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初等中等教育分科会(第67回)・教育課程部会(第78回)合同会議 議事録

1.日時

平成22年3月24日(水曜日) 15時~17時

2.場所

中央合同庁舎第7号館(文部科学省)東館3階 講堂

3.議題

  1. 今後の学級編制及び教職員定数の改善について
  2. 「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」(案)について
  3. 「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について」(答申)報告

4.議事録

 【梶田分科会長】
 それでは定刻になりましたので、ただいまより、第67回初等中等教育分科会と第5期第4回教育課程部会の合同会議を開会いたします。
 はじめに、本日は国会の非常にお忙しい日程をくって、鈴木副大臣に御出席いただいております。また国会に帰らないといけないということですので、最初にごあいさつをいただきたいと思います。それでは副大臣、お願いいたします。

【鈴木副大臣】
 鈴木寛でございます。今日は本当にお忙しいところ、皆様方、ありがとうございます。今、部会長よりもお話がございましたように、この後、参議院の本会議で予算の採決がございまして、おかげさまで予算が成立の運びということになります。先生方の御尽力を得まして、今年の予算編成は46兆円ありました税収が37兆円に減ってしまうという、まさに9兆円、税収が減るという中で、文教予算は、文教だけで申し上げますと8.1%増ということで、これは30年ぶりの高い伸び率でございまして、大変皆様方の御尽力に心から感謝申し上げたいと思います。
 その中で高校無償化法案が今、かかっているわけでございまして、これは明日から参議院の文教科学委員会で審議が始まります。衆議院は可決をいたしております。公立学校は授業料不徴収、そして私立等につきましても就学支援金を12万円、そして低所得者には1.5倍、2倍と、こうしたことでどんな環境にあっても生徒の皆さんが安心して勉学に集中する、そうした環境を整えさせていただきたいと、その第一歩にしていきたいと。もちろん、これはさらに給付型奨学金とか、いろいろな課題は、これから皆様方と御一緒にやっていきたいと思っておりますが、まずその第一弾として今取り組まさせていただいているところでございます。
 加えまして教員の数の問題でございますが、4,200人の定数改善を今回、予算に盛り込ませていただきまして、その予算が間もなく成立すると思います。この5年間分ぐらいを一挙にやらせていただきましたので、そうしたこともあわせて御報告申し上げたいと思います。
 今後は、まさに今年といいますか、平成22年の課題といたしましては、教員の数の問題と質の問題、これが非常に重要な課題になってきますので、今日から、ぜひその御議論を開始していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 4,200人は、平成22年度の措置としてはそういうことでございますが、やはり7次の定数改善以降、定数改善が計画的に行われてこなかったということを重く受けとめ、我が政権においては、教員の数を増やしていくことを掲げておりますので、学級編制と教職員定数の改善にぜひ皆様方からの御指導をいただきたいと思っております。後で詳しく担当の方から御紹介申し上げますが、2月18日と3月2日に教育関係21団体からのヒアリングはさせていただいているところでございます。それから今、文部科学省のホームページで、私と高井政務官あてに広く電子メールで、この教職員定数あるいは学級編制規模についての意見募集もさせていただいているところでございます。いよいよ予算が通りますれば、このことも議論の本格化をさせていきたい。そして平成23年度概算要求につなげていきたいと、このように思っているところでございます。質の議論につきましても、またぜひ皆様方の御指導をいただきながら、現場における実践力をどう若い先生方にというか、新しく先生になる方々につけていくか。そういう観点で議論も深めていきたいと思っておりますので、その点についてもまた御指導をいただけたらと思っております。
 いずれにいたしましても、今年は大変、初等中等教育の節目の年になろうかと思いますので、ぜひとも皆様方の御指導御鞭撻をいただきまして、やっと日本の教育現場に「コンクリートから人へ」の、まさにメインな課題でございます。ぜひ何とか頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。中教審でずっと、子供にどうやって学力をつけるか、人間的に成長させるかと、こういう取組をしなければいけないという議論をしてきました。そして、そういう中で、経済的格差の是正の問題、これは何度も出ておりました。そのために、そういう方向に向かって、今、お話がありましたように、人、金、もの、これを具体的に持ってきてもらわないと動きがとれないと。これで御努力いただいているということを今、お話しいただきました。非常にありがたく思っております。
 それでは、本日の議題に入ります前に、実は全日本中学校長会の会長、全国連合小学校長会の会長が交代をされまして、それぞれ全日中は岩瀨先生、全連小は向山先生が御就任になっております。お二人とも教育課程部会においては既に委員として御参加いただいておりますが、初中分科会としては本日からということで、岩瀨先生は少し遅れているということなので、まず向山先生から、ごあいさつをお願いしたいと思います。

【向山委員】
 失礼します。全国連合小学校長会の向山行雄でございます。勤務校は、この近く、銀座の泰明小学校、泰明幼稚園で校長と園長をしております。今日は卒業式を終えてやってきました。どうぞよろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。それでは、髙橋企画官から、本日の配付資料の確認をお願いいたします。

【髙橋企画官】
 それではお手元の資料、袋詰めになっているものを取り出していただきまして、まず最初に議事次第でございます。それから、資料1、2は委員の皆様方の名簿の関係資料、資料3が学級編制、教職員定数改善の関係の資料でございます。資料4が、教育課程部会児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループで取りまとめていただきました児童生徒の学習評価の在り方についての報告案の関係の資料でございます。資料5が「平成21年度課程認定大学等数について」という資料です。資料6が特別支援教育の関係の審議経過報告でございます。資料7が全国学力調査の関係の資料でございます。資料8に高校無償化の関係の法案の資料をつけてございます。それから、その後に参考資料として3種類ほどつけてございます。そのほか、席上にPIAACというパンフレットを配付させていただいてございます。不足等がございましたら、お申しつけいただければと思います。以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。本日は非常に多様な課題につきまして、皆さんに御意見をいただくことになっておりまして、そういうことで多様な資料が準備してあります。よろしくお願いいたします。
 最初に、今後の学級編制及び教職員定数の改善につきまして、事務局から御説明いただいた後で、皆さんからいろいろと御意見をいただきたいと思っております。まず、この議題に入りたいと思いますが、その後でワーキングで非常に詳細にやっていただきました学習評価の在り方の問題、これについて皆さんの御意見をいただき、その後で、大学の教職課程の課程認定につきまして報告をしたいと思っております。これらに加えまして、特別支援教育の推進、全国学力・学習状況の調査、高校の実質無償化につきましても事務局から御説明をいただいて、また皆さんから御意見をいただくと。こういう進め方で今日はいきたいと思っております。
 では、最初の学級編制基準を改善する、教職員定数を改善するという問題につきまして、髙橋財務課長からお願いいたします。

【髙橋財務課長】
 それでは私から議論のきっかけとして、若干の資料の説明をさせていただきたいと思います。お手元の資料3-1、3-2、3-3、この3種類と、下の方にあります参考資料1に、今日の議論の参考になるデータを載せております。これは資料集でございますので、一々説明いたしませんが、2ページだけ、まず御説明いたしたいと思います。
 参考資料1の1ページ目でございますが、ここに先ほど副大臣のあいさつにもありました、これまでの教職員定数の改善経緯があります。昭和34年以降、7次にわたる計画を策定して、定数改善を行ってきた。特に第5次(昭和55年)の計画では、40人学級ということを定めたわけでございますが、それから既に30年が経過しています。中教審で御議論いただいて、平成18年から新しい計画の策定の準備はしていたのですが、18年6月の行革推進法などのため、新計画が定められないまま、5年が経過しているというのが一つの状況でございます。
 今日は教育課程部会との合同会議ですので、最後の方の24ページの資料も御確認いただきたいと思います。今の新しい学習指導要領を作成するベースになりました20年1月の答申では、「新しい学習指導要領を実施するためには、諸条件の整備、なかんずく定数改善が不可欠である」、このことをしっかりと答申に明記するようにとの当時の梶田分科会長の御指導もいただきながら、こういった答申も出ております。
 それでは、資料3-1でございます。こういった過去の経緯等も踏まえまして、現在、文科省におきましては、新しい学級編制、教職員定数改善の在り方について大きく3つの検討課題があろうかと思っております。一つは、国の学級編制の標準(現行40人)の今後の在り方について、2つ目が、新しい指導要領の円滑な実施などに対応した定数改善の在り方について、3つ目は、これは従来から地方分権の観点でも御指摘がありますが、新政権は地域主権ということを掲げておりますので、その地域主権推進のための制度の見直し。具体的には、現在都道府県にあります学級編制の基準設定権を、市町村に移譲することなど。こういった大きな3つの観点で検討を始めたところでございます。
 副大臣のあいさつとも少し重なりますが、こういった検討開始のアナウンスを1月にいたしまして、2月、3月にかけて教育関係の21団体からヒアリングをさせていただきました。幅広く国民の御意見を1か月間、募集することも先週から開始したところでございます。今後、4月以降は有識者の方々からもヒアリングをし、また必要に応じて、この中教審の御意見も伺いながら検討を進めまして、8月には文科省として、こういった課題についての基本的な方針を取りまとめて、できれば、それを23年度の概算要求に反映していきたいと考えております。
 資料3-2に、21団体のヒアリングの概要をまとめております。四角の中だけに絞って簡潔に御報告いたしますが、まず、1ページ目で、小中学校に関してでございます。学級編制の標準については、現行40人、これは見直すべきだという意見が大勢でございました。具体的な数字は30人~35人といったところの意見が多く、また複式学級や特別支援学級の編制基準も引き下げを検討すべきではないかといった御意見もございました。また都道府県や地域、学校の必要に応じて、より弾力的な学級編制が行えるような制度の改善を求める声も多くございました。さらに直接、学級編制の定数とは関係しませんが、学級編制の標準を見直しますと、教室が必要になる、施設面の対応も必要であり、そのためにも十分な移行期間を設けて、そのための財源措置もあわせて検討すべきではないかといった御意見もございました。
 2ページ目でございます。少人数学級が具体的にどんな効果があるか。これは各団体それぞれの視点で非常に多面的な御指摘をいただきました。学習指導面、生活指導面、いずれにおいても、非常に大きな成果があるという御報告をいただきましたが、一方で、あまり学級規模が小さくなり過ぎると、社会性を育む上で問題がないか小さくなり過ぎないための検討も必要ではないか、といった御指摘もあったことを付記しておきたいと思います。
 4ページ目でございます。定数改善については特に教育委員会の関係者の方からは、採用計画などを着実に実施するためにも、単年度単年度の定数改善ではなくて、中期的な計画を定めて、それを確実に実施していく、ぜひそういった方向を打ち出していただきたいという御意見がございました。そして先ほども御説明いたしましたが、新しい指導要領の授業時数増に対応できる定数改善をすべきである、あるいは少人数指導や習熟度別指導など、現行の加配で措置しているものは引き続き継続、ないしはさらに充実すべき、といった御意見も見られました。そのほか、様々な諸課題に対応するための副校長、教頭の増員、専科教員への配慮、司書教諭の配置、養護教諭、栄養教諭、事務職員等の配置の充実を求める意見、また、特別支援教育の充実を図るための配置充実といった御意見もございました。詳しいことは資料をごらんいただきたいと思います。
 6ページ目でございます。都道府県から市町村への学級編制権限の移譲、これについては意見が様々で、率直に言って、若干の対立もございます。都道府県からは、移譲ありきではなくて、その是非を含めて適切に検討すべきであり、また学級編制権限だけではなくて、定数管理や給与負担も一体的に扱うべきであるといった若干慎重な意見もある一方で、例えば中核市教育長会からは、地域の実情に応じた弾力的な学級編制が可能となるように、ぜひ市町村への権限移譲を検討すべきだという御意見がございました。さらに校長会からは、校長に大幅な学級編制の裁量権を与えていただきたいといった御要望もございました。
 なお、国による確実な財源保障については多くの団体から、教育水準の維持・向上の観点から、現行の国庫負担制度を堅持すべき。あるいは負担率の復元を含めて、充実を検討すべきと。そういった御意見がございました。
 7ページ目、高等学校は小中学校に比べますと、意見は少なかったですが、主な意見をまとめますと、普通科では35人学級ないし30人学級、定時制では20人学級とすべきといった意見が提示されたところでございます。
 資料3-3は、現在募集しております国民への意見募集の呼びかけの資料でございます。
 以上、大変簡単ではございますが、資料の御説明とさせていただきます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。中教審で随分この問題は議論してきました。今、お話がありましたように、5年ぐらい前には、幻の第8次教職員定数改善計画も、この初中分科会で決めてもらって、財務省と交渉していただいたりしたわけですが、残念ながら、行革推進法とちょうどぶつかってしまいました。そういうことがございましたが、学級編制基準だけではなくて、人事の在り方についても、都道府県だけではなくて、その下の政令指定都市、中核市あるいは市町村まで、どこまでどうやってやったらいいかという議論もございました。こういうことが今、髙橋財務課長のお話にありましたように、少し動きそうな風が吹いてくる感じもございますので、どうか皆さん、そういう流れも思い起こしていただきまして、率直に、どういう点からでも結構ですので、御意見をいただきたいと思います。
 はい、どなたからでも結構です。では、向山先生。

【向山委員】
 失礼します。鈴木副大臣がいらっしゃる間に一言。
 今、副大臣からもありましたように、この数年間分の定数改善を認めていただいたのは本当に関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。これは義務制の学校、小学校も中学校も大変、教員が多忙感にさいなまれておりまして、新しい教育課程の全面実施をする前でありまして、引き続き計画的な新たな定数改善を望むところであります。
 今回、4,200名をつけていただいたのですが、危惧するのは、これが国庫負担が3分の1ということになっています。やはり、それぞれが都道府県に持って帰ったときに、都道府県の方が、そういう意思がないと、なかなか定数改善につながらない。非常勤の教員で措置するとか、あるいは場合によっては、3分の1ぐらいのところは返しちゃっているという状況もあります。したがって、計画的に定数改善を進めていくことと同時に、2分の1の負担への復元もぜひ進めていただければありがたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、小川先生。

【小川委員】
 鈴木副大臣がいらっしゃいますので、私からも直接言いたいということで、すみません。
 先ほど、髙橋課長さんから、団体ヒアリングの説明があったのですが、私も関係団体の要望書を全部読ませてもらって、後半のヒアリングについては傍聴もさせていただきました。前政権の下での定数改善の凍結ということもあって、今回、政権が変わって、新しい状況の中で、多くの団体が定数改善への期待ということで、いろいろなほとんどの分野での定数改善、学級編制の改善を要望として出していたように思います。ただ、これをすべてやると、兆を超えるぐらいの金額になるので、おそらく限られた予算の中では、戦略を持って、どこに重点的にお金を投下するか。そういう政治的な判断が必要になるかなと思っています。
 そういう点でぜひお願いしたいのは、資料3-1の最後の方に、定数改善、学級編制の在り方については、必要に応じて中教審の御意見を伺いながら、とありますが、これはぜひ中教審でしっかり議論させていただけないかと強く要望します。というのは、今回の定数改善は、おそらくただ単に学級編制を小さくするとか、教職員の定数を増やすとか、そういう量の話ではなくて、私の意見ということでもないのですが、例えば一律に30人学級にするとかということは、はたして本当にいいのかどうか。例えば小学校の低学年については学級編制は縮小しても、中学校については、学級当たりの教職員の配置率を高めて、むしろ中学校では授業時数を減らして、授業負担の軽減とか、業務負担の軽減をしながら、全体としての教師の質を高めていくとか、いろいろな考え方があり得るかと思うのです。ですから、そういうことを考えると、今回の改善は、ただ単に量の問題ではなくて、学校とか、教職員の働き方を大きく変える契機にもなる改善計画の策定につながるのではないかと。さらに人事権の市町村への移譲の問題も含めて、そうした議論を含めると、地方自治体の教育行政の形を大きく変えることになりますので、教育や学校の在り方そのものにかかわる論議をしないと、ただ単に定数を増やすとか、学級編制を縮小するとかという話にはとどまらない課題を非常に大きく含んでいると思いますので、ぜひこれは中教審でしっかり議論させていただければなと思っています。
 あと、それにかかわってもう一つ、要望なのですが、先ほどの意見にもあったように、定数改善をしても3分の2は地方が負担するということで、なかなかそれが地方に下りたときに、うまく進まないこともありますので、ぜひ負担金については2分の1への回復も目指しながらやってほしいし、さらには、できれば教育一括交付金という流れも含めて、ぜひ議論していただければと思います。最近の地域主権戦略会議の答申を見ますと、一括交付金の議論が始まっていますが、ただ、あの答申を見ますと、あれは明らかに義務教育費国庫負担金の実質的な廃止と一般財源化ということなので、これは少し我々が期待するものとは違います。あくまで教育一括交付金ということで、今の負担金補助金と、交付税に措置されている裏財源としての教育費を統合して、教育に限定した一括交付金という形で、ぜひ頑張っていただければと思いますし、こうしたこともぜひ中教審なんかでも議論させていただければと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。そうしましたら、無藤先生、そして岩瀨先生、植田先生、井上先生と、こう行きましょう。

【無藤委員】
 では、簡潔に申し上げたいと思います。私は、これまでの立場として、特に教育課程部会の中で、学習指導要領の改訂に携わってまいりましたが、その立場では、主な検討事項の中でも新学習指導要領の円滑な実施という辺りが気になるところであります。その面でいいますと、特に量の問題と質の問題、その2つの面を考える必要があると思うわけです。量の問題は、ヒアリングにも少し出ていたように思いますが、今回、授業時間が増えるわけでありますが、授業時間が改訂によって増えるのは、ここ20年ぐらいなかった……もう少し前からなかったのでしょうか。かなり久しぶりのことでありまして、従来、授業時間が減る、場合によっては学校週5日制になるという中での改訂、教職員定数の改善の問題とはかなり質が異なるということだと思うのです。それが一つです。
 もう一つは、質の面があまり取り上げられていないように思いますが、量ととともに、やはり指導の中身の改善に努めてきているわけです。特に今回、指導要領の中心的なコンセプトとして、言語力ということを打ち出したわけですが、言語力は国語という教科のみならず、すべての教科・時間で言葉による思考というものを十分に発揮させようということです。その意味では、かなり個別的な指導とか、クラスにおける話し合いの時間を増やす等のことが要請されるわけですが、そうなりますと、例えば小学校で学級定員40名という中でできるかというと、なかなか大変なところがあります。そういう意味でも教職員定数の改善をぜひお願いしたいと。この2点を申し上げたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、岩瀨先生。

【岩瀨委員】
 全日中の岩瀨です。少し遅れてしまって申しわけございません。実は今日、学年末の最後の保護者会があったものですから、保護者会の最後に、実は、今日、これから文科省に行って、こういう話し合いがあってという話をしましたら、学級定数の問題、教員定数の問題で、「校長先生、頑張ってきてください」と拍手で送られてきまして、ここへ来ているのですが、定数の問題は、これは校長会とか、学校関係者だけではなくて、全国民的な課題になっていると思うのですね。ぜひぜひ学級の定数、教員の定数につきましては文科省に頑張っていただきたいと。財務省に負けないでほしいと強く強く要望したいと思っております。
 もう一点、国庫負担につきましても、昨年末の事業仕分けの折に、全額負担してもいいではないかという御意見があそこで出たように、3分の1ではなくて、日本の教育を支えているのは、義務教育を支えているのは大変なことだと思うのですね。3分の1ではなくて、全額、国が責任を持っているのだと。そういう姿勢をぜひぜひ出していただきたいと思っております。
 3点目、24年度から中学校では新しい指導要領になるのですが、今、その移行でいろいろやっております。今、無藤先生からもお話がありましたが、時数が増えるのですね。ところが、時数が増える経験は私が教員になって初めてなのですが、いまだかつてない出来事に今、直面しておりますが、時数は増えるのですが、教員定数については、まだ何の音沙汰もないということ。これは大変な問題だと思います。時数を増やす条件として、教員も増やしてほしいと。たしか私の前の前の会長さんから、この中教審でも、かなりそういう要望を出していると思うのですね。ぜひ、その辺りのことを考えていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、植田先生。

【植田委員】
 失礼します。山口県下関市の一中学校に勤めております植田と申します。今、岩瀨先生が大部分おっしゃいました。現場の教員とすれば、私もこれまでの会議の中で、仲間が欲しいという発言をさせていただいたことがございます。仲間が欲しいというのは、要は我々にゆとりが欲しい。自分のためではなくて、もちろんそれもあるのですが、子供のために私たちがゆとりを持って、子供と向き合える時間、ゆったりと話して、しっかりと先のことまで話ができるようなゆとりが欲しいなと。時間的なゆとり、精神的なゆとり、そういうものが我々の現場の教員に今以上にいただけると、効果のある教育活動ができるのではないかなと思っております。
 これもこれまでに申し上げました、昨年末の文科省の発表の数字なのでございますが、病気による休職者数の増加についてでございます。児童生徒数は日本は減っておりますので、教員数も当然減るわけですが、それに逆らうように病気の休職者が8,578人になったということです。その中でも精神疾患による休職者数が5,400人という数字でございまして、これはとにかく毎年毎年伸びております。つまり、私たちが限界に来ているのだということの数字だろうということで私もこの席上で何度も申し上げました。もちろんほかの部会においても、ここに光を当てていただきまして、いろいろな御議論をいただいております。ただ、なかなか現場までそれが下りてこないという現実がございまして、ぎりぎりの状態で、今、私たちは頑張っている。それがために仲間が欲しい、子供のためにゆとりが欲しいと申し上げておるのでございます。
 OECDの調査結果を漏れ聞くところによりますと、平均学級規模は、OECDの平均では小学校が21.4人、日本はこれに対して小学校28.2人、中学校ではOECDの平均は23.9人、日本では33.2人という数字だそうでございます。そうしますと、やはり定数改善、もちろん学級の人数を減らしていただくのは大事なことになるのではないかと思っております。当然、教員もそれに基づいて増やしていただくことになるのですが、私が求めますところは、1学年の学級数に対する教員数は、小学校においては1.5以上、中学校においては2.0以上です。財政のこともございまして、私にはなかなかわからないところもございますが、これまでのこの会議での、「冷たい財政の風」というお言葉もありました。一生懸命耐えてきたのでございます。ぜひ、まず学級数は40人から30人を目標にしていただきたい。
 そのことともう一つ、地域によって差があるのだ、学校によって差があるのだということも御理解をいただきたい。生徒指導上の問題は、中学校においては非常に大きな問題になっておりまして、本当に荒れた学校に私も勤めたことがありますが、1日が長いのです。家に帰ったかと思うと、また電話をもらって行かなければいけないということもありまして、いろいろなことでまとめますと、仲間が欲しい、ゆとりが欲しいということでございますので、ぜひお力添えをお願いしたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、井上先生。その次が渡久山先生、そしてこちらに参ります。

【井上委員】
 本日は、鈴木副大臣から先ほど、来年度予算につきまして大変大きな成果をあげていただいたという御報告をいただいて、特に学習指導要領の本格実施が23年度に小学校、24年度から中学校ですが、その移行措置の現在、いろいろな取組をしている中で、4,200人の定数増をしていただいたと。これは大変、学校現場あるいは教育界全体で喜んでいるところでございます。
 そこで私は一つだけお願い申し上げたいと思っておりますのは、全体的に学校現場は今、いろいろな問題、児童生徒の問題行動とか、あるいは学級崩壊とか、小一プロブレムとか、いろいろな課題があるわけで、そういうことに対応するには、やはり必要な教職員の確保は、これはどうしても必要なことでございまして、特に中教審の答申でも、子供たちに教員が向き合う時間の確保ということが言われておりますが、定数が不足しますと、どうしてもきめ細かな児童生徒への対応が、教育指導上も、あるいは生活指導上も、なかなか難しいというのが現状でございます。そういう点におきましては、今後、23年度から小学校、24年度から中学校と学習指導要領の本格実施を迎えているときだけに、授業数の増等に対応するには、どうしても、それに必要な教員数の確保が必要でございますので、参考資料1の22ページを拝見しますと、今後も児童生徒数の減少が続くということでございますので、それに伴う教員の自然減が生じてくるわけでございますから、そういう意味では自然減に対応し、第7次計画におきましても、自然減と同数の定数改善をしていただいておりますので、そういう形で最低限、自然減の範囲内で定数改善計画をぜひ実現していただくようにお願い申し上げたいと思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。渡久山先生、お願いします。

【渡久山委員】
 どうもありがとうございます。今、学校現場で教職員が一番頭の痛いことは、子供たちに接する時間が非常にないということなのですね。特に日本の場合、小学校から大学、あるいは大学院まで、学生や児童生徒の学力問題が非常に議論されているのですね。いろいろな形で提起もされているのですが。小学校、中学校で、子供たちにしっかりした授業をしていく、わかる授業を完全に、まあ、完全にまではいかなくても、十分にしていくためには、一つは、やはり少人数学級や少人数指導が非常に大切だと思うのです。重要だと思います。そういう意味では、先ほどから出ていますように、国際比較の中でも、日本の場合、必ずしも条件がいいという形にはなっていない。条件が悪い方になっていますので、ここが一つ問題ではないかということで、やはり少人数学級による、より効果的な授業が行われるような態勢をつくるための教職員の増も必要だと思います。
 もう一つは、今、教職員を増やしたり、あるいは定数を決めたりする標準法なのですが、標準法では、学級規模とそれに応じた教員あるいは事務職員を含めた、あるいは校長を含めた数値になっていますが、もっと学校の職員の構成をどうするかという面も真剣に考えてもいいのではないかと。だから、標準法そのものを抜本的に見直していく必要がないだろうかということが一つです。
 それから、今、いろいろ出ていますように財政が非常に厳しいわけですので、今の定数法では、小学校1年から中学3年、あるいは高等学校まで全部一律40人学級ですよね。40人になっていますから。それを学年進行なり、あるいは小学校低学年は例えば25人にするとか、20人にするとか、そういう形で、財政規模との問題ですね。あるいは、より有効な方法を考えられてはどうかなという気がいたしております。
 先ほど、鈴木副大臣が、教育予算が増えたのは、8.1%増、これは30年ぶりだとおっしゃったのですが、実は日本でも40人学級ができたのが30年前なのですね。そして10年間で終わって、あと20年間はほぼ40人は動いていないのです。そういう意味では、これはちょうど今、政権が変わったこともありますし、国民的な課題ということもありますが、各政党とも、民主党がそういうことを言い出したせいもあるかもしれませんが、わりと少人数学級に対する関心が非常に高いようでありまして、そういう面では、これこそ人、あるいは学校、あるいは子供たちに、どういうような教育をしていくかは国民的な課題になっていくという意味で、より具体的な、より効果的な政策の中に織り込んでいただけるようなことを心から期待したいなと思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、天笠先生、それから荒瀬先生、それから室伏先生、秋田先生と、こういうふうに行きます。

【天笠委員】
 どうしても学級編制等々のテーマということになりますと、35人ですとか、30人ですとか、そういうところに関心が集中する。確かに40人を30人前後という形にすることは、私もそれに特に異論があるわけではないのですが、ただ、どういう文脈で40人が35人なのか、あるいは30人なのかと。その辺りのところの押さえが大切になるのではないかなと思います。私は、1つの学級の最適な姿ということとあわせて、1つの学校の規模というのでしょうか、その辺りのところを複眼的に見ていって、学校としての望ましい環境の作り方という視点も、この際、ぜひ見落とさないようにすることが大切なのではないかと思っております。
 そういう意味においては、資料3-1にありますように、主な検討事項として、学級編成と教職員定数の在り方、それから権限移譲の在り方、この3つのテーマを設定して、これを突き詰めていくことの方向性としては異論があるところではありません。そういうことなのですが、ただ、この3つの相互のバランス、あるいは相互の関係が大切なのではないかと思っております。そういう意味においては、これからどういう検討のプロセス、あるいはシステムに頼って、一定の結論を得ていくのかどうなのか。その意見の聴取等々も含めて、議論の深め方の在り方について注意したいと思いますし、また、ぜひこの場でも、そういう機会とか場を用意していただければと、よろしくお願いしたいと思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。荒瀬先生、お願いします。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。高等学校の学級編制については少しだけ出ているのですが、私は今、天笠先生がおっしゃったことと非常に重なる部分があるのですが、こうすべきだというときに、その形と中身との関係がどうなっているのかということがとても気になります。形だけをするのではなくて、その形をすることによって、こういう中身をやっていくからということがない限り、とにかく一遍つぶしてみたら、何かが生まれるみたいなですね、かつて袋小路に入っていってしまった学生たちの──私たちの先輩に当たるわけですが──運動とよく似てしまわないかなということを思います。せっかくお金を使ってやる以上は、そのお金の使い方が生きたものにならなければいけないと思っています。
 副大臣がいらっしゃるからというので私も申し上げるのですが、去年の9月に文部科学省に呼ばれてお話をさせていただいたときに、高等学校の授業料無償化の話で、私は無償化する4,500億円というのを教育予算としてみなされるのは大変辛いところがあると。教育予算というよりも、これはむしろ厚労省の予算とするべきで、財務省からは本当に教員を増やすとか、学校の教育活動に使えるお金をということを申し上げました。しかし、こうして決まっていく以上は、この無償化をいかに意味のあるものにしていくかを今度は考えなければならないと思っています。使う以上は使ったお金がほんとうに生きたものになるために、これは国もそうでしょうが、教育委員会やあるいは学校現場が考えていかなければいけない。そこのところがどうも私は弱いような気がしてなりません。国で決まったことが、だんだん県に行って、県から市町村に行って、市町村から学校に行くと、これが自由な発想が全くなくなってしまって、換骨奪胎というのは当たらないかもしれませんが、意味が変わった形で学校現場に、こうしなさい、となっていく。私は、もっと学校現場の裁量といいますか、校長の発想だとか、教職員の工夫だとか、そういうことがない限りは、本当の意味の教育改革というものにはつながらないと思っております。ですから、そういうことについても、ぜひお考えをいただいた上でのお金の使い方を考えていただきたいと思っています。
 時間をとって誠に申しわけありませんが、これはうちの学校の生徒の話なのですが、お金がありません、この子は多分、授業料無償化だったら、本当に喜んだと思います。母子家庭でお母さんは一生懸命働いていらっしゃって、この子は大学に行くか、行かないかと悩みました。お母さんが「おまえ、そんなに頑張っているのだから、大学に行くのに、この貯金を使えばいい」と言うのですが、息子の方は、そのお金があれば、お母さんもちょっとは楽ができるというので、大学に行くかどうか迷って相談に来ました。私は、そのお金を使うことが君にとっての親孝行だ。そのお母さんが苦労して貯められたお金を使って、大学に行って、そしてその力を、自分の得た成果を、どんなふうにしてお母さんに返していくのか、あるいはまた社会に還元していくのかと。こういう1点だけをお話ししすると、妙なことになるかもしれませんが、まさにそういった具体的なドラマが現実にいろいろな場面で起きていると思うのですね。だから、本当に意味のあるお金の使い方をしていかないといけないし、使った以上は意味のあるものにしていかないといけないということを思っております。以上です。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、室伏先生。

【室伏委員】
 ありがとうございます。少人数学級の実現とか、定数を増やすこと、これはとても大事なことなのですが、それだけではだめだろうと私は考えています。例えば教員の数をただ増やすのではなくて、その教員の中での役割分担をきちんとできるようにするとか、つまり教科教育にもっと時間がかけられて、教材研究ができるような余裕を教員が持てるようにするとか、あるいはクラブ活動や生活指導などに割いている時間を、ほかの方たちがそこに参加することによって、そういう時間を軽減することができるとか、事務仕事や保護者との対応なども、例えば1人の先生が抱え込む必要はないわけですので、そういった役割分担を学校の中でできるような態勢を整えるのが大事なのではないかと思っています。そのためにはスクールカウンセラーですとか、学校のお医者さん、そういった方ですとか、あるいは地域の方々の協力なども必要だろうと思いますので、教育環境を整えて、教員が自分自身を高めるための研鑽ができるような環境を整えることが極めて重要だと思っていますので、ただ数を増やせばいいとか、人数を減らせばいいとか、そういったことだけに注力せずに内容を高めることをぜひ進めていただきたいと思っています。
 その中で特に小学校で理科の教員、つまり専科の教員をぜひ配置していただきたいと思います。いろいろなところの方々、特に教育委員会の方とお話をしたときに、専科は置きたいのだけれども、これから子供が減っていったときに、専科の先生にほかの科目も持っていただくことができないので、理科の専科はあまり置きたくないと。そういう本音を伺ったことがあるのですが、やはり今、科学技術は非常に著しい進歩を遂げていますので、理学部あるいは工学部といったところで科学や技術を自分自身の問題として学んできた人たちが、小さな子供たちにそれらの面白さを伝えることは極めて重要だと思いますので、ぜひ専科教員の配置も、この定数の改善の中には含めていただきたい。あるいは大学院の学生たちが、そういったところに参加することで、先生方の負担を軽減することも考えていただけたらよいのではないかと思っています。ぜひ質の向上ということをよろしくお願いしたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。時間が大分詰まってきましたので、あと秋田先生と大嶺先生と、違う立場の人ということで、黒須先生にも発言していただいて、申しわけないですが、あと3人だけにさせてください。すみません。秋田先生、どうぞ。

【秋田委員】
 私も重点をどこに置くかというときに、新学習指導要領の改訂に準じたところに力点を置くのが大切と思います。そうすると、例えば今、室伏先生が言われたところともかかわるのですが、今回、理数科のところが重点になりましたし、日本学術会議でも、教育で最も教員で重要なところとして、教師の科学的教養の育成と専科教員を置くという提案をさせていただいております。やはりその部分について力点を置くとか、それから、ここの中には、書かれてはいますが、あまり言われていませんが、言語力の育成ということを考えたときには、学校図書館と司書教諭は個別の授業とは別のところで極めて重要な役割を担っております。先ほど天笠先生が言われたように、学校全体としてどのようにすると質が上がるかを考えていただきたいと思います。学校組織のリーダーシップ論がOECDやイギリス等で議論されていますが、そこで出ているリーダーシップは様々な専門家が実力を発揮できるような組織構造をいかに作るかという議論であります。ですので、単純に学級の子供の数を減らすというだけではなく、できるだけ専門家の力量を発揮できるような態勢をいかに作るかというところを議論いただけるといいと思いますし、ぜひヒアリングだけではなく、ここの中教審で、このようなことはじっくり御議論いただきたいと思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、大嶺先生。

【大嶺委員】
 ありがとうございます。先ほど髙橋課長から、30年前というお話をいただいたのですが、30年前というと、私は昨年、現場から離れたのですが、教師になって1校目の学校だったなと。それぐらいずっと40人学級が続いてきたわけですね。ところが、ここに来て、ここ何年もの間、学校に新しい風が吹いてきております。それは学校間の連携接続といったような形で、小中一貫とか、あるいは中高一貫、あるいは地域の方、保護者の方々と一体となって学校教育を進めていきましょうというコミュニティースクールの取組ということで、これからの学校の在り方の1つの方向性を示していくような取組がどんどん始まっていっているわけですね。ところが、学級のサイズを考えてみますと、40人が全く変わらない状態でいっていると。これは何とかしていかなければいけないだろうなと。学校は大きく変わっていっているのですね。ところが、学級サイズはそのままで、40人丸ごとをお一人の教員がコントロールしていかなければいけない状況だと。
 しかも、その1クラスの状況はどういう状況になっているかというと、参考資料1の23ページにとてもいい資料、これはホームページにも載っていて、すばらしい資料だなと思ったのですが、「学校が抱える問題の状況」ということで何点かですね。不登校児童生徒の割合とか、学校内での暴力行為の件数とか、あるいは要保護、準要保護の児童生徒数がどんなふうに、ここ数年の間に変わってきているのかという、非常に貴重なグラフが載っております。そういう生活指導上の問題とか、学習指導の困難、そういったようなことも鑑みていきますと、やはり40人学級を1人の教員がコントロールしていく上では、とても厳しいのではないかなと思います。
 それでは、35人がいいのか、30人がいいのかといったときに、その数値的な根拠をどこにあるかといったら、私はわかりません。何人にしていったらいいのかという、その数値をどこに裏づけ、エビデンスを求めていくのかといったときにわからないです。ですから、その辺のところをじっくり検討していかなければいけないだろうなと。
 そして、おしなべて、どこもすべて35人あるいは30人にしていったほうがいいのかといったときに、私は中学校ですが、教科によって違うだろうなと。人数が少なくなっていったときに、例えば合唱があります。合唱コンクールのときに二十何人かで合唱するのと、三十数人で合唱するのでは全然迫力が違いますね。体育もそうです。その辺のところを考えていったときに、少なければいいというものでもないだろうなと。やはり教科によって、ある程度の人数を確保していかなければいけない教科もありますし、少人数でやったほうがぐーんと効果が上がっていく教科も、少人数加配を受けて実際に取り組んでいった中で、数値的に上がってきている、子供たちに力がついてきていることもあります。ですから、それを考えていったときに、この学級サイズを考えていくときには、目的は何かといったら、一番最初に考えなければいけないのは、やはり学力の向上、子供たちにどうやって力をつけていったらいいのかなと。その力をつけていくために、どういうふうな学級編制がいいのかなと。そこら辺のところに第1の目標を置いて考えていくべきだろうなと考えております。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。黒須先生、どうぞ。

【黒須委員】
 すみません。手短にやります。自治体の経営者という立場からですが、今の学級編制、これは確かに議会等でも現在の40人学級を35人とか、30人にできないかという話はよく出るわけですが、実際に本市では小学校、中学校108校があるのですね。平均が大体31人です。今、八王子の場合は、人口は年間4,000人ぐらいずつ増えています。それでも地域性があるのですね。どっちかというと過疎化をしている地域、開発等で人口が増えている地域と。人口が増えている地域は40人、あるいは40人に近いクラス編制をして学校を増築しなければならないところ、あるいは新設しなければならないところも実はあるのです。しかし、そういうところはどっちかというと少数でありまして、平均しますと31人ぐらいです。ですから、これを30人にしろといったら、多分、1クラスが31人になったら、15人と16人となりますよね。ですから、実際は20人ぐらいのクラスになると思います。
 そうしますと、まず教室等の施設整備が大変な負担になります。今、鈴木副大臣は退席されましたが、後ほど耐震化の要望に行くのですが、予算がちょっと減りましたから、これを何とかしてもらおうというので、今、東京都でも耐震化は82%、全国では67%ですから、これは急がれているわけですよ。ですから、そういう施設整備という点からも、これは大変なことですから、結論としては、やはり地域の実情に応じた運用を任せていただければ、一つは35人なら35人でも結構ですが、ぜひそれはしていただきたいと思うのです。しかし、それを35人に必ずしなければいけないといったら、現実の問題として自治体に対応できるところは少ないと思いますよ。ですから、そういう点も段階的にできるようなことを考えていただければありがたいなと。こう思います。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。まだまだいろいろと御意見はあると思いますが、今日はまだ幾つか大事な課題について皆さんの御意見を伺いたいと思いますので、この辺りにしたいのですが。いずれにせよ、皆さんの御意見は、教職員の数は増やそうと。そして学級編制基準を40人に固定しないで、もう少し引き下げようと。これは一致していると思うのです。ただ、具体的な運用につきましては、学習集団としてどのぐらいがオプティマムなのだろうかとか、あるいは小中高でどうだろうかとか、教科によってどうだろうかとか、あるいは市町村がどこまで地域の実情を考えて、腕を奮う余地を制度的に作っていくかとか、幾つか検討しなければいけない具体的な問題があると思います。これを少し整理していただいて、またここで、大枠は政治の舞台で頑張っていただかなければいけませんが、具体的なところは、ここで話を詰めていかなければいけないと思いますので、またそういうことで、できるだけ早く、皆さんの御意見を伺いたいと思っております。
 では2番目の議題に移りたいと思います。「児童生徒の学習評価の在り方について」ということで、実は教育課程部会の下にワーキンググループを作って、ずっと精力的に検討していただいてまいりました。本日は、この報告を伺って、教育課程部会としての報告にまとめて、そして、それに基づいて文科省から通知を出していただくと。こういうことになっております。しかし、その教育課程部会の上部組織であるところの初中分科会との合同会議ですので、御意見は部会の先生も、分科会の先生もどんどん出していただいて、いい形で、全国に通知が行くようにしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それではワーキンググループの主査をお務めいただきました無藤先生からお願いいたします。

【無藤委員】
 無藤でございます。児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループというものが教育課程部会の下に作られましたが、その主査を務めました。
 教育課程部会におきましては、前回2月12日ですが、そこで御説明をいたしました。そして、様々な御意見をちょうだいし、ワーキンググループの審議の中間まとめにつきまして修正を加えております。また2月から今までの間に関係団体、また一般の方々からの意見募集も行い、いわゆるヒアリングを行ってございます。それを踏まえまして、先週ですが、ワーキンググループを開催いたしまして、最終的なワーキンググループとしての報告をまとめました。お手元に資料4の下に資料4-1、4-2、4-3とありますが、それがその資料でございます。本日は初中分科会の委員の方々もいらっしゃって、初めてお聞きになるかと思いますので、まず概要につきまして事務局より御説明いただきまして、その後に私から教育課程部会においていただいた御意見がございましたので、それに応じた修正などについて御説明申し上げたいと思います。それでは事務局より御説明をお願いいたします。

【梶田分科会長】
 それでは、梶山室長、お願いします。

【梶山教育課程企画室長】
 はい。それでは私から資料4-1を中心に御説明させていただきます。資料4-1をごらんください。
 まず1から御説明させていただきますが、学習評価とは何か、またその検討をなぜ行っているかの説明を兼ねて御説明申し上げます。学習評価につきましては、児童生徒の学習指導要領の目標の実現状況を把握いたしまして、指導の改善に生かすものでございます。そのため、学習指導要領の改訂に伴い、約10年ごとに評価の基本的な在り方について検討を行い、指導要録に記載すべき事項などを文部科学省として参考通知の形で提示してまいりました。現在の学習評価につきましては、児童生徒の学習状況を観点ごとに分析的にとらえる観点別学習状況評価と言われるもの、それと総括的にとらえる評定というものを、学習指導要領に定める目標に準拠した評価、いわゆる絶対評価として実施することとされております。今回、ワーキンググループにおきまして、新しい学習指導要領を踏まえた学習評価の在り方について御検討いただいたものでございます。
 次に第2章でございますが、こちらにつきまして、文部科学省が昨年8月に教員の方々、それから保護者の方々に対しまして、評価に関します意識調査を行いました。その結果、小中学校を中心に現行の評価が定着している一方、負担を感じている教員の方々も多いというような現状がわかったところでございます。また高等学校においても、小中学校ほど、観点別学習状況評価が定着しないこと。また保護者についても、学習評価の在り方、児童生徒の学習状況について、より一層把握したいと。このような要望を持っていることが明らかになっております。
 このような現状を踏まえまして、3章でございますが、学習評価の今後の方向性についてまとめております。具体的には、学習評価が、結果の面から教育水準の維持向上を保障する機能があり、学習評価について評価そのものが目的ではなくて、学習指導に係るPDCAサイクルを動かし、授業の改善、学校の教育活動全体の改善を図ることが重要であることを明記した上で、1から3までの3つの方向性を示しております。1つ目といたしまして、きめ細やかな指導の充実。それから、一人一人の学習の定着を図ることのできる目標準拠評価による観点別学習状況評価・評定ということを着実に進めるということ。つまり、学習評価の在り方の大枠は維持しつつ、それをより深めることを図っていくべきであるということ。それから2番目といたしまして、指導要領の改正の趣旨を反映すること。3つ目といたしまして、教育というものが各学校の実態に応じて効果的に行われることが重要でございまして、各学校の創意工夫を生かす現場主義を重視した学習評価の促進を図るべきこと。この3つを基本的な方向性としてまとめております。
 次に具体的な事項に入りまして、観点別学習状況評価の在り方について4でまとめております。今回、学習指導要領等におきまして、学力の3要素を明示しております。指導と評価の一体化を図る観点から、この学力の3要素と評価の4観点、今、学習評価につきまして、観点別学習状況評価については4つの観点をおおむね使っておりますが、それの整理を行っております。具体的には、おおむねではございますが、丸1にありますように、基礎的・基本的な知識・技能という学力の要素につきましては、「知識・理解」、「技能」という観点におきまして。それから、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等という学力につきましては「思考・判断・表現」において。また主体的に学習に取り組む態度については「関心・意欲・態度」においてそれぞれ評価を行うこととして整理しております。これを踏まえまして、各教科の特性に応じて、4観点を基本としながら、観点を設定することとしております。
 なお、今回、新しい学習指導要領におきまして、思考力、判断力、表現力等を育成するため基礎的・基本的な知識・技能を活用する学習活動を示すとともに、言語活動を重視することとしております。これらの能力を適切に評価して、指導を一層充実していくために、各教科の内容に即して思考・判断したことを言語活動を中心とした表現の活動を一体的に評価する観点として、今まで「思考・判断」というような観点でございましたが、それを「思考・判断・表現」ということで改めております。
 次のページをごらんいただければと思います。指導要録に関しての改善についてまとめております。指導要録に関しましては、指導の過程、結果の要約を記録し、その後の指導と外部に対する証明などに使用するものでございます。指導要録においても、先ほど御紹介いたしました学習評価の今後の基本的方向性を踏まえた改善を行うことが必要であるとしております。具体的には観点別学習状況評価の「関心・意欲・態度」、こちらにつきまして、必ずしもわかりやすい形で表れないこと。また教師に負担感があるというような御指摘があったことから、評価方法、評価時期について工夫を行うことが適当であるとしております。
 また今回、指導要領の改訂において、新たに導入されました小学校の外国語活動、こちらにつきましては総合的な学習の時間と同様に、文章記述による評価を行うこと。また、ホームルームというような活動が中心でございますが、特別活動については、学習指導要領の目標を踏まえつつ、各学校において様々な活動が行われているところから、各学校における教育活動に合わせて、評価の観点を定めて評価するということにしております。
 さらに「行動の記録」という項目がございまして、こちらにつきましては、学校生活全体にわたって認められる児童生徒の行動について、各項目ごとにその趣旨に照らして十分満足できる場合に丸をつけるということになっております。この行動の記録につきましては、基本的な在り方は維持しつつ、設置者が適切に項目を設定し、各学校がその教育目標に合わせて項目を付け加えることも適当であるとしております。
 次に第6章におきましては、高等学校における学習評価の在り方についてまとめております。先ほど御紹介申し上げましたように、高等学校については小中学校とは異なる状況もございますが、評価による指導の改善を図るとともに、評価を通じて教育の質の保障を図っていくことは同じく重要でございまして、観点別学習状況評価を推進していくことが必要であるとしております。ただ、高等学校においては、生徒の特性、進路等が多様であること、高等学校の指導要録の現状を考慮いたしまして、指導要録に記載すべき事項については大枠のみを示すという基本的な考え方を踏襲することが適当であるとしております。
 次に障害のある児童生徒に係る学習評価の在り方についてまとめております。障害のある児童生徒に係る学習評価の考え方につきましては、障害のない児童生徒に対する学習評価の在り方と基本的に変わるものではございませんが、評価にあたって、児童生徒の障害の状態などを十分理解しつつ、様々な方法を用いて、一人一人の学習状況を一層丁寧に把握することが必要であるとしております。また、学習指導要領の改訂を踏まえまして、個別の指導計画に基づいて行われた学習状況、それから、その結果の内容の評価を実施すること、このようなことが必要であるとしているところでございます。
 最後に学習評価における組織的な取組、国・教育委員会等の支援による効果的・効率的な学習評価の推進についてまとめております。学校、設置者、都道府県、国が学習評価におけるそれぞれの役割を果たし、教師の負担感の軽減を図りつつ、学習評価の妥当性、信頼性などの向上を図ることが必要であるとしております。その際、学校、設置者においては、学習評価に関する規準、方法の一層の共有、教師の力量の向上を図るなど、組織的に学習評価に取り組むことが重要であるとしております。また、国、都道府県などにおきましては、学習評価に関する研究を進め、参考となる評価の観点などを示すとともに、学習評価に係る具体的な事例を収集・提示することが求められるとしております。さらに情報通信技術を活用いたしまして、学校や同一地域で評価関係資料を共有したり、指導要録の電子化を進めることによって事務の改善を推進することも重要であるとしております。
 私からは以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、無藤先生。

【無藤委員】
 ということが概要でありますが、先日、教育課程部会から幾つか御意見をちょうだいいたしましたが、それについて修正のポイントを御説明したいと思います。大きく3点ございました。
 1点目でありますが、指導要録の評定が目標準拠評価、いわゆる絶対評価であるわけですが、その関連で入試との関連をどう考えるか。また、そのことを含めて保護者に対する説明を適切に行っていくべきであるといった御意見がございました。前回も御説明したところでありますが、今回検討いたしました学習評価は、学校における日常の指導の充実を図るための評価についてであります。そういう意味で、この学習評価と入試選抜の評価、この2つは異なるところがありますが、評価の妥当性、信頼性を高めていくという意味で、学校の組織的な取組を進めるといったことの方策について記述してございます。
 また、御指摘をいただいた保護者に対する説明でありますが、現在の評価の仕組みにつきましては、目標準拠評価にしている理由を含め、保護者に対する説明をさらに充実していくことが求められています。国や都道府県の役割の部分におきまして、関連の記述を追加し、充実させて修正いたしました。
 また、2点目の御意見でありますが、今回、評価の観点といたしまして「関心・意欲・態度」「思考・判断・表現」「技能」「知識・理解」、この4観点と整理したわけであります。特に基礎的・基本的な知識・技能に対応した「知識・理解」と「技能」、この2つに分けてありますが、これをむしろ1つに絞って、1観点としてはどうかという御意見をちょうだいしてございます。この点につきましては、関係団体等からの御意見におきましても同種の意見がございました。しかしまた、例えば全国公立学校教頭会、その他の団体から、「知識・理解」と「技能」の評価につきまして、知識はあっても技能が伴わないなどの生徒がいる中で、両観点をあわせて評価することが難しいといった御意見もちょうだいしているところであります。またワーキンググループとしても、その種の意見が強く出ましたので、最終的には報告案で示す4観点による整理を行うことが適当であると考えております。
 さらに3番目でありますが、各観点間の関係につきまして、その関係性を整理して、例えば基礎的・基本的な知識・技能に対応するところの「知識・理解」の順番を一番上に持ってくるといった整理はどうかという御意見もちょうだいしてございます。これにつきましては、その折にも4つの観点について特に重要性の順序をつけるものではなく、どの観点も重要であるということを強調いたしました。改めてそのことも報告に盛り込んであります。ですから、知識・理解はもちろん重要であるわけですが、同様に現在の児童生徒の学習状況において、主体的に学習に取り組む態度や、思考力、判断力、表現力等に依然として課題があると考えております。そのため、その主体的に学習に取り組む態度、また思考力、判断力、表現力等に対応するところの要素、すなわち「関心・意欲・態度」、「思考・判断・表現」といった部分の重要性を示すという意味で、現在の観点の順番を踏襲するという方向で報告書では記述してございます。
 なお、前回お示しした概要におきまして図を使って説明してございましたが、その図におきましては、観点にあたかも優劣があるとか、観点の順序が指導の順序ではないかという誤解が生まれるのではないかという御指摘もありましたので、その図については削除してございます。
 以上、ワーキンググループの御報告について御説明申し上げました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。皆さん、資料4-2、この上に案と書いてあって、「児童生徒学習評価の在り方について(報告)」、今の話は、これを教育課程部会の報告として御了承いただけるかどうかということでございます。
 分科会のメンバーの先生もおられますので少しだけ御説明しますが、3つのレベルの評価の話がこの中に入ってるのです。第1のレベルは、設置者が様式、記入法を決めて、各学校で公の帳簿として、きちんと持っていく指導要録です。これは対外的な証明の基になりますし、それから、それを累積していって、次の担当の先生がそれに基づいてまた指導を考えることもあるし、あるいは転校などをするとき、これを次の学校に、こういう子ですよと持っていく、こういう指導要録というものがあります。これは転校のことなどもありますので、国が参考になる様式、記入法を示して、ほぼそれで全国的に、設置者が決めることになっています。したがって、今度、この報告に基づいて3月中に、その第1のレベルでの指導要録を中心とした通知を出していだたくということになっているわけです。
 2番目のレベルが、通知表とか、通信簿と言われるような親御さんや本人に見てもらうものです。自分が頑張ったことが、あるいはうちの子が頑張ったことが、どういうふうに評価されているのかなと。あるいはどこにまだ課題が残っているのかなと。これは学校の責任で出すわけです。ですから、実は様式、記入法、いろいろとあっていいわけです。我々は何度も全国調査をやりましたが、変わったものもいっぱいあります。特に附属小学校とか、附属中学校なんかは、わりと変わったことをなさっています。でも、大多数は指導要録の様式に準拠しております。したがって、第2のレベルも、性格は違うけれども、この資料4-2にあるようなことを実際には踏まえてやることになるのだろうということになります。
 第3のレベルは、具体的に先生方がやる評価活動です。例えば中学、高校では定期試験もあるし、小学校でもテストをやりますし、あるいは日常の活動の様子の記録をとって、これを評価することもあるし、あるいは歌を歌ったり、いろいろな作品を作ったりするけど、どういう観点から見ていくかもあるし、ということです。具体的な教育活動の中に、ある意味で組み込まれた評価です。これも実は大枠としては、通知表や通信簿というものが、どこか先生方の念頭にあって、それとの関連で、特にどういう視点で見ていくかということになります。
 こういう3つのレベルの評価の話がありますので、仕分けというと別のニュアンスが出ますので、ぜひ区分けをしていただきたいと思います。しかし、まず3月中に出していただかなければいけないのは、その一番の大枠になる指導要録の新しい考え方を出していただくことです。その背後には、教育課程部会でずっと議論していただいて現実のものになった学習指導要領の改訂の趣旨、あるいは、その背景にある学校教育法などの考え方、これがどこまでここにあるのかという話になっているわけです。ということで御理解いただきまして、この資料4-2を少しごらんいただきまして、お気づきの点などを御指摘いただきながら、御意見をいただくとありがたいと思います。
 はい。では、曽我先生。

【曽我委員】
 PTAとして保護者の立場で、いつもお話をさせていただいている部分の中で、今、梶田先生がおっしゃった1、2、3、つまり1の部分として、一人一人の学習の定着を図るために、学習評価の在り方を、このように進めていくことに関して、先生方の理解が進んでいることに関してはありがたいことだと思うし、それによって先生方がきちんと評価ができるようになっていくのだろうということは認めます。ただ、2から3に至って、これがそのまま2から3に行くとは、まだまだとても保護者として理解ができない。つまり、保護者が観点別評価に対して、先生方の評価をそれだけ信ずることができる状況の改善ができていない。そうなると、やはり先生方がそれだけしっかりした評価をすることの自信を持って評価し、またそれを保護者に説明できるような形にならないといけないと思います。そういう意味では、この学習評価の在り方を基本概念に持って、もっときちんと説明できる先生方に対しての教育指導なのか、その辺がもっと進まなければならないということは確実に今後の課題としてあるのだということをぜひわかっておいていただきたい。それを進める中で改善していただかなければ、保護者はなかなか理解できない。その保護者が理解できたときにはじめて、学習評価の在り方として、きちんと存在する観点別評価が完成するのだということでありますので、ぜひそこのところを急いでスピーディーにやっていただかないと、そのまま放置されてしまいますと、先生方が納得しただけの学習評価になってしまう形にもなり得ますので、ぜひその辺をスピーディーに今後も中教審、また様々な機関で検討し進めていただきたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。曽我先生がPTAという保護者の立場で今、御発言をいただきました。では、角田先生、それから渡久山先生、隂山先生といきます。

【角田委員】
 新しい学習指導要領の趣旨に従って、この「思考・判断・表現」が入ったと。これは新学習指導要領の意を受けて、よくできているなと思っていますが、ただ、やはり実際に評価するとなると、今の曽我委員の意見にもあったように、なかなか難しいものがあるだろうと思います。現在の「関心・意欲・態度」ということについても、これもなかなかそれが主観的で、ものに現れてくるものだけが評価されてくるといったようなところがあって、なかなかそれを保護者にきちんと説明できるだけの根拠が薄い部分がないわけではなかったと思います。ですから、ぜひ今後、これの補助資料といいましょうか、研究開発を進めていただいて、現場の先生方がきちんと使えるような、信頼が置けるようなものを補助的に作っていただければありがたいと思っています。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。渡久山先生。

【渡久山委員】
 今、お二人からありましたように、教員が評価する場合と、曽我委員が言われたように保護者がそれを納得するかはなかなか難しいですよね。例えば自分の子供はおとなしいと言われたとき、学校ではおとなしいというのが集団の中では消極的だと見られる場合があるわけですね。そうしたら、保護者は怒りますよね。何が消極的かと。しかし、それがおとなしいになったりしてしまうときもあるわけですね。ですから、この9ページにありますように、保護者の38%とか、あるいは46%が理解がいっていないというところを、これは今、角田先生が言われたように、きちんと今後の評価の在り方として、より学問的な形で客観性とか、妥当性というものをもう少しやっていただいたほうがいいのではないかと。そうでなければ、どうも教員の主観になってしまうような気がいたします。これが一つです。
 もう一つは、11ページから見ますと、教師や学校にとっての問題として、教育活動に対する問題とか、あるいは授業や指導計画に対する評価、あるいは授業改善に資するという、これでも言っていますように、まさにカリキュラム編成は学校現場にあるわけですから、そうであれば、学校や子供たち一人一人に応じた評価の在り方が大事になってくると思うのですね。今、梶田先生が言われたように、だんだん上に行って、都道府県の統一性とか、あるいは国としてのある程度の基準ということになってくると、一人一人の子供たちからずっと離れていくような気がするのですね。そうでありましたら、学校での評価は子供たちにどういう意味を持ってくるかになってまいりますので、これは今、ここに11ページから13ページにありますように、子供たち一人一人の学習に資するような評価になることを、もっと徹底させるべきではないかと。そのためには、学校に対する裁量というものを、もっと大幅に認めていかなくてはいけないのではないかという気がいたします。
 それから3つ目は、ここにもずっとありますが、指導要録になってくると、全く個人の評価とは違って、別な意味を持ってくるわけですね。例えば中学だったら、高校入試になってきたり、あるいは高校に行くと、また就職の問題になってきたり、あるいはまた、いろいろな問題が出てきて、非常にこれが子供たち一人一人に対する1つの社会的な評価基準という形になってきてくる要素があるわけですね。そうでありましたら、ますます、この要録が持っている意味をもう一度見直さなければならないのではないかと思うのですね。今度の場合、時間もございませんので、そこまで抜本的な提起はないかもしれませんが、そういうことをぜひやっていただければと思います。
 最後に、今、電子化の問題等を含めて、簡潔あるいは簡素化の問題がよく出ております。僕は大賛成でありまして、例えば文部科学省が調査していただきました教員の生活の中で、成績評価をほとんど家に持ち帰ってやっているという実態があるわけですね。持ち帰ってやっても、これは客観性が本当にあるのかと自分でも疑問に思いながらも、やむを得ずやらざるを得ないからやるのですよね。そういうことであってはいけないような気もいたしますので、もっと評価あるいは要録の簡素化と妥当性と教職員の職務の軽減ですね。そのためには例えば教務職員という形をとって、教員は評価するけれども、あと、それの整理だとか、あるいはそれをどう使うか、あるいはどういう記録をしていくかについては、教務職員という形のものをとって、そういう形で軽減もしていくという方向も検討に値するのではないかというようなことであります。
 そういう面では、私は先日、教育課程部会の方で発言しましたが、一定程度、ワーキンググループでも検討していただいて、あるいは言葉も変えていただいているところは非常に感謝したいと思っています。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。では、隂山先生。

【隂山委員】
 すみません。3点申し上げます。まず1点目は、観点なのですが、「知識・理解」と「技能」を1つにまとめるかどうかは別問題として、これを基礎基本として大枠で固めると。そして表現等を応用としてまとめると。そして「関心・意欲」というものをやる気としてまとめるということで、非常に整理がされたように思います。そういう点では非常に評価しやすくなったことはまず一点です。
 2点目、これが少し気になるのですが、先ほどから出ている議論が一つそうなのですが、学習の評価をするときに、成果を評価するのか、努力を評価するのかというところが、やはり結果を求められる一般社会や保護者の方々と学校現場にいる者からすると、努力する子供たちは認めてやりたいと。子供たちは学習の素人といったら言い方は変かもしれませんが、研究者ではありませんから、努力というものが将来の可能性を生むという点では、この努力をできるだけ評価をしたいという思いが学校現場にはあります。ですから、この点がきちんと整理されることをはっきりさせておかなければならないと思うのですね。ですから、全国の統一学力テストなるようなものが行われる現状を鑑みれば、成果の評価が基本であることは、ここで押さえておく必要があるように私は思います。そしてその上で、ここでも個人内評価として、その努力をうまく活用しましょうということが書かれています。こういう点を活用していただいていけば、私はかなり、この基準というようなものもはっきりしてくると思うので、適正な評価に向かうのではないかと思っています。
 3点目は少し趣が違うのですが、指導要録とかの電子化の問題であります。先日、シンガポールで行われましたICTを使った教育コンクールというものがございました。そこで私は審査員として参加させていただいたのですが、大変恥ずかしい会でした。というのは、こういうふうな校務処理を今もってきちんとした国が仕切った電子システムでやっていないのは日本だけだったのですね。ですから、そこへ持っていったときに、そもそもトヨタだ、パナソニックがある国がこんなことをやっているはずがないだろうというので、ちょっと返事に困ってしまったと。そうしたら、隣にいたシンガポールの大学の先生が、「いや、日本ってこういう国なんだよ」と言われてしまって、全然フォローになっていないと。ですから、この観点については、現実問題として、特に小学校6年生なんかの担任をしますと、通知表をつけて、指導要録をつけて、それを即座に中学校に証本として渡さなければいけないと。しかも、卒業を迎える最後の最も大事な時期を事務作業に追われるという現実がございます。そういう観点でも、この電子化を進めていただくことはほんとうに子供たちの教育活動そのものにも大きくかかわってきますので、積極的に前倒しで予算をつけて進めていただきますことをお願いしたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。まだいろいろと御意見はあるかと思いますが、大体、教育課程部会で、この前、いろいろと御意見をいただいたことを一応盛り込んでいただいて、今回の報告になっております。今、いただいた御意見にも非常に大事な点が随分ありますので、これは3月中に通知を出していただきます。また、文科省から、これについていろいろと御指導を、中身的な指導、もう少し解説して指導するようなものを出していただきます。また具体的に現場でどうするかということにつきましては、国立教育政策研究所から資料を出していただくことになっています。そういうところに今日いただいた御意見を生かしていただくと。文科省の方で、今日は十分、記録をとっていただいておりますので、生かしていただくということで、この資料4-2、この報告を、これは教育課程部会としての了承ということになりますが、この場の委員の方々で御了承いただけますでしょうか。

【田村副分科会長】
 一言いいですか。

【梶田分科会長】
 どうぞ。

【田村副分科会長】
 ありがとうございます。特に今のことについて異議があるわけではないのですが、一つだけ、もし、これはこれからの問題にもなると思うのですが、実は幼稚園から大学、大学院までを通して、キャリア教育という問題点を取り上げて、今、かなり長い時間をかけて審議をしている最中なのですね。初等中等教育におけるキャリア教育がどういうものであるべきかとか、どういうものが高等教育につながっていくのだろうかとか、あるいは幼児教育におけるキャリア教育にはどういう意味があるのだろうかということを、今、まじめに議論しているわけです。これは従来、文科省で議論しているテーマは大体、横割りなのですね。高等教育は高等教育しかやらない。初中は初中しかやらない。幼児教育は幼児教育しかやらないと。つながるものが、意識して、あまり取り上げられていなかったという歴史があります。それはそれで意味があったのですが、今回初めて、もう1年以上になりますか、幼稚園から大学院までをやろうというので、キャリア教育・職業教育に関する特別部会を立てて、つなげて議論をしているわけです。それが今の観点の中には、何かの形で生かしてもらえるといいなという気がするわけです。
 いずれにせよ、「志は気の帥なり」という有名な言葉がありますが、志を持つということは、とにかく教育のスタートですから、その部分についてキャリア教育という形で考えてもらうというようなことを、評価するときに考える視点があることは大変意味があるのではないかという気がするのです。漫然と興味関心、こういったようなことを取り上げても、なかなか書きにくいという問題が出てくるのですが、今の切り口で考えると、1つの答えが出てくるのではないかという気がしております。国教研でかなりこの点については分析してくれていますので、これから先の課題で、ぜひ一つ、取り上げていただけるとうれしいということで、一言申し上げさせていただきました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。非常に大事な視点だと思います。今のことも含めて、これから、この評価、子供がどう育ってきたかと。これをどう見ていくかと。これをそれ抜きで、教師として頑張りました、学校として頑張りましただけでは済まない部分がありますので、これをきちんとやっていけるように文科省の方で通知を出していただくことでお願いしたいと思います。
 それでは一応、資料4-2は、一応、これまで出てきました視点が、私も実はあらかじめ見せていただきましたが、ほぼ入っておりますので、「(案)」を取らせていただいてよろしいでしょうか。

 (「異議なし」の声あり)

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。それでは、これに基づいて文科省で、必要な次のステップをやっていただきたいと思います。
 では、急ぐようですが、今日はたくさん大事な問題があるものですから、議題(3)にまいります。「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について」ということです。これは教員養成部会が決めて答申することになっております。したがって、ここでは報告をさせていただくことになります。教員養成部会は昔の、2000年までの教育職員養成審議会ですから、ここで決めて答申をしております。この教員養成部会も私が部会長をしておりますので、私から報告をさせていただきます。
 これは毎年1月に、いろいろな大学が、教員免許を出す課程を申請しております。これについて教員養成部会で審査してくださいという諮問が出ます。教員養成部会では、その下に課程認定委員会を作っておりまして、この課程認定委員会と事務局の教職員課が一緒になりまして、何百と出ますので、これをずっと検討させていただいて、そのプロセスで必要な指導助言もさせていただいて、最終的には大体こういうことでどうでしょうかということで、教員養成部会を開いて報告していただいて決めることになっております。ですから、今回報告させていただくのは、平成22年、今年の1月25日に教員養成部会での答申ということで決めさせていただいたものであります。
 参考資料2をごらんいただきたいのですが、こういうことでやっておりますということです。そして、この結果、今回、前の年度、20年度に比べまして35減りまして、185大学につきまして新たに認定をいたしました。これはなぜ減ったかといいますと、教職大学院ができて、それ絡みでの課程認定があったのですが、これが一段落したということがございます。
 それからもう一つ、この課程認定と付随しまして、今度、免許を出すためにカリキュラムが少し変わり、教職実践演習が入りました。これは平成22年度入学のカリキュラムから導入されておりますが、これをどうするかにつきましても審査をさせていただきました。
 この課程認定委員会で、まず原案を作っていただきまして、これを教員養成部会として、これでよろしいでしょうということで、その原案どおりに認定をしております。
 こういうことでやっているわけですが、実際には一回、課程認定を受けますと、なかなか気持ちが緩むといいますか、そういうこともありますので、これは教職員課でも毎年、チェックしていただており、また、課程認定委員会のメンバーの方、あるいは教員養成部会のメンバーの方、あるいは視学委員として、そういうことを今までやってこられた方々、この人たちでチームを作りまして、実地に大学を訪問して見ていただいて、その場でも御指導させていただく。同時に仕組み上、問題がありそうなものは持ち帰って、教員養成部会でまた議論させていただくと。こういうことになっております。例えば小学校の教員免許を出す課程を認可されたところが、行ってみますと、小学校で必要とされる観察実験を実際に実習するような施設がなかったとか、そういう御指摘を委員の方からいただきまして、これはつけなければいけないとか、そういう指導をさせていただくとか、あるいは最近、随分、法律でそれはだめと書いていないからということで、例えばスポーツの学科で、違う種類の体育ではない免許を出したいというのがあったりですね。そういうものは実際に行きまして、これが変な形で運用されないように指導させていただいております。
 というようなことで、これは報告ということで、特に初中分科会の皆さんには、そういう動きをしておりますということを御理解いただきたいと思います。
 それで次に議題(4)として、実は中身のある大事な問題がございます。これは特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議、これがずっと動いていて、特別支援教育が新しい仕組みになったものですから、なかなか現場でもしんどい思いをしておられます。これをスムーズにということで、この会議でずっと審議していただいておりました。これの審議経過の報告という形で、今までのまとめがされましたので、特別支援教育課長から御報告いただきたいと思います。

【斎藤特別支援教育課長】
 それでは、特別支援教育課から、この協力者会議の経過報告について簡単に御説明申し上げます。
 この会議は平成19年度から新たにスタートいたしました、新しい特別支援教育の枠組みに基づく取組の実施状況を評価しながら、今後の特別支援教育の具体的な推進方策をさらに検討していこうという目的のもとに平成20年7月に設置されました。これ以来、あわせて21回の審議検討を行ってまいりまして、既に昨年2月の段階で障害者権利条約批准に向けた検討など、国内外の動向を念頭において、一つは中間まとめを行ったところでございます。これは早期からの教育支援の在り方についてということです。この件につきましては、昨年、既に中教審の分科会でも概要について御報告を申し上げたとおりでございます。
 さらにその後、昨年4月からは、この協力者会議のもとに高等学校のワーキンググループを設置いたしまして、夏までに計7回、会合を開催いたしまして、高等学校における特別支援教育の推進についてという報告をまとめ、既に公表をさせていただいております。これについても後ほど、若干御紹介いたしますが、その後もさらに残された課題について検討を行いまして、今回、審議経過報告という形で一応、事実上の最終報告でございますが、御報告をさせていただくというものでございます。
 それでは資料6-1です。資料6-2が本文でございますが、これを若干参照させていただきながら御説明いたします。
 まず資料6-1でございます。まず特別支援学校ですが、改正された新しい学校教育法の下で、その適正配置あるいは計画的整備、特に複数障害への対応、センター的機能の発揮等についての御提言が、この報告に出ております。それから、副籍、支援籍といった仕組みを含めた居住地校交流の進んだ仕組みですが、そういった交流及び共同学習の在り方、それから職業教育、就労支援についての御提言も幾つかいただいているところでございます。
 それから2番目の早期からの教育支援、就学相談・指導につきましては、先ほど御紹介いたしました昨年2月の中間とりまとめで既に関係の提言が出ておりまして、これにつきましては本文の中で57ページに参考の図が出ておりますが、従来は、就学基準に照らして該当するお子さんは原則、特別支援学校、それから例外的ケースについて認定就学というプロセスが現行とられているわけでありますが、これについて障害者権利条約への対応ということも念頭に置きながら、下の図のような仕組み、具体的には就学基準に加えまして、障害の状態あるいは教育的ニーズ、保護者の意見を十分に踏まえながら、専門家の意見、学校の状況も勘案し、総合的判断をした上で市町村教育委員会の判断として、特別支援学校ないしは地域の小学校への入学の通知を出していくということでございます。その際に保護者の意向を十分に踏まえるという観点から、この下にあります個別の教育支援計画というものをツールとして活用していこうと。こういった仕組みに見直していくべきであるという提言をいただいております。
 概要に戻っていただきますと、特にこの件については、今現在、内閣府を中心に政府全体の障害者関連の施策の在り方について、「障がい者制度改革推進会議」というものが設けられ、障害当事者を含めた精力的な検討が行われておりまして、この就学のプロセスについても大変熱心な議論がされております。なかなか教育関係者の意見が十分入っていないという問題も現状はございますが、さらに今後、現場の声なども踏まえながら、就学先の決定の仕組みについて、この協力者会議の提言なども踏まえながら検討されることを期待したいということで、この報告では記述しているところでございます。
 続いて3でありますが、小・中学校における特別支援教育ということで、校内体制の整備、特に校長先生のリーダーシップであるとか、全校的体制の整備、あるいは特別支援教育コーディネーターが大変重要な存在ですが、その養成の在り方、複数配置、あるいは地域全体での推進強化という観点、それから、個別の教育支援計画あるいは指導計画ということで、このための実態把握、専門性やノウハウについて、地域の小学校をいかに支援していくか。さらには類似の計画等の整理といった点について御意見・御提言をいただいております。
 それから、小・中学校で特別支援教育をしていく場合の、大変重要なリソースといたしまして、特別支援教育支援員についてであります。これについては、地方交付税による措置対応が進んでおりますが、その配置の促進、あるいは地域格差の是正についての提言をいただいております。それから特別支援学級、通級指導、これも対象児童数がどんどん拡大しておりますが、これに応じて担当教員の専門性の向上ですとか、その実態に応じた教育課程の編成の在り方について御提言をいただいております。
 さらに、これはインクルーシブ教育システムを意識した構想として、既に中教審の答申でも御指摘がありました特別支援教室構想であります。これは具体的な教員配置のシステムの在り方等々について、いろいろ検討課題は多い状況ではございますが、資料6-2の本文で御紹介いたしますと、17ページに記載がございます。これについては研究開発学校という形で、国内のいろいろな小・中学校において、今、実践的な試行的なプログラムの検討なり、研究が進められております。こういった研究開発学校の成果として、例えば埼玉県熊谷市の中学校の取組等、非常に効果であるとか、有効性を示すデータも得られつつございまして、これを踏まえながら、具体的な進め方、制度化につきまして、従来の特別支援学級での指導の在り方、あるいは通常の学級での授業形態、評価方法等について整理していくことが必要である。その他、特別支援教室構想の具体化に向けてのいろいろな課題、検討点について御提言・御指摘をいただいているところでございます。
 概要版に戻りまして、2ページ目にまいります。4番目、高等学校における特別支援教育でありますが、これについては先ほど申し上げたとおり、ワーキンググループの報告書が昨年の夏に出ております。その概要が本文の60ページにポンチ絵でまとめてございます。参考資料としてついておりますが、まずは高等学校における特別支援教育の現状・課題として、進学者全体の約2%ぐらいが支援を要する生徒さん、これはおそらく発達障害が中心でございますが、特に全日制に比べて定時制、通信制に相対的にたくさんおられるという点が浮かび上がってきておりまして、その対応として、まず入口側の支援については、入試における配慮・支援が必要であると。特に中高の連携が重要であるという御提言をいただいておりまして、今度は高等学校に入ってからの体制、指導の充実としては、例えば専門性のある支援員の配置ですとか、通級指導に類する実践を行っていくべきではないかと。ただ、各地域で結構要望がございます特別支援学級の設置等につきましては、まずは通級に類する実践などを積み重ねがら、高校では既に教育課程の弾力的な運用も可能になってございますので、将来の課題として、この制度化、特別支援学級なり、通級指導についての検討を将来進めていくという方向が打ち出されております。それから出口側の支援といたしまして、キャリア教育・就労支援につきまして、これは最近、特に非常に重要な課題になっておりますが、特に発達障害の生徒さんを中心に、いわゆるソーシャルスキル、社会的な対人関係といいますか、こういった点が課題として挙がっておりますので、そのトレーニング(ソーシャルスキルトレーニング)を特別支援学校との連携などを通じて強化していく。さらに学校と企業の橋渡しのできる人材を配置していくべきといったような提言をいただいております。この高校の関係の課題につきましては、既に概算要求と、その具体化の取組を進めようということでやっておりますが、なかなか予算状況が厳しい中であり、引き続きその充実、推進に取り組んでいくことが必要という提言をいただいております。
 概要版に戻りまして、5番目の項目、これは大変重要な項目でありますが、特別支援教育の担当教員の専門性ということで、それぞれ特別支援学校の教員、小・中学校の担当教員、さらには通常学級の担当教員、それぞれの専門性につきまして、さまざまな課題なり、提言をいただいております。一つは専門性の向上については、特別支援学校について、免許状保有率の向上という大きな課題がございまして、あわせて、教育職員免許法の附則に定められました「当分の間」という条項、これは将来、時限的に廃止する方向で考えていくべきではないかといった御意見もございますし、弾力的な人事上の配慮が必要という御意見もいただいております。それから、小・中学校の特別支援学級、通級指導等の担当教員につきましても、特に専門性の担保という点で、最近、特に若手の教員の方が多くなっております。その支援をどういうふうに進めていくか。さらには、その免許状取得のための環境をいかに整備していくかという点について課題が挙げられております。さらに小・中学校の通常学級、広く学校全体での取組という点からは、特別支援教育に関する基礎的な知識に加えて、学級経営力とか、授業力といった教員としての基本的資質の総合力を上げていくべきであるという御指摘、そのための具体的かつ実践的な研修といったものが必要だという御提言をいただいております。
 最後に6番目といたしまして、学校外の人材、関係機関、あるいは民間団体との連携という点で、一つは、いわゆる専門家との連携といたしまして、医療、保健、福祉、労働といった専門機関との連携、さらには理学療法士とか、言語聴覚士といった外部専門家の活用、さらには学校単位、地域単位での支援体制をいかに整備していくかという外部機関との連携が課題として挙げられております。さらに最後の項目ですが、親の会、NPO、これが大変、最近では教育行政にかかわり、非常に効果的なプレーヤーとして入ってきておりまして、その際、新しい公共という視点も踏まえながら、各地域のNPO、親の会、ボランティア組織なども活用しながら、効果的連携あるいは有機的なネットワークを構築して、必要な支援をさらに強めていくという方向が提言されてございます。
 非常に駆け足でございますが、以上、協力者会議のポイントについて御紹介をさせていただきました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。この協力者会議の副座長として、宮﨑先生がまとめ役をしてこられましたので、宮﨑先生からも一言お願いいたします。

【宮﨑委員】
 ありがとうございます。それでは、今、課長から報告がございましたが、私は、きょうの会議の中身で、先ほど2点あったこととかかわってお話をさせていただきます。
 1点目は、今後の学級編制、教員定数改善の在り方に関する検討とかかわってお話をさせていただきます。特に検討課題の2番目の新学習指導要領の円滑な実施など、教育課題に対応する在り方についてともかかわるわけですが、今般の学習指導要領の総則の中で、個別指導やグループ指導、あるいは繰り返し指導、習熟度に応じた指導など、個々のお子さんに対応する仕組みを作っていきましょうというようなことが重要になった。そのことは特に学習指導要領の解説等で学校の体制の整備というようなことから検討の中身が書いてあるわけですが、きめ細かい指導をしていく場合に、具体的に個々のお子さんに対するケース会議等、充実した支援の在り方を整備していくことが必要になるだろうと。そういった観点から、先ほど室伏委員がおっしゃったことと関係するのですが、学校の体制整備をどう機能させていくかというか、具体的に学校の資質を高めていく、学校組織としての質の改善を図っていくと。さまざまな教員の仕組みというのでしょうか、それぞれの役割を明確にして、一人一人のお子さんに対応する仕組みを作っていく必要があるだろうと。この辺りについて私どもは校内体制の整備、特に小・中・高等学校の特別支援教育の在り方で提案をさせていただいているということがございます。
 そしてあわせて、個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成するというようなことを早期から対応していくような仕組みを作りたいということで提案をさせていただきました。この報告書の資料6-2の59ページ、60ページなどは、まさにそこに対応する内容として書いてあるものであります。高等学校にもかなり発達障害のお子さんが入っている現状から、学校での体制の充実強化と具体的な指導の充実をどう図っていくか。これは小・中学校でも全く同じだと思いますので、こうした取組をぜひ入れて、教員の定数改善といったようなことについてもお考えいただければと思っております。
 ついでに、先ほどの児童生徒の学習評価の在り方に関しても、個々のお子さんの学びの構造が違っている。特に発達障害などは、少しその辺りに通常のお子さんとの認識のずれや、あるいは考え方そのものに少し違うことがありまして、このお子さんたちの実際に行動の観察ですとか、思考がどういうふうになっているかという辺りをしっかりと見極めて、丁寧にお子さんを見ていく必要があるだろうと。このことは先ほどの報告書にも書いてくださっているので大変ありがたいと思うのですが、学校現場で、そういった仕組みが十分できていくまでにはかなり時間がかかるだろうと。評価に関しては、障害のないお子さんとの評価の考え方とは基本的には変わりないわけですが、その辺りの見とりをどうしていくかが大きな課題になるだろうと思っております。こうしたことを今後ともぜひ各現場で推進していただければと思っています。
 なお、今回、1年半にわたる審議をしたのですが、経過報告という中途半端なものになっております。それは一つは新しい政権になって、障害者施策そのものがいろいろと検討が始まっていることなどから、具体的には今回には経過報告という形でとどめている。今後、今の政府の中での障害者施策がどんなふうに展開されるかを見極めながら、また、この中身はさらに検討していただきたいと思っております。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。今、最後に宮﨑先生から御説明いただきましたように、政権全体としての方向性が今、策定途上であるということで、この審議経過を、初等中等教育分科会の報告にしていただいたというところでとどめたいということになっております。今、斎藤課長、宮﨑先生から、そういうことで内容をですね。資料6-2を読んでいただきますと、これはなかなか入念に書いてありますが、そういう御報告を受けたということに本日はとどめたいと思います。
 急ぐようですが、次の議題になります。全国学力・学習状況調査につきまして、岩本参事官からお願いいたします。

【岩本参事官】
 資料7-1で御説明申し上げます。平成21年度の学力調査の結果が記されております。それから資料7-2で、いわゆる調査方式の見直しというものを平成22年度の調査から実施いたします。そのことでございます。資料7-3で、学力調査のほかに、これまで教育課程実施状況調査、国際的なTIMSSあるいはPISAといった国際学力調査のそれぞれの目的、概要について整理をしております。
 最初に資料7-1でございますが、全国学力・学習状況調査につきましては、平成19年度から21年度の3か年にわたりまして、小学校6年、中学校3年の国語、算数・数学ということで、全国悉皆調査で実施してまいりました。そして、「知識」に関する問題、「活用」に関する問題、それから生活習慣や学習環境に関する質問紙調査などで調査をしてまいりました。その結果、ここにもございますように、3年間の悉皆調査の結果、全国、各地域別のかなり信頼性の高いデータが蓄積されたと評価しております。そして教育に関する検証、改善サイクルの構築も着実に進んできたと考えております。実際、調査結果におきまして、例えば知識や技能を活用する力が全般的に課題があることがわかりました。また、それが大都市、中核市、町村、へき地ごとの状況につきましても大きな差は見られないということでございますとか、あるいは関心・意欲・態度に関する点については多くの改善傾向が見られております。また、その後の追加分析もいたしまして、例えば習熟度別少人数指導の効果ですとか、それから、個々に応じた指導の必要性も明確になってまいりました。これらを踏まえて、学習指導要領の改訂、あるいはそれぞれの国における教育施策の改善というものを図って推進しているところでございます。また各都道府県、市町村等におきます教育施策についても改善が図られておりますし、個々の学校におきましても、教育指導の充実ということで、取り組んできているところでございます。
 その上で資料7-2にございますような、平成22年度におきまして、学力調査の調査方式の見直しということになりました。これは本年4月20日に学力調査を実施する予定でございますが、これまで学力調査が目指してきました大きな調査目的、つまり義務教育の機会均等とその水準の維持・向上ということを図るために、全国的な学力の状況を把握して、教育施策の改善とか、あるいは学校における教育指導の充実に生かしていくと。そういう本来的なねらいの部分は、これからも継続していく必要があるだろうという考えのもとに、22年度も調査いたします。そして、そういった目的を実現する上で、必ずしも悉皆調査ではなくても、新しい調査方式で対応できるだろうという考え方のもとに、調査方式の見直しに至りました。
 新しい調査方式におきましては、まず全国及び都道府県別の学力の状況を把握いたします。そこの部分につきましては、必ずしも悉皆調査ではなくても、一定の抽出数を選んで、抽出調査ということで対応できますので、そのように切り換えました。国公私立にわたります全国の状況、公立学校全体の状況、私立学校全体の状況、国立学校全体の状況、それから公立学校につきましては、都道府県別のデータ分析をこれまでと同様に行ってまいります。もちろん調査の対象学年、内容につきましては、これまでのものを継続いたします。
 そして、都道府県レベルの学力の状況を把握するためには一定の調査の精度が必要でございまして、各都道府県ごとの調査結果が、平均正答率でいえば95%の確率で、プラスマイナス1%の誤差になるようにということで調査の精度を保ちました。これらによって、これまでよい取組をしてきている成果なども分析できますし、いろいろ課題がある部分も各都道府県において把握することができます。結果としまして、全国平均では、小中の平均で約30%、中学校については約44%、小学校については約25%となります。都道府県によって、少し母体となります学校数も違いますし、過去のバラツキの度合いも違いますので、抽出率については都道府県ごとに差異が出ております。
 これでしっかり都道府県までの調査の結果を出していきますが、市町村別、学校別に関しては、これは調査の精度の問題で、そこまでは出ません。実際、現状の問題としまして、市町村、学校レベルで、より詳細な学力を把握したい、あるいは一人一人の児童生徒の学力も、これをもって把握したいという御要望もございます。それを踏まえまして、基本的には地方自治体、学校において独自の調査をやっていらっしゃって、またこれまでの3年間のデータなり、抽出調査の結果というものを踏まえて、分析なり、指導もできる、改善もできると考えております。
 また実際、抽出調査の対象となった学校についても、全国学力・学習状況調査を活用して、学力の把握、教育施策の改善、指導の充実を来年度においてもやりたいという御希望があるところにつきましては、希望利用調査という方式をとります。これで集計には含めませんが、抽出調査と同一の問題を国費によって作成、印刷、配送させていただきまして、抽出調査と同じタイミングで各学校に調査問題が届くようにいたします。その上で調査結果の取りまとめ、つまり採点、その後のことにつきましては、市町村教育委員会等、学校設置者の責任のもとでやっていただくということでございます。それによって柔軟に、その後の児童生徒へのフィードバックとか、指導に生かしていくことができるというメリットを考えて、そのような方式にいたしました。
 なお、それぞれの採点のバラツキとかがないようにいたすために解答例、あるいは設問の趣旨とか、そういう正答の条件につきまして整理をいたしまして、調査実施後直ちに各学校に配付いたしまして、公表もいたしまして対応していく予定でございます。
 なお、それで12月28日に具体的に文科省で抽出対象を選定いたしまして、各教育委員会や、学校法人等の、学校設置者に御協力をいただく旨を、学校名をお示ししまして、お願いをいたしました。
 それから、抽出対象外の学校につきまして、希望利用調査の御希望を受け付けました。この結果、資料7-2の後ろのほうにございますが、抽出対象にならなかった学校のうち約6割の学校が希望利用調査を希望する結果になっております。全体のすべての学校数を分母としまして、抽出対象になった学校、希望利用で把握される学校、これらを合わせると約7割というデータになっております。
 以上、そのようなことで、来年度の調査方式の見直しを、調査の本来のねらいとするところは継続していくこととし、その上で目的実現のために調査方式を見直したと。そういう内容でございます。
 なお、資料7-3には、それぞれ全国学力・学習状況調査以外の既存の調査、これは今後、またこれらの調査についてどのように対応していくのかという御議論が必要になってまいりますが、教育課程実施状況調査のように、学習指導要領の改訂等に資するために、教育課程の実施状況について約10年に1回程度、調べているものもございます。それから、算数、理科についてTIMSSで、PISAで読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシー、これらの調査をしているところでございます。
 なお、全国学力・学習状況調査につきましては、平成23年度以降の調査につきまして、改めて今回の調査方式の見直しの状況とか、いろいろな関係方面の御意見もお聞きしました上で、今後の調査の在り方、あるいは教科を増やしてはどうかという問題提起も、学力調査発足のときから、将来の課題としてはございましたので、そういうものも踏まえて、幅広く教育関係団体や市町村教育委員会等の御意見もお聞きまして検討していく予定でございます。以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。時間が短くて、参事官は本当に苦労して短く説明していただきました。今、国がやっているいろいろな調査、国際比較も含めて、学力調査は幾つもありまして、これはしかるべきときに初中分科会に出していただいて、皆さんで、やはり整理できるものは整理したほうがいいし、お互い組み合わせて活用できるものがあれば、組み合わせ方も御議論して、皆さんの御意見もいただかなければいけないと思っております。
 今回、この4月20日に予定されております次の全国学力・学習状況調査に絞って、参事官から御説明をいただきました。要は、これは本当は大臣が、あるいは副大臣がおられて、御説明いただいたらいいと思うのですが、何度も繰り返しおっしゃっておりますのは、これは単なる行政調査ではないということです。やはり一人一人の子供に力をつけなければいけないと。そういう意味で、これをやっているのだということを最近、いろいろとおっしゃっております。ですから、行政調査ということであれば、これはいろいろと整理統合する道もありますが、ほかにこういうものはないものですから、これは大事にしなければいけないということで、予算は大きく削られましたが、その分、地方自治体にある意味で負担してもらって希望参加という形で多くの学校に参加していただくことになっています。参加希望の場合は、結果の整理だとか、分析について地方自治体に少ししわ寄せが行きましたが、小中を合わせると73%が結局、抽出か希望利用かで参加してくださる。100%というところは11県があります。95%は16県あると。あるいは90%以上だったら21県あるという形で、これは都道府県の子供に力をつけようという取組の状況を反映していると私は思っています。
 これも今回、報告というところにとどめさせていただきました。これはまた、しかるべきときに、この4月にやった結果の報告も、この初中分科会でやってもらえたらなと思っております。
 ということで、今日は駆け足で申しわけありません。最後にもう一つあります。高校実質無償化につきまして、これは予算化されましたが、この状況につきまして袖山主任視学官からお願いいたします。

【袖山主任視学官】
 それでは資料8-1と資料8-2をごらんいただきたいと存じます。
 いわゆる高校の授業料の実質無償化に係る施策につきましては、先ほどの鈴木副大臣のあいさつの中にもございましたが、平成22年度の予算におきまして3,933億円の予算が計上されているところでございます。また、これを実施に移しますための法律案、お手もとの資料8-2にお配りをしてございますが、こちらの法律案について現在、国会で御審議をいただいているところでございまして、現在、参議院で御審議をいただいているところでございます。
 これにつきましては、国会で法律が成立いたしたならば、この4月から実施をするということで準備を進めているところでございます。具体的な内容につきましては、資料8-1で簡単に御説明申し上げたいと存じます。
 この法律案の趣旨でございますが、家庭の状況にかかわらず、すべての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、公立高等学校の授業料を無償化するとともに、高等学校等就学支援金を創設して、家庭の教育負担を軽減するというものでございます。
 具体的な制度の概要でございますが、この法律案における制度の対象となります学校種は国公私立の高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部、高等専門学校の1年生から3年生、それから専修学校・各種学校等につきましては、このうち、高等学校に類する課程ということで、文部科学省令で定めるものが対象となるところでございます。
 具体的な措置の内容でございますが、まず公立高等学校につきましては、法律により、原則として授業料の不徴収が義務化されることになるわけでございます。真ん中の図をごらんいただきたいと思いますが、このことによりまして、公立高等学校については、授業料が不徴収となることによりまして、公立高等学校の運営費の授業料相当分について不足が生じることになりまので、この部分について国費によって計上する、負担をすることによりまして、この授業料の不徴収を実現するという仕組みになっているところでございます。
 それから、公立高等学校以外の私立高等学校等につきましては就学支援金を支給することによりまして、授業料の一部分について助成をするという形になるわけでございます。この額については基本的には11万8,800円という額でございまして、これは今現在の公立高等学校における授業料とほぼ同等の額ということになってございます。
 また、こちらの就学支援金につきましては、所得に応じて一定額を、この11万8,800円について1.5倍ないし2倍をした額を支給すると。具体的に低所得世帯の家庭に増額をして支給することを予定しているところでございまして、具体的に申し上げますと、両親と子供2人の世帯で申しますと、大体年収250万円未満程度の方については2倍、250万円から350万円未満の方については1.5倍に額を増額して支給をするということにしているところでございます。
 具体的な支給方法については一番下の図をごらんいただきたいと存じますが、生徒からの申請に基づいて、学校設置者を経由して、都道府県にその申請が届きまして、都道府県から学校設置者に対して就学支援金が支給されることになります。この学校設置者に支給された就学支援金については、そのまま生徒に渡すのではなく、いわば代理受領ということで、学校において生徒が本来支払うべき授業料の一部に当てられると。授業料と相殺というような形になるわけでございます。このことによりまして確実に支援金が授業料に当てられるとともに、また事務についても大幅に軽減されるということが期待されるわけでございます。また、国は、この事業にかかる経費をすべて負担すると。都道府県に対して支払うというような仕組みになっているところでございます。
 大変簡単でございますが、以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。初めに言われたところに比べて、私立学校にもきちんと同じように補助することができたと。それから、高等学校ではないけれども、高等学校の同年齢層の子供たちを教育している学校、そういう学校については省令でその範囲をきちんと根拠を示して定めると。こういうふうになっております。この辺はまだ詰まっていないところがありますので、御承知のように議論はあるところでありますが、そういうことで、しかし、実質的には動いていると。そういうことであります。
 今日は、申しわけありません。予定の時間を過ぎました。いろいろな問題がございましたが、今日、お集まりの委員の皆さんで、今日出た問題で、これだけは言って帰らないと帰り道がどうも、という方がおられましたら、最後に御発言をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
 本当に久しぶりに初等中等教育分科会が開かれたものですから、報告事項が多くて、皆さんの御意見を十分にはいただけませんでしたが、できるだけ間を置かない形で、ぜひ初等中等教育全体について議論できるような機会を持ちたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは事務局からお願いいたします。

【髙橋企画官】
 今後の日程につきましては、今、分科会長からお話がございましたが、改めて分科会長あるいは部会長とも御相談の上、改めて皆様に御連絡さしあげたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【梶田分科会長】
 それでは、本日の合同会議、これで終了させていただきます。ありがとうございました。

─ 了 ─

 

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課)

-- 登録:平成22年06月 --