する資料を配らせていただいております。さらに、(参考資料)といたしまして、公立高等学校の授業料無償化パンフレットと高等学校等就学支援金のパンフレットを配らさせていただいております。そのほか、ドッチファイルでとめさせていただいておりますもの、机上資料として2件配付させていただいています。資料の不足等ございましたら、事務局にお申し付けください。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。本日は、議事次第にありますように、2つ大きな議題がございますが、初めの方の学級編制基準及び教職員定数の改善、これを本日メーンの議題にいたします。そして、後で、公立高等学校の授業料無償化及びそれに伴っての私立高校等の就学支援金の支給の状況につきまして、事務局から御報告をいただき、ちょっとこれについても意見交換をしたいと、こういうふうに思っております。
 それでは、学級編制基準・教職員定数の改善の問題について、皆さんで審議をしていただきたいと思います。前回の3月24日の初等中等教育分科会で、鈴木副大臣にも御出席いただきまして、この問題について審議を行いました。資料2-1にありますように、多くの委員の方々から大変有意義な御意見をいただいております。大変重要な課題でありますし、実は、この問題、中教審で長く取り組んできた問題でもあります。教育諸条件の整備という中で、人的な面での整備というのは、これはもう一番大事な部分でございますので、中教審としてしっかり審議すべきという、そういうお話が皆さんのほうからたくさんございました。
 また、鈴木副大臣からも、学級編制基準、あるいは教職員定数改善の考え方を何とか来年度の概算要求に反映させたいというお話もございました。そういうことで、ちょっと先のスケジュール的なことを申し上げますと、何とか7月の中旬には、この初中分科会としての提言をまとめて、それに基づいて文部科学省から概算要求をしていただきたいと考えております。毎月1回、この5月、6月、7月という形で行えば、前回も随分良い御意見をいただいておりますので、何とかこの初中分科会としての提言がまとまってくるんじゃないかと思っております。そういう見通しで本日も議論していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 では、まず最初に、文部科学省がこれまで実施されました関係団体や有識者からのヒアリングの概要や国民の皆さんからの意見募集の概要、これにつきまして御報告をお願いしたいと思います。髙橋財務課長、お願いします。

【髙橋財務課長】
 それでは、資料2-2、こちらを用いて簡単に御報告いたしたいと思います。実は、資料2-2の表紙にありますように、大きく4つのチャンネルで意見を集めております。1つは、教育関係団体、1つは、地方三団体、そして、有識者6名の方、最後に、国民からの意見募集を行いました。その1から3の内容は、机上の薄い方のドッチファイルに各団体からいただいた資料などを全部とじておりますが、今日はこの概要版で御説明をしたいと思います。
 まず最初に、教育関係団体からの意見概要ですが、これは、実は、3月24日のこの分科会で、既に21団体分について報告をさせていただきました。その後、日本PTA全国協議会、全国高等学校PTA連合会、日本教育大学協会の3団体のヒアリングを追加いたしまして、その3団体の意見は、1ページから8ページまでに適宜追加をさせていただきましたが、大筋既に説明をいたしておりますので、8ページ目までの教育関係団体の説明は、今日は割愛をさせていただきたいと思います。後ほど御覧いただければと思います。
 それでは、9ページ目のところでございますが、今回地方3団体、教育委員会の団体は教育関係団体としてヒアリングいたしましたが、それとは別に、知事会、市長会、町村会の代表の方からも御意見を賜りました。概要を9ページにまとめましたが、全国知事会からは、学級編制に関しては、当面は35人学級、最終的には30人学級を目指していただきたい。それから、特別支援学級の編制基準についても、当面の現行の8人を6人ぐらいを目途に引き下げてはどうか。それから、ぜひ地方の意見を反映した次期定数改善計画の早急な策定、実施を求めると。さらに、権限移譲の関係では、現在、政令指定都市には人事権が既におりておりますが、給与負担は県ということになっておりますので、そのねじれを解消して早急に一元化をしてほしいと、こういった御意見が寄せられました。
 全国市長会の方からは、このときは岐阜の市長さんが代表でおいでいただきましたけれども、岐阜の場合には35人学級を実施しているけれども、これは県独自の財源であって、県の財政、自治体の財政によっては差が生じる。これが教育の機会均等の観点で本当に適切なのかといった問題提起がございました。また、国の加配の配分の哲学が時としてあいまいになるので、この加配についても今回しっかりと見直してほしいという御指摘がございました。それから、市の立場としては、各地域ごとに柔軟な、多様な対応が可能になるように、学級編制の権限や教職員定数の決定権を市に移譲してほしいといった御意見がございました。それから、知事会から提案があった人事権と給与負担の一致というのは、中核市についてもぜひ検討してほしいと、そういった御意見がございました。
 全国町村会からは、現行の40人を35人に引き下げること。併せて特別支援学級や複式学級における編制基準を引き下げること。LD・ADHDなどの児童生徒に対する特別支援教育の充実の観点からの定数の拡充、こういった御意見が寄せられました。
 10ページ目からは、6人の有識者の方々の意見の概要をまとめております。これも適宜とじ込んでおります各先生方の資料を見ていただきますと、より多くの情報が入っておりますが、ここではかいつまんでポイントだけにとどめますが、10ページの上の山形の教育委員長の長南様からは、山形県では、8年前から33人学級を導入して、導入前後を比較すると、学力の平均が向上した、不登校の出現率が下がった。欠席率も低下したと。山形県の場合には、少人数学級の政策効果が現れていると、こういう状況を踏まえて、当面は35人学級、最終的には30人学級を目指すのがよろしいのではないか、そういった御意見がございました。あわせて、特別支援学級や複式学級の標準の引き下げ、さらに、社会性をはぐくむという観点から、あまりに少ない学級集団になり過ぎないような下限の配慮も必要だと、そういった御提案がございました。
 藤田先生からは、小学校で30人、中学・高校は35人といった具体的な提案とともに、現行の小中学校の定数は学級の数が基本になっておりますが、そうすると、1人変わると、例えば40人が41人、80が81、1人変わっただけで学級数が変わって、定数が変わるといったこともあるので、むしろ、学校の児童生徒数で算定するといった、算定方式の見直しも必要ではないか。それから、加配などについても、設定された数を一括配分した上で、実際の運用は各学校に任せるのが望ましいのではないか、そういった御提案をいただきました。
 それから、下から2つ目の○ですが、教員のアンケートでは、大きく4点、学級編制の標準の改訂に基づく定数改善、新学習指導要領の授業時数等に対応した定数の改善、それから、副担任・少人数指導、教頭・副校長、特別支援教育担当教員などの充実、事務職員・養護教員の充実と、こういった御提案がございました。
 11ページ目で、経済評論家の勝間様からは、御自身が少人数学級をテーマに一般の方から意見募集して、それを取りまとめたときの経験から、教員を増やすという場合には、財源がどのくらい必要かといったことをしっかり出していって、それについて国民のコンセンサスを得ることが必要ではないかと。少人数学級を実現するときの具体的な手順、進め方についての御提案がございました。それから、昔は50人でもうまくいっていたといった、昔はこうだったという意見がよくあるけれども、現在の我が国を取り巻く国際環境などを考えると、それは適当ではないと。むしろ、欧米諸国並みにすることを目標とすべきではないのか。それから、これも、一番下の○ですけれども、例えば少人数学級によって何がどう変わるのか。基礎学力がつくことによって、保護者にとってみれば、塾の支出が減ると。つまり、経済的なメリットがあると、そういった国民に対しての説明の仕方ということもしっかり考える必要があるのではないか、一つはそういった視点からの御提案もございました。
 それから、国立教育政策研究所の山森様から、さまざまな少人数学級の政策効果のレビューをしていただきまして、最近の国研の調査でも、学級規模が33人以下といった一つのケーススタディで、少人数学級ですと家庭学習への取組の意欲であるとか、生徒が先生に何でも話せる雰囲気の醸成とか、そういった研究の成果が上がったという御報告。それから、学級の規模を少なくすると、その学年当たりの学級の数、学級数が増えると。この学級数が増えるということによって、例えばクラス替えのときのバリエーションが増えるとか、様々な生徒指導上の問題、生徒同士の人間にかかわる問題が解決しやすくなるといった効果もあると。そういった御報告もございまして、必ずしも何人がいいということを言うのは難しいけれども、少人数学級の効果はあるといった御指摘がございました。
 12ページ、小川先生からは、非常に多岐にわたる御提案をいただきました。日本の学級の場合は、教科指導のみならず、生徒指導といった観点の位置づけもあるので、それは世界的に見ても高く評価されている日本独特の位置づけになっているが、最近は教員の業務内容の多様化、児童生徒の変容によって非常にそこが変わってきていると。日本における少人数学級の実現というのは、アメリカなどと比べても、より切実な課題ではないかといった御提案がありました。また、平成13年以降、各都道府県で独自の少人数学級の取組が進んでいるといったことの検証を踏まえて、30~35人学級をベースとしつつ、教科によっては15~20人前後の少人数教育を適宜組み合わせる進め方というのが、日本の生活集団と教科指導の集団というのを合わせ持つといった学級機能から見て適切ではないかといった御提案がございました。そういったことも踏まえて、具体的には、小学校低学年を30人、それ以上は35人といった編制にした上で、具体的にどういう形で行うかは、自治体の実情、取組の工夫を促す、こういった弾力化が必要ではないかと。
 それから、単に学級編制や定数改善を行うだけではなくて、その定数改善、学級編制の改善が教育効果向上にどう結びつくのか。現場がそういった問題意識をしっかりと持って、効果検証に取り組んでいくといったことも必要であると。先ほど藤田先生から御提案があった、定数算定の方法については、日本の場合、やはり学級数がベースということを基本としつつ、新たに児童生徒数を加味するようなことを考えてどうか、そういった御提案もございました。
 最後に、大阪大学の赤井先生からは、少人数教育、あるいは少人数学級、そういったものがどういった達成目標なのか。それを実現するために、最も効率的な手法なのか、そういった視点からの分析、説明が必要ではないか。また、現在の40人とか、35人とか、学級の編制の数字でコントロールするのを、いわばインプットコントロールとすると、これからはアウトプットのコントロールへ移行していって、常にその達成度合いをチェックし、それが達成できていないときには、むしろ国が積極的にそれに関わっていくと、そういった今後体制づくりも視野に入れる必要があるのではないか、そういった御意見もあったところでございます。
 非常にかいつまんだ説明で恐縮ですけれども、今御説明いたしましたのが6人の有識者の方からの概要でございます。
 最後に、13ページでございますが、国民からの意見募集、これは実は、まだ今、集計中でございますので、今日は中間報告で計数の報告にとどめたいと思いますが、3月18日から4月16日で約1,020通の御意見が寄せられました。男女はほぼ半々で、年齢的には40代、50代の御意見が多かったようでございます。属性とすれば、保護者と記載された方が17%、学校の教職員という方が57%で、学校の教職員の方が過半数という状況でございます。その他に記述された方、それから、記述されてなくて不明の方もいらっしゃいます。これについては、少し属性別にどんな御意見、傾向の違いがあるかなど、もうちょっと分析をいたしまして、また次回にこれの細かなものを御報告したいと思いますので、今日はこのページの説明だけにとどめさせていただきますが、やはり標準40人は30人以下にという意見が大変多かったといったことを一言付言しておきたいと思います。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。これまで、関係団体から、また有識者の方から、それから、国民の皆さんから御意見も多く寄せていただいて、今、これを整理しているわけですが、結論的に言えば、もう少し人の面で、教育の条件を整備すべきだという、そういう前向きの方向のように思います。また、この前の初中分科会でも、そういう方向で議論していただいたと思います。ただ、大事なのは、この我々の分科会に課せられているのは、それをどういう整理の仕方で国民の多くの人に分かっていただくか、また、財務省に分かっていただくか、こういうことだろうと思うのですね。御承知のように、8百何十兆円も国が借金を持っている中で、何が何でも人をくれ、何が何でも予算を増やせ、と言ったって、これは通らない話です。こういう必然的な理由があるから、やはりまず、人の面でのこういう施策を重視した形でやってもらわないと、日本の学校教育はどうにもならなくなりますよと。そして、それは、ひいては日本の社会そのものが沈没していくことになりますよという、こういうことだろうと思います。
 これはもう初中分科会の皆さん、御存じのとおりのことですけれども、大臣が代わっても、政権が代わっても、中教審初中分科会としては、少なくとも2001年に新しい大型の中教審が成立してからずっと一貫して、教育をやはり本当に本腰を入れて前進させなきゃいけないということを言い続けてきました。それにこたえて、文科省の方でも、2001年には、「21世紀教育新生プラン」を出されて、いろいろな面での見直しをしながら新たに充実した教育にもっていくんだと。また2002年には、遠山大臣の「学びのすすめ」というアピールが出され、そして、2003年頃からでしょうか、様々な形での学力向上推進事業をやり、そして、それを踏まえて2008年1月には、新しい学習指導要領の中教審答申が出され、幼小中については同年3月に告示され、という流れでやってきたわけです。
 そういう中で、これまでの日本の教育にちょっと緩みがあったということを確認して見直し、もう一度本気で学校教育を充実させなくては、という議論がなされてきました。以前は、日本の学校教育というのは世界的にもう栄光に輝いていたわけです。しかし、いつの間にか日本より韓国の方が、シンガポールの方が、マレーシアの方が、ベトナムの方が、という感じになってしまっています。それはさておき、何とかもう一度日本の教育の輝きを取り戻そうという流れの中で、とりあえず、優れた教師を現場に数多く、ということだろうと思っております。
 そういう中で、今まで出てきた論点を資料2-3の形で、まとめております。今日は、これを手がかりとして議論していきたい。これはまだ、きれいに順序よくまとまっているわけではなくて、論点として大事なものが挙がっているだけのものですが。これを事務局のほうで御説明いただきながら、皆さんに、この辺の論点として上がってきているところ、もちろんそれ以外のことも結構ですけれども、御意見をいただきたい。さっき申し上げたような一つ大きな文脈の中で、日本の教育をより一層力強いものにしていくという文脈の中で、人の問題を、優れた教師の現場への手厚い張りつけ、ということをどう実現していくか、そういうことで御意見をいただきたいと思います。それでは、資料2-3、2-4についての説明を事務局からお願いいたします。

【髙橋財務課長】
 資料2-3、2-4について簡単に御説明いたしますが、今、梶田分科会長からお話があったとおりでございまして、特に一番の学級編制・教職員定数に関する基本的な考え方、仕組みのところ、ここを特にこの分科会でいろいろと御意見を賜ればと思っております。あくまで例示として5つだけ挙げておりますけれども、先ほどヒアリングでもありましたように、今の学級数のベースにするような考え方を今回どう考えるかといった点。あるいは現在6万人になっております加配の扱い。一方で、この加配による指導方法の改善というのは、ヒアリングでは、教育委員会等からもぜひ継続すべきという意見もございました。そういった扱いをどうするのかと。それから、3つ目の○では、これも従来からの検討課題になっておりますが、学級編制の基準設定権、こういった権限を市町村に移譲していくことについてどう考えるか。さらに、現在、学級編制の標準の40人というのは、実質的にはそれが上限のような形で運用されておりますけれども、そこの弾力化ということをどう考えていくのか。こういったところもヒアリングでもいろいろと御意見をいただいているところでございます。
 それから、4点目、5点目の○は、より本質的なことになると思いますけれども、今回のこの定数改善、学級編制の標準、分科会長からお話がありましたように、最初に数ありきではなくて、一体どういう教育を目指していくのか。特に最近では学習指導要領の改訂、あるいは様々な教育課題の発生、こういったことを踏まえてどういった対応をしなければいけないのかと。それから、特に学級編制・教職員定数の在り方と指導方法の改善の関係をどう考えていくのか。こういった論点もあろうかと思います。まず、こういったところについて多面的な御意見をいただければありがたいと思っております。
 そして、そういった議論を踏まえた上で、現行40人といったこの編制標準をどうするのかと。これもヒアリングや前回のこの分科会でも意見が出ておりましたが、小学校の低・中・高学年といった区分や中学校、高校といった、学校種ごとに学校の特性、あるいは児童生徒の発達段階に応じて適切な数が違うんではないかといった御意見もありましたので、その辺りは少しそういった観点も踏まえて御議論いただければと思っております。
 それから、2ページ目には、教育課題に対応した教職員定数の充実というタイトルにいたしましたが、この丸1から丸11というのは、今回のヒアリング、意見募集を通じて出てきた御意見がほぼ網羅されているものでございます。いずれも、それなりに必要性は分かるのですが、これを全部やろうとしますと、膨大な財政が必要になるということで、おそらくはこの中からより緊急性の高いもの、重要度の高いもの、優先順位をつけて対応していく必要があろうと思います。どの学校種のどういったところが今一番求められているのか。そういったプライオリティーについても御意見をいただければと考えております。あくまで今後の検討の少し例示の論点として示せさせていただきましたけれども、これにかかわらず、幅広く御意見をいただければと思っております。
 そういった議論を進めていく上で若干の参考資料を2-4という形で準備いたしました。これは、前回の分科会で配付した資料に、その後少し追加した資料がございますので、追加した資料について簡単にコメントいたしたいと思いますけれども、まず、9ページを御覧いただきたいと思います。これは学級規模の資料で、8ページは前回小中ごとに出しておりましたが、9ページ、これを学年ごとにちょっと分析しております。タイトルが、公立小中学校の学校規模別となっていますが、学級規模別の誤植でございまして、申し訳ございません。小学校の場合は、各都道府県で、特に低学年においては、少人数学級を進めているということもあって、既に30人以下学級の比率が6割近くになっております。中学年、高学年は30人以下はまだ3分の1から4割程度でございますので、小学校の低学年では少人数学級の取組が進んでいるということが見てとれると思います。
 10ページ目は、このような取組を都道府県ごとに見たものでございます。少し見にくい資料になっていて恐縮ですが、棒グラフが薄いブルー、その上に濃いブルーが重なっておりますが、この薄いブルーのところは、もし、各都道府県が独自の少人数学級の取組をしていない場合、単純に40人学級であったとすると、どのくらいの子どもが35人以下学級に在籍することになるのかという、一種の理論値でございます。現実には、各都道府県様々な独自の少人数学級の取組が行われておりますので、実際の35人以下学級の子供の比率はその理論値を上回っておりますので、その上回っている部分がこの濃いブルーに表されていると。100パーセントになっている県が小中とも幾つかございますが、こういった県は、全学年を35人以下学級に県独自の取組で実施していると。そういったデータで、これは都道府県別に見たものでございます。11ページは、30人以下に着目して、それを見たものでございます。
 ちょっと御留意いただきたいと思いますのは、各都道府県の取組というのは、少人数学級以外にも、少人数指導や習熟度別指導の充実などに当てられているといった場合もありますので、これはあくまで一つの側面で見て、その県の施策をこれだけで評価することはできない。ただ、少人数学級という観点から少し定量化すると、こういった数字になっているというものを今日は提示させていただいております。
 それから、先ほど論点のところで加配の定数の話をいたしましたので、17ページには、現在の加配定数がどういった内訳になっているかという資料も載せております。これは、毎年毎年の改善によって、特に22年度4,200人という大幅な改善をいたしましたので、現在6万人を少し超えておりますが、そのうち3分の2の4万1,000人は、一番上の指導方法工夫改善の加配になっていると、そういったデータでございます。
 それから、飛び飛びになって恐縮ですが、22ページでは、これもヒアリングでは、特別支援教育のための通級指導の充実、あるいは外国人のための日本語指導の充実、こういった意見が多かったのですけれども、実際にそういった指導が必要な子どもがどうなっているかと。実は、両方とも特に近年急速に増加している傾向がございますので、こういったデータを追加いたしました。
 それから、小学校での理科を始めとする教科担任制の充実といったこともありましたので、24ページに小学校における教科担任制がどうなっているのかというデータも今回追加いたしました。一番教科担任が多く導入されている教科は、音楽でございますけれども、下の折れ線グラフを見ますと、最近は比較的理科の教科担任制を導入する学校が増えてきていると、そういう傾向が見てとれるかと思います。
 それから、最後に、31ページを御覧いただきたいと思いますが、最近国会で、義務教育学校で正規教員に比べて非正規教員、これは1年の任期の臨時教員や、いわゆる時間講師の非常勤講師等のウエートが高まっているのではないかという議論がございまして、こういったデータを整理いたしました。31ページの下の比率で見ていただきますと、いわゆる正規でない教員、17年度の9.1から、現在11.1パーセントで2パーセントほど増えてきております。それを都道府県別に見たのが次の32ページのグラフでございます。これも全国的に見ると、正規教員、ここでは定数に対してどのくらい正規教員が配置されているかということを指標化しておりますが、かなりばらつきがあるということは見ていただけるかと思います。ただ、先ほど10ページのところで独自に少人数学級をやっている。実は、東京都は21年度までは独自の少人数学級の取組をしていませんでしたので、10ページのグラフですと、東京都は濃い青い部分がなかったんですが、一方で、東京都は唯一100パーセント以上定数に対して正規教員を配置しているといったところもございますので、これも各都道府県の取組の一つの側面を見るものということで御覧いただければと思います。
 以上、大変駆け足でございましたけれども、資料2-3の論点と、それに関連する若干の資料、これに基づいて御審議進めていただけばと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。この資料2-4は、この場でもまた見ていただくといいんですが、とっても示唆に富む部分がございます。例えば学級編制基準、何度もこれを引き下げようということで、この初中分科会でも話が出て、幻の第何次ということでの交渉もしていただいたりしました。これはやはり考えなきゃいけない点です。しかし同時に、既に都道府県レベルで、学級編制基準40人という上限を、実際にもう少し下の方にもっていくような手の打ち方をやっておられます。これが、10ページ、11ページ見ていただきますと、いろんな形で出ています。ちょっと例えには良くないかもしれませんが、財政力が貧しい鳥取県でも、私は鳥取県で幼小中高出たんですけど、片山前知事のときに公共工事を削って、人の方に回して、随分少人数学級が普及しているということもございます。
 このような実情を頭に置いていただきまして、かなり県によっては弾力化も進んでいますが、これをより一層前進させるにはどうしたらいいかという、その辺でいろいろと御意見をいただければと思います。
 資料2-3に戻っていただきたいんですが、ここに先ほど髙橋課長から御説明いただきましたように、大体今まで出てきた論点、大事なものが整理してあります。これ、それぞれごとにやってもいいんですが、全部関連する部分もありますので、この資料2-3を全部御覧いただきまして、どこからでも結構です、ともかく人的な面でより一層教育の条件整備を進めるということにつきまして御意見をいただきたいと思います。
 それから、資料についてもし何か御質問があれば、併せてお願いしたいと思います。どなたからでも結構です。じゃあ、角田先生。

【角田委員】
 ありがとうございます。この定数の問題については、もうこの中教審でも、あるいはその前のワーキングチームなどでもかなりこの検討してきて、いいところまでいくんだけれども、最後なかなかその結果が伴わないということがありまして、非常にある意味ではじくじたる思いをしたことが何度かあるわけでございます。今回の議論でもそうなんですけれども、1学級の人数を、例えば30人がいいとか、あるいは20人ぐらいがいいんだとかという話は出てくるんですが、例えば30人にしたときに、31人になれば16人と15人にならなきゃいけないとか。20人の場合はもっと少なくなりますね。そうしたときに、学級として果たしてちゃんと機能するのかどうかという問題。それから、教科によっても、理科の場合だとか、国語の場合だとか、算数だとか、小学校ですけれども、それによってもやっぱり違いがあって、国語などではある程度意見がたくさん出たほうが内容が深まるというふうなこともあるし、算数などでは人数が少ないほうがいいというふうなこともあるわけで、一概に学級の定員を何人にするかという問題だけでは解決のつかないことではないかと思っているんです。
 そこで、これはその以前からの会議の中でも出てきたことなんですけれども、小学校の教員定数のつけ方について、中学校と同じぐらいの教員配置の数をつけてもらえると、かなりいろいろなことができるのではないかと思います。これは、それぞれの学校なり、その市町村が使い勝手のいいような使い方をするいうことが、国で一律に決めるということよりも、使い勝手のいいようなやり方を現場に任せるんだと。こういうふうな発想というのは、まさに地方主権といいましょうかね、分権といいましょうか、そういうふうなことの考え方にも通じることだと思います。
 先ほどの資料2-4のところの16ページのところに、「教職員定数の算定について(義務)」というのが出ております。なかなか分かりにくいことなんですけれども、小学校は、学級掛ける1だとか、1.25とかいうふうな数なんだけれども、中学校の方は、それに比べるとかなり多くなってきているわけですね。これがどのぐらいがいいのかということについては、もう少し検討する必要があるけれども、一応一つの見通しとしては、中学校に近づけるような措置をとることが、小学校の中で、学校によってはチームティーチングにする、あるいは教科担任制にする、そういったようなことにつながってくるのではないか。そういうことの権限は、校長先生にお任せをするとか、あるいはそれが心配であれば、それぞれの学校が申告をして、それに対して教育委員会が認可を与えると。その結果についても、こういう成果が上がったということの報告を求めるというふうな形をとっていけば、私はいいのではないかと思いますので、ぜひ学級定員、数、学級の規模ということよりも、教職員定数といいましょうか、学級に合わせた教職員定数をどういうふうに改善するか、こういったようなところで御検討いただいて、それぞれの学校なり、市町村の教育委員会に使い勝手についてはお任せをするというふうにしたほうがいいのではないかと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。それでは、曽我先生。

【曽我委員】
 意見を申し上げさせていただくんですが、小川先生のヒアリングの中で、「日本の学級を基盤にした生徒指導と教科指導の一体的取組みは海外からも高く評価されている」って、まさしくここが一番の問題点というか、一番のポイントだと思います。というのは、学校で、今、学力が下がったといったときに、学科学科学科ってなるんですが、そうすると、大体PTAの保護者が物を言い出すと、塾の先生で一番教え方が上手な人を連れてくれば良くなるじゃないか。だったら、学校は塾のように学科だけ教える学校に特化したほうがいいのか。それとも、もっともっと生徒指導も含めてすべての教育というところでこの学校を進めるのがいいのかということになってくる。生徒指導まで含めたところで学級編制とか、子供たちの指導まで考えた編制を考えていかなければならないというふうになります。
 それと、学科の指導の部分とは少し微妙に違う部分が出てきますので、この中でも書いてありますように、学科によって少人数でやらなきゃいけないもの、ある程度大人数でやった方がいいもの、社会モラルを守らせるためには、集団行動をきちんとやらせることもきちっと学校の授業の中でやった方がいいものというふうにいろいろ分かれていくので、それだけのことをやるためには、一つの学校にどれだけの先生が必要かということになってくる。学級編制の中にどのぐらいの先生が必要になるかって、また逆算ができてくるような感じがいたします。その点もきちんと話をしないと、学科さえ良ければいい学校を目指すことを保護者が頭で思い始めたら、学校の中でいろんな秩序って全く崩れていく。今までの日本の学校のよさというのは、まさしくこの一体的取組から日本人という人間像が出てきたと思いますので、ぜひここを大事にしていただくために、学校は学科も良くなり、なおかつ子供たちがより良い大人になっていくところまでもうまくできている。それだけの役割を先生が担わざるを得ないので、これだけの教職員定数が必要ということをしっかり言っていただくと、保護者も非常に分かりやすくなってくるのかなと、学校と塾の違いというのは、やっぱり明快に分けていかなければならないと思っております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。新しい学習指導要領でも、「豊かな心」、「健やかな体」、「確かな学力」、これの三位一体の教育をするということをうたっているわけですね。ですから、そこのところを御理解いただいた上で、塾とやっぱり機能が違うということを、どっちが上とか下という意味じゃなくてね、言っていかないといけないだろうと思います。ありがとうございます。それでは、市川先生。

【市川委員】
 結論としては、私は、もちろん大賛成で、先生の数が増えて、子供との比がもう少し良くなるようにと。ただ、これを非常に単純な論理で言ってしまうと、あまり説得力が今、ないんじゃないかという気がします。先生の数を増やして、子供との比を改善した方が、先生が丁寧に子供を見られて良くなるはずではないですかくらいだと、今、なかなか通用しない気がします。実際に少人数をやったときでも、じゃあ、クラスサイズが小さいところが本当に成績いいですかと言われたときに、必ずしも明瞭な相関関係がないと。大きいところでもかなり成績がいいところもあれば、クラスサイズが小さくてもそんなに良くないところもあると。それはただ機械的にクラスサイズを小さくすればいいというものではなくて、小さいなら小さいことを活用した教育をなさっているところがやっぱり成果を上げているんだと思います。
 学力の面を一つとっても、先生が一斉に何か説明をして理解させるというようなときには、ある程度大きくても効果はそんなに落ちないだろうと。ところが、その先、例えばなかなか分からない子供に一人一人丁寧に見るとなったら、これは明らかにクラスサイズが小さい方が一人一人の子供を丁寧に見ることができる。それから、また、発展的な課題で、かなり一人一人に付き添って何か独自の課題をやるというような、大学では卒論のようなものになりますが、そうなれば、もちろん先生の数がたくさんいらっしゃって、一人一人の生徒を見られるという状況の方がいいと。ですから、どういう教育システムをするのかという、そういうメリハリをつけたものを提案することによって、説得力が出てくるんじゃないかと思います。
 私が見た横浜のある小学校ですけれども、それは非常にフレキシブルにやっていらっしゃって、例えば1学年70人だとすると、ある場合にはもう2クラス一遍に集めて何らかの説明をしたり、先生が援助をしたりすると。これはもう70人一緒にやっているんですね。じゃあ、その先というときに、35人ずつに分けたり、そこに1人入れて3分の1ずつにしたり、場合によると一番細かいときは6分の1というような、そういう非常にフレキシブルにやっていらっしゃるので、先ほどの御意見もありましたけど、ある程度の人数がいた方が多様な意見が出て良いと、というようなときにはそういう編制をすると。一人一人を細かく見たいときには小さな編制にする。そういうシステムをちゃんと入れますと、実際に入れていらっしゃるところがあれば、その成果も出した上で、最終的にはたくさん先生がいらっしゃる方がそういうことがよりフレキシブルにできますので、そういうシステムを導入するということをセットにして、だから、成果が必ず上がりますというふうにしたほうがよろしいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。

【向山委員】
 3点申し上げます。1点目ですけれども、大変大多数の方がこの定数改善について賛成ということがあるんですが、これは財務省なり、国会議員の方々を説得するには、もう一歩やはり根拠が必要だろうと思います。追い風にしたいのは──追い風にしたいというか、今回40年ぶりに授業内容を増やす新教育課程になるわけであります。この新教育課程が40年ぶりに増えるということは、ある種の反作用もあるわけです。内容が増えますから、どうしても理解がしにくい子供たちも出てくる。その一部が不適応症状を起こすことが出てくるわけです。教科書の厚さが図工や家庭科も含めて平均25パーセント増えるわけですね。算数や理科は30何パーセント増えると。つまり、これまで100ページだった教科書が136ページ、上下巻でいくと70ページぐらい増えると。これは国民の皆さんもこういうものがこれだけ増えたというと、あっ、なるほど先生たち大変なんだ、子供たちも大変なんだということを文科省ももっと説明をしていただいて宣伝していただいて、だから、十全な人的条件整備が必要だという、そういった形でぜひやっていきたいと、こう思います。
 2つ目は、国庫負担制度との関係なんですけれども、やっぱり国の方が、例えば今回4,200人やっていただきましたけれども、最終的に都道府県が条例改正もして、これを具現化するというのは大変な御努力が必要でありますし、それは都道府県の財政負担によってなかなか実現しないところもあるわけです。これは3分の1が国庫で、あと3分の2が都道府県となると、どうしてもその辺がいかないと。ですから、併せて国庫負担制度の問題もいかないと前に進んでいかないと思います。
 それから、3点目ですけれども、権限の移譲の問題であります。今回も大阪府の北摂地域というんですかね、北側の地域の3市2町ぐらいのところ、文科省も認容するということで回答したようでありますけれども、やはり前に中教審でも議論したわけですけれども、都道府県全体で見ると、中核市とか、政令市はそれはなかなか先生たちまとめやすいし、いいとは思います。でも、山間僻地を持っているところも当然あるわけであります。そういったところにいい教員が集まるかどうかというのはなかなか難しい。ですから、こういう権限移譲していくときには、県全体で見て機会均等が保たれるか、いい教員が確保できるかどうかということをぜひ併せて検討していただきたいと。
 つけ加えになりますけれども、私の同期で大学を出たのが長野県で教員やっていましてね。最初は山間僻地に赴任しました。次、都市部に行きました。教頭になってまた山の中へ行く。そして、2校目は県庁の近いところに行く。そして、新任校長になってまたやはりなかなか大変なところに行くと。それは長い間で見ると公平性が担保されていたというか、その教員のモチベーションにもつながっていったわけです。それをいいとこ取りだけしてそこで人事をやってしまったら、ほかの周りのところはどうなるかという、そういういろんな問題もあるんだろうなと思います。ですから、その辺はぜひセーフティネットみたいなものを含めてやっていただきたいと思いますね。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。今、ちょっと出された問題、これは人を増やすだけでは済まないということ、どう人を張りつけていくかという問題、これは実を言うと、これは前の第4期の中教審では教育制度分科会で随分議論されたわけですね。中核市までは人事権を下ろしていいんじゃないかとか。こういうのはもう答申の中にも出ているんですね。しかし、その場合でも、中核市でいい先生を囲い込んじゃったらね、例えば長崎県だとか、鹿児島県だとか、沖縄県、離島の多いところはどうするんだとか、県の中に多くのへき地を持っているところはどうするんだということがあります。今、ちょうど向山先生がおっしゃった、全県的なといいますか、広域での人事、先生の、いわば質を、ベテランがある程度いなきゃいけないとかね、そういうことを含めて、どういうふうに公正、公平にもっていくか、ということがあります。これと同時に、学校に近いところでできるだけ人事をしていただくという地域主義も考えなくてはいけない。この両方のバランスをどうとるかということが議論になっていたわけですが、第5期になって、実を言うと、ちょっと途切れているんですね。
 今おっしゃいましたように、ある種特例みたいな形で大阪府の北部の豊中とか箕面とか豊能、私の住んでいるところなんですけどね、それが人事権を持つということになりました。これは大阪では一番の住宅地ですので、恵まれているところです、だからできる、という面があります。実際には、もう何十年前からね、もうそれぞれの町の中でしか教員人事をやっていないのです。私は箕面に住んでいるのですが、箕面で就職した教員は定年まで箕面なんです。だから豊中と箕面では、教頭、校長になる年齢が5歳は違うと言われています。中だけで昇進人事もやっていますから。そういうことの追認みたいな面もあるわけです。
 ただ、今、ここで我々が議論している教員の人的な配置をできるだけ手厚くしようという、この議論を表に出して、多くの国民の皆さんに御理解を深めていただくためには、人の張りつけの仕組みみたいなものも避けて通れない、というふうに思います。もし皆さん、こういう問題につきましても御意見があればお願いしたいと思います。
 はい、渡久山先生。

【渡久山委員】
 1つの観点は、やっぱり子ども、児童生徒の立場から見て、例えば、今度の、学習指導要領が新しくできましたけれども、これは授業時数も増えますし、いろいろな教科の内容もより高くなっているというのはもうこちらでも議論したことなんですが、それをきちっと消化して習熟度や学習効果を上げていくためには、同じく定数改善も同時に答申されているんですよね、中教審では。ですから、あれだけのことをやっていくには、それだけの条件整備も必要だよというような面で、教職員の定数問題については、いろいろ職種を挙げて指摘したところですよね。そういうことで、今度の問題ではそれが非常に大事じゃないかと思いますね。
 それは、一つの日本の子供たちの学力問題ですね。非常に気になるわけですが、もう小学校から大学、あるいは大学院まで、これは非常に未消化のままにどんどん進級、進学していっているというようなことで、今の大学入試の問題でも、ほとんど教科で落ちるということがほとんどないというくらいまでにやられている。これは国際競争力の問題でも大きな問題を提起しているわけですね。そういう面では、子供たちの学力問題をどうするのか。要するに、今、特に義務教育における学習指導要領の習熟度をどこまで上げていくのかということは非常に大事なんですね。そのためにやっぱり少人数学級だとか、あるいは少人数授業、あるいは小学校における教科担任、今、課長の話では理科が増えてきたというんですが、あれもある程度考慮していきながら、数の問題と、それから、そういう質の問題が問われていると思うんですね。特に小川先生のあの問題提起の中には、日本の教員は教科指導だけでなくて、生活指導までやっているわけですね。特に今度、ここにある資料2-4の21ページには、学校が抱える問題状況がずっと出ていますよね。ですから、それだけ困難な状況というのが学校現場にあるわけですよね。それをそのまま見過ごしながら、教育活動があってはいけないと思うんですね。これをどう解決していくかという面では、第一義的には人の問題というのは非常に大事なことだと思います。
 それから、2つ目には、もう一つの人の問題で観点を変えてみますと、ILOユネスコの教員の地位に関する勧告というのがございますが、それは教員の週における持ち時間数、それから、持ち時間数と同時に、やはり教科、あるいは教授指導に対してどれぐらいの準備や教材研究をするのかと、ほぼ倍になっています。それが公務という形で、例えば日本の場合だったら、週40時間労働ですからね。そうすると、週40時間労働の中でどれくらいの時間をどこに当てていくのかというような観点で、教職員、あるいは特に教員の数が適当かどうかというのは吟味されていいと思うんですね。
 3つ目は、今、学校の教育活動というのは非常に多岐にわたっていますよね。生活指導だけじゃなくて、いろいろ問題がある。例えばいろいろ最近問題になっています給食費の問題ですね。今、学級担任が取っているんですね、基本的には。もちろん、振り込みもありますけど。それが事務職員なり、あるいはほかの教員以外の職種の人が集金できないかどうか。これは学級担任が取っている場合は、例えば給食費を出さない子どもに対しては学級で結局給食させられないわけですね。そうすると、そこではもうまさに担任とこの子供たちのラポートの問題ですね、信頼関係の問題が出てきて、教育活動そのものにもこたえてくるわけですよね。ですから、そういう面では、ただ、金を払う払わないというもので政治的な議論はされているようですが、そうでなくて、やっぱり学級における教育活動という面からも、果たして給食費を学級担任が取るべきなのかどうなのかというように考えていきますと、やはりそういう面では、非常に日本における学校における職種の問題があまりにも単純化して、教員と事務職員、極端に言えばですね、しかなってない。この表にはないんですけど、前、前川審議官が出した表の中にありましたが、例えば平成18年度で見ますと、アメリカでは教員54に対して職員が46だと。それから、日本の場合は、教員76に対して24だというような比率が非常に、教員が学校におけるすべての公務、学校活動をやっているということになっているようですから、そういう面を問題にしてくると、この学級規模を少なくする、教員数を増やしていくというのもいいんだけど、今の標準法の範囲で職種を増やしたり、あるいは職種の数を増やしたり、あるいは人を増やしたりすることができるかどうかですね。抜本的な検討もその辺からも要るんじゃないかという気がいたします。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。じゃあ、天笠先生。

【天笠委員】
 それでは、失礼いたします。3つ申し上げさせていただきます。
 1つ目は、35、30、あるいは20という、こういう数字のところだけに論議、あるいは関心が集中するということについては、少し抑制的であっていいんではないかと思っております。やはりどういう学校における教育のシステムを作っていくのかどうかなのか。あるいはそこで一体どういう教育を展開していくのかという、やはりその指摘というのは常に重要だ、あるいはそのところを押さえていくということが、この話の一番大切なところかなと思っております。というのは、やはりこれから先考えたときに、学校全体のサイズがおそらく縮小していくという、そういうことはまず間違いなんじゃないかというと、学校をどう支えていくのかというふうなことというのを、併せてテーマであるんじゃないかと私は思っております。そうした場合に、今のような小学校の人の配置の仕方というのが果たして、この先考えたときに妥当なのかどうなのかということであります。ですから、学級のサイズを小さくしたとしても、学校を支えられないという、そういう事態というのは今後起こり得る可能性というのがあるわけで、もう少しそこら辺のところをバランスのとれた論議の仕方をしていく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。そういう点では、今後、小学校における学級担任制の維持、あるいは学級担任制というのをどう考え、そこに人を張りつけていくというやり方が果たしてよろしいのかどうなのかというようなことも、我々、見据えていく必要があるのかなというふうに思っております。それが1つ目です。
 それから、次に、2つ目、先ほど御指摘のありましたように、学習指導要領が今回転換していくというふうな、そういう方向をとったわけでありますけれども、振り返ってみると、昭和40年代の学習指導要領、御承知だと思うんですけども、あの学習指導要領のときに、例えばこういう動きがありました。小学校における教科担任制の一部導入という、そういう取組が展開されたりですとか、あるいはチームティーチングがアメリカにおける実践等々が日本に紹介されたりして、一部の地域で実践されると。そのときは国としての動きはなかったわけでありますけれども、関係の地域等々ではその種の動きがあったと、そういう歴史的な事実があります。あの御承知のような学習指導要領のときに、そういう小学校において一部教科担任制の導入等々の展開をというふうなことがあったわけですけれども、今回は、それから時間がたったわけですけれども、先ほども御指摘がありましように、学ぶ内容の増加ということを考えた場合に、さらに、今日的な教育の課題を考えた場合、もっといろいろ手配、対応していくということが課題として出てきていると思います。そういう点では、1つはそういう教科面における対応、高学年における一部担任制、もう一度小学校全体として考えていく必要はないのか。それから、もう一つは、今後、学習になかなかついていけないお子さん等々もまたおそらく課題になってくるんじゃないか。それへのフォローはどういうふうに対応していったらいいのかどうなのか、その辺りのところの検討というのも必要なんじゃないかと思います。
 それから、最後、3つ目になりますけれども、今後、養護教諭、あるいは図書館機能云々等々で教職員定数の充実についてということで11件ヒアリング等々で指摘されたというふうなことですけれども、私の関心からすれば、12件目、13件目があるんじゃないかと思っております。例えばよく言われるのは、コーディネーター、何々コーディネーター等々という、関係の機関と機関をつなぐ役割とか、そういうことは様々出ているんですけれども、この間まだヒアリング等々でそれが指摘されてないように、この資料等々ではあるんですけれども、例えばそういうふうなこと等考えたときに、それぞれの市町村等々で対応する課題が違ってきているということが言えるんじゃないかと思います。ですから、そういう点からすると、市町村等々でそこの市町村が対応しようとする課題に対応するような、そういう教職員定数、人の配置の仕方ということについての検討ということもあっていいのかなと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、大嶺先生。

【大嶺委員】
 ありがとうございます。もう毎回同じようなことを発言しているんですけども、よく教育改革も、何十年にもわたっていろいろな教育改革がなされてきました。その都度教育改革というのは、そこまでくるんだけども、教室の中には入らないというようなことをよく言われていたんですね。ですけれども、ここのところはもう本当に違います。実際に様々な改革というものが実際に、教育現場、私は現場の出身の人間ですけれども、現場において取り組まれてきていると。小中一貫、学校間の連携、接続、そういった問題もそうですし、これはもう学びというものを、義務制に関して、9年間の学びというものをどういうふうにしていったらいいのかというのを問いかけていくような取組ですね。それから、制度的にコミュニティスクール、これもそうです。地域の方々が学校運営に参画をしていって、共に学校を、新しい学校を作っていこうじゃないか。それがきっちりと学校に入って、教室の中まで入ってきている、そういう状態に今現在なってきているんだぞ、これぐらい学校は変わってきている。にもかかわらず、子どもの数というのは、30年間40人にとどまったままである。これがまず1点です。
 それから、2点目は、そういう状態の中で、先生方が抱えている問題というのは、もう本当に大変です。不登校の問題、そうです。小川先生がここに書かれていらっしゃいますように、日本の教育、先生方って本当に偉大だと思います。学習指導、諸外国ではね、教科の指導だけというところが多いですよね。先生方、生活指導が何パーセント占めるんだろうというぐらいに携わっていらっしゃいます。子供たちの指導だけではありません。昨今では、保護者に関しても対応していかなければいけないというね、そういう問題もあります。ですから、数値的に先生方がメンタル面でこれぐらいの先生方がね、休職になっているとか、お辞めになっているという数値が出ていますけれども、そんな数値では終わらないぐらいに様々な先生方、悩みを抱えながら、日々頑張っていらっしゃるというね、そういう問題がある。
 私は、35人ないし30人という数字、いろいろ数字出ていますけれども、いずれにしろ小さなサイズになっていくのはいいんだけれども、ただそれだけでは終わらないだろうな。仮に35人の学級になっていったときに、教員が1人増えた、2人増えたというふうになったときに、仮に中学校の場合ですと、その増えた教科に関してはいいですけれども、その他の以外のところは、持ち時数の部分というのが大変になってくるわけですよね。ですから、やはり教員の指導時数という、ヒアリングのところでもどこかの団体で出ておりましたけれども、教員の指導時数というところも併せて考えていかなければいけないんだろうなと思います。
 それから、あと、もう一つ、3つ目ですけれども、何人かの先生方がおっしゃられましたけれども、何でもかんでも小さくしていけばいいというものではないだろうな。例えば算数、数学とか、語学、こういった部分に関しては少人数指導、これは結構多くのところで成果が上がってきております。そうじゃない教科というのもあるんですね。やはり大きなね、集団でやった方がすごくエネルギーが出てきて、すごくいい効果が上がってくるという、そういう教科もあります。ですから、一概に何でもかんでも小さくしていけばいいものではないだろうな。やはりフレキシブルに考えていくという点が必要ではないかなと思います。
 それから、4点目ですけれども、大原教育長がいるから申し上げるわけではないんですけれども、東京都は、加配に関してきちっと先生を、正規の教員を加配してくださっています。本当にありがたいなと思います。ただ、これが35人になったときにね、大変だな。なぜかといったら、私が所属している自治体では、どこもかしこも教室を増やしていかなければいけない。それだけの財源をね、じゃあ、どうやってきっちりと国が保障してくれるのか。そういう施設整備面のところの保障、財源的な保障をしてもらわなければ、幾ら35人だ、30人だって数値的なことを言われても、これはいかんともしがたいな、自治体、困るだろうな。だから、自治体によってすごく人数35人、30人というところで高い数値を出しているところがありますけれども、でも、やはりそれなりに財源をきっちりと確保できるような状態にならないと、自治体によって格差というのが出てきてしまう。その辺のところはやっぱり配慮していただけたらありがたいなと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。じゃあ、荒瀬先生。

【荒瀬委員】
 私は、高等学校におりますので、小中学校とはちょっとまた違うかもしれないんですけれども、具体的にうちの学校が、要は、教員数がほかの学校と比べてとても多いんですよ。多いと良いかどうかといいますと、多いといいんですね、単純に。いろいろともう御議論は出ているし、私もすべて賛成なんですけれども、根拠というのはもう出尽くしているのではないかなと思うんです。明らかに実際やっているところがいいわけでありまして、これは、今日は、門川市長がいらっしゃらないですけれども、いつも門川市長があちらこちらでおっしゃっているのは、堀川高校という学校は、教員を替えてそれによって何か変わったのかというと、それじゃなくて、教員は替わってないんですよね。京都市立高等学校って9校しかなくって、そのうちの堀川高校を変えるときには、4校しか普通科高校なかったのです。あとは、工業高校が2校あったりとか、音楽高校だとか、美術工芸高校だとか、商業高校もありました。ですから、そういう意味では、人数を増やすというのが良いか悪いかというと、これは単純に私は良いと思うんです。逆に言えば、クラスの生徒数を減らす、児童生徒を減らすということは、すなわち相対的に教員の数が増えるわけですから、やっぱり良いんだと思うんですね。
 その理由というのももうすべて出ていると。どうしてそれが実現しないのかというのがもう不思議でならない。これはもうお金の使い方をどうするかという、もう国の政策の話でしか私はないと思うんですね。今、現にこうして議論していて、これが具体化していくことが本当に望ましいわけでありますけれども、そうこうしていても、この子たち、今いる子供たちの1年、2年というのは、もう絶対戻ってこないわけですから、何とかして増やすということ。財源の問題があれば、その財源の問題を正していくということが大人の責任といいますか、これはもう国レベルの責任として必要なんじゃないかなと思います。
 教員が増えますと、当然のことながら、これはもうちょっと問題発言をいたしますけれども、良くない教員も増えるんです。いい教員ばっかりが増えるわけではありません。しかし、それをどうしていくかというのが学校教育法を一部改正して副校長だとか、主幹教諭だとか、指導教諭だとか置いてまでやっていこうかというわけなんですから、校長の責任なんですよね。こう言うと、私が何か立派な校長だということをアピールしているかのように思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは決してありません。おのずと人数が増えれば、知恵がだんだん重なっていって動いていくというのも、これも事実です。ただ単に増えたら、増えたということで終わるんじゃなくて、増えたことが具体的に様々な動きになっているというのは、これはもう事実としてあります。しかし、うちだって、160人の授業もやっています。一方で、5人の授業もやります。5人の授業をやろうと思ったら、それだけ教員数を抱えていないとできないわけですね。それはあとは全部校長が考えてやっていける。もちろん校長一人では考えられませんが、やっていけるわけです。
 ですから、具体的にどういうふうな人数が適当なのかというのは、これはなかなか分からないし、先ほどからお話が出ていますように、1人増えるだけでクラスが、2つが3つになるとかなって、結果的には少人数になってしまうというのは、必ずしも良くないのだろうと思います。高等学校の規模で言えば、一体何人が適切なのかというと、私は、今現在40人で、40人でいいなと思っているんですけれども、しかし、それは学校によってもきっと違うと思います。ですから、それぞれの具体的な取組というのは、中身を知っている現場、ないしは教育委員会や設置者が考えることで、あとは、もうどうぞ、お金をくださいということを申し上げたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。じゃあ、井上先生。

【井上委員】
 ありがとうございます。今回、教職員定数の改善計画について議論する必要が出てきたのは、まさに新しい学習指導要領の実施に伴って、先生方が子供たち一人一人と向き合う時間をいかに確保していくか。それによって教育効果をいかに上げるかという観点がどうしても前提にあると思うわけです。そこで、従来の教職員定数改善計画を見てみますと、第5次までは、40人学級の実現と学級編制基準の改訂が中心でしたが、第6次以降は、一人一人の児童生徒の興味関心なり、能力をいかに伸ばすかという指導方法の改善について、習熟度別少人数教育とか、あるいはチームティーチングとか、そういうように子供たち一人一人に行き届いた教育を行うという指導方法の改善に、加配のうち4万1,000人という多くが割かれてきているわけで、そういう意味で学級のサイズだけではなくて、そこでいかに子供たちの教育効果を上げる指導方法を実施するかということで、学校現場で取り組んできたと思うのです。
 現在、学校現場で起こっている小1プロブレムとか、あるいはいじめ、不登校の問題とか、いろいろな課題が学校現場にあり、それと経済格差によって子供たちのそういう教育を受ける条件が非常に違ってきた。特にスクールミーティングの調査のように、全国どこの学校へ行っても、ひとり親世帯が2割ぐらいあるというような、学校現場の問題を考えた場合に、どうしてもそういう教科指導のほかに生活指導が重要な役割を果たす必要があるので、そういう意味で40人という学級編制標準で果たしていいのかどうか。今まで御意見が出ているように、それをやはり引き下げるという方向で議論しないと、生徒児童の生活指導まではなかなか行き届かないという実態があって、それによって学級崩壊とか、教科指導が十分行われないような実態が出てきているということだと思うのです。
 そういう意味で、今回の教職員定数の改善計画では、児童生徒の減に伴う教職員定数の自然減が生じますから、そういうものを活用して、学級編制基準を40から35人なり、そういうように下げていくというのは一つの大きな課題ではないかと思っております。それによって教育効果をさらに上げるという、そういうことを国民の皆さんにどれだけ説得力をもって説明するかというのが中教審に与えられている課題ではないかと私は思っておりまして、学校現場のそういう実態、あるいは新しい学習指導要領に基づく教育内容を子供たちに十分分からせるような授業を展開するための教職員配置、そういう必要性というものをやはり十分議論の上、整理して、これを説明していく必要があるなと思っております。
 それから、もう一つ、教員定数を増やす必要があるのは、18年度に行われました教員の勤務実態調査で、1日平均約2時間近く超勤をやっていると。その内容を見ても、教科指導、生活指導で8時間を超してて、学校運営の会議その他いろいろな学校運営上の必要なこととか、あるいは対外的な、さっきちょっと学校給食の徴収の話もありますが、いろいろな対外的な折衝の対応の問題があって、それで10時間程度になってしまっていると。そういう点からいって、学校の負担軽減をやはり、国としても、また都道府県・市町村としても、精査して負担軽減を図るとともに、それでもなおかつ教員数がどうしても不足しているという実態はやはり十分説明していく必要があるのではないか。そういうことによって、国民の理解と協力を得て、教職員定数改善計画を進めていく必要があるのではないかと思っております。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では植田先生。

【植田委員】
 ありがとうございます。中学校現場に勤める一教員でございます。私は常々現場に人をくださいというふうにお願いをしてまいりましたが、今日はそれに加えて、学校の抱える状況が違うので、学校の裁量権の拡大をお願いしたいということを申し上げたいと思います。
 公教育の原則は、言うまでもなく、「来る者は拒まず」でございまして、毎年新しい生徒が中学校に入ってまいります。いろんな性格の子供、いろんな顔の子供たちがやってまいります。私たちは、その新入生を、同じクラスの中でいろいろ個性を認めながら指導していかなくちゃいけないのですが、先ほど学習指導と生徒指導のお話がありました。私も含めて多くの教員は、学習指導の基盤に生徒指導があると思っております。例えば授業で教科書の何ページを開けなさいと指示をします。みんながそのページを開けてくれりゃ、次の段階にいけるんでございますが、中には教科書を出さない、ややもすると、注意すると、反抗するという子がいたときに、非常に困るのでございます。そういう意味では、私たちは、まず自分の指示を聞かせる、そういうことを考えていかなくちゃいけない。いろんな指導方法でもってそういうことをやっていかなくちゃいけないという課題にぶち当たるのでございます。ですから、素直な生徒がその教室にいっぱいいれば、非常に授業は簡単──簡単じゃございませんが、ある程度こっちの思うがままに進むことが多いのでございますが、今言いましたように、指示を聞かない子供がいたときに非常に苦労いたします。
 そして、この辺の生徒指導上の問題が学校によって違うのでございまして、実は、私は4月に転勤をいたしました。前任校は下関市内でも落ちついた学校というふうに言われている学校でございます。4月から新しい学校に参りましたが、こっちの方は、今、こっちの学校にいますので、あんまり言いたくないんですが、どっちかというとそうでないというふうに言われた学校でございます。先日も、廊下を歩いていますと、私、1年生につきましたが、3年生がボタンを開けてまいります。当然服装指導も私たちの仕事ですから、ボタンを閉めなさいというふうに注意します。初対面です。人間関係、何にもありません。一応教員が言うものでから、向こうは「はいはい」と言いますが、全然閉めません。追いかけてもう一回言います。無視して走っていきましたね。これならまだいいんです。下手すりゃ、「うるせえ、殺すぞ」というふうに言われたことも過去何回もあります。学校が替わると人間関係もリセットですから、また一から作り上げていかなくてはいけないという苦労はここにあるのでございますが、そういうところで、学校現場の抱える問題は年々困難になっている。これは先ほどの話にもありましたが、平成18年の勤務実態調査に基づいても、その辺の言葉が出ております。第56回の初等中等教育分科会の資料に、「教職員をめぐる状況」というのがございまして、ここに明らかになっております。不登校の生徒の問題もありますし、校内での暴力行為、これが昨年度末のニュースを見ますと、問題行動が増えています。生徒指導上の問題が、その学校の落ちついた、落ちつかないを決める、それが学習指導につながっていくという現状があります。
 先ほど申しました市内でも落ちついた学校にいたと申しましたが、その学校でさえ、何年か前には、実はある生徒、多くの生徒が職員室にやってきて、土足で教員の机の上へ上がる。湯茶室に入って冷蔵庫の中のものを勝手に開けて飲み食いをするという現状があったのが、何年かかけてやっとそこまできたのでございますが、要は、どの学校もそういうふうな波がありまして、生徒指導上の問題が多発するときには、当然いろんな手が要ります。一人でも多くの教員が欲しいという現状がございますので、年によって学校が抱えるそういう問題というのはもう違いますので、その辺の現場の裁量権を拡大していただきたい。このことをお願いしたいと思いました。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。それでは、貞広先生。

【貞広委員】
 ありがとうございます。まず、この今回の定数改善の御提案に大いなる賛同を示させていただいた上で、3点申し上げたいと思います。
 まず、1点目として、達成目標について、です。本日の資料で大阪大学の赤井先生が少人数化の説得性と達成目標について言及され、今日も学力という問題が何度も出てきていますが、この定数改善の達成目標を、学力の向上のみに全面的に置くことに関して、抑制的であるべきではないかという点です。小川先生が御指摘してくださったように、日本の学校は生活学校としての良さがあるという面があります。または、これまで御指摘がもろもろあったかのように、現状の学校が抱える教育課題が、学力だけに収れんできない問題が多くあるということ。そして、定数改善をしたとしても、短期的に、学力の向上がデータとして出てくるかどうかという問題があること、です。したがって、例えば学力と併せて、教員が子どもと向き合う時間や教材研究の時間が実際に拡大したのかどうかや、子どもの満足度が上がったのかどうかということを併せて達成目標として挙げていくべきではないかという点が1点です。
 次に現代的課題という点に関連して2点目です。ここ何年か学校現場に調査に行かせていただいているんですが、先生方に伺いますと、学級担任や学級の単位では対応できない課題が非常に増えてきている、つまり、学校単位で対応しなければいけないんだけれども、スタッフの余裕がない小規模校では非常に難しい。そういうふうに考えていくと、学級担任以外のプラスアルファのスタッフ、これは学級担任以外のスタッフやその加配教員ということになると思うんですが、こういう方々の重要度が従来にないほど上がってきていることなんですね。ただし、どういう課題があるかということは学校や地域によって異なっている。加配の教員の充実ということが、基本的な定数改善と併せて必要だと思うんですけれども、その際にその活用の方法をあらかじめこちら側から決めるというのではなくて、いわゆるフリーの加配というのでしょうか。現場の方々に、その現場のどのレベルに落とすか分かりませんけれども、現場の方々にその活用方法や実際の活動をゆだねるようなフリーの加配が必要ではないか、ということが2点目です。
 3点目は、小規模校への補正的措置です。今日、学級単位で教員の数を考えるのか、それとも児童生徒数単位で考えるのかという問題が出ていました。これはまた非常に重要な課題だと思いますけれども、仮に従来のように学級単位のまま考えた場合に、学級の定数を35人にした場合に、その定数改善の恩恵を受けるのは、ある程度の規模以上の学校に限られるわけですよね。ただ、実際に非常に困っているのは、実は小規模でプラスアルファのスタッフの足りない学校であるということを考えると、今回の改善を学級数ということで行ったときに、それに該当しない、既に小規模化している学校の学級をどうするかという問題が残るかと思います。ですから、全体の基本的な改善の方法と併せて、こうした小規模校に対する補正的な措置というんでしょうか、そういうものも考慮するべきではないかというふうに考えます。
 以上です。ありがとうございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。それでは、黒須先生、そして、髙橋先生。

【黒須委員】
 それぞれもうお話が出ておりますが、少人数学級にするというのは、数は別としても、これは異論はないと思います。ただ、それに伴って自治体の立場から言いますと、当然のことながら施設拡充が必要なわけです。ですから、それがなくて、例えば30人学級がいいとか、20人学級がいいとか、極端な話ですけど、これは成り立たないと思うんです。施設の拡充ということは当然表裏一体のことですから、そのことも当然考えていただかなければ。それから、学級、その数の問題のときには、数だけではなくして、学校全体の児童生徒数というのが出ていましたけど、これも考慮すべきだと思います。また、学科別、科目別、これも当然のことながら考慮するべきだと思うんです。都道府県別でも、地域特性というのがあると思うんですが、例えば東京都の中でも地域特性があるし、また、私どものまちの中だけでも地域特性というのはすごくあるんですね。ですから、そういったことを考慮すると、例えば学校運営協議会であるとか、コミュニティ・スクールとか地域がしっかり支えている学校と、それから、先ほど植田委員がおっしゃったような、大変厳しい環境にある学校もあるわけで、そういう点も考慮をして、学校に裁量権というお話がありましたが、教育委員会じゃなくて、学校に裁量権を持たせるということは、大事なことなんだろうと思います。
 同時に、私は、今、それに派生する問題なんですが、いわゆる学校経営という言葉がよく使われますが、こういった学校の裁量権というものを十分に活用できる校長が今、少ないんですね。特に団塊の世代の校長が大量退職をしています。その後、玉突き状態で上がってくるわけです。残念ながら十分な能力を持った校長が極めて少ないんです。ここが大きな問題なんです。ですから、例えば教員の多忙感とかいうの、ありますね。多忙感にさいなまれているという。これは先ほどもお話出ましたけれども、事務的な問題とか、給食の問題など具体的にありましたが、事務的に対処できる課題もあるわけです。ですから、教員が教科に専念できるような、体制を作っていく。そのためには補助教員の問題とか、副担任の問題とか、それぞれ学校に応じた対応をしなければいけないんですが、その辺のところをきちんと理解をし、どう対応すればいいのか、地域の力をどう活用すればいいのかという、学校を経営する力を有する校長が少ない。いわゆる管理職がです。この実態にどう対応するか、これも同時に考えていただく必要があるんじゃないかと思っております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。じゃあ、髙橋先生。

【髙橋委員】
 すいません。1点だけお話しさせていただきます。
 学級編制について、40人学級から35人、30人という意見はもちろん出ているんですが、その中で、下限を抑えた議論というのは今までなかったかなと。30人はもちろん理想で、私も30人学級を推したいと思ってはいるんですが、そうなりますと、大規模校は別なんですが、小規模校の場合31人になると、15と、先ほど角田先生おっしゃっいましたように、15人と16人になります。その場合に学級集団としての活力は果たして15人で大丈夫なんだろうかと。教育の目的の中には、もちろん学力向上というのは大事な部分ではありますけれども、生活集団としての社会性を培うという大事な部分があろうかと思います。そういう部分について検証したり、議論も必要かと思っております。私の管轄していますところでも6つの小学校がございます。600人いる小学校が約3つ、それから、小さな小学校もございます。その中で一番小さい学校は非常に学習指導、それから、生活指導もうまくいっておりまして、20年間不登校ゼロ、15年間欠席児童ゼロという小学校もございます。ただ、悩みはその小学校から中学校へ行ったときに、その小学校出身の子供に一番不登校児が多いという、生活指導その他でも問題もできてくる。そのことをどうするかということ、今、小学校とも連携してやっているところなんですが、そういった下限については、どなたかがおっしゃていましたように、25人というような、必ず守れというわけじゃありませんが、ある程度のラインは必要じゃないのかなと思っております。
 それから、もう一つは、必ずしも2つ、学級を増やすだけじゃなくて、人を配置するといった、学校の事情に応じた柔軟な対応というのも必要かと思っております。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。じゃあ、佐々木先生。

【佐々木委員】
 ありがとうございます。この教員定数の改善については、私も長い間意見を申し上げているので、大変いいことだと思いますし、我が子も同じ小学校で上の子は40人学級という間で6年間過ごし、下の子は30人学級というふうに変わりましたので、自分の子供の身をもって親として教室に入って、いかにこの10人の差が大きいかということも体験いたしました。また、各先生や資料からも、生徒数を少なくするということに反対の方は基本的にいらっしゃらないということで、ここは合意されているというふうに考えると、今日、伺っていながら一番重要だと思う点は、来年の予算取りに対して具体的に向かっていけるということが、今までの、こっちのほうがいいんじゃないかと言っているところからかなり進んだのだと思います。そうなると、目的を明確にしてきちっと予算を取っていくというところに具体的に動くための戦略的な議論をしていく必要があるだろうと思っております。
 目的は、子供たちが教育を受けるという場から、子供たちが参加する学びの場にするということではないかと思うんですけれども、この予算を要求するためにどういう、欲しいものを明確にする必要が私たちにあるんだと思います。何のための予算なのか。そして、そのために予算をいただいたときの条件が何なのかということです。1つは、適正人数、いろんな先生方からも、私もそう思いますけど、教科によって人数がまちまちだ、これは当然だと思います。あるいは給食費の徴収などを先生がするというのもやめるという意味では、あるいは様々な授業についていけない子供たちのサポートをするとか、専門の心理のサポートが要るとか、今まで学校の中にいなかった専門のスタッフが必要だろうということで、多様な役割の専門スタッフ、あるいは学習環境を整えるための多様なスタッフなどの柔軟な仕組みを取り入れるということが一つ条件で入っていくんだろうと思います。また、学校による柔軟性と裁量、これも皆さんから出ているとおりで、これも非常に明確に条件としてつけなくてはならないことだと思います。
 一方で、私は、ホームルームというものに関しては、20人からやっぱり30人、あるいは今の15人、16人で成り立つのかということですが、ホームルームというものの考え方を明確にしていけば、アメリカ、ヨーロッパなどを中心に考えますと、20人以下のところもたくさんありますので、16人で絶対成り立たないかというと、これは要検討で、もしかすると、授業として成り立たない授業はいっぱいあるかもしれませんが、ホームルームという考え方だったらば、成り立つ可能性があるのではないか。よって、この辺りは授業のところの柔軟性、学校による対応、多様なスタッフということと、ホームルームということの20人から30人、あるいは下限・上限の話というのは明確にする。
 そして、一番重要だと私が思うのは、予算を取るということに対して、過去にどうして失敗してきたのかということをきちっと分析して、どういう情報があれば予算が取れるのかということをやっぱり戦略的に考えないと、どれだけすばらしい教育ができるかとか、現場はこんなにいい例があるんだということを今までも言ってきたはずなので、そうではない、日本の将来のための先行投資であるということが明確に分かるような具体的なデータ、これは私たちがこのチームがいいだろうということではなくて、ノーと過去に言ってきた人がイエスと意見を変えるに十分なデータという、そういう視点で資料を準備していく、そんな必要があるだろうと思います。そうすると、成績が上がるということは突然起きないというのは私もそのとおりだと思いますが、今、配られている資料の中にも、不登校やいじめが減っているとか、様々なデータがありますが、そういった点なのか、それが多分お金を出す側から、分配する側からですと、将来の経済的にはどれだけ有効な先行投資なのかということを理解させてあげることが重要なので、そういった視点でのデータの分析があれば、非常に予算をきちっととって実現させていくというところに具体的に動けるのではないかと思っています。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。じゃあ、藤江先生。

【藤江委員】
 ずっとお話を聞いてまいりまして、確かにおっしゃっていることはすべてそのとおりだと思いますし、現場の先生方の多忙感というのは大変なものだということなんですけれども、それじゃあ、こういう組織だとか、それから、定員だとか、こういうものを予算というものを通してしっかりと国民の方に理解していただくという意味でいいますとね、確かに平成18年にそういう実態調査というのをおやりになったということで、私は、そのころそういうことにあんまり興味と言ったら怒られますけれども、よく存じ上げないんですが、そういう経緯もある。それから、我々産業界なんかでいいますとね、そういうことをやるときというのは、必ずもう皆さんにも聞きなれた言葉だと思いますけれども、業務分析というのを徹底的にやるわけですよね。業務分析をやった結果でもって、先ほど佐々木先生はじめ、皆さんの先生もおっしゃったような、そういう具体的データと、それから、これをやったらこれだけ効果が出ますよという、それもマイルストーンでこういう結果が出ますよということをちゃんとお示ししないと、これはもう今の厳しい財政状況の中ではなかなか、我々も本当に今、成長戦略の中ではこれからもう一度教育、日本というのは人だと。そこへ持っていかないと、なかなか世界に伍していけないんじゃないかと思っておるんですけれども、そういう中でも皆さん必要性は感じても、まだまだ直近でやることはたくさんあるよということで、このお話が埋没してしまうんじゃないかと思うんですね。
 だから、そういう意味で、そういう業務分析というのをもう一度、今までもう幾らでもデータはあるんでしょうから、それを少なくとも広く国民の方が理解できるような形でのオープンをしていくと。そして、それが戦略とか、戦術というお話になってくるんだと思うんですけど、そこをやらないとなかなか、そうですねというお話。それから、みんなそれぞれの個々には、学校教育というものは少なくともみんな大変な関心を国民は持っているわけですよね。人それぞれは持っているにしても、なかなか理解が、じゃあ、一番の優先順位というふうにはならないんではないかなと思います。
 それで、具体的にいいますとね、私なんか思うのは、やっぱり公務がこれだけ多忙だということであれば、当然ながら、当たり前の話で、さっき黒須市長もおっしゃいましたけどね、施設の充実、そして、そういう意味ではね、我田引水になりますけど、例えばICTの活用なんていうのも、もっと真剣に考えていただいたほうがいいんじゃないかと思うんですね。確かにICT、ICTってことは、学校へ行って、先生方とお話しさせていただくときによく伺います。しかし、実際に、それじゃあ、それがどこに具体的にどれだけ入ったんですかという話になると、1校にまだなかなかパソコンがね、数台しか入ってないというのがどうも実態のようでございますので、それでは、校務をそういう形で肩代わりしていただくということはなかなか難しいと思います。
 それから、もっと学校というのは、何か非常に我々から見ると閉鎖的に見えちゃうんですね。もうそれも校長先生以下、一つのお城みたいな形でですね、という感じがしましてね、そこはやっぱりね、そういうことを、ICTもあるけれども、そういう外部の方の、先ほどからいろいろな具体的な御意見が出ていますけれども、外部の方のそういう活用ということをやって新しい血を入れて、そして、そこで再活性していくということが非常に大事なのかなと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。大体時間が来てしまいましたので、もうごく短く岩瀨先生、そして、安彦先生、岩﨑先生、そして、最後、無藤先生と。お願いします。

【岩瀨委員】
 すいません。時間がないところ。全日中の岩瀨でございます。
 今、黒須委員さん、あるいは藤江委員さんの方から大変厳しい指摘を学校に対して受けましたけれども、確かにきちっとした管理職が少ないという御指摘、私もうなずくところあります。私の周りを見てても何でこの人が校長になったのかななんて、そういう人もいないわけでもないんで。
 今、いろんなことを言われていますけれども、今日この議題、学級編制、教職員定数、いわゆる数の問題をやっていますが、私、もう一つ内容、質の向上というか、充実、これも大切だなと思っています。なぜそういう管理職ばっかりになり始めちゃったのかというと、魅力がないんです、管理職の。あんなつらい思いするんだったら、やる必要ないと。それよりも普通の教員で責任がないままある程度の給料をもらって、そういう生活の方がいいという、そういう形をとる人が多くなっちゃったんですね。ですから、非常に管理職志向が今、減っています。東京都の場合は、教育長さんがいて申しわけないんですけど、特にそれが顕著に私、現れているなと思っていますし、私、中学校ですけれども、中学校の管理職選考、合格した人が小学校の管理職が足らなくてそこへ回っている現状もあるんですね。それほど今、切実な思いがいっぱいあります。ですから、処遇の改善ということも一つ、魅力ある職にしないと、幾ら教員の数を増やしても、先ほどお話しありましたけど、悪いというか、そういう教員も増えてしまうということがありますので、ぜひぜひ処遇の改善というのも、それも表裏一体の問題だという認識でこの議論を進めていただけるとありがたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。じゃあ、安彦先生。

【安彦委員】
 3つばかり申し上げたいんですけど、1つは、やはり小川先生から出されたような側面から、両面、生活面と学習面の両面を見るということが必要であるということ。そうすると、やはり人数の問題より、質の問題になるかと思います。特にこういう点では、私の勤務校の早稲田大学の河村茂雄先生がその両面から考えているわけで、その点でいきますと、学級適応というんですかね、学級に対する適応と学力の定着、あるいは向上という、そういう二面性からいって、やはり、例えば先ほどから話題の数でいうと、15人以下はまずい。それから、35人以上もまずいというようなことを、一つの提案として出しておられます。そういう研究も、これは絶対ではないんですけれども、参考にしていく必要があるかなと思います。人数は、私はいろいろお話ありますけど、全体の流れは、少なくとも民主党政権でそちらの方向に向いておりますから、人数はもう政治的状況の中で決めていただければいい。少なくとも、少なくする方向には動いていると思っておりますので、そのための一つの提案をするということ。
 それから、2つ目として申し上げたいのは、先ほどからお話がありますが、国は一応最低基準を、標準にしても何にしても出すということ。そこから先は地方がカバーをするということだと思うんですけど、そのときにどの部分かで、先ほどからお話が出た学校裁量というのをできるだけ認める方向、国はある程度まではどの学校も共通にということになると思うんですけど、そこから先は、地方の分担のところはかなり自由に学校裁量を認めるというふうな、そういう分担といいますか、そういう方向を出されてはどうだろうかということです。
 3つ目は、先ほどから学級を基本にするということについては、かなりいろいろな問題が隠れているといいますか、今までこれできましたけれども、これだけでなく、前回の提案にもありましたように、児童生徒の人数の要素を加味する。これがどういうふうにして整合的に出せるのか、ちょっとまだ分からないんですけども、1つは、さっきからお話があるように、学校単位で一定の教員の数が必要だということを、どの学校にもこれだけの先生は必要だというのをもう少し、先ほどからお話があるように、いろんな仕事が増えましたので、コーディネーターも含めて共通の数字を出せたら。それが学級にとらわれない数としてプラスされていくんじゃないかと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。じゃあ、岩﨑先生。

【岩﨑委員】
 ありがとうございます。それじゃあ、現場の方から3点ばかりお願いしたいと思います。
 まず、1点目は、先ほども出ていますように、施設拡充が必要だということでございます。今、40人から35人というお話が出ておりますけれども、私どもは、学級数が増えるとびくびくする状態であります。教室が足りないわけなんです。そうすると、オープンスペースを2つに割って、そして、教室を作っていくというふうな現状がありますので、施設拡充は絶対にこれを守っていただきたいというのが1点でございます。
 2点目は、やはり生徒数がどんどん増えていく中で、学級が増えた分だけしか教員がもらえないというのは、これは私はどうかと思います。生徒数がどんどん増えていって、どの教室も40人学級になっている中で、先生の数が増えないというのは不合理だと私は考えます。
 3点目でございますが、これはどなたからも御指摘なかったように思いますが、今の子供たちが学校に持ってきているものというのは非常に多いんです。教科書、ノートだけじゃなくって、参考書もありますし、資料集もありますし、部活の用具等も持ってきております。教室に入ってみますと、40人学級の中学校の教室に入りますと、机間巡視もままならないような状況の中にあります。だから、子供たちの持ち物も増えてきているというふうなことも一つ御考慮いただけたらありがたいなと思います。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。じゃあ、最後に無藤先生、お願いします。

【無藤委員】
 定数が増えることはいいことだというのは、もう本当に合意だと思いますけれども、その中で、事務局からいろいろな教育課題に対応して様々あるけれど、優先順位はどうなのかという指摘がありました。全部増えればもちろんいいけれど、それはおそらく無理であります。方向としては、学校現場なり、教育委員会なり、現場に近いところの裁量によって柔軟に対応することだろうとは思うのですけれども、同時にその説明責任というものが必要だろうと思います。そういう意味でいうと、私は、学力テストなり、不登校なり、その他できる限り客観的に数字で表される部分における検証というものを義務づけていく必要があると思います。もちろん今、大ざっぱに全国の学力調査だとか、二、三に限られているところをもっと広げていく必要はあると思うんですけれども、それが大事だと思うわけです。
 そういう意味で、そういった効果研究というものに対して国としても予算をしっかりつけると。私は、常々教育の事業というものがスタートしたら、その一定割合は評価に当てるぐらいに一律に決めてもいいというふうに思うくらいであります。もう一つ、その際に、現実的に言うと、例えば専科教員の定数を増やすということと同時に、非常勤なり何なりという手立てもあるわけであります。例えば理科の場合には、理科指導員みたいな制度が消えてしまうのかもしれませんが、あり得ると。その他もそうだと思うわけです。ですから、全く補助がない条件と教職員定数なり何なりで正規教員が増える条件と、また、中間の様々な手立てがありますので、そういった組み合わせの中で比較して、もちろん費用も組み合わせてどこが有効性が高いかという検証を行いながら、国としての優先順位を決めると。同時に、それに近い指標において説明責任を現場に求めるという方向が望ましいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。まだ、皆さんいろいろとあると思いますが、今日も、非常に多様な御意見をいただきました。いろんな視点から大事な御意見がありました。これを6月の次の回のときまでに少し論点を整理させていただいて、それから、今日、いろいろと御指摘いただきましたように、今日出ている資料だけでなくて、例えば教員の勤務実態調査の結果もありますし、あるいは国際比較で教員にどれだけお金使っているかといったデータもありますので、多くの人に分かっていただくための基礎データも、もう少し探していただくことにしたいと思います。そういうことで次回、少しこの議論を、ともかく多くの国民の方に分かっていただく、そして具体的には財務省の方々に分かっていただく、というものにしていきたいと考えています。ということで、次回に、またこの続きをやりたいと思います。
 それでは、今日のもう一つの議題ですが、公立高等学校の授業料無償化及び私立高等学校の就学支援金、この問題につきまして、現状の御報告、それから、もしこれについて御意見があれば時間の許す限りで、と思っております。じゃあ、お願いいたします。

【袖山主任視学官】
 主任視学官袖山でございます。資料3-1をまず御覧いただきたいと存じます。
 前回の分科会におきまして、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律案につきまして、国会における審議中ということで説明をさせていただきました。そのときにお配りした資料とほぼ同一内容の資料を資料3-1としてお配りをさせていただいているところでございますが、簡単に内容を御説明いたしますと、制度の趣旨といたしましては、家庭の状況にかかわらず、すべての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会を作るため、公立高等学校の授業料を無償化するとともに、高等学校等就学支援金を創設して、家庭の教育費負担を軽減するということでございまして、具体的には、公立高等学校については、授業料を不徴収とし、授業料収入相当額を地方公共団体に対して国費により負担をすること。また、私立高等学校等につきましては、高等学校等就学支援金を、いわゆる代理受領の方式により支給するという内容でございます。この法律案につきましては、3月31日に国会で成立いたしまして、翌4月1日から施行となってございます。
 なお、法律案の審議に際しまして、附則といたしまして、この法律の施行後3年を経過した場合において、法律の施行状況を勘案し、法律の規定について検討を加え、必要がある場合と認めるときは、結果に応じて所要の見直しを行うという附則が追加され、この追加された形で法律が成立をしてございます。また、衆議院における附帯決議といたしまして、今の見直しの関係で、3年を経過した後に見直しを行う場合には、高等学校等における教育の充実の状況、また、義務教育後における多様な教育の機会の確保等に係る施策の実施状況、高等学校等における教育にかかる経済的な負担の軽減状況を勘案しつつ、教育の機会均等を図る観点から検討を加え、必要な措置を講ずるものとすること。あるいは高校教育改革の取組を一層進めるとともに、高等学校等における教育の質の更なる向上に努めることといった、全部で7項目の附帯決議がなされてございます。
 以上のような形で法律成立をしまして、その法律に基づきまして、具体的に制度を実施に移すための政省令を制定をいたしました。その内容が資料3-1の2ページ目、3ページ目でございます。2ページ目が政令の内容でございまして、具体的には、1番にございますように、公立高校の授業料不徴収に伴います国からの地方公共団体への交付金の算定ルール、また、3にございますように、高等学校等就学支援金の支給限度額、さらには、就学支援金の支給限度額に加算にかかる具体的な確認方法等につきまして、政令で定めをしたところでございます。
 また、3枚目でございますけれども、省令でございますが、この省令におきまして、法律の中で専修学校及び各種学校につきましては、高等学校の課程に類する課程につきまして、そこに在籍する生徒に就学支援金を支給することになっております。具体的な内容につきまして、まず、専修学校につきましては、専修学校の高等課程を対象とすること。また、各種学校につきましては、我が国に居住する外国人を専ら対象とするもののうち、次のものということで、以下イ、ロ、ハにございますが、イといたしまして、高等学校に対応する外国の学校の課程と同等の課程を有するものとして、当該外国の学校教育制度において位置付けられたものであって、文部科学大臣が指定したもの。ロということで、その教育活動等について、文部科学大臣が指定する団体の認定を受けたものであって、文部科学大臣が指定したもの。さらに、ハということで、イ、ロに掲げるもののほか、文部科学大臣が定めるところにより、高等学校の課程に類する課程を置くものと認められるものとして、文部科学大臣が指定したものというような形になってございます。さらに、この学校教育法以外の教育施設ということで、独立行政法人海技教育機構海技士教育科海技課程というものを定めたところでございます。
 なお、この省令の規定に基づきます各種学校の指定につきましては、このイ、ロに該当するものについて、資料3-4にお配りをしてございますけれども、4月30日付で指定の告示をしたところでございます。イに該当するものが14校、それから、ロに該当するということで確認できたものが17校、これを制度の対象とすることとして指定をしたところでございます。なお、ハにつきましては、これについては、具体的な指定のための基準等につきまして、教育の専門家による検討の場を設けまして、夏ごろを目途に検討の結論を得るということになっております。
 また、省令におきましては、2番以降にございますように、具体的な支給の手続等を定めているところでございます。
 以上が資料3-1でございます。
 また、資料3-2以降でございますけれども、この制度の円滑な実施という観点から展開をさせていただいております。まず、資料3-2が、この制度の発足に当たりましての文部科学大臣の談話でございます。まず、談話の内容といたしまして、この制度の趣旨を述べているほか、高校生に対する呼びかけといたしまして、高校生、高等学校等で学ぶ皆さんは、自分たちの学びが社会全体により支えられ、応援されていることを自覚しながら、安心して勉学に打ち込んでいただき、将来、我が国社会の担い手として広く活躍されることを期待しておりますということ。また、保護者や教職員の皆様に対しまして、高等学校等で学ぶ者が、勤労観や職業観を身につけ、公共の精神に基づき社会の一員として主体的に社会の形成に参画していくことなどを、家庭や学校における様々な機会を通じて指導していただくようお願い申し上げますという内容を談話として載せているところでございます。
 また、資料3-3でございますけれども、この制度の円滑な実施に向けまして、文部科学省内に4月1日付で公立高等学校授業料無償化・高等学校等就学支援金制度実施本部を立ち上げまして、この本部において、具体的な実施のための施策ということで決定をした内容でございます。まず、国民向け広報といたしましては、高校就学支援ホットラインというものを設けたところでございます。このホットラインにつきましては、この開設以降、現在まで約2,000件弱の問い合わせ等がございますが、多くは、具体的な就学支援金に係る制度に関する問い合わせ、特に、いわゆる加算に係る問い合わせが大半を占めているところでございます。また、都道府県における照会窓口一覧の作成、あるいはリーフレット、ポスターを作成いたしまして、リーフレットにつきましては、本日お手元にお配りをさせていただいておりますけれども、こちらの2種類のリーフレットを、これはすべての生徒に配ってございます。こちらのちょっと色が濃いほうが公立学校用、それから、こちらのほうが就学支援金の内容でございます。それから、ポスターについても、各学校にお配りをしてございまして、こういったポスターを各学校に4枚お配りをしているところでございます。さらには、ホームページにおける専用ページの充実や政府広報、文部科学省広報によりまして、さまざまな広報活動を展開しているところでございます。
 次のページにまいりまして、学校設置者等事務担当者への周知といたしまして、都道府県向けの事務担当者向け説明会の開催、また、就学支援金事務処理マニュアルの作成・配布、また、就学支援金事務処理ソフトの導入・周知によります事務の簡素化等により、具体的な事務の円滑化等を図っているところでございます。
 なお、国から都道府県、地方自治体等に対するこの支援にかかります交付金につきましては、既に4月中に交付決定がなされ、各自治体の方に支給されているところでございます。
 簡単ですが、以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。時間が来てしまいましたが、もし何かご質問があれば。はい、じゃあ、荒瀬先生。

【荒瀬委員】
 1点だけ。ここの文部科学大臣の談話とかがありまして、それから、このリーフレットにもいろいろ書いていただいているんですけれども、「家庭の状況にかかわらず」という始まりで書かれている、この文言というのは、こうとしか言いようがないわけでありますけれども、しかし、家庭の状況にかかわらずということで行われているこの公立高校の授業料無償化が奨学金の廃止につながっているということも事実としてありまして、これまでも授業料自体は免除という制度があったわけです。本当に困っているおうちはそれで救われていて、さらに奨学金がもらえた。その奨学金が、すべてではありませんけれども、月額約1万円の奨学金が返却必要なしということで行われていたのが、なくなっているという事実もあります。それはきっと趣旨が国全体に伝わっていないからだと思います。
 このリーフレットをいただいて、うちも、これ、配って説明をしたし、説明をまた今後もしていくわけですけれども、なかなか現場の高等学校にはこれが生きていない。むしろこの4,500億円ですか、正規の教員を雇って、10万人近い教員が雇えるような、そんなお金を使ってまでやっていること、先ほどの前段のお話にもありましたけど、そこまでやっているにもかかわらず、いろいろと文部科学省内では組織を作っていただいたりもしているかもしれませんが、これは国民に本当に伝わらなければ、何でしょうか、教育費として4,500億円使った意味がなくなってしまうというと、言い過ぎかもしれませんが、大変もったいないと思います。前回の鈴木副大臣がいらっしゃったときに、それを申し上げましたけれども、ぜひこれが生きたお金になるようによろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。これは事務局からお答えしていただくというわけにもいかんでしょうから。これは、しかし、議事録にはとどめておいていただいてというふうにしたいと思います。
 ほかにありますでしょうか。よろしいでしょうか。はい、じゃあ、一言。

【市川委員】
 無償になって、社会全体が支えてくれていると。高校生がそれをどれくらい本当に自覚して、だから、一生懸命学ぼうというふうになってほしいと思いますが、大学でも自分で授業料を払っている人の方が一生懸命学びます。親が払ってくれる人の方が寝たり、サボったりしています。ですから、ぜひ高校の方でも御指導いただいて、本当に社会が支えているんだから頑張ろうという、そっちに、ただだから休んでもいいやではなくて、そちらの方に向かってくれることを期待しています。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、本日の議題、ほぼこれで議論していただいたと思います。
 それでは、次回以降の予定につきまして、事務局からお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】
 次回でございますが、6月18日金曜日の15時30分を予定しております。後日開催通知を送らさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。皆さん、遅くまで熱心に御議論いただきました。また、次回今日の続きをしたいと思います。どうも御苦労さまでした。ありがとうございました。

─ 了 ─

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-- 登録:平成22年07月 --